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特表2024-543616エアロゾル発生物品内の通気ゾーンを製造するための方法
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  • 特表-エアロゾル発生物品内の通気ゾーンを製造するための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】エアロゾル発生物品内の通気ゾーンを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   A24C 5/01 20200101AFI20241114BHJP
   A24C 5/34 20060101ALI20241114BHJP
   A24F 40/20 20200101ALN20241114BHJP
【FI】
A24C5/01
A24C5/34 Z
A24F40/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024534020
(86)(22)【出願日】2022-12-07
(85)【翻訳文提出日】2024-06-06
(86)【国際出願番号】 EP2022084773
(87)【国際公開番号】W WO2023104876
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】21213151.0
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【弁理士】
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】グラフ ディディエ ベルナール
(72)【発明者】
【氏名】リャウ アユブ
(72)【発明者】
【氏名】ルヴェ アレクシ ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】ボシ ルカ
(72)【発明者】
【氏名】スカニェッリ マルコ
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ フェデリコ
(72)【発明者】
【氏名】ジンナ マリア ソレ
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン ハンス-ライナー
【テーマコード(参考)】
4B144
4B162
【Fターム(参考)】
4B144CD01
4B144CG01
4B144CL05
4B144CL07
4B144CM01
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
(57)【要約】
本発明は、第一のエアロゾル発生物品内に第一の通気ゾーンおよび第二のエアロゾル発生物品内に第二の通気ゾーンを製造するための方法に関し、A)第一のエアロゾル発生物品を提供する方法工程と、B)第一のエアロゾル発生物品内に第一の穿孔を形成し、それによって第一の通気ゾーンを作成する方法工程と、C)第一のエアロゾル発生物品の第一の空気注入値を決定する方法工程であって、空気注入値が、式(Pin-Pout)・100%/Pinによって決定され、式中、Pinが、物品の第一の端面で加えられる空気圧力であり、Poutが、物品の第二の端面で検出された空気圧力である、決定する方法工程と、D)第一の空気注入値を基準値と比較する方法工程と、E)第二のエアロゾル発生物品を提供し、第二のエアロゾル発生物品内に第二の穿孔を形成し、それによって第二の通気ゾーンを作成する方法工程であって、第二の穿孔のサイズが、決定された第一の空気注入値と基準値との比較に基づいて調整される、作成する方法工程と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のエアロゾル発生物品内に第一の通気ゾーンおよび第二のエアロゾル発生物品内に第二の通気ゾーンを製造するための方法であって、
A)第一のエアロゾル発生物品を提供する方法工程と、
B)前記第一のエアロゾル発生物品内に第一の穿孔を形成し、それによって第一の通気ゾーンを作成する方法工程と、
C)前記第一のエアロゾル発生物品の前記第一の空気注入値を決定する方法工程であって、前記空気注入値が、式(Pin-Pout)・100%/Pinによって決定され、式中、Pinが、前記物品の前記第一の端面で加えられた空気圧力であり、Poutが、前記物品の前記第二の端面で検出された前記空気圧力である、決定する方法工程と、
D)前記第一の空気注入値を基準値と比較する方法工程と、
E)前記第二のエアロゾル発生物品を提供し、前記第二のエアロゾル発生物品内に第二の穿孔を形成し、それによって前記第二の通気ゾーンを作成する方法工程であって、前記第二の穿孔のサイズが、前記決定された第一の空気注入値と前記基準値との比較に基づいて調整される、作成する方法工程と、を含む、方法。
【請求項2】
方法工程C)の間に、空気ブラストが前記第一のエアロゾル発生物品に加えられ、圧力差が前記第一のエアロゾル発生物品の対向する第一の端面と第二の端面の両方の間で測定される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
第一の連続ロッドが第一のエアロゾル発生物品として設けられ、第二の連続ロッドが第二のエアロゾル発生物品として設けられ、前記第一の連続ロッドおよび前記第二の連続ロッドが少なくとも二つのエアロゾル発生物品を含み、好ましくは前記第一の連続ロッドおよび前記第二の連続ロッドが二つのエアロゾル発生物品から成る、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法工程A)およびB)の間に、所定の第一の数の第一のエアロゾル発生物品が設けられ、前記第一の穿孔が、前記所定の第一の数の第一のエアロゾル発生物品の前記第一のエアロゾル発生物品のそれぞれに形成され、方法工程C)の間に、前記第一のエアロゾル発生物品の個々の第一の空気注入値が決定され、かつその平均第一の空気注入値が計算される、前記所定の第一の数の第一のエアロゾル発生物品内に第一の通気ゾーンを製造するための請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記基準値が、前記第一のエアロゾル発生物品および第二のエアロゾル発生物品の標的空気注入値である、請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。
【請求項6】
方法工程B)の前の方法工程A2)では、前記第一のエアロゾル発生物品の第一の引き出し抵抗RTD値が測定され、より好ましくは、前記RTD値が、前記第一のエアロゾル発生物品の前記第一の端面に一定の空気流を加え、前記物品の前記空気抵抗による前記第一のエアロゾル発生物品の前記第一の端面での前記空気圧力の増加を測定することによって測定される、請求項1~5のいずれかに記載の製造方法。
【請求項7】
個々の第一のRTD値が、前記所定の第一の数の第一のエアロゾル発生物品の前記第一のエアロゾル発生物品のそれぞれに対して決定される、請求項4に従属する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
工程C)で決定された前記第一のエアロゾル発生物品の前記個々の第一の空気注入値が、前記第一の個々の引き出し抵抗(RTD)値に基づいて補正され、それによって補正された個々の第一の空気注入値を提供し、平均補正された第一の空気注入値が、前記補正された個々の第一の空気注入値に基づいて計算される、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
工程E)では、前記平均補正された第一の空気注入値が、前記基準値と比較され、工程E)では、前記第二の穿孔のサイズが、前記平均補正された第一の空気注入値と前記基準値との比較に基づいて調整される、請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
平均第一のRTD値が、前記第一のエアロゾル発生物品の前記個々の第一のRTD値から計算され、平均第二のRTD値が、前記所定の第二の数の第一のエアロゾル発生物品の前記第二のエアロゾル発生物品の個々の第二のRTD値から計算される、請求項7にさらに記載の、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記基準値が、方法工程A2)で前記第一のエアロゾル発生物品について測定された前記RTD値に応じて、方法工程D)に設定される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記所定の第一の数のエアロゾル発生物品が、前記所定の第二の数のエアロゾル発生物品と同一であり、好ましくは、前記所定の第一および第二の数のエアロゾル発生物品が、少なくとも50、好ましくは少なくとも100、より好ましくは少なくとも1000個のエアロゾル発生物品である、請求項4、7および8に記載のエアロゾル発生物品を製造するための方法。
【請求項13】
工程E)では、前記第二の穿孔のサイズが、前記第一の穿孔のサイズと比較して縮小されたまたは増大されたもののうちの一方である、請求項1~12に記載の製造方法。
【請求項14】
方法工程B)の間に、スリットまたは楕円形が第一の穿孔として形成され、前記第一の穿孔が幅および長さを有し、方法工程E)の間に、前記第二の穿孔の前記長さが調整される、請求項1~13のいずれかに記載の製造方法。
【請求項15】
方法工程A)の間に、第一のエアロゾル発生物品が設けられ、前記第一のエアロゾル発生物品が、第一の中空管セクションおよび第一の基体セクションを備え、好ましくは、前記第一のエアロゾル発生物品が、第一のフィルタセクションをさらに備える、請求項1~14のいずれかに記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生物品内の通気ゾーンを製造するための方法に関する。エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体を含み得、かつ加熱に伴い吸入可能なエアロゾルを生成するように適合され得る。
【背景技術】
【0002】
たばこ含有基体などのエアロゾル形成基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品が、当技術分野で公知である。こうした加熱式喫煙物品において典型的に、エアロゾルは熱源からの熱を、物理的に分離されたエアロゾル形成基体または材料に伝達することによって発生され、このエアロゾル形成基体または材料は熱源に接触して、または熱源内に、または熱源の周囲に、または熱源の下流に位置してもよい。エアロゾル発生物品の使用中に、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル形成基体から放出され、かつエアロゾル発生物品を通して引き込まれた空気中に同伴される。放出された化合物は冷めるにつれて凝結してエアロゾルを形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
穿孔を含む通気ゾーンを有するエアロゾル発生物品が知られている。これらの通気ゾーンは、ユーザの吸煙中に周囲空気がエアロゾル発生物品に入ることを可能にする。これは、エアロゾルの形成を容易にするために、エアロゾル形成基体から来る空気流と周囲空気とのより良好な混合を可能にする。ユーザの吸煙中にエアロゾル発生物品に入ってもよい空気の量は、穿孔の数、位置、および形状に依存する。これらの穿孔は、エアロゾル発生物品の高速製造プロセス中に低い変動性で形成するのが困難であり得る。
【0004】
通気ゾーンを含む大量のエアロゾル発生物品は、通気ゾーンを通してエアロゾル発生物品に入ることができる空気の量など、エアロゾル発生物品の重要な特徴に関して大きな変化なしに製造するのが困難であり得る。製造される大量のエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の特性の違いはまた、エアロゾル発生物品の特性の違いを引き起こす場合がある。
【0005】
効率的かつ高速で動作することができるエアロゾル発生物品を製造するために、エアロゾル発生物品内の通気ゾーンを製造するための方法を提供することが望ましい。さらに、一つの物品から別の物品への空気注入値の低い変動性を有するエアロゾル発生物品を提供する、エアロゾル発生物品内の通気ゾーンを製造するための方法を提供することが望ましい。
【0006】
また、異なるエアロゾル発生物品において通気ゾーンを製造するための方法を提供することが望ましく、これらの異なるエアロゾル発生物品は、同等の特徴を示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の方法の一実施形態の流れ図を示す。
図2】RTD値の計算も含む、本発明の方法の別の実施形態の流れ図を示す。
図3】本発明に従って製造された通気ゾーンを有する二つの個々のエアロゾル発生物品を含む連続ロッドの概略断面図を示す。
図4】本発明に従って製造された通気ゾーンの一つの単一の穿孔の概略図を示す。
図5】通気ゾーンを製造する方法の間に測定されたエアロゾル発生物品の空気注入値の変換に対する補償係数、および実験室で決定されたそれぞれの空気注入値を示すグラフを示す。
図6】ダブルスティックの切断後に個々の物品について50パーセントの所望の空気注入値を得るために、ダブルスティックのRTD値とダブルスティックで製造される通気ゾーンの標的空気注入値との間の相関関係を示すグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一態様によると、第一のエアロゾル発生物品内に第一の通気ゾーンおよび第二のエアロゾル発生物品内に第二の通気ゾーンを製造するための方法が提供されている。方法は、第一のエアロゾル発生物品を提供する、方法工程A)を含み得る。方法は、第一のエアロゾル発生物品に第一の穿孔を形成し、それによって第一の通気ゾーンを作り出す、方法工程B)を含んでもよい。方法は、第一の空気注入値が、式(Pin-Pout)・100%/Pinによって決定される、エアロゾル発生物品の第一の空気注入値を決定する方法工程C)を含んでもよく、式中、Pinは、物品に第一の端面に加えられる圧力であり、Poutは、物品の第二の端面で検出された空気圧力である。方法は、第二のエアロゾル発生物品を提供し、第二のエアロゾル発生物品内に第二の穿孔を形成し、それによって第二の通気ゾーンを生成する方法工程E)を含んでもよく、第二の穿孔のサイズは、決定された第一の空気注入値と基準値との比較に基づいて調整される。
【0009】
本発明のさらなる態様によれば、第一のエアロゾル発生物品内に第一の通気ゾーンおよび第二のエアロゾル発生物品内に第二の通気ゾーンを製造するための方法が提供され、第一のエアロゾル発生物品を提供する方法工程A)を含む。方法はまた、第一のエアロゾル発生物品内に第一の穿孔を形成し、それによって第一の通気ゾーンを作成する方法工程B)を含む。方法は、第一の空気注入値が、式(Pin-Pout)・100%/Pinによって決定される、第一のエアロゾル発生物品の第一の空気注入値を決定する方法工程C)をさらに含み、式中、Pinは、物品に第一の端面に加えられる圧力であり、Poutは、物品の第二の端面で検出された空気圧力である。方法はまた、前述の第一の空気注入値を基準値と比較する方法工程D)を含む。第二のエアロゾル発生物品を提供し、第二のエアロゾル発生物品に第二の穿孔を形成し、それによって第二の通気ゾーンを作成する方法工程E)も含まれる。第二の穿孔のサイズは、決定された第一の空気注入値と方法工程E)における基準値との比較に基づいて調整される。
【0010】
通気ゾーンを製造するためのこの方法は、第一および第二の通気ゾーン内に、より均一な第一および第二の穿孔を有するエアロゾル発生物品の製造を可能にし得る。これは、第一のエアロゾル発生物品と第二のエアロゾル発生物品との間の低い空気注入値の変動性を有するエアロゾル発生物品を提供し得る。これは、複数のエアロゾル発生物品内の個々のエアロゾル発生物品が、空気注入値の低い変動性を有する複数のエアロゾル発生物品を提供し得る。この方法は、大量のエアロゾル発生物品の製造中に空気注入値の変化を制御し、かつ基準値辺りのより均一な空気注入値を有するエアロゾル発生物品を提供する手段を提供し得る。
【0011】
第二のエアロゾル発生物品内の第二の通気ゾーンは、第一のエアロゾル発生物品内の第一の通気ゾーンの形成の直後に製造されてもよい。これは、第二のエアロゾル発生物品内に第二の通気ゾーンを作成する第二の穿孔の形成のために、第一のエアロゾル発生物品内で製造される空気注入値に関する直接的なフィードバックを提供し得る。これは、第一のエアロゾル発生物品内の第一の通気ゾーンと第二のエアロゾル発生物品内の第二の通気ゾーンとの間でより均一である空気注入値を提供し得る。
【0012】
空気注入は通常、ユーザが吸煙中に物品を引っ張った時に、その通気ゾーンを介してエアロゾル発生物品の中に引き込まれ得る空気の量を指す。しかしながら、ユーザの吸煙中にエアロゾル発生物品に入る空気の量は、エアロゾル発生物品の高速製造プロセス中に判定することが困難である。したがって、本発明の通気ゾーンを製造するための方法は、異なるアプローチを用い、一定の空気圧力が第一の端面に加えられ、物品の第二の端面での空気圧力が、空気注入値の上記方程式によって示されるように決定される。これにより、高速製造プロセスにより適合性のある空気注入値の類似の評価が可能となる。
【0013】
方法工程C)の間に、空気ブラストが第一のエアロゾル発生物品の第一の端面に加えられてもよい。第一のエアロゾル発生物品の第一の端面と第二の対向する端面との間の圧力差が測定されてもよい。特に、第一の端面に加えられる圧力は、上述の式によって示されるように、第二の対向する端面を通して第一のエアロゾル発生物品を離れる空気の圧力と比較され得る。
【0014】
第一の連続ロッドは、第一のエアロゾル発生物品として提供されてもよい。第二の連続ロッドは、第二のエアロゾル発生物品として提供されてもよい。第一および第二の連続ロッドは、少なくとも二つのエアロゾル発生物品を含み得る。二つのエアロゾル発生物品は、相互に接続され得ることが好ましい。これは、「ダブルスティック」または「二重エアロゾル発生物品」を形成し得る。第一の連続ロッドおよび第二の連続ロッドはそれぞれ、二つのエアロゾル発生物品から成ることが好ましい。二つの単一の第一のエアロゾル発生物品および二つの単一の第二のエアロゾル発生物品は、ロッドを真ん中で切断することによって、これらの連続ロッドから製造することができ、それによって二つの単一のエアロゾル発生物品を製造することができる。エアロゾル発生物品のより大きい連続ロッドを製造することは、製造プロセスを簡単にする場合がある。
【0015】
二つの第一の通気ゾーンは、二つの第一のエアロゾル発生物品を含む第一の連続ロッドで製造されてもよい。同様に、二つの第二の通気ゾーンは、二つの第二のエアロゾル発生物品を含む第二の連続ロッドで製造されてもよい。これは、通気ゾーンが、連続ロッドのすべてのエアロゾル発生物品において製造されることを確実にする。さらなる実施形態では、方法は、所定の第一の数の第一のエアロゾル発生物品で第一の通気ゾーンを製造するためのものである。方法工程A)およびB)の間に、所定の第一の数の第一のエアロゾル発生物品が提供されてもよく、第一の穿孔は、所定の第一の数の第一のエアロゾル発生物品の第一のエアロゾル発生物品のそれぞれに形成されてもよい。方法工程C)の間、第一のエアロゾル発生物品の個々の第一の空気注入値を決定してもよく、その平均第一の空気注入値を計算してもよい。
【0016】
これは、所定の数の第一のエアロゾル発生物品の大量の製造を可能にし得る。
【0017】
さらに、方法は、所定の第二の数の第二のエアロゾル発生物品で第二の通気ゾーンを製造するためのものであってもよい。方法工程E)の間に、所定の第二の数の第二のエアロゾル発生物品が提供されてもよい。第二の穿孔は、所定の第二の数の第一のエアロゾル発生物品の第二のエアロゾル発生物品のそれぞれに形成されてもよく、それによって所定の第二の数の第二のエアロゾル発生物品に第二の通気ゾーンを生成する。第二の穿孔は、決定された平均第一の空気注入値と基準値との比較に基づいて形成されてもよい。
【0018】
この方法は、第一の通気ゾーンの製造から決定された平均第一の空気注入値に基づいて、多数の所定の数の第二の通気ゾーンの製造を可能にし得る。
【0019】
所定の第一の数の第一のエアロゾル発生物品は、少なくとも50個、好ましくは少なくとも100個、より好ましくは少なくとも1000個の第一のエアロゾル発生物品であってもよい。所定の第一の数の第一のエアロゾル発生物品は、所定の第二の数の第二のエアロゾル発生物品と同一であってもよい。これは、多数の第一および第二の通気ゾーンの製造を可能にしてもよく、それぞれの多数の第一および第二のエアロゾル発生物品は、標的空気注入値に調整される第一および第二の空気注入値を有する。
【0020】
基準値は、第一および第二のエアロゾル発生物品の標的空気注入値であってもよい。これにより、第一および第二のエアロゾル発生物品における第一および第二の通気ゾーンの製造が可能になり、それぞれの第一および第二の空気注入値は、標的空気注入値に調整される。標的空気注入値は、第一および第二の連続ロッドの標的空気注入値であってもよい。
【0021】
空気注入値は、単一の第一のエアロゾル発生物品について、および二つのエアロゾル発生物品を含有する第一の連続ロッドについて異なってもよい。単一の第一のエアロゾル発生物品または連続ロッドの空気注入値は、パーセンテージ値として表されてもよく、30パーセント~80パーセント、好ましくは40パーセント~60パーセント、45パーセント~55パーセントであってもよい。空気注入値のこれらのパーセント範囲は、許容可能な空気注入値を有するエアロゾル発生物品を製造するために許容され得る。
【0022】
好ましくは、標的空気注入値は、単一のエアロゾル発生物品に対して40パーセント~60パーセント、より好ましくは50パーセントに設定されてもよい。
【0023】
第一の空気注入値を決定するための方法工程C)中に第一の端面で第一のエアロゾル発生物品に加えられる空気圧力は、一定の空気圧力で加えられてもよい。第一の端面で第一のエアロゾル発生物品に加えられる空気圧力は、5ミリバール~50ミリバール、好ましくは10ミリバール~30ミリバール、より好ましくは15ミリバール~18ミリバールであってもよい。これは、通気ゾーンの製造中にエアロゾル発生物品の空気注入値を判定する迅速かつ簡単な方法を提供し得る。
【0024】
空気ブラストは、1.6~2.0ミリメートル、好ましくは1.8ミリメートルの直径を有するノズルを通して加えられてもよい。
【0025】
特に、17ミリバールの空気ブラストは、第一の空気注入値を決定するために、第一のエアロゾル発生物品の第一の端面に一定の圧力で加えられてもよい。第一の空気注入値は、摂氏22度の温度、約101キロパスカルの圧力、および約50パーセント~60パーセント、好ましくは60パーセントの相対湿度で決定されてもよい。空気ブラストを加える時間は、25ミリ秒~60ミリ秒であってもよい。
【0026】
第一のエアロゾル発生物品および第二のエアロゾル発生物品における第一の通気ゾーンおよび第二の通気ゾーンを製造するための方法は、例えば、実験室において、通気ゾーンの製造プロセスの外部で制御されてもよい。外部制御プロセスにおいて、空気注入値は一定の空気流で決定されてもよい。これは、一定の空気圧力で行われ得る、製造プロセス中の空気注入値の決定とは異なり得る。異なる測定方法に起因して、一定空気圧力での通気ゾーンの製造中に決定された空気注入値は、一定空気流での実験室で決定されたエアロゾル発生物品の空気注入値とは異なる場合がある。これは、製造プロセス中に一定空気圧力に「制御して」決定された空気注入値を、一定空気流で実験室で決定されたそれぞれの空気注入値に変換することを必要とし得る。
【0027】
一定空気圧力での通気ゾーンの製造中に決定された空気注入値と一定空気流で実験室で決定された空気注入値との間の変換は、変換係数を適用することによって行われてもよい。変換係数は、エアロゾル発生物品の引き出し抵抗(RTD)に依存し得る。
【0028】
別段の指定がない限り、構成要素の引き出し抵抗(RTD)またはエアロゾル発生物品の引き出し抵抗(RTD)は、ISO6565-2015に準拠して測定される。RTDは、構成要素の全長を通して空気を強制するのに必要な圧力を指す。構成要素または物品の「圧力降下」または「引き出し抵抗(draw resistance)」という用語もまた、「引き出し抵抗(resistance to draw)」を指し得る。こうした用語は概して、ISO6565-2015に従った測定が、摂氏約22度の温度、約101kPa(約760Torr)の圧力、および約60%の相対湿度で、測定された構成要素の出力または下流端にて約17.5ミリリットル毎秒の体積流量の試験下で正常に実行されることを指す。
【0029】
RTD値は、製造された異なるエアロゾル発生物品間のエアロゾル形成基体に使用されるたばこのいくらかの変動性に起因して、エアロゾル発生物品の通気ゾーンの製造プロセス中に異なってもよい。これらの異なるRTD値はまた、エアロゾル発生物品のそれぞれの空気注入値に影響を与え得る。
【0030】
方法工程B)の前の方法工程A2)では、第一のエアロゾル発生物品の第一の引き出し抵抗RTD値が測定されてもよい。引き出し抵抗値は、一定の空気流を第一のエアロゾル発生物品の第一の端面に加え、物品の空気抵抗による第一のエアロゾル発生物品の該第一の端面での空気圧力の増加を測定することによって測定され得る。空気流は、0.2ミリメートルの直径を有するノズルを通して方向付けられた最大2500ミリバール、好ましくは2100ミリバールの圧力を有してもよい。
【0031】
さらに、個々の第一の引き出し抵抗値は、所定の第一の数の第一のエアロゾル発生物品の第一のエアロゾル発生物品のそれぞれに対して決定されてもよい。
【0032】
個々の第一の引き出し抵抗値は、所定の第一の数の第一の連続ロッドに対して決定されることが好ましい。各第一の連続ロッドは、相互に接続された二つの第一のエアロゾル発生物品を収容してもよい。
【0033】
こうした第一の連続ロッドの引き出し抵抗値は、30ミリメートルH2O~160ミリメートルH2Oであってもよい。
【0034】
一定の空気圧力での工程C)で決定された第一のエアロゾル発生物品の個々の第一の空気注入値は、第一の個々のRTD値に基づいて補正されてもよい。これは、補正された個々の第一の空気注入値を提供し得る。これらのRTD補正された個々の第一の空気注入値は、一定の空気流で実験室で測定されたそれぞれの空気注入値に対応し得る。これにより、第一の通気ゾーンの製造中の方法工程C)で決定された第一の空気注入値と、一定の空気流で実験室で決定された空気注入値との比較が可能になり得る。
【0035】
特に、第一の補償係数は、決定された第一のRTD値を考慮して計算されてもよい。この第一の補償係数は、「ダブルスティック」とも示される、一緒に接続された二つの第一のエアロゾル発生物品を収容する第一の連続ロッドについて測定された第一のRTD値を考慮に入れて決定されてもよい。補償係数は、物品のRTD値に応じて、異なるエアロゾル発生物品について実験的に決定されてもよい。補償係数の決定の例を図5に示す。
【0036】
補償係数はパーセンテージ係数であってもよく、また第一の連続ロッドに対して決定されたRTD値に依存してもよい。補償係数は、-20パーセント~+20パーセント、好ましくは-8パーセント~+4パーセントであってもよい。補償係数は、第一の通気ゾーンの製造中に、方法工程C)で決定されたそれぞれの第一の空気注入値に適用されてもよい。これは、一定の空気流で実験室で取得されたそれぞれの空気注入値を得るために、一定の空気圧力での製造中に決定された第一の空気注入値との間で特定の割合を減算または追加することのいずれかをもたらし得る。
【0037】
本発明の方法の一実施形態の方法工程E)において、平均補正された第一の空気注入値は、基準値と比較されてもよい。さらに、工程E)では、第二の穿孔のサイズは、平均補正された第一の空気注入値と基準値との比較に基づいて調整され得る。これにより、実験室で一定の空気流で取得された空気注入値に基づいて、第二の穿孔のサイズを調整することが可能になり得る。
【0038】
方法工程D)の間に、デルタ値が計算され得る。デルタ値は、平均補正された第一の空気注入値と基準値との間の差であってもよい。方法工程E)では、第二の穿孔のサイズは、デルタ値に基づいて調整され得る。
【0039】
デルタ値は、平均補正された第一の空気注入値が基準値と同じである場合、0であってもよい。本発明の通気ゾーンを製造する方法の一実施形態によれば、デルタ値が0以外の場合、第二の穿孔のサイズは方法工程E)で調整され得る。本発明の通気ゾーンを製造する方法の別の実施形態では、第二の穿孔のサイズは、デルタ値が特定の閾値を上回る場合にのみ、方法工程E)で調整され得る。例えば、第二の穿孔のサイズは、デルタ値が-0.5パーセント~0.5パーセントの値を下回るか、またはそれを上回る場合にのみ調整されてもよく、好ましくは、デルタ値は、好ましくは-0.3パーセント~0.3パーセント、好ましくは-0.2パーセント~0.2パーセントであってもよい。記述された範囲内のデルタ値は、第二の穿孔のサイズの調整をもたらさない場合がある。負のデルタ値は、第一の所定の数の第一のエアロゾル発生物品の平均補正された第一の空気注入値が基準値を下回ることを示し得る。正のデルタ値は、第一の所定の数の第一のエアロゾル発生物品の平均補正された第一の空気注入値が基準値を上回ることを示し得る。
【0040】
方法工程E)では、第二の穿孔のサイズは、第一の穿孔のサイズと比較して縮小されたまたは増大されたもののうちの一方であり得る。
【0041】
特に、第二の穿孔のサイズは、補正された第一の空気注入値が基準値よりも小さい場合、第一の穿孔のサイズと比較して増大され得る。第二の穿孔のサイズは、補正された第一の空気注入値が基準値よりも大きい場合、第一の穿孔のサイズと比較して縮小され得る。
【0042】
方法工程B)の間、スリットまたは楕円形は、第一の穿孔として形成されてもよい。これらの第一の穿孔は、第一のエアロゾル発生物品において、幅および長さを有してもよい。方法工程E)の間、第二のエアロゾル発生物品における第二の穿孔の長さは調整されてもよい。特に、方法工程E)の間、第一の穿孔と同じ幅を維持して、第二の穿孔の長さのみを調整してもよい。調整は、デルタ値に応じて、第一の穿孔の長さと比較して、第二の穿孔の長さを増加または減少させることのうちの一方によって行われてもよい。
【0043】
第一の空気注入値および第二の空気注入値が高すぎる、または低すぎる第一のエアロゾル発生物品および第二のエアロゾル発生物品も、生産ストリームから拒絶される場合がある。特に、空気注入値が30パーセント~80パーセントの範囲外である第一のエアロゾル発生物品および第二のエアロゾル発生物品は、拒絶され得る。
【0044】
第一および第二の穿孔のうちの一つ又は複数は、非円形断面を有してもよい。第一および第二の穿孔のうちの一つ又は複数は、スリット形状であってもよく、または楕円形の断面を有してもよい。第一および第二の穿孔のうちの一つ又は複数は、一楕円率を有してもよく、楕円率は、穿孔の大径を穿孔の小径で割った比であり、少なくとも1.5であることが好ましく、少なくとも2であることが好ましく、少なくとも3であることが好ましく、少なくとも4であることがより好ましく、少なくとも5であることが最も好ましい。
【0045】
方法工程B)および方法工程E)のうちの一方または両方の間、レーザ装置は、第一および第二のエアロゾル発生物品に第一および第二の穿孔を形成するために、または第一の穿孔と比較して第二の穿孔のサイズを調整するために使用され得る。
【0046】
方法工程E)では、レーザ装置は、レーザの「負荷サイクルの設定点」を変更することによって、穿孔のサイズを調整するために使用され得る。レーザ装置の「負荷サイクル」は、レーザがアクティブであり、通気ゾーンの穿孔を形成する期間と、穿孔を形成するためのサイクルの合計時間との間の比である。「負荷サイクル」が高いほど、レーザがアクティブになる時間が長くなり、穿孔の長さが長くなる。
【0047】
方法工程E)では、第二のエアロゾル発生物品の第二の空気注入値が決定されてもよい。さらに、所定の第二の数の第二のエアロゾル発生物品の第二のエアロゾル発生物品の個々の第二の空気注入値を決定することができ、これらの個々の第二の空気注入値の平均を計算することができる。
【0048】
方法工程E)では、第二のエアロゾル発生物品の第二の引き出し抵抗RTD値が測定されてもよい。第二の穿孔が、所定の第二の数の第一のエアロゾル発生物品の第二のエアロゾル発生物品に形成される場合、個々の第二のRTD値が、第二のエアロゾル発生物品のそれぞれに対して決定され得る。
【0049】
平均第一のRTD値は、第一のエアロゾル発生物品の個々の第一のRTD値から計算されてもよい。同様に、平均第二のRTD値は、第二のエアロゾル発生物品の個々の第二のRTD値から計算されてもよい。平均第一のRTD値は特に、所定の第一の数の第一の連続ロッドに対して決定されてもよい。平均第二のRTD値は、所定の第二の数の第二の連続ロッドに対して決定されてもよい。
【0050】
第一の連続ロッドは、単一の第一のエアロゾル発生物品を提供するために切断されてもよい。単一の第一のエアロゾル発生物品の第一の単一の空気注入値が決定されてもよい。同様に、第二の連続ロッドは、単一の第二のエアロゾル発生物品を提供するために切断されてもよい。単一の第二のエアロゾル発生物品の第二の単一の空気注入値が決定されてもよい。第一の単一の空気注入値および第二の単一の空気注入値は、上述の第一のエアロゾル発生物品の空気注入値と同様の方法で決定されてもよい。
【0051】
二つの単一の第一のエアロゾル発生物品を含有する第一の連続ロッドの第一の空気注入値は、一つの単一の第一のエアロゾル発生物品の第一の単一の空気注入値とは異なってもよい。さらに、二つの単一のエアロゾル発生物品を含有する連続ロッドの空気注入値と、切断によってロッドから作製された個々のエアロゾル発生物品のそれぞれの単一の空気注入値との間の差はまた、それぞれの連続ロッドのRTD値に依存し得る。例えば、約44ミリメートルH2O~59ミリメートルH2Oの低い引き出し抵抗値範囲を有し、かつ70パーセントの空気注入値を有するフィルタセクションを有する連続ロッドは、35パーセントのそれぞれの単一のエアロゾル発生物品の空気注入値をもたらすことになる。59ミリメートルH2O~71ミリメートルH2Oの引き出し抵抗値の範囲を有し、かつ80パーセントの空気注入値を有するフィルタセクションを有する連続ロッドは、切断後に50パーセントの空気注入値を有する単一のエアロゾル発生物品をもたらす。85パーセントの空気注入値を有する約71ミリメートルH2O~86ミリメートルH2Oの値の範囲の引き出し抵抗を有するフィルタセクションを有する連続ロッドは、切断後に59パーセントの空気注入値を有する単一のエアロゾル発生物品をもたらす。
【0052】
連続ロッドの空気注入値と、連続ロッドを切断することによって製造される単一のエアロゾル発生物品のそれぞれの単一の空気注入値との間に相関があり得る。連続ロッドの空気注入値とそれぞれの単一のロッドとの間の相関は、連続ロッドに対して測定されたそれぞれのRTD値に依存し得る。したがって、ロッド内の通気ゾーンの製造前に連続ロッドのRTDを測定することは、切断後に単一のエアロゾル発生物品において所望の空気注入値をもたらすために、連続ロッドのどの空気注入値が必要であるかを判定することを可能にし得る。これにより、連続ロッドの測定されたRTDに応じて基準値を調整および設定することができる。これにより、連続ロッドの空気注入値の基準値を、所望の空気注入値を有する単一のエアロゾル発生物品を最終的に製造できるように設定することが可能になる。連続ロッドを切断した後の単一のエアロゾル発生物品に対するこの所望の空気注入値は、50パーセントであってもよい。第一および第二の連続ロッドが第一および第二のエアロゾル発生物品として製造される場合、基準値は、連続ロッドの標的空気注入値であってもよい。連続ロッドのこの標的空気注入値は、連続ロッドの切断後に所望の空気注入値を有する個々のエアロゾル発生物品のために、こうした方法で設定されてもよい。個々のエアロゾル発生物品に対するこの所望の空気注入値は、50パーセントであってもよい。
【0053】
エアロゾル発生物品内の通気ゾーンを製造する方法はまた、方法工程A2)で第一のエアロゾル発生物品について測定されたRTD値に応じて、方法工程D)で基準値を設定することを含み得る。高い引き出し抵抗値、中程度の引き出し抵抗値、または低い引き出し抵抗値が測定されたかどうかに応じて、基準値、特に基準空気注入値、より具体的には、二つのエアロゾル発生物品を含有する連続ロッドに対する基準空気注入値が設定されてもよい。連続ロッドの空気注入値は、ロッドを切断した後に単一のエアロゾル発生物品の空気注入値に割り当てられ得るため、ロッドに対して測定されたRTD値に応じて連続ロッドの基準空気注入値を設定することによって、所望の単一の空気注入値を得ることができる。
【0054】
方法工程A)の間に、第一のエアロゾル発生物品が提供されてもよく、第一のエアロゾル発生物品は、第一の中空管セクションおよび第一の基体セクションを備える。好ましくは、第一のエアロゾル発生物品はさらに第一のフィルタセクションを備えてもよい。第一の中空管セクションは、第一のエアロゾル発生物品内の第一の基体セクションの下流に位置してもよい。
【0055】
第二のエアロゾル発生物品はまた、第二の中空管セクションおよび第二の基体セクションを備えてもよい。好ましくは、第二のエアロゾル発生物品は、第二のフィルタセクションをさらに備えてもよい。第二の中空管セクションは、第二のエアロゾル発生物品内の第二の基体セクションの下流に位置してもよい。
【0056】
特に、第二のエアロゾル発生物品は、第一のエアロゾル発生物品と同じ方法で構造化されてもよい。第二のエアロゾル発生物品は、第一のエアロゾル発生物品と同じ要素を含有してもよい。
【0057】
第一の連続ロッドは、相互に接続された二つの同一の第一のエアロゾル発生物品を収容してもよい。同様に、第二の連続ロッドは、相互に接続された二つの同一の第二のエアロゾル発生物品を収容してもよい。以下では、第一および第二のエアロゾル発生物品の設計をより詳細に説明する。したがって、一般に「エアロゾル発生物品」への任意の言及は、第一および第二のエアロゾル発生物品の両方に関する。第一の連続ロッドおよび第二の連続ロッドは、例えば二つの第一のエアロゾル発生物品を接続することによって、それぞれの第一のエアロゾル発生物品および第二のエアロゾル発生物品から形成することができる。
【0058】
本明細書で使用される場合、「上流」および「下流」という用語は、使用中にエアロゾルがエアロゾル発生物品を通して搬送される方向に対する、エアロゾル発生物品と一緒に使用されるエアロゾル発生物品またはエアロゾル発生装置のセクションの相対的な位置を説明するために使用される。本発明によるエアロゾル発生物品は、使用時にエアロゾルがそれを通ってエアロゾル発生物品を抜け出る近位端を備える。エアロゾル発生装置の近位端はまた、口側端または下流端と呼ばれてもよい。使用時に、エアロゾル発生システムによって発生したエアロゾルを吸い込むために、ユーザはエアロゾル発生物品の下流端または口側端を吸い込む。エアロゾル発生システムは、下流端または口側端と反対側の上流端を備える。口側端は、遠位端の下流である。エアロゾル発生装置またはエアロゾル発生物品の遠位端はまた、上流端と呼ばれる場合がある。エアロゾル発生物品、またはエアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の一部分は、エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生装置の使用中のエアロゾル発生物品、またはエアロゾル発生装置を通して搬送されるエアロゾルの方向に対するこれらの相対的位置に基づいて、互いの上流または下流にあるとして説明され得る。
【0059】
フィルタセクションは、セルロースアセテートフィルタプラグであってもよい。一実施形態では、フィルタセクションはおよそ7mmの長さであってもよいが、およそ5mm~およそ10mmの長さであってもよい。
【0060】
中空管セクションは、支持セクションおよびエアロゾル冷却セクションのうちの一方または両方を備えてもよい。
【0061】
基体セクションは、エアロゾル形成基体を含み得る。
【0062】
エアロゾル形成基体は、およそ10mmの長さを有してもよい。あるいは、エアロゾル形成基体は、およそ12mmの長さを有してもよい。さらに、エアロゾル形成基体の直径は、およそ5mm~およそ12mmの間であってもよい。
【0063】
例として、中空管セクションは、エアロゾル形成基体のすぐ下流に位置付けられた支持要素をさらに備えてもよく、エアロゾル冷却要素は、支持要素とエアロゾル発生物品の下流端(または口側端)との間に位置してもよい。より詳細には、エアロゾル冷却要素は、支持要素のすぐ下流に位置付けられ得る。一部の好ましい実施形態では、エアロゾル冷却要素は、支持要素に当接してもよい。
【0064】
本発明によるエアロゾル発生物品の中空管セクションは、好ましくは、エアロゾル形成基体のロッドと整列して、かつその下流に配置される支持要素を含む、中間中空セクションを備える。とりわけ、支持要素はエアロゾル形成基体のロッドのすぐ下流に位置してもよく、またエアロゾル形成基体のロッドに隣接してもよい。
【0065】
支持要素は、任意の好適な材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。例えば、支持要素は、酢酸セルロース、厚紙、捲縮した紙(捲縮した耐熱紙または捲縮した硫酸紙など)、および高分子材料(低密度ポリエチレン(LDPE)など)から成る群から選択される一つ以上の材料から形成されてもよい。好ましい実施形態では、支持要素は、酢酸セルロースから形成されている。他の好適な材料には、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)繊維が含まれる。
【0066】
支持要素は中空の管状要素を含んでもよい。好ましい実施形態では、支持要素は、中空のセルロースアセテート管を含む。
【0067】
支持要素は、ロッドと実質的に整列して配置される。これは、支持要素の長さ寸法が、ロッドおよび物品の長手方向とほぼ平行に、例えばロッドの長手方向に平行から±10度以内に配置されることを意味する。好ましい実施形態では、支持要素は、ロッドの長軸方向軸に沿って延びる。
【0068】
支持要素は、好ましくは、エアロゾル形成基体のロッドの外径およびエアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有する。
【0069】
支持要素は、5ミリメートル~12ミリメートルの外径、例えば5ミリメートル~10ミリメートルの外径、または6ミリメートル~8ミリメートルの外径を有してもよい。好ましい実施形態では、支持要素は7.2ミリメートル±10パーセントの外径を有する。支持要素は、5ミリメートル~15ミリメートルの長さを有してもよい。好ましい実施形態では、支持要素は、8ミリメートルの長さを有する。
【0070】
支持要素の周辺壁は、少なくとも1ミリメートルの厚さを有してもよく、少なくとも約1.5ミリメートルの厚さを有することが好ましく、少なくとも約2ミリメートルの厚さを有することがより好ましい。
【0071】
支持要素は、約5ミリメートル~約15ミリメートルの長さを有してもよい。
【0072】
支持要素は、少なくとも約6ミリメートルの長さを有することが好ましく、少なくとも約7ミリメートルの長さを有することがより好ましい。
【0073】
好ましい実施形態では、支持要素は、約12ミリメートル未満、より好ましくは約10ミリメートル未満の長さを有する。
【0074】
いくつかの実施形態では、支持要素は、約5ミリメートル~約15ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約15ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約15ミリメートルの長さを有する。他の実施形態では、支持要素は、約5ミリメートル~約12ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約12ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約12ミリメートルの長さを有する。さらなる実施形態では、支持要素は、約5ミリメートル~約10ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約10ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約10ミリメートルの長さを有する。
【0075】
好ましい実施形態では、支持要素は、約8ミリメートルの長さを有する。
【0076】
支持要素の長さとエアロゾル形成基体のロッドの長さとの間の比は、約0.25~約1であり得る。
【0077】
好ましくは支持要素の長さとエアロゾル形成基体のロッドの長さとの間の比は、少なくとも約0.3、より好ましくは少なくとも約0.4、さらにより好ましくは少なくとも約0.5である。好ましい実施形態では、支持要素の長さとエアロゾル形成基体のロッドの長さとの間の比は、約0.9未満、より好ましくは約0.8未満、さらにより好ましくは約0.7未満である。
【0078】
一部の実施形態では、支持要素の長さとエアロゾル形成基体のロッドの長さとの間の比は、約0.3~約0.9、好ましくは約0.4~約0.9、より好ましくは約0.5~約0.9である。他の実施形態では、支持要素の長さとエアロゾル形成基体のロッドの長さとの間の比は、約0.3~約0.8、好ましくは約0.4~約0.8、より好ましくは約0.5~約0.8である。さらなる実施形態では、支持要素の長さとエアロゾル形成基体のロッドの長さとの間の比は、約0.3~約0.7、好ましくは約0.4~約0.7、より好ましくは約0.5~約0.7である。
【0079】
特に好ましい実施形態では、支持要素の長さとエアロゾル形成基体のロッドの長さとの間の比は、約0.66である。
【0080】
支持要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、約0.125~約0.375とし得る。
【0081】
好ましくは支持要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、少なくとも約0.13、より好ましくは少なくとも約0.14、さらにより好ましくは少なくとも約0.15である。支持要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、好ましくは約0.3未満、より好ましくは約0.25未満、さらにより好ましくは約0.20未満である。
【0082】
一部の実施形態では、支持要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、好ましくは約0.13~約0.3、より好ましくは約0.14~約0.3、さらにより好ましくは約0.15~約0.3である。他の実施形態では、支持要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、好ましくは約0.13~約0.25、より好ましくは約0.14~約0.25、さらにより好ましくは約0.15~約0.25である。さらなる実施形態では、支持要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、好ましくは約0.13~約0.2、より好ましくは約0.14~約0.2、さらにより好ましくは約0.15~約0.2である。
【0083】
特に好ましい実施形態では、支持要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、約0.18である。
【0084】
本発明によるエアロゾル発生物品では、支持要素は、少なくとも約80パーセント、より好ましくは少なくとも約85パーセント、なおより好ましくは少なくとも約90パーセントの平均半径方向硬度を有することが好ましい。したがって、支持要素は、エアロゾル発生物品に所望の硬度レベルを提供することができる。
【0085】
望ましい場合、例えば少なくとも約80グラム/平方メートル(gsm)、または少なくとも約100gsm、または少なくとも約110gsmの坪量を有するプラグラップなどの堅いプラグラップで支持要素を囲むことによって、本発明によるエアロゾル発生物品の支持要素の半径方向硬度をさらに増加させてもよい。
【0086】
エアロゾル形成基体の加熱のための本発明によるエアロゾル発生物品のエアロゾル発生装置への挿入の間、ユーザは、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の挿入に対する抵抗を克服するために、いくらかの力を加える必要がある場合がある。これは、エアロゾル発生物品とエアロゾル発生装置とのうちの一方または両方に損傷を与える場合がある。加えて、エアロゾル発生物品をエアロゾル発生装置へ挿入する間に力を加えると、エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基体がずれる場合がある。これにより、エアロゾル発生装置の発熱体がエアロゾル形成基体内に設けられるサセプタと適切に位置合わせされない結果となる可能性があり、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の不均一で非効率的な加熱につながる可能性がある。支持要素は有利なことに、物品のエアロゾル発生装置の中への挿入中の、エアロゾル形成基体の下流への移動に抵抗するように構成されている。
【0087】
本発明によるエアロゾル発生物品では、物品の全体的なRTDは、本質的に基体セクションのRTD、および任意選択的にフィルタセクションのRTDに依存する。これは、エアロゾル冷却要素の中空管状セクションおよび支持要素の中空管状セクションが、実質的に空であり、そのため、エアロゾル発生物品の全体的なRTDに実質的にわずかに寄与するに過ぎないからである。
【0088】
本発明の方法に従って、かつ連続ロッドの切断後に製造される通気ゾーンを有する単一のエアロゾル発生物品の全体的なRTD値は、およそ30ミリメートルH2O~およそ70ミリメートルH2O、好ましくはおよそ40ミリメートルH2O~およそ60ミリメートルH2Oであってもよい。
【0089】
エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつエアロゾル発生システムの動作温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体としては、多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、およびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられる場合があるが、これらに限定されない。エアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセリンなど)であってもよい。エアロゾル形成体はプロピレングリコールであってもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンとプロピレングリコールの両方を含んでもよい。エアロゾル形成体はグリセリンのみを含んでもよい。
【0090】
エアロゾル形成体は、エアロゾル形成基体の総量に基づく乾燥重量基準で20重量パーセント~58パーセント、好ましくは25重量パーセント~45重量パーセント、より好ましくは30重量パーセント~38重量パーセントの量で存在してもよい。「乾燥重量基準」という用語は本出願全体を通して、カールフィッシャー滴定を介して、水を除去して、例えば温度および圧力の標準条件で摂氏110度の温度に加熱した後、および終点を決定するために電位差測定法を使用した後、算出されたエアロゾル形成基体の重量を指す。終点は二電位差滴定法によって検出される。Pt電極の第二の対が陽極溶液中に浸漬される。検出器回路は、滴定中に二つの検出器電極間の一定電流を維持する。等価点の前に、溶液はI-を含有するが、I2をほとんど含有しない。等価点にて、過剰なI2が現れ、急激な電圧降下が終点を示す。その後、I2を発生して終点に到達するために必要な電荷の量を使用して、元のサンプル内の水の量を算出することができる。エアロゾル形成体含有量は、水素炎イオン化検出器と組み合わせたガスクロマトグラフィーによって測定することができる。
【0091】
特定の好ましい実施形態では、エアロゾル形成基体は、均質化した植物材料、好ましくは、均質化したたばこ材料を含み得る。
【0092】
本明細書で使用される「均質化した植物材料」という用語は、植物の粒子の凝集によって形成された任意の植物材料を包含する。例えば、本発明のエアロゾル形成基体のための均質化したたばこ材料のシートまたはウェブは、植物材料および随意に、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉茎のうちの一つ以上をすり潰す、粉砕する、または細分することによって取得されたたばこ材料の粒子を凝集することによって形成され得る。均質化した植物材料は、キャスティング、押出成形、製紙プロセス、または当技術分野で既知の他の任意の好適なプロセスによって製造されてもよい。
【0093】
均質化した植物材料は、任意の好適な形態で提供され得る。例えば、均質化した植物材料は、一つ以上のシートの形態であり得る。本発明に関して本明細書で使用される「シート」という用語は、その厚さよりも実質的に大きい幅及び長さを有する薄層状の要素を説明する。
【0094】
均質化した植物材料は、複数のペレット又は顆粒の形態であってもよい。
【0095】
均質化した植物材料は、複数のストランド、細片、または断片の形態であってもよい。本明細書で使用される場合、「ストランド」という用語は、その幅および厚さより実質的に大きな長さを有する材料の細長い要素を説明する。「ストランド」という用語は、細片、断片、および類似の形態を有する任意のその他の均質化した植物材料を包含するものとみなされるべきである。均質化した植物材料のストランドは、例えば切断する若しくは細かく切ることによって、または他の方法、例えば押出成形方法によって、均質化した植物材料のシートから形成されてもよい。
【0096】
たばこ粒子は、乾燥重量に基づいて少なくとも約2.5重量パーセントのニコチン含有量を有し得る。より好ましくは、たばこ粒子は、乾燥重量に基づいて、少なくとも約3重量パーセントのニコチン含有量を有してもよく、少なくとも約3.2重量パーセントのニコチン含有量を有することがさらにより好ましく、少なくとも約3.5重量パーセントのニコチン含有量を有することがさらにより好ましく、少なくとも約4重量パーセントのニコチン含有量を有し得ることが最も好ましい。
【0097】
少なくとも一つのサセプタ要素は、基体セクション内に位置してもよい。概して、サセプタは、交番磁界が侵入した時に熱を発生することができる材料を含んでもよく、またはその材料で作製されてもよい。サセプタが導電性である場合、典型的に、交番磁界によって渦電流が誘発される。サセプタが磁性である場合、典型的に、加熱に寄与する別の効果は、一般的にヒステリシス損失と呼ばれる。ヒステリシス損失は、主にサセプタ内の磁区ブロックの移動に起因して生じる。これは、これらの磁気的な向きが、交互の誘導磁界と整列するためである。ヒステリシス損失に寄与する別の効果は、磁区がサセプタ内で拡大または縮小する時である。一般的に、サセプタ内でナノスケール以下で起こるこれらのすべての変化は、サセプタ内で熱を生成するため、「ヒステリシス損失」と呼ばれる。よって、サセプタが磁性と導電性の両方である場合、ヒステリシス損失と渦電流の発生の両方はサセプタ粒子の加熱に寄与することになる。サセプタが磁性であるが導電性ではない場合、ヒステリシス損失は、交番磁界によって貫通された時にサセプタを加熱することになる唯一の手段となることになる。一つまたはいくつかの誘導コイルによって生成される交番磁界は、サセプタを加熱し、これはその後、エアロゾル形成基体の他の構成要素に熱を伝達する。これはエアロゾルの形成を容易にする場合がある。熱伝達は、主に熱の伝導によってもよい。
【0098】
サセプタは強磁性であってもよい。強磁性サセプタは、金属または金属酸化物を含んでもよく、またはそれらから成ってもよい。強磁性サセプタは、鉄、コバルト、ニッケル、またはその酸化物のうちの一つ以上を含んでもよい。好ましくは、サセプタは、Fe23を含んでもよく、またはそれから成ってもよい。
【0099】
エアロゾル発生物品は、通気ゾーンの下流のフィルタセクションにフィルタプラグをさらに備え得る。フィルタプラグの引き出し抵抗(RTD)は、5ミリメートルH2O~80ミリメートルH2O、好ましくは10ミリメートルH2O~65ミリメートルH2O、より好ましくは15ミリメートルH2O~50ミリメートルH2O、より好ましくは20ミリメートルH2O~40ミリメートルH2O、最も好ましくは30ミリメートルH2Oであってもよい。
【0100】
方法工程B)の間、穿孔は中空管セクション内に形成されてもよい。中空管セクション内の通気ゾーンは、ユーザの吸煙中に周囲空気がエアロゾル発生物品に容易に入ることを可能にし得る。中空管セクション内の通気ゾーンは、基体セクションの下流に配置されてもよい。これにより、基体セクションのエアロゾル形成基体から生じる空気流またはエアロゾルが、穿孔を通してエアロゾル発生物品に入る周囲空気と混合され、冷却されることが可能になり得る。これは、エアロゾル発生を改善し得る。
【0101】
方法工程b)の間に形成された通気ゾーンは、5~15個の穿孔、好ましくは7~14個の穿孔、より好ましくは9~13個の穿孔、より好ましくは10~12個の穿孔、最も好ましくは11個の穿孔を備え得る。
【0102】
通気ゾーンは、10~12個の穿孔を備えてもよい。
【0103】
穿孔を有する通気ゾーンを有することは、周囲空気が通気ゾーン内に引き込まれることを可能にし得る。この周囲空気は、基体セクションを通して引き込まれた空気と混合してもよい。基体セクションは、エアロゾル形成基体が揮発するように、エアロゾル発生装置によって加熱されてもよい。揮発したエアロゾル形成基体は、エアロゾル形成基体のロッドを通って流れる空気中に同伴されてもよい。この空気流は、通気ゾーン内の基体セクションの下流の周囲空気と混合する。周囲空気と基体セクションを通して引き込まれた空気との混合は冷却されてエアロゾルを形成する。比較的小さい数の穿孔、具体的には10~12個の穿孔を有することにより、穿孔を通して通気ゾーン内に引き込まれた周囲空気と、基体セクションを通して通気ゾーン内に引き込まれた空気との混合が改善される。この改善された混合により、改善されたエアロゾル発生をもたらし得る。いかなる理論にも束縛されるものではないが、10~12個の穿孔が、周囲空気と揮発したエアロゾル形成基体を運ぶ空気との最良の混合物につながることがわかっている。理由は、この比較的少数の穿孔が、十分な量の周囲空気が通気ゾーン内に引き込まれることを可能にするために、比較的大きな穿孔を必要とすることであり得る。比較的大きな穿孔は、二つの空気流間の比較的強い乱流につながり、それ故に二つの空気流の改善された混合につながる場合がある。穿孔から来る空気流は、エアロゾル形成基体から来る主空気流を破断するのに十分に強くてもよくそれによって空気流の混合を改善することができる。
【0104】
通気ゾーンは、11個の穿孔を備えてもよい。
【0105】
この数の穿孔が、周囲空気と揮発したエアロゾル形成基体を運ぶ空気との最良の混合物につながることを示している。
【0106】
穿孔は、通気ゾーンを囲んで配置されてもよい。穿孔は、通気ゾーンを少なくとも部分的に囲んで配置されもよい。
【0107】
方法工程A)の間に、連続ロッドがエアロゾル発生物品として設けられてもよい。連続ロッドは、最大10個の個々のエアロゾル発生物品、好ましくは最大5個の個々のエアロゾル発生物品、より好ましくは最大2個の個々のエアロゾル発生物品を含み得る。最も好ましくは、連続ロッドは、二つの個々のエアロゾル発生物品を含んでもよい。個々のエアロゾル発生物品は、連続ロッドを個々のエアロゾル発生物品に切断することによって製造されてもよい。連続ロッドは、相互に接続された二つの個々のエアロゾル発生物品を含んでもよく、両方の単一のエアロゾル発生物品の下流フィルタセクションは、連続ロッド内で相互に隣接して位置する。
【0108】
個々のエアロゾル発生物品は、上流基体セクションと、基体セクションの下流に位置する少なくとも一つの中空管セクションとを備えてもよく、中空管セクションは基体セクションに隣接していることが好ましい。少なくとも一つの中空管セクションのさらに下流に、フィルタセクション、例えばセルロースアセテートフィルタプラグなどのフィルタプラグが位置してもよい。
【0109】
本発明の方法によって製造されるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生システムで使用されてもよい。エアロゾル発生システムは、本明細書に記載されたエアロゾル発生物品、及びエアロゾル発生物品を受容するための空洞を備えるエアロゾル発生装置を備え得る。
【0110】
こうしたエアロゾル発生システムは、本明細書に記載のエアロゾル発生物品の基体セクションのエアロゾル形成基体からエアロゾルを提供するように構成されてもよい。
【0111】
エアロゾル発生装置の空洞は、空洞内に内側に突出するセクションを備える内壁を備えてもよい。これらの突出セクションは、空洞内に受容されたエアロゾル発生物品と接触してもよい。これらの突出セクションは、空洞の内壁とエアロゾル発生物品との間の空気流経路の形成を可能にし得る。これはまた、エアロゾル発生物品の上述の通気ゾーンにつながる空気流経路の形成を可能にし得る。
【0112】
エアロゾル発生装置は、発熱体、具体的には誘導コイルなどの誘導発熱体を含んでもよい。エアロゾル発生装置内に受容されたエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の誘導加熱に伴い、サセプタは、誘導発熱体の交番磁界によって加熱されてもよい。これはまた、エアロゾル形成基体を加熱しすることができる。誘導加熱のために、発熱体は誘導コイルを備えることが好ましい。交番磁界を発生するために、交流電流が誘導コイルに供給されてもよい。交流電流は高周波数を有してもよい。本明細書で使用される「高周波振動電流」という用語は、500キロヘルツ~30メガヘルツの周波数を有する振動電流を意味する。高周波振動電流は、約1メガヘルツ~約30メガヘルツの周波数を有してもよく、約1メガヘルツ~約10メガヘルツの周波数を有することが好ましく、約5メガヘルツ~約8メガヘルツの周波数を有することがより好ましい。
【0113】
発熱体は、エアロゾル発生物品を摂氏220度~摂氏400度、好ましくは摂氏250度~摂氏290度の範囲の温度に加熱するように構成されてもよい。発熱体は、エアロゾル発生物品、特にエアロゾル形成基体をエアロゾル形成基体の燃焼温度を下回る温度に加熱するように構成され得る。これは、「加熱非燃焼」式エアロゾル発生物品から発生されるエアロゾルの使用を可能にし得る。
【0114】
発熱体は抵抗発熱体として構成されてもよい。発熱体は、空洞、エアロゾル発生物品を受容ため、空洞を少なくとも部分的に囲む抵抗加熱コイルとして構成されてもよい。
【0115】
発熱体は、エアロゾル発生物品を受容するための空洞に隣接して位置してもよい。発熱体は、空洞の中に受容されたエアロゾル発生物品を加熱するために、空洞の周りに少なくとも部分的に位置してもよい。発熱体は、エアロゾル発生物品を受容するための空洞の周囲を包囲してもよい。これは、エアロゾル発生物品の基体セクションの信頼性および均一な加熱を可能にし得る。
【実施例
【0116】
以下に、非限定的な実施例の非網羅的な一覧を提供する。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わせられ得る。
【0117】
実施例A.
第一のエアロゾル発生物品内に第一の通気ゾーンおよび第二のエアロゾル発生物品内に第二の通気ゾーンを製造するための方法であって、
A)第一のエアロゾル発生物品を提供する方法工程と、
B)第一のエアロゾル発生物品内に第一の穿孔を形成し、それによって第一の通気ゾーンを作成する方法工程と、
C)第一のエアロゾル発生物品の第一の空気注入値を決定する方法工程であって、空気注入値が、式(Pin-Pout)・100%/Pinによって決定され、式中、Pinが、物品の第一の端面で加えられる空気圧力であり、Poutが、物品の第二の端面で検出された空気圧力である、決定する方法工程と、
D)第一の空気注入値を基準値と比較する方法工程と、
E)第二のエアロゾル発生物品を提供し、第二のエアロゾル発生物品内に第二の穿孔を形成し、それによって第二の通気ゾーンを作成する方法工程であって、第二の穿孔のサイズが、決定された第一の空気注入値と基準値との比較に基づいて調整される、作成する方法工程と、を含む、方法。
実施例B.
方法工程C)の間に、空気ブラストが第一のエアロゾル発生物品に加えられ、圧力差が第一のエアロゾル発生物品の対向する第一の端面と第二の端面との両方の間で測定される、実施例Aに記載の製造方法。
実施例C.
第一の連続ロッドが第一のエアロゾル発生物品として設けられ、第二の連続ロッドが第二のエアロゾル発生物品として設けられ、第一の連続ロッドおよび第二の連続ロッドが少なくとも二つのエアロゾル発生物品を含み、好ましくは第一の連続ロッドおよび第二の連続ロッドが二つのエアロゾル発生物品からなる、実施例A~Bのいずれかに記載の方法。
実施例D.
方法工程A)およびB)の間に、所定の第一の数の第一のエアロゾル発生物品が設けられ、第一の穿孔が、所定の第一の数の第一のエアロゾル発生物品の第一のエアロゾル発生物品のそれぞれに形成され、方法工程C)の間に、第一のエアロゾル発生物品の個々の第一の空気注入値が決定され、かつその平均第一の空気注入値が計算される、所定の第一の数の第一のエアロゾル発生物品内に第一の通気ゾーンを製造するための、実施例A~Cのいずれかに記載の方法。
実施例E.
方法工程E)の間に、所定の第二の数の第二のエアロゾル発生物品が設けられ、第二の穿孔が、決定された平均第一の空気注入値と基準値との間の比較に基づいて、所定の第二の数の第一のエアロゾル発生物品の第二のエアロゾル発生物品のそれぞれに形成される、所定の第二の数の第二のエアロゾル発生物品内に第二の通気ゾーンをさらに製造するための実施例Dに記載の方法。
実施例F.
基準値が、基準値が、第一のエアロゾル発生物品および第二のエアロゾル発生物品の標的空気注入値である、実施例A~Eのいずれかに記載の製造方法。
実施例G.
方法工程B)の前の方法工程A2)では、第一のエアロゾル発生物品の第一の引き出し抵抗RTD値が測定され、より好ましくは、RTD値が、第一のエアロゾル発生物品の第一の端面に一定の空気流を加えること、および物品の空気抵抗による第一のエアロゾル発生物品の前述の第一の端面での空気圧力の増加を測定することによって測定される、実施例A~Fのいずれかに記載の製造方法。
実施例H.
個々の第一のRTD値が、所定の第一の数の第一のエアロゾル発生物品の第一のエアロゾル発生物品のそれぞれに対して決定される、実施例Dにさらに依存する、実施例Gに記載の方法。
実施例I.
工程C)で決定された第一のエアロゾル発生物品の個々の第一の空気注入値が、第一の個々の引き出し抵抗(RTD)値に基づいて補正され、それによって、補正された個々の第一の空気注入値を提供し、平均補正された第一の空気注入値が、補正された個々の第一の空気注入値に基づいて計算される、実施例Hに記載の製造方法。
実施例J.
工程E)では、平均補正された第一の空気注入値が基準値と比較され、工程E)では、第二の穿孔のサイズが、平均補正された第一の空気注入値と基準値との比較に基づいて調整される、実施例Iに記載の製造方法。
実施例K.
方法工程E)では、第二のエアロゾル発生物品の第二の空気注入値が、好ましくは請求項5に従って決定され、第二のエアロゾル発生物品の個々の第二の空気注入値が決定され、その平均第二の空気注入値が計算される、実施例A~Jのいずれかに記載の製造方法。
実施例L.
第二のエアロゾル発生物品の第二の引き出し抵抗RTD値が、より好ましくは、請求項5に従って測定され、個々の第二のRTD値が、所定の第二の数の第一のエアロゾル発生物品の第二のエアロゾル発生物品のそれぞれについて決定される、実施例A~Kのいずれかに記載の製造方法。
実施例M.
平均第一のRTD値が、第一のエアロゾル発生物品の個々の第一のRTD値から計算され、平均第二のRTD値が、所定の第二の数の第一のエアロゾル発生物品の第二のエアロゾル発生物品の個々の第二のRTD値から計算される、実施例Hにさらに記載の、実施例Lに記載の方法。
実施例N.
基準値が、方法工程A2)で第一のエアロゾル発生物品について測定されたRTD値に応じて、方法工程D)で設定される、実施例Mに記載の方法。
実施例O.
所定の第一の数のエアロゾル発生物品が、所定の第二の数のエアロゾル発生物品と同じであり、好ましくは、所定の第一および第二の数のエアロゾル発生物品が、少なくとも50、好ましくは少なくとも100、より好ましくは少なくとも1000個のエアロゾル発生物品である、実施例D、EおよびH~Oに記載のエアロゾル発生物品を製造するための方法。
実施例P.
方法工程D)の間に、平均補正された第一の空気注入値と基準値との間の差であるデルタ値が計算され、方法工程E)では、第二の穿孔のサイズがデルタ値に基づいて調整される、実施例Iに記載のエアロゾル発生物品を製造するための方法。
実施例Q.
工程E)では、第二の穿孔のサイズが、第一の穿孔のサイズと比較して縮小されたまたは増大されたもののうちの一方である、実施例Pに記載の製造方法。
実施例R.
方法工程C)の間に、エアロゾル発生物品内の空気注入値が、第一の端面で一定の空気圧力で決定される、実施例A~Qのいずれかに記載の製造方法。
実施例S.
方法工程B)の間に、スリットまたは楕円形が第一の穿孔であって、第一の穿孔が幅および長さを有する、第一の穿孔として形成され、方法工程E)の間に、第二の穿孔の長さが調整される、実施例A~Rのいずれかに記載の製造方法。
実施例T.
方法工程B)および方法工程E)の間に、レーザ装置が、第一および第二の穿孔を形成し、第一および第二の穿孔のサイズを増大させるために使用される、実施例A~Sのいずれかに記載の製造方法。
実施例U.
方法工程A)の間に、第一のエアロゾル発生物品が設けられ、第一のエアロゾル発生物品が、第一の中空管セクションおよび第一の基体セクションを備え、好ましくは、第一のエアロゾル発生物品が、第一のフィルタセクションをさらに備える、実施例A~Tのいずれかに記載の製造方法。
実施例V.
方法工程B)の間に、第一の穿孔が第一の中空管セクション内に形成される、実施例Uに記載の製造方法。
【0118】
一つの実施形態に関して記載される特徴は、本発明の他の実施形態にも等しく適用され得る。
【0119】
例証としてのみであるが、添付図面を参照しながら、本発明をさらに記載する。
【0120】
以下において、同一要素は、すべての図を通して、同一の参照符号で記される。
【0121】
図1は、本発明の一実施形態の流れ図を示す。方法工程A)では、特に通気ゾーンを有さない二つの個々の第一のエアロゾル発生物品を含む第一の連続ロッドが、「組み立てられたスティック」と題するボックスによって示されるように設けられる。第二の方法工程B)では、第一の穿孔は、エアロゾル発生物品内で、特に、「穿孔」と題するボックスによって示されるように、その第一の中空管セクション内で生成される。これは、例えばレーザを使用することによって行うことができる。第三の工程C)では、二つの個々の第一のエアロゾル発生物品を含む第一の連続ロッドの第一の空気注入値は、「空気注入測定(ダブルスティック上)」と題するボックスに示されるように決定される。次の工程D)では、第一の注入値は、基準値(「標的内の空気注入」と称されるボックス)と比較される。測定された第一の空気注入値が基準値を下回るか、または基準値を上回る場合、レーザの穿孔パラメータが適合される。続いて処理された第二のエアロゾル発生物品の第二の通気ゾーン内の第二の穿孔のサイズ、特にそれらの長さは、「穿孔パラメータが適合される(スリットの長さ)」と題されるボックスによって示されるように、基準値に近い新しい第二の空気注入値を有する第二のエアロゾル発生物品を得るために、後続の方法工程E)では増大または縮小される。
【0122】
図2は、本発明の方法の別の実施形態の流れ図を示す。本発明の方法のこの実施形態は、図1で上述した方法と同じ方法工程A)、B)、C)、D)、およびE)を含む。さらに、本発明のこの実施形態は、方法工程B)の前に方法工程A2)を含み、所定の第一の複数の第一のエアロゾル発生物品の個々の第一のRTD値が測定され、その平均が決定される(「RTD計算」と題するボックス)。次に、方法工程D)は両方とも、方法工程A2で決定されたRTD値の平均に基づくRTD補正係数を方法工程Cで決定された空気注入値に適用すること、およびこのRTD補正値と基準値との比較(「測定に適用されるRTD補正係数」を示すボックス、および「標的内の空気注入」と称されるボックス)を含む。
【0123】
図3は、二つの別個の個々の第一のエアロゾル発生物品10を含み、それによってダブルスティックを形成する第一の連続ロッド11の概略断面図を示す。こうしたダブルスティックは、典型的には、ダブルスティック内に二つの第一の通気ゾーンを製造するために、本発明の方法によって使用され得る。第二の連続ロッドは、第一の連続ロッドと同じ構成要素および同じエアロゾル発生物品を含んでもよい。これらの個々の第一のエアロゾル発生物品10は、連続ロッドを破線10Aに沿って切断することによって、第一の連続ロッド11から発生することができる。二つの個別のエアロゾル発生物品10は、それぞれの口側端フィルタ要素20を介して相互に接続される。これらの口側端フィルタ要素20は、中空管セクション14に隣接し、これは中空支持要素16およびエアロゾル冷却要素18から成る。この中空管セクション14は、個々のエアロゾル発生物品10内の基体セクション22に隣接し、各基体セクション22はサセプタ24を収容する。この基体セクション22は、フィルタ要素26に各エアロゾル発生物品内で隣接している。連続ロッドでは、本発明の方法工程B)の間に、二つの第一の通気ゾーン12が、各個々の第一のエアロゾル発生物品の中空管セクション14内に形成されている。こうした第一の連続ロッド11の空気注入値は、ロッドの第一の端面11Aに一定の圧力を加え、ロッドの第二の端面11Bでロッドを通過した空気圧力を決定することによって測定することができる。空気が通気ゾーン12の穿孔を通過して空気圧力を低減するため、ロッドの第二の端面11Bで測定された空気圧力は、第一の端面11Aに加えられた空気圧力よりも低くなる。
【0124】
こうしたダブルスティックの長さは、90ミリメートルであってもよい。結果として、ダブルスティックの切断後の個々のエアロゾル発生物品の長さは、45ミリメートルであってもよい。ダブルスティックの直径は7.25mmであってもよい。
【0125】
図4は、図3に示すより大きな通気ゾーン12の一つの個々の穿孔12Aの概略図を示す。穿孔12Aは、幅13および長さ15を有する楕円形状を有する。本発明の方法の方法工程E)の間、測定された空気注入値を基準値により良く適合させるために、長さ15のみが増加することが好ましい。
【0126】
図5は、一定の空気流での実験室条件下でそれぞれの空気注入値を得るために、RTD値に基づいて通気ゾーンを製造するための方法の間に決定された空気注入値を補正するための補償係数を示すグラフを示す。黒い点で示されるそれぞれの個々の値に曲線をフィッティングすることによって、グラフを得た。グラフは、約60mmWgのダブルスティックのRTD値について、補償係数が約-5パーセントであることを示す。約100mmWgのダブルスティックのRTD値の場合、補正係数は0となる。約140mmWgのダブルスティックの高いRTD値の場合、補正係数は約2パーセントである。
【0127】
図6は、ダブルスティックを切断した後に50パーセントの所望の空気注入値を有する個々のエアロゾル発生物品を得るために、基準値として設定されるべきであるダブルスティックのRTD値とダブルスティックのそれぞれの空気注入値との間の相関関係を示すグラフを示す。グラフは、ダブルスティックの空気注入と、ダブルスティックを切断した後の個々のエアロゾル発生物品の結果として生じる空気注入との間の相関が、ダブルスティックの引き出し抵抗値に依存することを示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】