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特表2024-543540混合酸化物及びH-ゼオライトを有するSCR触媒
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】混合酸化物及びH-ゼオライトを有するSCR触媒
(51)【国際特許分類】
   B01J 29/78 20060101AFI20241114BHJP
   B01J 37/02 20060101ALI20241114BHJP
   B01J 37/08 20060101ALI20241114BHJP
   B01J 29/69 20060101ALI20241114BHJP
   B01J 29/48 20060101ALI20241114BHJP
   B01J 29/26 20060101ALI20241114BHJP
   B01J 29/16 20060101ALI20241114BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20241114BHJP
   F01N 3/08 20060101ALI20241114BHJP
   F01N 3/10 20060101ALI20241114BHJP
   F01N 3/28 20060101ALI20241114BHJP
   F01N 3/035 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
B01J29/78 A
B01J37/02 101Z
B01J37/08 ZAB
B01J29/69 A
B01J29/48 A
B01J29/26 A
B01J29/16 A
B01D53/94 222
B01D53/94 245
B01D53/94 280
B01D53/94 228
B01D53/94 400
F01N3/08 B
F01N3/10 A
F01N3/28 301
F01N3/08 A
F01N3/035 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529977
(86)(22)【出願日】2022-12-01
(85)【翻訳文提出日】2024-06-24
(86)【国際出願番号】 US2022080717
(87)【国際公開番号】W WO2023107848
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】21212603.1
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505470786
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【弁理士】
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【弁理士】
【氏名又は名称】長山 弘典
(72)【発明者】
【氏名】リー、ユエジン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ、シンイー
(72)【発明者】
【氏名】サンダーマン、アンドレアス
【テーマコード(参考)】
3G091
3G190
4D148
4G169
【Fターム(参考)】
3G091AA18
3G091AB02
3G091AB05
3G091AB06
3G091AB13
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4G169ZA19A
4G169ZA19B
4G169ZF02B
4G169ZF07A
(57)【要約】
H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトとブレンドされる酸化物触媒を形成するために、任意で金属酸化物ドーパントを含浸させた酸化物又は混合酸化物担体を含む、アンモニア又は尿素を使用して、窒素酸化物(NO)を含む排気ガスを処理するための触媒組成物が本明細書に開示される。本開示はまた、そのような触媒組成物を作製するプロセス、並びに触媒組成物及びその上に配置された触媒組成物を有する触媒物品を使用してNO形成を低減するためのプロセス及び方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンモニア又は尿素を用いてNOを含む排気ガスを処理するための触媒組成物であって、
金属酸化物ドーパントを含浸させて酸化物触媒を形成し、かつH-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトを含む、酸化物又は混合酸化物担体を含む、触媒組成物。
【請求項2】
前記H-ゼオライト又はH-ゼオライトに変換され得る前記ゼオライトと前記酸化物触媒とがブレンドされる、請求項1に記載の触媒組成物。
【請求項3】
前記酸化物又は混合酸化物担体は、MnO/ZrO、WO/TiO、WO/Al、SiO/Al、Ce/Zr/La、Ce/Zr/La/Y、CeO、CeO/Al及びこれらの組み合わせから選択される、請求項1又は2に記載の触媒組成物。
【請求項4】
前記金属酸化物ドーパントは、MnO、CeO、Nb、CuO、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【請求項5】
前記H-ゼオライト又はH-ゼオライトに変換され得る前記ゼオライトは、BEA、FER、MOR、MFI、FAU、CHA、及びこれらの組み合わせを含む構造から選択され、及び/又は前記H-ゼオライト又はH-ゼオライトに変換され得る前記ゼオライトは、前記酸化物触媒の約5重量%~約50重量%を構成する、請求項1~4のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【請求項6】
前記金属ドーパントは、前記酸化物触媒の約1重量%~約20重量%を構成する、請求項1~5のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【請求項7】
前記酸化物又は混合酸化物担体は、約20%のCeO/Alであり、前記金属酸化物ドーパントは、約5%重量%のMnOであり、前記H-ゼオライト構造又はH-ゼオライト構造に変換され得るゼオライト構造は、約20重量%のBEAであり、又は、前記酸化物又は混合酸化物担体は、約18%のMnO/ZrOであり、前記H-ゼオライト構造又はH-ゼオライト構造に変換され得るゼオライト構造は、約20重量%のBEAである、請求項1~6のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【請求項8】
前記組成物は、粉末又は被覆モノリスである、請求項1~7のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【請求項9】
触媒組成物を製造するプロセスであって、
(a)初期湿潤技術を用いて、酸化物又は混合酸化物担体上に1つ以上の酸化物ドーパントを含浸させて、酸化物触媒を形成することと、
(b)H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトを、スラリー状態の前記酸化物触媒と物理的にブレンドして、ブレンドを形成することと、
(c)前記ブレンドを少なくとも約450℃の温度で約1時間か焼して、前記触媒組成物を得ることと、
を含むプロセス。
【請求項10】
還元剤の存在下で、排気ガス流を請求項1~8のいずれか一項に記載の触媒組成物と接触させることを含む、排気ガス中のNO形成を低減するプロセス。
【請求項11】
前記プロセスの温度が約250℃以下、好ましくは約200℃である、請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
ガス流のための複数のチャネルを有する基材と、その上に配置された請求項1に記載の触媒組成物と、を備える触媒物品。
【請求項13】
NOを含む排気ガスを処理する方法であって、前記排気ガスを請求項15に記載の触媒物品と、ある時間にわたって約200℃~約250℃以上の範囲の温度で接触させることを含み、任意で、密結合位置に配置された高負荷用途で使用される、方法。
【請求項14】
約250℃での前記排気ガス中のNO変換率のレベルは、H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトがブレンドされていない触媒組成物よりも少なくとも約18%高く、又は、約250℃でのNOの形成は、H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトがブレンドされていない触媒組成物よりも少なくとも約5倍低い、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
排気ガス流を処理するための排出処理システムであって、
排気ガス流を生成するエンジンと、
前記排気ガス流と流体連通して前記エンジンの下流に配置された請求項12に記載の触媒物品と、
を備え、任意で、ディーゼル酸化触媒(DOC)、触媒化スートフィルタ(CSF)、スートフィルタ、アンモニア酸化(AMO)触媒、リーンNOトラップ(LNT)、及び窒素系還元剤インジェクタのうちの1つ以上を更に備える、
排出処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年12月6日に出願された欧州特許出願第21212603.1号の優先権の利益を主張するものであり、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライト、及び酸化物系触媒を含む触媒組成物、並びに例えばディーゼル用途のための、NH又は尿素を使用する窒素酸化物NOの選択的触媒還元(SCR)のためのプロセスを対象とする。本開示はまた、酸化物系NH-SCR触媒の触媒性能を改善するための有効なアプローチに関する。
【0003】
酸化窒素(NO)及び二酸化窒素(NO)のような酸化窒素(NO)は、大気中に排出されると、スモッグなどの環境に望ましくない影響を与える主要な要因の一部となる。これらのガスの有害な影響のために、ほとんどの政府当局は、大気中の酸化物を制限しようとして産業排出物を制限している。例えば、世界的な規制は、車両からの排出をより低くすることを命じている。
【0004】
排気ガスを処理し、NOガスを元素窒素及び水蒸気に還元するために、アンモニア又は尿素などの還元剤と共にゼオライト系触媒を使用することは、十分に確立された手順であり、一般に選択的触媒還元(SCR)と呼ばれる。
【0005】
Cu-ゼオライトは、一般に、ディーゼル車用のNO還元のための最も活性なタイプの触媒であるが、その活性は、約200℃未満では十分に高くない。低温では、Cu-ゼオライト触媒はまた、NO還元に有効となり得る前に、NHで飽和される必要がある。これは、尿素注入に対する応答を遅くする。更に、コストに関して、Cu-CHAは、製造するのに最も高価な触媒の1つである。
【0006】
/TiO系の触媒は、必要なNH充填量が少なくて済むが、低温でははるかに活性が低い。更に、Vの使用及び周囲への漏出の可能性は、環境問題である。
【0007】
したがって、低温(約200℃未満)でのNOの効率的な除去は、自動車排出物産業にとって満たされていないニーズであり、大きな課題である。
【0008】
本開示は、酸化物系SCR触媒について、NO変換率を増加させ、NO形成を減少させるための費用効果の高い手法を提供する。本出願人らは、驚くべきことに、少量のH-ゼオライト又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトを酸化物系触媒と物理的にブレンドすることによって触媒組成物を形成することにより、酸化物系触媒と比較して、NO変換率の著しい増加及びNO形成の減少がもたらされることを見出した。この効果は相乗的であるようであり、すなわち、ブレンドされた触媒の活性は個々の成分の合計よりも高い。
【0009】
この効果は、いくつかのタイプのゼオライト並びに多くの酸化物及び混合酸化物材料に対して有効であることが実証されており、粉末触媒及び被覆モノリス触媒の両方に対して機能する。
【0010】
本開示の触媒システムはまた、密結合位置に配置された高負荷用途に適しており、費用効果の高い解決策を使用して低温でディーゼルエンジンからのNO排出を効果的に制御するという課題に対処する。
【0011】
本開示は、アンモニア又は尿素を用いてNOを含む排気ガスを処理するための触媒組成物を提供する。触媒組成物は、金属酸化物ドーパントを含浸させて酸化物触媒を形成する酸化物又は混合酸化物担体を含む。酸化物触媒は、H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトを含む。H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライト、及び酸化物触媒は、一緒にブレンドされる。
【0012】
触媒組成物の酸化物又は混合酸化物担体は、MnO/ZrO、WO/TiO、WO/Al、SiO/Al、Ce/Zr/La、Ce/Zr/La/Y、CeO、CeO/Al及びこれらの組み合わせから選択される。触媒組成物の金属酸化物ドーパントは、MnO、CeO、Nb、CuO、及びこれらの組み合わせから選択される。触媒組成物のH-ゼオライト触媒、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトは、BEA、FER、MOR、MFI、FAU、CHA、及びこれらの組み合わせを含む構造から選択される。
【0013】
H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトは、酸化物触媒の約5重量%~約50重量%を構成する。金属ドーパントは、酸化物触媒の約1重量%~約20重量%を構成する。酸化物又は混合酸化物担体は、約20%のCeO/Alである。金属酸化物ドーパントは、約5重量%のMnOである。H-ゼオライト構造、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトは、約20重量%のBEAである。酸化物又は混合酸化物担体は、約18%のMnO/ZrOである。H-ゼオライト構造、又はH-ゼオライト構造に変換され得るゼオライト構造は、約20重量%のBEAである。
【0014】
本開示の触媒組成物は、粉末及び被覆モノリスから選択される形態である。
【0015】
本開示はまた、触媒組成物の製造するプロセスを提供する。このプロセスは、初期湿潤技術を用いて、又は沈殿によって、酸化物又は混合酸化物担体上に1つ以上の酸化物ドーパントを配置させて、酸化物触媒を形成することを含む。酸化物触媒は、H-ゼオライトと、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトと、スラリー状態で物理的にブレンドされて、ブレンドを形成する。このブレンドを少なくとも約450℃の温度で約1時間か焼して、触媒組成物を得る。
【0016】
本開示はまた、排気ガス中のNO形成を低減するプロセスを提供する。このプロセスは、還元剤の存在下で、排気ガス流を本開示の触媒組成物と接触させることを含む。このプロセスの温度は、約250℃以下である。このプロセスの温度は約200℃である。ガス流のための複数のチャネルを有する基材と、その上に配置された本開示の触媒組成物とを備える触媒物品も提供される。
【0017】
本開示は、NOを含む排気ガスを処理する方法を更に提供する。この方法は、排気ガスを本開示の触媒物品と、ある時間にわたって約200℃~約250℃以上の範囲の温度で接触させることを含む。この方法は、密結合位置に配置された高負荷用途で使用される。排気ガス中のNO変換率のレベルは、約250℃であり、H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトがブレンドされていない触媒組成物よりも少なくとも約18%高い。約250℃でのNOの形成は、H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトがブレンドされていない触媒組成物よりも少なくとも約5倍低い。
【0018】
本明細書では、排気ガス流を処理するための排出処理システムも提供される。排出処理システムは、排気ガス流を生成するエンジンと、エンジンの下流に配置され、排気ガス流と流体連通している本開示の触媒物品と、を備える。排出処理システムは、ディーゼル酸化触媒(DOC)、触媒化スートフィルタ(CSF)、スートフィルタ、アンモニア酸化(AMO)触媒、リーンNOトラップ(LNT)、及び窒素系還元剤インジェクタのうちの1つ以上を更に備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】NO変換率に対する、2g/inの8%Nb/1%CuO/CeO(モノリス試料1)と、1.6g/inの8%Nb/1%CuO/CeO+0.4g/inH-CHA(モノリス試料2)被覆モノリス触媒との間の触媒性能の比較を示すグラフである。
図2】NO変換率に対する、2g/inの8%Nb/1%CuO/CeO(モノリス試料1)と、1.6g/inの8%Nb/1%CuO/CeO+0.4g/inH-CHA(モノリス試料2)被覆モノリス触媒との間の触媒性能の比較を示すグラフである。
図3】2g/in6.6重量%のMnO/3.4重量%のTiO/90重量%のCeO/Al(モノリス試料3)と、2g/in6.6重量%のMnO/3.4重量%のTiO/90重量%のCeO/Al+0.4g/inH-ベータ(モノリス試料4)との間のフレッシュ触媒性能の比較を示すグラフである。
図4】2g/inの6.6重量%のMnO/3.4重量%のTiO/90重量%のCeO/Al(モノリス試料3)と、2g/inの6.6重量%のMnO/3.4重量%のTiO/90重量%のCeO/Al+0.4g/inH-ベータ(モノリス試料4)との間のエージング触媒性能の比較を示すグラフである。
【0020】
本明細書で使用される場合、「1つの(a)」又は「1つの(an)」実体は、1つ以上のその実体を指し、例えば、「容器(a vessel)」は、別段の記載がない限り、1つ以上の容器又は少なくとも1つの容器を指す。したがって、「a」(又は「an」)、「1つ以上」、及び「少なくとも1つ」という用語は、本明細書では互換的に使用される。
【0021】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、およそ、ほぼ、大体、又は前後を意味する。「約」という用語が数値範囲と併せて使用される場合、それは、記載された数値の上下に境界を拡張することによってその範囲を修正する。一般に、「約」という用語は、本明細書において、記載された値の上下の数値を10%の変動で修正するために使用される。
【0022】
以下の説明は、アンモニア又は尿素を使用してNOを含む排気ガスを処理するための触媒組成物のための、開示される組成物、並びに方法及びプロセスの異なる態様の様々な実施形態を提供する。
【0023】
いくつかの実施形態において、触媒組成物は、金属酸化物ドーパントを含浸させて酸化物触媒を形成する酸化物又は混合酸化物担体を含む。いくつかの実施形態において、酸化物触媒は、H-ゼオライトと混合される。いくつかの実施形態において、酸化物触媒は、H-ゼオライトに変換され得るゼオライトと混合される。いくつかの実施形態において、酸化物又は混合酸化物担体は、H-ゼオライトと混合される。いくつかの実施形態において、酸化物触媒又は混合酸化物担体は、H-ゼオライトに変換され得るゼオライトと混合される。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト及び酸化物触媒はブレンドされる。いくつかの実施形態において、H-ゼオライトに変換され得るゼオライトと酸化物触媒とがブレンドされる。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト及び酸化物又は混合酸化物担体はブレンドされる。いくつかの実施形態において、H-ゼオライトに変換され得るゼオライト及び酸化物又は混合酸化物担体がブレンドされる。
【0024】
いくつかの実施形態において、酸化物又は混合酸化物担体は、MnO/ZrO、WO/TiO、WO/Al、SiO/Al、Ce/Zr/La、Ce/Zr/La/Y、CeO、CeO/Al及びこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、酸化物又は混合酸化物担体は、MnO/ZrOである。いくつかの実施形態において、酸化物又は混合酸化物担体は、WO/TiOである。いくつかの実施形態において、酸化物又は混合酸化物担体は、WO/Alである。いくつかの実施形態において、酸化物又は混合酸化物担体は、SiO/Alである。いくつかの実施形態において、酸化物又は混合酸化物担体は、Ce/Zr/Laである。いくつかの実施形態において、酸化物又は混合酸化物担体は、Ce/Zr/La/Yである。いくつかの実施形態において、酸化物又は混合酸化物担体はCeOである。いくつかの実施形態において、酸化物又は混合酸化物担体は、CeO/Alである。
【0025】
いくつかの実施形態において、酸化物又は混合酸化物担体は、約5%のCeO/Alである。いくつかの実施形態において、酸化物又は混合酸化物担体は、約10%のCeO/Alである。いくつかの実施形態において、酸化物又は混合酸化物担体は、約15%のCeO/Alである。いくつかの実施形態において、酸化物又は混合酸化物担体は、約5%のMnO/ZrOである。いくつかの実施形態において、酸化物又は混合酸化物担体は、約10%のMnO/ZrOである。いくつかの実施形態において、酸化物又は混合酸化物担体は、約18%のMnO/ZrOである。いくつかの実施形態において、酸化物又は混合酸化物担体は、約20%のMnO/ZrOである。
【0026】
いくつかの実施形態において、金属酸化物ドーパントは、MnO、CeO、Nb、CuO、及びこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、金属酸化物ドーパントは、MnOである。いくつかの実施形態において、金属酸化物ドーパントは、CeOである。いくつかの実施形態において、金属酸化物ドーパントは、Nbである。いくつかの実施形態において、金属酸化物ドーパントは、CuOである。
【0027】
いくつかの実施形態において、金属ドーパントは、酸化物触媒の約1重量%~約20重量%を構成する。いくつかの実施形態において、金属ドーパントは、酸化物触媒の約2重量%~約10重量%を構成する。いくつかの実施形態において、金属ドーパントは、酸化物触媒の約5重量%を構成する。
【0028】
いくつかの実施形態において、金属酸化物ドーパントは、酸化物触媒の約5重量%のMnOである。いくつかの実施形態において、金属酸化物ドーパントは、酸化物触媒の約5重量%のCeOである。いくつかの実施形態において、金属酸化物ドーパントは、酸化物触媒の約5重量%のNbである。いくつかの実施形態において、金属酸化物ドーパントは、酸化物触媒の約5重量%のCuOである。いくつかの実施形態において、金属酸化物ドーパントは、酸化物触媒の約10重量%のMnOである。いくつかの実施形態において、金属酸化物ドーパントは、酸化物触媒の約10重量%のCeOである。いくつかの実施形態において、金属酸化物ドーパントは、酸化物触媒の約10重量%のNbである。いくつかの実施形態において、金属酸化物ドーパントは、酸化物触媒の約10重量%のCuOである。
【0029】
いくつかの実施形態において、ゼオライトは、H-ゼオライトである。いくつかの実施形態において、ゼオライトは、H-ゼオライトに変換され得るゼオライトから選択される。いくつかの実施形態において、ゼオライトは、H-ゼオライトに変換され得るNH-ゼオライトである。いくつかの実施形態において、NH-ゼオライトは、か焼によってH-ゼオライトに変換される。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトは、約95%を超えるHとしての交換可能部位を有するか、又は有することができる。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトは、約90%を超えるHとしての交換可能部位を有するか、又は有することができる。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトは、約85%を超えるHとしての交換可能部位を有するか、又は有することができる。
【0030】
いくつかの実施形態において、H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトは、BEA、FER、MOR、MFI、FAU、CHA、及びこれらの組み合わせを含む構造から選択される。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト構造又はH-ゼオライト構造に変換され得るゼオライト構造は、BEAを含む。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト構造又はH-ゼオライト構造に変換され得るゼオライト構造は、FERを含む。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト構造又はH-ゼオライト構造に変換され得るゼオライト構造は、MORを含む。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト構造又はH-ゼオライト構造に変換され得るゼオライト構造は、MFIを含む。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト構造又はH-ゼオライト構造に変換され得るゼオライト構造は、FAUを含む。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト構造又はH-ゼオライト構造に変換され得るゼオライト構造は、CHAを含む。
【0031】
いくつかの実施形態において、H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトは、酸化物触媒の約5重量%~約50重量%を構成する。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトは、酸化物触媒の約10重量%~約40重量%を構成する。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトは、酸化物触媒の約20重量%~約30重量%を構成する。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトは、酸化物触媒の約5重量%を構成する。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトは、酸化物触媒の約10重量%を構成する。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトは、酸化物触媒の約15重量%を構成する。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトは、酸化物触媒の約20重量%を構成する。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトは、酸化物触媒の約25重量%を構成する。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトは、酸化物触媒の約30重量%を構成する。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトは、酸化物触媒の約35重量%を構成する。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトは、酸化物触媒の約40重量%を構成する。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトは、酸化物触媒の約45重量%を構成する。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトは、酸化物触媒の約50重量%を構成する。
【0032】
いくつかの実施形態において、H-ゼオライト構造又はH-ゼオライト構造に変換され得るゼオライト構造は、酸化物触媒の約10重量%のBEAである。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト構造又はH-ゼオライト構造に変換され得るゼオライト構造は、酸化物触媒の約10重量%のFERである。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト構造又はH-ゼオライト構造に変換され得るゼオライト構造は、酸化物触媒の約10重量%のMORである。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト構造又はH-ゼオライト構造に変換され得るゼオライト構造は、酸化物触媒の約10重量%のMFIである。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト構造又はH-ゼオライト構造に変換され得るゼオライト構造は、約10重量%のFAUである。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト構造又はH-ゼオライト構造に変換され得るゼオライト構造は、酸化物触媒の約10重量%のCHAである。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト構造又はH-ゼオライト構造に変換され得るゼオライト構造は、酸化物触媒の約20重量%のBEAである。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト構造又はH-ゼオライト構造に変換され得るゼオライト構造は、酸化物触媒の約20重量%のFERである。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト構造又はH-ゼオライト構造に変換され得るゼオライト構造は、酸化物触媒の約20重量%のMORである。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト構造又はH-ゼオライト構造に変換され得るゼオライト構造は、酸化物触媒の約20重量%のMFIである。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト構造又はH-ゼオライト構造に変換され得るゼオライト構造は、約20重量%のFAUである。いくつかの実施形態において、H-ゼオライト構造又はH-ゼオライト構造に変換され得るゼオライト構造は、酸化物触媒の約20重量%のCHAである。
【0033】
いくつかの実施形態において、触媒組成物は、粉末である。いくつかの実施形態において、触媒組成物は、被覆モノリスである。
【0034】
いくつかの実施形態において、触媒組成物を製造するプロセスが提供される。いくつかの実施形態において、このプロセスは、初期湿潤技術を用いて、酸化物又は混合酸化物担体上に1つ以上の酸化物ドーパントを含浸させて、酸化物触媒を形成することを含む。いくつかの実施形態において、このプロセスは、液体溶液中でドーパント前駆体を沈殿させて酸化物触媒を形成することによって、酸化物又は混合酸化物担体上に1つ以上の酸化物ドーパントを配置させることを含む。いくつかの実施形態において、このプロセスは、H-ゼオライトをスラリー状態の酸化物触媒と物理的にブレンドしてブレンドを形成することを更に含む。いくつかの実施形態において、このプロセスは、H-ゼオライトに変換され得るゼオライトをスラリー状態の酸化物触媒と物理的にブレンドして、ブレンドを形成することを更に含む。いくつかの実施形態において、このプロセスは、ブレンドを少なくとも約450℃の温度で約1時間か焼して、触媒組成物を得ることを更に含む。
【0035】
いくつかの実施形態において、排気ガス中のNO形成を低減するプロセスが提供される。いくつかの実施形態において、このプロセスは、尿素溶液又はガス状アンモニアなどの還元剤の存在下で、排気ガス流を本開示の触媒組成物と接触させることを含む。
【0036】
いくつかの実施形態において、このプロセスの温度は、約250℃以下である。いくつかの実施形態において、このプロセスの温度は、約250℃である。いくつかの実施形態において、このプロセスの温度は、約240℃である。いくつかの実施形態において、このプロセスの温度は、約230℃である。いくつかの実施形態において、このプロセスの温度は、約220℃である。いくつかの実施形態において、このプロセスの温度は、約210℃である。いくつかの実施形態において、このプロセスの温度は、約200℃である。
【0037】
いくつかの実施形態において、ガス流のための複数のチャネルを有する基材と、その上に配置された本開示の触媒組成物とを備える触媒物品が提供される。
【0038】
いくつかの実施形態において、NOを含む排気ガスを処理する方法が提供される。いくつかの実施形態において、この方法は、排気ガスを本開示の触媒物品と、ある時間にわたって約200℃~約250℃以上の範囲の温度で接触させることを含む。いくつかの実施形態において、温度は約200℃である。いくつかの実施形態において、温度は約210℃である。いくつかの実施形態において、温度は約220℃である。いくつかの実施形態において、温度は約230℃である。いくつかの実施形態において、温度は約240℃である。いくつかの実施形態において、温度は約250℃である。いくつかの実施形態において、温度は約250℃より高い。
【0039】
いくつかの実施形態において、本開示の触媒物品を使用して、密結合位置に配置された高負荷用途においてNOを含む排気ガスを処理する方法が提供される。
【0040】
いくつかの実施形態において、本開示の触媒を使用する約250℃での排気ガス中のNO変換率のレベル変換率のレベルは、H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトがブレンドされていない触媒組成物よりも少なくとも約18%高い。いくつかの実施形態において、NO変換率のレベルは、少なくとも約18%高い。いくつかの実施形態において、NO変換率のレベルは、少なくとも約20%高い。いくつかの実施形態において、NO変換率のレベルは、少なくとも約25%高い。いくつかの実施形態において、NO変換率のレベルは、少なくとも約30%高い。いくつかの実施形態において、NO変換率のレベルは、少なくとも約34%高い。
【0041】
いくつかの実施形態において、約250℃でのNOの形成は、H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトがブレンドされていない触媒組成物よりも少なくとも約5倍低い。
【0042】
いくつかの実施形態において、排気ガス流を処理するための排出処理システムが提供される。いくつかの実施形態において、排出処理システムは、排気ガス流を生成するエンジンと、排気ガス流と流体連通しているエンジンの下流に配置された本開示の触媒物品と、を備える。
【0043】
いくつかの実施形態において、排出処理システムは、ディーゼル酸化触媒(DOC)、触媒化スートフィルタ(CSF)、スートフィルタ、アンモニア酸化(AMO)触媒、リーンNOトラップ(LNT)、及び窒素系還元剤インジェクタのうちの1つ以上を更に備える。いくつかの実施形態において、排出処理システムは、ディーゼル酸化触媒(DOC)を更に備える。いくつかの実施形態において、排出処理システムは、触媒化スートフィルタ(CSF)を更に備える。いくつかの実施形態において、排出処理システムは、スートフィルタを更に備える。いくつかの実施形態において、排出処理システムは、アンモニア酸化(AMO)触媒を更に備える。いくつかの実施形態において、排出処理システムは、リーンNOトラップ(LNT)を更に備える。いくつかの実施形態において、排出処理システムは、窒素系還元剤インジェクタを更に備える。
【0044】
反対の指示がない限り又は文脈から明らかでない限り、群のメンバーのうちの1つ、1つ超、又は全てが所与の生成物、プロセス、又はシステムに存在するか、使用されるか、又はさもなければ関連する場合、群の少なくとも1つのメンバーの間に「又は」又は「及び/又は」を含む特許請求の範囲又は明細書の条件が満たされたとみなされる。本開示は、正確に1つの群のメンバーが、所与の生成物、プロセス、又はシステムに存在する、使用される、又はさもなければ関連する実施形態を含む。本開示は、群のメンバーのうちの1つ超又は全てが、所与の生成物、プロセス、又はシステムに存在する、使用される、又はさもなければ関連する実施形態を含む。
【0045】
更に、本開示は、列挙された請求項のうちの少なくとも1つからの少なくとも1つの限定、要素、節、又は記述用語が別の請求項に導入された、全ての変形、組み合わせ、及び置換を包含する。例えば、別の請求項に従属する任意の請求項は、同じ独立項に従属する任意の他の請求項にみられる少なくとも1つの限定を含むように改変され得る。要素が、例えばマーカッシュ群形式などでリストとして提示される場合、要素の各サブグループも開示され、任意の要素(複数可)を群から除去することができる。一般に、本開示又は本開示の態様が特定の要素及び/又は特徴を含むものとして言及される場合、本開示の実施形態又は本開示の態様は、そのような要素及び/又は特徴からなるか又は本質的になることが理解されるべきである。簡潔にするために、これらの実施形態は、本明細書においてこの言葉で具体的に記載されてはいない。範囲が与えられる場合、終点が含まれる。更に、別段の指示がない限り又は文脈及び当業者の理解から明らかでない限り、範囲として表される値は、文脈上明確に別段指示されない限り、本開示の異なる実施形態において、記載された範囲内の任意の特定の値又は部分範囲を想定することができる。
【0046】
当業者であれば、本明細書に記載される本開示の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識するか、又は日常的な実験だけを使用して確認することができる。このような均等物は、特許請求の範囲によって包含されることが意図される。
【0047】
本開示の例示的な実施形態を説明する前に、本開示は、以下の実施例に記載される構成又はプロセスステップの詳細に限定されず、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実践又は実行され得ることを理解されたい。
【実施例
【0048】
以下の実施例は、例示的であることが意図され、決して本開示の範囲を限定することを意味するものではない。
【0049】
粉末触媒の調製
酸化物触媒
酸化物系触媒は、酸化物又は混合酸化物担体上に1つ以上の酸化物(ドープされた酸化物)を含浸することによって調製された。
【0050】
Nbを含まない酸化物触媒(試料1、2、7、及び8)については、混合金属塩溶液を使用することによって、金属酸化物を担体上に共含浸させた。例えば、初期湿潤技術を用いて5%のWO/TiO担体上に硝酸Mn/Ce溶液を共含浸することによって、試料1を調製した。含浸後、試料を空気中500℃で2時間か焼した。
【0051】
Nb含有触媒(試料3~6、9、及び10)については、第2のステップとしてのNb含浸と共に逐次含浸を用いた。例えば、試料3は、最初に50%のCeO/Al担体上に硝酸Mnを含浸させ、続いて空気中で500℃で2時間か焼することによって調製した。得られた材料に更にニオブ酸(V)シュウ酸アンモニウム溶液を含浸させた。2回目の含浸後、得られた粉末を再び空気中500℃で2時間か焼した。
【0052】
酸化物/ゼオライト混合物触媒
追加のゼオライト成分を、スラリー段階で酸化物成分に添加する(試料成形参照)。ゼオライトの量は、酸化物触媒の10%、20%、30%、又は50%である。
【0053】
試料成形
反応器評価に適した粉末触媒を作製するために、酸化物触媒又は酸化物+ゼオライトを、約30%の固形分で脱イオン水中に懸濁させた。アルミ結合剤(約5重量%)をスラリーに添加した。触媒スラリーを100℃で撹拌することによって乾燥させ、次いで、550℃で1時間か焼した。得られた材料を粉砕し、250~500mmの画分に篩い分けた。このようにして得られた触媒を「フレッシュ」触媒と呼ぶ。
【0054】
触媒同定及び組成物
表1は、グループIの試料の触媒組成をまとめたものである。このマトリックスは、種々の触媒組成物に対するゼオライト添加の効果を調べるために設計されている。酸化物及び混合酸化物担体は、様々な供給業者から商業的に入手した。ドープされた酸化物の濃度は、全酸化物触媒の重量%として表される。ゼオライトの量は、酸化物触媒の追加の20重量%である。全てのゼオライトは、最初はアンモニウム型であったが、酸化物触媒と混合する前に450℃で5時間か焼することによって水素型に変換された。BEAは、SiO/Al比が25のゼオライトベータである。FERは、SiO/Al比が20のフェリエライトである。
【0055】
【表1】
【0056】
表2は、ゼオライト構造の関数としてゼオライト添加の効果を調査するために設計されたグループIIの試料の触媒組成をまとめたものである。酸化物触媒成分(試料2)は、20%CeO/Al上に担持された5%MnOである。ゼオライトの量は、酸化物触媒の追加の20重量%である。全てのゼオライトは水素型である。BEAは、SiO/Al比が25のゼオライトベータである。FERは、SiO/Al比が20のフェリエライトである。MORは、SiO/Al比が20のモルデナイトである。MFIは、SiO/Al比が30のZSM-5である。FAUは、SiO/Al比が30のゼオライトYである。CHAは、SiO/Al比が24のチャバザイトである。
【0057】
【表2】
【0058】
表3は、18%MnO/ZrOである酸化物触媒成分(試料11)を有するゼオライト構造の関数としてゼオライト添加の効果を調査するために設計されたグループIIIの試料の触媒組成をまとめたものであるゼオライトの量は、酸化物触媒の追加の20重量%である。このグループで使用されるゼオライトは、グループIIと同じである。
【0059】
【表3】
【0060】
表4は、ゼオライト量の関数としてゼオライト添加の効果を調査するように設計されたグループIVの試料の触媒組成をまとめたものである。2種の酸化物組成物、試料2(20%CeO/Al上に担持された5%MnO)及び試料11(18%MnO/ZrO)を基本触媒として使用する。ゼオライトはBEA(ゼオライトベータ)であり、ゼオライトは、酸化物触媒の追加の10重量%、20重量%、30重量%、又は50重量%として酸化物触媒に添加される。
【0061】
【表4】
【0062】
モノリス試料の調製
モノリス試料1(Nb/CuO/CeO):
CuO/CeO粉末は、CeO上にCu溶液を含浸させることによってまず調製された。Cu溶液は、モル比NH/Cuが8で25%のNH・HOをCu(NO溶液に添加して調製した、0.5MのCu(NH(NO溶液である。Cu溶液を、初期湿潤技術を使用してCeO粉末上に含浸させて、か焼後に1.09重量%のCuO装填量に到達させた。得られた粉末を110℃で4時間乾燥させ、その後、550℃で2時間、ランプ速度5℃/分でか焼した。CuO/CeO粉末に更にNb溶液(1MのCNNbO)を含浸させて、CeO上に8%のNb及び1%CuOの最終組成に到達させた。Nb/CuO/CeO粉末を再び110℃で4時間乾燥させ、その後、550℃で2時間、ランプ速度5℃/分でか焼した。
【0063】
Nb/CuO/CeO粉末を酢酸Zr結合剤(0.1g/in)及びアルミナ結合剤(0.2g/in)と共に脱イオン水中に撹拌しながら添加することによって、ウォッシュコートスラリーを調製した。次いで、スラリーを90%粒子<16μm(D90<16μm)に粉砕した。スラリーを3.5~4.5のpHで小さなモノリスコア(13セル×13セル×長さ3”)上にコーティングした。コーティングされた試料を110℃で2時間乾燥させ、450℃で1時間か焼した(フレッシュな試料)。酸化物のウォッシュコート装填量は2g/inである。
【0064】
モノリス試料2(Nb/CuO/CeO+20%H-CHA):
同じ酸化物粉末をモノリス試料2に使用した。更に、H型チャバザイトゼオライトをスラリーに添加した。酸化物のウォッシュコート装填量は1.6g/inであり、ゼオライトのウォッシュコート装填量は0.4g/inである。したがって、モノリス試料1及びモノリス試料2の総ウォッシュコート装填量は同じである。
【0065】
モノリス試料3(MnO/TiO/CeO/Al):
市販のCeO/Al(20%CeO)担体上にMn-Ti溶液を共含浸させることによって、粉末試料(MnO/TiO/CeO/Al)をまず調製した。Mn-Ti溶液は、まずMn(NO・4HOをエタノールに溶解し、次いでチタン酸テトラブチルをMn溶液に添加することによって調製した。Mn-Ti溶液を、初期湿潤技術を用いてCeO/Al担体上に含浸させた。得られた粉末を100℃で1時間乾燥させ、500℃で2時間か焼した。か焼された粉末は、6.6重量%のMnO、3.4重量%のTiO及び90重量%のCeO/Alの組成を有する。
【0066】
MnO/TiO/CeO/Al粉末をアルミナ結合剤(0.1g/in)と共に脱イオン水中に撹拌しながら添加することによって、ウォッシュコートスラリーを調製した。次いで、スラリーを90%粒子<12μm(D90<12μm)に粉砕した。スラリーを4.5~5.5のpHで小さなモノリスコア(13セル×13セル×長さ3”)上にコーティングした。コーティングされた試料を110℃で2時間乾燥させ、450℃で1時間か焼した(フレッシュな試料)。酸化物のウォッシュコート装填量は2g/inである。
【0067】
モノリス試料4(MnO/TiO/CeO/Al+20%H-ベータ):
同じ酸化物粉末をモノリス試料4に使用した。更に、H型ベータゼオライトをスラリーに添加した。酸化物のウォッシュコート装填量は2g/inであり、ゼオライトのウォッシュコート装填量は0.4g/inである。
【0068】
触媒エージング
触媒を650℃で50時間、空気中10%の水蒸気でエージングした。
【0069】
触媒試験手順
粉末試料の試験手順
フレッシュな触媒及びエージングした触媒を、500ppmのNO、500ppmのNH、5%のHO、10%のO、残部Nからなる供給物を用いて高スループット反応器中で試験した。酸化物及び酸化物/ゼオライト触媒については、それぞれ120mg及び144mgの試料を使用した。試料をコランダムで1mLの体積に希釈したが、これは、2g/inのウォッシュコート装填量を仮定した80,000h-1のシミュレートされたモノリス空間速度に相当する。活性は、175℃、200℃、225℃、250℃、300℃、400℃、550℃、及び575℃の一定温度で評価した。
【0070】
モノリス試料の試験手順:
モノリス試料を、モノリス反応器中で、500ppmのNO、500ppmのNH、5%のHO、10%のO、5%のCO、及び残部Nからなる供給物を用いて、80,000h-1のモノリス空間速度で試験した。活性は、125℃、150℃、175℃、200℃、225℃、250℃、300℃、400℃、及び450℃の一定温度で評価した。
【0071】
試験結果
粉末試料:
表5は、200℃、250℃、300℃、及び400℃のグループIの試料のフレッシュな触媒についての試験結果(NO変換率及びNO形成)をまとめたものである。少量のゼオライト(ベータ又はフェリエライト)を酸化物系触媒に添加すると、全ての温度で酸化物触媒(試料1~11)と比較してNO変換率が実質的に増加する。この活性向上は、全ての触媒組成物(試料1~11)について観察された。同時に、ゼオライトの添加は、ほとんどの触媒上で、特に高いNOを生成する酸化物触媒について、より低いNO形成をもたらす。例えば、ベータゼオライトを試料4(試料4A)に添加すると、NO形成は、200℃、250℃、300℃、及び400℃でそれぞれ、8ppm、22ppm、91ppm、及び203ppmから4ppm、9ppm、26ppm、及び78ppmに減少する。NO低減に対する効果は、試料11について更により顕著である(300℃において、試料11A上の5ppmに対して、試料11上の98ppmのNO)。ゼオライト材料の性能も試験した。BEA及びFERは両方とも、特に300℃未満の温度で、ベースラインレベルに近いNO変換率を有する。したがって、ゼオライト含有触媒上でのNO変換率の増加及びNO形成の減少は、酸化物成分とゼオライト成分との間の相乗的相互作用によるものである。
【0072】
【表5】
【0073】
表6は、200℃、250℃、300℃、及び400℃でのグループIの試料のエージングした触媒についての試験結果(NO変換率及びNO形成)をまとめたものである。一般に、触媒のエージングは、ゼオライト添加の利点を低減し、その低減の程度は触媒系に依存する。いくつかの触媒(試料3、4、7、8、9、及び10)では、低温ではNO変換率の利益が少ないか又は全くないが、高温では有意な活性増強がある。他の触媒(試料2及び11)では、低温及び高温の両方で有意な活性改善が観察された。NO形成について、エージングした触媒は、NO還元におけるゼオライト添加の有益な効果をなおも示す。エージングした試料11では、ゼオライト添加は、NO変換率を高め、NO形成を減少させる際に著しい効果を示す。
【0074】
【表6】
【0075】
表7は、グループIIの試料のフレッシュな結果をまとめたものである。任意の構造(BEA、FER、MOR、MFI、FAU、又はCHA)の20%ゼオライトの添加は、任意の温度で、ベース触媒(試料2:20%CeO/Al上の5%MnO)と比較して、NO変換率を有意に増加させる。活性の向上は、低温(200℃及び250℃)で特に顕著である。一般に、ゼオライト含有触媒は、200℃及び250℃でNOを生成せず、300℃及び400℃ではベース触媒と比較してNOの生成は少ない。
【0076】
【表7】
【0077】
表8は、グループIIの試料のエージング結果をまとめたものである。エージング後、一般に、ゼオライトを含有する利点は減少する。最も活性な触媒は試料2F(試料2+20%CHA)であり、その変換率は200℃及び250℃でベース触媒の約2倍である。エージングされた触媒上のNO形成は、より低い温度でのベース触媒上のものよりも依然として低い。
【0078】
【表8】
【0079】
表9は、グループIIIの試料のフレッシュな結果をまとめたものである。ゼオライト含有触媒上でのNO変換率は、全ての温度において、ベース触媒(試料11:18%MnO/ZrO)の2~4倍である。ゼオライト含有触媒上でのNO形成も、ベース触媒と比較して特に300℃及び400℃で非常に低い。
【0080】
【表9】
【0081】
表10は、グループIIIの試料のエージング結果をまとめたものである。ゼオライトの効果は、エージング後もおおよそ維持される。250℃でのNO変換率は、ベース触媒(40%)よりもゼオライト含有触媒(58%~74%)上で18%~34%高い。試料11F(試料11+20%CHA)は、この群の中で最も活性なエージングした触媒である。全てのゼオライト含有触媒は、全ての温度ではるかに低いNOを生成する。
【0082】
【表10】
【0083】
表11は、試料2及び試料11に基づくフレッシュな性能に対するゼオライト(BEA)量の影響を示す。試料2については、10%のゼオライトを添加すると、NO変換率が劇的に増加する。しかしながら、ゼオライト量を10%と50%との間で変化させても、この効果に有意な差はないようである。試料11については、10%のゼオライトを添加すると、200℃及び250℃でのNO変換率は3倍を超える。NO変換率は、200℃でゼオライト量の増加と共に更に増加が、より高い温度では頭打ちとなる。NOは、200℃及び250℃で全てのゼオライト含有触媒上で検出されず、300℃及び400℃では、非常に少ないNOが検出された。
【0084】
【表11】
【0085】
表12は、試料2及び試料11に基づくエージングの性能に対するゼオライト(BEA)量の影響を示す。試料2については、10%~30%のゼオライトの添加は、ゼオライト効果に関してほとんど区別できない。50%のゼオライトを添加することは、200℃ではわずかな欠点を有するようである。試料11については、フレッシュな触媒とは異なり、10%のゼオライトを添加すると、(20%、30%、及び50%)と比較して、250℃でのNO変換率が最も高くなる。全てのゼオライト含有試料は、そのベース触媒(試料2又は試料11)と比較してより少ないNOを生成する。
【0086】
【表12】
【0087】
モノリス試料:
図1及び図2は、Nb/Cu系(8Nb/1Cu/CeO)被覆モノリス触媒のSCR性能に対するH-ゼオライト(H-CHA)のブレンドの効果を示す。触媒は、GHSV=80000h-1で、500ppmのNO、500ppmのNH、5%のHO、5%のCO、10%のO、及び残部Nを含有する供給物を用いて、実験室反応器においてフレッシュなまま試験された。
【0088】
モノリス試料2(H-CHA含有試料)は、モノリス試料1と比較して、はるかに高いNO変換率及びより低いNO形成を示す(図1)。この有益な効果は、より高い反応温度で特に顕著である。NO形成の明確な減少もある(図2)。
【0089】
図3及び図4は、フレッシュなモノリス試料3及びエージングしたモノリス試料4のSCR性能を示す。モノリス試料4(H-ベータ含有試料)は、試験した温度範囲全体にわたって、モノリス試料3と比較して、NO変換率においてより活性である(図3、実線)。モノリス試料4上のNO形成は低い(450℃で20ppm未満)が、モノリス試料3上では約90ppmである(図3、点線)。これら2つのエージングした触媒は、300℃未満の温度で同等のNO変換率を示すが、しかし300℃を超えるエージングしたモノリス試料4は、はるかに高いSCR活性を有する(図4、実線)。エージングしたモノリス試料4は、NO形成の低減において有意な利益を示し続ける(図4、点線)。
【0090】
実施形態
1.アンモニア又は尿素を用いてNOを含む排気ガスを処理するための触媒組成物であって、
金属酸化物ドーパントを含浸させて酸化物触媒を形成し、かつH-ゼオライトを含む、酸化物又は混合酸化物担体を含む、触媒組成物。
2.アンモニア又は尿素を用いてNOを含む排気ガスを処理するための触媒組成物であって、
金属酸化物ドーパントを含浸させて酸化物触媒を形成し、かつH-ゼオライトに変換され得るゼオライトを含む、酸化物又は混合酸化物担体を含む、触媒組成物。
3.H-ゼオライトと酸化物触媒とがブレンドされる、実施形態1に記載の触媒組成物。
4.H-ゼオライトに変換され得るゼオライトと酸化物触媒とがブレンドされる、実施形態2に記載の触媒組成物。
5.酸化物又は混合酸化物担体は、MnO/ZrO、WO/TiO、WO/Al、SiO/Al、Ce/Zr/La、Ce/Zr/La/Y、CeO、CeO/Al及びこれらの組み合わせから選択される、実施形態1~4のいずれか1つに記載の触媒組成物。
6.酸化物又は混合酸化物担体は、MnO/ZrOである、実施形態1~4のいずれか1つに記載の触媒組成物。
7.酸化物又は混合酸化物担体は、WO/TiOである、実施形態1~4のいずれか1つに記載の触媒組成物。
8.酸化物又は混合酸化物担体は、WO/Alである、実施形態1~4のいずれか1つに記載の触媒組成物。
9.酸化物又は混合酸化物担体は、SiO/Alである、実施形態1~4のいずれか1つに記載の触媒組成物。
10.酸化物又は混合酸化物担体は、Ce/Zr/Laである、実施形態1~4のいずれか1つに記載の触媒組成物。
11.酸化物又は混合酸化物担体は、Ce/Zr/La/Yである、実施形態1~4のいずれか1つに記載の触媒組成物。
12.酸化物又は混合酸化物担体は、CeOである、実施形態1~4のいずれか1つに記載の触媒組成物。
13.酸化物又は混合酸化物担体は、CeO/Alである、実施形態1~4のいずれか1つに記載の触媒組成物。
14.金属酸化物ドーパントは、MnO、CeO、Nb、CuO、及びこれらの組み合わせから選択される、実施形態1~13のいずれか1つに記載の触媒組成物。
15.金属酸化物ドーパントは、MnOである、実施形態1~13のいずれか1つに記載の触媒組成物。
16.金属酸化物ドーパントは、CeOである、実施形態1~13のいずれか1つに記載の触媒組成物。
17.金属酸化物ドーパントは、Nbである、実施形態1~13のいずれか1つに記載の触媒組成物。
18.金属酸化物ドーパントは、CuOである、実施形態1~13のいずれか1つに記載の触媒組成物。
19.H-ゼオライトは、BEA、FER、MOR、MFI、FAU、CHA、及びこれらの組み合わせを含む構造から選択される、実施形態1~18のいずれか1つに記載の触媒組成物。
20.H-ゼオライト構造は、BEAを含む、実施形態1~18のいずれか1つに記載の触媒組成物。
21.H-ゼオライト構造は、FERを含む、実施形態1~18のいずれか1つに記載の触媒組成物。
22.H-ゼオライト構造は、MORを含む、実施形態1~18のいずれか1つに記載の触媒組成物。
23.H-ゼオライト構造は、MFIを含む、実施形態1~18のいずれか1つに記載の触媒組成物。
24.H-ゼオライト構造は、FAUを含む、実施形態1~18のいずれか1つに記載の触媒組成物。
25.H-ゼオライト構造は、CHAを含む、実施形態1~18のいずれか1つに記載の触媒組成物。
26.H-ゼオライトは、酸化物触媒の約5重量%~約50重量%を構成する、実施形態1~25のいずれか1つに記載の触媒組成物。
27.H-ゼオライトは、酸化物触媒の約10重量%~約40重量%を構成する、実施形態1~25のいずれか1つに記載の触媒組成物。
28.H-ゼオライトは、酸化物触媒の約20重量%~約30重量%を構成する、実施形態1~25のいずれか1つに記載の触媒組成物。
29.H-ゼオライトは、酸化物触媒の約20重量%を構成する、実施形態1~25のいずれか1つに記載の触媒組成物。
30.金属ドーパントは、酸化物触媒の約1重量%~約20重量%を構成する、実施形態1~29のいずれか1つに記載の触媒組成物。
31.金属ドーパントは、酸化物触媒の約2重量%~約10重量%を構成する、実施形態1~29のいずれか1つに記載の触媒組成物。
32.金属ドーパントは、酸化物触媒の約5重量%を構成する、実施形態1~29のいずれか1つに記載の触媒組成物。
33.酸化物又は混合酸化物担体は、約20%のCeO/Alである、実施形態1~32のいずれか1つに記載の触媒組成物。
34.金属酸化物ドーパントは、約5%重量%のMnOである、実施形態1~32のいずれか1つに記載の触媒組成物。
35.H-ゼオライト構造は、約20重量%のBEAである、実施形態1~32のいずれか1つに記載の触媒組成物。
36.酸化物又は混合酸化物担体は、約18%のMnO/ZrOである、実施形態1~35のいずれか1つに記載の触媒組成物。
37.H-ゼオライト構造は、約20重量%のBEAである、実施形態1~35のいずれか1つに記載の触媒組成物。
38.組成物は、粉末である、実施形態1~36のいずれか1つに記載の触媒組成物。
39.組成物は、被覆モノリスである、実施形態1~36のいずれか1つに記載の触媒組成物。
40.触媒組成物を製造するプロセスであって、
(a)初期湿潤技術を用いて、酸化物又は混合酸化物担体上に1つ以上の酸化物ドーパントを含浸させて、酸化物触媒を形成することと、
(b)H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトを、スラリー状態の酸化物触媒と物理的にブレンドすることと、
(c)ブレンドを少なくとも約450℃の温度で約1時間か焼して、触媒組成物を得ることと、
を含むプロセス。
41.還元剤の存在下で、排気ガス流を実施形態1~39のいずれか1つに記載の触媒組成物と接触させることを含む、排気ガス中のNO形成を低減するプロセス。
42.プロセスの温度が約250℃以下である、実施形態41に記載のプロセス。
43.プロセスの温度が約200℃である、実施形態42に記載のプロセス。
44.ガス流のための複数のチャネルを有する基材と、その上に配置された実施形態1又は実施形態2に記載の触媒組成物と、を備える触媒物品。
45.NOを含む排気ガスを処理する方法であって、排気ガスを実施形態44に記載の触媒物品と、ある時間にわたって約200℃~約250℃以上の範囲の温度で接触させることを含む方法。
46.密結合位置に配置された高負荷用途で使用される、実施形態45に記載の方法。
47.約250℃での排気ガス中のNO変換率のレベルは、H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトがブレンドされていない触媒組成物よりも少なくとも約18%高い、実施形態46に記載の方法。
48.約250℃でのNOの形成は、H-ゼオライト、又はH-ゼオライトに変換され得るゼオライトがブレンドされていない触媒組成物よりも少なくとも約5倍低い、実施形態46に記載の方法。
49.排気ガス流を処理するための排出処理システムであって、
排気ガス流を生成するエンジンと、
排気ガス流と流体連通してエンジンの下流に配置された実施形態44に記載の触媒物品と、
を備える排出処理システム。
50.ディーゼル酸化触媒(DOC)、触媒化スートフィルタ(CSF)、スートフィルタ、アンモニア酸化(AMO)触媒、リーンNOトラップ(LNT)、及び窒素系還元剤インジェクタのうちの1つ以上を更に備える、実施形態49に記載の排出処理システム。
51.ディーゼル酸化触媒(DOC)を更に備える、実施形態49に記載の排出処理システム。
52.触媒化スートフィルタ(CSF)を更に備える、実施形態49に記載の排出処理システム。
53.スートフィルタを更に備える、実施形態49に記載の排出処理システム。
54.アンモニア酸化(AMO)触媒を更に備える、実施形態49に記載の排出処理システム。
55.リーンNOトラップ(LNT)を更に備える、実施形態49に記載の排出処理システム。
56.窒素系還元剤インジェクタを更に備える、実施形態49に記載の排出処理システム。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】