(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】より幅が広い流出セルを有した人工弁
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024528557
(86)(22)【出願日】2022-11-14
(85)【翻訳文提出日】2024-07-05
(86)【国際出願番号】 US2022049864
(87)【国際公開番号】W WO2023086650
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】タミール・エス・リーヴァイ
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC18
4C097DD13
4C097SB10
(57)【要約】
本開示は、拡張可能なフレームを有した人工弁に関する。一例として、人工弁は、フレームを含むことができ、フレームは、複数の幅広セルを含む第一列と、複数の幅狭セルを含む第二列と、複数の幅狭セルを含む第三列と、を含む。第一列における各幅広セルは、第一列における隣接した二つの他の幅広セルに対して直接的に結合することができ、第二列および第三列のいずれかにおける各幅狭セルは、同じ列における隣接した幅狭セルに対して直接的に結合することができる。第一列における各幅広セルの幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、少なくとも二倍とすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工弁であって、
流入端と流出端とを有したフレームであって、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能であるフレームを含み、前記フレームは、
複数の幅広セルを含む第一セル列であって、各幅広セルは、流出側頂部を規定しているとともに、前記流出側頂部から分岐した二つの第二長さの近位支柱を含み、前記第一セル列における各幅広セルは、前記第一セル列における隣接した二つの他の幅広セルに対して直接的に結合されている、第一セル列と、
複数の幅狭セルを含む第二セル列であって、前記第二セル列における各幅狭セルは、前記第二セル列における隣接した二つの幅狭セルに対して直接的に結合されている、第二セル列と、
複数の幅狭セルを含む第三セル列であって、前記第三セル列における各幅狭セルは、前記第三セル列における隣接した二つの幅狭セルに対して直接的に結合されている、第三セル列と、を含み、
前記第二セル列内における前記幅狭セルの数は、前記第三セル列内における前記幅狭セルの数と同じであり、
前記第二セル列および前記第三セル列におけるすべての前記幅狭セルは、同じ高さと同じ幅とを有しており、
前記第一セル列における各幅広セルの幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、少なくとも三倍である、人工弁。
【請求項2】
各幅広セルは、前記第二長さの近位支柱から延びた二つの流出側垂直支柱を含み、各幅広セルは、相互の流出側垂直支柱を介して、隣接した幅広セルに対して直接的に結合されている、請求項1に記載の人工弁。
【請求項3】
各幅広セル列の幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、三倍である、請求項1または2に記載の人工弁。
【請求項4】
前記複数の幅広セルは、前記第一セル列内における三つの幅広セルを含み、前記第二セル列および前記第三セル列のそれぞれにおける前記複数の幅狭セルは、前記第二セル列および前記第三セル列のそれぞれ内における九つの幅狭セルを含む、請求項3に記載の人工弁。
【請求項5】
前記複数の幅広セルは、前記第一セル列内に六つの幅広セルを含み、前記第二セル列および前記第三セル列のそれぞれにおける前記複数の幅狭セルは、前記第二セル列および前記第三セル列のそれぞれ内における18個の幅狭セルを含む、請求項3に記載の人工弁。
【請求項6】
各幅広セルは、三つの遠位接合部と、二つの自由接合部と、前記幅広セルの前記遠位接合部と前記自由接合部との間にわたってジグザグパターンで配置された六つの遠位支柱と、を含む、請求項3~5のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項7】
各幅広セルの前記流出側頂部は、その三つの遠位接合部の、最も中央の遠位接合部に対して、垂直方向に位置合わせされている、請求項6に記載の人工弁。
【請求項8】
各幅広セル列の幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、四倍である、請求項1または2に記載の人工弁。
【請求項9】
各幅広セル列の幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、五倍である、請求項1または2に記載の人工弁。
【請求項10】
各幅広セル列の幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、六倍である、請求項1または2に記載の人工弁。
【請求項11】
人工弁であって、
流入端と流出端とを有したフレームであって、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能であるフレームを含み、前記フレームは、
複数のセルを含む第一セル列であって、前記第一セル列における前記複数のセルは、複数の幅広セルと、複数の幅狭セルと、を含み、各幅広セルは、第一流出側頂部を規定しているとともに、前記第一流出側頂部から分岐した二つの第二長さの近位支柱を含み、前記第一セル列における各幅狭セルは、第二流出側頂部を規定しているとともに、前記第二流出側頂部から分岐した二つの第一長さの近位支柱を含む、第一セル列と、
複数の幅狭セルを含む第二セル列であって、前記第二セル列における各幅狭セルは、前記第二セル列における隣接した二つの幅狭セルに対して直接的に結合されている、第二セル列と、
複数の幅狭セルを含む第三セル列であって、前記第三セル列における各幅狭セルは、前記第三セル列における隣接した二つの幅狭セルに対して直接的に結合されている、第三セル列と、を含み、
前記第一セル列における各セルは、前記第一セル列における隣接した二つの他のセルに対して直接的に結合されており、
前記第二セル列内における前記幅狭セルの数は、前記第三セル列内における前記幅狭セルの数と同じであり、
前記第一セル列と前記第二セル列と前記第三セル列とにおけるすべての前記幅狭セルは、同じ高さと同じ幅とを有しており、
前記第一セル列における各幅広セルの幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、少なくとも二倍である、人工弁。
【請求項12】
各幅広セルの高さは、各幅狭セルの高さよりも高い、請求項11に記載の人工弁。
【請求項13】
各幅広セル列の幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、二倍である、請求項11または12に記載の人工弁。
【請求項14】
前記第一セル列は、三つの幅広セルと六つの幅狭セルとを含み、前記第二セル列および前記第三セル列のそれぞれにおける前記複数の幅狭セルは、前記第二セル列および前記第三セル列のそれぞれ内における12個の幅狭セルを含む、請求項13に記載の人工弁。
【請求項15】
前記フレームは、前記第一セル列と前記第二セル列との間に配置された中間セル列をさらに含み、前記中間セル列は、九つの幅狭セルを含み、前記中間セル列における少なくとも一つの幅狭セルは、その一方の側方上では、前記中間セル列における別の幅狭セルに対して接続されているものの、その反対側の側方上では、前記中間セル列におけるいかなる他の幅狭セルに対しても接続されていない、請求項14に記載の人工弁。
【請求項16】
前記第一セル列は、三つの幅広セルと九つの幅狭セルとを含み、前記第二セル列および前記第三セル列のそれぞれにおける前記複数の幅狭セルは、前記第二セル列および前記第三セル列のそれぞれ内における12個の幅狭セルを含む、請求項13に記載の人工弁。
【請求項17】
前記第一セル列は、六つの幅広セルと三つの幅狭セルとを含み、前記第二セル列および前記第三セル列のそれぞれにおける前記複数の幅狭セルは、前記第二セル列および前記第三セル列のそれぞれ内における12個の幅狭セルを含む、請求項13に記載の人工弁。
【請求項18】
人工弁であって、
流入端と流出端とを有したフレームであって、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能であるフレームを含み、前記フレームは、
三つの幅広セルを含む第一セル列であって、各幅広セルは、流出側頂部を規定しているとともに、前記流出側頂部から分岐した二つの第二長さの近位支柱を含み、前記第一セル列における各幅広セルは、前記第一セル列における隣接した二つの他の幅広セルに対して直接的に結合されている、第一セル列と、
六つの幅狭セルを含む第二セル列であって、前記第二セル列における各幅狭セルは、前記第二セル列における隣接した二つの幅狭セルに対して直接的に結合されている、第二セル列と、
六つの幅狭セルを含む第三セル列であって、前記第三セル列における各幅狭セルは、前記第三セル列における隣接した二つの幅狭セルに対して直接的に結合されている、第三セル列と、
前記第一セル列と前記第二セル列との間に配置された中間セル列であって、三つの幅狭セルを含む中間セル列と、を含み、
前記第二セル列および前記第三セル列におけるすべての前記幅狭セルは、同じ高さと同じ幅とを有しており、
前記第一セル列における各幅広セルの幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、少なくとも二倍であり、
前記中間セル列におけるいずれの前記幅狭セルも、前記中間セル列におけるあらゆる他の幅狭セルに対して直接的に接続されていない、人工弁。
【請求項19】
各幅広セルは、前記幅広セルの前記第一流出側頂部に対して垂直方向に位置合わせされた単一の遠位接合部を含む、請求項18に記載の人工弁。
【請求項20】
各幅広セルは、二つの中間接合部に向けて前記遠位接合部から分岐した二つの遠位支柱と、二つの相互連結支柱と、を含み、前記相互連結支柱の各々は、それぞれ対応した前記中間接合部からさらに延びている、請求項19に記載の人工弁。
【請求項21】
前記幅広セルは、自由接合部を有していない、請求項18~20のいずれか一項に記載の人工弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人工心臓弁に関し、特に、第一列をなす流出セルであるとともに、第二列をなすセルおよび第三列をなすセルよりも幅が広い流出セルを有したフレームを備えた人工弁に関する。
【背景技術】
【0002】
大動脈弁、肺動脈弁、および僧帽弁などの天然の心臓弁は、心臓血管系の全体に対して血液を供給するために、心臓から心臓へとまた心房や心室間で、適切な方向の流れを確保するように機能する。様々な弁膜症が、弁を機能不全とする可能性があり、人工弁へと交換することが必要とされる場合がある。心臓弁を修復したり交換したりするために、手術手順を実行することができる。手術は、多数の臨床的合併症を生じやすいものであるため、人工心臓弁をカテーテル上へと送達するとともに機能不全となった天然弁上へとその人工心臓弁を移植するという低侵襲性の代替手法が、長年にわたって開発されてきた。
【0003】
現在までに、バルーン拡張可能な弁、自己拡張可能な弁、および機械的に拡張可能な弁を含めて、様々なタイプの人工心臓弁が知られている。様々な送達方法および様々な移植方法も、また、知られており、これらの方法は、移植部位に応じて、また、人工弁のタイプに応じて、異なるものとされ得る。一つの例示的な手法は、患者の大腿動脈または腸骨動脈のところに配置され得る切開口から、天然の機能不全弁に向けて、圧縮状態とされた人工弁を送達するための送達アセンブリの利用を含む。人工弁が、所望の移植部位において適正に位置決めされた後には、人工弁を、例えば天然弁の弁輪などの、周囲の解剖学的構造に対して拡張することができ、その後、送達アセンブリを回収することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人工弁は、閉塞したセルからなる列を規定している交差した支柱を含む支持フレームに対して結合された、弁尖アセンブリを含む。それらセルのいくつかは、大動脈弁置換術の場合には、冠動脈口に対向してもよい。いくつかの実例では、患者は、人工弁の移植後に冠動脈に対するアクセスを必要とする冠動脈ステントの移植手順または他の手順を必要とする場合がある。そのような実例の場合、医師は、冠動脈口に対向したセルが規定している開口を通して、冠動脈に対してアクセスすることが必要とされる場合がある。したがって、内部を通して冠動脈に対して充分にアクセスし得るよう設計されたような、改良された人工弁が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、第一セル列、第二セル列、および第三セル列、などの複数のセル列を有した拡張可能なフレームを含む人工弁を対象とするものであり、第一セル列は、第二セル列および第三セル列における幅狭セルと比較して、より幅が広いものとされた複数の幅広セルを含む。
【0006】
本開示のいくつかの態様によれば、流入端と流出端とを有したフレームを含む人工弁が提供され、フレームは、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能とされている。フレームは、複数の幅広セルを含む第一セル列を含み、ここで、各幅広セルは、流出側頂部を規定しているとともに、流出側頂部から分岐した二つの第二長さの近位支柱を含む。フレームは、複数の幅狭セルを含む第二セル列を、さらに含む。フレームは、複数の幅狭セルを含む第三セル列を、さらに含む。
【0007】
いくつかの例では、第一セル列における各幅広セルは、第一セル列における隣接した二つの他の幅広セルに対して直接的に結合されている。
【0008】
いくつかの例では、第二セル列における各幅狭セルは、第二セル列における隣接した二つの幅狭セルに対して直接的に結合されている。
【0009】
いくつかの例では、第三セル列における各幅狭セルは、第三セル列における隣接した二つの幅狭セルに対して直接的に結合されている。
【0010】
いくつかの例では、第二セル列内における幅狭セルの数は、第三セル列内における幅狭セルの数と同じであり、第二セル列および第三セル列におけるすべての幅狭セルは、同じ高さと同じ幅とを有している。
【0011】
いくつかの例では、第一セル列における各幅広セルの幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、少なくとも二倍である。
【0012】
いくつかの例では、第一セル列における各幅広セルの幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、少なくとも三倍である。
【0013】
本開示のいくつかの態様によれば、流入端と流出端とを有したフレームを含む人工弁が提供され、フレームは、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能とされている。フレームは、複数のセルを含む第一セル列を含み、ここで、第一セル列における複数のセルは、複数の幅広セルと、複数の幅狭セルと、を含み、各幅広セルは、第一流出側頂部を規定しているとともに、第一流出側頂部から分岐した二つの第二長さの近位支柱を含み、第一セル列における各幅狭セルは、第二流出側頂部を規定しているとともに、第二流出側頂部から分岐した二つの第一長さの近位支柱を含む。フレームは、複数の幅狭セルを含む第二セル列を、さらに含む。フレームは、複数の幅狭セルを含む第三セル列を、さらに含む。第一セル列における各幅広セルの幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、少なくとも二倍である。
【0014】
いくつかの例では、第二セル列における各幅狭セルは、第二セル列における隣接した二つの幅狭セルに対して直接的に結合されている。
【0015】
いくつかの例では、第三セル列における各幅狭セルは、第三セル列における隣接した二つの幅狭セルに対して直接的に結合されている。
【0016】
いくつかの例では、第一セル列における各セルは、第一セル列における隣接した二つの他のセルに対して直接的に結合されている。
【0017】
いくつかの例では、第二セル列内における幅狭セルの数は、第三セル列内における幅狭セルの数と同じであり、第一セル列と第二セル列と第三セル列とにおけるすべての幅狭セルは、同じ高さと同じ幅とを有している。
【0018】
本開示のいくつかの態様によれば、流入端と流出端とを有したフレームを含む人工弁が提供され、フレームは、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能とされている。フレームは、三つの幅広セルを含む第一セル列を含み、ここで、各幅広セルは、流出側頂部を規定しているとともに、流出側頂部から分岐した二つの第二長さの近位支柱を含み、第一セル列における各幅広セルは、第一セル列における隣接した二つの他の幅広セルに対して直接的に結合されている。フレームは、六つの幅狭セルを含む第二セル列を、さらに含み、ここで、第二セル列における各幅狭セルは、第二セル列における隣接した二つの幅狭セルに対して直接的に結合されている。フレームは、六つの幅狭セルを含む第三セル列を、さらに含み、ここで、第三セル列における各幅狭セルは、第三セル列における隣接した二つの幅狭セルに対して直接的に結合されている。第二セル列および第三セル列におけるすべての幅狭セルは、同じ高さと同じ幅とを有しており、第一セル列における各幅広セルの幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、少なくとも二倍である。
【0019】
本開示のいくつかの態様によれば、流入端と流出端とを有したフレームを含む人工弁が提供され、フレームは、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能とされている。フレームは、九つの幅広セルを含む第一セル列を含み、ここで、各幅広セルは、流出側頂部を規定しているとともに、流出側頂部から分岐した二つの第二長さの近位支柱を含み、第一セル列における各幅広セルは、第一セル列における隣接した二つの他の幅広セルに対して直接的に結合されている。フレームは、18個の幅狭セルを含む第二セル列を、さらに含み、ここで、第二セル列における各幅狭セルは、第二セル列における隣接した二つの幅狭セルに対して直接的に結合されている。フレームは、18個の幅狭セルを含む第三セル列を、さらに含み、ここで、第三セル列における各幅狭セルは、第三セル列における隣接した二つの幅狭セルに対して直接的に結合されている。第二セル列および第三セル列におけるすべての幅狭セルは、同じ高さと同じ幅とを有しており、第一セル列における各幅広セルの幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、少なくとも二倍である。
【0020】
本開示のいくつかの態様によれば、流入端と流出端とを有したフレームを含む人工弁が提供され、フレームは、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能とされている。フレームは、複数の幅広セルを含む第一セル列を含み、ここで、各幅広セルは、流出側頂部を規定しているとともに、流出側頂部から分岐した二つの第二長さの近位支柱を含み、第一セル列における各幅広セルは、第一セル列における隣接した二つの他の幅広セルに対して直接的に結合されている。フレームは、複数の幅狭セルを含む第二セル列を、さらに含み、ここで、第二セル列における各幅狭セルは、第二セル列における隣接した二つの幅狭セルに対して直接的に結合されており、第二セル列における各幅狭セルは、自由端近位接合部へと収束する二つの第一長さの近位支柱を含む。フレームは、複数の幅狭セルを含む第三セル列を、さらに含み、ここで、第三セル列における各幅狭セルは、第三セル列における隣接した二つの幅狭セルに対して直接的に結合されている。
【0021】
いくつかの例では、第二セル列内における幅狭セルの数は、第三セル列内における幅狭セルの数と同じであり、第二セル列および第三セル列におけるすべての幅狭セルは、同じ高さと同じ幅とを有している。
【0022】
いくつかの例では、第一セル列における各幅広セルの幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、少なくとも二倍である。
【0023】
いくつかの例では、第一セル列における各幅広セルの幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、少なくとも三倍である。
【0024】
本開示の様々な態様は、組み合わせてまたは個別的に、使用することができる。本概要は、詳細な説明で後述する様々な概念のうち選択されたものを、簡略化した形態で紹介するために提供される。本概要は、特許請求される主題における主要な特徴または必須の特徴を特定することを意図したものではなく、また、特許請求される主題の範囲を限定するために使用することを意図したものでもない。開示する技術に関する上記のおよび他の、目的、特徴、ならびに利点は、添付図面を参照しながら進める以下の詳細な説明から、より明瞭となるであろう。
【0025】
開示する技術に関するいくつかの例について、添付図面を参照して本明細書で説明する。本明細書は、図面とともに、いくつかの例がどのように実施され得るかを当業者に対して明らかにする。図面は、例示的な説明のためのものであり、開示する技術に関する基本的な理解に必要な程度以上に詳細には、例に関する構造的詳細を示そうとするものではない。明瞭性の目的で、図面に図示したいくつかの対象物は、縮尺通りではない。
【0026】
図面においては、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1A】
図1Aは、いくつかの例による人工弁の斜視図を示している。
【
図2】
図2は、
図1Bのフレームの側面図を示しており、弁フレームが、平坦構成で図示されている。
【
図3】
図3は、いくつかの例によるフレームの側面図を示しており、フレームは、第一セル列内に三つの幅広セルと、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内に六つの幅狭セルと、を有している。
【
図4】
図4は、いくつかの例によるフレームの側面図を示しており、フレームは、第一セル列内に三つの幅広セルと、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内に九つの幅狭セルと、を有している。
【
図5】
図5は、いくつかの例によるフレームの側面図を示しており、フレームは、第一セル列内に三つの幅広セルと、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内に12個の幅狭セルと、を有している。
【
図6A】
図6A~Dは、例示的なフレームの側面図を示しており、フレームは、第一セル列内に三つの幅広セルと、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内に15個の幅狭セルと、を有している。
【
図6B】
図6A~Dは、例示的なフレームの側面図を示しており、フレームは、第一セル列内に三つの幅広セルと、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内に15個の幅狭セルと、を有している。
【
図6C】
図6A~Dは、例示的なフレームの側面図を示しており、フレームは、第一セル列内に三つの幅広セルと、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内に15個の幅狭セルと、を有している。
【
図6D】
図6A~Dは、例示的なフレームの側面図を示しており、フレームは、第一セル列内に三つの幅広セルと、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内に15個の幅狭セルと、を有している。
【
図7】
図7は、いくつかの例によるフレームの側面図を示しており、フレームは、第一セル列内に三つの幅広セルと、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内に18個の幅狭セルと、を有している。
【
図8】
図8は、いくつかの例によるフレームの側面図を示しており、フレームは、第一セル列内に六つの幅広セルと、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内に18個の幅狭セルと、を有している。
【
図9】
図9は、いくつかの例によるフレームの側面図を示しており、フレームは、第一セル列内に九つの幅広セルと、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内に18個の幅狭セルと、を有している。
【
図10】
図10は、いくつかの例によるフレームの側面図を示しており、フレームは、第一セル列内に、三つの幅広セルと六つの幅狭セルとを有している。
【
図11】
図11は、いくつかの例によるフレームの側面図を示しており、フレームは、第一セル列内に、三つの幅広セルと九つの幅狭セルとを有している。
【
図12】
図12は、いくつかの例によるフレームの側面図を示しており、フレームは、第一セル列内に、六つの幅広セルと三つの幅狭セルとを有している。
【
図13】
図13は、いくつかの例によるフレームの側面図を示しており、フレームは、第一セル列内に三つの幅広セルと、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内に六つの幅狭セルと、中間セル列内に三つの幅狭セルと、を有している。
【
図14】
図14は、いくつかの例によるフレームの側面図を示しており、フレームは、第一セル列内に三つの幅広セルおよび六つの幅狭セルと、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内に12個の幅狭セルと、中間セル列内に九つの幅狭セルと、を有している。
【
図15】
図15は、いくつかの例によるフレームの側面図を示しており、フレームは、第一セル列内に三つの幅広セルと、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内に六つの幅狭セルと、を有している。
【
図16】
図16は、いくつかの例によるフレームの側面図を示しており、フレームは、第一セル列内に六つの幅広セルと、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内に12個の幅狭セルと、を有している。
【
図17】
図17は、いくつかの例による、人工弁を付帯した送達装置を含む送達アセンブリの斜視図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本明細書の目的のために、本開示の例における特定の態様、利点、および新規な特徴について、本明細書で説明する。開示する方法、装置、およびシステムは、いかようにも限定的なものとして解釈されるべきではない。代わりに、本開示は、単独で、互いの様々な組合せで、また、互いの様々な下位組合せで、様々な開示する例に関しての、すべての新規かつ非自明な、特徴および態様を対象とする。方法、装置、およびシステムは、任意の特定の態様もしくは特徴、またはそれらの組合せに限定されるものではなく、開示する例は、任意の一つ以上の特定の利点が存在することを必要とするものでもなく、また、解決すべき問題点が存在することを必要とするものでもない。任意の例からの技術は、他の例の、任意の一つまたは複数で説明する技術に対して、組み合わせることができる。開示する技術の原理が適用され得る多くの可能な例を考慮すると、例示する例が、好ましい例に過ぎないこと、また、開示する技術の範囲を限定するものと見なされるべきではないことは、認識されよう。
【0029】
いくつかの開示する例における操作は、提示の便宜上、特定の連続した順序で説明されているけれども、以下に記載した具体的な文言によって特定の順序が要求されない限り、説明のこの態様が、並べ替えを包含するものであることは、理解されよう。例えば、順次的に説明する操作は、場合によっては、並べ替えられてもよく、また、同時に実行されてもよい。その上、簡略化のために、添付図面は、開示する方法を他の方法と組み合わせて使用し得る様々な態様を、示していないことがあり得る。追加的に、説明では、開示する方法を説明するために、時に、「提供する」または「達成する」などの用語を使用することがある。これらの用語は、実行される実際の操作に関する高レベルの抽象概念である。これらの用語に対応した実際の操作は、特定の実装に応じて相違し得るものであって、当業者であれば容易に認識可能である。
【0030】
本明細書で説明するすべての特徴は、互いに独立的なものであって、構造的に不可能である場合を除き、本明細書で説明する任意の他の特徴に対して、組み合わせて使用することができる。
【0031】
本出願および特許請求の範囲で使用した際には、「一つの(a)」、「一つの(an)」、「その(the)」という単数形は、別のことを文脈が明確に記述しない限り、複数形を含む。追加的に、「有する(have)」または「含む(includes)」という用語は、「含む(comprises)」を意味する。本明細書で使用した際には、「および/または」は、「および」もしくは「または」を、ならびに、「および」および「または」を、意味する。
【0032】
本明細書では、図面および原理に関する説明を容易とするために、方向および他の相対的な参照が使用され得るけれども、これらは、限定することを意図したものではない。例えば、「内側」、「外側」、「上側」、「下側」、「内部」、「外部」、「頂部」、「底部」、「内」、「外」、「左」、「右」、および同種のものなどの、特定の用語が使用されてもよい。このような用語は、適切であれば、特に図示した例に関して相対的関係を取り扱う際に、ある程度の説明の明確性を提供するために、使用される。しかしながら、このような用語は、絶対的な、関係性、位置、および/または向きを意味することを、意図したものではない。例えば、ある対象物に対して、単に対象物を裏返すことだけで、「上側」部分が「下側」部分となり得る。それでもなお、依然として同一の部材であり、対象物は、同一のままである。
【0033】
図面における図の全体を通して、同じ参照符号に対して異なる上付き文字を使用することで、同一構成要素に関する異なる例が示されている。開示するデバイスおよびシステムに関する例は、同じ構成要素に関する異なる例どうしの任意の組合せを含んでもよい。具体的には、上付き文字を有していない構成要素に対する任意の参照は、上付き文字を使用して示された同じ構成要素に関する任意の代替例を指してもよい。特定の図面上に過度に数多くの参照符号および引き出し線を有することによる必要以上の混乱を回避するため、いくつかの構成要素は、一つまたは複数の図面を介して導入されるとともに、その構成要素を含むあらゆる後続の図面では明示的に特定されない。
【0034】
図1Aおよび
図1Bは、一例をなす人工弁100に関する斜視図を示しており、それぞれ、軟質構成要素(スカートおよび弁尖アセンブリなど)を有している場合と、それらを有していない場合と、を示している。本明細書で使用した際には、「人工弁」という用語は、カテーテル上を通して患者の標的部位へと送達可能な任意のタイプの人工弁であって、径方向に圧縮された状態すなわち径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって、径方向に拡張可能なかつ径方向に圧縮可能な人工弁を指す。よって、人工弁は、送達時には、径方向圧縮状態へとインプラント送達装置200(
図17を参照されたい)上へと圧縮されることができまたはそのようなインプラント送達装置によって保持されることができ、その後、人工弁が移植部位へと到達した後には、径方向拡張状態に拡張されることができる。拡張状態は、圧縮状態と完全に拡張した状態で到達する最大径との間にわたって弁が拡張し得る直径範囲を、含んでもよい。よって、部分的に拡張した複数の状態は、径方向に圧縮された状態すなわち径方向圧縮状態と最大拡張状態との間における任意の拡張直径に関連してもよい。本開示の人工弁100は、天然の大動脈弁、天然の僧帽弁、天然の肺動脈弁、および天然の三尖弁の内部に取り付けられるように構成された任意の人工弁を含んでもよい。
【0035】
本明細書で開示する人工弁が、様々なインプラント送達装置と共に使用され得ることは、理解されよう。バルーン拡張型弁は、一般に、人工弁の内部でバルーンを膨張させることにより、人工弁を所望の移植部位内で拡張させるという手順を含む。弁が充分に拡張した後には、バルーンを、収縮させて、送達装置200と一緒に回収する(
図17を参照されたい)。自己拡張型弁は、外側の保持シャフトすなわちカプセル(図示せず)が人工弁に対して近位向きに引っ張られるとすぐに自動的に拡張するように形状設定されたフレームを含む。機械的に拡張可能な人工弁は、拡張のための機械的駆動機構に依存した人工弁というカテゴリーである。機械的駆動機構は、通常、複数の拡張ロックアセンブリ(米国特許第10,603,165号明細書におよび2020年9月30日付けで出願された米国仮出願第63/085,947号明細書に記載されている人工弁などであり、これらの各文献は、参照によりそれらの全体が本明細書に援用される)を含み、拡張ロックアセンブリは、送達装置のそれぞれ対応した駆動アセンブリに対して着脱可能に結合されるとともに、ハンドル(図示せず)を介して制御されることにより、拡張およびロックアセンブリが駆動されることで、人工弁が所望の直径へと拡張される。拡張ロックアセンブリは、任意選択的に、弁の直径をロックすることで、望ましくない弁の再圧縮を阻止し得るとともに、駆動アセンブリを拡張ロックアセンブリから切り離すことで、人工弁が所望の移植部位で適正な位置決めされた後における送達装置の回収を可能としてもよい。
【0036】
本明細書で使用した際には、「複数」という用語は、二つ以上を意味する。
【0037】
人工弁100は、流入端106と流出端104とを含む。いくつかの実例では、流入端106は、人工弁100の遠位端であり、流出端104は、人工弁100の近位端である。代替的には、例えば弁の送達アプローチによっては、流入端を、人工弁の近位端とすることができ、流出端を、人工弁の遠位端とすることができる。
【0038】
本明細書で使用した際には、「近位」という用語は、一般に、ユーザに対してより近くに位置しており(例えば、移植手順時に)、かつ、移植部位から離間して位置しているような、デバイスもしくはデバイス構成要素の、位置、向き、または部分を指す。
【0039】
本明細書で使用した際には、「遠位」という用語は、一般に、ユーザから離間して位置しており、かつ、移植部位に対してより近くに位置しているような、デバイスもしくはデバイス構成要素の、位置、向き、または部分を指す。
【0040】
本明細書で使用した際には、「流出」という用語は、人工弁の、血液が人工弁100を通して流れて人工弁100から導出される領域を、指す。
【0041】
本明細書で使用した際には、「流入」という用語は、人工弁の、血液が人工弁100内へと流れて導入される領域を、指す。
【0042】
本出願の文脈では、「下部」および「上部」という用語は、それぞれ「流入」および「流出」という用語に対して、互換的に使用される。よって、例えば、人工弁の下端は、流入端であり、人工弁の上端は、流出端である。
【0043】
本明細書で使用した際には、「長手方向」および「軸線方向」という用語は、別のことが明示的に規定されない限り、近位遠位方向に延びた軸線を指す。
【0044】
弁100は、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能な環状フレーム102と、フレーム102内に取り付けられた弁尖アセンブリ180と、を含む。
図2は、例示の目的のために、フレーム102を平坦構成で示している。フレーム102は、限定するものではないが、ステンレス鋼、ニッケルベースの合金(例えば、MP35N合金などの、コバルトクロム合金もしくはニッケル-コバルト-クロム合金)、ポリマー、またはこれらの組合せ、などの塑性変形可能な材料を含めて、様々な適切な材料から作製することができる。塑性変形可能な材料から構成された時には、フレーム102は、バルーンカテーテル(図示せず)上において、径方向圧縮状態へと圧縮することができ、その後、拡張可能なバルーンによってまたは同等の拡張機構によって、患者の身体内で拡張させることができる。代替的にはまたは追加的には、フレーム102は、限定するものではないが、ニッケルチタン合金(例えば、ニチノール)などの、形状記憶材料から作製することができる。
【0045】
図1A~
図1Bに図示した例では、フレーム102は、環状のステント状の構造であって、交差した複数の支柱108を含むとともに、中心軸線10を規定している。本出願では、「支柱」108という用語は、垂直支柱と、傾斜支柱または湾曲支柱と、支持ポストと、交連ウィンドウと、米国特許第7,993,394号明細書および米国特許第9,393,110号明細書に記載されている任意の同様の構造と、を包含するものであり、これらの文献は、参照により本明細書に援用される。支柱108は、フレーム102の任意の長尺部材または長尺部分であってもよい。フレーム102は、複数のセル列136として配列された複数のセル130を集合的に規定し得る複数の支柱段を含むことができる。フレーム102は、図示のように、流入端106から流出端104までにわたって一定の直径を有した円筒形状または実質的な円筒形状を有し得るものであり、あるいは、フレームは、米国特許第9,155,619号明細書に開示されているように、フレームの高さに沿って直径が変化し得るものであり、この文献は、参照のため本明細書に援用される。
【0046】
支柱108は、傾斜支柱110を含み、任意選択的に、垂直支柱120を含む。「垂直支柱」という用語は、全体的に軸線方向に延びた支柱を指し、他方、「傾斜支柱」という用語は、一般に、フレーム102が規定する平面に沿って自身に対して交差する軸線に対して傾斜して延び得る支柱を指す。「傾斜支柱」という用語が、直線的な傾斜支柱と曲線支柱との両方を包含することは、理解されよう。
【0047】
図1A~
図1Bは、限定するものではないが、バルーン拡張型人工弁に代表され得るような、例示的な人工弁100を示している。
図1Bおよび
図2に図示した人工弁100のフレーム102は、四つのセル列136を含む、すなわち、上側セル列とも称され得る第一セル列140と、第二セル列142と、第三セル列144と、第四セル列146と、を含む。セルがなす四つの列は、例示のために示したものであって、限定ではなく、より多数のセル列136が、他のフレーム構成によって規定され得ることは、理解されよう。第一セル列140をなすセルと、第二セル列142をなすセルと、に関する拡大図が、
図2にさらに図示されている。
【0048】
二つ以上の支柱108が、接合部150のところで交差することができ、これらの接合部150は、互いに等間隔でまたは非等間隔で離間して配置されることができる。支柱108どうしは、フレームの拡縮を可能とするよう、互いに対して回動可能または曲げ可能であってもよい。例えば、フレーム102は、限定するものではないが、レーザー切断、電鋳、および/または物理的蒸着などの、様々なプロセスを介して、金属チューブなどの単一材料部材から形成することができ、ヒンジおよび同種のものがなくても、径方向に圧縮/拡張する能力を保持することができる。
【0049】
弁尖アセンブリ180は、少なくとも部分的にフレーム102の内部に配置された複数の弁尖182(例えば、三つの弁尖)を含むとともに、流入端106から流出端104へと人工弁100を通して流れる血液流を調節するように構成されている。
図1Aに図示した例では、三尖配置で圧潰されるように配置された三つの弁尖182が示されているけれども、人工弁100が、任意の他の数をなす弁尖182を含み得ることは、明らかであろう。隣接した弁尖182どうしを一緒に配置することで、フレーム102のそれぞれ対応した部分に対して(直接的にまたは間接的に)結合された交連184を形成することができ、これにより、弁尖アセンブリ180の少なくとも一部を、フレーム102に対して固定する。弁尖182は、全体的にまたは部分的に、生物学的材料(例えば、心膜)から、生体適合性合成材料から、または他のそのような材料から、作製することができる。弁尖アセンブリ180を人工弁100のフレーム102に対して結合し得る態様を含めて、経カテーテル人工心臓弁に関する更なる詳細は、例えば、米国特許第6,730,118号明細書、米国特許第7,393,360号明細書、米国特許第7,510,575号明細書、米国特許第7,993,394号明細書、米国特許第8,652,202号明細書、および米国特許第11,135,056号明細書、に見出すことができ、これらすべての文献は、参照によりそれらの全体が本明細書に援用される。
【0050】
人工弁100は、少なくとも一つのスカートまたはシール部材を、さらに含むことができる。内側スカート178は、フレーム102の内面に対して固定することができ、例えば弁周囲漏洩を防止または減少させるためのシール部材として、機能するように構成されている。内側スカート178は、弁尖182をフレーム102に対して固定するためのアンカー止め領域としてさらに機能することができ、および/または、例えば弁圧縮時にまたは人工弁100の動作サイクル時にフレーム102に対する接触によって引き起こされ得る損傷から、弁尖182を保護するように機能することができる。追加的には、または代替的には、人工弁100は、フレーム102の外面上に取り付けられた外側スカート176を含むことができ、外側スカート176は、例えば、フレーム102と、人工弁が取り付けられることとなる天然弁輪の周囲組織と、の間に保持されたシール部材として機能するように構成されることで、人工弁100を通過する弁周囲漏洩(PVL)のリスクを低減することができる。
【0051】
内側スカート178および/または外側スカート176のいずれかは、限定するものではないが、様々な合成材料(例えば、PET)または天然組織(例えば、心膜組織)などの、様々な適切な生体適合性材料から作製することができる。いくつかの例では、内側スカート178は、フレーム102の内面まわりに連続して延びた単一シート材料を含む。いくつかの例では、外側スカート176は、フレーム102の外面まわりに連続して延びた単一シート材料を含む。
【0052】
図1Bおよび
図2は、弁尖およびスカートなどの他の構成要素が除去された状態で、人工弁100のフレーム102を示している。
図1Bは、フレーム102を、機能的構成に対応した環状構成で示している。
図2は、例示の目的のために、フレーム102を平坦構成で示している。
図1Bおよび
図2に図示した例では、フレーム102は、四つのセル列136を含み、各セル列136は、周方向に延びた複数のセル130を含み、この場合、各セル130は、同じセル列136内における両側方において、周方向に隣接した二つのセル130に対して直接的に結合されている。本明細書で使用した際には、「セル」という用語は、少なくとも四つの支柱108によって規定された閉塞周縁を有した閉塞セルを指す。
【0053】
接合部150は、フレーム102の最も上側の接合部と最も下側の接合部とをなす頂部152と、流入端106と流出端104との間に配置された非頂部接合部162と、を含む。頂部152は、最も上側の接合部として規定される流出側頂部154を含み、流出側頂部154の少なくともいくつかは、弁100の流出端104を規定することができ、また、頂部152は、最も下側の接合部として規定される流入側頂部160を含み、流入側頂部160の少なくともいくつかは、弁100の流入端106を規定することができる。
【0054】
各セル130は、セルの最も上側の接合部をなす近位接合部166と、セルの最も下側の接合部をなす少なくとも一つの遠位接合部164と、を含むことができる。第一セル列140におけるセル130の近位接合部166は、また、流出側頂部154でもあり、すべての他のセル列における、例えばセル列142、144、146などにおける、セル130の近位接合部166は、非頂部接合部162である。
図1Bおよび
図2に図示した例では最も下側のセル列をなす第四セル列146におけるセル130の遠位接合部164は、また、流入側接合部160でもあり、すべての他のセル列における、例えばセル列140、142、144などにおける、セル130の遠位接合部164は、非頂部接合部162である。
【0055】
非頂部接合部162は、また、隣接したセル130どうしを接続する側方接合部168を含むことができ、例えば、図示した例における第一セル列140と第二セル列142と第三セル列144とにおいて、周方向に隣接したセル130どうしの間に規定された側方接合部168などを含むことができる。
【0056】
各セル130の傾斜支柱110は、二つの近位支柱112と、二つの遠位支柱118と、を含むことができる。各セル130の遠位支柱118は、遠位接合部164から上向きと側方とに分岐しており、換言すれば、遠位接合部164から離間する向きに周方向に延びるものと、流出端104に向けて軸線方向に延びるものと、に分岐している。各セル130の近位支柱112は、近位接合部166から下向きと側方とに分岐しており、換言すれば、近位接合部166から離間する向きに周方向に延びるものと、流入端106に向けて軸線方向に延びるものと、に分岐している。
【0057】
上述したように、セル130は、その両側方に、二つの側方接合部168などの、側方接合部168を含むことができる。
図1Aおよび
図2に図示した例では、第二セル列142および第三セル列144におけるセル130は、遠位支柱118が対応した近位支柱112に対して交差している側方接合部168を含み、これにより、セル130は、側方接合部168を介して、セル列142、144内の周方向に隣接したセル130に対して結合するものとされている。
【0058】
いくつかの傾斜支柱110は、二つのセル列136におけるセル130によって共有されることができる。例えば、第二セル列142におけるセル130の遠位支柱118は、また、第三セル列144におけるセル130の近位支柱112でもあり、第三セル列144におけるセル130の遠位支柱118は、また、図示した例では、第四セル列146におけるセル130の近位支柱112でもある。
【0059】
各支柱108は、その両端部上における二つの接合部150の間に規定された長さLを有している。非直線形状を有した支柱の場合には、長さLは、両端部上における接合部どうしの150間の直線距離として規定される。流出側垂直支柱122は、長さL1を有しており、近位支柱112は、長さL2を有しており、遠位支柱118は、長さL5を有しており、流入側垂直支柱128は、長さL6を有している。
図2に図示した例では、すべてのセル130におけるすべての近位支柱112の長さL2は、すべての遠位支柱の長さL5に等しい。
【0060】
いくつかの例では、セル130は、垂直支柱120を介して、同じセル列136内における隣接したセル130に対して結合されている。
図1Aおよび
図2は、少なくとも二つのタイプの垂直支柱120、すなわち、第一セル列140におけるセル130どうしの間に規定された流出側垂直支柱122と、第四セル列146におけるセル130どうしの間に規定された流入側垂直支柱128と、を含むフレーム102の例を示している。流出側垂直支柱122の長さL1と、流入側垂直支柱128の長さL6とは、互いに同一とすることも相違することもでき、例えば、
図2に図示した例では、流出側垂直支柱122は、流入側垂直支柱128の長さL6よりも長い、長さL1を有するものとして示されている。
【0061】
垂直支柱120を使用することにより、近位支柱112を、同じセル130の対応した遠位支柱118に対して相互接続することができる。側方接合部168は、垂直支柱120の両端のところに、遠位側方接合部170と近位側方接合部172とを含むことができる。例えば、各垂直支柱120は、対応した遠位支柱118に対して交差している遠位側方接合部170と、近位支柱112に対して交差している近位側方接合部170と、の間にわたって延びることができる。よって、垂直支柱120を含む任意のセル130は、少なくとも六つの支柱によって規定することができる、すなわち、二つの近位支柱112と、二つの垂直支柱120と、少なくとも二つの遠位支柱118と、によって規定することができる。
【0062】
いくつかの例では、流出側垂直支柱122の少なくともいくつか(例えば、三つ)は、交連支持支柱124とすることができ、交連支持支柱124は、交連ウィンドウ126とも称されるような、軸線方向に延びたウィンドウフレーム部分を規定し得るものであって、弁尖アセンブリ180のそれぞれ対応した交連184を取り付けるように構成されている。
【0063】
各セル130は、その近位接合部166とその(一つまたは複数の)遠位接合部(単数または複数)164との間の軸線方向距離として規定される高さHと、関連したセル130に関する側方接合部170、172を規定している垂直支柱120どうしの間を含めて、その対向した側方接合部168どうしの間の側方距離または周方向距離として規定される幅Wと、を有している。弁が、拡張時には、直径が拡張されて長さが短縮されることにより、圧縮状態と拡張状態との間にわたっての移行時には、すべてのセルの高さHも、また、短縮されることとなる。本明細書の全体を通して参照される任意のセル130の高さHが、フレームの拡張状態におけるセルの高さに関するものであることは、理解されよう。
【0064】
図1Bおよび
図2に図示した例では、第一セル列140におけるセル130は、高さH1を有しており、第二セル列142および第三セル列144におけるセル130は、高さH2を有しており、第四セル列146におけるセル130は、高さH3を有しており、ここで、H1は、H3より高く、H3は、H2より高いものとされている。第四セル列146におけるセルの高さH3は、第二セル列142および第三セル列144の高さH2よりも高いものであるため、参照により本明細書に援用される米国特許第9,393,110号明細書にさらに記載されているように、フレーム102は、圧縮された時には、流出端104のところにおける大きな直径から流入端106のところにおける小さな直径へとテーパー形状をなす全体的テーパー形状を形成することができる。
図1に示すように、外側スカート176および/または内側スカート178のいずれかは、フレーム102の流入部分を覆うことができ、この部分の直径が小さくなるため、そのようなスカートは、人工弁の全体的圧縮プロファイルを増加させる必要はない。
【0065】
図1Bおよび
図2に示す例示的なフレーム102は、当該技術分野で知られている従来的なフレームにおける特定のタイプのフレームを代表し得るものであり、すなわち、すべてのセル列136におけるすべてのセル130が同じ幅Wを有しているために各セル列136内に同数のセル130が存在するタイプのフレームを代表し得るものである。図示した例における各セル列136は、12個のセルを含むものとして示されているけれども、各セル列136内におけるセルの数が、他のフレーム構成では異なり得るものの、一般的に、すべてのセル列136に関して同一であることとなることは、理解されよう。
【0066】
人工弁100は、石灰化した大動脈弁輪に対して当接して拡張されることがあり、この場合、拡張時に石灰化組織の相対的に増大した剛性に打ち勝つ必要がある。弁100のフレーム102が周囲の解剖学的構造に対して印加する径方向力に影響する要因の一つとして知られているものは、セル列136内におけるセル130の数であり、セル130の数が多い(すなわち、セル密度が高い)ほど、拡張時に大きな径方向力が生じることとなる。よって、従来的な弁フレーム102には、石灰化した環状病変による抵抗に打ち勝つ径方向力を増大させるよう、比較的多数のセル130が設けられ得る。
【0067】
いくつかの人工弁は、拡張状態で、上側セル列すなわち第一セル列(140)を冠動脈口の高さ位置へと配置し得るような全体的軸線方向長さを有し得る。例えば、そのような弁(100)は、移植部位で拡張された時に、その流出側頂部(154)が、副鼻腔もしくは副鼻腔接合部(STJ)に対して接触するように、またはその近傍に配置されるように、設計することができる。いくつかの実例では、患者は、人工弁の移植後に冠動脈に対するアクセスを必要とする他の手順によって、冠動脈ステントの移植が必要とされ得る。そのような実例では、医師は、冠動脈口に対向した第一セル列140におけるセル130によって規定された開口を通して冠動脈に対してアクセスする必要があり得る。例えば
図1A~
図2に図示した人工弁100の第一セル列140におけるセル130は、他のセル列142、144、146の高さH2、H3よりも高い高さH1を有し得るけれども、それらの幅Wは、すべての他のセル130における幅と同じとされている。セルの数が、天然弁輪に対して当接した状態での拡張時に充分な径方向力を提供するよう、比較的多いものとして選択され得ることにより、このことは、心周期の拡張期時には、冠動脈内への将来のアクセスに関して、または冠動脈に対するフレーム102を通しての灌流に関して、能力を損ない得るようなセル幅Wをもたらすこととなり得る。
【0068】
弁の拡張時には、大きな径方向力が、主に、天然弁輪の、フレームの下部(すなわち、遠位部分または流入部分)に対応した領域のところで必要とされるという事実を利用して、本明細書で開示するフレーム構成における上側セル列は、他のセル列におけるセルと比較して、より幅広のセルを含むことができる。第一セル列内におけるより幅広であるセルの幅は、選択された冠動脈カテーテル(例えば、6Frの冠動脈カテーテル)の外径よりも大きなものであるように構成することができる。
【0069】
図3~
図16は、本明細書で開示する様々なフレーム構成を示しており、フレーム構成は、第一セル列内に幅広セルを含み、幅広セルは、第二セル列内におよび第三セル列内に含まれた幅狭セルの幅Wsの倍数とされた幅Wbを有している。幅Wbが幅Wsの倍数とされているとは、Wsに対して、好ましくは2以上とされる整数を積算することにより、Wbが得られることを、意味している。フレーム(または、その一部)は、
図3~
図16の全体を通して、平坦化された状態で示されており、明瞭さのために、軟質構成要素(弁尖およびスカートなど)の図示が省略されている。その上、
図3~
図16の全体を通して、フレームは、第一セル列と第二セル列と第三セル列とを示すものとして図示されているけれども、これが、例示であって限定ではないこと、また、同じフレームが、追加的なセル列を含み得ることは、理解されよう。例えば、
図3~
図16に関連して以下で説明する任意のフレームは、
図2に図示した第四セル列146におけるセルと比較して、同様のセルとも相違するセルともされ得るセルを有した第四セル列を含むことができ、また、任意の数の追加的なセル列を含むことができる。
【0070】
いくつかの例によれば、セル130は、幅狭セル132と幅広セル134とを含み、ここで、幅広セル134の幅Wbは、幅狭セル132の幅Wsより広く、かつ、幅Wsの倍数とされている。例えば、幅広セル134の幅Wbは、幅狭セル132の幅Wsと比較して、二倍、三倍、四倍、五倍、または六倍、とすることができる。
【0071】
様々な幅狭セル132が、同じ幅Wsを有し得るものの、例えば異なる高さHを有することなどによって、異なる全体サイズを有し得ることは、理解されよう。例えば、
図2に図示したフレーム102におけるすべてのセル130は、同じ幅Wsを有した幅狭セル132と見なされ得るけれども、第一セル列140における幅狭セル132は、第二セル列142および第三セル列144における幅狭セル132の高さH2と比較して、より高い高さH1を有している。
【0072】
いくつかの例では、第二セル列および第三セル列は、幅狭セル132だけを含み、他方、第一セル列140は、幅広セル134を含むとともに、幅狭セル132に関しては、存在しても存在しなくてもよい。第二セル列142および第三セル列144の任意のセル列における幅狭セル132のすべては、同じサイズを有することができ、これは、第二セル列142および/または第三セル列144におけるすべての幅狭セル132が、同じ幅Wsだけでなく、同じ高さH2をも有していることを意味する。
【0073】
幅広セル134は、フレーム102の流出端部分における金属の量を低減することができ、これにより、人工弁が径方向に圧縮される時にはフレームが弁尖のバルク容積に対して位置合わせされることにより、人工弁の圧縮直径をより小さくすることができる。幅広セル134は、人工弁が移植された後には、人工弁を通しての冠動脈口へと流れる充分な血液流を確保するとともに、再アクセスデバイス(例えば、冠動脈カテーテル)が、幅広セルを通過して、冠動脈に対してアクセスすることを可能とする。例えば、各幅広セル134は、選択された冠動脈カテーテル(例えば、6Frの冠動脈カテーテル)の外径と比較して、二倍の幅であるように構成することができる。
【0074】
図3~
図9の全体を通して図示した例示的なフレーム内の第二セル列内および第三セル列内におけるセルなどの、幅狭セル132(幅広セル134と比較した時には、幅がより狭く、全体的により小さい)は、幅広セル134と比較して、相対的により大きな構造的強度を有することができる。したがって、下側セル列(存在する時には、セル列142、144、146、など)における幅狭セル132が、幅広セル134と比較して、天然弁輪によって印加されるより多くの量の径方向力を負担するようにして、フレームを、天然弁輪内に位置決めすることができる。
【0075】
いくつかの例では、第一セル列は、第二セル列および/または第三セル列における任意の幅狭セル132の幅Wsと比較して、少なくとも二倍の幅Wbを有した幅広セル134を含む。
図3は、人工弁100
aのフレーム102
aに関する一例を示しており、これは、フレーム102
aが、三つの幅広セル134を有した第一セル列140
aと、六つの幅狭セル132をそれぞれが有した第二セル列142
aおよび第三セル列144
aと、を含むことにより、フレーム102
aの幅広セル134の幅Wbが、幅狭セル132の幅Wsの二倍とされていることを除いては、
図1A~
図2に関して上記で開示した人工弁100のフレーム102に対して、構造および機能の点で同様である。
【0076】
人工弁100およびその構成要素に関する様々な例示的実装は、このような例示的実装を参照する特徴に関する説明を容易とするために、本明細書の全体を通して、上付き文字によって参照することができる。しかしながら、任意のデバイスもしくは構成要素の構造的特徴または機能的特徴に対しての、上付き文字を使用しない任意の参照が、上付き文字によっても示され得るすべての具体的な例示的実装によって共通に共有される特徴を指すことは、理解されよう。対照的に、任意のデバイスまたは構成要素の例示的実装に関して、上付き文字を使用した参照によって強調された特徴は、任意選択的に、すべての他の例示的実装のいくつかによって共有され得るけれども、必ずしもすべての他の例示的実装によって共有されるわけではない。
【0077】
いくつかの例では、
図3~
図16に関して本明細書で開示する任意のフレーム構成における幅広セル134は、遠位支柱118と近位支柱112との間における各幅広セル134の両側方上で延びた流出側垂直支柱122を含むことができ、これにより、第一セル列における各幅広セル134は、流出側垂直支柱122を介して、その両側方上で隣接したセル130(例えば、幅広セル134)に対して結合されている。いくつかの例では、第一セル列における幅広セルは、垂直支柱を有していないものとすることができ(例については、図示していない)、これにより、各幅広セルは、対応した側方接合部を介して、その両側方上において、隣接した二つの幅広セルに対して結合することができる。
【0078】
図3に図示した例などのいくつかの図示した例では、菱形形状を有した幅狭セル132が示されており、幅広セル134は、実質的に逆V字形状(または、
図13~
図14に図示したフレーム構成に関しては、菱形形状)を有するものとして示されている。しかしながら、他の例では、任意のセル130は、六角形形状、八角形形状、三角形形状、菱形形状、テーパー形状端部部分を有した菱形形状、等とすることができる。
【0079】
簡略化のために
図3~
図16の全体を通して図示していないけれども、幅広セル134内に含まれた流出側垂直支柱122を含むフレーム構成に関して、流出側垂直支柱122の少なくともいくつかが、任意選択的に交連ウィンドウ126を規定する交連支持支柱124であり得ることは、理解されよう。交連ウィンドウ126は、交連184を形成する目的で、内部を通して弁尖182のタブを通過させ得るように設計することができる。交連184を形成するに際して、例えば弁尖のタブが垂直支柱の周囲に巻き付けられるとともに弁尖のタブが縫合によってまたは他の態様によって垂直支柱に対して結合され得ることで弁尖のタブを支持するように設計されるなどのようにして弁尖のタブを支持するように設計されたような、必ずしも交連ウィンドウを含まない垂直支柱などの、他の交連支持構造が利用可能であり得ることは、理解されよう。
【0080】
幅狭セル132と幅広セル134との両方を含むフレームにおける近位支柱112は、長さL3を有した第一長さの近位支柱114と、長さL4を有した第二長さの近位支柱116と、を含むことができ、ここで、第二長さの近位支柱116は、第一長さの近位支柱114よりも長い(すなわち、L4>L3)ものとすることができ、場合によっては、一般に、長さL3の倍数とされた長さL4を有してもよい。長さL3は、遠位支柱118の長さL5に対して、略等しいものであってもよい。いくつかの例では、長さL4と長さL3との比は、W1とW2との比と比較して、等しいものまたはそれよりも大きなものとすることができる。
【0081】
図3に図示した例示的なフレーム102
aにおける各幅広セル134は、対応した二つの流出側垂直支柱122に向けて流出側頂部154から分岐した二つの第二長さの近位支柱116と、ジグザグパターンで配置された四つの遠位支柱118でありかつ第二セル列142
aにおける幅狭セル132の第一長さの近位支柱114でもある四つの遠位支柱118と、を含む。このように、そのような各幅広セル134は、二つの遠位接合部164を有しているが、遠位接合部164は、第二セル列142
aにおける幅狭セル132の側方接合部168でもあり、また、第三セル列144
aにおける幅狭セル132の近位接合部166でもある。
【0082】
いくつかの例では、幅広セル134は、少なくとも一つの自由接合部174をさらに含むことができ、この自由接合部は、別のタイプの非頂部接合部162であって、幅広セル134の下流側接合部164と上流側接合部166との間に、また、幅広セル134の側方接合部168どうしの間(流出側垂直支柱122どうしの間を含む)に、配置されている。本明細書で使用した際には、「自由接合部」という用語は、そこから分岐する二つの遠位支柱118を除いて(これら二つの遠位支柱118の間における交差箇所のところに、自由接合部174を規定している)、他のいずれの支柱にも取り付けられていない(直接的に取り付けられていない)接合部を指す。自由接合部174は、流出側頂部154よりも遠位に位置しているとともに、自由接合部174が含まれている幅広セル134の一つまたは複数の遠位接合部164よりも近位に位置している。
【0083】
幅狭セル132は、幅狭セル132a、132bなどの、形状およびサイズの点で同じであるものの、それに対して取り付けられている隣接したセルの点で相違し得るような、いくつかのタイプのセルを含むことができる。本明細書の様々な例における、任意の第二セル列または中間セル列(以下でさらに説明する)における幅狭セル132aは、その近位接合部166aが、第一セル列における幅広セル134の側方接合部へと収束することとなる。例えば、幅狭セル132aの各近位接合部166aは、少なくとも一つの幅広セル134の遠位側方接合部170へと収束することができる。いくつかの例では、近位接合部166aは、幅広セル134どうしの間に配置されており、例えば、第一セル列において互いに直接的に結合された二つの幅広セル134の間に規定された遠位側方接合部170へと収束する。対照的に、本明細書の様々な例における、任意の第二セル列における各幅狭セル132bは、その第一長さの近位支柱114が、対応した幅広セル134の中心に向けて延びており、これにより、その自由端近位接合部166bは、また、対応した幅広セル134の自由接合部174ともされている。
【0084】
本明細書の全体を通して、任意の接合部が別の接合部へと「収束する」という表現は、両方の接合部が全く同一であることを意味している。例えば、第一セルの近位接合部が第二セルの側方接合部へと収束するという表現は、第一セルの近位接合部が、また、第二セルの側方接合部でもあることを意味している。
【0085】
図3に図示した例では、第二セル列142
aにおける幅狭セル132の半分(すなわち三つ)は、それらの近位接合部166aが幅広セル134どうしの間に配置された幅狭セル132aであり、残りの半分は、対応した合計で三つの自由接合部174を規定している幅狭セル132bである。
【0086】
いくつかの例では、
図3に図示した例のように、幅広セル134の各自由接合部174(これは、また、対応した幅狭セル132bの自由端近位接合部166bでもある)は、同じ幅広セル134の流出側頂部154に対して、垂直方向で位置合わせされている。
【0087】
「自由端近位接合部」という用語は、近位接合部166bなどの近位接合部を指し、この近位接合部166bからは、二つの近位支柱112のみが分岐している(その接合部から、下方に、および側方に)とともに、遠位支柱(118)または垂直支柱(120)などのいかなる他の支柱も、その接合部に対して接続されていない。換言すれば、例えば任意のセル130bの自由端近位接合部166bは、任意の他のセルにおける遠位接合部(164)としてまたは側方接合部(168)として、機能するものではない。同じ態様で規定された、任意のセル130の上側自由端接合部150は、その垂直方向上方に配置されたいかなる他の接合部も支柱もフレームが含まない場合には、流出側頂部154をなすこととなり、その垂直方向上方に配置された支柱(108)または他の接合部(
図3の例では、流出側頂部154など)をフレームが含む場合には、自由端近位接合部166bをなすこととなる。
【0088】
図3に図示した例は、第一セル列140
a内における三つの幅広セル134を示しており、各幅広セル134は、その自由接合部174に対して位置合わせされた(別の言い方をすれば、第二セル列142
aにおける対応した幅狭セル132bの自由端近位接合部166bに対して位置合わせされた)流出側頂部154を含む。任意の二つの接合部は、両方の接合部を通過する仮想線が、または中心軸線10の周りに規定された環状面上への両接合部の投影が、人工弁の中心軸線10に対して平行である場合には、「垂直方向に位置合わせされている」と称される。対照的に、任意の二つの接合部は、人工弁100の流出端104からおよび/または流入端106から等距離で離間している場合には、「横方向に位置合わせされている」と称される。例えば、
図2または
図3に図示した任意のフレーム102内で示されているすべての流出側頂部154は、横方向に位置合わせされている。同様に、流出側垂直支柱122の下端のところに位置したすべての遠位側方接合部170は、横方向に位置合わせされている。
【0089】
図3~
図16と関連して本明細書で説明する任意の例による、第一セル列における各セル130が、流出側頂部154を含むこと、また、
図3~
図16と関連して本明細書で説明する任意の例による、第一セル列におけるすべてのセル130が、例えば共有された垂直支柱120を介して、および/または共有された側方接合部168を介して、第一セル列における隣接したセル130に対して直接的に結合されていることは、理解されよう。
【0090】
いくつかの例では、
図3~
図16と関連して説明する任意の第二セル列を含めて、本明細書で説明する任意の第二セル列におけるすべての幅狭セル132は、例えば共有された側方接合部168を介して、第二セル列における隣接した幅狭セル132に対して直接的に結合されている。
【0091】
いくつかの例では、
図3~
図16と関連して説明する任意の第三セル列を含めて、本明細書で説明する任意の第三セル列におけるすべての幅狭セル132は、例えば共有された側方接合部168を介して、第二セル列における隣接した幅狭セル132に対して直接的に結合されている。
【0092】
いくつかの例では、第一セル列におけるすべてのセル130は、幅広セル134であり、これにより、各幅広セル134は、その両側方上で、隣接した幅広セル134に対して直接的に結合されているものとされており、これは、例えば、
図3に図示したフレーム102
aに関して示したものなどであり、また、それぞれ
図4、
図5、
図6A~D、
図7、
図8、
図9、
図13、
図15、および
図16に図示して以下でさらに説明するように、フレーム102
b、102
c、102
d、102
e、102
f、102
g、102
k、100
m、100
nに関するものなどである。
【0093】
いくつかの例では、
図3~
図146と関連して説明する任意の第二セル列を含めて、本明細書で開示する任意の第一セル列におけるすべての幅広セル134は、同じ幅Wbおよび同じ高さH1を有しており、これにより、第一セル列における幅広セル134のすべての流出側頂部154は、互いに横方向に位置合わせされており、第一セル列における幅広セル134のすべての遠位接合部164は、互いに横方向に位置合わせされており、すべての自由接合部174は、互いに横方向に位置合わせされている。幅広セル134が流出側垂直支柱122を含む場合には、流出側垂直支柱122のすべての遠位側方接合部170は、互いに横方向に位置合わせされており、流出側垂直支柱122のすべての近位側方接合部172は、互いに横方向に位置合わせされている。
【0094】
いくつかの例では、
図3~
図14と関連して説明する任意の第二セル列を含めて、本明細書で開示する任意の第二セル列におけるすべての幅狭セル132は、同じ幅Wsおよび同じ高さH2を有しており、これにより、第二セル列における幅狭セル132のすべての近位接合部166は、互いに横方向に位置合わせされており、第二セル列における幅狭セル132のすべての側方接合部168は、互いに横方向に位置合わせされており、第二セル列における幅狭セル132のすべての遠位接合部164は、互いに横方向に位置合わせされている。
【0095】
いくつかの例では、
図3~
図16と関連して説明する任意の第三セル列を含めて、本明細書で開示する任意の第三セル列におけるすべての幅狭セル132は、同じ幅Wsおよび同じ高さH2を有しており、これにより、第三セル列における幅狭セル132のすべての近位接合部166は、互いに横方向に位置合わせされており、第三セル列における幅狭セル132のすべての側方接合部168は、互いに横方向に位置合わせされており、第三セル列における幅狭セル132のすべての遠位接合部164は、互いに横方向に位置合わせされている。
【0096】
いくつかの例では、
図3に図示した例におけるように、または
図4~
図16に図示した任意の例におけるように、幅広セル134のすべての自由接合部174は、流出側垂直支柱122の遠位側方接合部170に対して、横方向に位置合わせされている。
【0097】
いくつかの例では、第一セル列は、第二セル列および/または第三セル列における任意の幅狭セル132の幅Wsと比較して、少なくとも三倍の幅Wbを有した幅広セル134を含む。
図4は、人工弁100
bのフレーム102
bに関する一例を示しており、これは、
図3に関して上記で開示した人工弁100
aのフレーム102
aに対して構造および機能の点で同様であるとともに、三つの幅広セル134を有した第一セル列140
bを含むものの、フレーム102
aとは異なり、フレーム102
bにおける第二セル列142
bおよび第三セル列144
bのそれぞれは、九つの幅狭セル132を含むことにより、フレーム102
bにおける幅広セル134の幅Wbは、幅狭セル132の幅Wsと比較して、三倍である。
【0098】
図4に図示した例示的なフレーム102
bにおける各幅広セル134は、対応した二つの流出側垂直支柱122に向けて流出側頂部154から分岐した二つの第二長さの近位支柱116と、ジグザグパターンで配置された六つの遠位支柱118でありかつ第二セル列142
bにおける幅狭セル132の第一長さの近位支柱114でもある六つの遠位支柱118と、を含む。このように、そのような各幅広セル134は、三つの遠位接合部164を有しているが、遠位接合部164は、第二セル列142
bにおける幅狭セル132の側方接合部168でもあり、また、第三セル列144
bにおける幅狭セル132の近位接合部166でもある。
【0099】
第二セル列142bは、第一セル列140bにおける幅広セル134どうしの間に配置された近位接合部166aを有した三つの幅狭セル132aと、自由端近位接合部166bを有した六つの幅狭セル132bと、を含む。第二セル列142bにおける各幅狭セル132bは、その一方の側方上では、共有された側方接合部168を介して、別の幅狭セル132bに対して直接的に接続されており、その反対側の側方上では、共有された側方接合部168を介して、幅狭セル132aに対して直接的に接続されている。よって、第一セル列140bにおける各幅広セル134は、二つの自由接合部174を含み、これらの自由接合部は、互いに直接的に接続された幅狭セル132bからなるそれぞれ対応した二連セルの自由端近位接合部166bである。このように、いずれの自由接合部174も、同じ幅広セル134の流出側頂部154に対して垂直方向に位置合わせされておらず、むしろ、流出側頂部154は、同じ幅広セル134の自由接合部174を規定する二つの幅狭セル132bを接続している側方接合部168に対して、垂直方向に位置合わせされている。換言すれば、流出側頂部154は、その最も中央の遠位接合部164(すなわち、すべての三つの遠位接合部164における中央)に対して、垂直方向に位置合わせされている。
【0100】
図5は、人工弁100
cのフレーム102
cに関する一例を示しており、これは、
図3もしくは
図4に関してそれぞれ上記で開示したフレーム102
aもしくは102
bに対して構造および機能の点で同様であるとともに、三つの幅広セル134を有した第一セル列140
cを含むものの、フレーム102
aまたは102
bとは異なり、フレーム102
cにおける第二セル列142
cおよび第三セル列144
cのそれぞれは、12個の幅狭セル132を含むことにより、フレーム102
bにおける幅広セル134の幅Wbは、幅狭セル132の幅Wsと比較して、四倍である。
【0101】
図5に図示した例示的なフレーム102
cにおける各幅広セル134は、対応した二つの流出側垂直支柱122に向けて流出側頂部154から分岐した二つの第二長さの近位支柱116と、ジグザグパターンで配置された八つの遠位支柱118でありかつ第二セル列142
cにおける幅狭セル132の第一長さの近位支柱114でもある八つの遠位支柱118と、を含む。このように、そのような各幅広セル134は、四つの遠位接合部164を有しているが、これらの遠位接合部は、第二セル列142
cにおける幅狭セル132の側方接合部168でもあり、また、第三セル列144
cにおける幅狭セル132の近位接合部166でもある。
【0102】
第二セル列142cは、第一セル列140cにおける幅広セル134どうしの間に配置された近位接合部166aを有した三つの幅狭セル132aと、自由端近位接合部166bを有した九つの幅狭セル132bと、を含む。第二セル列142cにおける各幅狭セル132bは、少なくとも一つの他の幅狭セル132bに対して直接的に接続されており、幅狭セル132bの三つは、それぞれ、その両側方上で、共有された側方接合部168を介して、二つの他の幅狭セル132bに対して直接的に接続されている。他の六つの幅狭セル132bは、それぞれ、その一方の側方上では、共有された側方接合部168を介して、別の幅狭セル132bに対して接続されており、その反対側の側方上では、共有された側方接合部168を介して、幅狭セル132aに対して接続されている。よって、第一セル列140cにおける各幅広セル134は、三つの自由接合部174を含み、これらの自由接合部は、幅狭セル132bからなるそれぞれ対応した三連セルの自由端近位接合部166bである。このようにして、幅広セル134の三つの自由接合部の、最も中央の自由接合部174は、同じ幅広セル134の流出側頂部154に対して、垂直方向に位置合わせされている。
【0103】
図6A~Dは、人工弁100
dのフレーム102
dに関する四つの例を示しており、これは、
図3、
図4、もしくは
図5に関してそれぞれ上記で開示したフレーム102
a、102
b、もしくは102
cに対して構造および機能の点で同様であるとともに、三つの幅広セル134を有した第一セル列140
dを含むものの、フレーム102
a、102
b、または102
cとは異なり、フレーム102
dにおける第二セル列142
dおよび第三セル列144
dのそれぞれは、15個の幅狭セル132を含むことにより、フレーム102
dにおける幅広セル134の幅Wbは、幅狭セル132の幅Wsと比較して、五倍である。
【0104】
図6A~Dに図示した任意の例示的なフレーム102
dにおける各幅広セル134は、対応した二つの流出側垂直支柱122に向けて流出側頂部154から分岐した二つの第二長さの近位支柱116と、ジグザグパターンで配置された10個の遠位支柱118でありかつ第二セル列142
dにおける幅狭セル132の第一長さの近位支柱114でもある遠位支柱118と、を含む。このように、そのような各幅広セル134は、五つの遠位接合部164を有しているが、これらの遠位接合部は、第二セル列142
dにおける幅狭セル132の側方接合部168でもあり、また、第三セル列144
dにおける幅狭セル132の近位接合部166でもある。
【0105】
第二セル列142dは、第一セル列140dにおける幅広セル134どうしの間に配置された近位接合部166aを有した三つの幅狭セル132aと、自由端近位接合部166bを有した12個の幅狭セル132bと、を含む。第二セル列142dにおける各幅狭セル132bは、少なくとも一つの他の幅狭セル132bに対して直接的に接続されており、幅狭セル132bの六つは、それぞれ、その両側方上で、共有された側方接合部168を介して、二つの他の幅狭セル132bに対して直接的に接続されている。他の六つの幅狭セル132bは、それぞれ、その一方の側方上では、共有された側方接合部168を介して、別の幅狭セル132bに対して接続されており、その反対側の側方上では、共有された側方接合部168を介して、幅狭セル132aに対して接続されている。よって、第一セル列140dにおける各幅広セル134は、四つの自由接合部174を含み、これらの自由接合部は、幅狭セル132bからなるそれぞれ対応した四連セルの自由端近位接合部166bである。このように、幅広セル134のいずれの自由接合部174も、流出側頂部154に対して垂直方向に位置合わせされておらず、むしろ、流出側頂部154は、同じ幅広セル134の自由接合部174を規定する二つの幅狭セル132bを接続している側方接合部168に対して、位置合わせされている。換言すれば、流出側頂部154は、その最も中央の遠位接合部164(すなわち、すべての五つの遠位接合部164における中央)に対して、垂直方向に位置合わせされている。
【0106】
第二長さの近位支柱116は、これら近位支柱116どうしの間に、第一角度αを規定することができ、第一長さの近位支柱114は、これら近位支柱114どうしの間に、第二角度βを規定することができる。角度αおよび/または角度βのいずれかは、例えば
図6Aに示すように、流入端106に向けて配向している。
図6A、
図6B、
図6C、および
図6Dは、それぞれ、フレーム構成102
d1、102
d2、102
d3、および102
d4を示しており、これらのフレーム構成は、本明細書で上述したフレーム102
dに関する四つの例であるものの、それぞれが異なる形状の幅広セル134を示している点で、相違している。
図6Aは、第一角度αが第二角度βに実質的に等しいものとされた一例をなすフレーム102
d1を示している。本明細書で使用した際には、「実質的に等しい」という用語は、一方の値(例えば、角度α、など)が、他方の値(例えば、角度β、など)の±10%の範囲内にあることを指す。
【0107】
図6A~Dに図示したすべての例では、幅広セル134は、長さL1を有した流出側垂直支柱を含む。流出側垂直支柱122のいくつかが、交連ウィンドウ126を含む交連支持支柱124とされている構成の場合には、長さL1は、内部を通過した交連184を収容する必要のある交連ウィンドウ126が必要とする最小限の長さによって、規定することができる。上記で示したように、第二長さの近位支柱116の長さL4は、第一長さの近位支柱114の長さL3よりも長く、第一セル列140における幅広セル134の高さH1は、第二セル列142または第三セル列144のいずれかにおける幅狭セル132の高さH2よりも高い。
図6Aに図示したフレーム102
d1の例では、長さL1は、長さL3よりも長いものとして示されており、より具体的には、長さL1は、L3と2×L3との間の範囲(すなわち、L3よりも長く、かつ、長さL3の二倍よりも長くない)とすることができる。
【0108】
図6Bは、第一角度αが第二角度βよりも大きいものとされた一例をなすフレーム102
d2を示している。
図6Bに示す長さL1は、
図6Aに示す長さL1よりも短い。例えば、
図6Bに図示したように、長さL1は、長さL4に対して実質的に等しいものとすることができる。これら両方の特徴により、
図6Bに示す全体的な高さH1は、
図6Aに示す高さH1よりも短くなる。
【0109】
図6Cは、一例をなすフレーム102
d3を示しており、この場合、長さL1は、
図6Bに示したものと同様とし得るものの、第一角度αが、第二角度βと比較して、より鋭角とされている。長さL1が短いほど、また、第一角度αがより鋭角であるほど、長さL4が、長くなることとなる。例えば、
図6Cに図示した長さL4は、
図6Aまたは
図6Bのいずれかに示す長さと比較して、かなり長いものとして示されており、その結果、高さH1も、また、
図6Aまたは
図6Bのいずれかに示す高さと比較して、より高いものとされている。
【0110】
図6Dは、一例をなすフレーム102
d4を示しており、この場合、高さH1は、
図6Cに示すものと同様とすることができ、第一角度αは、
図6Aに関してこれらの角度について説明したのと同様の態様で、第二角度βに対して実質的に等しいものとされている。これらの特徴により、流出側垂直支柱122の長さL4が、
図6Dに示すように、
図6A~Cのいずれにおける長さL4と比較して、かなり長いものとなることとなる。
【0111】
図6A~Dに示すすべての幅広セル134の幅Wbは、同一であるけれども、それらの高さH1は、限定するものではないが、流出側垂直支柱122の長さL1と、第二長さの近位支柱116の長さL4と、第二長さの近位支柱116どうしの間に規定された第一角度αと、これらの任意の組合せと、を含めて、セルの形状に影響を及ぼす様々な要因の関数として、変化することができる。
【0112】
一般に、
図6Bに示す構成などのように、幅広セル134の高さH1が低いほど、フレーム102全体の高さ(流入端106と流出端104との間の高さ)が低くなることとなり、これにより、有利なことに、いくつかのフレーム構成では、流出側頂部154を、冠状静脈洞のより近くへと、および/またはSTJの下方へと、位置決めすることができる。しかしながら、このような構成では、また、圧縮を開始するための追加的な手段が、および、比較的平坦な長尺支柱の座屈を防止するための追加的な手段が、必要とされる場合がある。これとは対照的に、
図6Cまたは
図6Dに図示したものなどの、著しく高い高さH1であれば、弁の圧縮をより容易とし得るものの、弁が長すぎて、上行大動脈内の深くにまで突出しすぎることとなり、任意選択的に、弁尖アセンブリ180の基部と、外側スカート176または内側スカート178と、を含む弁の流入部分が、冠動脈口を覆ってしまって、冠動脈内への血液流を妨害する態様となり、人工弁の移植後に他のデバイス(冠動脈カテーテルなど)が冠動脈内へとアクセスすることが必要とされた場合に、そのような手順を妨害する可能性がある。
【0113】
よって、幅広セル134の形状および寸法は、上述した要因を考慮した上で、必要な設計上の選択に従って設定されることとなる。
図6A~Dの全体を通してフレーム構成102
dについて示しているけれども、これが、幅広セル134の形状および寸法に影響を与え得る様々な要因の例を説明することのみを意図していること、また、
図6A~
図6Dと関連して上述した任意の設計選択肢が、
図3~
図5および
図7~
図14と関連して説明したフレーム構成における任意の他の幅広セルに対しても同様に適用可能であることは、理解されよう。その上、流出側垂直支柱122を含む幅広セル134について
図6A~Dに関して図示して説明したけれども、垂直支柱を含まない(例えば、相互の側方接合部を介して互いに接続されている)幅広セルに関しても、形状およびサイズに関する同様の操作が実装され得ること、その場合、長さL1の操作は無関係であるものの、長さL4および第一角度αのいずれかが、上述したものと同じ態様で操作され得ることは、理解されよう。
【0114】
図7は、人工弁100
eのフレーム102
eに関する一例を示しており、これは、
図3、
図4、
図5、もしくは
図6A~Dに関してそれぞれ上記で開示したフレーム102
a、102
b、102
c、もしくは102
dに対して構造および機能の点で同様であるとともに、三つの幅広セル134を有した第一セル列140
dを含むものの、フレーム102
a、102
b、102
c、または102
dとは異なり、フレーム102
eにおける第二セル列142
eおよび第三セル列144
eのそれぞれは、18個の幅狭セル132を含むことにより、フレーム102
eにおける幅広セル134の幅Wbは、幅狭セル132の幅Wsと比較して、六倍である。
【0115】
図7に図示した例示的なフレーム102
eにおける各幅広セル134は、対応した二つの流出側垂直支柱122に向けて流出側頂部154から分岐した二つの第二長さの近位支柱116と、ジグザグパターンで配置された12個の遠位支柱118でありかつ第二セル列142
eにおける幅狭セル132の第一長さの近位支柱114でもある遠位支柱118と、を含む。このように、そのような各幅広セル134は、六つの遠位接合部164を有しているが、遠位接合部164は、第二セル列142
eにおける幅狭セル132の側方接合部168でもあり、また、第三セル列144
eにおける幅狭セル132の近位接合部166でもある。
【0116】
第二セル列142eは、第一セル列140eにおける幅広セル134どうしの間に配置された近位接合部166aを有した三つの幅狭セル132aと、自由端近位接合部166bを有した15個の幅狭セル132bと、を含む。第二セル列142eにおける各幅狭セル132bは、少なくとも一つの他の幅狭セル132bに対して直接的に接続されており、幅狭セル132bの九つは、それぞれ、その両側方上で、共有された側方接合部168を介して、二つの他の幅狭セル132bに対して直接的に接続されている。他の六つの幅狭セル132bは、それぞれ、その一方の側方上では、共有された側方接合部168を介して、別の幅狭セル132bに対して接続されており、その反対側の側方上では、共有された側方接合部168を介して、幅狭セル132aに対して接続されている。よって、第一セル列140eにおける各幅広セル134は、五つの自由接合部174を含み、これらの自由接合部は、幅狭セル132bからなるそれぞれ対応した五連セルの自由端近位接合部166bである。このようにして、幅広セル134の五つの自由接合部の、最も中央の自由接合部174は、同じ幅広セル134の流出側頂部154に対して、垂直方向に位置合わせされている。
【0117】
図8は、人工弁100
fのフレーム102
fに関する一例を示しており、これは、
図7に関して上記で開示したフレーム102
eに対して構造および機能の点で同様であるとともに、18個の幅狭セル132aを含む第二セル列142
fおよび第三セル列144
fを含むものの、フレーム102
eとは異なり、フレーム102
fにおける第一セル列140
fは、三つに代えて、六つの幅広セル134を含むことにより、フレーム102
fにおける幅広セル134の幅Wbは、幅狭セル132の幅Wsと比較して、三倍である。
【0118】
図8に図示した例示的なフレーム102
fにおける各幅広セル134は、対応した二つの流出側垂直支柱122に向けて流出側頂部154から分岐した二つの第二長さの近位支柱116と、ジグザグパターンで配置された六つの遠位支柱118でありかつ第二セル列142
fにおける幅狭セル132の第一長さの近位支柱114でもある六つの遠位支柱118と、を含む。このように、そのような各幅広セル134は、三つの遠位接合部164を有しているが、遠位接合部164は、第二セル列142
fにおける幅狭セル132の側方接合部168でもあり、また、第三セル列144
fにおける幅狭セル132の近位接合部166でもある。
【0119】
第二セル列142fは、第一セル列140fにおける幅広セル134どうしの間に配置された近位接合部166aを有した六つの幅狭セル132aと、自由端近位接合部166bを有した12個の幅狭セル132bと、を含む。第二セル列142fにおける各幅狭セル132bは、その一方の側方上では、共有された側方接合部168を介して、別の幅狭セル132bに対して直接的に接続されており、その反対側の側方上では、共有された側方接合部168を介して、幅狭セル132aに対して直接的に接続されている。よって、第一セル列140fにおける各幅広セル134は、二つの自由接合部174を含み、これらの自由接合部は、互いに直接的に接続された幅狭セル132bからなるそれぞれ対応した二連セルの自由端近位接合部166bである。このように、いずれの自由接合部174も、同じ幅広セル134の流出側頂部154に対して垂直方向に位置合わせされておらず、むしろ、流出側頂部154は、同じ幅広セル134の自由接合部174を規定する二つの幅狭セル132bを接続している側方接合部168に対して、位置合わせされている。
【0120】
図9は、人工弁100
gのフレーム102
gに関する一例を示しており、これは、
図7もしくは
図8に関してそれぞれ上記で開示したフレーム102
eもしくは102
fに対して構造および機能の点で同様であるとともに、18個の幅狭セル132を含む第二セル列142
gおよび第三セル列144
gを含むものの、フレーム102
eまたは102
fとは異なり、フレーム102
gにおける第一セル列140
gは、九つの幅広セル134を含むことにより、フレーム102
gにおける幅広セル134の幅Wbは、幅狭セル132の幅Wsと比較して、二倍である。
【0121】
図9に図示した例示的なフレーム102
gにおける各幅広セル134は、対応した二つの流出側垂直支柱122に向けて流出側頂部154から分岐した二つの第二長さの近位支柱116と、ジグザグパターンで配置された四つの遠位支柱118でありかつ第二セル列142
gにおける幅狭セル132の第一長さの近位支柱114でもある四つの遠位支柱118と、を含む。第二セル列142
gは、第一セル列140
gにおける幅広セル134どうしの間に配置された近位接合部166aを有した九つの幅狭セル132aと、自由端近位接合部166bを有した九つの幅狭セル132bと、を含む。第二セル列142
gにおける各幅狭セル132bは、その両側方上において、共有された側方接合部168を介して、二つの幅狭セル132aに対して直接的に接続されている。よって、第一セル列140
gにおける各幅広セル134は、単一の自由接合部174を含み、この自由接合部は、それぞれ対応した幅狭セル132bの自由端近位接合部166bである。このように、各自由接合部174は、同じ幅広セル134の流出側頂部154に対して垂直方向に位置合わせされている。
【0122】
いくつかの例では、人工弁のフレームは、複数の幅広セル134と複数の幅狭セル132とを有した第一セル列を含み、他方、第二セル列および第三セル列は、幅狭セル132だけを含み、各幅広セル134の各幅Wbは、幅狭セル132の幅Wsと比較して、少なくとも二倍である。第一セル列における各セル130は、その両側方上において、幅広セル134または幅狭セル132のいずれかとされ得るような、二つの他のセル130に対して直接的に結合されている。このような例では、流出側頂部154は、幅広セル134によって規定された複数の第一流出側頂部156と、第一セル列における幅狭セル132によって規定された複数の第二流出側頂部158と、を含み、第一流出側頂部156は、第二流出側頂部と比較して、より高くに位置している(例えば、より近位に位置している)。
【0123】
いくつかの例では、幅狭セル132は、上述した幅狭セル132a、132bを含めて、および幅狭セル132c、132dを含めて、いくつかのタイプのセルを含むことができ、これらのすべては、形状およびサイズの点で同じであるけれども、これらに対して取り付けられた周囲のセルの点で相違し得る。本明細書の様々な例における、任意の第一セル列における幅狭セル132dは、第二流出側頂部158をなす自由端近位接合部を規定しており、第二流出側頂部158からは、二つの第一長さの近位支柱114が分岐しており、任意の幅狭セル132dにおける第一長さの近位支柱114の上方には、いかなる他の支柱も接合部も、位置していない。本明細書の様々な例における、第二セル列または第三セル列のいずれかにおける幅狭セル132cは、近位接合部166cを有しており、この近位接合部166cは、第一セル列における幅狭セル132dなどの、上側セル列における二つの幅狭セル132の間に配置された側方接合部168へと収束する。
【0124】
いくつかの例では、幅広セル134の幅Wbは、第一セル列における幅狭セル132dの幅Wsと比較して、厳密に二倍である。
【0125】
図10は、人工弁100
hのフレーム102
hに関する一例を示しており、これは、
図5に関して上述したフレーム102
cに対して構造および機能の点で同様であるとともに、12個の幅狭セル132を含む第二セル列142
hおよび第三セル列144
hを含むものの、フレーム102
cとは異なり、フレーム102
hにおける第一セル列140
hは、三つの幅広セル134と六つの幅狭セル132dとを含み、フレーム102
hにおける幅広セル134の幅Wbは、幅狭セル132の幅Wsと比較して、二倍である。
【0126】
図10に図示した例示的なフレーム102
hにおける各幅広セル134は、対応した二つの流出側垂直支柱122に向けて第一流出側頂部156から分岐した二つの第二長さの近位支柱116と、ジグザグパターンで配置された四つの遠位支柱118でありかつ第二セル列142
hにおける幅狭セル132の第一長さの近位支柱114でもある四つの遠位支柱118と、を含む。
【0127】
第一セル列140hにおける六つの幅狭セル132dのそれぞれは、対応した二つの側方接合部168に向けて第二流出側頂部158から分岐した二つの第一長さの近位支柱114を含み、各幅狭セル132dは、その一方の側方上では、幅広セル134に対して直接的に結合されており、その反対側の側方上では、第一セル列140hにおける別の幅狭セル132dに対して直接的に結合されている。同様に、各幅広セル134は、その両側方上で、幅狭セル132dに対して直接的に結合されている。この構成により、互いに結合された二つの幅狭セル132dが、連続した二つの幅広セル134の間に配置されているとともに、それらに対して結合されている。第一セル列140hにおける各幅狭セル132dは、図示のように、流出側垂直支柱122に対して結合することができ、いくつかの例では、幅広セル134の遠位側方接合部170に対して結合することができる。
【0128】
第二セル列142hは、六つの幅狭セル132aと、三つの幅狭セル132bと、三つの幅狭セル132cと、を含む。各近位接合部166aは、第一セル列140hにおける幅広セル134と幅狭セル132dとの間に配置されている。幅狭セル132cの各近位接合部166cは、第一セル列140hにおける幅狭セル132dどうしの間に配置されている。各自由端近位接合部166bは、対応した幅広セル134の内部に配置されており、これにより、三つの幅狭セル132bのすべては、一緒に、合計で三つの自由接合部174を規定するものとされている。このようにして、各自由接合部174は、同じ幅広セル134の第一流出側頂部156に対して、垂直方向に位置合わせされている。
【0129】
第二セル列142hにおける各幅狭セル132bは、その両側方上において、共有された側方接合部168を介して、二つの幅狭セル132aに対して直接的に接続されている。同様に、第二セル列142hにおける各幅狭セル132cは、また、その両側方上において、共有された側方接合部168を介して、二つの幅狭セル132aに対して直接的に接続されている。よって、第二セル列142hにおける各幅狭セル132aは、その一方の側方上では、共有側方接合部168を介して、幅狭セル132bに対して直接的に結合されており、その反対側の側方上では、共有側方接合部168を介して、第二セル列142hにおける幅狭セル132cに対して結合されている。
【0130】
図11は、人工弁100
iのフレーム102
iに関する一例を示しており、これは、
図6A~Dに関して上述したフレーム102
dに対して構造および機能の点で同様であるとともに、15個の幅狭セル132を含む第二セル列142
iおよび第三セル列144
iを含むものの、フレーム102
dとは異なり、フレーム102
iにおける第一セル列140
iは、三つの幅広セル134と九つの幅狭セル132dとを含み、フレーム102
hにおける幅広セル134の幅Wbは、幅狭セル132の幅Wsと比較して、二倍である。
【0131】
図11に図示した例示的なフレーム102
iにおける各幅広セル134は、対応した二つの流出側垂直支柱122に向けて第一流出側頂部156から分岐した二つの第二長さの近位支柱116と、ジグザグパターンで配置された四つの遠位支柱118でありかつ第二セル列142
iにおける幅狭セル132の第一長さの近位支柱114でもある四つの遠位支柱118と、を含む。
【0132】
第一セル列140iにおける九つの幅狭セル132dのそれぞれは、対応した二つの側方接合部168に向けて第二流出側頂部158から分岐した二つの第一長さの近位支柱114を含み、各幅狭セル132dは、相互の側方接合部168を介して、第一セル列140iにおける少なくとも一つの他の幅狭セル132dに対して、直接的に結合されている。連続する二つの幅広セル134のそれぞれは、一連をなす三つの幅狭セル132dによって、互いに離間されている。よって、第一セル列140iにおける三つの幅狭セル132dは、それぞれ、その両側方上において、相互の横方向接合168を介して、第一セル列140iにおける他の二つの幅狭セル132dに対して直接的に結合されており、残りの六つのセル132dは、それぞれ、その一方の側方上では、幅広セル134に対して直接的に結合されているとともに、その反対側の側方上では、第一セル列140iにおける他の幅狭セル132dに対して直接的に結合されている。同様に、各幅広セル134は、その両側方上で、幅狭セル132dに対して直接的に結合されている。第一セル列140iにおける幅広セル134に対して結合された幅狭セル132dは、図示のように、流出側垂直支柱122に対して結合することができ、いくつかの例では、幅広セル134の遠位側方接合部170に対して結合することができる。
【0133】
第二セル列142iは、六つの幅狭セル132aと、三つの幅狭セル132bと、六つの幅狭セル132cと、を含む。各近位接合部166aは、第一セル列140iにおける幅広セル134と幅狭セル132dとの間に配置されている。幅狭セル132cの各近位接合部166cは、第一セル列140iにおける幅狭セル132dどうしの間に配置されている。各自由端近位接合部166bは、対応した幅広セル134の内部に配置されており、これにより、三つの幅狭セル132bのすべては、一緒に、合計で三つの自由接合部174を規定するものとされている。このようにして、各自由接合部174は、同じ幅広セル134の第一流出側頂部156に対して、垂直方向に位置合わせされている。
【0134】
第二セル列142iにおける各幅狭セル132bは、その両側方上において、共有された側方接合部168を介して、二つの幅狭セル132aに対して直接的に接続されている。第二セル列142iにおける各幅狭セル132cは、その一方の側方上では、共有された側方接合部168を介して、幅狭セル132bに対して直接的に結合されており、その反対側の側方上では、共有された側方接合部168を介して、第二セル列142iにおける別の幅狭セル132cに対して直接的に結合されている。よって、第二セル列142iにおける各幅狭セル132aは、その一方の側方上では、共有された側方接合部168を介して、幅狭セル132bに対して直接的に結合されており、その反対側の側方上では、共有された側方接合部168を介して、第二セル列142iにおける幅狭セル132cに対して直接的に結合されている。
【0135】
図12は、人工弁100
jのフレーム102
jに関する一例を示しており、これは、
図11に関して上述したフレーム102
iに対して構造および機能の点で同様であるとともに、15個の幅狭セル132を含む第二セル列142
jおよび第三セル列144
jを含むものの、フレーム102
iとは異なり、フレーム102
jにおける第一セル列140
jは、六つの幅広セル134と三つの幅狭セル132dとを含み、フレーム102
iにおける幅広セル134の幅Wbは、幅狭セル132の幅Wsと比較して、二倍である。
【0136】
図12に図示した例示的なフレーム102
jにおける各幅広セル134は、対応した二つの流出側垂直支柱122に向けて第一流出側頂部156から分岐した二つの第二長さの近位支柱116と、ジグザグパターンで配置された四つの遠位支柱118でありかつ第二セル列142
jにおける幅狭セル132の第一長さの近位支柱114でもある四つの遠位支柱118と、を含む。
【0137】
第一セル列140jにおける三つの幅狭セル132dのそれぞれは、対応した二つの側方接合部168に向けて第二流出側頂部158から分岐した二つの第一長さの近位支柱114を含み、各幅狭セル132dは、その両側方上において、二つの幅広セル134に対して直接的に結合されている。第一セル列140jにおける連続した二つの幅狭セル132dのそれぞれは、幅広セル134からなる二連セルによって、互いに離間されている。よって、各幅広セル134は、その一方の側方上では、例えば共有された流出側垂直支柱122を介して、別の幅広セル134に対して直接的に結合されており、その反対側の側方上では、第一セル列140jにおける幅狭セル132dに対して直接的に結合されている。各幅狭セル132dは、図示のように、その両側方上において、流出側垂直支柱122に対して結合することができ、いくつかの例では、対応した幅広セル134の遠位側方接合部170に対して結合することができる。
【0138】
第二セル列142jは、九つの幅狭セル132aと六つの幅狭セル132bとを含む。幅狭セル132aの六つは、第一セル列140jにおいて幅広セル134と幅狭セル132dとの間に配置された近位接合部166aを有しており、他の三つの幅狭セル132aは、二つの幅広セル134の間に配置された近位接合部166aを有している。各自由端近位接合部166bは、対応した幅広セル134の内部に配置されており、これにより、六つの幅狭セル132bのすべては、一緒に、合計で六つの自由接合部174を規定するものとされている。このようにして、各自由接合部174は、同じ幅広セル134の第一流出側頂部156に対して、垂直方向に位置合わせされている。
【0139】
第二セル列142jにおける各幅狭セル132bは、その両側方上において、共有された側方接合部168を介して、二つの幅狭セル132aに対して直接的に接続されている。第二セル列142jにおける幅狭セル132aの六つは、それぞれ、その一方の側方上では、共有された側方接合部168を介して、幅狭セル132bに対して直接的に結合されており、その反対側の側方上では、共有された側方接合部168を介して、第二セル列142jにおける別の幅狭セル132aに対して直接的に結合されている。残りの三つの幅狭セル132aは、それぞれ、その両側方上において、共有された側方接合部168を介して、二つの幅狭セル132bに対して直接的に接続されている。
【0140】
図10~
図12に図示した任意の例における幅広セル134は、流出側垂直支柱122を含むものとして示されているけれども、他の例では、これらの幅広セルが、必ずしもこのような垂直支柱を含むものではなく、そのため、第一セル列における幅狭セル132dと、他の幅広セル134(例えば、相互の流出側垂直支柱に代えて、相互の側方接合部によって相互接続されたような、
図12に示すものなどの、二つの幅広セルを有している)と、のいずれかに対して、それら幅広セルどうしを結合している側方接合部を、それら幅広セルどうしが共有してもよいことは、理解されよう。
【0141】
いくつかの例では、第二セル列内におよび第三セル列内に複数の幅狭支柱を含むとともに、第一セル列内に複数の幅狭セルを有しているか有していないかは別として、第一セル列内に複数の幅広セルを含むフレームは、第一セル列(140)と第二セル列(142)との間に配置された中間セル列138をさらに含み、各セル列内におけるすべてのセルがセルの両側方上において同じセル列における他の二つのセルに対して直接的に結合されているような第一セル列および第二セル列とは異なり、中間セル列138は、少なくともいくつかのものが互いに離間して配置されている幅狭セル132を含む。換言すれば、中間セル列138における幅狭セル132の少なくともいくつかは、同じ中間セル列138における隣接した幅狭セル132のいずれに対しても直接的に結合されていない少なくとも一つの側方を有している。
【0142】
このような例における各幅広セル134は、中間接合部175に向けて遠位接合部164から分岐した(例えば、上方に、および側方に)二つの遠位支柱118と、中間接合部175から、全体的に遠位支柱118の向きと同じ向きにおいて、幅広セル134の側方接合部(168)に向けておよび/または流出側垂直支柱(122)に向けて延びた二つの相互連結支柱119と、を含むことができる。いくつかの例では、遠位支柱118および相互連結支柱119は、遠位接合部164と、幅広セル134の側方接合部(168)および/または流出側垂直支柱(122)と、の間に延びているとともに、それらの間に中間接合部175を規定しているような、一体的な連続支柱として形成されてもよい。
【0143】
遠位支柱118と相互連結支柱119との間に配置された各中間接合部175は、また、中間セル列138における幅狭セル132の側方接合部168でもあり、相互連結支柱119は、また、中間セル列138における同じ幅狭セル132の第一長さの近位支柱114でもある。よって、各幅広セル134は、(i)第三セル列(144)における幅狭セル132の近位接合部166でもあり、また、第二セル列(142)における二つの幅狭セル132の間の側方接合部168でもある、遠位接合部164と、(ii)第二セル列(142)における幅狭セル132の第一長さの近位支柱114でもある二つの遠位支柱118と、(iii)中間セル列138における幅狭セル132の側方接合部168でもあり、また、第二セル列(142)における幅狭セル132の近位接合部166でもある二つの中間接合部175と、(iv)中間セル列138における幅狭セル132の第一長さの近位支柱114でもある二つの相互連結支柱119と、を含む。
【0144】
中間接合部175の形状とサイズとに応じて、相互連結支柱119および遠位支柱118は、共通の軸線に沿って延びることができる、あるいは、互いに対してわずかにオフセットすることができる(すなわち、軸線どうしが実質的に互いに平行とされる)。
【0145】
いくつかの例では、幅狭セル132は、上述した幅狭セル132a、132b、132c、132dと、幅狭セル132e、132fと、を含めたいくつかのタイプのセルを含むことができ、これらすべての幅狭セルは、形状およびサイズの点で同じであるものの、これらに対して取り付けられている周囲のセルの点で、相違し得る。本明細書の様々な例における任意の第二セル列における幅狭セル132eは、対応した幅広セル134の中間接合部175をなす近位接合部166eを規定する。本明細書の様々な例における任意の第三セル列における幅狭セル132fは、対応した幅広セル134の遠位接合部164をなす近位接合部166fを規定する。
【0146】
図13は、人工弁100
kのフレーム102
kに関する一例を示しており、これは、
図3に関して上述したフレーム102
aに対して構造および機能の点で同様であるとともに、三つの幅広セル134を含む第一セル列140
kと、それぞれが六つの幅狭セル132を含む第二セル列142
kおよび第三セル列144
kと、を含み、フレーム102
kにおける幅広セル134の幅Wbは、幅狭セル132の幅Wsと比較して、二倍である。しかしながら、フレーム102
aとは異なり、フレーム102
kは、第一セル列140
kと第二セル列142
kとの間に配置された中間セル列138
kをさらに含み、中間セル列138
kは、三つの幅狭セル132aを含む。
【0147】
図13に図示した例示的なフレーム102
kにおける各幅広セル134は、対応した二つの流出側垂直支柱122に向けて流出側頂部154から分岐した二つの第二長さの近位支柱116を含み、流出側垂直支柱122からは、二つの相互連結支柱119が、二つの遠位支柱118に向けてさらに延びており、二つの遠位支柱118が収束することにより、流出側頂部154に対して垂直方向に位置合わせされた遠位接合部164が規定されている。
【0148】
中間セル列138kにおける三つの幅狭セル132aのすべては、横方向において互いに離間して配置されており、これにより、いずれのセル132aも、同じ中間セル列138kにおける他の隣接した幅狭セル132に対して、直接的に結合されていない。
【0149】
いくつかの例では、中間セル列138における少なくとも二つの幅狭セル132aは、幅狭セルの幅Wsと比較して少なくとも同程度の距離の分だけ横方向において互いに離間して配置されており、中間セル列138kの図示した例では、離間距離は、幅Wsに対して等しいものとすることができる。
【0150】
第二セル列142
kは、六つの幅狭セル132eを含み、各幅狭セル132eは、対応した幅広セル134の中間接合部175でもある近位接合部166eを規定する。図示のように、第二セル列142
kは、タイプ132bとされた幅狭セルを有していないため、第一セル列140
kにおける幅広セル134は、自由接合部(174)を有していない。よって、このような幅広セル134の下部すなわち流入部分は、幅広セル134の全体的形状に影響を与えるような遠位支柱118のジグザグパターンを含んでおらず、そのため、フレーム102
kにおけるセル134の全体的高さH1は、例えば
図3に図示した幅広セル内のこのようなセルの等価高さと比較して、より高いものである。
【0151】
図13に図示した例では、フレーム102
kは、厳密に同じ数の幅狭セル132(すなわち、図示した例では、六つの幅狭セル)を含め、第三セル列144
kに対して実質的に同様とされている、第四セル列146
kをさらに含むものとして示されている。第四セル列146
kが
図13に図示されているのは、そのような第四セル列が、単にフレーム102
kに対して追加され得るだけでなく、むしろ、
図3~
図14のいずれかを参照して本明細書で説明するフレームの任意の他の例に対しても追加され得ることを示すためであることは、理解されよう。その上、第四セル列146
kが、流入側頂部(160)を規定する最下部のセル列である必要がないこと、また、第五セル列、第六セル列、第七セル列、および同種のもの、などの追加的なセル列が、
図3~
図14のいずれかと関連して本明細書で開示する任意のフレームに対して、同様に追加され得ることは、理解されよう。さらに、
図13に図示した第四セル列146
kは、
図2に図示したフレームとは異なり、流入側垂直支柱を必ずしも含まない幅狭セル132を含むものとされている。しかしながら、他の例では、
図3~
図14のいずれかと関連して本明細書で開示する任意のフレームにおける、第三セル列、第四セル列、または任意の他の下部セル列(例えば、第五、第六、第七、および同種のもの)には、流入側垂直支柱を含むセルを設けることができる。
【0152】
各幅広セル(134)が同じ第一セル列内における隣接した二つの幅広セルに対して直接的に接続されているようにして複数の幅広セルを有した第一セル列(140)を含むとともに中間セル列(138)をさらに含むフレームの一例が、例示の目的だけのために、
図3のフレーム102
aの構成(すなわち、第一セル列内における三つの幅広セルと、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内における六つの幅狭セルと、を有している)と同様の構成に基づいて、
図3に示されているけれども、
図4~
図9に関連して説明した任意のフレーム102
b、102
c、102
d、102
f、102
gが、必要な変更を加えて、同じ態様で中間セル列(138)を含むように、同様に改変され得ることは、理解されよう。
【0153】
図14は、人工弁100
lのフレーム102
lに関する一例を示しており、これは、
図10に関して上述したフレーム102
hに対して構造および機能の点で同様であるとともに、三つの幅広セル134と六つの幅狭セル132dとを含む第一セル列140
lと、それぞれが12個の幅狭セル132を含む第二セル列142
lおよび第三セル列144
lと、を含み、フレーム102
lにおける幅広セル134の幅Wbは、幅狭セル132の幅Wsと比較して、二倍である。しかしながら、フレーム102
hとは異なり、フレーム102
lは、第一セル列140
lと第二セル列142
lとの間に配置された中間セル列138
lをさらに含み、中間セル列138
lは、九つの幅狭セル132を含む。
【0154】
図14に図示した例示的なフレーム102
lにおける各幅広セル134は、対応した二つの流出側垂直支柱122に向けて第一流出側頂部156から分岐した二つの第二長さの近位支柱116を含み、流出側垂直支柱122からは、二つの相互連結支柱119が、二つの遠位支柱118に向けてさらに延びており、二つの遠位支柱118が収束することにより、流出側頂部154に対して垂直方向に位置合わせされた遠位接合部164が規定されている。
【0155】
中間セル列138lは、六つの幅狭セル132aと、幅狭セル132aどうしの間に配置された三つの幅狭セル132cと、を含む。中間セル列138lにおける各幅狭セル132aは、その一方の側方上では、例えば相互の側方接合部168を介して、同じ中間セル列138lにおける幅狭セル132cに対して直接的に結合されているものの、その反対側の側方上では、同じセル列におけるいかなる隣接したセルにも直接的に結合されておらず、むしろ、幅広セル134の中間接合部175をなす側方接合部168を規定している。よって、同じ幅広セル134の対向した相互連結支柱119および中間接合部175を規定している二つの幅狭セル132aのそれぞれは、例えば幅Wsに等しい距離の分だけ、互いに離間して配置されている。中間セル列138lにおける各幅狭セル132cは、その両側方上において、隣接した二つの幅狭セル132aに対して直接的に結合されている。
【0156】
第二セル列142lは、六つの幅狭セル132eと六つの幅狭セル132とを含み、各幅狭セル132eは、対応した幅広セル134の中間接合部175でもある近位接合部166eを規定する。第二セル列142lにおける各幅狭セル132eは、一方の側方上では、別の幅狭セル132eに対して直接的に結合されており、他方の側方上では、例えば相互の側方接合部168を介して、同じ第二セル列142lにおける隣接した幅狭セル132cに対して直接的に結合されている。第二セル列142lにおける各幅狭セル132cは、一方の側方上では、別の幅狭セル132cに対して直接的に結合されており、他方の側方上では、同じ第二セル列142lにおける隣接した幅狭セル132eに対して結合されている。
【0157】
図示のように、第二セル列142
lは、タイプ132bとされた幅狭セルを有していないため、第一セル列140
lにおける幅広セル134は、自由接合部(174)を有していない。よって、このような幅広セル134の下部すなわち流入部分は、
図13に関連して上述したのと同様の態様で幅広セル134の全体的形状に影響を与えるような遠位支柱118のジグザグパターンを含んでおらず、そのため、フレーム102
lにおけるセル134の全体的高さH1は、例えば
図10に図示した幅広セル内のこのようなセルの等価高さと比較して、より高いものである。
【0158】
第一セル列(140)内に複数の幅広セル(134)および複数の幅狭セル(132)を有した第一セル列(140)を含むとともに中間セル列(138)をさらに含むフレームの一例が、例示の目的だけのために、
図10のフレーム102
hの構成(すなわち、第一セル列内における三つの幅広セルおよび六つの幅狭セルと、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内における12個の幅狭セルと、を有している)と同様の構成に基づいて、
図14に示されているけれども、
図11および/または
図12に関連してそれぞれ説明した任意のフレーム102
iおよび/または102
jが、必要な変更を加えて、同じ態様で中間セル列(138)を含むように、同様に改変され得ることは、理解されよう。
【0159】
上述したように、中間セル列138を追加することにより、有利なことに、拡大された幅広セル134をもたらすことができ、この拡大された幅広セル134は、その流出側頂部154と遠位接合部(単数または複数)164との間に規定された高さH1を有しており、この高さは、
図3~
図12の全体を通して図示して上述したものなどの、代替例で示した高さと比較して、より高いものである。実際、中間セル列138を含むフレームにおける任意の幅広セル134は、例えば、
図13および
図14に図示した例において自由接合部(174)を有していないものとして示した幅広セル134などは、
図3~
図12の全体を通して図示して上述したセル134の高さH1と比較して、幅狭セル132(例えば、中間セル列138における幅狭セル132)に関する高さH2の半分の分だけ、より高い高さH1を有することとなる。
【0160】
図3~
図14の全体を通して図示した例は、幅広セル132の、第二セル列142における幅狭セル132の近位接合部166に対して交差している第二長さの近位支柱116または流出側垂直支柱122であり得る支柱を示しているけれども、他の例では、幅広セル132のそのような支柱116、122は、第二セル列142における幅狭セル132の側方接合部168に対して交差することができる。例えば、
図3~
図14に図示した例示的なフレームは、第二長さの近位支柱116が延びる起点をなす近位側方接合部172と、幅狭セル132aの近位接合部166aなどの、第二セル列142における幅狭セル132の近位接合部166と、の間に延びた流出側垂直支柱122を有した幅広セル134を示しており、ここで、流出側垂直支柱122の遠位側方接合部170は、また、第二セル列142における幅狭セル132の近位接合部166でもある。流出側垂直支柱を含まない幅広セルは、代替的には、第二長さの近位支柱と、対応した遠位支柱と、の間に規定された側方接合部を有することができ(代替例は、図示せず)、この側方接合部は、また、第二セル列142における幅狭セル132の近位接合部166でもある。
【0161】
いくつかの例では、幅広セル134の幅Wbは、幅狭セル132の幅Wsと比較して、少なくとも二倍とされており、各幅広セル134の、少なくとも一つの第二長さの近位支柱116は、または少なくとも一つの流出側垂直支柱122は、第二セル列142における二つの幅狭セル134の間に規定された側方接合部168に対して、交差している。いくつかの例では、各幅広セル134における、両方の第二長さの近位支柱116は、または両方の流出側垂直支柱122は、第二セル列142における幅狭セル134の対応した側方接合部168に対して、交差している。いくつかの例では、第二セル列142における幅狭セル134の近位接合部166は、すべて、自由端近位接合部である。
【0162】
いくつかの例では、第二セル列142は、タイプ132gとされた幅狭セルを含み、幅狭セルのタイプ132gは、自由端近位接合部166gを含むものとして規定されており、幅狭セル132gの一方の側方上では、少なくとも一つの側方接合部168は、対応した流出側垂直支柱122の遠位側方接合部170などの、幅広セル134の側方接合部へと収束する。自由端近位接合部166gは、自由端近位接合部166aと同様に、幅狭セル132の、あらゆる他のセルのいかなる支柱に対しても取り付けられていないような、特に幅広セル134のいかなる支柱に対しても取り付けられていないような、近位接合部として規定される。異なるセルのいかなる支柱に対しても取り付けられていないという規定が、二つの第一長さの近位支柱114と同じではない任意の他の支柱であって、収束することで自由端近位接合部166gを規定することとなる任意の他の支柱を指すことは、理解されよう。換言すれば、幅広セル134の、幅狭セル132の近位支柱114でもある遠位支柱118は、セル134の他の支柱であるとは見なされない。比較すると、幅広セル134の、第二長さの近位支柱116は、または流出側垂直支柱122は、セル134の他の支柱と見なされるとともに、自由端近位接合部166gから延びることはない。
【0163】
図15は、人工弁100
mのフレーム102
mに関する一例を示しており、これは、
図3に関して上記で開示した人工弁100
aのフレーム102
aに対して構造および機能の点で同様であるとともに、三つの幅広セル134を含む第一セル列140
mと、それぞれが六つの幅狭セル132を含む第二セル列142
mおよび第三セル列144
mと、を含むことにより、フレーム102
mにおける幅広セル134の幅Wbは、幅狭セル132の幅Wsと比較して、二倍である。しかしながら、フレーム102
aとは異なり、第一セル列140
mにおける幅広セル134の流出側垂直支柱122は、第二セル列142
mにおける幅狭セル134の側方接合部168に対して、交差している。図示した例では、第二セル列142
mにおける六つのセルは、すべて、タイプ132gのものとされている。
【0164】
図15に図示した例示的なフレーム102
mにおける各幅広セル134は、対応した二つの流出側垂直支柱122に向けて流出側頂部154から分岐した二つの第二長さの近位支柱116と、ジグザグパターンで配置された四つの遠位支柱118でありかつ第二セル列142
mにおける幅狭セル132の第一長さの近位支柱114でもある四つの遠位支柱118と、を含む。このように、各幅広セル134は、第二セル列142
mにおける幅狭セル132gどうしの間の側方接合部168でもある一つの遠位接合部164と、第三セル列144
mにおける幅狭セル132gの自由端近位接合部166gでもある二つの自由接合部174と、を有している。
【0165】
第二セル列142mにおける各幅狭セル132gは、一方の側方上では、共有された側方接合部168を介して、別の幅狭セル132gに対して直接的に接続されており、反対側の側方上では、第一セル列140mにおける幅広セル134に対して、および、共有された側方接合部168を介して、別の幅狭セル132gに対して、直接的に接続されており、ここで、共有された側方接合部168は、また、幅広セル134の遠位側方接合部170でもある。流出側頂部154は、その遠位接合部164に対して垂直方向に位置合わせされている。
【0166】
図16は、人工弁100
nのフレーム102
nに関する一例を示しており、これは、各セル列136
nが二倍のセルを含む点を除いては、より具体的には、第一セル列140
nが六つの幅広セル134を含み、第二セル列142
nおよび第三セル列144
nのそれぞれが12個の幅狭セル132を含む点を除いては、
図15に関して上記で開示した人工弁100
mのフレーム102
mに対して構造および機能の点で同様である。
【0167】
二つのフレーム102
m、102
nが、例としてのみ例示されていること、また、
図4~
図9に関連して上述した任意のフレームが、他の数の幅広セル134と他の数の幅狭セル132とを有するように同様に改変され得ること、この場合、変更を加えて
図15のフレーム102
mをもたらすよう、
図3のフレーム102
aを改変することに関して示されたように、幅広セル134の支柱が、第二セル列における幅狭セル132の側方接合部に対して交差することは、理解されよう。第二セル列142内における幅狭セル132の数が、幅広セル134の数の二倍よりも多い例では、第二セル列142内において、タイプ132gの幅狭セルとタイプ132aの幅狭セルとの両方を含むことができ、これにより、第二セル列142におけるすべての幅狭セル132g、132aの、近位接合部166のすべては、自由端近位接合部166g、166aとされる。
【0168】
いくつかの例では、幅広セル134の支柱は、その一方の側方上で、第二セル列142の側方接合部168に対して交差することができ、幅広セル134の別の支柱は、その反対側の側方上で、第二セル列142における幅狭セル132の近位接合部166に対して交差することができる(例は、図示せず)。このような場合には、幅Wsと比較してなおも広い幅広セル134の幅Wbは、幅狭セル132の幅Wsに対して必ずしも整数倍ではなく、むしろ、非整数倍とすることができ、例えば、幅Wbは、幅狭セル132の幅Wsに対して、少なくとも1.5倍などとされる。
【0169】
図3~
図16に関して上述した幅広セル134の任意の例における内部空間すなわち開口は、二つの第二長さの近位支柱によって、二つ以上の遠位支柱118によって、任意選択的には二つの流出側垂直支柱122によって、および任意選択的には二つの相互連結支柱119によって、囲まれることとなり、それらが一緒になって、幅広セル134の外周縁を規定することとなる。いくつかの例では、上述した幅広セル134のいずれも、セルの内部(すなわち、内部で、幅広セルの空間を囲む上述した支柱どうしの間)に配置されたいかなる他の追加的な支柱も含んでおらず、これにより、内部を通しての冠動脈に対するアクセスが邪魔されないことを可能とする最大限の開放空間を確保することができる。
【0170】
図17は、本明細書で説明するバルーン拡張型人工弁260(例えば、
図3~
図16に関して上述した例示的な任意の人工弁100)を送達するように構成された、例示的な構成による送達装置200を図示している。送達装置200を使用することにより、人工弁以外の、ステントまたは移植片などの人工デバイスが移植され得ることは、理解されよう。
【0171】
送達装置200は、ハンドル204と、遠位端上に取り付けられた膨張可能バルーン250を有したバルーンカテーテル252と、を含む。人工弁260は、バルーンカテーテル252上において、圧縮された状態で付帯することができる。任意選択的に、外側送達シャフト224が、バルーンカテーテル252上において同心状に延びることができ、押込シャフト220を、バルーンカテーテル252上において、任意選択的にはバルーンカテーテル252と外側送達シャフト224との間に、配置することができる。
【0172】
外側送達シャフト224と、押込シャフト220と、バルーンカテーテル252とは、互いに対して軸線方向に移動可能であるように構成することができる。例えば、バルーンカテーテル252に対して外側送達シャフト224を近位向きに駆動することにより、あるいは、外側送達シャフト224に対してバルーンカテーテル252を遠位向きに駆動することにより、人工弁260を、外側送達シャフト224から露出させることができる。送達装置200は、バルーンカテーテル252の内腔を通して延びたノーズコーンシャフト(
図17の図では隠れて見えない)によって付帯されたノーズコーン240を、さらに含むことができる。
【0173】
バルーンカテーテル252の近位端と、外側送達シャフト224の近位端と、押込シャフト220の近位端と、任意選択的にノーズコーンシャフトの近位端とは、ハンドル204に対して結合することができる。人工弁260の送達時には、ハンドル204が、操作者(例えば、臨床医または外科医)によって操作されることにより、ノーズコーンシャフト、バルーンカテーテル252、外側送達シャフト224、および/または押込シャフト220などの、送達装置200の構成要素を、患者の血管系を通して軸線方向に前進駆動したり後退駆動したりすることができ、また、バルーンカテーテル252上に取り付けられたバルーン250を膨張させることで人工弁260を拡張させ得るとともに、人工弁260が移植部位内に取り付けられた後には、バルーン250を収縮させて送達装置200を後退させることができる。
【0174】
ハンドル204は、送達装置200の遠位端部分の曲率を調節するように構成された操縦機構を含むことができる。図示した例では、ハンドル204は、図示した回転可能なノブ206aなどの調節部材を含み、この調節部材は、引張ワイヤの近位端部分に対して動作可能に結合されている。引張ワイヤは、ハンドル204から外側送達シャフト224を通して遠位向きに延び得るとともに、外側送達シャフト224の遠位端のところでまたはその近傍で外側送達シャフト224に対して固定された遠位端部分を有している。ノブ206aを回転駆動することにより、引張ワイヤの張力を増減させることができ、これにより、送達装置200の遠位端部分の曲率を調節することができる。送達装置の操縦機構または屈曲機構に関する更なる詳細は、米国特許第9,339,384号明細書に見出すことができ、この文献は、参照により本明細書に援用される。ハンドル204は、図示した回転可能なノブ206bなどの調節部材を含む調節機構を、さらに含むことができる。調節機構は、バルーンカテーテルに対する押込シャフト220の軸線方向位置を調節するように構成することができる。
【0175】
人工弁260は、送達時には、圧縮状態で送達装置200によって付帯され得るとともに、バルーン膨張によって拡張されることで、天然の心臓弁輪内に固定されることができる。例示的な移植手順では、人工弁260は、最初に、拡張可能なバルーン250よりも近位の位置で、バルーンカテーテル252上において圧縮される。人工弁260は、バルーン250の位置とは異なる位置で圧縮されるため、人工弁260は、バルーン250の頂部上で圧縮される場合に可能なプロファイルと比較して、より小さなプロファイルへと圧縮されることができる。このより小さなプロファイルにより、臨床医は、送達装置200(圧縮済み人工弁260を含む)を、患者の血管系を通して、処置位置にまで、より容易に操縦することができる。圧縮済み人工弁が小さなプロファイルであることは、患者の血管系の、例えば腸骨動脈などの、特に狭い部分を通過させて操縦する時には、特に有用である。
【0176】
バルーン250は、そのバルーン近位端のところでは、バルーンカテーテル252に対して固定することができ、その遠位端のところでは、バルーンカテーテル252またはノーズコーン240のいずれかに対して、固定することができる。押込シャフト220の遠位端部分は、人工弁260の流出端(例えば、流出端104)よりも近位の位置に、位置決めされている。
【0177】
移植部位へと到達した時には、バルーンを膨張させる前に、押込シャフト220を遠位向きに前進駆動することにより、押込シャフト220の遠位端部分を、人工弁260の流出端に対して接触させて人工弁260を押し込むことができ、これにより、人工弁260を、押込シャフト220と一緒に、遠位向きに押し込むことができる。押込シャフト220の遠位端は、圧縮構成とされた人工弁260の流出端に対して係合するような寸法とされている。いくつかの実装では、押込シャフト220の遠位端部分を径方向外向きに拡径させることができ、これにより、圧縮状態とされた人工弁260に対して接触し得るより大きな直径で終端させることができる。その後、押込シャフト220を、遠位向きに前進駆動することができ、これにより、圧縮済み人工弁260がバルーン250の周囲へと配置されるまで、人工弁260を、押込シャフト220と一緒に押し込むことができ、さらに、圧縮済み人工弁260がバルーン250の周囲へと配置された時点で、バルーン250を膨張させることで、人工弁260を径方向に拡張させることができる。人工弁260が、天然弁輪の内部で、その機能的な直径まで拡張された後には、バルーン250を収縮させ得るとともに、送達装置200を、患者の身体内から回収することができる。
【0178】
特定の実装では、人工弁260が上部に組み付けられた状態での送達装置200は、保管および最終的な使用のために、エンドユーザに対して供給され得る無菌パッケージ内に包装することができる。特定の実装では、人工弁の弁尖(典型的には、ウシ心膜組織から、または他の天然組織から、または合成組織から、作製される)は、製造プロセス時に処理されることにより、完全にまたは実質的に脱水され、これにより、保湿液なしで部分圧縮状態または完全圧縮状態で保存することができる。このようにして、人工弁260および送達装置200を含有したパッケージは、いかなる液体も含まないものとすることができる。乾燥保存のために組織弁尖を処理するための方法は、米国特許第8,007,992号明細書および米国特許第8,357,387号明細書に開示されており、これら両方の文献は、参照により本明細書に援用される。
【0179】
[実施例]
開示する実装に関するいくつかの実施例
上述した実装に関するいくつかの実施例を、以下に列挙する。一実施例における個別の一つの特徴が、またはその実施例における組合せでの二つ以上の特徴が、および任意選択的に、一つもしくは複数の以下の実施例における一つ以上の特徴との組合せも、また、本出願の開示内に属する更なる実施例であることに、留意すべきである。
【0180】
実施例1.
人工弁であって、
流入端と流出端とを有したフレームであって、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能であるフレームを含み、フレームは、
複数の幅広セルを含む第一セル列であって、各幅広セルは、流出側頂部を規定しているとともに、流出側頂部から分岐した二つの第二長さの近位支柱を含み、第一セル列における各幅広セルは、第一セル列における隣接した二つの他の幅広セルに対して直接的に結合されている、第一セル列と、
複数の幅狭セルを含む第二セル列であって、第二セル列における各幅狭セルは、第二セル列における隣接した二つの幅狭セルに対して直接的に結合されている、第二セル列と、
複数の幅狭セルを含む第三セル列であって、第三セル列における各幅狭セルは、第三セル列における隣接した二つの幅狭セルに対して直接的に結合されている、第三セル列と、を含み、
第二セル列内における幅狭セルの数は、第三セル列内における幅狭セルの数と同じであり、
第二セル列および第三セル列におけるすべての幅狭セルは、同じ高さと同じ幅とを有しており、
第一セル列における各幅広セルの幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、少なくとも三倍である、人工弁。
【0181】
実施例2.
フレームの内部に取り付けられた弁尖アセンブリをさらに含み、弁尖アセンブリは、フレームに対して結合された交連を形成するように一緒に配置された複数の弁尖を含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例1に記載の、人工弁。
【0182】
実施例3.
フレームの内面に対して固定された内側スカートをさらに含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例1または2に記載の、人工弁。
【0183】
実施例4.
フレームの外面に対して固定された外側スカートをさらに含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例1~3のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0184】
実施例5.
各幅広セルは、第二長さの近位支柱から延びた二つの流出側垂直支柱を含み、各幅広セルは、相互の流出側垂直支柱を介して、隣接した幅広セルに対して直接的に結合されている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例1~4のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0185】
実施例6.
流出側垂直支柱の少なくともいくつかは、交連支持支柱とされており、各交連支持支柱は、交連ウィンドウを規定している、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例5に記載の、人工弁。
【0186】
実施例7.
流出側垂直支柱のそれぞれは、第二セル列における対応した幅狭セルの近位接合部から延びている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例5または6に記載の、人工弁。
【0187】
実施例8.
第二長さの近位支柱のそれぞれは、第二セル列における対応した幅狭セルの近位接合部から延びている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例1~4のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0188】
実施例9.
各幅広セル列の幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、三倍である、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例1~8のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0189】
実施例10.
複数の幅広セルは、第一セル列内における三つの幅広セルを含み、第二セル列および第三セル列のそれぞれにおける複数の幅狭セルは、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内における九つの幅狭セルを含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例9に記載の、人工弁。
【0190】
実施例11.
複数の幅広セルは、第一セル列内における六つの幅広セルを含み、第二セル列および第三セル列のそれぞれにおける複数の幅狭セルは、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内における18個の幅狭セルを含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例9に記載の、人工弁。
【0191】
実施例12.
各幅広セルは、三つの遠位接合部と、二つの自由接合部と、幅広セルの側方接合部と遠位接合部と自由接合部との間にわたってジグザグパターンで配置された六つの遠位支柱と、を含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例9~11のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0192】
実施例13.
各幅広セルの流出側頂部は、その三つの遠位接合部の、最も中央の遠位接合部に対して、垂直方向に位置合わせされている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例12に記載の、人工弁。
【0193】
実施例14.
各幅広セル列の幅は、任意の幅狭セル列の幅と比較して、四倍である、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例1~8のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0194】
実施例15.
複数の幅広セルは、第一セル列内における三つの幅広セルを含み、第二セル列および第三セル列のそれぞれにおける複数の幅狭セルは、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内における12個の幅狭セルを含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例14に記載の、人工弁。
【0195】
実施例16.
各幅広セルは、四つの遠位接合部と、三つの自由接合部と、幅広セルの二つの側方接合部と遠位接合部と自由接合部との間にわたってジグザグパターンで配置された八つの遠位支柱と、を含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例15に記載の、人工弁。
【0196】
実施例17.
各幅広セルの流出側頂部は、その三つの自由接合部の、最も中央の自由接合部に対して、垂直方向に位置合わせされている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例16に記載の、人工弁。
【0197】
実施例18.
各幅広セル列の幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、五倍である、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例1~8のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0198】
実施例19.
複数の幅広セルは、第一セル列内における三つの幅広セルを含み、第二セル列および第三セル列のそれぞれにおける複数の幅狭セルは、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内における15個の幅狭セルを含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例18に記載の、人工弁。
【0199】
実施例20.
各幅広セルは、五つの遠位接合部と、四つの自由接合部と、幅広セルの二つの側方接合部と遠位接合部と自由接合部との間にわたってジグザグパターンで配置された10個の遠位支柱と、を含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例19に記載の、人工弁。
【0200】
実施例21.
各幅広セルの流出側頂部は、その五つの遠位接合部の、最も中央の遠位接合部に対して、垂直方向に位置合わせされている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例20に記載の、人工弁。
【0201】
実施例22.
各幅広セル列の幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、六倍である、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例1~8のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0202】
実施例23.
複数の幅広セルは、第一セル列内における三つの幅広セルを含み、第二セル列および第三セル列のそれぞれにおける複数の幅狭セルは、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内における18個の幅狭セルを含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例22に記載の、人工弁。
【0203】
実施例24.
各幅広セルは、六つの遠位接合部と、五つの自由接合部と、幅広セルの二つの側方接合部と遠位接合部と自由接合部との間にわたってジグザグパターンで配置された12個の遠位支柱と、を含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例23に記載の、人工弁。
【0204】
実施例25.
各幅広セルの流出側頂部は、その五つの自由接合部の、最も中央の自由接合部に対して、垂直方向に位置合わせされている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例24に記載の、人工弁。
【0205】
実施例26.
人工弁であって、
流入端と流出端とを有したフレームであって、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能であるフレームを含み、フレームは、
複数のセルを含む第一セル列であって、第一セル列における複数のセルは、複数の幅広セルと、複数の幅狭セルと、を含み、各幅広セルは、第一流出側頂部を規定しているとともに、第一流出側頂部から分岐した二つの第二長さの近位支柱を含み、第一セル列における各幅狭セルは、第二流出側頂部を規定しているとともに、第二流出側頂部から分岐した二つの第一長さの近位支柱を含む、第一セル列と、
複数の幅狭セルを含む第二セル列であって、第二セル列における各幅狭セルは、第二セル列における隣接した二つの幅狭セルに対して直接的に結合されている、第二セル列と、
複数の幅狭セルを含む第三セル列であって、第三セル列における各幅狭セルは、第三セル列における隣接した二つの幅狭セルに対して直接的に結合されている、第三セル列と、を含み、
第一セル列における各セルは、第一セル列における隣接した二つの他のセルに対して直接的に結合されており、
第二セル列内における幅狭セルの数は、第三セル列内における幅狭セルの数と同じであり、
第一セル列と第二セル列と第三セル列とにおけるすべての幅狭セルは、同じ高さと同じ幅とを有しており、
第一セル列における各幅広セルの幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、少なくとも二倍である、人工弁。
【0206】
実施例27.
各幅広セルの高さは、各幅狭セルの高さよりも高い、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例26に記載の、人工弁。
【0207】
実施例28.
フレームの内部に取り付けられた弁尖アセンブリをさらに含み、弁尖アセンブリは、フレームに対して結合された交連を形成するように一緒に配置された複数の弁尖を含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例26または27に記載の、人工弁。
【0208】
実施例29.
フレームの内面に対して固定された内側スカートをさらに含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例26~28のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0209】
実施例30.
フレームの外面に対して固定された外側スカートをさらに含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例26~29のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0210】
実施例31.
各幅広セルは、第二長さの近位支柱から延びた二つの流出側垂直支柱を含み、各幅広セルは、相互の流出側垂直支柱を介して、隣接した幅広セルに対して直接的に結合されている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例26~30のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0211】
実施例32.
流出側垂直支柱の少なくともいくつかは、交連支持支柱とされており、各交連支持支柱は、交連ウィンドウを規定している、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例31に記載の、人工弁。
【0212】
実施例33.
各幅広セル列の幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、二倍である、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例26~32のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0213】
実施例34.
第一セル列は、三つの幅広セルと六つの幅狭セルとを含み、第二セル列および第三セル列のそれぞれにおける複数の幅狭セルは、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内における12個の幅狭セルを含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例33に記載の、人工弁。
【0214】
実施例35.
第一セル列内における連続した二つの幅広セルの間には、それぞれ、二つの幅狭セルが配置されている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例33に記載の、人工弁。
【0215】
実施例36.
第一セル列における各幅狭セルは、一方の側方上では、第一セル列における一つの他の幅狭セルに対して直接的に結合されており、反対側の側方上では、幅広セルに対して直接的に結合されている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例33に記載の、人工弁。
【0216】
実施例37.
各幅広セルは、第一セル列における六つの幅狭セルの、隣接した二つの幅狭セルに対して、直接的に結合されている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例33に記載の、人工弁。
【0217】
実施例38.
各幅広セルは、二つの遠位接合部と、単一の自由接合部と、幅広セルの二つの側方接合部と遠位接合部と自由接合部との間にわたってジグザグパターンで配置された四つの遠位支柱と、を含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例34~37のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0218】
実施例39.
各幅広セルの流出側頂部は、その自由接合部に対して垂直方向に位置合わせされている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例38に記載の、人工弁。
【0219】
実施例40.
フレームは、第一セル列と第二セル列との間に配置された中間セル列をさらに含み、中間セル列は、九つの幅狭セルを含み、中間セル列における少なくとも一つの幅狭セルは、その一方の側方上では、中間セル列における別の幅狭セルに対して接続されているものの、その反対側の側方上では、中間セル列におけるいかなる他の幅狭セルに対しても接続されていない、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例34~37のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0220】
実施例41.
各幅広セルは、幅広セルの第一流出側頂部に対して垂直方向に位置合わせされた単一の遠位接合部を含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例40に記載の、人工弁。
【0221】
実施例42.
各幅広セルは、二つの中間接合部に向けて遠位接合部から分岐した二つの遠位支柱と、二つの相互連結支柱と、を含み、相互連結支柱のそれぞれは、それぞれ対応した中間接合部からさらに延びている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例41に記載の、人工弁。
【0222】
実施例43.
幅広セルは、自由接合部を有していない、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例40または41に記載の、人工弁。
【0223】
実施例44.
第一セル列は、三つの幅広セルと九つの幅狭セルとを含み、第二セル列および第三セル列のそれぞれにおける複数の幅狭セルは、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内における12個の幅狭セルを含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例33に記載の、人工弁。
【0224】
実施例45.
第一セル列内における連続した二つの幅広セルの間には、それぞれ、三つの幅狭セルが配置されている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例33に記載の、人工弁。
【0225】
実施例46.
第一セル列における少なくとも三つの幅狭セルは、第一セル列における隣接した二つの幅狭セルに対して直接的に結合されている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例33に記載の、人工弁。
【0226】
実施例47.
各幅広セルは、第一セル列における九つの幅狭セルの、隣接した二つの幅狭セルに対して、直接的に結合されている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例33に記載の、人工弁。
【0227】
実施例48.
各幅広セルは、二つの遠位接合部と、単一の自由接合部と、幅広セルの二つの側方接合部と遠位接合部と自由接合部との間にわたってジグザグパターンで配置された四つの遠位支柱と、を含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例44~47のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0228】
実施例49.
各幅広セルの流出側頂部は、その自由接合部に対して垂直方向に位置合わせされている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例48に記載の、人工弁。
【0229】
実施例50.
第一セル列は、六つの幅広セルと三つの幅狭セルとを含み、第二セル列および第三セル列のそれぞれにおける複数の幅狭セルは、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内における12個の幅狭セルを含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例33に記載の、人工弁。
【0230】
実施例51.
第一セル列内における連続した二つの幅広セルの間には、それぞれ、単一の幅狭セルが配置されている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例33に記載の、人工弁。
【0231】
実施例52.
第一セル列における各幅狭セルは、隣接した二つの幅広セルに対して直接的に結合されている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例33に記載の、人工弁。
【0232】
実施例53.
各幅広セルは、その一方の側方上では、別の隣接した幅広セルに対して直接的に結合されており、その反対側の側方上では、第一セル列における幅狭セルに対して直接的に結合されている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例33に記載の、人工弁。
【0233】
実施例54.
各幅広セルは、二つの遠位接合部と、単一の自由接合部と、幅広セルの二つの側方接合部と遠位接合部と自由接合部との間にわたってジグザグパターンで配置された四つの遠位支柱と、を含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例50~53のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0234】
実施例55.
各幅広セルの流出側頂部は、その自由接合部に対して垂直方向に位置合わせされている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例54に記載の、人工弁。
【0235】
実施例56.
人工弁であって、
流入端と流出端とを有したフレームであって、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能であるフレームを含み、フレームは、
三つの幅広セルを含む第一セル列であって、各幅広セルは、流出側頂部を規定しているとともに、流出側頂部から分岐した二つの第二長さの近位支柱を含み、第一セル列における各幅広セルは、第一セル列における隣接した二つの他の幅広セルに対して直接的に結合されている、第一セル列と、
六つの幅狭セルを含む第二セル列であって、第二セル列における各幅狭セルは、第二セル列における隣接した二つの幅狭セルに対して直接的に結合されている、第二セル列と、
六つの幅狭セルを含む第三セル列であって、第三セル列における各幅狭セルは、第三セル列における隣接した二つの幅狭セルに対して直接的に結合されている、第三セル列と、を含み、
第二セル列および第三セル列におけるすべての幅狭セルは、同じ高さと同じ幅とを有しており、
第一セル列における各幅広セルの幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、少なくとも二倍である、人工弁。
【0236】
実施例57.
フレームの内部に取り付けられた弁尖アセンブリをさらに含み、弁尖アセンブリは、フレームに対して結合された交連を形成するように一緒に配置された複数の弁尖を含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例56に記載の、人工弁。
【0237】
実施例58.
フレームの内面に対して固定された内側スカートをさらに含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例56または57に記載の、人工弁。
【0238】
実施例59.
フレームの外面に対して固定された外側スカートをさらに含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例56~58のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0239】
実施例60.
各幅広セルは、第二長さの近位支柱から延びた二つの流出側垂直支柱を含み、各幅広セルは、相互の流出側垂直支柱を介して、隣接した幅広セルに対して直接的に結合されている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例56~59のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0240】
実施例61.
流出側垂直支柱の少なくともいくつかは、交連支持支柱とされており、各交連支持支柱は、交連ウィンドウを規定している、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例60に記載の、人工弁。
【0241】
実施例62.
流出側垂直支柱のそれぞれは、第二セル列における対応した幅狭セルの近位接合部から延びている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例60または61に記載の、人工弁。
【0242】
実施例63.
第二長さの近位支柱のそれぞれは、第二セル列における対応した幅狭セルの近位接合部から延びている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例56~59のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0243】
実施例64.
各幅広セルは、二つの遠位接合部と、単一の自由接合部と、幅広セルの二つの側方接合部と遠位接合部と自由接合部との間にわたってジグザグパターンで配置された四つの遠位支柱と、を含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例56~63のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0244】
実施例65.
各幅広セルの流出側頂部は、その自由接合部に対して垂直方向に位置合わせされている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例64に記載の、人工弁。
【0245】
実施例66.
フレームは、第一セル列と第二セル列との間に配置された中間セル列をさらに含み、中間セル列は、三つの幅狭セルを含み、中間セル列におけるいずれの幅狭セルも、中間セル列におけるあらゆる他の幅狭セルに対して直接的に接続されていない、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例56~64のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0246】
実施例67.
各幅広セルは、幅広セルの第一流出側頂部に対して垂直方向に位置合わせされた単一の遠位接合部を含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例66に記載の、人工弁。
【0247】
実施例68.
各幅広セルは、二つの中間接合部に向けて遠位接合部から分岐した二つの遠位支柱と、二つの相互連結支柱と、を含み、相互連結支柱のそれぞれは、それぞれ対応した中間接合部からさらに延びている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例67に記載の、人工弁。
【0248】
実施例69.
幅広セルは、自由接合部を有していない、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例66~68のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0249】
実施例70.
人工弁であって、
流入端と流出端とを有したフレームであって、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能であるフレームを含み、フレームは、
九つの幅広セルを含む第一セル列であって、各幅広セルは、流出側頂部を規定しているとともに、流出側頂部から分岐した二つの第二長さの近位支柱を含み、第一セル列における各幅広セルは、第一セル列における隣接した二つの他の幅広セルに対して直接的に結合されている、第一セル列と、
18個の幅狭セルを含む第二セル列であって、第二セル列における各幅狭セルは、第二セル列における隣接した二つの幅狭セルに対して直接的に結合されている、第二セル列と、
18個の幅狭セルを含む第三セル列であって、第三セル列における各幅狭セルは、第三セル列における隣接した二つの幅狭セルに対して直接的に結合されている、第三セル列と、を含み、
第二セル列および第三セル列におけるすべての幅狭セルは、同じ高さと同じ幅とを有しており、
第一セル列における各幅広セルの幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、少なくとも二倍である、人工弁。
【0250】
実施例71.
フレームの内部に取り付けられた弁尖アセンブリをさらに含み、弁尖アセンブリは、フレームに対して結合された交連を形成するように一緒に配置された複数の弁尖を含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例70に記載の、人工弁。
【0251】
実施例72.
フレームの内面に対して固定された内側スカートをさらに含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例70または71に記載の、人工弁。
【0252】
実施例73.
フレームの外面に対して固定された外側スカートをさらに含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例70~72のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0253】
実施例74.
各幅広セルは、第二長さの近位支柱から延びた二つの流出側垂直支柱を含み、各幅広セルは、相互の流出側垂直支柱を介して、隣接した幅広セルに対して直接的に結合されている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例70~73のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0254】
実施例75.
流出側垂直支柱の少なくともいくつかは、交連支持支柱とされており、各交連支持支柱は、交連ウィンドウを規定している、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例74に記載の、人工弁。
【0255】
実施例76.
流出側垂直支柱のそれぞれは、第二セル列における対応した幅狭セルの近位接合部から延びている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例74または75に記載の、人工弁。
【0256】
実施例77.
第二長さの近位支柱のそれぞれは、第二セル列における対応した幅狭セルの近位接合部から延びている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例70~73のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0257】
実施例78.
各幅広セルは、二つの遠位接合部と、単一の自由接合部と、幅広セルの二つの側方接合部と遠位接合部と自由接合部との間にわたってジグザグパターンで配置された四つの遠位支柱と、を含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例70~77のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0258】
実施例79.
各幅広セルの流出側頂部は、その自由接合部に対して垂直方向に位置合わせされている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例78に記載の、人工弁。
【0259】
実施例80.
フレームは、第一セル列と第二セル列との間に配置された中間セル列をさらに含み、中間セル列は、九つの幅狭セルを含み、中間セル列におけるいずれの幅狭セルも、中間セル列におけるあらゆる他の幅狭セルに対して直接的に接続されていない、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例70~77のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0260】
実施例81.
各幅広セルは、幅広セルの第一流出側頂部に対して垂直方向に位置合わせされた単一の遠位接合部を含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例80に記載の、人工弁。
【0261】
実施例82.
各幅広セルは、二つの中間接合部に向けて遠位接合部から分岐した二つの遠位支柱と、二つの相互連結支柱と、を含み、相互連結支柱のそれぞれは、それぞれ対応した中間接合部からさらに延びている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例81に記載の、人工弁。
【0262】
実施例83.
幅広セルは、自由接合部を有していない、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例80~82のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0263】
実施例84.
人工弁であって、
流入端と流出端とを有したフレームであって、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能であるフレームを含み、フレームは、
複数の幅広セルを含む第一セル列であって、各幅広セルは、流出側頂部を規定しているとともに、流出側頂部から分岐した二つの第二長さの近位支柱を含み、第一セル列における各幅広セルは、第一セル列における隣接した二つの他の幅広セルに対して直接的に結合されている、第一セル列と、
複数の幅狭セルを含む第二セル列であって、第二セル列における各幅狭セルは、第二セル列における隣接した二つの幅狭セルに対して直接的に結合されており、第二セル列における各幅狭セルは、自由端近位接合部へと収束する二つの第一長さの近位支柱を含む、第二セル列と、
複数の幅狭セルを含む第三セル列であって、第三セル列における各幅狭セルは、第三セル列における隣接した二つの幅狭セルに対して直接的に結合されている、第三セル列と、を含み、
第二セル列内における幅狭セルの数は、第三セル列内における幅狭セルの数と同じであり、
第二セル列および第三セル列におけるすべての幅狭セルは、同じ高さと同じ幅とを有しており、
第一セル列における各幅広セルの幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、少なくとも二倍である、人工弁。
【0264】
実施例85.
フレームの内部に取り付けられた弁尖アセンブリをさらに含み、弁尖アセンブリは、フレームに対して結合された交連を形成するように一緒に配置された複数の弁尖を含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例84に記載の、人工弁。
【0265】
実施例86.
フレームの内面に対して固定された内側スカートをさらに含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例84または85に記載の、人工弁。
【0266】
実施例87.
フレームの外面に対して固定された外側スカートをさらに含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例84~86のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0267】
実施例88.
各幅広セルは、第二長さの近位支柱から延びた二つの流出側垂直支柱を含み、各幅広セルは、相互の流出側垂直支柱を介して、隣接した幅広セルに対して直接的に結合されている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例84~87のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0268】
実施例89.
流出側垂直支柱の少なくともいくつかは、交連支持支柱とされており、各交連支持支柱は、交連ウィンドウを規定している、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例88に記載の、人工弁。
【0269】
実施例90.
流出側垂直支柱のそれぞれは、第二セル列における対応した幅狭セルの側方接合部から延びている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例88または89に記載の、人工弁。
【0270】
実施例91.
第二長さの近位支柱のそれぞれは、第二セル列における対応した幅狭セルの側方接合部から延びている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例84~87のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0271】
実施例92.
各幅広セル列の幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、二倍である、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例84~91のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0272】
実施例93.
複数の幅広セルは、第一セル列内における三つの幅広セルを含み、第二セル列および第三セル列のそれぞれにおける複数の幅狭セルは、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内における六つの幅狭セルを含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例92に記載の、人工弁。
【0273】
実施例94.
複数の幅広セルは、第一セル列内における六つの幅広セルを含み、第二セル列および第三セル列のそれぞれにおける複数の幅狭セルは、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内における12個の幅狭セルを含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例92に記載の、人工弁。
【0274】
実施例95.
複数の幅広セルは、第一セル列内における九つの幅広セルを含み、第二セル列および第三セル列のそれぞれにおける複数の幅狭セルは、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内における18個の幅狭セルを含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例92に記載の、人工弁。
【0275】
実施例96.
各幅広セルは、単一の遠位接合部と、二つの自由接合部と、幅広セルの二つの側方接合部と遠位接合部と自由接合部との間にわたってジグザグパターンで配置された四つの遠位支柱と、を含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例92~95のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0276】
実施例97.
各幅広セルの流出側頂部は、その遠位接合部に対して垂直方向に位置合わせされている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例96に記載の、人工弁。
【0277】
実施例98.
各幅広セル列の幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、三倍である、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例84~91のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0278】
実施例99.
複数の幅広セルは、第一セル列内における三つの幅広セルを含み、第二セル列および第三セル列のそれぞれにおける複数の幅狭セルは、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内における九つの幅狭セルを含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例98に記載の、人工弁。
【0279】
実施例100.
複数の幅広セルは、第一セル列内における六つの幅広セルを含み、第二セル列および第三セル列のそれぞれにおける複数の幅狭セルは、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内における18個の幅狭セルを含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例98に記載の、人工弁。
【0280】
実施例101.
各幅広セルは、二つの遠位接合部と、三つの自由接合部と、幅広セルの側方接合部と遠位接合部と自由接合部との間にわたってジグザグパターンで配置された六つの遠位支柱と、を含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例98~100のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0281】
実施例102.
各幅広セルの流出側頂部は、その三つの自由接合部の、最も中央の自由接合部に対して、垂直方向に位置合わせされている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例101に記載の、人工弁。
【0282】
実施例103.
各幅広セル列の幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、四倍である、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例84~91のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0283】
実施例104.
複数の幅広セルは、第一セル列内における三つの幅広セルを含み、第二セル列および第三セル列のそれぞれにおける複数の幅狭セルは、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内における12個の幅狭セルを含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例103に記載の、人工弁。
【0284】
実施例105.
各幅広セルは、三つの遠位接合部と、四つの自由接合部と、幅広セルの二つの側方接合部と遠位接合部と自由接合部との間にわたってジグザグパターンで配置された八つの遠位支柱と、を含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例104に記載の、人工弁。
【0285】
実施例106.
各幅広セルの流出側頂部は、その三つの遠位接合部の、最も中央の遠位接合部に対して、垂直方向に位置合わせされている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例105に記載の、人工弁。
【0286】
実施例107.
各幅広セル列の幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、五倍である、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例84~91のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0287】
実施例108.
複数の幅広セルは、第一セル列内における三つの幅広セルを含み、第二セル列および第三セル列のそれぞれにおける複数の幅狭セルは、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内における15個の幅狭セルを含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例107に記載の、人工弁。
【0288】
実施例109.
各幅広セルは、四つの遠位接合部と、五つの自由接合部と、幅広セルの二つの側方接合部と遠位接合部と自由接合部との間にわたってジグザグパターンで配置された10個の遠位支柱と、を含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例108に記載の、人工弁。
【0289】
実施例110.
各幅広セルの流出側頂部は、その五つの自由接合部の、最も中央の自由接合部に対して、垂直方向に位置合わせされている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例109に記載の、人工弁。
【0290】
実施例111.
各幅広セル列の幅は、任意の幅狭セルの幅と比較して、六倍である、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例84~91のいずれか一つに記載の、人工弁。
【0291】
実施例112.
複数の幅広セルは、第一セル列内における三つの幅広セルを含み、第二セル列および第三セル列のそれぞれにおける複数の幅狭セルは、第二セル列および第三セル列のそれぞれ内における18個の幅狭セルを含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例111に記載の、人工弁。
【0292】
実施例113.
各幅広セルは、五つの遠位接合部と、六つの自由接合部と、幅広セルの二つの側方接合部と遠位接合部と自由接合部との間にわたってジグザグパターンで配置された12個の遠位支柱と、を含む、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例112に記載の、人工弁。
【0293】
実施例114.
各幅広セルの流出側頂部は、その五つの遠位接合部の、最も中央の遠位接合部に対して、垂直方向に位置合わせされている、本明細書の任意の実施例に記載の、特に実施例113に記載の、人工弁。
【0294】
本開示の特定の特徴は、明確さのために個別的な様々な例における文脈で説明しているけれども、単一の例において組合せで提供され得ることは、理解されよう。逆に、本開示の様々な特徴は、簡潔さのために単一の例における文脈で説明しているけれども、個別的に提供されてもよく、あるいは、任意の好適な下位組合せで提供されてもよく、あるいは、本開示の任意の他の記載例において好適に提供されてもよい。例に関する文脈で説明したいかなる特徴も、明示的にそのように指定されていない限り、その例に関する本質的な特徴とは見なされるべきではない。
【0295】
本開示の原理が適用され得る多くの可能な例を考慮すると、例示した例が、好ましい例に過ぎないこと、また、本開示の範囲を限定するものとして見なされるべきではないことは、認識されよう。むしろ、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって、規定される。したがって、それらの特許請求の範囲および精神の内部に含まれるものすべてが、主張される。
【国際調査報告】