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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】ステープルの早期排出の判定
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/115 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
A61B17/115
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529946
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-05-21
(86)【国際出願番号】 IB2022061586
(87)【国際公開番号】W WO2023105350
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】17/545,375
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ハート, アレクサンダー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】コーラル, チャールズ アール.
(72)【発明者】
【氏名】デルボ, ジェイムズ ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ストラスナー, ヘイリー イー.
(72)【発明者】
【氏名】ジョイス, スティーブン エイチ.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC29
4C160CC36
(57)【要約】
手術装置は、電源、その電源に結合されたモータ、及びそのモータによって移動可能な伝達組立体を備える。この装置はまた、伝達組立体に結合されたリロードも備える。リロードは、伝達組立体によって排出可能な複数のステープルを含む。この装置は、伝達組立体の動作を監視し、距離データを出力するように構成された距離センサをさらに備える。この装置は、モータを動作させて、ハードストップに到達するまで伝達組立体を遠位位置から近位方向に移動させ、距離データに基づいて複数のステープルが以前に排出されたか否かを判定するように構成された制御装置をさらに備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と、
前記電源に結合されたモータと、
前記モータによって移動可能な伝達組立体と、
前記伝達組立体に結合され、前記伝達組立体によって排出可能な複数のステープルを含むリロードと、
前記伝達組立体の動作を監視し、距離データを出力するように構成された距離センサと、
制御装置であって、
前記モータを操作して、ハードストップに到達するまで、前記伝達組立体を遠位位置から近位方向に移動させるように動作し、
前記距離データに基づいて、前記複数のステープルが以前に排出されたか否かを判定するように構成されている、制御装置と
を備える手術装置。
【請求項2】
前記リロードが記憶装置を備える、請求項1に記載の手術装置。
【請求項3】
前記制御装置が、前記複数のステープルが以前に排出されたという判定に応答して、前記記憶装置に記憶されたリロードの状態を更新するようにさらに構成されている、請求項2に記載の手術装置。
【請求項4】
前記制御装置が、前記距離データに基づいて、前記伝達組立体がハードストップに到達するまでに移動した距離を決定するようにさらに構成されている、請求項1に記載の手術装置。
【請求項5】
前記制御装置が、前記伝達組立体が前記ハードストップに到達するまでに移動した距離を閾値距離と比較するようにさらに構成されている、請求項4に記載の手術装置。
【請求項6】
前記制御装置が、前記閾値距離を超える、前記伝達組立体が前記ハードストップに到達するまでに移動した距離に基づいて、前記複数のステープルが以前に排出されたと判定するようにさらに構成されている、請求項5に記載の手術装置。
【請求項7】
前記モータの電流引き込みを測定するように構成された電流センサをさらに備える、請求項4に記載の手術装置。
【請求項8】
前記制御装置が、前記モータの電流引き込みに基づいて、前記伝達組立体が前記ハードストップに到達したと判定するようにさらに構成されている、請求項7に記載の手術装置。
【請求項9】
アダプタ組立体であって、
伝達組立体と、
前記伝達組立体に結合され、前記伝達組立体によって排出可能な複数のステープルを含むリロードと、
ハンドル組立体であって、
電源と、
前記電源に結合され、前記伝達組立体を移動させるように構成されたモータと、
前記伝達組立体の動作を監視し、距離データを出力するように構成された距離センサと
を含む、ハンドル組立体と
を含む、アダプタ組立体、及び
制御装置であって、
前記モータを作動させて、ハードストップに到達するまで、前記伝達組立体を遠位位置から近位方向に移動させ、
前記距離データに基づいて、前記複数のステープルが以前に排出されたか否かを判定するように構成されている制御装置
を備える手術装置。
【請求項10】
前記リロードが記憶装置を備える、請求項9に記載の手術装置。
【請求項11】
前記制御装置が、前記複数のステープルが以前に排出されたという判定に応答して、前記記憶装置に記憶された前記リロードの状態を更新するようにさらに構成されている、請求項10に記載の手術装置。
【請求項12】
前記制御装置が、前記距離データに基づいて、前記伝達組立体がハードストップに到達するまでに移動した距離を決定するようにさらに構成されている、請求項9に記載の手術装置。
【請求項13】
前記制御装置が、前記伝達組立体が前記ハードストップに到達するまでに移動した距離を閾値距離と比較するようにさらに構成されている、請求項12に記載の手術装置。
【請求項14】
前記制御装置が、前記閾値距離を超える、前記伝達組立体が前記ハードストップに到達するまでに移動した距離に基づいて、前記複数のステープルが以前に排出されたと判定するようにさらに構成されている、請求項13に記載の手術装置。
【請求項15】
前記モータの電流引き込みを測定するように構成された電流センサをさらに備える、請求項12に記載の手術装置。
【請求項16】
前記制御装置が、前記モータの電流引き込みに基づいて、前記伝達組立体が前記ハードストップに到達したと判定するようにさらに構成されている、請求項15に記載の手術装置。
【請求項17】
電動手術装置を操作する方法であって:
モータを動作させて、ハードストップに到達するまで、伝達組立体を遠位位置から近位方向に移動させることであって、前記伝達組立体が、それに結合されたリロード内に配置された複数のステープルを排出するように構成されている、移動させることと、
前記伝達組立体が移動した距離を測定することと、
前記伝達組立体が前記ハードストップに到達するまでに移動した距離に基づいて、前記複数のステープルが以前に排出されたか否かを判定することと
を含む、方法。
【請求項18】
前記複数のステープルが以前に排出されたという判定に応答して、記憶装置に記憶されたリロードの状態を更新すること
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記複数のステープルが以前に排出されたと判定することが、前記伝達組立体が前記ハードストップに到達するまでに移動した距離を閾値距離と比較することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記伝達組立体が前記モータの電流引き込みに基づいて前記ハードストップに到達したと判定すること
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
技術分野
本開示は、手術装置に関する。より具体的には、本開示は、外科的処置を行うための手持ち式電気機械手術システムに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の背景
円形ステープラは、以前に切除された直腸部分を再取り付けするための外科的処置、又は同様の処置で使用される。従来の円形のクランピング、切断、及びステープル止め器具は、そこから延びる細長い軸、及びその細長い軸の遠位端部に支持されたステープルカートリッジを有するピストル型又はリニアグリップ型の構造を含む。この場合、医師は、円形ステープル止め器具のアンビル組立体を患者の直腸に挿入し、このアンビル組立体を、切除された直腸部分に向かって患者の結腸路を進めることができる。医師はまた、円形ステープル止め器具の残りの部分(カートリッジ組立体を含む)を切開部から切開された直腸部分に向けて挿入することもできる。アンビルとカートリッジ組立体は互いに近接し、ステープルが、カートリッジ組立体からアンビル組立体に向かって排出され、組織内でステープルを形成して端々吻合が達成され、環状ナイフが進められて、クランピングされた組織部分の一部がくり抜かれる。端々吻合が達成された後、円形ステープル止め装置が手術部位から取り外される。
【0003】
電動外科用ステープラが開発され、1つ以上のモータを使用して組織をクランピングし、切断し、且つステープル止めする。電動外科用ステープラは、再利用可能な電源ハンドル組立体及びアダプタ組立体、並びに使用前にアダプタ組立体に選択的に接続される使い捨てステープルカートリッジ組立体、即ちリロードを含み得る。アダプタ組立体は、駆動ハンドルから使い捨てステープルカートリッジに作動を伝達する複数の伝達組立体、例えば、駆動軸を含む。電動外科用ステープラは、3つのシーケンス、即ち、クランピング、ステープル止め、及び切断で動作する。クランピングは、アンビルとカートリッジ組立体との間に把持された組織を近接させ、組織を圧迫する。このシーケンスは、ステープルを受け取るように組織を準備する。時には、リロードに配置されたステープルが、部分的に排出される、例えば、アダプタ組立体の駆動軸によって勢いよく押し出されることがある。ステープル止めプロセスの前にステープルを押し出し、ステープルが異常に変形することがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
本開示は、3つのシーケンス、即ち、クランピング、ステープル止め、及び切断で動作して、構造の2つの部分(例えば、腸、結腸など)を接続することによって吻合を形成するように構成された電動円形ステープラを提供する。電動円形ステープラは、電源、及びその電源に結合された1つ以上のモータを有するハンドル組立体を備える。ステープラはまた、モータによって作動される1つ以上の駆動機構、及びその駆動機構によってアンビルに対して排出可能な複数のステープルを含むリロードを有するアダプタ組立体を備える。ステープラは、アダプタ組立体を較正し、ハードストップに到達するまでの1つ以上の駆動機構の移動距離に基づいて、リロードのステープルが以前に排出されたか否かを判定するように構成されている。移動距離が閾値を超えると、ステープラは、ステープルが部分的に押し出されたと判定し、リロードが使用済みとしてマークされ、外科的処置中にリロードを使用する前にステープラによってそのようなマーキングが読み取られるため、そのリロードのいかなる使用も防止される。
【0005】
本開示の一実施形態によると、手術装置が開示される。手術装置は、電源、その電源に結合されたモータ、及びそのモータによって移動可能な伝達組立体を備える。この装置は、伝達組立体に結合されたリロードも備える。リロードは、伝達組立体によって排出可能な複数のステープルを含む。この装置は、伝達組立体の動作を監視し、距離データを出力するように構成された距離センサをさらに備える。この装置は、モータを動作させて、ハードストップに到達するまで伝達組立体を遠位位置から近位方向に移動させ、距離データに基づいて複数のステープルが以前に排出されたか否かを判定するように構成された制御装置をさらに備える。
【0006】
上記実施形態の実施は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。上記実施形態の一態様によると、リロードは、記憶装置を備えることができる。制御装置は、複数のステープルが以前に排出されたという判定に応答して、記憶装置に記憶されたリロードの状態を更新するようにさらに構成されている。制御装置は、距離データに基づいて、ハードストップに到達するまでに伝達組立体が移動した距離を決定するようにさらに構成することができる。制御装置は、ハードストップに到達するまでに伝達組立体が移動した距離を閾値距離と比較するようにさらに構成することができる。制御装置はまた、閾値距離を超える、ハードストップに到達するまでに伝達組立体が移動した距離に基づいて、複数のステープルが以前に排出されたと判定するように構成することができる。また、手術装置は、モータの電流引き込みを測定するように構成された電流センサを備えることができる。制御装置は、モータの電流引き込みに基づいて、伝達組立体がハードストップに到達したと判定するようにさらに構成することができる。
【0007】
本開示の別の実施形態によると、手術装置が開示される。この手術装置は、伝達組立体及びその伝達組立体に結合されたリロードを有するアダプタ組立体を備え、このリロードは、伝達組立体によって排出可能な複数のステープルを含み得る。手術装置はまた、電源及びその電源に結合されたモータを有するハンドル組立体も備え、このモータは、伝達組立体を移動させるように構成されている。ハンドル組立体は、伝達組立体の動作を監視し、距離データを出力するように構成された距離センサも含む。この装置は、モータを動作させて、ハードストップに到達するまで伝達組立体を遠位位置から近位方向に移動させ、距離データに基づいて複数のステープルが以前に排出されたか否かを判定するように構成された制御装置をさらに備える。
【0008】
上記実施形態の実施は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。上記実施形態の一態様によると、リロードは、記憶装置を備えることができる。制御装置は、複数のステープルが以前に排出されたという判定に応答して、記憶装置に記憶されたリロードの状態を更新するようにさらに構成されている。制御装置は、距離データに基づいて、ハードストップに到達するまでに伝達組立体が移動した距離を決定するようにさらに構成することができる。制御装置は、ハードストップに到達するまでに伝達組立体が移動した距離を閾値距離と比較するようにさらに構成することができる。制御装置はまた、閾値距離を超える、ハードストップに到達するまでに伝達組立体が移動した距離に基づいて、複数のステープルが以前に排出されたと判定するように構成することができる。手術装置はまた、モータの電流引き込みを測定するように構成された電流センサを備えることができる。制御装置は、モータの電流引き込みに基づいて、伝達組立体がハードストップに到達したと判定するようにさらに構成することができる。
【0009】
本開示のさらなる実施形態によると、電動手術装置を操作する方法が開示される。この方法は、モータを作動させて、ハードストップに到達するまで伝達組立体を遠位位置から近位方向に移動させることを含む。伝達組立体は、その伝達組立体に結合されたリロード内に配置された複数のステープルを排出するように構成されている。この方法はまた、伝達組立体が移動した距離を測定することも含む。この方法は、ハードストップに到達するまでに伝達組立体が移動した距離に基づいて、複数のステープルが以前に排出されたか否かを判定することをさらに含む。
【0010】
上記実施形態の実施は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。上記実施形態の一態様によると、この方法は、複数のステープルが以前に排出されたと判定することに応答して、記憶装置に記憶されたリロードの状態を更新することも含み得る。この方法は、複数のステープルが以前に排出されたと判定することをさらに含み得、ハードストップに到達するまでに伝達組立体が移動した距離を閾値距離と比較することを含み得る。この方法は、伝達組立体が、モータの電流引き込みに基づいてハードストップに達したと判定することをさらに含み得る。
【0011】
図面の簡単な説明
本開示の実施形態は、添付の図面を参照して本明細書に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示の実施形態によるハンドル組立体、アダプタ組立体、及びエンドエフェクタを含む電動円形ステープラの斜視図である。
図2図2は、図1のハンドル組立体、アダプタ組立体、及びエンドエフェクタの概略図である。
図3図3は、本開示の実施形態によるアダプタ組立体、並びに図1のアダプタ組立体に取り付けられたエンドエフェクタ、環状リロード、及びアンビル組立体の側面斜視図である。
図4図4は、図1のアダプタ組立体内に配置されたクランピング伝達組立体の斜視図であり、部分的に仮想線で示されている。
図5図5は、図1のアダプタ組立体内に配置されたステープル止め伝達組立体の斜視図であり、部分的に仮想線で示されている。
図6図6は、図1のアダプタ組立体内に配置された切断伝達組立体の斜視図であり、部分的に仮想線で示されている。
図7図7は、図1のエンドエフェクタのリロードの断面図である。
図8図8は、部分的に分解されたアダプタ組立体の斜視図であり、ひずみゲージ組立体を示している。
図9図9は、本開示の一実施形態による、ステープル止め較正プロセス中に電動円形ステープラを制御する方法のフローチャートである。
図10図10は、本開示の実施形態による、ステープル止め較正プロセス中のステープル止め伝達組立体の移動距離及び対応するモータの回転速度を例示する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施形態の詳細な説明
本開示の手術装置の実施形態、並びに手術装置及び/又はハンドル組立体用のアダプタ組立体を図面を参照して詳細に説明し、これらの図面では、同様の参照符号は、いくつかの図面のそれぞれにおいて同一又は対応する要素を示す。本明細書で使用される「遠位」という用語は、ユーザから遠い手術器具の部分又はその構成要素を指す一方、「近位」という用語は、ユーザに近い手術器具の部分又はその構成要素を指す。
【0014】
本開示は、ハンドル組立体、そのハンドル組立体に結合されたアダプタ組立体、及びそのアダプタ組立体に結合されたエンドエフェクタを有する電動円形ステープラ10を提供する。ステープラは、クランピング、ステープル止め、切断の3つの機能を完全且つ独立して制御することができる。図1は、例えば、アダプタ組立体200との選択的な接続用に構成されたハンドル組立体100を含む、端々吻合(「EEA」)を形成するための電動円形ステープラ10などの手術装置を例示する。アダプタ組立体200は、リロード400及びアンビル組立体500を含むエンドエフェクタ300との選択的な接続用に構成されている。エンドエフェクタ300は、患者の組織に外科的効果をもたらすように構成される、即ち、エンドエフェクタ300内で把持された組織をクランピング、ステープル止め、及び切断することによって構造の2つの部分(例えば、腸、結腸など)を接続することによって吻合を形成する。
【0015】
ハンドル組立体100は、電源ハンドル101、及びその電源ハンドル101を選択的に受け収容するように構成された外側シェルハウジング11を含む。外側シェルハウジング11は、遠位半部11a、及びその遠位半部11aに回動可能に接続された近位半部11bを含む。接合されると、遠位半部及び近位半部11a、11bは、電源ハンドル101が配置されるシェルキャビティをその内部に画定する。
【0016】
一方では、電動円形ステープラ10は、ハンドル組立体100、取り外し可能なシェルハウジング11、及びアダプタ組立体200などの複数の相互接続された構成要素を含むモジュラー装置として本明細書で説明される。電動円形ステープラ10は、例えば、その電動円形ステープラの製造中に、1つ以上の構成要素が互いに確実に取り付けられる統合装置として形成することができる。
【0017】
シェルハウジング11の遠位半部及び近位半部11a、11bは、アダプタ組立体200の長手方向軸「X」を横断する平面に沿って分割されている。シェルハウジング11の遠位半部11aは、アダプタ組立体200の対応する駆動結合組立体210(図3)を受容するように構成された接続部分20を画定する。シェルハウジング11の遠位半部11aは、トグル制御ボタン30を支持する。トグル制御ボタン30は、4方向(例えば、左、右、上、及び下)に作動可能である。
【0018】
図1及び図2を参照すると、電源ハンドル101は、主制御回路基板142、ハンドル組立体100のすべての電気部品に電力を供給するように構成された充電式バッテリ144、及び複数のモータ、即ち、バッテリ144に結合された第1のモータ152aと第2のモータ152bを含む。電源ハンドル101は、ディスプレイ146も含む。実施形態では、モータ152a及び152bは、AC/DC変圧器などの、モータ152a及び152bに電気エネルギーを供給するように構成された任意の適切な電源に結合することができる。モータ152a及び152bのそれぞれは、バッテリ144からモータ152a及び152bへの電気エネルギーの流れを含む、対応するモータ152a及び152bの動作を制御するモータ制御装置143に結合されている。電源ハンドル101を制御する主制御装置147が設けられている。主制御装置147は、電源ハンドル101の動作を制御するクランピング、ステープル止め、及び切断アルゴリズムなどの、本明細書に開示されるアルゴリズムを具体化するソフトウェア命令を実行するように構成されている。
【0019】
モータ制御装置143は、モータ152a、152b及びバッテリ144の動作状態を測定するように構成された複数のセンサ408a...408nを備える。センサ408a~nは、ひずみゲージ408bを備え、電圧センサ、電流センサ、温度センサ、テレメトリセンサ、光センサ、及びそれらの組み合わせも含み得る。センサ408a~408nは、バッテリ144によって供給される電気エネルギーの電圧、電流、及び他の電気特性を測定することができる。センサ408a~408nはまた、角速度(例えば、回転速度)を毎分回転数(RPM)、トルク、温度、電流引き込み、及びモータ152aと152bの他の動作特性として測定することもできる。センサ408aは、モータ152a及び152bの回転数又は他の指標をカウントするように構成されたエンコーダも備え、次いで、主制御装置147がこれを使用して、モータ152a及び152bによって移動可能な構成要素の直線運動を計算する。角速度は、モータ152a、152b、又はこれらのモータ152a、152bに結合され、これらによって回転可能な駆動軸(図示せず)の回転を測定することによって決定することができる。様々な軸方向に移動可能な駆動軸の位置はまた、この駆動軸の内部又はこれに近接して配置された様々なリニアセンサを使用して、又はRPM測定値から推定することによって決定することができる。実施形態では、トルクを、一定のRPMにおけるモータ152a及び152bの調整された電流引き込みに基づいて計算することができる。さらなる実施形態では、モータ制御装置143及び/又は主制御装置147は、時間を測定し、積分及び/又は微分を含む時間の関数として上述した値を処理して、例えば、測定値の変化率を決定することができる。主制御装置147はまた、モータ152a及び152bの回転数をカウントすることによって、アダプタ組立体200及び/又はエンドエフェクタ300の様々な構成要素の移動距離を決定するように構成されている。
【0020】
モータ制御装置143は、主制御装置147に結合され、この主制御装置147は、モータ制御装置143とインターフェースするための複数の入力及び出力を備える。具体的には、主制御装置147は、モータ152a、152b及びバッテリ144の動作状態に関する測定センサ信号をモータ制御装置143から受信し、次いで、センサの読み取り値及び特定のアルゴリズム命令に基づいて、モータ制御装置143に制御信号を出力してモータ152a、152bの動作を制御する。主制御装置147はまた、ユーザインタフェース(例えば、主制御装置147に結合されたスイッチ、ボタン、タッチスクリーンなど)からの複数のユーザ入力を受け取るように構成されている。
【0021】
主制御装置147は、メモリ141にも結合されている。メモリ141は、電源ハンドル101を操作するためのソフトウェア命令を含む、データを格納するように構成された揮発性(例えば、RAM)及び不揮発性記憶装置を備えることができる。主制御装置147はまた、有線又は無線接続を使用してアダプタ組立体200のひずみゲージ408bに結合され、電源ハンドル101の動作中に使用されるひずみゲージ408bからひずみ測定値を受信するように構成されている。
【0022】
電源ハンドル101は、それぞれそこから延びるそれぞれのモータ軸(明示的には図示せず)を有する複数のモータ152a、152bを備え、これらのモータは、それぞれの伝達組立体を駆動するように構成されている。それぞれのモータによるモータ軸の回転は、ハンドル組立体100の様々な動作を実行するためにアダプタ組立体200の駆動軸及び/又は歯車部品を駆動するように機能する。具体的には、電源ハンドル101のモータ152a及び152bは、アダプタ組立体200のトロカール組立体270のトロカール部材274(図4)を選択的に伸長/後退させるためにアダプタ組立体200の軸及び/又は歯車部品を駆動するように構成されている。トロカール部材274の伸長/後退は、エンドエフェクタ300を開閉し(アンビル組立体500がトロカール組立体270のトロカール部材274に接続されている場合)、リロード400の環状アレイのステープル423を発射し、リロード400の環状ナイフ444を移動させる。
【0023】
ここで、図3及び図4を参照すると、アダプタ組立体200は、外側ノブハウジング202、及びそのノブハウジング202の遠位端部から延びた外管206を含む。ノブハウジング202及び外管206は、アダプタ組立体200の構成要素を収容するように構成され、寸法が決められている。ノブハウジング202は、電気コネクタ312、及びその電気コネクタ312に結合された記憶装置310を含む。記憶装置310は、アダプタ組立体200に関する様々な動作パラメータを記憶するように構成されている。アダプタ組立体200は、ハンドル組立体100の結合軸(明示的に図示せず)の回転を、アダプタ組立体200のトロカール組立体270、アンビル組立体500、及び/又はリロード400のステープルドライバ430若しくはナイフ組立体440の操作に有用な軸方向並進に変換するように構成されている。
【0024】
アダプタ組立体200は、外管206の遠位端部に着脱可能に支持されたトロカール組立体270をさらに含む。トロカール組立体270は、トロカール部材274、及びそのトロカール部材274を外管206に対して軸方向に移動させるための、トロカール部材274内に動作可能に受けられた駆動ねじ276を含む。トロカール部材274の遠位端部274bは、アンビル組立体500に選択的に係合するように構成されているため、トロカール部材274の軸方向の移動は、駆動ねじ276の回転を介して、アンビル組立体500の同時の軸方向の移動をもたらす。
【0025】
図4を参照すると、クランピング伝達組立体240は、モータ152a及び152bのうちの1つに結合された第1の回転可能な近位駆動軸212、第2の回転可能な近位駆動軸281、回転可能な遠位駆動軸282、及び結合部材286を含み、これらのそれぞれは、アダプタ組立体200の外管206内で支持されている。クランピング伝達組立体240は、アンビル組立体510がトロカール部材274に接続されているときに、アダプタ組立体200のトロカール組立体270のトロカール部材274を伸長/後退させてアンビル組立体510を開閉するように機能する。
【0026】
図5を参照すると、アダプタ組立体200は、第1のモータ152aとリロード400の軸方向に移動可能な第2の駆動部材とを相互接続するためのステープル止め伝達組立体250を含み、このステープル止め伝達組立体250は、第1のモータ152aの回転をアダプタ組立体200の外側可撓性バンド組立体255の軸方向の移動に変換して伝達し、次いで、リロード400のステープルドライバ430が、リロード400からアンビル組立体510に対してステープル423を発射する。
【0027】
アダプタ組立体200のステープル止め伝達組立体250は、ステープルドライバカプラ254に固定された外側可撓性バンド組立体255を含む。第2の回転可能な近位駆動軸220は、第2のモータ152bに結合され、回転運動を長手方向の運動に変換するステープルドライバカプラ254を作動させるように構成されている。外側可撓性バンド組立体255は、第1及び第2の可撓性バンド255a、255bを含み、これらの可撓性バンドは、横方向に離間し、その近位端部で支持リング255cに接続され、その遠位端部で遠位プッシャー255dの近位端部に接続されている。第1及び第2の可撓性バンド255a、255bのそれぞれは、支持リング255c及び遠位プッシャー255dに取り付けられている。外側可撓性バンド組立体255は、支持リング255cから近位方向に延びた第1及び第2の接続延長部255e、255fをさらに含む。第1及び第2の接続延長部255e、255fは、外側可撓性バンド組立体255をステープル止め伝達組立体250のステープルドライバカプラ254に動作可能に接続するように構成されている。
【0028】
アダプタ組立体200はまた、第2のモータ152bとリロード400の環状ナイフ444とを相互接続するための切断伝達組立体260も含み、この切断伝達組立体260は、第2のモータ152bのうちの1つの回転をアダプタ組立体200の外側可撓性バンド組立体265の軸方向の移動に変換して伝達し、次いで、リロード400のナイフキャリア442が、環状ナイフ444をリロード400からアンビル組立体510に向かって前進させる。
【0029】
内側可撓性バンド組立体265は、第1及び第2の可撓性バンド265a、265bを含み、これらの可撓性バンドは、横方向に離間し、その近位端部で支持リング265cに接続され、その遠位端部で支持ベース265dの近位端部に接続されている。第1及び第2の可撓性バンド265a、265bのそれぞれは、支持リング265c及び支持ベース265dに取り付けられている。
【0030】
内側可撓性バンド組立体265は、支持リング265cから近位方向に延びた第1及び第2の接続延長部265e、265fをさらに含む。第1及び第2の接続延長部265e、265fは、内側可撓性バンド組立体265を切断伝達組立体260のナイフドライバ264に動作可能に接続するように構成されている。支持ベース265dは、可撓性バンド265a、265bから遠位方向に延びており、リロード400のナイフ組立体440と接続するように構成されている。
【0031】
図7を参照すると、リロード400のステープルドライバ430は、ドライバアダプタ432及びドライバ434を有するステープルカートリッジ420を含む。ドライバアダプタ432の近位端部432aは、アダプタ組立体200のステープル止め伝達組立体250の外側可撓性バンド組立体255の遠位プッシャー255dと選択的に接触及び当接するように構成されている。動作中、上述したように、外側可撓性バンド組立体255が遠位に前進する際に、外側可撓性バンド組立体255の遠位プッシャー255dが、ドライバアダプタ432の近位端部432aに接触して、このドライバアダプタ432及びドライバ434を第1の位置又は近位位置から第2の位置又は遠位位置に前進させる。ドライバ434は、ステープル423と接触するステープルカートリッジ420のステープルポケット421に整合した複数のドライバ部材436を備える。したがって、ステープルカートリッジ420に対するドライバ434の前進により、ステープル423がステープルカートリッジ420から排出される。
【0032】
リロード400のナイフ組立体440は、ナイフキャリア442、及びそのナイフキャリア442の遠位端部442bの周りに固定された環状ナイフ444を含む。ナイフキャリア442の近位端部442aは、内側可撓性バンド組立体の支持ベース265dに係合するように構成されている。動作中、内側可撓性バンド組立体265が遠位に前進する際に、内側可撓性バンド組立体265の支持ベース265dが、ナイフキャリア442の近位端部442aに係合して、ナイフキャリア442及び環状ナイフ444を第1の位置又は近位位置から第2の位置又は前進位置に前進させ、ステープルカートリッジ420とアンビル組立体510との間に配置された組織が切断されるようにする。
【0033】
トロカール部材274を作動させる際の力、エンドエフェクタ300を閉じる(例えば、リロード400に対するアンビル組立体500を後退させる)際の力、リロード400からのステープル423を排出する際の力、及びナイフ組立体440を前進させる際の力を、例えば、リロード400からのステープル423の発射などの様々なプロセスを監視及び制御するため;ステープル423がリロード400から排出されるときのステープル423の発射及び形成中の力を監視するため;ステープル423が組織の様々な症状でリロード400から排出されるときの、ステープル423の形成(例えば、ステープルのクリンプ高さ)を最適化するため;並びにリロード400の環状ナイフの発射を監視及び制御するために、ひずみゲージ408bによって測定することができる。
【0034】
図8を参照すると、アダプタ組立体200のひずみゲージ408bは、ひずみゲージハウジング320内に配置されている。ひずみゲージ408bは、トロカール部材274の後退、並びにステープル423のリロード400からの排出及び形成を測定及び監視する。エンドエフェクタ300が閉じる際に、アンビル組立体500が組織、閉塞物、リロード400の組織接触面、又はステープルの排出などに接触すると、概ね遠位方向にあるアンビル組立体500に反力が作用する。この遠位方向に向けられた反力は、アンビル組立体500からひずみゲージ408bに伝達される。次いで、ひずみゲージ408bは、ハンドル組立体100の電源ハンドル101の主制御回路基板142に信号を伝達する。次いで、グラフィックス(図8)がハンドル組立体100のディスプレイ146に表示され、ハンドル組立体100の発射状態に関するリアルタイム情報をユーザに提供する。
【0035】
トロカール組立体270は、アダプタ組立体200の外管206内に軸方向に、回転可能に固定されている。図8を参照すると、アダプタ組立体200は、外管206内に固定して配置された支持ブロック292を含む。ひずみゲージハウジング320は、支持ブロック292とコネクタスリーブ290との間に配置されている。リロード400は、コネクタスリーブ290に取り外し可能に結合されている。
【0036】
動作中、アダプタ組立体200のひずみゲージ408bは、ひずみゲージ408bを通過するトロカール部材274の後退を測定及び監視する。アダプタ組立体200のひずみゲージ408bは、第1及び第2の可撓性バンド255a、255bもひずみゲージ408bを通過するため、リロード400からのステープル423の排出も測定及び監視する。クランピング、ステープル止め、及び切断の際に、反力がアンビル組立体500及びリロード400に作用し、この反力は、支持ブロック292に伝達され、次いで、ひずみゲージ408bのひずみセンサに伝達される。
【0037】
ひずみゲージ408bのひずみセンサは、そこに取り付けられた物体(例えば、支持ブロック292)上のひずみ(無次元量)を測定するように構成された任意の装置であり得、そのため、物体が変形すると、ひずみセンサの金属箔も変形し、それによりその電気抵抗が変化し、次いで、その抵抗の変化が、トロカール組立体270が受ける負荷を計算するために使用される。ひずみゲージ408bは、第1、第2、及び第3の力/回転伝達/変換組立体によって示される発射/クランピング荷重に閉ループフィードバックを提供する。
【0038】
次に、ひずみゲージ408bのひずみセンサは、主制御回路基板142に信号を伝達する。次いで、グラフィックスが、ハンドル組立体100の電動パックコア組立体106のディスプレイ146に表示され、ハンドル組立体100の発射状態に関連するリアルタイム情報をユーザに提供する。ひずみゲージ408bはまた、近位及び遠位のハーネス組立体314、316を介して電気コネクタ312(図3)に電気的に接続されている。
【0039】
円形ステープラとその構成要素の構造及び操作に関するさらなる詳細については、参照によりその内容全体が本明細書に組み込まれる、2019年7月3日に出願された国際出願公開PCT/US2019/040440号明細書を参照されたい。
【0040】
リロード400は、記憶装置402を含み、円形アダプタ組立体200もまた、記憶装置310(図4)を含む。記憶装置402及び310はそれぞれ、リロード400及び円形アダプタ組立体200に関するあらゆるデータを記憶するように構成された不揮発性記憶媒体(例えば、EEPROM)を含み、このようなデータには、限定されるものではないが、使用回数、識別情報、モデル番号、シリアル番号、ステープルサイズ、ストローク長、最大作動力、最小作動力、及び工場較正データなどが含まれる。実施形態では、データは、暗号化してもよく、適切な鍵を有するデバイス(例えば、主制御装置147)によってのみ復号可能である。また、データは、円形アダプタ組立体200及び/又はリロード400を認証するために主制御装置147によって使用することができる。記憶装置402及び310は、読取り専用又は読取り/書込みモードに構成し、主制御装置147が記憶装置402及び310にデータを読み書きすることを可能にすることができる。
【0041】
電動円形ステープラ10の作動の前は、電源ハンドル101は、シェルハウジング11内に収納され、アダプタ組立体200は、ハンドル組立体100に結合されている。円形アダプタ組立体200の取り付け後、ハンドル組立体100は、最初に、円形アダプタ組立体200の記憶装置310との通信を確立することによって、円形アダプタ組立体200がハンドル組立体100に結合されていることを検証し、円形アダプタ組立体200を認証する。記憶装置310に記憶されたデータ(例えば、使用回数)は暗号化され、記憶装置310に記憶された使用回数が閾値を超えているかどうか(例えば、アダプタ組立体200が以前に使用されていたかどうか)を判定する前に、電源ハンドル101によって認証される。次いで、電源ハンドル101は、検証チェック(例えば、寿命終了チェック、トロカール部材274の欠落など)を実行し、ハンドル組立体100がトロカール部材274が取り付けられていることを確認した後、円形アダプタ組立体200を較正する。
【0042】
図9を参照すると、リロード400のステープル423が以前に排出されたか否かを判定する方法は、ステップ600で、主制御装置147が、例えば記憶装置310から読み出すことによって、ステープル定位置値を受信し、較正位置などの他のステープル位置基準値を計算することを含む。ステップ602で、主制御装置147はまた、記憶装置310から読み出されたステープル定位置値を、メモリ141に記憶された最大値及び最小値と比較する。値が範囲外である場合、ステップ604で、エラー画面が表示され、電源ハンドル101が施錠状態に移行し、アダプタ組立体200の使用が防止される。絶対最小値は、第1のモータ152aでは0.0回転に設定されている。
【0043】
ステープル定位置値が予想される絶対値内にある場合、アダプタ組立体200を使用することができ、リロード400が、円形アダプタ組立体200に結合される。ステップ606で、ハンドル組立体100は、リロード400の記憶装置402との通信を確立することによって、リロード400が円形アダプタ組立体200に取り付けられていることを確認する。
【0044】
ステップ608で、電源ハンドル101は、記憶装置402を認証し、使用回数をチェックすることによって円形リロード400が以前に発射されていないことを確認する。使用回数は、リロード400の使用後にハンドル組立体100によって調整され、符号化される。円形リロード400が以前に使用されていた場合、ハンドル組立体100は、表示画面146に以前に使用されたことを示すエラーを表示する。
【0045】
ステップ610で、電源ハンドル101は、ステープル止め伝達組立体250を短時間(例えば、約200ミリ秒)遠位方向に移動させて、ステープル止め伝達組立体250を近位機械的限界であるハードストップ位置700(図10)から移動させることを含むステープル較正プロセスを実行する。これは、ステープル止め伝達組立体250が既にハードストップ位置700に対して固定されている場合に、ステープル止め伝達組立体250をハードストップ位置700から移動させる目的で行われる。
【0046】
ステップ612で、ステープル止め伝達組立体250を、第1のモータ152aによってハードストップ位置700まで近位方向に移動させてゼロ位置基準点を確立する。ステープル止め伝達組立体250は、ハードストップ位置700から任意の距離に配置することができる。しかしながら、距離が遠すぎると、ステープル止め伝達組立体250は、リロード400のステープル423を想定外に押し出す可能性がある。以下のステップは、ステープル止め伝達組立体250によってハードストップ位置700まで移動した距離をチェックすることによって、ステープル423が以前に排出されたか否かを判定する。
【0047】
ステップ614で、主制御装置147は、ステープル止め伝達組立体250によって、即ち、第1のモータ152aの回転を監視することによって、移動距離を算出する。第1のモータ152aは、ステープル止め伝達組立体250がハードストップ位置700に衝当したことを示す規定電流制限が検出されるまで、ステープル止め伝達組立体250を移動させる。
【0048】
ステップ616で、主制御装置147は、運動の電流引き込みも監視する。ステップ618で、主制御装置147は、測定された電流引き込みを電流制限と比較し、例えば、破損した歯車及びモータなどによる機械的な誤動作によって、ハードストップ位置700に到達する前に電流制限を超えた場合、主制御装置147は、較正を終了し、ステップ604でエラーメッセージを出力し、且つ/又は新しいアダプタ組立体200及び/若しくはハンドル組立体100を要求する。
【0049】
主制御装置147はまた、運動中の時間を監視し、モータの運動が、例えば、破損した歯車及びモータなどによる機械的な誤作動によってタイムアウト(例えば、5~20秒)したかどうかを監視する。ステップ620で、主制御装置147は、タイムアウトが発生したかどうかを連続的にチェックし、ハードストップに到達する前に制限時間を超えた場合、主制御装置147は、較正を終了し、ステップ604で、エラーメッセージを出力し、且つ/又は新しいアダプタ組立体200及び/若しくはハンドル組立体100を要求する。
【0050】
ステップ622で、主制御装置147は、較正中の移動距離を利用して、リロード400が未使用であることを確認する。したがって、移動距離が所定のハードストップ閾値を超えていると判定すると、主制御装置147は、ステープル423がリロード400から以前に排出されたことを確定し、ステップ624で、リロード400の以前の状態に関係なく、リロード400を使用済みとしてマークする。主制御装置147は、較正を終了し、エラーメッセージを出力し、且つ/又は新しいリロード400を要求することができる。
【0051】
ステップ626で、ハードストップ位置700が、時間、電流、及び距離の閾値を超えることなく所定の時間内に到達すると、較正が正常に完了する。
【0052】
本開示の円形ステープラの実施形態に様々な変更を加えることができることを理解されよう。したがって、上記の説明は、限定として解釈されるべきではなく、単に実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者であれば、本開示の範囲及び精神のうちで他の変更に想到するであろう。
【0053】
1つ以上の例において、記載された技術は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実装することができる。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上に1つ以上の命令又はコードとして格納され、ハードウェアベースの処理ユニットによって実行することができる。コンピュータ可読媒体は、非一時的コンピュータ可読媒体を含み得るが、これは、データ記憶媒体(例えば、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、又は命令若しくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを格納するために使用することができ、コンピュータによってアクセスできる任意の他の媒体)などの有形媒体に対応する。
【0054】
命令は、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルロジックアレイ(FPGA)、又はその他の同等の集積回路若しくは個別理論素子回路などの1つ以上のプロセッサによって実行することができる。したがって、本明細書で使用される「プロセッサ」という用語は、前述の構造のいずれか、又は記載された技術の実施に適した任意の他の物理的構造を指し得る。また、このような技術は、1つ以上の回路又は論理素子において完全に実装することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】