(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】ブラシレスモータのためのトルク保護機構
(51)【国際特許分類】
H02P 29/024 20160101AFI20241114BHJP
【FI】
H02P29/024
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529135
(86)(22)【出願日】2021-11-15
(85)【翻訳文提出日】2024-06-12
(86)【国際出願番号】 ES2021070822
(87)【国際公開番号】W WO2022180286
(87)【国際公開日】2022-09-01
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524181849
【氏名又は名称】チャベス ガルシア,ホルディ
(71)【出願人】
【識別番号】524181850
【氏名又は名称】チャベス ガルシア,フアン ミゲル
(74)【代理人】
【識別番号】110003487
【氏名又は名称】弁理士法人東海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャベス ガルシア,ホルディ
(72)【発明者】
【氏名】チャベス ガルシア,フアン ミゲル
【テーマコード(参考)】
5H501
【Fターム(参考)】
5H501BB08
5H501CC06
5H501HA04
5H501JJ03
5H501JJ04
5H501KK05
5H501LL01
5H501MM09
5H501MM20
5H501PP02
(57)【要約】
機構が、消費された電流の量を測定する必要がなく、ブラシレスモータの回転速度の測定に基づいてトルクレベルを規定する、ブラシレスモータのトルク保護を可能にする。したがって、公称トルクに対応する回転速度は、過トルクがあるときに回転速度が減少するように事前に規定されている。これにより、過トルクがあると推測することができ、したがって、効果的で、単純で、経済性の高いブラシレスモータのトルク保護が実現可能である。
この機構は、以下を備える:電源(1)、回転方向設定器(2)、回転方向設定器(2)に接続される制御ユニット(3)、制御ユニット(3)からモータ(5)に、過トルクに起因してシャットダウンが発生したときに送信される信号であるBREAK命令を送信するための接続を有するブラシレスモータ(5)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラシレスモータのための保護機構であって、
-商用電源(6)から電力供給され、他のモジュールに電力供給するために24V ACの電圧を生成する役割を担う、電源(1)、
-電力接続(1.2)によって前記電源(1)から電力を受電する回転方向設定器(2)であって、前記回転方向設定器(2)が、入力電力相に接続される開閉スイッチ(7)を入口に有する、回転方向設定器(2)、
-電力接続(1.1)によって前記電源(1)から電力を受電し、前記回転方向設定器(2)に接続される、制御ユニット(3)であって、前記制御ユニット(3)が、構成可能であり、前記ブラシレスモータ(5)からの命令の送受信の役割を担う、制御ユニット(3)、
-ブラシレスモータ(5)であって、具体的には、
o2つの一次電力接続(3.1)、
oオン-オフ制御ユニットから前記モータ(5)に命令を送信するための第3の接続(3.2)、
o前記制御ユニット(3)から前記モータ(5)に開閉命令を送信するための第4の接続(3.3)、
o前記モータ(5)の回転回転を前記制御ユニット(3)に送信するための第5の接続(3.4)、
o前記制御ユニット(3)から前記モータ(5)に、過トルクに起因してシャットダウンが発生したときに送信される信号であるBREAK命令を送信するための第6の接続(3.5)、
によって、前記制御ユニット(3)に接続される、ブラシレスモータ(5)、
-前記ブラシレスモータ(5)のシャフトに機械的に接続される機械式減速機(4)であって、情報及び双方向動作を送信するための接続のセットによって前記制御ユニット(3)に接続される、機械式減速機(4)
を備える、ブラシレスモータ(5)のための保護機構。
【請求項2】
前記制御ユニット(3)が、3つの接続(2.1)によって前記回転方向設定器(2)に接続されることを特徴とする、請求項1に記載のブラシレスモータのための保護機構。
【請求項3】
前記機械式減速機(4)が、4つの接続によって前記制御ユニット(3)に接続されることを特徴とする、請求項1または2に記載のブラシレスモータのための保護機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、発明の名称によって規定するように、ブラシレスモータのためのトルク保護機構であり、その特定の特徴は、保護がモータ回転速度の測定に基づいてもたらされ、消費された電流に基づいてもたらされないという事実である。
【0002】
本発明は、その特定の設計及び構成と、モータ回転速度の測定値を信号として使用して、事前に規定した特定のトルクを超えたか否かを識別するという事実と、によって特徴付けられる。
【0003】
したがって、本発明は、一方ではブラシレスモータの分野に該当し、他方ではモータトルク保護の分野に該当する。
【背景技術】
【0004】
電子トルクリミッタは、機械的な過大応力によって引き起こされる可能性のある故障を防止するために、電気制御盤に組み込まれる構成要素である。
【0005】
トルクリミッタの機能は、電気モータによって消費された公称電流を常に監視し、予め規定した値を超えた場合、モータを自動的に切断することである。
【0006】
特定の電流を超えると、モータによって消費された公称電流が予め規定した値を超えるため、トルクリミッタが作動することになる。したがって、モータは、問題または更なる損傷を防止するために電気的に切断されることになる。トルクリミッタはまた、起動を再開する前に問題を解決し得るように、信号で警告することもできる。
【0007】
これまで使用されてきたトルク保護システムは意図された目的を達成するが、それらは複雑であり、常に電流の測定を必要とする。更に、それらは実施可能な範囲では正確ではなく、保護が、期待されているほど効果的ではないことを表す変動または変化を起こしやすい。
【0008】
また、ブラシレス電気モータは、回転子の極性を反転させるためにブラシを使用しない電気モータである。
【0009】
電気モータは、整流子または1対のスキップリングを有するものであった。これらのシステムは、摩擦を引き起こし、出力を低下させ、熱及び騒音を放出し、多大なメンテナンスが必要であり、導体としても作用し得る、埃がモータを覆う炭素粒子を生成する可能性がある。
【0010】
最初のブラシレスモータは、非同期交流モータであった。今日、電子機器のおかげで、それらは製造が安価であり、それほど重くなく、メンテナンスをそれほど必要としないので、多くの利点がある。しかしながら、それらの制御は極めて複雑である。この複雑さは、電子速度制御(ESC)によって実質的に排除されている。
【0011】
したがって、本発明の目的は、ブラシレスモータの特性、特に電子速度制御を使用して、これらのモータのトルク保護を規定することである。したがって、以下に記載するような機構を開発し、その本質的な要素を請求項1に記載している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の主題の本質的な要素は、独立請求項に記載している。次いで、異なる実施形態を、従属請求項に記載している。
【0013】
本発明の主題は、ブラシレスモータのためのトルク保護機構であり、それは、以下を備える:
-24V ACを供給する商用電源から電力供給され、ブラシレスモータと機構の他のモジュールとの両方に電力を供給する、電源。
-電源から電力供給される回転方向設定器であって、開閉スイッチを入口に有し、制御ユニットに出口で接続される、回転方向設定器。
-電源から電力供給される制御ユニットは、回転方向設定器から信号を受信する。この制御ユニットは、構成可能であり、バルブアクチュエータモータからの命令を送受信し、システムの適切な機能を保証する役割を担う。したがって、モータ自体及び機械式減速機に接続される。
-モータ出口に配置された機械式減速機であって、制御ユニットからの命令を受信する、機械式減速機。
【0014】
制御ユニットとブラシレスモータとの間の接続は、以下を備える:
-2つの電力接続
-オン-オフ接続
-開閉接続
-モータが回転している速度を制御ユニットにモータが通知するための接続
-制御ユニットが、過トルクに起因してシャットダウンが発生したことをモータに通知するための接続
【0015】
制御ユニットは、回転方向情報を受信してモータに送信するとともに、モータの起動を送信する。モータは、機械式モジュールに含まれるリミットスイッチによって示される位置で停止することになる。
【0016】
過トルクによりシャットダウンが発生すると、制御ユニットは、オン信号を遮断し、BREAK命令を送信する。
【0017】
この機構により、消費された電流の測定を使用する必要なしにブラシレスモータのためのトルク保護が可能になり、ブラシレスモータが速度を制御するために既に所定の位置にあるシステムを使用し、ブラシレスモータ回転速度の測定に基づいてトルクレベルを規定する。したがって、公称トルクに対応する回転速度は、過トルクがあるときに回転速度が減少するように事前に規定されている。これにより、過トルクがあると推測することができ、したがって、効果的で、単純で、経済性の高いブラシレスモータのトルク保護が実現可能である。
【0018】
別段の指示がない限り、この報告で使用されるすべての技術的及び科学的要素は、本発明が属する技術の典型的な当業者が通常理解するであろう意味を有する。本発明の実装形態では、報告書に記載しているものと類似または同等の手順及び材料を使用し得る。
【0019】
明細書及び特許請求の範囲を通して、世界「含む(comprises)」及びその変形は、他の技術的特徴、追加、構成要素またはステップを排除することを意図しない。当業者にとって、本発明の他の目的、利点及び特徴は、部分的には説明から、部分的には本発明の実装形態から推測され得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
提供した説明を補足し、本発明の特徴の好適な理解を可能にするために、実際の実施形態の好ましい例によれば、説明の不可欠な部分として添付したものは、例示のみを目的として、以下に表す図のセットである。
【0021】
【
図1】ブラシレスモータのための保護機構の一部を形成するモジュールの接続に関する一般的な概要の図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
添付の図面に基づいて、提案した発明の好ましい実施形態を以下に説明する。
【0023】
図1において、ブラシレスモータのための保護機構は、以下を備えることがわかる:
-商用電源(6)から電力供給され、他のモジュールに電力供給するために24V ACの電圧を生成する役割を担う、電源(1)。
-電力接続(1.2)によって電源(1)から電力を受電する回転方向設定器(2)。回転方向設定器(2)は、入力電力相に接続される開閉スイッチ(7)を入口に有する
-電力接続(1.1)によって電源(1)から電力を受電し、3つの接続(2.1)によって回転方向設定器(2)に接続される制御ユニット(3)。制御ユニットは、構成可能であり、ブラシレスモータからの命令を送受信し、ならびにその適切な機能を保証する役割を担う。
-ブラシレスモータ(5)であって、具体的には、
o2つの一次電力接続(3.1)
oオン-オフ制御ユニットからモータ(5)に命令を送信するための第3の接続(3.2)
o制御ユニット(3)からモータ(5)に開閉命令を送信するための第4の接続(3.3)
oモータ(5)の回転回転を制御ユニットに送信するための第5の接続(3.4)
o制御ユニット(3)からモータ(5)に、過トルクに起因してシャットダウンが発生したときに送信される信号であるBREAK命令を送信するための第6の接続(3.5)
によって、制御ユニットに接続される、ブラシレスモータ(5)
-ブラシレスモータ(5)のシャフトに機械的に接続される機械式減速機(4)であって、情報及び双方向動作を送信するための接続のセットによって制御ユニット(3)に接続される、機械式減速機(4)。
【0024】
本発明の性質、ならびに本発明が実施される方法を十分に説明してきたが、本発明の本質的な要素は、実施例で与えられたものとは異なる詳細を有する他の実施形態で実施されてもよく、その一方で、保護は求められる範囲内にあり、ただし、それらがその基本原理を変化、変更、または修正しないことを条件とする。
【国際調査報告】