IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オラクル・インターナショナル・コーポレイションの特許一覧

特表2024-543499通信ネットワークにおいて実行されるホップ数を制限するための方法、システム、およびプログラム
<>
  • 特表-通信ネットワークにおいて実行されるホップ数を制限するための方法、システム、およびプログラム 図1
  • 特表-通信ネットワークにおいて実行されるホップ数を制限するための方法、システム、およびプログラム 図2
  • 特表-通信ネットワークにおいて実行されるホップ数を制限するための方法、システム、およびプログラム 図3
  • 特表-通信ネットワークにおいて実行されるホップ数を制限するための方法、システム、およびプログラム 図4
  • 特表-通信ネットワークにおいて実行されるホップ数を制限するための方法、システム、およびプログラム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】通信ネットワークにおいて実行されるホップ数を制限するための方法、システム、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 41/40 20220101AFI20241114BHJP
   H04W 40/02 20090101ALI20241114BHJP
   H04W 88/18 20090101ALI20241114BHJP
   H04W 80/06 20090101ALI20241114BHJP
【FI】
H04L41/40
H04W40/02 110
H04W88/18
H04W80/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024528605
(86)(22)【出願日】2022-11-16
(85)【翻訳文提出日】2024-05-14
(86)【国際出願番号】 US2022050170
(87)【国際公開番号】W WO2023101818
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】17/539,724
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502303739
【氏名又は名称】オラクル・インターナショナル・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴエル,イェシュ
(72)【発明者】
【氏名】モハン・ラジ,ジョン・ニルマル
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD11
5K067EE16
5K067HH21
(57)【要約】
通信ネットワークにおいて実行されるホップ数を制限するための方法、システム、およびコンピュータ可読媒体が開示される。本方法は、第1ネットワーク領域のハイパーテキストトランスファプロトコル(HTTP)プロキシ要素によって、ホップ数の最大値を指定するヘッダセクションを含むサービス要求メッセージを受け付けることと、当該サービス要求メッセージにおいて要求されるネットワークサービスを提供するために、第1ネットワーク領域においてプロデューサNFの探索を実施することと、を含む。当該方法は、さらに、HTTPプロキシ要素が第1ネットワーク領域においてプロデューサNFを位置決めすることができない場合に、サービス要求メッセージのヘッダセクションのホップ数の最大値を決定することと、HTTPプロキシ要素がヘッダセクションのホップ数の最大値が0より大きいことを決定する場合に、サービス要求メッセージのヘッダセクションのホップ数の最大値から1を引いて更新されたホップ数の最大値を取得することと、更新されたホップ数の最大値を含むサービス要求メッセージを第2ネットワーク領域に位置する第2のHTTPプロキシ要素に向けることと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークにおいて実行されるホップ数を制限するための方法であって、
第1ネットワーク領域のハイパーテキストトランスファプロトコル(HTTP)プロキシ要素によって、ホップ数の最大値を指定するヘッダセクションを含むサービス要求メッセージを受け付けることと、
前記サービス要求メッセージにおいて要求されるネットワークサービスを提供するために、前記第1ネットワーク領域においてプロデューサNFの探索を実施することと、
前記HTTPプロキシ要素が前記第1ネットワーク領域において前記プロデューサNFを位置決めすることができない場合に、前記サービス要求メッセージの前記ヘッダセクションの前記ホップ数の最大値を決定することと、
前記HTTPプロキシ要素が前記ヘッダセクションの前記ホップ数の最大値が0より大きいことを決定する場合に、前記サービス要求メッセージの前記ヘッダセクションの前記ホップ数の最大値から1を引いて更新されたホップ数の最大値を取得することと、
前記更新されたホップ数の最大値を含む前記サービス要求メッセージを第2ネットワーク領域に位置する第2のHTTPプロキシ要素に向けることと、を含む方法。
【請求項2】
前記サービス要求メッセージは、SBIメッセージである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ホップ数の最大値は、コンシューマNFによって前記サービス要求メッセージで最初に確立される、または所定のデフォルト値を介して確立される、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記サービス要求メッセージの前記ヘッダセクションの前記ホップ数の最大値が0であると決定された場合に、前記サービス要求メッセージは前記第2ネットワーク領域の前記第2のHTTPプロキシ要素に送られることが妨げられる、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記HTTPプロキシ要素は、セキュリティエッジ保護プロキシ(SEPP)、またはサービスコンフィグレーションプロキシ(SCP)である、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記HTTPプロキシ要素は、前記ヘッダセクションの前記ホップ数の最大値、または前記ヘッダセクションの前記更新されたホップ数の最大値を増加させるように構成される請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1ネットワーク領域および前記第2ネットワーク領域の各々は、地理的に定められた領域である、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを含むハイパーテキストトランスファプロトコル(HTTP)プロキシ要素と、
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるホップ管理モジュール(HMM)とを備え、
前記ホップ管理モジュールは、
第1ネットワーク領域のHTTPプロキシ要素によって、ホップ数の最大値を指定するヘッダセクションを含むサービス要求メッセージを受け付け、
前記サービス要求メッセージにおいて要求されるネットワークサービスを提供するために、前記第1ネットワーク領域においてプロデューサNFの探索を実施し、
前記HTTPプロキシ要素が前記第1ネットワーク領域において前記プロデューサNFを位置決めることができない場合に、前記サービス要求メッセージの前記ヘッダセクションの前記ホップ数の最大値を決定し、
前記HTTPプロキシ要素が前記ヘッダセクションの前記ホップ数の最大値が0より大きいことを決定する場合に、前記サービス要求メッセージの前記ヘッダセクションの前記ホップ数の最大値から1を引いて更新されたホップ数の最大値を取得し、
前記更新されたホップ数の最大値を含む前記サービス要求メッセージを第2ネットワーク領域に位置する第2のHTTPプロキシ要素に向ける、システム。
【請求項9】
前記サービス要求メッセージは、SBIメッセージである、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ホップ数の最大値は、コンシューマNFによって前記サービス要求メッセージで最初に確立される、または所定のデフォルト値を介して確立される、請求項8または請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記サービス要求メッセージの前記ヘッダセクションの前記ホップ数の最大値が0であると決定された場合に、前記サービス要求メッセージは前記第2ネットワーク領域の前記第2のHTTPプロキシ要素に送られることが妨げられる、請求項8~請求項10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記HTTPプロキシ要素は、セキュリティエッジ保護プロキシ(SEPP)、またはサービスコンフィグレーションプロキシ(SCP)である、請求項8~請求項11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記HTTPプロキシ要素は、前記ヘッダセクションの前記ホップ数の最大値、または前記ヘッダセクションの前記更新されたホップ数の最大値を増加させるように構成される請求項8~請求項12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1ネットワーク領域および前記第2ネットワーク領域の各々は、地理的に定められた領域である、請求項8~請求項13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
実行可能な命令が記憶された1つ以上の非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、コンピュータの1以上のプロセッサによって実行されると、前記コンピュータを制御してステップを実行させ、前記ステップは、
第1ネットワーク領域のHTTPプロキシ要素によって、ホップ数の最大値を指定するヘッダセクションを含むサービス要求メッセージを受け付けることと、
前記サービス要求メッセージにおいて要求されるネットワークサービスを提供するために、前記第1ネットワーク領域においてプロデューサNFの探索を実施することと、
前記HTTPプロキシ要素が前記第1ネットワーク領域において前記プロデューサNFを位置決めすることができない場合に、前記サービス要求メッセージの前記ヘッダセクションの前記ホップ数の最大値を決定することと、
前記HTTPプロキシ要素が前記ヘッダセクションの前記ホップ数の最大値が0より大きいことを決定する場合に、前記サービス要求メッセージの前記ヘッダセクションの前記ホップ数の最大値から1を引いて更新されたホップ数の最大値を取得することと、
前記更新されたホップ数の最大値を含む前記サービス要求メッセージを第2ネットワーク領域に位置する第2のHTTPプロキシ要素に向けることとを含む、1つ以上の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記サービス要求メッセージは、SBIメッセージである、請求項15に記載の1つ以上の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記ホップ数の最大値は、コンシューマNFによって前記サービス要求メッセージで最初に確立される、または所定のデフォルト値を介して確立される、請求項15または請求項16に記載の1つ以上の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記サービス要求メッセージの前記ヘッダセクションの前記ホップ数の最大値が0であると決定された場合に、前記サービス要求メッセージは前記第2ネットワーク領域の前記第2のHTTPプロキシ要素に送られることが妨げられる、請求項15~請求項17のいずれか1項に記載の1つ以上の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記HTTPプロキシ要素は、セキュリティエッジ保護プロキシ(SEPP)、またはサービスコンフィグレーションプロキシ(SCP)である、請求項15~請求項18のいずれか1項に記載の1つ以上の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記HTTPプロキシ要素は、前記ヘッダセクションの前記ホップ数の最大値、または前記ヘッダセクションの前記更新されたホップ数の最大値を増加させるように構成される請求項15~請求項19のいずれか1項に記載の1つ以上の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、2021年12月1日に提出された米国特許出願連続番号17/534,724号の優先権の利益を主張し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本明細書に記載される主題は、第5世代(5G)通信ネットワークおよび前世代の通信ネットワークにおいて、ハイパーテキストトランスファプロトコル(hypertext transfer protocol:HTTP)プロキシ要素を介して、サービスベースインターフェイス(service based interface:SBI)メッセージが用いることができるホップ数を制御することに関する。より特定的には、本明細書に記載される主題は、通信ネットワークにおいて実行されるホップ数を制限するための方法、システム、およびコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
電気通信ネットワークでは、サービスエンドポイントは、サービスコンシューマにサービスを提供するエンティティを一意に識別するネットワークノード上のアドレスである。サービスエンドポイントは、インターネットプロトコル(internet protocol:IP)アドレス、またはIPアドレスとトランスポート層ポート番号との組み合わせを含むことができ、IPエンドポイントと称される。
【0004】
5G電気通信ネットワークにおいて、サービスを提供するネットワークノードは、プロデューサネットワーク機能(network function:NF)と称される。サービスを消費するネットワークノードは、コンシューマNFと称される。ネットワーク機能は、それがサービスを消費しているか提供しているかに応じて、プロデューサNFおよびコンシューマNFのいずれでもあり得る。
【0005】
所与のプロデューサNFは、多くのサービスエンドポイントを有し得る。プロデューサNFは、ネットワーク機能リポジトリ機能(network function repository function:NRF)に登録する。NRFは、利用可能なNFインスタンスのNFプロファイル、およびそれらのサポートされるサービスを維持する。コンシューマNFは、NRFに登録したプロデューサNFインスタンスに関する情報を受信するように加入することができる。一度登録されると、5GネットワークのNFインスタンスは、1以上のネットワークエクスポージャ機能(network exposure function:NEF)とのセッションを確立し得る。注目すべきは、NEFは、ネットワークに奉仕するプロデューサネットワーク機能により提供されるサービスと能力を安全に公開する手段を提供する第3世代パートナーシッププロジェクト(third generation partnership project:3GPP(登録商標))のネットワーク機能である。
【0006】
現在までのところ、3GPPの仕様は、SBIメッセージがデプロイメントに基づいてHTTPプロキシサーバを通過できることを定義している。しかしながら、SBIメッセージ(すなわちSBIパケット)が目的地であるプロデューサNFに到達しようと試みる際に通過できるHTTPプロキシサーバの数に制限はない。3GPPの仕様では、SBIメッセージがプロデューサNFに到達するまでの時間量を定義するために利用され得る特定のタイマーが定義されているものの、それらタイマ機構は、前述のタイマの設定時間が時間切れとなる前後においてSBIメッセージにより用いられるホップ数を制限しない。そのため、SBIメッセージがすでに時間切れとなっているにも関わらず、不必要な量のネットワークトラフィックが依然として生成および/またはルーティングされる場合がある。
【0007】
したがって、通信ネットワークにおいて実行されるホップ数を制限するための改善された方法およびシステムに対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【0008】
概要
通信ネットワークにおいて実行されるホップ数を制限するための方法、システム、およびコンピュータ可読媒体が開示される。本方法は、第1ネットワーク領域のハイパーテキストトランスファプロトコル(HTTP)プロキシ要素によって、ホップ数の最大値を指定するヘッダセクションを含むサービス要求メッセージを受け付けることと、当該サービス要求メッセージにおいて要求されるネットワークサービスを提供するために、第1ネットワーク領域においてプロデューサNFの探索を実施することと、を含む。当該方法は、さらに、HTTPプロキシ要素が第1ネットワーク領域においてプロデューサNFを位置決めすることができない場合に、サービス要求メッセージのヘッダセクションのホップ数の最大値を決定することと、HTTPプロキシ要素がヘッダセクションのホップ数の最大値が0より大きいことを決定する場合に、サービス要求メッセージのヘッダセクションのホップ数の最大値から1を引いて更新されたホップ数の最大値を取得することと、更新されたホップ数の最大値を含むサービス要求メッセージを第2ネットワーク領域に位置する第2のHTTPプロキシ要素に向けることと、を含む。
【0009】
本明細書で説明する方法の他の態様によれば、サービス要求メッセージは、SBIメッセージである。
【0010】
本明細書で説明する方法の他の態様によれば、ホップ数の最大値は、コンシューマNFによってサービス要求メッセージで最初に確立される、または所定のデフォルト値を介して確立される。
【0011】
本明細書で説明する方法の他の態様によれば、サービス要求メッセージのヘッダセクションのホップ数の最大値が0であると決定された場合に、サービス要求メッセージは第2ネットワーク領域の第2のHTTPプロキシ要素に送られることが妨げられる。
【0012】
本明細書で説明する方法の他の態様によれば、HTTPプロキシ装置は、セキュリティエッジ保護プロキシ(security edge protection proxy:SEPP)、またはサービスコンフィグレーションプロキシ(service configuration proxy:SCP)である。
【0013】
本明細書で説明する方法の他の態様によれば、HTTPプロキシ要素は、ヘッダセクションのホップ数の最大値、またはヘッダセクションの更新されたホップ数の最大値を増加させるように構成される。
【0014】
本明細書で説明する方法の他の態様によれば、第1ネットワーク領域および第2ネットワーク領域の各々は、地理的に定められた領域である。
【0015】
本明細書で説明する別の実施形態によれば、システムは、少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを含むHTTPプロキシ要素と、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるホップ管理モジュール(HMM)を備え、ホップ管理モジュールは、ホップ数の最大値を指定するヘッダセクションを含むサービス要求メッセージを受け付け、サービス要求メッセージで要求されたネットワークサービスを提供するために第1ネットワーク領域でプロデューサNFの探索を実行し、HTTPプロキシ要素が第1ネットワーク領域でプロデューサNFを位置決めすることができない場合に、サービス要求メッセージのヘッダセクションのホップ数の最大値を決定するように構成される。HMMは、HTTPプロキシ要素がヘッダセクションのホップ数の最大値が0より大きいと決定する場合に、サービス要求メッセージのヘッダセクションにおけるホップ数の最大値から1を引いて更新されたホップ数の最大値を取得することと、更新されたホップ数の最大値を含むサービス要求メッセージを第2ネットワーク領域に位置する第2のHTTPプロキシ要素に向けることとをさらに含む。
【0016】
本明細書で説明するシステムの別の態様によれば、サービス要求メッセージはSBIメッセージである。
【0017】
本明細書で説明するシステムの別の態様によれば、ホップ数の最大値は、コンシューマNFによってサービス要求メッセージで最初に確立される、または所定のデフォルト値を介して確立される。
【0018】
本明細書で説明するシステムの別の態様によれば、サービス要求メッセージのヘッダセクションのホップ数の最大値が0であると決定された場合に、サービス要求メッセージは第2ネットワーク領域の第2のHTTPプロキシ要素に送られることが妨げられる。
【0019】
本明細書で説明するシステムの別の態様によれば、HTTPプロキシ装置は、セキュリティエッジ保護プロキシ(SEPP)、またはサービスコンフィグレーションプロキシ(SCP)である。
【0020】
本明細書で説明するシステムの別の態様によれば、HTTPプロキシ要素は、ヘッダセクションのホップ数の最大値、またはカスタムセクションの更新されたホップ数の最大値を増加させるように構成される。
【0021】
本明細書で説明するシステムの別の態様によれば、第1ネットワーク領域および第2ネットワーク領域の各々は、地理的に定められた領域である。
【0022】
本明細書で説明する主題は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実現されてもよい。そのため、ここに用いられるような「機能」、「ノード」、または「モジュール」という用語は、説明されている特徴を実現するためのハードウェアを指すが、それらはまた、ソフトウェアおよび/またはファームウェアコンポーネントを含んでいてもよい。例示的な一実現例では、ここに説明される主題は、コンピュータのプロセッサによって実行されるとステップを実行するようにコンピュータを制御するコンピュータ実行可能命令が格納された1以上のコンピュータ可読媒体を使用して実現されてもよい。ここに説明される主題を実現するのに適した例示的なコンピュータ可読媒体は、ディスクメモリデバイス、チップメモリデバイス、プログラマブル論理デバイス、および特定用途向け集積回路などの非一時的コンピュータ可読媒体を含む。加えて、ここに説明される主題を実現するコンピュータ可読媒体は、単一のデバイスまたはコンピューティングプラットフォーム上に位置していてもよく、または複数のデバイスもしくはコンピューティングプラットフォームにわたって分散されていてもよい。
ここで、本明細書で説明される主題が、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】例示的な5Gネットワークアーキテクチャを示すネットワーク図である。
図2】本明細書で説明される主題の実施の形態に係るSMIメッセージのホップ制限機能性をサポートするための例示的なハイパーテキストトランスファプロトコル(HTTP)プロキシ要素を示すブロック図である。
図3】通常状態において、他のHTTPプロキシサーバに向けてサービスベースインターフェイス(SBI)メッセージを転送するHTTPプロキシを示すブロック図である。
図4】本明細書で説明される主題の実施の形態に係る指定された条件下でSBIメッセージを他のHTTPプロキシサーバに転送することができるHTTPプロキシを示すブロック図である。
図5】通信ネットワークにおいて実行されるホップ数を制限するための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
詳細な説明
本明細書で説明する主題は、通信ネットワークにおいて実行されるホップ数を制限するための方法、システム、およびコンピュータ可読媒体に関するものである。より特定的には、本明細書で開示される主題は、基礎となるHTTPプロトコルメッセージのパケットヘッダに最大ホップパラメータを導入するための方法およびシステムを含む。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される主題は、複数のサービス地域(たとえば、別々のPLMN、別々の国、別々のデータセンタ、またはその他の別々の地理的な場所)にそれぞれ位置するHTTPプロキシデバイス間で通信される際のホップ数を制限するために、従来のヘッダまたはカスタムヘッダのいずれかを利用することができる。しかしながら、いくつかのネットワークエンティティがカスタムヘッダを最初に認識または解析できない場合があるので、ホップ制限機能(たとえば、「X-number-of-hops」)を有するカスタムヘッダを利用することが困難な場合がある。たとえば、Max-ForwardカスタムヘッダはTRACEメソッドとOPTIONSメソッドのためにのみ規定されている。
【0025】
本明細書で説明する主題の様々な実施形態を詳細に参照し、その例を添付した図面に例示する。可能な限りにおいて、同一または類似の部分を参照するために、図面全体を通して同一の参照番号が使用される。
【0026】
図1は、5Gシステムネットワークアーキテクチャ、たとえば、ホーム5Gコア(5GC)ネットワークの一例を示すブロック図である。図1のアーキテクチャは、同じホーム公衆陸上移動体通信網(public land mobile network:PLMN)に位置し得るNRF100およびSCP101を含む。上述したように、NRF100は、利用可能なプロデューサNFサービスインスタンスのプロファイルおよびそれらのサポートされたサービスを維持し、コンシューマNFまたはSCPが新規の/更新されたプロデューサNFサービスインスタンスに加入し、かつその登録を通知されるようにし得る。SCP101はまた、NFインスタンスのサービスディスカバリおよび選択をサポートし得る。SCP101は、コンシューマNFとプロデューサNFとの間の接続の負荷分散を実行し得る。加えて、本明細書に記載されている方法を用いて、SCP101は、好ましいNFロケーションに基づく選択とルーティングを実行し得る。
【0027】
NRF100は、NFまたはNFインスタンスのサービスプロファイルのリポジトリである。NFインスタンスと通信するためには、コンシューマNFまたはSCPは、NRF100からNFサービスプロファイルまたはNFインスタンスを取得しなければならない。NFまたはサービスプロファイルは、3GPP TS(technical specification)29.510で定義されるJSON(JavaScript(登録商標) object notation)データ構造である。NFまたはサービスプロファイルの定義は、FQDN(fully qualified domain name)、IPバージョン4(IPv4)アドレス、またはIPバージョン6(IPv6)アドレスのうちの少なくとも1つを含む。図1では、(NRF100以外の)いずれのノードも、それらがサービスを要求しているか提供しているかに応じて、コンシューマNFまたはプロデューサNFとなり得る。図示した例では、ノードは、ネットワーク内でポリシー関連動作を実行するポリシー制御機能(policy control function:PCF)102と、ユーザデータを管理するユーザデータ管理(user data management:UDM)機能104と、アプリケーションサービスを提供するアプリケーション機能(application function:AF)106とを含む。図1に示すノードは、アクセスおよびモビリティ管理(access and mobility management function:AMF)機能110とPCF102との間のセッションを管理するセッション管理機能(session management function:SMF)108をさらに含む。AMF110は、4Gネットワークにおいてモビリティ管理エンティティ(mobility management entity:MME)によって実行される動作と同様のモビリティ管理動作を実行する。認証サーバ機能(authentication server function:AUSF)112は、ユーザ機器(use equipment:UE)114のようにネットワークへのアクセスを求めるユーザデバイスのための認証サービスを実行する。
【0028】
ネットワークスライス選択機能(network slice selection function:NSSF)116は、ネットワークスライスに関連付けられる特定のネットワーク機能および特性にアクセスしようとするデバイスのためのネットワークスライスサービスを提供する。ネットワーク公開機能(NEF)118は、モノのインターネット(internet of things:IoT)デバイスおよびネットワークに接続された他のUEに関する情報を取得しようとするアプリケーション機能のためのアプリケーションプログラミングインターフェイス(application programming interface:API)を提供する。NEF118は、4Gネットワークにおけるサービス機能公開機能(service capability exposure function:SCEF)と同様の機能を実行する。
【0029】
無線アクセスネットワーク(radio access network:RAN)120は、無線リンクを介してUE114をネットワークに接続する。無線アクセスネットワーク120は、gノードB(gNB)(図1には示さず)または他の無線アクセスポイントを用いてアクセスされ得る。ユーザプレーン機能(use plane function:UPF)122は、ユーザプレーンサービスのための様々なプロキシ機能をサポート可能である。そのようなプロキシ機能の一例は、マルチパス送信制御プロトコル(multipath transmission control protocol:MPTCP)プロキシ機能である。UPF122はまた、ネットワーク性能測定値を取得するためにUE114によって用いられ得る性能測定機能もサポートし得る。また、図1には、インターネットサービスなどのデータネットワークサービスにUEがアクセスするデータネットワーク(data network:DN)124も示されている。
【0030】
セキュリティエッジ保護プロキシ(SEPP)126は、別のPLMNからの着信トラフィックをフィルタリングし、ホームPLMNから出るトラフィックに対してトポロジ隠蔽を実行する。SEPP126は、外部PLMNについてのセキュリティを管理する外部PLMN内のSEPPと通信してもよい。したがって、異なるPLMN内のNF同士の間のトラフィックは、ホームPLMN用のものと外部PLMN用の別のものという2つのSEPP機能を横断してもよい。
【0031】
SEPP126は、N32-cインターフェイスおよびN32-fインターフェイスを利用してもよい。N32-cインターフェイスは、初期ハンドシェイク(たとえば、TLSハンドシェイク)を実行すること、およびN32-fインターフェイス接続および関連するメッセージ転送のための様々なパラメータをネゴシエートすることのために使用可能な2つのSEPP間のコントロールプレーンインターフェイスである。N32-fインターフェイスは、アプリケーションレベルのセキュリティ保護を適用した後に、コンシューマNFとプロデューサNFと間の様々な通信(たとえば、5GC要求)を転送に使用可能である2つのSEPP間の転送インターフェイスである。
【0032】
図2は、通信ネットワークにおいて実行されるホップ数を制限するためのネットワークノードの一例を示す図である。たとえば、例示的なHTTPプロキシ要素200は、通信されたSBIメッセージ(すなわち、1以上のSBIパケット)のホップ数の制限を容易にすることに関連する様々な態様を実現するために適した1または複数のエンティティ(たとえば、1以上のノード、デバイス、サーバ、またはコンピューティングプラットフォーム)を表すものである。いくつかの実施形態において、HTTPプロキシ要素200は、サービス通信プロキシ(service communication proxy:SCP)、またはセキュリティエッジ保護プロキシ(SEPP)といった1以上のネットワークエレメントを表すか、または含むことができる。たとえば、HTTPプロキシ要素200は、認証サーバ、ネットワークゲートウェイ、ネットワークプロキシ、エッジセキュリティデバイス、エクスポージャー機能、または他の機能を表すか、または含んでもよい。
【0033】
図2を参照して、HTTPプロキシ要素200は、通信環境(たとえば、1以上の5Gまたは4Gネットワーク)を介してメッセージを通信するための1以上の通信インターフェイス202を含む。たとえば、1以上の通信インターフェイス202は、ホームネットワーク(たとえば、ホーム公衆陸上移動体通信網(H-PLMN))、他の訪問先のネットワーク(たとえば、訪問先公衆陸上移動体通信網(V-PLMN))、および/または他の地理的領域に存在する他のHTTPプロキシサーバといった様々なネットワークエンティティと通信するための1以上の通信インターフェイスを含み得る。
【0034】
いくつかの実施形態において、HTTPプロキシ要素200は、ホップ管理モジュール(HMM)204を含み得る。HMM204は、SBIメッセージが他のHTTPプロキシサーバに転送され得るホップ数を制限することの管理および実行に関連する1以上の態様を実行するための好ましいエンティティ(たとえば、メモリに記憶され、少なくとも1以上のプロセッサにより実行されるソフトウェア)であってよい。
【0035】
開示される主題を説明する前に、HTTPプロキシサーバによって実行される一般的なネットワークフロープロセスの流れを説明する。たとえば、図3は、通常の状態においてSBIメッセージを他のHTTPプロキシサーバに転送するHTTPプロキシサーバを示すブロック図である。特に、図3は、HTTPプロキシサーバ311~313を介して相互接続される複数の領域301~303を示す。いくつかの実施形態では、領域301~303は、地理的領域、PLMNなどを備えることができる。さらに、HTTPプロキシサーバ311~313は、SCP、SEP、または他の同様のプロキシ要素を含む。一例において、領域301(たとえば「領域A」)に位置するコンシューマNF304は、ネットワークサービスの処理を要求するために、1以上のプロデューサNF310(たとえば、プロデューサNF1~N)への接続を試みる。1以上のプロデューサNF310と通信するコンシューマNFの最初の試みが失敗する場合には、ローカルHTTPプロキシサーバ311は別の地域に配置された指定されたプロデューサNFを配置する必要があり得る。たとえば、コンシューマNF304が直近のHTTPプロキシサーバ311(たとえば、SEP)に接続される場合、HTTPプロキシサーバ311は初めに領域301のローカルプロデューサNF310(すなわち、プロデューサNF1~N)への接続を試みる。
【0036】
これらのプロデューサNFに接続することができない場合(たとえば、プロデューサNFが無効である場合や利用できない場合)、HTTPプロキシサーバ311は、HTTPプロキシサーバ312を介して領域302のプロデューサNFとの通信を試みる。具体的には、HTTPプロキシ311は、初めに、ヘッダに「1」に設定されたHop-Counterの値を含むSBIメッセージをHTTPプロキシサーバ312に転送する。SBIメッセージを受信すると、HTTPプロキシサーバ312は、SBIメッセージヘッダ内のHop-Counterの値を1インクリメント増加させる(たとえば、図3に示されるようにHop-Counterは「2」へと増加される)。続いて、HTTPプロキシサーバ312は、ローカル領域302の1以上のプロデューサNF320(たとえばNF1~M)への接続を試みる。HTTPプロキシサーバ312が領域302のプロデューサNFに接続できない場合、SBIメッセージはHTTPプロキシサーバ312によって領域303のHTTPプロキシサーバ313に転送される。同様に、HTTPプロキシサーバ313は、SBIメッセージを受信すると、要求メッセージヘッダ内のHop-Counterの値を1増やす(たとえば、値を「2」から「3」に増加させる)。注目すべきことに、HTTPプロキシサーバは、現在、NFコンシューマにサービスを提供できるプロデューサNFが位置決めされるまで、SBIメッセージを他のHTTPプロキシサーバに継続的に転送するように構成されている。
【0037】
特に、SBIメッセージが通過できるHTTPプロキシサーバの数に制限はない。3GPP仕様では、不要なネットワークトラフィックの生成とルーティングの制御を支援するために、特定のタイマ(たとえば、3GPP-SBI-Max-Rsp-Timeおよび3GPP-SBI-Sender-Timestamp)を定義しているものの、これらのメカニズムは、要求および/または応答メッセージが到達すべき時間の長さを制御するだけである。SBIメッセージは実際には第1のいくつかの初期HTTPプロキシサーバによって処理されている間に時間切れとなっているかもしれないが、HTTPプロキシサーバの既存のチェーンが存在している間、要求は不必要に転送され続け得る。より具体的には、異なるHTTPプロキシサーバにSBIメッセージを転送するこの処理は、メッセージが失効したことをタイムスタンプが計測した後でさえも継続することができる。
【0038】
現時点では、1以上の時間切れメカニズムが時間切れまたは経過した後のホップ数を制限する3GPPまたは別の方法により定義されているメカニズムはない。したがって、そのような構成ではSBIの要求がかなり前に時間切れとなっているにも関わらず、HTTPプロキシサーバ間で不必要なネットワークトラフィックが生成される場合がある。
【0039】
そのような場合には、3GPPで定義されたHTTPプロキシサーバは、代替のプロデューサNFへの代替経路を特定することが求められ、HTTPプロキシサーバのチェーンが終了すること、またはHTTPプロキシサーバで3GPP-SBI-Max-Rsp-Timeおよび3GPP-SBI-Sender-Timestampヘッダの検証が失敗することのいずれか早い方まで、無制限に試行し続けるように構成されているため、この状況は重大な問題に発展する。
【0040】
5Gネットワークの出現により、より迅速に意思決定を行う必要性がますます高まっている。図4は、本明細書で説明される主題の一実施形態に従って、指定された条件下でSBIメッセージを他のHTTPプロキシサーバに転送することができるHMM(上記および図2を参照)を用いて構成されたHTTPプロキシサーバを示すブロック図である。上記に示されるように、開示される主題は、基礎となるHTTPプロトコルのパケットヘッダを利用して、複数のサービス地域(たとえば、PLMNおよび/または別々の国々)にそれぞれ位置するHTTPプロキシサーバ間でSBIメッセージの通信に用いられるホップ数を制限するためのメカニズムを含む。他の実施形態では、開示された主題は、HTTPプロキシサーバ間での通信に用いられるホップ数を制限するためにカスタムヘッダを利用することができる。しかしながら、カスタムヘッダ(たとえば、「X-number-of-hops」)の利用は、いくつかのネットワークエンティティが特定のカスタムヘッダを認識または解析するように構成されていない可能性があるので、課題を提起し得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、コンシューマNFは、SBIメッセージが生成および/または開始されるときに最大ホップ数を指定することができる。たとえば、最大ホップ数を示す閾値をコンシューマNFによりSBIメッセージのヘッダで指定することができる。より具体的には、閾値は、サポートするHTTPプロキシサーバが準拠しなければならない最大ホップ数を指定することができる。したがって、SBIメッセージがHTTPプロキシサーバに到達するたびに、そのHTTPプロキシは、現在指定/指示されている最大ホップ数を1つ減少させるまたは差し引きするように構成される。たとえば、最大ホップ数が「2」に設定されている場合、最大で2つのHTTPプロキシサーバがSBIメッセージを他のプロキシサーバに中継することができる。ヘッダセクションの最大ホップ数がゼロになった場合、受信したHTTPプロキシサーバはSBIメッセージをドロップする(すなわち、転送を中止する)。いくつかの実施形態では、HTTPプロキシサーバは、時間切れエラーまたはサービス再試行を示すエラーメッセージを生成するように構成される。エラーメッセージはその後、SBIメッセージを開始した元のコンシューマNFに送信され得る。
【0042】
図4を参照して、ネットワーク管理者は、コンシューマNF404を起点とするSBIメッセージの最大ホップ数を「2」と指定することができる。たとえば、コンシューマNF404は、設定により、または所定値によって、SBIメッセージのヘッダ内の「Max-Number-of-Hops」の値を特定の値(たとえば「2」)に設定することができる。その後、コンシューマNF404は、コンシューマNF404に要求ネットワークサービスを提供するために、プロデューサNFを位置決めするように構成されたHTTPプロキシサーバ411にSBIメッセージを開始し送信することができる。
【0043】
利用可能なプロデューサNF410(たとえば、プロデューサNF1~Nのうちの1つ)が利用不能である場合、および/または識別/発見できない場合、HTTPプロキシサーバ411は、隣接する領域402に位置するHTTPプロキシサーバ412にSBIメッセージを転送するように構成される。具体的には、HTTPプロキシサーバ411(および/またはHMM)は、先ず、SBIメッセージのヘッダを検査しMax-Number-of-Hopsの値を決定するように構成される。ヘッダ内の最大ホップ数の値が「0」に設定されている場合、HTTPプロキシサーバ411は、SBIメッセージをドロップする。しかしながら、図4で示した例においては、最大ホップ数の値は「2」であると決定される。SBIメッセージのヘッダの最大ホップ数の値がゼロでないと判定された後、HTTPプロキシサーバ411は、Max-Number-of-Hopsの値を1つ減らす(たとえば、値「2」を「1」に減らす)ように構成される。その後、HTTPプロキシサーバ411は、SBIメッセージをHTTPプロキシサーバ412に送信する。注目すべきことに、中間のHTTPプロキシサーバは、(以下に説明されるように)SBIメッセージを次のエンティティに転送する際に、値を「1」減らすことができる。
【0044】
更新されたSBIメッセージを受信した後、HTTPプロキシサーバ412は、領域402のプロデューサNF420(たとえば、プロデューサNF1~M)の中から利用可能なプロデューサNFを位置決めするように構成される。領域402においてプロデューサNFが見つからない(または利用可能でない)場合、HTTPプロキシサーバ412は、領域403のHTTPプロキシサーバ413にSBIメッセージを転送するように構成される。特に、HTTPプロキシサーバ412は、Max-Number-of-Hopsの値を決定するために、SBIメッセージのヘッダセクションを解析/検査するように構成される。ヘッダの最大ホップ数の値が「0」に設定されている場合、HTTPプロキシサーバ412は、SBIメッセージをドロップするように構成される。しかしながら、図4に示す例では、最大ホップ数の値はHTTPプロキシサーバ412によって「1」に設定されるように決定される。SBIメッセージのヘッダの最大ホップ数の値がゼロでないと判定された後、HTTPプロキシサーバ412は、Max-Number-of-Hopsの値を1減らす(たとえば値「1」を「0」に減らす)ように構成される。その後、HTTPプロキシサーバ412は、領域403のHTTPプロキシサーバ413にSBIメッセージを送信する。
【0045】
HTTPプロキシサーバ412から更新されたSBIメッセージを受信した後に、HTTPプロキシサーバ413は、領域403のプロデューサNF430(たとえば、プロデューサNF1~K)の中から利用可能なプロデューサNFを位置決めするように構成される。領域403においてプロデューサNFが見つからない(または利用可能でない)場合、HTTPプロキシサーバ413は、別の領域のさらに別のHTTPプロキシサーバにSBIメッセージを転送するように構成される。このように、HTTPプロキシサーバ413は、Max-Number-of-Hopsの値を決定するために、SBIメッセージのヘッダセクションを解析/検査するように構成される。この例では、HTTPプロキシサーバ413は、SBIメッセージのヘッダの最大ホップ数の値が「0」に設定されていることを判定する。これに応答して、HTTPプロキシサーバ413は、転送処理を中止し、SBIメッセージをドロップするように構成される。さらにHTTPプロキシサーバ413はエラーメッセージを送信し、および/またはメッセージを元の送信コンシューマNFに送信する(fail the message back)ように構成され得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、SCPおよびSEPPといった5Gプロキシサーバが、プロデューサNFから失敗応答を受信したことに応じて、ルーティングを代替することを試みているときに、Max-Number-of-Hopsのカウントは、SBIメッセージが受けることができる再試行数および再ルーティング数を低減するのに役立つ。いくつかの実施形態では、HTTPプロキシサーバは、何らかの理由で値が増加することが正当化されるとHTTPプロキシサーバがみなす場合、Max-Number-of-Hopsの値をより高い値に修正するように構成するしてもよい。
【0047】
図5は、本明細書に記載される主題の一実施形態による、アクセストークン検証のための鍵IDおよび公開証明書データを共有するための例示的なプロセスを示すフローチャートである。いくつかの実施形態において、図5に示される処理500は、プロセッサによって実行されたときにステップ502~510に記載されているステップを実行する、メモリに格納されているアルゴリズム、プログラム、またはスクリプト(たとえば、図2に示されているようなホップ管理モジュール)である。いくつかの実施形態において、方法500は、HTTPプロキシ要素および/またはホップ管理モジュール(HMM)のステートマシン(たとえば、ソフトウェアコードプログラミングを介してまたはルールのセットを介して)および/またはロジックにおいて具体化されるステップ(またはステップの変更)のリストを表す。
【0048】
ステップ502において、第1ネットワーク領域のHTTPプロキシ要素によって、最大ホップ数の値を指定するヘッダセクションを含むサービス要求メッセージを受信する。いくつかの実施形態では、HTTPプロキシサーバは、最大ホップ数の値を指定するヘッダセクションを含むSBIメッセージをコンシューマNFから受信する。
【0049】
ステップ504において、サービス要求メッセージにおいて要求されたネットワークサービスを提供するために、第1ネットワーク領域においてプロデューサネットワーク機能(NF)を検索する。いくつかの実施形態では、HTTPプロキシサーバは、コンシューマNFの要求されたネットワークサービスを提供するためにローカル領域内のプロデューサNFを位置決めすることを試みる。
【0050】
ステップ506において、HTTPプロキシ要素が第1ネットワーク領域でプロデューサNFを位置決めすることができない場合、サービス要求メッセージのヘッダセクションの最大ホップ数の値を決定する。いくつかの実施形態では、HTTPプロキシサーバは、要求されたサービスをコンシューマNFに提供するためのプロデューサNFを位置決めすることができない。そのような場合に、HTTPプロキシサーバは、サービス要求メッセージを、第1ネットワーク領域から地理的に分離された第2ネットワーク領域に位置する別のHTTPプロキシサーバに転送するように構成される。
【0051】
ステップ508において、HTTPプロキシ要素が、ヘッダセクションの最大ホップ数の値がゼロより大きいと決定する場合、サービス要求メッセージのヘッダセクション中の最大ホップ数の値を1つ減らし、更新されたホップ数の最大値を取得する。いくつかの実施形態では、HTTPプロキシサーバは、サービス要求メッセージのヘッダセクションに含まれる最大ホップ数の値がゼロより大きいと決定する。そのような場合に、HTTPプロキシサーバは、ヘッダセクションの最大ホップ数の値を1つ減らす。HTTPプロキシサーバが、サービス要求メッセージのヘッダセクションに含まれる最大ホップ数の値がゼロであると判断した場合、HTTPプロキシサーバは、メッセージをドロップし、および/またはサービス要求を行った元のコンシューマNFにエラーメッセージを送信する。
【0052】
ステップ510において、更新されたホップ数の最大値を含むサービス要求メッセージを、第2ネットワーク領域に位置する第2のHTTPプロキシ装置に向ける。いくつかの実施形態では、HTTPプロキシサーバは、更新されたホップ数の最大値を含むサービス要求メッセージを、処理のために第2ネットワーク領域にある第2のHTTPプロキシサーバに転送するように構成される。
【0053】
本明細書で説明するHMMおよび/または機能性は、特別な目的のコンピューティングデバイスを構成するか、または特別な目的のコンピューティングデバイスによって促進され得ることに留意すべきである。さらに、本明細書で説明するHNNおよび/または機能性は、パケットヘッダ内の最大ホップ数のカウンタ値を実装することにより、SBI関連ネットワークトラフィックを管理する技術分野を改善することができる。同様のことを実装することにより、HTTPプロキシサーバにおける意思決定時間が短縮され、それによってネットワークとリソースの利用が改善される。
【0054】
以下の各文献の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0055】
参考文献
1. 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Core Network and Terminals; 5G System; Network Function Repository Services; Stage 3 (Release 17) 3GPP TS 29.510 V17.3.0 (2021-09)
2. 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; Technical Realization of Service Based Architecture; Stage 3 (Release 16) 3GPP TS 29.500 V16.5.0 (2020-11)
本開示の主題の様々な詳細は、本開示の主題の範囲から逸脱することなく変更され得ることが理解されよう。さらに、前述の説明は、例示のみを目的としており、限定を目的としていない。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-06-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークにおいて実行されるホップ数を制限するための方法であって、
第1ネットワーク領域のハイパーテキストトランスファプロトコル(HTTP)プロキシ要素によって、ホップ数の最大値を指定するヘッダセクションを含むサービス要求メッセージを受け付けることと、
前記サービス要求メッセージにおいて要求されるネットワークサービスを提供するために、前記第1ネットワーク領域においてプロデューサNFの探索を実施することと、
前記HTTPプロキシ要素が前記第1ネットワーク領域において前記プロデューサNFを位置決めすることができない場合に、前記サービス要求メッセージの前記ヘッダセクションの前記ホップ数の最大値を決定することと、
前記HTTPプロキシ要素が前記ヘッダセクションの前記ホップ数の最大値が0より大きいことを決定する場合に、前記サービス要求メッセージの前記ヘッダセクションの前記ホップ数の最大値から1を引いて更新されたホップ数の最大値を取得することと、
前記更新されたホップ数の最大値を含む前記サービス要求メッセージを第2ネットワーク領域に位置する第2のHTTPプロキシ要素に向けることと、を含む方法。
【請求項2】
前記サービス要求メッセージは、SBIメッセージである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ホップ数の最大値は、コンシューマNFによって前記サービス要求メッセージで最初に確立される、または所定のデフォルト値を介して確立される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記サービス要求メッセージの前記ヘッダセクションの前記ホップ数の最大値が0であると決定された場合に、前記サービス要求メッセージは前記第2ネットワーク領域の前記第2のHTTPプロキシ要素に送られることが妨げられる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記HTTPプロキシ要素は、セキュリティエッジ保護プロキシ(SEPP)、またはサービス通信プロキシ(SCP)である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記HTTPプロキシ要素は、前記ヘッダセクションの前記ホップ数の最大値、または前記ヘッダセクションの前記更新されたホップ数の最大値を増加させるように構成される請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
前記第1ネットワーク領域および前記第2ネットワーク領域の各々は、地理的に定められた領域である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを含むハイパーテキストトランスファプロトコル(HTTP)プロキシ要素と、
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるホップ管理モジュール(HMM)とを備え、
前記ホップ管理モジュールは、
第1ネットワーク領域のHTTPプロキシ要素によって、ホップ数の最大値を指定するヘッダセクションを含むサービス要求メッセージを受け付け、
前記サービス要求メッセージにおいて要求されるネットワークサービスを提供するために、前記第1ネットワーク領域においてプロデューサNFの探索を実施し、
前記HTTPプロキシ要素が前記第1ネットワーク領域において前記プロデューサNFを位置決めることができない場合に、前記サービス要求メッセージの前記ヘッダセクションの前記ホップ数の最大値を決定し、
前記HTTPプロキシ要素が前記ヘッダセクションの前記ホップ数の最大値が0より大きいことを決定する場合に、前記サービス要求メッセージの前記ヘッダセクションの前記ホップ数の最大値から1を引いて更新されたホップ数の最大値を取得し、
前記更新されたホップ数の最大値を含む前記サービス要求メッセージを第2ネットワーク領域に位置する第2のHTTPプロキシ要素に向ける、システム。
【請求項9】
前記サービス要求メッセージは、SBIメッセージである、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ホップ数の最大値は、コンシューマNFによって前記サービス要求メッセージで最初に確立される、または所定のデフォルト値を介して確立される、請求項8または9に記載のシステム。
【請求項11】
前記サービス要求メッセージの前記ヘッダセクションの前記ホップ数の最大値が0であると決定された場合に、前記サービス要求メッセージは前記第2ネットワーク領域の前記第2のHTTPプロキシ要素に送られることが妨げられる、請求項8または9に記載のシステム。
【請求項12】
前記HTTPプロキシ要素は、セキュリティエッジ保護プロキシ(SEPP)、またはサービス通信プロキシ(SCP)である、請求項8または9に記載のシステム。
【請求項13】
前記HTTPプロキシ要素は、前記ヘッダセクションの前記ホップ数の最大値、または前記ヘッダセクションの前記更新されたホップ数の最大値を増加させるように構成される請求項8または9に記載のシステム
【請求項14】
前記第1ネットワーク領域および前記第2ネットワーク領域の各々は、地理的に定められた領域である、請求項8または9に記載のシステム。
【請求項15】
請求項1または2に記載の方法をコンピュータに実行させるための、プログラム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本明細書で説明する方法の他の態様によれば、HTTPプロキシ装置は、セキュリティエッジ保護プロキシ(security edge protection proxy:SEPP)、またはサービス通信プロキシ(service communication proxy:SCP)である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
本明細書で説明するシステムの別の態様によれば、HTTPプロキシ装置は、セキュリティエッジ保護プロキシ(SEPP)、またはサービス通信プロキシ(SCP)である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
NRF100は、NFまたはNFインスタンスのサービスプロファイルのリポジトリである。NFインスタンスと通信するためには、コンシューマNFまたはSCPは、NRF100からNFサービスプロファイルまたはNFインスタンスを取得しなければならない。NFまたはサービスプロファイルは、3GPP TS(technical specification)29.510で定義されるJSON(JavaScript(登録商標) object notation)データ構造である。NFまたはサービスプロファイルの定義は、FQDN(fully qualified domain name)、IPバージョン4(IPv4)アドレス、またはIPバージョン6(IPv6)アドレスのうちの少なくとも1つを含む。図1では、(NRF100以外の)いずれのノードも、それらがサービスを要求しているか提供しているかに応じて、コンシューマNFまたはプロデューサNFとなり得る。図示した例では、ノードは、ネットワーク内でポリシー関連動作を実行するポリシー制御機能(policy control function:PCF)102と、ユーザデータを管理する一元データ管理(unified data management:UDM)機能104と、アプリケーションサービスを提供するアプリケーション機能(application function:AF)106とを含む。図1に示すノードは、アクセスおよびモビリティ管理(access and mobility management function:AMF)機能110とPCF102との間のセッションを管理するセッション管理機能(session management function:SMF)108をさらに含む。AMF110は、4Gネットワークにおいてモビリティ管理エンティティ(mobility management entity:MME)によって実行される動作と同様のモビリティ管理動作を実行する。認証サーバ機能(authentication server function:AUSF)112は、ユーザ機器(use equipment:UE)114のようにネットワークへのアクセスを求めるユーザデバイスのための認証サービスを実行する。
【国際調査報告】