(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】複数の高精細光学フィルムを有するバックライト
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20241114BHJP
【FI】
F21S2/00 481
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533802
(86)(22)【出願日】2022-12-02
(85)【翻訳文提出日】2024-06-05
(86)【国際出願番号】 IB2022061729
(87)【国際公開番号】W WO2023105375
(87)【国際公開日】2023-06-15
(32)【優先日】2021-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】白鳥 英明
(72)【発明者】
【氏名】豊岡 和彦
(72)【発明者】
【氏名】加戸 沙佳
(72)【発明者】
【氏名】ボイド,ゲイリー ティー.
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA01
3K244BA08
3K244BA48
3K244CA02
3K244DA01
3K244GA01
3K244GA02
3K244GA05
3K244GA10
3K244GA14
3K244GA17
3K244GC02
3K244GC12
3K244GC13
3K244GC22
(57)【要約】
ディスプレイに対するバックライトは、個別の光源のアレイと、ディスプレイと光源との間に配置された複数の光学フィルムとを含む。各フィルムは、複数の貫通孔を画定する交差リッジの規則的なアレイを含む。貫通孔の各々は、貫通孔の第1の開放端と第2の開放端との間に延びる。フィルムの厚さ方向に平行な平面における光学フィルムの断面は、リッジのアレイ内の2つの隣接するリッジと、それらの間の貫通孔とを含む。フィルムは、最大厚さhmaxを有し、貫通孔は、貫通孔の第1の開放端に接続された実質的に垂直な部分と、実質的に垂直な部分から延び、第2の開放端に接続された実質的に水平な部分とを有する側壁を含む。実質的に水平な部分は、2つの隣接するリッジの間の位置で最小厚さhminを有し、hmax/hmin≧2である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイパネルに照明を提供するためのバックライトであって、
離間した個別の光源の二次元アレイと、
前記光源上に配置され、前記ディスプレイパネルと前記光源との間に配置されるように構成された複数の光学フィルムであって、前記光学フィルムの各々が、複数の貫通孔を間に画定する交差リッジの規則的な二次元アレイを含み、前記貫通孔の各々が、前記光学フィルムの反対側にある第1の主表面及び第2の主表面のそれぞれにある前記貫通孔の第1の開放端と第2の開放端との間に延び、前記光学フィルムの厚さ方向に平行であり、かつリッジの前記アレイ内の2つの隣接するリッジ及びそれらの間の貫通孔を含む、第1の平面における前記光学フィルムの少なくとも第1の断面において、前記光学フィルムが、最大厚さh
maxを有し、前記貫通孔が、前記貫通孔の前記第1の開放端に接続された実質的に垂直に向けられた部分と、前記実質的に垂直に向けられた部分から延び、前記第2の開放端に接続された実質的に水平に向けられた部分とを含む側壁を含み、前記実質的に水平に向けられた部分が、前記2つの隣接するリッジの間に配置された位置で最小厚さh
minを有し、h
max/h
min≧2である、複数の光学フィルムと、を備える、
バックライト。
【請求項2】
前記複数の光学フィルムが、少なくとも3つの光学フィルムを含む、請求項1に記載のバックライト。
【請求項3】
前記複数の光学フィルムと前記ディスプレイパネルとの間に配置された拡散層を更に備える、請求項1に記載のバックライト。
【請求項4】
前記拡散層の表面が、複数の微細構造を備える、請求項3に記載のバックライト。
【請求項5】
前記複数の微細構造内の各微細構造が、四角錐の形状を有する、請求項4に記載のバックライト。
【請求項6】
前記複数の貫通孔のうちの貫通孔の各々の前記第1の開放端及び前記第2の開放端の一方が、前記第1の開放端及び前記第2の開放端の他方よりも大きい、請求項1に記載のバックライト。
【請求項7】
前記複数の貫通孔のうちの貫通孔の各々の内壁の傾斜が、前記厚さ方向の±15度以内である、請求項1に記載のバックライト。
【請求項8】
前記複数の貫通孔のうちの各貫通孔が、前記第1の開口部と前記第2の開口部との間の距離Hを画定し、前記第2の開口部が、開放面積A2を有し、H/A2の比が、約0.13以上である、請求項1に記載のバックライト。
【請求項9】
前記複数の光学フィルムのうちの各光学フィルムが、前記複数の光学フィルム内の他の光学フィルムの各々と同じように向けられている、請求項6に記載のバックライト。
【請求項10】
前記複数の光学フィルムのうちの各光学フィルムが、前記第1の開放端及び前記第2の開放端のうちの大きい方が前記ディスプレイに面するように向けられている、請求項9に記載のバックライト。
【請求項11】
前記複数の光学フィルムのうちの各光学フィルムが、前記第1の開放端及び前記第2の開放端のうちの大きい方が離間した個別の光源の前記二次元アレイに面するように向けられている、請求項9に記載のバックライト。
【請求項12】
前記光学フィルムの各々の交差リッジの前記規則的な二次元アレイが、ポストの直交する行及び列を形成する、請求項1に記載のバックライト。
【請求項13】
前記複数の前記光学フィルム内の前記光学フィルムのうちの少なくとも2つについて、前記2つの光学フィルムのうちの一方の前記行が、前記2つの光学フィルムのうちの他方の前記行と約20度未満の角度を成す、請求項12に記載のバックライト。
【請求項14】
前記複数の前記光学フィルム内の前記光学フィルムのうちの少なくとも2つについて、前記2つの光学フィルムのうちの一方の前記行が、前記2つの光学フィルムのうちの他方の前記行と約10度~約80度の角度を成す、請求項12に記載のバックライト。
【請求項15】
バックライト上に配置されたディスプレイに第1の方向に沿って照明を提供するためのバックライトであって、
複数の離間した個別の光源であって、前記光源の行及び列に配置され、かつ前記ディスプレイに面するように構成された、複数の離間した個別の光源と、
前記光源上に配置され、第1の平面の下に近接して配置された2つ以上の光学フィルムを含む光学積層体であって、前記光学積層体及び前記第1の平面が、前記ディスプレイと前記光源との間に配置されるように構成されている、光学積層体と、
前記光学積層体と前記ディスプレイとの間に配置された拡散層と、
を備え、
前記光学積層体内の各光学フィルムが、複数の貫通孔であって、前記貫通孔の行及び列に配置され、かつ前記光学フィルムの第1の主表面と第2の主表面との間に延びる、複数の貫通孔を備え、各貫通孔が、前記第1の主表面にあって第1の開放面積A1を有する第1の開口部と、前記第2の主表面にあって第2の開放面積A2を有する第2の開口部とを有し、各貫通孔が、前記第1の方向に沿った高さHを有し、H/A2の比が約0.13以上であり、
全ての前記光源が光を放射するとき、全ての前記光源によって放射される前記光が、前記第1の平面における第1の平均輝度を有し、
前記光学積層体がない場合、全ての前記光源によって放射される前記光が、前記第1の平面において第2の平均輝度を有し、前記第1の平均輝度が、前記第2の平均輝度よりも大きい、
バックライト。
【請求項16】
前記光学積層体が、3つ以上の光学フィルムを含む、請求項15に記載のバックライト。
【請求項17】
A1が、A2よりも大きい、請求項15に記載のバックライト。
【請求項18】
前記光学積層体内の各光学フィルムが、A1が前記複数の離間した個別の光源に面するように配置されている、請求項17に記載のバックライト。
【請求項19】
前記光学積層体内の各光学フィルムが、A1が前記ディスプレイに面するように配置されている、請求項17に記載のバックライト。
【請求項20】
前記光学積層体内の少なくとも1つの光学フィルムが、A1が前記ディスプレイに面するように配置されており、前記光学積層体内の少なくとも1つの他の光学フィルムが、A1が前記複数の離間した個別の光源に面するように配置されている、請求項17に記載のバックライト。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本明細書のいくつかの態様では、バックライト上に配置されたディスプレイに第1の方向に沿って照明を提供するためのバックライトが提供され、バックライトは、複数の離間した個別の光源であって、光源の行及び列に配置され、かつディスプレイに面するように構成された、複数の離間した個別の光源と、光源上に配置され、第1の平面の下に近接して配置された光学フィルムとを含む。光学フィルム及び第1の平面は、ディスプレイと光源との間に配置されるように構成されている。光学フィルムは、複数の貫通孔であって、貫通孔の行及び列に配置され、かつ光学フィルムの第1の主表面と第2の主表面との間に延びる、複数の貫通孔を含む。各貫通孔は、第1の主表面にあって第1の開放面積A1を有する第1の開口部と、第2の主表面にあって第2の開放面積A2を有する第2の開口部とを有する。各貫通孔は、第1の方向に沿った長さHを有し、H/A2の比は約0.13以上である。全ての光源が光を放射するとき、全ての光源によって放射される光は、第1の平面において測定される第1の全体ピーク強度と、第1の平面にわたって測定される第1の輝度均一性とを有する。光学フィルムがない場合、全ての光源によって放射される光は、第1の平面において測定される第2の全体ピーク強度と、第1の平面にわたって測定される第2の輝度均一性とを有する。第1の全体ピーク強度と第2の全体ピーク強度は、約20%未満異なり、第1の輝度均一性は、第2の輝度均一性に対して少なくとも2.8%の改善を示す。
【0002】
本明細書のいくつかの態様では、光学フィルムが提供され、光学フィルムは、第2の主表面の反対側の構造化された第1の主表面を含む。第1の主表面は、行及び列に配置された複数のポストと、ポスト間に延び、ポストに対して陥凹した複数のリッジとを含む。複数の貫通孔は、第1の主表面と第2の主表面との間に延び、各貫通孔は、複数のリッジのうちのいくつかのリッジによって画定され、かつそれに対して陥凹し、かつ第1の最大寸法を有する、第1の主表面にある第1の開口部と、第1の最大寸法とは異なる第2の最大寸法を有する、第2の主表面にある第2の開口部とを含む。
【0003】
本明細書のいくつかの態様では、光学フィルムが提供され、光学フィルムは、第2の主表面の反対側の構造化された第1の主表面を含む。第1の主表面は、行及び列に配置された複数のポストと、ポスト間に延び、ポストに対して陥凹した複数のリッジと、第1の主表面から光学フィルム内に厚さ方向に延びる複数の凹部とを含む。各凹部は、複数のリッジのうちのいくつかのリッジによって画定され、かつそれに対して陥凹し、かつ第1の最大寸法を有する、第1の主表面にある第1の開放端と、第1の開放端から距離Dだけ陥凹し、第1の最大寸法とは異なる第2の最大寸法を有する、第2の閉鎖端とを含む。
【0004】
本明細書のいくつかの態様では、バックライト上に配置されたディスプレイに第1の方向に沿って照明を提供するためのバックライトが提供され、バックライトは、複数の離間した個別の光源であって、光源の行及び列に配置され、かつディスプレイに面するように構成された、複数の離間した個別の光源と、第2の主表面の反対側の構造化された第1の主表面、及び第1の主表面と第2の主表面との間に延びる複数の貫通孔を有する光学フィルムとを含む。光学フィルムは、光源上に配置され、第1の平面の下に近接して配置されている。光学フィルム及び第1の平面は、ディスプレイと光源との間に配置されるように構成されている。光学フィルムが、第1の主表面が光源に面するように配置されている場合、第1の平面における平均輝度は、より小さく、第1の輝度均一性値は、より小さく、光学フィルムが、第2の主表面が光源に面するように配置されている場合、第1の平面における第1の平均輝度は、より大きく、第1の輝度均一性値は、より大きく、輝度均一性値は、第1の平面における最大輝度値を第1の平面における最小輝度値で割ることによって計算される。
【0005】
本明細書のいくつかの態様では、ディスプレイパネルに照明を提供するためのバックライトが提供され、バックライトは、離間した個別の光源の二次元アレイと、光源上に配置され、ディスプレイパネルと光源との間に配置されるように構成された複数の光学フィルムとを含む。光学フィルムの各々は、複数の貫通孔を間に画定する交差リッジの規則的な二次元アレイを含む。貫通孔の各々は、光学フィルムの反対側にある第1の主表面及び第2の主表面のそれぞれにある貫通孔の第1の開放端と第2の開放端との間に延びる。光学フィルムの厚さ方向に平行であり、かつリッジのアレイ内の2つの隣接するリッジ及びそれらの間の貫通孔を含む、第1の平面における光学フィルムの第1の断面において、光学フィルムは、最大厚さhmaxを有する。貫通孔は、貫通孔の第1の開放端に接続された実質的に垂直に向けられた部分と、実質的に垂直に向けられた部分から延び、第2の開放端に接続された実質的に水平に向けられた部分とを有する側壁を含む。実質的に水平に向けられた部分は、2つの隣接するリッジの間に配置された位置で最小厚さhminを有し、hmax/hminは約2以上である。
【0006】
本明細書のいくつかの態様では、バックライト上に配置されたディスプレイに第1の方向に沿って照明を提供するためのバックライトが提供され、バックライトは、複数の離間した個別の光源であって、光源の行及び列に配置され、かつディスプレイに面するように構成された、複数の離間した個別の光源と、光源上に配置され、第1の平面の下に近接して配置された2つ以上の光学フィルムを含む光学積層体であって、光学積層体及び第1の平面が、ディスプレイと光源との間に配置されるように構成されている、光学積層体と、光学積層体とディスプレイとの間に配置された拡散層とを含む。光学積層体内の各光学フィルムは、複数の貫通孔であって、貫通孔の行及び列に配置され、かつ光学フィルムの第1の主表面と第2の主表面との間に延びる、複数の貫通孔を含む。各貫通孔は、第1の主表面にあって第1の開放面積A1を有する第1の開口部と、第2の主表面にあって第2の開放面積A2を有する第2の開口部とを有する。各貫通孔は、第1の方向に沿った高さHを有し、H/A2の比は約0.13以上である。全ての光源が光を放射するとき、全ての光源によって放射される光は、第1の平面において第1の平均輝度を有し、光学積層体がない場合、全ての光源によって放射される光は、第1の平面において第2の平均輝度を有し、第1の平均輝度は、第2の平均輝度よりも大きい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】本明細書の一実施形態による、ディスプレイに照明を提供するためのバックライトの側面図である。
【
図1B】本明細書の一実施形態による、ディスプレイに照明を提供するためのバックライトの側面図である。
【
図2A】本明細書の一実施形態による、光学フィルムの詳細の側面図である。
【
図2B】本明細書の一実施形態による、光学フィルムの詳細の側面図である。
【
図3A】本明細書の一実施形態による、光学フィルムの更なる詳細及び実施形態である。
【
図3B】本明細書の一実施形態による、光学フィルムの更なる詳細及び実施形態である。
【
図3C】本明細書の一実施形態による、光学フィルムの更なる詳細及び実施形態である。
【
図4】本明細書の代替的実施形態による、光学フィルムの側面図である。
【
図5A】本明細書の一実施形態による、高精細(microreplicated)特徴部を有する光学フィルムの拡大画像である。
【
図5B】本明細書の一実施形態による、高精細(microreplicated)特徴部を有する光学フィルムの拡大画像である。
【
図6A】本明細書の一実施形態による、高精細特徴部を有する光学フィルムの追加の拡大画像である。
【
図6B】本明細書の一実施形態による、高精細特徴部を有する光学フィルムの追加の拡大画像である。
【
図7】本明細書の代替的実施形態による、高精細特徴部の様々な構成に対する輝度性能を示すプロットである。
【
図8】本明細書の一実施形態による、バックライト上に配置された光学フィルムを有するディスプレイと有さないディスプレイのピーク輝度値を比較するプロットである。
【
図9A】本説明の一実施形態による、バックライト上に配置された光学フィルムを有するディスプレイと有さないディスプレイのディスプレイ均一性性能を比較するプロットである。
【
図9B】本説明の一実施形態による、バックライト上に配置された光学フィルムを有するディスプレイと有さないディスプレイのディスプレイ均一性性能を比較するプロットである。
【
図10】本明細書の一実施形態による、高精細特徴部を有する光学フィルムの追加の拡大画像である。
【
図11】本明細書の一実施形態による、2つ以上の光学フィルムを特徴とする、ディスプレイに照明を提供するためのバックライトを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明では、本明細書の一部を構成し、様々な実施形態が実例として示される、添付図面が参照される。図面は、必ずしも正確な比率の縮尺ではない。本開示の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他の実施形態が想到され、実施可能である点を理解されたい。したがって、以下の発明を実施するための形態は、限定的な意味では解釈されない。
【0009】
本明細書のいくつかの態様によれば、バックライト上に配置されたディスプレイに第1の方向(例えば、バックライトの厚さ方向又はz軸)に沿って照明を提供するためのバックライトは、光源の行(例えば、バックライトのx軸に沿って)及び列(例えば、バックライトのy軸に沿って)に配置され、かつディスプレイに面するように構成された、複数の離間した個別の光源(例えば、発光ダイオード)と、光源上に配置され、第1の平面の下に近接して配置された光学フィルムとを含む。光学フィルム及び第1の平面は、ディスプレイと光源との間に配置されるように構成されている。
【0010】
いくつかの実施形態では、光学フィルムは、複数の貫通孔であって、貫通孔の行及び列に配置され、かつ光学フィルムの第1の(例えば、上)主表面と第2の(例えば、下)主表面との間に延びる、複数の貫通孔を含んでもよい。いくつかの実施形態では、各貫通孔は、第1の主表面にあって第1の開放面積A1を有する第1の開口部と、第2の主表面にあって第2の開放面積A2を有する第2の開口部とを有する。いくつかの実施形態では、各貫通孔は、第1の方向に沿った長さHを有し、H/A2の比は約0.13以上である。
【0011】
いくつかの実施形態では、各貫通孔の少なくとも一部分の形状は、実質的に四角錐台、若しくは円錐台、若しくは円柱、若しくは角柱、又は任意の他の適切な形状であってもよい。いくつかの実施形態では、貫通孔の各々の内壁のうちのいずれかの傾斜は、実質的に垂直であってもよい(例えば、円筒形状又は角柱形状の場合)。他の実施形態では(例えば、四角錐台形状又は円錐台形状の場合)、貫通孔の各々の内壁のうちのいずれかの傾斜は、第1の方向(例えば、z軸に沿って)の±15度以内、又は±10度以内、又は±8度以内であってもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、開放面積A1は、開放面積A2より大きくてもよい。他の実施形態では、A1は、A2より小さくてもよい。更に他の実施形態では、A1及びA2は、実質的に等しくてもよい。いくつかの実施形態では、A1がA2よりも大きく、A1が光源に面するように光学フィルムが配置されている場合、第1の平面における第1の平均輝度は、より小さくてもよく、第1の輝度均一性は、より大きくてもよい。他の実施形態では、A1がA2よりも大きく、A2が光源に面するように光学フィルムが配置されている場合、第1の平面における第1の平均輝度は、より大きく、第1の輝度均一性は、より大きい。別の言い方をすれば、A1及びA2が異なる面積を有する場合、より大きい孔を「上」にし(すなわち、ディスプレイに向けて)、より小さい孔を「下」にして(すなわち、光源に向けて)フィルムを配置することにより、フィルムが逆(より大きい孔が「下」、より小さい孔が「上」)にされているときに測定される、相対的に小さい平均輝度及び相対的に小さい輝度均一性値(すなわち、より均一なディスプレイ輝度)を示すことがある値と比較した場合に、相対的に明るい平均輝度及び相対的に大きい輝度均一性値を示すことができる。
【0013】
全ての光源が光を放射するとき、全ての光源によって放射される光は、第1の平面において測定される第1の全体ピーク強度と、第1の平面にわたって測定される第1の輝度均一性とを有する。光学フィルムがない場合、全ての光源によって放射される光は、第1の平面において測定される第2の全体ピーク強度と、第1の平面にわたって測定される第2の輝度均一性とを有する。第1の全体ピーク強度と第2の全体ピーク強度は、約20%未満異なり、第1の輝度均一性は、第2の輝度均一性に対して少なくとも2.8%の改善を示す。いくつかの実施形態では、全ての光源によって放射される光は、第1の平面において第1の平均輝度を有することができ、光学フィルムがない場合、全ての光源によって放射される光は、第1の平面において第2の平均輝度を有することができ、第1の平均輝度は、第2の平均輝度以上である。
【0014】
本明細書の目的のために、「輝度均一性」(又は単に「均一性」)は、測定されるディスプレイ又はディスプレイの一部分にわたって測定したときの最大輝度値を最小輝度値で割ったものとして定義されるものとする。すなわち、本明細書で使用されるとき、「均一性」という用語は、ディスプレイ又はディスプレイの一部分についての特定の測定値であり、第2の測定された均一性値に対して比較されるときにのみ意味を有する。例えば、このようにして計算された均一性のより大きな値は、より小さな値よりも望ましくない。すなわち、より大きな均一性値は、「輝度ムラ」の増加、又はディスプレイ上の不均一なスポットを表す。本明細書の目的のために、用語「不均一性」及び「輝度ムラ」は、交換可能に使用されてもよく、ディスプレイ上の望ましくない可視輝度効果(ディスプレイの周囲領域よりも明らかに明るい又は暗いディスプレイ上のスポットなど)を説明するものとする。
【0015】
上記の例において、「第1の輝度均一性が第2の輝度均一性に対して少なくとも2.8%の改善を示す」場合、これは、第1の輝度均一性について測定された値が、第2の輝度均一性について測定された値よりも少なくとも2.8%小さい(より少ない輝度ムラを有する)ことを意味する。
【0016】
いくつかの実施形態では、バックライトは、光源と光学フィルムとの間に配置された拡散フィルムを更に含むことができる。いくつかの実施形態では、バックライトは、光学フィルムとディスプレイとの間に配置された1つ以上の輝度向上フィルム(例えば、プリズムフィルム)を更に含んでもよい。
【0017】
本明細書のいくつかの態様によれば、光学フィルムは、第2の主表面の反対側の構造化された第1の主表面を含んでもよい。第1の主表面は、行及び列に配置された(例えば、光学フィルムのx軸及びy軸に沿って配置された)複数のポストと、ポスト間に延び、ポストに対して陥凹した複数のリッジとを含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の貫通孔は、第1の主表面と第2の主表面との間に延びてもよく、各貫通孔は、複数のリッジのうちのいくつかのリッジによって画定され、かつそれに対して陥凹した、第1の主表面にある第1の開口部と、第2の主表面にある第2の開口部とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の開口部は、第1の最大寸法を有してもよく、第2の開口部は、第1の最大寸法とは異なる第2の最大寸法を有してもよい。いくつかの実施形態では、各貫通孔の第1の開口部は、複数のリッジのうちの4つのリッジによって画定され、囲まれている。いくつかの実施形態では、複数の貫通孔のうちの各貫通孔は、第1の開口部と第2の開口部との間の距離Hを画定することができ、第2の開口部は、開放面積A2を有してもよく、H/A2の比は約0.13以上である。
【0018】
いくつかの実施形態では、各貫通孔の少なくとも一部分の形状は、実質的に四角錐台、若しくは円錐台、若しくは円柱、若しくは角柱、又は任意の他の適切な形状であってもよい。いくつかの実施形態では、貫通孔の各々の内壁のうちのいずれかの傾斜は、実質的に垂直であってもよい。他の実施形態では、貫通孔の各々の内壁のうちのいずれかの傾斜は、第1の方向(例えば、z軸に沿って)の±15度以内、又は±10度以内、又は±8度以内であってもよい。
【0019】
本明細書のいくつかの態様によれば、ディスプレイに照明を提供するためのバックライトは、複数の離間した個別の光源であって、光源の行(例えば、x軸)及び列(例えば、y軸)に配置され、かつディスプレイに面するように構成された、複数の離間した個別の光源と、複数の離間した個別の光源上に配置され、第1の平面の下に近接して配置された、本明細書に記載の貫通孔を含む光学フィルムのうちのいずれかとを含むことができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、全ての光源が光を放射するとき、全ての光源によって放射される光は、第1の平面における第1の全体ピーク強度と、第1の平面にわたる第1の輝度均一性とを有する。光学フィルムがない場合、全ての光源によって放射される光は、第1の全体ピーク強度及び第2の全体ピーク強度が約20%未満、又は約15%未満、又は約10%未満異なり、第1の輝度均一性が第2の輝度均一性に対して少なくとも2.8%の改善を示すように、第1の平面における第2の全体ピーク強度と、第1の平面にわたる第2の輝度均一性とを有してもよい。いくつかの実施形態では、全ての光源によって放射される光は、第1の平面において第1の平均輝度を有することができ、光学フィルムがない場合、全ての光源によって放射される光は、第1の平面において第2の平均輝度を有することができ、第1の平均輝度は、第2の平均輝度以上である。
【0021】
本明細書のいくつかの態様によれば、光学フィルムは、第2の主表面の反対側の構造化された第1の主表面を含む。いくつかの実施形態では、第1の主表面は、行及び列(例えば、光学フィルムのx軸及びy軸)に配置された複数のポストと、ポスト間に延び、ポストに対して陥凹した複数のリッジと、第1の主表面から光学フィルム内に厚さ方向(例えば、光学フィルムのz軸)に延びる複数の凹部とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、各凹部は、複数のリッジのうちのいくつかのリッジによって画定され、かつそれに対して陥凹した、第1の主表面にある第1の開放端と、第1の開放端から距離Dだけ陥凹した第2の閉鎖端とを含んでもよい。第1の開放端は、第1の最大寸法を有してもよく、第2の閉鎖端は、第1の最大寸法とは異なる第2の最大寸法を有してもよい。いくつかの実施形態では、各凹部の第1の開放端は、複数のリッジのうちの4つのリッジによって画定され、囲まれていてもよい。いくつかの実施形態では、各凹部の第2の閉鎖端は、表面積A4を有してもよく、D/A4の比は約0.13以上である。
【0022】
いくつかの実施形態では、凹部の各々の少なくとも一部分の形状は、四角錐台、又は円錐台、又は円柱、又は角柱であってもよい。いくつかの実施形態では、凹部の各々の少なくとも1つの内壁の傾斜は、実質的に垂直であってもよい。他の実施形態では、凹部の各々の少なくとも1つの内壁の傾斜は、光学フィルムの厚さ方向の±15度以内(又は±10度以内、又は±8度以内)であってもよい。
【0023】
本明細書のいくつかの態様によれば、ディスプレイに照明を提供するためのバックライトは、複数の離間した個別の光源であって、光源の行(例えば、x軸)及び列(例えば、y軸)に配置され、かつディスプレイに面するように構成された、複数の離間した個別の光源と、複数の離間した個別の光源上に配置され、第1の平面の下に近接して配置された、本明細書に記載の凹部を含む光学フィルムのうちのいずれかとを含むことができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、全ての光源が光を放射するとき、全ての光源によって放射される光は、第1の平面における第1の全体ピーク強度と、第1の平面にわたる第1の輝度均一性とを有する。光学フィルムがない場合、全ての光源によって放射される光は、第1の全体ピーク強度及び第2の全体ピーク強度が約20%未満、又は約15%未満、又は約10%未満異なり、第1の輝度均一性が第2の輝度均一性に対して少なくとも2.8%の改善を示すように、第1の平面における第2の全体ピーク強度と、第1の平面にわたる第2の輝度均一性とを有してもよい。いくつかの実施形態では、全ての光源によって放射される光は、第1の平面において第1の平均輝度を有することができ、光学フィルムがない場合、全ての光源によって放射される光は、第1の平面において第2の平均輝度を有することができ、第1の平均輝度は、第2の平均輝度以上である。
【0025】
本明細書のいくつかの態様によれば、バックライト上に配置されたディスプレイに第1の方向に沿って照明を提供するためのバックライトは、複数の離間した個別の光源であって、光源の行及び列(例えば、x軸及びy軸)に配置され、かつディスプレイに面するように構成された、複数の離間した個別の光源(例えば、発光ダイオード)と、第2の主表面の反対側の構造化された第1の主表面、及び第1の主表面と第2の主表面との間に延びる複数の貫通孔を有する光学フィルムとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、光学フィルムは、光源上に配置され、第1の平面の下に近接して配置されていてもよい。いくつかの実施形態では、光学フィルム及び第1の平面は、ディスプレイと光源との間に配置されるように構成されている。
【0026】
いくつかの実施形態では、光学フィルムが、第1の主表面が光源に面するように配置されている場合、第1の平面における平均輝度は、より小さく、第1の輝度均一性値は、より小さく、光学フィルムが、第2の主表面が光源に面するように配置されている場合、第1の平面における第1の平均輝度は、より大きく、第1の輝度均一性値は、より大きく、輝度均一性値は、第1の平面における最大輝度値を第1の平面における最小輝度値で割ることによって計算される。
【0027】
いくつかの実施形態では、各貫通孔は、第1の主表面に配置され、開放面積A1を有する第1の開口部と、第2の主表面に配置され、開放面積A2を有する第2の開口部とを有することができる。いくつかの実施形態では、複数の貫通孔のうちの各貫通孔は、H/A2が約0.13以上であるように、第1の開口部と第2の開口部との間の距離Hを画定する。いくつかの実施形態では、第1の開口部及び第2の開口部のうちの少なくとも1つは、開口部の周囲から外へと開口部の中心に向かって突出するリップを含むことができる。いくつかの実施形態では、貫通孔を通過する光は、リップによって散乱され得る。
【0028】
本明細書のいくつかの態様によれば、ディスプレイパネルに照明を提供するためのバックライトは、離間した個別の光源の二次元アレイと、光源上に配置され、ディスプレイパネルと光源との間に配置されるように構成された複数の光学フィルムとを含む。いくつかの実施形態では、複数の光学フィルムは、少なくとも2つ、又は少なくとも3つ、又は少なくとも4つ、又は少なくとも5つのフィルムを含むことができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、光学フィルムの各々は、複数の貫通孔を間に画定する交差リッジの規則的な二次元アレイを含む。いくつかの実施形態では、貫通孔の各々は、光学フィルムの反対側にある第1の主表面及び第2の主表面のそれぞれにある貫通孔の第1の開放端と第2の開放端との間に延びる。いくつかの実施形態では、光学フィルムの厚さ方向(例えば、
図11に示すようなフィルムのz軸)に平行な第1の平面における光学フィルムの第1の断面は、リッジのアレイ内の2つの隣接するリッジと、それらの間の貫通孔とを含む。いくつかの実施形態では、光学フィルムは、最大厚さh
maxを有し、貫通孔は、貫通孔の第1の開放端に接続された実質的に垂直に向けられた部分と、実質的に垂直に向けられた部分から延び、第2の開放端に接続された実質的に水平に向けられた部分とを有する側壁を含む。いくつかの実施形態では、実質的に水平に向けられた部分は、2つの隣接するリッジの間に配置された位置で最小厚さh
minを有してよく、比h
max/h
minは約2以上、又は約3以上、又は約4以上、又は約5以上、又は約6以上、又は約7以上、又は約8以上、又は約9以上、又は約10以上である。
【0030】
いくつかの実施形態では、バックライトは、複数の光学フィルムとディスプレイパネルとの間に配置された拡散層を更に含むことができる。そのような実施形態では、拡散層の表面は、複数の微細構造(例えば、複数の四角錐形状)を含んでもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、複数の貫通孔のうちの貫通孔の各々の第1の開放端及び第2の開放端の一方は、第1の開放端及び第2の開放端の他方よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、複数の貫通孔のうちの貫通孔の各々の内壁の傾斜は、厚さ方向の±15度以内であってもよい。いくつかの実施形態では、貫通孔の各々の形状は、角柱、四角錐台、円柱、及び円錐台であってもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、複数の貫通孔のうちの各貫通孔は、第1の開口部と第2の開口部との間の距離Hを画定する。いくつかの実施形態では、第2の開口部は、開放面積A2を有してもよく、H/A2の比は、約0.13以上であってもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、複数の光学フィルムのうちの各光学フィルムは、複数の光学フィルム内の他の光学フィルムの各々と同じように向けられていてもよい。いくつかの実施形態では、複数の光学フィルムのうちの各光学フィルムは、第1の開放端及び第2の開放端のうちの大きい方がディスプレイに面するように向けられていてもよい。他の実施形態では、複数の光学フィルムのうちの各光学フィルムは、第1の開放端及び第2の開放端のうちの大きい方が離間した個別の光源の二次元アレイに面するように向けられていてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、光学フィルムの各々の交差リッジの規則的な二次元アレイは、ポストの直交する行及び列(例えば、二次元グリッド)を形成してもよい。いくつかのそのような実施形態では、光学フィルムのうちの少なくとも1つの行は、複数の光学フィルムのうちの他の光学フィルムのうちの少なくとも1つの行と、約20度未満、又は約15度未満、又は約10度未満、又は約5度未満の角度を成してもよい(例えば、フィルムは、実質的に互いに整列していてもよく、又は互いに対してわずかにだけ回転していてもよい)。他のそのような実施形態では、光学フィルムのうちの少なくとも1つの行は、複数の光学フィルムのうちの他の光学フィルムのうちの少なくとも1つの行と、約10度~約80度、又は約20度~約70度、又は約30度~約60度、又は約40度~約60度の角度を成してもよい。
【0034】
本明細書のいくつかの態様によれば、バックライト上に配置されたディスプレイに第1の方向に沿って照明を提供するためのバックライトは、複数の離間した個別の光源であって、光源の行及び列に配置され、かつディスプレイに面するように構成された、複数の離間した個別の光源と、光源上に配置され、第1の平面の下に近接して配置された2つ以上の光学フィルムを含む光学積層体であって、光学積層体及び第1の平面が、ディスプレイと光源との間に配置されるように構成されている、光学積層体と、光学積層体とディスプレイとの間に配置された拡散層とを含む。いくつかの実施形態では、光学積層体は、2つの光学フィルム、又は3つの光学フィルム、又は4つの光学フィルム、又は5つ以上の光学フィルムを含んでもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、光学積層体内の各光学フィルムは、複数の貫通孔であって、貫通孔の行及び列に配置され、かつ光学フィルムの第1の主表面と第2の主表面との間に延びる、複数の貫通孔を含むことができる。いくつかの実施形態では、各貫通孔は、第1の主表面にあって第1の開放面積A1を有する第1の開口部と、第2の主表面にあって第2の開放面積A2を有する第2の開口部とを有することができる。いくつかの実施形態では、各貫通孔は、第1の方向に沿った高さHを有してもよく、H/A2の比は約0.13以上である。いくつかの実施形態では、全ての光源が光を放射するとき、全ての光源によって放射される光は、第1の平面において第1の平均輝度を有し、光学積層体がない場合、全ての光源によって放射される光は、第1の平面において第2の平均輝度を有する。いくつかの実施形態では、第1の平均輝度は、第2の平均輝度よりも大きい。
【0036】
いくつかの実施形態では、第1の開放面積A1は、第2の開放面積A2より大きくてもよい。いくつかのそのような実施形態では、光学積層体内の各光学フィルムは、A1が複数の離間した個別の光源に面するように配置されていてもよい。他のそのような実施形態では、光学積層体内の各光学フィルムは、A1がディスプレイに面するように配置されていてもよい。更に他のそのような実施形態では、光学積層体内の少なくとも1つの光学フィルムは、A1がディスプレイに面するように配置されていてもよく、光学積層体内の少なくとも1つの他の光学フィルムは、A1が複数の離間した個別の光源に面するように配置されていてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、拡散層の表面は、複数の微細構造を含んでもよい。いくつかのそのような実施形態では、複数の微細構造内の各微細構造は、四角錐の形状を有してもよい。
【0038】
ここで図面を参照すると、
図1Aは、本明細書による、ディスプレイに照明を提供するためのバックライトの側面図である。いくつかの実施形態では、ディスプレイ50に照明80を提供するためのバックライト300は、複数の離間した個別の光源60と、光学フィルム100とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、個別の光源60は、ディスプレイに面し(すなわち、光80をディスプレイに向かって、
図1Aに示すz方向に放射し)、光源60の行及び列(例えば、
図1Aに示すように、x軸における行及びy軸における列を有する発光ダイオードのマトリクス)に配置されている。光学フィルム100は、光源60上に配置されるか、又は光源60に近接して配置され、第1の平面70(すなわち、説明の目的のための基準平面)の下に近接して配置されている。いくつかの実施形態では、光学フィルム100は、光学フィルムの行(例えば、x軸)及び列(例えば、y軸)に配置された複数の貫通孔40を含む。複数の貫通孔40の各々は、光学フィルム100の第1の主表面10と第2の主表面11との間に延びる。いくつかの実施形態では、各貫通孔40は、第1の主表面10において第1の開放面積A1を有する第1の開口部41と、第2の主表面11において第2の開放面積A2を有する第2の開口部43とを有することができる。各貫通孔は、第1の方向に沿った(すなわち、
図1Aに示すようにz軸、又は「厚さ方向」に沿った)長さHを有する。
【0039】
光学フィルムのいくつかの実施形態では、H/A2の比が約0.13以上であるように構成されている場合、光学フィルム100を通過する光源60によって提供される光80は、第1の平面70における第1の全体ピーク強度(例えば、最も明るいスポット)と、第1の平面70にわたる第1の輝度均一性(例えば、「明るい」及び「暗い」スポットを引き起こす、輝度の点間変動)とを提供する。光学フィルム100がない場合、光80は、第1の全体ピーク強度と第2の全体ピーク強度とが約20%未満、又は約15%未満、又は約10%未満異なり、第1の輝度均一性が第2の輝度均一性に対して少なくとも約2.8%、又は少なくとも約3.0%、又は少なくとも約5%、又は少なくとも約10%の改善を示すように、第1の平面70における第2の全体ピーク強度と、第1の平面70にわたる第2の輝度均一性とを有する。
【0040】
いくつかの実施形態では、光学フィルム100は、光学フィルムの行(例えば、x軸)及び列(例えば、y軸)に配置された複数のポスト20を含んでもよい。いくつかの実施形態では、光学フィルム100はまた、ポスト間に延び、かつポストに対して陥凹した(すなわち、光学フィルム100の第1の主表面10に対してポスト20の最高点の下に陥凹した)複数のリッジ30を含んでもよい。いくつかの実施形態では、各貫通孔40の第1の開口部41は、4つのリッジ30によって画定され、囲まれていてもよい。ポスト20及びリッジ30の更なる詳細は、
図5A~
図6Bに見ることができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、バックライト300は、光源60と光学フィルム100との間に配置された拡散フィルム67を更に含むことができる。いくつかの実施形態では、バックライト300は、光学フィルム100とディスプレイ50との間に配置された1つ以上の他の光学フィルム65(例えば、輝度向上フィルム、「プリズム」フィルム、ピラミッド状凸プリズムフィルム、ピラミッド状凹プリズムフィルム、反射偏光子フィルム、拡散フィルム、マイクロレンズフィルム、及び/又は光再利用フィルム)を更に含んでもよい。
【0042】
図1Bは、
図1Aの光学フィルム100の代替的実施形態を示す。より具体的には、
図1Bは、光学フィルム100の向きが、
図1Aに示す光学フィルム100の向きとは反対の向きに配置され、第2の開口部43がここでは第1の平面70に面している(すなわち、
図1Bの光学フィルム100が
図1Aの光学フィルム100に対して「上下逆」である)場合の実施形態を示す。光学フィルム100の向き以外は、
図1Bに示す実施形態を使用するバックライトは、他の点では
図1Aのバックライト300と同一であってもよい。第1の開口部41及び第2の開口部43の互いに対するサイズに応じて、第1の平面70において測定される光学性能は、光学フィルム100の向きに基づいて異なり得る。例えば、光学フィルム100が、(
図1Aに示すように)第1の開口部41(及び第1開放面積A1)が光源60に面するように配置されている場合、第1の平面70にわたる第1の平均輝度は、相対的に小さくてもよく、第1の輝度均一性は、相対的に大きくてもよく、光学フィルム100が、(
図1Bに示すように)第2の開口部43(及び第2の開放面積A2)が光源60に面するように配置されている場合、第1の平面70における第1の平均輝度は、相対的に大きくてもよく、第1の輝度均一性は、相対的に小さくてもよい。
【0043】
図2A及び
図2Bは、本明細書による、更なる詳細を特徴とする、
図1Aの光学フィルム100の側面図を提供する。
図1Aは、光学フィルム100の貫通孔40のうちの1つの拡大図を示し、第1の開放面積A1と第2の開放面積A2とは異なる(すなわち、面積が異なる)。
図2Aは、第1の開口部41が第2の開口部43よりも大きい1つの可能な実施形態を示しているが、本明細書の他の箇所で説明するように、他の実施形態も可能であることに留意されたい。例えば、いくつかの実施形態では、第1の開口部41は、第2の開口部43よりも小さくてもよく、又は第2の開口部43と等しくてもよい。
【0044】
第1の開放面積41と第2の開放面積A2とが異なる場合、側壁47のうちの1つ以上は、厚さ方向(すなわち、
図2Aに示すようなz方向)の±15度以内、又は±10度以内、又は±8度以内である抜き勾配θを有してもよい。第1の開放面積41及び第2の開放面積A2が実質的に等しい実施形態では、抜き勾配θは、実質的に0に等しくてもよい(すなわち、側壁は、実質的に垂直であってもよい)。
【0045】
図2Bは、光学フィルム100の貫通孔40の代替的実施形態を示す。いくつかの実施形態では、第1の開口部41及び第2の開口部43のうちの少なくとも1つは、開口部の周囲から外へと開口部の中心に向かって突出するリップ24を含むことができる。いくつかの実施形態では、リップ24を通過する光は、
図3Bに示すように散乱されてもよい。
【0046】
図3A~
図3Cは、光学フィルム100の更なる詳細及び実施形態を提供する。
図3Aは、光学フィルム100が、第1の開口部41が第2の開口部43よりも大きいように配置された場合に、光学フィルム100を通過する光線80a及び80bを示す。すでに実質的にコリメートされている(すなわち、すでにz方向に実質的に整列している)光線80aは、側壁47によって反射又は方向転換されることなく、第2の開口部43を直接通過し、次いで第1の開口部41を通過する。しかしながら、光線80bは、ある角度で第2の開口部43に入り、側壁47に当たり、第1の開口部41から上方に方向転換される。貫通孔40の効果は、光線80がディスプレイを照明する前に、光線80を概ねコリメートすることである。他の実施形態では、第1の開口部41が第2の開口部43よりも小さい場合、又は
図3Aの光学フィルムが
図3Bに示すように反転されている場合、同様のコリメート効果が光線80に対して生じ得る。しかしながら、開口部(
図3Bの第2の開口部43など)が開口部の周囲を囲むリップ24を含む場合、リップ24は、光が通過するときに光線(
図3Bの光線80cなど)を散乱させる効果を有することができる。この光散乱は、拡散効果を加えることによって、光80が第1の平面70(
図1参照)に入射する際の光80の均一性を高めることができる。バックライト用途の要件に応じて、これは、望ましい効果であり得る。
図3A及び
図3Bの実施形態を比較すると、
図3Aの光学フィルム100の実施形態は、
図3Bの平均輝度に対してより良好な平均輝度を有することができるが、両方の実施形態は、光学フィルム100を有さない同様のバックライトに対して平均輝度の改善(すなわち、輝度の増加)を示すことができる。同様に、
図3Bの光学フィルム100の実施形態は、(リップ24の散乱/拡散効果に起因して)
図3Aの輝度均一性に対してより良好な輝度均一性を有することができるが、両方の実施形態は、光学フィルム100を有さない同様のバックライトに対して均一性の改善を示すことができる。
【0047】
図3Cは、角柱40a、四角錐台40b、円柱40c、及び円錐台40dを含む、貫通孔40の可能な形状のいくつかを示す。
図3Cに記載の形状は、貫通孔40の側壁によって形成される可能な形状のいくつかを表しているが、限定することを意味するものではない。他の形状も可能である。また、貫通孔40の形状は、不完全さ又は変動(例えば、リップ24、側壁角度及び表面の変動、曲線など)を有してもよく、
図3Cに示す形状によって完全に表されなくてもよいことに留意されたい。すなわち、貫通孔40の少なくとも一部分の形状は、(例えば)四角錐台と実質的に等しくてもよいが、完全な四角錐台でなくてもよい。
【0048】
図4は、バックライト300aの代替的実施形態の側面図を示す。
図4に示す実施形態は、
図1Aのバックライト300の実施形態と同様であり、多くの共通の(同様の番号が付けられた)構成要素を有する。
図1Aの対応する同様の番号が付けられた構成要素を有する
図4の任意の構成要素の機能は、別段の指定がない限り、同様の機能及び説明を有するものと仮定されるものとし、本明細書では更に説明しない場合がある。バックライト300aは、ディスプレイ50に照明80を提供するように構成されている。バックライト300aは、光学フィルム100aを含み、これは、主に、光学フィルム100aが(
図1Aに示すような貫通孔40ではなく)複数の凹部45を含むという点で、
図1Aの光学フィルム100とは異なる。凹部45は、第1の主表面10aに第1の開放端41aを有し、第2の主表面11aに第2の閉鎖端43aを有し、第1の開放端41aから第2の閉鎖端43aの内面43bまで延びる深さDを有する(すなわち、凹部45は、第2の主表面11aまで完全には延びない)。各第1の開放端41aは、第1の開放面積A3を有し、各第2の閉鎖端43aは、第2の閉鎖面積A4(すなわち内面43bの面積)を有する。実験において、凹部45を有する光学フィルム100aは、貫通孔40を有する光学フィルム100(
図1A参照)と同様の光学性能の改善を示すことが実証されている。光学フィルム100aは、
図1Bに示すフィルム100の実施形態と同様に、第2の閉鎖端43aがディスプレイ50に面するように、逆の向きで配置されていてもよく、同様の光学性能の利点を有することにも留意されたい。
図3Cに示す形状40a~40dは、光学フィルム100aの凹部45にも適用可能である。いくつかの実施形態では、閉鎖面積A4に対する深さDの比は、約0.13以上であってもよい。
【0049】
図5A、
図5B、
図6A、及び
図6Bは、本明細書による、高精細特徴部を有する光学フィルムの実際の拡大画像である。これらの図は、様々な角度からの光学フィルム100の特徴部を断面で示す(
図5B、
図6A、及び
図6B)。これらの図は、以下の議論のために一緒に見られるべきであり、これらの図のうちの2つ以上にわたって共通する特徴部(すなわち、同様の番号が付けられた構成要素)は、別段の指定がない限り、同様の機能を有すると仮定されるものとする。
図5Aは、光学フィルム100及び複数の貫通孔40の「上面図」を示す。各貫通孔40は、第1の最大寸法42を有する第1の開口部41と、第2の最大寸法44を有する第2の開口部43とを有する。
図5Aに示す実施形態では、第1の開口部41の各々は、複数のポスト20の間に延び、かつ複数のポスト20に対して陥凹した、4つのリッジ30によって囲まれ、画定される。リップ24は、各第2の開口部43を囲むように見ることができる。
【0050】
図5Bは、貫通孔40の中間を通って切断された光学フィルム100の断面画像を示しており、ポスト20とそれらの間にわたるリッジ30とを示している。ポスト20は、リッジ30の上方及び第1の主表面10の上方に延びる。第2の主表面11上の第2の開口部43は、孔の側壁から開口部内へと延びるリップ24を特徴とする。
【0051】
図6A及び
図6Bは、第1の主表面10上の第1の開口部41の周囲を画定するリッジ30によって(断面のため、3つの側面で)囲まれた貫通孔40を示す追加の断面画像である。リップ24は、第2の開口部43から外に延び、第2の開口部43の最大寸法44を画定する。側壁47は、典型的には垂直の±10度以内のわずかな抜き勾配を有する傾斜を有してもよい。いくつかの実施形態では、側壁47は、実質的に平坦であってもよく、他の実施形態では、側壁47は、特に、それらがリップ24に接近するとき、湾曲、又は他の非平面特徴及び/若しくは変形を有してもよい。
【0052】
図7は、比H/A2(すなわち、貫通孔の高さHの、第2の開口部の開放面積A2に対する比)の値に対する輝度改善(すなわち、100%を表す、光学フィルムが存在しない又は光学フィルムが構造を有さない状態で測定された基準値と比較した輝度比)を示すプロットである。図示される3つの点は、0.13のH/A2の近似値を表す点92、0.5のH/A2の近似値を表す点94、及び1.0のH/A2の近似値を表す点96である。
図7のプロットは、約0.13のH/A2値から始まって、比が1.0に近づくとほぼ18%の増加まで増加する、性能の増加(すなわち、輝度比の増加)を示す。
【0053】
図8は、バックライト上に配置された本明細書に記載の光学フィルムを有するディスプレイと有さないディスプレイのピーク輝度値を比較するプロットである。プロット95は、所定の位置に光学フィルムを有さないLEDについて示されるピーク輝度のプロットを表し、約21000cd/m
2(カンデラ毎平方メートル、ニットとしても知られる)のピーク輝度値を示す。プロット97は、LEDの上に配置された光学フィルムを有する同じLEDに対して示されたピーク輝度のプロットを表し、約23000cd/m
2のピーク輝度値を示し、これは、8.7%のピーク輝度値における近似利得を表す。光学フィルムの上の任意の所与の点で測定される輝度値は、特定のLEDの貫通孔との整列に基づいて変動し得ること、及びLEDが貫通孔と実質的に整列しているときに、光学フィルムが所定の位置にある状態でのピーク輝度値が生じ得ることに留意されたい。ポスト(
図5Aに示すようなポスト20など)がLEDと整列するときなどの他のときには、輝度値は、ここに示すピーク輝度値から著しく減少し得る。ディスプレイにわたる平均輝度の全体的な増加と、ディスプレイにわたる均一性の対応する増加の両方に寄与するのは、いくつかのLEDからのピーク輝度の増加と、他のLEDからの散乱の増加との組み合わせである。
【0054】
図9A及び
図9Bは、バックライト上に配置された光学フィルムを有するディスプレイと有さないディスプレイのディスプレイ均一性性能を比較するプロットである。
図9Aは、本明細書による高精細光学フィルムを特徴とするバックライトについてディスプレイにわたって測定された輝度値99と、高精細フィルムがポリエチレンテレフタレート(PET)の光学的に透明な非構造化フィルムで置き換えられたバックライトについてディスプレイにわたって測定された値とのプロットを示す。高精細光学フィルムについての値99は、特徴部のないPETフィルムに対してディスプレイにわたる輝度値の増加だけでなく、また均一性の増加(すなわち、最小輝度値と最大輝度値との間のコントラストの差がより小さい)の両方を示す。
図9Bは、高精細光学フィルム98及び特徴部のないPETフィルム91を使用する別の例示的な測定を示す。これらのプロットによって示される最小輝度値及び最大輝度値、並びにそれらが表すLD輝度均一性値を表1にまとめる。均一性に関して、より小さいコントラスト値がより大きいコントラスト値よりも良好であることに留意されたい。表1に示すように、高精細光学フィルム(すなわち、例えば、
図1Aの貫通孔を特徴とするフィルム)について測定された性能は、コントラストにおける約2.88%のおおよその改善を示した。同様の実施例のフィルムが測定され、少なくとも2.88%の改善を示し、多くの場合、より大きな改善値を示した。これらの実施例については、本明細書の他の箇所でより詳細に説明する。
【0055】
【0056】
図10は、光学フィルムの一実施形態の更なる詳細を強調する、高精細特徴部を有する光学フィルムの追加の拡大画像である。いくつかの実施形態では、光学フィルム100は、複数の貫通孔40を間に画定する交差リッジ30の規則的な二次元アレイを含む(例えば、
図5Aを参照)。
図10は、光学フィルム100の厚さ方向(すなわち、
図10に示すz軸)に平行な平面P1(すなわち、
図10の平面)を示す光学フィルム100の断面図を示す。平面P1の断面は、リッジのアレイ内の2つの隣接するリッジ30a、30bと、それらの間の貫通孔40とを含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、光学フィルム100は、最大厚さhmaxを有してもよい。いくつかの実施形態では、貫通孔40は、光学フィルム100の反対側にある第1の主表面101及び第2の主表面102のそれぞれにある貫通孔40の第1の開放端41と第2の開放端43との間に延びる。いくつかの実施形態では、貫通孔40は、貫通孔40の第1の開放端41に接続された実質的に垂直に向けられた部分である側壁47を有する。いくつかの実施形態では、貫通孔40はまた、実質的に垂直に向けられた部分47から延び、かつ貫通孔40の第2の開放端43に接続された、実質的に水平に向けられた部分24(例えば、リップ)を有する。いくつかの実施形態では、実質的に水平に向けられた部分27は、2つの隣接するリッジ30aと30bとの間に配置された位置103で最小厚さhminを有してもよく、比hmax/hminは約2以上、又は約3以上、又は約4以上、又は約5以上、又は約6以上、又は約7以上、又は約8以上、又は約9以上、又は約10以上である。
【0058】
最後に、
図11は、2つ以上の光学フィルムを特徴とする、ディスプレイに照明を提供するためのバックライトの一実施形態である。
図1A及び
図11は、多くの同様の番号が付けられた要素を共有することに留意すべきであり、同様の番号が付けられた要素は、別段の指定がない限り、同様の機能を有するものと仮定すべきである。
図1Aからの要素の説明は、
図11のそれらの同様の番号が付けられた要素に等しく適用され、これらの要素は、
図11の議論において説明されない場合がある。
図11は、ディスプレイ50に照明を提供するためのバックライト300aの側面図である。いくつかの実施形態では、バックライト300aは、ディスプレイ50に照明80を提供する。いくつかの実施形態では、バックライト300aは、複数の離間した個別の光源60と、2つ以上の光学フィルム光学フィルム100を有する光学積層体150とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、個別の光源60は、ディスプレイに面し(すなわち、光80をディスプレイに向かって、
図11に示すz方向に放射し)、光源60の行及び列(例えば、x軸における行及びy軸における列を有する発光ダイオードのマトリクス)に配置されている。光学積層体150は、光源60上に配置され、又は光源60に近接して配置され、第1の平面70(すなわち、説明の目的のための基準平面)の下に近接して配置されていてもよい。いくつかの実施形態では、光学積層体150内の光学フィルム100の各々は、各光学フィルムの行(例えば、x軸)及び列(例えば、y軸)に配置された複数の貫通孔40を含んでもよい。複数の貫通孔40の各々は、光学フィルム100の第1の主表面101と第2の主表面103との間に延びる。いくつかの実施形態では、各貫通孔40は、第1の主表面101において第1の開放面積A1を有する第1の開口部41と、第2の主表面103において第2の開放面積A2を有する第2の開口部43とを有することができる。各貫通孔は、第1の方向に沿った(すなわち、
図11に示すようにz軸、又は「厚さ方向」に沿った)長さHを有する。
【0059】
光学フィルムのいくつかの実施形態では、H/A2の比は、約0.13以上であるように構成されている。いくつかの実施形態では、光源60が光80を放射するとき、全ての光源60によって放射される光80は、第1の平面70において第1の平均輝度を有することができ、光学積層体150がない場合、全ての光源60によって放射される光80は、第1の平面70において第2の平均輝度を有することができ、第1の平均輝度は、第2の平均輝度よりも大きい。
【0060】
いくつかの実施形態では、バックライト300aは、複数の微細構造210を有する拡散層200を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、各微細構造210は、四角錐の形状を有してもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、光学積層体150内の各フィルム100は、光学積層体150内の他の光学フィルム100の各々と同じように向けられていてもよい。例えば、各フィルム100は、(
図11に示すように)第1の開口部41がディスプレイ50に面し、第2の開口部43が光源60に面するように向けられていてもよい。別の実施例では、各フィルム100は、第1の開口部41が光源60に面し、第2の開口部43がディスプレイ50に面するように向けられていてもよい。別の実施形態では、光学フィルム100のうちの少なくとも1つは、第1の開口部41がディスプレイ50に面するように向けられていてもよく、一方、光学フィルム100のうちの少なくとも1つの他のものは、第1の開口部41が光源60に面するように向けられてもよい(すなわち、フィルム100のうちのいくつかは、他のフィルム100に対して反転されていてもよい)。
【実施例】
【0062】
表2は、いくつかの実施例フィルムについて行った輝度コントラスト測定の結果を示す。表2に列挙される実施例フィルムの各々は、高精細プロセスを使用して作製され、全ての輝度測定は、Konica Minolta CA-2500 2Dカラーアナライザを用いて行われた。測定された全ての実施例の高精細フィルムは、少なくとも約2.88%から約11.29%までの範囲の輝度コントラストの改善を示した。以下の各実施例で使用された基準フィルムは、特徴部のない(貫通孔又は構造がない)光学的に透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムであった。
【0063】
【0064】
【0065】
「約(about)」などの用語は、これらが本明細書に使用及び記載されている文脈において、当業者によって理解されよう。特徴部のサイズ、量、及び物理的特性を表す数量に適用される「約」の使用が、本明細書に使用及び記載されている文脈において、当業者にとって別途明らかではない場合、「約」とは、特定の値の10パーセント以内を意味すると理解されよう。特定の値の約として与えられる量は、正確に特定の値であり得る。例えば、それが本明細書で使用及び記載されている文脈において当業者にとって別途明らかではない場合には、約1の値を有する量とは、その量が0.9~1.1の値を有すること、及び、その値が1である場合もあることを意味する。
【0066】
「実質的に(substantially)」などの用語は、これらが本記載に使用及び記載されている文脈において、当業者によって理解されよう。「実質的に等しい(substantially equal)」の使用が、本明細書に使用及び記載されている文脈において当業者にとって明らかではない場合、「実質的に等しい」は、ほぼ等しいことを意味し、ほぼ(about)は上記のとおりである。「実質的に平行(substantially parallel)」の使用が、本明細書に使用及び記載されている文脈において当業者に明らかではない場合、「実質的に平行」は、平行の30度以内を意味する。互いに実質的に平行として記載されている方向又は表面は、いくつかの実施形態では、平行の20度以内若しくは10度以内であり得る、又は平行若しくは名目上平行であり得る。「実質的に整列している(substantially aligned)」の使用が、本明細書に使用及び記載されている文脈において当業者に明らかではない場合、「実質的に整列している」は、整列している対象の幅の20%以内で整列していることを意味する。実質的に整列していると記載されている対象は、いくつかの実施形態では、整列している対象の幅の10%以内又は5%以内で整列していてもよい。
【0067】
上記において参照された参照文献、特許、又は特許出願の全ては、それらの全体が参照により本明細書に一貫して組み込まれている。組み込まれた参照文献の一部と本出願との間に不一致又は矛盾がある場合、前述の記載における情報が優先するものとする。
【0068】
図中の要素の説明は、別段の指示がない限り、他の図中の対応する要素に等しく適用されるものと理解されたい。特定の実施形態が本明細書において図示及び説明されているが、図示及び記載されている特定の実施形態は、本開示の範囲を逸脱することなく、様々な代替的実装態様及び/又は等価の実装態様によって置き換えられ得ることが、当業者には理解されよう。本出願は、本明細書で論じられた特定の実施形態のいずれの適応例又は変形例も包含することが意図されている。したがって、本開示は、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定されることが意図されている。
【国際調査報告】