(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】ロボットによる歯科処置の計画および実施方法
(51)【国際特許分類】
A61B 34/20 20160101AFI20241114BHJP
A61B 34/35 20160101ALI20241114BHJP
A61C 3/00 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
A61B34/20
A61B34/35
A61C3/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024528526
(86)(22)【出願日】2022-11-14
(85)【翻訳文提出日】2024-07-12
(86)【国際出願番号】 IB2022060945
(87)【国際公開番号】W WO2023084487
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524171965
【氏名又は名称】ネオシス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リーバイ,ウダイ・エヌ
(72)【発明者】
【氏名】モーゼス,アロン
(72)【発明者】
【氏名】モージズ,デニス
(72)【発明者】
【氏名】ティーマン,ジェームズ・スコット
(72)【発明者】
【氏名】ベレットル,アレクサンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ランドール,カーター・ジョナ
(72)【発明者】
【氏名】ケニ,プラナブ・ビカス
(72)【発明者】
【氏名】チャゾッテ,ケビン・クリストファー
【テーマコード(参考)】
4C052
4C130
【Fターム(参考)】
4C052AA06
4C052AA13
4C052BB01
4C130AA04
4C130AA12
4C130AA16
4C130AA32
4C130AB02
4C130AD02
4C130AD05
(57)【要約】
処置計画を形成する方法は、追跡アームの遠位端を、そこで受信した部位または対象物(S/O)の周りの基準位置(RL)と通信するように配置することを含み、RLは、3D空間内で追跡アームに関して配置される。S/Oの周りの物理的な点は各々、追跡アームに対して既知の関係で配置されたロボットアームと係合した処置ツールのエンドエフェクタと接触し、その位置は3D空間内で同時に決定される。基準フレーム(RF)は、物理点の位置からRLに対して3D空間内に形成され、RF内のS/Oの位置を含む。RF内およびRLに対して、S/O上でエンドエフェクタ処置のための計画が形成され、この計画は、S/OへのおよびS/Oからのエンドエフェクタが通過する経路および処置中を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処置を実施するための計画の形成方法であって、
追跡アームの遠位端を、部位におけるもしくは部位で受け取られた対象物における基準位置、または部位にもしくは部位で受け取られた対象物に隣接する基準位置と通信するように配置することであって、基準位置が3次元空間内の追跡アームの近位端に関係して配置されていることと、
部位もしくは対象物における、または部位もしくは対象物に隣接する複数の物理点の各々を、ロボットアームの遠位端と係合した処置ツールのエンドエフェクタの遠位端と接触させることであって、ロボットアームの近位端は追跡アームの近位端に対して既知の関係で配置されていることと、
物理点の各々をエンドエフェクタの遠位端と接触させることと同時に、3次元空間におけるエンドエフェクタの遠位端の位置を決定するスことと、
基準位置に関して、物理点の位置から、基準フレーム内の部位または対象物の位置を含むように、3次元空間内に基準フレームを形成することと、
基準フレーム内で、基準位置に対して、部位または対象物上でエンドエフェクタによって実施されるべき処置の計画を形成することであって、処置は、部位または対象物との間で、エンドエフェクタによって部位または対象物上で実施される処置中にエンドエフェクタが移動する経路と、処置中のエンドエフェクタの軌道と、を含むことと、を含む方法。
【請求項2】
物理点の各々を処置ツールのエンドエフェクタの遠位端と接触させることは、物理点の各々をエンドエフェクタの遠位端と接触させることを含み、エンドエフェクタは処置ツールのドリルビットまたは研磨ビットを備え、処置ツールは穿孔装置を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ロボットアームは、1つ以上の位置センサと係合する複数の相互接続されたアームセグメントを備え、エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、1つ以上の位置センサからの位置データから、ロボットアームの近位端に対するエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
追跡アームは、1つ以上の位置センサと係合する複数の相互接続されたアームセグメントを備え、方法は、1つ以上の位置センサからの位置データから、追跡アームの近位端に対する、追跡アームの遠位端の位置を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
3次元空間内のエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、基準位置に関して、エンドエフェクタを介して3次元空間内の部位または対象物の位置を決定することを含み、基準位置は追跡アームの遠位端と物理的に係合する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
追跡アームの遠位端は部位または対象物から離間され、また遠位端と係合する検出器装置を含み、検出器装置は部位または対象物と通信するように配置され、エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、基準位置に関して、エンドエフェクタを介して3次元空間内の部位または対象物の位置を決定することを含み、基準位置は追跡アームの遠位端と係合する検出器装置によって検出される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、追跡アームを介して決定された基準位置に対して、3次元空間内のエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
処置の実施方法であって、
追跡アームの遠位端を、部位におけるもしくは部位で受け取られた対象物における基準位置、または部位にもしくは部位で受け取られた対象物に隣接する基準位置と通信するように配置することであって、基準位置は追跡アームの近位端に対して3次元空間内に配置されていることと、
部位もしくは対象物における、または部位もしくは対象物に隣接する複数の物理点の各々を、ロボットアームの遠位端と係合した処置ツールのエンドエフェクタの遠位端と接触させることであって、ロボットアームの近位端は追跡アームの近位端に対して既知の関係で配置されていることと、
物理点の各々をエンドエフェクタの遠位端と接触させると同時に、3次元空間におけるエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することと、
基準位置に関して、物理点の位置から、基準フレーム内の部位または対象物の位置を含むように、3次元空間内に基準フレームを形成することと、
エンドエフェクタによって部位または対象物上で実施されるべき処置の計画を、基準フレーム内で、かつ基準位置に対して形成することであって、処置は、部位または対象物との間で、エンドエフェクタによって部位または対象物上で実施される処置中にエンドエフェクタが移動する経路と、処置中のエンドエフェクタの軌道と、を含むことと、
ロボットアームの遠位端に係合された処置ツールのエンドエフェクタを用いて、経路を移動することを含む、計画に従って部位または対象物に対して処置を実施することと、
を含む方法。
【請求項9】
物理点の各々を処置ツールのエンドエフェクタの遠位端と接触させることは、物理点の各々をエンドエフェクタの遠位端と接触させることを含み、エンドエフェクタは処置ツールのドリルビットまたは研磨ビットを備え、処置ツールは穿孔装置を備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ロボットアームは、1つ以上の位置センサと係合する複数の相互接続されたアームセグメントを備え、エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、1つ以上の位置センサからの位置データから、ロボットアームの近位端に対する、エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
追跡アームは、1つ以上の位置センサと係合する複数の相互接続されたアームセグメントを備え、方法は、1つ以上の位置センサからの位置データから、追跡アームの近位端に対する、追跡アームの遠位端の位置を決定することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
3次元空間内のエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、基準位置に関して、エンドエフェクタを介して3次元空間内の部位または対象物の位置を決定することを含み、基準位置は追跡アームの遠位端と物理的に係合している、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
追跡アームの遠位端は、部位または対象物から離間され、かつ遠位端と係合する検出器装置を含み、検出器装置は、部位または対象物と通信するように配置され、エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、基準位置に関して、エンドエフェクタを介して3次元空間内の部位または対象物の位置を決定することを含み、基準位置は追跡アームの遠位端と係合する検出器装置によって検出される、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、追跡アームを介して決定された基準位置に対して、3次元空間内のエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
処置を実施することは、ロボットアームの遠位端と係合した処置ツールのエンドエフェクタを使用して、追跡アームを介して決定された基準位置に対して、経路を移動することを含む、計画に従って部位または対象物に対して処置を実施することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
追跡アームを介して決定された基準位置の動きを介して決定されるように、部位または対象物の動きに応答して処置の実施中に計画を調整することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
経路を移動することを含む処置の実施中に処置装置が計画から逸脱したことに応答してフィードバックを提供することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項18】
フィードバックを提供することは、処置装置を介して触覚フィードバックまたは接触フィードバックを導くことを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
フィードバックを提供することは、逸脱表示装置を介して視覚フィードバックまたは聴覚フィードバックを提供することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
フィードバックを提供することは、ロボットアームを介して動きに対する抵抗を提供することによって処置装置の動きを制限することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
処置の実施方法であって、
追跡アームの遠位端を、部位におけるもしくは部位で受け取られた対象物における基準位置、または部位にもしくは部位で受け取られた対象物に隣接する基準位置と通信するように配置することであって、基準位置が追跡アームの近位端に対して3次元空間内に配置されていることと、
部位または対象物上の物理点を、ロボットアームの遠位端と係合された処置ツールのエンドエフェクタの遠位端と接触させることであって、ロボットアームの近位端は追跡アームの近位端に対して既知の関係で配置されていることと、
物理点をエンドエフェクタの遠位端と接触させることと同時に、3次元空間におけるエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することと、
部位または対象物上の物理点に対して、部位または対象物上で処置を実施するためのエンドエフェクタの軌道を確立することと、
部位または対象物上の物理点の位置でエンドエフェクタによって実施される処置のための計画を形成することであって、処置は、部位または対象物との間で、ならびに部位または対象物上の物理点で位置および確立された軌道でエンドエフェクタによって実施される処置の間、エンドエフェクタが移動する経路を含むことと、
ロボットアームの遠位端に係合された処置ツールのエンドエフェクタを用いて、経路を移動することを含む、計画に従って部位においてまたは対象物に対して処置を実施することと、を含む方法。
【請求項22】
物理点を処置ツールのエンドエフェクタの遠位端と接触させることは、物理点をエンドエフェクタの遠位端と接触させることを含み、エンドエフェクタは処置ツールのドリルビットまたは研磨ビットを備え、処置ツールは穿孔装置を備えている、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
ロボットアームは、1つ以上の位置センサが係合された複数の相互接続されたアームセグメントを備え、エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することが、1つ以上の位置センサからの位置データから、ロボットアームの近位端に対する、エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
追跡アームは、1つ以上の位置センサが係合された複数の相互接続されたアームセグメントを備え、方法は、1つ以上の位置センサからの位置データから、追跡アームの近位端に対する追跡アームの遠位端の位置を決定することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
3次元空間内のエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、基準位置に関して、エンドエフェクタを介して3次元空間内の部位または対象物の位置を決定することを含み、基準位置は追跡アームの遠位端と物理的に係合する、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
追跡アームの遠位端は、部位または対象物から離間され、遠位端が係合される検出器装置を含み、検出器装置は、部位または対象物と通信するように配置され、エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、基準位置に関して、エンドエフェクタを介して3次元空間内の部位または対象物の位置を決定することを含み、基準位置が追跡アームの遠位端と係合する検出器装置によって検出される、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、追跡アームを介して決定された基準位置に対して、3次元空間内のエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
処置を実施することは、ロボットアームの遠位端に係合された処置ツールのエンドエフェクタを使用して、追跡アームを介して決定された基準位置に対して、経路を移動することを含む、計画に従って部位においてまたは対象物に対して処置を実施することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
追跡アームを介して決定された基準位置の動きによって決定されるように、部位または対象物の動きに応答して処置の実施中に計画を調整することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
経路を移動することを含む処置の実施中に、処置装置が計画から逸脱したことに応答してフィードバックを提供することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
フィードバックを提供することは、処置装置を介して触覚フィードバックまたは接触フィードバックを導くことを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
フィードバックを提供することは、逸脱表示装置を介して視覚フィードバックまたは聴覚フィードバックを提供することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
フィードバックを提供することは、ロボットアームを介して動きに対する抵抗を提供することによって処置装置の動きを制限することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
計画を形成することは、部位または対象物上の複数の物理点の各々の位置でエンドエフェクタによって実施される処置のための計画を形成することを含み、処置を実施することは、確立された軌道内のエンドエフェクタを使用して、部位または対象物上の物理点の各々で処置を実施し、処置が物理点の間で並行して実施されることを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項35】
処置の実施方法であって、
追跡アームの遠位端を、部位におけるもしくは部位で受け取られた対象物における基準位置と、または部位にもしくは部位で受け取られた対象物に隣接する、基準位置と通信するように配置することであって、基準位置は追跡アームの近位端に対して3次元空間内に配置されていることと、
3次元空間内の処置ツールのエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することであって、処置ツールはロボットアームの遠位端と係合しており、ロボットアームの近位端は追跡アームの近位端に対して既知の関係で配置されていることと、
エンドエフェクタの遠位端の位置に対するエンドエフェクタの軌道を確立することと、
部位または対象物上の物理点の位置でエンドエフェクタによって実施されるべき処置の計画を形成することであって、処置は、部位または対象物との間、ならびに部位または対象物上の物理点におけるエンドエフェクタの位置および確立された軌道でエンドエフェクタによって実施される処置中に、エンドエフェクタが移動する経路を含むことと、
ロボットアームの遠位端と係合した処置ツールのエンドエフェクタを使用して経路を移動することと、確立された軌道内でエンドエフェクタを方向付けさせることと、を含む、計画に従って部位または対象物上で処置を実施することと、を含む方法。
【請求項36】
軌道を確立することは、エンドエフェクタがエンドエフェクタの遠位端に対して3次元角度配置になるように処置ツールを手動で方向付けることと、計画の形成に使用するための軌道を提供するエンドエフェクタの角度配置を記憶することと、を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
軌道を確立することは、軌道を提供するエンドエフェクタの3次元角度配置を決定することと、角度配置を提供するエンドエフェクタの遠位端からのエンドエフェクタの近位端の空間オフセットを決定することと、計画を形成する際に使用するための軌道を提供するエンドエフェクタの近位端の空間オフセットを記憶することと、を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することを含み、エンドエフェクタは処置ツールのドリルビットまたは研磨ビットを備え、処置ツールは穿孔装置を備える、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、物理点をエンドエフェクタの遠位端と接触させることと、3次元空間内のエンドエフェクタの遠位端の位置を同時に決定することと、を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
ロボットアームは、1つ以上の位置センサと係合する複数の相互接続されたアームセグメントを備え、エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、1つ以上の位置センサからの位置データから、ロボットアームの近位端に対する、エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項41】
追跡アームは、1つ以上の位置センサと係合する複数の相互接続されたアームセグメントを備え、方法は、1つ以上の位置センサからの位置データから、追跡アームの近位端に対する、追跡アームの遠位端の位置を決定することを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項42】
3次元空間内のエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、基準位置に関して、エンドエフェクタを介して3次元空間内の部位または対象物の位置を決定することを含み、基準位置は追跡アームの遠位端と物理的に係合する、請求項35に記載の方法。
【請求項43】
追跡アームの遠位端は、部位または対象物から離間され、かつ遠位端と係合する検出器装置を含み、検出器装置は、部位または対象物と通信するように配置され、エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、基準位置に関して、エンドエフェクタを介して3次元空間内の部位または対象物の位置を決定することを含み、基準位置が追跡アームの遠位端と係合する検出器装置によって検出される、請求項35に記載の方法。
【請求項44】
エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、追跡アームを介して決定された基準位置に対して、3次元空間内のエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項45】
処置を実施することは、ロボットアームの遠位端と係合した処置ツールのエンドエフェクタを使用して、追跡アームを介して決定された基準位置に対して、経路を移動することと、確立された軌道でエンドエフェクタを方向付けることと、を含む、計画に従って部位においてまたは対象物に対して処置を実施することを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項46】
追跡アームを介して決定された基準位置の動きを介して決定されるように、部位または対象物の動きに応答して処置の実施中に計画を調整することを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
経路を移動してエンドエフェクタを確立された軌道に向けることを含む、処置の実施中に処置装置が計画から逸脱したことに応答してフィードバックを提供することを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項48】
フィードバックを提供することは、処置装置を介して触覚フィードバックまたは接触フィードバックを導くことを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
フィードバックを提供することは、逸脱表示装置を介して視覚フィードバックまたは聴覚フィードバックを提供することを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
フィードバックを提供することは、ロボットアームを介して動きに対する抵抗を提供することによって処置装置の動きを制限することを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項51】
計画を形成することは、部位または対象物上の複数の物理点の各々の位置でエンドエフェクタによって実施される処置のための計画を形成することを含み、処置を実施することは、確立された軌道内のエンドエフェクタを使用して、部位または対象物上の物理点の各々で処置を実施することを含み、処置は物理点の間で並行して実施される、請求項35に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、歯科用ロボットシステムに関し、より詳細には、ロボットによる歯科処置の計画および実施方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の歯科または顎顔面処置、特にロボット支援処置は、一般に、骨構造を評価し、処置の効果的な計画を形成するために、顎または顎顔面骨構造の1つ以上の形態の撮像を必要とする。例えば、1つのロボット支援歯科/顎顔面処置は、最初に、基準マーカを有するスプリント器具が、一般に処置のための意図された部位に近接して、患者にしっかりと取り付けられることを必要とする。次いで、患者は、2Dまたは3D撮像処置(例えば、X線スキャンまたはCTスキャン)を受け、その結果得られた画像に、スプリント器具、基準マーカ、および部位が表示される。その後、適切なソフトウェアを介して、部位の3D仮想表現に関して、および撮像された基準マーカに関して、取得された画像から処置の計画が形成される。処置のための計画がソフトウェアを介して形成されると、ロボットのための追跡システムが、基準マーカと既知の関係で、スプリント器具を介して患者に取り付けられる。追跡システムは、基準マーカに対してソフトウェア計画に従ってロボットを案内するのを支援する。基準マーカの位置は既知であり、また追跡システムによって監視されるため、ソフトウェア計画によるロボットの案内は、患者の動きを考慮してリアルタイムで更新される(すなわち、ソフトウェア計画は基準マーカに関連して実行され、基準マーカのリアルタイム位置は追跡システムによって追跡されかつ提供される)。
【0003】
しかしながら、そのようなロボット支援処置では、部位の3D仮想表現を形成するために必要な画像処理手順は、多くの場合、時間および費用の増加、ならびに患者への潜在的不便が生じる。スプリント器具はまた、基準マーカが信頼できる基準点として固定されたままであることを確実にするために、画像処理手順の前からソフトウェア計画の形成まで、および実際の処置の完了まで、患者に装着されたままでなければならない。スプリント器具が撮像段階と処置の実施との間で取り外し可能である場合、スプリント器具が同じ方法で、基準マーカの位置が最初に確立された同じ位置に再固定され得ることを確実にするために、細心の注意を払わなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、部位(例えば、顎または顎顔面骨構造)の1つ以上の形態の撮像を必要とせずに達成することができる、処置(例えば、歯科または顎顔面処置)、特にロボット支援またはロボット実装処置を計画および実施する方法が必要とされている。場合によっては、そのような方法は、部位がロボットシステムに知られている基準フレームで確立されている間に達成されることが望ましく、その結果、部位での処置の計画および実施は、コンパクトな時間枠で、追加の時間および費用で、部位を事前に別個の撮像システムにかける必要なしに実行されることができる。さらに、そのような方法は、例えば、計画を達成するために必要なステップを最小限に抑え、計画と処置の実施との間で器具を交換する必要性をなくすことによって、歯科専門家にとって人間工学的に使いやすく、好都合であり、便利であるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記および他の必要性は、一態様では、処置を実施するための計画を作成する方法を提供する本開示の態様によって満たされ、そのような方法は、追跡アームの遠位端を、部位にもしくは部位で受け取られた対象物にあるかまたはそれに隣接する基準位置と通信するように配置するステップを含み、基準位置は、3次元空間内で追跡アームの近位端に対して配置される。部位もしくは対象物における、または部位もしくは対象物に隣接する複数の物理点の各々は、ロボットアームの遠位端と係合した処置ツールのエンドエフェクタの遠位端と接触し、ロボットアームの近位端は、追跡アームの近位端に対して既知の関係で配置される。3次元空間におけるエンドエフェクタの遠位端の位置は、物理点の各々をエンドエフェクタの遠位端と接触させるのと同時に決定される。基準フレームは、物理点の位置から、基準位置に関連して、基準フレーム内の部位または対象物の位置を含むように、3次元空間内に形成される。基準フレーム内で基準位置に対して、部位または対象物上でエンドエフェクタによって実施される処置の計画が形成され、処置は、部位または対象物との間およびエンドエフェクタによって部位または対象物上で実施される処置中にエンドエフェクタが移動する経路と、処置中のエンドエフェクタの軌道とを含む。
【0006】
本開示の別の態様は、処置を実施する方法を提供し、そのような方法は、追跡アームの遠位端を、部位または部位で受信された対象物にあるかまたはそれに隣接する基準位置と通信するように配置することを含み、基準位置は、追跡アームの近位端に対して3次元空間に配置される。部位もしくは対象物にあるかまたはそれに隣接する複数の物理点の各々は、ロボットアームの遠位端と係合した処置ツールのエンドエフェクタの遠位端と接触し、ロボットアームの近位端は、追跡アームの近位端に対して既知の関係で配置される。3次元空間におけるエンドエフェクタの遠位端の位置は、物理点の各々をエンドエフェクタの遠位端と接触させるのと同時に決定される。基準フレームは、物理点の位置から、基準位置に関連して、基準フレーム内の部位または対象物の位置を含むように、3次元空間内に形成される。基準フレーム内で基準位置に対して、部位または対象物上でエンドエフェクタによって実施される処置の計画が形成され、処置は、部位または対象物との間およびエンドエフェクタによって部位または対象物上で実施される処置中にエンドエフェクタが移動する経路と、処置中のエンドエフェクタの軌道とを含む。部位または対象物に対する処置は、ロボットアームの遠位端に係合された処置ツールのエンドエフェクタを使用して、経路を移動することを含む計画に従って実施される。
【0007】
本開示のさらに別の態様は、処置を実施する方法を提供し、そのような方法は、追跡アームの遠位端を、部位もしくは部位で受け取られた対象物に、または部位または対象物に隣接して基準位置と通信するように配置することを含み、基準位置は、追跡アームの近位端に対して3次元空間に配置される。部位または対象物上の物理点は、ロボットアームの遠位端と係合した処置ツールのエンドエフェクタの遠位端と接触し、ロボットアームの近位端は、追跡アームの近位端に対して既知の関係で配置される。3次元空間におけるエンドエフェクタの遠位端の位置は、物理点をエンドエフェクタの遠位端と接触させるのと同時に決定される。エンドエフェクタの軌道は、部位または対象物上の物理点に対して、部位または対象物上で処置を実施するために確立される。部位または対象物上の物理点の位置でエンドエフェクタによって実施される処置のための計画が形成され、処置は、部位または対象物との間および部位または対象物上の物理点の位置および確立された軌道でエンドエフェクタによって実施される処置中に、エンドエフェクタが移動する経路を含む。現場または対象物上での処置は、ロボットアームの遠位端と係合した処置ツールのエンドエフェクタを使用して、経路を移動することを含む計画に従って実施される。
【0008】
本開示のさらに別の態様は、処置を実施する方法を提供する。そのような方法は、追跡アームの遠位端を、部位もしくは部位で受け取られた対象物の位置またはその近傍の基準位置と通信するように配置することを含み、基準位置は、追跡アームの近位端に対して3次元空間内に配置される。処置ツールのエンドエフェクタの遠位端の位置は3次元空間内で決定され、処置ツールはロボットアームの遠位端と係合し、ロボットアームの近位端は追跡アームの近位端に対して既知の関係で配置される。エンドエフェクタの軌道は、その遠位端の位置に対して確立される。部位または対象物上の物理点の位置でエンドエフェクタによって実施される処置のための計画が形成され、処置は、部位または対象物との間、および、部位または対象物上の物理点でエンドエフェクタの位置および確立された軌道でエンドエフェクタによって実施される処置中にエンドエフェクタが移動する経路を含む。処置は、ロボットアームの遠位端と係合した処置ツールのエンドエフェクタを使用して、経路を移動し、確立された軌道にエンドエフェクタを配向することを含む計画に従って、部位または対象物上で実施される。
【0009】
したがって、本開示は、限定するものではないが、以下の実施形態を含む。
【0010】
実施形態1:処置を実施するための計画の形成方法であって、追跡アームの遠位端を、部位における部位で受け取られた対象物における、または部位におけるもしくは部位で受け取られた対象物における、または部位にもしくは部位で受け取られた対象物に隣接する基準位置と通信するように配置することであって、基準位置が3次元空間内の追跡アームの近位端に関係して配置されていることと、部位もしくは対象物における、または部位もしくは対象物に隣接する複数の物理点の各々を、ロボットアームの遠位端と係合した処置ツールのエンドエフェクタの遠位端と接触させることであって、ロボットアームの近位端は追跡アームの近位端に対して既知の関係で配置されていることと、物理点の各々をエンドエフェクタの遠位端と接触させることと同時に、3次元空間におけるエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することと、基準位置に関して、物理点の位置から、基準フレーム内の部位または対象物の位置を含むように、3次元空間内に基準フレームを形成することと、基準フレーム内で、基準位置に対して、部位または対象物上でエンドエフェクタによって実施されるべき処置の計画を形成することであって、処置は、部位または対象物との間で、エンドエフェクタによって部位または対象物上で実施される処置中にエンドエフェクタが移動する経路と、処置中のエンドエフェクタの軌道と、を含むことと、を含む方法。
【0011】
実施形態2:物理点の各々を処置ツールのエンドエフェクタの遠位端と接触させることは、物理点の各々をエンドエフェクタの遠位端と接触させることを含み、エンドエフェクタは処置ツールのドリルビットまたは研磨ビットを備え、処置ツールは穿孔装置を備える、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0012】
実施形態3:ロボットアームは、1つ以上の位置センサと係合する複数の相互接続されたアームセグメントを備え、エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、1つ以上の位置センサからの位置データから、ロボットアームの近位端に対するエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0013】
実施形態4:追跡アームは、1つ以上の位置センサと係合する複数の相互接続されたアームセグメントを備え、方法は、1つ以上の位置センサからの位置データから、追跡アームの近位端に対する追跡アームの遠位端の位置を決定することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0014】
実施形態5:3次元空間内のエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することが、基準位置に関して、エンドエフェクタを介して3次元空間内の部位または対象物の位置を決定することを含み、基準位置は追跡アームの遠位端と物理的に係合する、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0015】
実施形態6:追跡アームの遠位端は、部位または対象物から離間され、また遠位端と係合する検出器装置を含み、検出器装置は、部位または対象物と通信するように配置され、エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、基準位置に関して、エンドエフェクタを介して3次元空間内の部位または対象物の位置を決定することを含み、基準位置は追跡アームの遠位端と係合する検出器装置によって検出される、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0016】
実施形態7:エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、追跡アームを介して決定された基準位置に対して、3次元空間内のエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0017】
実施形態8:処置の実施方法であって、追跡アームの遠位端を、部位におけるもしくは部位で受け取られた対象物における基準位置、または部位にもしくは部位で受け取られた対象物に隣接する、基準位置と通信するように配置することであって、基準位置は追跡アームの近位端に対して3次元空間内に配置されていることと、部位もしくは対象物における、または部位もしくは対象物に隣接する複数の物理点の各々を、ロボットアームの遠位端と係合した処置ツールのエンドエフェクタの遠位端と接触させることあって、ロボットアームの近位端は追跡アームの近位端に対して既知の関係で配置されていることと、物理点の各々をエンドエフェクタの遠位端と接触させると同時に、3次元空間におけるエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することと、基準位置に関して、物理点の位置から基準フレーム内の部位または対象物の位置を含むように、3次元空間内に基準フレームを形成することと、エンドエフェクタによって部位または対象物上で実施されるべき処置の計画を、基準フレーム内でで、かつ基準位置に対して形成することであって、処置は、部位または対象物との間で、エンドエフェクタによって部位または対象物上で実施される処置中にエンドエフェクタが移動する経路と、処置中のエンドエフェクタの軌道と、を含むことと、ロボットアームの遠位端に係合された処置ツールのエンドエフェクタを用いて、経路を移動することを含む、計画に従って部位または対象物に対して処置を実施することと、を含む方法。
【0018】
実施形態9:物理点の各々を処置ツールのエンドエフェクタの遠位端と接触させることは、物理点の各々をエンドエフェクタの遠位端と接触させることを含み、エンドエフェクタは処置ツールのドリルビットまたは研磨ビットを備え、処置ツールは穿孔装置を備える、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0019】
実施形態10:ロボットアームは、1つ以上の位置センサと係合する複数の相互接続されたアームセグメントを備え、エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、1つ以上の位置センサからの位置データから、ロボットアームの近位端に対する、エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0020】
実施形態11:追跡アームは、1つ以上の位置センサと係合する複数の相互接続されたアームセグメントを備え、方法は、1つ以上の位置センサからの位置データから、追跡アームの近位端に対する、追跡アームの遠位端の位置を決定することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0021】
実施形態12:3次元空間内のエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、基準位置に関して、エンドエフェクタを介して3次元空間内の部位または対象物の位置を決定することを含み、基準位置は追跡アームの遠位端と物理的に係合している、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0022】
実施形態13:追跡アームの遠位端は、部位または対象物から離間され、かつ遠位端と係合する検出器装置を含み、検出器装置は、部位または対象物と通信するように配置され、エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、基準位置に関して、エンドエフェクタを介して3次元空間内の部位または対象物の位置を決定することを含み、基準位置は追跡アームの遠位端と係合する検出器装置によって検出される、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0023】
実施形態14:エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、追跡アームを介して決定された基準位置に対して、3次元空間内のエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0024】
実施形態15:処置を実施することは、ロボットアームの遠位端と係合した処置ツールのエンドエフェクタを使用して、追跡アームを介して決定された基準位置に対して、経路を移動することを含む、計画に従って部位または対象物に対して処置実施することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0025】
実施形態16:追跡アームを介して決定された基準位置の動きを介して決定されるように、部位または対象物の動きに応答して処置の実施中に計画を調整することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0026】
実施形態17:経路を移動することを含む処置の実施中に処置装置が計画から逸脱したことに応答してフィードバックを提供することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0027】
実施形態18:フィードバックを提供することは、処置装置を介して触覚フィードバックまたは接触フィードバックを指示することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0028】
実施形態19:フィードバックを提供することは、逸脱表示装置を介して視覚フィードバックまたは聴覚フィードバックを提供することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0029】
実施形態20:フィードバックを提供することは、ロボットアームを介して動きに対する抵抗を提供することによって処置装置の動きを制限することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0030】
実施形態21:処置の実施方法であって、追跡アームの遠位端を、部位におけるもしくは部位で受け取られた対象物における基準位置、または部位にもしくは部位で受け取られた対象物に隣接する基準位置と通信するように配置することであって、基準位置が追跡アームの近位端に対して3次元空間内に配置されていることと、部位または対象物上の物理点を、ロボットアームの遠位端と係合された処置ツールのエンドエフェクタの遠位端と接触させることであって、ロボットアームの近位端は追跡アームの近位端に対して既知の関係で配置されていることと、物理点をエンドエフェクタの遠位端と接触させることと同時に、3次元空間におけるエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することと、部位または対象物上の物理点に対して、部位または対象物上で処置を実施するためのエンドエフェクタの軌道を確立することと、部位または対象物上の物理点の位置でエンドエフェクタによって実施される処置のための計画を形成することであって、処置は、部位または対象物との間で、および部位または対象物上の物理点で位置および確立された軌道でエンドエフェクタによって実施される処置の間、エンドエフェクタが移動する経路を含む、ことと、ロボットアームの遠位端に係合された処置ツールのエンドエフェクタを用いて、経路を移動することを含む、計画に従って部位においてまたは対象物に対して処置を実施するステップと、を含む方法。
【0031】
実施形態22:物理点を処置ツールのエンドエフェクタの遠位端と接触させることは、物理点をエンドエフェクタの遠位端と接触させることを含み、エンドエフェクタは処置ツールのドリルビットまたは研磨ビットを備え、処置ツールは穿孔装置を備えている、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0032】
実施形態23:ロボットアームは、1つ以上の位置センサが係合された複数の相互接続されたアームセグメントを備え、エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、1つ以上の位置センサからの位置データから、ロボットアームの近位端に対する、エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0033】
実施形態24:追跡アームは、1つ以上の位置センサが係合された複数の相互接続されたアームセグメントを備え、方法は、1つ以上の位置センサからの位置データから、追跡アームの近位端に対する追跡アームの遠位端の位置を決定することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0034】
実施形態25:3次元空間内のエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、基準位置に関して、エンドエフェクタを介して3次元空間内の部位または対象物の位置を決定することを含み、基準位置は追跡アームの遠位端と物理的に係合する、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0035】
実施形態26:追跡アームの遠位端は、部位または対象物から離間され、遠位端が係合される検出器装置を含み、検出器装置は、部位または対象物と通信するように配置され、エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、基準位置に関して、エンドエフェクタを介して3次元空間内の部位または対象物の位置を決定することを含み、基準位置は追跡アームの遠位端と係合する検出器装置によって検出される、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0036】
実施形態27:エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、追跡アームを介して決定された基準位置に対して、3次元空間内のエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0037】
実施形態28:処置を実施することは、ロボットアームの遠位端に係合された処置ツールのエンドエフェクタを使用して、追跡アームを介して決定された基準位置に対して、経路を移動することを含む、計画に従って部位または対象物に対して処置を実施することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0038】
実施形態29:追跡アームを介して決定された基準位置の動きによって決定されるように、部位または対象物の動きに応答して処置の実施中に計画を調整することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0039】
実施形態30:経路を移動することを含む処置の実施中に、処置装置が計画から逸脱したことに応答してフィードバックを提供することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0040】
実施形態31:フィードバックを提供することは、処置装置を介して触覚フィードバックまたは接触フィードバックを導くことを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0041】
実施形態32:フィードバックを提供することは、逸脱表示装置を介して視覚フィードバックまたは聴覚フィードバックを提供することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0042】
実施形態33:フィードバックを提供することは、ロボットアームを介して動きに対する抵抗を提供することによって処置装置の動きを制限することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0043】
実施形態34:計画を形成することは、部位または対象物上の複数の物理点の各々の位置でエンドエフェクタによって実施される処置のための計画を形成することを含み、処置を実施することは、確立された軌道内のエンドエフェクタを使用して、部位または対象物上の物理点の各々で処置を実施し、処置は物理点の間で並行して実施されることを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0044】
実施形態35:処置の実施方法であって、追跡アームの遠位端を、部位におけるもしくは部位で受け取られた対象物における基準位置、または部位にもしくは部位で受け取られた対象物に隣接する基準位置と通信するように配置することであって、基準位置は追跡アームの近位端に対して3次元空間内に配置されていることと、3次元空間内の処置ツールのエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することであって、処置ツールはロボットアームの遠位端と係合しており、ロボットアームの近位端は追跡アームの近位端に対して既知の関係で配置されていることと、エンドエフェクタの遠位端の位置に対するエンドエフェクタの軌道を確立することと、部位または対象物上の物理点の位置でエンドエフェクタによって実施されるべき処置の計画を形成することであって、処置は、部位または対象物との間および部位または対象物上の物理点におけるエンドエフェクタの位置および確立された軌道でエンドエフェクタによって実施される処置中にエンドエフェクタが往復する経路を含むことと、ロボットアームの遠位端と係合した処置ツールのエンドエフェクタを使用して、経路を移動することと、確立された軌道内でエンドエフェクタを配向させることと、を含む、計画に従って部位または対象物上で処置を実施することと、を含む方法。
【0045】
実施形態36:軌道を確立することは、エンドエフェクタがエンドエフェクタの遠位端に対して3次元角度配置になるように処置ツールを手動で方向付けることと、計画の形成に使用するための軌道を提供するエンドエフェクタの角度配置を記憶することと、を含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0046】
実施形態37:軌道を確立することは、軌道を提供するエンドエフェクタの3次元角度配置を決定することと、角度配置を提供するエンドエフェクタの遠位端からのエンドエフェクタの近位端の空間オフセットを決定することと、計画を形成する際に使用するための軌道を提供するエンドエフェクタの近位端の空間オフセットを記憶することと、を含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0047】
実施形態38:エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することを含み、エンドエフェクタは処置ツールのドリルビットまたは研磨ビットを備え、処置ツールは穿孔装置を備える、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0048】
実施形態39:エンドエフェクタの遠位端の位置を決定すること、物理点をエンドエフェクタの遠位端と接触させることと、3次元空間内のエンドエフェクタの遠位端の位置を同時に決定することと、を含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0049】
実施形態40:ロボットアームは、1つ以上の位置センサと係合する複数の相互接続されたアームセグメントを備え、エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、1つ以上の位置センサからの位置データから、ロボットアームの近位端に対する、エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0050】
実施形態41:追跡アームは、1つ以上の位置センサと係合する複数の相互接続されたアームセグメントを備え、方法は、1つ以上の位置センサからの位置データから、追跡アームの近位端に対する、追跡アームの遠位端の位置を決定することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0051】
実施形態42:3次元空間内のエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、基準位置に関して、エンドエフェクタを介して3次元空間内の部位または対象物の位置を決定することを含み、基準位置は追跡アームの遠位端と物理的に係合する、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0052】
実施形態43:追跡アームの遠位端は、部位または対象物から離間され、かつ遠位端と係合する検出器装置を含み、検出器装置は、部位または対象物と通信するように配置され、エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、基準位置に関して、エンドエフェクタを介して3次元空間内の部位または対象物の位置を決定することを含み、基準位置は追跡アームの遠位端と係合する検出器装置によって検出される、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0053】
実施形態44:エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、追跡アームを介して決定された基準位置に対して、3次元空間内のエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0054】
実施形態45:処置を実施することは、ロボットアームの遠位端と係合した処置ツールのエンドエフェクタを使用して、追跡アームを介して決定された基準位置に対して、経路を移動することと、確立された軌道でエンドエフェクタを方向付けることとを含む、計画に従って部位または対象物に対して処置を実施することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0055】
実施形態46:追跡アームを介して決定された基準位置の動きを介して決定されるように、部位または対象物の動きに応答して処置の実施中に計画を調整することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0056】
実施形態47:経路を移動して、確立された軌道内でエンドエフェクタを配向させることを含む、処置の実施中に処置装置が計画から逸脱したことに応答してフィードバックを提供することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0057】
実施形態48:フィードバックを提供することは、処置装置を介して接触フィードバックまたは触覚フィードバックを導くことを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0058】
実施形態49:フィードバックを提供することは、逸脱表示装置を介して視覚フィードバックまたは聴覚フィードバックを提供することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0059】
実施形態50:フィードバックを提供することは、ロボットアームを介して動きに対する抵抗を提供することによって処置装置の動きを制限することを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0060】
実施形態51:計画を形成することは、部位または対象物上の複数の物理点の各々の位置でエンドエフェクタによって実施される処置のための計画を形成することを含み、処置を実施することは、確立された軌道内のエンドエフェクタを使用して、部位または対象物上の物理点の各々で処置を実施することを含み、処置は物理点の間で並行して実施される、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組み合わせの方法。
【0061】
本開示のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下で簡単に説明される添付の図面と共に以下の詳細な説明を読むことから明らかになるであろう。本開示は、本開示に記載の2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の特徴または要素の任意の組み合わせを、そのような特徴または要素が本明細書の特定の実施形態の説明において明示的に組み合わされているか、そうでなければ列挙されているかにかかわらず、含む。本開示は、本開示の文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、その態様および実施形態のいずれかにおいて、本開示の任意の分離可能な特徴または要素が意図されるように、すなわち組み合わせ可能であるように全体的に読まれることが意図される。
【0062】
本明細書の概要は、本開示の基本的な理解を提供するために、いくつかの例示的な態様を要約する目的でのみ提供されていることが理解されよう。したがって、上述の例示的な態様は単なる例であり、決して本開示の範囲または精神を狭めると解釈されるべきではないことが理解されよう。本開示の範囲は、本明細書に要約されたものに加えて、そのいくつかが以下でさらに説明される多くの潜在的な態様を包含することが理解されよう。さらに、本明細書に開示したそのような態様の他の態様および利点は、記載された態様の原理を例として示す添付の図面と併せて以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0063】
このように、本開示を一般的な用語で説明してきたが、ここで、必ずしも一定の縮尺で描かれていない添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【
図1】本開示の方法態様によって実施されるロボットシステムの別の態様を概略的に示す図である。
【
図2】本開示の方法態様によって実施されるロボットシステムの別の態様を概略的に示す図である。
【
図3】
図1および
図2に示すロボットシステムを実装する、本開示の一態様による、処置を計画する方法を概略的に示す図である。
【
図4】一例において顎骨内の歯科インプラントに適用される
図3の方法を概略的に示す図である。
【
図5】
図3の方法に従って形成された基準フレームを概略的に示す図である。
【
図6】
図3に示す処置を計画する方法を実施する、本開示の一態様による、処置を実施する方法を概略的に示す図である。
【
図7】本開示の別の態様による、処置を実施する方法を概略的に示す図である。
【
図8】一例において顎骨内の歯科インプラントに適用される
図7の方法を概略的に示す図である。
【
図9】一例において顎骨内の歯科インプラントに適用される
図7の方法を概略的に示す図である。
【
図10】本開示のさらに別の態様による、処置を実施する方法を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
本開示は、本開示のすべてではないが一部の態様が示されている添付の図面を参照して、以下でより完全に説明される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の態様に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの態様は、本開示が適用される法的要件を満たすように提供される。同様の符号は、全体を通して同様の要素を指す。
【0066】
図1は、本開示の一態様に係るロボットシステム100を概略的に示す。そのようなシステムは、部位25、または部位25で受け取られた対象物50と相互作用するように構成されたエンドエフェクタ300を有する処置ツール200を含む。部位25は、顎顔面構造または歯科構造とすることができ、対象物50は、歯、歯科インプラント/歯冠などとすることができる。
【0067】
本開示の態様は、ロボットシステムを顎顔面/歯の解剖学的構造または顎顔面構造に関連付ける例を含むが、当業者であれば、顎顔面/歯の解剖学的構造または顎顔面/歯の構造への言及は、いくつかの態様では、開示された処置ツール/エンドエフェクタおよび/またはロボットシステムと相互作用する/それらによって相互作用される対象物の例を提供することにすぎないことを理解するであろう。そうでなければ、本明細書における「対象物」への言及は、非ヒト対象物を対象とし、明示的に指す。或る例では、そのような非ヒト対象物は、顎顔面/歯科解剖学的構造モデルまたは顎顔面/歯科構造モデルまたはそのような解剖学的構造もしくは構造の他の非ヒト表現もしくは再現である。本明細書に開示したシステムおよび方法は、例えば、本明細書に記載された処置およびツールに関して、歯科専門家がその技能を開発するための便利で効果的な訓練ツールまたは訓練提供を提供するために実施される。さらに、本明細書に開示され特許請求される任意の方法は、特に、本明細書に記載され特許請求されるシステムの制御および動作を対象とし、そのような方法は、特に人間に対する手術の方法を対象とせず、代わりに、先に示した訓練処置に関するロボットシステムおよび/または処置ツールおよびエンドエフェクタの動作を対象とする。
【0068】
さらに、本開示の態様は、顎顔面/歯の解剖学的構造を含む例示的な処置を示しているが、当業者は、本明細書に開示するロボットシステムおよび方法の概念が、例えば整形外科手術、ENT手術、および神経外科手術などの、歯科手術を含まない他の外科的プロセスへの適用可能性を見出すことができることを理解するであろう。したがって、本明細書に提示される本開示の態様は、開示された概念の適用可能性の単なる例であり、決して限定することを意図するものではない。すなわち、本明細書で開示されるロボットシステムの態様は、歯科手術以外の他の種類の手術を容易にするために、患者の様々な部分に適用可能であり得る。
【0069】
或る態様では、例えば
図1および
図2に示すように、処置ツール200は穿孔装置であり、エンドエフェクタ300はドリルビットまたは研磨ビットである。処置ツール200は、ロボットシステム100の関節式ロボットアームの遠位端725と係合し、処置ツール200のエンドエフェクタ300は、部位25および/または部位に受け入れられた対象物50と相互作用するように構成される。コントローラ800は、関節式ロボットアーム、処置ツール200、および部位25または対象物50にあるかまたはそれに隣接する基準位置10と係合するように適合された基準マーカ900と通信するように構成される。コントローラ800は、例えば、部位25または対象物50と相互作用するためのエンドエフェクタ300の移動中に基準マーカ900に対するエンドエフェクタ300の配置を決定するように構成される。コントローラ800は、例えば、ロボット処置中の部位25または対象物50の移動を考慮し適合させるために、エンドエフェクタ300の配置に対して直接的に、基準位置10と係合した基準マーカ900に対する処置ツール200の許容可能な移動を物理的に制御するように関節式ロボットアームに指示するようにさらに構成される。例えば、或る態様では、コントローラ800は、計画、処置、または操作を実施するために、部位25または対象物50に近接する(および部位25または対象物50から離れる)経路、ならびにそれに沿って処置ツール200/エンドエフェクタ300が操作されて部位25または対象物50と相互作用するその後の経路を移動するように指示される処置ツール200/エンドエフェクタ300を含む計画、処置、または操作を開発するように実現され、エンドエフェクタ300は確立された軌道にある。
【0070】
本開示の態様によれば、開発された計画/処置/動作は、部位25または対象物50に向かって係合する経路に沿った処置ツール200/エンドエフェクタ300の軌道を含む移動を詳細に説明し、関節式ロボットアーム(その遠位端725に取り付けられた処置ツール200を有する)は、計画/処置/動作に従って処置ツール200を許容可能な経路またはルートに沿って手動で移動させることを可能にする構造および機能を含む。しかしながら、関節式ロボットアームによって、許容可能な経路または経路外への処置ツール200の手動移動は、制限され、妨げられ、または防止される。
【0071】
或る態様(例えば、
図1を参照されたい)では、追跡アーム1050の遠位端1025は、基準マーカ900と物理的に係合する。追跡アーム1050は、関節式ロボットアームとは分離した別個の要素である。さらに、追跡アーム1050は、コントローラ800と通信して、コントローラ800と協働して、(関節式ロボットアームを介して)基準マーカ900/基準位置10とエンドエフェクタ300との間の空間的関係を決定するように構成される。他の態様(例えば、
図2を参照されたい)では、ロボットシステム100は、追跡アーム1050の遠位端1025と係合する検出器1000を含み、追跡アーム1050は、関節式ロボットアームとは分離した別個の要素である。追跡アーム1050および検出器1000は、コントローラ800と通信するように配置される。検出器1000は、追跡アーム1050と協働して、基準位置10と係合した基準マーカ900と離間した関係で検出器1000を位置決めし、基準マーカ900を検出し、コントローラ800と協働して、(関節式ロボットアームを介して)基準マーカ900/基準位置10とエンドエフェクタ300との間の空間的関係を決定するようにさらに構成される。検出器1000は、特に例示的な態様では、電気検出器、電気機械検出器、電磁検出器、光検出器、赤外線検出器、またはそれらの組み合わせである。
【0072】
或る態様では、関節式ロボットアームは、近位端720と、その反対側にある遠位端725を有する。1つ以上のセンサ730が関節式ロボットアームと動作可能に係合し、関節式ロボットアームに関連する位置データを感知するように構成される。例えば、1つ以上のセンサ730は、関節式ロボットアームの複数のアーム部材のうちの1つと係合し、および/またはアーム部材間、もしくはアーム部材と関節式ロボットアームの他の構成要素との間(例えば、関節式ロボットアームの近位端720とベース部材715との間)に係合するジョイントと係合する。このようにして、1つ以上のセンサ730によって検知された位置データは、例えば、3次元空間における関節式ロボットアームおよび/またはその構成要素の空間的関係(例えば、向き、位置など)を含む。場合によっては、空間的関係は、関節式ロボットアームの近位端720が取り付けられるベース部材715に対して決定される。したがって、或る態様では、1つ以上のセンサ730は、1つ以上のセンサ730によって感知された位置データが、3次元空間内の、場合によっては、関節式ロボットアームのベース部材715/近位端720に対する、関節式ロボットアームの少なくとも遠位端725の空間位置を少なくとも示すように、関節式ロボットアームと係合する。3次元空間における処置ツール200/エンドエフェクタ300の位置は、1つ以上のセンサ730の位置データから決定された関節式ロボットアームの遠位端725の位置、および関節式ロボットアームの遠位端725との処置ツール200の係合に関連し、既知であり、または決定され、さもなければ関連付けられる。したがって、ロボットアーム750の近位端720に対するエンドエフェクタ300の遠位端の位置は、1つ以上の位置センサ730からの位置データから決定される。
【0073】
或る態様では、追跡アーム1050は、近位端1020と、その反対側の遠位端1025を有する。1つ以上のセンサ1030は、追跡アーム1050と動作可能に係合し、追跡アーム1050に関連する位置データを検知するように構成される。例えば、1つ以上のセンサ1030は、追跡アーム1050の複数のアーム部材の1つと、および/またはアーム部材間、もしくはアーム部材と追跡アーム1050の他の構成要素との間(例えば、追跡アーム1050の近位端1020とベース部材715との間)に係合するジョイントと係合する。このように、1つ以上のセンサ1030によって検出される位置データは、例えば、3次元空間における追跡アーム1050および/またはその構成要素の空間的関係(例えば、向き、位置など)を含む。場合によっては、空間的関係は、追跡アーム1050の近位端1020が取り付けられるベース部材715に対して決定される。したがって、或る態様では、1つ以上のセンサ1030は、1つ以上のセンサ1030によって感知された位置データが、3次元空間における、場合によっては追跡アーム1050のベース部材715/近位端1020に対する、追跡アーム750の少なくとも遠位端1025の空間位置を少なくとも示すように、追跡アーム1050と係合する。3次元空間内の基準位置10の位置は、1つ以上のセンサ1030の位置データから決定された追跡アーム1050の遠位端1025の位置に、および基準マーカ900/基準位置10と追跡アーム1050の遠位端1025との間の物理的係合に、または追跡アーム1050の遠位端1025と係合した検出器1000による基準マーカ900/基準位置10の検出に関連するか、既知であるか、または決定されるか、さもなければ関連付けられる。すなわち、追跡アーム1050の遠位端1025の、その近位端1020に対する位置は、1つ以上の位置センサ1030からの位置データから決定される。
【0074】
本明細書で開示されるロボットシステム100の態様を実施することは、本開示の一態様は、
図3に示すように、部位25/対象物50の撮像を必要とせずに、処置を実施するための計画を形成する方法、特にそのような計画を形成する方法を含む。そのような方法は、一例では、追跡アーム1050の遠位端1025を、部位25もしくは部位25で受け取られた対象物50に、またはそれに隣接する基準位置10と通信するように配置することを含み、基準位置10は、3次元空間内で追跡アーム1050の近位端1020に対して配置される(ブロック3-100)(すなわち、基準位置10は、追跡アーム1050の近位端1020に対して3次元空間内に配置される)。基準位置10に対するエンドエフェクタ300の遠位端1025の3次元空間内の位置は、基準位置10と係合した基準マーカ900との物理的接続または通信によって、追跡アーム1050を介して既知であるか決定される。
【0075】
部位25もしくは対象物50にあるかまたはそれに隣接する複数の物理点5の各々は、ロボットアーム750の遠位端725と係合した処置ツール200のエンドエフェクタ300の遠位端と接触し、ロボットアーム750の近位端720は、追跡アーム1050の近位端1020に対して既知の関係で配置される(ブロック3-110)。3次元空間におけるエンドエフェクタ300の遠位端の位置は、物理点5の各々をエンドエフェクタ300の遠位端と接触させるのと同時に決定される(ブロック3-120および
図4)。さらに、部位25または対象物50は物理点のうちの1つであり、部位25または対象物50の位置はまた、基準位置10が(基準マーカ900を介して)追跡アーム1050の遠位端1025と物理的に係合しているため、または追跡アーム1050の遠位端1025と係合している検出器装置1000によって(基準マーカ900を介して)検出されるため、基準位置10に関してエンドエフェクタ300を介して3次元空間内で決定される。
【0076】
次いで、基準位置10に対して、物理点5の位置から基準フレーム500(例えば、
図5を参照されたい)が3次元空間に形成され、部位25または対象物50の位置も基準フレーム500内に含まれる(ブロック3-130)。すなわち、場合によっては、エンドエフェクタ300の遠位端と接触する物理点5は、形成されると、部位25または対象物50が基準フレーム500内に、または基準フレーム500に対して配置されるように、部位25または対象物50を取り囲むおよび/または含むように選択される。基準フレーム500が確立されると、基準フレーム500内および基準位置10に対して、部位25または対象物50上でエンドエフェクタ300によって実施される処置の計画が形成され、処置は、部位25または対象物50との間およびエンドエフェクタ300によって部位25または対象物50上で実施される処置中にエンドエフェクタ300が移動する経路、ならびに処置中のエンドエフェクタ300の軌道を含む(ブロック3-140)。基準フレーム500と処置ツール200/エンドエフェクタ300の経路との両方が基準位置10に対して確立され、3次元空間内の基準位置10が計画/処置/動作の実施中に監視されるため、基準フレーム500および経路は、計画/処置/動作が実施されているときに部位25/対象物50の任意の動きを考慮してリアルタイムで修正または調整されることができる。
【0077】
したがって、そのような態様では、計画/処置/動作を形成するための基礎として部位25/対象物50の別個の撮像処置を必要とせずに、計画/処置/動作が形成される。すなわち、エンドエフェクタ300の遠位端の位置が、部位25/対象物50と係合する基準マーカ900に関して既知であるロボットシステム100の配置は、物理点5の各々によるエンドエフェクタ300の遠位端の位置の取得を介して確立された基準フレーム500が撮像ステップの代理または置換として機能することを可能にする。物理点5は、部位25/対象物50上またはその周りに選択され、部位25/対象物50自体を含むことができるため、基準フレーム500は、部位25/対象物50の3次元表現またはモデルとして形成される。さらに、部位25/対象物50自体を物理点5の1つとして含めることができるため、部位25/対象物50自体を含むように基準フレーム500を形成するこの方法は、計画/処置/動作を形成する正確な3次元表現またはモデルを提供する。例えば、
図4および
図5に示すように、ロボットシステム100および方法は、場合によっては、歯科インプラントをモデル顎構造内に配置することに適用されることができ、これは、ポストが、その上にクラウンを受け入れる前に顎(例えば、部位25)内にインプラント/ポストが設置されることを必要とする。ロボットアーム750の遠位端725に取り付けられたドリル装置(処置ツール200)のドリルビット(エンドエフェクタ300)の端部と、部位25(例えば、近くの歯の表面および顎骨表面(舌側および頬側))の、その近く、またはその近傍の解剖学的構造上の物理点5とを接触させることによって、3次元空間内のそれらの物理点5の位置がコントローラ800を介して記録される。次いで、コントローラ800は、その中に部位25を含む局所的な基準フレーム500を形成することができ、この基準フレーム500に基づいて、例えば、インプラント/ポストを顎骨の部位25に中心決めし、インプラント/ポストは、いずれかの側(近心および遠位)の歯の間の中心に、或る角度または軌道で顎骨から延在するように指向された計画を作成する。したがって、インプラント/ポストのこの正確な配置は、周囲の構造を考慮してインプラント/ポストとクラウンとの間の位置合わせを最適化することによって、インプラント/ポスト上にクラウンを配置するプロセス(すなわち、歯を復元すること)を容易にする。
【0078】
別の態様では、基準フレーム500を確立することによって計画を形成する方法は、その計画に基づいて処置を実施する方法に拡張することができる。例えば、
図6に示すように、そのような方法は、追跡アーム1050の遠位端1025を、部位25にもしくは部位25で受け取られた対象物50にあるかまたはそれに隣接する基準位置10と通信するように配置することを含み、基準位置10は、追跡アーム1050の近位端1020に対して3次元空間に配置される(ブロック6-100)。部位25にもしくは対象物50にあるかまたはそれに隣接する複数の物理点5の各々は、ロボットアーム750の遠位端725と係合した処置ツール200のエンドエフェクタ300の遠位端と接触し、ロボットアーム750の近位端720は、追跡アーム1050の近位端1020に対して既知の関係で配置される(ブロック6-110)。3次元空間におけるエンドエフェクタ300の遠位端の位置は、物理点5の各々をエンドエフェクタ300の遠位端と接触させるのと同時に決定される(ブロック6-120)。次いで、3次元空間内の基準フレーム500が、物理点5の位置から、基準位置10に対して形成され、基準フレーム10内の部位25または対象物50の位置を含む(ブロック6-130)。
【0079】
次いで、基準フレーム500内で基準位置10に対して、部位25または対象物50上でエンドエフェクタ300によって実施される処置のための計画が形成される。処置は、部位25または対象物50との間およびエンドエフェクタ300によって部位25または対象物50上で実施される処置中にエンドエフェクタ300が移動する経路、ならびに処置中のエンドエフェクタ300の軌道または向きを含む(ブロック6-140)。次いで、ロボットアーム750の遠位端725と係合した処置ツール200のエンドエフェクタ300を使用して、経路を移動することを含む計画に従って部位25または対象物50に対して処置が実施される(ブロック6-150)。すなわち、ロボットアーム750の遠位端725と係合した処置ツール200のエンドエフェクタ300を使用して、経路を移動することを含む、追跡アーム1050を介して決定された基準位置10に対して、計画に従って部位25または対象物50に対して処置が実施される。
【0080】
基準マーカ900/基準位置10との通信は、処置の実施中も維持されるため、処置ツール200/エンドエフェクタ300が移動する経路を含む計画は、追跡アーム1050を介して決定された基準位置10の移動によって決定されるように、部位25または対象物50の移動に応答して処置の実施中に調整されることができる。さらに、処置ツール200/ロボットアーム750を手動で操作して処置を実施することができるため、ロボットシステム100は、経路を移動することを含む、処置の実施中に処置装置200が計画から逸脱したこと(例えば、経路から逸脱したこと)に応答してフィードバックを提供するように構成されることができる。例えば、触覚フィードバックまたは接触フィードバックは、コントローラ800によって処置装置200を介して方向付けられることができ、視覚フィードバックまたは聴覚フィードバックは、コントローラ800によって逸脱表示装置(例えば、
図1および
図2の要素1300を参照されたい)を介して方向付けられることができ、および/または処置装置200の動きは、ロボットアーム750を介して動きに抵抗を与えることによって制限されることができる。
【0081】
本開示のさらに別の態様では、処置を実施する方法は、基準フレーム500を形成することなく実施することができる。例えば、
図7~
図9に示すように、方法は、追跡アーム1050の遠位端1025を、部位25にもしくは部位25で受け取られた対象物50にある基準位置10またはそれに隣接する基準位置10と通信するように配置することを含み、基準位置10は、追跡アーム1050の近位端1020に対して3次元空間に配置される(ブロック7-100)。部位25または対象物50上の物理点(例えば、部位25自体)は、ロボットアーム750の遠位端725と係合した処置ツール200のエンドエフェクタ300の遠位端と接触し、ロボットアーム750の近位端720は、追跡アーム1050の近位端1020に対して既知の関係で配置される(ブロック7-110)。3次元空間におけるエンドエフェクタ300の遠位端の位置は、物理点(例えば、部位25)をエンドエフェクタ300の遠位端と接触させるのと同時に決定される(ブロック7-120)。
【0082】
物理点(例えば、部位25)をエンドエフェクタ300の遠位端と接触させることに関連して、部位25または対象物50における物理点に対するエンドエフェクタ300の軌道または向き(例えば、
図9の要素1500を参照されたい)は、部位25または対象物50で処置を実施するために確立される(例えば、ドリルビットを部位25と接触させて配置することができ、次いで、ドリルビットが3次元空間内で所望の向き/方向に位置合わせされて部位25に孔を穿孔するように、穿孔装置/ドリルビットが手動で位置合わせされる)(ブロック7-130)。次いで、エンドエフェクタ300が部位25と接触しており、部位25に対して所望の角度(例えば、3次元空間における軌道または向き1500)で方向付けされているときに、(例えば、アクチュエータを介して信号を提供することによって、例えば、
図9の要素1400を参照されたい)部位25または対象物50上の物理点の位置でエンドエフェクタ300によってコントローラ800に対して実施される処置のための計画が形成される(ブロック7-140)。処置はまた、部位25または対象物50との間、および部位25または対象物50の物理点の位置および確立された軌道1500においてエンドエフェクタ300によって実施される処置中にエンドエフェクタ300が移動する経路を含むことができる。次いで、ロボットアーム750の遠位端725と係合した処置ツール200のエンドエフェクタ300を使用して、経路を移動することを含む、計画に従って部位25または対象物50で処置が実施される(ブロック7-150)。すなわち、処置は、ロボットアーム750の遠位端725と係合した処置ツール200のエンドエフェクタ300を使用して、確立された軌道1500内のエンドエフェクタ300で経路を移動することを含む、追跡アーム1050を介して決定された基準位置10に対して、計画に従って部位25または対象物50上で実施される。
【0083】
基準マーカ900/基準位置10との通信は処置の実施中も維持されているので、処置ツール200/エンドエフェクタ300が移動する経路およびエンドエフェクタ300の軌道1500を含む計画は、追跡アーム1050を介して決定された基準位置10の移動によって決定されるように、部位25または対象物50の移動に応答して処置の実施中に調整されることができる。さらに、処置ツール200/ロボットアーム750を手動で操作して処置を実施することができるため、ロボットシステム100は、経路を移動することを含む、処置の実施中に処置装置200が計画から逸脱したこと(例えば、経路から逸脱したこと)に応答してフィードバックを提供するように構成されることができる。例えば、触覚フィードバックまたは接触フィードバックは、コントローラ800によって処置装置200を介して方向付けられることができ、視覚フィードバックまたは聴覚フィードバックは、コントローラ800によって逸脱表示装置(例えば、
図1および
図2の要素1300を参照されたい)を介して方向付けられることができ、および/または処置装置200の動きは、ロボットアーム750を介して動きに対する抵抗を提供することによって制限されることができる。
【0084】
したがって、そのような態様では、例えば
図8および
図9に示すように、ロボットシステム100および方法は、場合によっては、歯科インプラントをモデル顎構造内に配置することに適用されることができ、これは、ポストがその上にクラウンを受け入れる前に顎(例えば、部位25)内にインプラント/ポストが設置されることを必要とする。部位25(例えば、顎骨表面上)をロボットアーム750の遠位端725に取り付けられたドリル装置(処置ツール200)のドリルビット(エンドエフェクタ300)の端部と接触させ、ドリルビットの所望の軌道/向きを確立することによって、3次元空間におけるインプラント部位25の位置を、アクチュエータ1400に応答してコントローラ800を介して記録することができる。必要に応じて、コントローラ800は、例えば、インプラント/ポストを顎骨の部位25に配置することに向けた計画を形成することができる。しかしながら、代替的な態様では、撮像プロセス、ならびに本明細書で先に開示した計画プロセスの両方をバイパスし、部位25の位置およびエンドエフェクタ300の軌道/向きを確立すると直ちに処置/操作が行われることができる。場合によっては、向き/軌道に沿ったエンドエフェクタ300の移動距離は、例えばコントローラ800への入力によっても確立することができる。このようにして、ロボットシステム100は、例えば、部位25に徐々に大きな穴を開ける必要がある場合、エンドエフェクタ300を同じ位置/向き/軌道に戻すことができる。
【0085】
本開示のさらに別の態様では、エンドエフェクタ300の遠位端の3次元空間内における位置を決定するために、部位25または対象物50上の物理点(例えば、部位25自体)をエンドエフェクタ300の遠位端と接触させることなく、処置を実施する方法を実行することができる。例えば、
図10に示すように、このような方法は、追跡アーム1050の遠位端1025を、部位25にもしくは部位25で受け取られた対象物50にあるか、またはそれに隣接する基準位置10と通信するように配置することを含み、基準位置10は、追跡アーム1050の近位端1020に対して3次元空間に配置される(ブロック8-100)。処置ツール200のエンドエフェクタ300の遠位端の位置が3次元空間内で決定され、処置ツール200はロボットアーム750の遠位端725と係合し、ロボットアーム750の近位端720は追跡アーム1050の近位端1020に対して既知の関係で配置される(ブロック8-110)。
【0086】
すなわち、ロボットアーム750は、それと係合した1つ以上の位置センサ730を有する複数の相互接続されたアームセグメントを備え(ロボットアーム750の近位端720に対するエンドエフェクタ300の遠位端の位置は、1つ以上の位置センサ730からの位置データから決定されることができる)、追跡アーム1050は、それと係合した1つ以上の位置センサ1030を有する複数の相互接続されたアームセグメントを備える(追跡アーム1050の遠位端1025の、その近位端1020に対する位置は、1つ以上の位置センサ1030からの位置データから決定されることができる)ので、基準位置10に対する3次元空間内のエンドエフェクタ300の遠位端の位置は、3次元空間の任意の時点で決定されることができる。例えば、3次元空間におけるエンドエフェクタ300の遠位端の位置は、ロボットアーム750によって連続的に監視されることができ、または3次元空間におけるエンドエフェクタ300の遠位端の位置は、アクチュエータ1400の作動時にオンデマンドで決定されることができる(例えば、
図9を参照されたい)。そのような場合、エンドエフェクタ300の遠位端の位置は、自由空間内で(例えば、3次元空間内の任意の位置で)決定される。しかしながら、他の態様では、エンドエフェクタ300の遠位端の位置は、物理的な点(例えば、部位25)をエンドエフェクタ300の遠位端と接触させ、同時に3次元空間内のエンドエフェクタ300の遠位端の位置を決定することによって決定されることができる。
【0087】
エンドエフェクタ300の遠位端の位置が決定されると、その遠位端の位置に対してエンドエフェクタ300の軌道(例えば、
図9の要素1500を参照されたい)が確立される(ブロック8-120)。すなわち、或る態様では、軌道1500は、エンドエフェクタ300がエンドエフェクタ300の遠位端に対して3次元角度配置になるように処置ツール200を手動で方向付けることによって確立され、軌道1500を提供するエンドエフェクタ300の角度配置は、処置の計画を形成する際に使用するために(例えば、アクチュエータ1400の作動時に)記憶される。他の態様では、軌道1500は、所望の軌道を提供するエンドエフェクタ300の3次元角度配置を決定し、次いで、角度配置を提供するためのエンドエフェクタ300の遠位端からの近位端の空間オフセットを決定することによって確立される。次いで、軌道1500を提供するエンドエフェクタ300の近位端の空間オフセットは、処置の計画を形成する際に使用するために記憶される。
【0088】
次いで、部位25または対象物50上の物理点の位置でエンドエフェクタ300によって実施される処置の計画が形成される(例えば、エンドエフェクタ300が部位25に対して所望の角度で配向されたときにアクチュエータ(例えば、
図9の要素1400を参照されたい)を介してコントローラ800に信号を供給することによって)(ブロック8-130)。処置はまた、部位25または対象物50との間、および部位25または対象物50上の物理点におけるエンドエフェクタ300の位置および確立された軌道でエンドエフェクタ300によって実施される処置中にエンドエフェクタ300が移動する経路を含むことができる。次いで、処置は、ロボットアーム750の遠位端725と係合した処置ツール200のエンドエフェクタ300を使用して、経路を移動することと、確立された軌道1500にエンドエフェクタ300を方向付けすることとを含む、計画に従って部位25または対象物50上で実施される(ブロック8-140)。すなわち、処置は、ロボットアーム750の遠位端725と係合した処置ツール200のエンドエフェクタ300を使用して、経路を移動することと、確立された軌道1500内でエンドエフェクタ300を方向付けすることとを含む、追跡アーム1050を介して決定された基準位置10に対して、計画に従って部位25または対象物50上で実施される。
【0089】
基準マーカ900/基準位置10との通信は、処置の実施中も維持されているので、処置ツール200/エンドエフェクタ300が移動する経路およびエンドエフェクタ300の軌道を含む計画は、追跡アーム1050を介して決定された基準位置10の移動によって決定されるように、部位25または対象物50の移動に応答して処置の実施中に調整されることができる。さらに、処置ツール200/ロボットアーム750を手動で操作して処置を実施することができるため、ロボットシステム100は、経路を移動すること、および確立された軌道1500内でエンドエフェクタ300を方向付けることを含む処置の実施中に処置装置200が計画から逸脱したこと(例えば、エンドエフェクタ300の経路および/または軌道から逸脱したこと)に応答してフィードバックを提供するように構成されることができる。例えば、触覚フィードバックまたは接触フィードバックは、コントローラ800によって処置装置200を介して方向付けられることができ、視覚フィードバックまたは聴覚フィードバックは、コントローラ800によって逸脱表示装置(例えば、
図1および
図2の要素1300を参照されたい)を介して方向付けられることができ、および/または処置装置200の動きは、ロボットアーム750を介して動きに抵抗を与えることによって制限されることができる。
【0090】
図10に示す方法は、部位25または対象物50(例えば、部位25自体)上の物理的な点をエンドエフェクタ300の遠位端と接触させることなく達成されることができるため、(例えば、エンドエフェクタ300の軌道を確立するために、)3次元空間内のエンドエフェクタ300の遠位端の位置を決定するために、そのような方法はまた、同じ軌道1500内のエンドエフェクタ300を用いて複数の部位25で処置を行う機会を提供することができる。すなわち、場合によっては、補綴修復具(例えば、義歯)が複数のインプラント/アンカーに適合され、関連するアンカー/インプラントが互いに実質的に平行に配置されている場合、補綴修復物の適合が容易になる。エンドエフェクタ300の軌道1500を、エンドエフェクタ300の遠位端の位置を決定するために物理的な点との接触とは無関係に確立することにより、エンドエフェクタ300を同じ軌道1500に向けて複数の部位25で処置を実施することが可能になる(例えば、複数のボアは、ボアが3次元空間で互いに平行になるように同じ軌道に向けられたドリルビットを使用して穿孔されることができ、それらのボアによって受け入れられるインプラント/アンカーは、補綴修復物の受け取りを容易にするために互いに実質的に平行になる)。より具体的には、或る態様では、部位25または対象物50の複数の物理点(例えば、複数の部位25)の各々の位置でエンドエフェクタ300によって実施される処置の計画が形成されることができる。したがって、処置は、同じ確立された軌道内のエンドエフェクタ300を使用して、部位25または対象物50の物理点の各々で実施されることができ、その結果、処置は物理点の間で並行して実施される(例えば、平行孔が形成される)。
【0091】
したがって、本開示の態様は、例えば、部位(例えば、顎または顎顔面骨構造)の1つ以上の形態の撮像を必要とせずに達成することができる、処置(例えば、歯科または顎顔面処置)、特にロボット支援またはロボット実装処置を計画および実施する方法を提供する。或る態様では、処置を繰り返し可能な方法で直ちに実施できるように、処置を計画する段階をバイパスすることもできる。場合によっては、そのような方法は、部位がロボットシステムに知られている基準フレームで確立されている間に達成されることができるため、部位での処置の計画および実施は、コンパクトな時間枠で実施することができ、部位を追加の時間および費用で事前に別個の撮像システムにかける必要がない。さらに、そのような方法は、例えば、計画を達成するために必要なステップを最小限に抑え、計画と処置の実施との間で器具を交換する必要性をなくすことによって、歯科専門家にとって人間工学的に使いやすく、好都合であり、便利である。
【0092】
前述の説明および関連する図面に提示された教示の利益を有する、これらの開示された実施形態が関連する当業者には、本明細書に記載された本発明の多くの修正および他の実施形態が思い浮かぶであろう。したがって、本発明の実施形態は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、修正および他の実施形態が本発明の範囲内に含まれることが意図されていることを理解されたい。さらに、前述の説明および関連する図面は、要素および/または機能の特定の例示的な組み合わせの文脈で例示的な実施形態を説明しているが、本開示の範囲から逸脱することなく、代替的な実施形態によって要素および/または機能の異なる組み合わせが提供されてもよいことを理解されたい。これに関して、例えば、上記で明示的に説明したものとは異なる要素および/または機能の組み合わせも本開示の範囲内で考えられる。本明細書では特定の用語が使用されているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定の目的では使用されない。
【0093】
本明細書では、第1、第2などの用語を使用して様々なステップまたは計算を説明することができるが、これらのステップまたは計算はこれらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、ある操作または計算を別の操作または計算と区別するためにのみ使用される。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の計算を第2の計算と呼ぶことができ、同様に、第2のステップを第1のステップと呼ぶことができる。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語および「/」記号は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0094】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図される。「備える」および/または「含む」という用語は、本明細書で使用される場合、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことがさらに理解されよう。したがって、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではない。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処置を実施するための計画の形成方法であって、
追跡アームの遠位端を、部位におけるもしくは部位で受け取られた対象物における基準位置、または部位にもしくは部位で受け取られた対象物に隣接する基準位置と通信するように配置することであって、基準位置が3次元空間内の追跡アームの近位端に関係して配置されていることと、
部位もしくは対象物における、または部位もしくは対象物に隣接する複数の物理点の各々を、ロボットアームの遠位端と係合した処置ツールのエンドエフェクタの遠位端と接触させることであって、ロボットアームの近位端は追跡アームの近位端に対して既知の関係で配置されていることと、
物理点の各々をエンドエフェクタの遠位端と接触させることと同時に、3次元空間におけるエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することと、
基準位置に関係して、物理点の位置から、基準フレーム内の部位または対象物の位置を含むように、3次元空間内に基準フレームを形成することと、
基準フレーム内で、基準位置に対して、部位または対象物上でエンドエフェクタによって実施されるべき処置の計画を形成することであって、処置は、部位または対象物との間で、エンドエフェクタによって部位または対象物上で実施される処置中にエンドエフェクタが移動する経路と、処置中のエンドエフェクタの軌道と、を含むことと、を含む方法。
【請求項2】
物理点の各々を処置ツールのエンドエフェクタの遠位端と接触させることは、物理点の各々をエンドエフェクタの遠位端と接触させることを含み、エンドエフェクタが処置ツールのドリルビットまたは研磨ビットを備え、処置ツールは穿孔装置を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ロボットアームは、1つ以上の位置センサと係合する複数の相互接続されたアームセグメントを備え、エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、1つ以上の位置センサからの位置データから、ロボットアームの近位端に対する、エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
追跡アームは、1つ以上の位置センサと係合する複数の相互接続されたアームセグメントを備え、方法は、1つ以上の位置センサからの位置データから、追跡アームの近位端に対する、追跡アームの遠位端の位置を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
3次元空間内のエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、基準位置に関係して、エンドエフェクタを介して3次元空間内の部位または対象物の位置を決定することを含み、基準位置は追跡アームの遠位端と物理的に係合する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
追跡アームの遠位端は、部位または対象物から離間され、また遠位端と係合する検出器装置を含み、検出器装置は部位または対象物と通信するように配置され、エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、基準位置に関係して、エンドエフェクタを介して3次元空間内の部位または対象物の位置を決定することを含み、基準位置は追跡アームの遠位端と係合する検出器装置によって検出される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
エンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、追跡アームを介して決定された基準位置に対して、3次元空間内のエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
処置を実施するためのロボットシステムの動作の制御方法であって、ロボットシステムは、
部位におけるもしくは部位で受け取られた対象物における基準位置、または部位にもしくは部位で受け取られた対象物に隣接する基準位置と通信する追跡アームの遠位端であって、基準位置は追跡アームの近位端に対して3次元空間内に配置されている、追跡アームの遠位端と、
ロボットアームの遠位端と係合された処置ツールのエンドエフェクタの遠位端であって、ロボットアームの近位端は追跡アームの近位端に対して既知の関係で配置されている、エンドエフェクタの遠位端と、
プロセッサおよびメモリを含むコントローラであって、追跡アーム、ロボットアーム、および処置ツールと動作可能に通信するように配置されたコントローラと、
を備え、
方法は、
コントローラが、エンドエフェクタの遠位端と接触している部位もしくは対象物におけるまたは部位もしくは対象物に隣接する複数の物理点の各々と同時に、3次元空間内のエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することと、
コントローラが、基準位置に関係して、物理点の位置から、基準フレーム内の部位または対象物の位置を含むように、3次元空間内に基準フレームを形成することと、
コントローラが、エンドエフェクタによって部位または対象物上で実施されるべき処置の計画を、基準フレーム内で、かつ基準位置に対して形成することであって、処置は、部位または対象物との間で、エンドエフェクタによって実施される処置中にエンドエフェクタが移動する経路と、処置中のエンドエフェクタの軌道と、を含むことと、
コントローラは、ロボットアームの遠位端に係合した処置ツールのエンドエフェクタが経路を移動することを含む計画に従って処置を行うように指示することと、
を含む方法。
【請求項9】
処置を実施するためのロボットシステムの動作の制御方法であって、ロボットシステムは、
部位におけるもしくは部位で受け取られた対象物における基準位置、または部位にもしくは部位で受け取られた対象物に隣接する基準位置と通信する追跡アームの遠位端であって、基準位置は追跡アームの近位端に対して3次元空間内に配置されている、追跡アームの遠位端と、
ロボットアームの遠位端と係合された処置ツールのエンドエフェクタの遠位端であって、ロボットアームの近位端は追跡アームの近位端に対して既知の関係で配置されている、エンドエフェクタの遠位端と、
プロセッサおよびメモリを含むコントローラであって、追跡アーム、ロボットアーム、および処置ツールと動作可能に通信するように配置されたコントローラと、
を備え、
方法は、
コントローラが、部位または対象物上の物理点をエンドエフェクタの遠位端と接触させることと同時に、3次元空間におけるエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することと、
コントローラが、部位または対象物上の物理点に対して、部位または対象物上で処置を実施するためのエンドエフェクタの軌道を確立することと、
コントローラが、部位または対象物上の物理点の位置でエンドエフェクタによって実施される処置のための計画を形成することであって、処置は、部位または対象物との間で、ならびに物理点で位置および確立された軌道でエンドエフェクタによって実施される処置の間、エンドエフェクタが移動する経路を含むことと、
コントローラが、ロボットアームの遠位端に係合した処置ツールのエンドエフェクタが経路を移動することを含む計画に従って処置を実施するように指示することと、
を含む方法。
【請求項10】
処置を実施するためのロボットシステムの動作の制御方法であって、ロボットシステムは、
部位におけるもしくは部位で受け取られた対象物における基準位置、または部位にもしくは部位で受け取られた対象物に隣接する基準位置と通信する追跡アームの遠位端であって、基準位置は追跡アームの近位端に対して3次元空間内に配置されている、追跡アームの遠位端と、
処置ツールのエンドエフェクタの遠位端であって、処置ツールはロボットアームの遠位端と係合しており、ロボットアームの近位端は追跡アームの近位端に対して既知の関係で配置されている、エンドエフェクタの遠位端と、
プロセッサおよびメモリを含むコントローラであって、追跡アーム、ロボットアーム、および処置ツールと動作可能に通信するように配置されたコントローラと、
を備え、
方法は、
コントローラは、3次元空間におけるエンドエフェクタの遠位端の位置を決定し、かつ遠位端の位置に対するエンドエフェクタの軌道を確立することと、
コントローラが、部位または対象物上の物理点の位置でエンドエフェクタによって実施されるべき処置の計画を形成することであって、処置は、部位または対象物との間において、ならびに物理点におけるエンドエフェクタの位置でおよび確立された軌道でエンドエフェクタによって実施される処置中に、エンドエフェクタが移動される経路を含むことと、
コントローラが、ロボットアームの遠位端と係合した処置ツールのエンドエフェクタを使用して経路を移動することと、確立された軌道内でエンドエフェクタを方向付けさせることと、を含む、計画に従って実施される処置を指示することと、を含む方法。
【請求項11】
コントローラがエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、コントローラが処置ツールのドリルビットまたは研磨ビットを備えるエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することを含み、処置ツールは穿孔装置を備える、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ロボットアームは、1つ以上の位置センサと係合する複数の相互接続されたアームセグメントを備え、コントローラがエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、コントローラがロボットアームの近位端に対するエンドエフェクタの遠位端の位置を、1つ以上の位置センサからの位置データから決定することを含む、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
追跡アームは、1つ以上の位置センサと係合する複数の相互接続されたアームセグメントを備え、方法は、コントローラが1つ以上の位置センサからの位置データから、その近位端に対する追跡アームの遠位端の位置を決定することを含む、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
コントローラが3次元空間内のエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、コントローラが、基準位置に関係して、エンドエフェクタを介して3次元空間内の部位または対象物の位置を決定することを含み、基準位置は追跡アームの遠位端と物理的に係合している、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
追跡アームの遠位端は、部位または対象物から離間され、かつ遠位端と係合する検出器装置を含み、検出器装置は、部位または対象物と通信するように配置され、コントローラがエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、コントローラが、基準位置に関係して、エンドエフェクタを介して3次元空間内の部位または対象物の位置を決定することを含み、基準位置は追跡アームの遠位端と係合する検出器装置によって検出される、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
コントローラがエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、コントローラが、追跡アームを介して決定された基準位置に対して、3次元空間内のエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することを含む、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
コントローラが実施されるべき処置を指示することは、追跡アームを介して決定された基準位置に対して、計画に従って実施されるべき処置をコントローラが指示することを実行することを含む、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
追跡アームを介して決定された基準位置の移動を介して決定されるように、部位または対象物の移動に応答して処置の実施中にコントローラが計画を調整することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
処置の実施中に処置装置が計画から逸脱したことに応答してコントローラがフィードバックを提供することを含む、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
コントローラがフィードバックを提供することは、コントローラが処置装置を介して触覚フィードバックまたは接触フィードバックを指示することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
コントローラがフィードバックを提供することは、コントローラが、逸脱表示装置を介して視覚フィードバックまたは聴覚フィードバックを提供することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
コントローラがフィードバックを提供することは、コントローラが、ロボットアームを介して動きに対する抵抗を提供することによって処置装置の動きを制限することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
コントローラが計画を形成することは、コントローラが、複数の物理点の各々の位置でエンドエフェクタによって実施される処置のための計画を形成することを含み、コントローラが実施されるべき処置を指示することは、物理点の間で処置が並行して実施されるように、コントローラが、確立された軌道内のエンドエフェクタを使用して物理点の各々で実施されるべき処置を指示することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項24】
コントローラが軌道を確立することは、エンドエフェクタがエンドエフェクタの遠位端に対して3次元角度配置になるように処置ツールを手動で配向することと、コントローラが、計画の形成に使用するための軌道を提供するエンドエフェクタの角度配置を記憶することと、を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項25】
コントローラが軌道を確立することは、コントローラが、軌道を提供するエンドエフェクタの3次元角度配置を決定することと、コントローラが、角度配置を提供するエンドエフェクタの遠位端からのエンドエフェクタの近位端の空間オフセットを決定することと、コントローラが、計画を形成する際に使用するための軌道を提供するエンドエフェクタの近位端の空間オフセットを記憶することと、を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項26】
コントローラがエンドエフェクタの遠位端の位置を決定することは、物理点がエンドエフェクタの遠位端と接触されることと、コントローラが、3次元空間内のエンドエフェクタの遠位端の位置を同時に決定することと、を含む、請求項10に記載の方法。
【国際調査報告】