(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】新規の炭水化物結合ポリペプチド
(51)【国際特許分類】
C07K 14/00 20060101AFI20241114BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20241114BHJP
C12N 1/13 20060101ALI20241114BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20241114BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20241114BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20241114BHJP
C12N 15/11 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
C07K14/00
C12N15/63 Z ZNA
C12N1/13
C12N1/15
C12N1/19
C12N5/10
C12N15/11 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529212
(86)(22)【出願日】2022-11-15
(85)【翻訳文提出日】2024-07-02
(86)【国際出願番号】 EP2022081942
(87)【国際公開番号】W WO2023084107
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524183005
【氏名又は名称】グリコリンク エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】マッキー,ローレン
(72)【発明者】
【氏名】ハオ,メングシュ
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,チー
(72)【発明者】
【氏名】コスケラ,サラ
【テーマコード(参考)】
4B065
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA01X
4B065AA72X
4B065AA90X
4B065AA95X
4B065AB01
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA60
4H045AA10
4H045AA20
4H045BA09
4H045BA18
4H045BA19
4H045BA20
4H045BA21
4H045BA53
4H045EA15
4H045EA20
4H045EA60
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、新規の炭水化物結合ポリペプチド及びハイドロゲルの作製におけるその使用に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリペプチドであって、
【化1】
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域1(R1)、
またはその機能的バリアントであって、前記バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で前記バリアントのアミノ酸配列が配列番号8とは異なる、前記機能的バリアント、
【化2】
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域2(R2)、
またはその機能的バリアントであって、前記バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で前記バリアントのアミノ酸配列が配列番号10とは異なる、前記機能的バリアント、
【化3】
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域3(R3)、
またはその機能的バリアントであって、前記バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で前記バリアントのアミノ酸配列が配列番号12とは異なる、前記機能的バリアント
からなる群から選択される少なくとも2つの繰り返し領域を含む、前記ポリペプチド。
【請求項2】
ポリペプチドであって、
a. 配列番号220:
X
1X
2X
3X
4X
5X
6X
7X
8X
9X
10X
11X
12X
13X
14X
15X
16X
17X
18X
19X
20X
21X
22X
23X
24X
25X
26X
27X
28X
29X
30X
31X
32X
33X
34WEX
37F
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域1(R1)
[式中、
X
1は、イソロイシン(I)またはバリン(V)であり、
X
2は、トリプトファン(W)、セリン(S)、トレオニン(T)またはアラニン(A)などの任意のアミノ酸であり、
X
3は、ロイシン(L)またはイソロイシン(I)であり、
X
4は、リジン(K)もしくはアルギニン(R)であるか、または欠如しており、
X
5は、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、アラニン(A)もしくはリジン(K)であるか、または欠如しており、
X
6は、グリシン(G)、セリン(S)、チロシン(Y)、システイン(C)、ロイシン(L)またはトレオニン(T)であり、
X
7は、フェニルアラニン(F)またはセリン(S)などの任意のアミノ酸であり、
X
8は、グリシン(G)であるか、または欠如しており、
X
9は、アスパラギン(N)、ヒスチジン(H)、アスパラギン酸(D)またはトレオニン(T)であり、
X
10は、アスパラギン(N)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン(Q)、リジン(K)またはグリシン(G)であり、
X
11は、リジン(K)、グルタミン(Q)、アスパラギン(N)またはロイシン(L)であり、
X
12は、チロシン(Y)、ロイシン(L)またはフェニルアラニン(F)であり、
X
13は、バリン(V)、ロイシン(L)またはアラニン(A)であり、
X
14は、セリン(S)、トレオニン(T)、システイン(C)またはアスパラギン(N)であり、
X
15は、アラニン(A)、セリン(S)またはグリシン(G)であり、
X
16は、グルタミン酸(E)、リジン(K)、アルギニン(R)、グルタミン(Q)またはアスパラギン酸(D)であり、
X
17は、アスパラギン(N)、グリシン(G)、グルタミン(Q)またはプロリン(P)であり、
X
18は、グリシン(G)、アスパラギン(N)、トレオニン(T)またはアスパラギン酸(D)であり、
X
19は、ロイシン(L)であるか、または欠如しており、
X
20は、グリシン(G)もしくはアラニン(A)であるか、または欠如しており、
X
21は、アラニン(A)もしくはアスパラギン(N)であるか、または欠如しており、
X
22は、トレオニン(T)などの任意のアミノ酸であるか、または欠如しており、
X
23は、グリシン(G)などの任意のアミノ酸であり、
X
24は、プロリン(P)、アラニン(A)、グルタミン(Q)またはアルギニン(R)であり、
X
25は、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アラニン(A)またはイソロイシン(I)であり、
X
26は、トレオニン(T)などの任意のアミノ酸であり、
X
27は、アラニン(A)、システイン(C)またはトリプトファン(W)であり、
X
28は、アスパラギン(N)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)またはアルギニン(R)であり、
X
29は、アルギニン(R)、アラニン(A)またはセリン(S)であり、
X
30は、トレオニン(T)、アスパラギン酸(D)、プロリン(P)、イソロイシン(I)、アスパラギン(N)またはアラニン(A)であり、
X
31は、トレオニン(T)、アラニン(A)、バリン(V)、グリシン(G)、リジン(K)またはイソロイシン(I)であり、
X
32は、アラニン(A)、バリン(V)、プロリン(P)またはロイシン(L)であり、
X
33は、グリシン(G)、グルタミン(Q)、セリン(S)またはアスパラギン酸(D)であり、
X
34は、グリシン(G)などの任意のアミノ酸であり、
X
37は、グルタミン(Q)またはリジン(K)などの任意のアミノ酸である]、
またはその機能的バリアントであって、前記バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で前記バリアントのアミノ酸配列が配列番号220とは異なる、前記機能的バリアント、
b. 配列番号221:
X
1X
2X
3X
4X
5X
6X
7X
8X
9X
10X
11X
12X
13X
14X
15X
16X
17X
18X
19X
20X
21X
22X
23X
24X
25X
26X
27X
28X
29X
30X
31WEX
34F
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域2(R2)
[式中、
X
1は、イソロイシン(I)またはバリン(V)であり、
X
2は、アラニン(A)、アスパラギン(N)、チロシン(Y)またはトレオニン(T)であり、
X
3は、ロイシン(L)またはイソロイシン(I)であり、
X
4は、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、ロイシン(L)またはリジン(K)であり、
X
5は、グリシン(G)、アラニン(A)、アスパラギン(N)またはセリン(S)であり、
X
6は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であるか、または欠如しており、
X
7は、グリシン(G)もしくはセリン(S)であるか、または欠如しており、
X
8は、アスパラギン(N)、メチオニン(M)、グルタミン(Q)、ヒスチジン(H)またはセリン(S)であり、
X
9は、グリシン(G)またはアラニン(A)であり、
X
10は、リジン(K)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アスパラギン(N)またはセリン(S)であり、
X
11は、チロシン(Y)であり、
X
12は、バリン(V)またはフェニルアラニン(F)であり、
X
13は、セリン(S)、システイン(C)、リジン(K)またはグルタミン(Q)であり、
X
14は、アラニン(A)、バリン(V)またはセリン(S)であり、
X
15は、グルタミン酸(E)、アスパラギン酸(D)、グルタミン(Q)またはグリシン(G)であり、
X
16は、アスパラギン(N)、プロリン(P)、グリシン(G)、トレオニン(T)またはアスパラギン酸(D)であり、
X
17は、グリシン(G)、アスパラギン酸(D)、イソロイシン(I)もしくはアスパラギン(N)であるか、または欠如しており、
X
18は、バリン(V)もしくはグリシン(G)であるか、または欠如しており、
X
19は、グリシン(G)、トレオニン(T)、ロイシン(L)、アラニン(A)、もしくはグルタミン酸(E)であるか、または欠如しており、
X
20は、グルタミン(Q)などの任意のアミノ酸であるか、または欠如しており、
X
21は、プロリン(P)、アラニン(A)、グルタミン(Q)またはアスパラギン(N)であり、
X
22は、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)またはバリン(V)であり、
X
23は、トレオニン(T)、アスパラギン(N)、フェニルアラニン(F)またはアルギニン(R)であり、
X
24は、アラニン(A)、システイン(C)またはアルギニン(R)であり、
X
25は、アスパラギン(N)、アラニン(A)、トレオニン(T)またはグルタミン(Q)であり、
X
26は、アラニン(A)、グリシン(G)またはアルギニン(R)であり、
X
27は、トレオニン(T)、アラニン(A)、リジン(K)、プロリン(P)またはロイシン(L)であり、
X
28は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であり、
X
29は、イソロイシン(I)、バリン(V)、プロリン(P)、アラニン(A)、リジン(K)、チロシン(Y)またはロイシン(L)であり、
X
30は、グリシン(G)、アラニン(A)、グルタミン酸(E)、トレオニン(T)、セリン(S)、グルタミン(Q)またはアスパラギン酸(D)であり、
X
31は、グリシン(G)、アラニン(A)、アスパラギン酸(D)、セリン(S)、プロリン(P)またはリジン(K)であり、
X
34は、リジン(K)などの任意のアミノ酸である]、
またはその機能的バリアントであって、前記バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で前記バリアントのアミノ酸配列が配列番号221とは異なる、前記機能的バリアント、
c. 配列番号222:
X
1X
2X
3X
4X
5X
6X
7X
8X
9X
10X
11X
12X
13X
14X
15X
16X
17X
18X
19X
20X
21X
22X
23X
24X
25X
26X
27X
28X
29X
30X
31X
32X
33X
34X
35WEX
38F
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域3(R3)
[式中、
X
1は、バリン(V)、イソロイシン(I)、チロシン(Y)またはフェニルアラニン(F)であり、
X
2は、アラニン(A)、セリン(S)、システイン(C)、トレオニン(T)またはグリシン(G)であり、
X
3は、ロイシン(L)、フェニルアラニン(F)またはイソロイシン(I)であり、
X
4は、アルギニン(R)、リジン(K)またはグルタミン(Q)であり、
X
5は、グリシン(G)、アラニン(A)またはセリン(S)であり、
X
6は、アルギニン(R)もしくはバリン(V)であるか、または欠如しており、
X
7は、アスパラギン(N)などの任意のアミノ酸であり、
X
8は、アスパラギン(N)、ヒスチジン(H)、アラニン(A)、リジン(K)であるか、または欠如しており、
X
9は、グリシン(G)、トリプトファン(W)またはアスパラギン(N)であり、
X
10は、リジン(K)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、セリン(S)、アラニン(A)またはグルタミン(Q)であり、
X
11は、チロシン(Y)、トリプトファン(W)またはフェニルアラニン(F)であり、
X
12は、バリン(V)、ロイシン(L)、メチオニン(M)またはイソロイシン(I)であり、
X
13は、セリン(S)またはグルタミン(Q)であり、
X
14は、アラニン(A)、セリン(S)、ヒスチジン(H)またはグリシン(G)であり、
X
15は、グルタミン酸(E)、アスパラギン酸(D)、グルタミン(Q)、セリン(S)またはアスパラギン(N)であり、
X
16は、アスパラギン(N)、ロイシン(L)、トリプトファン(W)、メチオニン(M)またはアスパラギン酸(D)であり、
X
17は、グリシン(G)、セリン(S)またはアスパラギン酸(D)であり、
X
18は、セリン(S)またはトレオニン(T)などの任意のアミノ酸であり、
X
19は、アスパラギン(N)、バリン(V)もしくはアスパラギン酸(D)であるか、または欠如しており、
X
20は、アラニン(A)であるか、または欠如しており、
X
21は、セリン(S)であるか、または欠如しており、
X
22は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であるか、または欠如しており、
X
23は、プロリン(P)、アラニン(A)、アルギニン(R)、トレオニン(T)またはグリシン(G)であり、
X
24は、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V)またはイソロイシン(I)であり、
X
25は、トレオニン(T)、チロシン(Y)、アスパラギン(N)、ロイシン(L)またはグルタミン(Q)であり、
X
26は、アラニン(A)、システイン(C)、フェニルアラニン(F)またはトリプトファン(W)であり、
X
27は、アスパラギン(N)、アラニン(A)、トレオニン(T)またはセリン(S)であり、
X
28は、アルギニン(R)またはリジン(K)であり、
X
29は、アスパラギン酸(D)であるか、または欠如しており、
X
30は、トレオニン(T)、アラニン(A)、プロリン(P)、セリン(S)またはグリシン(G)であり、
X
31は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であり、
X
32は、イソロイシン(I)、グルタミン酸(E)、プロリン(P)、アラニン(A)またはバリン(V)であり、
X
33は、グリシン(G)、リジン(K)もしくはアスパラギン酸(D)であるか、または欠如しており、
X
34は、グリシン(G)、セリン(S)、リジン(K)、アスパラギン酸(D)またはグルタミン(Q)であり、
X
35は、グリシン(G)、アラニン(A)、アスパラギン酸(D)またはシステイン(C)であり、
X
38は、リジン(K)などの任意のアミノ酸である]、
またはその機能的バリアントであって、前記バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で前記バリアントのアミノ酸配列が配列番号222とは異なる、前記機能的バリアント
からなる群から選択される少なくとも2つの繰り返し領域を含む、前記ポリペプチド。
【請求項3】
先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチドであって、前記ポリペプチドは、配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67もしくは配列番号220のアミノ酸配列を含む繰り返し領域1、またはその機能的バリアントであって、前記バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で前記バリアントのアミノ酸配列が配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67もしくは配列番号220とは異なる、前記機能的バリアントを含み、
ただし、配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67、配列番号220の前記機能的バリアントの35位の残基がトリプトファン(W)であることを条件とする、前記ポリペプチド。
【請求項4】
先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチドであって、前記ポリペプチドは、配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68もしくは配列番号221のアミノ酸配列を含む繰り返し領域2、またはその機能的バリアントであって、前記バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で前記バリアントのアミノ酸配列が配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68もしくは配列番号221とは異なる、前記機能的バリアントを含み、
ただし、配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68、配列番号221の前記機能的バリアントの32位の残基がトリプトファン(W)であることを条件とする、前記ポリペプチド。
【請求項5】
先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチドであって、前記ポリペプチドは、配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69もしくは配列番号222のアミノ酸配列を含む繰り返し領域3、またはその機能的バリアントであって、前記バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で前記バリアントのアミノ酸配列が配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69もしくは配列番号222とは異なる、前記機能的バリアントを含み、
ただし、配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66または配列番号69、配列番号222の前記機能的バリアントの36位の残基がトリプトファン(W)であることを条件とする、前記ポリペプチド。
【請求項6】
先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチドであって、前記ポリペプチドは、配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67もしくは配列番号220のアミノ酸配列を含む繰り返し領域1、またはその機能的バリアントであって、前記バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で前記バリアントのアミノ酸配列が配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67もしくは配列番号220とは異なる、前記機能的バリアントを含み、
ただし、配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67、配列番号220の前記機能的バリアントの35位の残基がトリプトファン(W)であること、
配列番号8、配列番号9、配列番号220、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67の前記機能的バリアントの36位の残基がグルタミン酸(E)であること、及び/または
配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67、配列番号220の前記機能的バリアントの38位の残基がフェニルアラニン(F)であることを条件とする、前記ポリペプチド。
【請求項7】
先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチドであって、前記ポリペプチドは、配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68もしくは配列番号221のアミノ酸配列を含む繰り返し領域2、またはその機能的バリアントであって、前記バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で前記バリアントのアミノ酸配列が配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68もしくは配列番号221とは異なる、前記機能的バリアントを含み、
ただし、
配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68、配列番号221の前記機能的バリアントの32位の残基がトリプトファン(W)であること、
配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68、配列番号221の前記機能的バリアントの33位の残基がグルタミン酸(E)であること、及び/または
配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68、配列番号221の前記機能的バリアントの35位の残基がフェニルアラニン(F)であることを条件とする、前記ポリペプチド。
【請求項8】
先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチドであって、前記ポリペプチドは、配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69もしくは配列番号222のアミノ酸配列を含む繰り返し領域3、またはその機能的バリアントであって、前記バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で前記バリアントのアミノ酸配列が配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69もしくは配列番号222とは異なる、前記機能的バリアントを含み、
ただし、
配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69、配列番号222の前記機能的バリアントの36位の残基がトリプトファン(W)であること、
配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69、配列番号222の前記機能的バリアントの37位の残基がグルタミン酸(E)であること、及び/または
配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69、配列番号222の前記機能的バリアントの39位の残基がフェニルアラニン(F)であることを条件とする、前記ポリペプチド。
【請求項9】
先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチドであって、前記ポリペプチドは、配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67もしくは配列番号220のアミノ酸配列を含む繰り返し領域1、またはその機能的バリアントであって、前記バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で前記バリアントのアミノ酸配列が配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67もしくは配列番号220とは異なる、前記機能的バリアントを含み、
ただし、
配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67、配列番号220の前記機能的バリアントの12位の残基がチロシン(Y)であること、及び/または
配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67、配列番号220の前記機能的バリアントの13位の残基がバリン(V)であることを条件とする、前記ポリペプチド。
【請求項10】
先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチドであって、前記ポリペプチドは、配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68もしくは配列番号221のアミノ酸配列を含む繰り返し領域2、またはその機能的バリアントであって、前記バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で前記バリアントのアミノ酸配列が配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68もしくは配列番号221とは異なる、前記機能的バリアントを含み、
ただし、
配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68、配列番号221の前記機能的バリアントの11位の残基がチロシン(Y)であること、及び/または
配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68、配列番号221の前記機能的バリアントの12位の残基がバリン(V)であることを条件とする、前記ポリペプチド。
【請求項11】
先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチドであって、前記ポリペプチドは、配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69、配列番号222のアミノ酸配列を含む繰り返し領域3、またはその機能的バリアントであって、前記バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で前記バリアントのアミノ酸配列が配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69、配列番号222とは異なる、前記機能的バリアントを含み、
ただし、
配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69、配列番号222の前記機能的バリアントの11位の残基がチロシン(Y)であること、及び/または
配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69、配列番号222の前記機能的バリアントの12位の残基がバリン(V)であることを条件とする、前記ポリペプチド。
【請求項12】
先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチドであって、
前記繰り返し領域1は、配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67、配列番号220のアミノ酸配列、またはその機能的バリアントであって、前記バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で前記バリアントのアミノ酸配列が配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67もしくは配列番号220とは異なる、前記機能的バリアントからなり、
前記繰り返し領域2は、配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68、配列番号221のアミノ酸配列、またはその機能的バリアントであって、前記バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で前記バリアントのアミノ酸配列が配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68もしくは配列番号221とは異なる、前記機能的バリアントからなり、及び/または
前記繰り返し領域3は、配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69、配列番号222のアミノ酸配列、またはその機能的バリアントであって、前記バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で前記バリアントのアミノ酸配列が配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69もしくは配列番号222とは異なる、前記機能的バリアントからなる、前記ポリペプチド。
【請求項13】
前記ポリペプチドは、前記繰り返し領域1、前記繰り返し領域2及び前記繰り返し領域3を含む、先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項14】
前記繰り返し領域1、前記繰り返し領域2及び前記繰り返し領域3の各々は、そのN末端で少なくとも3つのアミノ酸残基にフランキングされており、そのC末端で少なくとも3つのアミノ酸残基にフランキングされており、したがって、
Y
N-R1-Y
CZ
N-R2-Z
CJ
N-R3-J
C
であり、ここで、Y
N、Y
C、Z
N、Z
C、J
N、及びJ
Cの各々は、個別に、少なくとも3つのアミノ酸を含むアミノ酸配列であり得る、先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項15】
配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67または配列番号220の前記機能的バリアントは、前記バリアントのアミノ酸配列が5個の個別のアミノ酸置換、例えば4個の個別のアミノ酸置換、例えば3個の個別のアミノ酸置換、例えば2個の個別のアミノ酸置換、例えば1個の個別のアミノ酸置換を含むという点で、配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67または配列番号220とは異なる、先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項16】
配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67または配列番号220の前記機能的バリアントは、前記バリアントのアミノ酸配列が、配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67または配列番号220の残基1~34または36~38のいずれか1つに、例えば配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67または配列番号220の残基1~34または37のいずれか1つに、6個の個別のアミノ酸置換、例えば5個の個別のアミノ酸置換、例えば4個の個別のアミノ酸置換、例えば3個の個別のアミノ酸置換、例えば2個の個別のアミノ酸置換、例えば1個の個別のアミノ酸置換を含むという点で、配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67または配列番号220とは異なる、先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項17】
配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68または配列番号221の前記機能的バリアントは、前記バリアントのアミノ酸配列が5個の個別のアミノ酸置換、例えば4個の個別のアミノ酸置換、例えば3個の個別のアミノ酸置換、例えば2個の個別のアミノ酸置換、例えば1個の個別のアミノ酸置換を含むという点で、配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68または配列番号221とは異なる、先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項18】
配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68または配列番号221の前記機能的バリアントは、前記バリアントのアミノ酸配列が、配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68または配列番号221の残基1~31または33~35のいずれか1つに、例えば配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68または配列番号221の残基1~31または34のいずれか1つに、6個の個別のアミノ酸置換、例えば5個の個別のアミノ酸置換、例えば4個の個別のアミノ酸置換、例えば3個の個別のアミノ酸置換、例えば2個の個別のアミノ酸置換、例えば1個の個別のアミノ酸置換を含むという点で、配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68または配列番号221とは異なる、先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項19】
配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69または配列番号222の前記機能的バリアントは、前記バリアントのアミノ酸配列が5個の個別のアミノ酸置換、例えば4個の個別のアミノ酸置換、例えば3個の個別のアミノ酸置換、例えば2個の個別のアミノ酸置換、例えば1個の個別のアミノ酸置換を含むという点で、配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69または配列番号222とは異なる、先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項20】
配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69または配列番号222の前記機能的バリアントは、前記バリアントのアミノ酸配列が、配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69または配列番号222の残基1~35または37~39のいずれか1つに、例えば配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69または配列番号222の残基1~35または38のいずれか1つに、6個の個別のアミノ酸置換、例えば5個の個別のアミノ酸置換、例えば4個の個別のアミノ酸置換、例えば3個の個別のアミノ酸置換、例えば2個の個別のアミノ酸置換、例えば1個の個別のアミノ酸置換を含むという点で、配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69または配列番号222とは異なる、先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項21】
前記繰り返し領域1は、配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる、先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項22】
前記繰り返し領域2は、配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる、先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項23】
前記繰り返し領域3は、配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる、先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項24】
前記ポリペプチドは、前記繰り返し領域1及び前記繰り返し領域2、またはそれらの機能的バリアント;前記繰り返し領域1及び前記繰り返し領域3、またはそれらの機能的バリアント;前記繰り返し領域2及び前記繰り返し領域3、またはそれらの機能的バリアント;前記繰り返し領域1、前記繰り返し領域2及び前記繰り返し領域3、またはそれらの機能的バリアントを含む、先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項25】
配列番号3、配列番号4、配列番号20~配列番号33、または配列番号71~219との少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、1つ以上の糖類単位を結合することができる、前記ポリペプチド。
【請求項26】
配列番号3、配列番号4、配列番号20~配列番号33との少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、1つ以上の糖類単位を結合することができる、前記ポリペプチド。
【請求項27】
前記ポリペプチドは、配列番号3、配列番号4、配列番号20~配列番号33、または配列番号71~218との少なくとも80%の配列同一性、例えば配列番号3、配列番号4、配列番号20~配列番号33、または配列番号71~219との少なくとも85%の配列同一性、例えば配列番号3、配列番号4、配列番号20~配列番号33、または配列番号71~219との少なくとも90%の配列同一性、例えば配列番号3、配列番号4、配列番号20~配列番号33、または配列番号71~219との少なくとも95%の配列同一性、例えば配列番号3、配列番号4、配列番号20~配列番号33、または配列番号71~219との少なくとも96%の配列同一性、例えば配列番号3、配列番号4、配列番号20~配列番号33、または配列番号71~219との少なくとも97%の配列同一性、例えば配列番号3、配列番号4、配列番号20~配列番号33、または配列番号71~219との少なくとも98%の配列同一性、例えば配列番号3、配列番号4、配列番号20~配列番号33、または配列番号71~219との少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項25及び26のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項28】
前記ポリペプチドは、配列番号3、配列番号4または配列番号20~配列番号33との少なくとも80%の配列同一性、例えば配列番号3、配列番号4または配列番号20~配列番号33との少なくとも85%の配列同一性、例えば配列番号3、配列番号4または配列番号20~配列番号33との少なくとも90%の配列同一性、例えば配列番号3、配列番号4または配列番号20~配列番号33との少なくとも95%の配列同一性、例えば配列番号3、配列番号4または配列番号20~配列番号33との少なくとも96%の配列同一性、例えば配列番号3、配列番号4または配列番号20~配列番号33との少なくとも97%の配列同一性、例えば配列番号3、配列番号4または配列番号20~配列番号33との少なくとも98%の配列同一性、例えば配列番号3、配列番号4または配列番号20~配列番号33との少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項25~27のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項29】
前記ポリペプチドは、配列番号3、配列番号4、配列番号20~配列番号33、または配列番号71~配列番号219のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる、請求項25~28のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項30】
請求項25~29のいずれか1項に記載のポリペプチドであって、
a. 配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64もしくは配列番号67のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域1、またはその機能的バリアントであって、前記バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で前記バリアントのアミノ酸配列が配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64もしくは配列番号67とは異なる、前記機能的バリアント、
b. 配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65もしくは配列番号68のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域2、またはその機能的バリアントであって、前記バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で前記バリアントのアミノ酸配列が配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65もしくは配列番号68とは異なる、前記機能的バリアント、及び
c. 配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66もしくは配列番号69のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域3、またはその機能的バリアントであって、前記バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で前記バリアントのアミノ酸配列が配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69とは異なる、前記機能的バリアント
からなる群から選択される少なくとも2つの繰り返し領域を含む、前記ポリペプチド。
【請求項31】
前記繰り返し領域1、前記繰り返し領域2及び前記繰り返し領域3は、請求項2~23のいずれか1項に記載のものである、請求項25~30のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項32】
前記ポリペプチドは、βトレフォイルフォールド構造を有する、先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項33】
前記繰り返し領域1、前記繰り返し領域2及び前記繰り返し領域3の各々は、少なくとも1つの二糖類を結合することができる、先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項34】
前記繰り返し領域1、前記繰り返し領域2及び前記繰り返し領域3の各々は、少なくとも1つの多糖類を結合することができる、先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項35】
前記二糖類または前記多糖類は、少なくとも1つのGlc-β-1,6-Glc単位を含む、先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項36】
前記二糖類または前記多糖類は、少なくとも1つのGlc-β-1,2-Glc単位を含む、先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項37】
前記二糖類または前記多糖類は、少なくとも1つのGlc-β-1,6-Glc単位を含むグリカンを含む、先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項38】
前記二糖類または前記多糖類は、β-1,6-グルカン骨格を有する、先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項39】
前記二糖類または前記多糖類は、1つ以上のGlc-β-1,6-Glc修飾を有する、先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項40】
前記二糖類または前記多糖類は、β-1,3-グルカン骨格上に1つ以上のGlc-β-1,6-Glc修飾(複数可)を有する、先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項41】
前記二糖類または前記多糖類はスクレログルカンである、先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項42】
前記二糖類または前記多糖類はプスツランである、先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項43】
前記糖類は多糖類である、先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項44】
前記多糖類は、少なくとも10.000Da、例えば少なくとも50.000Da、例えば少なくとも100.000Da、例えば少なくとも500.000Da、例えば少なくとも1.000.000Da、例えば2.000.000Daである、先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項45】
前記二糖類または前記多糖類は水分散性である、先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項46】
前記多糖類は、糖類1mg当たり水70μg以上、好ましくは糖類1mg当たり水74μg以上、例えば糖類1mg当たり水77μgの水分含量を有する、先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項47】
先行請求項のいずれか1項に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
【請求項48】
前記ポリヌクレオチドは、宿主細胞での発現のためにコドン最適化されている、請求項47に記載のポリヌクレオチド。
【請求項49】
請求項47及び48のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド、または請求項1~46のいずれか1項に記載の炭水化物結合ポリペプチドをコードする核酸配列を含む、組換えベクター。
【請求項50】
プラスミドベクターである、請求項49に記載のベクター。
【請求項51】
請求項50に記載の組換えベクターを発現する宿主細胞。
【請求項52】
2つ以上の多糖類を架橋するための、請求項1~46のいずれか1項に記載の少なくとも1つのポリペプチドの使用。
【請求項53】
各ポリペプチドが3つの多糖類を架橋する、請求項52に記載の使用。
【請求項54】
請求項1~46のいずれか1項に記載の少なくとも1つのポリペプチドと2つ以上の多糖類とを含むハイドロゲルであって、架橋構造を有する前記ハイドロゲル。
【請求項55】
前記ハイドロゲルは、請求項1~46のいずれか1項に記載のポリペプチドである二官能性または多官能性のリンカーで架橋されている、請求項54に記載のハイドロゲル。
【請求項56】
前記多糖類は、β-1,6結合グルコース修飾を有する1つ以上のβ-1,3-グルカン単位を含む、請求項54~55のいずれか1項に記載のハイドロゲル。
【請求項57】
前記多糖類はスクレログルカンである、請求項54~56のいずれか1項に記載のハイドロゲル。
【請求項58】
前記ハイドロゲルは、少なくとも0.1g/Lのポリペプチド、例えば少なくとも0.2g/Lのポリペプチド、例えば少なくとも0.3g/Lのポリペプチド、例えば少なくとも0.4g/Lのポリペプチドを含む、請求項54~57のいずれか1項に記載のハイドロゲル。
【請求項59】
前記ハイドロゲルは、少なくとも2g/Lかつ最大で10g/Lの多糖類、好ましくは少なくとも3g/Lの多糖類かつ最大で5g/Lの多糖類を含む、請求項54~58のいずれか1項に記載のハイドロゲル。
【請求項60】
前記ハイドロゲルは、少なくとも2g/Lかつ最大で10g/Lのスクレログルカン、好ましくは少なくとも3g/Lのスクレログルカンかつ最大で5g/Lのスクレログルカンを含む、請求項54~59のいずれか1項に記載のハイドロゲル。
【請求項61】
前記ハイドロゲルは、少なくとも90重量%の水を含む、請求項54~60のいずれか1項に記載のハイドロゲル。
【請求項62】
ポリペプチド:多糖類の比が1:20~1:2である、請求項54~61のいずれか1項に記載のハイドロゲル。
【請求項63】
ハイドロゲルを形成するために多糖類を架橋するための架橋剤であって、請求項1~46のいずれか1項に記載のポリペプチドである、前記架橋剤。
【請求項64】
ハイドロゲルを製造する方法であって、
a. 多糖類を含む溶液を準備すること、
b. 請求項1~46のいずれか1項に記載のポリペプチドを含む溶液を準備すること、
c. 前記溶液を室温で連続的に撹拌しながら混合することを含み、
それによりハイドロゲルを得る、前記方法。
【請求項65】
前記多糖類は、請求項56~57のいずれか1項に記載のものである、請求項64に記載のハイドロゲルを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の炭水化物結合ポリペプチド及びハイドロゲルの作製におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイドロゲルは巨大かつ急成長しているビジネスであり、薬物送達、組織足場、生命科学研究、化粧品産業、バイオベース農業、及び工業用潤滑を含む多くの分野に応用されている。ハイドロゲルの大部分は、依然として、化学的改変及び架橋によって3Dネットワークへと構築される化石由来ポリマーから作られている。この生産方法は持続可能ではなく、消費者から好意的に受け止められていないため、ゲル形成のために生物学的ポリマーの使用を開始することが急務となっている。
【0003】
ハイドロゲルは既に、セルロース及び植物または微生物由来の他の多糖類、ならびに動物由来のムチンのような、いくつかの天然ポリマーから生産することができる。しかし、これらには架橋を可能にするための化学的改変が依然として必要であり、その結果、化学廃棄物フットプリントが高く、用途によっては皮膚を刺激したり、他の生物系に干渉したりする可能性のある化合物が含まれる可能性がある。
【0004】
産業界では、セルロース及びスクレログルカンなどの持続可能な方法で調達された多糖類からハイドロゲルを生産する新しい方法の開発が強く推進されている。スクレログルカンは、Sclerotium rolfsiiなどの産業用真菌によって分泌され、適度に高い収量及び純度で得ることができる(Schmid et al.2011)。現在の慣行では、ゲル形成前に、スクレログルカンの構造の三重らせんを分離するために、スクレログルカンをDMSOに溶解するのが一般的である(Palleschi et al.2005)。次に過ヨウ素酸ナトリウムを使用してこれを酸化し、スクレルアルデヒド誘導体を生成する(Maeda et al.2001)。場合によっては、亜塩素酸ナトリウムによって触媒されたさらなる酸化によりカルボキシル基を生成することで、スクレロックスと呼ばれる生成物が得られる(Crescenzi et al.1983)。この酸化型を1,6-ヘキサンジブロミドと架橋させてゲル形成ネットワークを形成することができ、異なるスクレロックス:二ハロゲン化物比によって著しく異なる機械的特性及びレオロジー特性が生じる(Coviello et al.1999、Coviello et al.2001)。より最近では、ホウ酸(ホウ砂)を使用して、4,6-グルコ-ボレート結合及び物理的会合によって多糖類を直接架橋し、物理的ゲルを作出する効率的な代替方法が開発された(Coviello et al.2005、Palleschi et al.2006)。しかし、ホウ砂は規制対象の高懸念物質(SVHC)(欧州化学物質庁)である。
【0005】
したがって、ハイドロゲル生産の持続可能性を改善する必要性は未だ解決されていない。
【発明の概要】
【0006】
これより、出発ポリマーの改変を必要とせず、化学架橋も使用しない、まったく新しい多糖類架橋方式を提示する。この架橋剤は、実のところ、新規の炭水化物結合モジュール(CBM)ファミリーに属するポリペプチドである。CBM92と呼ばれる本明細書で開示される新しいCBMファミリー内の各ポリペプチドは、単糖類、オリゴ糖類、及び多糖類の結合部位である3つの異なる繰り返し領域を含む。この新規CBMファミリーのポリペプチドは、スクレログルカンなどの高分子量の多糖類に対する結合特異性及びゲル化傾向を有する。本発明者らは、この新規CBMファミリーのタンパク質がハイドロゲル形成における架橋剤として非常に有利であることを実証した。
【0007】
本開示の一態様は、ポリペプチドであって、
【化1】
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域1(R1)、
またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号8とは異なる、当該機能的バリアント、
【化2】
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域2(R2)、
またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号10とは異なる、当該機能的バリアント、
【化3】
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域3(R3)、
またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号12とは異なる、当該機能的バリアント
からなる群から選択される少なくとも2つの繰り返し領域を含む、当該ポリペプチドに関する。
【0008】
本開示の別の態様は、ポリペプチドであって、
a. 配列番号220:
X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14X15X16X17X18X19X20X21X22X23X24X25X26X27X28X29X30X31X32X33X34WEX37F
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域1(R1)
[式中、
X1は、イソロイシン(I)またはバリン(V)であり、
X2は、トリプトファン(W)、セリン(S)、トレオニン(T)またはアラニン(A)などの任意のアミノ酸であり、
X3は、ロイシン(L)またはイソロイシン(I)であり、
X4は、リジン(K)もしくはアルギニン(R)であるか、または欠如しており、
X5は、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、アラニン(A)もしくはリジン(K)であるか、または欠如しており、
X6は、グリシン(G)、セリン(S)、チロシン(Y)、システイン(C)、ロイシン(L)またはトレオニン(T)であり、
X7は、フェニルアラニン(F)またはセリン(S)などの任意のアミノ酸であり、
X8は、グリシン(G)であるか、または欠如しており、
X9は、アスパラギン(N)、ヒスチジン(H)、アスパラギン酸(D)またはトレオニン(T)であり、
X10は、アスパラギン(N)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン(Q)、リジン(K)またはグリシン(G)であり、
X11は、リジン(K)、グルタミン(Q)、アスパラギン(N)またはロイシン(L)であり、
X12は、チロシン(Y)、ロイシン(L)またはフェニルアラニン(F)であり、
X13は、バリン(V)、ロイシン(L)またはアラニン(A)であり、
X14は、セリン(S)、トレオニン(T)、システイン(C)またはアスパラギン(N)であり、
X15は、アラニン(A)、セリン(S)またはグリシン(G)であり、
X16は、グルタミン酸(E)、リジン(K)、アルギニン(R)、グルタミン(Q)またはアスパラギン酸(D)であり、
X17は、アスパラギン(N)、グリシン(G)、グルタミン(Q)またはプロリン(P)であり、
X18は、グリシン(G)、アスパラギン(N)、トレオニン(T)またはアスパラギン酸(D)であり、
X19は、ロイシン(L)であるか、または欠如しており、
X20は、グリシン(G)もしくはアラニン(A)であるか、または欠如しており、
X21は、アラニン(A)もしくはアスパラギン(N)であるか、または欠如しており、
X22は、トレオニン(T)などの任意のアミノ酸であるか、または欠如しており、
X23は、グリシン(G)などの任意のアミノ酸であり、
X24は、プロリン(P)、アラニン(A)、グルタミン(Q)またはアルギニン(R)であり、
X25は、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アラニン(A)またはイソロイシン(I)であり、
X26は、トレオニン(T)などの任意のアミノ酸であり、
X27は、アラニン(A)、システイン(C)またはトリプトファン(W)であり、
X28は、アスパラギン(N)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)またはアルギニン(R)であり、
X29は、アルギニン(R)、アラニン(A)またはセリン(S)であり、
X30は、トレオニン(T)、アスパラギン酸(D)、プロリン(P)、イソロイシン(I)、アスパラギン(N)またはアラニン(A)であり、
X31は、トレオニン(T)、アラニン(A)、バリン(V)、グリシン(G)、リジン(K)またはイソロイシン(I)であり、
X32は、アラニン(A)、バリン(V)、プロリン(P)またはロイシン(L)であり、
X33は、グリシン(G)、グルタミン(Q)、セリン(S)またはアスパラギン酸(D)であり、
X34は、グリシン(G)などの任意のアミノ酸であり、
X37は、グルタミン(Q)またはリジン(K)などの任意のアミノ酸である]、
またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号220とは異なる、当該機能的バリアント、
b. 配列番号221:
X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14X15X16X17X18X19X20X21X22X23X24X25X26X27X28X29X30X31WEX34F
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域2(R2)
[式中、
X1は、イソロイシン(I)またはバリン(V)であり、
X2は、アラニン(A)、アスパラギン(N)、チロシン(Y)またはトレオニン(T)であり、
X3は、ロイシン(L)またはイソロイシン(I)であり、
X4は、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、ロイシン(L)またはリジン(K)であり、
X5は、グリシン(G)、アラニン(A)、アスパラギン(N)またはセリン(S)であり、
X6は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であるか、または欠如しており、
X7は、グリシン(G)もしくはセリン(S)であるか、または欠如しており、
X8は、アスパラギン(N)、メチオニン(M)、グルタミン(Q)、ヒスチジン(H)またはセリン(S)であり、
X9は、グリシン(G)またはアラニン(A)であり、
X10は、リジン(K)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アスパラギン(N)またはセリン(S)であり、
X11は、チロシン(Y)であり、
X12は、バリン(V)またはフェニルアラニン(F)であり、
X13は、セリン(S)、システイン(C)、リジン(K)またはグルタミン(Q)であり、
X14は、アラニン(A)、バリン(V)またはセリン(S)であり、
X15は、グルタミン酸(E)、アスパラギン酸(D)、グルタミン(Q)またはグリシン(G)であり、
X16は、アスパラギン(N)、プロリン(P)、グリシン(G)、トレオニン(T)またはアスパラギン酸(D)であり、
X17は、グリシン(G)、アスパラギン酸(D)、イソロイシン(I)もしくはアスパラギン(N)であるか、または欠如しており、
X18は、バリン(V)もしくはグリシン(G)であるか、または欠如しており、
X19は、グリシン(G)、トレオニン(T)、ロイシン(L)、アラニン(A)、もしくはグルタミン酸(E)であるか、または欠如しており、
X20は、グルタミン(Q)などの任意のアミノ酸であるか、または欠如しており、
X21は、プロリン(P)、アラニン(A)、グルタミン(Q)またはアスパラギン(N)であり、
X22は、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)またはバリン(V)であり、
X23は、トレオニン(T)、アスパラギン(N)、フェニルアラニン(F)またはアルギニン(R)であり、
X24は、アラニン(A)、システイン(C)またはアルギニン(R)であり、
X25は、アスパラギン(N)、アラニン(A)、トレオニン(T)またはグルタミン(Q)であり、
X26は、アラニン(A)、グリシン(G)またはアルギニン(R)であり、
X27は、トレオニン(T)、アラニン(A)、リジン(K)、プロリン(P)またはロイシン(L)であり、
X28は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であり、
X29は、イソロイシン(I)、バリン(V)、プロリン(P)、アラニン(A)、リジン(K)、チロシン(Y)またはロイシン(L)であり、
X30は、グリシン(G)、アラニン(A)、グルタミン酸(E)、トレオニン(T)、セリン(S)、グルタミン(Q)またはアスパラギン酸(D)であり、
X31は、グリシン(G)、アラニン(A)、アスパラギン酸(D)、セリン(S)、プロリン(P)またはリジン(K)であり、
X34は、リジン(K)などの任意のアミノ酸である]、
またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号221とは異なる、当該機能的バリアント、
c. 配列番号222:
X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14X15X16X17X18X19X20X21X22X23X24X25X26X27X28X29X30X31X32X33X34X35WEX38F
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域3(R3)
[式中、
X1は、バリン(V)、イソロイシン(I)、チロシン(Y)またはフェニルアラニン(F)であり、
X2は、アラニン(A)、セリン(S)、システイン(C)、トレオニン(T)またはグリシン(G)であり、
X3は、ロイシン(L)、フェニルアラニン(F)またはイソロイシン(I)であり、
X4は、アルギニン(R)、リジン(K)またはグルタミン(Q)であり、
X5は、グリシン(G)、アラニン(A)またはセリン(S)であり、
X6は、アルギニン(R)もしくはバリン(V)であるか、または欠如しており、
X7は、アスパラギン(N)などの任意のアミノ酸であり、
X8は、アスパラギン(N)、ヒスチジン(H)、アラニン(A)、リジン(K)であるか、または欠如しており、
X9は、グリシン(G)、トリプトファン(W)またはアスパラギン(N)であり、
X10は、リジン(K)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、セリン(S)、アラニン(A)またはグルタミン(Q)であり、
X11は、チロシン(Y)、トリプトファン(W)またはフェニルアラニン(F)であり、
X12は、バリン(V)、ロイシン(L)、メチオニン(M)またはイソロイシン(I)であり、
X13は、セリン(S)またはグルタミン(Q)であり、
X14は、アラニン(A)、セリン(S)、ヒスチジン(H)またはグリシン(G)であり、
X15は、グルタミン酸(E)、アスパラギン酸(D)、グルタミン(Q)、セリン(S)またはアスパラギン(N)であり、
X16は、アスパラギン(N)、ロイシン(L)、トリプトファン(W)、メチオニン(M)またはアスパラギン酸(D)であり、
X17は、グリシン(G)、セリン(S)またはアスパラギン酸(D)であり、
X18は、セリン(S)またはトレオニン(T)などの任意のアミノ酸であり、
X19は、アスパラギン(N)、バリン(V)もしくはアスパラギン酸(D)であるか、または欠如しており、
X20は、アラニン(A)であるか、または欠如しており、
X21は、セリン(S)であるか、または欠如しており、
X22は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であるか、または欠如しており、
X23は、プロリン(P)、アラニン(A)、アルギニン(R)、トレオニン(T)またはグリシン(G)であり、
X24は、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V)またはイソロイシン(I)であり、
X25は、トレオニン(T)、チロシン(Y)、アスパラギン(N)、ロイシン(L)またはグルタミン(Q)であり、
X26は、アラニン(A)、システイン(C)、フェニルアラニン(F)またはトリプトファン(W)であり、
X27は、アスパラギン(N)、アラニン(A)、トレオニン(T)またはセリン(S)であり、
X28は、アルギニン(R)またはリジン(K)であり、
X29は、アスパラギン酸(D)であるか、または欠如しており、
X30は、トレオニン(T)、アラニン(A)、プロリン(P)、セリン(S)またはグリシン(G)であり、
X31は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であり、
X32は、イソロイシン(I)、グルタミン酸(E)、プロリン(P)、アラニン(A)またはバリン(V)であり、
X33は、グリシン(G)、リジン(K)もしくはアスパラギン酸(D)であるか、または欠如しており、
X34は、グリシン(G)、セリン(S)、リジン(K)、アスパラギン酸(D)またはグルタミン(Q)であり、
X35は、グリシン(G)、アラニン(A)、アスパラギン酸(D)またはシステイン(C)であり、
X38は、リジン(K)などの任意のアミノ酸である]、
またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号222とは異なる、当該機能的バリアント
からなる群から選択される少なくとも2つの繰り返し領域を含む、当該ポリペプチドに関する。
【0009】
本開示のさらなる態様は、配列番号3もしくは配列番号4、または配列番号20~配列番号33の配列のいずれか、または配列番号71~配列番号219の配列のいずれかとの少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列に関し、当該ポリペプチドは1つ以上の糖類単位を結合することができる。
【0010】
本開示のさらなる態様は、配列番号3、配列番号4、配列番号20~配列番号33との少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドに関し、当該ポリペプチドは1つ以上の糖類単位を結合することができる。
【0011】
本開示のさらなる態様は、本明細書で開示されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに関する。
【0012】
本開示の別の態様は、本明細書で開示されるポリヌクレオチド、または本明細書で開示される炭水化物結合ポリペプチドをコードする核酸配列を含む、組換えベクターに関する。
【0013】
本開示の別の態様は、本明細書で開示される組換えベクターを発現する宿主細胞に関する。
【0014】
本開示の別の態様は、2つ以上の多糖類を架橋するための、本明細書で開示される少なくとも1つのポリペプチドの使用に関する。
【0015】
本開示のさらなる態様は、本明細書で開示される少なくとも1つのポリペプチドと2つ以上の多糖類とを含むハイドロゲルであって、架橋構造を有する当該ハイドロゲルに関する。
【0016】
本開示のさらなる態様は、多糖類を架橋するための架橋剤であって、本明細書で開示されるポリペプチドである当該架橋剤に関する。
【0017】
本開示の別の態様は、ハイドロゲルを製造する方法であって、
a. 多糖類を含む溶液を準備すること、
b. 本開示に係るポリペプチドを含む溶液を準備すること、
c. 当該溶液を室温で連続的に撹拌しながら混合することを含み、
それにより、当該多糖類の架橋を介してハイドロゲルを得る、当該方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】スクレログルカン多糖類の繰り返し構造単位。
【
図2】Cp-F1及びCp-F2の重ね合わせた結晶構造の模式的描写。結合部位のうちの2つにグルコース単糖類リガンドが示されている。上の矢印はアルファ結合部位のグルコースを示し、下の矢印はベータ結合部位のグルコースを示す。
【
図3】Cp-F1の結晶構造の模式的描写であり、関連するアミノ酸が示された、リガンドグルコースに結合したCp-F2結合部位のクローズアップを示している。
【
図4】固体ゲル形成の描写。上:スクレログルカンのみ。下:スクレログルカン及びCp-F1タンパク質の混合。
【
図5】多糖類:タンパク質の比を変化させると(9:1、8:1及び2:1)、固体性及び透明度などのゲル特性が変化する。これらのハイドロゲルは、5g/Lの濃度を有するスクレログルカンの原液を、4g/Lの濃度を有するタンパク質(Cp-F1)の原液と混合することにより作製された。したがって、これらの比率は混合された原液の体積に基づいている。
【
図6A】レオロジー評価の例。示されているすべての分析は、最終濃度4g/Lのスクレログルカンを含むハイドロゲルに関する。ハイドロゲル中の最終タンパク質濃度は、低から高の順に、0.08g/L、0.2g/L、0.4g/L、0.8g/L、1.2g/L、1.6g/L、及び2g/Lである。
【
図6B】レオロジー評価の例。示されているすべての分析は、最終濃度4g/Lのスクレログルカンを含むハイドロゲルに関する。ハイドロゲル中の最終タンパク質濃度は、低から高の順に、0.08g/L、0.2g/L、0.4g/L、0.8g/L、1.2g/L、1.6g/L、及び2g/Lである。
【
図7】12種類のタンパク質及びCp-F1タンパク質の5種類のバリアントについての多糖類結合データのグレースケールヒートマップ。
【発明を実施するための形態】
【0019】
定義
本明細書で使用される場合、「ポリペプチド」という用語は、非アミノ酸基の付加によって改変されていてもよく改変されていなくてもよい単一のポリペプチド鎖を指す。この用語は産物の特定の長さを指すものではないため、ペプチド、オリゴペプチド、及びタンパク質がポリペプチドの定義に含まれる。一実施形態では、本明細書で使用される「ポリペプチド」という用語には、本明細書に記述される本開示のポリペプチドのバリアント、変異体、改変体、類似体及び/または誘導体も含まれる。本開示のポリペプチドのアミノ酸配列変異体は、適切なヌクレオチド変化を本発明の核酸に導入することによって、または所望のポリペプチドのインビトロ合成によって調製することができる。そのような変異体は、例えば、アミノ酸配列内に残基の欠失、挿入または置換を含む。最終的なポリペプチド産物が所望の特性を有する限り、欠失、挿入、及び置換の組み合わせを行って最終構築物に到達することができる。
【0020】
「アミノ酸残基」は、ペプチド結合またはペプチド結合とは異なる結合によって連結された天然または非天然のアミノ酸残基であり得る。アミノ酸残基はD配置でもL配置でもよい。アミノ酸残基は、炭素原子または炭素原子鎖を含む中心部分によって分離されたアミノ末端部分(NH2)及びカルボキシル末端部分(COOH)を含み、炭素原子または炭素原子鎖の少なくとも1つは、少なくとも1つの側鎖または官能基を含む。NH2はアミノ酸またはペプチドのアミノ末端に存在するアミノ基を指し、COOHはアミノ酸またはペプチドのカルボキシル末端に存在するカルボキシル基を指す。アミノ酸という総称には、天然アミノ酸と非天然アミノ酸との両方が含まれる。J.Biol.Chem.,243:3552-59(1969)に記載され、37 C.F.R.セクション1.822(b)(2)で採用されている標準命名法の天然アミノ酸は、ここに記載するアミノ酸:Y、G、F、M、A、S、I、L、T、V、P、K、H、Q、E、W、R、D、N及びCの群に属する。非天然アミノ酸は直前に記載されていないものである。また、非天然アミノ酸残基は、改変されたアミノ酸残基、L-アミノ酸残基、及びD-アミノ酸残基の立体異性体を含むが、これらに限定されない。
【0021】
ペプチドの「機能的バリアント」は、機能的バリアントの元となるペプチドと本質的に同じ機能を果たすことができるペプチドである。特に、機能的バリアントは、機能的バリアントの元となるペプチドと同じ分子を、好ましくは同じ親和性で結合することができる。
【0022】
「ポリヌクレオチド」及び「核酸」という用語は、本明細書では交換可能に使用され、文脈によって示される目的に必要な情報を含む任意の核酸を指すことができる。つまり、核酸は、例えばコードされたペプチドに関連して適切な情報を表すことができる限り、一本鎖もしくは二本鎖のDNAもしくはRNA、または他の核酸でもよく、また、核酸ポリマーのセンス鎖及びアンチセンス鎖などの相補的配列を含むことができる。
【0023】
本明細書で使用される場合、「結合部位」という用語は、分子または分子複合体の一領域であって、その形状の結果として、別の分子、分子複合体、化学物質または化合物と好ましく会合する領域を指す。本明細書に記述される本開示のポリペプチドは、炭水化物結合部位、つまり、単糖類、二糖類、及び多糖類などの糖と会合することができる結合部位を含む。
【0024】
本明細書で使用される場合、「ハイドロゲル」または「親水性ゲル」という用語は、水及び他の親水性膨潤剤と接触すると膨潤することができる親水性ポリマーの連続相を指す。この用語は水和状態に関係なく使用される。「ハイドロゲル」は、水を含む固体または半固体の質感の物質を指す。ハイドロゲルは、中に水などの物質が保持され得る分子構造の三次元ネットワークによって形成される。三次元分子ネットワークは、共有化学結合、もしくはイオン結合、またはそれらの任意の組み合わせによって結び付けられ得る。
【0025】
「多糖類」、「炭水化物」または「オリゴ糖類」:「多糖類」、「炭水化物」または「オリゴ糖類」という用語は、糖のポリマーを指す。「多糖類」、「炭水化物」、及び「オリゴ糖類」という用語は、交換可能に使用され得る。典型的に、多糖類またはオリゴ糖類は少なくとも3つの糖を含む。このポリマーは、天然の糖(例えばグルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、アラビノース、リボース、及びキシロース)及び/または改変された糖(例えば2’-フルオロリボース、2’-デオキシリボース、及びヘキソース)を含み得る。「糖類」という用語は、本明細書では糖のポリマーの総称として使用され、「単糖類」、「二糖類」、「多糖類」、「炭水化物」、または「オリゴ糖類」、及び他の同義語を指す場合がある。
【0026】
炭水化物結合ポリペプチド
炭水化物結合モジュール(CBM)は、特定の炭水化物リガンドに結合することができる低分子量の非触媒タンパク質である。CBMは、CAZyデータベース(www.cazy.org)において配列相同性によりファミリーに分類されている(Lombard et al.2014)。CBM-リガンド結合の方式は、CBMタンパク質構造の表面アーキテクチャによって決定される(Boraston et al.2004)。ほとんどのCBMファミリーにおいて、タンパク質は、タンパク質ごとに1つの炭水化物結合部位を提示する。
【0027】
本開示の一態様は、CBMファミリー92(CBM92)のメンバーに属する新規ポリペプチドに関する。一態様では、本開示の新規ポリペプチドは、少なくとも2つの多糖類、好ましくは3つの多糖類を結合することができ、それらを架橋する。こうして得られる、本開示の新規ポリペプチドと2つまたは3つの多糖類とを含む架橋構造は、水の存在下でハイドロゲルを形成する。したがって、本開示の一態様では、新規ポリペプチドは、特定の多糖類に結合することができる2つまたは好ましくは3つのドメインまたは領域を含むことを特徴とする。
【0028】
一態様において、本開示は、ポリペプチドであって、
【化4】
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域1(R1)、
またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号8とは異なる、当該機能的バリアント、
【化5】
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域2(R2)、
またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号10とは異なる、当該機能的バリアント、
【化6】
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域3(R3)、
またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号12とは異なる、当該機能的バリアント
からなる群から選択される少なくとも2つの繰り返し領域を含む、当該ポリペプチドに関する。
【0029】
一態様において、本開示は、ポリペプチドであって、
a. 配列番号220:
X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14X15X16X17X18X19X20X21X22X23X24X25X26X27X28X29X30X31X32X33X34WEX37F
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域1
[式中、
X1は、イソロイシン(I)またはバリン(V)であり、
X2は、トリプトファン(W)、セリン(S)、トレオニン(T)またはアラニン(A)などの任意のアミノ酸であり、
X3は、ロイシン(L)またはイソロイシン(I)であり、
X4は、リジン(K)もしくはアルギニン(R)であるか、または欠如しており、
X5は、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、アラニン(A)もしくはリジン(K)であるか、または欠如しており、
X6は、グリシン(G)、セリン(S)、チロシン(Y)、システイン(C)、ロイシン(L)またはトレオニン(T)であり、
X7は、フェニルアラニン(F)またはセリン(S)などの任意のアミノ酸であり、
X8は、グリシン(G)であるか、または欠如しており、
X9は、アスパラギン(N)、ヒスチジン(H)、アスパラギン酸(D)またはトレオニン(T)であり、
X10は、アスパラギン(N)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン(Q)、リジン(K)またはグリシン(G)であり、
X11は、リジン(K)、グルタミン(Q)、アスパラギン(N)またはロイシン(L)であり、
X12は、チロシン(Y)、ロイシン(L)またはフェニルアラニン(F)であり、
X13は、バリン(V)、ロイシン(L)またはアラニン(A)であり、
X14は、セリン(S)、トレオニン(T)、システイン(C)またはアスパラギン(N)であり、
X15は、アラニン(A)、セリン(S)またはグリシン(G)であり、
X16は、グルタミン酸(E)、リジン(K)、アルギニン(R)、グルタミン(Q)またはアスパラギン酸(D)であり、
X17は、アスパラギン(N)、グリシン(G)、グルタミン(Q)またはプロリン(P)であり、
X18は、グリシン(G)、アスパラギン(N)、トレオニン(T)またはアスパラギン酸(D)であり、
X19は、ロイシン(L)であるか、または欠如しており、
X20は、グリシン(G)もしくはアラニン(A)であるか、または欠如しており、
X21は、アラニン(A)もしくはアスパラギン(N)であるか、または欠如しており、
X22は、トレオニン(T)などの任意のアミノ酸であるか、または欠如しており、
X23は、グリシン(G)などの任意のアミノ酸であり、
X24は、プロリン(P)、アラニン(A)、グルタミン(Q)またはアルギニン(R)であり、
X25は、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アラニン(A)またはイソロイシン(I)であり、
X26は、トレオニン(T)などの任意のアミノ酸であり、
X27は、アラニン(A)、システイン(C)またはトリプトファン(W)であり、
X28は、アスパラギン(N)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)またはアルギニン(R)であり、
X29は、アルギニン(R)、アラニン(A)またはセリン(S)であり、
X30は、トレオニン(T)、アスパラギン酸(D)、プロリン(P)、イソロイシン(I)、アスパラギン(N)またはアラニン(A)であり、
X31は、トレオニン(T)、アラニン(A)、バリン(V)、グリシン(G)、リジン(K)またはイソロイシン(I)であり、
X32は、アラニン(A)、バリン(V)、プロリン(P)またはロイシン(L)であり、
X33は、グリシン(G)、グルタミン(Q)、セリン(S)またはアスパラギン酸(D)であり、
X34は、グリシン(G)などの任意のアミノ酸であり、
X37は、グルタミン(Q)またはリジン(K)などの任意のアミノ酸である]、
またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号220とは異なる、当該機能的バリアント、
b. 配列番号221:
X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14X15X16X17X18X19X20X21X22X23X24X25X26X27X28X29X30X31WEX34F
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域2
[式中、
X1は、イソロイシン(I)またはバリン(V)であり、
X2は、アラニン(A)、アスパラギン(N)、チロシン(Y)またはトレオニン(T)であり、
X3は、ロイシン(L)またはイソロイシン(I)であり、
X4は、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、ロイシン(L)またはリジン(K)であり、
X5は、グリシン(G)、アラニン(A)、アスパラギン(N)またはセリン(S)であり、
X6は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であるか、または欠如しており、
X7は、グリシン(G)もしくはセリン(S)であるか、または欠如しており、
X8は、アスパラギン(N)、メチオニン(M)、グルタミン(Q)、ヒスチジン(H)またはセリン(S)であり、
X9は、グリシン(G)またはアラニン(A)であり、
X10は、リジン(K)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アスパラギン(N)またはセリン(S)であり、
X11は、チロシン(Y)であり、
X12は、バリン(V)またはフェニルアラニン(F)であり、
X13は、セリン(S)、システイン(C)、リジン(K)またはグルタミン(Q)であり、
X14は、アラニン(A)、バリン(V)またはセリン(S)であり、
X15は、グルタミン酸(E)、アスパラギン酸(D)、グルタミン(Q)またはグリシン(G)であり、
X16は、アスパラギン(N)、プロリン(P)、グリシン(G)、トレオニン(T)またはアスパラギン酸(D)であり、
X17は、グリシン(G)、アスパラギン酸(D)、イソロイシン(I)もしくはアスパラギン(N)であるか、または欠如しており、
X18は、バリン(V)もしくはグリシン(G)であるか、または欠如しており、
X19は、グリシン(G)、トレオニン(T)、ロイシン(L)、アラニン(A)、もしくはグルタミン酸(E)であるか、または欠如しており、
X20は、グルタミン(Q)などの任意のアミノ酸であるか、または欠如しており、
X21は、プロリン(P)、アラニン(A)、グルタミン(Q)またはアスパラギン(N)であり、
X22は、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)またはバリン(V)であり、
X23は、トレオニン(T)、アスパラギン(N)、フェニルアラニン(F)またはアルギニン(R)であり、
X24は、アラニン(A)、システイン(C)またはアルギニン(R)であり、
X25は、アスパラギン(N)、アラニン(A)、トレオニン(T)またはグルタミン(Q)であり、
X26は、アラニン(A)、グリシン(G)またはアルギニン(R)であり、
X27は、トレオニン(T)、アラニン(A)、リジン(K)、プロリン(P)またはロイシン(L)であり、
X28は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であり、
X29は、イソロイシン(I)、バリン(V)、プロリン(P)、アラニン(A)、リジン(K)、チロシン(Y)またはロイシン(L)であり、
X30は、グリシン(G)、アラニン(A)、グルタミン酸(E)、トレオニン(T)、セリン(S)、グルタミン(Q)またはアスパラギン酸(D)であり、
X31は、グリシン(G)、アラニン(A)、アスパラギン酸(D)、セリン(S)、プロリン(P)またはリジン(K)であり、
X34は、リジン(K)などの任意のアミノ酸である]、
またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号221とは異なる、当該機能的バリアント、
c. 配列番号222:
X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14X15X16X17X18X19X20X21X22X23X24X25X26X27X28X29X30X31X32X33X34X35WEX38F
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域3
[式中、
X1は、バリン(V)、イソロイシン(I)、チロシン(Y)またはフェニルアラニン(F)であり、
X2は、アラニン(A)、セリン(S)、システイン(C)、トレオニン(T)またはグリシン(G)であり、
X3は、ロイシン(L)、フェニルアラニン(F)またはイソロイシン(I)であり、
X4は、アルギニン(R)、リジン(K)またはグルタミン(Q)であり、
X5は、グリシン(G)、アラニン(A)またはセリン(S)であり、
X6は、アルギニン(R)もしくはバリン(V)であるか、または欠如しており、
X7は、アスパラギン(N)などの任意のアミノ酸であり、
X8は、アスパラギン(N)、ヒスチジン(H)、アラニン(A)、リジン(K)であるか、または欠如しており、
X9は、グリシン(G)、トリプトファン(W)またはアスパラギン(N)であり、
X10は、リジン(K)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、セリン(S)、アラニン(A)またはグルタミン(Q)であり、
X11は、チロシン(Y)、トリプトファン(W)またはフェニルアラニン(F)であり、
X12は、バリン(V)、ロイシン(L)、メチオニン(M)またはイソロイシン(I)であり、
X13は、セリン(S)またはグルタミン(Q)であり、
X14は、アラニン(A)、セリン(S)、ヒスチジン(H)またはグリシン(G)であり、
X15は、グルタミン酸(E)、アスパラギン酸(D)、グルタミン(Q)、セリン(S)またはアスパラギン(N)であり、
X16は、アスパラギン(N)、ロイシン(L)、トリプトファン(W)、メチオニン(M)またはアスパラギン酸(D)であり、
X17は、グリシン(G)、セリン(S)またはアスパラギン酸(D)であり、
X18は、セリン(S)またはトレオニン(T)などの任意のアミノ酸であり、
X19は、アスパラギン(N)、バリン(V)もしくはアスパラギン酸(D)であるか、または欠如しており、
X20は、アラニン(A)であるか、または欠如しており、
X21は、セリン(S)であるか、または欠如しており、
X22は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であるか、または欠如しており、
X23は、プロリン(P)、アラニン(A)、アルギニン(R)、トレオニン(T)またはグリシン(G)であり、
X24は、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V)またはイソロイシン(I)であり、
X25は、トレオニン(T)、チロシン(Y)、アスパラギン(N)、ロイシン(L)またはグルタミン(Q)であり、
X26は、アラニン(A)、システイン(C)、フェニルアラニン(F)またはトリプトファン(W)であり、
X27は、アスパラギン(N)、アラニン(A)、トレオニン(T)またはセリン(S)であり、
X28は、アルギニン(R)またはリジン(K)であり、
X29は、アスパラギン酸(D)であるか、または欠如しており、
X30は、トレオニン(T)、アラニン(A)、プロリン(P)、セリン(S)またはグリシン(G)であり、
X31は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であり、
X32は、イソロイシン(I)、グルタミン酸(E)、プロリン(P)、アラニン(A)またはバリン(V)であり、
X33は、グリシン(G)、リジン(K)もしくはアスパラギン酸(D)であるか、または欠如しており、
X34は、グリシン(G)、セリン(S)、リジン(K)、アスパラギン酸(D)またはグルタミン(Q)であり、
X35は、グリシン(G)、アラニン(A)、アスパラギン酸(D)またはシステイン(C)であり、
X38は、リジン(K)などの任意のアミノ酸である]、
またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号222とは異なる、当該機能的バリアント
からなる群から選択される少なくとも2つの繰り返し領域を含む、当該ポリペプチドに関する。
【0030】
本開示の一実施形態では、ポリペプチドの各繰り返し領域は、本明細書で提供されるアミノ酸の付番に基づいて、好ましくは繰り返し領域1の35位、繰り返し領域2の32位、及び繰り返し領域3の36位に、重要なトリプトファン(W)残基を含む。当該トリプトファン(W)残基は、トリプトファン(W)からアラニン(A)への置換を含むノックアウト結合部位変異体から明らかなように、それを含む繰り返し領域と多糖類または二糖類との間の結合において重要な役割を果たす。トリプトファン側鎖の環は、ポリペプチドが結合する二糖類または多糖類の炭素環との主要な相互作用を有する。
【0031】
したがって、本開示の一実施形態では、本明細書に記述されるポリペプチドは、配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67もしくは配列番号220のアミノ酸配列を含む繰り返し領域1、またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67もしくは配列番号220とは異なる、当該機能的バリアントを含み、
ただし、当該配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67もしくは配列番号220またはそのバリアントの35位の残基がトリプトファン(W)であることを条件とする。
【0032】
本開示の別の実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68もしくは配列番号221のアミノ酸配列を含む繰り返し領域2、またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68もしくは配列番号221とは異なる、当該機能的バリアントを含み、
ただし、配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68、または配列番号221の当該バリアントの32位の残基がトリプトファン(W)であることを条件とする。
【0033】
本開示の別の実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66もしくは配列番号69、配列番号222のアミノ酸配列を含む繰り返し領域3、またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66もしくは配列番号69、配列番号222とは異なる、当該機能的バリアントを含み、
ただし、配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66または配列番号69、配列番号222の当該バリアントの36位の残基がトリプトファン(W)であることを条件とする。
【0034】
本開示の一実施形態では、ポリペプチドの各繰り返し領域は、本明細書で提供されるアミノ酸の付番に基づいて、R1の35位、R2の32位またはR3の36位のトリプトファン(W)残基に加えて、さらに、R1の36位、R2の33位もしくはR3の37位のグルタミン酸、及び/またはR1の38位、R2の35位、もしくはR3の39位のフェニルアラニンを含み、好ましくは、R1の36位、R2の33位またはR3の37位のグルタミン酸と、R1の38位、R2の35位、またはR3の39位のフェニルアラニンとの両方を含む。当該グルタミン酸及びフェニルアラニン残基は保存されており、それらを含む繰り返し領域と多糖類または二糖類との間の結合において重要な役割を果たす。これは
図3Bでも確認できる。トリプトファン、グルタミン酸、及び/またはフェニルアラニンは、1つ、2つ、または3つすべての繰り返し領域において上述のように指定された位置に存在し得る。
【0035】
したがって、本開示のさらなる実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67もしくは配列番号220のアミノ酸配列を含む繰り返し領域1、またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67もしくは配列番号220とは異なる、当該機能的バリアントを含み、
ただし、
配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67または配列番号220の当該バリアントの35位の残基がトリプトファン(W)であること、及び
配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67または配列番号220の当該バリアントの36位の残基がグルタミン酸(E)であること、及び/または
配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67または配列番号220の当該バリアントの38位の残基がフェニルアラニン(F)であることを条件とする。
【0036】
本開示の別の実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68もしくは配列番号221のアミノ酸配列を含む繰り返し領域2、またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68もしくは配列番号221とは異なる、当該機能的バリアントを含み、
ただし、
配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68または配列番号221の当該バリアントの32位の残基がトリプトファン(W)であること、
配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68または配列番号221の当該バリアントの33位の残基がグルタミン酸(E)であること、及び/または
配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68または配列番号221の当該バリアントの35位の残基がフェニルアラニン(F)であることを条件とする。
【0037】
本開示の別の実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69もしくは配列番号222のアミノ酸配列を含む繰り返し領域3、またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69もしくは配列番号222とは異なる、当該機能的バリアントを含み、
ただし、
配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69または配列番号222の当該バリアントの36位の残基がトリプトファン(W)であること、
配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69または配列番号222の当該バリアントの37位の残基がグルタミン酸(E)であること、及び/または
配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69または配列番号222の当該バリアントの39位の残基がフェニルアラニン(F)であることを条件とする。
【0038】
本開示の一実施形態では、ポリペプチドの各繰り返し領域は、本明細書で提供されるアミノ酸の付番に基づいて、R1の12位もしくはR2及びR3の11位のチロシン、及び/またはR1の13位もしくはR2及びR3の12位のバリンを含む。これらのチロシン及び/またはバリン残基は、ポリペプチドが二糖類または多糖類に結合するときに、ポリペプチドの3D構造内の結合部位の近くに位置しているため、二糖類または多糖類に対する繰り返し領域の結合に寄与し得る。
【0039】
本開示のさらなる実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67もしくは配列番号220のアミノ酸配列を含む繰り返し領域1、またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67もしくは配列番号220とは異なる、当該機能的バリアントを含み、
ただし、
配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67または配列番号220の当該バリアントの12位の残基がチロシン(Y)であること、及び/または
配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67または配列番号220の当該バリアントの13位の残基がバリン(V)であることを条件とする。
【0040】
本開示の別の実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68もしくは配列番号221のアミノ酸配列を含む繰り返し領域2、またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68もしくは配列番号221とは異なる、当該機能的バリアントを含み、
ただし、
配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68または配列番号221の当該バリアントの11位の残基がチロシン(Y)であること、及び/または
配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68または配列番号221の当該バリアントの12位の残基がバリン(V)であることを条件とする。
【0041】
本開示の別の実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69、配列番号222のアミノ酸配列を含む繰り返し領域2、またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69、配列番号222とは異なる、当該機能的バリアントを含み、
ただし、
配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69、配列番号222の当該バリアントの11位の残基がチロシン(Y)であること、及び/または
配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69、配列番号222の当該バリアントの12位の残基がバリン(V)であることを条件とする。
【0042】
本開示の一実施形態では、本明細書で開示されるポリペプチドの繰り返し領域1は、配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67、配列番号220のアミノ酸配列、またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67、配列番号220とは異なる、当該機能的バリアントを含むか、またはそれからなる。
【0043】
本開示の一実施形態では、繰り返し領域2は、配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68、配列番号221のアミノ酸配列、またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68、配列番号221とは異なる、当該機能的バリアントを含むか、またはそれからなる。
【0044】
本開示の一実施形態では、繰り返し領域3は、配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69、配列番号222のアミノ酸配列、またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69、配列番号222とは異なる、当該機能的バリアントを含むか、またはそれからなる。
【0045】
本開示の一実施形態では、繰り返し領域1、繰り返し領域2及び繰り返し領域3の各々は、そのN末端で少なくとも3つのアミノ酸残基にフランキングされており、そのC末端で少なくとも3つのアミノ酸残基にフランキングされている。
【0046】
例えば、本開示のポリペプチドにおいて、繰り返し領域1、繰り返し領域2及び繰り返し領域3の各々は、そのN末端で少なくとも3つのアミノ酸残基にフランキングされており、そのC末端で少なくとも3つのアミノ酸残基にフランキングされており、したがって、
YN-R1-YCZN-R2-ZCJN-R3-JCであり、
ここで、
YN、YC、ZN、ZC、JN、及びJCの各々は、個別に、少なくとも3つのアミノ酸を含むアミノ酸配列であり得る。
【0047】
この構造は一例に過ぎず、YN、YC、ZN、ZC、JN、及びJCの各々は、個別に、3個を超えるアミノ酸、例えば5個を超えるアミノ酸、例えば10個を超えるアミノ酸、例えば15個を超えるアミノ酸、例えば20個を超えるアミノ酸を含むアミノ酸配列でもよい。さらに、YN、YC、ZN、ZC、JN、及びJCの各々のアミノ酸の数は同じでもよく、異なっていてもよい。
【0048】
本開示の一実施形態では、機能的バリアントの配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67または配列番号220は、当該バリアントのアミノ酸配列が5個の個別のアミノ酸置換、例えば4個の個別のアミノ酸置換、例えば3個の個別のアミノ酸置換、例えば2個の個別のアミノ酸置換、例えば1個の個別のアミノ酸置換を含むという点で、配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67または配列番号220とは異なる。
【0049】
本開示の一実施形態では、配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67または配列番号220の機能的バリアントは、当該バリアントのアミノ酸配列が、配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67または配列番号220の残基1~34または36~38のいずれか1つに、6個の個別のアミノ酸置換、例えば5個の個別のアミノ酸置換、例えば4個の個別のアミノ酸置換、例えば3個の個別のアミノ酸置換、例えば2個の個別のアミノ酸置換、例えば1個の個別のアミノ酸置換を含むという点で、配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67または配列番号220とは異なる。
【0050】
本開示の一実施形態では、配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67または配列番号220の機能的バリアントは、当該バリアントのアミノ酸配列が、配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67または配列番号220の残基1~34または37のいずれか1つに、6個の個別のアミノ酸置換、例えば5個の個別のアミノ酸置換、例えば4個の個別のアミノ酸置換、例えば3個の個別のアミノ酸置換、例えば2個の個別のアミノ酸置換、例えば1個の個別のアミノ酸置換を含むという点で、配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67または配列番号220とは異なる。
【0051】
本開示の一実施形態では、配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68または配列番号221の機能的バリアントは、当該バリアントのアミノ酸配列が5個の個別のアミノ酸置換、例えば4個の個別のアミノ酸置換、例えば3個の個別のアミノ酸置換、例えば2個の個別のアミノ酸置換、例えば1個の個別のアミノ酸置換を含むという点で、配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68または配列番号221とは異なる。
【0052】
本開示の一実施形態では、配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68または配列番号221の機能的バリアントは、当該バリアントのアミノ酸配列が、配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68または配列番号221の残基1~31または33~35のいずれか1つに、6個の個別のアミノ酸置換、例えば5個の個別のアミノ酸置換、例えば4個の個別のアミノ酸置換、例えば3個の個別のアミノ酸置換、例えば2個の個別のアミノ酸置換、例えば1個の個別のアミノ酸置換を含むという点で、配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68または配列番号221とは異なる。
【0053】
本開示の一実施形態では、配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68または配列番号221の機能的バリアントは、当該バリアントのアミノ酸配列が、配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68または配列番号221の残基1~31または34のいずれか1つに、6個の個別のアミノ酸置換、例えば5個の個別のアミノ酸置換、例えば4個の個別のアミノ酸置換、例えば3個の個別のアミノ酸置換、例えば2個の個別のアミノ酸置換、例えば1個の個別のアミノ酸置換を含むという点で、配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68または配列番号221とは異なる。
【0054】
本開示の一実施形態では、配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69または配列番号222の機能的バリアントは、当該バリアントのアミノ酸配列が5個の個別のアミノ酸置換、例えば4個の個別のアミノ酸置換、例えば3個の個別のアミノ酸置換、例えば2個の個別のアミノ酸置換、例えば1個の個別のアミノ酸置換を含むという点で、配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69または配列番号222とは異なる。
【0055】
本開示の一実施形態では、配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69または配列番号222の機能的バリアントは、当該バリアントのアミノ酸配列が、配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69または配列番号222の残基1~35または37~39のいずれか1つに、6個の個別のアミノ酸置換、例えば5個の個別のアミノ酸置換、例えば4個の個別のアミノ酸置換、例えば3個の個別のアミノ酸置換、例えば2個の個別のアミノ酸置換、例えば1個の個別のアミノ酸置換を含むという点で、配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69または配列番号222とは異なる。
【0056】
本開示の一実施形態では、配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69または配列番号222の機能的バリアントは、当該バリアントのアミノ酸配列が、配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69または配列番号222の残基1~35または38のいずれか1つに、6個の個別のアミノ酸置換、例えば5個の個別のアミノ酸置換、例えば4個の個別のアミノ酸置換、例えば3個の個別のアミノ酸置換、例えば2個の個別のアミノ酸置換、例えば1個の個別のアミノ酸置換を含むという点で、配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69または配列番号222とは異なる。
【0057】
本開示の一実施形態では、個別のアミノ酸置換は保存的アミノ酸置換である。
【0058】
本開示の一実施形態では、本明細書に記述されるポリペプチドの繰り返し領域1は、配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64、配列番号67のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。
【0059】
本開示の一実施形態では、本明細書に記述されるポリペプチドの繰り返し領域2は、配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65、配列番号68のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。
【0060】
本開示の一実施形態では、本明細書に記述されるポリペプチドの繰り返し領域3は、配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。
【0061】
本開示の一実施形態では、当該ポリペプチドは、繰り返し領域1及び繰り返し領域2、またはそれらの機能的バリアント;繰り返し領域1及び繰り返し領域3、またはそれらの機能的バリアント;繰り返し領域2及び繰り返し領域3、またはそれらの機能的バリアント;繰り返し領域1、繰り返し領域2及び繰り返し領域3、またはそれらの機能的バリアントを含む。
【0062】
さらなる態様において、本開示は、配列番号3、配列番号4、配列番号20~配列番号33、または配列番号71~219との少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、1つ以上の糖類単位を結合することができる、当該ポリペプチドに関する。
【0063】
本開示の一実施形態は、配列番号3、配列番号4、配列番号20~配列番号33との少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、1つ以上の糖類単位を結合することができる、当該ポリペプチドに関する。
【0064】
本開示のさらなる実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号3、配列番号4または配列番号20~配列番号33との少なくとも80%の配列同一性、例えば配列番号3、配列番号4または配列番号20~配列番号33との少なくとも85%の配列同一性、例えば配列番号3、配列番号4または配列番号20~配列番号33との少なくとも90%の配列同一性、例えば配列番号3、配列番号4または配列番号20~配列番号33との少なくとも95%の配列同一性、例えば配列番号3、配列番号4または配列番号20~配列番号33との少なくとも96%の配列同一性、例えば配列番号3、配列番号4または配列番号20~配列番号33との少なくとも97%の配列同一性、例えば配列番号3、配列番号4または配列番号20~配列番号33との少なくとも98%の配列同一性、例えば配列番号3、配列番号4または配列番号20~配列番号33との少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0065】
本開示の別の実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号3、配列番号4または配列番号20~配列番号33のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。
【0066】
本開示の一実施形態では、当該ポリペプチドは、
a. 配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64もしくは配列番号67のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域1、またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64もしくは配列番号67とは異なる、当該機能的バリアント、
b. 配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65もしくは配列番号68のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域2、またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65もしくは配列番号68とは異なる、当該機能的バリアント、及び
c. 配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66もしくは配列番号69のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域3、またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69とは異なる、当該機能的バリアント
からなる群から選択される少なくとも2つの繰り返し領域を含む。
【0067】
本開示の一実施形態では、当該ポリペプチドは3つの繰り返し領域を含み、それらは各々、
a. 配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64もしくは配列番号67のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域1、またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号8、配列番号9、配列番号34、配列番号37、配列番号40、配列番号43、配列番号46、配列番号49、配列番号52、配列番号55、配列番号58、配列番号61、配列番号64もしくは配列番号67とは異なる、当該機能的バリアント、
b. 配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65もしくは配列番号68のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域2、またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号10、配列番号11、配列番号35、配列番号38、配列番号41、配列番号44、配列番号47、配列番号50、配列番号53、配列番号56、配列番号59、配列番号62、配列番号65もしくは配列番号68とは異なる、当該機能的バリアント、及び
c. 配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66もしくは配列番号69のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域3、またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号12、配列番号13、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号48、配列番号51、配列番号54、配列番号57、配列番号60、配列番号63、配列番号66、配列番号69とは異なる、当該機能的バリアント
からなる群から選択される。
【0068】
本開示の一実施形態では、当該ポリペプチドは、βトレフォイルフォールド構造を有する。好ましくは、この構造は、2つのβストランドによって各々が形成された6つのβヘアピンからなり、おおよそ3回の対称性を示す。
【0069】
本開示のポリペプチドの一機能は、特定の二糖類及び多糖類を結合することができ、さらには特定の多糖類を架橋することができることである。この機能は、少なくとも部分的には、本開示のポリペプチド中に、二糖類及び多糖類を認識して結合することができる領域であり、本明細書で定義される、繰り返し領域1、繰り返し領域2、及び/または繰り返し領域3などの繰り返し領域が2つまたは好ましくは3つ存在することに関係している。
【0070】
したがって、本開示の一実施形態では、繰り返し領域1、繰り返し領域2、及び繰り返し領域3の各々は、少なくとも1つの二糖類を結合することができる。
【0071】
本開示の一実施形態では、繰り返し領域1、繰り返し領域2、及び繰り返し領域3の各々は、少なくとも1つの多糖類を結合することができる。
【0072】
本開示のポリペプチドの繰り返し領域は、異なるアミノ酸配列を有し得るにもかかわらず、単糖類単位間の同じ種類の結合を含むことを特徴とする二糖類及び多糖類を結合することができる。
【0073】
本開示のポリペプチドは、特定のGlc-β-1,6結合を含むものであれば任意の二糖類またはより長いオリゴ糖類もしくは多糖類を結合することができる。本明細書に記述される複数の多糖類がこの結合を含む。
【0074】
本開示のポリペプチドは、異常な細菌分泌物中に見出される極めて稀なGlc-β-1,2-Glc構造への結合も示す。
【0075】
本開示の一実施形態では、繰り返し領域1、繰り返し領域2及び/または繰り返し領域3の各々は、少なくとも1つのGlc-β-1,6-Glc単位を含む二糖類または多糖類を結合することができる。
【0076】
本開示の別の実施形態では、繰り返し領域1、繰り返し領域2及び/または繰り返し領域3の各々は、少なくとも1つのGlc-β-1,2-Glc単位を含む二糖類または多糖類を結合することができる。
【0077】
本開示の一実施形態では、繰り返し領域1、繰り返し領域2及び/または繰り返し領域3の各々は、少なくとも1つのGlc-β-1,6-Glc単位を含むグリカンを含む二糖類または多糖類を結合することができる。
【0078】
本開示の一実施形態では、繰り返し領域1、繰り返し領域2及び/または繰り返し領域3の各々は、β-1,6-グルカン骨格を有する二糖類または多糖類を結合することができる。
【0079】
本開示の一実施形態では、繰り返し領域1、繰り返し領域2及び/または繰り返し領域3の各々は、1つ以上のGlc-β-1,6-Glc修飾を有する二糖類または多糖類を結合することができる。
【0080】
本開示の一実施形態では、繰り返し領域1、繰り返し領域2及び/または繰り返し領域3の各々は、β-1,3-グルカン骨格上に1つ以上のGlc-β-1,6-Glc修飾(複数可)を有する二糖類または多糖類を結合することができる。
【0081】
本開示の一実施形態では、繰り返し領域1、繰り返し領域2及び/または繰り返し領域3の各々は、多糖類のスクレログルカンを結合することができる。
【0082】
本開示の一実施形態では、繰り返し領域1、繰り返し領域2及び/または繰り返し領域3の各々は、多糖類のプスツランを結合することができる。
【0083】
本開示の一実施形態では、繰り返し領域1、繰り返し領域2及び/または繰り返し領域3の各々は、多糖類のラミナリンを結合することができる。
【0084】
本開示の一実施形態では、繰り返し領域1、繰り返し領域2及び/または繰り返し領域3の各々は、多糖類のゲンチオビオースを結合することができる。
【0085】
本開示の一実施形態では、糖類は、少なくとも二糖類である。
【0086】
本開示の一実施形態では、糖類はオリゴ糖類または多糖類である。
【0087】
炭水化物結合ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
一態様では、本開示は、本明細書に記述されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに関する。
【0088】
本開示の一実施形態では、当該ポリヌクレオチドは、ポリペプチドであって、
a. 配列番号220:
X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14X15X16X17X18X19X20X21X22X23X24X25X26X27X28X29X30X31X32X33X34WEX37F
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域1
[式中、
X1は、イソロイシン(I)またはバリン(V)であり、
X2は、トリプトファン(W)、セリン(S)、トレオニン(T)またはアラニン(A)などの任意のアミノ酸であり、
X3は、ロイシン(L)またはイソロイシン(I)であり、
X4は、リジン(K)もしくはアルギニン(R)であるか、または欠如しており、
X5は、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、アラニン(A)もしくはリジン(K)であるか、または欠如しており、
X6は、グリシン(G)、セリン(S)、チロシン(Y)、システイン(C)、ロイシン(L)またはトレオニン(T)であり、
X7は、フェニルアラニン(F)またはセリン(S)などの任意のアミノ酸であり、
X8は、グリシン(G)であるか、または欠如しており、
X9は、アスパラギン(N)、ヒスチジン(H)、アスパラギン酸(D)またはトレオニン(T)であり、
X10は、アスパラギン(N)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン(Q)、リジン(K)またはグリシン(G)であり、
X11は、リジン(K)、グルタミン(Q)、アスパラギン(N)またはロイシン(L)であり、
X12は、チロシン(Y)、ロイシン(L)またはフェニルアラニン(F)であり、
X13は、バリン(V)、ロイシン(L)またはアラニン(A)であり、
X14は、セリン(S)、トレオニン(T)、システイン(C)またはアスパラギン(N)であり、
X15は、アラニン(A)、セリン(S)またはグリシン(G)であり、
X16は、グルタミン酸(E)、リジン(K)、アルギニン(R)、グルタミン(Q)またはアスパラギン酸(D)であり、
X17は、アスパラギン(N)、グリシン(G)、グルタミン(Q)またはプロリン(P)であり、
X18は、グリシン(G)、アスパラギン(N)、トレオニン(T)またはアスパラギン酸(D)であり、
X19は、ロイシン(L)であるか、または欠如しており、
X20は、グリシン(G)もしくはアラニン(A)であるか、または欠如しており、
X21は、アラニン(A)もしくはアスパラギン(N)であるか、または欠如しており、
X22は、トレオニン(T)などの任意のアミノ酸であるか、または欠如しており、
X23は、グリシン(G)などの任意のアミノ酸であり、
X24は、プロリン(P)、アラニン(A)、グルタミン(Q)またはアルギニン(R)であり、
X25は、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アラニン(A)またはイソロイシン(I)であり、
X26は、トレオニン(T)などの任意のアミノ酸であり、
X27は、アラニン(A)、システイン(C)またはトリプトファン(W)であり、
X28は、アスパラギン(N)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)またはアルギニン(R)であり、
X29は、アルギニン(R)、アラニン(A)またはセリン(S)であり、
X30は、トレオニン(T)、アスパラギン酸(D)、プロリン(P)、イソロイシン(I)、アスパラギン(N)またはアラニン(A)であり、
X31は、トレオニン(T)、アラニン(A)、バリン(V)、グリシン(G)、リジン(K)またはイソロイシン(I)であり、
X32は、アラニン(A)、バリン(V)、プロリン(P)またはロイシン(L)であり、
X33は、グリシン(G)、グルタミン(Q)、セリン(S)またはアスパラギン酸(D)であり、
X34は、グリシン(G)などの任意のアミノ酸であり、
X37は、グルタミン(Q)またはリジン(K)などの任意のアミノ酸である]、
またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号220とは異なる、当該機能的バリアント、
b. 配列番号221:
X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14X15X16X17X18X19X20X21X22X23X24X25X26X27X28X29X30X31WEX34F
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域2
[式中、
X1は、イソロイシン(I)またはバリン(V)であり、
X2は、アラニン(A)、アスパラギン(N)、チロシン(Y)またはトレオニン(T)であり、
X3は、ロイシン(L)またはイソロイシン(I)であり、
X4は、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、ロイシン(L)またはリジン(K)であり、
X5は、グリシン(G)、アラニン(A)、アスパラギン(N)またはセリン(S)であり、
X6は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であるか、または欠如しており、
X7は、グリシン(G)もしくはセリン(S)であるか、または欠如しており、
X8は、アスパラギン(N)、メチオニン(M)、グルタミン(Q)、ヒスチジン(H)またはセリン(S)であり、
X9は、グリシン(G)またはアラニン(A)であり、
X10は、リジン(K)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アスパラギン(N)またはセリン(S)であり、
X11は、チロシン(Y)であり、
X12は、バリン(V)またはフェニルアラニン(F)であり、
X13は、セリン(S)、システイン(C)、リジン(K)またはグルタミン(Q)であり、
X14は、アラニン(A)、バリン(V)またはセリン(S)であり、
X15は、グルタミン酸(E)、アスパラギン酸(D)、グルタミン(Q)またはグリシン(G)であり、
X16は、アスパラギン(N)、プロリン(P)、グリシン(G)、トレオニン(T)またはアスパラギン酸(D)であり、
X17は、グリシン(G)、アスパラギン酸(D)、イソロイシン(I)もしくはアスパラギン(N)であるか、または欠如しており、
X18は、バリン(V)もしくはグリシン(G)であるか、または欠如しており、
X19は、グリシン(G)、トレオニン(T)、ロイシン(L)、アラニン(A)、もしくはグルタミン酸(E)であるか、または欠如しており、
X20は、グルタミン(Q)などの任意のアミノ酸であるか、または欠如しており、
X21は、プロリン(P)、アラニン(A)、グルタミン(Q)またはアスパラギン(N)であり、
X22は、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)またはバリン(V)であり、
X23は、トレオニン(T)、アスパラギン(N)、フェニルアラニン(F)またはアルギニン(R)であり、
X24は、アラニン(A)、システイン(C)またはアルギニン(R)であり、
X25は、アスパラギン(N)、アラニン(A)、トレオニン(T)またはグルタミン(Q)であり、
X26は、アラニン(A)、グリシン(G)またはアルギニン(R)であり、
X27は、トレオニン(T)、アラニン(A)、リジン(K)、プロリン(P)またはロイシン(L)であり、
X28は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であり、
X29は、イソロイシン(I)、バリン(V)、プロリン(P)、アラニン(A)、リジン(K)、チロシン(Y)またはロイシン(L)であり、
X30は、グリシン(G)、アラニン(A)、グルタミン酸(E)、トレオニン(T)、セリン(S)、グルタミン(Q)またはアスパラギン酸(D)であり、
X31は、グリシン(G)、アラニン(A)、アスパラギン酸(D)、セリン(S)、プロリン(P)またはリジン(K)であり、
X34は、リジン(K)などの任意のアミノ酸である]、
またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号221とは異なる、当該機能的バリアント、
c. 配列番号222:
X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14X15X16X17X18X19X20X21X22X23X24X25X26X27X28X29X30X31X32X33X34X35WEX38F
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域3
[式中、
X1は、バリン(V)、イソロイシン(I)、チロシン(Y)またはフェニルアラニン(F)であり、
X2は、アラニン(A)、セリン(S)、システイン(C)、トレオニン(T)またはグリシン(G)であり、
X3は、ロイシン(L)、フェニルアラニン(F)またはイソロイシン(I)であり、
X4は、アルギニン(R)、リジン(K)またはグルタミン(Q)であり、
X5は、グリシン(G)、アラニン(A)またはセリン(S)であり、
X6は、アルギニン(R)もしくはバリン(V)であるか、または欠如しており、
X7は、アスパラギン(N)などの任意のアミノ酸であり、
X8は、アスパラギン(N)、ヒスチジン(H)、アラニン(A)、リジン(K)であるか、または欠如しており、
X9は、グリシン(G)、トリプトファン(W)またはアスパラギン(N)であり、
X10は、リジン(K)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、セリン(S)、アラニン(A)またはグルタミン(Q)であり、
X11は、チロシン(Y)、トリプトファン(W)またはフェニルアラニン(F)であり、
X12は、バリン(V)、ロイシン(L)、メチオニン(M)またはイソロイシン(I)であり、
X13は、セリン(S)またはグルタミン(Q)であり、
X14は、アラニン(A)、セリン(S)、ヒスチジン(H)またはグリシン(G)であり、
X15は、グルタミン酸(E)、アスパラギン酸(D)、グルタミン(Q)、セリン(S)またはアスパラギン(N)であり、
X16は、アスパラギン(N)、ロイシン(L)、トリプトファン(W)、メチオニン(M)またはアスパラギン酸(D)であり、
X17は、グリシン(G)、セリン(S)またはアスパラギン酸(D)であり、
X18は、セリン(S)またはトレオニン(T)などの任意のアミノ酸であり、
X19は、アスパラギン(N)、バリン(V)もしくはアスパラギン酸(D)であるか、または欠如しており、
X20は、アラニン(A)であるか、または欠如しており、
X21は、セリン(S)であるか、または欠如しており、
X22は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であるか、または欠如しており、
X23は、プロリン(P)、アラニン(A)、アルギニン(R)、トレオニン(T)またはグリシン(G)であり、
X24は、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V)またはイソロイシン(I)であり、
X25は、トレオニン(T)、チロシン(Y)、アスパラギン(N)、ロイシン(L)またはグルタミン(Q)であり、
X26は、アラニン(A)、システイン(C)、フェニルアラニン(F)またはトリプトファン(W)であり、
X27は、アスパラギン(N)、アラニン(A)、トレオニン(T)またはセリン(S)であり、
X28は、アルギニン(R)またはリジン(K)であり、
X29は、アスパラギン酸(D)であるか、または欠如しており、
X30は、トレオニン(T)、アラニン(A)、プロリン(P)、セリン(S)またはグリシン(G)であり、
X31は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であり、
X32は、イソロイシン(I)、グルタミン酸(E)、プロリン(P)、アラニン(A)またはバリン(V)であり、
X33は、グリシン(G)、リジン(K)もしくはアスパラギン酸(D)であるか、または欠如しており、
X34は、グリシン(G)、セリン(S)、リジン(K)、アスパラギン酸(D)またはグルタミン(Q)であり、
X35は、グリシン(G)、アラニン(A)、アスパラギン酸(D)またはシステイン(C)であり、
X38は、リジン(K)などの任意のアミノ酸である]、
またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号222とは異なる、当該機能的バリアント
からなる群から選択される少なくとも2つの繰り返し領域を含む、当該ポリペプチドをコードする。
【0089】
本開示の一実施形態では、当該ポリヌクレオチドは、宿主細胞での発現のためにコドン最適化されている。
【0090】
別の態様では、本開示は、本明細書に記述されるポリヌクレオチド、または本明細書に記述される実施形態のいずれかに係る炭水化物結合ポリペプチドをコードする核酸配列を含む、組換えベクターに関する。組換えベクターの例は、プラスミド、ウイルスベクター、コスミド、及び人工染色体を含むが、これらに限定されない。
【0091】
本開示の一実施形態では、ベクターは、プラスミドベクターである。
【0092】
さらなる態様において、本開示は、本明細書に記述される組換えベクターを発現する宿主細胞(例えば、E.coliの標準発現株)に関する。
【0093】
ハイドロゲル
本明細書で提示されるように、本開示のポリペプチドは多糖類を結合することができる。本開示のポリペプチドは各々、最大3つの多糖類鎖を結合することができる。さらに、多糖類と共に本開示のポリペプチドが複数存在する場合、本開示のポリペプチドは、当該多糖類を結合するだけでなく、それらを架橋することもできる場合がある。したがって、本開示のポリペプチドは、特定の多糖類を結合して架橋することができる。特定の多糖類については本明細書に記述する。
【0094】
一態様では、本開示は、2つ以上の多糖類を架橋するための、本明細書の実施形態のいずれかに記述されたポリペプチドの使用に関する。
【0095】
本開示の別の態様は、本明細書に記述される実施形態のいずれかに係る少なくとも1つのポリペプチドと2つ以上の多糖類とを含む組成物に関し、ここで、多糖類はポリペプチドによって架橋されており、例えば、ポリペプチドは多糖類をひとつに連結する架橋剤である。
【0096】
別の態様では、本開示は、本明細書に記述される実施形態のいずれかに係る少なくとも1つのポリペプチドと2つ以上の多糖類とを含むハイドロゲルであって、架橋構造を有する当該ハイドロゲルに関する。
【0097】
別の態様では、本開示は、本明細書に記述される実施形態のいずれかに係る少なくとも2つのポリペプチドと3つ以上の多糖類とを含むハイドロゲルであって、架橋構造を有する当該ハイドロゲルに関する。
【0098】
好ましくは、本開示はまた、本明細書に記述される実施形態のいずれかに係る複数のポリペプチドと複数の多糖類とを含むハイドロゲルであって、架橋構造を有する当該ハイドロゲルに関する。
【0099】
実のところ、本明細書に記述される実施形態のいずれかに係るポリペプチドは、本開示のハイドロゲルにおいて架橋剤として機能する。
【0100】
本開示の一実施形態では、ハイドロゲルは、本明細書に記述されるポリペプチドである、二官能性または多官能性のリンカー、例えば、2つ以上の多糖類鎖に結合することができるリンカーで架橋される。
【0101】
本開示の一実施形態では、ハイドロゲルは、各々のサイズが20.000Da以上、例えば50.000Da以上、例えば70.000Da以上、例えば100.000Da以上、例えば150.000Da以上、例えば200.000Da以上、例えば300.000Da以上、例えば500.000Da以上、例えば700.000Da以上、例えば800.000Da以上、例えば900.000Da以上、例えば1.000.000Da以上である1つ以上の多糖類を含み、例えば、多糖類のサイズは約2.000.000Daである。好ましくは、多糖類は少なくとも100.000Da、例えば少なくとも500.000Da、例えば少なくとも1.000.000Da、例えば2.000.000Daである。
【0102】
本開示の一実施形態では、ハイドロゲルは、水分散性である多糖類を含む。さらなる実施形態では、多糖類は、糖類1mg当たり水70μg以上、好ましくは糖類1mg当たり水74μg以上、例えば糖類1mg当たり水77μgの水分含量を有する。
【0103】
本開示の一実施形態では、ハイドロゲルは、バイオポリマーである1つ以上の多糖類であって、各々が、主鎖に対するβ-1,6結合グルコース修飾を有する1つ以上のβ-1,3-グルカン単位を含む、スクレログルカンまたはシゾフィランなどの多糖類を含む。
【0104】
本開示の一実施形態では、ハイドロゲルは、0.1g/L~10g/Lの本開示のポリペプチドと、2g/L~10g/Lの本明細書で定義される多糖類とを含む。好ましくは、ハイドロゲルは、0.15g/L~5g/Lの本開示のポリペプチドと、3g/L~5g/Lの本明細書で定義される多糖類とを含む。
【0105】
本開示の一実施形態では、ハイドロゲルは、少なくとも0.1g/Lの本開示のポリペプチド、例えば少なくとも0.2g/Lのポリペプチド、例えば少なくとも0.3g/Lのポリペプチド、例えば少なくとも0.5g/Lのポリペプチド、例えば少なくとも0.8g/Lのポリペプチド、例えば少なくとも1g/Lのポリペプチド、例えば少なくとも1.3g/Lのポリペプチド、例えば少なくとも1.7g/Lのポリペプチド、例えば少なくとも2g/Lのポリペプチド、例えば少なくとも2.5g/Lのポリペプチド、例えば少なくとも3g/Lのポリペプチド、例えば少なくとも3.5g/Lのポリペプチド、例えば少なくとも4g/Lのポリペプチド、例えば少なくとも4.5g/Lのポリペプチド、例えば少なくとも5g/Lのポリペプチド、例えば少なくとも5.5g/Lのポリペプチド、例えば少なくとも6g/Lのポリペプチド、例えば少なくとも6.5g/Lのポリペプチド、例えば少なくとも7g/Lのポリペプチド、例えば少なくとも7.5g/Lのポリペプチド、例えば少なくとも8g/Lのポリペプチド、例えば少なくとも8.5g/Lのポリペプチド、例えば少なくとも9g/Lのポリペプチド、例えば少なくとも9.5g/Lのポリペプチド、例えば少なくとも10g/Lの本開示のポリペプチドを含む。
【0106】
本開示の一実施形態では、ハイドロゲルは、最大で10g/Lの本開示のポリペプチドを含む。
【0107】
本開示の一実施形態では、ハイドロゲルは、少なくとも2g/Lの多糖類、例えば少なくとも3g/Lの多糖類、かつ最大で5g/Lの多糖類、例えば最大で6g/Lの多糖類、例えば最大で7g/Lの多糖類、例えば最大で8g/Lの多糖類、例えば最大で9g/Lの多糖類、10g/Lの多糖類を含む。好ましくは、本開示の一実施形態では、ハイドロゲルは、少なくとも3g/Lの多糖類、かつ最大で5g/Lの多糖類を含み、多糖類は少なくとも1つのGlc-β-1,6-Glc単位を含む。
【0108】
本開示の一実施形態では、ハイドロゲルは、少なくとも2.5g/Lの多糖類、例えば少なくとも3g/Lの多糖類、例えば少なくとも3.5g/Lの多糖類、例えば少なくとも4g/Lの多糖類、例えば少なくとも4.5g/Lの多糖類、例えば少なくとも5g/Lの多糖類、例えば少なくとも5.5g/Lの多糖類、例えば少なくとも6g/Lの多糖類、例えば少なくとも6.5g/Lの多糖類、例えば少なくとも7g/Lの多糖類、例えば少なくとも7.5g/Lの多糖類、例えば少なくとも8g/Lの多糖類、例えば少なくとも8.5g/Lの多糖類、例えば少なくとも9g/Lの多糖類、例えば少なくとも9.5g/Lの多糖類、例えば最大で10g/Lの多糖類を含み、多糖類は少なくとも1つのGlc-β-1,6-Glc単位を含む。
【0109】
本開示の一実施形態では、ハイドロゲルは、少なくとも2g/Lのスクレログルカン、例えば少なくとも3g/Lのスクレログルカン、かつ最大で10g/Lのスクレログルカン、例えば最大で6g/Lのスクレログルカン、例えば最大で7g/Lのスクレログルカン、例えば最大で8g/Lのスクレログルカン、例えば最大で9g/Lのスクレログルカンを含む。好ましくは、本開示の一実施形態では、ハイドロゲルは、少なくとも3g/Lのスクレログルカン、かつ最大で5g/Lのスクレログルカンを含む。
【0110】
本開示の一実施形態では、ハイドロゲルは、少なくとも2.5g/Lのスクレログルカン、例えば少なくとも3g/Lのスクレログルカン、例えば少なくとも3.5g/Lのスクレログルカン、例えば少なくとも4g/Lのスクレログルカン、例えば少なくとも4.5g/Lのスクレログルカン、例えば少なくとも5g/Lのスクレログルカン、例えば少なくとも5.5g/Lのスクレログルカン、例えば少なくとも6g/Lのスクレログルカン、例えば少なくとも6.5g/Lのスクレログルカン、例えば少なくとも7g/Lのスクレログルカン、例えば少なくとも7.5g/Lのスクレログルカン、例えば少なくとも8g/Lのスクレログルカン、例えば少なくとも8.5g/Lのスクレログルカン、例えば少なくとも9g/Lの多糖類、例えば少なくとも9.5g/Lの多糖類、例えば最大で10g/Lの多糖類を含み、多糖類は少なくとも1つのGlc-β-1,6-Glc単位を含む。
【0111】
例えば、本開示の
図5及び実施例5に示されるように、ハイドロゲルは、3~5g/Lの多糖類スクレログルカン、例えば約4g/Lの多糖類スクレログルカンを含むことができる。
【0112】
本開示の一実施形態では、ハイドロゲルは、少なくとも90重量%の水、例えば少なくとも91重量%の水、例えば少なくとも92重量%の水、例えば少なくとも93重量%の水、例えば少なくとも94重量%の水、例えば少なくとも95重量%の水、例えば少なくとも96重量%の水、例えば少なくとも97重量%の水、例えば少なくとも98重量%の水、例えば少なくとも99重量%の水、例えば少なくとも99.5重量%の水を含む。
【0113】
本開示の一実施形態に係るハイドロゲルは、室温にて空気中で乾き切ることができ、その後、水と接触すると再水和することができる。一実施形態では、再水和したゲルは、元のハイドロゲルよりも低い含水量を有し、例えば、再水和したゲルは、70重量%~90重量%の水を含み得る。例えば、再水和したハイドロゲルはフィルムの形態であり得る。
【0114】
一実施形態では、再水和したゲルは、元のハイドロゲルに類似する含水量を有し、例えば、再水和したゲルは、少なくとも70重量%の水、例えば少なくとも80重量%の水、例えば少なくとも90重量%の水を含み得る。
【0115】
本開示の一実施形態では、ハイドロゲルは、架橋構造を保持したまま脱水させ、再び再水和または再膨潤させることができる。脱水及び再水和の過程は、それぞれ、水分喪失、及び再膨潤などの含水量の回復により、ハイドロゲルの物理的形態が変化する過程を意味する。
【0116】
本開示のハイドロゲルの脱水及び再水和は、当技術分野で公知の方法のいずれかによって行うことができる。
【0117】
本開示の一実施形態では、ハイドロゲルは、再水和したハイドロゲルであり、再水和したハイドロゲルは、少なくとも70重量%の水、例えば少なくとも73重量%の水、例えば少なくとも75重量%の水、例えば少なくとも78重量%の水、例えば少なくとも80重量%の水、例えば少なくとも83重量%の水、例えば少なくとも85重量%の水、例えば少なくとも88重量%の水、例えば少なくとも90重量%の水を含む。
【0118】
本開示の一実施形態では、ハイドロゲルは、本開示のポリペプチド及び多糖類を、1:20~1:2のポリペプチド:多糖類の比、例えば1:20~1:3の比、例えば1:20~1:5の比、例えば1:20~1:7の比、例えば1:20~1:10の比、例えば1:20~1:12の比、例えば1:20~1:15の比、例えば1:20~1:18の比、例えば1:18~1:2の比、例えば1:15~1:2の比、例えば1:13~1:2の比、例えば1:10~1:2の比、例えば1:8~1:2の比、例えば1:6~1:2の比、例えば1:4~1:2の比で含む。例えば、多糖類はスクレログルカンであり得る。これらの比率は、室温の水中の5g/Lの多糖類の原液と、室温の水中の4g/lの本開示のポリペプチドの原液とに基づく体積:体積比である。
【0119】
本開示の一実施形態では、ハイドロゲルは、
ポリペプチドであって、
a. 配列番号220:
X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14X15X16X17X18X19X20X21X22X23X24X25X26X27X28X29X30X31X32X33X34WEX37F
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域1(R1)
[式中、
X1は、イソロイシン(I)またはバリン(V)であり、
X2は、トリプトファン(W)、セリン(S)、トレオニン(T)またはアラニン(A)などの任意のアミノ酸であり、
X3は、ロイシン(L)またはイソロイシン(I)であり、
X4は、リジン(K)もしくはアルギニン(R)であるか、または欠如しており、
X5は、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、アラニン(A)もしくはリジン(K)であるか、または欠如しており、
X6は、グリシン(G)、セリン(S)、チロシン(Y)、システイン(C)、ロイシン(L)またはトレオニン(T)であり、
X7は、フェニルアラニン(F)またはセリン(S)などの任意のアミノ酸であり、
X8は、グリシン(G)であるか、または欠如しており、
X9は、アスパラギン(N)、ヒスチジン(H)、アスパラギン酸(D)またはトレオニン(T)であり、
X10は、アスパラギン(N)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン(Q)、リジン(K)またはグリシン(G)であり、
X11は、リジン(K)、グルタミン(Q)、アスパラギン(N)またはロイシン(L)であり、
X12は、チロシン(Y)、ロイシン(L)またはフェニルアラニン(F)であり、
X13は、バリン(V)、ロイシン(L)またはアラニン(A)であり、
X14は、セリン(S)、トレオニン(T)、システイン(C)またはアスパラギン(N)であり、
X15は、アラニン(A)、セリン(S)またはグリシン(G)であり、
X16は、グルタミン酸(E)、リジン(K)、アルギニン(R)、グルタミン(Q)またはアスパラギン酸(D)であり、
X17は、アスパラギン(N)、グリシン(G)、グルタミン(Q)またはプロリン(P)であり、
X18は、グリシン(G)、アスパラギン(N)、トレオニン(T)またはアスパラギン酸(D)であり、
X19は、ロイシン(L)であるか、または欠如しており、
X20は、グリシン(G)もしくはアラニン(A)であるか、または欠如しており、
X21は、アラニン(A)もしくはアスパラギン(N)であるか、または欠如しており、
X22は、トレオニン(T)などの任意のアミノ酸であるか、または欠如しており、
X23は、グリシン(G)などの任意のアミノ酸であり、
X24は、プロリン(P)、アラニン(A)、グルタミン(Q)またはアルギニン(R)であり、
X25は、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アラニン(A)またはイソロイシン(I)であり、
X26は、トレオニン(T)などの任意のアミノ酸であり、
X27は、アラニン(A)、システイン(C)またはトリプトファン(W)であり、
X28は、アスパラギン(N)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)またはアルギニン(R)であり、
X29は、アルギニン(R)、アラニン(A)またはセリン(S)であり、
X30は、トレオニン(T)、アスパラギン酸(D)、プロリン(P)、イソロイシン(I)、アスパラギン(N)またはアラニン(A)であり、
X31は、トレオニン(T)、アラニン(A)、バリン(V)、グリシン(G)、リジン(K)またはイソロイシン(I)であり、
X32は、アラニン(A)、バリン(V)、プロリン(P)またはロイシン(L)であり、
X33は、グリシン(G)、グルタミン(Q)、セリン(S)またはアスパラギン酸(D)であり、
X34は、グリシン(G)などの任意のアミノ酸であり、
X37は、グルタミン(Q)またはリジン(K)などの任意のアミノ酸である]、
またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号220とは異なる、当該機能的バリアント、
b. 配列番号221:
X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14X15X16X17X18X19X20X21X22X23X24X25X26X27X28X29X30X31WEX34F
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域2(R2)
[式中、
X1は、イソロイシン(I)またはバリン(V)であり、
X2は、アラニン(A)、アスパラギン(N)、チロシン(Y)またはトレオニン(T)であり、
X3は、ロイシン(L)またはイソロイシン(I)であり、
X4は、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、ロイシン(L)またはリジン(K)であり、
X5は、グリシン(G)、アラニン(A)、アスパラギン(N)またはセリン(S)であり、
X6は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であるか、または欠如しており、
X7は、グリシン(G)もしくはセリン(S)であるか、または欠如しており、
X8は、アスパラギン(N)、メチオニン(M)、グルタミン(Q)、ヒスチジン(H)またはセリン(S)であり、
X9は、グリシン(G)またはアラニン(A)であり、
X10は、リジン(K)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アスパラギン(N)またはセリン(S)であり、
X11は、チロシン(Y)であり、
X12は、バリン(V)またはフェニルアラニン(F)であり、
X13は、セリン(S)、システイン(C)、リジン(K)またはグルタミン(Q)であり、
X14は、アラニン(A)、バリン(V)またはセリン(S)であり、
X15は、グルタミン酸(E)、アスパラギン酸(D)、グルタミン(Q)またはグリシン(G)であり、
X16は、アスパラギン(N)、プロリン(P)、グリシン(G)、トレオニン(T)またはアスパラギン酸(D)であり、
X17は、グリシン(G)、アスパラギン酸(D)、イソロイシン(I)もしくはアスパラギン(N)であるか、または欠如しており、
X18は、バリン(V)もしくはグリシン(G)であるか、または欠如しており、
X19は、グリシン(G)、トレオニン(T)、ロイシン(L)、アラニン(A)、もしくはグルタミン酸(E)であるか、または欠如しており、
X20は、グルタミン(Q)などの任意のアミノ酸であるか、または欠如しており、
X21は、プロリン(P)、アラニン(A)、グルタミン(Q)またはアスパラギン(N)であり、
X22は、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)またはバリン(V)であり、
X23は、トレオニン(T)、アスパラギン(N)、フェニルアラニン(F)またはアルギニン(R)であり、
X24は、アラニン(A)、システイン(C)またはアルギニン(R)であり、
X25は、アスパラギン(N)、アラニン(A)、トレオニン(T)またはグルタミン(Q)であり、
X26は、アラニン(A)、グリシン(G)またはアルギニン(R)であり、
X27は、トレオニン(T)、アラニン(A)、リジン(K)、プロリン(P)またはロイシン(L)であり、
X28は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であり、
X29は、イソロイシン(I)、バリン(V)、プロリン(P)、アラニン(A)、リジン(K)、チロシン(Y)またはロイシン(L)であり、
X30は、グリシン(G)、アラニン(A)、グルタミン酸(E)、トレオニン(T)、セリン(S)、グルタミン(Q)またはアスパラギン酸(D)であり、
X31は、グリシン(G)、アラニン(A)、アスパラギン酸(D)、セリン(S)、プロリン(P)またはリジン(K)であり、
X34は、リジン(K)などの任意のアミノ酸である]、
またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号221とは異なる、当該機能的バリアント、
c. 配列番号222:
X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14X15X16X17X18X19X20X21X22X23X24X25X26X27X28X29X30X31X32X33X34X35WEX38F
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域3(R3)
[式中、
X1は、バリン(V)、イソロイシン(I)、チロシン(Y)またはフェニルアラニン(F)であり、
X2は、アラニン(A)、セリン(S)、システイン(C)、トレオニン(T)またはグリシン(G)であり、
X3は、ロイシン(L)、フェニルアラニン(F)またはイソロイシン(I)であり、
X4は、アルギニン(R)、リジン(K)またはグルタミン(Q)であり、
X5は、グリシン(G)、アラニン(A)またはセリン(S)であり、
X6は、アルギニン(R)もしくはバリン(V)であるか、または欠如しており、
X7は、アスパラギン(N)などの任意のアミノ酸であり、
X8は、アスパラギン(N)、ヒスチジン(H)、アラニン(A)、リジン(K)であるか、または欠如しており、
X9は、グリシン(G)、トリプトファン(W)またはアスパラギン(N)であり、
X10は、リジン(K)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、セリン(S)、アラニン(A)またはグルタミン(Q)であり、
X11は、チロシン(Y)、トリプトファン(W)またはフェニルアラニン(F)であり、
X12は、バリン(V)、ロイシン(L)、メチオニン(M)またはイソロイシン(I)であり、
X13は、セリン(S)またはグルタミン(Q)であり、
X14は、アラニン(A)、セリン(S)、ヒスチジン(H)またはグリシン(G)であり、
X15は、グルタミン酸(E)、アスパラギン酸(D)、グルタミン(Q)、セリン(S)またはアスパラギン(N)であり、
X16は、アスパラギン(N)、ロイシン(L)、トリプトファン(W)、メチオニン(M)またはアスパラギン酸(D)であり、
X17は、グリシン(G)、セリン(S)またはアスパラギン酸(D)であり、
X18は、セリン(S)またはトレオニン(T)などの任意のアミノ酸であり、
X19は、アスパラギン(N)、バリン(V)もしくはアスパラギン酸(D)であるか、または欠如しており、
X20は、アラニン(A)であるか、または欠如しており、
X21は、セリン(S)であるか、または欠如しており、
X22は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であるか、または欠如しており、
X23は、プロリン(P)、アラニン(A)、アルギニン(R)、トレオニン(T)またはグリシン(G)であり、
X24は、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V)またはイソロイシン(I)であり、
X25は、トレオニン(T)、チロシン(Y)、アスパラギン(N)、ロイシン(L)またはグルタミン(Q)であり、
X26は、アラニン(A)、システイン(C)、フェニルアラニン(F)またはトリプトファン(W)であり、
X27は、アスパラギン(N)、アラニン(A)、トレオニン(T)またはセリン(S)であり、
X28は、アルギニン(R)またはリジン(K)であり、
X29は、アスパラギン酸(D)であるか、または欠如しており、
X30は、トレオニン(T)、アラニン(A)、プロリン(P)、セリン(S)またはグリシン(G)であり、
X31は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であり、
X32は、イソロイシン(I)、グルタミン酸(E)、プロリン(P)、アラニン(A)またはバリン(V)であり、
X33は、グリシン(G)、リジン(K)もしくはアスパラギン酸(D)であるか、または欠如しており、
X34は、グリシン(G)、セリン(S)、リジン(K)、アスパラギン酸(D)またはグルタミン(Q)であり、
X35は、グリシン(G)、アラニン(A)、アスパラギン酸(D)またはシステイン(C)であり、
X38は、リジン(K)などの任意のアミノ酸である]、
またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号222とは異なる、当該機能的バリアント
からなる群から選択される少なくとも2つの繰り返し領域を含む、当該ポリペプチドと、
β-1,6結合グルコース修飾を有する1つ以上のβ-1,3-グルカン単位を含む多糖類とを含む。
【0120】
本開示の一実施形態では、ハイドロゲルは、
ポリペプチドであって、
【化7】
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域1(R1)、
またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号8とは異なる、当該機能的バリアント、
【化8】
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域2(R2)、
またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号10とは異なる、当該機能的バリアント、
【化9】
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域3(R3)、
またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号12とは異なる、当該機能的バリアント
からなる群から選択される少なくとも2つの繰り返し領域を含む、当該ポリペプチドと、
β-1,6結合グルコース修飾を有する1つ以上のβ-1,3-グルカン単位を含む多糖類とを含む。
【0121】
本開示の一実施形態では、ハイドロゲルは、
ポリペプチドであって、
a. 配列番号220:
X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14X15X16X17X18X19X20X21X22X23X24X25X26X27X28X29X30X31X32X33X34WEX37F
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域1(R1)
[式中、
X1は、イソロイシン(I)またはバリン(V)であり、
X2は、トリプトファン(W)、セリン(S)、トレオニン(T)またはアラニン(A)などの任意のアミノ酸であり、
X3は、ロイシン(L)またはイソロイシン(I)であり、
X4は、リジン(K)もしくはアルギニン(R)であるか、または欠如しており、
X5は、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、アラニン(A)もしくはリジン(K)であるか、または欠如しており、
X6は、グリシン(G)、セリン(S)、チロシン(Y)、システイン(C)、ロイシン(L)またはトレオニン(T)であり、
X7は、フェニルアラニン(F)またはセリン(S)などの任意のアミノ酸であり、
X8は、グリシン(G)であるか、または欠如しており、
X9は、アスパラギン(N)、ヒスチジン(H)、アスパラギン酸(D)またはトレオニン(T)であり、
X10は、アスパラギン(N)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン(Q)、リジン(K)またはグリシン(G)であり、
X11は、リジン(K)、グルタミン(Q)、アスパラギン(N)またはロイシン(L)であり、
X12は、チロシン(Y)、ロイシン(L)またはフェニルアラニン(F)であり、
X13は、バリン(V)、ロイシン(L)またはアラニン(A)であり、
X14は、セリン(S)、トレオニン(T)、システイン(C)またはアスパラギン(N)であり、
X15は、アラニン(A)、セリン(S)またはグリシン(G)であり、
X16は、グルタミン酸(E)、リジン(K)、アルギニン(R)、グルタミン(Q)またはアスパラギン酸(D)であり、
X17は、アスパラギン(N)、グリシン(G)、グルタミン(Q)またはプロリン(P)であり、
X18は、グリシン(G)、アスパラギン(N)、トレオニン(T)またはアスパラギン酸(D)であり、
X19は、ロイシン(L)であるか、または欠如しており、
X20は、グリシン(G)もしくはアラニン(A)であるか、または欠如しており、
X21は、アラニン(A)もしくはアスパラギン(N)であるか、または欠如しており、
X22は、トレオニン(T)などの任意のアミノ酸であるか、または欠如しており、
X23は、グリシン(G)などの任意のアミノ酸であり、
X24は、プロリン(P)、アラニン(A)、グルタミン(Q)またはアルギニン(R)であり、
X25は、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アラニン(A)またはイソロイシン(I)であり、
X26は、トレオニン(T)などの任意のアミノ酸であり、
X27は、アラニン(A)、システイン(C)またはトリプトファン(W)であり、
X28は、アスパラギン(N)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)またはアルギニン(R)であり、
X29は、アルギニン(R)、アラニン(A)またはセリン(S)であり、
X30は、トレオニン(T)、アスパラギン酸(D)、プロリン(P)、イソロイシン(I)、アスパラギン(N)またはアラニン(A)であり、
X31は、トレオニン(T)、アラニン(A)、バリン(V)、グリシン(G)、リジン(K)またはイソロイシン(I)であり、
X32は、アラニン(A)、バリン(V)、プロリン(P)またはロイシン(L)であり、
X33は、グリシン(G)、グルタミン(Q)、セリン(S)またはアスパラギン酸(D)であり、
X34は、グリシン(G)などの任意のアミノ酸であり、
X37は、グルタミン(Q)またはリジン(K)などの任意のアミノ酸である]、
またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号220とは異なる、当該機能的バリアント、
b. 配列番号221:
X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14X15X16X17X18X19X20X21X22X23X24X25X26X27X28X29X30X31WEX34F
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域2(R2)
[式中、
X1は、イソロイシン(I)またはバリン(V)であり、
X2は、アラニン(A)、アスパラギン(N)、チロシン(Y)またはトレオニン(T)であり、
X3は、ロイシン(L)またはイソロイシン(I)であり、
X4は、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、ロイシン(L)またはリジン(K)であり、
X5は、グリシン(G)、アラニン(A)、アスパラギン(N)またはセリン(S)であり、
X6は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であるか、または欠如しており、
X7は、グリシン(G)もしくはセリン(S)であるか、または欠如しており、
X8は、アスパラギン(N)、メチオニン(M)、グルタミン(Q)、ヒスチジン(H)またはセリン(S)であり、
X9は、グリシン(G)またはアラニン(A)であり、
X10は、リジン(K)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アスパラギン(N)またはセリン(S)であり、
X11は、チロシン(Y)であり、
X12は、バリン(V)またはフェニルアラニン(F)であり、
X13は、セリン(S)、システイン(C)、リジン(K)またはグルタミン(Q)であり、
X14は、アラニン(A)、バリン(V)またはセリン(S)であり、
X15は、グルタミン酸(E)、アスパラギン酸(D)、グルタミン(Q)またはグリシン(G)であり、
X16は、アスパラギン(N)、プロリン(P)、グリシン(G)、トレオニン(T)またはアスパラギン酸(D)であり、
X17は、グリシン(G)、アスパラギン酸(D)、イソロイシン(I)もしくはアスパラギン(N)であるか、または欠如しており、
X18は、バリン(V)もしくはグリシン(G)であるか、または欠如しており、
X19は、グリシン(G)、トレオニン(T)、ロイシン(L)、アラニン(A)、もしくはグルタミン酸(E)であるか、または欠如しており、
X20は、グルタミン(Q)などの任意のアミノ酸であるか、または欠如しており、
X21は、プロリン(P)、アラニン(A)、グルタミン(Q)またはアスパラギン(N)であり、
X22は、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)またはバリン(V)であり、
X23は、トレオニン(T)、アスパラギン(N)、フェニルアラニン(F)またはアルギニン(R)であり、
X24は、アラニン(A)、システイン(C)またはアルギニン(R)であり、
X25は、アスパラギン(N)、アラニン(A)、トレオニン(T)またはグルタミン(Q)であり、
X26は、アラニン(A)、グリシン(G)またはアルギニン(R)であり、
X27は、トレオニン(T)、アラニン(A)、リジン(K)、プロリン(P)またはロイシン(L)であり、
X28は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であり、
X29は、イソロイシン(I)、バリン(V)、プロリン(P)、アラニン(A)、リジン(K)、チロシン(Y)またはロイシン(L)であり、
X30は、グリシン(G)、アラニン(A)、グルタミン酸(E)、トレオニン(T)、セリン(S)、グルタミン(Q)またはアスパラギン酸(D)であり、
X31は、グリシン(G)、アラニン(A)、アスパラギン酸(D)、セリン(S)、プロリン(P)またはリジン(K)であり、
X34は、リジン(K)などの任意のアミノ酸である]、
またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号221とは異なる、当該機能的バリアント、
c. 配列番号222:
X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14X15X16X17X18X19X20X21X22X23X24X25X26X27X28X29X30X31X32X33X34X35WEX38F
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域3(R3)
[式中、
X1は、バリン(V)、イソロイシン(I)、チロシン(Y)またはフェニルアラニン(F)であり、
X2は、アラニン(A)、セリン(S)、システイン(C)、トレオニン(T)またはグリシン(G)であり、
X3は、ロイシン(L)、フェニルアラニン(F)またはイソロイシン(I)であり、
X4は、アルギニン(R)、リジン(K)またはグルタミン(Q)であり、
X5は、グリシン(G)、アラニン(A)またはセリン(S)であり、
X6は、アルギニン(R)もしくはバリン(V)であるか、または欠如しており、
X7は、アスパラギン(N)などの任意のアミノ酸であり、
X8は、アスパラギン(N)、ヒスチジン(H)、アラニン(A)、リジン(K)であるか、または欠如しており、
X9は、グリシン(G)、トリプトファン(W)またはアスパラギン(N)であり、
X10は、リジン(K)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、セリン(S)、アラニン(A)またはグルタミン(Q)であり、
X11は、チロシン(Y)、トリプトファン(W)またはフェニルアラニン(F)であり、
X12は、バリン(V)、ロイシン(L)、メチオニン(M)またはイソロイシン(I)であり、
X13は、セリン(S)またはグルタミン(Q)であり、
X14は、アラニン(A)、セリン(S)、ヒスチジン(H)またはグリシン(G)であり、
X15は、グルタミン酸(E)、アスパラギン酸(D)、グルタミン(Q)、セリン(S)またはアスパラギン(N)であり、
X16は、アスパラギン(N)、ロイシン(L)、トリプトファン(W)、メチオニン(M)またはアスパラギン酸(D)であり、
X17は、グリシン(G)、セリン(S)またはアスパラギン酸(D)であり、
X18は、セリン(S)またはトレオニン(T)などの任意のアミノ酸であり、
X19は、アスパラギン(N)、バリン(V)もしくはアスパラギン酸(D)であるか、または欠如しており、
X20は、アラニン(A)であるか、または欠如しており、
X21は、セリン(S)であるか、または欠如しており、
X22は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であるか、または欠如しており、
X23は、プロリン(P)、アラニン(A)、アルギニン(R)、トレオニン(T)またはグリシン(G)であり、
X24は、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V)またはイソロイシン(I)であり、
X25は、トレオニン(T)、チロシン(Y)、アスパラギン(N)、ロイシン(L)またはグルタミン(Q)であり、
X26は、アラニン(A)、システイン(C)、フェニルアラニン(F)またはトリプトファン(W)であり、
X27は、アスパラギン(N)、アラニン(A)、トレオニン(T)またはセリン(S)であり、
X28は、アルギニン(R)またはリジン(K)であり、
X29は、アスパラギン酸(D)であるか、または欠如しており、
X30は、トレオニン(T)、アラニン(A)、プロリン(P)、セリン(S)またはグリシン(G)であり、
X31は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であり、
X32は、イソロイシン(I)、グルタミン酸(E)、プロリン(P)、アラニン(A)またはバリン(V)であり、
X33は、グリシン(G)、リジン(K)もしくはアスパラギン酸(D)であるか、または欠如しており、
X34は、グリシン(G)、セリン(S)、リジン(K)、アスパラギン酸(D)またはグルタミン(Q)であり、
X35は、グリシン(G)、アラニン(A)、アスパラギン酸(D)またはシステイン(C)であり、
X38は、リジン(K)などの任意のアミノ酸である]、
またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号222とは異なる、当該機能的バリアント
からなる群から選択される少なくとも2つの繰り返し領域を含む、当該ポリペプチドと、
多糖類のスクレログルカンとを含む。
【0122】
本開示の一実施形態では、ハイドロゲルは、
ポリペプチドであって、
【化10】
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域1(R1)、
またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号8とは異なる、当該機能的バリアント、
【化11】
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域2(R2)、
またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号10とは異なる、当該機能的バリアント、
【化12】
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域3(R3)、
またはその機能的バリアントであって、当該バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で当該バリアントのアミノ酸配列が配列番号12とは異なる、当該機能的バリアント
からなる群から選択される少なくとも2つの繰り返し領域を含む、当該ポリペプチドと、
多糖類のスクレログルカンとを含む。
【0123】
本開示の一実施形態では、ハイドロゲルは、
配列番号3または配列番号4、配列番号20~配列番号33、または配列番号71~219との少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、1つ以上の糖類単位を結合することができる、ポリペプチドと、
β-1,6結合グルコース修飾を有する1つ以上のβ-1,3-グルカン単位を含む多糖類とを含む。
【0124】
本開示の一実施形態では、ハイドロゲルは、
配列番号3または配列番号4、配列番号20~配列番号33、または配列番号71~219との少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、1つ以上の糖類単位を結合することができる、ポリペプチドと、
多糖類のスクレログルカンとを含む。
【0125】
本開示の一実施形態では、ハイドロゲルは、
配列番号3または配列番号4、または配列番号20~配列番号33との少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、1つ以上の糖類単位を結合することができる、ポリペプチドと、
β-1,6結合グルコース修飾を有する1つ以上のβ-1,3-グルカン単位を含む多糖類とを含む。
【0126】
本開示の一実施形態では、ハイドロゲルは、
配列番号3または配列番号4、または配列番号20~配列番号33との少なくとも75%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、1つ以上の糖類単位を結合することができる、ポリペプチドと、
多糖類のスクレログルカンとを含む。
【0127】
別の態様では、本開示は、ハイドロゲルを形成するために多糖類を架橋するための架橋剤であって、本明細書に記述されるポリペプチドである当該架橋剤に関する。
【0128】
さらに別の態様では、本開示は、ハイドロゲルを製造する方法であって、
a. 多糖類を含む溶液を準備すること、
b. 本明細書に記述されるポリペプチドを含む溶液を準備すること、
c. 当該溶液を室温で連続的に撹拌しながら混合することを含み、
それにより、当該多糖類の架橋を介してハイドロゲルを得る、当該方法に関する。
【0129】
本開示の一実施形態では、ハイドロゲルは、本明細書に記述される多糖類を含む。
【実施例】
【0130】
実施例1:CBMファミリーの一部として識別されたタンパク質ドメイン。
BLASTPを使用し、National Center for Biotechnology Information(NCBI)(http://www.ncbi.nlm.nih.gov)のGenbankデータベースの非冗長タンパク質配列データセットに対するクエリとしてC.pinensis Cp-F1タンパク質を用いて、CBMドメイン相同体のデータベース検索を行った。Cp-F1の相同体を含む配列を選択して、さらなる分析のためにCBM含有タンパク質のサブセットを生成した。NCBIの分類ブラウザ(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/Taxonomy)を使用して、このサブセットを評価した。不完全及び冗長なエントリは削除した。さらに、各属から代表的な種を1つだけ選択し、最終的なデータセットには164個の配列を含めた。
【0131】
識別されたすべての炭水化物結合タンパク質モジュールを表1にまとめる。この表は、識別されたすべての炭水化物結合タンパク質モジュールについて、遺伝子アクセッション番号、種名、短縮識別子、及び添付のST.26配列表を参照する配列識別番号を含む。識別子は、種名の略語と、炭水化物結合ドメインのうちの1つを含む全長マルチモジュールタンパク質内のアミノ酸の数とを含む。天然型では、これらの炭水化物結合ドメインはすべて、炭水化物分解機能を持つマルチモジュールタンパク質の一部である。
【0132】
実施例2:本開示のCBM92ドメインタンパク質の組換え生産。
この研究で調査した特定の遺伝子は、ThermoFisher GeneArtによって独占権下にあるベクターにおいて合成された。これらはその後、C末端His6タグを有しアンピシリン耐性を付与する発現ベクターpET21a(ThermoFisher)にサブクローニングされた(表2では「商業的合成」と示されている)。他の遺伝子は、C.pinensisゲノムDNAからインハウスでクローニングした(DSMZ,Germany)(表2では「gDNAからpLATE31にクローニング」と示されている)。
【0133】
表2に記述されているクローニング戦略に従って組換えタンパク質を生成した。CBMドメインは、大きなマルチモジュール遺伝子からクローニングした。したがって、指定されたヌクレオチドの範囲は、全長遺伝子からクローニングされた断片に関する。サイズ(kDa)は、結果として得られた組換えCBMタンパク質に関する。gDNA=ゲノムDNA。
【0134】
結果:タンパク質の生産及び精製を毎回SDS-PAGEによって分析した。タンパク質収量は、Bradfordアッセイ及び/またはナノドロップを使用して毎回測定した。SDS-PAGE分析により、すべての構築物の生産及び精製の成功を確認した(データは示さない)。Cp-F1の典型的なタンパク質収量は、過剰発現E.coli細胞の1L培養物から純タンパク質150mgである。他のタンパク質は、1Lの培養物から純タンパク質25~75mg及び最大150mgの収量で生産及び精製された。
【0135】
実施例3:本開示のCBM92ドメインタンパク質は多糖類スクレログルカンを結合することができる。
CBM92ファミリーの一部として識別された12種類のタンパク質(表3参照)と、1つ(α、β、もしくはγ)、2つ(β/γ)、または3つ(α/β/γ)の結合ドメインにおいて結合部位「WExF」モチーフ中のトリプトファン(W/Trp)が部位特異的変異誘発によってアラニン(A/Ala)に変換された5種類のF1バリアントとについて、水不溶性多糖類への結合をプルダウンアッセイによって試験した(
図7)。ゆっくり回転するインキュベータを室温で使用して、タンパク質と過剰量の多糖類とを共に水中でインキュベートした。2~3時間のインキュベーション後、不溶性多糖類をペレット化するためにサンプルを軽く遠心分離した。多糖類に結合したタンパク質はすべてこのペレット中にプルダウンされたが、未結合タンパク質は上清に残った。上清からサンプルを採取し、SDS-PAGEによって分析した。分子量が低いため溶解性の高い多糖類であるラミナリンへの結合を試験するために、異なるアッセイであるアフィニティーゲル電気泳動を使用した(Tomme et al.2020も参照されたい)。
【0136】
結果:SDS-PAGEでタンパク質バンドが存在しなかったことから、タンパク質が多糖類への結合に成功したことが示された(表4)。Glc-β-1,6-Glc結合を含む多糖類、すなわちプスツラン(直鎖β-1,6-グルカン)、ならびにスクレログルカン及び酵母β-グルカン(いずれもβ-1,6結合グルコシル残基の単一置換を含むβ-1,3-グルカン鎖からなる)への一貫した結合親和性が示された。試験したCBMタンパク質のうちのいくつかは、直鎖β-1,3-グルカンであるカードランへのいくらかの結合も示し、場合によっては、β-1,3-及びβ-1,4-結合グルコシル残基を含むリケナンへの結合があった。また、場合によっては樺の木キシランへの弱い結合があり、これは、特定のCBMタンパク質における比較的緩やかな特異性の可能性を示唆している。特筆すべきことに、結合部位のTrp残基のすべてを天然に欠いているDm-F1は、試験した多糖類のいずれにも結合しなかった(
図7)。試験したすべてのタンパク質について、セルロース、他の種類のキシラン、様々な種類のβ-マンナン、キチン、デンプン、キトサン、または植物由来の混合結合β-1,3:1,4-グルカンへの結合は観察されなかった。
【0137】
スクレログルカンとの結合を示した野生型タンパク質はすべてゲル形成性であることも確認された。
【0138】
実施例4:本開示のCMB92ドメインタンパク質は3つのスクレログルカン分子を結合することができる。
Cp-F1(配列番号3、配列番号20)及びCp-F2(配列番号4、配列番号21)ならびにその相同体の配列分析により、3つの繰り返し領域(Cp-F1については配列番号8、10及び12、Cp-F2については配列番号9、11及び13)が示され、これらは各々、保存されたトリプトファン結合部位を1つ含んでいた。同じ繰り返し領域がCBM92ファミリーの他のタンパク質(表1の配列番号22~配列番号33に対応するタンパク質)において確認され、これらは各々、配列番号34~配列番号69のアミノ酸配列に対応する3つの繰り返し領域を有していた。X線結晶構造解析によるタンパク質の構造分析では、3つの明らかな結合ポケットが示され、そのうち2つはグルコース単糖類リガンドで結晶化することができた。3つの推定結合部位のすべてが、部位特異的変異誘発によって探索され、確認された。Cp-F1タンパク質の変異型バリアントのレオロジー分析により、安定したハイドロゲルの形成が起こるには3つの結合部位すべてが機能する必要があることが示された。各変異について、結合部位「WExF」モチーフのトリプトファン(W/Trp)を部位特異的変異誘発によってアラニン(A/Ala)に変換し、ゲル中スクレログルカンの最終濃度4g/L及びタンパク質負荷50%(すなわち、最終タンパク質濃度2g/L)で実験を行った。
【0139】
結果:
図2は、Cp-F1及びCp-F2の重ね合わせた結晶構造を示す。結合部位のうちの2つにグルコース単糖類リガンドが見える。結合及びゲル形成は一重変異体及び二重変異体では低減し、三重変異体では消失した。これにより、3つの部位が結合に寄与し、したがって3つの多糖類鎖が結合し得ることが確認された。関連するアミノ酸のいくつかを示したCp-F2の繰り返し領域1の結合部位の拡大画像を示す
図3(A及びB)も参照されたい。Cp-F1の変異型バリアントのレオロジーデータにより、CP-F1バリアントである、タンパク質配列中の第1の結合部位にAlaを有する変異体1番(結合部位α、配列番号5)と、タンパク質配列中の第3の結合部位にAlaを有する変異体3番(結合部位γ、配列番号7)とが、多糖類粘度のごくわずかな増加を示したのに対し、タンパク質配列中の第2の結合部位にAlaを有する変異体2番(結合部位β、配列番号6)と三重変異体(配列番号19)とは、タンパク質不含の陰性対照に類似していることが明らかになった。
【0140】
実施例5:本開示のCBM92ドメインタンパク質はスクレログルカンを架橋してハイドロゲルを形成することができる。
水中の出発原液濃度4mg/ml(より高い出発原液濃度も使用可能)のタンパク質Cp-F1を、室温で水中の出発原液濃度5g/Lのスクレログルカンと混合した。連続的にボルテックスした多糖類溶液にタンパク質溶液を加えることにより、2つの溶液を素早く混合した。数秒以内にハイドロゲルが自然に生じ、約1時間後に最大の剛性に達した。ハイドロゲルの剛性を変化させるために、スクレログルカン(例えば、原液として5mg/ml)とタンパク質(原液として4~30mg/ml)との両方で一貫した原液濃度を使用し、これらを異なる比率で混合した。次の最終タンパク質濃度を試験した:0.08g/L、0.2g/L、0.4g/L、0.8g/L、1.2g/L、1.6g/L、及び2g/L。これは、それぞれ、多糖類含量に対してタンパク質含量2%、5%、10%、20%、30%、40%、及び50%に相当する(
図6A参照)。スクレログルカンは、いずれの場合も最終濃度4g/Lとした。
【0141】
別法では、一貫したスクレログルカン濃度(例えば、最終混合物中で4mg/ml、出発原液中で5mg/ml)を使用し、異なる濃度のタンパク質原液を事前に調製することによりタンパク質濃度を変化させることになる。
【0142】
例:最終濃度がスクレログルカン4mg/ml及びF1タンパク質2mg/mlのハイドロゲル1mlを生産するために、0.8mlのスクレログルカン(水中で5mg/mlの溶液)を0.2mlのF1タンパク質(水中で10mg/mlの溶液)と混合した。
【0143】
コーンプレート構成のレオメーターを使用して、ハイドロゲルのレオロジー特性を25℃で測定した。各ゲルについて、タンパク質及び多糖類の複数の濃度及び比率を測定し、都度、「タンパク質なしの多糖類」のレオロジー測定値と比較した。各レオロジー実験で、貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”とによって与えられるせん断粘度と動的せん断特性との両方を決定した。
【0144】
結果:Cp-F1またはCp-F2をスクレログルカンと混合すると、数分以内にハイドロゲルが自然に生じ、約1時間でほぼ最大の剛性に達した(
図4)。貯蔵弾性率はタンパク質量の増加と共に直線的に増加し、タンパク質機能がゲルの安定化に関与していることを裏付けた(
図6A)。ハイドロゲルの貯蔵弾性率は、タンパク質濃度の上昇と直線的に相関する(
図6B)。他のCMB92ドメインタンパク質(表2)について分析を繰り返したところ、スクレログルカンへの結合を示した野生型(ネイティブ)タンパク質はすべて、スクレログルカンとのゲル形成性も示した。特に、表2に収載した、3つの繰り返し領域における3つの結合部位の各々にトリプトファン(W)を有する他のCMB92ドメインタンパク質のすべてが、信頼性が高く安定したハイドロゲルを形成した。3つの繰り返し領域における3つの結合部位のうちの1つ以上から1つ以上のトリプトファン(W)が欠落しているタンパク質は、不安定なハイドロゲルを形成し得る。Cp-F1バリアントはいずれもゲルを形成しなかった。
【0145】
タンパク質:糖類の比率が上昇すると、ゲルの固体性が増加し、透明度が減少した(
図5)。さらに、
図6Aに示すように、ゲルの強度が増加した。
【0146】
配列の概要
[配列番号1]Cp-F1をコードする全核酸配列
[配列番号2]Cp-F2をコードする全核酸配列
[配列番号3]Cp-F1の全配列:
MASMTGGQQMGRGSVGKTIWLQGFNNKYVNSKNGQGAMWCDSDAPQAWELFTVVDAGNGKIALRGNNGMYVSSENGEQAITCNRPAIQGWEAFDWLETADGKVSLRGSNGLFISSENGAAAMTCTRPTASGWEAFGYSVVGNALEHHHHH
[配列番号4]Cp-F2の全配列:
MPIGKTIWLQGFNSKYVNSRNGQGAMWCDSDTPQAWELFTVIDAGNGKIALRGNNGLYVSSENGEQAMTCNRPAIDGWEVFDWISNSDGSVSLRGSNGMYVSSENGEQAITCNRPAIDGWERFNWAAATALTGHHHHHHG
[配列番号5]繰り返し領域1の結合部位がノックアウトされたCp-F1の全配列:
MASMTGGQQMGRGSVGKTIWLQGFNNKYVNSKNGQGAMWCDSDAPQAAELFTVVDAGNGKIALRGNNGMYVSSENGEQAITCNRPAIQGWEAFDWLETADGKVSLRGSNGLFISSENGAAAMTCTRPTASGWEAFGYSVVGNALEHHHHHH
[配列番号6]繰り返し領域2の結合部位がノックアウトされたCp-F1の全配列:
MASMTGGQQMGRGSVGKTIWLQGFNNKYVNSKNGQGAMWCDSDAPQAWELFTVVDAGNGKIALRGNNGMYVSSENGEQAITCNRPAIQGAEAFDWLETADGKVSLRGSNGLFISSENGAAAMTCTRPTASGWEAFGYSVVGNALEHHHHHH
[配列番号7]繰り返し領域3の結合部位がノックアウトされたCp-F1の全配列:
MASMTGGQQMGRGSVGKTIWLQGFNNKYVNSKNGQGAMWCDSDAPQAWELFTVVDAGNGKIALRGNNGMYVSSENGEQAITCNRPAIQGWEAFDWLETADGKVSLRGSNGLFISSENGAAAMTCTRPTASGAEAFGYSVVGNALEHHHHHH
【化13】
[配列番号14]繰り返し領域1-コンセンサス
X
1X
2X
3X
4X
5X
6X
7X
8X
9X
10X
11X
12X
13X
14X
15X
16X
17X
18X
19X
20X
21X
22X
23X
24X
25X
26X
27X
28X
29WEX
32F
[配列番号15]繰り返し領域2-コンセンサス
X
1X
2X
3X
4X
5X
6X
7X
8X
9X
10X
11X
12X
13X
14X
15X
16X
17X
18X
19X
20X
21X
22X
23X
24X
25X
26X
27X
28X
29WEX
32F
[配列番号16]繰り返し領域3-コンセンサス
X
1X
2X
3X
4X
5X
6X
7X
8X
9X
10X
11X
12X
13X
14X
15X
16X
17X
18X
19X
20X
21X
22X
23X
24X
25X
26X
27X
28X
29WEX
32F
[配列番号17]第2及び第3の重要なTrpがAlaになった二重変異体Cp-F1-W90AW132A
MASMTGGQQMGRGSVGKTIWLQGFNNKYVNSKNGQGAMWCDSDAPQAWELFTVVDAGNGKIALRGNNGMYVSSENGEQAITCNRPAIQGAEAFDWLETADGKVSLRGSNGLFISSENGAAAMTCTRPTASGAEAFGYSVVGNALEHHHHHH
[配列番号18]第1及び第3の重要なTrpがAlaになった二重変異体Cp-F1-W48AW132A
MASMTGGQQMGRGSVGKTIWLQGFNNKYVNSKNGQGAMWCDSDAPQAAELFTVVDAGNGKIALRGNNGMYVSSENGEQAITCNRPAIQGWEAFDWLETADGKVSLRGSNGLFISSENGAAAMTCTRPTASGAEAFGYSVVGNALEHHHHHH
[配列番号19]三重変異体、Cp-F1-W48AW90AW132A
MASMTGGQQMGRGSVGKTIWLQGFNNKYVNSKNGQGAMWCDSDAPQAAELFTVVDAGNGKIALRGNNGMYVSSENGEQAITCNRPAIQGAEAFDWLETADGKVSLRGSNGLFISSENGAAAMTCTRPTASGAEAFGYSVVGNALEHHHHHH
[配列番号20]Cp-F1の全配列(N末端タグ及びC末端タグなし)
VGKTIWLQGFNNKYVNSKNGQGAMWCDSDAPQAWELFTVVDAGNGKIALRGNNGMYVSSENGEQAITCNRPAIQGWEAFDWLETADGKVSLRGSNGLFISSENGAAAMTCTRPTASGWEAFGYSVVGNA
[配列番号21]C末端タグなしのCp-F2の全配列
PIGKTIWLQGFNSKYVNSRNGQGAMWCDSDTPQAWELFTVIDAGNGKIALRGNNGLYVSSENGEQAMTCNRPAIDGWEVFDWISNSDGSVSLRGSNGMYVSSENGEQAITCNRPAIDGWERFNWAAATALT
[配列番号22]Aa-F1の全配列
IANRENISIRALSNNLYVSSENGLRPITCNRTKVDIWERFSIESVGGGRVAIKGSNGSYFSSEDGLKPMRCNRKKAEAWEEFTLEPLGGDLYAIKGNNGAYVSHNNGSVEGLTCNKSIVGDQEKFIIKDAASK
[配列番号23]Aa-F2の全配列
TTDAPIGKTISLRKTNGDKKYVTAEQTANNKQLIARAIAVQGWEKFSIETHPDGGIALKALSNANYVQVQGINVNAAAAKKDKLTQFIWKNKGNGKVALKSVSANKWIQASWSSDNAVLFAKGIEDKGWETFDWKIENTQK
[配列番号24]Cp-F3の全配列
TGPIGQSVTLKGFNNQYVSSENGTQAMNCNRPTASGWETFSVVDAGGGKIALLSQGKYVSSENGTQAMTCNRLTIGDWEKFDWVVNADGKISLRGSNGQYVSSENGTQPMNCNRATISGWEAFGVNQ
[配列番号25]Cp-F4の全配列
PVGQIITLRGSNNLYVSGENGTKAMTCERTAPQTWEQFSVWNAGPGKVNLRSMGKYVSSENGLQAITCNRTTAASYEAFDWISNADGTVSLRGNNGLYVSSENGAAAMTCTRPTIDGWEKFNFTIVGPA
[配列番号26]Cp-F5の全配列
GGTAPIGSTITIKGSNGLFASGENGAQAMTCNRPTAQAWEQFTVVDAGGGKVALRSQGMYVSSENGAQAMTCSRPTIQDWEKFNWIDNGDGTFSLRGNNGSYVSSENGTQAMTCNRPTIQGWEKFTR
[配列番号27]Cp-F6の全配列
IGQTVTIKGFNNQYVCSEGNTQPMICNRAVAQSWEQFTVVDAGGGRVALRNQGNYVCSENGTQAVNCNRASVGPWEQFEWISNSDGTISFRGNNGAYLSAEDGMARMTCTKTTIGAAEKFKINQ
[配列番号28]Cp-F7の全配列
VGSIIYLYHDTLLVCSENGTQAMNCNRTGLGPWEKFEVVDAGNNTVALKGNNGLYVKAGNPVFCTGTALDSSTCFNWISLSSNTVALQSGKGLYMSSENGTQAMNWNRTAIGGWETFRWGTTTAA
[配列番号29]Ea-F1の全配列
PSIDIDEGKIALKSVHGKYLSAQPDGRAEWNRNIASEWEYFHLEKRQGDKITLKGAHGMYVSAQPDGEVQINRQAAPPTGWEEFTVEDRGNNVICLKSIHWKYLSAQMDGTVQWNRDSAPKGGWEEFQIVRPGGPG
[配列番号30]Mr-F1の全配列
SGAPIGSTITLKGFNNQYVSSENGTQAMNCNRPTASAWEQFLVVDAGAGKIALQSMGKYVSSENGTQAITCNRTTYGDWEKFDWVPTTDGKVTLRGNNGKFISSENGTQAMTCTRATASGWEAFGVNQ
[配列番号31]Mr-F2の全配列
PAPPIGTVISLKGFNGKYVSGENGTQAMTCNRTVAGDWEHFTVLDAGNGKIYLRSMGKYVSSENGTQAITCNRTTPSDWEKFDWIVTTDGKITLRGNNGKFISSENGTQAMTCNRTTASGWEAFGLNQ
[配列番号32]Mr-F3の全配列
TPPIGQTITLKGSNNNYVSSENGTQPMNCNRPTAGGWEQFTIVNAGSGKVALLNSGKYVSSENGTQAINCNRTSVGPWEQFDWVGNADGTVSFRGSNGKYISGENGTQAMTCNRATIGGWESFRVNQ
[配列番号33]Pc-F1の全配列
AVAAPVGQTIWLKACSTQQFVSADQNLGATAPLVANRATVQGWEQFQVVDAGGGTIALRATGSGLYVSADTNVGGQLTANRPTIQDWERFEWVELGNGSIGLKARSNGLYVSADLGRNASAPLYASRASIGGCWEAFTWGSVGG
【化14】
[配列番号70]Dm-F1非結合性、非ゲル形成性タンパク質の全配列
SYIGIGDNVWFEAYNGSFISSENGASPMTCNTFTVGETEVFTIVDAGDGKIALLGNNGKYVSSNNGTTSMTCTKDEIGETEKFYWINLSNGQMALLGKGGFVSMEGGSSPINANRNAIDGWEIYSWGKQDIQT
[配列番号220]繰り返し領域1-コンセンサス
X
1X
2X
3X
4X
5X
6X
7X
8X
9X
10X
11X
12X
13X
14X
15X
16X
17X
18X
19X
20X
21X
22X
23X
24X
25X
26X
27X
28X
29X
30X
31X
32X
33X
34WEX
37F
[配列番号221]繰り返し領域2-コンセンサス
X
1X
2X
3X
4X
5X
6X
7X
8X
9X
10X
11X
12X
13X
14X
15X
16X
17X
18X
19X
20X
21X
22X
23X
24X
25X
26X
27X
28X
29X
30X
31WEX
34F
[配列番号222]繰り返し領域3-コンセンサス
X
1X
2X
3X
4X
5X
6X
7X
8X
9X
10X
11X
12X
13X
14X
15X
16X
17X
18X
19X
20X
21X
22X
23X
24X
25X
26X
27X
28X
29X
30X
31X
32X
33X
34X
35WEX
38F
【0147】
参考文献
Boraston AB, Bolam DN, Gilbert HJ, Davies GJ. Carbohydrate-binding modules: fine-tuning polysaccharide recognition. Biochem J. 2004;382(Pt 3):769-81.
Coviello T, Grassi M, Rambone G, Santucci E, Carafa M, Murtas E, et al. Novel hydrogel system from scleroglucan: synthesis and characterization. Journal of Controlled Release. 1999;60(2):367-78
Coviello T, Grassi M, Rambone G, Alhaique F. A crosslinked system from Scleroglucan derivative: preparation and characterization. Biomaterials. 2001;22(13):1899-909
Coviello T, Grassi M, Palleschi A, Bocchinfuso G, Coluzzi G, Banishoeib F, et al. A new scleroglucan/borax hydrogel: swelling and drug release studies. International Journal of Pharmaceutics. 2005;289(1):97-107
Crescenzi V, Gamini A, Paradossi G, Torri G. Solution properties of a new polyelectrolyte derived from the polysaccharide scleroglucan. Carbohydr Pol. 1983;3(4):273-86
Lombard V, Golaconda Ramulu H, Drula E, Coutinho PM, Henrissat B. The carbohydrate-active enzymes database (CAZy) in 2013. Nucleic Acids Res. 2014;42(Database issue):D490-5
Maeda H, Rambone G, Coviello T, Yuguchi Y, Urakawa H, Alhaique F, et al. Low-degree oxidized scleroglucan and its hydrogel. International Journal of Biological Macromolecules. 2001;28(5):351-8
Palleschi A, Bocchinfuso G, Coviello T, Alhaique F. Molecular dynamics investigations of the polysaccharide scleroglucan: first study on the triple helix structure. Carbohydr Res. 2005;340(13):2154-62
Palleschi A, Coviello T, Bocchinfuso G, Alhaique F. Investigation on a new scleroglucan/borax hydrogel: Structure and drug release. International Journal of Pharmaceutics. 2006;322(1):13-21
Schmid J, Meyer V, Sieber V. Scleroglucan: biosynthesis, production and application of a versatile hydrocolloid. Appl Microbiol Biotechnol. 2011;91(4):937-47
Tomme P., Boraston A., Kormos J. M. et al. Affinity electrophoresis for the identification and characterization of soluble sugar binding by carbohydrate-binding modules. Enzyme and Microbial Technology 2000:27(7):453-458.
【0148】
条項
1.
ポリペプチドであって、
【化15】
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域1(R1)、
またはその機能的バリアントであって、前記バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で前記バリアントのアミノ酸配列が配列番号Xとは異なる、前記機能的バリアント、
【化16】
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域2(R2)、
またはその機能的バリアントであって、前記バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で前記バリアントのアミノ酸配列が配列番号10とは異なる、前記機能的バリアント、
【化17】
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域3(R3)、
またはその機能的バリアントであって、前記バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で前記バリアントのアミノ酸配列が配列番号XXXとは異なる、前記機能的バリアント
からなる群から選択される少なくとも2つの繰り返し領域を含む、前記ポリペプチド。
【0149】
2.
ポリペプチドであって、
a. 配列番号14:
X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14X15X16X17X18X19X20X21X22X23X24X25X26X27X28X29WEX32F
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域1(R1)
[式中、
X1は、イソロイシン(I)またはバリン(V)であり、
X2は、トリプトファン(W)、セリン(S)、トレオニン(T)またはアラニン(A)などの任意のアミノ酸であり、
X3は、ロイシン(L)、イソロイシン(I)またはフェニルアラニン(F)であり、
X4は、グルタミン(Q)、アルギニン(R)またはリジン(K)であり、
X5は、グリシン(G)、アラニン(A)、セリン(S)、アスパラギン(N)またはリジン(K)であり、
X6は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であり、
X7は、アスパラギン(N)、ヒスチジン(H)、セリン(S)またはトレオニン(T)であり、
X8は、アスパラギン(N)またはグリシン(G)であり、
X9は、リジン(K)、グルタミン(Q)またはロイシン(L)であり、
X10は、チロシン(Y)またはフェニルアラニン(F)であり、
X11は、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)またはメチオニン(M)であり、
X12は、セリン(S)、トレオニン(T)、システイン(C)またはアスパラギン(N)であり、
X13は、アラニン(A)、セリン(S)またはグリシン(G)であり、
X14は、グルタミン酸(E)またはアスパラギン酸(D)であり、
X15は、アスパラギン(N)またはアスパラギン酸(D)であり、
X16は、グリシン(G)、プロリン(P)、アスパラギン(N)またはバリン(V)であり、
X17は、トレオニン(T)などの任意のアミノ酸であり、
X18は、グリシン(G)などの任意のアミノ酸であり、
X19は、プロリン(P)、アラニン(A)またはアルギニン(R)であり、
X20は、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アラニン(A)、バリン(V)またはイソロイシン(I)であり、
X21は、トレオニン(T)などの任意のアミノ酸であり、
X22は、アラニン(A)、システイン(C)またはトリプトファン(W)であり、
X23は、アスパラギン(N)、アスパラギン酸(D)、トレオニン(T)またはセリン(S)であり、
X24は、アルギニン(R)、アラニン(A)またはセリン(S)であり、
X25は、トレオニン(T)、アスパラギン酸(D)またはアラニン(A)であり、
X26は、トレオニン(T)、アラニン(A)またはセリン(S)であり、
X27は、アラニン(A)、バリン(V)またはイソロイシン(I)であり、
X28は、グリシン(G)、グルタミン(Q)、セリン(S)またはアスパラギン酸(D)であり、
X29は、グリシン(G)などの任意のアミノ酸であり、
X32は、グルタミン(Q)またはリジン(K)などの任意のアミノ酸である]、
またはその機能的バリアントであって、前記バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で前記バリアントのアミノ酸配列が配列番号14とは異なる、前記機能的バリアント、
b. 配列番号15:
X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14X15X16X17X18X19X20X21X22X23X24X25X26X27X28X29WEX32F
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域2(R2)
[式中、
X1は、イソロイシン(I)、バリン(V)またはフェニルアラニン(F)であり、
X2は、アラニン(A)、セリン(S)またはトレオニン(T)であり、
X3は、ロイシン(L)またはフェニルアラニン(F)であり、
X4は、グルタミン(Q)、アルギニン(R)またはリジン(K)であり、
X5は、グリシン(G)、アラニン(A)またはセリン(S)であり、
X6は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であり、
X7は、アスパラギン(N)、メチオニン(M)、ヒスチジン(H)またはトレオニン(T)であり、
X8は、グリシン(G)、アスパラギン(N)またはアスパラギン酸(D)であり、
X9は、リジン(K)、ロイシン(L)、メチオニン(M)またはグルタミン(Q)であり、
X10は、チロシン(Y)またはフェニルアラニン(F)であり、
X11は、バリン(V)、ロイシン(L)またはイソロイシン(I)であり、
X12は、セリン(S)、システイン(C)またはトレオニン(T)であり、
X13は、アラニン(A)またはセリン(S)であり、
X14は、グルタミン酸(E)、アスパラギン酸(D)、グルタミン(Q)またはアスパラギン(N)であり、
X15は、アスパラギン(N)、プロリン(P)、グリシン(G)、トレオニン(T)、グルタミン(Q)またはアスパラギン酸(D)であり、
X16は、グリシン(G)、アスパラギン酸(D)、アラニン(A)、アスパラギン(N)、トレオニン(T)またはアルギニン(R)であり、
X17は、グリシン(G)、トレオニン(T)、ロイシン(L)、アラニン(A)、バリン(V)またはグルタミン(Q)であり、
X18は、セリン(S)などの任意のアミノ酸であり、
X19は、プロリン(P)、アラニン(A)、グルタミン(Q)またはリジン(K)であり、
X20は、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)またはバリン(V)であり、
X21は、トレオニン(T)、イソロイシン(I)、アスパラギン(N)、バリン(V)またはアラニン(A)であり、
X22は、アラニン(A)、システイン(C)またはトリプトファン(W)であり、
X23は、アスパラギン(N)、アスパラギン酸(D)、トレオニン(T)またはセリン(S)であり、
X24は、アラニン(A)、システイン(C)またはアルギニン(R)であり、
X25は、トレオニン(T)、アラニン(A)、アスパラギン(N)、プロリン(P)またはアスパラギン酸(D)であり、
X26は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であり、
X27は、イソロイシン(I)、バリン(V)、プロリン(P)、アラニン(A)、またはロイシン(L)であり、
X28は、グリシン(G)、セリン(S)、グルタミン(Q)、またはアスパラギン酸(D)であり、
X29は、グリシン(G)、アラニン(A)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、プロリン(P)またはアルギニン(R)であり、
X32は、リジン(K)などの任意のアミノ酸である]、
またはその機能的バリアントであって、前記バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で前記バリアントのアミノ酸配列が配列番号15とは異なる、前記機能的バリアント、
c. 配列番号16:
X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14X15X16X17X18X19X20X21X22X23X24X25X26X27X28X29WEX32F
のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる繰り返し領域3(R3)
[式中、
X1は、バリン(V)、イソロイシン(I)、チロシン(Y)、フェニルアラニン(F)またはグルタミン酸(E)であり、
X2は、アラニン(A)、セリン(S)、システイン(C)またはグリシン(G)であり、
X3は、ロイシン(L)、フェニルアラニン(F)またはイソロイシン(I)であり、
X4は、アルギニン(R)、リジン(K)、グルタミン(Q)、ロイシン(L)またはメチオニン(M)であり、
X5は、グリシン(G)、アラニン(A)またはセリン(S)であり、
X6は、アスパラギン(N)などの任意のアミノ酸であり、
X7は、アスパラギン(N)、ヒスチジン(H)またはトレオニン(T)であり、
X8は、グリシン(G)またはアスパラギン(N)であり、
X9は、リジン(K)、ロイシン(L)、アルギニン(R)、グルタミン(Q)またはアスパラギン(N)であり、
X10は、チロシン(Y)またはフェニルアラニン(F)であり、
X11は、バリン(V)、ロイシン(L)またはイソロイシン(I)であり、
X12は、セリン(S)、トレオニン(T)、システイン(C)またはグルタミン(Q)であり、
X13は、アラニン(A)、セリン(S)、ヒスチジン(H)、トレオニン(T)、メチオニン(M)またはグルタミン(Q)であり、
X14は、グルタミン酸(E)、アスパラギン酸(D)、グルタミン(Q)またはアスパラギン(N)であり、
X15は、アスパラギン(N)、ロイシン(L)またはアスパラギン酸(D)であり、
X16は、グリシン(G)、アスパラギン(N)、アラニン(A)、またはアスパラギン酸(D)であり、
X17は、グリシン(G)などの任意のアミノ酸であり、
X18は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であり、
X19は、プロリン(P)、アラニン(A)、グルタミン(Q)またはグリシン(G)であり、
X20は、ロイシン(L)、メチオニン(M)、グルタミン(Q)、バリン(V)またはイソロイシン(I)であり、
X21は、トレオニン(T)、イソロイシン(I)、アスパラギン(N)、ロイシン(L)またはメチオニン(M)であり、
X22は、アラニン(A)、システイン(C)またはアルギニン(R)であり、
X23は、アスパラギン(N)、アスパラギン酸(D)、トレオニン(T)またはセリン(S)であり、
X24は、アルギニン(R)、ヒスチジン(H)、アラニン(A)、セリン(S)またはリジン(K)であり、
X25は、トレオニン(T)、アラニン(A)、プロリン(P)、セリン(S)またはアスパラギン酸(D)であり、
X26は、アラニン(A)などの任意のアミノ酸であり、
X27は、イソロイシン(I)、アラニン(A)またはバリン(V)であり、
X28は、グリシン(G)、セリン(S)またはグルタミン(Q)であり、
X29は、グリシン(G)、アラニン(A)、プロリン(P)またはシステイン(C)であり、
X32は、リジン(K)などの任意のアミノ酸である]、
またはその機能的バリアントであって、前記バリアントのアミノ酸配列が1~6個の個別のアミノ酸置換を含むという点で前記バリアントのアミノ酸配列が配列番号16とは異なる、前記機能的バリアント
からなる群から選択される少なくとも2つの繰り返し領域を含む、前記ポリペプチド。
【配列表】
【国際調査報告】