(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】開放又は閉鎖システムによる使用のための経腸栄養摂取装置のためのアクセスを伴う長寿命パッケージ用の固定閉鎖体
(51)【国際特許分類】
A61J 15/00 20060101AFI20241114BHJP
A61J 1/10 20060101ALI20241114BHJP
A61M 39/12 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
A61J15/00 Z
A61J1/10 335Z
A61M39/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024529242
(86)(22)【出願日】2022-11-11
(85)【翻訳文提出日】2024-07-03
(86)【国際出願番号】 BR2022050435
(87)【国際公開番号】W WO2023081992
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】1020210229241
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524179640
【氏名又は名称】サントス レイテ,ロナウド
【氏名又は名称原語表記】SANTOS LEITE,Ronaldo
【住所又は居所原語表記】Rua Orestes Quercia,no 156,Lote A15,Parque Brasil 500,CEP 13141-054,Paulinia/SP (BR)
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サントス レイテ,ロナウド
【テーマコード(参考)】
4C047
4C066
【Fターム(参考)】
4C047AA11
4C047DD13
4C047NN17
4C066AA10
4C066BB01
4C066EE02
4C066JJ02
(57)【要約】
本発明は、食品パッケージの技術分野に関し、経腸栄養食品の市場向けに特別に設計され、2つの既存のシステム(閉鎖システム及び開放システム)によって使用され得る単一のパッケージを提供し、その現在の機能に加えて、経腸食品投与装置との接続を通じて使用され得る長寿命パッケージを形成する固定閉鎖体から成り、換言すれば、本発明は、従来の長寿命パッケージ(開放システム)を従来の態様及び閉鎖システムを形成する装置の両方で使用することができる複数回使用パッケージに変換する。これは、パッケージの特徴が、パッケージが開封されるときに内側保護シールが破壊される現在の長寿命パッケージの機能を保持するとともに、シールを破壊することなく装置の使用を可能にし、したがって、特別な市販の閉鎖システムパッケージと同一の保護機能を伴う閉鎖システムによって使用することができるからである。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉鎖システム又は開放システムを通じた経腸栄養摂取のために使用される無菌カートンパッケージのための開封装置であって、微生物学的フィルタを伴うことなく、前記内部シールを切断するための機構(I)を伴うその固定ベース[
図3(A)]と、前記切断機構(I)を回転させるための補助構造と十字形の経腸摂食セットを固定するための装置(III)とを含むその上部(B)とを有する、自動保護シール切断を伴うパッケージモデルのための十字形の経腸摂食セット(
図6)の使用を伴う閉鎖システムにおける摂食チューブを介した使用のためのパッケージとして従来の長寿命パッケージを使用する可能性を追加することを特徴とする開封装置。
【請求項2】
微生物学的フィルタを伴うことなく、固定ベース[
図3(A)]と、十字形の経腸摂食セットを固定するための装置(III)を含むその上部(B)とを有する、保護シールの手動除去を伴うパッケージングモデルのための十字形の経腸摂食セット(
図7)の使用を伴う閉鎖システムにおける摂食チューブを介した使用のためのパッケージとして従来の長寿命パッケージを使用する可能性を追加することを特徴とする、請求項1に記載の閉鎖システム又は開放システムを通じた経腸栄養摂取のために使用される無菌カートンパッケージのための開封装置。
【請求項3】
図12に示される微生物学的フィルタ(IV)を伴って、内部シールを切断するための機構(I)を伴うその固定ベース[
図3(A)]と、前記切断機構(I)を回転させるための補助構造と十字形の経腸摂食セットを固定するための装置(III)とを含むその上部(B)とを有する、自動保護シール切断を伴うパッケージングモデルのための十字形の経腸摂食セット(
図6)の使用を伴う閉鎖システムにおける摂食チューブを介した使用のためのパッケージとして従来の長寿命パッケージを使用する可能性を追加することを特徴とする、請求項1に記載の閉鎖システム又は開放システムを通じた経腸栄養摂取のために使用される無菌カートンパッケージのための開封装置。
【請求項4】
図12に示される微生物学的フィルタ(IV)を伴って、固定ベース[
図3(A)]と、十字形の経腸摂食セットを固定するための装置(III)を含むその上部(B)とを有する、保護シールの手動除去を伴うパッケージングモデルのための十字形の経腸摂食セット(
図7)の使用を伴う閉鎖システムにおける摂食チューブを介した使用のためのパッケージとして従来の長寿命パッケージを使用する可能性を追加することを特徴とする、請求項2に記載の閉鎖システム又は開放システムを通じた経腸栄養摂取のために使用される無菌カートンパッケージのための開封装置。
【請求項5】
微生物学的フィルタを伴うことなく、前記内部シールを切断するための機構(I)を伴うその固定ベース[
図3(A)]と、前記切断機構(I)を回転させるための補助構造と下端から上端へと設計されたスパイク形状の経腸摂食セットを固定するための装置(IV)とを含むその上部(B)とを有する、自動保護シール切断を伴うパッケージモデルのためのスパイク形状の経腸摂食セット(
図8)の使用を伴う閉鎖システムにおける摂食チューブを介した使用のためのパッケージとして従来の長寿命パッケージを使用する可能性を追加することを特徴とする、請求項1に記載の閉鎖システム又は開放システムを通じた経腸栄養摂取のために使用される無菌カートンパッケージのための開封装置。
【請求項6】
微生物学的フィルタを伴うことなく、固定ベース[
図3(A)]と、スパイク形状の経腸摂食セットを固定するための装置(IV)を含むその上部(B)とを有する、保護シールの手動除去を伴うパッケージングモデルのためのスパイク形状の経腸摂食セット(
図9)の使用を伴う閉鎖システムにおける摂食チューブを介した使用のためのパッケージとして従来の長寿命パッケージを使用する可能性を追加することを特徴とする、請求項2に記載の閉鎖システム又は開放システムを通じた経腸栄養摂取のために使用される無菌カートンパッケージのための開封装置。
【請求項7】
図12に示される微生物学的フィルタ(IV)を伴って、前記内部シールを切断するための機構(I)を伴うその固定ベース[
図3(A)]と、前記切断機構(I)を回転させるための補助構造と下端から上端へと設計されたスパイク形状の経腸摂食セットを固定するための装置(IV)とを含むその上部(B)とを有する、自動保護シール切断を伴うパッケージモデルのためのスパイク形状の経腸摂食セット(
図8)の使用を伴う閉鎖システムにおける摂食チューブを介した使用のためのパッケージとして従来の長寿命パッケージを使用する可能性を追加することを特徴とする、請求項5に記載の閉鎖システム又は開放システムを通じた経腸栄養摂取のために使用される無菌カートンパッケージのための開封装置。
【請求項8】
図12に示される微生物学的フィルタ(IV)を伴って、固定ベース[
図3(A)]と、下端から上端へと設計されたスパイク形状の経腸摂食セットを固定するための装置(IV)を含むその上部(B)とを有する、保護シールの手動除去を伴うパッケージングモデルのためのスパイク形状の経腸摂食セット(
図9)の使用を伴う閉鎖システムにおける摂食チューブを介した使用のためのパッケージとして従来の長寿命パッケージを使用する可能性を追加することを特徴とする、請求項6に記載の閉鎖システム又は開放システムを通じた経腸栄養摂取のために使用される無菌カートンパッケージのための開封装置。
【請求項9】
微生物学的フィルタを伴うことなく、内部シールを切断するための機構(I)を伴うその固定ベース[
図3(A)]と、前記切断機構(I)を回転させるための補助構造と上端から下端へと設計されたスパイク形状の経腸摂食セットを固定するための装置(IV)とを含むその上部(B)とを有する、自動保護シール切断を伴うパッケージモデルのためのスパイク形状の経腸摂食セット(
図10)の使用を伴う閉鎖システムにおける摂食チューブを介した使用のためのパッケージとして従来の長寿命パッケージを使用する可能性を追加することを特徴とする、請求項5に記載の閉鎖システム又は開放システムを通じた経腸栄養摂取のために使用される無菌カートンパッケージのための開封装置。
【請求項10】
微生物学的フィルタを伴うことなく、固定ベース[
図3(A)]と、上端から下端へと設計されたスパイク形状の経腸摂食セットを固定するための装置(IV)を含むその上部(B)とを有する、保護シールの手動除去を伴うパッケージングモデルのためのスパイク形状の経腸摂食セット(
図11)の使用を伴う閉鎖システムにおける摂食チューブを介した使用のためのパッケージとして従来の長寿命パッケージを使用する可能性を追加することを特徴とする、請求項6に記載の閉鎖システム又は開放システムを通じた経腸栄養摂取のために使用される無菌カートンパッケージのための開封装置。
【請求項11】
図12に示される微生物学的フィルタ(IV)を伴って、内部シールを切断するための機構(I)を伴うその固定ベース[
図3(A)]と、前記切断機構(I)を回転させるための補助構造と上端から下端へと設計されたスパイク形状の経腸摂食セットを固定するための装置(IV)とを含むその上部(B)とを有する、自動保護シール切断を伴うパッケージモデルのためのスパイク形状の経腸摂食セット(
図10)の使用を伴う閉鎖システムにおける摂食チューブを介した使用のためのパッケージとして従来の長寿命パッケージを使用する可能性を追加することを特徴とする、請求項9に記載の閉鎖システム又は開放システムを通じた経腸栄養摂取のために使用される無菌カートンパッケージのための開封装置。
【請求項12】
図12に示される微生物学的フィルタ(IV)を伴って、固定ベース[
図3(A)]と、上端から下端へと設計されたスパイク形状の経腸摂食セットを固定するための装置(IV)を含むその上部(B)とを有する、保護シールの手動除去を伴うパッケージングモデルのためのスパイク形状の経腸摂食セット(
図11)の使用を伴う閉鎖システムにおける摂食チューブを介した使用のためのパッケージとして従来の長寿命パッケージを使用する可能性を追加することを特徴とする、請求項10に記載の閉鎖システム又は開放システムを通じた経腸栄養摂取のために使用される無菌カートンパッケージのための開封装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この特許出願は、食品パッケージの技術分野に属する。この特許出願は、無菌カートンパッケージ用の恒久的取り付け開封装置として規定され、この開封装置は、市場で使用される現在の開封装置に取って代わることにより、従来の無菌カートンパッケージ(開放システムによる単回使用)(
図1)を複数回使用パッケージに変換し、多回使用パッケージは、本発明が「経腸摂食セット」(
図15)の取り付けを可能にする装置[(III)及び(IV)]を組み込むため、任意選択的に、2つの方法で、すなわち、現在利用可能なモデルに存在する機構を維持するため、開放システムによって、又はチューブによって使用するための経腸摂食セットとの接続を通じて投与される閉鎖システムとして使用することができる。
【背景技術】
【0002】
経腸栄養摂取療法は、2つのタイプ、すなわち、開放型及び閉鎖型のシステムを使用して実施することができる。開放システムでは、食事は、処理を必要とし、特定の場所で調製されなければならない。他方で、閉鎖システムは、特定の領域での調製を必要としない。経腸栄養食品は、現在、両方のシステムで利用可能である。開放システムで使用するための製品は、非常に安価であり、無菌カートンパッケージで提供される。閉鎖システムで利用可能な製品は、この目的のために特別に開発された様々なタイプのパッケージで提供される(
図14)。この発明は、
図3、
図4、及び
図5に示される切断構成要素(I)を貫く自動シール開口を維持するため、開放システムとしてのその使用を容易にする主な特徴を失うことなく、閉鎖システムパッケージとしての無菌カートンパッケージ(
図1)の使用を可能にする。単一製品で両方のシステム(開放型及び閉鎖型)を使用する可能性を提示するため、経腸食品のためのパッケージに新しい概念を導入する。これは、単一製品で2つの溶液を送達する実用性に加えて、現在の閉鎖システム製品と比較してコストの点で非常に有利であり、取り扱いの必要性を排除することによってより高いセキュリティを追加し、オートクレーブ処理によって滅菌される閉鎖システムでパッケージングされた現在の製品と比較して優れた品質である。
【0003】
経腸栄養摂取療法(ENT)は、個人、病院、医療計画、又は自宅で治療される個人(ホームケア)にとって治療コストが高い。閉鎖システムによる投与が推奨される場合、この費用は、開放システムと比較して3倍になり得る。この特徴は、閉鎖システムのために特別に開発されたパッケージ(
図13)が製品の最終価格に著しく影響を及ぼし、それにより、経済的に不利な患者にとってその使用を困難又は実行不可能にすることを強調している。
現在、開放システム経腸処方物を含む無菌カートンパッケージに詰められた食品は、製品の使用を可能にするために保護シールを破壊することをその使用が必然的に伴う開封装置を有し、したがって、この強制的な破損は内容物を露出させ、手動接触又は大気自体を含む様々な薬剤による汚染につながる可能性があるため、閉鎖システムのためのその使用を排除する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、保護シールを切断するための現在の機構[(I)及び(II)]を提供するが、内容物を十分に保存したまま、経腸閉鎖システム用の既存の特別なパッケージングと同等の態様で、製品と接触するチューブを介した経腸栄養物の投与に必要な経腸摂食セット(
図14)によって最小限に穿孔され得る、保護シールの不正を最小限にして経腸摂食セットを通じたその使用を可能にする。
したがって、本発明によって適合された無菌カートンパッケージを使用することにより、閉鎖システムによる使用のための経腸食品のコスト、ひいては最終消費者価格を大幅に削減することが可能であり、開放システムとして使用される可能性を維持する。
低価格に加えて、特別な閉鎖システムパッケージで主に使用される無菌システム(オートクレーブプロセス)が無菌カートンパッケージで使用される処理(UHTプロセス)よりもかなり熱的に攻撃的であり、栄養素のより自然な状態を維持し、無菌プロセスによって促進される分子間の望ましくない相互作用を減少させるため、パッケージングされた製品の栄養特性が維持されることも技術的利点として際立っている。言い換えれば、本発明は、使用モードを向上させるだけでなく、コストを低減し、無菌カートンパッケージの開放システムに見られるものと同一の閉鎖システムにおける品質を確保する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明は、製品(経腸食品)の製造中の最終パッケージにおける使用及び取り扱い、製造の容易さ、及び/又はその適用を容易にするべく実装された様々なタイプの経腸摂食セット(
図13)及び相補的要素を受け入れるための代替機構を伴う様々なレイアウトで具体化され得る。本発明の概念、並びに市場で入手可能な解決策間の相違点及び類似点をより良く理解するために、
図1~
図5は、市場で現在使用されて、その機構を表示する開封装置を例示する。
図6~
図12は、本発明を示す。以下は、与えられた図の説明である。
【
図1】市場で現在使用されている従来の無菌カートンパッケージの写真を示す。
【
図2】従来の無菌カートンパッケージで現在使用されている開封装置モデルの写真を示す。
【
図3】並んで配置された、無菌カートンパッケージで現在使用されている開封装置の下部(A)及び上部(B)の写真を示す。
【
図4】ねじられて開封される前の、すなわち無傷のシール(C)を伴う無菌カートンパッケージで現在使用されている開封装置モデルの写真を示す。
【
図5】シール切断構成要素(I)が突出された状態で、キャップを緩めた後の無菌カートンパッケージで現在使用されている開封装置モデルの写真を示す。
【
図6】自動シール切断(構造IIを含む)を伴うパッケージングのための、十字型の経腸摂食セットのためのアクセス(III)を伴う開封装置の上部(B)におけるプロトタイプの形態を示し、(B1)が上面図であり、(B2)が底面図である。
【
図7】手動シール除去を伴うパッケージングのための、十字形の経腸摂食セットのためのアクセス(III)を伴う開封装置の上部(B)におけるプロトタイプの形態を示す。(B1)が上面図であり、(B2)が底面図である。
【
図8】自動シール切断(構造IIを含む)を伴うパッケージングのための、下端から上端へと設計された、スパイク形状の経腸摂食セットのためのアクセス(IV)を伴う開封装置の上部(B)におけるプロトタイプの形態を示し、(B1)が上面図であり、(B2)が底面図である。
【
図9】手動シール除去を伴うパッケージングのための、下端から上端へと設計された、十字形の経腸摂食セットのためのアクセス(IV)を伴う開封装置(B)の上部におけるプロトタイプの形態を示す。(B1)が上面図であり、(B2)が底面図である。
【
図10】自動シール切断(構造IIを含む)を伴うパッケージングのための、上端から下端へと設計された、スパイク形状の経腸摂食セットのためのアクセス(IV)を伴う開封装置の上部(B)の形態を示し、(B1)が上面図であり、(B2)が底面図である。
【
図11】手動シール除去を伴うパッケージングのための、上端から下端へと設計された、十字形の経腸摂食セットのためのアクセス(IV)を伴う開封装置の上部(B)の形態を示す。(B1)が上面図であり、(B2)が底面図である。
【
図12】内部減圧のための微生物学的フィルタ(V)を伴う開封装置の上部(B)の形態を示す(上面
図B1)。
【
図13】十字型アクセス(VI)及びランセット型アクセス(VII)を伴う開放システムから製品を投与するために使用されるボトルの2つのモデルを例示する写真を示す。
【
図14】現在市場で入手可能な閉鎖システム製品で使用される特殊パッケージの幾つかのモデルを例示する写真を示す。
【
図15】十字形のチップ(VIII)及びスパイク形状のチップ(IX)を伴う2つの経腸摂食セットを例示する写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明のレイアウトに存在する構成要素を以下に記載する。
(A)-開封装置のベース(下部)
(B)-開封装置の上部(B1)上面図、(B2)底面図
(C)-開封装置の不正開封防止シール
(I)-無菌カートンパッケージの内部シールを切断するための機構
(II)-切断機構(I)を回転させる補助構造
(III)-十字形の経腸摂食セットを固定するための装置
(IV)-スパイク形状の経腸摂食セットを固定するための装置
(V)ー内部減圧用微生物学的フィルタ
【0007】
発明の説明
開封装置は、ベース/下部(A)及びキャップ/上部(B)の2つの部分から成る。本発明が既存の開封装置(
図2、
図3、
図4、及び
図5)に見られるものと同等の機構をベース(A)に組み込むことに留意すべきである。すなわち、ベース(A)は、現在市販されている開封装置の構造を維持するとともに、自動シール切断(
図6、
図8、及び
図10)を伴うモデルに「自動切断機構」(I)を含む。したがって、本発明の概念を特徴付ける全ての違いは、
図6~
図12に示すように、主に開封装置の上部(B)に生じる。
図6、
図8、及び
図10では、上部(B)が、ベースに存在する「自動切断機構」(I)を回転させる「補助構造」(II)を含むことを観察することができ、それにより、この開封装置には、キャップを緩めて開くだけで、開放システムとして使用するための自動切断の任意の機能が与えられる。
開封装置のこのモデルは、無菌カートンパッケージの不可欠な部分であり、上記で説明した図に示すように、市場に存在する異なる種類の経腸摂食セットに適合するかどうか、モデルの生産を容易にするかどうか、又は投与中の製品品質の使用及び保存に関してより実用的で快適で安全なモデルを通じて取り扱い経験を改善するかどうかの様々な提案で具体化することができる。経腸摂食セットの異なるモデルとの適合性を説明するために、プロトタイプが以下の2つのタイプに関して提示された。十字形の経腸摂食セット(
図6及び
図7);スパイク形状の経腸摂食セット(
図8、
図9、
図10、及び
図11)。様々なタイプの経腸摂食セットに関して、
図12の画像に示すように、異なるレイアウトを介して示された実施の可能性は、吸気用の生物学的フィルタの有無にかかわらず適用することができる。
【0008】
本発明は、無菌カートンパッケージの開封装置を、レイアウトに関係なく、開放システム又は閉鎖システム系を介した経腸栄養物の投与のために2つの方法で使用することができる。したがって、現在の無菌カートンパッケージの開放システムの機能は、自動シール切断のための構成要素[(I)及び(II)]を伴って与えられ、特別なパッケージに一般的な閉鎖システムとしてのその使用を可能にする装置が追加される。十字形状(III)、スパイク形状(IV)、又は他の適合タイプにかかわらず、経腸摂食セット(
図14)のためのエントリ;微生物学的フィルタ(V)は、チューブ(
図12)を通じた生成物の流れを促進し、濾過された空気の進入を可能にして、パッケージの内圧のバランスをとる。微生物学的フィルタは、圧力下で崩壊するパッケージ内で排除され、製品の投与中に満足のいく流れを維持することができる。このため、フィルタを伴うプロトタイプのレイアウトを実証する設計を提示する(
図12)。
【0009】
本発明の概念は、「上部に十字形の経腸摂食セットのためのアクセスを有伴う無菌カートンパッケージ用の開封装置」である、
図3に示されるベース(A)と共に使用されるプロトタイプ(
図6)の設計によって説明することができる。この装置は、ベース[
図3(A)]と上部(
図6)とから成る。上部は、切断機構(I)を回転させる補助構造を含むとともに、十字型の経腸摂食セットを固定するための装置(III)の存在によって革新される。ベースは、開放システムとして使用するためにキャップをねじってパッケージを開き、内部シールを破壊し、内容物を経口使用のための別の容器に注ぐことを可能にすることによって破壊される不正開封防止シール(C)によって上部に接続される。
本発明の実施形態の例
【0010】
前述の提案に加えて、本発明の実装形態の幾つかの例が
図7、
図8、
図9、
図10、及び
図11に示される。全ての実施形態は、フィルタを用いて生成することもできる(
図12)。しかしながら、製造の容易さ及び機能性のために、前の段落で説明した形態を最初に生成することができる。
【0011】
無菌カートンパッケージに詰められたほとんどの食品は開封装置を特徴とするが、このようなパッケージにこれまで使用されてきた開封装置の全てのモデルは、経腸摂食セットを取り付けるための手段を欠いている。したがって、本発明は、食品市場で広く使用されている従来の無菌カートンパッケージを経腸栄養物市場への適用を拡大し、開放システムとしてのその使用を維持し、閉鎖経腸システムでの使用の可能性を拡大することを可能にするため、経腸栄養物市場にとって前例のない解決策を表わす。
【国際調査報告】