(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】ロボットアームを医療用エンドエフェクタに接続するためのコネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B25J 15/04 20060101AFI20241114BHJP
A61B 34/30 20160101ALI20241114BHJP
【FI】
B25J15/04 A
A61B34/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532750
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-07-24
(86)【国際出願番号】 US2022051349
(87)【国際公開番号】W WO2023102012
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508296440
【氏名又は名称】ニューヴェイジヴ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ユーバック,アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】ラブ,ジョン シー.
(72)【発明者】
【氏名】コード,カーラ リー
【テーマコード(参考)】
3C707
4C130
【Fターム(参考)】
3C707AS35
3C707GS05
4C130AA34
4C130DA04
(57)【要約】
ロボットアームを医療用エンドエフェクタに接続するためのコネクタアセンブリが開示される。ロボットアームを医療用エンドエフェクタに接続するための例示的な装置は、コネクタハウジングを含み得る。作動機構を、コネクタハウジング内に配設することができる。作動機構は、複数の連結部材と、連結部材に結合された歯車アセンブリと、を含むことができる。複数の連結部材の各々は、係止構成と係脱構成との間でシフトするように構成され得る。複数の連結部材の少なくとも1つは、端部領域を有する第1の連結部材を含むことができる。ローラ部材を、第1の連結部材の端部領域に隣接して配設することができる。アクチュエータを、作動機構に結合することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアームを医療用エンドエフェクタに接続するための装置であって、前記装置は、
コネクタハウジングと、
前記コネクタハウジング内に配設された作動機構であって、前記作動機構は、複数の連結部材と、前記連結部材に結合された歯車アセンブリと、を含み、
前記複数の連結部材の各々は、係止構成と係脱構成との間でシフトするように構成され、
前記複数の連結部材のうちの少なくとも1つは、端部領域を有する第1の連結部材を含み、
ローラ部材が、前記第1の連結部材の前記端部領域に隣接して配設される、作動機構と、
前記作動機構に結合されたアクチュエータであって、前記アクチュエータは、前記係止構成と前記係脱構成との間で前記複数の連結部材をシフトさせるように構成される、アクチュエータと、
前記コネクタハウジングに結合されたアダプタであって、前記アダプタは、複数の整列領域を含む、アダプタと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記アクチュエータは、ラックに結合されたボタンを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記歯車アセンブリは、前記ラックと係合するピニオンを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ピニオンは、駆動歯車に結合されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記駆動歯車は、1つ以上の歯車列回転歯車に結合されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記1つ以上の歯車列回転歯車は、歯車列の歯車付き領域に結合されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記歯車列に結合された歯車列係合部材を有するカムプレートを更に備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記歯車列係合部材は、前記カムプレートが前記歯車列に対して枢動することを可能にするように構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記歯車列係合部材は、丸みを帯びた表面を有する幾何学的端部領域を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記コネクタハウジングは、ロボットアームに結合されるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記アダプタは、エンドエフェクタアダプタに結合されるように構成されている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記エンドエフェクタアダプタは、医療用外科用エンドエフェクタに結合されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記エンドエフェクタアダプタは、前記アダプタの前記整列領域に係合するように構成された複数の整列部材を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記エンドエフェクタアダプタは、前記連結部材が前記係止構成にあるとき、前記複数の連結部材を収納するように構成された複数の連結受容領域を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記アダプタと前記エンドエフェクタアダプタとの間に配設された滅菌バリア部材を更に備える、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記コネクタハウジングに隣接して配設されたセンサを更に備える、請求項1~15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
ロボットアームを医療用エンドエフェクタに接続するための装置であって、前記装置は、
ロボットアームに結合されたコネクタハウジングと、
前記コネクタハウジングに結合されたアダプタであって、前記アダプタは、外科用エンドエフェクタに結合されたエンドエフェクタアダプタに係合するように構成されている、アダプタと、
前記コネクタハウジングに結合されたカム及び連結作動機構であって、前記カム及び連結作動機構は、複数の連結部材と、歯車列に枢動可能に結合されたカムプレートと、を含み、
前記複数の連結部材は、係止構成と係脱構成との間でシフトするように構成される、カム及び連結作動機構と、
前記カム及び連結作動機構に結合されたアクチュエータであって、前記アクチュエータは、前記係止構成と前記係脱構成との間で前記複数の連結部材をシフトさせるように構成される、アクチュエータと、
を備える、装置。
【請求項18】
方法であって、
ロボットアームに結合されたアダプタを、外科用エンドエフェクタに結合されたエンドエフェクタアダプタと係合させることであって、
コネクタハウジングが、前記アダプタに結合され、
カム及び連結作動機構が、前記コネクタハウジングに結合され、前記カム及び連結作動機構は、複数の連結部材と、歯車列に枢動可能に結合されたカムプレートと、を含み、
前記複数の連結部材は、係止構成と係脱構成との間でシフトするように構成され、
アクチュエータが、前記カム及び連結作動機構に結合される、ことと、
前記アクチュエータを作動させて、前記複数の連結部材を前記係脱構成から前記係止構成にシフトさせ、前記アダプタを前記エンドエフェクタアダプタに固着させることと、
を含む、方法。
【請求項19】
前記アダプタと前記エンドエフェクタアダプタとの間に、バリアアダプタのない滅菌バリアの領域を配設することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記アクチュエータを作動させることは、前記連結部材の各々を、前記エンドエフェクタアダプタの連結部材受容領域に係合させる、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記アクチュエータを作動させた後に、前記ロボットアーム、前記外科用エンドエフェクタ、又は両方を用いて脊椎固定処置を実施することを更に含む、請求項18~20のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年12月1日に出願された「CONNECTOR ASSEMBLIES FOR CONNECTING A ROBOTIC ARM WITH A MEDICAL END EFFECTOR」と題する米国特許出願第17/539,587号からの優先権の利益を主張し、その内容は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、外科用医療デバイスに関する。より具体的には、本開示は、ロボットアームを医療用エンドエフェクタと接続するためのコネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
多種多様な外科用医療デバイスが存在する。これらのデバイスの一部は、ロボットアーム、外科用エンドエフェクタなどを含む。既知の外科用医療デバイスの各々は、特定の利点及び欠点を有する。代替的な外科用医療デバイスを提供することが引き続き必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、医療デバイスのための設計、材料、製造方法、及び使用の代替案を提供する。ロボットアームを医療用エンドエフェクタに接続するための装置が開示される。装置は、コネクタハウジングと、コネクタハウジング内に配設された作動機構であって、作動機構は、複数の連結部材と、連結部材に結合された歯車アセンブリと、を含み、複数の連結部材の各々は、係止構成と係脱構成との間でシフトするように構成され、複数の連結部材のうちの少なくとも1つは、端部領域を有する第1の連結部材を含み、ローラ部材は、第1の連結部材の端部領域に隣接して配設される、作動機構と、作動機構に結合されたアクチュエータであって、アクチュエータは、係止構成と係脱構成との間で複数の連結部材をシフトさせるように構成される、アクチュエータと、コネクタハウジングに結合されたアダプタであって、アダプタは、複数の整列領域を含む、アダプタと、を備える。
【0005】
本明細書の実施形態のうちのいずれかの代替として、又はそれに加えて、アクチュエータは、ラックに結合されたボタンを含む。
【0006】
本明細書の実施形態のうちのいずれかの代替として、又はそれに加えて、歯車アセンブリは、ラックと係合されるピニオンを含む。
【0007】
本明細書の実施形態のうちのいずれかの代替として、又はそれに加えて、ピニオンは、駆動歯車に結合される。
【0008】
本明細書の実施形態のうちのいずれかの代替として、又はそれに加えて、駆動歯車は、1つ以上の歯車列回転歯車に結合される。
【0009】
本明細書の実施形態のうちのいずれかの代替として、又はそれに加えて、1つ以上の歯車列回転歯車は、歯車列の歯車付き領域に結合される。
【0010】
本明細書の実施形態のうちのいずれかの代替として、又はそれに加えて、歯車列に結合された歯車列係合部材を有するカムプレートを更に備える。
【0011】
本明細書の実施形態のうちのいずれかの代替として、又はそれに加えて、歯車列係合部材は、カムプレートが歯車列に対して枢動することを可能にするように構成される。
【0012】
本明細書の実施形態のうちのいずれかの代替として、又はそれに加えて、歯車列係合部材は、丸みを帯びた表面を有する幾何学的端部領域を含む。
【0013】
本明細書の実施形態のうちのいずれかの代替として、又はそれに加えて、コネクタハウジングは、ロボットアームに結合されるように構成される。
【0014】
本明細書の実施形態のうちのいずれかの代替として、又はそれに加えて、アダプタは、エンドエフェクタアダプタに結合されるように構成される。
【0015】
本明細書の実施形態のうちのいずれかの代替として、又はそれに加えて、エンドエフェクタアダプタは、医療用外科用エンドエフェクタに結合される。
【0016】
本明細書の実施形態のうちのいずれかの代替として、又はそれに加えて、エンドエフェクタアダプタは、アダプタの整列領域に係合するように構成される、複数の整列部材を含む。
【0017】
本明細書の実施形態のうちのいずれかの代替として、又はそれに加えて、エンドエフェクタアダプタは、連結部材が係止構成にあるとき、複数の連結部材を収納するように構成された複数の連結受容領域を含む。
【0018】
本明細書の実施形態のうちのいずれかの代替として、又はそれに加えて、アダプタとエンドエフェクタアダプタとの間に配設された滅菌バリア部材を更に備える。
【0019】
本明細書の実施形態のうちのいずれかの代替として、又はそれに加えて、コネクタハウジングに隣接して配設されたセンサを更に備える。
【0020】
ロボットアームを医療用エンドエフェクタに接続するための装置が開示される。装置は、ロボットアームに結合されたコネクタハウジングと、コネクタハウジングに結合されたアダプタであって、アダプタは、外科用エンドエフェクタに結合されたエンドエフェクタアダプタに係合するように構成されている、アダプタと、コネクタハウジングに結合されたカム及び連結作動機構であって、カム及び連結作動機構は、複数の連結部材と、歯車列に枢動可能に結合されたカムプレートと、を含み、複数の連結部材は、係止構成と係脱構成との間でシフトするように構成される、カム及び連結作動機構と、カム及び連結作動機構に結合されたアクチュエータであって、アクチュエータは、係止構成と係脱構成との間で複数の連結部材をシフトさせるように構成される、アクチュエータと、を備える。
【0021】
方法が開示される。方法は、ロボットアームに結合されたアダプタを、外科用エンドエフェクタに結合されたエンドエフェクタアダプタと係合させることであって、コネクタハウジングは、アダプタに結合され、カム及び連結作動機構は、コネクタハウジングに結合され、カム及び連結作動機構は、複数の連結部材と、歯車列に枢動可能に結合されたカムプレートと、を含み、複数の連結部材は、係止構成と係脱構成との間でシフトするように構成され、アクチュエータは、カム及び連結作動機構に結合される、ことと、アクチュエータを作動させて、複数の連結部材を係脱構成から係止構成にシフトさせ、アダプタをエンドエフェクタアダプタに固着させることと、を含む。
【0022】
本明細書の実施形態のうちのいずれかの代替として、又はそれに加えて、アダプタとエンドエフェクタアダプタとの間にバリアアダプタのない滅菌バリアの領域を配設することを更に含む。
【0023】
本明細書の実施形態のうちのいずれかの代替として、又はそれに加えて、アクチュエータを作動させることは、連結部材の各々をエンドエフェクタアダプタの連結部材受容領域に係合させる。
【0024】
本明細書の実施形態のうちのいずれかの代替として、又はそれに加えて、アクチュエータを作動させた後に、ロボットアーム、外科用エンドエフェクタ、又は両方を用いて脊椎固定処置を実施することを更に含む。
【0025】
いくつかの実施形態の上記の概要は、本開示の各開示された実施形態又は全ての実施態様を説明することを意図していない。以下の図面及び詳細な説明は、これらの実施形態をより具体的に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本開示は、添付の図面と関連する以下の詳細な説明の考慮において、より完全に理解され得る。
【
図1】例示的な外科用システムの一部の斜視図である。
【
図2】例示的なコネクタアセンブリの分解図である。
【
図3】例示的なコネクタアセンブリの一部の部分断面図である。
【
図4】例示的なコネクタアセンブリの一部の部分断面図である。
【
図5】例示的なコネクタアセンブリの一部の部分断面図である。
【
図6】例示的なコネクタアセンブリの一部の部分断面図である。
【
図7】例示的なコネクタアセンブリの一部の斜視図である。
【
図7A】例示的なコネクタアセンブリの一部の斜視図である。
【
図8】例示的なコネクタアセンブリの一部の部分断面図である。
【
図10】第2の構成における例示的な連結部を示す。
【
図11】例示的なコネクタアセンブリの一部の斜視図である。
【0027】
本開示は、様々な修正形態及び代替形態を受け入れることができるが、それらの詳細は、例として図面に示されており、詳細に説明されることになる。しかしながら、その意図は、説明される特定の実施形態に本発明を限定することではないことを理解されたい。逆に、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内に収まる全ての修正物、均等物、及び代替物を包含するものである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
脊椎手術などの複数の医療処置は、ロボットアームによって操作され得るロボット構造及び/又はツールを利用している。そのようなロボット構造は、ツール(例えば、所与の介入に好適なツール)がロボットアームに取り付けられることを可能にするコネクタを伴うロボットアームを含むことができる。医療処置は、ロボットアームと併せて複数の異なるツールを利用する必要があり得ることが理解されよう。それには、処置中の異なる時間に種々のツールを交換することが必要となる場合がある。本明細書に開示されるのは、種々のロボット構造とともに使用することができるコネクタ(例えば、コネクタアセンブリ)である。そのようなコネクタは、ツールの比較的迅速かつ効率的な接続/切断を可能にし、かつ/又は本明細書に開示されるような他の利点を提供することができる。
【0029】
図1は、例示的な外科用システム10の一部の斜視図である。システム10は、ロボットアーム12と、外科用ツール及び/又は医療用エンドエフェクタ14と、コネクタアセンブリ16と、を含み得る。いくつかの例では、滅菌バリア17(例えば、概略的に示される)を、ロボットアーム12と医療用エンドエフェクタ14との間に配設することができる。この図では、ロボットアーム12の一部のみ(例えば、ロボットアレイ)が示されている。ロボットアーム12及び/又はロボットアームと関連付けられた構造の種々の異なる形態及び配置が、外科用システム10と併用するために企図されていることを理解されたい。同様に、この図では、医療用エンドエフェクタ14は、外科用ツールホルダ又はガイドとして示されている。再び、医療用エンドエフェクタ14の種々の異なる形態及び配置が、外科用システム10との使用のために企図されている。「医療用エンドエフェクタ」という用語は、概して、ツールホルダ、エンドエフェクタ、器具、ツール(例えば、ドリル、スクリュードライバなど)、それらの組み合わせなどを含む、複数の構成要素のうちのいずれか1つを指すために使用され得ることを理解されたい。概して、コネクタアセンブリ16は、ロボットアーム12が医療用エンドエフェクタ14に確実かつ効率的に接続されることを可能にするように設計される。更に、コネクタアセンブリ16は、例えば、異なる医療用エンドエフェクタ14のために医療用エンドエフェクタ14をスワップアウトすることが所望されている場合、医療用エンドエフェクタ14がロボットアーム12から容易かつ効率的に切断され得るように設計される。(特に、ドレープを安全に挟みながら)容易かつ確実な接続を同時に達成することは、困難であり得る。本明細書で説明する例は、これらの課題のうちの1つ以上に対処することができる。
【0030】
図2は、コネクタアセンブリ16の分解図である。ここで、コネクタアセンブリは、コネクタハウジング18と、コネクタハウジング18に結合されたアダプタ又はコネクタアダプタ20と、エンドエフェクタアダプタ22(例えば、医療用エンドエフェクタ14に固着され得る)と、作動機構24と、を含むことが分かる。いくつかの例では、コネクタアダプタ20は、クイック接続基準リングと称されることもある。これらのうちの一部及び他の例では、エンドエフェクタアダプタ22は、器具又はツールガイド基準リングと称されることがある。いくつかの例では、ハンドル26がコネクタハウジング18に結合されてもよい。
【0031】
コネクタアダプタ20は、1つ以上の整列領域21を含むことができる。いくつかの例では、エンドエフェクタアダプタ22は、1つ以上の整列部材23を含むことができる。概して、整列領域21及び整列部材23は、コネクタアダプタ20をエンドエフェクタアダプタ22と整列させるのに役立ち得る。より具体的には、整列領域21の形状は、エンドエフェクタアダプタ22の整列部材23に対応することができ、及び/又は整列部材23と嵌合するように構成することができる。この例では、1つ以上の整列領域21は、切欠き又は溝の形態をとることができ、整列部材23は、切欠きに対応する突起の形態をとることができる。いくつかの例では、整列領域21及び整列部材23は、全ての自由度でアセンブリを拘束する運動学的拘束部として機能することができ、エンドエフェクタアダプタ22を取り外して(例えば、コネクタアダプタ20から取り外して)、比較的厳密な球面精度(例えば、約0.2mm以下、又は約0.05mm以下、又は約0.02mm以下の範囲内)で交換することを可能にする。換言すれば、整列領域21及び整列部材23は、コネクタアダプタ20とエンドエフェクタアダプタ22との間の運動学的結合を高い位置再現性で形成するのに役立てることができ、一方で、全ての自由度における結合を拘束する。整列領域21及び整列部材23の形状は、整列されていないときに、領域21及び部材23が継続的な力によって(例えば、1つ以上の傾斜、曲線、又は他の形状のために)適切な整列へと導かれるような形状であり得る。
【0032】
更に、配向が所望のレベルの精度で制御され得ることを考慮すると、追加の配向特徴(例えば、滅菌バリアアダプタを整列させるためのものなど)は必要とされない。実際、コネクタアダプタ20及びエンドエフェクタアダプタ22の配向を制御することで、アダプタを必要とせずに、好適な構成要素の上に滅菌バリア又はドレープを掛けることができる。これにより、滅菌性の維持に役立ち得るとともに、特定の配向特徴を有する特定の滅菌バリアアダプタの必要性がなくなり、コネクタアダプタ20とエンドエフェクタアダプタ22とを接続/切断するプロセスを単純化することができる。例示の目的のために、滅菌バリア17は、コネクタアダプタ20とエンドエフェクタアダプタ22との間に配設されるように概略的に示されている。これは、使用中に滅菌バリア17を配設するための適切な位置を表すことができる。
【0033】
コネクタアセンブリ16を作動させる機構が
図3~
図8に示されている。これらの図では、コネクタアセンブリ16の種々の構成要素をより容易に見ることができるように、コネクタアセンブリ16の一部を除去することができる。
【0034】
コネクタアセンブリ16の部分断面図である
図3では、作動機構24がアクチュエータ28を含み得ることが分かる。この例では、アクチュエータ28は、押し下げ可能なボタンの形態をとる。プルボタン、レバー、ノブ、ツイスト、スライダなどの他のアクチュエータが企図されている。ばね30がボタン28に結合されてもよい。空気圧部材、油圧部材、モータ、それらの組み合わせなどの他のエネルギー源が、ばね30の代わりに、又はそれに加えて利用されてもよい。ばね30は、ボタン28に力を及ぼし、本質的にボタン28を「押圧されていない」位置に向かって付勢することができる。換言すれば、ボタン28が押圧されると、ボタン28は、ばね30に圧縮力を及ぼす。ボタン28が解放されると、ばね30は、(例えば、圧縮された構成から弛緩した拡張された構成へのばねシフトを介して)ボタン28に力を戻し、ボタン28を元の「押圧されていない」位置に戻す。
【0035】
ボタン28は、側壁又はハウジング32を含むことができる。(例えば、
図4に示すように)ボタン28及びハウジング32が取り外されると、作動機構24は、ボタン28に結合されたラック36を含むことが分かる。少なくともいくつかの例では、ボタン28を移動及び/又は押圧することにより、ラック36をシフト/移動させる。ラック36は、ピニオン38と係合することができる。
図3に示すように、コネクタハウジング18は、上部プレート34を含むことができる。上部プレート34が取り外されると(例えば、
図5に示すように)、ピニオン38が歯車ボックス40に結合され、かつ/又は別様で歯車ボックス40の構成要素に結合されることが分かる。ここでは、ピニオン38が、歯車ボックス40内の駆動歯車44まで延在するシャフト42に結合されていることが分かる。駆動歯車44は、複数の歯車列回転歯車46と係合する。歯車列回転歯車46は、歯車ボックスリング又は歯車列リング50の歯付き又は歯車付き領域48と係合する。
【0036】
図3~
図5に集合的に示すように、ボタン28を作動/押圧することにより、ラック36がシフト/移動する。ラック36はピニオン38と係合することができるため、ラック36の移動によりピニオン38が回転する。ピニオン38の回転は、駆動歯車44を回転させ、次に、歯車列回転歯車46を回転させる。歯車列リング50の歯車付き領域48は、歯車列回転歯車46と係合されるため、歯車列回転歯車46の回転は、歯車列リング50を回転させる。
【0037】
次に
図6を参照すると、歯車列リング50がカム部材又はプレート52に結合されていることが分かる。より具体的には、カム部材52は、歯車列リング50に向かって延在し、それに固着する、カムシャフト54を含むことができる。カム部材52は
図7に示されている。ここで、カム部材52が複数の切欠き62を含むことができることが分かる。切欠き62は、カム部材52に沿って半径方向内方に湾曲した弧状端部領域63を備えた、湾曲した又は弧状の形状を有することができる。いくつかの例では、切欠き62は、ブーメラン形状を有するものとして説明することができる。カムシャフト54は、ヘッド又は歯車列係合部材64を有することができる。歯車列係合部材64は、丸みを帯びた表面を有する幾何学的端部領域を有することができる。複数の理由から、歯車列係合部材64の形状が望ましい場合がある。例えば、幾何学的形状(例えば、この例では、歯車列係合部材64は、六角形形状を有する)は、歯車列リング50から歯車列係合部材64への運動の効率的伝達をもたらす精密な方法で、歯車列係合部材64が歯車列リング50(例えば、
図7Aに示すように、歯車列リング50上に配設されるソケット65)に係合することを可能にする。言い換えると、歯車列係合部材64の形状は、歯車列リング50の回転が歯車列係合部材64に効率的に伝達されるように、歯車列リング50に確実に係合することができる。加えて、歯車列係合部材64の丸みを帯びた形状は、カム部材52が、依然として接続を維持しながら、歯車列リング50に対して枢動することを可能にする。したがって、コネクタアダプタ20がエンドエフェクタアダプタ22と係合させられる間にカム部材52がいくらかの枢動を受けたとしても、依然として、歯車列リング50とカム部材52との間での回転運動の効率的な伝達を達成することができる。
【0038】
図6に戻って参照すると、複数の連結部56は、カム部材52に結合することができる。連結部56の各々は、例えばその端部領域に隣接して配設されたローラ58を含むことができる。複数の二次ローラ60がカム部材52に結合されてもよい。ローラ58及び/又は二次ローラ60は、(例えば、以下でより詳細に説明するように)機械的効率を高め、摩擦を低減し、かつ/又は別様で連結部56とエンドエフェクタアダプタ22との係合を容易にするのに役立つことができる。加えて、ローラ58及び/又は二次ローラ60は、コネクタアダプタ20をエンドエフェクタアダプタ22と係合させるとき、及び/又は連結部56を作動させるとき、(例えば、
図1~
図2に示すような)滅菌バリア17への損傷を低減させることに役立つことができる。例えば、摩擦又は鋭い縁部により、連結部56が滅菌バリアを引き裂いたり、又は別様で望ましくない形で破損したりする危険性があり得る。他の実装形態では、連結部56に減摩コーティング又は表面処理を施すなど、他の減摩又は引裂き防止設計を使用することができる。
【0039】
いくつかの例では、
図8に示すように、センサ68をカム部材52に結合することができる。いくつかの例では、センサは、磁場センサ(例えば、ホール効果センサ)の形態をとり得る。コネクタアセンブリ16に沿ったセンサ68及び/又は他のセンサは、コネクタアダプタ20がエンドエフェクタアダプタ22に固着されるとき、ツールが医療用エンドエフェクタ14に挿入されるとき(例えば、ツールがツールホルダに挿入されるとき)、連結部56の状態/位置、それらの組み合わせなどの複数の事象を感知するように構成することができる。
【0040】
図8から分かるように、シャフト66は、カム部材52の切欠き62内に(例えば、それを通って)延在する連結部56の各々に結合される。シャフト66は、カム部材52が回転すると、切欠き62内を移動するように構成されている。次に、これは、カム部材52が回転されるとき、連結部56を外側に(例えば、
図9に示すように)又は内側に(例えば、
図10に示すように)シフトさせる。切欠き62の形状によって、シフトを容易にすることができる。例えば、シャフト66が、(例えば、
図9に示すように)切欠き62の弧状端部領域63から離間した位置に配設されているとき、連結部56は、第1の位置又は係止位置にあると説明することができる。カム部材52が回転すると、シャフト66は、(例えば、
図10に示すように)切欠き62の弧状端部領域63にシフトし、第2の又は係脱位置にあると説明することができる。概して、連結部56が係止位置にあるとき、連結部56は、エンドエフェクタアダプタ22に係合し、本明細書でより詳細に説明されるように、コネクタアダプタをエンドエフェクタアダプタ22に固着させる。位置間の連結部56のシフトは、カム部材52を回転させることによって達成することができる。カム部材52は、カムシャフト54の歯車列係合部材64を介して歯車列リング50に結合されているため、歯車列リング50の回転は、カム部材52の回転を引き起こし、したがって、連結部56を係止位置と係脱位置との間でシフトさせる。
【0041】
いくつかの例では、ボタン28が「押圧されていない」位置にあるとき、連結部56は係止位置にあってもよい。本明細書中に記載されるように、ボタン28を押圧することは、歯車列リング50を回転させ、これは、カム部材52を回転させ、これにより、シャフト66は、カム部材52における切欠き62の弧状端部領域に向かって推進する。これにより、連結部56が係脱位置にシフトする。連結部56が係脱位置にあるとき、医療用エンドエフェクタ14は、ロボットアーム12に向かって又はロボットアーム12から離れるように移動することができる。医療用エンドエフェクタ14をロボットアーム12に固定することが所望される場合、エンドエフェクタアダプタ22は、コネクタアダプタ20と係合させられることができ(例えば、ボタンが押圧されている間)、適切に係合されると、ボタンは、解放され、連結部56を係止構成にシフトさせ、それによって、医療用エンドエフェクタ14をロボットアーム12に固着させることができる。他の例では、連結部56は、ボタン28が押圧位置又は「押圧された」位置にあるときに係止位置にあってもよい。
【0042】
図11は、エンドエフェクタアダプタ22を示す。ここでは、整列部材23が見られる。いくつかの例では、整列部材23は、ドーム状又は丸みを帯びた上部及び/又は側面を有してもよい。整列部材23は、エンドエフェクタアダプタ22の周りに等間隔又は不等間隔で配置することができる。いくつかの例では、エンドエフェクタアダプタ22は、位置決め突起72を含むことができる。整列部材23及び位置決め突起72は、コネクタアダプタ20の対応する領域(例えば、整列領域21)と係合するか又は別様で嵌合することができる。また、
図11に見られるように、エンドエフェクタアダプタ22は、複数のソケット74を含むことができる。ソケット74は、連結部56が係止構成にあるときに連結部56と係合してこれを固着させるように構成されている。
【0043】
2021年8月12日に出願された米国特許出願第17/400,888号は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0044】
以下に定義される用語については、特許請求の範囲又は本明細書の他の箇所において異なる定義が与えられない限り、これらの定義が適用されるものとする。
【0045】
全ての数値は、本明細書において、明示的に示されているか否かにかかわらず、「約」という用語によって修飾されると想定される。「約」という用語は、概して、当業者が列挙された値と等しい(例えば、同じ機能又は結果を有する)と考えるであろう数の範囲を指す。多くの場合、「約」という用語は、最も近い有効数字に丸められる数を含み得る。
【0046】
端点による数値範囲の列挙は、その範囲内の全ての数を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)。
【0047】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容が明らかに他のことを示さない限り、複数の指示対象を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、「又は」という用語は、概して、内容が明らかに別のことを指示しない限り、「及び/又は」を含む意味で使用される。
【0048】
本明細書における「実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」などへの言及は、説明される実施形態が1つ以上の特定の特徴、構造、及び/又は特性を含み得ることを示すことに留意されたい。しかしながら、そのような列挙は、全ての実施形態が特定の特徴、構造、及び/又は特性を含むことを必ずしも意味しない。加えて、特定の特徴、構造、及び/又は特性が一実施形態と関連して説明されるとき、そのような特徴、構造、及び/又は特性はまた、明確に反対に述べられない限り、明示的に説明されるか否かにかかわらず、他の実施形態と関連しても使用され得ることを理解されたい。
【0049】
詳細な説明は、図面を参照して読まれるべきであり、異なる図面の同様の要素は、同様の番号を有する。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、例示的な実施形態を図示し、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0050】
本開示は、多くの点で例示的なものにすぎないことを理解されたい。本開示の範囲を超えることなく、詳細に、特に形状、サイズ、及びステップの配置に関して変更が行われ得る。これは、適切な範囲で、他の実施形態で使用される1つの例示的な実施形態の特徴のいずれかの使用を含み得る。本発明の範囲は、当然ながら、添付の特許請求の範囲が表現される文面で定義される。
【国際調査報告】