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特表2024-543485弁尖クリップを配置するためのデバイス、システム、及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】弁尖クリップを配置するためのデバイス、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
A61B17/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024528507
(86)(22)【出願日】2022-08-30
(85)【翻訳文提出日】2024-06-21
(86)【国際出願番号】 US2022042079
(87)【国際公開番号】W WO2023086147
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】63/279,473
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ギース、トロイ アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】エッゲルト、ジョエル ティ.
(72)【発明者】
【氏名】バロン、ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ、マシュー ピー.
(72)【発明者】
【氏名】オット、クリステン エリザベス
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160MM33
4C160NN04
4C160NN07
4C160NN30
(57)【要約】
容易には画像化できない材料で形成された植込み型デバイスが、留置部位に対する植込み型デバイスの状態を示す信号を生成する1つ以上のセンサを有する留置/送達デバイスを用いて送達及び留置される。例えば、信号は、組織に対する植込み型デバイスの握持、組織に対する植込み型デバイスの握持の程度、留置部位に対する植込み型デバイスの位置、植込み型デバイスに対する組織の着座、組織に対する植込み型デバイスの接触の程度、又は植込み型デバイス及び/若しくは送達/留置デバイスに関する更なる情報、のうちの少なくとも1つ以上を示す。したがって、植込み型デバイスは、留置部位に対する植込み型デバイスの関係を判定するために画像化される必要はない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植込み型デバイスを経腔的に留置部位に送達及び/又は留置するための送達/留置システムであって、前記送達/留置システムは、
植込み型デバイスを送達及び/又は留置するように構成された送達/留置デバイスであって、前記植込み型デバイスに係合するように構成された前記送達/留置デバイスの一部に沿って1つ以上のセンサを含む、送達/留置デバイスを備え、前記1つ以上のセンサは、前記留置部位に対する前記植込み型デバイスの関係を判定するために前記送達/留置デバイス及び前記植込み型デバイスを画像化する必要がないように、信号を生成するように配置及び構成されている、送達/留置システム。
【請求項2】
前記送達/留置デバイスは、植込み型デバイスを配置可能な座部を含む、請求項1に記載の送達/留置システム。
【請求項3】
前記1つ以上のセンサは、前記座部の少なくとも1つの側部に沿って延びている、請求項2に記載の送達/留置システム。
【請求項4】
前記1つ以上のセンサと結合されており、かつ、前記留置部位に対する、前記送達/留置デバイスの状態、及び/又は前記送達/留置デバイスに関連付けられた植込み型デバイスの状態を示す信号を生成するように構成されたインジケータ、を更に備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の送達/留置システム。
【請求項5】
前記1つ以上のセンサは、蒸着プロセスにより形成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の送達/留置システム。
【請求項6】
前記1つ以上のセンサは、体内組織を区別することが可能なインピーダンスセンサである、請求項1~5のいずれか一項に記載の送達/留置システム。
【請求項7】
前記送達/留置デバイスは、第1のクリップアーム及び第2のクリップアームを有するクリップに動作可能に係合して、前記第1のクリップアーム及び前記第2のクリップアームが互いに間隔を開けられて、前記第1のクリップアームと前記第2のクリップアームとの間に組織が配置されることを可能にする開構成と、前記第1のクリップアーム及び前記第2のクリップアームが互いに隣接して、前記第1のクリップアームと前記第2のクリップアームとの間に組織をクランプする閉構成との間で、前記クリップをシフトさせるように構成された、クリップスプレッダである、請求項1~6のいずれか一項に記載の送達/留置システム。
【請求項8】
植込み型デバイスを体内の留置部位に送達及び/又は留置するためのシステムであって、前記システムは、
第1のクリップアーム及び第2のクリップアームを有するクリップであって、前記クリップは、前記第1のクリップアーム及び前記第2のクリップアームが互いに隣接する閉構成と、前記第1のクリップアーム及び前記第2のクリップアームが互いから間隔を開けられて、前記第1のクリップアームと前記第2のクリップアームとの間に組織が配置されることを可能にする開構成との間で移動可能である、クリップと、
前記クリップに動作可能に係合して前記クリップを前記開構成と前記閉構成との間でシフトさせるように構成されたクリップスプレッダと、
前記クリップに関連付けられて前記留置部位に対する前記クリップの状態を示す信号を生成する1つ以上のセンサと、を備えるシステム。
【請求項9】
前記1つ以上のセンサは、前記クリップスプレッダにより係合された前記クリップに隣接して配置されるように、前記クリップスプレッダ上に設けられる、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記クリップスプレッダは、前記クリップの前記アームのうちの1つが係合される座部を含み、前記1つ以上のセンサは、前記座部の少なくとも1つの側部に沿って配置されて、前記座部内に係合された前記クリップの前記アームのうちの前記1つの少なくとも1つの側部に沿って延びている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記クリップスプレッダは、前記第1のクリップアームに動作可能に係合するように構成された第1のスプレッダアームと、前記第2のクリップアームに動作可能に係合するように構成された第2のスプレッダアームとを備え、
前記座部は、少なくとも前記第2のスプレッダアームに形成されており、
前記第2のスプレッダアームから離れる方向への前記第1のスプレッダアームの移動が前記クリップを前記開構成に移動させ、
前記1つ以上のセンサは、少なくとも前記第2のスプレッダアームに沿って、前記第2のスプレッダアーム内に形成された前記座部の少なくとも1つの側部に沿って配置されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記信号は、前記留置部位における組織に対する前記クリップの握持、前記留置部位における組織に対する前記クリップの握持の程度、前記留置部位に対する前記クリップの位置、前記クリップの前記アーム間での前記留置部位における組織の着座、前記留置部位における組織に対する前記クリップの接触の程度、又は前記クリップ及び/又は前記クリップスプレッダに関する更なる情報、のうちの少なくとも1つを示す、請求項8~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つ以上のセンサは、前記留置部位に対する前記クリップの状態を示す可聴信号又は視覚信号を生成する、請求項8~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記1つ以上のセンサは、蒸着プロセスにより形成されている、請求項8~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記1つ以上のセンサは、体内組織を区別することが可能なインピーダンスセンサである、請求項8~14のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、植込み型医療デバイスの分野に関する。具体的には、本開示は、心臓治療のための医療デバイス、システム、及び方法に関する。より具体的には、本開示は、例えば、心臓に人工腱索を送達及び植込みするために、弁尖クリップを心臓弁に結合させるための医療デバイス、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
房室心臓弁機能不全を含む心臓疾患は、患者の心拍出量を妨げ、それにより患者の生活の質及び寿命を低下させる。心臓を通る血液の適切な流れは、とりわけ、房室心臓弁を含む心臓弁によって調節され、心臓弁は、血液が一方向に流れることを可能にするように周期的に開閉する軟組織弁尖を含む。健康な弁尖は、反対方向への血流(逆流)を防止する。弁尖から乳頭筋まで延びる腱索が、収縮期閉鎖中に、例えば、負荷を乳頭筋に分配することにより、及び弁尖が心房内へと揺れ動くことを防止することにより、弁尖が適切に機能することサポートする。心臓疾患が進行するにつれて、心室の乳頭筋を弁尖に接続する腱索は、非弾性的に伸長する場合があり、断裂する場合がある。腱索の様々な欠陥若しくは故障、又は他の不適切な機能、例えば、伸長、断裂、肥厚、収縮、石灰化、非弾性伸長、又は弾性における他の変化などが、正常な心臓機能のための弁封止を形成する能力をもはや有しない場合がある、心臓弁の不適切な閉鎖(例えば、密封)及び/又は揺れ動く弁尖をもたらす場合がある。心室から心房への異常な血流逆流が発生し、心血管系を通して送達されるべき血液の適切な供給が妨げられる場合がある。
【0003】
損傷した又は他の障害のある弁尖を修復するために、様々な弁尖クリップが開発されている。このような弁尖クリップは、開心術を必要とせずに、経カテーテル技術を使用して留置され得る。(切開かつ侵襲的手術を必要としない)経カテーテル手順又は他の非侵襲的手順は一般に、標的とする解剖学的構造及び植込みツール(送達及び留置ツール、並びに植込みツール自体)の両方を同時に可視化することを必要とする。残念ながら、現在の可視化ツールは、組織と、植込みツールが作製される生物体由来でない材料(例えば、金属、ポリマー、セラミックなど)との両方を識別することができない。超音波は、組織を容易に識別するが、多くの異物、特に、医療デバイス並びに関連する機構及びシステムにおいて一般的に実装される金属構成要素に関して困難を有している。したがって、デバイス及びシステムは、影を投じる傾向があり、標的とする組織の視認、並びに多くの場合、デバイス及び機構の視認も妨害する。蛍光透視法は、高密度の物質を見るのに適しているが、一般に多くの軟組織(例えば心臓弁尖)を可視化するのには適していない。
【0004】
組織に対する心臓弁弁尖クリップなどの植込み型医療デバイスの握持、及び/又は医療デバイスの適切な植込みを検証するためのソリューションが歓迎される。
【発明の概要】
【0005】
本開示のこの概要は、理解を助けるために与えられており、当業者であれば、本開示の様々な態様及び特徴のそれぞれを、有利には、いくつかの実例では別個に、又は他の実例では本開示の他の態様及び特徴と組み合わせて、使用することができる点が理解されるであろう。要素、構成要素などが、この概要に含まれているか、又は含まれていないかのいずれによっても、特許請求される主題の範囲が限定されることを意図するものではない。
【0006】
本開示の様々な原理によれば、送達/留置デバイスは、植込み型デバイスを留置部位に送達及び/又は留置するように構成されており、植込み型デバイスに係合するように構成された送達/留置デバイスの一部分に沿って1つ以上のセンサを含む。いくつかの態様では、1つ以上のセンサは、留置部位に対する植込み型デバイスの関係を判定するために送達/留置デバイス及び植込み型デバイスを画像化する必要がないように、信号を生成するように配置及び構成される。
【0007】
いくつかの実施形態では、送達/留置デバイスは、植込み型デバイスを配置可能な座部を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、座部の少なくとも1つの側部に沿って延びている。
【0008】
いくつかの実施形態では、送達/留置システムは、1つ以上のセンサと結合されており、かつ、留置部位に対する、送達/留置デバイスの状態、及び又は送達/留置デバイスに関連付けられた植込み型デバイスの状態を示す信号を生成するように構成された、インジケータを更に含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、蒸着プロセスによって形成されている。
いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、体内組織を区別することが可能なインピーダンスセンサである。
【0010】
いくつかの実施形態では、送達/留置デバイスは、第1のクリップアーム及び第2のクリップアームを有するクリップに動作可能に係合して、第1のクリップアーム及び第2のクリップアームが互いに間隔を開けられて、第1のクリップアームと第2のクリップアームとの間に組織が配置されることを可能にする開構成と、第1のクリップアーム及び第2のクリップアームが互いに隣接して、第1のクリップアームと第2のクリップアームとの間に組織をクランプする閉構成との間で、クリップをシフトさせるように構成された、クリップスプレッダである。
【0011】
本開示の様々な原理によれば、植込み型デバイスを体内の留置部位に送達及び/又は留置するためのシステムは、クリップ、クリップスプレッダ、及びクリップに関連付けられた1つ以上のセンサを含む。いくつかの態様では、クリップは、第1のクリップアーム及び第2のクリップアームを有し、クリップは、第1のクリップアーム及び第2のクリップアームが互いに隣接する閉構成と、第1のクリップアーム及び第2のクリップアームが互いから間隔を開けられて、第1のクリップアームと第2のクリップアームとの間に組織が配置されることを可能にする開構成との間で移動可能である。いくつかの態様では、クリップスプレッダは、クリップに動作可能に係合してクリップを開構成と閉構成との間でシフトさせるように構成されている。いくつかの態様では、1つ以上のセンサは、クリップに関連付けられて、留置部位に対するクリップの状態を示す信号を生成する。
【0012】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、クリップスプレッダにより係合されたクリップに隣接して配置されるように、クリップスプレッダ上に設けられる。いくつかの実施形態では、クリップスプレッダは、クリップのアームのうちの1つが係合される座部を含み、1つ以上のセンサは、座部の少なくとも1つの側部に沿って配置されて、座部内で係合されるクリップのアームのうちの1つの少なくとも1つの側部に沿って延びている。いくつかの実施形態では、クリップスプレッダは、第1のクリップアームに動作可能に係合するように構成された第1のスプレッダアームと、第2のクリップアームに動作可能に係合するように構成された第2のスプレッダアームとを含み、座部は、少なくとも第2のスプレッダアームに形成されており、第2のスプレッダアームから離れる方向への第1のスプレッダアームの移動がクリップを開構成に移動させ、1つ以上のセンサは、少なくとも第2のスプレッダアームに沿って、第2のスプレッダアーム内に形成された座部の少なくとも1つの側部に沿って配置されている。
【0013】
いくつかの実施形態では、信号は、留置部位における組織に対するクリップの握持、留置部位における組織に対するクリップの握持の程度、留置部位に対するクリップの位置、クリップのアーム間での留置部位における組織の着座、留置部位における組織に対するクリップの接触の程度、又はクリップ及び/又はクリップスプレッダに関する更なる情報、のうちの少なくとも1つを示す。
【0014】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、留置部位に対するクリップの状態を示す可聴信号又は視覚信号を生成する。
いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、蒸着プロセスによって形成されている。
【0015】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、体内組織を区別することが可能なインピーダンスセンサである。
本開示の様々な原理によれば、植込み型デバイスを体内の留置部位に送達及び/又は留置する方法は、送達/留置デバイスを使用して植込み型デバイスを留置部位に送達することであって、1つ以上のセンサは植込み型デバイスに関連付けられている、ことと、1つ以上のセンサを留置部位に向かって移動させて、留置部位に対する植込み型デバイスの状態を示す信号を1つ以上のセンサに生成させることと、を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、本方法は、組織との握持を検証する、1つ以上のセンサによって生成される信号に基づいて、植込み型デバイスを留置することを更に含む。
いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、留置部位における組織と接触すると信号を生成する。
【0017】
いくつかの実施形態では、植込み型デバイスは、第1のクリップアーム及び第2のクリップアームを有する弁尖クリップであり、方法は、第1のクリップアームと第2のクリップアームとが互いに間隔を開けられて、それらの間に心臓弁弁尖が配置されることを可能にする開構成に弁尖クリップを移動させることと、組織との握持を検証する、1つ以上のセンサにより生成された信号に基づいて、第1のクリップアーム及び第2のクリップアームを互いに向かって移動させることと、を更に含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、植込み型デバイスは、第1のクリップアーム及び第2のクリップアームを有する弁尖クリップであり、方法は、第1のクリップアームと第2のクリップアームとが互いに間隔を開けられて、それらの間に心臓弁弁尖が配置されることを可能にする開構成に弁尖クリップを移動させることと、第1のクリップアーム及び第2のクリップアームを互いに向かって移動させることと、弁尖クリップが心臓弁に対して所望の位置に到達したことを検証することと、弁尖クリップを第1のクリップアームと第2のクリップアームとの間に配置された心臓弁弁尖上にクランプさせることと、を更に含む。
【0019】
本開示のこれらの特徴及び利点並びに他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明から容易に明らかとなり、特許請求される本発明の範囲が、添付の特許請求の範囲に記載されている。以下の開示は、態様又は実施形態の観点から提示されているが、個々の態様は、別個に、又はその実施形態若しくは任意の他の実施形態の態様及び特徴と組み合わせて、特許請求することができる点を理解されたい。
【0020】
本開示の非限定的な実施形態が、添付図面を参照して例として説明されるが、これらの添付図面は概略的なものであり、縮尺通りに示されることを意図するものではない。添付図面は、例示のみを目的として提供されており、図面中の図に反映されている寸法、位置、順序、及び相対的なサイズは、変更される場合がある。例えば、デバイスは、詳細が識別可能になるように拡大されていることがあるが、例えば、送達カテーテル又は内視鏡の作業チャネル内にフィットすることに関連して、縮小されるよう意図されている。これらの図では、同一、又は略同一、又は等価の要素は、典型的には同じ参照文字によって表されており、同様の要素は、典型的には、100増分されて異なる同様の参照番号で指定されており、冗長な説明は省略されている。明確化及び簡略化の目的上、本開示を当業者が理解することを可能にするために図示が必要とされない場合には、全ての図において全ての要素にラベルが付されているわけではなく、各実施形態の全ての要素が示されているわけでもない。
【0021】
詳細な説明は、同様の参照文字が同様の要素を表している以下の添付図面と併せて、より良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】心臓弁弁尖の概略図に対してクリップを留置するように配置された、本開示の様々な原理に従って形成された弁尖クリップシステムの一実施形態の一例の斜視図を示す。
図2】心臓弁弁尖の概略図に対してクリップを留置するように配置された、本開示の様々な原理に従って形成された弁尖クリップシステムの一実施形態の一例の斜視図である。
図3】弁尖クリップの一実施形態の一例を開いている、図2のような弁尖クリップシステムのクリップスプレッダを示す斜視図である。
図4A】心臓弁弁尖の概略図に対してクリップを第1の位置に留置するように配置された、本開示の様々な原理に従って形成された弁尖クリップスプレッダ及び弁尖クリップの一実施形態の一例の斜視図を示す。
図4B図4Bと同様の斜視図であるが、心臓弁弁尖の概略図に対して、クリップが弁尖クリップ上で第1の位置よりも更に前進した第2の位置にある状態を示す。
図5図2におけるような弁尖クリップシステムの線V-Vに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の詳細な説明は、例示的実施形態を示す図面を参照して読まれるべきである。本開示は、説明される特定の実施形態に限定されるものではなく、それゆえ変更される場合がある点を理解されたい。本明細書で論じられる全ての装置及びシステム及び方法は、本開示の1つ以上の原理に従って実装される装置、システム、及び/又は方法の実施例である。或る実施形態の各実施例は、説明として提供されており、これらの原理を実装するための唯一の方式ではなく、単なる例に過ぎない。それゆえ、図面中の要素、又は構造、又は特徴への言及は、本開示の実施形態の実施例への言及として理解されなければならず、示されている特定の要素、構造、又は特徴に本開示を限定するものとして理解されるべきではない。当業者には、本開示を読むことにより、開示されている原理を実装する方式の他の実施例が想起されるであろう。実際に、当業者には、本主題の範囲又は趣旨から逸脱することなく、本開示において様々な修正及び変形を施すことができる点が明らかとなるであろう。例えば、一実施形態の一部として図示又は説明されている特徴は、別の実施形態と共に使用されて、また更なる実施形態をもたらすことができる。それゆえ、本主題は、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内に収まる、そのような修正及び変形を包含することが意図されている。
【0024】
本出願において、本開示は様々なレベルで詳細に記載されている点が理解されるであろう。特定の実例では、当業者が本開示を理解するために必要ではない詳細、又は他の詳細を認識することを困難にする詳細は、省略されている場合がある。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態の説明のみを目的とするものであり、添付の特許請求の範囲を超えて限定することを意図するものではない。別段の定義がない限り、本明細書で使用される技術用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものとして理解されるべきである。本明細書で開示され特許請求されるデバイス及び/又は方法の全ては、本開示を踏まえて、必要以上の実験を伴うことなく、作製されかつ実行することができる。
【0025】
本明細書で使用される場合、「近位」とは、デバイスを使用する際(例えば、デバイスを患者内に導入する際、又は植込み、配置、若しくは送達時)などに、ユーザ(医療専門家、又は臨床医、又は技術者、又は手術者、又は医師などであり、本明細書では、そのような用語は、限定する意図なく、互換的に使用され、自動化されたコントローラシステムなども含む)に最も近い方向又は場所を指し、「遠位」とは、デバイスを使用する際(例えば、デバイスを患者内に導入する際、又は植込み、配置、若しくは送達時)などに、ユーザから最も遠い方向若しくは場所、及び/又は送達デバイス及び/又は治療部位に最も近い方向若しくは場所を指す。「長手方向」とは、要素のより長い寸法又はより大きい寸法に沿って延びていることを意味する。「中心」とは、少なくとも、中心点と概ね交差していること及び/又は周辺部若しくは境界部から概ね等距離にあることを意味し、「中心軸線」とは、開口部に関して、その開口部の中心点と少なくとも概ね交差する線であって、開口部が、例えば、管状要素、チャネル、空洞、又は穴を含む場合、その開口部の長さに沿って長手方向に延びている線を意味する。
【0026】
心臓疾患を治療するために、弁の1つ以上の弁尖及び/又は腱索の再配置、修復、及び/又は置換が望ましい場合がある。本開示のデバイス、システム、及び方法は、心臓疾患を治療するために、単独で、又は他のデバイス、システム、及び方法と一緒に使用されてもよい。本開示の実施形態が実現され得るデバイス、システム、及び方法の例が、これらに限定されないが、2021年1月14日に公開された「Devices, Systems, And Methods For Clamping A Leaflet Of A Heart Valve」と題する米国特許出願公開第2021/0007847号、2021年1月7日に公開された「Devices, Systems, And Methods For Adjustably Tensioning An Artificial Chordae Tendineae Between A Leaflet And A Papillary Muscle Or Heart Wall」と題する米国特許出願公開第2021/0000597号、2021年1月7日に公開された「Devices, Systems, And Methods For Artificial Chordae Tendineae」と題する米国特許出願公開第2021/0000599号、2021年1月7日に公開された「Devices, Systems, And Methods For Anchoring An Artificial Chordae Tendineae To A Papillary Muscle Or Heart Wall」と題する米国特許出願公開第2021/0000598号、2022年3月31日に公開された「Devices, Systems, And Methods For Adjustably Tensioning Artificial Chordae Tendineae In A Heart」と題する米国特許出願公開第2022/0096235号、及び本願と同日出願の米国特許出願__/_______[ATTORNEY DOCKET 2001.2700100]、に記載されるものを含み、それらの各々の全体があらゆる目的で本明細書に参照として組み込まれる。本明細書に記載されるデバイスの例は、本開示の実施形態又は1つ以上の特徴を組み込むように修正されてもよい。
【0027】
本明細書で説明されるデバイス、システム、及び方法は、例えばクランプ又はクリップの使用などによって、デバイスを組織にクランプすることにより、1つ以上のデバイスを組織に、例えば心臓弁(例えば、心臓弁弁尖)の組織に固定することを容易にする。本明細書では、クリップする、クランプする、留める、結合する、係合する、取付ける、に留置する、把持する、保持する、などの用語(それらの語の他の文法的形態を含む)は、限定する意図なく、例えばクリップとクリップによって係合された組織との相互作用に関して、互換的に使用されてもよいことが理解されるであろう。弁の1つ以上の弁尖及び/又は腱索の再配置、修復、及び/又は置換は、例えば弁尖クリップを用いて、心臓弁の1つ以上の弁尖に固定されることになる1つ以上のデバイスを含んでもよい。本明細書で説明されるデバイス及びシステムの例示的実施形態は、弁の弁尖を操作するため及び/又は弁尖に取り付けられたデバイスを送達するために、他のデバイス、システム、又はツールが把持する又は取り付ける固定点を提供してもよい。例えば、静脈内又は経カテーテル腱索置換は、例えば弁尖クリップを用いて、機能不全の弁尖縁に人工腱索(例えば、ePTFE縫合糸)を位置決めし取り付けることを必要とする。弁尖クリップは、金属(例えば、ニチノール又は外科用グレードのステンレス鋼)から形成される場合があり、これが体内にある間に可視化しながら、クリップがクランプされるべき組織(例えば、弁尖縁)も可視化することは困難である。
【0028】
本開示の様々な原理によれば、1つ以上のセンサは、例えば留置部位に対する、植込み型デバイスに関する情報を伝達するなどのために、植込み型デバイス及びシステムに関連付けられる。情報は、限定されるものではないが、留置部位に対する植込み型デバイスの握持(例えば、係合)、留置部位に対する植込み型デバイスの握持のレベル(例えば、程度)の表示、留置部位に対する植込み型デバイスの位置、植込み型デバイスに対する、留置部位における組織の着座、留置部位(例えば、留置部位における組織)に対する、植込み型デバイスの接触の空間的範囲(例えば、長さ又は表面積)、デバイス又はシステムに関する更なる情報、などを含み得る。本明細書では、留置部位、治療部位、植込み部位などの用語は、限定する意図なく、互換的に使用されてもよいことが理解されるであろう。植込み型デバイスは、別の植込み型デバイスを所定位置に固定するためのデバイス、例えばクリップ(例えば、弁尖クリップ)、であってもよい。植込み型デバイスは、別の植込み型デバイスを所定位置に固定するためのデバイス、並びにそれに動作可能に関連付けられた1つ以上の植込み型デバイスを含んでもよい。1つ以上のセンサは、例えば、留置部位における組織に対する植込み型デバイスの係合に関する情報を伝達するために、植込み型デバイスに関連付けられてもよい。1つ以上のセンサは、植込み型デバイスの1つ以上の構成要素に関連付けられてもよい。加えて又は代わりに、1つ以上のセンサは、例えば、植込み型デバイス及び/又は送達/留置デバイス及び/又は送達/留置システムに関する情報を伝達するために、植込み型デバイスを送達及び/又は留置するための送達/留置デバイス及び/又は送達/留置システムの、1つ以上の構成要素に関連付けられてもよい。本明細書では、送達及び/又は留置への言及は、送達若しくは留置、又はその両方を含むことを意図していることが理解されるであろう。留置は、デバイスの配置に加えて、デバイスの固定を含み得ることが更に理解されるであろう。送達/留置デバイスは、留置部位への送達のために植込み型デバイスを保持及び/又は搬送するように、及び/又は植込み型デバイスの留置を容易にするように構成されてもよい。例えば、送達/留置デバイスは、植込み型デバイスを留置部位に対して配置及び留置(例えば、固定、植込み、係留など)するために、植込み型デバイスを操作するように構成されてもよい。本明細書では、操作する(manipulate)などの用語(及びその語の他の文法的形態)は、限定する意図なく、作動させる、制御する、操縦する、移動させる、動作させる、シフトさせる、遷移させる、駆動する、前進させる、後退させる、回転させる、並進移動させる、などの用語(及びそれらの語の他の文法的形態)と互換的に使用され得ることが理解されるであろう。
【0029】
本明細書で開示されるデバイス、システム、及び方法、並びに/又は本明細書で開示される送達/留置デバイス及び/若しくはシステムで使用可能な様々な植込み型デバイスは、植込み型デバイスの経腔的送達のために使用される典型的な又は現在の画像化システムを用いて容易には視認できない、又は可視化されない、又は画像化されない、又は別の方法で識別できない、金属若しくは他の材料から形成されている(又はその構成要素が形成されている)。例えば、金属構成要素は、典型的には、蛍光透視法で視認できるが、組織は視認できない。また、組織は一般に超音波画像化では可視であるが、植込み型デバイスは一般に医療専門家にとって十分に明確ではない(植込み型デバイスは、多くの場合、多くのアーチファクトを生じ、所望の手順の実施に必要な詳細を不明瞭にする)。本開示の様々な原理によれば、センサは、植込み型デバイス及び/又は送達/留置デバイス若しくはシステムに関連付けられて、典型的な又は現在の画像化技術では容易に識別できない情報を提供し、その結果、送達/留置デバイス及び/又は植込み型デバイスは、その関係(例えば、空間的な、接触の程度など)を判定するために画像化又は可視化される必要はない。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは接触センサである。例えば、1つ以上のセンサは、握持時点での組織係合のレベルの直接的表示を提供してもよい。1つ以上のセンサは、組織と接触しているとき、デバイスを植え込むためにシステムを使用している医療専門家(例えば、外科チーム)に信号を中継して、デバイスが組織に十分に係合していること、又は所望の位置若しくは場所にあることを示す。そのような情報は、デバイスを送達/留置する医療専門家(例えば、利用されるあらゆる自動システムを含む外科チーム)に、様々な方法(例えば送達システム又は別個の関連デバイス上での、視覚的又は可聴的指示)のいずれかで伝達されて、デバイスの配置、植込みなどを容易にする。例えば、そのような情報は、組織との係合(例えば、把持)に先立って、及び/又はデバイスの留置に先立って、及び/又は再配置が保証されるかどうかを判定するために、デバイスの留置を誘導するために使用されてもよい。組織との接触の空間的範囲(例えば、長さ又は表面積)、組織に対するデバイスの位置(例えば、弁尖に対するクリップ位置)、組織に対するデバイスの握持の程度、植込み型デバイスに関する更なる情報、などを示すために、2つ以上のセンサが提供されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、組織接触、並びに組織に対するデバイスの位置の両方を示すための、様々な情報を生成するなどのために、複数のセンサを使用できる。センサに関連付けられた電子機器は、センサに接触している組織、例えばセンサ間(例えば、センサの電極間)にある組織の抵抗、インピーダンス、静電容量などを感知することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の電極(例えば、回路の非金属部分に接触するために使用される導電体)が、センサの構成要素(事象又は変化の検出を目的とするデバイス、モジュール、機械、又はサブシステム)である。(例えば、標的とする組織を検出するための信号/雑音比を最適化するための)最適な電極間隔及び最も適切な感知方法が、医療デバイスが関連付けられることになる組織に基づいて決定されてもよい。例えば、最適な電極間隔、材料、及び励起方法は、標的とする材料及び環境に基づいて異なり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、例えば、送達システム又は別個の関連付けられたデバイス上で、視覚インジケータ(例えば、概ね係合を示す、又は更なる詳細な視覚情報を提供する、点灯する信号)及び/又は可聴インジケータ(例えば、概ね係合を示す、又は更なる情報を提供する、音)を生成する信号を伝送する。デバイス、システム、方法などに関する情報を提供する他の形態及び方法は、本開示の範囲内であり、広範な概念はそのように限定されることはない。
【0030】
センサは、導電性材料で形成されていてもよいことが理解されるであろう。リード線、トレース、接続経路、はんだパッドなどの追加の導電性構成要素が、例えば、医療専門家に情報を伝達するため及び/又はセンサに電力を供給するために、センサに関連付けられてもよい。導電性材料は、限定するものではないが、チタン、ニオブ、金、ニッケル-銅、銀、スズ、白金、パラジウム、イリジウム、タンタル、タングステン、ジルコニウム、銅、ニッケルなどの様々な材料のいずれかから選択されてもよい。
【0031】
デバイスが心臓弁弁尖上にクランプされることになる弁尖クリップである実施形態では、一般に、弁尖クリップが心臓弁弁尖を良好に握持するだけでなく、心臓弁弁尖が適切な構成で弁尖クリップのアーム間に配置されることが望ましい。例えば、心臓弁弁尖が弁尖クリップ内に完全に着座させられること、例えば、心臓弁弁尖の縁が弁尖クリップの後部(弁尖上をクランプする弁尖クリップのアームが出会う場所)まで延びること、が一般に望ましい。加えて又は代わりに、心臓弁弁尖が、それ自体の上で束にされること若しくは巻かれること、又は別様に折り畳まれること若しくはゆがまされること(それらは心臓弁弁尖の機能に影響を及ぼし得る)なく、弁尖クリップによってクランプされることが一般に望ましい。一般に、ステンレス鋼又はニチノールなどの弾性及び/又は形状記憶材料により形成された典型的な弁尖クリップは、組織を効果的に可視化するために使用される画像化技術を用いて効果的に可視化することはできないことが理解されるであろう。弁尖クリップと連携する1つ以上のセンサを設けることにより、実際に可視化することなく、体内の弁尖クリップを仮想的に可視化することが可能になる。いくつかの実施形態では、弁尖クリップを送達及び/又は留置するために、クリップスプレッダ(把持器具としても知られ得る)が利用される。センサの組織との接触が、弁尖クリップの組織との対応する接触を示すように、1つ以上のセンサが、弁尖クリップに隣接してクリップスプレッダ上に設けられてもよい。
【0032】
本明細書で開示される実施例では、植込み型デバイスは弁尖クリップであり、センサは弁尖クリップスプレッダの表面上に設けられ、弁尖クリップスプレッダは弁尖クリップのアームを把持して開き、その間に組織(例えば、心臓弁弁尖)を受け入れるように構成される。したがって、本明細書では、本開示の様々な原理が、弁尖クリップ、並びに関連するデバイス、システム及び機構の実施形態を参照して説明される。しかしながら、本開示の原理は、体内組織に係合するように構成された他のデバイス、システム、方法などに、より広範に適用されてもよいことが理解されるであろう。本明細書で説明されるデバイス、システム及び方法は、特に、植込み型デバイスに関する、患者安全性のための堅牢なソリューションを提供する。したがって、本明細書で説明されるデバイス、システム及び方法は、本明細書に組み込まれる上記で参照した出願で開示されるデバイス、システム、方法などのうちのいずれかと共に使用されてもよく、又は本明細書で説明されるもの若しくはそれ以外のものなどの、他のデバイス、システム、方法などと共に使用されてもよいことが理解されるであろう。
【0033】
ここで、植込み型デバイスを配置するためのデバイス、システム、及び方法の様々な実施形態が、添付図面に示される実施例を参照して説明される。本明細書における「一実施形態」、「或る実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」などへの言及は、本開示の原理による1つ以上の特定の特徴、構造、及び/又は特性が、その実施形態に関連して含まれている可能性があることを示す。しかしながら、そのような言及は、必ずしも、全ての実施形態が、その特定の特徴、構造、及び/又は特性を含むこと、あるいは、或る実施形態が、全ての特徴、構造、及び/又は特性を含むことを意味するものではない。いくつかの実施形態は、1つ以上のそのような特徴、構造、及び/又は特性を、それらの様々な組み合わせで含み得る。更には、本明細書の様々な箇所における「一実施形態」、「或る実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」などへの言及は、必ずしも全てが同じ実施形態に言及するものではなく、別個の実施形態又は代替的実施形態は、必ずしも他の実施形態と相互排他的なものではない。特定の特徴、構造、及び/又は特性が、一実施形態に関連して説明されている場合、そのような特徴、構造、及び/又は特性はまた、明確に特段の記載がない限り、明示的に説明されているか否かに関わりなく、他の実施形態に関連して使用することもできる点を理解されたい。そのような特徴、構造、及び/又は特性は、単独で使用若しくは提示される場合がある、あるいは、特徴、構造、及び/又は特性の、数多くの可能な組み合わせ及び部分的組み合わせの全てを説明することは、あまりにも煩雑なものとなるため、本開示の一部と見なされる代替的実施形態を作り出すために、互いに様々な組み合わせで使用又は提示される場合がある点を更に理解されたい。更には、いくつかの実施形態によって呈示される場合があるが、他の実施形態によっては呈示されない場合がある、様々な特徴、構造、及び/又は特性が説明される。同様に、いくつかの実施形態に関する特徴、構造、及び/又は特性若しくは要件とすることができるが、他の実施形態に関する特徴、構造、及び/又は特性若しくは要件とすることはできない、様々な特徴、構造、及び/又は特性若しくは要件が説明される。したがって、本開示は、本明細書で具体的に説明される実施形態のみに限定されるものではない。
【0034】
ここで図面を参照すると、共通の特徴は共通の参照要素によって識別され、簡潔さ及び便利さのため、かつ限定する意図なく、共通の特徴の説明は概ね繰り返されないことが理解されるであろう。明確さのために、同じ参照符号を有する全ての構成要素に符号を付してはいない。
【0035】
本開示の様々な原理が適用され得るシステム及びデバイスの一実施形態の一例が、図1に示すような送達及び留置システム100である。送達及び留置システム100の一実施形態の図示する例は、弁尖クリップ送達及び留置システム100であり、これは、送達ガイドシース104内を導かれ得る送達カテーテル102によって留置部位に送達され得る。送達カテーテル102及び送達ガイドシース104は、体内を通る曲がりくねった経路を通して操縦可能であって、弁尖クリップ1000の経腔的(例えば、開腹手術とは対照的に、カテーテルを介する)送達を可能にする、可撓性管状要素(例えば、カテーテル、シース、シャフト、チューブなど)であり得る。送達ガイドシース104は、拡張器を用いて大腿動脈を通して体内に導入されて、隔壁を横断して心室内に入ることができる。送達カテーテル102は、僧帽弁の上方で実質的に中心に配置されるように操縦可能であってもよい(例えば、関節を有して形成されている)。植込み型デバイスは、送達カテーテル102から伸長可能な又は送達カテーテル102内に格納可能なシャフト106によって保持されて(例えば、入れ子式に送達カテーテル102の中に入る又は送達カテーテル102から出る)、送達カテーテル102によって確立された心臓弁弁尖Lとの位置合わせから外れて移動することなく、心臓弁弁尖Lに対する所定位置にされる(例えば、接近する)ことができる。
【0036】
弁尖クリップ送達及び留置システム100は、弁尖クリップ1000を心臓内の留置又は治療部位に送達するものとして、かつ弁尖クリップ1000を心臓弁弁尖L上に留置するための位置にある状態で、図1に示されている。弁尖クリップ送達及び留置システム100は、留置部位(例えば、心臓弁弁尖L)への弁尖クリップ1000の配置及び送達を容易にするように構成及び配置されたクリップスプレッダ110を含んでもよい。例えば、弁尖クリップ1000は、クリップスプレッダ110と共に留置部位に送達及び留置されるために、クリップスプレッダ110に結合されていてもよい。~と結合された、~と係合された、~と動作可能に関連付けられた、~によって保持された、などの用語(及びそれらの語の他の文法的形態)は、本明細書では、限定する意図なく、互換的に使用できることが理解されるであろう。クリップスプレッダ110はまた、弁尖クリップ1000を留置のために留置部位に運ぶように、弁尖クリップ送達及び留置システム100に対して構成及び配置されていてもよい。いくつかの実施形態では、クリップスプレッダ110は、上述したようなクリップスプレッダシャフト106の端部に設けられていてもよい。
【0037】
弁尖クリップ1000は、任意の既知の弁尖クリップであってもよく、又は本明細書で開示及び説明されるような若しくは本明細書に組み込まれるいずれかの特許若しくは特許出願における弁尖クリップであってもよい。一般に、弁尖クリップ送達及び留置システム100は、心臓弁弁尖Lの、心室に面する側に配置されるように構成された少なくとも1つの心室クリップアーム1012と、心臓弁弁尖Lの、心房に面する側に配置されるように構成された少なくとも1つの心房クリップアーム1014とを有する、弁尖クリップ1000を送達する。本明細書に開示される弁尖クリップ1000の実施形態の様々な例では、弁尖クリップ1000の心室クリップアーム1012及び心房クリップアーム1014が、開構成において互いに間隔を開けられている場合、心臓弁弁尖Lなどの組織が、それらの間に配置されてもよい。心室クリップアーム1012及び心房クリップアーム1014が、閉構成にあって互いにより近い(隣接している、そして任意選択で、別の要素がそれらの間に配置されていない場合は互いに接触している)場合、心臓弁弁尖Lは、以下で更に詳細に説明するように、心室クリップアーム1012と心房クリップアーム1014との間にクランプされてもよい。心室クリップアーム1012及び心房クリップアーム1014は、閉じてクランプされた構成では、互いに向かって付勢されており、屈曲ゾーン1016の周りを開構成に移動可能であって(例えば図2及び図5を参照)、アーム1012、1014の間に心臓弁弁尖Lなどの体内組織を受け入れることができる。いくつかの実施形態では、弁尖クリップアーム1012、1014は、弁尖クリップ1000が閉構成にあるときに互いに係合し、その結果、弁尖クリップアーム1012、1014は、それらの間に配置された組織上にクランプする。しかしながら、開示される弁尖クリップ送達及び留置システム100、並びに関連する弁尖クリップ1000は、そのように限定される必要がないことが理解されるであろう。
【0038】
本開示の様々な原理によれば、図1に示される弁尖クリップ送達及び留置システム100の実施形態の実施例は、上述したようなクリップスプレッダ110を含み、これは、心室クリップアーム1012及び心房クリップアーム1014を互いに対して操作して心臓弁弁尖Lに(例えば、それらの間に)係合するために使用されてもよい。操作される、という用語(及びその語の他の文法的形態)は、本明細書では、限定する意図なく、作動される、移動される、制御される、操られるなどの用語と互換的に使用され得ることが理解されるであろう。図2及び図3に更に詳細に示されるクリップスプレッダ110の実施形態の例では、クリップスプレッダ110は、弁尖クリップ1000の心室クリップアーム1012に係合するように構成された心室スプレッダアーム112と、弁尖クリップ1000の心房クリップアーム1014に係合するように構成された心房スプレッダアーム114とを含む。心室スプレッダアーム112及び心房スプレッダアーム114は、例えばヒンジ又はピボット116の周りで、枢動可能に一緒に結合されていてもよい。ピボット116は、ピボットポイント若しくはピン、又は当業者に公知であるような、心室スプレッダアーム112及び心房スプレッダアーム114の相対運動を可能にする他の構造であってもよく、その詳細は本開示にとって重要ではない。心房スプレッダアーム114に対する心室スプレッダアーム112の移動が、心房クリップアーム1014に対する心室クリップアーム1012の移動を引き起こす。例えば、クリップスプレッダアーム112、114は、離れるように移動させられて、弁尖クリップアーム1012、1014を離すように移動させて、それらの間に組織を配置することが可能になり得る。次いで、クリップスプレッダアーム112、114が共に移動させられて(例えば、クリップスプレッダアーム112、114が共に近接する閉位置に戻されて)、弁尖クリップアーム1012、1014を一緒に移動させて、それらの間に組織を把持させることができる。
【0039】
弁尖クリップ1000の心室クリップアーム1012及び心房クリップアーム1014が互いに向かって付勢される実施形態では、クリップスプレッダ110の弁尖クリップ1000との結合が、弁尖クリップ1000が、クリップスプレッダ110の心室スプレッダアーム112及び心房スプレッダアーム114を、作動されて(図3に示すような)開構成になるまで、概ね(図2に示すような)閉構成に維持することが可能となり得る。心室スプレッダアーム112は、例えばアクチュエータ130を用いて作動されて、例えば心房スプレッダアーム114に対して心室スプレッダアーム112を移動させることにより、クリップスプレッダ110のアーム112、114を互いに対してシフトさせ、それにより、(心室スプレッダアーム112及び心房スプレッダアーム114にそれぞれ結合されている)弁尖クリップ1000の心室クリップアーム1012及び心房クリップアーム1014を移動させることができる。実施形態の図示した例では、アクチュエータ130は、心室スプレッダアーム112に結合された遠位端131と、アクチュエータ130を作動させるために医療専門家によってアクセス可能な(例えば、患者の外部にある)近位端(図示せず)と、を有するアクチュエータケーブル132を含む。アクチュエータケーブル132は、クリップスプレッダ110を作動させるのに必要な力に耐えることが可能であり、かつ患者の体内の蛇行経路を通ってナビゲートすることができる、金属、ポリマー、又は他の好適な生体適合性材料であってもよい。いくつかの実施形態では、アクチュエータケーブル132は、ボーデンケーブルの形態である。
【0040】
本開示の様々な原理によれば、クリップスプレッダ110は、弁尖クリップ1000の少なくとも1つのアームを弁尖クリップ1000の別のアームに対して移動させて、弁尖クリップ1000を開構成にシフトさせて、図4Aに示すように、心臓弁弁尖Lなどの組織が弁尖クリップアーム1012、1014間に配置されるように構成されている。図1図2図3図4A、及び図4Bに示す実施形態の例では、クリップスプレッダ110は、心室クリップアーム1012を移動させて心房クリップアーム1014から離すように構成されているが、他の構成も本開示の範囲内にある。弁尖クリップ送達及び留置システム100は、図1に示すように、その遠位端101が弁尖クリップ1000と共に心室V内に存在するように、心臓弁HVを通って延びていてもよい。例えば、クリップスプレッダ110を作動させて、心室クリップアーム1012を心房クリップアーム1014から離れるように移動させることにより、弁尖クリップ1000を開けて、心臓弁弁尖Lが、図4Aに示すように、アーム1012、1014間の弁尖クリップ1000内の空間に入ることを可能にできる。任意選択で、弁尖クリップ送達及び留置システム100を、心臓弁弁尖Lに向かって近位方向に移動させて、心臓弁弁尖Lをアーム1012、1014間に捕捉してもよい。次いで、心室クリップアーム1012は、心房クリップアーム1014により近い中立位置に戻り、図4Bに示すように、それらの間に心臓弁弁尖Lを把持することが可能になり得る。
【0041】
本開示の様々な原理によれば、(例えば、人工腱索及び関連する組織アンカーなどの別の植込み型デバイスを組織に固定するために)、適切な配置及び/又は組織に対する十分な握持を容易にするために、1つ以上のセンサ140が弁尖クリップ送達及び留置システム100に関連付けられてもよい。例えば、1つ以上のセンサ140は、クリップスプレッダ110及び/又は弁尖クリップ1000に関連付けられていてもよい。センサ140は、(例えば、組織と接触すると信号を生成する電極を含む)接触センサ、又は組織に対する弁尖クリップ1000の位置及び/又は係合を示すことが可能な任意の他のセンサ若しくはデバイスであってもよい。
【0042】
図3に示す実施形態の例では、センサ140は、弁尖クリップ1000に隣接するクリップスプレッダ110上に設けられる。いくつかの実施形態では、図3を参照して理解できるように、クリップスプレッダ110は、弁尖クリップ1000(例えば、弁尖クリップ1000のアーム、例えば心房クリップアーム1014)が配置され得る座部115を含んでもよい。センサ140は、座部115に沿ってクリップスプレッダ110の肩118上に、したがって弁尖クリップ1000(例えば、その一部分、例えばそのアーム)に近接して配置されてもよい。例えば、図3に示す実施形態の例では、1つ以上のセンサ140は、弁尖クリップ1000の心房クリップアーム1014が配置される座部115に沿って、心房スプレッダアーム114上の肩118上に配置されている。1つ以上のセンサ140が、弁尖クリップ1000の片側又は両側に配置されて、例えば、センサ140が、心臓弁弁尖Lが完全に弁尖クリップ1000内に配置されていることを示すことを可能にしてもよいことが理解されるであろう。図3の実施形態の例に示すように、センサ140は、略直線状アレイで構成されてもよく、その各々が、弁尖クリップ1000の第1の側にある第1のアレイと、弁尖クリップ1000の第2の側にある第2のアレイ(長手方向軸線LAに対して略横断方向に第1のアレイから間隔を開けられている)とを有して、(弁尖クリップ送達及び留置システム100、及び/又はクリップスプレッダ110の)長手方向軸線LAに沿って延びている。いくつかの実施形態では、使用されるセンサの構成及びタイプに応じて、いくつかの実施形態では、センサ140は、例えば両方のクリップスプレッダアーム1012、1014に沿って配置されることにより、両方の弁尖クリップアーム1012、1014に関連付けられる。そのような実施形態では、センサ140は、弁尖クリップアーム1012、1014のそれぞれの片側又は両側に関連付けられてもよいことが理解されるであろう。
【0043】
図4A図4B、及び図5に示すように、弁尖クリップ1000が所定位置にあるか、又は接触しているか、あるいは別様に留置の準備ができているか及び/又は適切に留置されているか、を示す有用かつ使用可能な信号を生成するために、様々な好適なセンサが利用可能である。本開示の様々な原理によれば、接触している組織を識別できる1つ以上のセンサ140が設けられる。センサ140は、接触センサ若しくは近接センサ、又は当業者に既知の他のタイプのセンサを含んでもよい。いくつかの実施形態では、センサは、接触している材料、又は別様に近接している若しくはセンサの感知範囲にある若しくは領域内にある材料のインピーダンスを測定するインピーダンスセンサである。そのようなインピーダンスベースのセンサは、例えば心臓の電気的活動に基づいて心臓をマッピングする電気生理学デバイスで使用される技術にて使用され得る。センサ140は、センサ140が接触している(又はセンサの感知範囲内にある)材料のインピーダンスを定常的/連続的に測定するように構成されていてもよい。任意選択で、サンプリングは、不必要な遅延なしに配置の精度を保証するように選択されたレートで実施されてもよい。センサ140が接触している異なる材料の異なるインピーダンスの測定値に基づいて、弁尖クリップ1000が組織に接触しているかどうかを示すために信号が生成され得る。例えば、センサ140及び関連する回路は、体内組織を他の物質から区別すること、及び/又は異なるタイプの組織(例えば、筋肉、脂肪など)を区別することを、そのような組織との接触時に測定されるインピーダンスに基づいて行うように構成されていてもよい。
【0044】
一般に、センサ140は一般に、導電性構成要素である、又は少なくとも導電性構成要素を含む。弁尖クリップ送達及び留置システム100の構成要素(例えば、クリップスプレッダ110及び/又は弁尖クリップ1000)が、少なくとも部分的に導電性材料、例えばニチノール又は医療グレードステンレス鋼(例えば、316ステンレス鋼)から形成されることも一般的である。当業者が理解するように、一般に、センサ140を弁尖クリップ送達及び留置システム100の導電性構成要素から電気的に絶縁することが望ましいであろう。本開示の様々な原理によれば、図5に示すように、センサ140と、センサ140が取り付けられることになる弁尖クリップ送達及び留置システム100の構成要素(例えば、クリップスプレッダ110のアーム)との間に、非導電性材料142(例えば、絶縁材料)が配置されてもよい。非導電性材料は、セラミック、ポリマー(例えば、硬質プラスチック、ポリアミド、パリレン、金属酸化物、窒化物など)など、又はそれらの組み合わせであってもよい。より具体的には、限定するわけではないが、アルミニウム系セラミック、ジルコニウム系セラミック、炭化ケイ素、炭化ホウ素、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどの様々なセラミックのいずれかが使用されてもよい。非導電性材料は、接着、締まり嵌め(例えば、溝、ポケット、凹部などへの嵌合)、物理蒸着、無電解めっき、電解めっき、ろう付け、又は他の接合方法を含むが、これらに限定されない、いずれかの所望の方法で、弁尖クリップ送達及び留置システム100の1つ以上の構成要素の1つ以上の表面に適用されてもよい。標準回路基板(例えば、留置ヘッドに接着された電極を有する小型基板)が利用されてもよいことが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、非導電性材料は、スパッタコーティング、熱蒸着、アーク溶射などの物理蒸着によって適用される。弁尖クリップ送達及び留置システム100の構成要素の限定された表面領域、又は弁尖クリップ送達及び留置システム100の1つ以上の構成要素の表面全体が、非導電性材料で覆われてもよい。
【0045】
センサ140は、図5に示すように、非導電性材料142上に直接的に、又は接合層若しくは結合層144(以下では、便宜上「結合層」と記載するが、これに限定する意図はない)などを介して間接的に取り付けられてもよい。結合層144は、そのような目的のために知られている任意の材料、例えば、限定するわけではないが、チタン、モリブデン、クロムなどから形成されてもよい。結合層144は、非導電性材料142に関して上述したような様々な方法のうちのいずれかで適用されてもよい。いくつかの実施形態では、物理蒸着を使用することが好都合である。トレースは、導電性印刷によって適用でき、又は予め形成された電極は、ろう付けプロセス及び/又は接着剤により絶縁体に接合できる。
【0046】
上述したように、いくつかの実施形態では、センサ140は、インピーダンス測定値を感知及び生成するように構成され、したがって導電性である。センサ140は、導電性材料から形成されてもよい。センサ140の導電性部分又は層146(そのような用語は、本明細書では、限定する意図なく、互換的に使用される)は、組織との一次接触を提供する。センサ140の導電性部分146は、例えば上述したような結合層144を介して、植込み型デバイス及び/又は送達/留置システムに結合された(例えば、接合された)導電性層146の形態であってもよい。好ましくは生体適合性でもある導電性層146(例えば、限定するわけではないが、ニオブ、銀、チタン、タングステン、タンタルなど、並びに窒化物又は酸化物)は、非導電性材料142に関して上述したような様々な方法のいずれかで形成/堆積されてもよい。いくつかの実施形態では、物理蒸着を使用することが好都合である。導電性層146は、好ましくは生体適合性でもある、任意の好適な導電性材料、例えば、限定するわけではないが、ニオブ、銀、チタンなどから形成されてもよい。導電性層146の材料の選択は、所望の感知機能(例えば、インピーダンス測定能力)、関連する回路、電気的要件、信号出力要件などによって影響を受ける場合がある。
【0047】
1つ以上のセンサ140によって感知された情報を、弁尖クリップ送達及び留置システム100をナビゲートする医療専門家に伝送するため、及び/又は1つ以上のセンサ140に電力を伝送するために、1つ以上のリード線、トレース、接続経路などが提供されてもよい。リード線、トレース、接続経路などは、センサ140に1つ以上のワイヤを接続することができる。加えて又は代わりに、リード線、トレース、接続経路などが、1つ以上のセンサ140を互いに接続してもよい。リード線、トレース、接続経路などは、物理蒸着、導電性インク印刷、接着剤及び/又はろう付けにより接合された予め形成された電極など、当業者に知られているいかなる方法で形成されてもよいことが理解されるであろうが、本開示は、これに関連して限定されることはない。なぜなら、そのような特徴は、本開示の広範な原理にとって重要ではないからである。いくつかの実施形態では、はんだ層148が、リード線、トレース、接続経路などを形成する。加えて又は代わりに、図5に示すように、センサ140への1つ以上のワイヤ150の電気的接続を容易にするためのはんだパッドを形成するために、はんだ層148が設けられる。はんだ層148は、ニッケル、銅、金、又は他の好適な材料で形成されてもよい。いくつかの実施形態では、導電性層146上に55-45ニッケル-銅の一次はんだパッドが設けられ、例えばニッケル-銅材料の酸化を防止するために、例えば当業者に知られている方法で、一次はんだパッド上に任意選択の金の追加層が設けられてもよい。リード線、トレース、接続経路、はんだパッドなどのうちの1つ以上を形成するはんだ層148は、非導電性材料142、結合層144、及び導電性層146に関して上述したような様々な方法のうちのいずれかで形成されていてもよい。当業者によって理解され得るように、導電性層146に対するはんだ層148の接合を容易にするために、上述したような結合層144(例えば、チタン層)が設けられてもよい。
【0048】
図3及び図5に示すように、少なくとも1つのリード線150が、少なくとも1つのセンサ140から弁尖クリップ送達及び留置システム100に沿って近位場所へと近位方向に延び、そこでリード線150に電力が供給されてもよく、及び/又は1つ以上のセンサ140から信号を生成するインジケータにリード線150が結合されていてもよい。理解され得るように、インジケータは、弁尖クリップ送達及び留置システム100を操作する医療専門家に、所望の情報を所望のフォーマット又は構成で提供するように構成された、任意の既知のインジケータであってもよい。例えば、信号は、単に、不十分な接触又は非接触を示す赤色光、又は十分な接触又は完全な接触を示す緑色光であってもよい。植込み型デバイス(例えば、弁尖クリップ1000)の位置、場所、握持又は係合の程度などに関するより詳細な情報を提供するなどのための更なる詳細な信号が、本開示の様々な原理によって生成されてもよく、その詳細は本開示の広範な原理にとって重要ではない。センサ140に電力を供給するため、又はセンサ140から信号を伝送するために、単一のリード線150を使用することができるように、1つ以上のセンサ140がリード線、トレース、接続経路などと一緒に動作可能に結合されていてもよい。加えて又は代わりに、各センサ140が、それ自体のリード線150を有してもよい。1つ以上のリード線150は、例えばはんだパッドの形態の上述したはんだ層148を介して、1つ以上のセンサ140と動作可能に結合されていてもよい。図3及び図5に示すように、リード線150は、クリップスプレッダ110の心房クリップアーム1014の上面上のはんだ層148によって形成されるはんだパッドの上部から、クリップスプレッダ110内の通路117内へと延びて、クリップスプレッダシャフト106内へと延びて、(例えば、電力又は信号インジケータデバイスのための)ステーションまで近位方向に延びてもよい。いくつかの実施形態では、リード線150は、例えば、患者の体外の場所に近位方向に延びるクリップスプレッダシャフト106及び/又は他の管状要素(例えば、送達カテーテル102又は送達ガイドシース104)を通って、上述したアクチュエータ130と共に(例えば、並行して)近位方向に延びている。クリップスプレッダ110は、リード線、トレース、接続経路、はんだパッド、リードワイヤなどのうちの1つ以上のための溝を伴って形成されてもよい。リードワイヤ150を固定するために、例えば、リードワイヤ150が別の物体に引っ掛かることを阻止又は防止するために、リードワイヤ150は、例えば通路117への入口において、例えばポッティング材料(例えば、エポキシ)を用いてポッティングされてもよい。
【0049】
上述したように、1つ以上のセンサ140の層のいずれか、及び/又はリード線、トレース、接続経路、はんだパッドなどのいずれかが、接着、締まり嵌め(例えば、溝、ポケット、凹部内への嵌合)、物理蒸着(例えば、スパッタコーティング、熱蒸着、アーク溶射など)、無電解めっき、電解めっき、ろう付け、又は他の接合方法を含むがこれらに限定されない任意の所望の方法で形成されていてもよい。センサ140の上記の層のいずれか、及び/又はリード線、トレース、接続経路、はんだパッドなどのいずれかに対して、弁尖クリップ送達及び留置システム100の領域が、センサ140及び/又はリード線、トレース、接続経路、はんだパッドなどのいずれかの材料が適用される領域を限定するためにマスクされるか又は他の方法で保護されてもよいことが理解されるであろう。
【0050】
当業者によって理解され得るように、クリップスプレッダ110が、弁尖クリップ1000を開き、(図4Bに示すように)弁尖クリップアーム1012、1014の間で心臓弁弁尖Lを捕捉するために近位方向に移動する際に、揺動する弁尖を弁尖クリップアーム1012、1014の間で捕捉することが困難な場合がある。本明細書で開示されるような1つ以上のセンサ140を提供することにより、弁尖クリップ送達及び留置システム100(特に、クリップスプレッダ110)が心臓弁弁尖Lに接近している際に、弁尖クリップアーム1012、1014の間における組織の所望の係合、配置、握持などの確認が可能になる。センサ140によって生成された信号が、好都合にも、心臓弁弁尖L上への弁尖クリップ1000の正確かつ効率的な配置を容易にする。
【0051】
本開示の実施形態は、弁尖クリップ送達及び留置システム100を具体的に参照して説明され得るが、様々な他のインプラントが、本明細書に説明されるデバイス、システム、及び方法から同様に利益を享受し得ることが理解されるであろう。例えば、僧帽弁と共に使用する他のインプラント、又は三尖弁輪を修復するため及び/又は他の拡張、弁不全、弁漏れ、及び他の同様の心不全状態に対処するための触診力に耐えなければならないインプラントも、本明細書で開示される概念から利益を得ることができる。更には、心臓に関して上述した広範な原理及び概念は、体内の他の場所に送達及び/又は留置される他のタイプのデバイスのための他の送達/留置システムに適用可能であることが理解されるであろう。
【0052】
本明細書に記載される場合、(添付図面に示されるような)「実施形態」は、開示される概念又は特徴が提供又は具現化され得る環境又は物品又は構成要素の例示的な表現、あるいは、その概念又は特徴のみが提供又は具現化され得る方法の表現、を指し得ることが理解されるべきである。しかしながら、そのような図示された実施形態は、(特に明記しない限り)例として理解されるべきであり、当業者が本開示からの概念又は特徴を学習することにより理解され得るような、説明された概念又は特徴を具現化する他の方法が、本開示の範囲内にある。加えて、図面は、概念又は特徴の1つ以上の実施形態を、そのような概念又は特徴を組み込んだ環境、物品、又は構成要素の単一の実施形態において一緒に示す場合があるが、そのような概念又は特徴は、(特に明記しない限り)互いに独立かつ別個のものとして理解されるべきであり、便宜上、一緒に示されており、一緒に存在する又は使用されることに限定する意図はないことが理解されるであろう。例えば、一実施形態の一部として図示又は説明されている特徴を、別々に使用して、又は1つ以上の他の特徴と共に使用して、なお更なる実施形態をもたらすことができる。それゆえ、本主題は、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内に収まる、そのような修正及び変形を包含することが意図されている。
【0053】
前述の論考は、広範な適用性を有し、例示及び説明を目的として提示されているものであって、本明細書で開示される1つ以上の形態に本開示を限定することを意図するものではない。本開示の概念、趣旨、及び範囲から逸脱することなく、本明細書で開示される実施形態に、様々な追加、修正及び置換を施すことができる点が理解されるであろう。特に、本開示の原理は、その概念、趣旨、又は範囲、又は特性から逸脱することなく、他の形態、構造、配置、比率で、又は他の要素、材料、及び構成要素を使用して、具現化することができる点が、当業者には明らかとなるであろう。例えば、本開示の様々な特徴は、本開示を合理化する目的で、1つ以上の態様、実施形態、又は構成として、一緒にグループ化されている。しかしながら、本開示の特定の態様、実施形態、又は構成の様々な特徴は、代替的な態様、実施形態、又は構成として組み合わせることができる点を理解されたい。本開示は、実施形態の観点から提示されているが、本主題の様々な別個の特徴は、本主題又はそのような個々の特徴の、所望の特性及び/又は利点のうちの少なくともいくつかを達成するために、全てが存在する必要はない点を理解されたい。当業者には、本開示の原理、趣旨、又は範囲から逸脱することなく、特定の環境及び動作要件に具体的に適合されている、多くの修正、あるいは本開示の実践の際に使用される、構造、配置、比率、材料、構成要素、及びその他の修正と共に、本開示を使用することができる点が理解されるであろう。例えば、一体的に形成されるものとして示されている要素を、複数の部品で構成することができ、又は複数の部品として示されている要素を、一体的に形成することもでき、要素の動作を逆にするか又は他の方式で変更することができ、要素のサイズ又は寸法を変更することもできる。同様に、動作、若しくはアクション、若しくは手順が特定の順序で説明されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような特定の順序が必要とされる、又は、全ての動作、若しくはアクション、若しくは手順が実行されるべきであると、理解されるべきではない。更には、他の実装形態は、以下の特許請求の範囲内である。場合によっては、特許請求の範囲に列挙されているアクションを、異なる順序で実行することができ、それでも望ましい結果を達成することができる。それゆえ、本開示の実施形態は、全ての点で例示的であって、限定するものではないと見なされるべきであり、特許請求される主題の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示されており、前述の説明、あるいは本明細書で説明又は図示されている特定の実施形態又は構成に限定されるものではない。上記を考慮すると、任意の実施形態の個々の特徴を、別個に、又は、その実施形態若しくは任意の他の実施形態の特徴と組み合わせて使用することができ、かつ特許請求することができ、主題の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示され、上記の説明に限定されるものではない。
【0054】
上記の説明及び以下の特許請求の範囲において、以下の点が理解されるであろう。語句「少なくとも1つの」、「1つ以上の」、及び「及び/又は」は、本明細書で使用されるとき、連言的及び選言的の双方として運用される、オープンエンドの表現である。用語「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、「第1の」、「第2の」などは、複数を排除するものではない。例えば、用語「1つの(a)」又は「1つの(an)」エンティティは、本明細書で使用されるとき、そのエンティティの1つ以上を指す。それゆえ、用語「1つの(a)」(又は「1つの(an)」)、「1つ以上の」、及び「少なくとも1つの」は、本明細書では互換的に使用することができる。方向に関する全ての言及(例えば、近位、遠位、上部、下部、上向き、下向き、左、右、横方向、長手方向、前部、後部、頂部、底部、上方、下方、垂直、水平、半径方向、軸線方向、時計回り、反時計回りなど)は、読者による本開示の理解を助けるための識別目的でのみ使用されており、かつ/又は、関連付けられている要素の領域を、互いに区別するために役立つものであって、特に本開示の位置、向き、又は使用に関して、関連付けられている要素を限定するものではない。接続に関する言及(例えば、取り付けられている、結合されている、接続されている、及び接合されている)は、広義に解釈されるべきであり、別段の指示がない限り、要素の集合間の中間部材、及び要素間の相対移動も含み得る。それゆえ、接続に関する言及は、2つの要素が直接接続され、互いに固定された関係にあることを、必ずしも暗示するものではない。識別に関する言及(例えば、一次、二次、第1の、第2の、第3の、第4の、など)は、重要性又は優先度を含意することを意図するものではなく、1つの特徴を別の特徴から区別するために使用されている。
【0055】
以下の特許請求の範囲は、この「発明を実施するための形態」に、この参照により組み込まれ、各請求項は、それ自体が本開示の別個の実施形態として独立している。特許請求の範囲では、用語「備える(comprises)/(comprising)」は、他の要素、構成要素、特徴、領域、ステップ、動作などの存在を排除するものではない。更には、個々の特徴が異なる請求項に含まれている場合があるが、これらの特徴は、場合によっては有利に組み合わせることができ、異なる請求項に含まれていることは、特徴の組み合わせが実現可能ではないこと、及び/又は有利ではないことを暗示するものではない。更には、単数形に関する言及は、複数を排除するものではない。特許請求の範囲における参照符号は、単に明確化の例として提供されているに過ぎず、特許請求の範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-06-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植込み型デバイスを経腔的に留置部位に送達及び/又は留置するための送達/留置システムであって、前記送達/留置システムは、
植込み型デバイスを送達及び/又は留置するように構成された送達/留置デバイスであって、前記植込み型デバイスに係合するように構成された前記送達/留置デバイスの一部に沿って1つ以上のセンサを含む、送達/留置デバイスを備え、前記1つ以上のセンサは、前記留置部位に対する前記植込み型デバイスの関係を判定するために前記送達/留置デバイス及び前記植込み型デバイスを画像化する必要がないように、信号を生成するように配置及び構成されている、送達/留置システム。
【請求項2】
前記送達/留置デバイスは、植込み型デバイスを配置可能な座部を含む、請求項1に記載の送達/留置システム。
【請求項3】
前記1つ以上のセンサは、前記座部の少なくとも1つの側部に沿って延びている、請求項2に記載の送達/留置システム。
【請求項4】
前記1つ以上のセンサと結合されており、かつ、前記留置部位に対する、前記送達/留置デバイスの状態、及び/又は前記送達/留置デバイスに関連付けられた植込み型デバイスの状態を示す信号を生成するように構成されたインジケータ、を更に備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の送達/留置システム。
【請求項5】
前記1つ以上のセンサは、蒸着プロセスにより形成されている、請求項1~のいずれか一項に記載の送達/留置システム。
【請求項6】
前記1つ以上のセンサは、体内組織を区別することが可能なインピーダンスセンサである、請求項1~のいずれか一項に記載の送達/留置システム。
【請求項7】
前記送達/留置デバイスは、第1のクリップアーム及び第2のクリップアームを有するクリップに動作可能に係合して、前記第1のクリップアーム及び前記第2のクリップアームが互いに間隔を開けられて、前記第1のクリップアームと前記第2のクリップアームとの間に組織が配置されることを可能にする開構成と、前記第1のクリップアーム及び前記第2のクリップアームが互いに隣接して、前記第1のクリップアームと前記第2のクリップアームとの間に組織をクランプする閉構成との間で、前記クリップをシフトさせるように構成された、クリップスプレッダである、請求項1~のいずれか一項に記載の送達/留置システム。
【請求項8】
植込み型デバイスを体内の留置部位に送達及び/又は留置するためのシステムであって、前記システムは、
第1のクリップアーム及び第2のクリップアームを有するクリップであって、前記クリップは、前記第1のクリップアーム及び前記第2のクリップアームが互いに隣接する閉構成と、前記第1のクリップアーム及び前記第2のクリップアームが互いから間隔を開けられて、前記第1のクリップアームと前記第2のクリップアームとの間に組織が配置されることを可能にする開構成との間で移動可能である、クリップと、
前記クリップに動作可能に係合して前記クリップを前記開構成と前記閉構成との間でシフトさせるように構成されたクリップスプレッダと、
前記クリップに関連付けられて前記留置部位に対する前記クリップの状態を示す信号を生成する1つ以上のセンサと、を備えるシステム。
【請求項9】
前記1つ以上のセンサは、前記クリップスプレッダにより係合された前記クリップに隣接して配置されるように、前記クリップスプレッダ上に設けられる、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記クリップスプレッダは、前記クリップの前記アームのうちの1つが係合される座部を含み、前記1つ以上のセンサは、前記座部の少なくとも1つの側部に沿って配置されて、前記座部内に係合された前記クリップの前記アームのうちの前記1つの少なくとも1つの側部に沿って延びている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記クリップスプレッダは、前記第1のクリップアームに動作可能に係合するように構成された第1のスプレッダアームと、前記第2のクリップアームに動作可能に係合するように構成された第2のスプレッダアームとを備え、
前記座部は、少なくとも前記第2のスプレッダアームに形成されており、
前記第2のスプレッダアームから離れる方向への前記第1のスプレッダアームの移動が前記クリップを前記開構成に移動させ、
前記1つ以上のセンサは、少なくとも前記第2のスプレッダアームに沿って、前記第2のスプレッダアーム内に形成された前記座部の少なくとも1つの側部に沿って配置されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記信号は、前記留置部位における組織に対する前記クリップの握持、前記留置部位における組織に対する前記クリップの握持の程度、前記留置部位に対する前記クリップの位置、前記クリップの前記アーム間での前記留置部位における組織の着座、前記留置部位における組織に対する前記クリップの接触の程度、又は前記クリップ及び/又は前記クリップスプレッダに関する更なる情報、のうちの少なくとも1つを示す、請求項8~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つ以上のセンサは、前記留置部位に対する前記クリップの状態を示す可聴信号又は視覚信号を生成する、請求項8~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記1つ以上のセンサは、蒸着プロセスにより形成されている、請求項8~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記1つ以上のセンサは、体内組織を区別することが可能なインピーダンスセンサである、請求項8~11のいずれか一項に記載のシステム。
【国際調査報告】