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特表2024-543578機械工具と電力供給装置とを有するシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】機械工具と電力供給装置とを有するシステム
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/00 20060101AFI20241114BHJP
   B25F 5/02 20060101ALI20241114BHJP
   H01R 13/631 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
B25F5/00 H
B25F5/02
H01R13/631
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532804
(86)(22)【出願日】2022-11-15
(85)【翻訳文提出日】2024-06-19
(86)【国際出願番号】 EP2022081928
(87)【国際公開番号】W WO2023099202
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】21211570.3
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Hilti Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Feldkircherstrasse 100, 9494 Schaan, Liechtenstein
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マークス ハートマン
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ マイクスナー
(72)【発明者】
【氏名】ローベアト シュタンガー
(72)【発明者】
【氏名】マークス ホルバーシュ
【テーマコード(参考)】
3C064
5E021
【Fターム(参考)】
3C064AA01
3C064AA03
3C064AA06
3C064AA08
3C064AC02
3C064BA03
3C064BA15
3C064BB13
3C064CA62
3C064DA03
5E021FA03
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB21
5E021FC07
(57)【要約】
本発明は、機械工具と電力供給装置とを含むシステムであって、電力供給装置は、機械工具に電力を供給するために提供される、システムに関する。電力供給装置は、インターフェースによって機械工具に着脱可能に接続され得、インターフェースは、少なくとも1つの雌型接触相手部及び1つの雄型接触相手部を含む。インターフェースは、雄型接触相手部と雌型接触相手部との間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段を有し、接触相手部間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段は、少なくとも1つの雄型接触相手部及び/又は少なくとも1つの雌型接触相手部と係合するように設計される。電力供給装置は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルを含み、少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルは、10ミリオーム未満の内部抵抗DCR_Iを有する。本発明は、インターフェースを介して電力供給装置を機械工具に接続する方法及びインターフェース自体にも関する。本発明は、提案されるシステムで使用するための電力供給装置にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動工具(10)と、前記電動工具(10)に電気エネルギーを供給するためのエネルギー供給装置(20)とを含むシステム(100)であって、前記エネルギー供給装置(20)は、インターフェース(30)を介して前記電動工具(10)に着脱可能に接続され得、前記インターフェース(30)は、少なくとも雌型接触相手部(40)及び雄型接触相手部(50)を含む、システム(100)において、前記インターフェース(30)は、前記接触相手部(40、50)間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段(60)を含み、前記接触相手部(40、50)間の前記相対運動を低減するための前記弾性手段(60)は、前記少なくとも1つの雄型接触相手部(50)及び/又は前記少なくとも1つの雌型接触相手部(40)に作用するように設計され、前記エネルギー供給装置(20)は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルを有し、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルは、10ミリオーム未満の内部抵抗DCR_Iを有することを特徴とするシステム(100)。
【請求項2】
前記相対運動を低減するための前記弾性手段(60)が作用する前記接触相手部(40又は50)は、移動可能に取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの雄型接触相手部(50)は、前記電動工具(10)に配置されること、及び/又は前記少なくとも1つの雌型接触相手部(40)は、前記エネルギー供給装置(20)に配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記相対運動を低減するための前記少なくとも1つの弾性手段(60)は、少なくとも1つの弾性要素(62)を含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項5】
雄型接触相手部(50)及び雌型接触相手部(40)は、それぞれの場合において、接続状態で前記エネルギー供給装置(20)の移動及び/又は前記電動工具(10)の移動から切り離されるユニット(70)を形成することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記インターフェース(30)は、少なくとも1つの弾性電流導体(26)を有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記インターフェース(30)は、前記電動工具(10)と前記エネルギー供給装置(20)との間でデータを交換するための通信要素(90)を含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記通信要素(90)は、通信リンクを形成し、前記通信リンクは、有線式又は無線式であることを特徴とする、請求項7に記載のシステム(100)。
【請求項9】
前記通信要素(90)は、通信受入装置に配置され、前記通信要素(90)及び/又は前記通信受入装置は、弾性手段(60)を含むことを特徴とする、請求項7又は8に記載のシステム(100)。
【請求項10】
前記インターフェース(30)は、少なくとも1つの雌型接触相手部(40)及び/又は少なくとも1つの雄型接触相手部(50)を受け入れるための受入装置(80)を含むことを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項11】
少なくとも1つの通信要素(90)は、前記受入装置(80)内に一体化されることを特徴とする、請求項10に記載のシステム(100)。
【請求項12】
前記相対運動を低減するための前記少なくとも1つの弾性手段(60)は、前記受入装置(80)に割り当てられること、又は前記相対運動を低減するための前記少なくとも1つの弾性手段(60)は、雌型接触相手部(40)及び雄型接触相手部(50)のそれぞれの接触ペアに割り当てられることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載のシステムで使用するためのエネルギー供給装置(20)において、少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルを含み、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルの表面積Aに対する前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルの抵抗の比は、0.2ミリオーム/cm未満、好ましくは0.1ミリオーム/cm未満、最も好ましくは0.05ミリオーム/cm未満であることを特徴とするエネルギー供給装置(20)。
【請求項14】
請求項1~12のいずれか一項に記載のシステムで使用するためのエネルギー供給装置(20)において、少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルを有し、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルは、表面積A及び体積Vを有し、前記表面積対前記体積の比A/Vは、前記体積の立方根の逆数の6倍、好ましくは8倍、特に好ましくは10倍より大きいことを特徴とするエネルギー供給装置(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動工具とエネルギー供給装置とを含むシステムであって、エネルギー供給装置は、電動工具に電気エネルギーを供給するために提供される、システムに関する。エネルギー供給装置は、インターフェースを介して電動工具に着脱可能に接続され得、インターフェースは、少なくとも雌型接触相手部及び雄型接触相手部を含む。インターフェースは、雄型接触相手部と雌型接触相手部との間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段を含み、接触相手部間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段は、少なくとも1つの雄型接触相手部及び/又は少なくとも1つの雌型接触相手部に作用するように設計される。エネルギー供給装置は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルを含み、少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルは、10ミリオーム未満の内部抵抗DCR_Iを有する。インターフェースを介してエネルギー供給装置を電動工具に接続する方法及びインターフェース自体がさらに開示される。第2の態様では、本発明は、提案されるシステムで使用するためのエネルギー供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるコードレス電動工具、例えば蓄電池型電動スクリュドライバ、ドリル、鋸、グラインダ等は、エネルギー供給目的のためにエネルギー供給装置に接続され得る。エネルギー供給装置は、例えば、蓄電池として構成され得るか又はそれを含み得る。蓄電池は、通常、蓄電池セルとしても公知の複数のエネルギー貯蔵セルを有し、これらにより電気エネルギーを受け取り、貯蔵し、再び放出し得る。蓄電池を電動工具に接続した場合、エネルギー貯蔵セルに貯蔵された電気エネルギーは、電動工具の消費部(例えば、ブラシレス電気モータ)に供給され得る。充電目的のため、すなわちエネルギー貯蔵セルに電気エネルギーを印加するため、蓄電池は、充電器などの充電装置に接続され、それにより電気エネルギーがエネルギー貯蔵セルに入り得る。
【0003】
電池作動式の電動工具を使用する場合又はそれを用いて作業する場合、電動工具及び電動工具に接続されたエネルギー供給装置に大きい振動及び衝撃が発生し得る。これは、特に電動工具が解体工具、例えばチッピングハンマー又は解体ハンマーである場合に当てはまる。電動工具の使用中の振動及び衝撃は、電動工具及びエネルギー供給装置の事実上すべての構成要素及びアセンブリに特定の量の負担をかける。この負担は、最終的にそれぞれの構成要素の損傷又は電動工具全体の故障につながり得る。
【0004】
ほとんどの場合、エネルギー供給装置及び電動工具は、例えば、ロック機構又は戻り止め機構などの形状嵌め接続を介して互いに接続される。このような形状嵌め接続は、一般に、遊びに直面し、この遊びにより、エネルギー供給装置と電動工具との間の望ましくない相対運動が許容される。特に、これらの相対運動が、形状嵌め接続及び/又は摩擦係合接続を形成するエネルギー供給装置及び電動工具の接触相手部に伝達されると、より大きいレベルの摩耗が生じ得、これは、エネルギー供給装置と電動工具との間のインターフェースの耐用年数を著しく短くし得る。
【0005】
電動工具とエネルギー供給装置との間のインターフェースは、特定の技術的課題を構成する。インターフェースでは、電動工具の電気接点及びエネルギー供給装置の電気接点(「接触相手部」)は、エネルギー貯蔵セルに貯蔵される電気エネルギーが蓄電池から電動工具に伝送され得るように互いに接続される。
【0006】
電動工具及び電動工具に接続されたエネルギー供給装置における振動及び衝撃は、相対運動及びさらに接触の実際の中断をもたらし得る。接点の磨耗又は早期劣化につながるため、相対運動は、回避されなければならない。接触の中断は、接点での望ましくない火花放電又はさらにアーク放電につながり得る。さらに、電気接点間の接触領域又はインターフェースの領域の温度は、望ましくない程度まで上昇し得る。
【0007】
例えば、欧州特許出願公開第3395505A1号明細書は、電動工具に電気エネルギーを供給し得る蓄電池のオフセット接点を開示している。欧州特許出願公開第3392974A1号明細書は、蓄電池の電力接点のばね取り付けを記載している。独国特許出願公開第102012209925A1号明細書は、電池パックを介して電気エネルギーを供給し得る手持ち式電動工具を開示している。この手持ち式電動工具は、電気接点を保持するための接点ホルダを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、上述した先行技術の欠点及び短所を克服すること並びにインターフェースの電力密度を向上させ、その耐用年数を延ばすことができる、インターフェースと、電動工具及びエネルギー供給装置からなるシステムと、エネルギー供給装置を電動工具に接続する方法とを提供することである。特に、当業者は、エネルギー供給装置から電動工具に従来よりも大量の電流を伝達することができるインターフェースを見出すことを望むであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、独立請求項の主題によって達成される。独立請求項の主題に関連する有利な実施形態は、従属請求項に記載され得る。
【0010】
本発明によれば、電動工具とエネルギー供給装置とを含むシステムであって、エネルギー供給装置は、電動工具に電気エネルギーを供給するように構成される、システムが提供される。エネルギー供給装置は、インターフェースを介して電動工具に着脱可能に接続され得、インターフェースは、少なくとも雌型接触相手部及び雄型接触相手部を含む。インターフェースは、雄型接触相手部と雌型接触相手部との間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段を含み、接触相手部間の相対運動を低減するための弾性手段は、少なくとも1つの雄型接触相手部及び/又は少なくとも1つの雌型接触相手部に作用するように設計される。エネルギー供給装置は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルを含み、少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルは、10ミリオーム未満の内部抵抗DCR_Iを有する。接触相手部間の相対運動を低減するための弾性手段は、関係する接触相手部の一方に係合することができる。換言すると、接触相手部間の相対運動を低減するための弾性手段は、少なくとも1つの雄型接触相手部又は少なくとも1つの雌型接触相手部に係合することができ、接触相手部は、電動工具とエネルギー供給装置との間の形状嵌め接続及び/又は摩擦係合接続を形成する。さらに換言すると、弾性手段は、接触相手部の一方、すなわち雄型接触相手部又は雌型接触相手部のいずれかと係合して、電動工具とエネルギー供給装置との間に解放可能な接続を形成することができる。本発明の重要な利点は、特に大きい電流を形状嵌め及び/又は締まり嵌め接続によって伝達できること及び驚くべきことに、接触相手部間の相対距離を、最小まで完全に低減されないとしても特に短く保持できることである。このようにして、有利に、電動工具とエネルギー供給装置との間のインターフェースの耐用年数を大幅に延ばすことができる。本発明と関連して、インターフェースの雌型及び雄型接触相手部は、好ましくは、インターフェースの「電力接点」として記載することもできる。
【0011】
相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段を提供することにより、蓄電池と電動工具との間の接触接続の相対運動及び実際の破損を結果として生じ得る、接触相手部に作用する振動及び衝撃を簡単に補正することが可能である。
【0012】
本発明により、特に、相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段を設けることにより、インターフェースの雄型及び雌型接触相手部間の相対距離を実質的に減少させることができ、それにより接触相手部間の機械的な摩擦損失及び電流伝導損失をかなりの程度まで減少させることができる。特に、本発明は、インターフェースの雄型及び雌型接触相手部間の相対距離を、例えば、0.3mm未満、好ましくは0.1mm未満、特に好ましくは0.05mm未満に減少させることができる。
【0013】
インターフェースの接触相手部の相対運動の低減又は相対距離の短縮は、幾つかの有利な効果を有する。第1の効果は、電動工具とエネルギー供給装置との間の形状嵌め及び/又は摩擦係合接続を形成する接触相手部間の相対運動又は相対距離に関する。これらの相対運動又は相対距離は、インターフェースの接触抵抗を望ましくなく増加させ得、この増加は、インターフェースの摩耗状態とは最初に無関係である。本発明と関連して、これは、好ましくは、システム構成要素間のインターフェースでインターフェースの接触相手部の望ましくない相対運動が生じた場合、電動工具及びエネルギー供給装置から構成されたシステムの新しい状態でも接触抵抗の増大が生じ得ることを意味する。さらに、接触相手部間の相対運動は、摩耗及び最終的には酸化につながる可能性があるため、インターフェースの接触抵抗は不都合なことにさらに増加する可能性がある。特に、接触相手部の貴金属層の摩耗が起こり、これは最終的に大気中の酸素を含む大気酸化及び/又はフレッチング摩耗につながる可能性がある。本発明が接触相手部間の相対運動、したがって接触抵抗を大幅に低減するという事実により、本発明は、提案されたインターフェースを使用して、特に大きい電流をエネルギー供給装置から電動工具に伝達できることを達成するのに大きく貢献する。さらに、本発明は、接触相手部の望ましくない摩耗を減少させ、したがって同様にインターフェースの耐用年数を延ばすことに価値ある貢献をする。
【0014】
内部抵抗が10ミリオーム未満の電池セルを有するエネルギー供給装置を有するシステムは、供給される電動工具に特に大きい電流を提供し得ることが見出されている。ばね取り付けされた接点の提供は、例えば、建設現場などの実際の使用条件下でこれらの電流を長期間にわたって伝達できる能力に決定的に寄与する。有利には、提案されたエネルギー供給装置は、特に強力な電動工具を壁の交流電源に接続することなく電池駆動式工具として作動させることができる。このような特に強力な電動工具は、例えば、チゼルハンマー又はいわゆるコンビハンマーであり、これらは、使用者及び装置の構成要素を強い振動にさらすことが多い。提案されたエネルギー供給装置と組み合わせてばね取り付け接点を提供することにより、このような特に強力な電動工具でさえも安全且つ安定的に電気エネルギーを供給しながら電池駆動式工具として作動させることができる。
【0015】
さらに、内部抵抗が10ミリオーム未満の電池セルを有するエネルギー供給装置の耐用年数は、驚くほど長い。これは、同等の負荷がかかった場合のエネルギー供給装置の低い加熱のためである。複数のばね取り付け接点が提供されるため、インターフェースの雌型接触相手部と雄型接触相手部との間の相対運動が低減され、それにより通常発生する摩耗を大幅に減らすことができる。したがって、本発明による強力な電池及びばね取り付け接点の組み合わせは、電動工具及びエネルギー供給装置からなる特に耐久性のある強力なシステムを提供することができる。
【0016】
耐久性のある堅牢なインターフェースを提供することにより、本発明による強力なエネルギー供給装置の耐用年数の延長も考慮される。本発明は、驚くほど長い耐用年数にわたって大電流を伝達できるプラグイン接点を提供する。本発明と関連して、「長い耐用年数」という表現は、好ましくは、プラグイン接点が多数の差込みサイクルにわたって互いに接続されるのによく適していることを意味する。エネルギー供給装置及び電動工具は、好ましくは、エネルギー供給装置が「空」になり、充電又は新しいエネルギー供給装置との交換が必要になるたびに分離され、再度接合される。有利には、インターフェース又はその接触相手部は抵抗値が低い。これは、インターフェースの接触相手部間の相対運動が低減されることによって支持され、これは、有利には、接触相手部のばね取り付けによって可能になる。試験により、提案された接触システムに適合するばね力は、インターフェースの接触相手部の摩耗又は摩滅を著しく減少させ得ることが示されている。
【0017】
本発明者らは、電流経路のある地点で特定の臨界構成要素温度を超えると、電池システムが損傷し得ることを認識している。本発明と関連して、電流経路は、好ましくは、少なくとも1つの電池セルと電動工具のモータとの間の電気的接続に対応する。本発明と関連して、電流経路は、ばね取り付け接触システムを介して電動工具の電子機器につながり、モータにつながることが好ましい。短時間で、高い過剰温度は即座に損傷につながり得るが、わずかな過剰温度でも電動工具の電池システムの時間依存疲労につながり得る。
【0018】
温度上昇は、例えば、大電流及び/又は抵抗の結果として起こり得る。このような温度上昇は、電池セル内だけでなく、導体経路又は接触システム、すなわち電動工具とエネルギー供給装置との間のインターフェースの領域でも発生し得る。
【0019】
試験により、電池セルの内部抵抗を非常に低くすることで、電池システムと電動工具に大電流を提供することが可能になり、同時に電池セルの耐用年数を延ばし得ることが示されている。本発明によれば、これは、10ミリオーム未満の内部抵抗DCR_Iを有するエネルギー貯蔵セルで達成される。
【0020】
接触システムの接触抵抗は、特に重要であり、接触相手部の機械的摩耗が増加するにつれて増加する。この機械的摩耗は、例えば、集合的トライボロジー応力に、例えば接触相手部間の相対距離の長さ及び/又は相対距離の数に依存し得る。本発明と関連して、相対距離の数は、好ましくは、エネルギー供給装置又は接触システムの耐用年数中のすべての相対距離の合計を表す。相対距離の数とは、一方では、エネルギー供給装置の差込み及び取り外し動作の数、すなわち差込みサイクルの数を意味し、他方では、とりわけ、接触システムの動的負荷に起因して生じる、小さいが非常に頻繁に起こる相対運動を意味する。
【0021】
さらに上で既に述べたように、とりわけ接触システム、すなわちエネルギー供給装置と電動工具との間のインターフェースは、熱過負荷が発生するか否かを決定する重要な要因である。したがって、接触システムの接触抵抗は、耐用年数が長くなっても可能な限り増加しないか、特に好ましくは本質的に変わらないことが、本発明と関連して好ましい。その結果、10ミリオーム未満の低い内部抵抗を有する電池セルを含むエネルギー供給装置が、過負荷がかかることなく長期間にわたって大電流を発生するように設計されることが有利に達成可能である。
【0022】
本発明者らは、接触システムの熱負荷に影響を及ぼす要因のうち、特にインターフェースの接触相手部間の相対距離、すなわちエネルギー供給装置及び電動工具の雌型及び雄型プラグイン接点間の相対距離は影響を受け得る一方、伝達される電流レベル又は接点若しくは電池の耐用年数、したがって相対運動の数などの他の要因は、あまり影響を受けない可能性があることを認識している。したがって、本発明と関連して、雌型及び雄型接触相手部間の相対距離をできるだけ短く保つことが好ましい。換言すると、本発明と関連して、エネルギー供給装置及び電動工具のプラグイン接点間の相対距離は、最小限に低減される。これは、本発明により、インターフェースが接触相手部間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段を有することで達成され、弾性手段は、少なくとも1つの雄型接触相手部及び/又は少なくとも1つの雌型接触相手部に作用するように設計され、エネルギー供給装置のエネルギー貯蔵セルは、10ミリオーム未満の内部抵抗DCR_Iを有する。
【0023】
試験により、付勢された可動接点は、特に大電流、長時間持続、高加速度、高粉塵負荷でこの問題を特によく解決することが示されている。本発明と関連して、これらの付勢された可動接点は、好ましくは、エネルギー供給装置及び電動工具の「ばね取り付けされた」雌型及び雄型接触相手部と呼ばれる。ばね取り付けは、特に弾性手段を設けることによって達成される。これらの弾性手段は、好ましくは、インターフェースの接触相手部間の相対距離を短縮するように設計される。本発明と関連して、これは、好ましくは、エネルギー供給装置及び電動工具の雌型接触相手部及び雄型接触相手部とが従来の接触システムよりも短い摩擦距離のみをカバーすればよく、したがって接触相手部の機械的摩耗を著しく低減できることを意味する。本発明と関連して、ばね取り付けが電動工具の領域及び/又はエネルギー供給装置の領域に存在し得ることが好ましい。代替的又は付加的に、インターフェースの雄型及び/又は雌型接触相手部は、ばね取り付けされ得、すなわち相対距離を短縮するための弾性手段を含み得る。
【0024】
電池システム及び電動工具に大電流を提供することができる改良された電池セルと、長い耐用年数にわたって一定の接触抵抗を保証する低摩耗接触システムとの組み合わせにより、非常に強力で耐久性があり安価な電動工具用電池システムを実現できることが見出されている。これは、本発明により、インターフェースが、接触相手部間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段を有することによって達成され、弾性手段は、少なくとも1つの雄型接触相手部及び/又は少なくとも1つの雌型接触相手部に作用するように設定され、エネルギー供給装置のエネルギー貯蔵セルは、10ミリオーム未満の内部抵抗DCR_Iを有する。
【0025】
本発明と関連して、インターフェースの電力接点間の相対距離を短縮するための弾性手段が、エネルギー供給装置と、雄型及び雌型接触相手部から構成されるユニットとの間の機械的な切り離しをもたらすことが好ましい。代替的に、弾性手段は、電動工具と、雄型及び雌型接触相手部から構成されたユニットとの間の機械的な切り離しをもたらし得る。機械的な切り離しにより、接触相手部間の望ましくない相対運動は伝達されず、弾性手段によって有利に補正される。
【0026】
試験により、本発明は、雄型接触相手部と雌型接触相手部間の接触領域における望ましくない温度上昇を効果的に抑制できることが示された。例えば、接触相手部間の接触領域で測定された温度は、最大30度低下させることができるが、これは、接触相手部間の接触のグレード及び質が、本発明により、すなわち相対運動を低減するための弾性手段を提供することにより著しく改善され得るためである。接触抵抗の改善は、有利には、インターフェースの通電能力の増加につながり、それにより、本発明は、より高い電力クラスの電動工具、すなわち特に高出力の電動工具の動作又はそれらに対する電気エネルギー供給を可能にする。接触抵抗における電力損失の低減は、有利には、周囲の構成要素の熱負荷の低減につながり得る。特に、熱可塑性材料から構成された構成要素は、それにより、過剰な熱の導入による損傷から効果的に保護され得る。
【0027】
温度の低下は、電動工具とエネルギー供給装置との間のインターフェースの構成要素の耐用年数を延ばすことができるという事実を有利にもたらす。温度の低下は、電動工具とエネルギー供給装置との間の接触抵抗が、より安定した接触又は接触相手部間の相対経路の減少によって著しく低減され得るという事実によって有利にもたらされる。
【0028】
本発明と関連して、相対運動を低減するための弾性手段が作用する接触相手部は、移動可能に取り付けられることが好ましい。換言すると、相対運動を低減するための弾性手段が動作可能に接続される接触相手部は、移動可能に取り付けられ得る。本発明と関連して、移動可能に取り付けられた接触相手部及び/又は移動可能に取り付けられた受入装置は、ばね取り付けされることがさらに好ましい。インターフェースの接続相手毎に2つ以上の接触相手部が設けられる場合又は電動工具及び/又はエネルギー供給装置が2つ以上の受入装置を有する場合、本発明と関連して、移動可能に取り付けられた接触相手部及び/又は移動可能に取り付けられた受入装置は、ばね取り付けされることが好ましい場合がある。このようにして、接触相手部間の相対運動及び接触抵抗をさらに大幅に低減することができ、インターフェースの耐用年数を大幅に延ばすことができる。さらに、相対運動を低減するための弾性手段が、後述する受入装置に作用することが好ましい場合がある。受入装置は、雄型及び/又は雌型の電力接点を受け入れることができ、且つ同様に移動可能に取り付けることができる。受入装置は、特に電力接点間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段に動作可能に接続される場合又は前記弾性手段が受入装置に作用する場合、移動可能に取り付けられる。接触相手部間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段が、少なくとも1つの雄型接触相手部又は少なくとも1つの雌型接触相手部に作用するように構成されるという記述は、好ましくは、個々の接触相手部が受入装置内に配置される本発明の例示的な実施形態において、接触相手部間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段が、個々の接触相手部が収容される受入装置に作用するように構成されることを意味する。受入装置は、弾性手段によって移動可能に取り付けられ得るか又はばね取り付けされ得る接触ブロック又は接触手段ブロックを形成し得る。本発明と関連して、受入装置は、インターフェースの接続相手、すなわち電動工具又はエネルギー供給装置の接触相手部を含むことが好ましい。しかしながら、本発明と関連して、接続相手の接触相手部の部分量をそれぞれ受け入れ得る幾つかの受入装置が設けられることが好ましい場合もある。好ましくは、これらの幾つかの受入装置は、相対運動を低減するための弾性手段がこれらの幾つかの受入装置に作用することによってもばね取り付けされ得る。したがって、受入装置は、電力接点、すなわち雌型及び雄型接触相手部並びに/又は通信要素を含み得る。本発明と関連して、相対運動を低減するための弾性手段が「弾性ばね取り付け手段」としても記載されることが好ましい。
【0029】
好ましくは、相対運動を低減するための弾性手段が作用する接触相手部は、接続状態で電動工具又はエネルギー供給装置に対して移動可能であるように取り付けられる。ばね取付けが電動工具側に設けられる場合、すなわち少なくとも1つの弾性手段が電動工具の接触相手部又は受入装置に作用する場合、電動工具の領域における結果として生じるばね取付けは、好ましくは、接続状態で電動工具に対して移動可能であるように対応する接触相手部が取り付けられることを達成するのに寄与する。ばね取付けがエネルギー供給装置側に設けられる場合、すなわち少なくとも1つの弾性手段がエネルギー供給装置の接触相手部又は受入装置に作用する場合、エネルギー供給装置の領域における結果として生じるばね取付けは、好ましくは、接続状態でエネルギー供給装置に対して移動可能であるように対応する接触相手部が取り付けられることを達成するのに寄与する。
【0030】
接触相手部間の相対運動を低減するための弾性手段が少なくとも1つの雄型接触相手部及び/又は少なくとも1つの雌型接触相手部に作用するように構成されるという記述は、最初に、弾性手段が接触相手部のグループの1つ、例えばエネルギー供給装置上に配置されるすべての接触相手部又は電動工具上に配置されるすべての接触相手部に作用する可能性を含む。しかしながら、本発明と関連して、電動工具とエネルギー供給装置の両方がその接触相手部のための弾性ばね取り付け手段を含むことも好ましい場合がある。本発明のこの実施形態では、弾性手段は、少なくとも1つの雄型接触相手部と少なくとも1つの雌型接触相手部とに作用する。接触相手部の一方又は両方のグループが受入装置に配置される場合、弾性手段は、受入装置の1つに作用し得る。エネルギー供給装置と電動工具の両方の接触相手部が受入装置を有する場合、弾性手段は、両方の受入装置にも作用し得る。電動工具の接触相手部とエネルギー供給装置の接触相手部の両方への作用は、例えば、接続相手の一方であるエネルギー供給装置又は電動工具に硬いばねを使用し、他方の接続相手である電動工具又はエネルギー供給装置に柔らかいばねを使用することによって実施することができる。本発明と関連して、「硬いばね」という用語は高いばね剛性を有するばねとして理解され、「柔らかいばね」という用語は低いばね剛性を有するばねとして理解される。
【0031】
本発明と関連して、少なくとも1つの雄型接触相手部が電動工具に配置されることが好ましい。雄型接触相手部は、インターフェースの雌型接触相手部又は他のシステム構成要素に挿入され得るブレードを含み得る。本発明の有利な実施形態によれば、雄型接触相手部は、ピン状プラグコネクタ又はブレードとして設計され、インターフェースの雌型接触相手部は、ピン状プラグコネクタ又はブレードを受け入れるための弾性変形可能な脚部を有する終端として設計されることが提供され得る。雄型接触相手部は、突出領域とストッパによって形成することができ、突出領域は、エネルギー供給装置が電動工具に接続されたインターフェースの差込み状態(したがって「接続状態」)で雌型接触相手部の1つに挿入される。非接続状態では、電動工具とエネルギー供給装置とは、互いに独立及び分離し得る。これは、例えば、エネルギー供給装置が充電中であり、充電のために充電器内に配置される場合であり得る。本発明と関連して、少なくとも1つの雄型接触相手部がエネルギー供給装置上に配置されることも好ましい場合がある。
【0032】
エネルギー供給装置は、好ましくは、少なくとも1つの蓄電池(アキュムレータ)を含み得、エネルギー供給装置は、電動工具に電気エネルギーを供給するように設計される。電気エネルギーは、特に電動工具がインターフェースを介してエネルギー供給装置に接続されている接続状態でエネルギー供給装置から電動工具に出力される。雌型及び雄型接触相手部は、接続状態で互いに係合し合い、その結果、電流又は電気エネルギーは、接触領域を介して接触相手部間を流れることができる。試験により、接触相手部の少なくとも一方と係合する、接触相手部間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段を使用することにより、従来技術の場合のように従来の接触システムを使用する場合よりも、著しく高い電流を伝達できることが示されている。例えば、本発明は、50アンペア超、好ましくは70アンペア超、特に好ましくは100アンペア超の範囲の定電流の伝達を可能にする。
【0033】
少なくとも1つの弾性手段を有する提案されたインターフェースを用いてより高い電流がエネルギー供給装置から電動工具の方に流れることができる理由は、エネルギー供給装置が雌型及び雄型接触相手部の少なくとも1つの接触ペアから切り離されるからである。この切り離しについては、以下でさらに記載する。
【0034】
相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段は、好ましくは、ばねなどの少なくとも1つの弾性要素を含み得る。ここで、弾性要素は、ばねの形態において、特に渦巻きばね、曲げばね又はコイルばねとして構成され得る。代替として、弾性要素は、弾性変形可能な材料から構成された構成要素として構成され得る。この場合、エラストマーも可能な材料である。したがって、複数の方向、すなわち接続要素に向かう方向又はそれから離れる方向だけでなく、接続要素の振動に関連する動きを容易に打ち消すことが可能である。加えて、インターフェースの接触相手部間の望ましくない相対運動は、弾性要素の使用によって効果的に短縮され得る。
【0035】
本発明と関連して、雌型接触相手部への挿入時、雄型接触相手部は、弾性手段が応力状態になるように少なくとも1つの弾性手段を圧縮することが好ましい。この圧縮は、好ましくは、弾性変形又は圧縮を構成し得る。好ましくは、「圧縮する」、「圧縮」及び「弾性変形」という用語並びに対応する動詞は、本発明と関連して同義的に使用される。弾性手段の圧縮は、応力のかかった状態を有利にもたらす。代替として又は追加として、少なくとも1つの雄型接触相手部は、ばね取り付けもされ得る。本発明と関連して、「ばね取り付け」という用語は、ばね取り付けされた接触相手部が、接触相手部間の相対運動を低減するための弾性手段に動作可能に接続されることを意味すると理解されたい。換言すると、接触相手部間の相対運動を低減するための弾性手段は、接触相手部の一方に作用し得、それにより有利には対応する接触相手部のばね取り付けが達成される。本発明と関連して、エネルギー供給装置と電動工具とが一緒に接続されている挿入、接続又はロック状態において、少なくとも1つの弾性手段は、応力又は張力のかかった状態にあることが好ましい。本発明と関連して、弾性手段は、エネルギー供給装置内の力の流れが前記弾性手段によって閉じられている非インストール状態でも付勢されることが好ましい。これにより、少なくとも1つの雌型接触相手部は、エネルギー供給装置上に支持され得る。接触相手部間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段の応力により、特に接触システムが接続状態であるとき、雄型接触相手部と雌型接触相手部とは、互いに確実に押し付けられ、その結果、接触相手部間に特に良好な接触が形成される。接触相手部のこの「ばね取り付けされた」接触又は接触相手部の特に緊密な接触のため、結果として得られる接触の電力密度を著しく増加させることができ、その結果、50アンペアを超える、好ましくは70アンペアを超える又は特に好ましくは100アンペアを超える範囲の定電流を伝達することが可能である。同様に、提案される接触システムの耐用年数を実質的に延ばすこともでき、その結果、提案される接触システムは、インターフェースに対する比較的高い機械的及び/又は電気的要件を本発明によって最適に満たすことができることから、長い耐用年数及び/又は高い出力電流を有するエネルギー供給装置に特に適している。
【0036】
本発明と関連して、エネルギー供給装置を電動工具に接続する際、エネルギー供給装置は、例えば電動工具のキャビティに挿入されることが好ましい。「エネルギー供給装置」及び「電動工具」の接続相手部間の電気的接続を確立するために、最初のステップで接触相手部を互いに接触させる。これは、好ましくは、雄型接触相手部のブレードを雌型接触相手部の受入端子に挿入することによって行われる。本発明と関連して、このプロセスは、好ましくは、「接触相手部を接合する」とも呼ばれる。特に、本発明と関連して、移動可能に取り付けられた接触相手部が、静止した接触相手部に押し付けられることが好ましく、移動可能に取り付けられた接触相手部の領域では、本発明によって遊び又は動きの自由が有利に提供される。続いて、第2のステップでは、少なくとも1つの弾性手段は、例えば、弾性要素を圧縮又は弾性変形させることによって応力をかけられる。その後、追加的な機械的固定又はロック機構が係合し得る例えばロック用要素は、この目的のために設けられた凹部、窪み又はアンダーカット部内に係合又は静止し得る。本発明と関連して、弾性要素の応力は、ロック状態で存在することが特に好ましい。換言すれば、特にエネルギー供給装置が電動工具に接続されるとき、弾性要素は、圧縮状態であり得る。ばね取り付けされた接触相手部又はばね取り付けされた受入装置の有利な遊びと動きの自由は、接続された状態でも好ましくは存在する。本発明と関連して、電動工具におけるエネルギー供給装置のロックは、インターフェースの力の流れ中で生じることが好ましい。
【0037】
したがって、本発明と関連して、電動工具にエネルギー供給装置を接続するための方法が開示され、この方法は、以下の方法ステップによって特徴付けられる:
a)エネルギー供給装置及び電動工具の接触相手部を接合する、
b)少なくとも1つの弾性ばね取り付け手段に応力をかける、
c)電動工具内にエネルギー供給装置を安定的に固定するために、戻り止め作用を含む任意のロック用要素を係合させる。
【0038】
本発明と関連して、少なくとも1つの雌型接触相手部がエネルギー供給装置上に配置されることが好ましい。少なくとも1つの雌型接触相手部は、好ましくは、雄型接触相手部のブレードを受け入れるように設計される受入端子によって形成され得る。このために、雌型接触相手部は、弾性材料から構成される2つの脚部を有し得、脚部は、雄型接触相手部が雌型接触相手部又は受入端子の内部に位置するように、雄型接触相手部の挿入時に押し広げられる。本発明と関連して、この状況は、インターフェースの接続状態又は相互差込み状態と称される。雌型接触相手部の脚部が形成される材料の弾性のため、この接続状態における雌型接触相手部の受入端子の脚部は、雄型接触相手部のブレード又は突出領域を押圧し、それにより接触領域が接触相手部間に形成される。好ましくは、電流又は電気エネルギーは、この接触領域を介して接触相手部間で交換され、それにより、電流又は電気エネルギーはエネルギー供給装置から電動工具に向かって流れることができる。本発明と関連して、少なくとも1つの雌型接触相手部が電動工具上に配置されることも好ましい場合がある。本発明と関連して、好ましくは電気的な制御信号が電力接点を介して電動工具とエネルギー供給装置との間で交換されることも好ましい場合がある。これらの好ましくは電気的な制御信号は、接続相手部である「エネルギー供給装置」と「電動工具」との間で通信要素を介して及び/又は通信リンクを介して交換され得る、好ましくはデジタルの制御信号及びデータと区別されることが好ましい。電力接点、すなわち雌型接触相手部と雄型接触相手部の助けを借りて交換できる好ましくは電気的な制御信号は、好ましくは1アンペア未満の電流強度を有し、一方、電動工具の方向にエネルギー供給装置から流れることができる電流は、1アンペアよりもはるかに大きい場合がある。
【0039】
雌型接触相手部の脚部は、好ましくは、雄型接触相手部との接触部分において銅などの良好な導体で作ることができる。さらに、雌型接触相手部は、ばね鋼製のオーバースプリングを含み得、オーバースプリングは、好ましくは、接続時に雌型接触相手部と雄型接触相手部との間に安定した接触が存在するように、雌型接触相手部の脚部を押し付け合うように構成される。ばね鋼と同様に、弾性特性を有する他の金属又は金属合金も雌型接触相手部を製造するために使用され得る。良好な導電性、高い降伏強度及び/又は高い緩和強度を有する材料、例えばCuFe2P又はCuCrSiTiなどが、電気エネルギーを伝達するために使用される接触領域に特に好ましい。接触領域は、好ましくは、雌型接触相手部の脚部の内側に配置することができ、そこでそれらは接続時に雄型接触相手部のブレードと接触する。
【0040】
本発明と関連して、雄型接触相手部との特に良好な接触を可能にするために、雌型接触相手部又は受入端子の脚部は、接触領域で最小間隔を有することが好ましい。雄型接触相手部に対する接触領域において、雌型接触相手部は、雌型接触相手部の脚部間の最小間隔によって画定されるテーパを好ましくは有する。本発明と関連して、雌型接触相手部の脚部は、接触領域、テーパの領域又は最小脚部間隔の領域において銅を含むか又は銅の層で被覆されることが好ましい。さらに、ニッケル及び/又は銀を含むコーティングも使用できるが、これに限定されない。提案されたインターフェースの雄型及び雌型接触相手部間の接触領域に好ましくは存在するコーティング材料により、エネルギー供給装置から電動工具への電流の流れ又は電気エネルギーの流れをさらに最適化することができ、その結果、特に、大電流、例えば50アンペア、70アンペア又は100以上のアンペアがインターフェースを介して流れることも可能である。本発明と関連して、電流は、特に接触電流であり得る。
【0041】
エネルギー供給装置はインターフェースを介して電動工具に着脱可能に接続されるため、電動工具とエネルギー供給装置のそれぞれの電気接点は、好ましくは互いに摩擦係合式に当接し合う。ここで、雌型接触相手部は、好ましくは、弾力的に取り付けられたクランプ又は受入端子を含み得る一方、雄型接触相手部は、クランプ又は受入端子に挿入可能な挿入要素を有し得る。
【0042】
本発明と関連して、相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段が少なくとも1つの弾性要素を含むことが好ましい。好ましくは、雄型接触相手部及び雌型接触相手部は、雄型接触相手部を雌型接触相手部に挿入することによって生じる接続状態でユニットを形成することができる。本発明のこの実施形態では、接触相手部間の相対運動を低減するための弾性手段が、雌型接触相手部と雄型接触相手部のユニットに動作可能に接続される、すなわち、ユニット又はインターフェースの接触相手部の1つに係合することが好ましい。接続状態では、雄型及び雌型接触相手部のユニットは、エネルギー供給装置が雄型及び雌型接触相手部のユニットから独立して移動することができるように、電動工具の方又はエネルギー供給装置の方に押圧することができる。これにより、雄型及び雌型接触相手部の振動感応ユニットがエネルギー供給装置から切り離され、ユニットとエネルギー供給装置との切り離しにより、インターフェースの耐荷重能力、その耐用年数及び望ましくない加熱に対する堅牢性が著しく向上する。驚くべきことに、相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段を設けることにより、雄型及び雌型接触相手部のユニットに、本発明と関連して「遊び」と呼ばれる運動空間を与えることができる。この運動空間内では、ユニットは、運動空間の境界壁に衝突することなく動くことができる。雄型及び雌型接触相手部のユニットが電動工具又はエネルギー供給装置に対して固定された位置に取り付けられる場合、エネルギー供給装置は、ユニットとは独立してユニットの周りを移動し得るため、エネルギー供給装置の移動は、接触及び振動に感応する雄型及び雌型接触相手部のユニットから切り離される。
【0043】
試験は、インターフェースに相対運動を低減するための弾性手段を設けることにより、インターフェースの接触相手部間のフレッチング摩耗(フレッチング)を実質的に低減できることを示した。このようにして、例えば、接触相手部のより低い品質で安価なコーティングが用いられ得るか、又は相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段の使用がインターフェースのより長い耐用年数及びより高い電力密度をもたらし、本発明と関連してより高い電力密度は、好ましくは、より高い電流を雄型及び雌型接触相手部のインターフェースを通して伝達できることを意味する。
【0044】
本発明は、エネルギー供給装置の望ましくない運動又は振動を防止することはできないが、相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段は、有利には、接触及び振動の影響を受けやすいエネルギー供給装置及び/又は電動工具の雄型及び雌型接触相手部のペアがそれらの運動及び振動から切り離され、したがって保護されることを保証する。
【0045】
本発明と関連して、少なくとも1つの雄型及び1つの雌型接触相手部がそれぞれの場合にユニットを形成し、接続状態では、このユニットは、エネルギー供給装置及び/又は電動工具の移動から切り離されることが好ましい。有利には、雄型及び雌型接触相手部のユニットとエネルギー供給装置とのこの切り離しは、特に、接触相手部の1つ又は少なくとも1つの雄型及び雌型接触相手部のユニットに作用する相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段によって達成される。換言すると、本発明と関連して、弾性手段は、接触相手部間の相対運動を低減し、且つ接触相手部の1つ又は雄型及び雌型接触相手部のユニットに作用するように構成されることが好ましい。エネルギー供給装置からのユニットの切り離しは、特に、接触相手部間の相対距離を低減するための少なくとも1つの弾性手段がエネルギー供給装置に存在する場合に生じる。しかしながら、本発明と関連して、接触相手部間の相対距離を減少させるための少なくとも1つの弾性手段が電動工具上に存在することも好ましい場合がある。この場合、雄型及び雌型接触相手部のユニットは、好ましくは、電動工具から切り離され得る。
【0046】
本発明と関連して、インターフェースは、1~8つ、好ましくは2~6つ、最も好ましくは4つの雌型接触相手部を含むことが好ましい。好ましくは、インターフェースは、対応する数の雄型接触相手部を有し、それによりそれぞれの場合に1つの雄型接触相手部と1つの雌型接触相手部とが接触ペアを形成し得る。しかしながら、本発明と関連して、インターフェースの接続相手部 - 電動工具又はエネルギー供給装置 - が2つの雄型接触相手部を含み、インターフェースの他方の接続相手部 - エネルギー供給装置又は電動工具 - が4つの雌型接触相手部を含むことも好ましい場合がある。この例示的な実施形態では、それぞれ雄型及び雌型接触相手部から形成される2つの電流伝達ペアが形成され得る一方、2つの雌型接触相手部は未使用及び「空」のままであり得る。本発明と関連して、雄型接触相手部が電動工具上に配置され、雌型接触相手部がエネルギー供給装置上に配置されることが好ましい。当然のことながら、本発明と関連して、雄型接触相手部がエネルギー供給装置上に配置され、雌型接触相手部が電動工具上に配置されることも好ましい場合がある。
【0047】
本発明と関連して、インターフェースが、少なくとも1つの雌型接触相手部及び/又は少なくとも1つの雄型接触相手部を受け入れるための受入装置を含む場合も好ましい。換言すると、受入装置は、少なくとも1つの雌型接触相手部若しくは少なくとも1つの雄型接触相手部又は少なくとも1つの雌型及び少なくとも1つの雄型接触相手部を受け入れるように構成され得る。本発明の好ましい例示的な実施形態では、受入装置は、少なくとも1つの雌型接触相手部を受け入れ得る。本発明と関連して、雌型接触相手部がインターフェース上に個々に配置されるか、又はそれらが受入装置の一部であることが好ましい場合があり、個々の雌型接触相手部又は受入装置は、電動工具又はエネルギー供給装置のいずれかの構成要素であり得る。本発明と関連して、個々の雌型接触相手部又は受入装置がエネルギー供給装置の一部であることが最も好ましい。
【0048】
電動工具及び/又はエネルギー供給装置が、関連する接触相手部、すなわち電力接点を受け入れるための受入装置を有する場合、この受入装置は、通信接点を受け入れるようにも設定され得る。換言すれば、受入装置は、電力接点に加えて通信要素も含み得る。本発明と関連して、受入装置が電力接点「のみ」を含む一方、電動工具とエネルギー供給装置との間のインターフェースが単に通信要素を受け入れるためのさらなる受入装置を含むことも好ましい場合がある。好ましくは、この「通信受入装置」は、弾性手段を含むことによって又は「通信受入装置」に作用する弾性手段によってもばね取り付けされ得る。本発明と関連して、「通信受入装置」は、好ましくは、「通信ブロック」と呼ぶこともでき、本発明の特に好ましい実施形態では、この「通信ブロック」は、それ自体で、すなわち電力接点及びそれらの受入装置とは独立してばね取り付けされ得る。本発明と関連して、通信要素が通信受入装置内に配置され、通信要素は、ばね取り付けのためにそれ自体の弾性手段を個々に有し得ることが好ましい。換言すると、通信要素は、それぞれがばね取り付け用の弾性手段を有することによって個別にばね取り付けされ得る。通信要素が通信受入装置に配置されて存在する場合、通信受入装置は、それ自体の弾性ばね取り付け手段を有することができる。
【0049】
本発明と関連して、エネルギー供給装置は、偶数の接触相手部を有し、接触相手部は、雌型及び/又は雄型接触相手部であり得ることが好ましい。エネルギー供給装置は、好ましくは、正極及び負極を有し、2つの極のそれぞれは、接触相手部に接続される、すなわち接触相手部を有する。例えば、エネルギー供給装置は、2つ、4つ、6つ、8つ又はそれを超える接触相手部を有し得、これらの接触相手部は、個々に又は接触ブロック内でばね取り付けされ得る。好ましくは、接触相手部の半分をエネルギー供給装置の負極に割り当て、接触相手部の他の半分をエネルギー供給装置の正極に割り当てることができる。
【0050】
受入装置は、雌型接触相手部及び/又は雄型接触相手部を受け入れることができるコンパートメント又はカセットを形成し得る。このようにして接触ブロックを有利に設けることができ、その結果、雌型接触相手部が一緒に移動できるか又は一緒に移動され得るようにする。好ましくは、受入装置は、1~8つ、好ましくは2~6つ、最も好ましくは4つの雌型接触相手部を受け入れることができる。受入装置が通信要素も含む場合、受入装置は、例えば、4つの電流接点と2つの通信要素とを含み得る。
【0051】
本発明と関連して、インターフェースの接触相手部が個々にばねによって取り付けられるか、又は接触相手部によって形成される接触ブロックが全体としてばねによって取り付けられることが好ましい。接触相手部が個々にばねによって取り付けられる場合、接触相手部は、相対経路を低減するための弾性手段に個々に動作可能に接続され得る。インターフェースが例えばシステム要素、すなわち電動工具又はエネルギー供給装置の1つに4つの接触相手部を含む場合、弾性手段又は弾性要素は、これらの4つの接触相手部のそれぞれに割り当てられ得る。好ましくは、本発明のこの実施形態では、これは、「インターフェースの電力接点の個々のばね取付」と称される。代替として、本発明と関連して、好ましくは幾つかの接触相手部、雌型及び/又は雄型を含む接触ブロック全体が全体としてばねによって取り付けられることが好ましい場合がある。本発明と関連して、かかる接触ブロックは、接触手段ブロックとしても記載され、接触手段ブロックは、電力接点を有する受入装置によって形成され得る。本発明と関連して、接触ブロック又は受入装置は、弾性手段又は弾性要素に動作可能に接続されることが好ましい。これは、好ましくは、本発明と関連して、弾性手段又は弾性要素が接触ブロック又は受入装置に割り当てられることを意味する。好ましくは、本発明のこの実施形態では、これは、「ばね取付受入装置」又は「ばね取付接触手段ブロック」と称される。本発明と関連して、インターフェースは、電動工具とエネルギー供給装置との間でデータを交換するための通信要素を含むことが好ましい。例えば、インターフェースは、少なくとも2つの通信要素を含み得、第1の通信要素は、電動工具に配置され、第2の通信要素は、エネルギー供給装置に配置される。通信要素は、電動工具とエネルギー供給装置との間に通信リンクを確立するように構成され得、通信リンクは、ワイヤベース又はワイヤなしであり得る。換言すれば、電動工具とエネルギー供給装置との間の通信リンクは、ワイヤード又は「ワイヤレス」設計であり得る。例えば、電動工具とエネルギー供給装置との間のワイヤレス通信は、Bluetooth、WLAN、Zigbee、無線、近距離無線通信等に基づくことができる。例えば、通信要素として送信機と受信機を設けることができる。
【0052】
本発明の好ましい例示的な実施形態では、インターフェースは、4つの電力接点及び2つの通信要素を含む。電力接点及び通信要素は、受入装置内に一緒に配置され得、弾性ばね取り付け手段は、共通の受入装置と関連付けられる。しかしながら、電力接点が個別にばね取り付けされ、通信要素が独自の通信受入装置を有することも本発明と関連して好ましい。インターフェースの電力接点の個別のばね取り付けは、インターフェースの移動可能に取り付けられた電力接点に弾性手段が割り当てられることによって提供することができる。
【0053】
本発明と関連して、通信要素が受入装置に一体化されることが好ましい場合がある。換言すれれば、受入装置は、電動工具とエネルギー供給装置との間でデータを伝達するための少なくとも1つの通信要素を含み得る。本発明と関連して、通信要素は、特に通信リンクがワイヤード型である場合、好ましくは「通信プラグ」と呼ぶこともできる。本発明と関連して、受入装置が2つの通信要素を有することが特に好ましく、通信要素は、受入装置内で好ましくは中央に配置され得る。
【0054】
本発明の好ましい実施形態では、インターフェースの電力接点、すなわちインターフェースの雌型接触相手部及び雄型接触相手部は、個別にばね取り付けすることができる一方、別個の小型の受入装置がインターフェースの通信要素に設けられ、これにより通信要素のための別個のコンパートメント又はカセットが形成される。通信要素のための受入装置は、電動工具とエネルギー供給装置との間のインターフェースの一部でもあり得る。
【0055】
本発明と関連して、相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段が好ましくは全体として受入装置に割り当てられることが好ましい。この場合、例えば、4つの雌型接触相手部を受け入れることができる受入装置を、弾性要素によって対応するシステム構成要素 - 電動工具又はエネルギー供給装置 - に接続することが可能である。次いで切り離しが、例えばエネルギー供給装置と受入装置との間で行われ、それにより、受入装置内の雌型接触相手部は、エネルギー供給装置及び/又は電動工具の運動及び/又は振動から切り離されるか又は保護される。試験により、受入装置を使用することにより、傾斜運動に対して特に良好な保護が得られ、接点間の摩擦モーメントがかなり増大することが示されている。電力接点を有する受入装置は、好ましくは接点ブロックを形成することができ、本発明により、この好ましくは移動可能に取り付けられた又はばね取り付けされた接点ブロックは、傾斜運動等に対して特に良好に保護される。本発明のこの利点は、雌型接触相手部の個々の端子接点の支持面及び摩擦力が、挿入方向に対して横方向又は実質的に垂直に互いに広く離間しており、したがって取り付け部の大型のレバーアームによって動的な傾斜モーメントを特に良好に吸収できるという事実によって達成することができる。雌型接触相手部が受入装置によって受け入れられる場合、接触ブロックの支持面にも同じことが当てはまる。上の記述は、特に雄型接触相手部が受入装置によって受け入れられ、接触ブロックを形成する場合、雄型接触相手部にも同様に当てはまる。
【0056】
代替として、相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段が、雌型及び雄型接触相手部のそれぞれの接触ペアに割り当てられることが好ましい場合がある。この場合、例えば、雌型及び雄型接触相手部の各接触ペアは、弾性要素など、相対運動を低減するためのそれ自体の弾性手段を有し得、弾性手段によってエネルギー供給装置及び/又は電動工具の運動及び/又は振動から切り離されるか又は保護され得る。
【0057】
本発明の1つの例示的な実施形態によれば、エネルギー供給装置と電動工具との間の相対運動を打ち消すことができる弾性手段が開示される。この場合、エネルギー供給装置及び電動工具は、インターフェースを介して互いに着脱可能に接続され、インターフェースは、雄型接触相手部及び雌型接触相手部を含む。特に、雌型接触相手部は、個々の接点の形態であり得、各雌型接触相手部は、雄型接触相手部又はそのブレードを受け入れるように構成される。代わりに、雌型接触相手部は、接点ブロックを形成するか又は受入装置内に存在し得、接点ブロック又は受入装置は、好ましくは、エネルギー供給装置又は電動工具の一部であり得る。本発明と関連して、雌型接触相手部がエネルギー供給装置上に配置されることが特に好ましい。しかしながら、雌型接触相手部が電動工具上に配置されることも好ましい場合がある。同様に、雄型接触相手部は、個々の接点の形態で提供することができ、それぞれの場合において、雄型接触相手部は、電気エネルギーの伝達のための接触領域を有する雌型接触相手部と接触ペアを形成するように構成される。代替的に、雄型接触相手部は、エネルギー供給装置又は電動工具の一部であり得る接触ブロックを形成し得る。本発明と関連して、雄型接触相手部が電動工具に配置されることが特に好ましい。本発明と関連して、雄型接触相手部がエネルギー供給装置上に配置されることは同じく好ましい場合がある。接触相手部間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段は、好ましくは、インターフェース又は電動工具及びエネルギー供給装置の接触相手部間の相対運動を防止又は低減するように設計される。相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段は、ここでは、インターフェースの雄型接触相手部及び/又は雌型接触相手部に個別に作用することができる。しかしながら、相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段が、通常、2~8つの接触相手部によって形成される雌型接触相手部のための接触ブロック又は受入装置に作用することは、本発明と関連して好ましい場合がある。個々の雌型及び/若しくは雄型単一接点又はそれらから形成される接触ブロックは、電動工具上及びエネルギー供給装置上の両方に配置することができ、エネルギー供給装置の領域に雌型接触相手部を配置し、電動工具の領域に雄型接触相手部を配置することが特に好ましい。
【0058】
本発明は、電動工具とエネルギー供給装置との間で電気エネルギーを伝達するためのインターフェースにも関する。電動工具とエネルギー供給装置からなるシステムについて提示された用語、定義及び技術的利点は、好ましくは、それに応じて、インターフェース、後述のエネルギー供給装置及びインターフェースを用いてエネルギー供給装置を電動工具に接続するための方法にも適用される。このインターフェースは、少なくとも1つの雄型接触相手部及び少なくとも1つの雌型接触相手部並びに雄型接触相手部と雌型接触相手部との間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段を有することを特徴とする。
【0059】
さらに、本発明は、インターフェースを用いてエネルギー供給装置を電動工具に接続する方法に関し、この方法は、インターフェースが少なくとも1つの雄型接触相手部と少なくとも1つの雌型接触相手部とを有し、雄型接触相手部と雌型接触相手部とは、エネルギー供給装置から電動工具に電気エネルギーを伝達する目的で接触を確立する間、相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段によって支持されることを特徴とする。本発明と関連して、雄型及び雌型接触相手部は、それぞれの場合にユニットを形成することが好ましく、ユニットは、接続状態でエネルギー供給装置の移動から切り離される。
【0060】
第2の態様では、本発明は、提案されるシステムで使用するためのエネルギー供給装置に関する。エネルギー供給装置は、好ましくは、特に長い耐用年数を有するエネルギー供給装置及び/又は特に高い電流、特に50アンペアを超える、好ましくは70アンペアを超える、最も好ましくは100アンペアを超える定電流を出力するように構成されるエネルギー供給装置である。
【0061】
エネルギー供給装置は、好ましくは、蓄電池又は好ましくは充電式電池であり得る。本発明と関連して、明らかに、エネルギー供給装置は、2つ以上の蓄電池及び/又は電池を有することも可能である。蓄電池及び/又は電池は、例えば、円筒形セルを含むいわゆる電池パックを有し得る。これらの円筒形セルは、例えば、リチウムイオン、マグネシウムイオン及び/又はナトリウムイオンを含むがこれらに限定されない化学物質を含有し得る。しかしながら、例えば、直方体又は立方体のセルを有する他のセルタイプが本発明と関連して用いられ得る。
【0062】
エネルギー供給装置は、好ましくは、特に長い耐用年数を有するエネルギー供給装置及び/又は特に高い電流、特に50アンペアを超える、好ましくは70アンペアを超える、最も好ましくは100アンペアを超える定電流を出力するように構成されるエネルギー供給装置である。特に長い耐用年数は、好ましくは、摩耗することなく、特に多数の挿入プロセス又は挿入サイクルに耐えることができるエネルギー供給装置をもたらし得る。加えて、特に長い耐用年数は、エネルギー供給装置の化学成分が、顕著に経年劣化することなく、これまでのエネルギー供給装置よりも頻繁に充電され得るように設計されることを意味し得る。提案された接触システムの主な利点は、このような強力なエネルギー供給装置が確実且つ容易に接続され得ることである。特に、弾性手段によるばね取り付けのため、提案された接触システムは大電流を伝達することができ、同時に、エネルギー供給装置の耐用年数全体を通して、摩耗することなく使用することができる。このように、新しいセル及び電池技術の利点を本発明によって最適に利用することもできる。本発明により、電動工具及びエネルギー供給装置から構成されたシステムを提供することが結果として可能であり、このシステムは、特にシステム又はそのインターフェースに対して極めて高い電力要件及び/又は極めて高い耐用年数要件を課す用途及び使用に対しても、電池駆動式電動工具におけるエネルギー供給装置の効率的な使用を可能にする。
【0063】
本発明と関連して、エネルギー供給装置が少なくとも1つのセルを含み、少なくとも1つのセルが10ミリオーム(mohm)未満の内部抵抗DCR_Iを有することが好ましい。本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1つのセルの内部抵抗DCR_Iは、8ミリオーム未満、好ましくは6ミリオーム未満であり得る。ここで、内部抵抗DCR_Iは、好ましくは、規格IEC61960に従って測定される。内部抵抗DCR_Iは、特にエネルギー供給装置のセルの抵抗を表し、セルの構成要素又はアクセサリは、内部抵抗DCR_Iに寄与しない。低い内部抵抗DCR_Iは、放散される必要のある不要な熱が全く発生しないことを意味するために有利である。内部抵抗DCR_Iは、特に提案されるエネルギー供給装置のセルの内部で測定することができるDC抵抗である。内部抵抗DCR_Iは、当然のことながら、6.02ミリオーム、7.49ミリオーム、8.33ミリオーム、8.65ミリオーム又は9.5ミリオームなどの中間値もとり得る。
【0064】
10ミリオーム未満の少なくとも1つのセルの内部抵抗DCR_Iにより、低温で特に良好に動作し得るという意味で特に良好な熱特性を有するエネルギー供給装置を提供することが可能であり、冷却コストを驚くほど低く保ち得ることが見出された。特に、10ミリオーム未満のセル内部抵抗DCR_Iを有するエネルギー貯蔵装置は、特に強力な電動工具へ電気エネルギーを供給するのに特に適している。したがって、このようなエネルギー供給装置は、これまで専門家が蓄電池駆動式電動工具には開かれないと想定していた使用分野で、蓄電池駆動式電動工具の使用を可能にすることに価値ある貢献をすることができる。
【0065】
有利には、かかるエネルギー供給装置を使用して、本発明によるエネルギー供給装置を有する電池駆動式又は蓄電池駆動式電動工具に、周囲のプラスチック部品もエネルギー供給装置のセル内部のセル化学も損傷することなく、長期間にわたって高レベルの出力電力を供給することが可能になり得る。
【0066】
本発明と関連して、少なくとも1つのセルの表面積Aに対する少なくとも1つのセルの抵抗の比は、0.2ミリオーム/cm未満、好ましくは0.1ミリオーム/cm未満、最も好ましくは0.05ミリオーム/cm未満であることが好ましい。円筒形セルの場合、セルの表面積は、例えば、円筒の外面並びにセルの上面及び底面によって形成され得る。さらに、本発明と関連して、少なくとも1つのセルの体積Vに対する少なくとも1つのセルの抵抗の比は、0.4ミリオーム/cm未満、好ましくは0.3ミリオーム/cm未満、最も好ましくは0.2ミリオーム/cm未満であることが好ましい場合がある。直方体、立方体、球体等などの従来の幾何学的形状について、当業者は、かかる幾何学的物体の表面積又は体積を計算するための式を知っている。本発明と関連して、「抵抗」という用語は、好ましくは、規格IEC61960に従って好ましくは測定することができる内部抵抗DCR_Iを示す。これは好ましくは直流抵抗である。
【0067】
本発明と関連して、少なくとも1つのセルは、1.0W/(Ah・A)未満、好ましくは0.75W/(Ah・A)未満、特に好ましくは0.5W/(Ah・A)未満の加熱係数を有することが好ましい。さらに、少なくとも1つのセルは、1000アンペア/リットルを超える電流を略一定に出力するように設計され得る。放電電流は、少なくとも1つのセルの体積に関連して示され、体積測定単位「リットル」(l)が体積に対する単位として用いられる。本発明によるセルは、したがって、セル体積1リットル当たり1000Aを略一定に超える放電電流を出力することができる。換言すると、1リットルの体積を有するセルは、1000Aを超える略一定の放電電流を出力することができ、少なくとも1つのセルは、1.0W/(Ah・A)未満の加熱係数をさらに有する。本発明の好ましい構成では、提案されるエネルギー供給装置の少なくとも1つのセルは、0.75W/(Ah・A)未満、好ましくは0.5W/(Ah・A)未満の加熱係数を有し得る。加熱係数の単位は、ワット/(アンペア時・アンペア)である。加熱係数は、当然のことながら、0.56W/(Ah・A)、0.723W/(Ah・A)又は0.925W/(Ah・A)などの中間値も有し得る。
【0068】
本発明は、有利には、低減された加熱を示し、したがって高電力出力及び高電流、好ましくは定電流が動作のために望まれる電動工具に供給するのに特によく適した少なくとも1つのセルを有するエネルギー供給装置の提供を可能にする。特に、本発明は、電動工具の動作中及び電動工具に電気エネルギーを出力する場合に任意選択的に生成される熱を、特に単純で複雑ではない方法で放散することができる電動工具のためのエネルギー供給装置を提供するために用いることができる。試験は、本発明が、存在する熱をより効果的に放散させるために用いることができるだけではないことを示した。むしろ、本発明は、電動工具の動作中に発生する熱を抑制するか、又は発生する熱量を、本発明を用いて大幅に低減することができる。本発明は、電力及び放電電流に関して厳しい要件を有する電動工具にも最適な方法で電気エネルギーを供給することができるエネルギー供給装置を提供するために有利に用いることができる。換言すると、本発明は、例えば、建設現場で厳しい掘削作業又は解体作業を行うことができる特に強力な電動工具のためのエネルギー供給装置を提供することができる。
【0069】
本発明と関連して、「電動工具」という用語は、建設現場、例えば建築建設現場及び/又は土木建設現場で使用できる典型的な装置を意味するように理解される。電動工具は、ハンマードリル、チゼル装置、コアドリル、アングルグラインダー又はカットオフグラインダー、切断装置等であり得るが、これらに限定されない。さらに、建設現場で時折使用されるものなどの補助装置、例えばランプ、無線機、掃除機、測定装置、建設ロボット、手押し車、運搬装置、送り装置又は他の補助装置も本発明との関連で「電動工具」であり得る。電動工具は、特に移動式電動工具であり得、提案されるエネルギー供給装置は、特にスタンド取り付け式ドリル又は丸鋸などの固定式電動工具でも用いられ得る。しかしながら、特に再充電電池駆動式又は電池駆動式の手持ち式電動工具が好ましい。
【0070】
本発明と関連して、少なくとも1つのセルが、12分未満、好ましくは10分未満、特に好ましくは8分未満の温度冷却半減期を有することが好ましい。本発明と関連して、これは、好ましくは、自由対流により、少なくとも1つのセルの温度が12、10又は8分未満で半分になることを意味する。温度冷却半減期は、好ましくは、エネルギー供給装置の非動作状態において、すなわちエネルギー供給装置が動作していない場合、すなわち電動工具に接続される場合に決定される。8分未満の温度冷却半減期を有するエネルギー供給装置は、主に強力な電動工具における使用に特に適していることが見出された。温度冷却半減期は、当然のことながら、8.5分、9分20秒又は11分47秒の値も有し得る。
【0071】
提案されるエネルギー供給装置の驚くほど低い温度冷却半減期に起因して、電動工具の動作中又は電動工具の充電中に発生する熱は、少なくとも1つのセル内に短時間のみ留まる。このようにして、セルを特に迅速に再充電することができ、電動工具で迅速に再利用することができる。その上、エネルギー供給装置又は提案されるエネルギー供給装置を有する電動工具の構成要素への熱負荷を大幅に低減することができる。結果として、エネルギー供給装置を保護し、その耐用年数を延ばすことができる。
【0072】
本発明と関連して、少なくとも1つのセルは、エネルギー供給装置の電池パック内に配置されることが好ましい。一連の個々のセルは、好ましくは、電池パック内で組み合わせることができ、このようにして最適な方法でエネルギー供給装置に挿入することができる。例えば、5、6又は10個のセルが電池パックを形成し得、これらの数の整数倍も可能である。例えば、エネルギー供給装置は、例えば、5、6又は10個のセルを含み得る個々のセル列を有し得る。例えば、5つのセルの3列を有するエネルギー供給装置は、例えば、15個の個々のセルを含み得る。
【0073】
本発明と関連して、エネルギー供給装置は、少なくとも2.2Ah、好ましくは少なくとも2.5Ahの容量を有することが好ましい。試験は、前述の容量値が、建設産業における強力な電動工具の使用に特に良好に適しており、電気エネルギーの利用可能性及び電動工具の可能な耐用年数についてのそこでの要件を特に良好に満たすことを示した。
【0074】
エネルギー供給装置の少なくとも1つのセルは、好ましくは、少なくとも10秒間、少なくとも20Aの放電電流を出力するように構成される。例えば、エネルギー供給装置のセルは、少なくとも10秒間、少なくとも20A、特に少なくとも25Aの放電電流を供給するように設計され得る。換言すると、エネルギー供給装置の少なくとも1つのセルは、少なくとも20A、特に少なくとも25Aの連続電流を供給するように構成され得る。
【0075】
ピーク電流、特に短時間の電流は、エネルギー供給装置の激しい加熱につながり得ることも考えられる。したがって、本明細書中に記載される措置によって達成され得るような強力な冷却を有するエネルギー供給装置は、特に有利である。例えば、エネルギー供給装置の少なくとも1つのセルは、1秒間に少なくとも50Aを供給できると考えられる。換言すると、本発明と関連して、エネルギー供給装置の少なくとも1つのセルは、少なくとも1秒間、少なくとも50Aの放電電流を供給するように構成されることが好ましい。電動工具は、短い時間にわたって高い電力出力を多くの場合に必要とし得る。かかるピーク電流及び/又はかかる連続電流を供給することができるセルを有するエネルギー供給装置は、したがって、建設現場で用いられるものなどの強力な電動工具に特に適している可能性がある。
【0076】
本発明と関連して、少なくとも1つのセルは、電解液を含むことが好ましく、電解液は、好ましくは、室温で凝集した液体状態で存在する。電解質は、リチウム、ナトリウム及び/又はマグネシウムを含み得るが、これらに限定されない。特に、電解質は、リチウム系であり得る。代替として又は追加として、前記電解質は、ナトリウム系でも有り得る。蓄電池がマグネシウム系であることも考えられる。電解質ベースのエネルギー供給装置は、少なくとも10V、好ましくは少なくとも18V、特に少なくとも28V、例えば36Vの定格電圧を有することができる。18~22Vの範囲内、特に21~22Vの範囲内の定格電圧が極めて特に好ましい。エネルギー供給装置の少なくとも1つのセルは、例えば、3.6Vの電圧を有し得るが、これに限定されない。
【0077】
本発明と関連して、エネルギー供給装置は、例えば、1.5C、好ましくは2C、最も好ましくは3Cの充電率で充電されることが好ましい。充電率xCは、充電率xCの数値xに対応する1時間の何分の1かの時間で放電されたエネルギー供給装置を完全に充電するのに必要な電流強度を意味するものとして理解することができる。例えば、3Cの充電率は、20分以内に蓄電池を完全に充電することを可能にする。
【0078】
本発明と関連して、エネルギー供給装置の少なくとも1つのセルは、表面積A及び体積Vを有することが好ましく、体積に対する表面積の比A/Vは、体積の立方根の逆数の6倍、好ましくは8倍、特に好ましくは10倍より大きい。
【0079】
少なくとも1つのセルの表面積Aが体積Vの2乗の立方根の8倍よりも大きいという表現は、好ましくは、式A>8*V^(2/3)によっても表され得る。別の言い方をすれば、この関係は、体積に対する表面積の比A/Vが体積の立方根の逆数の8倍よりも大きい点で説明され得る。
【0080】
上記の関係が満たされているかどうかをチェックするために、同じ基本単位の値が常に用いられなければならない。例えば、表面積にm単位の値が上記の式に用いられる場合、好ましくはm単位の値が体積に用いられる。例えば、表面積に単位cmの値が上記の式で用いられる場合、好ましくは単位cmの値が体積に用いられる。例えば、表面積に単位mmの値が上記の式で用いられる場合、好ましくは単位mmの値が体積に用いられる。
【0081】
例えば、A>8*V^(2/3)の関係を満たすセル形状は、有利には、冷却効果にとって重要なセルの外表面積とセル体積との間の特に好ましい比を有する。本発明者らは、エネルギー供給装置の少なくとも1つのセルの体積に対する表面積の比がエネルギー供給装置からの熱の除去に重要な影響を及ぼすことを見出した。提案されるエネルギー供給装置の向上した冷却能力は、有利には、少なくとも1つのセルの一定の体積及び低い内部抵抗に対してセル表面積を増加させることによって達成することができる。本発明と関連して、セルの内部抵抗が低減される場合、好ましくは、低いセル温度と同時に高い電力出力が可能になることが好ましい。少なくとも1つのセルの内部抵抗を低減すれば、発熱が少なくなる。さらに、エネルギー供給装置内部の少なくとも1つのセルの表面積Aが、少なくとも1つのセルの体積Vの2乗の立方根の6倍、好ましくは8倍、特に好ましくは10倍よりも大きいセルの使用により、低いセル温度が達成され得る。特に、これにより環境への熱の放出を改善することができる。
【0082】
前述の関係を満たすセルを有するエネルギー供給装置は、例えば、円筒形セルを有する以前から公知のエネルギー供給装置よりも大幅に効果的に冷却できることが見出された。上記の関係は、例えば、提案されるエネルギー供給装置のセルが円筒形の基本形状を有するが、表面積を増加する追加要素がその表面上に配置されるという事実によって満たすことができる。前記要素は、例えば、フィン、歯等であり得る。円筒形基本形状を有さず、むしろ全く異なる形状のセルも本発明の適用範囲内で用いられ得る。例えば、提案されるエネルギー供給装置のセルは、略立方形又は立方体状の基本形状を有し得る。「略」という用語は、ここでは当業者にとって不明確である、なぜなら、当業者は、例えば、窪み又は丸い角及び/又は縁を有する直方体も本発明と関連して用語「略立方体状」によって包含されるべきであることを知っているためである。
【0083】
本発明と関連して、少なくとも1つのセルがセルコアを有することが好ましく、エネルギー供給装置の表面から5mmを超えて離間する点は、セルコア内に存在しない。エネルギー供給装置が放電される場合、例えばエネルギー供給装置が電動工具に接続され、電動工具を用いて作業が行われる場合、セルコア内に熱が発生し得る。本発明のこの特定の構成では、この熱は、エネルギー供給装置のセルの表面まで比較的短い経路で搬送することができる。熱は、表面から最適な方法で放散することができる。したがって、かかるエネルギー供給装置は、良好な冷却、特に比較的良好な自己冷却を示すことができる。限界温度に達するまでの時間を延長することができ、且つ/又は温度に達する状況を有利に完全に回避することができる。本発明のさらなる利点として、比較的均一な温度分布をセルコア内で達成することができる。これは、結果として蓄電池の均一な経年劣化を生じ得る。これにより、したがって、エネルギー供給装置の耐用年数を延ばすことができる。
【0084】
本発明と関連して、少なくとも1つのセルは、20アンペアを超える、好ましくは30アンペアを超える、最も好ましくは40アンペアを超える最大定電流出力を有することが好ましい。最大定電流出力は、セル又はエネルギー供給装置が上限温度に達することなく引き出すことができるセル又はエネルギー供給装置の電流量である。可能な上限温度は、60℃又は70℃の範囲内にあり得るが、これに限定されない。最大定電流出力の単位は、アンペアである。
【0085】
本発明に関連して言及されるすべての値の範囲の場合、すべての中間値も常に開示されていると考えるべきである。例えば、20~30Aの値、すなわち例えば21、22.3、24、25.55又は27.06アンペアも最大定電流出力の場合に開示されていると考えるべきである。さらに、30~40Aの値、すなわち例えば32、33.3、36、38.55又は39.07アンペアも開示されていると考えるべきである。
【0086】
本発明と関連して、エネルギー供給装置は、80・t^(-0.45)を超える放電Cレートを有することが好ましく、ここで、文字「t」は、秒単位の時間を表す。Cレートは、有利には、エネルギー供給装置の充電及び放電電流の定量化を可能にし、ここで用いられる放電Cレートは、特にエネルギー供給装置の放電電流の定量化を可能にする。例えば、最大許容充電及び放電電流は、Cレートによって示すことができる。これらの充電及び放電電流は、好ましくは、エネルギー供給装置の定格容量に依存する。80・t^(-0.45)の異常に高い放電Cレートは、有利には、提案されるエネルギー供給装置が、建設産業で強力な電動工具を動作させるために必要とされる特に高い放電電流を達成するために用いられ得ることを意味する。例えば、放電電流は、40アンペアよりも大きい、好ましくは60アンペアよりも大きい、さらにより好ましくは80アンペアよりも大きい領域にあり得る。
【0087】
本発明と関連して、セルは、10ケルビン未満のセル温度勾配を有することが好ましい。セル温度勾配は、好ましくは、提案されるエネルギー供給装置の少なくとも1つのセル内の温度差の尺度であり、本発明と関連して、セルが可能な限り均一な温度分布を有すること、すなわちセルの内側領域の温度が、セルの側面又は外面の領域で測定される温度と可能な限り異ならないことが好ましい。
【0088】
さらなる利点は、以下の図の説明から明らかとなるであろう。図、本明細書及び特許請求の範囲は、多数の特徴を組み合わせて含む。当業者は、有用なさらなる組み合わせを形成するために、適宜、特徴を個別にも検討し、それらを組み合わせるであろう。
【0089】
図では、同一及び類似の構成要素は、同じ参照符号で示される。
【図面の簡単な説明】
【0090】
図1】電動工具及びエネルギー供給装置から構成されたシステムの好ましい実施形態を示す。
図2】提案されるシステムの好ましい実施形態のエネルギー供給装置の上面の可能な実施形態を示す。
図3】雌型及び雄型接触相手部から構成されたユニットの可能な実施形態を示す。
図4】雌型及び雄型接触相手部のユニットのさらなる可能な実施形態を示す。
図5】エネルギー供給装置及び電動工具を接続する可能なプロセスの実例を示す。
図6】接触相手部のばね取り付け及び配置の様々な組合せの実例を示す。
図7】接触相手部及びその占有の様々な配置の実例を示す。
図8】受入装置の好ましい構成の実例を示す。
図9】通信要素又は通信受入装置のインターフェースへの可能な一体化の実例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0091】
図1は、電動工具10及びエネルギー供給装置20のシステム100の可能な実施形態を示す。図1に示す本発明の例示的な実施形態では、電動工具10を画像左半分に示し、エネルギー供給装置20を画像右半分に示す。電動工具10は、2つの雄型接触相手部50を有し、特にブレード52が図1に示される。雄型接触相手部50は、インターフェース30の一部であり、インターフェース30は、雌型接触相手部40もさらに有する。図1に示す本発明の例示的な実施形態では、雌型接触相手部40は、エネルギー供給装置20上に配置される。雌型接触相手部40は、個々の接触子を構成し得るか、又は図1及び図2に示すようにブロック若しくはコンパートメントに一体化され得る。雌型接触相手部40を有するブロック又はコンパートメントは、受入装置80(図2を参照されたい)として説明される。図1は、特に電動工具10とエネルギー供給装置20とが互いに分離している場合を示す。電動工具10及びエネルギー供給装置20は、一緒にシステム100を形成し得、エネルギー供給装置20は、電動工具10に電気エネルギーを供給するように構成される。加えて、インターフェース30は、雄型接触相手部50と雌型接触相手部40との間の相対距離を減少させるための弾性手段60を含む。少なくとも1つの弾性手段60は、例えば、ばね又は渦巻きばねであり得る弾性要素62を含み得る。しかし、他のすべての考えられる弾性要素62が可能であり、考えられる。雄型接触相手部50が雌型受入端子40内に導入されると、相対距離を減少させるための弾性手段60は、特に安定した接触が接触相手部40、50間に形成されるように圧縮される。かかる接点を図3に示す。接触相手部40、50の接触及び相対距離を減少させるための弾性手段60の圧縮により、雄型接触相手部50及び雌型接触相手部40のユニット70(図3を参照されたい)が存在し得る遊び又は移動空間が生じる。エネルギー供給装置20の移動又は振動は、次いで、雄型接触相手部50及び雌型接触相手部40のユニット70が移動空間の境界壁に衝突しないように十分な遊びを有することにつながる。したがって、エネルギー供給装置20は、雄型接触相手部50及び雌型接触相手部40のユニット70から切り離され、それにより、雄型接触相手部50及び雌型接触相手部40のユニット70は、特に良好に保護される。接触相手部40、50間の安定した接触は、特に高い電流がエネルギー供給装置20から電動工具10に流れ得ることを意味する。これは、特に接触相手部40、50間の接触抵抗を本発明によって実質的に低減することができるために達成され、それにより、特に接触相手部40、50間の接触領域32(図3を参照されたい)で測定される温度も、先行技術から知られているような従来のインターフェースにおけるよりも大きく上昇しない。インターフェース30の接触領域32における低減された接触抵抗及び低減された温度のため、提案されたインターフェース30の耐用年数が満足に延長される。
【0092】
図1は、雄型接触相手部50が電動工具10上に配置され、雌型接触相手部40がエネルギー供給装置20上に配置されることを示すが、雄型接触相手部50がエネルギー供給装置20上に配置され、雌型接触相手部40が電動工具10上に配置される逆の配置も可能であり得る。特に、本発明と関連して、雄型接触相手部50は、ばねによって取り付けられる、すなわち相対距離を低減するための弾性手段60に接続されることが好ましい場合もある。
【0093】
図2は、提案されるシステム100の好ましい実施形態のエネルギー供給装置20の上面の可能な実施形態を示す。この図は、受入装置80内に配置される4つの雌型接触相手部40を示す。図示しない本発明の例示的な実施形態では、受入装置80は、雄型接触相手部50又は雄型接触相手部50及び雌型接触相手部40も受け入れ得る。受入装置80は、特にインターフェース30の電力又は電流接点40、50を受け入れるように構成される。
【0094】
インターフェース30は、通信要素90を含み得、この通信要素90は、例えば、受入装置80の領域に配置され得るか又は受入装置80の構成要素であり得る。通信要素90は、受入装置80の中心又は中央に配置することができ、電動工具10とエネルギー供給装置20との間でデータを伝達するために設けることができる。さらに、図2には、ばね、特に渦巻きばねとして形成された2つの弾性要素62が示されている。ばね62は、インターフェース30の電流又は電力接点40、50間の相対距離を減少させるための手段60を形成する。通信要素90は、電動工具10とエネルギー供給装置20との間に通信リンク92を確立するように設計することができ、通信リンク92は、有線又は無線の設計であり得る。通信リンク92は、図1で通信要素90間の破線によって概略的に示されている。
【0095】
受入装置80は、通信要素90をさらに含み得、これらの通信要素90は、好ましくは、受入装置80の中心又は中央に配置される。通信要素90は、好ましくは、電動工具10とエネルギー供給装置20との間でデータを伝達するために設けられる。さらに、図2には、ばね、特に渦巻きばねとして設計された2つの弾性要素62が示されている。ばね62は、相対距離を減少させるための手段60を形成する。
【0096】
図3は、雌型接触相手部40及び雄型接触相手部50のユニット70のさらなる可能な実施形態を示す。図3は、特に雌型接触相手部40及び雄型接触相手部50を有するインターフェース30を示す。特に、図3は、電流又は電気エネルギーがエネルギー供給装置20から電動工具10に向かって流れることができるように、エネルギー供給装置20及び電動工具10が互いに接続された接続状態を示す。雄型接触相手部50のブレード52は、雌型接触相手部40の受入端子44又は脚部44内に配置され、接触相手部40、50は、一緒に接触領域32を形成し、この接触領域32を介して電流又は電気エネルギーをエネルギー供給装置20から電動工具10に伝送することができる。接触領域32は、特に雌型接触相手部40のテーパ42の領域に形成され、雌型接触相手部40の脚部44又は受入端子44の構成要素は、互いから最小距離を取る。結果として、雌型接触相手部40の脚部44は、雄型接触相手部50のブレード52に対して特に近接して位置する。
【0097】
図4は、雌型接触相手部40及び雄型接触相手部50のユニット70のさらなる可能な実施形態を示す。図4は、特に雌型接触相手部40及び雄型接触相手部50と、接触相手部40、50間の相対距離を減少させるための弾性手段60とを有するインターフェース30を示す。雄型接触相手部50のブレード52は、雌型接触相手部40の内部によって受け入れられ、この内部は、雌型接触相手部40の脚部44によって形成される。接触相手部40、50間の接触は、特に図4に示す本発明の例示的な実施形態では、雌型接触相手部40の脚部44間の最小距離の領域に配置されるインターフェース30の接触領域32に存在する。
【0098】
図5は、エネルギー供給装置20と電動工具10の接続の可能なプロセスを示す。図5は、3つの部分図a)、b)及びc)から構成され、部分図5a)は、エネルギー供給装置20と電動工具10を分離状態で示し、エネルギー供給装置20と電動工具10とは、互いに分離している。部分図5b)は、エネルギー供給装置20と電動工具10の接触相手部40、50が接合される、すなわち互いに押し付けられる瞬間のエネルギー供給装置20と電動工具10を示し、図5b)に示す状態では、弾性ばね取り付け手段60は、依然として弾性変形していない。すなわち、弾性ばね取り付け手段60は、図5b)に示す状態では依然として応力がかけられておらず、その結果、接触相手部40、50のばね取り付けが依然としてない。部分図5c)は、弾性ばね手段60が圧縮された状態、すなわち応力がかけられた状態を示す。この状態は、好ましくは、エネルギー供給装置20と電動工具10が互いに接続され、エネルギー供給装置20が電動工具10に電気エネルギーを供給できるロック状態に対応する。
【0099】
エネルギー供給装置20は正極22及び負極24を有し、それぞれの極22及び24は、それぞれの電流導体26を介して、接触相手部、この場合には雄型接触相手部50に接続することができる。電流導体26は、好ましくは、図5においてばね取り付けされる雌型接触相手部40とエネルギー供給装置20との間の弾性電流接続26を形成し得る。弾性ばね取り付け手段60は、好ましくは、接触相手部、この場合には雌型接触相手部40をエネルギー供給装置20に接続する。電動工具10は、例えば、電動工具10のモータ12であり得る消費装置12を有し得る。図5の参照符号は、部分図5a)についてのみ与えられるが、副図5b)及び5c)にも同様に適用される。
【0100】
図6は、ばね取り付けと接触相手部40、50の配置の様々な組み合わせを示す。図6は、4つの部分図a)、b)、c)及びd)からなり、部分図6a)に示す本発明の例示的な実施形態では、2つの雄型接触相手部50が、電動工具10上にブレード52とともに配置される。電動工具10は、例えばモータなどの消費装置12を含み得る。図6の各部分図は、電動工具10及びエネルギー供給装置20をそれぞれの場合に接続された状態で示す。部分図6a)に示された本発明の例示的な実施形態では、雌型接触相手部40がエネルギー供給装置20上に存在し、図示されたエネルギー供給装置20は特に2つの雌型接触相手部40を有する。部分図6a)に示された本発明の例示的な実施形態では、雌型接触相手部40の数は、したがって、雄型接触相手部50の数に対応する。これに関連して、これは、好ましくは、電動工具10及びエネルギー供給装置20が、同じ数の接触相手部40、50を有し、部分図6a)に図示された電動工具10が2つの雄型接触相手部50を有し、部分図6a)に図示されたエネルギー供給装置20が2つの雌型接触相手部40を有することを意味する。エネルギー供給装置20は、2つの極22、24、すなわち正極22及び負極24を有する。エネルギー供給装置20の極22、24は、それぞれ好ましくは弾性の電流導体26を介して接触相手部40に接続され、部分図6a)のエネルギー供給装置20の接触相手部は、雌型接触相手部40である。部分図6a)に示す本発明の例示的な実施形態では、ばね取り付けは、エネルギー供給装置20の領域、すなわちエネルギー供給装置20の側に存在する。部分図6a)及び6d)に示す本発明の例示的な実施形態では、雄型接触相手部50はそれぞれ電動工具10に配置される一方、雌型接触相手部40はエネルギー供給装置20に接続される。図6の参照符号は、部分図6a)に対してのみ示されているが、図6の他の部分図に対しても同様に適用される。
【0101】
部分図6b)は、電動工具10が雌型接触相手部40を有し、エネルギー供給装置20が雄型接触相手部50を有する本発明の例示的な実施形態を示す。ここでも、電動工具10とエネルギー供給装置20の両方が、それぞれ2つの接触相手部40、50を有する。部分図6b)に示す本発明の例示的な実施形態では、雄型接触相手部50のブレード52はそれぞれ、弾性ばね取り付け手段60を介してエネルギー供給装置20に接続される一方、ブレードは、電流導体26を介してエネルギー供給装置20のそれぞれの極22、24にも電気的に接続される。部分図6b)に示す本発明の例示的な実施形態でも、ばね取り付けは、エネルギー供給装置20の領域、すなわちエネルギー供給装置20の側に存在する。
【0102】
部分図6c)及び6d)に示す本発明の例示的な実施形態では、ばね取り付けは、それぞれ、電動工具10の領域、すなわち電動工具10の側に存在する。部分図6c)は、電動工具10が雌型接触相手部40も有し、エネルギー供給装置20が雄型接触相手部50を有する本発明の例示的な実施形態を示す。雌型接触相手部40は、電流導体26を介して電動工具10に導電的に接続され、電気的接続は特に雌型接触相手部40と電動工具10の消費装置12との間に存在する。雌型接触相手部40は、弾性ばね取り付け手段60を介しても電動工具10に接続される。エネルギー供給装置20の領域では、雄型接触相手部50、特にそのブレード52は、それぞれエネルギー供給装置20の極22、24に接続される。エネルギー供給装置20は、2つの雄型接触相手部50を有し、正確に1つの雄型接触相手部50がエネルギー供給装置20の各極22、24に割り当てられ得る。
【0103】
部分図6d)は、電動工具10が雄型接触相手部50を有し、エネルギー供給装置20が雌型接触相手部40を有する、本発明の例示的な実施形態も示す。ばね取り付け、すなわち弾性ばね取り付け手段60は、部分図6d)に示す本発明の例示的な実施形態では、電動工具10の領域に存在する。電動工具10は、弾性ばね取り付け手段60を介してそれぞれの雄型接触相手部50又はそのブレード52に接続される。さらに、部分図6d)に示す本発明の例示的な実施形態では、電動工具10の消費装置12と雄型接触相手部50との間に通電接続がある。電動工具10の消費装置12と雄型接触相手部50との間の通電接続は、特に、電流導体26によって達成可能であり、電流導体26は、好ましくは、弾性であり得る。弾性電流導体26は、有利には、接触相手部40、50の最適な切離しが確保され得るように、接触相手部40、50の可動性を支持するために特に上手く適している。本発明と関連して、好ましくは、弾性電流導体26は、編組ワイヤを含むか又はそれにより形成されることが好ましい場合がある。好ましくは、好ましくは弾性の電流導体26は、好ましくは、撚り合わされ得る複数の個々のワイヤを含む。例えば、本発明と関連して、好ましくは弾性の電流導体26が10本を超える個々のワイヤを含むことが好ましい場合がある。部分図6d)に示される本発明の例示的な実施形態では、エネルギー供給装置20は、2つの雌型接触相手部40を有し、エネルギー供給装置20の各雌型接触相手部40が、エネルギー供給装置20の2つの極22、24のそれぞれに割り当てられ得る。
【0104】
図7は、接触相手部40、50の様々な配置及びその占有を示す。図7は、4つの部分図a)、b)、c)及びd)から構成され、部分図7a)は、4つの雄型接触相手部50を有する電動工具10及び4つの雌型接触相手部40を有するエネルギー供給装置20を示す。電動工具10の雄型接触相手部50は、電動工具10がエネルギー供給装置20から受け取る電気エネルギーを供給するために、電動工具10の消費装置12に導電接続される。エネルギー供給装置20の雌型接触相手部40は、それぞれ、導体を介してエネルギー供給装置20の極22、24に接続され、図7a)に示す本発明の例示的な実施形態では、2つの雌型接触相手部40がエネルギー供給装置20の正極22に接続され、他の2つの雌型接触相手部40がエネルギー供給装置20の負極24に接続される。接続は、好ましくは弾性の電流導体26を用いて確立することができる。さらに、雌型接触相手部40は、弾性ばね取り付け手段60を介してエネルギー供給装置20に接続される。図7のすべての部分図では、ばね取り付けは、エネルギー供給装置20の側で行われる。さらに、図7のすべての部分図の共通の特徴は、雄型接触相手部50が電動工具10上に存在し、雌型接触相手部40がエネルギー供給装置20上に配置される点である。しかしながら、図7の部分図は、それぞれに存在する接触相手部40、50の数と、各場合に形成可能な電流伝達ペアの数とが異なる。部分図7a)に示す本発明の例示的な実施形態では、例えば、4つの電流伝達ペアが示されており、それぞれ雌型接触相手部40と雄型接触相手部50とから構成される。4つの電流伝達ペアにより、エネルギー供給装置20の電位が特に効果的に利用され得、エネルギー供給装置20から電動工具10に大量の電気エネルギーを伝達することができる。例えば、50A超、好ましくは70A超、最も好ましくは100A超の電流を、このようなインターフェース30で伝達することができる。電流は、好ましくは、定電流である。図7における参照符号は、部分図7a)についてのみ与えられるが、図7の他の部分図にも同様に適用される。
【0105】
部分図7b)に示す本発明の例示的な実施形態では、例えば、それぞれ雌型接触相手部40と雄型接触相手部50とを含む2つの電流伝達ペアが示されているが、エネルギー供給装置20の2つの雌型接触相手部40は、占有されず、すなわち未使用又は「空」のままである。部分図7b)に示す本発明の例示的な実施形態では、インターフェース30が4つの電流伝達ペアを含む部分図7a)に示す本発明の例示的な実施形態に比べて、電流伝達ペアの数が少ないため、より少ない電流がエネルギー供給装置20から電動工具10に伝達され得る。部分図7b)に示す本発明の例示的な実施形態では、エネルギー供給装置20は4つの雌型接触相手部40を有するが、電動工具10は2つの雄型接触相手部50のみを有する。
【0106】
部分図7c)に示す本発明の例示的な実施形態では、同様に、それぞれ雌型接触相手部40と雄型接触相手部50とを含む2つの電流伝達ペアが例として示されているが、電動工具10の2つの雄型接触相手部50は雌型接触相手部40に接続されていない。部分図7c)に示す本発明の例示的な実施形態では、インターフェース30が4つの電流伝達ペアを含む部分図7a)に示す本発明の例示的な実施形態に比べて、電流伝達ペアの数が少ないため、より少ない電流がエネルギー供給装置20から電動工具10に伝達され得る。部分図7c)に示す本発明の例示的な実施形態では、電動工具10は4つの雄型接触相手部50を有するが、エネルギー供給装置20は2つの雌型接触相手部40のみを有する。
【0107】
部分図7d)に示す本発明の例示的な実施形態では、電動工具10は2つの雄型接触相手部50を有し、エネルギー供給装置20は2つの雌型接触相手部40を有する。かくして、2つの電流伝達ペアが形成され、伝達されるエネルギーの量又は伝達できる電流の大きさは、部分図7b)及び7c)に示す本発明の例示的な実施形態に対応する。
【0108】
図5~7に示された本発明の例示的な実施形態では、個々のばね取り付けがそれぞれ示されており、すなわちばね取り付けが行われるインターフェース30の接続相手部では、各接触相手部40、50は、弾性ばね取り付け手段60を有する。これは、接触相手部40、50が個々にばね取り付けされることを意味する。
【0109】
図8は、受入装置80を示し、この受入装置80は、部分図8a)に示す本発明の例示的な実施形態では、エネルギー供給装置20の4つの雌型接触相手部40を含む。雌型接触相手部40は、電流伝達ペアが形成されるように、既知の方法で雄型接触相手部50のブレード52に動作可能に接続され、部分図8a)に示す本発明の例示的な実施形態では4つの電流伝達ペアが形成される。部分図8a)に示す受入装置80は、エネルギー供給装置20の一部であり、4つの電流導体26を介してエネルギー供給装置20の極22、24に接続されるとともに、2つのばね取り付け手段60を介してエネルギー供給装置20に機械的に接続される。受入装置80は、好ましくは、接触ブロックを形成し、この接触ブロックは、一定数の弾性ばね取り付け手段60を有するブロックとしてばね取り付けされ得る。
【0110】
部分図8b)に示す本発明の例示的な実施形態では、2つの受入装置80が示されており、2つの雌型接触相手部40が各受入装置80に存在する。2つの受入装置80のそれぞれは、2つの弾性ばね取り付け手段60を介してエネルギー供給装置20に接続され、且つ2つの電流導体26を介してエネルギー供給装置20の極22、24に接続される。ここでは、それぞれの場合において、2つの電流導体26は、エネルギー供給装置20の正極22と第1の受入装置80aとの間の接続を提供し、他の2つの電流導体26は、エネルギー供給装置20の負極24と第2の受入装置80bとの間の接続を提供する。図8の参照符号は、部分図8a)についてのみ示されているが、図8の他の部分図にも同様に適用される。
【0111】
図9は、通信要素90又は通信受入装置94のインターフェース30への可能な一体化を示す。図9aに示す電動工具10は、4つの雄型接触相手部50を有し、そのそれぞれがエネルギー供給装置20の雌型接触相手部40に接続され、電流伝達ペアを形成する。したがって、図9aに示すインターフェース30は、4つの電流伝達ペアを有する。図9aに示す本発明の例示的な実施形態では、ばね取り付けはエネルギー供給装置20に提供され、エネルギー供給装置20の4つの雌型接触相手部40のそれぞれは、弾性ばね取り付け手段60を介してエネルギー供給装置20に接続される。
【0112】
図9aに示す本発明の例示的な実施形態では、雌型接触相手部40は個々にばね取り付けされる。それぞれの場合において、エネルギー供給装置20の2つの雌型接触相手部40は、電流導体26を介してエネルギー供給装置20の正極22に接続され、エネルギー供給装置20の他の2つの雌型接触相手部40は、電流導体26を介してエネルギー供給装置20の負極24に接続される。
【0113】
図9aに示すインターフェース30は、通信要素90をさらに有し、電動工具10側には2つの雄型通信要素90が存在し、エネルギー供給装置20側には2つの雌型通信要素90が存在する。当然のことながら、電動工具10側に2つの雌型通信要素90が存在し、エネルギー供給装置20側に2つの雄型通信要素90が存在することもできる。通信要素90は、それ自身の通信受入装置94を有し、この通信受入装置は、別個に、すなわち電流接点40、50とは独立してばね取り付けされ得る。この目的のために、通信受入装置94は、それ自体の弾性ばね取り付け手段60を含み得る。
【0114】
図9bに示された本発明の例示的な実施形態では、電流接点40、50と通信要素90の両方を受け入れるように設計された共通の受入装置80が形成される。図9bの受入装置80は、2つの弾性ばね取り付け手段60を介してばね取り付けされ、すなわち図9bに示す本発明の例示的な実施形態では、接触ブロック全体として2つの弾性ばね取り付け手段60を介してばね取り付けされる。当然のことながら、受入装置80を電動工具10側に配置することもでき、電動工具10とエネルギー供給装置20との両方の側の受入装置80が雄型接触相手部50又は雌型接触相手部40を受け入れることができる。
【符号の説明】
【0115】
10 電動工具
12 電動工具内の消費装置、例えばモータ
20 エネルギー供給装置
22 エネルギー供給装置の正極
24 エネルギー供給装置の負極
26 電流導体
30 インターフェース
32 接触領域
40 雌型接触相手部
42 テーパ
44 雌型接触相手部の脚部
50 雄型接触相手部
52 ブレード
60 相対運動を低減するための手段
62 弾性要素
70 雌型及び雄型接触相手部のユニット
80 受入装置
90 通信要素
92 通信リンク
94 通信受入装置
100 システム
図1
図2
図3
図4
図5a)】
図5b)】
図5c)】
図6a)】
図6b)】
図6c)】
図6d)】
図7a)】
図7b)】
図7c)】
図7d)】
図8a)】
図8b)】
図9a)】
図9b)】
【手続補正書】
【提出日】2024-06-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動工具(10)と、前記電動工具(10)に電気エネルギーを供給するためのエネルギー供給装置(20)とを含むシステム(100)であって、前記エネルギー供給装置(20)は、インターフェース(30)を介して前記電動工具(10)に着脱可能に接続され得、前記インターフェース(30)は、少なくとも雌型接触相手部(40)及び雄型接触相手部(50)を含む、システム(100)において、前記インターフェース(30)は、前記接触相手部(40、50)間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段(60)を含み、前記接触相手部(40、50)間の前記相対運動を低減するための前記弾性手段(60)は、前記少なくとも1つの雄型接触相手部(50)及び/又は前記少なくとも1つの雌型接触相手部(40)に作用するように設計され、前記エネルギー供給装置(20)は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルを有し、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルは、10ミリオーム未満の内部抵抗DCR_Iを有することを特徴とするシステム(100)。
【請求項2】
前記相対運動を低減するための前記弾性手段(60)が作用する前記接触相手部(40又は50)は、移動可能に取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの雄型接触相手部(50)は、前記電動工具(10)に配置されること、及び/又は前記少なくとも1つの雌型接触相手部(40)は、前記エネルギー供給装置(20)に配置されることを特徴とする、請求項に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記相対運動を低減するための前記少なくとも1つの弾性手段(60)は、少なくとも1つの弾性要素(62)を含むことを特徴とする、請求項に記載のシステム(100)。
【請求項5】
雄型接触相手部(50)及び雌型接触相手部(40)は、それぞれの場合において、接続状態で前記エネルギー供給装置(20)の移動及び/又は前記電動工具(10)の移動から切り離されるユニット(70)を形成することを特徴とする、請求項に記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記インターフェース(30)は、少なくとも1つの弾性電流導体(26)を有することを特徴とする、請求項に記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記インターフェース(30)は、前記電動工具(10)と前記エネルギー供給装置(20)との間でデータを交換するための通信要素(90)を含むことを特徴とする、請求項に記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記通信要素(90)は、通信リンクを形成し、前記通信リンクは、有線式又は無線式であることを特徴とする、請求項7に記載のシステム(100)。
【請求項9】
前記通信要素(90)は、通信受入装置に配置され、前記通信要素(90)及び/又は前記通信受入装置は、弾性手段(60)を含むことを特徴とする、請求項に記載のシステム(100)。
【請求項10】
前記インターフェース(30)は、少なくとも1つの雌型接触相手部(40)及び/又は少なくとも1つの雄型接触相手部(50)を受け入れるための受入装置(80)を含むことを特徴とする、請求項に記載のシステム(100)。
【請求項11】
少なくとも1つの通信要素(90)は、前記受入装置(80)内に一体化されることを特徴とする、請求項10に記載のシステム(100)。
【請求項12】
前記相対運動を低減するための前記少なくとも1つの弾性手段(60)は、前記受入装置(80)に割り当てられること、又は前記相対運動を低減するための前記少なくとも1つの弾性手段(60)は、雌型接触相手部(40)及び雄型接触相手部(50)のそれぞれの接触ペアに割り当てられることを特徴とする、請求項10に記載のシステム(100)。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載のシステムで使用するためのエネルギー供給装置(20)において、少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルを含み、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルの表面積Aに対する前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルの抵抗の比は、0.2ミリオーム/cm満であることを特徴とするエネルギー供給装置(20)。
【請求項14】
請求項1~12のいずれか一項に記載のシステムで使用するためのエネルギー供給装置(20)において、少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルを有し、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルは、表面積A及び体積Vを有し、前記表面積対前記体積の比A/Vは、前記体積の立方根の逆数の6倍より大きいことを特徴とするエネルギー供給装置(20)。
【国際調査報告】