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特表2024-543607血液ポンプ用のポンプハウジング及び血液ポンプ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】血液ポンプ用のポンプハウジング及び血液ポンプ
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/531 20210101AFI20241114BHJP
   A61M 60/139 20210101ALI20241114BHJP
   A61M 60/216 20210101ALI20241114BHJP
   A61M 60/411 20210101ALI20241114BHJP
   A61M 60/816 20210101ALI20241114BHJP
【FI】
A61M60/531
A61M60/139
A61M60/216
A61M60/411
A61M60/816
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533867
(86)(22)【出願日】2022-12-08
(85)【翻訳文提出日】2024-08-02
(86)【国際出願番号】 EP2022085057
(87)【国際公開番号】W WO2023104997
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】102021214168.4
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507116684
【氏名又は名称】アビオメド オイローパ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ケルクホフス ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】キーセリッツ エレン
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA04
4C077DD10
4C077EE01
4C077FF04
4C077HH03
4C077HH13
(57)【要約】
【課題】 本発明は、血液ポンプ(100)用のポンプハウジング(10)に関する。
【解決手段】
ポンプハウジング(10)は、第1の血流開口部(14)を有する遠位端部分(12)、近位端部分(16)、遠位端部分(12)と近位端部分(16)との間で軸方向に延びる中間部分(18)であって、少なくとも1つの第2の血流開口部(20)を有する中間部分(18)、及び少なくとも1つのパラメータ、特に大動脈圧を感知するための第1のセンサ(22)を含み、ここで第1のセンサ(22)は中間部分(18)の外周面(24)上に配置され、ポンプハウジング(10)は第2のセンサ(26)を含み、第2のセンサ(26)は、少なくとも1つのパラメータ、特に第1の血流開口部における圧力を感知するために遠位端部分(12)上に配置される。本発明は更に、対応するポンプハウジング(10)を含む血液ポンプに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液ポンプ(100)用のポンプハウジング(10)であって、
第1の血流開口部(14)を有する遠位端部分(12)と、
近位端部分(16)と、
前記遠位端部分(12)と前記近位端部分(16)との間で軸方向に延びる中間部分(18)であって、少なくとも1つの第2の血流開口部(20)を有する中間部分(18)と、
少なくとも1つのパラメータ、特に大動脈圧を感知するための第1のセンサ(22)と、を備え、
ここで前記第1のセンサ(22)は、前記中間部分(18)の外周面(24)上に配置され、
前記ポンプハウジング(10)は、第2のセンサ(26)であって、少なくとも1つのパラメータ、特に前記第1の血流開口部における圧力を感知するために前記遠位端部分(12)上に配置される第2のセンサ(26)を含む、
ポンプハウジング(10)。
【請求項2】
前記遠位端部分(12)は肥厚部分(28)を含み、前記肥厚部分(28)は前記遠位端部分(12)から半径方向内側に延在し、前記第2のセンサ(26)は前記肥厚部分(28)内に配置され、前記遠位端部分(12)は、好ましくはカニューレ取り付け部分(30)を含み、前記肥厚部分(28)は前記カニューレ取り付け部分(30)から半径方向内側に延在する、
請求項1に記載のポンプハウジング(10)。
【請求項3】
前記肥厚部分(28)は支持凹部(32)を含み、前記第2のセンサ(26)は前記支持凹部(32)内に配置される、
請求項2に記載のポンプハウジング(10)。
【請求項4】
前記肥厚部分(28)は、前記第1の血流開口部(14)から前記中間部分(18)まで軸方向に先細りになる、
請求項2又は3に記載のポンプハウジング(10)。
【請求項5】
少なくとも2つのアーム部分(36a~36c)を有する支持部材(34)は、前記遠位端部分(12)内に配置され、前記アーム部分のうちの1つ(36a)が前記肥厚部分(28)を含む、
請求項2から4のいずれか一項に記載のポンプハウジング(10)。
【請求項6】
前記支持部材(34)は、前記遠位端部分(12)と同心の軸受支持部分(38)を含み、前記アーム部分(36a~36c)は前記軸受支持部分(38)に接続されており、前記軸受支持部分(38)は好ましくは、前記第1の血流開口部(14)に面する軸方向端部(40)を有し、前記軸受支持部分(38)の前記軸方向端部(40)は好ましくは、前記第1の血流開口部(14)から前記中間部分(18)の方向に軸方向内側に変位される、
請求項5に記載のポンプハウジング(10)。
【請求項7】
前記ポンプハウジング(10)は、第1の細長い伝動装置(42)を更に含み、前記第1のセンサ(22)は第1の軸方向端部(44)及び第2の軸方向端部(46)を含み、前記第1の細長い伝動装置(42)は前記第1のセンサ(22)の前記第2の軸方向端部(46)に結合され、前記第1の細長い伝動装置(42)は前記ポンプハウジング(10)の前記近位端部分(16)へ延在し、前記第1の細長い伝動装置(42)はケーブル、ファイバ、又は光導体であることが好ましい、
請求項1から6のいずれか一項に記載のポンプハウジング(10)。
【請求項8】
前記ポンプハウジング(10)は、前記ポンプハウジング(10)の前記中間部分(18)と前記近位端部分(16)との間に延びる第1のチャネル(48)を更に含み、前記第1の細長い伝動装置(42)は前記第1のチャネル(48)内に配置され、前記第1のチャネル(48)は好ましくは前記ポンプハウジング(10)の前記中間部分(18)の前記外周面(24)及び前記近位端部分(16)の外周面(50)から窪み、前記第1のチャネル(48)は好ましくは樹脂で内張りされ、その結果、前記第1の細長い伝動装置(42)が前記第1のチャネル(48)内に固定される、
請求項7に記載のポンプハウジング(10)。
【請求項9】
前記第2のセンサ(26)は、第1の軸方向端部(52)及び第2の軸方向端部(54)を含み、前記第2のセンサ(26)の前記第1の軸方向端部(52)は、前記第1の血流開口部(14)と半径方向に面一である、
請求項1から8のいずれか一項に記載のポンプハウジング(10)。
【請求項10】
前記ポンプハウジング(10)は、第2の細長い伝動装置(56)を更に含み、前記第2の細長い伝動装置(56)は、前記第2のセンサ(26)の前記第2の軸方向端部(54)に結合され、前記第2の細長い伝動装置(56)は、前記ポンプハウジング(10)の前記近位端部分(16)へ延在し、前記第2の細長い伝動装置(56)はケーブル、ファイバ、又は光導体であることが好ましい、
請求項9に記載のポンプハウジング(10)。
【請求項11】
前記ポンプハウジング(10)は、前記ポンプハウジング(10)の前記遠位端部分(12)と前記近位端部分(16)との間に延在する第2のチャネル(58)を更に含み、前記第2の細長い伝動装置(56)は、前記第2のチャネル(58)に配置される、
請求項10に記載のポンプハウジング(10)。
【請求項12】
前記ポンプハウジングの前記遠位端部分(12)は外周面(60)を含み、前記ポンプハウジング(10)の前記近位端部分(16)は外周面(50)を含み、前記第2のチャネル(58)は、前記ポンプハウジング(10)の前記遠位端部分(12)、前記中間部分(18)、及び前記近位端部分(16)の前記外周面(24、50、60)から窪み、前記第2のチャネル(58)は好ましくは樹脂で内張りされ、その結果、前記第2の細長い伝動装置(56)が前記第2のチャネル(58)内に固定される、
請求項11に記載のポンプハウジング(10)。
【請求項13】
前記ポンプハウジング(10)の前記近位端部分(16)は、前記ポンプハウジング(10)の前記中間部分(18)よりも小さい直径を有し、前記ポンプハウジング(10)の前記中間部分(18)は、前記ポンプハウジング(10)の前記近位端部分(16)に向かって先細りになる、
請求項1から12のいずれか一項に記載のポンプハウジング(10)。
【請求項14】
前記第1のセンサ(22)は光センサであり、及び/又は前記第2のセンサ(26)は光センサである、
請求項1から13のいずれか一項に記載のポンプハウジング(10)。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載のポンプハウジング(10)を含む血液ポンプ(100)であって、好ましくはカテーテルポンプ又は血管内血液ポンプである、血液ポンプ(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液ポンプ用のポンプハウジング、及びそれぞれポンプハウジングを具備する血液ポンプに関する。血液ポンプは、カテーテルポンプ又は血管内血液ポンプであることが好ましい。
【背景技術】
【0002】
様々なタイプの血液ポンプが知られており、例えば、患者の心臓の中に導入されて、心臓から動脈などの血管への血流を支援し得る血管内血液ポンプがある。血管内血液ポンプは、心臓処置中に、例えばカテーテル挿入処置によって血管系を通して経皮的に導入され得る。血液ポンプは通常、ポンプハウジング、カニューレ、及びカテーテルで構成される。カニューレは、ポンプハウジングの遠位端部分に設けられたカニューレ取り付け部分に取り付けられ、カテーテルはポンプハウジングの近位端部分に取り付けられる。一般に、このような血管内血液ポンプは左心室補助装置として使用され、カニューレが大動脈弁を通って左心室に達し、それによってポンプハウジングとカテーテルが心臓の外側の大動脈に配置される。インペラの形態のポンプ要素は、ポンプハウジング内に配置され、吸引圧を生成し、血液が左心室から大動脈の中に排出されて、適切な全身血流を回復させる。したがって、ポンプハウジングは、少なくとも1つの血流開口部を更に含み、そこを通って、血液が血液ポンプを出て血管の中に入ることができる。
【0003】
このような血液ポンプに一般的に関連する第1の必要性は、機械的安定性である。特に、不具合又は機械的故障はいずれも緊急に検出される必要があり、さもなければ、患者に対して活力及び健康に直接影響を与える危険な状況につながる可能性がある。これは、血液ポンプの排出性能の低下を扱うのみでなく、患者の血管系に損傷を引き起こし得る血液ポンプ自体からの粒子又は物質の剥離も扱う。
【0004】
第2の必要性は、吸引の発生を回避することであり、この吸引の発生は、左心室の排出が過度に大きい場合に引き起こされる可能性がある。吸引事象は不整脈につながり、更に左心室内の組織外傷を引き起こす場合がある。加えて、吸引事象は血流の減少につながり、それ自体が血液ポンプに損傷を引き起こす可能性がある。血液ポンプの一部の実装では、十分な血流は、インペラの軸受又は血液ポンプの他の部分を潤滑し、冷却するために必要とされる。したがって、吸引事象は二次損傷を引き起こす可能性があり、それ自体が再び患者の活力と健康に対して危険な状況を課する場合がある。当然、これは回避する必要がある。
【0005】
不具合を迅速に検出し、吸引事象に関する結論を導出するための1つの実現性は、患者の心臓の中に導入された血液ポンプの周囲の血圧を監視することである。したがって、特許文献1及び特許文献2は、センサをポンプハウジングの外周面に設けて大動脈圧を監視することを提案している。検出された圧力降下は、血液ポンプの機械的安定性がもはや保証されておらず、また医師の至急対応が、患者の活力と健康を確保するために必要であるという洞察をもたらし得る。
【0006】
更なる実現性は、モータの消費電力を監視することであり、例えば、モータの電流消費を監視することによる。モータの消費電力のピークと低下により、血液ポンプの動作特性についての更なる洞察が得られ、そこから血液ポンプの吸引圧が導出され得る。しかし、消費電力を監視することは、電気モータがインペラにシャフトなどによって固定的に結合されていない場合では、それほど重要ではない。近年、モータとインペラとの間の非接触カップリングが利点であることが証明された。例えば、特許文献3は、インペラを回転させるための磁気駆動ユニットを提案している。このようなシステムでは、消費電力のピークと低下を、血液ポンプの性能に十分に関連づけることができない。
【0007】
したがって、吸引事象及び血液ポンプの不具合を確実に検出する更なる実現性を提供する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2020/061399号
【特許文献2】国際公開第2017/214118号
【特許文献3】国際公開第2020/187860号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様によると、血液ポンプ用のポンプハウジングは、第1の血流開口部を有する遠位端部分、近位端部分、及び遠位端部分と近位端部分との間で軸方向に延びる中間部分を含む。中間部分は、少なくとも1つの第2の血流開口部を有する。ポンプハウジングは、少なくとも1つのパラメータ、特に血管圧、好ましくは大動脈圧を感知するための第1のセンサを含み、第1のセンサは、中間部分の外周面上に配置される。ポンプハウジングは、第2のセンサを更に含み、第2のセンサは、少なくとも1つのパラメータ、特に第1の血流開口部における圧力を感知するために遠位端部分上に配置される。
【0010】
第2のセンサは、第1のセンサの上流又は下流に配置され、更なるパラメータ、特に第1の血流開口部における圧力を伝達する。したがって、血管圧を直接感知できるのみでなく、第1の血流開口部の圧力も直接感知することができる。第1の血流開口部の圧力を、例えばモータの消費電力から導出する必要はない。吸引事象の場合、第1の血流開口部での圧力降下が直接感知され得て、更なる措置が患者の活力を確保するために直ちに行われ得る。更に、これは、特に、モータとインペラとの間に非固定カップリングを有する血液ポンプの安全性も高める。
【0011】
第1の血流開口部は、血流入口又は血流出口であり得る。したがって、少なくとも1つの第2の血流開口部は、血流出口又は血流入口であり得る。血液ポンプの用途に応じて、血流は、このように第1の血流開口部から第2の血流開口部へ、又は第2の血流開口部から第1の血流開口部へ生成される。好ましくは、血液ポンプは左心室サポートであり、その結果、第1の血流開口部は血流入口であることが好ましく、少なくとも1つの第2の血流開口部は血流出口であることが好ましい。
【0012】
遠位端部分は肥厚部分を含み得て、肥厚部分は遠位端部分から半径方向内側に延在し得る。第2のセンサは、肥厚部分に配置されてもよい。好ましくは、遠位端部分はカニューレ取り付け部分を含み、肥厚部分はカニューレ取り付け部分から半径方向内側に延在し得る。肥厚部分により、第2のセンサを支持するのに十分な材料厚みが確保され、第2のセンサの脱落のリスクが低減される。
【0013】
肥厚部分は支持凹部を含み得て、第2のセンサは支持凹部内に配置され得る。支持凹部は、第2のセンサの位置を明確に設定するように構成され得る。これにより、第2のセンサの取り付けが極めて容易になり、遠位端部分に対する第2のセンサの正確な位置が更に保証される。
【0014】
肥厚部分は、第1の血流開口部から中間部分まで軸方向に先細りであり得る。特に、肥厚部分は、滑らかなに先細りとなり、遮断される血流量を最小限に抑え得る。
【0015】
少なくとも2つのアーム部分を有する支持部材は、遠位端部分に配置されてもよく、アーム部分のうちの1つが肥厚部分を含んでもよい。支持部材は血流内の乱流を低減し、肥厚部分はそれぞれ支持部材又はアーム部分のうちの1つに直接一体化される。
【0016】
支持部材は、遠位端部分と同心である軸受支持部分を含み得て、アーム部分は軸受支持部分に接続され得る。好ましくは、軸受支持部分は、第1の血流開口部に面する軸方向端部を有し得て、軸受支持部分の軸方向端部は、第1の血流開口部から中間部分の方向に軸方向内側に変位されることが好ましい。軸受支持部分は、インペラの軸受を支持するように意図される。軸受支持部分を第1の血流開口部に対して後退させることで、血流の乱流を更に低減する。加えて、重なり合う遠位端部分により、第2のセンサを第1のセンサの可能な限り上流に配置することが可能になる。
【0017】
ポンプハウジングは、第1の細長い伝動装置を更に含み得て、第1のセンサは、第1の軸方向端部及び第2の軸方向端部を含み得る。第1の細長い伝動装置は、第1のセンサの第2の軸方向端部に結合され得て、第1の細長い伝動装置は、ポンプハウジングの近位端部分まで延在し得る。好ましくは、第1の細長い伝動装置は、ケーブル、ファイバ、光ファイバ、又は光導体である。
【0018】
ポンプハウジングは、ポンプハウジングの中間部分と近位端部分との間に延びる第1のチャネルを更に含み得る。第1の細長い伝動装置は、第1のチャネル内に配置され得る。第1のチャネルは、ポンプハウジングの中間部分の外周面及び近位端部分の外周面から窪んでいるのが好ましい。第1のチャネルは、樹脂で内張りされることが好ましく、その結果、第1の細長い伝動装置は第1のチャネル内に固定される。これは、血液ポンプを患者の血管系の中に導入する際に、第1のセンサ又は第1の細長い伝動装置が脱落するリスクを大幅に減少する。更に、第1の細長い伝動装置をポンプハウジング内、したがってインペラ及びモータの近くに誘導する必要がない。
【0019】
第2のセンサは、第1の軸方向端部と第2の軸方向端部を含み得て、第2のセンサの第1の軸方向端部は、半径方向において第1の血流開口部と同一平面にあり得る。これにより、少なくとも1つのパラメータが第1の血流開口部で直接感知されることが確実となる。特に、これにより吸引圧の正確な測定が可能になる。
【0020】
ポンプハウジングは、第2の細長い伝動装置を更に含み得て、第2の細長い伝動装置は、第2のセンサの第2の軸方向端部に結合され得る。第2の細長い伝動装置は、ポンプハウジングの近位端部分まで延在してもよい。好ましくは、第2の細長い伝動装置は、ケーブル、ファイバ、光ファイバ、又は光導体である。
【0021】
ポンプハウジングは、ポンプハウジングの遠位端部分と近位端部分との間に延びる第2のチャネルを更に含み得る。第2の細長い伝動装置は、第2のチャネル内に配置され得る。ポンプハウジングの遠位端部分は外周面を含み得て、ポンプハウジングの近位端部分は外周面を含み得る。第2のチャネルは、ポンプハウジングの遠位端部分、中間部分及び近位端部分の外周面から窪んでいてもよい。好ましくは、第2のチャネルは、樹脂で内張りされ、その結果、第2の細長い伝動装置は第2のチャネル内に固定される。これは、血液ポンプを患者の血管系の中に導入する際に、第2のセンサ又は第2の細長い伝動装置が脱落するリスクを大幅に減少する。更に、第2の細長い伝動装置をポンプハウジング内、したがってインペラ及びモータの近くに誘導する必要がない。
【0022】
ポンプハウジングの近位端部分は、ポンプハウジングの中間部分よりも小さい直径を有し得る。ポンプハウジングの中間部分は、ポンプハウジングの近位端部分に向かって先細りであり得る。これにより、ポンプハウジング内に十分なスペースが与えられて、例えばモータとインペラを収容することが可能になる。更に、近位端部分はカテーテル取り付け部分を含み得て、したがって、この部分は中間部分よりも小さな直径を有する。
【0023】
第1のセンサは光センサであってもよい。第2のセンサは光センサであってもよい。特に、第1のセンサ及び/又は第2のセンサは、光ファイバセンサ、好ましくは固有の光ファイバセンサであってもよい。したがって、感知すべきパラメータ、好ましくは大動脈圧及び第1の血流開口部における圧力は、容易に測定され得る。
【0024】
第2の態様によれば、血液ポンプは、上述のようなポンプハウジングを含む。血液ポンプは、カテーテルポンプ又は血管内血液ポンプであってもよい。
【0025】
前述の発明の概要、及び以下の例示的な実施形態の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むとより良く理解されるであろう。本開示を説明する目的で、図面を参照する。しかしながら、本開示の範囲は、図面に開示された特定の実施形態に限定されない。
図面において:
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】概略的に示されるカニューレ及びカテーテルが取り付けられたポンプハウジングを具備する、血液ポンプの側面図である。
図2図1に示す血液ポンプのポンプハウジングの側面図である。
図3図2に示すポンプハウジングの斜視図である。
図4図2に示すポンプハウジングの遠位端部分の詳細を示す図である。
図5図2に示すポンプハウジングの第1のセンサの詳細を示す図である。
図6図2に示すポンプハウジングの遠位端部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示の実施形態は、図面を参照して詳細に説明され、同様の参照番号は同様の又は同一の要素であるとみなす。開示された実施形態は本開示の単なる例であり、様々な形態で具体化され得ることが理解されるべきである。周知の機能又は構造については、不必要な詳細で本開示を曖昧にすることを避けるために詳細に説明しない。したがって、本明細書に開示される特定の構造及び機能の詳細は、限定するものとして解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、また実質的に任意の適切に詳細な構造において本開示を様々に使用することを当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0028】
本明細書で説明されるシステム、方法、及び装置の全体的な理解を提供するために、特定の説明的な例を記載する。様々な例で血管内血液ポンプを説明し得るが、本技術の改良は、他のタイプの医療機器、例えば、電気生理学研究及びカテーテルアブレーション装置、血管形成術及びステント留置装置、血管造影用カテーテル、末梢に挿入された中心カテーテル、中心静脈カテーテル、正中カテーテル、末梢カテーテル、下大静脈フィルタ、腹部大動脈瘤治療装置、血栓除去装置、TAVR送達システム、心臓治療及びバルーンポンプを含む心臓補助装置、外科的切開によって埋め込まれた心臓補助装置、ならびに任意の他の静脈又は動脈ベースの導入カテーテル及びデバイス、にも適用及び応用できることが理解されるであろう。周知のように、血管内血液ポンプは、外科的又は経皮的に患者の中に導入されて、心臓又は循環系の1つの位置から心臓又は循環系の別の位置に血液を送り得る。例えば、血管内血液ポンプは、左心室に配備されると、心臓の左心室から大動脈に血液を送り出し得る。血管内血液ポンプは、右心室に配備されると、下大静脈から肺動脈に血液を送り出し得る。
【0029】
本明細書において、「近位」及び「遠位」は、医師を基準として見られる。したがって、血管内血液ポンプが患者の体内に導入されるとき、近位とは医師に比較的近いものを指し、一方、遠位とは医師から比較的遠いものを指す。
【0030】
図1を参照すると、血液ポンプ100の側面図が示される。血液ポンプ100は、血管内血液ポンプとして設計され、周知の方法でカテーテル104を介して患者の体内に配備される。血液ポンプ100は、ポンプハウジング10、カテーテル104、及びカニューレ102を含む。カテーテル104はポンプハウジング10の近位端部分16に取り付けられ、カニューレはポンプハウジング10の遠位端部分12に取り付けられる。
【0031】
図示の血管内血液ポンプ100は、左心室補助装置として使用され、心臓処置中に患者の血管系を通して経皮的に導入される。設置されると、カニューレ102は、大動脈弁を通って心臓の左心室に到達する。ポンプハウジング10は、大動脈の大動脈弁の外側に位置する。インペラの形態のポンプ要素62は、図示されていないモータによって駆動され、ポンプハウジング10内で回転して吸引圧を生成する。したがって、一般的に周知のように、血液は、カニューレ102の入口106に入り、血流出口20の形態の複数の第2の血流開口部20を介してポンプハウジング10から出ることによって左心室から排出される。
【0032】
図2及び図3は、ポンプハウジング10を示す。図示のように、中間部分18は、遠位端部分12と近位端部分16との間に延在し、ポンプハウジング10は、全体として円筒形を有する。近位端部分16は、中間部分18よりも小さい直径を有する。したがって、中間部分18は、近位端部分16に向かって先細りになる。近位端部分は、カテーテル取り付け部分64を含み、カテーテル104を支持するように構成された外周面50を有する。ポンプハウジング10は、中心長手方向軸LAを有し、本明細書で使用される用語「半径方向」、「軸方向」などは、ポンプハウジング10の長手方向軸LAに対して相対的である。
【0033】
遠位端部分12は、カニューレ102を支持するように構成された外周面60を有するカニューレ取り付け部分30を含む。カニューレ取り付け部分30は、中間部分18よりわずかに小さい直径を有する。図1に示すように、カニューレ102の外周面は、カニューレ102がカニューレ取り付け部分30に支持されるとき、中間部分18の外周面24に面一となる。
【0034】
図示の実施形態では、中間部分18は、合計6つの血流出口20を含み、それらはポンプハウジング10の周囲に均等に分布される。血液は、遠位端部分12の軸方向端部に設けられた第1の血流開口部14を通ってポンプハウジング10の中に流入する。したがって、この実施形態では、第1の血流開口部は血流入口14である。支持部材34は遠位端部分12内に配置される。図示の実施形態では、支持部材34は軸受支持部分38と3つのアーム部分36a、36b及び36cを含む。軸受支持部分38は、遠位端部分12及び長手方向軸LAと同心である。軸受支持部分38は、周知の方法でインペラ62を支持するように構成される。
【0035】
アーム部分36a、36b及び36cはそれぞれ、カニューレ取り付け部分30から半径方向内側に延びる。図示のように、アーム部分36a、36b及び36cと軸受支持部分38は、遠位端部分12と一体に形成される。当然、支持部材34の全体又はその一部はまた、遠位端部分12とは別に形成され得る。図示の実施形態は3つのアーム部分36a、36b及び36cを含むが、支持部材34は2つのみのアーム部分、又は3つよりも多いアーム部分を含んでもよい。
【0036】
更に、軸受支持部分38は、血流入口14に面する軸方向端部40を含む。軸方向端部40は、それぞれ遠位端部分12又は血流入口14と同一面ではなく、血流入口14から中間部分18に向かう方向に軸方向内側に変位されており、これについては図4も参照する。軸受支持部分38を後退させることで、血流入口14を介してポンプハウジング10に入る血流の乱流が低減される。
【0037】
図4に示すように、アーム部分36a、36b及び36cは、半径方向に軸方向に拡大することで、各アーム部分36a、36b及び36cの半径方向外側端部は半径方向内側端部よりも大きな軸方向伸長を有する。ここで、各アーム部分36a、36b及び36cの半径方向外側端部は、アーム部分36a、36b及び36cがカニューレ取り付け部分30に接続される端部であり、各アーム部分36a、36b及び36cの半径方向内側端部は、アーム部36a、36b及び36cが軸受支持部分38に接続される端部である。したがって、アーム部分36a、36b及び36cのそれぞれは、血流入口14に面する軸方向端部に傾斜形状を有し、反対側の軸方向端部に直線形状を有する。更に、アーム部分36aのうちの1つは、その半径方向外側端部に肥厚部分28を含み、これについて以下により詳細に説明する。
【0038】
図1図2図3及び図5から分かるように、ポンプハウジング10は、中間部分18の外周面24上に配置された第1のセンサ22を含む。ここで、第1のセンサ22は、少なくとも1つのパラメータ、特に大動脈圧を感知するよう意図された光センサである。図示されるように、第1のセンサ22は、血流出口20と遠位端部分12との間に配置される。第1のセンサ22は、凹部内に配置され、第1の軸方向端部44と第2の軸方向端部46とを含む。第1のセンサ22の第1の軸方向端部44は遠位端部分12の方を向き、第2の軸方向端部46は近位端部分16の方を向く。
【0039】
第1のセンサ22は、円筒形を有し、ポンプハウジング10の長手方向軸LAと平行に配向される。中間部分18の外周面24は、部分的に円周方向のスロット68を更に含み、第1のセンサ22の第1の軸方向端部44は、スロット68内に開口する。スロット68は、ポンプハウジング10を介して到達する貫通穴70を備える。第1のセンサ22は、第1のセンサ22を損傷から保護するシールド66によって覆われる。スロット68及び貫通穴70は十分な血液交換を保証し、その結果、血液は第1のセンサ22の第1の軸方向端部44の前方に溜まることがなく、そうでなければ不正確なパラメータの感知につながる可能性がある。
【0040】
光ファイバの形態の第1の細長い伝動装置42は、第1のセンサ22の第2の軸方向端部46に接続される。第1の光ファイバ42は、中間部分18から近位端部分16まで延びる第1のチャネル48内に配置される。特に、第1のチャネル48は、中間部分18の外周面24から、かつ近位端部分16の外周面50から窪んでいる。第1のチャネル48は樹脂で内張りされ、その結果、第1の光ファイバ42は第1のチャネル48内に固定される。したがって、第1の光ファイバ42は、第1のチャネル48内を近位端部分16の端部まで誘導される。そこで、第1のチャネル48はカテーテル104内に開口し、第1の光ファイバ42は周知の方法でカテーテル104内に更に誘導される。
【0041】
図6は、アーム部分36aを通るポンプハウジング10の断面図である。図6から分かるように、ポンプハウジング10は、第1のセンサ22に加えて、第2のセンサ26を含み、第2のセンサ26は更なるパラメータを感知し、特に血流入口14における圧力、すなわち吸引圧を感知する。この実施形態では、第2のセンサ26は第1のセンサ22と同一であり、光センサである。当然、第2のセンサ26は、必要かつ意味がある場合には、第1のセンサ22と異なっていてもよい。
【0042】
第2のセンサ26は円筒形であり、第1の軸方向端部52と第2の軸方向端部54を含む。第2のセンサ26は、遠位端部分12に配置される。特に、第2のセンサ26は、アーム部分36aの肥厚部分28に配置され、これについては図4図6を参照する。したがって、肥厚部分28は、第2のセンサ26を支持する支持凹部32を含み、その結果、第2のセンサ26の第1の軸方向端部52は血流入口14と面一になる。したがって、第2のセンサ26は、吸引圧が血流入口14で直接感知されることが確実となるように配置される。
【0043】
肥厚部分28は、血流入口14から中間部分18まで軸方向に先細りになり、これについては図4を参照する。したがって、肥厚部分28は、血流入口14の近傍でより大きな伸長を有して、第2のセンサ26を確実に支持し、中間部分18に向かう方向ではより小さな伸長を有する。肥厚部分28が軸方向に先細りになることにより、血流入口14を通ってポンプハウジング10に入る血流内の乱流は低減され得る。更に、第2のセンサ26の軸方向の伸長が減少することで、肥厚部分28の均一な厚さは必要ない。
【0044】
第2のセンサ26は、支持凹部32内に配置されることで、ポンプハウジング10の長手方向軸LAに対して傾斜する。図6に示すように、第2のセンサ26は傾斜しており、これは、第2のセンサ26の第2の軸方向端部54が第2のセンサ26の第1の軸方向端部52よりもポンプハウジング10の長手方向軸LAから遠くなるからである。
【0045】
光ファイバの形態の第2の細長い伝動装置56は、第2のセンサ26の第2の軸方向端部54に接続される。第2のチャネル58は、遠位端部分12から中間部分18を越えて近位端部分16まで延在しており、これについては図2も参照する。第2のチャネル58は、遠位端部分12の外周面60、中間部分18の外周面24、及び近位端部分16の外周面50から窪んでいる。第2のチャネル58は支持凹部32に接続され、第2の光ファイバ56は第2のチャネル58内に配置される。第2のチャネル58は、樹脂で内張りされ、その結果、第2の光ファイバ56が第2のチャネル58内に固定される。したがって、第2の光ファイバ56は、第2のチャネル58内で遠位端部分12から近位端部分16まで確実に誘導され、そこで第2のチャネル58はカテーテル104内に開口する。第2の光ファイバ56は更に、従来の周知の方法でカテーテル104内を誘導される。
【0046】
図2から分かるように、第1のチャネル48と第2のチャネル58は両方とも、中間部分18の外周面24から窪み、近位端部分16の中へ先細りになっている。第1のチャネル48及び第2のチャネル58が樹脂で内張りされていることにより、第1の光ファイバ42及び第2の光ファイバ56の脱落が阻止される。
【0047】
第1のセンサ22とは対照的に、第2のセンサ26はシールドで覆われていない。血液ポンプ100が組み立てられるとき、第2のセンサ26がカニューレ102の半径方向内側に配置されるため、ポンプハウジング10からの第2のセンサ26の脱落が阻止される。
【0048】
血液ポンプ100が左心室補助装置として正しく設置されると、カニューレ102を通ってポンプハウジング10の血流入口14に入る血流は、第2のセンサ26を通過する。したがって、第2のセンサ26は吸引圧を確実に感知し得る。左心室から排出された血液は、血液ポンプ100にあり、ポンプハウジング10の血流出口20を通って大動脈の中に入り、第1のセンサ22を通過する。したがって、第1のセンサ22は大動脈圧を確実に感知し得る。本質的に、血液ポンプ100によって、患者の健康にとって極めて重要である不具合と吸引事象を直接検出することができるようになる。
【0049】
例示的な実装形態
既に説明したように、本明細書で説明される技術は、様々な方法で実装され得る。それに関して、前述の開示は、限定するものではないが、以下の例示的な実装形態に記載されるシステム、方法、ならびにそれらの組み合わせ及びサブコンビネーションを含むことを意図する。好ましい実施形態は、以下の項で説明される。
【0050】
項A1
血液ポンプ(100)用のポンプハウジング(10)であって、
第1の血流開口部(14)を有する遠位端部分(12)と、
近位端部分(16)と、
遠位端部分(12)と近位端部分(16)との間で軸方向に延びる中間部分(18)であって、少なくとも1つの第2の血流開口部(20)を有する中間部分(18)と、
少なくとも1つのパラメータ、特に大動脈圧を感知するための第1のセンサ(22)と、を含み、
ここで第1のセンサ(22)は、中間部分(18)の外周面(24)上に配置され、
ポンプハウジング(10)は、第2のセンサ(26)であって、少なくとも1つのパラメータ、特に第1の血流開口部における圧力を感知するために遠位端部分(12)上に配置される第2のセンサ(26)を含む、
ポンプハウジング(10)。
【0051】
項A2
遠位端部分(12)は肥厚部分(28)を含み、肥厚部分(28)は遠位端部分(12)から半径方向内側に延在し、第2のセンサ(26)は肥厚部分(28)内に配置され、遠位端部分(12)は好ましくはカニューレ取り付け部分(30)を含み、肥厚部分(28)はカニューレ取り付け部分(30)から半径方向内側に延在する、
項A1に記載のポンプハウジング(10)。
【0052】
項A3
肥厚部分(28)は支持凹部(32)を含み、第2のセンサ(26)は支持凹部(32)内に配置される、
項A2に記載のポンプハウジング(10)。
【0053】
項A4
肥厚部分(28)は、第1の血流開口部(14)から中間部分(18)まで軸方向に先細りになる、
項A2又はA3に記載のポンプハウジング(10)。
【0054】
項A5
少なくとも2つのアーム部分(36a~36c)を有する支持部材(34)は、遠位端部分(12)内に配置され、アーム部分のうちの1つ(36a)が肥厚部分(28)を含む、
項A2からA4のいずれか一項に記載のポンプハウジング(10)。
【0055】
項A6
支持部材(34)は、遠位端部分(12)と同心の軸受支持部分(38)を含み、アーム部分(36a~36c)は軸受支持部分(38)に接続されており、軸受支持部分(38)は、好ましくは、第1の血流開口部(14)に面する軸方向端部(40)を有し、軸受支持部分(38)の軸方向端部(40)は、好ましくは、第1の血流開口部(14)から中間部分(18)の方向に軸方向内側に変位される、
項A5に記載のポンプハウジング(10)。
【0056】
項A7
ポンプハウジング(10)は、第1の細長い伝動装置(42)を更に含み、第1のセンサ(22)は、第1の軸方向端部(44)及び第2の軸方向端部(46)を含み、第1の細長い伝動装置(42)は、第1のセンサ(22)の第2の軸方向端部(46)に結合され、第1の細長い伝動装置(42)は、ポンプハウジング(10)の近位端部分(16)へ延在し、第1の細長い伝動装置(42)は、ケーブル、ファイバ、又は光導体であることが好ましい、
項A1からA6のいずれか一項に記載のポンプハウジング(10)。
【0057】
項A8
ポンプハウジング(10)は、ポンプハウジング(10)の中間部分(18)と近位端部分(16)との間に延びる第1のチャネル(48)を更に含み、第1の細長い伝動装置(42)は第1のチャネル(48)内に配置され、第1のチャネル(48)は好ましくはポンプハウジング(10)の中間部分(18)の外周面(24)及び近位端部分(16)の外周面(50)から窪み、第1のチャネル(48)は、好ましくは樹脂で内張りされ、その結果、第1の細長い伝動装置(42)が第1のチャネル(48)内に固定される、
項A7に記載のポンプハウジング(10)。
【0058】
項A9
第2のセンサ(26)は、第1の軸方向端部(52)及び第2の軸方向端部(54)を含み、第2のセンサ(26)の第1の軸方向端部(52)は、第1の血流開口部(14)と半径方向に面一である、
項A1からA8のいずれか一項に記載のポンプハウジング(10)。
【0059】
項A10
ポンプハウジング(10)は、第2の細長い伝動装置(56)を更に含み、第2の細長い伝動装置(56)は、第2のセンサ(26)の第2の軸方向端部(54)に結合され、第2の細長い伝動装置(56)は、ポンプハウジング(10)の近位端部分(16)へ延在し、第2の細長い伝動装置(56)は、ケーブル、ファイバ、又は光導体であることが好ましい、
項A9に記載のポンプハウジング(10)。
【0060】
項A11
ポンプハウジング(10)は、ポンプハウジング(10)の遠位端部分(12)と近位端部分(16)との間に延在する第2のチャネル(58)を更に含み、第2の細長い伝動装置(56)は、第2のチャネル(58)に配置される、
項A10に記載のポンプハウジング(10)。
【0061】
項A12
ポンプハウジングの遠位端部分(12)は外周面(60)を含み、ポンプハウジング(10)の近位端部分(16)は外周面(50)を含み、第2のチャネル(58)は、ポンプハウジング(10)の遠位端部分(12)、中間部分(18)、及び近位端部分(16)の外周面(24、50、60)から窪み、第2のチャネル(58)は、好ましくは樹脂で内張りされ、その結果、第2の細長い伝動装置(56)が第2のチャネル(58)内に固定される、
項A11に記載のポンプハウジング(10)。
【0062】
項A13
ポンプハウジング(10)の近位端部分(16)は、ポンプハウジング(10)の中間部分(18)よりも小さい直径を有し、ポンプハウジング(10)の中間部分(18)は、ポンプハウジング(10)の近位端部分(16)に向かって先細りになる、
項A1からA12のいずれか一項に記載のポンプハウジング(10)。
【0063】
項A14
第1のセンサ(22)は光センサであり、及び/又は第2のセンサ(26)は光センサである、
項A1からA13のいずれか一項に記載のポンプハウジング(10)。
【0064】
項A15
ポンプハウジング(10)は長手方向軸(LA)を有し、第2のセンサ(26)はポンプハウジング(10)の長手方向軸(LA)に対して傾斜する、
項A1からA14のいずれか一項に記載のポンプハウジング(10)。
【0065】
項A16
第2のセンサ(26)は、ポンプハウジング(10)の長手方向軸(LA)に対して、遠位端部分(12)から中間部分(18)に向かって徐々に傾斜する、
項A15に記載のポンプハウジング(10)。
【0066】
項A17
ポンプハウジング(10)はシールド(66)を含み、シールド(66)は第1のセンサ(22)の半径方向外側に配置され、その結果、シールド(66)が第1のセンサ(22)を遮蔽する、
項A1からA16のいずれか一項に記載のポンプハウジング(10)。
【0067】
項A18
ポンプハウジング(10)の中間部分(18)は部分的に円周方向のスロット(68)を含み、第1のセンサ(22)はスロット(68)の近傍に配置されるか、又は第1のセンサ(22)は少なくとも部分的にスロット(68)内に配置される、
項A1からA17のいずれか一項に記載のポンプハウジング(10)。
【0068】
項A19
貫通穴(70)は、ポンプハウジング(10)内のスロット(68)を貫通する、
項A18に記載のポンプハウジング(10)。
【0069】
項A20
項A1からA19のいずれか一項に記載のポンプハウジング(10)を含む血液ポンプ(100)であって、好ましくはカテーテルポンプ又は血管内血液ポンプである、血液ポンプ(100)。
【0070】
項A21
血液ポンプ(100)はカニューレ(102)を含み、カニューレ(102)は遠位端部分(12)上に部分的に配置され、第2のセンサ(26)はカニューレ(102)の半径方向内側に配置される、
項A20に記載の血液ポンプ(100)。
【0071】
項A22
血液ポンプ(100)はカテーテル(104)を含み、カテーテル(104)は近位端部分(16)上に部分的に配置され、第1のチャネル(48)及び/又は第2のチャネル(58)は、部分的にカテーテル(104)の半径方向内側に配置される、
項A21又はA22に記載の血液ポンプ(100)。
【符号の説明】
【0072】
10 ポンプハウジング
12 遠位端部分
14 第1の血流開口部/血流入口
16 近位端部分
18 中間部分
20 第2の血流開口部/血流出口
22 第1のセンサ
24 中間部分の外周面
26 第2のセンサ
28 肥厚部分
30 カニューレ取り付け部分
32 支持凹部
34 支持部材
36a アーム部分
36b アーム部分
36c アーム部分
38 軸受支持部分
40 軸受支持部分の軸方向端部
42 第1の細長い伝動装置/光ファイバ
44 第1のセンサの第1の軸方向端部
46 第1のセンサの第2の軸方向端部
48 第1のチャネル
50 近位端部分の外周面
52 第2のセンサの第1の軸方向端部
54 第2のセンサの第2の軸方向端部
56 第2の細長い伝動装置/光ファイバ
58 第2のチャネル
60 遠位端部分の外周面
62 ポンプ要素/インペラ
64 カテーテル取り付け部分
66 シールド
68 スロット
70 貫通穴
100 血液ポンプ
102 カニューレ
104 カテーテル
106 入口
LA ポンプハウジングの長手方向軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】