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特表2024-5436183,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 303/08 20060101AFI20241114BHJP
   C07C 309/31 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
C07C303/08
C07C309/31
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534033
(86)(22)【出願日】2022-12-05
(85)【翻訳文提出日】2024-08-01
(86)【国際出願番号】 US2022051768
(87)【国際公開番号】W WO2023107354
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】63/286,278
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515269383
【氏名又は名称】ザ ケマーズ カンパニー エフシー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピーター エー.モーケン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム エイチ.ジマーマン
(72)【発明者】
【氏名】エドワード パトリック キャリー
(72)【発明者】
【氏名】アンドリー マッツネフ
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AB84
4H006AC61
4H006BB12
4H006BC10
4H006BC11
4H006BE01
(57)【要約】
3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸を製造するための方法は、溶媒中の1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンの溶液を形成することと、無水塩化水素ガスに当該溶液を曝露することと、1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンをスルホン化剤と反応させて、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸を形成することと、を含む。無水塩化水素ガスへの当該溶液の当該曝露は、当該1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンを当該スルホン化剤と反応させる前に行われる。本方法はまた、当該3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸を回収することを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸を製造するための方法であって、
溶媒中の1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンの溶液を形成することと、
無水塩化水素ガスに前記溶液を曝露することと、
1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンをスルホン化剤と反応させて、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸を形成することであって、
無水塩化水素ガスへの前記溶液の前記曝露が、前記1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンを前記スルホン化剤と反応させる前に行われる、形成することと、前記3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸を回収することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記溶媒が、1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンの使用される量に対して溶解性を示すように選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記溶媒が、1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼン及び前記スルホン化剤の使用される量に対して溶解性を示すように選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記溶媒が、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸が前記溶媒に実質的に不溶性であることを提供するように選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸が、濾過によって回収される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記溶媒が、有機溶媒である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記有機溶媒が、ジクロロメタンである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記スルホン化剤が、クロロスルホン酸又は三酸化硫黄である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
無水塩化水素ガスへの前記溶液の前記曝露及び前記1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンとスルホン化剤との前記反応が、約-50℃~約10℃の範囲の温度で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
無水塩化水素ガスへの前記溶液の前記曝露が、加圧下で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
無水塩化水素ガスへの前記溶液の前記曝露が、無水塩化水素で前記溶液を実質的に飽和させるために行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
無水塩化水素ガスへの前記溶液の前記曝露が、前記無水塩化水素ガスを前記溶液に注入することによって行われる、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸の製造方法に関し、より詳細には、高価な精製工程なしに高純度の3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸の回収を提供する3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸は、重合中のその低い反応性及び良好な分散安定化特性に起因して、フルオロポリマー乳化重合プロセスのための非フッ素化界面活性剤として有用である。Risら(「Aromatic sulfonation.LI.Sulfonation of 1,3,5-tri- and m- and p-di-tert-butylbenzene,the three tert-butylbenzenesulfonic acids,and 3,5-di-tert-butylbenzenesulfonic acid」,Journal of the Chemical Society,Perkin Transactions 2:Physical Organic Chemistry,Vol.13,pp.1438-1445(1975)(参照により本明細書に組み込まれる))によって報告されているように、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸は、1,3-ジ-tert-ブチルベンゼンのスルホン化によって調製され得る。しかしながら、1,3-ジ-tert-ブチルベンゼンは、高価な出発材料である。また、Risは、より安価な出発材料1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼン(tri-tert-butylbenzene、TTBB)を三酸化硫黄で脱アルキルスルホン化することによって、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸を代替的に得ることができる方法についても記載している。しかしながら、この代替方法は、2-メチレン-1,3-プロパンジスルホン酸(propanedisulfonic acid、PDSA)などの副産物の著しい形成という欠点を有し、したがって高価な精製工程を必要とする。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Risら(「Aromatic sulfonation.LI.Sulfonation of 1,3,5-tri- and m- and p-di-tert-butylbenzene,the three tert-butylbenzenesulfonic acids,and 3,5-di-tert-butylbenzenesulfonic acid」,Journal of the Chemical Society,Perkin Transactions 2:Physical Organic Chemistry,Vol.13,pp.1438-1445(1975)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、スルホン化剤と反応させて、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸を製造する前に、溶媒中の1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼン(TTBB)の溶液を無水塩化水素ガスに曝露することが、副産物としての1,3-プロパンジスルホン酸の2-メチレン-(PDSA)の形成を抑制するという発見に部分的に基づく。本発明による3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸を製造するための方法は、
溶媒中の1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンの溶液を形成することと、
無水塩化水素ガスに溶液を曝露することと、
1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンをスルホン化剤と反応させて、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸を形成することであって、
無水塩化水素ガスへの溶液の曝露が、1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンをスルホン化剤と反応させる前に行われる、形成することと、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸を回収することと、を含む。
【0005】
本方法の一実施形態では、溶媒は、1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンの使用される量に対して溶解性を示すように選択される。
【0006】
本方法の別の実施形態では、溶媒は、1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼン及びスルホン化剤の使用される量に対して溶解性を示すように選択される。
【0007】
本方法の別の実施形態では、溶媒は、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸が溶媒に実質的に不溶性であることを提供するように選択される。
【0008】
本方法の別の実施形態では、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸は、濾過によって回収される。
【0009】
本方法の別の実施形態では、溶媒は、有機溶媒である。
【0010】
本方法の別の実施形態では、有機溶媒は、ジクロロメタンである。
【0011】
本方法の別の実施形態では、スルホン化剤は、クロロスルホン酸又は三酸化硫黄である。
【0012】
本方法の別の実施形態では、無水塩化水素ガスへの溶液の曝露及び1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンとスルホン化剤との反応は、約-50℃~約10℃の温度で行われる。
【0013】
本方法の別の実施形態では、無水塩化水素ガスへの溶液の曝露は、加圧下で行われる。
【0014】
本方法の別の実施形態では、無水塩化水素ガスへの溶液の曝露は、無水塩化水素で溶液を実質的に飽和させるために行われる。
【0015】
本方法の別の実施形態では、無水塩化水素ガスへの溶液の曝露は、無水塩化水素ガスを溶液に注入することによって行われる。
【0016】
本発明の方法は、副産物としての1,3-プロパンジスルホン酸の2-メチレン-(PDSA)の形成を抑制するため、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸は、PDSAを除去するための高価な精製工程なしに回収され得る。例えば、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸の実質的な不溶解性を提供するように溶媒が選択される本方法の実施形態では、高純度の3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸は、濾過によって回収され得る。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施に好適な、本方法の出発材料である1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼン(TTBB)は、市販されている。
【0018】
脱アルキルスルホン化によって1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンと反応して、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸を形成することができる様々なスルホン化剤のうちのいずれかを使用することができる。好適なスルホン化剤としては、クロロスルホン酸、三酸化硫黄、濃硫酸、発煙硫酸、フルオロスルホン酸、及び/又は三酸化硫黄-ルイス塩基錯体が挙げられ得るが、これらに限定されない。好ましくは、スルホン化剤は、クロロスルホン酸又は三酸化硫黄であり、最も好ましくはクロロスルホン酸である。
【0019】
本方法は、溶媒中の1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンの溶液を形成することを含む。本方法の一実施形態では、溶媒は、1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンの使用される量に対して溶解性を示すように選択される。本方法の別の実施形態では、溶媒は、1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼン及びスルホン化剤の使用される量に対して溶解性を示すように選択される。溶媒が1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼン又はスルホン化剤と混和性である必要はない。選択される溶媒は、好ましくは、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸を形成するための脱アルキルスルホン化を効果的に行うことができるように、1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンの用いられる量、好ましくはスルホン化剤の用いられる量に対しても十分な溶解性を提供する。
【0020】
本方法の別の実施形態では、溶媒は、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸が溶媒に実質的に不溶性であることを提供するように選択される。本方法のこの実施形態は、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸製造物の回収を容易にし、本発明の別の実施形態では、すなわち、濾過による3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸の回収を可能にするため、有利である。
【0021】
いくつかの実施形態では、溶媒は、無機溶媒又は有機溶媒である。
【0022】
本方法の別の実施形態では、溶媒は、無機溶媒である。適切な無機溶媒としては、液化二酸化硫黄が挙げられ得るが、これに限定されない。
【0023】
本方法の別の実施形態では、溶媒は、有機溶媒である。3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸に対して実質的な不溶解性を示しながら、1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンの用いられる量及びスルホン化剤の量に対しても溶解性を示す有機溶媒の例としては、クロロアルカンが挙げられる。本方法の別の実施形態では、有機溶媒は、ジクロロメタン(dichloromethane、DCM)である。他の適切な有機溶媒としては、液化二酸化硫黄、塩化t-ブチル、又は塩化t-ブチルとDCM若しくは別の塩素化溶媒との混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0024】
本方法の別の実施形態では、初期溶液中のTTBB対溶媒の比は、重量で、約3~約30、好ましくは約4~約20、より好ましくは約5~約10の範囲にある。
【0025】
本方法は、溶液を無水塩化水素ガスに曝露することを更に含む。
【0026】
曝露は、例えば、約90kPa(絶対圧)~約700kPa(絶対圧)圧力などの圧力条件の範囲のいずれかで起こり得る。曝露圧力が増加するにつれて、より多くの塩化水素を溶液に添加して、1,3-プロパンジスルホン酸の2-メチレン-(PDSA)形成の抑制を増加させることができる。いくつかの実施形態では、曝露圧力は、溶液中に所定のレベルの塩化水素を提供するように選択される。
【0027】
本方法のいくつかの実施形態では、曝露は、約90kPa(絶対圧)~約110kPa(絶対圧)、好ましくは約95kPa(絶対圧)~約105kPa(絶対圧)、より好ましくは約100kPa(絶対圧)~約103kPa(絶対圧)の範囲のより低圧条件、又はほぼ大気圧で起こる。
【0028】
本方法の他の実施形態では、無水塩化水素ガスへの溶液の曝露は、より高圧条件下で行われる。より高い圧力は、反応器を密閉し、より高い圧力が達成されるまで加圧無水塩化水素ガスを添加することによって達成され得る。より高い圧力の適切な範囲としては、約110kPa(絶対圧)~約700kPa(絶対圧)の範囲で、代替的に約150kPa(絶対圧)~約400kPa(絶対圧)の範囲で、代替的に約200kPa(絶対圧)~約250kPa(絶対圧)の範囲で、代替的に約400kPa(絶対圧)~約700kPa(絶対圧)の範囲で、又はそれらの間の任意の値、範囲、若しくは部分範囲が挙げられる。
【0029】
本方法の別の実施形態では、無水塩化水素ガスへの溶液の曝露は、無水塩化水素で溶液を実質的に飽和させるために行われる。
【0030】
本方法の別の実施形態では、無水塩化水素ガスへの溶液の曝露は、無水塩化水素ガスを溶液に注入することによって行われる。
【0031】
無水塩化水素ガスへの溶液の曝露は、1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンをスルホン化剤と反応させる前に行われる。無水塩化水素ガスへの曝露は、スルホン化剤との反応を通して継続することが好ましい。
【0032】
溶液を無水塩化水素ガスに曝露した後、本方法は、1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンをスルホン化剤と反応させて、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸を形成することを更に含む。いくつかの実施形態では、スルホン化剤の量は、存在する1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンの量と等モル又は実質的に等モルである。
【0033】
本方法の別の実施形態では、スルホン化剤は、溶液に滴下される。
【0034】
本方法の別の実施形態では、スルホン化剤は、浸漬管によって溶液の表面下に添加される。
【0035】
本方法の別の実施形態では、スルホン化剤は、5分~6時間の範囲の時間にわたって溶液に添加される。
【0036】
本方法の別の実施形態では、反応は、約4時間~約6時間の範囲の時間にわたって起こる。
【0037】
本方法の別の実施形態では、無水塩化水素ガスへの溶液の曝露及び1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンとスルホン化剤との反応は、約-50℃~約10℃の範囲、好ましくは約-40℃~約-10℃の範囲、より好ましくは約-30℃~約-20℃の範囲の温度で行われる。
【0038】
本方法は、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸を回収することを更に含む。
【0039】
本方法の別の実施形態では、回収は、反応混合物を冷濾過することと、固体製造物を冷有機溶媒で洗浄することと、固体製造物を乾燥させることと、を含む。
【0040】
本方法の別の実施形態では、副産物の塩化t-ブチルは実質的に液相中に残り、濾過及び洗浄によって固体製造物から実質的に分離される。
【0041】
反応の収率は、少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%である。
【0042】
本方法の別の実施形態では、濾過、洗浄、及び乾燥後の3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸の純度が決定される。いくつかの実施形態では、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸の純度は、プロトン核磁気共鳴(H NMR)によって決定される。他の実施形態では、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸の純度は、液体クロマトグラフィー-質量分析(liquid chromatography-mass spectrometry、LC-MS)によって決定され得る。更に他の実施形態では、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸の純度は、高速液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatography、HPLC)によって決定され得る。
【0043】
本方法の別の実施形態では、固体製造物中のPDSAの量は、2mol%未満、好ましくは1mol%未満、より好ましくは0.2mol%未満である。本方法のいくつかの実施形態では、濾過、洗浄、及び乾燥後の固体製造物中の3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸の有機純度は、少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、より好ましくは少なくとも99%である。本明細書で使用される場合、有機純度は、PDSA、並びに任意の関連するスルホン化化合物及びオリゴマーの存在に対する3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸の純度を指す。
【0044】
本方法の別の実施形態では、固体製造物は、溶媒中での再結晶によって精製される。好ましくは、溶媒は、ジクロロメタンである。
【0045】
本方法の別の実施形態では、回収前に未反応スルホン化剤をクエンチするために試薬が添加される。いくつかの実施形態では、試薬は、水である。
【0046】
本方法の別の実施形態では、塩化水素は、回収前に溶液から除去される。いくつかの実施形態では、塩化水素の実質的に全てが、回収前に溶液から除去される。
【0047】
本方法の別の実施形態では、製造物が3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸の一水和物として収集されるように、回収前に化学量論量の水が添加される。
【0048】
本発明の方法は、1,3-プロパンジスルホン酸の2-メチレン-(PDSA)の形成を抑制するため、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸は、PDSAを除去するための高価な精製工程なしに回収され得る。例えば、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸の実質的な不溶解性を提供するように溶媒が選択される本方法の実施形態では、高純度の3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸は、濾過によって回収され得る。
【0049】
試験法
製造物の純度をH NMRによって決定した。濾過、洗浄、及び乾燥後、製造物をDMSO-d6に溶解し、H NMRスペクトルを収集した。製造物純度を、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸(600MHz,DMSO-d6)δ7.47(d,2 Hz,2H),7.39(t,2Hz,1H),1.26(s,18H)及びPDSA δ5.11(s,1H),3.60(s,2H)のピークの相対面積に基づいて計算した。
【実施例
【0050】
比較例1
3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸をスキーム1に従って、スルホン化剤クロロスルホン酸との反応の前に無水HClに曝露することなく、小規模で製造した。
【0051】
【化1】
【0052】
ジャケット付き500mLフラスコに、撹拌棒、表面下窒素入口、熱電対、滴下漏斗、及び苛性スクラバーに通気されるドライアイス凝縮器を取り付けた。ガス入管及びスクラバーの前に逆止弁を設置した。フラスコに1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼン(25.09g、0.102mol)及び125mLの乾燥ジクロロメタン(DCM、CHCl)を入れた。溶液を-10℃に冷却し、次いでクロロスルホン酸(12.3g、0.105mol)を15分の時間にわたって滴下した。反応塊に窒素(N)を吹き込みながら混合物を4時間撹拌し、次いで水(0.15g、8.3mmol)を添加し、混合物に窒素を追加で30分間吹き込んだ。混合物を、10μmのポリエチレンフリットディスクを備えたポリプロピレンフィルター漏斗を通して冷却しながら濾過し、150mLの冷却(-40℃)ジクロロメタンで洗浄した。固体を40℃/40mm Hgで乾燥させて、15.2g(0.056mol、収率55%)のオフホワイトの固体製造物を得た。
【0053】
製造物の組成をH NMRによって決定した。主成分は、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸であった。H NMRはまた、製造物の組成が17.4mol%の1,3-プロパンジスルホン酸の2-メチレン-(PDSA、CAS#1561-93-9)を含有することを明らかにした。
【0054】
PDSAを含有する3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸製造物は、高純度製造物を提供するために追加の精製工程を必要とした。例えば、PDSAを含有する3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸製造物を、ジクロロメタンからの再結晶によって精製して、PDSA濃度を<0.1mol%に低減させることができる。
【0055】
橙色の粘着性の不溶性残留物がフラスコ中に残った。それは、スルホン化イソブチレンオリゴマーを含有すると考えられた。
【0056】
濾液をロータリーエバポレーターによって濃縮し、蒸留物をフレームイオン化検出器(flame ionization detector、FID)を備えたガスクロマトグラフィーによって分析した。塩化t-ブチルピークの面積をジクロロメタンピークの面積で除すると0.054になった。
【0057】
本発明の実施例1
3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸をスキーム2に従って、スルホン化剤クロロスルホン酸と反応させる前に、より低圧条件下で無水HClに曝露して小規模で製造した。
【0058】
【化2】
【0059】
ジャケット付き500mLフラスコに、撹拌棒、熱電対、表面下ガス入管、滴下漏斗、及び苛性スクラバーに通気されるドライアイス凝縮器を取り付けた。ガス入管及びスクラバーの前に逆止弁を設置した。フラスコに1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼン(25.44g、0.103mol)及び125mLの乾燥ジクロロメタンを入れた。溶液を-10℃に冷却し、次いで無水HClガスを大気圧でガス入管を通して10分の時間導入して、ジクロロメタン溶液を実質的に飽和させた。クロロスルホン酸(12.3g、0.105mol)を7分の時間にわたって滴下した。反応塊にHClの吹き込みを継続しながら混合物を4時間撹拌し、次いで水(0.15g、8.3mmol)を添加し、混合物に窒素(N)を30分間吹き込んだ。合計18.9g(0.517モル)の無水HClをプロセス中に添加した。混合物を、10μmのポリエチレンフリットディスクを備えたポリプロピレンフィルター漏斗を通して冷却しながら濾過し、150mLの冷却(-40℃)ジクロロメタンで洗浄した。固体を40℃/40mm Hgで乾燥させて、19.8g(0.073mol、収率71%)のオフホワイトの固体製造物を得た。
【0060】
製造物の組成をH NMRによって決定した。主成分は、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸であった。H NMRはまた、製造物の組成がわずか1.5mol%のPDSAを含有することを明らかにした。
【0061】
アリールスルホン酸製造物を、例えば、ジクロロメタンからの再結晶によって更に精製して、PDSA濃度を、例えば、0.1mol%未満に低減させることができる。
【0062】
橙色の粘着性の不溶性残留物はフラスコ中に残っておらず、過剰の無水HClを系に導入することがスルホン化イソブチレンオリゴマーの形成を抑制したことを示した。
【0063】
濾液をロータリーエバポレーターによって濃縮し、FIDを備えたガスクロマトグラフィーによって蒸留物を分析した。塩化t-ブチルピークの面積をジクロロメタンピークの面積で除すると0.10になり、過剰の無水HClを系に導入する場合、およそ2倍の塩化t-ブチルが形成されたことを示している。
【0064】
比較例2
3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸をスキーム1に従って、スルホン化剤クロロスルホン酸との反応の前に無水HClに曝露することなく、比較例1よりも大規模で製造した。
【0065】
ジャケット付き5L反応器に、オーバーヘッド撹拌、熱電対、ガス入管、滴下漏斗、及び苛性スクラバーに通気されるドライアイス凝縮器を取り付けた。ガス入管及びスクラバーの前に逆止弁を設置した。フラスコに1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼン(256g、1.04mol、PHT International Inc.、Charlotte,NC)及び1000mLの乾燥ジクロロメタンを入れた。溶液を-10~-13℃に冷却し、次いで窒素(N)を、ガス入管を通して30分の時間導入して、ヘッドスペースを不活性にし、溶解したガスをパージした。窒素の表面下導入を停止し、クロロスルホン酸(125g、1.07mol)を30分の時間にわたって滴下した。混合物を4時間撹拌し、次いで水(31g、2.16mol)を添加し、窒素を混合物に40分間吹き込んで、溶解したHClの一切を除去した。混合物を、45~90μmの高密度ポリエチレン(high-density polyethylene、HDPE)フリットを備えるフィルター漏斗を通して冷却しながら濾過し、2000mLの冷却ジクロロメタンで洗浄した。固体を窒素流下、周囲温度で乾燥させて、110g(0.407mol、収率39%)の淡桃色の固体を得た。
【0066】
製造物の組成をH NMRによって決定した。主成分は、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸であった。H NMRはまた、製造物の組成が30.8mol%のPDSAを含有することを明らかにした。
【0067】
PDSAを含有する3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸製造物は、高純度製造物を提供するために追加の精製工程を必要とした。例えば、PDSAを含有する3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸製造物を、ジクロロメタンからの再結晶によって精製して、PDSA濃度を、例えば、<0.1mol%に低減させることができる。
【0068】
赤橙色の粘着性の不溶性残留物が反応器壁及び撹拌機上に残った。残留物は、スルホン化イソブチレンオリゴマーを含有すると考えられた。
【0069】
本発明の実施例2
3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸をスキーム2に従って、スルホン化剤クロロスルホン酸と反応させる前に、より低圧条件下で無水HClに曝露して本発明の実施例1よりも大規模で製造した。
【0070】
ジャケット付き5L反応器に、オーバーヘッド撹拌器、ガス入管、熱電対、滴下漏斗、及び苛性スクラバーに通気されるドライアイス凝縮器を取り付けた。ガス入管及びスクラバーの前に逆止弁を設置した。フラスコに1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼン(750g、3.04mol、PHT International Inc.)及び3.125Lの乾燥ジクロロメタンを入れた。溶液を-10~-13℃に冷却し、次いで無水HClガスを、ガス入管を通して激しい速度で1時間の間導入して、ジクロロメタン溶液を飽和させた。次いで、HCl添加速度を遅くし、クロロスルホン酸(365g、3.13mol)を40分の時間にわたって滴下した。混合物を4時間撹拌し、次いで水(13.5g、0.75mol)を添加し、窒素(N)を混合物に1.5時間吹き込んだ。合計191g(5.24モル)の無水HClをプロセスに添加した。混合物を、45~90μmのHDPEフリットを備えたフィルター漏斗を通して冷却しながら濾過し、2Lの冷却(-40℃)ジクロロメタンで洗浄した。室温で固体をフィルター上、真空及び窒素流下で乾燥させて、587g(2.17mol、収率71%)のオフホワイトの固体製造物を得た。
【0071】
製造物の組成をH NMRによって決定した。主成分は、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸であった。H NMRはまた、製造物組成物がわずか0.1mol%のPDSAを含有することを明らかにした。
【0072】
アリールスルホン酸製造物を、例えば、ジクロロメタンからの再結晶によって更に精製して、PDSA濃度を、例えば、0.05mol%未満に低減させることができる。
【0073】
橙色の粘着性の不溶性残留物はフラスコ中に残っておらず、過剰の無水HClを系に導入することがスルホン化イソブチレンオリゴマーの形成を抑制することを示した。
【0074】
本発明の実施例3
3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸をスキーム2に従って、スルホン化剤クロロスルホン酸と反応させる前に、より高圧条件下で無水HClに曝露して大規模で製造した。
【0075】
29kgの1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼン固体を公称200ガロンのガラス内張り反応器に入れた。次いで、反応器を密封し、窒素で不活性にし、次いで20kPa(絶対圧)圧力まで排気した。270kgのジクロロメタンを反応器にポンプで送った。撹拌しながら、外部ジャケットを通して反応器を完全に冷やした。反応器及びその内容物を-26℃に冷やした。1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンは、この温度でジクロロメタンに完全に溶性であった。
【0076】
ガス状の無水塩化水素を、シリンダーから反応器に、浸漬管を通して溶液中の表面下に供給した。6時間の間にわたって、12.5kgの無水HClを反応器に添加し、反応器圧力を120kPaに増加させた。
【0077】
14.5kgのクロロスルホン酸を、6時間の間にわたって、反応器に、浸漬管を通して溶液中の表面下に供給した。クロロスルホン酸の添加は発熱性であり、反応器の温度はわずかに増加した。クロロスルホン酸の供給が完了した後、反応器を冷やした。この間に、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸沈殿物が反応器中に形成された。
【0078】
0.63kgの脱イオン水を、液体の表面より上の反応器の上部から反応器に添加して、未反応のクロロスルホン酸の一切をクエンチした。0.63kgは、反応器に入れたクロロスルホン酸の元の量の約28%を表す。未反応のクロロスルホン酸のクエンチ及び塩化水素の溶液の熱は両方とも発熱性であり、反応器を、水を添加した後に数度加温した。
【0079】
窒素パージを反応器上で確立し、反応器の液体/スラリー中に表面下で供給した。反応器通気は、凝縮器を通して、塩化水素の中和のための苛性スクラバーに、次いで残留揮発性有機物の除去のための活性化炭床に送られた。反応器パージの間、反応器の完全な冷却を維持した。
【0080】
3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸製造物は、ジクロロメタン溶媒よりも低密度であった。パージ工程の後、撹拌を停止し、粗製造物層を反応塊の上部に浮かせた。180kgの透明な液体を反応器の底部からデカントして、不純物及び残留酸の一部を除去した。136kgの新鮮なジクロロメタンを反応器に添加して戻して、製造物を再スラリー化し、-20℃未満に冷やした。
【0081】
反応器を、40~90μmのHDPEフリットを備えた0.6mのHDPEフィルターに排出し、フィルターフリットの下に7~10kPaの軽い真空を適用した。
【0082】
408kgのジクロロメタンを反応器に入れ、-26.5℃に冷やした。反応器内容物の3分の1を洗浄物としてフィルターに排出する。製造物をフィルター上で再スラリー化し、次いで排出させた。反応器が空になり、製造物が完全に洗浄されるまで、これを更に2回繰り返した。
【0083】
室温窒素パージをフィルター上に設定して、フィルターの上部から、ウェットケーキを通して、ドライアイストラップ及び活性化炭床に流した。残留ジクロロメタンレベルが規格内になるまで、この様式で製造物を乾燥させた。
【0084】
24.6kgの3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸が、H NMRによって97.4重量%の純度で製造された。3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸の収率は、77.1mol%であった。最終製造物中に存在するジアリルスルホネートの量は、69ppmであった。
【0085】
本発明の実施例4
3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸の一水和物をスキーム3に従って、スルホン化剤クロロスルホン酸と反応させる前に、より高圧条件下で無水HClに曝露して大規模で製造した。
【0086】
【化3】
【0087】
30kgの1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼン固体を公称200ガロンのガラス内張り反応器に入れた。次いで、反応器を密封し、窒素で不活性にし、次いで20kPa(絶対圧)圧力まで排気した。255kgのジクロロメタンを反応器にポンプで送った。撹拌しながら、外部ジャケットを通して反応器を完全に冷やした。反応器及びその内容物を-26℃に冷やした。1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンは、この温度でジクロロメタンに完全に溶性であった。
【0088】
ガス状の無水塩化水素を、シリンダーから反応器に、浸漬管を通して溶液中の表面下に供給した。6時間の間にわたって、14.3kgの無水HClを反応器に添加し、反応器圧力を123kPaに増加させた。
【0089】
14.5kgのクロロスルホン酸を、6時間の間にわたって、反応器に、浸漬管を通して溶液中の表面下に供給した。クロロスルホン酸の添加は発熱性であり、反応器の温度はわずかに増加した。クロロスルホン酸の供給が完了した後、反応器を冷やした。この間に、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸沈殿物が反応器内に形成された。
【0090】
0.56kgの脱イオン水を、液体の表面より上の反応器の上部から反応器に添加して、未反応のクロロスルホン酸の一切をクエンチした。0.56kgは、反応器に入れた1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンの元の量の約26%を表す。
【0091】
窒素パージを反応器上で確立し、反応器の液体/スラリー中に表面下で供給した。反応器通気は、凝縮器を通して、塩化水素の中和のための苛性スクラバーに、次いで残留揮発性有機物の除去のための活性化炭床に送られた。反応器パージの間、反応器の完全な冷却を維持した。
【0092】
パージ後、追加の1.7kgの脱イオン水を前と同じ様式で反応器に添加した。この添加は、先に添加した0.56kgの脱イオン水とともに、反応器に入れた最初の1,3,5-トリ-tert-ブチルベンゼンの105%であり、3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸製造物の一水和物を形成するのに十分な水を提供した。第2の量の脱イオン水を添加した後、反応器を冷やした。
【0093】
3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸一水和物は、ジクロロメタン溶媒よりも低密度であった。パージ工程の後、撹拌を停止し、粗製造物層を反応塊の上部に浮かせた。168kgの透明な液体を反応器の底部からデカントして、不純物及び残留酸の一部を除去した。265kgの新鮮なジクロロメタンを反応器に添加して戻して、製造物を再スラリー化し、-20℃未満に冷やした。
【0094】
反応器を、40~90μmのHDPEフリットを備えた0.6mのHDPEフィルターに排出し、フィルターフリットの下に7~10kPaの軽い真空を適用した。
【0095】
539kgのジクロロメタンを反応器に入れ、-26.5℃に冷やした。反応器内容物の3分の1を洗浄物としてフィルターに排出した。製造物をフィルター上で再スラリー化し、次いで排出させた。反応器が空になり、製造物が完全に洗浄されるまで、これを更に2回繰り返した。
【0096】
室温窒素パージをフィルター上に設定して、フィルターの上部から、ウェットケーキを通して、ドライアイストラップ及び活性化炭床に流した。残留ジクロロメタンが規格内になるまで、この様式で製造物を乾燥させた。
【0097】
19.1kgの3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸一水和物が、H NMRによって決定される84.0重量%の純度で製造された。主な不純物は、水及び硫酸であった。3,5-ジ-tert-ブチルベンゼンスルホン酸の収率は、50.0mol%であった。ジアリルスルホネートは、最終製造物中に検出されなかった。
【0098】
本発明を好ましい実施形態を参照して説明してきたが、当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができ、その要素の代わりに同等物を使用することができることが理解されるであろう。加えて、特定の状況又は材料を本発明の教示に適合させるために、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく多くの修正を行うことができる。したがって、本発明は、本発明を実施するために企図される最良の形態として開示されている特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明は、添付の特許請求の範囲内に含まれる全ての実施形態を含むことが意図される。
【国際調査報告】