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特表2024-543503磁気アセンブリを備えた磁気共鳴撮像装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】磁気アセンブリを備えた磁気共鳴撮像装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
A61B5/055 331
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529110
(86)(22)【出願日】2022-12-08
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 EP2022084933
(87)【国際公開番号】W WO2023104948
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】2113329
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524160981
【氏名又は名称】マルチウェーブ テクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャンフランコ アンディア ヴェラ
(72)【発明者】
【氏名】クロエ カボン
(72)【発明者】
【氏名】フォアド フェザーリ
(72)【発明者】
【氏名】ジャメル ベラホウ
(72)【発明者】
【氏名】マルク デュボワ
(72)【発明者】
【氏名】トリフォン アントナカキス
【テーマコード(参考)】
4C096
【Fターム(参考)】
4C096AB32
4C096AD08
4C096CA06
4C096CA15
(57)【要約】
本発明は、撮像装置(1)に関し、当該撮像装置(1)は、少なくとも1つの第1のモジュール(36)であって、第1のモジュールは、その一面上に、磁気アセンブリ(1A)の主ハウジング(16)の分析ゾーン(22)内に主磁場を印加するように意図された磁気アセンブリ(1A)が載置されるプレート(39)が設けられたトロリー(38)を備え、トロリー(38)が、上縁と指定されるそれらの縁のうちの1つを介してプレート(39)を支持する2つの側壁(40,41)をさらに備える、少なくとも第1のモジュール(36)と、電子制御要素のセットを支持する実質的に平行六面体形状の第2のモジュール(37)であって、コンソールが特にトロリー(38)の側壁間に挿入されるように構成されている、第2のモジュール(37)と、を備え、コンソール及び第1のモジュールは、コンソールによって、第1のモジュールの磁気アセンブリ(1A)の幾何学的特徴及び磁気的特徴を識別する手段を備え、識別する手段は、接続手段に組み込まれている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの第1のモジュール(36)であって、前記少なくとも1つの第1のモジュールの各第1のモジュールは、上面と呼ばれる本体上に磁気アセンブリ(1A)が載置されるプレート(39)が設けられたトロリー(38)を備え、前記磁気アセンブリ(1A)は、前記磁気アセンブリ(1A)の主ハウジング(16)の分析ゾーン(22)内に主磁場を印加するように意図され、前記トロリー(38)は、上縁部と呼ばれる縁部の一方によって前記プレート(39)を支持する2つの側壁(40、41)をさらに備える、少なくとも1つの第1のモジュール(36)と、
装置の電子制御要素のセットを支持する本質的に平行六面体のコンソールが設けられた第2のモジュール(37)であって、前記コンソールは、特に、摺動接続によって、前記少なくとも1つの第1のモジュールのうちの各第1のモジュールの前記トロリー(38)の前記側壁の間に挿入されるように構成されている、第2のモジュール(37)と、を備え、
前記コンソールのモジュールと前記少なくとも第1のモジュールとの両方が、前記コンソールによって、前記第1のモジュールの前記磁気アセンブリ(1A)の幾何学的特徴及び磁気的特徴を識別するための手段を備え、前記識別手段が、前記コンソール及び前記第1のモジュールの接続手段に組み込まれている、磁気共鳴撮像装置(1)。
【請求項2】
前記磁気アセンブリ(1A)は、
支持開口部(12)と呼ばれる開口部を画定する環状セクション(11)をそれぞれ有する複数の支持プレート(10)であって、前記支持プレート(10)は、主軸に沿って位置合わせされた前記支持開口部が略円筒形状の主ハウジング(16)を画定するように、前記主軸に沿って位置合わせ手段によって一緒に組み立てられ、各支持プレート(10)は、前記主軸の周りの少なくとも1つの環状ハルバッハ配列に従って前記環状セクション(11)に設けられた第1のハウジング(14)に収容された第1の複数の永久磁石(13)をさらに備え、前記第1の複数の磁石の磁石セットは、第1の均一性を有する前記主ハウジング(16)の分析ゾーン(22)と呼ばれるゾーン内に一次磁場を生成する、複数の支持プレート(10)と、
前記環状セクションと同軸に組み立てられ、前記支持プレート(10)と一体化された複数の環状部分(19)であって、各環状部分は、前記環状部分に設けられた第2の凹部(20)に収容された第2の複数の磁石を備え、環状部分(19)のセットは、前記分析ゾーン(22)において二次磁場を生成するように配置され、前記分析ゾーン(22)における主磁場と呼ばれる前記一次磁場と前記二次磁場との合成磁場が、前記第1の均一性に対して第2の改善された均一性を有する、複数の環状部分(19)と、を備える、請求項1に記載の撮像装置(1)。
【請求項3】
前記磁気アセンブリ(1A)は、2つの二次部分(3、4)の間に挿入された主部分(2)であって、前記主部分(2)は、主支持プレート(11A)と呼ばれる支持プレート(10)から形成される、主部分(2)と、二次支持プレート(11B)と呼ばれる支持プレートから形成される二次部分(3、4)の一方及び他方と、を備え、第1の開口部と呼ばれる主支持プレート(11A)の開口部は、第1の直径を有し、第2の開口部と呼ばれる二次支持プレート(11B)の開口部は、第1の直径よりも小さい第2の直径を有する、請求項2に記載の撮像装置(1)。
【請求項4】
前記支持プレート(10)は、非磁性材料を含み、有利には、非磁性材料は、アルミニウム又はプラスチック材料、例えばPMMAプレキシガラスを含む、請求項2又は3に記載の撮像装置(1)。
【請求項5】
前記位置合わせ手段は、前記主軸に本質的に平行であり、ここでは互いに前記支持プレート(10)に堅固に接続されるねじ山付きロッド(15)を備える、請求項2から4のいずれか一項に記載の撮像装置(1)。
【請求項6】
各支持プレート(10)は、把持手段によって2つのカバープレート(17)の間に囲まれ、前記2つのカバープレート(17)は、考慮されている前記支持プレート(10)の前記第1の凹部内に前記第1の複数の磁石の前記磁石を保持するように構成され、前記把持手段は、有利には、前記ねじ山付きロッド(15)と協働するナット(18)を備える、請求項5に記載の撮像装置(1)。
【請求項7】
各支持プレート(10)は、位置合わせ開口部と呼ばれる開口部を備え、それにより、前記磁気アセンブリ(1A)は、前記位置合わせ開口部によって形成された正方形又は長方形の断面の少なくとも1つの位置合わせ通路を備え、前記位置合わせ通路は前記主軸に平行に延在し、前記磁気アセンブリ(1A)は、前記位置合わせ通路を通過し、前記通路の断面に従った形状を有する少なくとも1つの位置合わせ管(50)をさらに備え、前記少なくとも1つの位置合わせ管(50)は、前記磁気アセンブリ(1A)を前記トロリー(38)に固定するように意図されている、請求項6に記載の撮像装置(1)。
【請求項8】
各支持プレート(10)は、接触面によって互いに対して組み立てられた第1のプレート(25)及び第2のプレート(26)を備え、前記第1の凹部(14)はそれぞれ、前記第1のプレート(25)及び前記第2のプレート(26)の一方及び/又は他方の前記接触面から形成された2つの空洞を備える、請求項2から4のいずれか一項に記載の撮像装置(1)。
【請求項9】
前記位置合わせ手段は、位置合わせノッチ(28)が設けられた少なくとも1つのレール(27)を備え、各位置合わせノッチは、支持プレート(10)を保持し、前記ノッチは、2つの隣接する支持プレート(10)内に所定の間隔を維持するように構成される、請求項8に記載の撮像装置(1)。
【請求項10】
前記位置合わせ手段は、内面に溝(32)が形成された円筒部分を形成するクレードル(31)が載置されたベース(30)を備える位置合わせ要素を備え、前記支持プレート(10)の各々は、それに固有の溝内に保持される、請求項8に記載の撮像装置(1)。
【請求項11】
各支持プレート(10)は、環状セクション(11)に対して半径方向に延在し、前記支持プレート(10)を保持する前記溝の底部に形成された空洞に挿入される外側舌部を備える、請求項10に記載の撮像装置(1)。
【請求項12】
前記環状部分(19)は、ねじ山付きロッド(15)と呼ばれるねじ山付きロッド(15)によって、前記複数の支持プレート(10)と共に保持される、請求項2から11のいずれか一項に記載の撮像装置(1)。
【請求項13】
前記支持プレート(10)は、内部タブ又は外部タブを備え、1つ又はいくつかの永久磁石を収容することができるハウジングが形成される、請求項2から12のいずれか一項に記載の撮像装置(1)。
【請求項14】
前記環状部分(19)は、前記主ハウジング(16)内に配置される、請求項2から13のいずれか一項に記載の撮像装置(1)。
【請求項15】
前記環状部分(19)は、前記主ハウジング(16)の外側に配置され、各環状部分は、2つの支持プレート(10)の間に挿入される、請求項2から13のいずれか一項に記載の撮像装置(1)。
【請求項16】
前記磁気アセンブリ(1A)は、前記主ハウジング(16)内に配置され、前記磁気アセンブリ(1A)と機械的に一体化された無線周波数コイル(34)及び傾斜磁場コイル(33)をさらに備える、請求項1から15のいずれか一項に記載の撮像装置(1)。
【請求項17】
前記無線周波数コイル及び前記傾斜磁場コイルは取り外し可能である、請求項16に記載の撮像装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴撮像の分野に関する。より詳細には、本発明は、磁気共鳴撮像装置に関し、特に、分析ゾーンに主磁場を印加することができる磁気アセンブリが設けられた磁気共鳴撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴撮像(Magnetic Resonance Imaging、MRI)は、身体、特に人体の内部を非侵襲的に撮像するために現在広く使用されている。特に、磁気共鳴撮像は、身体の一部を形成する水分子の水素原子核、特にそれらの核スピンを調べることを可能にする。
【0003】
この点に関して、MRI装置は、身体に静磁場(「主磁場」と呼ばれる)を印加するように意図された磁石を備え、静磁場の影響下で、この身体の一部を形成する水分子に含まれる水素原子核に関連する核スピンが偏極する。
【0004】
特に、これらのスピンに関連する磁気モーメントは、身体の磁化を生成するように主磁場の向きによって決定されるz軸と呼ばれる軸に沿って優先的に位置合わせされる。
【0005】
MRI装置はまた、電流が印加されたときに小振幅で空間的に変化する磁場を生成するように構成された傾斜磁場コイルを備える。より詳細には、傾斜磁場コイルは、主磁場に平行に位置合わせされ、軸x、y又はz(軸x、y及びzの各対は垂直である)のうちの1つに沿った位置と共に振幅が線形に変化する磁場成分を生成するように設計される。
【0006】
したがって、傾斜磁場コイルによって与えられる磁場の組み合わされた効果は、プローブされることが意図される身体の位置の各々を空間的にエンコードすることを可能にする。
【0007】
MRI装置はまた、無線周波数(radiofrequency、RF)受信機送信機として機能するように意図された少なくとも1つのRFコイルを備える。特に、少なくとも1つの無線周波数コイルは、水素原子核スピンの共鳴周波数に等しいか又はそれに近い周波数であって、これらの原子核によって少なくとも部分的に吸収される周波数のRFエネルギーパルスを放出するように構成される。
【0008】
RF放出が中断されるとすぐに、核スピンは、それらの初期エネルギー状態に戻るために緩和し、次に、少なくとも1つのRFコイルによって収集されることが可能なRF信号を放出する。次いで、このRF信号は、身体の画像を得るために、コンピュータ及び再構成アルゴリズムを使用して処理される。
【0009】
一般的に1.5テスラから3テスラの間に含まれる主磁場は、比較的妥当な信号対雑音比を達成することを可能にし、その結果、十分な品質の人体の画像を1分以上のオーダーの持続時間で形成することを可能にする。
【0010】
しかしながら、そのような強度の主磁場を実現することが不可能な状況がある。可搬型のMRI装置はその一例である。後者は一般に、限られた容量の永久磁石又は電磁石を含み、考慮されるMRI装置の質量又は容積に悪影響を及ぼすことなく、60mTより大きい、又は200mTより大きい強度を有する主磁場を印加することができない。
【0011】
主磁場強度に関するこの制限は、MRI装置の性能に直接影響を及ぼす。したがって、主磁場の均一性の改善は不可欠であり得る。
【0012】
本発明の1つの目的は、身体の様々な部分について得られる画像の品質を低下させることなく、サイズにかかわらず身体の様々な部分の分析を可能にする磁気共鳴撮像装置を提案することである。
【0013】
本発明の目的は、生成される磁場の均一性が従来技術から知られているアセンブリに対して改善される磁気アセンブリが設けられた、低強度の主磁場を有利に実装する磁気共鳴撮像装置を提案することである。
【発明の概要】
【0014】
本発明の目的は、磁気共鳴撮像装置によって達成され、磁気共鳴撮像装置は、
少なくとも1つの第1のモジュールであって、少なくとも1つの第1のモジュールの各第1のモジュールは、上面と呼ばれる面上に磁気アセンブリが載置されるプレートを備えるトロリーを備え、磁気アセンブリは、磁気アセンブリの主凹部の分析ゾーンに主磁場を印加するように意図され、トロリーは、上縁部と呼ばれる縁部のうちの1つによって支持される2つの側壁をさらに備える、少なくとも1つの第1のモジュールと、
装置の電子制御要素のセットを支持する実質的に平行六面体のコンソールが設けられた第2のモジュール(37)であって、
コンソールは、特に、摺動接続によって、少なくとも1つの第1のモジュールのうちの各第1のモジュールのトロリーの側壁の間に挿入されるように構成されている、第2のモジュールと、を備え、
コンソールのモジュールと少なくとも第1のモジュールとの両方が、コンソールによって、第1のモジュールの磁気アセンブリの幾何学的特徴及び磁気的特徴を識別するための手段を備え、識別手段が、コンソール及び第1のモジュールの接続手段に組み込まれている。
【0015】
一実施形態によれば、磁気アセンブリは、
支持開口部と呼ばれる開口部を画定する環状セクションをそれぞれ有する複数の支持プレートであって、支持プレートは、主軸に沿って位置合わせされた支持開口部が略円筒形状の主凹部を画定するように、主軸に沿って位置合わせ手段によって一緒に組み立てられており、各支持プレートは、主軸の周りの少なくとも1つの環状ハルバッハ配列に沿って、環状セクション内に設けられた第1のハウジング内に収容された第1の複数の永久磁石をさらに備え、第1の複数の磁石の磁石のセットは、第1の均一性を呈する主ハウジングの分析ゾーンと呼ばれるゾーン内に一次磁場を生成する、複数の支持プレートと、
環状セクションと同軸に組み立てられ、支持プレートに堅固に接続された複数の環状部分であって、各環状部分は、環状部分に設けられた第2の凹部に収容された第2の複数の磁石を備え、環状部分のセットは、分析ゾーンにおいて主磁場と呼ばれる一次磁場と二次磁場の合成磁場が、第1の均一性に対して第2の改善された均一性を有するように、分析ゾーンにおいて二次磁場を生成するように配置されている、複数の環状部分、を備える。
【0016】
一実施形態によれば、磁気アセンブリは、2つの二次部分の間に挿入された主部分であって、主部分は、主支持プレートと呼ばれる支持プレートから形成される、主部分と、二次支持プレートと呼ばれる支持プレートから形成される両方の二次部分と、を備え、第1の開口部と呼ばれる主支持プレートの開口部は、第1の直径を有し、第2の開口部と呼ばれる二次支持プレートの開口部は、第1の直径よりも小さい第2の直径を有する。
【0017】
一実施形態によれば、支持プレートは非磁性材料を含み、有利には、非磁性材料は、アルミニウム、プラスチック材料、例えばPMMAプレキシガラスを含む。
【0018】
一実施形態によれば、位置合わせ手段は、主軸に本質的に平行であり、ここでは互いに、すなわち支持プレートに固定されたねじ山付きロッドを備える。
【0019】
一実施形態によれば、各支持プレートは、把持手段によって2つのカバープレートの間に囲まれ、2つのカバープレートは、考慮されている支持プレートの第1の空洞内に第1の複数の磁石の磁石を保持するように構成され、把持手段は、有利には、ねじ山付きロッドと協働するナットを備える。
【0020】
一実施形態によれば、各支持プレートは、位置合わせ開口部と呼ばれる開口部を備え、それにより、磁気アセンブリは、位置合わせ開口部によって形成された正方形又は長方形の断面の少なくとも1つの位置合わせ通路を備え、位置合わせ通路は主軸に平行に延び、磁気アセンブリは、位置合わせ通路を通過し、通路の断面に従った形状を有する少なくとも1つの位置合わせ管をさらに備え、少なくとも1つの位置合わせ管は、磁気アセンブリをトロリーに固定するように意図されている。
【0021】
一実施形態によれば、各支持プレートは、接触面によって互いに対して組み立てられた第1のプレート及び第2のプレートを備え、第1の凹部はそれぞれ、第1のプレート及び第2のプレートの一方及び/又は他方の接触面から形成された2つの空洞を備える。
【0022】
一実施形態によれば、位置合わせ手段は、位置合わせノッチが設けられた少なくとも1つのレールを備え、各位置合わせノッチは支持プレートを保持し、ノッチは、2つの隣接する支持プレート内に所定の間隔を維持するように構成される。
【0023】
一実施形態によれば、位置合わせ手段は、内面に溝が形成された円筒部分上のクレードル穴によって覆われたベースを備える位置合わせ要素を備え、支持プレートの各々は、それに固有の溝内に保持される。
【0024】
一実施形態によれば、各支持プレートは、環状セクションに対して半径方向に延在し、支持プレートを保持する溝の底部に形成された空洞に挿入される外側舌部を備える。
【0025】
一実施形態によれば、環状部分は、ねじ山付きロッドと呼ばれるねじ山付きロッドによって、複数の支持プレートと共に保持される。
【0026】
一実施形態によれば、支持プレートは、内部又は外部タブを備え、1つ又はいくつかの永久磁石を収容することができるハウジングが形成される。
【0027】
一実施形態によれば、環状部分は主ハウジング内に配置される。
【0028】
一実施形態によれば、環状部分は主ハウジングの外側に配置され、各環状部分は2つの支持プレートの間に挿入される。
【0029】
一実施形態によれば、磁気アセンブリは、主ハウジング内に配置され、磁気アセンブリと機械的に一体化された無線周波数コイル及び傾斜磁場コイルをさらに備える。
【0030】
一実施形態によれば、無線周波数コイル及び傾斜磁場コイルは取り外し可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照した本発明の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
図1】本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の磁気アセンブリの写真である。
図2】本発明の第1の実施形態の状況において実施可能な支持プレートの写真である。
図3】本発明の第1実施形態の第1変形例に係る磁気アセンブリの主軸を通る切断面に沿った断面図である。
図4】本発明の第1実施形態の第2変形例に係る磁気アセンブリの主軸を通る切断面に沿った断面図である。
図5】[図1]の写真を拡大したものである。
図6】本発明の範囲内で実装することができるピストンの写真である。
図7】本発明の範囲内で実装することができるピストンの写真である。
図8】本発明の第2の実施形態に係る支持プレートの側面図(主面に垂直な図)である。
図9】本発明の第2実施形態に係る第1凹部の切断面に沿った図である。
図10】レールによって形成された位置合わせ手段の斜視図である。
図11】8本のレールによって形成された位置合わせ手段が設けられた磁気アセンブリの主軸AA’に垂直な断面に沿った図である。
図12】クレードルによって形成される位置合わせ手段の斜視図である。
図13】RFコイルと傾斜磁場コイルを備えた磁気アセンブリの図である。
図14】第1モジュール及び第2モジュールの説明図である。
図15】雄プラグと雌プラグの概略図である。
図16】雄プラグ及び雌プラグの別の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、磁気共鳴撮像装置に関し、磁気共鳴撮像装置は、
少なくとも1つの第1のモジュールであって、少なくとも1つの第1のモジュールの各第1のモジュールは、上面と呼ばれる面上に磁気アセンブリが載置されるプレートを備えるトロリーを備え、磁気アセンブリは、磁気アセンブリの主凹部の分析ゾーンに主磁場を印加するように意図され、トロリーは、上縁部と呼ばれる縁部のうちの1つによって支持される2つの側壁をさらに備える、少なくとも1つの第1のモジュールと、
装置の電子制御要素のセットを支持する、本質的に平行六面体のコンソールが設けられた第2のモジュールであって、コンソールは、特に、摺動接続によって、少なくとも1つの第1のモジュールからの各第1のモジュールのトロリーの側壁の間に挿入されるように構成される、第2のモジュールと、を備え、
コンソールのモジュールと少なくとも第1のモジュールとの両方は、コンソールによって、第1のモジュールの磁気アセンブリの幾何学的特徴及び磁気的特徴をコンソールによって識別するための手段を備え、識別手段は、コンソール及び第1のモジュールの接続手段に組み込まれる。
【0033】
磁気アセンブリは、特に、身体に静磁場を印加するように意図され、静磁場の影響下で、この身体を部分的に形成する水分子に含まれる水素原子核に関連する核スピンが偏極する。
【0034】
特に、磁気アセンブリは複数の支持プレートを備え、各支持プレートは、支持開口部と呼ばれる開口部を画定する環状セクションを有する。より詳細には、支持プレートは、主軸に沿って位置合わせ手段によって互いに一体的に組み立てられ、その結果、主軸に沿って位置合わせされた支持開口部は、略円筒形状の主ハウジングを画定する。各支持プレートは、主軸の周りの少なくとも1つの環状ハルバッハ配列に従って、環状セクションに設けられた第1のハウジング内に収容された第1の複数の永久磁石をさらに備える。支持プレートのアセンブリは、特に、第1の均一性を呈する主ハウジングの分析ゾーンと呼ばれるゾーン内に一次磁場を生成するように配置される。
【0035】
磁気アセンブリはまた、環状セクションと同軸に配置され、支持プレートに固定された環状部分を備える。各環状部分は、環状部分に設けられた第2のハウジング内に収容された第2の複数の磁石を備える。この点に関して、環状部分は、分析ゾーン内に二次磁場を生成するように配置され、その結果、分析ゾーン内の主磁場と呼ばれる一次磁場と二次磁場との合成磁場は、第1の均一性に対して改善された第2の均一性を有する。
【0036】
本発明の用語によれば、分析ゾーンは主ハウジングの中央セクションを含むことが理解される。また、分析ゾーンは、環状部分によって形成されたアセンブリの、主軸に沿った両端に位置決めされた環状部分によって少なくとも画定されることも理解される。
【0037】
「磁場の均一性」は、分析ゾーンにおける磁場の空間的変動を意味するものと理解される。本発明によれば、磁場の空間的変動は、特に、分析ゾーンにおいて観察される最大磁場と最小磁場との間の差によって特徴付けることができる。したがって、本発明の原理によれば、この差が小さいほど、均一性が良好である。
【0038】
本発明による撮像装置のモジュール特性は、異なる第1のモジュールを考慮することを可能にし、各第1のモジュールは、身体の特定の部分の分析に適合される。特に、第1のモジュールは頭蓋の分析のために考慮されることができ、別の第1のモジュールは四肢、特に脚を分析するために適切である。
【0039】
図1]には、本発明の第1の実施形態による磁気共鳴による撮像装置1(図示せず)の磁気アセンブリ1Aが示されている。
【0040】
磁気アセンブリ1Aは、特に、複数の支持プレート10を備える。各支持プレート10は、略平坦な形状であり、互いに本質的に平行な2つの主面を備える。支持プレート10は、非磁性材料、特にアルミニウム、又はプラスチック材料、例えばPMMAプレキシガラスを含むことができる。
【0041】
図2]に示すように、支持プレート10は、2つの主面のそれぞれに開口する支持開口部12と呼ばれる開口部を画定する環状セクション11を備える。
【0042】
支持プレート12はまた、2つの主面のそれぞれに開口し、第1の凹部14と呼ばれるハウジングを形成する複数の貫通開口を備える。より詳細には、第1の凹部14は、当該支持プレート10の環状セクション11上に形成される。特に、[図2]に示すように、第1の凹部14は、2つの同心リングの形態で配置される。
【0043】
磁気アセンブリ1Aはまた、第1の複数の永久磁石13を備える。これらの磁石の選択は、当業者の評価に委ねられる。
【0044】
磁石13は、特に、環状ハルバッハ配列を形成するために、第1の凹部に個別に収容される。より具体的には、[図2]をさらに参照すると、環状ハルバッハ配列は、2つの同心リングを形成する2組の磁石13を備える。しかしながら、本発明はこれらの態様のみに限定されるものではなく、当業者は他の解決策を検討することができる。
【0045】
本発明によれば、支持プレート10は、位置合わせ手段によって互いに一体に組み立てられる。より詳細には、支持プレート10は、各支持プレート10が、それに直接隣接する支持プレート10の主面に対向するその主面の1つを有するように組み立てられる。さらに、2つの隣接する支持プレートの間に間隔Eを設けることができる。
【0046】
この構成によれば、環状部11は、主軸AA’([図3])を中心とする略円筒形状の主凹部16と呼ばれるハウジングを画定する。より詳細には、支持開口部12は、主凹部16を形成するように、主軸AA’に沿って位置合わせされ、互いに平行である。
【0047】
環状ハルバッハ配列による第1の複数の磁石13の全ての磁石は、第1の均一性を示す主ハウジングの分析ゾーンと呼ばれるゾーン内に一次磁場を生成する。
【0048】
さらに、この第1の実施形態によれば、磁気アセンブリ1Aはまた、略平面形状のカバープレート17を備え、カバープレート17はまた、円形であり得るカバー開口部と呼ばれる開口部を備える。
【0049】
特に、各支持プレート10は、それに特有の2つのカバープレート17と関連付けられる。特に、各支持プレート10は、2つのカバープレート17の間にクランプされる。より具体的には、カバープレート17が所与の支持プレート10を囲むとき、カバープレート17は、考慮されている支持プレート10の第1の凹部14内に磁石13を保持するように構成される。
【0050】
カバープレート17は、非磁性材料、特にアルミニウム、又はプラスチック材料、例えばPMMAプレキシガラスを含むことができる。
【0051】
カバー開口部は、主開口部の形状及び寸法と同様の形状及び寸法を有することが理解されるが、特定される必要はない。換言すれば、カバー開口部の形状及び寸法は、本発明において考慮されるような主ハウジングの定義を生じさせない。
【0052】
磁気アセンブリ1Aは、2つの二次部分3と4との間に挿入された主部分2を備えることができる([図3])。この点に関して、主部分2は、支持プレート11(主支持プレート11A)によって形成され、一方、両方の二次部分3及び4は、二次支持プレート11Bと呼ばれる支持プレート11から形成される。より詳細には、第1の開口部と呼ばれる主支持プレート11Aの開口部12は第1の直径を有し、一方、第2の開口部と呼ばれる二次支持プレート11Bの開口部12は第1の直径よりも小さい第2の直径を有する。
【0053】
さらにこの第1の実施形態によれば、位置合わせ手段は、主軸AA’に本質的に平行であり、支持プレート10([図1])を一緒に保持するねじ山付きロッド15を備える。この点に関して、支持プレート10及びカバープレートは、ねじ山付きロッド15が通過する穴を備えることができる。したがって、有利には、各支持プレート10は、クランプ手段によって2つのカバープレートの間に囲まれ、クランプ手段は、有利には、ねじ山付きロッドと協働するナット18を備える([図5])。ナット18は、特に、隣接する支持プレート間の間隔Eを維持するように構成することができる。
【0054】
磁気アセンブリ1Aはまた、主軸AA’に平行に延在し、(主軸AA’に平行な平面における)断面又は矩形の少なくとも1つの位置合わせ通路、例えば2つの位置合わせ通路を備えてもよい。位置合わせ通路は、特に、支持プレート10の側部を貫通する位置合わせ開口部と呼ばれる一連の開口部によって形成することができる。カバープレート17も位置合わせ開口部を備えることが理解される。
【0055】
磁気アセンブリ1Aはまた、位置合わせ通路を通過し、通路の断面に従った形状を有する少なくとも1つの位置合わせ管50を備えることができる([図1])。少なくとも1つの位置合わせ管50は、磁気共鳴によって磁気アセンブリ1Aを撮像装置1のトロリー38に固定することを可能にする([図6])。
【0056】
磁気アセンブリ1Aはまた、環状セクション11と同軸に配置され、支持プレート10に固定された複数の環状部分19を備える。例えば、環状部分19は、補助ねじ山付きロッド21([図3])と呼ばれるねじ山付きロッドによって複数の支持プレートと共に保持される。
【0057】
第1の実施形態の第1の変形例によれば、環状部分19は、主ハウジング16内に配置される(図3)。
【0058】
図4]に示される第1の実施形態の第2の変形例によれば、環状部分19は、主ハウジング16の外側に配置される。特に、各環状部分19は、2つの支持プレート10の間に挿入される。
【0059】
各環状部分19は、補助面と呼ばれ、支持プレート10の主面に平行な2つの面を備える。環状部分19には、第2の凹部20が形成されている。より詳細には、環状部分19の第2の凹部20は、考慮されている環状部分の補助面の一方及び他方によって開口している。
【0060】
磁気アセンブリ1Aはまた、第2の複数の永久磁石を備える。これらの磁石の選択は、当業者の評価に委ねられる。
【0061】
第2の複数の永久磁石の各永久磁石は、第2のハウジング内に個別に収容される。
【0062】
さらに、本発明によれば、環状部分19は、分析ゾーン22内に二次磁場を生成するように配置され、その結果、分析ゾーン内の主磁場と呼ばれる一次磁場と二次磁場の合成磁場は、第1の均一性に対して第2の改善された均一性を有する。
【0063】
分析ゾーン22は、環状部分19によって画定される内部容積に対応する。
【0064】
第2の複数の永久磁石における磁石の配置は、デジタルシミュレーション方法を実施することによって、より具体的には遺伝的アルゴリズムを実施することによって決定することができる。遺伝的アルゴリズムを実施することを望む当業者は、特に、以下の論文:S.Binia及びS.S.Sathya,「SurveyBio Inspire Optimization Algorithms」,International Journal of Soft Computing and Engineering,vol.2、issue 2,pp.137-151,2012年5月に記載されている原理を取り上げることができる。
【0065】
有利な変形例によれば、支持プレート10は、内部タブ23又は外部タブ(図示せず)を備え、1つ又はいくつかの永久磁石を収容することができるハウジングが形成される([図2J)。
【0066】
後者の態様はまた、分析ゾーンにおける主磁場の不均一性を低減することを可能にする。
【0067】
図8]は、本発明の第2の実施形態で実装することができる支持プレート10の概略表現である。この第2の実施形態は、本質的に、第1の実施形態の原理及び用語を取り上げる。
【0068】
より詳細には、この第2の実施形態は、カバープレートの実装が考慮されないという点で第1の実施形態と異なる。2つの隣接する支持プレート10の間の間隔Eは、この第2の実施形態において常に考慮される。
【0069】
したがって、この第2の実施形態によれば、支持プレート10は、[図8]に示すように、第1のプレート25及び第2のプレート26を備える。
【0070】
特に、第1のプレート25及び第2のプレート26は、接触面によって一緒に組み立てられる。特に、第1のプレート25は第1の接触面25Aを備え、第2のプレート26は第1の接触面25Aと接触する第2の接触面26Aを備える。
【0071】
第1のプレート25と第2のプレート26とのアセンブリは、特に、一組のねじを実装することができる。
【0072】
この第2実施形態によれば、各第1の凹部14は、第1のプレート25及び第2のプレート26にそれぞれ形成された第1の空洞14A及び第2の空洞14Bによって形成されている([図9])。
【0073】
より詳細には、第1の空洞14Aは第1の接触面25Aによって出現し、第2の空洞14Bは第2の接触面26Aによって出現する。
【0074】
第1のプレート25の第1の接触面25Aに対向する面は、支持プレートの主面の一方を形成し、第2のプレート26の第2の接触面26Aに対向する面は、支持プレートの主面の他方を形成することが理解される。
【0075】
上述した実施形態の変形例によれば、位置合わせ手段は、位置合わせノッチ28が設けられた少なくとも1つのレール27を備える([図10])。各位置合わせノッチ28は、特に、支持プレート10を保持するように構成される。この点において、支持プレート10は、位置合わせノッチ28と協働するように構成された、位置合わせノッチ29と呼ばれるノッチも備えることができる。
【0076】
有利なことに、位置合わせノッチ28は、2つの隣接する支持プレート10内に所定の間隔を維持するように構成される。また、レール27は支持プレート10にねじで固定することができる。
【0077】
図11]に示されるように、いくつかのレール27を考慮することも可能であり、いくつかのレール27は、磁気アセンブリ1Aの周りに分散され、ここでは全ての支持プレート10が、主軸AA’の周りの異なる角度位置にある。
【0078】
図12]は、位置合わせ手段の別の代替例を示す。特に、この他の変形例による位置合わせ手段は、クレードル31によって覆われたベース30を備える。この点で、クレードルは、内面に溝32が形成された円筒部分を備える。特に、各溝32は、支持プレート10を受け入れるように意図されている。
【0079】
有利には、各支持プレート10は、環状セクションに対して半径方向に延在する外部舌部33を備え、外部舌部33は、支持プレートを保持する溝の底部に形成された空洞34に挿入される。
【0080】
本発明において提案される配置は、磁気アセンブリ1Aの全体的な結合を保証することを可能にする。実際、第1の複数の磁石並びに第2の複数の磁石は、磁気アセンブリの機械的不安定性につながる可能性が高い磁力を発生させる。本発明において説明される保持手段の実装により、これらの影響を補償することが可能になる。
【0081】
さらに、環状部分19を考慮することにより、分析ゾーンに加えられる主磁場の不均一性を少なくとも部分的に補償することが可能になる。
【0082】
考慮される実施形態にかかわらず、例として[図13]に示されるように、磁気アセンブリ1Aはまた、支持体35によって保持される無線周波数(RF)コイル34及び傾斜磁場コイル33を備えることができる。より具体的には、RFコイル34及び傾斜磁場コイル33は、主ハウジング内の支持体35によって保持される。有利には、RFコイル34及び傾斜磁場コイル33は交換可能であり、また、磁気アセンブリ1Aにモジュール特性を与える。
【0083】
傾斜磁場コイルは、小振幅の磁場を生成するように構成され、電流が印加されると空間が変化する。より詳細には、傾斜磁場コイルは、主磁場に平行に位置合わせされ、軸x、y又はz(軸x、y及びzの各対は垂直である)のうちの1つに沿った位置と共に振幅が線形に変化する磁場成分を生成するように設計される。したがって、傾斜磁場コイルによって与えられる磁場の組み合わされた効果は、プローブされることが意図される身体の位置の各々を空間的にエンコードすることを可能にする。
【0084】
RFコイルは、RFトランシーバとして機能するように意図されている。特に、RFコイルは、水素原子核スピンの共鳴周波数に等しい又は近い周波数であって、これらの原子核によって少なくとも部分的に吸収される周波数のRFエネルギーパルスを放出するように構成される。RF放出が中断されるとすぐに、核スピンは、それらの初期エネルギー状態に戻るために緩和し、次に、少なくとも1つのRFコイルによって収集されることが可能なRF信号を放出する。次いで、このRF信号は、身体の画像を得るために、コンピュータ及び再構成アルゴリズムを使用して処理される。
【0085】
本発明に係る撮像装置1は、モジュラーシステムを構成する。より詳細には、撮像装置1は、少なくとも第1のモジュール36及び第2のモジュール37を備えることができる。
【0086】
少なくとも第1のモジュールFのうちの各第1のモジュール36は、特に、磁気アセンブリ1A及びトロリー38によって形成される。トロリー38はキャスタを含むことができる。
【0087】
トロリー38には、特に、上面と呼ばれる面にプレート39が設けられており、このプレート39に磁気アセンブリ1Aが取り付けられている。トロリーは、上縁部と呼ばれる縁部の一方によってプレート39を支持する2つの側壁40及び41を備える。
【0088】
2つの側壁40及び41は、プレート39と共に、受容空間42を画定する。
【0089】
第2のモジュール37は、装置の電子制御要素のセットを支持する、本質的に平行六面体形状のコンソールを備え、コンソールは、特に、受容空間42内に挿入されるように構成される。この点に関して、コンソールは、収容空間に挿入されることを可能にするキャスタを備えることができる。
【0090】
特に、側面43及び44は、それぞれ、側壁40及び側壁41と摺動接続している。この点に関して、装置は、側壁40及び側壁41に対して側面43及び44をそれぞれ摺動させ、係止するための摺動ガイドのシステムを備えることができる。摺動システムは、特に、1つ又は2つのスライド45a、45bを備えてもよい。この点において、1つ又は2つのスライド45a、45bは、両側壁40及び41上に配置されたレール46a及び46bと協働するように意図されている。レール46a及び46bには、受容空間42内で第2のモジュールをブロックすることを可能にする係止手段を設けることもできる。係止手段は、シム47a及び47bを備えてもよい。
【0091】
最後に、撮像装置1は、第1のモジュール36と第2のモジュール37とを接続することを可能にする接続手段も備える。接続手段は、特に、雄プラグ48及び雌プラグ49([図14]及び[図15])を備えるプラグイン手段である。特に、雄プラグ48は第2のモジュール37に関連付けられ、雌プラグ36は第1のモジュール36に関連付けられる。
【0092】
コンソールのモジュールと少なくとも第1のモジュールとの両方は、コンソールによって、第1のモジュールの磁気アセンブリの幾何学的及び磁気的特徴を識別するための手段を備え、識別手段は、コンソール及び第1のモジュールの接続手段に組み込まれている。識別手段は、コンソールが磁気アセンブリの幾何学的特徴及び磁気的特徴を認識することを可能にする手段を指す。この態様によれば、特に、コンソールは、撮像装置の構成を認識することができる。
【0093】
相補的な形状の雄プラグ48及び雌プラグ49の各々は、星形([図16])を有してもよい。後者はまた、第2のモジュールに接続された第1のモジュールのタイプを識別することを可能にする、識別ポート48a及び49aと呼ばれるポートを備えてもよい(識別ポートは特に識別手段に関連付けられる)。
【0094】
識別機能は、デジタル手段(例えば、チップID、例えば、雌プラグ内のRFID及び第2のモジュール内のIDリーダ)、又はアナログ手段(例えば、雌プラグ内の抵抗器と第2のモジュール内の電流計との組み合わせ)を伴ってもよい。
【0095】
雄プラグ48及び雌プラグ49は、RFコイル制御及び傾斜磁場コイルに関連する他のポートを含む。
【0096】
そのような構成は、撮像装置1をモジュール式にし、異なる特定の磁気アセンブリを考慮することを可能にする。特に、本発明によれば、異なる磁気アセンブリを考慮することが可能であり、各磁気アセンブリは、身体の特定の部分を撮像するように意図される。
【0097】
本発明は、本発明による磁気共鳴によって撮像装置1の磁気アセンブリを製造するための方法に関し、当該方法は、
支持プレートを形成するステップと、
環状部分を形成するステップと、
支持プレートと環状部分とを組み立てるステップと、を含み、
当該方法は、環状部分の数及び位置決め、並びに各第2の複数の磁石を形成する磁石の量が、分析ゾーン内の、主磁場と呼ばれる一次磁場と二次磁場との合成磁場が、第1の均一性に対して改善される第2の均一性を有するように構成された遺伝的アルゴリズムを実施することによって決定されることを特徴とする。
【0098】
当然ながら、本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、変形実施形態をそれに追加することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2024-05-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの第1のモジュール(36)であって、前記少なくとも1つの第1のモジュールの各第1のモジュールは、上面と呼ばれる本体上に磁気アセンブリ(1A)が載置されるプレート(39)が設けられたトロリー(38)を備え、前記磁気アセンブリ(1A)は、前記磁気アセンブリ(1A)の主ハウジング(16)の分析ゾーン(22)内に主磁場を印加するように意図され、前記トロリー(38)は、上縁部と呼ばれる縁部の一方によって前記プレート(39)を支持する2つの側壁(40、41)をさらに備える、少なくとも1つの第1のモジュール(36)と、
装置の電子制御要素のセットを支持する本質的に平行六面体のコンソールが設けられた第2のモジュール(37)であって、前記コンソールは、特に、摺動接続によって、前記少なくとも1つの第1のモジュールのうちの各第1のモジュールの前記トロリー(38)の前記側壁の間に挿入されるように構成されている、第2のモジュール(37)と、を備え、
前記コンソールのモジュールと前記少なくとも第1のモジュールとの両方が、前記コンソールによって、前記第1のモジュールの前記磁気アセンブリ(1A)の幾何学的特徴及び磁気的特徴を識別するための手段を備え、前記識別するための手段が、前記コンソール及び前記第1のモジュールの接続手段に組み込まれている、磁気共鳴撮像装置(1)。
【請求項2】
前記磁気アセンブリ(1A)は、
支持開口部(12)と呼ばれる開口部を画定する環状セクション(11)をそれぞれ有する複数の支持プレート(10)であって、前記支持プレート(10)は、主軸に沿って位置合わせされた前記支持開口部が略円筒形状の主ハウジング(16)を画定するように、前記主軸に沿って位置合わせ手段によって一緒に組み立てられ、各支持プレート(10)は、前記主軸の周りの少なくとも1つの環状ハルバッハ配列に従って前記環状セクション(11)に設けられた第1のハウジング(14)に収容された第1の複数の永久磁石(13)をさらに備え、前記第1の複数の永久磁石の磁石セットは、第1の均一性を有する前記主ハウジング(16)の分析ゾーン(22)と呼ばれるゾーン内に一次磁場を生成する、複数の支持プレート(10)と、
前記環状セクションと同軸に組み立てられ、前記支持プレート(10)と一体化された複数の環状部分(19)であって、各環状部分は、前記環状部分に設けられた第2の凹部(20)に収容された第2の複数の磁石を備え、環状部分(19)のセットは、前記分析ゾーン(22)において二次磁場を生成するように配置され、前記分析ゾーン(22)における主磁場と呼ばれる前記一次磁場と前記二次磁場との合成磁場が、前記第1の均一性に対して第2の改善された均一性を有する、複数の環状部分(19)と、を備える、請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置(1)。
【請求項3】
前記磁気アセンブリ(1A)は、2つの二次部分(3、4)の間に挿入された主部分(2)であって、前記主部分(2)は、主支持プレート(11A)と呼ばれる支持プレート(10)から形成される、主部分(2)と、二次支持プレート(11B)と呼ばれる支持プレートから形成される二次部分(3、4)の一方及び他方と、を備え、第1の開口部と呼ばれる主支持プレート(11A)の開口部は、第1の直径を有し、第2の開口部と呼ばれる二次支持プレート(11B)の開口部は、第1の直径よりも小さい第2の直径を有する、請求項2に記載の磁気共鳴撮像装置(1)。
【請求項4】
前記支持プレート(10)は、非磁性材料を含み、有利には、非磁性材料は、アルミニウム又はプラスチック材料、例えばPMMAプレキシガラスを含む、請求項2又は3に記載の磁気共鳴撮像装置(1)。
【請求項5】
前記位置合わせ手段は、前記主軸に本質的に平行であり、ここでは互いに前記支持プレート(10)に堅固に接続されるねじ山付きロッド(15)を備える、請求項2又は3に記載の磁気共鳴撮像装置(1)。
【請求項6】
各支持プレート(10)は、把持手段によって2つのカバープレート(17)の間に囲まれ、前記2つのカバープレート(17)は、考慮されている前記支持プレート(10)の第1の凹部内に前記第1の複数の永久磁石の前記磁石を保持するように構成され、前記把持手段は、有利には、前記ねじ山付きロッド(15)と協働するナット(18)を備える、請求項5に記載の磁気共鳴撮像装置(1)。
【請求項7】
各支持プレート(10)は、位置合わせ開口部と呼ばれる開口部を備え、それにより、前記磁気アセンブリ(1A)は、前記位置合わせ開口部によって形成された正方形又は長方形の断面の少なくとも1つの位置合わせ通路を備え、前記位置合わせ通路は前記主軸に平行に延在し、前記磁気アセンブリ(1A)は、前記位置合わせ通路を通過し、前記通路の断面に従った形状を有する少なくとも1つの位置合わせ管(50)をさらに備え、前記少なくとも1つの位置合わせ管(50)は、前記磁気アセンブリ(1A)を前記トロリー(38)に固定するように意図されている、請求項6に記載の磁気共鳴撮像装置(1)。
【請求項8】
各支持プレート(10)は、接触面によって互いに対して組み立てられた第1のプレート(25)及び第2のプレート(26)を備え、第1の凹部(14)はそれぞれ、前記第1のプレート(25)及び前記第2のプレート(26)の一方及び/又は他方の前記接触面から形成された2つの空洞を備える、請求項2又は3に記載の磁気共鳴撮像装置(1)。
【請求項9】
前記位置合わせ手段は、位置合わせノッチ(28)が設けられた少なくとも1つのレール(27)を備え、各位置合わせノッチは、支持プレート(10)を保持し、前記ノッチは、2つの隣接する支持プレート(10)内に所定の間隔を維持するように構成される、請求項8に記載の磁気共鳴撮像装置(1)。
【請求項10】
前記位置合わせ手段は、内面に溝(32)が形成された円筒部分を形成するクレードル(31)が載置されたベース(30)を備える位置合わせ要素を備え、前記支持プレート(10)の各々は、それに固有の溝内に保持される、請求項8に記載の磁気共鳴撮像装置(1)。
【請求項11】
各支持プレート(10)は、環状セクション(11)に対して半径方向に延在し、前記支持プレート(10)を保持する前記溝の底部に形成された空洞に挿入される外側舌部を備える、請求項10に記載の磁気共鳴撮像装置(1)。
【請求項12】
前記環状部分(19)は、ねじ山付きロッド(15)と呼ばれるねじ山付きロッド(15)によって、前記複数の支持プレート(10)と共に保持される、請求項2又は3に記載の磁気共鳴撮像装置(1)。
【請求項13】
前記支持プレート(10)は、内部タブ又は外部タブを備え、1つ又はいくつかの永久磁石を収容することができるハウジングが形成される、請求項2又は3に記載の磁気共鳴撮像装置(1)。
【請求項14】
前記環状部分(19)は、前記主ハウジング(16)内に配置される、請求項2又は3に記載の磁気共鳴撮像装置(1)。
【請求項15】
前記環状部分(19)は、前記主ハウジング(16)の外側に配置され、各環状部分は、2つの支持プレート(10)の間に挿入される、請求項2又は3に記載の磁気共鳴撮像装置(1)。
【請求項16】
前記磁気アセンブリ(1A)は、前記主ハウジング(16)内に配置され、前記磁気アセンブリ(1A)と機械的に一体化された無線周波数コイル(34)及び傾斜磁場コイル(33)をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の磁気共鳴撮像装置(1)。
【請求項17】
前記無線周波数コイル及び前記傾斜磁場コイルは取り外し可能である、請求項16に記載の磁気共鳴撮像装置(1)。
【国際調査報告】