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▶ ノルデイシェル・マシーネンバウ・ルド・バアデル・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニ・カーゲーの特許一覧

特表2024-543516解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚の腹腔の長さを決定するための測定ヘッド、ナイフ組立体とこの種の検知ヘッドとを備える加工ステーション、ならびに解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚を加工するための、詳細には切り身にするための装置および方法
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  • 特表-解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚の腹腔の長さを決定するための測定ヘッド、ナイフ組立体とこの種の検知ヘッドとを備える加工ステーション、ならびに解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚を加工するための、詳細には切り身にするための装置および方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚の腹腔の長さを決定するための測定ヘッド、ナイフ組立体とこの種の検知ヘッドとを備える加工ステーション、ならびに解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚を加工するための、詳細には切り身にするための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A22C 25/16 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
A22C25/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529206
(86)(22)【出願日】2021-11-26
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 EP2021083171
(87)【国際公開番号】W WO2023093995
(87)【国際公開日】2023-06-01
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591042838
【氏名又は名称】ノルデイシェル・マシーネンバウ・ルド・バアデル・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニ・カーゲー
【氏名又は名称原語表記】NORDISCHER MASCHINENBAU RUD.BAADER GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG+COMPAGNIE KOMMANDITGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ティッセン,ヴェルナー
【テーマコード(参考)】
4B011
【Fターム(参考)】
4B011KA01
4B011KC03
4B011KE07
4B011KF02
(57)【要約】
本発明は、移送方向Tに、頭部の端部を最初に移送される解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚(12)の腹腔(11)の長さを決定するように構成され適合された測定ヘッド(10)であって、少なくとも1つの測定センサ(13)と、測定センサ(13)によりトリガでき、入力される測定信号を受け取り処理するように構成され適合された制御機器(15)に接続された少なくとも1つのセンサ(14)とを備える測定ヘッド(10)に関する。測定ヘッド(10)は、魚(12)の肛門(19)に最も近い、魚(12)の横腹の骨(20)に測定センサ(13)または各測定センサ(13)を動作可能に接続できるような方法で、魚(12)に対して切り身切断を遂行するためのナイフ組立体(18)の2つの円形ナイフ(16、17)の間に少なくとも部分的に位置決めされるように構成され適合される。さらに、本発明は、少なくとも1つのナイフ組立体(18)および測定ヘッド(10)を備える加工ステーション(49)に関し、移送方向Tに、頭部の端部を最初に移送される解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚(12)を加工するための装置(57)および方法に関する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移送方向Tに、頭部の端部を最初に移送される解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚(12)の腹腔(11)の長さを決定するように構成され適合された測定ヘッド(10)であって、少なくとも1つの測定センサ(13)と、前記測定センサ(13)によりトリガされ、入力された測定信号を受け取り処理するように構成され適合された制御機器(15)に接続された少なくとも1つのセンサ(14)とを備える測定ヘッド(10)において、前記測定センサ(13)または各前記測定センサ(13)を前記魚(12)の肛門(19)に最も近い、前記魚(12)の脇腹の骨(20)に動作可能に接続できるような方法で、前記魚(12)に対して切り身切断を遂行するためのナイフ組立体(18)の2つの円形ナイフ(16、17)の間に前記測定ヘッド(10)を少なくとも部分的に位置決めされるように構成され適合されることを特徴とする測定ヘッド(10)。
【請求項2】
前記測定ヘッド(10)は、機械フレーム(21)に固定して締結できる基体(22)を備え、前記少なくとも1つの測定センサ(13)は、回転可能に搭載されるように前記基体(22)上に配列されることを特徴とする、請求項1に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項3】
前記基体(22)は、ジブの手法で形成され、締結アーム(23)と、前記測定センサ(13)または各前記測定センサ(13)が回転可能に搭載されるように配列された支持アーム(24)とを備えることを特徴とする、請求項2に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項4】
前記支持アーム(24)の反対側に互いに距離を置いて配列された2つの測定センサ(13、25)を備えることを特徴とする、請求項3に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項5】
前記測定センサ(13、25)または各前記測定センサ(13、25)は、薄く可撓性のあるばね鋼板から作り出されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項以上に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項6】
互いに距離を置いて配列され前記支持アーム(24)に回転可能に搭載された前記2つの測定センサ(13、25)は、少なくとも一点で公差ブレース(33、36)を用いて相互接続されることを特徴とする、請求項3~5のいずれか一項以上に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項7】
第1の公差ブレース(33)は、加工される前記魚(12)の前記移送方向Tに前記測定センサ(13、25)の回転軸Dの上流に形成され、両方の前記測定センサ(13、25)に解放可能に締結され前記移送方向Tに対して横方向に配向されたボルト(34)により形成されることを特徴とする、請求項6に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項8】
第2の公差ブレース(36)は、加工される前記魚(12)の前記移送方向Tに前記測定センサ(13、25)の前記回転軸Dの下流に形成され、両方の前記測定センサ(13、25)に解放可能に締結され前記移送方向Tに対して横方向に配向されたボルト(37)により形成されることを特徴とする、請求項6または7に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項9】
前記第2の交差ブレース(36)は、前記基体(22)上に配列された停止要素(39)と相互作用することを特徴とする、請求項8に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項10】
各前記測定センサ(13、25)は、プローブ先端部(30)を有する本体(27)を備えることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項以上に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項11】
前記本体(27)は、前記センサ(14)に動作可能に接続できる検知突出部(32)を有することを特徴とする、請求項10に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項12】
前記測定センサ(14)は、基体(22)上に配列されることを特徴とする、請求項2~11のいずれか一項以上に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項13】
前記測定センサ(14)は、前記基体(22)の前記締結アーム(23)上に直接または間接的に配列されることを特徴とする、請求項2~12のいずれか一項以上に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項14】
前記測定センサ(13、25)または各前記測定センサ(13、25)は、待機位置でばね付勢式に保持され、ばね要素(42)は、前記測定センサ(13、25)または各前記測定センサ(13、25)と前記基体(22)の間で張力をかけられることを特徴とする、請求項2~13のいずれか一項以上に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項15】
前記測定センサ(13、25)または各前記測定センサ(13、25)は、前記ばね要素(42)のばね力と反対方向に測定位置の中に偏向可能であるように構成され適合されることを特徴とする、請求項14に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項16】
前記測定位置では、前記検知突出部(32)は、少なくとも部分的に前記センサ(14)を覆うことを特徴とする、請求項14または15に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項17】
前記ばね要素(42)は、前記第1の交差ブレース(33)と前記基体(22)の前記支持アーム(24)の間で張力をかけられることを特徴とする、請求項11~16のいずれか一項以上に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項18】
前記測定センサ(13、25)または各前記測定センサ(13、25)は、前記円形ナイフ(16、17)の内面(47、48)と接触状態になるように構成され適合されることを特徴とする、請求項1~17のいずれか一項以上に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項19】
解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚(12)を加工するように構成され適合された加工ステーション(49)であって、2つの切断ヘッド(51、52)を有するナイフ組立体(18)を備え、前記2つの切断ヘッド(51、52)の各々は、回転可能に駆動できる円形ナイフ(16、17)と、前記円形ナイフ(16、17)を回転駆動するための駆動ユニット(53、54)とを備え、前記2つの円形ナイフ(16、17)は、互いに対してV字形に傾くように配向され、かつ加工される魚(12)の移送方向Tと反対方向に互いに向けて傾くように配向され、前記解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚(12)の腹腔(11)の長さを決定するための測定ヘッド(10)を備える加工ステーション(49)において、前記測定ヘッド(10)は、請求項1~18のいずれか一項以上に従って構成され適合されることを特徴とする加工ステーション(49)。
【請求項20】
あらゆる位置で、前記測定ヘッド(10)の測定センサ(13、25)は、少なくとも部分的に、すなわち少なくとも前記測定ヘッド(10)のプローブ先端部(30)により、前記円形ナイフ(16、17)の互いに向き合った内面(47、48)と密に接触状態にあることを特徴とする、請求項19に記載の加工ステーション(49)。
【請求項21】
待機位置では、前記プローブ先端部(30)を伴う前記測定センサ(13、25)は、一方では、前記移送方向Tと反対方向を指し示し、前記円形ナイフ(16、17)の切断縁部(55、56)を越えて突出し、他方では、前記移送方向Tに前記円形ナイフ(16、17)間の距離Sが最小になる地点Pの上流に位置することを特徴とする、請求項19または20に記載の加工ステーション(49)。
【請求項22】
前記ナイフ組立体(18)は、前記移送方向Tに頭部の端部が最初に移送される前記解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚(12)に対して腹部切断を遂行するように構成され適合されることを特徴とする、請求項19~21のいずれか一項以上に記載の加工ステーション(49)。
【請求項23】
解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚(12)を加工するための、詳細には切り身にするための装置(57)であって、移送経路に沿って移送方向Tに頭部の端部を最初に前記魚(12)を保持し移送するための移送機器(58)と、前記魚(12)を加工するための、前記移送経路に沿った少なくとも1つの加工ステーション(49)とを備える装置(57)において、前記加工ステーション(49)は、請求項19~22のいずれか一項以上に従って構成され適合されることを特徴とする装置(57)。
【請求項24】
複数の加工ステーション(59、60、61、62、63)は、前記移送経路に沿って配列され、前記移送方向Tに、請求項19~22のいずれか一項以上に記載の前記加工ステーション(49)の下流に配列されることを特徴とする、請求項23に記載の装置(57)。
【請求項25】
前記装置(57)は、請求項1~18のいずれか一項以上に記載の測定ヘッド(10)により確定された測定データに基づき前記加工ステーション(49、59~63)を制御するように構成され適合された制御ユニット(66)を備え、前記制御ユニット(66)は、少なくとも評価ユニットおよび記憶装置を備えることを特徴とする、請求項23または24に記載の装置(57)。
【請求項26】
解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚(12)加工するための、詳細には切り身にするための方法であって、
-移送方向Tに移送機器(58)を用いて、魚(12)を扱うための少なくとも2つの加工ステーション(49、59)に頭部の端部を最初に前記魚(12)を供給するステップと、
-ナイフ組立体(18、67)の2つの回転駆動円形ナイフ(16、17)に沿って、加工される前記魚(12)を連続して移送することにより、前記加工ステーション(49、59)として前記ナイフ組立体(18、67)を用いて、加工される前記魚(12)に対して複数の加工切断を遂行するステップと、
-第1のナイフ組立体(18)を使用して最初に腹部切断を遂行し、その後、前記移送方向Tに前記第1のナイフ組立体(18)の下流に配列された第2のナイフ組立体(67)を使用して少なくとも1回の横腹の骨切断を遂行するステップと、
-前記魚(12)のサイズに関して、測定ヘッド(10)を用いて確定された測定データに基づき、横腹切断を遂行するための少なくとも前記ナイフ組立体(67)を制御するステップと
を備える方法において、
前記測定ヘッド(10)を用いて前記魚(12)の肛門(19)に最も近い、前記魚(12)の横腹の骨(20)の位置を確定させ、そこから前記横腹切断を遂行するための前記ナイフ組立体(67)を制御するために、前記魚(12)の前記サイズを計算することを特徴とする方法。
【請求項27】
前記測定データは、腹部切断前または腹部切断中に、前記腹部切断が遂行されている間に確定されることを特徴とする、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記魚(12)が前記移送方向Tに移送される結果、脊柱の両側で前記肛門(19)に前記最も近い横腹の骨(20)は、前記脊柱の前記両側に配列された測定センサ(13、25)に打ち当たり、前記魚がさらに移送されるとき、前記測定センサ(13、25)が検知突出部(32)によりセンサ(14)をトリガするまで前記測定センサを偏向させることを特徴とする、請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
前記測定ヘッド(10)により確定された前記測定データに基づき、ピンボーン(pin bone)または魚胴フラップ(belly flap)の切断を遂行するための少なくともナイフ組立体(70)もまた制御することを特徴とする、請求項26~28のいずれか一項以上に記載の方法。
【請求項30】
請求項23~25のいずれか一項以上に記載の装置(57)を使用して行われることを特徴とする、請求項26~29のいずれか一項以上に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移送方向Tに、頭部の端部を最初に移送される解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚の腹腔の長さを決定するように構成され適合された測定ヘッドであって、少なくとも1つの測定センサと、測定センサによりトリガでき、入力される測定信号を受け取り処理するように構成され適合された制御機器に接続された少なくとも1つのセンサとを備える測定ヘッドに関する。
【0002】
本発明はさらに、回転駆動できる円形ナイフと、円形ナイフを回転駆動するための駆動ユニットとをそれぞれ備える2つの切断ヘッドを有するナイフ組立体を備える、解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚を加工するように構成され適合された作業ステーションに関し、2つの円形ナイフは、互いに対してV字形に傾くように配向され、かつ加工される魚の移送方向Tと反対方向に互いに向けて傾くように配向され、解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚の腹腔の長さを決定するための測定ヘッドを備える。
【0003】
本発明はさらに、移送経路に沿って移送方向Tに頭部の端部を最初に魚を保持し移送するための移送機器と、魚を加工するための、移送経路に沿った少なくとも1つの作業ステーションとを備える、解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚を加工するための、詳細には切り身にするための装置に関する。
【0004】
さらに、本発明は、解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚を加工するための、詳細には切り身にするための方法であって、移送機器を用いて移送方向Tに、魚を扱うための少なくとも2つの加工ステーションに頭部の端部を最初に魚を供給するステップと、ナイフ組立体の2つの回転駆動円形ナイフに沿って、加工される魚を連続して移送することにより、ナイフ組立体を加工ステーションとして用いて、加工される魚に対して複数の加工切断を遂行するステップと、第1のナイフ組立体を使用して腹部切断を最初に遂行するステップと、その後、移送方向Tに第1のナイフ組立体の下流に配列された第2のナイフ組立体を使用して少なくとも1回の横腹切断を遂行するステップと、魚のサイズに関して、測定ヘッドを用いて確定された測定データに基づき、横腹切断を遂行するための少なくとも1つのナイフ組立体を制御するステップと備える方法に関する。
【背景技術】
【0005】
この種の測定ヘッド、加工ステーション、および装置は、魚を切り身にするために、詳細には最も正確で多産の可能な手法で魚を切り身にするために、動物加工産業で使用される。解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚を切り身にするとき、多数の異なる切断を遂行して、食肉を、詳細には切り身を魚の骨格から高品質で、すなわち、詳細にはさらにまたどんな骨または骨の断片もなく、完全に分離しなければならない。このために、移送装置を用いて移送経路に沿って移送方向Tに頭部の端部を最初に魚を移送する。この移送経路に沿って少なくとも2つの加工ステーションを配列する。好ましくは、異なる加工ステップを、すなわち異なる切り身切断を遂行するために、移送方向Tに前後に3つ以上の加工ステーションを配列する。腹部切断および横腹切断の他に、前記切り身切断はまた、好ましくはたとえば横腹の骨切断、脊柱切断、ピンボーン(pin bone)または魚胴フラップ(belly flap)の切断、分離切断、および他の切断を含む。
【0006】
個々の加工ステーションは、それぞれ1対の分離ナイフをそれぞれ有するナイフ組立体をそれぞれ備える。1対の分離ナイフの各分離ナイフは、たとえば腹部切断および横腹切断を遂行する円形ナイフとして構成される。円形ナイフは、たとえば腹部切断の場合、移送経路に沿った固定円形ナイフとして構成し配列できる。この場合、2つの円形ナイフは、魚の尾部の根元まで、腹腔の端部から離して、すなわち横腹の骨のすぐ後ろで下部橈骨を切断する。しかしながら、円形ナイフ、および/または円形ナイフを備えるナイフ組立体はまた、切り身切断ごとに、すなわち、詳細には横腹切断、およびピンボーンまたは魚胴フラップの切断ごとに、最適化された切断線に沿って動かされるために、移動可能および調節可能であるように、すなわち自身の位置および/または配向に関して制御可能であるように構成できる。これらの円形ナイフおよび/またはナイフ組立体を正確に制御できるためには、すなわちたとえば横腹切断に関して、円形ナイフが魚と係合する開始時間、および刃が腹腔の端部で魚から切り離される終了時間を決定できるためには、加工ステーションの中に位置する各魚のサイズを知ることが不可欠である。同じことはまた、取り外された魚胴フラップがすべてのピンボーンを包含するように円形ナイフまたはナイフ組立体を動かすときにピンボーン線を正確に追跡できるために、他の切り身切断にも、詳細にはさらにまたピンボーンまたは魚胴フラップの切断にも当てはまる。
【0007】
魚のサイズは、異なる方法で決定または確定できる。一選択肢では、頭部の厚さは、そこから魚のサイズ、または腹腔の長さ、およびピンボーン線の方向を決定するために、適切な測定ヘッドを使用して測定される。しかしながら、この測定は、不正確であるので、ナイフ組立体を制御するのに適していない。他の選択肢では、腹腔の長さを測定または確定する。最終的に、腹腔の長さは、魚のサイズ、骨格の方向などに関する推断につながり、この知識は、円形ナイフ、または円形ナイフを支えるナイフ組立体を最適に制御するために重要である。しかしながら、現在の測定ヘッドおよび測定手段は、腹腔の長さ、ならびにその結果、魚のサイズおよび骨格の方向を正確に決定するのに、限られた程度でしか適していない。したがって、制御は不正確であり、たとえば切り身の中にある骨の断片のせいで、切り身にする間の生産高の損失、および得られた切り身の品質低下につながる。腹腔の長さを測定するための光プローブは、腹腔内部の残骸が測定結果をゆがめるので、本質的に難題を提起する。その結果として多くの場合、機械的(腹腔)プローブ、またはいわゆる高さセンサを使用するが、これらにより長手方向の位置、長手方向の広がり、および魚のサイズを十分正確に決定できるようにならず、不正確な切断結果、および関連する生産高の損失につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、腹腔の長さを信頼できるように、かつ正確に測定することを確実にする、小型で動的な測定ヘッドを作成することである。目的はまた、解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚を切り身にするための、対応する加工ステーション、対応する装置、および対応する方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、魚の肛門に最も近い、魚の横腹の骨に測定センサまたは各測定センサを動作可能に接続できるような方法で、魚に対して切り身切断を遂行するためのナイフ組立体の2つの円形ナイフ間に少なくとも部分的に位置決めされるように測定ヘッドが構成され適合されるという点で、最初に言及したタイプの測定ヘッドにより達成される。魚の肛門の前にある最後の横腹の骨は、腹腔の長さを決定し、それに基づき円形ナイフ、または円形ナイフを支えるナイフ組立体を制御するための正確な位置信号を与える。魚を移送する結果として、肛門に向けて先細になる腹腔内部に位置する測定センサは、腹腔の端部を決定して、それにより測定信号をトリガする最後の横腹の骨により引っ張っていかれ、測定信号は、次いでナイフ組立体を制御するために使用できる。2つの円形ナイフ間で少なくとも部分的に位置決めするように本発明による測定ヘッドを制御することにより、さらにまた横腹の骨が配列された脊柱に沿って近接して腹腔内部で測定センサまたは各測定センサを誘導できることを確実にしながら、特に小型の設計が可能になる。
【0010】
有利には、測定ヘッドは、固定して機械フレームに締結できる基体を備え、少なくとも1つの測定センサは、回転可能に搭載されるように基体上に配列される。機械フレームに固定して締結することは、フレーム、支持物などに締結すること、好ましくは解放可能に締結することを含み、各測定センサを基体に回転可能に搭載することと共に、たとえば測定中に干渉する胴体の影響を低減するために、十分高い探索力を実現できることを確実にする。基体上に配列されるので、本発明による測定ヘッドはまた、詳細には既存の機械に後付けできるモジュールとして使用できる。
【0011】
便宜上、基体はジブの手法で形成され、締結アームと、測定センサまたは各測定センサが回転可能に搭載されるように配列された支持アームとを備える。基体は、任意の形状を有することができ、たとえばブラケット、支持物などとして構成できる。ジブに似た構成により、一方では、ナイフ組立体の2つの円形ナイフ間で測定ヘッドまたはその少なくとも一部を組み立てることがより簡単になり、他方では、腹腔の中に測定センサまたは各測定センサを干渉のないように挿入して、移送方向Tに垂れ下がる最後の横腹の骨が測定センサまたは各測定センサを引っ張っていくことが信頼できるように確実になるように、腹腔内部で誘導するのがより簡単になる。
【0012】
特に有利な実施形態は、測定ヘッドが支持アームの反対側に互いに距離を置いて配列された2つの測定センサを備えることを特徴とする。脊柱の両側に活動状態の2つの測定センサを提供することにより、肛門の前で脊柱の両側に配列された少なくとも2つの横腹の骨の少なくとも一方が、2つの測定センサの一方を引っ張っていって測定信号をトリガする可能性が高まる。このために、測定センサは、継手回転軸を中心に回転可能であるように構成できる。さらにまた、基体の中に回転可能に搭載された継手シャフトに2つの測定センサを割り当てることができる。これらの事例では、測定センサの偏向は、必然的に第2の測定センサを偏向させること/引っ張っていくことにつながる。測定センサはまた、支持アームに個々に搭載されるように、好ましくは支持アームの中に搭載された継手スピンドルにより配列できる/継手スピンドル上に配列できる。
【0013】
特定の好ましい発展形態では、測定センサまたは個々の測定センサは、薄く可撓性のあるばね鋼板から作り出される。これにより、迅速な測定サイクル(待機位置から測定位置への動き、および逆の動き)に関して高い動的性能を確実にする、質量最適化された測定センサが作成される。材料の厚さが「薄い」とは、好ましくは1mmよりも薄い、特に好ましくは0.5mmよりも薄いばね鋼板の材料厚さについて記述する。好ましくは、測定センサを形成する各ばね鋼板は、その表面全体にわたり欠けるところがないのではなく、より少ない材料を使用して、その結果、重量を低減するために、切り抜きを有する。本発明による構成の結果として、測定センサは、ナイフ組立体の、互いに向き合った、円形ナイフの特定の内面に適合できるように、弾性的に変形可能である。回転軸を中心とする第1の移動次元としての測定センサの回転と同様に、またはシャフトに加えて、弾力性の構成により、測定センサまたはその一部に関して第2の移動次元が生成される。全体として、より小さい慣性を有するより軽い測定センサが作成され、その結果、上述のように、短い測定サイクルを得るために迅速な戻りを達成できる。測定サイクルの間、各測定センサのプローブ先端部は、ナイフ組立体の2つの円形ナイフ間の距離が最小になる地点で2度、円形ナイフの切断領域または切断縁部を通過する。
【0014】
便宜上、互いに距離を置いて配列され支持アームに回転可能に搭載された2つの測定センサは、少なくとも1つの地点で公差ブレースを用いて相互接続される。回転軸またはシャフトによる既存の間接的接続に加えて形成されたこの直接接続により、たとえばより大きな探索力を適用できるために安定性が生み出され、2つの小質量の、その結果、動的に最適化された測定センサの、同期した枢動が改善される。
【0015】
有利には、第1の公差ブレースは、加工される魚の移送方向Tに測定センサの回転軸の上流に形成され、両方の測定センサに解放可能に締結され移送方向Tに対して横方向に配向されたボルトにより形成される。2つの測定センサの接続はまた、ねじ、支柱、または任意の他の適切な接続または締結の手段により作り出すことができる。
【0016】
有利には、第2の公差ブレースは、加工される魚の移送方向Tに測定センサの回転軸の下流に形成され、両方の測定センサに解放可能に締結され移送方向Tに対して横方向に配向されたボルトにより形成される。2つの測定センサの接続はまた、ねじ、支柱、または任意の他の適切な接続または締結の手段により作り出すことができる。2つの公差ブレースは、適切に高い探索力を適用するために必要とされるような、測定ヘッドに安定性を提供するだけではなく、2つの測定センサが互いに規定された距離にあり、待機位置から測定位置への枢動移動、および逆の移動の間でさえ前記距離のままでいることも確実にする。
【0017】
有利には、第2の公差ブレースは、基体上に配列された停止要素と相互作用する。例として、停止要素は、特有の各事例に測定センサの枢動範囲の長さが適合されることを確実にするような測定位置まで枢動範囲の長さを制限できる調節可能なボルトである。
【0018】
好ましい実施形態では、各測定センサは、プローブ先端部を有する本体を備える。測定センサが待機位置にあるとき、肛門の前に位置する最後の横腹の骨が、信頼できるように必然的にプローブ先端部に当たり、その結果、測定センサを待機位置から測定位置に枢動させるように、プローブ先端部は、移送方向Tと反対方向を指す。
【0019】
有利には、プローブ先端部に加えて、本体は、センサに動作可能に接続できる検知突出部を有する。各測定センサの本体、検知突出部、およびプローブ先端部は、好ましくは一体で形成される。しかしながら、さらにまた各測定センサが複数の個々の部品から組み立てられるという選択肢もある。例として、センサは、イニシエータとしての簡単な光電センサである可能性がある。センサはまた、距離センサとして構成できる。センサの他の構成もまた可能である。さらにまた複数のセンサまたは他の検出手段を提供するという選択肢もある。
【0020】
有利には、センサは、基体上に配列される。特に好ましくは、センサは、基体の締結アーム上に直接または間接的に配列される。好ましくは締結アームに解放可能に締結されたセンサまたは各センサは、締結アーム上に直接配列できる。締結アームに調節可能に直接締結することもまた、たとえばスロットなどの内部で調節できることもまた可能である。センサまたは各センサはまた、たとえば調節板を用いて締結アームに間接的に締結でき、調節板は、好ましくは締結アーム上に調節可能に配列される。しかしながら、センサまたは各センサはまた、基体上の異なる位置に配列できる、または基体と別個に提供できる。
【0021】
特定の好ましい発展形態は、測定センサまたは各測定センサがばね付勢式に待機位置で保持され、ばね要素が測定センサまたは各測定センサと基体の間で張力をかけられることを特徴とする。ばね要素、または任意選択でさらにまた2つ以上のばね要素は、適度に高い探索力を適用することを支援する。
【0022】
有利には、測定センサまたは各測定センサは、ばね要素のばね力と反対方向に測定位置に偏向可能であるように構成され適合される。測定位置では、測定センサまたは各測定センサは、測定信号をトリガする。測定位置は、好ましくは調節可能な停止要素を用いて制限され決定される。ばね要素または各ばね要素は、魚が測定センサを測定位置に偏向させ、次いでさらに移送されることにより測定センサを再度解放すると、測定センサを待機位置に迅速に戻すことを確実にする。このように、測定ヘッドに順々に移送される魚を信頼できるように測定できるように、短い測定サイクルを達成できる。測定センサを待機位置に保持するばね力は、より正確な測定結果を得ることができるように、測定センサをさらにより高感度にする。
【0023】
便宜上、検知突出部は、測定位置でセンサを少なくとも部分的に覆う。センサまたは各センサは、測定される魚の腹腔の外側に位置する測定位置で、詳細には光学的および/または電子的にトリガできる。
【0024】
有利には、ばね要素は、第1の公差ブレースと基体の支持アームの間で張力をかけられる。このように、小型設計に加えて、測定位置から待機位置に戻る同期した枢動移動は、両方の測定センサに関して確実になる。ばね要素または各ばね要素はまた、一方では測定センサ上の、他方では基体上の異なる位置に直接配列できる。
【0025】
測定ヘッドの特定の好ましい発展形態は、測定センサまたは各測定センサが円形ナイフの内面と接触状態になるように構成され適合されることを特徴とする。この構成は、詳細には測定センサの形状、および円形ナイフ間で張力をかけることができる、測定センサとしての薄いばね鋼板のばね荷重式活動が、腹部切断を遂行するために円形ナイフの互いに向き合った内面間で測定センサを省スペースで位置決めすること、ならびに測定センサが内面と接続状態になることを確実にする。
【0026】
目的はまた、測定ヘッドが請求項1~18のいずれか一項以上に従って構成され適合されるという点で、最初に言及する特徴を有する加工ステーションにより達成される。その結果得られる有利な点については、測定ヘッドに関連してすでに記述しているので、反復を避けるために上記の言明を参照されたい。円形ナイフは、互いに対してV字形である。その上、円形ナイフは、移送方向Tと反対方向に互いに向けられる。その結果、入ってくる側での円形ナイフ間の距離は、出る側での円形ナイフ間の距離よりも短く、その結果、円形ナイフの切断縁部間の距離が最小になる地点は、移送方向Tに円形ナイフの回転軸の上流に位置する。距離は、移送方向Tに円形ナイフの回転軸の下流でますますより大きくなる。
【0027】
有利には、あらゆる位置で、測定ヘッドの測定センサは、少なくとも部分的に、すなわち、少なくとも測定センサのプローブ先端部により、円形ナイフの互いに向き合った内面と密に接触状態にある。測定センサは、少しの圧力で円形ナイフの内面と密に接触状態になるので、測定センサ間の距離は、あらゆる位置で円形ナイフ間の距離と実質的に同じである。
【0028】
好ましい実施形態は、待機位置で、プローブ先端部を伴う測定センサが、一方では、移送方向Tと反対方向を指し示し、円形ナイフの切断縁部を越えて突出し、他方では、移送方向Tに円形ナイフ間の距離が最小になる地点の上流に位置することを特徴とする。測定センサのプローブ先端部は、プローブ先端部が、移送方向Tと反対方向に向き、円形ナイフの切断縁部を越えて突出し、移送方向Tに円形ナイフの回転軸の上流に、かつさらにまた依然として円形ナイフ間の距離が最小になる地点の上流に位置する待機位置から、検知突出部がセンサをトリガしてプローブ先端部が円形ナイフの切断の影の中に位置する測定位置に、枢動範囲内で枢動できる。切断の影は、プローブ先端部が、円形ナイフの切断縁部の下方に、かつ移送方向Tに円形ナイフの回転軸の下流に、すなわち、円形ナイフ間の距離が最小になる領域よりも円形ナイフ間の距離が大きな領域に位置する領域について記述する。あらゆる位置で測定センサは、少なくとも部分的に、すなわち少なくとも常に測定センサのプローブ先端部により、円形ナイフの互いに向き合った内面と接触状態にあるので、一方では、測定センサが、待機位置で横腹の骨により確実に捕らえられること、ならびに他方では、まったく衝突することなく測定位置で魚を解放できることを確実にする。このように、測定センサは、少なくとも測定センサのプローブ先端部により待機位置で、測定位置で、さらにまた一方の位置から他方の位置に枢動するときに、互いに向き合った円形ナイフの内面と接触状態にある。枢動中、測定センサは、一方では、魚の移送配向で、すなわち移送方向に、かつ移送方向Tと反対方向に、測定センサのプローブ先端部で動かされる。しかしながら、枢動中、測定センサはまた、少なくとも測定センサのプローブ先端部により移送方向Tに対して横方向に動かされる。待機位置では、測定センサ間の距離は、円形ナイフ間の距離Eとほぼ同じである。距離は、最小距離の地点Pで移送方向Tに円形ナイフが魚と係合する距離Sまで低減し、次いで移送方向Tに、測定センサが測定位置にあるときの距離Aまで増大し、AはEよりも大きい。密な接触は、各測定センサが、可撓性があり曲げやすいので、円形ナイフの輪郭に従って湾曲して、すなわち少しの(ばねの)圧力で、詳細には待機位置から測定位置に動くときに、円形ナイフと接触状態になることを意味する。
【0029】
特に有利には、ナイフ組立体は、移送方向Tに、頭部の端部が最初に移送される解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚の腹部切断を遂行するように構成され適合される。換言すれば、測定ヘッド、および腹部切断を遂行するためのナイフ組立体は、設備一式を形成する。測定ヘッドは、腹部切断を遂行するためのナイフ組立体に割り当てられるので、魚が依然として安定している最も早い可能な時間に腹腔の長さを確定できる。腹部切断前または腹部切断中に、腹腔に関して、長手方向に魚は依然として閉じている、すなわち、腹部の皮膚が閉じている、または詳細には、より大きな魚では、魚は開いている、すなわち、腹部の皮膚は切り開かれている。しかしながら、その場合、横腹の骨は、必要とされ安定性を魚に与えるように、脊柱に依然として強固に接続されている。腹部切断を遂行するためのナイフ組立体と測定ヘッドの組合せにより、すなわち、腹部切断を遂行するための円形ナイフ間に測定ヘッドを割り当てることにより、安定した魚の胴体に対して測定を行うことを確実にし、これは同様に、より大きな探索力を適用できること意味し、これはさらには、潜在的に干渉する可能性のある胴体の影響を著しく低減できることを意味する。腹部切断を遂行するための円形ナイフの領域内で測定ヘッドが動作する加工ステーションを形成することにより、測定信号がトリガされた後、各測定センサは、腹腔および/または横腹の皮膚で捕らえられることなく、測定中または測定後に遂行される腹部切断で魚から外に移動できる。これにより、引きずる移動、すなわち、待機位置から測定位置に、および逆に各測定センサが動くことが低減され、測定ヘッドのより高い動的性能につながる。
【0030】
目的はまた、加工ステーションが請求項19~22のいずれか一項以上に従って構成され適合されるという点で、最初に言及した特徴を有する装置により達成される。その結果得られる有利な点については、測定ヘッドおよび加工ステーションに関連してすでに記述しているので、反復を避けるために上記の言明を参照されたい。
【0031】
便宜上、複数の加工ステーションは、移送経路に沿って配列され、移送方向Tに請求項19~22のいずれか一項以上に記載の加工ステーションの下流に配列される。さらに、加工ステーションは、詳細には横腹切断、横原の骨の切断、脊柱切断、ピンボーンまたは魚胴フラップの切断、および分離切断を遂行するためのナイフ組立体である。
【0032】
好ましくは、装置は、請求項1~18のいずれか一項以上に記載の測定ヘッドにより確定された測定データに基づき加工ステーションを制御するように構成され適合された制御ユニットを備え、制御ユニットは、少なくとも評価ユニットおよび記憶装置を備える。測定ヘッドの制御機器は、別個に構成できる、または装置の制御ユニットの一部である可能性がある。サイズに依存する切り身切断を遂行するこれらのナイフ組立体、すなわち、詳細には横腹切断を遂行するための、およびピンボーンまたは魚胴フラップの切断を遂行するためのナイフ組立体は、腹部切断を遂行するためのナイフ組立体の領域で測定ヘッドにより確定され評価された測定データに基づき制御できる。詳細には、制御機器または制御ユニットは、横腹切断を遂行するための円形ナイフが、腹腔の始まりで魚といつ契合し、腹腔の終わりでそこからいつ切り離されるか、ならびに円形ナイフの切断曲線を用いて、ピンボーン線に沿ってピンボーンまたは魚胴フラップの切断を遂行するための円形ナイフをいつ制御するか、およびどの切断曲線を用いて制御するかを制御するように構成され適合される。
【0033】
その上、目的は、魚の肛門に最も近い、魚の横腹の骨の位置が、測定ヘッドを用いて確定され、そこから横腹切断を遂行するためのナイフ組立体を制御するために魚のサイズを計算するという点で、最初に参照するステップを有する方法により達成される。肛門の前に位置する最後の横腹の骨に基づき、腹腔の長さを、およびその結果、魚のサイズを決定するために、特に正確な位置信号を受け取ることができる。この知識を用いて、ナイフ組立体を完全に、詳細には横腹切断を遂行するためのナイフ組立体を特に正確に制御できる。その結果得られるさらに有利な点については、測定ヘッド、加工ステーション、および装置に関連してすでに記述しているので、反復を避けるために上記の言明を参照されたい。
【0034】
有利には、測定データは、腹部切断前または腹部切断中に、腹部切断が遂行されている間に確定される。切り身加工でこの早い時間に測定データを決定することは、魚が依然として非常に安定しており、それに応じて高い探索力が可能であるので、特に正確であり、その結果、胴体などの干渉の影響を低減できる。測定は、腹部切断前または腹部切断中に行われるので、その後まったく衝突することなく測定センサを魚から移動できる。
【0035】
好ましくは、魚を移送方向Tに移送する結果、脊柱の両側で肛門に最も近い横腹の骨は、脊柱の両側に配列された測定センサに打ち当たり、魚をさらに移送するとき、前記測定センサが検知突出部によりセンサをトリガするまで測定センサを偏向させる。測定信号は、制御機器または制御ユニットに中継され、制御機器または制御ユニットを用いて処理され、任意選択で記憶される。制御機器または制御ユニットは、次いで魚のサイズが適切な切り身切断を遂行するナイフ組立体または各ナイフ組立体を制御する。
【0036】
特に好ましくは、ピンボーンまたは魚胴フラップの切断を遂行するための少なくともナイフ組立体はまた、測定ヘッドにより確定された測定データに基づき制御される。その結果、円形ナイフを使用して特有のピンボーン線に沿って切断を正確に行うことができる。
【0037】
特に好ましくは、方法は、請求項23~25のいずれか一項以上に記載の装置を使用して行われる。
【0038】
解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚を切り身にするための測定ヘッド、加工ステーション、装置、および方法のさらに好都合および/または有利な特徴および発展形態は、従属請求項および本明細書から明らかになる。測定ヘッド、加工ステーション、装置、および方法の特に好ましい実施形態について、添付図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】前面から斜めの透視図での、測定ヘッドの概略図である。
図2】下から斜めの、図1による測定ヘッドである。
図3】前面から斜めの、ナイフ組立体と測定ヘッドとを備える加工ステーションの概略図である。
図4】明確にする目的のためにナイフ組立体の1つの円形ナイフを除去した、測定ヘッドを待機位置で示す、図3による加工ステーションの側面図である。
図5】明確にする目的のためにナイフ組立体の1つの円形ナイフを除去した、測定ヘッドを測定位置で示す、図3による加工ステーションの側面図である。
図6図3による加工ステーションの平面図である。
図7】魚と係合した、図5による加工ステーションである。
図8図3による加工ステーションおよび別の加工ステーションを備える、解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚を切り身にするための装置である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図面に示す測定ヘッドは、腹腔の長さを確定するために、頭部の端部を最初に移送される解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚に対して腹部切断を遂行するためのナイフ組立体の2つの円形ナイフ間で使用するのに適している。測定ヘッドはまた、切り身切断を遂行するために他のナイフ組立体の円形ナイフ間に位置決めするのに適していることは言うまでもない。どんな場合にも、測定ヘッドは、円形ナイフまたはナイフ組立体を制御する基になる測定信号を発生させるように構成され適合される。
【0041】
測定ヘッド10は、移送方向Tに、頭部の端部を最初に移送される解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚12の腹腔11の長さを決定するように構成され適合され、少なくとも1つの測定センサ13と、測定センサ13によりトリガでき、入力される測定信号を受け取り処理するように構成され適合された制御機器15に接続された少なくとも1つのセンサ14とを備える。
【0042】
本発明によれば、この測定ヘッド10は、魚12の肛門19に最も近い、魚12の横腹の骨20に測定センサ13または各測定センサ13を動作可能に接続できるような方法で、魚12に対して切り身切断を遂行するためのナイフ組立体18の2つの円形ナイフ16、17間に少なくとも部分的に位置決めされるように構成され適合されることを特徴とする。
【0043】
単独に取り上げるにせよ、または互いに組み合わせて取り上げるにせよ、以下で記述する特徴および発展形態は、好ましい実施形態を例示する。特許請求の範囲および/もしくは本明細書および/もしくは図面で組み合わされた特徴、または共通の実施形態で記述する特徴はまた、上記で記述した測定ヘッド10をさらにまた機能的に独立した手法で改良できることが明示的に留意される。
【0044】
測定ヘッド10は、機械フレーム21に固定して締結できる基体22を備え、少なくとも1つの測定センサ13は、回転可能に搭載されるように基体22上に配列される。図示する実施形態では、この基体22は、ジブの手法で形成され、締結アーム23と、測定センサまたは各測定センサ13が回転可能に搭載されるように配列された支持アーム24とを備える。締結アーム23は、機械フレーム21に割り当てられる。締結アーム23および支持アーム24は、好ましくは一体で形成され、好ましくはステンレス鋼から作られる。図示しない実施形態は、単一測定センサ13を備える。図面は、測定ヘッド10が支持アーム24の反対側に互いに距離を置いて配列された2つの測定センサ13、25を備える実施形態を示す。互いに別個に形成された2つの測定センサ13、25は、支持アーム24内に搭載されたスピンドル26上で回転軸Dを中心に回転可能なように搭載される。
【0045】
両方の測定センサ13、25は、薄く可撓性のあるばね鋼板から作られる。ばね鋼板の厚さは、測定すべき魚のサイズを含む異なる要因に依存し、好ましくは1mm未満であり、特に好ましくは0.5mm未満である。各測定センサ13、25または各ばね鋼板は、本体27を備える。本体27は、平坦なシートのように形成され、開口部または材料のない開口28、および表面の中にすきま29を有する。少なくとも1つのプローブ先端部30は、各本体27に割り当てられる。プローブ先端部30は、本体27と一体で形成され、測定ヘッド10が待機位置にあるときに移送方向Tと反対方向を指す(図4を参照されたい)。プローブ先端部30は、移送方向Tと反対方向に先細になる。プローブ先端部30の自由端31は、測定ヘッド10が待機状態にあるとき、移送方向Tに測定センサ13の回転軸Dの上流にある。測定位置では、プローブ先端部30の自由端31は、移送方向Tに測定センサ13の回転軸Dの下流にある。
【0046】
プローブ先端部30に加えて、本体27は、センサ14に動作可能に接続できる少なくとも1つの検知突出部32を有する。検知突出部32は、本体27と一体で形成され、待機位置と測定位置の両方で移送方向Tに測定センサ13の回転軸Dの下流にあり、待機位置でセンサ14の覆いを完全に取り、測定位置でセンサを少なくとも部分的に、好ましくは全体を覆う。
【0047】
共用スピンドル26を用いて2つの測定センサ13、25間を(間接的に)接続することに加えて、互いに距離を置いて配列され支持アーム24に回転可能に搭載された2つの測定センサ13、25は、少なくとも一点で公差ブレース33を用いて相互接続される。第1の公差ブレース33は、加工される魚の移送方向Tに測定センサ13、25の回転軸Dの上流に形成され、両方の測定センサ13、25に解放可能に締結され移送方向Tに対して横方向に配向されたボルト34により形成される。回転軸Dに対してボルト34が締結された位置に関連して調節能力が提供される。ばね鋼板の本体27内に、公差ブレース33を異なる位置に固定できるように、異なる位置に孔35を形成する。
【0048】
第2の公差ブレース36は、加工される魚12の移送方向Tに測定センサ13、25の回転軸Dの下流に形成され、両方の測定センサ13、25に解放可能に締結され移送方向Tに対して横方向に配向されたボルト37により形成される。ボルト37は、本体27に属し本体27と一体で形成された締結突出部38の領域内で2つの測定センサ13、25を接続する。第2の公差ブレース36は、本体22上に配列された停止要素39と相互作用する。停止要素39は、たとえば測定センサ13、25の枢動範囲の長さを制限する調節可能なボルト40である。枢動範囲の長さは、ボルト40または任意の他の停止手段の調節能力により調節できる。測定位置を構成する枢動範囲の端部位置では、検知突出部32は、測定信号をトリガするような方法でセンサ14を覆う。図示する実施形態では(この場合、例として近傍センサとして形成された)センサ14は、基体22の締結アーム23上に間接的に配列される。すなわち、センサ14は、解放可能で調節可能な手法で、基体22上に、すなわち締結アーム23上に配列された調節板41に割り当てられる。
【0049】
測定センサ13、25は、基本的にはばね付勢の手法で待機位置に保持され(図4を参照されたい)、ばね要素42は、測定センサ13、25または各測定センサ13、25と基体22の間で張力をかけられる。ばね要素42は、一方の端部により第1の公差ブレース33に締結される。ばね要素42は、反対側の端部により支持アーム24に締結される。このために、支持アーム24上に耳状部43を配列し、耳状部の上にばね要素42を配列する。測定センサ13、25は、ばね要素42のばね力と反対方向に(たとえば図4に示す)前記待機位置から(たとえば図5に示す)測定位置に偏向可能であるように構成され適合される。測定位置では、検知突出部32は、センサ14を少なくとも一部覆う。
【0050】
覆い/保護要素44は、支持アーム24の拡張部分で基体22の支持アーム24上に配列される。覆い/保護要素44は、第1の公差ブレース33を実質的に覆う一種の保護板であり、その結果、詳細にはばね要素42を保護する。保護板の幅は、第1の測定センサ13の内側45から第2の測定センサ25の対向する内側46まで伸展し、それに加えて、曲げやすく可撓性のある測定センサ13、25のためのガイドおよびスペーサの役割を果たすことができる。
【0051】
上記で記述するように、各測定センサ13、25は、弾性的に変形可能な手法でばね鋼板から形成される。その結果、測定センサ13、25は、円形ナイフ16、17の内面47、48と接触状態になるように構成され適合される。測定センサ13、25のこの構成および適合は、詳細には以下で記述する加工ステーション49の一部として円形ナイフ16、17に動作可能に接続する際に適用可能である。
【0052】
測定ヘッド10は、別個のユニットとして、詳細にはさらにまた既存のシステムの後付けキットとして使用できる。しかしながら、好ましくは、測定ヘッド10は、加工ステーション49の一部である。この加工ステーション49は、解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚12を加工するように構成され適合され、回転駆動できる円形ナイフ16、17と、円形ナイフ16、17を回転駆動するための駆動ユニット53、54とをそれぞれ備える2つの切断ヘッド51、52を有するナイフ組立体18であって、2つの円形ナイフ16、17は、互いに対してV字形に傾くように配向され、かつ処理される魚12の移送方向Tと反対方向に互いに向けて傾くように配向されたナイフ組立体18を備え、解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚12の腹腔11の長さを決定するための測定ヘッド10を備える。
【0053】
本発明によれば、加工ステーション49は、測定ヘッド10が請求項1~18のいずれか一項以上に従って構成され適合されることを特徴とする。
【0054】
2つの円形ナイフ16、17は、加工される魚12の反対側に配列され、それに応じて互いに距離を置いて配列される。2つの円形ナイフ16、17間の距離は、詳細には移送方向Tと反対方向に互いに対して前記円形ナイフが傾くせいで、少なくともいくつかの部分で2つの測定センサ13、25間の距離よりも短いので、円形ナイフ16、17は、2つの円形ナイフ16、17間に前記測定センサを配列するせいで、移送方向Tに対して横方向の位置に2つの測定センサ13、25を押しつける。あらゆる位置で、測定ヘッド10の測定センサ13、25は、円形ナイフ16、17の互いに向き合った内面47、48と、すなわち少なくとも部分的に、すなわち少なくとも測定センサのプローブ先端部30により、密に接触状態にある。測定センサ13、25は、ばね荷重式に構成され適合されるので、少しの圧力で円形ナイフ16、17の互いに向き合った内面47、48と接触状態にある。少しの圧力で測定センサ13、25と円形ナイフ16、17の内面47、48との間でこのように密に接触することは、各測定センサ13、25が、詳細には待機位置から測定位置に移動するときでさえ、輪郭および輪郭の傾きに従って湾曲して、または弓状に円形ナイフ16、17と接触状態にあることを意味する。詳細には、円形ナイフ16、17間の距離はまた、測定センサ13、25間の距離と同じである。待機位置では、測定センサ13、25間の距離は、円形ナイフ16、17間の距離Eとほぼ同じである。距離は、最小距離の地点Pで移送方向Tに円形ナイフ16、1が魚12と係合する距離Sまで低減し、次いで移送方向Tに、測定センサ13、25が測定位置にあるときの距離Aまで増大し、AはEよりも大きい(図6を参照されたい)。
【0055】
一方では、円形ナイフ16、17のV字のような位置、および移送方向Tと反対方向に互いに向けて円形ナイフ16、17が傾くせいで、他方では、測定センサ13、25が少しの力で円形ナイフ16、17の内面47、48と密に接触する位置のせいで、待機位置にある測定センサ13、25は、測定センサ13、25が円形ナイフ16、17の切断の影の中にある測定位置でセンサ14をトリガするために、魚12の肛門19の前にある最後の横原の骨20により引っ張っていかれる可能性がある。この場合、本発明による構成は、詳細には、測定センサ13、25が測定位置にあるときに切断の影の中にあるので、測定センサ13、25から潜在的な残骸を取り除くことができることを確実にする。たとえば図4に示すように、待機位置では、プローブ先端部30を伴う測定センサ13、25は、一方では、移送方向Tと反対方向を指し、円形ナイフ16、17の切断縁部55、56を越えて突出し、他方では、移送方向Tに円形ナイフ16、17間の距離Sが最小になる地点の上流に位置する。
【0056】
図示する実施形態では、ナイフ組立体18は、移送方向Tに、頭部の端部が最初に移送される解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚12に対して腹部切断を遂行するように構成され適合される。腹部切断を遂行するためのナイフ組立体18に測定ヘッド10を割り当てることにより、切り身動作の可能な最も早い時間に、具体的には、魚12の胴体を支持する領域および骨がまだ切断されていないので安定した魚12に対して測定を行うことができる。それに加えて、腹腔に関して長手方向に依然として閉じた、すなわち閉じた腹部の皮膚を有する魚12に対してさえ測定を行うことができる。測定センサ13、25は、腹部切断を遂行するための円形ナイフ16、17の領域内に配列されるので、腹腔11の中に、または腹部の皮膚上で捕らえられることなく、魚12の肛門19の前にある最後の横腹の骨20を探査すると、魚12から外に移動させることができる。
【0057】
好ましくは、加工ステーション49は、解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚12を加工するように、詳細には切り身にするように構成され適合された装置57の一部であり、移送経路に沿って移送方向Tに頭部の端部を最初に魚12を保持し移送するための移送機器58を備え、魚12を加工するための、移送経路に沿った少なくとも1つの加工ステーション49を備える。
【0058】
本発明によれば、装置57は、加工ステーション49が請求項19~22のいずれか一項以上に従って構成され適合されることを特徴とする。図示する実施形態では、複数の加工ステーション59、60、61、62、63は、移送経路に沿って配列され、移送方向Tに請求項19~23のいずれか一項以上に記載の加工ステーション49の下流に配列される。図7に従って示す図では、加工ステーション59~63は、横腹切断(ナイフ組立体67)、横腹の骨の切断(ナイフ組立体68)、脊柱切断(ナイフ組立体69)、ピンボーンまたは魚胴フラップの切断(ナイフ組立体70)、および分離切断(ナイフ組立体74)を遂行するためのナイフ組立体である。
【0059】
加工される魚12は、移送機器58を用いて加工ステーション49から加工ステーション59~63に移送される。図示する実施形態では、好ましくは、回転する手法で駆動され偏向および/または駆動要素の周囲で誘導される2つのスパイクチェーン64、65を移送機器58として使用する。スパイクチェーン64、65は、両側で魚12を把持し、移送経路に沿って移送する間に魚12を保持する。他の移送システム、ベルト、または対応する保持要素を有するコンベアもまた使用できる。
【0060】
装置57は、請求項1~19のいずれか一項以上に記載の測定ヘッド10により確定された測定データに基づき加工ステーション49、59~63を制御するように構成され適合された制御ユニット66を備え、制御ユニット66は、少なくとも評価ユニットおよび記憶装置を備える。測定ヘッド10の制御機器15は、装置57の制御ユニット66とは別個に形成できる、または制御ユニット66の一部である可能性がある。ナイフ組立体67~71は、測定ヘッド10の確定され評価された測定データに基づき制御できる。詳細には、横腹切断を遂行するためのナイフ組立体67は、正確に言えば、横腹切断を遂行する円形ナイフが、腹腔11の始まりで魚12といつ契合し、そこから腹腔11の終わりでいつ切り離されるかに関して制御でき、ピンボーンまたは魚胴フラップの切断を遂行するためのナイフ組立体70はまた、正確に言えば、ピンボーン線に沿ってピンボーンまたは魚胴フラップの切断を遂行するための円形ナイフをいつ制御するか、およびどの切断曲線で制御するかに関して制御できる。
【0061】
以下で添付図面を参照して方法についてより詳細に説明する。解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚12加工するために、詳細には切り身にするために本方法を使用する。このために、移送方向Tに移送機器58を用いて、魚12を扱うための少なくとも2つの加工ステーション49、59に頭部の端部を最初に魚12を供給する。加工ステーション49、59で加工切断、すなわち切り身切断を連続して遂行する。ナイフ組立体18、67の2つの回転駆動円形ナイフ16、17に沿って、加工される魚12を連続して移送することにより、加工ステーション49、59としてナイフ組立体18、67を用いて、加工される魚12に対して切り身切断を遂行する。最初の切り身切断として、第1のナイフ組立体18を使用して腹部切断を遂行し、次に移送方向Tに第1のナイフ組立体18の下流に配列された第2のナイフ組立体67を使用して少なくとも横腹切断が続く。魚12のサイズに関して、測定ヘッド10を用いて確定された測定データに基づき、横腹切断を遂行するための少なくともナイフ組立体67を制御する。
【0062】
本発明によれば、測定ヘッド10を用いて魚12の肛門19に最も近い、魚12の横腹の骨20の位置を確定させ、そこから横腹切断を遂行するためのナイフ組立体67を制御するために魚12のサイズを計算する。制御機器15または制御ユニット66で測定信号または測定データを評価し、腹腔11の確定した長さまたは魚12のサイズに基づき、ナイフ組立体67または各ナイフ組立体67を制御する。横腹切断を遂行するためのナイフ組立体67に関して、これは、円形ナイフが、腹腔11のちょうど始まりで魚12の中に切り込み、ナイフ組立体67の円形ナイフがこれ以上切断しないように腹腔11の端部で魚12から外に動かされる、または少なくとも覆われることを意味する。
【0063】
理想的には、測定データは、腹部切断前または腹部切断中に、腹部切断が遂行されている間に確定される。この場合、魚12が移送方向Tに移送される結果、脊柱の両側で肛門19に最も近い横腹の骨20は、脊柱の両側に配列された測定センサ13、25に打ち当たり、魚がさらに移送されるとき、検知突出部32により前記測定センサ13、25がセンサ14をトリガするまで測定センサを偏向させる。このように、位置信号が得られ、魚12の腹腔11の長さを確定させるために処理される。そこから導出される前記制御データを、サイズに依存する切り身切断を遂行するナイフ組立体59~71すべてのために使用する。横腹切断に加えて、測定ヘッド10により確定された測定データに基づき、ピンボーンまたは魚胴フラップの切断を遂行するための少なくともナイフ組立体70もまた制御する。さらにまた腹部切断前または腹部切断中に、測定ヘッド10により確定された測定データを使用して、別のナイフ組立体68、69、71を制御できることは言うまでもない。
【0064】
好ましくは、請求項23~25のいずれか一項以上に記載の装置57を使用して方法を行う。
【0065】
測定中、すなわち詳細には測定センサ13、25が待機位置から測定位置に、さらにまた再度逆に枢動するときでさえ、測定センサ13、25は、円形ナイフ16、17の内面47、48上を滑る。好ましくは、測定センサ13、25が適切な注入口、ノズルなどを介して円形ナイフ16、17と接触状態になる領域の中に流体を、詳細には水を注入し、その結果、測定センサ13、25は、ほとんど流体力学の手法で円形ナイフ16、17の内面47、48上を滑る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-05-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移送方向Tに、頭部の端部を最初に移送される解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚(12)の腹腔(11)の長さを決定するように構成され適合された測定ヘッド(10)であって、少なくとも1つの測定センサ(13)と、前記測定センサ(13)によりトリガされ、入力された測定信号を受け取り処理するように構成され適合された制御機器(15)に接続された少なくとも1つのセンサ(14)とを備える測定ヘッド(10)において、前記測定センサ(13)または各前記測定センサ(13)を前記魚(12)の肛門(19)に最も近い、前記魚(12)の脇腹の骨(20)に動作可能に接続できるような方法で、前記魚(12)に対して切り身切断を遂行するためのナイフ組立体(18)の2つの円形ナイフ(16、17)の間に前記測定ヘッド(10)を少なくとも部分的に位置決めされるように構成され適合されることを特徴とする測定ヘッド(10)。
【請求項2】
前記測定ヘッド(10)は、機械フレーム(21)に固定して締結できる基体(22)を備え、前記少なくとも1つの測定センサ(13)は、回転可能に搭載されるように前記基体(22)上に配列されることを特徴とする、請求項1に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項3】
前記基体(22)は、ジブの手法で形成され、締結アーム(23)と、前記測定センサ(13)または各前記測定センサ(13)が回転可能に搭載されるように配列された支持アーム(24)とを備えることを特徴とする、請求項2に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項4】
前記支持アーム(24)の反対側に互いに距離を置いて配列された2つの測定センサ(13、25)を備えることを特徴とする、請求項3に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項5】
前記測定センサ(13、25)または各前記測定センサ(13、25)は、薄く可撓性のあるばね鋼板から作り出されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項6】
互いに距離を置いて配列され前記支持アーム(24)に回転可能に搭載された前記2つの測定センサ(13、25)は、少なくとも一点で公差ブレース(33、36)を用いて相互接続されることを特徴とする、請求項3~5のいずれか一項に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項7】
第1の公差ブレース(33)は、加工される前記魚(12)の前記移送方向Tに前記測定センサ(13、25)の回転軸Dの上流に形成され、両方の前記測定センサ(13、25)に解放可能に締結され前記移送方向Tに対して横方向に配向されたボルト(34)により形成されることを特徴とする、請求項6に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項8】
第2の公差ブレース(36)は、加工される前記魚(12)の前記移送方向Tに前記測定センサ(13、25)の前記回転軸Dの下流に形成され、両方の前記測定センサ(13、25)に解放可能に締結され前記移送方向Tに対して横方向に配向されたボルト(37)により形成されることを特徴とする、請求項6または7に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項9】
前記第2の交差ブレース(36)は、前記基体(22)上に配列された停止要素(39)と相互作用することを特徴とする、請求項8に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項10】
各前記測定センサ(13、25)は、プローブ先端部(30)を有する本体(27)を備えることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項11】
前記本体(27)は、前記センサ(14)に動作可能に接続できる検知突出部(32)を有することを特徴とする、請求項10に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項12】
前記測定センサ(14)は、基体(22)上に配列されることを特徴とする、請求項2~11のいずれか一項に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項13】
前記測定センサ(14)は、前記基体(22)の前記締結アーム(23)上に直接または間接的に配列されることを特徴とする、請求項2~12のいずれか一項に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項14】
前記測定センサ(13、25)または各前記測定センサ(13、25)は、待機位置でばね付勢式に保持され、ばね要素(42)は、前記測定センサ(13、25)または各前記測定センサ(13、25)と前記基体(22)の間で張力をかけられることを特徴とする、請求項2~13のいずれか一項に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項15】
前記測定センサ(13、25)または各前記測定センサ(13、25)は、前記ばね要素(42)のばね力と反対方向に測定位置の中に偏向可能であるように構成され適合されることを特徴とする、請求項14に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項16】
前記測定位置では、前記検知突出部(32)は、少なくとも部分的に前記センサ(14)を覆うことを特徴とする、請求項14または15に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項17】
前記ばね要素(42)は、前記第1の交差ブレース(33)と前記基体(22)の前記支持アーム(24)の間で張力をかけられることを特徴とする、請求項11~16のいずれか一項に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項18】
前記測定センサ(13、25)または各前記測定センサ(13、25)は、前記円形ナイフ(16、17)の内面(47、48)と接触状態になるように構成され適合されることを特徴とする、請求項1~17のいずれか一項に記載の測定ヘッド(10)。
【請求項19】
解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚(12)を加工するように構成され適合された加工ステーション(49)であって、2つの切断ヘッド(51、52)を有するナイフ組立体(18)を備え、前記2つの切断ヘッド(51、52)の各々は、回転可能に駆動できる円形ナイフ(16、17)と、前記円形ナイフ(16、17)を回転駆動するための駆動ユニット(53、54)とを備え、前記2つの円形ナイフ(16、17)は、互いに対してV字形に傾くように配向され、かつ加工される魚(12)の移送方向Tと反対方向に互いに向けて傾くように配向され、前記解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚(12)の腹腔(11)の長さを決定するための測定ヘッド(10)を備える加工ステーション(49)において、前記測定ヘッド(10)は、請求項1~18のいずれか一項に従って構成され適合されることを特徴とする加工ステーション(49)。
【請求項20】
あらゆる位置で、前記測定ヘッド(10)の測定センサ(13、25)は、少なくとも部分的に、すなわち少なくとも前記測定ヘッド(10)のプローブ先端部(30)により、前記円形ナイフ(16、17)の互いに向き合った内面(47、48)と密に接触状態にあることを特徴とする、請求項19に記載の加工ステーション(49)。
【請求項21】
待機位置では、前記プローブ先端部(30)を伴う前記測定センサ(13、25)は、一方では、前記移送方向Tと反対方向を指し示し、前記円形ナイフ(16、17)の切断縁部(55、56)を越えて突出し、他方では、前記移送方向Tに前記円形ナイフ(16、17)間の距離Sが最小になる地点Pの上流に位置することを特徴とする、請求項19または20に記載の加工ステーション(49)。
【請求項22】
前記ナイフ組立体(18)は、前記移送方向Tに頭部の端部が最初に移送される前記解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚(12)に対して腹部切断を遂行するように構成され適合されることを特徴とする、請求項19~21のいずれか一項に記載の加工ステーション(49)。
【請求項23】
解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚(12)を加工するための、詳細には切り身にするための装置(57)であって、移送経路に沿って移送方向Tに頭部の端部を最初に前記魚(12)を保持し移送するための移送機器(58)と、前記魚(12)を加工するための、前記移送経路に沿った少なくとも1つの加工ステーション(49)とを備える装置(57)において、前記加工ステーション(49)は、請求項19~22のいずれか一項に従って構成され適合されることを特徴とする装置(57)。
【請求項24】
複数の加工ステーション(59、60、61、62、63)は、前記移送経路に沿って配列され、前記移送方向Tに、請求項19~22のいずれか一項に記載の前記加工ステーション(49)の下流に配列されることを特徴とする、請求項23に記載の装置(57)。
【請求項25】
前記装置(57)は、請求項1~18のいずれか一項に記載の測定ヘッド(10)により確定された測定データに基づき前記加工ステーション(49、59~63)を制御するように構成され適合された制御ユニット(66)を備え、前記制御ユニット(66)は、少なくとも評価ユニットおよび記憶装置を備えることを特徴とする、請求項23または24に記載の装置(57)。
【請求項26】
解体処理され頭部を切断され内臓を取られた魚(12)加工するための、詳細には切り身にするための方法であって、
-移送方向Tに移送機器(58)を用いて、魚(12)を扱うための少なくとも2つの加工ステーション(49、59)に頭部の端部を最初に前記魚(12)を供給するステップと、
-ナイフ組立体(18、67)の2つの回転駆動円形ナイフ(16、17)に沿って、加工される前記魚(12)を連続して移送することにより、前記加工ステーション(49、59)として前記ナイフ組立体(18、67)を用いて、加工される前記魚(12)に対して複数の加工切断を遂行するステップと、
-第1のナイフ組立体(18)を使用して最初に腹部切断を遂行し、その後、前記移送方向Tに前記第1のナイフ組立体(18)の下流に配列された第2のナイフ組立体(67)を使用して少なくとも1回の横腹の骨切断を遂行するステップと、
-前記魚(12)のサイズに関して、測定ヘッド(10)を用いて確定された測定データに基づき、横腹切断を遂行するための少なくとも前記ナイフ組立体(67)を制御するステップと
を備える方法において、
前記測定ヘッド(10)を用いて前記魚(12)の肛門(19)に最も近い、前記魚(12)の横腹の骨(20)の位置を確定させ、そこから前記横腹切断を遂行するための前記ナイフ組立体(67)を制御するために、前記魚(12)の前記サイズを計算することを特徴とする方法。
【請求項27】
前記測定データは、腹部切断前または腹部切断中に、前記腹部切断が遂行されている間に確定されることを特徴とする、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記魚(12)が前記移送方向Tに移送される結果、脊柱の両側で前記肛門(19)に前記最も近い横腹の骨(20)は、前記脊柱の前記両側に配列された測定センサ(13、25)に打ち当たり、前記魚がさらに移送されるとき、前記測定センサ(13、25)が検知突出部(32)によりセンサ(14)をトリガするまで前記測定センサを偏向させることを特徴とする、請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
前記測定ヘッド(10)により確定された前記測定データに基づき、ピンボーン(pin bone)または魚胴フラップ(belly flap)の切断を遂行するための少なくともナイフ組立体(70)もまた制御することを特徴とする、請求項26~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
請求項23~25のいずれか一項に記載の装置(57)を使用して行われることを特徴とする、請求項26~29のいずれか一項に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
本発明によれば、装置57は、加工ステーション49が請求項19~22のいずれか一項以上に従って構成され適合されることを特徴とする。図示する実施形態では、複数の加工ステーション59、60、61、62、63は、移送経路に沿って配列され、移送方向Tに請求項19~23のいずれか一項以上に記載の加工ステーション49の下流に配列される。図7に従って示す図では、加工ステーション59~63は、横腹切断(ナイフ組立体67)、横腹の骨の切断(ナイフ組立体68)、脊柱切断(ナイフ組立体69)、ピンボーンまたは魚胴フラップの切断(ナイフ組立体70)、および分離切断(ナイフ組立体7)を遂行するためのナイフ組立体である。
【国際調査報告】