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特表2024-543489経口ワクチン投与用アンプル及び使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】経口ワクチン投与用アンプル及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/06 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
A61J1/06 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024528538
(86)(22)【出願日】2022-11-11
(85)【翻訳文提出日】2024-07-10
(86)【国際出願番号】 US2022049640
(87)【国際公開番号】W WO2023091358
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】63/279,889
(32)【優先日】2021-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/316,047
(32)【優先日】2022-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522242018
【氏名又は名称】メルク・シャープ・アンド・ドーム・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100216839
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏幸
(74)【代理人】
【識別番号】100228980
【弁理士】
【氏名又は名称】副島 由加里
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ハルトレ,ランプラサド
(72)【発明者】
【氏名】カランデ,アトゥル
(72)【発明者】
【氏名】スミス,デリック・エム
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047AA03
4C047CC04
4C047DD32
4C047DD33
4C047DD34
4C047DD40
(57)【要約】
アンプルが、医薬を保存するための空洞部を有する本体、前記本体に連結され、前記本体の前記空洞部と連通するノズルを画定するネック、前記ノズルに連結された取り外し可能なキャップ、及び前記取り外し可能なキャップに連結された窒息防止マイターであって、当該窒息防止マイターが前記取り外し可能なキャップより広い窒息防止マイターを含む。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬を保存するための空洞部を有する本体;
前記本体に連結され、前記本体の前記空洞部と連通するノズルを画定するネック;
前記ノズルに連結された取り外し可能なキャップ;及び
前記取り外し可能なキャップに連結された窒息防止マイターであって、当該窒息防止マイターが前記取り外し可能なキャップより広い窒息防止マイター
を含むアンプル。
【請求項2】
前記ネックがテーパ状となっている、請求項1に記載のアンプル。
【請求項3】
前記キャップが前記ノズルをねじり外すように構成及び配置されている、請求項1~2のいずれか1項に記載のアンプル。
【請求項4】
前記マイターが長方形である、請求項1~3のいずれか1項に記載のアンプル。
【請求項5】
第1の端部で前記マイターに連結され、第2の端部で前記本体に連結されたアームをさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のアンプル。
【請求項6】
前記アームと前記ネックとの間に画定されたチャンネルをさらに含む、請求項5に記載のアンプル。
【請求項7】
前記チャンネルが前記本体の少なくとも一部に沿って延在している、請求項6に記載のアンプル。
【請求項8】
前記チャンネルが前記アームの二つの部分の間に延在する、請求項6に記載のアンプル。
【請求項9】
少なくとも一つのネック及び前記本体に連結された少なくとも一つの平らなショルダー部をさらに含む、請求項1~8のいずれか1項に記載のアンプル。
【請求項10】
前記少なくとも一つの平らなショルダー部で画定されたノッチをさらに含む、請求項9に記載のアンプル。
【請求項11】
前記本体に連結され、当該本体に対して遠位に配置されたプラットホームをさらに含む、請求項1~10のいずれか1項に記載のアンプル。
【請求項12】
前記プラットホーム上に配置されたラベルをさらに含む、請求項11に記載のアンプル。
【請求項13】
前記本体がポリマーを含む、請求項1~12のいずれか1項に記載のアンプル。
【請求項14】
前記本体が成形同時充填によって形成される、請求項1~13のいずれか1項に記載のアンプル。
【請求項15】
医薬を保存するための空洞部を有する本体;
前記本体に連結され、前記本体の前記空洞部と連通するノズルを画定するネック;
前記ノズルに連結された取り外し可能なキャップ;
前記取り外し可能なキャップに連結された窒息防止マイターであって、当該窒息防止マイターが前記取り外し可能なキャップより広い窒息防止マイター;及び
第1の端部で前記マイターに連結され、第2の端部で前記本体に連結されているアーム
を含むアンプル。
【請求項16】
前記アームと前記ネックとの間で画定されたチャンネルをさらに含む、請求項15に記載のアンプル。
【請求項17】
前記チャンネルが前記本体の少なくとも一部に沿って延在している、請求項16に記載のアンプル。
【請求項18】
前記チャンネルが前記アームの二つの部分の間に延在する、請求項16に記載のアンプル。
【請求項19】
少なくとも一つのネック及び前記本体に連結された少なくとも一つの平らなショルダー部をさらに含む、請求項15に記載のアンプル。
【請求項20】
アンプルの形成方法であって、
パリソンを押し出し;
無菌空気を介して前記パリソンからアンプルを成形し[前記アンプルは、医薬を保存するための空洞部を有する本体、前記本体に連結され前記本体の前記空洞部と連通するノズルを画定するネック、前記ノズルに連結された取り外し可能なキャップ、前記取り外し可能なキャップに連結された窒息防止マイターであって、当該窒息防止マイターが前記取り外し可能なキャップより広い窒息防止マイターを含む。];そして、
前記本体の空洞部に医薬を充填する、
ことを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワクチンの保管及び投与のための容器に関する。詳細には、本開示は、患者に医薬を送達するためのアンプルに関し、特定の実施形態では、患者に医薬を経口送達するためのアンプルに関する。
【背景技術】
【0002】
ガラスバイアルは、ワクチン、生物製剤、医薬などを保管するのに一般的に使用される。注射器はバイアルの内容物を抽出し、患者に医薬を投与するのに使用される。プレフィルド注射器も使用できる。このような注射器は代表的には、非経口経路(例えば、皮膚及び粘膜を迂回して体内に直接注射する)を利用し、医師又は医療提供者によって投与される。最近、特定の状況での薬剤の投与を簡素化するために、自動注射装置(一般に「自動注射器」として知られている)が使用されている。デザインが簡単であるため、自動注射器により、患者は自宅で監督なしに確実かつ安全に自身で装置を使用できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特定の患者は、特に複数回投与の治療や繰り返し治療適用において、従来の注射器や自動注射器を使用している時に、痛みや針に対する恐怖を経験することがある。さらに、従来の装置では、適切な薬剤の徐放ができない可能性があり、あらゆる年齢の患者に適しているとは限らない可能性がある。
【0004】
したがって、安全で、快適で、制御された方法で患者に薬剤及び医薬を送達する方法を改良し、進歩させる装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
特定の実施形態において、本明細書に記載のアンプルは、医薬を保存するための空洞部を有する本体、その本体に連結され当該本体の前記空洞部と連通するノズルを画定するネック、前記ノズルに連結された取り外し可能キャップ、及び前記取り外し可能キャップに連結した窒息防止マイターを含み、前記窒息防止マイターは前記取り外し可能キャップより幅が広い。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本明細書では、ここで開示のアンプルの各種実施形態を、図面を参照しながら開示する。
図1】それぞれ、アンプルの第1の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図2】それぞれ、アンプルの第1の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図3】それぞれ、アンプルの第1の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図4】それぞれ、アンプルの第1の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図5】それぞれ、アンプルの第1の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図6】それぞれ、アンプルの第1の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図7】それぞれ、アンプルの第1の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図8】それぞれ、アンプルの第2の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図9】それぞれ、アンプルの第2の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図10】それぞれ、アンプルの第2の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図11】それぞれ、アンプルの第2の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図12】それぞれ、アンプルの第2の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図13】それぞれ、アンプルの第2の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図14】それぞれ、アンプルの第2の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図15】それぞれ、アンプルの第3の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図16】それぞれ、アンプルの第3の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図17】それぞれ、アンプルの第3の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図18】それぞれ、アンプルの第3の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図19】それぞれ、アンプルの第3の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図20】それぞれ、アンプルの第3の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図21】それぞれ、アンプルの第3の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図22】それぞれ、アンプルの第4の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図23】それぞれ、アンプルの第4の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図24】それぞれ、アンプルの第4の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図25】それぞれ、アンプルの第4の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図26】それぞれ、アンプルの第4の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図27】それぞれ、アンプルの第4の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図28】それぞれ、アンプルの第4の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図29】それぞれ、アンプルの第5の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図30】それぞれ、アンプルの第5の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図31】それぞれ、アンプルの第5の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図32】それぞれ、アンプルの第5の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図33】それぞれ、アンプルの第5の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図34】それぞれ、アンプルの第5の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図35】それぞれ、アンプルの第5の実施形態の模式的左面図、正面図、右面図、背面図、斜視図、上面図及び底面図である。
図36A】露出したノズルからキャップを離すためのアームを有するアンプルの使用を示す図である。
図36B】露出したノズルからキャップを離すためのアームを有するアンプルの使用を示す図である。
図36C】露出したノズルからキャップを離すためのアームを有するアンプルの使用を示す図である。
図36D】露出したノズルからキャップを離すためのアームを有するアンプルの使用を示す図である。
図37】ブローフィルシールを使用してアンプルを形成する方法を示す図である。
【0007】
次に、添付の図面を参照して、本発明の各種実施形態について説明する。理解すべき点として、これらの図面は、本発明の機能性にすべてが必要な場合もそうでない場合もある一部の実施形態のみを描いており、したがって本発明の範囲を限定するものとはみなされない。
【発明を実施するための形態】
【0008】
薬物送達に対して様々な改良が加えられてきたにもかかわらず、従来の装置には、上述したようないくつかの欠点がある。
【0009】
したがって、医薬を送達する装置、システム及び方法をさらに改良する必要がある。他の利点の中でも、本開示は、これらの重要なニーズの1以上に対処することができる。
【0010】
本明細書で使用される場合、「近位」という用語は、アンプルの構成要素との関係で使用される場合、アンプルが患者に投与されているときに、投与部位、例えば患者の口に最も近い構成要素の端部をし、一方で、「遠位」という用語は、アンプルの構成要素との関係で使用される場合、投与部位から最も遠い構成要素の端部を指す。本明細書で使用される場合、「医薬(medicament)」、「医薬(medication)」及び「薬剤」という用語は一般に互換的に使用され、本明細書に記載のアンプルは、ワクチン、生物剤、治療薬、医薬、局所軟膏などの保存、送達、又は投与に使用できることが理解されるであろう。
【0011】
図1~7に示したように、アンプル100の第1の実施形態を説明する。図5に最も良く示されているように、アンプル100は、近位端102と遠位端104との間に延伸し、全体がポリマーで形成されていることができる。特定の実施形態において、本明細書に記載のアンプルは、柔軟であって絞ったときに医薬を投与することができる、低密度ポリエチレン(LDPE)材料などのポリオレフィンを含むことができる。特定の実施形態において、本明細書に記載のアンプルは、使用者がその内容物を少なくとも部分的に見れるようにすることができる半透明の材料(すなわち、光を少なくとも部分的に通過させる材料)で作られている。特定の実施形態において、本明細書に記載のアンプルは、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%又は10%の所定の不透過率を有し得る。アンプル100を形成する方法を、以下でより詳細に説明する。一般に、アンプル100は、底部103、内部空洞部106を画定する本体105、本体に連結されてキャップ111に至るテーパ状ネック107を含むことができ、そのキャップはノズル112上に取り付けられている。特定の実施形態において、本明細書に記載のノズルは、キャップ111の底部とネック107の間の接合部に配置することができる。ノズル112の内径は、所望の流体流速に基づいて選択することができる。ノズルが小さすぎると送達時間が長くなり、ノズルが大きすぎると液体の流れが多くなり、乳児に窒息の危険が生じる可能性がある。特定の実施形態では、本明細書に記載されるノズルは、0.2mm~2mmの直径を有することができる。ノズル112は、ネック107の上部の総表面積の所定のパーセントを形成してもよい(例えば、ノズルは、ネック107の上部の表面積の2%未満、2~5%、5~10%、10~20%、20~30%、又は30%強を形成していることができる。)。キャップ111は、ノズル112に取り外し可能に連結され得る。特定の実施形態において、本明細書に記載されるキャップは、その基部に切り込みを入れるか、弱い部分を画定することで、キャップをねじってアンプルの残りの部分から分離してノズル112を露出させ得るようにできる。
【0012】
医薬は、本体105の空洞部106の内部に配置することができ、その空洞部はネック107を通ってノズル112から出る連続的な通路を画定することができる。図1図7に示すように、キャップ111は、キャップ111の幅より大きい幅を有するマイター114の形態の窒息防止機構に連結されていることができる。特定の実施形態において、本明細書に記載のマイターは、概して長方形である。或いは、マイターは、円形、楕円形、又は蝶形であってもよい。マイターの幅は13~15mm、長さは10~15mmである。マイターは、キャップ111よりも25%、30%、40%、50%、75%、100%、又はそれ以上広くてもよい。特定の実施形態では、本明細書にマイターは、幼児に窒息の危険をもたらさないような大きさに作られている。キャップ111とマイター114は、キャップ111がアンプルの残りの部分から取り外されてノズル112が露出するときに、キャップとマイターが一緒に残るように、一緒に連結されているか、一体的に形成されていることができる。
【0013】
任意に、アンプルは、本体105に連結され、本体105の一部の周囲に延在する1以上の平らなショルダー部115を含んでいてもよい。ショルダー115は、プラットホーム117にも連結されていてもよい。プラットホーム117は、図示されているように長方形であってもよく、又は円形、三角形若しくはいずれか他の所望の形状であってもよい。特定の実施形態において、本明細書に記載のプラットホームは、アンプルの内容物、投与説明書、有害副作用、製造業者、ロット番号又は他の識別情報若しくは患者固有の情報を示す文若しくは記号を含む粘着ラベルを貼ることができる平坦表面118を含む。
【0014】
薬剤を投与するために、使用者(例えば、患者又は操作者)は、アンプル100からキャップ111を取り外して、ネック107からキャップをひねったり、曲げたり、又は他の方法で裂くことによって、ノズル112を露出させることができる。次いで、使用者は、ノズルを患者の口内又は別の投与部位に置き、空洞部に隣接する本体の可撓性壁を両側から絞ることでアンプル空洞部の内容物を投与部位又は経口投与を意図する場合には口の中に押し出すことができる。特定の実施形態において、医薬は、その医薬によって示されるように、別の身体部分に押し出すことができる。したがって、口への送達が主に説明されているが、経鼻投与、眼球投与(すなわち、点眼)、直腸投与、経膣投与、耳投与などを含む他の送達経路も可能である。これらの送達経路は、本開示で記載されるすべての実施形態にも適用可能である。マイター114は常にキャップ111に取り付けられたままであるため、アンプルは、分離されたキャップによる窒息の危険を引き起こすことなく、幼児や小児が使用することができる。ネック、特にネックのテーパは、意図する送達経路(例えば乳児の頬)に基づいて決定される長さ及び/又は幅を有することができ、テーパの角度は送達経路に基づいて選択することができる。例えば、本明細書に記載されるネックは、15mmを超える長さ(例えば、25mm、26mm、27mm、28mm、29mm、30mm又はそれ以上)、及び、その底部(すなわち、本体105に最も近い)での15mmから、キャップ111に最も近いその冠部で5mm以下まで直線的又は非直線的に小さくなっていく徐々に狭くなる幅を有することができる。全体として、ネックの形状は、実質的に円錐形であってもよく、そのネックは、5゜~20゜のネック角度で(例えば、5~10゜、又は8゜の角度で)長軸に対して角度付けされていても良い。ネック角度αは、図4に最も良く示されているが、1実施形態に関して本開示を通じて開示された特徴のいかなるものも、他の実施形態に等しく適用可能であることは理解されるであろう。
【0015】
アンプル200の第2の実施形態が図8図14に示されている。12に最も良好に示されるように、アンプル200は、近位端202と遠位端204との間に延在し、全体が上述したようなポリマーで形成され得る。一般に、アンプル200は、底部203、内部空洞部206を画定する本体205、本体205に連結されてキャップ211に至るテーパ状ネック207を含むことができ、キャップはノズル212上に取り付けられている。この例では、エンボス加工されたラベル209が本体205上にあるのが示されている。エンボス加工ラベル209は任意の要素であり、本開示で記載の他の実施形態のいずれかとも組み合わせることができる。エンボス加工ラベル209は、アンプルの内容物、投与説明書、有害副作用、製造業者、ロット番号、又は他の識別情報若しくは患者固有の情報を示す文又は記号を含むことができる。キャップ211は、前述したように、ノズル212に取り外し可能に連結され得る。この例では、アンプル200は、窒息防止機構と、ラベルを受け取るための平らな表面218又はプラットホーム217の両方として機能し得るマイター214を含む。特定の実施形態において、本明細書に記載のマイターは概して長方形であり、幅W1より大きい長さL1を有する。特定の実施形態において、本明細書に記載のマイターは、15mmを超える長さL1(例えば、25mm、26mm、27mm、28mm、29mm、30mm又はそれ以上)、及び13~15mmの幅W1を有する。マイター214は、キャップ211の幅より大きい幅W1を有してもよい。マイター214は、キャップ211より25%、30%、40%、50%、75%、100%、又はそれ以上広くてもよい。特定の実施形態において、本明細書に記載のマイターは、乳児に窒息の危険を及ぼさないような大きさに作られている。キャップ211及びマイター214は、キャップ211がアンプルの残りの部分から取り外されてノズル212が露出するときに、キャップとマイターが一緒に残るように、一緒に連結されているか、一体的に形成されていることができる。任意に、アンプルは、本体204に連結した1以上の平らなショルダー部を含んでもよい。アンプル200は、アンプルの残りの部分からキャップ211及びマイター214を取り外し、本体205の壁を絞ってノズル212から医薬を投与することによって、アンプル100と同じように使用することができる。
【0016】
アンプル300の第3の実施形態が図15~21に示されており、保持機構を加えた以外はほとんどの点で第2の実施形態と同様である。図19に示された要素300~315のそれぞれは、上記で説明した図12に示した同様の番号を付した要素200~215に相当する。この例では、アンプル300は、窒息防止機構と、ラベルを貼るためのプラットホーム317又は平らな表面318の両方として機能し得るマイター314を含む。この実施形態では、マイター314及び/又はキャップ311は、アーム320を介して本体305又はショルダー部315に連結される。具体的には、示された例において、サーペンタイン式アーム320が第1の端部321でマイター及び/又はキャップをつなぎ、第2の端部322でネック307及び/又は本体305の下部につながっている。チャンネル325は、ネック307の一部に沿って延び、アーム320の部分の間に配置されて、キャップをアンプル300から外した時にマイターとキャップを本体から離すことができる。アンプル300はさらに、ショルダー部315の下部に隣接して形成された下部ノッチ330を含み、そのノッチはマイター314又はアーム320の一部を受け入れるだけの広さを有する。
【0017】
医薬を投与するためのアンプル300の使用は、いくつか例外があるが、アンプル100に関して上述した手順と同様である。まず、使用者(例えば、患者又はオペレータ)は、ネック307からキャップをねじったり、曲げたり、又は他の形で裂いたりすることによって、アンプル300からキャップ311を取り外して、ノズル312を露出させることができる。この例では、キャップ311はマイター314に、そして第2の端部322で本体305に取り付けられたままであるが、アームを伸ばしてキャップをノズル312からさらに離すことができる。図36A~Dは、一つの同様の実施形態のキャップ及びマイターの取り外し、及び露出したノズルからキャップを話した状態とするためのアーム320の伸長を示す図である。任意に、使用者は、マイター314又はアーム320の一部をノッチ330内にスライドさせて、マイター及びキャップを装置の遠位端に隣接した状態に保持することができる。次いで、使用者は、ノズルを患者の口又は代わりの投与部位内に配置し、経口投与が意図されている場合に、空洞部に隣接する本体の可撓性壁を一緒に絞って、アンプルの内容物を投与部位又は口内に押し出すことができる。拡大されたマイター314及びキャップ311は装置の遠位端で本体305に取り付けられたままであるため、アンプルは、分離されたキャップによる窒息の危険を引き起こすことなく乳児及び小児に使用することができる。
【0018】
アンプル400の第4の実施形態が図22~28に示されている。図26に示した要素400~415のそれぞれは、すでに説明した図12に示した同様の番号を付けた要素200~215に相当する。特に、アンプル400は、マイター114と同様のマイター414を含み、下部プラットホーム417又は平らな面418、及び下部プラットホーム若しくは平らな面の上に配置された下部ノッチ430を含む。この例では、アーム420は、第1の端部421でマイター414につながり、本体405とネック407の接合部で第2の端部422につながっている。アンプル400は、キャップ411をひねり、マイター414又はアーム420の一部を下部ノッチ422に保持することにより、上記と同様の方法で使用することができる。
【0019】
アンプル500の第5の実施形態を図29~35に示されている。図33に示される要素500~515のそれぞれは、すでに説明している図12に示した同様の番号を付けた要素200~215に相当する。アンプル500は、マイター114と同様のマイター514を含み、下部プラットホーム517又は平らな面518、及び下部プラットホーム若しくは平らな面の上に配置された下部ノッチ530を含む。この例では、アーム520は、第1の端部521でマイター514につながり、本体505とネック507の接合部で第2の端部522につながっている。アンプル500は、キャップ511をひねり、マイター514又はアーム520の一部を下部ノッチ522に保持することにより、上記と同様の方法で使用することができる。アンプル500は、チャンネル525がネック507の長さに沿って第2の端部522まで延在し、ネックに隣接する装置の近位端により近くで終わり、本体まで下がり続けないことを除いて、あらゆる点でアンプル400と同様である。
【0020】
使用時には、上記アンプルを管理者が使用して、口又は別の投与部位を通して所定の充填量の薬剤を送達することができる。アンプルのネックの長さは、患者(例えば、生後6週間の乳児)への安全かつ効果的な経口送達を提供することができる。装置本体のエンボス加工ラベルや、アンプル本体及び/又はプラットホームでの粘着ラベルやレーザーエッチングの使用による等の各種ラベル表示選択肢が提供される。
【0021】
特定の実施形態において、本明細書に記載のアンプルは、成形同時充填を使用して大量生産することができる。成形同時充填の模式図を図37に示している。成形同時充填は、一次包装容器を押出熱可塑性パリソンから形成し、製品を充填し、連続的で統合された自動化操作で密封する医薬充填プロセスである。それは、人の介入が最小限であるため米国食品・医薬品局(FDA)及び米国薬局方(USP)により「高度無菌充填シール技術」と呼ばれてきた。「従来の」無菌充填操作に対する成形同時充填の利点の一つは、通常、充填エリアに人員が存在しないことで、潜在的な微生物汚染源が除去されることである。代わりに、充填直前に容器が形成され、制御された条件下で充填され、充填直後に密封される。成形同時充填機の出力は、製品及びポリマー(樹脂)の物理的特性及び容器設計によって決まり得るものであり、サイクル時間は製品の充填特性(例えば、粘度、発泡)及び鋳型で必要な樹脂依存性の形成時間によって決まり得る。
【0022】
本発明の特定の実施形態には、下記のものを含む;
【0023】
a.実施形態1:
医薬を保存するための空洞部を有する本体;
前記本体に連結され、前記本体の前記空洞部と連通するノズルを画定するネック;
前記ノズルに連結された取り外し可能なキャップ;及び
前記取り外し可能なキャップに連結された窒息防止マイターであって、当該窒息防止マイターが前記取り外し可能なキャップより広い窒息防止マイター
を含むアンプル。
【0024】
b.実施形態2:
前記ネックがテーパ状となっている、実施形態1に記載のアンプル。
【0025】
c.実施形態3:
前記キャップが前記ノズルをねじり外すように構成及び配置されている、実施形態1~2のいずれかに記載のアンプル。
【0026】
d.実施形態4:
前記マイターが長方形である、実施形態1~3のいずれか一つに記載のアンプル。
【0027】
e.実施形態5:
第1の端部で前記マイターに連結され、第2の端部で前記本体に連結されたアームをさらに含む、実施形態1~4のいずれか一つに記載のアンプル。
【0028】
f.実施形態6:
前記アームと前記ネックとの間に画定されたチャンネルをさらに含む、実施形態5に記載のアンプル。
【0029】
g.実施形態7:
前記チャンネルが前記本体の少なくとも一部に沿って延在している、実施形態6に記載のアンプル。
【0030】
h.実施形態8:
前記チャンネルが前記アームの二つの部分の間に延在する、実施形態6に記載のアンプル。
【0031】
i.実施形態9:
少なくとも一つのネック及び前記本体に連結された少なくとも一つの平らなショルダー部をさらに含む、実施形態1~8のいずれか一つに記載のアンプル。
【0032】
j.実施形態10:
前記少なくとも一つの平らなショルダー部で画定されたノッチをさらに含む、実施形態9に記載のアンプル。
【0033】
k.実施形態11:
本体に連結され、当該本体に対して遠位に配置されたプラットホームをさらに含む、実施形態1~10のいずれか一つに記載のアンプル。
【0034】
l.実施形態12:
前記プラットホーム上に配置されたラベルをさらに含む、実施形態11に記載のアンプル。
【0035】
m.実施形態13:
前記本体がポリマーを含む、実施形態1~12のいずれか一つに記載のアンプル。
【0036】
n.実施形態14:
前記本体が成形同時充填によって形成される、実施形態1~13のいずれか一つに記載のアンプル。
【0037】
o.実施形態15:
医薬を保存するための空洞部を有する本体;
前記本体に連結され、前記本体の前記空洞部と連通するノズルを画定するネック;
前記ノズルに連結された取り外し可能なキャップ;
前記取り外し可能なキャップに連結された窒息防止マイターであって、当該窒息防止マイターが前記取り外し可能なキャップより広い窒息防止マイター;及び
第1の端部で前記マイターに連結され、第2の端部で前記本体に連結されているアーム
を含むアンプル。
【0038】
p.実施形態16:
前記アームと前記ネックとの間で画定されたチャンネルをさらに含む、実施形態15に記載のアンプル。
【0039】
q.実施形態17:
前記チャンネルが前記本体の少なくとも一部に沿って延在している、実施形態16に記載のアンプル。
【0040】
r.実施形態18:
前記チャンネルが前記アームの二つの部分の間に延在する、実施形態16に記載のアンプル。
【0041】
s.実施形態19:
少なくとも一つのネック及び前記本体に連結された少なくとも一つの平らなショルダー部をさらに含む、実施形態15に記載のアンプル。
【0042】
t.実施形態20:
アンプルの形成方法であって、
パリソンを押し出し;
無菌空気を介して前記パリソンからアンプルを成形し[前記アンプルは、医薬を保存するための空洞部を有する本体、前記本体に連結され前記本体の前記空洞部と連通するノズルを画定するネック、前記ノズルに連結された取り外し可能なキャップ、前記取り外し可能なキャップに連結された窒息防止マイターであって、当該窒息防止マイターが前記取り外し可能なキャップより広い窒息防止マイターを含む。];そして、
前記本体の空洞部に医薬を充填する、
ことを含む方法。
【0043】
本明細書では特定の実施形態を参照して本発明を説明してきたが、理解すべき点として、これらの実施形態は本発明の原理及び応用を単に例示するものである。したがって、理解すべき点として、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神及び範囲から逸脱しない限りは、例示的な実施形態に対して多くの変更を加えることが可能であり、他の構成も考案可能である。
【0044】
各種の従属請求項及びそこに記載された特徴は、最初の請求項で提示されたものとは異なる方法で組み合わせることができることが理解されるであろう。また、個々の実施形態に関連して説明した特徴は、記載の他の実施形態と共有され得ることも理解されよう。
図1
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図36D
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【国際調査報告】