(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】電気機械の積層コアを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
H01F 41/02 20060101AFI20241114BHJP
C21D 8/12 20060101ALI20241114BHJP
H01F 27/245 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
H01F41/02 B
C21D8/12 A
H01F27/245
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534284
(86)(22)【出願日】2022-11-14
(85)【翻訳文提出日】2024-08-02
(86)【国際出願番号】 EP2022081774
(87)【国際公開番号】W WO2023104434
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】102021213936.1
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ケーネ,マルティン
【テーマコード(参考)】
4K033
5E062
【Fターム(参考)】
4K033AA01
5E062AC01
(57)【要約】
電気機械の積層コア(1)を製造するための方法であって、a)箔薄板(4)を提供するステップであって、箔薄板(4)が、アルミニウムの支持箔(6)と、天然のまたは生成された酸化アルミニウム層(7)とをそれぞれ含み、それぞれ少なくとも片面(11、12)で、磁束障壁面(8)に、それぞれ第1の粉末混合物の第1の箔コーティング(10)をコーティングされ、第1の粉末混合物が、オーステナイト安定剤と、酸化アルミニウムと、接着結合剤とを含む、ステップと、b)積層コア(1)の金属板薄板(5)を提供するステップと、c)金属板薄板(5)と箔薄板(4)とを交互に積み重ねるステップであって、金属板薄板(5)に対する箔薄板(4)の向付け配置は、それぞれの箔薄板(4)の磁束障壁面(8)が、それぞれの金属板薄板(5)の特定の磁束障壁点(9)で、それぞれの金属板薄板(5)とそれぞれ直接接触するように行われる、ステップと、d)金属板薄板(5)および箔薄板(4)の積層体を加熱するステップとを含み、- 箔薄板(4)の第1の箔コーティング(10)からのオーステナイト安定剤が、それぞれ磁束障壁点(9)で、それぞれ接触している金属板薄板(5)の金属に拡散し、磁束障壁(15)を形成し、- 支持箔(6)の溶解と共に、箔薄板(4)の支持箔(6)からのアルミニウムが、それぞれ隣接する金属板薄板(5)の金属に拡散する、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械の積層コア(1)を製造するため、特に前記積層コア(1)内に磁束障壁を生成するための方法であって、
a)箔薄板(4)を提供するステップであって、前記箔薄板(4)が、アルミニウムの支持箔(6)と、天然のまたは生成された酸化アルミニウム層(7)とをそれぞれ含み、それぞれ少なくとも片面(11、12)で、磁束障壁面(8)に、それぞれ第1の粉末混合物の第1の箔コーティング(10)をコーティングされ、前記第1の粉末混合物が、オーステナイト安定剤、特にマンガンおよび/またはニッケルおよび/またはコバルトと、酸化アルミニウムと、接着結合剤とを含む、ステップと、
b)前記積層コア(1)の金属板薄板(5)を提供するステップであって、前記金属板薄板(5)が特に電気的に絶縁されていない、ステップと、
c)金属板薄板(5)と箔薄板(4)とを交互に積み重ねるステップであって、前記金属板薄板(5)に対する前記箔薄板(4)の向付け配置は、それぞれの前記箔薄板(4)の前記磁束障壁面(8)が、それぞれの前記金属板薄板(5)の特定の磁束障壁点(9)で、それぞれの前記金属板薄板(5)とそれぞれ直接接触するように行われる、ステップと、
d)金属板薄板(5)および箔薄板(4)の積層体を加熱、特に熱処理するステップとを含み、
- 前記箔薄板(4)の前記第1の箔コーティング(10)からの前記オーステナイト安定剤が、それぞれ前記磁束障壁点(9)で、それぞれ接触している前記金属板薄板(5)の金属に拡散し、磁束障壁(15)を形成し、
- 前記支持箔(6)の溶解と共に、前記箔薄板(4)の前記支持箔(6)からの前記アルミニウムが、それぞれ隣接する前記金属板薄板(5)の金属に拡散する、
方法。
【請求項2】
前記第1の粉末混合物が、さらに、電気絶縁性の絶縁体物質、特に酸化アルミニウムまたは酸化ケイ素(SiO
2)、および/または合金材料、特にケイ素を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップ1a)で、前記箔薄板(4)がそれぞれ、前記コーティングされた面(11、12)で、それぞれさらに絶縁面(16)に、第2の粉末混合物の少なくとも1つの第2の箔コーティング(20)でさらにコーティングされ、前記第2の粉末混合物が、それぞれ、電気絶縁性の絶縁体物質、特に酸化アルミニウムまたは酸化ケイ素(SiO
2)と、接着結合剤とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップ1d)での前記加熱が行われて、特に前記箔薄板(4)の前記第1および/または第2の箔コーティング(20)からの、および/または前記酸化アルミニウム層(7)からの前記絶縁体物質が、前記加熱後に前記金属板薄板(5)の間に残り、隣接する金属板薄板(5)の間に絶縁層(32)がそれぞれ形成され、それぞれの前記絶縁層(32)が、前記絶縁面(16)の領域、および特に前記磁束障壁面(8)または前記磁束障壁(15)の領域に形成されることを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記接着結合剤が、前記第1または第2の粉末混合物をそれぞれの前記箔薄板(4)の前記支持箔(6)に接着するために提供され、特にペーストおよび/または多糖類、特にキサンタンおよび/またはアミロペクチンであることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記箔薄板(4)の形状および/または面積が、前記金属板薄板(5)の形状および/または面積に対応することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の粉末混合物が、特にスズなどのオーステナイト安定剤と特に1300℃未満の融点で共晶を形成するのに適したさらなる物質を含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記共晶形成物質が、液相からのオーステナイト形成を低温まで促進し、したがって、前記オーステナイトが室温でも存在し、特に銅および/または亜鉛および/または炭素および/または窒素をベースとすることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1および/または第2の箔コーティング(10、20)の前記接着結合剤を分解するために、前記熱処理の前に、水素含有雰囲気中で約150℃~約500℃の範囲で約1時間~約2時間、前記コーティングされた箔薄板(4)が間に配置された前記金属板薄板(5)のさらなる熱処理が行われることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機械の積層コアを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許出願公開第3511429号明細書から、積層コア、および積層コアを製造するための方法が知られている。ここで、金属板層は、少なくとも20%のアルミニウムおよび/またはケイ素の質量分率を含むコーティングでコーティングされる。さらに、コーティングされた出発積層コアの熱処理が行われて、積層コアが製造される。製造される積層コアは、一形態では、少なくとも6.5%の質量分率に相当するケイ素含有量を有することができる。別の形態では、4%よりも大きく6.5%未満である質量分率に相当するケイ素含有量を実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3511429号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
独立形式請求項の特徴を備えた本発明による方法は、積層コアの金属板薄板内に、狙いを定めて局所的に磁束障壁を形成することができるという利点を有する。これにより、回転子のウェブの材料特性を変更して磁気的に非伝導性にし、それにより磁束障壁を形成することが可能になる。特に、積層コアの積層構造により、3次元形状の磁束障壁を形成することができる。
【0005】
本発明によれば、これは、以下の方法ステップによって達成される。
第1のステップ1a)で、箔薄板が提供され、箔薄板は、アルミニウムの支持箔と、天然のまたは生成された酸化アルミニウム層とをそれぞれ含み、それぞれ少なくとも片面で、磁束障壁面に、それぞれ第1の粉末混合物の第1の箔コーティングをコーティングされ、第1の粉末混合物が、オーステナイト安定剤または共晶形成物質、特にマンガンおよび/またはニッケルおよび/またはコバルトと、電気絶縁体物質、特に酸化アルミニウムまたは酸化ケイ素(SiO2)と、接着結合剤とを含む。第1の箔コーティングは、後続の熱処理後に磁束障壁として形成される場所で行われる。
【0006】
後続の第2のステップ1b)で、積層コアの金属板薄板が提供され、金属板薄板は、特に電気的に絶縁されていない、すなわち塗装コーティングを有さない。
後続の第3のステップ1c)で、金属板薄板と箔薄板とが交互に積み重ねられ、金属板薄板に対する、特に回転位置に関する箔薄板の向付け配置は、それぞれの箔薄板の磁束障壁面が、それぞれの金属板薄板の特定の磁束障壁点で、それぞれの金属板薄板とそれぞれ直接接触するように行われる。
【0007】
後続の第4のステップ1d)で、金属板薄板および箔薄板の積層体の加熱、特に熱処理が以下のように行われる。
- 箔薄板の第1の箔コーティングからのオーステナイト安定剤は、それぞれ磁束障壁点で、それぞれ接触している金属板薄板の金属に拡散し、磁束障壁を形成し、
- 支持箔の溶解と共に、箔薄板の支持箔からのアルミニウムが、それぞれ隣接する金属板薄板の金属に拡散する。ここで、金属板薄板の表面とコアとの間のアルミニウム含有量が減少し得る。
【0008】
このようにして、磁束障壁点に非磁性オーステナイト相が形成される。
従属請求項に記載の手段により、独立請求項で提示された方法の有利な発展形態が可能である。
【0009】
第1の粉末混合物が、さらに電気絶縁性の絶縁体物質、特に酸化アルミニウムまたは酸化ケイ素(SiO2)、および/または合金材料、特にケイ素を含むと有利である。このようにすると、同時に、それぞれの箔薄板の磁束障壁面の領域で、それぞれ隣接する金属板薄板の間に絶縁層が生じる、および/または磁束障壁面の領域で、それぞれ隣接する金属板薄板の合金化がさらに行われるからである。
【0010】
また、ステップ1a)で、箔薄板がそれぞれ、第1の箔コーティングをコーティングされた面で、絶縁面に、第2の粉末混合物の少なくとも1つの第2の箔コーティングでコーティングされると有利である。第2の粉末混合物は、それぞれ、電気絶縁性の絶縁体物質、特に酸化アルミニウムまたは酸化ケイ素(SiO2)と、接着結合剤とを含む。このようにして、隣接する、特に絶縁されていない金属板薄板の間に完全な絶縁層を生成する準備が整えられる。
【0011】
ステップ1d)で加熱が行われて、特に箔薄板の第1および/または第2の箔コーティングからの、および/または酸化アルミニウム層からの絶縁体物質が、加熱後に金属板薄板の間に残り、隣接する金属板薄板の間に絶縁層がそれぞれ形成され、それぞれの絶縁層が、絶縁面の領域、および特に磁束障壁面または磁束障壁の領域に形成されると非常に有利である。隣接する金属板薄板間に絶縁層をこのように生成することにより、積層コア内での生成された磁束障壁の利用が可能になる。
【0012】
さらに、接着結合剤が、第1または第2の粉末混合物をそれぞれの箔薄板の支持箔に接着するために提供され、特にペーストおよび/または多糖類、特にキサンタンおよび/またはアミロペクチンであると有利である。例えば、箔薄板への粉末の確実な結合を達成するために、酸化アルミニウム粉末、またはマンガン粉末と酸化アルミニウム粉末とからなる粉末混合物を水およびキサンタンと混合することができる。次いで、例えば圧縮空気スプレーガンを使用して、箔薄板の少なくとも片面をこの混合物でコーティングすることができる。ここで、適切なステンシルによって、それぞれの金属板薄板の一部を適切に覆うことができ、マンガン含有粉末混合物でのコーティング時に、後で磁束障壁として働く領域のみがコーティングされる。マンガンを含まない粉末混合物の場合には、好ましくは、磁束障壁の領域のみを覆うステンシルが使用される。後続の乾燥時、水が蒸発する。混合物に残っているキサンタンが、粉末を良好に付着させることを引き起こす。次いで、箔薄板の他方の面も同様にコーティングすることができる。
【0013】
例示的実施形態によれば、箔薄板の形状および/または面積が、金属板薄板の形状および/または面積に対応する。箔薄板は、積層コアへの積み重ねの前に、金属板薄板と同じ形状に打ち抜くことができる。しかし、好ましくは、打ち抜かれていない箔薄板と打ち抜かれた金属板薄板とを交互に積み重ねて積層コアを形成し、積み重ねの完了後、はみ出たアルミニウム箔が除去される。アルミニウム箔は非常に薄いので、浪費は少なくて済む。別の可能な形態では、はみ出た箔が熱処理中に溶けて滴り落ちるので、はみ出た箔の除去を省略することもできる。
【0014】
さらに、第1の粉末混合物が、オーステナイト安定剤と特に1300℃未満の融点で共晶を形成するのに適したさらなる物質を含むと有利である。ニッケルは鉄と共晶を形成しないので、オーステナイト安定剤との共晶を形成するために、ニッケルとの共晶を形成するために特にスズが提供される。
【0015】
共晶形成物質は、有利には、液相からのオーステナイト形成を低温まで促進することができ、さらなる冷却時に2相への分解が起こらず、したがって室温でもオーステナイトが存在する。共晶形成物質は、銅および/または亜鉛および/または炭素および/または窒素をベースとする。
【0016】
熱処理時、オーステナイト安定剤が鉄に拡散し、他の変態、特にフェライトではなく、オーステナイトが生じる。この場合、高い濃度を局所的に提供することができ、オーステナイト安定剤が、ある程度、それぞれの金属板薄板の特に2つの面からコアまで拡散する。共晶を形成するための追加の物質により、有利には、例えばマンガン、ニッケル、もしくはコバルト、またはこれらのオーステナイト安定剤の混合物の融点の低下を達成することができる。オーステナイトの形成をもたらすために、共晶形成物質である銅および/または亜鉛および/または炭素および/または窒素のみが使用されることも考えられる。しかし、炭素には、非常に拡散性が高いという欠点があり、窒素には、非常に拡散性が低いという欠点がある。
【0017】
有利には、水素の存在下での多重ステップの熱処理を企図することができる。上記熱処理の前に、約150℃~約500℃の範囲で約1時間~約2時間、コーティングされた箔薄板が間に配置された金属板薄板のさらなる熱処理が行われると有利である。特に、これは400℃で行うことができる。この第1のステップでは、キサンタンを、水、一酸化炭素、二酸化炭素、およびメタンに分解し、したがって除去することができる。950℃~1250℃、好ましくは1000℃~1100℃の範囲で、特に1~24時間にわたって熱処理を行う次のステップで、金属板薄板へのオーステナイト安定剤、特にマンガンおよびアルミニウムの拡散が行われる。オーステナイト安定剤およびアルミニウムが完全に拡散されると、例えば酸化アルミニウム粉末などの電気絶縁性の固体が、電気絶縁層として金属板薄板の間に残る。
【0018】
1つの可能な形態では、特に、固有の磁束障壁と、個々の金属板薄板間の非常に優れた電気絶縁とを備えた積層コアの安価な製造が可能である。ここで、有利には、金属板薄板内に拡散された少なくとも1つのオーステナイト安定剤によって、金属板薄板内の局所的な固有の磁束障壁の形成を達成することができる。好ましくは、ここで、局所的な固有の磁束障壁は、それぞれの金属板薄板の厚さにわたってそれぞれ延びる。それぞれの金属板薄板が局所的に強磁性特性を失い、したがってまた非常に高い透磁率も失う、またはそれらが少なくとも実質的に減少されることにより、固有の磁束障壁が生成される。さらに、同時に金属板薄板間の電気絶縁も保証することができる。
【0019】
したがって、電気シートを省略することによって磁束障壁が実現され、そのために例えばスロットが設けられる、またはエンボス加工によって厚さが局所的に減少される従来の形態とは異なり、金属板薄板の機械的安定性を改良することができる。特に、これは、特に回転子に関して、より高い最高速度を可能にし、積層コアの耐振動性を改良する。さらに、有利には、磁束回路の形態を改良することができ、特に、多大な製造コストを必要とせずに、より自由な形態を可能にすることができる。
【0020】
したがって、オーステナイト安定剤により、有利には常磁性オーステナイトを実現することができ、したがって強磁性、したがって高透過性のフェライトの形成を回避することができる。オーステナイト安定剤が拡散された領域では、常磁性オーステナイトは室温まで安定している。
【0021】
粉末状のオーステナイト安定剤は、有利には絶縁性の固体(特に二酸化ケイ素)および場合によっては合金材料としてのさらなる物質(特にケイ素)との粉末混合物の一部であり得る。コーティングされたアルミニウム箔は、好ましくは、個々の金属板薄板を完全に覆うことができる大きさの箔薄板に切断される。回転子または固定子の電気シート用の金属板薄板を積み重ねるとき、好ましくは、積層体に置かれる金属板薄板ごとに1つの箔片が置かれる。それにより形成された積層体は、有利には、交互に積み重ねられた金属板薄板と箔薄板とからなる。その後の熱処理時、アルミニウム箔のオーステナイト安定剤またはケイ素またはアルミニウムが一領域に存在することに応じてそれが拡散され、電気絶縁性粉末は、隣接する金属板薄板間に電気絶縁層として残る。
【0022】
1つの可能な形態では、アルミニウム箔は、少なくとも2つの異なる粉末混合物でコーティングされ、両方の粉末混合物が、無機電気絶縁体の粉末を含む。ここで、粉末混合物の少なくとも1つは、好ましくは少なくとも1つのオーステナイト安定剤を含む。次いで、コーティングされたアルミニウム箔は、金属板薄板と交互に積み重ねられ、積層コアを形成することができる。続いて熱処理が行われ、金属板薄板へのアルミニウムおよびオーステナイト安定剤の拡散が行われる。ここで、絶縁性粉末は、隣接する金属板薄板間に電気絶縁層として残る。コーティングは、例えばスプレー、ブラッシング、印刷などの方法で行うことができる。
【0023】
オーステナイト安定剤に適した物質は、好ましくは、1200℃を超える温度から冷却するときにオーステナイトの形成を強く促進する物質である。さらなる要件は、そのようなオーステナイト安定剤が水素雰囲気に対して安定であり、少なくとも1200℃で金属板薄板の鉄に拡散することであり得る。マンガン、ニッケル、およびコバルトが特に好ましいが、銅も好ましい。銅は低温まで共晶を形成し、その温度ではオーステナイトが他の相にもはや分解できなくなる。さらに、オーステナイト安定剤を、フェライトまたはオーステナイトの形成には関与しないが、オーステナイト安定剤と共晶を形成する、特に融点が1300℃未満のさらなる物質と一緒に適用すると有利である。そのようなさらなる物質は、オーステナイト安定剤にもなり得るが、あまり効果的ではない。
【0024】
電気絶縁性粉末に適した物質は、好ましくは水雰囲気中で少なくとも1250℃まで安定しており溶融しない電気絶縁性固体である。水素雰囲気中では、1300℃で初めて、質量分率で最大20%分の酸化アルミニウムの大幅な減少が生じる。1250℃の熱処理温度では、酸化アルミニウムが最大7%減少される。酸化ケイ素(SiO2)およびムライト(Al(4+2x)Si(2-2x)O(10-x)、ここでx=0.17~x=0.59)も、1250℃までの強い還元性の水雰囲気中で安定しており溶融せず、したがってこれらも同様に電気絶縁性の固体として適している。
【0025】
例えば、アルミニウム箔は5μmの箔厚を有し、一形態での所望の磁束障壁幾何形状に応じて、マンガン粉末と酸化アルミニウム粉末との混合物、または酸化アルミニウム粉末のみを両面に印刷塗布することができる。マンガン粉末は、粒径が約30~50nmの間のマンガンナノ粉末、および/または平均粒径が1~5μmのマンガン粉末から構成され得る。酸化アルミニウム粉末は、例えば3μm、あるいはまた40nmの平均粒径を有することがある。しかし、用途および利用可能性に応じて、マンガン粉末またはマンガンナノ粉末、および酸化アルミニウム粉末に別の粒径を使用することもできる。他の物質についても同じことが当てはまる。
【0026】
したがって、安価に、有利な特性を備える積層コアを実現することができる。これにより、特に、例えば電気自動車、電動自転車、またはハイブリッドドライブなどに使用される非常に強力な電気モータを経済的に実現することが可能になる。
【0027】
添付図面を参照して、本発明の好ましい例示的実施形態を本明細書で以下により詳細に説明する。図面中、対応する要素には同一の参照番号が付されている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図2B】
図1での詳細IIに従った、熱処理後の
図1による積層コアの部分図である。
【
図3】
図2Bでの視線方向IIIに対応する積層コアの部分図である。
【
図4A】オーステナイト安定剤に関する図が示されている、本発明を説明するための状態図である。
【
図4B】共晶形成物質に関する図が示されている、本発明を説明するための状態図である。
【
図4C】フェライト形成物質に関する図が示されている、本発明を説明するための状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、熱処理前の積層コア1の概略図を示す。
図2Aは、
図1での詳細IIに従った、
図1による積層コアの部分図を示す。
図2Bは、
図1での詳細IIに従った、熱処理後の
図1による積層コアの部分図である。
【0030】
積層コア1は、鉄系材料をベースとする互いに積み重ねられた複数の金属板薄板5を含む。ここで、
図1は、熱処理前の積層コア1の状態を示す。積層コア1は、電気機械の回転子または固定子の積層コアでよい。積層コア1は、円筒形に形成される。
【0031】
図2Aおよび
図2Bは、可能な形態による、熱処理前または後の積層コア1を概略部分図で示す。
積層コア1を製造するために、本発明によれば以下の方法ステップが行われる。
【0032】
第1のステップ1a)で、箔薄板4が提供され、箔薄板が、アルミニウムの支持箔6、すなわちアルミニウム箔6と、天然のまたは生成された酸化アルミニウム層7とをそれぞれ含み、それぞれ少なくとも片面11、12で、磁束障壁面8に、それぞれ第1の粉末混合物の第1の箔コーティング10をコーティングされ、第1の粉末混合物が、オーステナイト安定剤、特にマンガンおよび/またはニッケルおよび/またはコバルト、酸化アルミニウム、ならびに接着結合剤を含む。
【0033】
第2のステップ1b)で、特に電気的に絶縁されていない積層コア1の金属板薄板5が提供される。金属板薄板5は、電気シートから作製される。箔薄板4の形状および/または面積は、金属板薄板5の形状および/または面積に対応し得る。
【0034】
第3のステップ1c)で、金属板薄板5と箔薄板4とが交互に積み重ねられ、金属板薄板5に対する箔薄板4の向付け配置は、それぞれの箔薄板4の磁束障壁面8が、それぞれの金属板薄板5の特定の磁束障壁点9で、それぞれの金属板薄板5とそれぞれ直接接触するように行われる。
【0035】
第4のステップ1d)で、金属板薄板5と箔薄板4との積層体が、例えばオーブン内での熱処理によって加熱される。本発明によれば、加熱は以下のように行われる。
- 箔薄板4の第1の箔コーティング10からのオーステナイト安定剤は、それぞれ磁束障壁点9で、それぞれ接触している金属板薄板5の金属に拡散し、金属板薄板5に磁束障壁15を形成し、
- 支持箔6の溶解と共に、箔薄板4の支持箔6からのアルミニウムが、それぞれ隣接する金属板薄板5の金属に一定の深さで拡散する。
【0036】
第1の粉末混合物は、さらに、電気絶縁性の絶縁体物質、特に酸化アルミニウムまたは酸化ケイ素(SiO2)、および/もしくは合金材料、特にケイ素を含むことができる。
さらに、ステップ1a)で、箔薄板4がそれぞれ、コーティングされた面11、12で、それぞれさらに、磁束が保持される絶縁面16に、第2の粉末混合物の少なくとも1つの第2の箔コーティング20でコーティングされ、第2の粉末混合物が、それぞれ、電気絶縁性の絶縁体物質、特に酸化アルミニウムまたは酸化ケイ素(SiO2)と、接着結合剤とを含むことを企図することができる。次いで、ステップ1d)での加熱が行われ、特に箔薄板4の第1および/または第2の箔コーティング20からの、および/または酸化アルミニウム層7からの絶縁体物質が、加熱の完了後に金属板薄板5の間に残り、隣接する金属板薄板5の間に絶縁層32をそれぞれ形成し、ここで、それぞれの絶縁層32は、絶縁面16の領域、さらに特に磁束障壁面8または磁束障壁15の領域に形成され得る。
【0037】
第1および第2の粉末混合物の接着結合剤は、第1または第2の粉末混合物をそれぞれの箔薄板4の支持箔6に接着するために使用され、例えばペーストおよび/または多糖類、特にキサンタンであり得る。
【0038】
以下、本発明のいくつかの例示的実施形態を述べる。
熱処理前に、例えばアルミニウム箔から切り出すことができるアルミニウムベースの箔薄板4が、金属板薄板5を積み重ねるとき金属板薄板5の間に挿入される。箔薄板4の元となるアルミニウム箔には、例えば、好ましくは両面に、天然または生成された酸化アルミニウム層7が設けられている、またはコーティングされている。ここでは、酸化アルミニウム層7は連続に形成されている。さらに、両面に、オーステナイト安定剤を含む少なくとも1つの第1のコーティング10が設けられ、このコーティング10は部分的にのみ適用される。この例示的実施形態では、箔薄板4は、オーステナイト安定剤を含む第1のコーティング10が適用される上面11、12を有する。さらに、第1のコーティング10が適用されていない領域には、例えばケイ素をベースとする合金材料を含むことがある第2のコーティング20が適用される。
【0039】
積層コア1の隣接する金属板薄板5の間に、それぞれ、少なくとも1つの酸化アルミニウム層7を有する箔薄板4が配置される。さらに、例えばオーステナイト安定剤としてマンガンを含む第1のコーティング10が箔薄板4に適用される。それぞれの箔片4でマンガンが適用されていない場所には、合金材料としてケイ素を含む第2のコーティング20を適用することができる。
【0040】
それぞれの第1の箔コーティング10が箔薄板4に適用されて、積層コア1の2つの金属板薄板5の間にそれぞれの箔薄板4を配置することにより、オーステナイト安定剤、および/または共晶形成物質、および/またはオーステナイト形成物質との共晶の形成物質を、それぞれの金属板薄板5の磁束障壁点9で、熱処理によってそれぞれの金属板薄板5の材料に拡散することができるようになる。
【0041】
熱処理後、金属板薄板5には、マンガンが拡散された区域と、ケイ素およびアルミニウムが拡散された区域と、金属板薄板5の間に残る酸化アルミニウム層32とが生じ得る。
図2Bに示されるように、熱処理後、金属板薄板5の間には絶縁層32が残る。ここで、絶縁層32は、金属板薄板5の間に残る電気絶縁性の固体から得られる。箔薄板4の支持箔6のアルミニウムは、ケイ素と共に金属板薄板5に拡散し、各金属板薄板5で平均浸透深さが生じる。それにより、金属板薄板5は、少なくとも表面近傍に合金鉄材料または高合金鉄材料を含んで形成される。第1のコーティング10からのオーステナイト安定剤も同様に金属板薄板5に拡散し、ここで、さらなる箔薄板4(図示せず)からの拡散も両側で多少生じる。オーステナイト安定剤の適切な濃度によって、金属板薄板5の全厚33にわたって、金属板薄板5内に磁束障壁15が生じ、隣接する金属板薄板5内に磁束障壁14が生じる。
【0042】
第1のコーティング10のオーステナイト安定剤は、マンガンおよび/またはニッケルおよび/またはコバルトおよび/または銅をベースとする。ここで、好ましくは、融点を下げるために共晶を形成するが、同時にオーステナイト形成を促進する、またはオーステナイト形成にほとんど影響を与えないさらなる物質を使用することもできる。これらの物質、特に電気絶縁性の固体およびオーステナイト安定剤は、好ましくは粉末状で形成され、接着剤、特に接着結合剤および/または多糖類、特にキサンタンもしくはアミロペクチンによって箔薄板4の上面11、12に適用される。ここで、
図1に示されるように個々の層に分離する必要は必ずしもない。これは、一方では、合金材料、特にケイ素を電気絶縁性の固体と混合し、次いで接着結合剤および/または多糖類によって箔薄板4の上面11、12に部分的に適用することもできることを意味する。他方、オーステナイト安定剤は、電気絶縁性の固体と混合して残りの部分に適用することができる。ここで、別の順序も可能である。
【0043】
図3は、
図2Bでの視線方向IIIに対応する積層コアの部分図である。
オーステナイト安定剤は、それぞれの金属板薄板5で磁束障壁点9に磁束障壁15を形成するように、箔薄板4に適用される。この例示的実施形態では、磁束障壁15は、金属板薄板5のウェブ16内またはウェブ16上に構成される。ウェブ16は、例えば、それぞれの金属板薄板5の凹部22によって形成される。凹部22は、例えば積層コア1の円周21の近くに設けることができる。
【0044】
したがって、金属板薄板5内に、例えば固有の局所的な磁束障壁15を形成することができる。これらの磁束障壁15により、形態および機能性の実質的な改良が可能になる。
図4A、4B、および4Cに基づいて、FeXのそれぞれの状態図において、適切な合金元素Xがそれぞれのオーステナイト領域のサイズに及ぼす影響が示されている。ここで、それぞれの合金元素Xの濃度(重量%)がx軸にそれぞれプロットされ、温度Tがy軸にそれぞれプロットされている。
【0045】
図4Aは、本発明を説明するための状態図であり、オーステナイト安定剤の図が示されている。オーステナイト安定剤としてのマンガンにより、概略の状態図に示されているように、オーステナイト相(γ)は、マンガンの濃度が増加するにつれて、より低い温度で安定する。この図では、室温が下限温度として示されている。
【0046】
図4Aには、本発明による例示的な挙動が線Yに従って示されており、熱処理の経過中のオーステナイト安定化の効果を示している。それぞれの金属板薄板5へのオーステナイト安定剤の拡散により、加熱された金属板薄板5のオーステナイトは安定化され、金属板薄板5の冷却時に、オーステナイトが状態図に従ってフェライトに再び変態されなくなる。
【0047】
図4Bは、本発明を説明するための状態図を示し、共晶形成物質に関する図が示されている。
概略の状態図に示されているように、共晶形成物質としての銅により、オーステナイト相は、銅の濃度が増加するにつれて、より低い温度で安定する。しかし、それにより、室温までの安定性を実現することはできない。特定の銅濃度で、オーステナイト相がまだ安定している最低温度値が生じる。A3よりも明らかに下の低温でもオーステナイトが安定しているこの領域は、冷却時にオーステナイトをほぼ凍結し、したがって室温までのさらなる冷却時に保つことができる。その後、銅の濃度がさらに上昇するにつれて、オーステナイト相が安定する温度も上昇する。それにより、冷却時にオーステナイトをほぼ凍結することがますます困難になり、最終的には不可能になる。銅濃度のさらなる上昇により、鉄中でのオーステナイト相の形成が可能でなくなる濃度に至る。
【0048】
図4Cは、本発明を説明するための状態図であり、フェライト形成物質に関する図が示されている。
概略の状態図に示されているように、ケイ素やアルミニウムなどのフェライト形成物質により、フェライト(α)は、室温で安定な相になる。これは、フェライト形成物質の低い濃度と、高温とが同時に存在する場合にのみ、オーステナイトが安定であることを意味する。したがって、オーステナイトはさらに高温ではフェライトに変態するので、冷却時に凍結することはあり得ない。
【0049】
本発明は、上述した例示的実施形態に限定されない。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械の積層コア(1)を製造するため、特に前記積層コア(1)内に磁束障壁を生成するための方法であって、
a)箔薄板(4)を提供するステップであって、前記箔薄板(4)が、アルミニウムの支持箔(6)と、天然のまたは生成された酸化アルミニウム層(7)とをそれぞれ含み、それぞれ少なくとも片面(11、12)で、磁束障壁面(8)に、それぞれ第1の粉末混合物の第1の箔コーティング(10)をコーティングされ、前記第1の粉末混合物が、オーステナイト安定剤、特にマンガンおよび/またはニッケルおよび/またはコバルトと、酸化アルミニウムと、接着結合剤とを含む、ステップと、
b)前記積層コア(1)の金属板薄板(5)を提供するステップであって、前記金属板薄板(5)が特に電気的に絶縁されていない、ステップと、
c)金属板薄板(5)と箔薄板(4)とを交互に積み重ねるステップであって、前記金属板薄板(5)に対する前記箔薄板(4)の向付け配置は、それぞれの前記箔薄板(4)の前記磁束障壁面(8)が、それぞれの前記金属板薄板(5)の特定の磁束障壁点(9)で、それぞれの前記金属板薄板(5)とそれぞれ直接接触するように行われる、ステップと、
d)金属板薄板(5)および箔薄板(4)の積層体を加熱、特に熱処理するステップとを含み、
- 前記箔薄板(4)の前記第1の箔コーティング(10)からの前記オーステナイト安定剤が、それぞれ前記磁束障壁点(9)で、それぞれ接触している前記金属板薄板(5)の金属に拡散し、磁束障壁(15)を形成し、
- 前記支持箔(6)の溶解と共に、前記箔薄板(4)の前記支持箔(6)からの前記アルミニウムが、それぞれ隣接する前記金属板薄板(5)の金属に拡散する、
方法。
【請求項2】
前記第1の粉末混合物が、さらに、電気絶縁性の絶縁体物質、特に酸化アルミニウムまたは酸化ケイ素(SiO
2)、および/または合金材料、特にケイ素を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップ1a)で、前記箔薄板(4)がそれぞれ、前記コーティングされた面(11、12)で、それぞれさらに絶縁面(16)に、第2の粉末混合物の少なくとも1つの第2の箔コーティング(20)でさらにコーティングされ、前記第2の粉末混合物が、それぞれ、電気絶縁性の絶縁体物質、特に酸化アルミニウムまたは酸化ケイ素(SiO
2)と、接着結合剤とを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップ1d)での前記加熱が行われて、特に前記箔薄板(4)の前記第1および/または第2の箔コーティング(20)からの、および/または前記酸化アルミニウム層(7)からの前記絶縁体物質が、前記加熱後に前記金属板薄板(5)の間に残り、隣接する金属板薄板(5)の間に絶縁層(32)がそれぞれ形成され、それぞれの前記絶縁層(32)が、前記絶縁面(16)の領域、および特に前記磁束障壁面(8)または前記磁束障壁(15)の領域に形成されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記接着結合剤が、前記第1または第2の粉末混合物をそれぞれの前記箔薄板(4)の前記支持箔(6)に接着するために提供され、特にペーストおよび/または多糖類、特にキサンタンおよび/またはアミロペクチンであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記箔薄板(4)の形状および/または面積が、前記金属板薄板(5)の形状および/または面積に対応することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の粉末混合物が、特にスズなどのオーステナイト安定剤と特に1300℃未満の融点で共晶を形成するのに適したさらなる物質を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記共晶形成物質が、液相からのオーステナイト形成を低温まで促進し、したがって、前記オーステナイトが室温でも存在し、特に銅および/または亜鉛および/または炭素および/または窒素をベースとすることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1および/または第2の箔コーティング(10、20)の前記接着結合剤を分解するために、前記熱処理の前に、水素含有雰囲気中で約150℃~約500℃の範囲で約1時間~約2時間、前記コーティングされた箔薄板(4)が間に配置された前記金属板薄板(5)のさらなる熱処理が行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【国際調査報告】