(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】高い応答精度を有する医療機器用動力提供装置
(51)【国際特許分類】
A61B 1/005 20060101AFI20241114BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
A61B1/005 523
A61B1/00 712
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534360
(86)(22)【出願日】2022-12-06
(85)【翻訳文提出日】2024-08-06
(86)【国際出願番号】 KR2022019712
(87)【国際公開番号】W WO2023106795
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0174946
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523248781
【氏名又は名称】メディンテック インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MEDINTECH INC.
【住所又は居所原語表記】1F,60,Daehak-ro Jongno-gu Seoul 03100,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】イ、チ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミョン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】コ、ソク ギュ
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161DD03
4C161FF11
4C161FF30
4C161HH31
4C161HH47
4C161JJ11
(57)【要約】
医療機器用動力提供装置に関するものであって、詳しくは、医療機器が駆動できるように医療機器に動力を提供する動力源が内在された動力提供装置に関する。受信した制御信号に対応して正確な応答を出力できる新たな構造の動力提供部を有する医療機器用動力提供装置を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力を生成する動力源;
前記動力源から生成された動力を伝達する動力伝達部;
前記動力伝達部から伝達された動力を医療機器に提供する動力提供部材;
前記動力提供部材を支持し、前記動力提供部材が動作可能に結合する動力提供部材結合部を有する動力提供部材支持台;および、
前記動力提供部材と隣接して配置され、前記動力提供部材の動作範囲を制限するストッパ;
を含む
ことを特徴とする医療機器用動力提供装置。
【請求項2】
前記動力提供部材結合部は、前記動力提供部材支持台と前記動力提供部材にそれぞれ形成されたレール結合構造を含む
請求項1に記載の医療機器用動力提供装置。
【請求項3】
前記医療機器は、動力を提供される第1の結合部を有し、前記動力提供部材は、前記第1の結合部と相互作用して前記第1の結合部に動力を提供する第2の結合部を有する
請求項1に記載の医療機器用動力提供装置。
【請求項4】
前記第1の結合部は、第1の突出部または第1の凹部を含み、前記第2の結合部は、前記第1の突出部に対応する第2の凹部または前記第1の凹部に対応する第2の突出部を含む
請求項3に記載の医療機器用動力提供装置。
【請求項5】
前記医療機器は、内視鏡を含み、前記第1の結合部は、前記内視鏡のコネクタに設けられる
請求項3に記載の医療機器用動力提供装置。
【請求項6】
前記ストッパは、前記動力提供部材支持台と一体形成される
請求項1に記載の医療機器用動力提供装置。
【請求項7】
前記動力提供部材支持台は、前記動力提供部材とレール構造で結合する動力提供部材受容体が形成され、前記ストッパは、前記動力提供部材受容体の一面を含む
請求項6に記載の医療機器用動力提供装置。
【請求項8】
前記動力提供部受容体の前記一面は、一対であり、前記一対の一面は、対向して配置され、前記動力提供部材の動作範囲を制限する
請求項7に記載の医療機器用動力提供装置。
【請求項9】
前記動力提供部材は、直線運動を行う方式で動力を提供する
請求項1に記載の医療機器用動力提供装置。
【請求項10】
前記医療機器は、被検体内の映像情報を収集するために、前記被検体内に挿入され、湾曲動作を行う湾曲部を有し、
前記動力提供部材の運動の範囲は、前記湾曲部の湾曲角度範囲に対応する
請求項9に記載の医療機器用動力提供装置。
【請求項11】
前記ストッパは、一対であり、前記一対のストッパは、それぞれ前記湾曲部の湾曲角度範囲の上限値と下限値を決める
請求項10に記載の医療機器用動力提供装置。
【請求項12】
前記ストッパは、前記動力伝達部材の接触を感知するセンサを含む
請求項1に記載の医療機器用動力提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、医療機器用動力提供装置に関するものであって、より詳しくは、医療機器が駆動できるように、医療機器に動力を提供する動力源が内在された動力提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ここで述べられる内容は、単に本発明の実施形態に関する背景情報を提供するだけで、従来の技術を構成するものではない。
【0003】
内視鏡は、一般に、医療目的で体内を観察するための医療器具を指す。検査する部位によって、「気管支鏡」、「胃内視鏡」、「腹腔鏡」、「大腸内視鏡」などと呼ばれる。他のほとんどの医療用撮像装置とは異なり、内視鏡は、体内に直接挿入され、体内の器官を撮影する医療器具である。
【0004】
内視鏡は、光ファイバの開発、光学技術や電子工学の急速な発展に支えられ、現在の電子内視鏡に至っており、消化器学分野の発展に大きく貢献した。電子内視鏡の開発により、被検体内を直接観察し、組織学的検査を行う診断的分野だけでなく、各種治療内視鏡の急激な発展により開腹手術に代わるようになった。
【0005】
内視鏡の構造は、一般に、湾曲部と軟性部を有して体内に挿入される挿入部(Insertion Tube)と、挿入部の一端に接続され、湾曲部の湾曲動作を制御する操作部と、光源装置などに結合されるコネクタと、操作部とコネクタを離隔させるユニバーサルコードとを含む。
【0006】
また、内視鏡には、湾曲部の湾曲動作を制御するために湾曲部と操作部との間にメカニカルストリングが設けられており、メカニカルストリングは、操作部に設けられた制御ノブに接続される。このような構造を有する内視鏡は、使用者である術者が手動で制御ノブを操作するとメカニカルストリングが動力を伝達し、湾曲部の湾曲動作を行えるようになっている。
【0007】
内視鏡システムは、内視鏡と光源装置と映像処理装置を含んでもよい。一般的によく知られている従来の内視鏡システムは、体内の器官などを見ることができるように光(Light)を照射する光源装置と、光源装置から照射された光が体内器官の表面に入射して反射される光信号を受けて電気的信号(映像信号)に変換するイメージセンサと、この映像信号をモニタで観察できるように電子信号に変換するエンコーダを含むカメラチップなどからなるカメラが、内視鏡の先端部に構成されている。
【0008】
光源装置は、一般に、ハウジングの内部に、光を生成する光源や、空気を生成するエアーポンプ、各種電子部品などを含み、前面部に制御パネルが設けられて使用者が操作できるようにし、内視鏡のコネクタ受容部を有する。内視鏡は、内部に光ファイバで構成されたライトガイドケーブルが備えられて光を伝達し、コネクタ受容部に内視鏡のコネクタが結合されると、光源装置の内部の光源とコネクタのライトガイドケーブルとが接続され、光を提供されることができる。
【0009】
一方、内視鏡による検査や治療中には、患者にとって致命的な緊迫した状況が発生することもある。ところが、このような構造の内視鏡は、緊迫した状況の中、術者が手動でノブを操作して湾曲部の湾曲動作を制御するしかなく、術者はノブ操作にのみ集中するようになり、緊迫した状況を打開することが難しくなる上に、湾曲部の湾曲動作が正確に行えなくなる可能性もあって問題となった。
【0010】
そこで、術者の手動操作ではなく、動力源による自動操作により湾曲部の湾曲動作を行うことができる内視鏡が開発された。しかしながら、このような内視鏡は、内視鏡に動力を提供する方式が問題となる。これに関しては、近年、光源装置から内視鏡に光(Light)だけでなく動力(Power)も併せて提供することができるシステムの研究が進められている。
【0011】
内視鏡に動力を提供するために、動力を制御するための制御信号を外部機器が受信し、該制御信号に対応する動力を出力する方式が適用され得るが、この場合、例えば、制御信号を受信した際、内視鏡の動きが制御信号を正確に追従するように、正確な動力量を内視鏡に伝達することができる動力伝達システムの開発が至急求められる。
【0012】
前述した背景技術は、発明者が本発明の実施形態を導出するために保有していたか、もしくは導出過程で習得した技術情報であり、必ずしも本発明の実施形態を出願する前に一般公衆に開示された公知技術とはいえない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明による一態様は、前述した問題を解決するために提案されたものであり、本発明の目的は、受信した制御信号に対応して正確な応答を出力できる新たな構造の動力提供部を有する医療機器用動力提供装置を提供することにある。
【0014】
本発明の別の目的は、予期せぬ原因、例えば、過電流、過電圧などで内部動力源に異常が生じた場合でも、約束された範囲内で出力を維持させる応答安定性を確保した医療機器用動力提供装置を提供することにある。
本発明の別の目的は、内視鏡湾曲部の湾曲範囲を機械的に設定できる新たな構造の医療機器用動力提供装置を提供することにある。
【0015】
本発明が達成しようとする技術的課題は、前述した技術的課題に限定されず、言及されていない他の技術的課題は、以下の記載から、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記課題を達成するために、本発明の一態様は、動力を生成する動力源;前記動力源から生成された動力を伝達する動力伝達部;前記動力伝達部から伝達された動力を医療機器に提供する動力提供部材;
前記動力提供部材を支持し、前記動力提供部材が動作可能に結合する動力提供部材結合部を有する動力提供部材支持台;および
前記動力提供部材と隣接して配置され、前記動力提供部材の動作範囲を制限するストッパ;のうちの1つ以上を含む医療機器用動力提供装置を提供することができる。
【0017】
実施形態によれば、前記動力提供部材結合部は、前記動力提供部材支持台と前記動力提供部材にそれぞれ形成されたレール結合構造を含むことを特徴としていてもよい。
【0018】
実施形態によれば、前記医療機器は、動力を提供される第1の結合部を有し、前記動力提供部材は、前記第1の結合部と相互作用して前記第1の結合部に動力を提供する第2の結合部を有することを特徴としていてもよい。
【0019】
実施形態によれば、前記第1の結合部は、第1の突出部または第1の凹部を含み、前記第2の結合部は、前記第1の突出部に対応する第2の凹部または前記第1の凹部に対応する第2の突出部を含むことを特徴としていてもよい。
【0020】
実施形態によれば、前記医療機器は、内視鏡を含み、前記第1の結合部は、前記内視鏡のコネクタに設けられることを特徴としていてもよい。
【0021】
実施形態によれば、前記ストッパは、前記動力提供部材支持台と一体形成されることを特徴としていてもよい。
【0022】
実施形態によれば、前記動力提供部材支持台は、前記動力提供部材とレール構造で結合する動力提供部材受容部が形成され、前記ストッパは、前記動力提供部材受容部の一面を含むことを特徴としていてもよい。
【0023】
実施形態によれば、前記動力提供部受容体の前記一面は、一対であり、前記一対の一面は、対向して配置され、前記動力提供部材の動作範囲を制限することを特徴としていてもよい。
実施形態によれば、前記動力提供部材は、直線運動を行う方式で動力を提供することを特徴としていてもよい。
【0024】
実施形態によれば、前記医療機器は、被検体内の映像情報を収集するために、前記被検体内に挿入され、湾曲動作を行う湾曲部を有し、前記動力提供部材の運動の範囲は、前記湾曲部の湾曲角度範囲に対応することを特徴としていてもよい。
【0025】
実施形態によれば、前記ストッパは、一対であり、前記一対のストッパは、それぞれ前記湾曲部の湾曲角度範囲の上限値と下限値を決めることを特徴としていてもよい。
【0026】
実施形態によれば、前記ストッパは、前記動力伝達部材の接触を感知するセンサを含むことを特徴としていてもよい。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように、本発明の一実施形態によれば、受信した制御信号に対応して正確な応答を出力できる新たな構造の動力提供部を有する医療機器用動力提供装置を提供する。
【0028】
本発明の別の実施形態によれば、予期せぬ原因、例えば、過電流、過電圧などで内部動力源に異常が生じた場合でも、約束された範囲内で出力を維持させる応答安定性を確保した医療機器用動力提供装置を提供する。
本発明の別の実施形態によれば、内視鏡の湾曲部の湾曲範囲を機械的に設定できる新たな構造の医療機器用動力提供装置を提供する。
【0029】
その他にも、本発明は、実施形態によれば、優れた汎用性を有するなど、様々な効果を有し、そのような効果については後述する実施形態の説明から明確に確認することができる。
【0030】
本明細書に添付される以下の図面は、本発明の一実施形態を例示し、前述した発明の概要と共に本発明の技術思想をより理解しやすくするためのものである。したがって、本発明は、図面に記載された事項だけに限定して解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による内視鏡を示したものである。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態による動力提供装置を示したものである。
【
図3】
図3は、
図2の動力提供装置から上部ハウジングを取り除いた様子を示したものである。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態によるスライダ支持台を示したものである。
【
図5】
図5は、
図4のスライダ支持台を上から見た様子を示したものである。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態によるスライダを示したものである。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態による内視鏡のコネクタを示したものである。
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態による第1の結合部と第2の結合部とが結合された様子を示したものである。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態による動力提供部材受容部に設けられたストッパと後方支持台を示したものである。
【
図10】
図10は、
図9の動力提供部材受容部において、一対のストッパが形成する動力提供部材が移動することができる長さを側面から示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の利点および特徴、並びにそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に記述される実施形態を参照すれば明らかになるであろう。しかしながら、本発明は、以下に提示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態で具現されることができ、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変換、等価物ないしは代替物を含むものとして理解すべきである。以下に提示される実施形態は、本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。本発明の説明において、関連する公知技術に関する具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にすると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0033】
本出願で用いられる用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられるものであり、本発明の限定を意図するものではない。単数の表現は、文脈上明らかに他の意味を表さない限り、複数の表現を含む。
本出願において「含む」または「有する」という用語は、明細書に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはそれらの組み合わせが存在することを指定するものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはそれらの組み合わせの存在や追加の可能性を予め排除するものではないと理解されるべきである。第1、第2などの用語は、様々な構成要素を説明するために用いることができるが、構成要素は上記用語により限定されてはならない。上記用語は、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的でのみ用いられる。
【0034】
以下、本発明による実施形態を添付図面を参照して詳細に説明するが、添付図面を参照して説明するにあたり、同一または対応する構成要素については同じ図面番号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態による内視鏡を示したものである。
図2は、本発明の一実施形態による動力提供装置を示したものである。
本発明の一実施形態による動力提供装置200は、医療機器に動力を提供する機能を果たす装置を含んでもよい。
【0035】
本明細書において、医療機器は、内視鏡100を含んでもよい。内視鏡100は、患者の体内に挿入されて映像情報を収集し、疾病を診断、治療、症状の軽減、処置、予防できる機器を含む。
【0036】
実施形態によれば、内視鏡100は、挿入部140と操作部130とユニバーサルコード120とコネクタ110のうちから1つ以上を含んで構成されてもよい。
【0037】
実施形態によれば、挿入部140の一端とユニバーサルコード120の一端との間に操作部130が設けられてもよく、ユニバーサルコード120の他端には、コネクタ110が接続されてもよい。
【0038】
挿入部140は、使用者である術者が患者に対して内視鏡100による検査や治療を行う際に患者の体内に挿入される部分であってもよい。挿入部140は、先端部と湾曲部141と軟性部とを含んで構成されてもよい。
【0039】
先端部は、ターゲット部位に照明を照らしたり映像情報の収集や治療を行ったりする構成であってもよい。先端部は、挿入部の先端に設けられてもよく、被検体内を照らすために備えられる照明手段、被検体内を撮影するために備えられる撮影手段、被検体内の組織を採取するために備えられる生検チャンネル、様々な目的で空気や水などを噴射するために備えられる送気・送水チャンネルなどが形成されてもよい。
【0040】
湾曲部141は、使用者の操作によって湾曲動作を行い、体内で湾曲されて屈曲した管状器官の内部に沿って移動することができる。湾曲部141の先端には先端部が設けられてもよく、湾曲部141は、湾曲動作によって先端を湾曲することにより、先端部を使用者の所望の方向に位置付けることができる。
軟性部は、湾曲部141と操作部130との間に位置し、湾曲部141が患者の体内の管状器官に沿って移動する際に一緒に移動する部分であってもよい。
【0041】
操作部130には、湾曲部141の湾曲動作を制御することができる制御手段131が設けられてもよく、送気、送水、または吸引を制御することができる流路制御バルブまたは流路制御スイッチが設けられてもよい。ここで、制御手段131は、例えば、後述するジョイスティックを含んでもよい。
【0042】
操作部130の一側に挿入部140が接続されてもよく、他側にはユニバーサルコード120が接続されてもよい。ユニバーサルコード120の先端にはコネクタ110が接続されてもよい。
【0043】
コネクタ110は、内視鏡100を外部装置に接続する機能を果たすことができる。ここで、外部装置は、動力提供装置200を含んでもよい。動力提供装置200は、例えば、光源装置、映像処理装置などを含んでもよい。
【0044】
コネクタ110によって内視鏡100が光源装置または映像処理装置に接続される場合、内視鏡100は、コネクタ110を通して光源装置300から光(Lihgt)を提供されて患者の体内を照明することができ、内視鏡100が収集した患者の体内の映像情報を、コネクタ110を通して映像処理装置に伝送することができる。
【0045】
ユニバーサルコード120は、操作部130とコネクタ110とを接続し、使用者が操作部130を把持して内視鏡100を使用する際に容易に動くことができるように、コネクタ110と操作部130を離隔させることができる。実施形態によれば、ユニバーサルコード120は省略され、操作部130の他側にコネクタ110が接続されていてもよい。
【0046】
図3は、
図2の動力提供装置から上部ハウジングを取り除いた様子を示し、
図4は、本発明の一実施形態による動力提供部材支持台を示したものである。
図5は、
図4の動力提供部材支持台を上から見た様子を示し、
図6は、本発明の一実施形態による動力提供部材を示したものである。
図7は、本発明の一実施形態による内視鏡のコネクタを示し、
図8は、本発明の一実施形態による第1の結合部と第2の結合部とが結合された様子を示したものである。
【0047】
実施形態によれば、動力提供装置200は、動力を生成する動力源410;動力源410から生成された動力を伝達する動力伝達部330、412;医療機器に動力を提供するために、動力伝達部330、412から動力を提供されて動作する動力提供部材300;および、動力提供部材300を支持し、動力提供部材300が動作可能に結合する動力提供部材結合部340を有する動力提供部材支持台400;のうちから1つ以上を含んで構成されてもよい。
【0048】
動力源410は、動力を生成する装置を含んでもよい。動力源410は、例えば、モータを含んでもよい。動力伝達部330、412は、動力源410が生成した動力を動力提供部材300に伝達する役割を果たすことができる。動力提供部材300は、動力伝達部330、412から動力を提供され、スライド移動しながら医療機器に動力を提供することができる。
【0049】
動力提供部材支持台400は、内部で動力提供部材300が乗って移動できるように、動力提供部材300を支持する機能を果たすことができる。動力提供部材300と動力提供部材支持台400は、動力提供部材結合部340を通して結合することができる。
【0050】
動力提供部材結合部340は、実施形態によれば、動力提供部材支持台400と動力提供部材300にそれぞれ形成された凹凸構造を含んでもよい。凹凸構造は、上下方向に長く延在形成される構造を有してもよい。動力提供部材300と動力提供部材支持台400は、凹凸構造によって結合され、動力提供部材300は、凹凸構造を通して動力提供部材支持台400に乗って上下往復直線移動することができる。
【0051】
以下、動力提供装置200について詳しく説明する。
動力提供装置200のハウジング240の前面には、制御パネル230が配置されてもよい。使用者は、制御パネル230を操作して動力提供装置200を駆動することができる。
【0052】
動力提供装置200の前面部には、制御パネル230が設けられてもよく、制御パネル230の中央部には、内視鏡100のコネクタ110が結合されるコネクタ受容部210が配置されてもよい。動力提供装置200の前面部の内側には、動力提供部材支持台400が設けられてもよい。
【0053】
動力提供部材支持台400は、垂直に形成され、動力源410を支持する胴体部440と、前記胴体部440を底面に固定して設けられるように備えられた底面固定部430と、動力提供部材受容部450とを含んで構成されてもよい。
【0054】
底面固定部430は、実施形態によれば、胴体部440の下端が切り曲げられて形成されてもよい。胴体部440とスライダ受容部450は、互いに垂直に形成されてもよい。すなわち、胴体部440を構成する動力提供部材支持台400の第1のプレートと動力提供部材受容部450が形成された第2のプレートは、互いに垂直に配置されてもよい。
【0055】
動力提供部材受容部450は、実施形態によれば、動力提供部材300を全体的に覆うように形成されてもよい。動力提供部材300は、本体部310と第2の結合部320で構成されてもよい。動力提供部材300の本体部310の両面には、レール構造が形成されてもよい。レール構造は、実施形態によれば、凹凸形状を含んでもよい。
【0056】
動力提供部材受容部450は、動力提供部材300の本体部310の両側に面して囲む2つのレール側壁451を有してもよい。2つのレール側壁451の内面には、レール構造が形成されてもよい。動力提供部材受容部450のレール構造は、動力提供部材300の本体部310に形成されたレール構造に形状的に対応するように形成されてもよい。このような構造によって、動力提供部材300は、動力提供部材受容部450の内部で円滑にスライド移動することができる。
動力提供部材受容部450の前面部には、貫通溝が形成されてもよい。貫通溝は、上下方向に長く延在形成される構造である。
【0057】
動力提供部材300の本体部310は、動力提供部材受容部450に受容されるが、動力提供部材300の第2の結合部320は、貫通溝を通過して外部に露出していてもよい。動力提供部材受容部450の前面には、コネクタ受容部210が形成され、コネクタ受容部210の内側面には、貫通スロット220が形成され、第2の結合部320は、貫通スロット220を通過してコネクタ受容部210の内側面上で外部に露出していてもよい。
【0058】
動力源410は、動力提供部材支持台400に取り付けられて配置されてもよい。動力源410の動力提供部材支持台400に取り付けられる部分の反対端には、動力源410の駆動軸411の回転速度、回転量など、位置情報を収集するための位置情報収集部420が設けられてもよい。位置情報収集部420は、例えば、エンコーダを含んでもよい。
【0059】
動力源410が設けられる胴体部440には、動力源410から引き出される駆動軸411が貫通して配置されるように駆動軸貫通孔441が形成されてもよい。駆動軸貫通孔441を通過して露出される駆動軸411の先端には、ピニオンギヤ412が設けられてもよい。
【0060】
動力提供部材受容部450は、全体的に六面体形状を有してもよい。動力提供部材300の本体部310がスライド移動できるように本体部310を両側面で支持する2つのレール側壁451と上段側壁と下段側壁と後方側壁とを含んで構成されてもよい。後方側壁の中央部には、貫通孔が形成され、動力提供部材300の本体部310が貫通孔を通して露出していてもよい。
【0061】
本体部310の後面には、鋸歯形状が形成されてもよい。すなわち、ラックギヤ330が形成されていてもよい。動力源410から引き出される駆動軸411と、駆動軸411の先端に接続されたピニオンギヤ412と、本体部310のラックギヤ330は、動力伝達部330、412を構成してもよい。
【0062】
このような構造によって、本体部310の後面に形成されたラックギヤ330と、動力源410の駆動軸411の先端に設けられたピニオンギヤ412とが噛み合い、ピニオンギヤ412からラックギヤ330に動力が伝達されることができる。すなわち、動力源410の駆動軸411が回転すれば、ピニオンギヤ412が回転し、ピニオンギヤ412によってラックギヤ330が上下移動し、動力提供部材300の本体部310が上下移動し、本体部310と一体形成された第2の結合部320が上下移動するようになる。
【0063】
実施形態によれば、内視鏡100のコネクタ110では、動力受容体111が外部から伝達される動力を受け入れる。動力受容体111は、動力提供部材300と同様の機能を果たすことができる。コネクタ110の内部にはメインフレームがあり、メインフレームの前面部には動力受容体受容部が配置されてもよい。動力受容体111は、動力受容体受容部の内部でスライド移動可能に接続されてもよい。動力受容体受容部の内側面と動力受容体111の両側面には、それぞれレール構造が形成され、このレール構造は、互いに形状的に結合される構造を有する。このような構造によって、動力受容体111は、動力受容部の内部でレール構造に乗ってスライド移動することができる。
【0064】
動力受容体111は、第1の結合部112と、第1の結合部112が延在形成されたベース部113とを含んで構成されてもよい。ベース部113の両側面には、レール構造が形成され、動力受容体受容部の内側に形成されたレール構造と形状的に結合する構造である。動力受容体受容部の前面部には貫通溝が形成される。動力受容体111の第1の結合部112は、貫通溝を通過して外部に露出していてもよい。動力受容体111と対向するコネクタ110の前面には、前面カバー114が配置され、前面カバー114の一側には、スロット115が形成される。第1の結合部112は、貫通溝とスロット115を順に通過してコネクタ110の外部に露出していてもよい。
【0065】
使用者が内視鏡100のコネクタ110を動力提供装置200のコネクタ受容部210に結合させると、コネクタ110の第1の結合部112と動力提供装置200の第2の結合部320は、互いに形状的に結合することができる。
【0066】
実施形態によれば、第1の結合部112は、第1の突出部または第1の凹部を含み、第2の結合部320は、第1の突出部に対応する第2の凹部321または第1の凹部に対応する第2の突出部を含んでもよい。この場合、第1の結合部112の第1の突出部と第2の結合部320の第2の凹部321とが互いに形状的に結合することができる。
【0067】
内視鏡100のコネクタ110が動力提供装置200に結合されると、動力提供装置200の動力提供部材300と動力受容体111の結合が完了し、動力提供装置200からコネクタ110に動力が伝達される準備ができる。
【0068】
実施形態によれば、動力提供部材300は、上下直線運動を行う方式で医療機器に動力を提供することができる。動力提供装置200から内視鏡100に動力を伝達する機械的方式は、様々な方式を含んでもよいが、本実施形態において、動力提供部材300は、動力提供装置200に形成されたレール構造に結合され、レール構造に乗って移動する構成であってもよく、動力受容体111も動力提供部材300同様にコネクタ110に設けられたレール構造200に結合され、レール構造200に乗って移動する一種のスライダのような構成であってもよい。
【0069】
このような構造において、動力源410によって動力を伝達された動力提供部材300が移動すると、動力提供部材300としっかり噛み合っている動力受容体111が一緒に移動し、光源装置からコネクタ110に動力が提供されることができる。
【0070】
第1の結合部112と第2の結合部320は、それぞれ厚さと剛性が十分な材質で構成されるため、噛み合う力が非常に大きい。よって、動力を損失なく伝達することができる。したがって、本実施形態のように、第2の結合部320を有する動力提供部材300の構成が動力を提供し、動力を受け入れるコネクタ110も第1の結合部112を有する動力受容体111の構成を採用した場合、動力を正確かつ精密に提供することができ、動力伝達時のバックラッシュなどによる応答の遅延や不均質な応答などの問題を解決することができる。
【0071】
第1の結合部112が突出部であり、第2の結合部320が凹部321である場合、突出部または凹部321の角にはラウンド処理を施すか、または傾斜部が形成されるように製作してもよい。突出部または凹部321の角にラウンド処理を施すか、または傾斜部を設けることで、第1の結合部112と第2の結合部320とが円滑に結合でき、振動や騒音を抑制することができる。
【0072】
実施形態によれば、医療機器は、被検体内の映像情報を収集するために、被検体内に挿入され、湾曲動作を行う湾曲部を有し、動力提供部材300の運動の範囲は、湾曲部の湾曲角度範囲に対応するように設定されてもよい。
【0073】
コネクタ110において、動力受容体111は、動力伝達手段と接続され、動力伝達手段は、ユニバーサルコードと操作部と挿入部を介して湾曲部に接続される構造を有する。
【0074】
したがって、コネクタ110で動力受容体111が上下直線往復運動しながら動力を受け入れて動力伝達手段に伝達すると、動力伝達手段は、コネクタ110でユニバーサルコード、操作部、挿入部を通過して湾曲部に動力を伝達し、動力を伝達された湾曲部は湾曲動作を行うようになる。
【0075】
実施形態によれば、医療機器から動力提供部材300の移動距離dを制御する制御命令信号を受信する制御命令受信部250;および、制御命令受信部250が受信した制御命令信号に基づいて動力源410の動力生成を制御する動力源制御部;を含んで構成されてもよい。
【0076】
湾曲部は、上下湾曲動作と左右湾曲動作をそれぞれ行い、これらの動作の組み合わせにより、全方向で湾曲動作を具現できるようになる。このような動作の組み合わせを実現するために、本実施形態によれば、動力源410、動力提供部材300、動力提供部材受容部450、動力提供部材支持台400など、前述した構成は、いずれも一対で構成されてもよい。
【0077】
制御命令信号は、操作部に設けられた制御手段で生成されてもよい。操作部で生成された制御命令信号は、ユニバーサルコードとコネクタ110を通過し、コネクタ110に設けられた制御信号端子を通し、動力提供装置200のコネクタ受容部210に設けられた制御命令受信部250を通して動力源制御部に伝達されることができる。制御信号を伝送するために使用者がコネクタ110をコネクタ受容部210に結合すると、コネクタ110の制御信号端子と、コネクタ受容部210に配置され、コネクタ110の制御信号端子が設けられた位置に対応するコネクタ受容部210に位置する制御命令受信部250とが電気的に結合するようになる。したがって、電気的な制御命令信号が伝送されることができる。制御命令信号は、湾曲部の上下湾曲を制御する制御命令と左右湾曲を制御する制御命令とを含んでもよく、動力源制御部は、制御命令を受信して動力源410を制御し、動力を提供できるようにする。一対の動力提供部材300の一方は、湾曲部の上下湾曲を具現するための動力を提供することができ、一対の動力提供部材300の他方は、湾曲部の左右湾曲を具現するための動力を提供することができる。
コネクタ110に設けられ、一対の動力提供部材300とそれぞれ対応する一対の動力受容部も同様に機能することができる。
【0078】
本実施形態による動力提供装置200は、例えば、内視鏡100と結合し、光(Light)を提供する光源装置または内視鏡100から映像情報を受信して加工し、これを使用者が見られるようにモニタに伝送する映像処理装置を含んでもよい。
【0079】
内部に光源260が備えられた光源装置または映像を処理することができる映像処理装置に、動力源410と、動力源410制御器と、動力提供部と、動力源410が生成する動力を動力提供部に伝達する動力伝達部330、412が備えられてもよい。すなわち、光源装置または映像処理装置に動力を提供することができる動力提供システムが備えられてもよい。
【0080】
以下、本実施形態による動力提供装置200を光源装置と示す。
本実施形態による光源装置は、ハウジング240;ハウジング240の内部に設けられ、光を生成する光源260;空気を生成するエアーポンプ270、電源を供給する電源供給部;動力提供システムのうちから1つ以上を含んで構成されてもよい。
【0081】
実施形態によれば、光源装置において、一対の動力提供部材支持台400は、所定の間隔を置いて互いに対向して配置されてもよい。一対の動力提供部材支持台400の間には、光提供部280と空気提供部が配置されてもよい。光提供部280は、光源260と隣接して配置され、光源260が生成する光を外部に提供する役割を果たすことができる。内視鏡100において、ライトガイドケーブルは、コネクタからユニバーサルコード、操作部、挿入部を経て先端部までつながる。
【0082】
このような構造によって、光源260が生成した光を先端部の照明手段に伝達することができる。コネクタ110の中央部には、光受容部116と空気受容部が配置されてもよく、使用者がコネクタ110をコネクタ受容部210に結合すると、光受容部116と空気受容部は、それぞれ光提供部280と空気提供部と結合して光と空気を伝達される準備をする。
【0083】
ここで、光提供部280と空気提供部は、中央支持台に据え置かれてもよく、中央支持台は、2つの動力提供部材支持台400の間に配置されてもよい。このような構造によって、コネクタ受容部210とコネクタ110を通過して中央部に光と空気が伝達される光通路が配置され、光と空気が伝達される光通路の両側に動力を提供するための一対の第2の結合部320が配置される。この構造は、動力と光を同時に伝達できる光源装置において、スペース効率を高められる利点がある。
【0084】
図9は、本発明の一実施形態による動力提供部材受容部に設けられたストッパと後方支持台を示し、
図10は、
図9の動力提供部材受容部において一対のストッパが形成する動力提供部材が移動することができる長さを側面から示したものである。
【0085】
本発明の別の実施形態による医療機器用動力提供装置200は、動力を生成する動力源410;前記動力源410から生成された動力を伝達する動力伝達部;前記動力伝達部から伝達された動力を医療機器に提供する動力提供部材300;
【0086】
前記動力提供部材300を支持し、前記動力提供部材300が動作可能に結合する動力提供部材結合部340を有する動力提供部材支持台400;および、前記動力提供部材300と隣接して配置され、前記動力提供部材300の動作範囲を制限するストッパ520(Stopper);のうちから1つ以上を含んで構成されてもよい。
【0087】
実施形態によれば、前記動力提供部材結合部340は、前記動力提供部材支持台400と前記動力提供部材300にそれぞれ形成されたレール結合構造を含んで構成されてもよい。
【0088】
実施形態によれば、ストッパ520(Stopper)構成は、動力提供部材300と隣接して配置されてもよく、動力提供部材300の動作範囲を制限する機能を果たすことができる。例えば、動力提供部材300が動力提供部材受容部450内で直線運動を行う際に、直線運動の一端(これを第1の端という)と他端(これを第2の端という)にそれぞれストッパ520が配置され、動力提供部材300が第1の端と第2の端との間でのみ動くように動作範囲を制限することができる。
【0089】
また、ストッパ520は、貫通スロット220の内側の上段と下段を閉鎖する役割を果たすことができる。貫通スロット220の内側の上段と下段は、開放された開口部を有してもよいが、動力提供装置200の外部から動力提供装置200のコネクタ受容部210側を見たときに、貫通スロット220の内側の上段と下段の開口部から動力提供装置200の内部の部品が見えてしまい、動力提供装置200の美観を損なう。
【0090】
また、貫通スロット220の内側の上段と下段の開口部を通して埃などの異物が動力提供装置200の内部に流入する可能性がある。本実施形態によるストッパ520構成は、貫通スロット220内側の上段と下段を閉鎖するカバーとしても機能するため、美観を向上させ、異物の流入を防ぎ、耐久性を向上させることができる。
【0091】
ストッパ520の形状は、動力提供部材300と隣接して配置され、動力提供部材300が第1の端と第2の端との間でのみ運動し、第1の端と第2の端との間から脱しないように動力提供部材300の動作範囲を制限する機能を果たす技術的思想の範囲内で様々な形状や構造を含んでもよい。
【0092】
ストッパ520の構成は、動力提供部材300の動作範囲を構造的に制限するのに十分な厚さと剛性、すなわち、動力源410であるモータの力に耐えるのに十分な厚さと剛性を有するように設計されてもよい。
【0093】
ストッパ520は、上段ストッパと下段ストッパの一対で備えられてもよく、一対のストッパ520は、それぞれ動力提供部材受容部450の第1の端と第2の端に配置されてもよい。実施形態によれば、上段ストッパは、動力提供部材受容部450の上段に配置されてもよく、下段ストッパは、動力提供部材受容部450の下段に配置されてもよい。
【0094】
また、上段ストッパは、動力提供部材300の上面と対向して配置されてもよく、下段ストッパは、動力提供部材300の下面と対向して配置されてもよい。ストッパ520は、実施形態によれば、プレート形状、突出部形状など、様々な形状に形成されてもよい。
【0095】
実施形態によれば、ストッパ520は、動力提供部材支持台400と一体形成されてもよい。実施形態によれば、ストッパ520は、動力提供部材受容部450の上面と下面とを含んでもよい。ストッパ520は、実施形態によれば、動力提供部材受容部450の上下面と後面を覆うカバー部材500を含んでもよい。
【0096】
実施形態によれば、ストッパ520と後方支持台510の構成は、一体形成されてもよい。実施形態によれば、ストッパ520と後方支持台510は、動力提供部材受容部450の上段と下段と後面を覆うL字型のカバー部材500であってもよい。
ストッパ520の作用プロセスについて詳しく説明する。
【0097】
内視鏡100の操作部で生成された制御命令信号は、コネクタ110を通過し、コネクタ受容部210を通過し、動力提供装置200に伝達されることができ、動力提供装置200の動力源制御部は、制御命令に対応して動力源410を制御することができる。動力源制御部は、動力源410がモータである場合、動力源410の回転方向、回転速度、回転力など、動力の生成を制御することができる。しがし、回転要素のある動力の生成および動力の伝達過程で、制御命令と提供される動力との間に誤差が生じることがあり、この誤差は、最終的に湾曲部の湾曲動作の精度を低下させるため、問題となる。
【0098】
したがって、動力が伝達される過程で動力提供部材300が直線往復運動する移動距離dを予め設定しておくことによって、湾曲動作の精度を保つことができ、使用者は湾曲部の先端部の位置を予測することができる。
【0099】
本実施形態によるストッパ520構成は、動力提供部材300の移動距離dを予め設定できるため、湾曲動作の精度を保つことができ、使用者である術者が先端部の位置を予測でき、湾曲部の正確な姿勢制御が可能となる。
【0100】
湾曲部の湾曲角度範囲は、上限値と下限値の間で決められてもよい。湾曲部が上下に湾曲動作を行う場合、例えば、第1の角度と第2の角度との間で湾曲されてもよく、左右に湾曲動作を行う場合、例えば、第3の角度と第4の角度との間で湾曲されてもよい。ここで、第1の角度と第2の角度は、上下に湾曲する際の上限値と下限値を、第3の角度と第4の角度は、左右に湾曲する際の上限値と下限値を意味し得る。
【0101】
動力提供部材300は、上段ストッパが位置している第1の端と下段ストッパが位置している第2の端との間を往復移動しながら湾曲部141を湾曲角度範囲内で動くように制御するが、ここで、上段ストッパが位置している第1の端は、湾曲部の湾曲角度範囲のうち前述した第1の角度に対応することができ、下段ストッパが位置している第2の端は、第2の角度に対応することができる。例えば、動力提供部材300が第1の端から第2の端に移動すると、湾曲部141は、第1の角度から第2の角度に湾曲されることができる。
【0102】
湾曲部141の湾曲角度範囲は、設定された値で予め決められていることが望ましい。湾曲部141の湾曲角度範囲は、例えば、第1の角度から第2の角度までのみ湾曲されるように設定されることが望ましい。そうすることで、内視鏡100が電動化し、コンピュータによって湾曲部141の精密な位置操作が可能になり、使用者である術者が湾曲部141の湾曲範囲を予測することができる。湾曲部は、患者の体内の管状器官内で動き、患者に致命的な損傷を与える可能性があるため、使用者である術者が湾曲範囲を予測することは重要である。
【0103】
本実施形態によるストッパ520構造は、動力提供部材300の移動距離Eおよび移動範囲を設定することにより、湾曲部141の湾曲動作が予め決められた湾曲角度範囲を正確に守るようにし、動力提供装置200が出力する応答の精度を向上させ、術者が湾曲部の湾曲角度範囲を予測できるようにする。
【0104】
動力提供部材支持台400は、動力伝達装置の制御パネル230が位置している前面部の内側面に位置してもよく、一対で構成されてもよい。一対の動力提供部材支持台400は、第1の動力提供部材支持台と第2の動力提供部材支持台で構成されてもよい。第1の動力提供部材支持台は、湾曲部の上下湾曲動作を行うための動力を提供することができ、第2の動力提供部材支持台は、湾曲部の左右湾曲動作を行うための動力を提供することができる。
【0105】
実施形態によれば、第1の動力提供部材支持台は、第1の動力提供部材受容部を有し、第2の動力提供部材支持台は、第2の動力提供部材受容部を有してもよい。
【0106】
実施形態によれば、第1の動力提供部材支持台は、第1の動力提供部材の移動を制限する一対の第1のストッパが備えられてもよく、第2の動力提供部材支持台は、第2の動力提供部材の移動を制限する一対の第2のストッパが備えられてもよい。
【0107】
一対の第1のストッパは、第1の上段ストッパと第1の下段ストッパとを含んでもよく、一対の第2のストッパは、第2の上段ストッパと第2の下段ストッパとを含んでもよい。
【0108】
実施形態によれば、第1の上段ストッパと第1の下段ストッパは、第1の動力提供部材受容部の両端部に備えられ、湾曲部の上下湾曲角度の範囲を制限することができる。また、第2の上段ストッパと第2の下段ストッパは、第2の動力提供部材受容部の両端部に備えられ、湾曲部の左右湾曲角度の範囲を制限することができる。
【0109】
実施形態によれば、製作者は、第1のストッパと第2のストッパを用いて湾曲部の湾曲角度の範囲を設定することができる。例えば、第1の上段ストッパと第1の下段ストッパとの間隔Eを第1の間隔とし、第2の上段ストッパと第2の下段ストッパとの間隔を第2の間隔としたときに、一対の第1のストッパの第1の間隔によって湾曲部の上下湾曲角度の範囲が設定されてもよく、一対の第2のストッパの第2の間隔によって湾曲部の左右湾曲角度の範囲が設定されてもよい。第1の間隔と第2の間隔は、同じでなくてもよく、独立に設定されてもよい。
【0110】
本実施形態によるストッパ520構造は、一対の第1のストッパの第1の間隔と一対の第2のストッパの第2の間隔をそれぞれ調節できるため、製作過程で湾曲部の上下湾曲角度の範囲と左右湾曲角度の範囲を設定できるという利点がある。
【0111】
一方、湾曲部が動力源410であるモータによって動力を提供されて湾曲される場合、モータに電源を供給する電源供給部に問題が生じたり、モータが故障したり、モータに突然過電流が流れたり、その他原因の分からないモータの異常動作などにより動力伝達手段がコネクタ110に過度な動力を提供することがある。
【0112】
このように突然動力が過度に供給される異常状況であっても、湾曲部は、患者の体内で設定された範囲内で湾曲動作を行わなければならない。そうでないと、患者の体内が損傷される可能性がある。
【0113】
本発明のストッパ520構造は、モータに異常動作が発生しても設定された湾曲角度範囲でのみ作動するように、動力提供部材受容部450の動力提供範囲を制限することにより、患者の安全を担保することができる安全装置(Safety Device)として機能する。
【0114】
一方、本発明の別の実施形態による医療機器用動力提供装置200は、動力を生成する動力源410;前記動力源410から生成された動力を伝達する動力伝達部;前記動力伝達部から伝達された動力を医療機器に提供する動力提供部材300;
【0115】
前記動力提供部材300を支持し、前記動力提供部材300が動作可能に結合する動力提供部材結合部340を有する動力提供部材支持台400;および、前記動力提供部材300と隣接して配置され、前記動力提供部材300が後方に押されることを抑制する後方支持台510(Rear Support);を含んで構成されてもよい。
実施形態によれば、動力提供部材結合部340は、動力提供部材支持台400と動力提供部材300にそれぞれ形成されたレール結合構造を含んでもよい。
【0116】
実施形態によれば、後方支持台510は、動力提供部材300と隣接して配置されてもよく、動力提供部材300が後方に押されることを抑制する機能を果たすことができる。
【0117】
すなわち、コネクタ110が結合される過程で動力提供部材300が第1の方向Pに押されるようになるが、後方支持台510が第1の方向Pと反対の第2の方向Qに反力を提供することにより、動力提供部材300が後方に押されることを抑制することができる。
【0118】
後方支持台510の形状は、動力提供部材300と隣接して配置され、動力提供部材300が後方に押されることを抑制する機能を果たす技術的思想の範囲内で多様な形状を含んでもよい。
【0119】
後方支持台510は、動力提供部材300の後方から一定間隔離隔して配置されてもよい。また、後方支持台510は、動力提供部材300の後面と対向して配置されてもよい。後方支持台510は、実施形態によれば、プレート形状、突出部形状など、様々な形状で構成されてもよい。
【0120】
実施形態によれば、後方支持台510は、動力提供部材支持台400と一体形成されてもよい。実施形態によれば、後方支持台510は、動力提供部材受容部450の一面を含んでもよい。後方支持台510は、実施形態によれば、動力提供部材受容部450の後面を構成する部材を含んでもよい。
【0121】
動力提供部材受容部450は、上段と下段にそれぞれ動力提供部材300のスライド移動を抑制するストッパ520が位置してもよく、実施形態によれば、ストッパ520と後方支持台510は、一体形成されてもよい。実施形態によれば、ストッパ520と後方支持台510は、動力提供部材受容部450の上段と下段と後面を覆うL字型のカバー部材500であってもよい。
後方支持台510の作用プロセスについて詳しく説明する。
【0122】
動力提供部材300と動力提供部材受容部450が形成するレール構造、すなわち、動力提供部材結合部340は、微細な離隔を有するように設計されてもよい(離隔がないとスライド動作ができなくなる)。これにより、使用者がコネクタ110を動力提供装置200のコネクタ受容部210に結合させる過程で、動力提供部材300がレール構造の離隔によって後方に押されても所定の位置で後方支持台510と接触するようになり、動力提供部材300の後方への移動が阻止される。すなわち、動力提供部材300が後方支持台510によって止められ、それ以上後方に押されなくなる。
【0123】
使用者がコネクタ110を動力提供装置200のコネクタ受容部210に結合する過程で、第1の結合部112と第2の結合部320とが互いに結合する。ここで、第1の結合部112は、第1の方向に押し入って第2の結合部320を含む動力提供部材300を瞬間的に押圧する。すなわち、動力提供部材300と動力受容体の両構成間で物理的な衝突が生じる。動力提供部材300は、一次的に動力提供部材結合部340によって支持され、後方に押されることが抑制される。しがし、動力提供部材結合部340の主な機能は、動力提供部材300が特定の方向に動作できるように支持することである。
【0124】
したがって、動力提供部材結合部340に繰り返して衝撃が伝わると、動力提供部材結合部340が歪んだり破損したりする可能性があり、動力提供部材結合部340が破損すると、動力提供部材結合部340に乗って移動する動力提供部材300のスライド動作に障害が起きる。
【0125】
実施形態によれば、動力提供部材300は、直線運動を行う方式で動力を提供することができる。また、実施形態によれば、医療機器は、被検体内の映像情報を収集するために、被検体内に挿入され、湾曲動作を行う湾曲部を有してもよく、この場合、動力提供部材300の運動の範囲は、湾曲部の湾曲角度範囲に対応することができる。
【0126】
動力提供部材300が前述した方式で直線運動する場合、動力提供部材300の動きを妨げる小さな要因によって動力伝達の精度に問題が生じることがあり、これは、最終的に湾曲部の正確な位置移動を妨げ、内視鏡による検査や治療において大きな問題となり得る。
【0127】
また、実施形態によれば、動力提供部材支持台400が有する胴体部と動力提供部材受容部450が垂直に配置される構造において、動力提供部材300に形成されたラックギヤ330は、動力源410から直接延在形成される駆動軸411とピニオンギヤ412と噛み合うが、この構造において、動力提供部材300が後方に押し込んできた場合、ピニオンギヤ412を支える駆動軸411が歪んだり破損したりする可能性がある。この場合、動力伝達の精度が低下したり、伝達そのものができなくなったりすることもあるため、問題となる。
【0128】
使用者は、コネクタ110とコネクタ受容部210との間に電気的接触がうまく行われないことを懸念して習慣的にコネクタ110をコネクタ受容部210側に強く押し込む。その反作用からコネクタ受容部210は、コネクタ100を同様に強く押し込むようになる。
【0129】
動力提供部材300は、動力提供部材受容部450とレール構造によって結合しているため、ある程度の衝撃には耐えることはできるが、前述したように、レール構造だけでは繰り返しの脱着による疲労(Fatigue)に耐えることができない。
【0130】
コネクタ110の繰り返しの脱着による疲労(Fatigue)により、最終的に動力提供部材300と動力提供部材受容部450のレール構造に変形が生じて故障が発生する。
【0131】
本発明において、動力提供部材受容部450は、動力提供部材300の後方への移動を抑制する後方支持台510の構成を有することにより、使用者がコネクタ110をコネクタ受容部210に強く押し込んで挿入しても後方支持台510が動力提供部材300の後方への移動を抑制することにより、動力提供部材300と動力提供部材受容部450が有するレール構造を保護し、内視鏡の耐久性と応答精度を向上させる。
【0132】
一方、実施形態によれば、ストッパ520は、動力伝達部材300の接触を感知するセンサを含んでもよい。ここで、センサは、接触式センサと非接触式センサを含んでもよい。センサを通して動力伝達部材300がストッパ520に接触する強度が基準値以上であることを認識した場合、動力源制御部は、ストッパ520の機械的損傷を防ぐためにモータ制御アルゴリズムを作動させ、動力伝達部材300とストッパ520との接触衝撃を最小限に抑えることができる。
【0133】
本発明の明細書(特に特許請求の範囲)における「前記」という用語およびそれに類似した指示用語の使用は、単数および複数の両方に該当するものであり得る。また、本発明において範囲(range)を記載した場合、上記範囲に属する個別の値を適用した発明を含むものであり(それに反する記載がない場合)、発明の詳細な説明に上記範囲を構成する各個別の値を記載したものと同様である。
本発明による方法を構成するステップに関して、明白な順序の記載またはそれに反する記載がなければ、上記ステップは適切な順序で行うことができる。本発明は、必ずしも上記ステップの記載順序に限定されるものではない。本発明における全ての例または例示的な用語(例えば、など)の使用は、単に本発明を詳細に説明するためのものであり、特許請求の範囲により限定されない限り、上記例または例示的な用語により本発明の範囲が限定されるわけではない。また、当業者は、様々な修正、組み合わせおよび変更が加えられた特許請求の範囲またはその均等物の範疇内で設計条件および要因に応じて構成できることを理解するであろう。
よって、本発明の思想は、上述した実施形態に限定されて定められてはならず、添付の特許請求の範囲だけでなく、その特許請求の範囲と均等なまたはそれから等価的に変更された全ての範囲は、本発明の思想の範疇に属するといえる。
【符号の説明】
【0134】
100:内視鏡
110:コネクタ
111:動力受容体
112:第1の結合部
113:ベース部
114:前面カバー
115:開口部
120:ユニバーサルコード
130:操作部
131:制御手段
140:挿入部
141:湾曲部
200:動力提供装置
210:コネクタ受容部
220:貫通スロット
230:制御パネル
240:ハウジング
250:制御命令受信部
260:光源
270:エアーポンプ
280:光提供部
300:動力提供部材
310:本体部
320:第2の結合部
321:凹部
330:ラックギヤ
340:レール構造(動力提供部材結合部)
400:動力提供部材支持台
410:動力源
411:駆動軸
412:ピニオンギヤ
420:位置情報収集部
430:底面固定部
440:胴体部
441:駆動軸貫通孔
450:動力提供部材受容部
451:レール側壁
500:カバー部材
510:後方支持台
520:ストッパ
【国際調査報告】