(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】モジュール式消耗品を備えたハイブリッド型エアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/10 20200101AFI20241114BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20241114BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20241114BHJP
【FI】
A24F40/10
A24F40/40
A24F40/465
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534386
(86)(22)【出願日】2022-12-05
(85)【翻訳文提出日】2024-06-07
(86)【国際出願番号】 EP2022084428
(87)【国際公開番号】W WO2023104720
(87)【国際公開日】2023-06-15
(32)【優先日】2021-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ペン チェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン イウー チー
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ ロドリゲス アルヴェス
(72)【発明者】
【氏名】カリ リカルド
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB14
4B162AB21
4B162AC06
4B162AC22
4B162AC27
4B162AC41
(57)【要約】
本発明は、エアロゾル発生装置(16)および当該エアロゾル発生装置のための消耗品(10)を備えるエアロゾル発生システムに関する。エアロゾル発生装置は、消耗品を受容するための空洞(18)、および、消耗品が空洞内に受容されたときに消耗品を少なくとも部分的に加熱するように配設された第一の発熱体(20、22)を備え得る。エアロゾル発生装置は、気流チャネル(14)をさらに備え得る。気流チャネルは、装置を通って空洞の中に空気を導くように配設され得る。消耗品は、管状壁(12)を含み得る。管状壁は、消耗品の遠位開口部から反対側の消耗品の近位開口部まで延び得る。消耗品は、消耗品が空洞内に受容されたときに、気流チャネルから空洞内に流れ込む空気が消耗品の遠位開口部内に流れ込むように配設され得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置および、前記エアロゾル発生装置のための消耗品を備えるエアロゾル発生システムであって、前記エアロゾル発生装置が、
前記消耗品を受容するための空洞、
前記消耗品が前記空洞内に受容されたときに、前記消耗品を少なくとも部分的に加熱するように配設される第一の発熱体、および
前記装置を通って前記空洞の中に空気を導くように配設される気流チャネル、を備え、
前記消耗品が、
管状壁であって、前記管状壁が、前記消耗品の遠位開口部から前記消耗品の反対側の近位開口部まで延び、前記管状壁が、3mm~7mmの厚さを有し、前記消耗品が、前記管状壁の内表面および前記管状壁の外表面のうちの一方または両方上に感覚媒体の層を含む、管状壁、を備え、
前記消耗品が、前記消耗品が前記空洞内に受容されたときに、前記気流チャネルから前記空洞内に流れ込む空気が前記消耗品の前記遠位開口部内に流れ込むように配設される、エアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記エアロゾル発生装置が、液体エアロゾル形成基体を含有する液体貯蔵部分をさらに含む、請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記エアロゾル発生装置が、前記液体エアロゾル形成基体を揮発するように構成された第二の発熱体をさらに備える、請求項2に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記第二の発熱体が、前記空洞の上流の前記液体エアロゾル形成基体を揮発するように配設される、請求項3に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記エアロゾル発生装置が、空気吸込み口をさらに備え、前記空気吸込み口が、前記空洞から遠位に、かつ前記液体貯蔵部分から近位に配設される、請求項4に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記第二の発熱体が抵抗発熱体であり、好ましくは、前記第二の発熱体がウィックを少なくとも部分的に囲むように配設された加熱コイルであり、前記ウィックが、前記液体エアロゾル形成基体を前記加熱コイルに向かってウィッキングするために前記液体貯蔵部分内に延びる、請求項3~5のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記エアロゾル発生装置が、前記液体貯蔵部分内に延びるウィックをさらに含み、前記第二の発熱体が、前記ウィックの周りに配設された加熱コイルである、請求項6に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記第一の発熱体が、誘導発熱体である、請求項1~7のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
前記第一の発熱体が、誘導コイルおよび管状サセプタを備え、前記管状サセプタが、前記空洞の遠位部分を囲むように配設される、請求項8に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記感覚媒体が、前記管状壁の内表面および前記管状壁の外表面の一方または両方上に被覆されるか、または塗布される、または含浸される風味剤である、請求項1~9のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記消耗品が、前記管状壁を囲むチッピングペーパーを含む、請求項1~10のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記消耗品が、前記管状壁および前記管状壁の前記内表面上の感覚媒体の層から構成されるか、または前記消耗品が、前記管状壁および前記管状壁の前記内表面上の感覚媒体の層、および前記管状壁を囲むチッピングペーパーから構成される、請求項1~11のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記消耗品が、たばこを含まない、請求項1~12のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記空洞が、請求項10~14のいずれかに記載の消耗品、またはより大きな直径を有するたばこを含む消耗品を受容するように寸法設定される、請求項1~13のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
吸入可能なベイパーを生成するためのエアロゾル発生装置を提供することが知られている。こうした装置は、エアロゾル形成基体を燃焼させることなく、エアロゾル形成基体の一つ以上の成分が揮発する温度までエアロゾル形成基体を加熱し得る。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品など消耗品の一部として提供され得る。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の空洞(加熱チャンバーなど)の中へのエアロゾル発生物品の挿入のためにロッド形状を有し得る。エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の加熱チャンバーの中へと挿入されると、エアロゾル形成基体を加熱するために、加熱チャンバーの中またはその周りに発熱体を配設することができる。ニコチンの送達をさらに可能にするため、または生成されたエアロゾルの風味に影響を与えるため、またはエアロゾルの品質を改善するために、エアロゾル発生装置は、加熱チャンバーの上流に液体貯蔵部分を備え得る。液体貯蔵部分は、液体エアロゾル形成基体を含み得る。液体エアロゾル形成基体は、ニコチンと風味剤のうちの一つ以上を含有し得る。エアロゾル発生装置および消耗品を備えるこの従来的なエアロゾル形成システムでは、消耗品が加熱チャンバー内に受容される場合に使用が制限され得る。
【0003】
システムを使用するための柔軟性が増したエアロゾル発生システムが望ましい。専用の消耗品がなくとも使用可能なエアロゾル発生システムが望ましい。生成されたエアロゾルの風味を強化または変化させる柔軟性を有するエアロゾル発生システムが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一実施形態によれば、エアロゾル発生装置およびエアロゾル発生装置用の消耗品を備えるエアロゾル発生システムが提供される。エアロゾル発生装置は、消耗品を受容するための空洞、および、消耗品が空洞内に受容された時に消耗品を少なくとも部分的に加熱するように配設された第一の発熱体を備え得る。エアロゾル発生装置は、気流チャネルをさらに含み得る。気流チャネルは、装置を通って空洞の中に空気を導くように配設され得る。消耗品は、管状壁を含み得る。管状壁は、消耗品の遠位開口部から反対側の消耗品の近位開口部まで延び得る。消耗品は、消耗品が空洞内に受容されたときに、気流チャネルから空洞内に流れ込む空気が消耗品の遠位開口部内に流れ込むように配設され得る。
【0005】
本発明の一実施形態によれば、エアロゾル発生装置およびエアロゾル発生装置用の消耗品を備えるエアロゾル発生システムが提供される。エアロゾル発生装置は、消耗品を受容するための空洞、および、消耗品が空洞内に受容された時に消耗品を少なくとも部分的に加熱するように配設された第一の発熱体を備える。エアロゾル発生装置は、気流チャネルをさらに含む。気流チャネルは、装置を通って空洞の中に空気を導くように配設される。消耗品は、管状壁を含む。管状壁は、消耗品の遠位開口部から反対側の消耗品の近位開口部まで延びる。消耗品は、消耗品が空洞内に受容された時に、気流チャネルから空洞内に流れ込む空気が消耗品の遠位開口部内に流れ込むように配設される。
【0006】
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1Aおよび1Bは、エアロゾル発生装置および消耗品を備えるエアロゾル発生システムを示す。
【
図2】
図2Aおよび2Bは、エアロゾル発生装置および、感覚媒体を含む消耗品を備えるエアロゾル発生システムを示す。
【
図3】
図3Aおよび3Bは、エアロゾル発生装置および消耗品を備えるエアロゾル発生システムを示し、装置は電源を備える。
【発明を実施するための形態】
【0008】
消耗品の全長にわたって延びる管状壁を有する消耗品を提供することにより、空気の流れが妨げられない消耗品をもたらされる。
【0009】
管状壁は、好ましくは、管状セルロース系壁である。
【0010】
管状壁を管状セルロース系壁として提供することにより、製造しやすい消耗品がもたらされる。管状壁を管状セルロース系壁として提供することにより、低コストの消耗品がもたらされる。
【0011】
管状壁は、管状金属化紙壁であり得る。管状壁は、管状金属-紙積層壁であり得る。
【0012】
管状壁は、3mm~7mm、好ましくは4mm~6mm、より好ましくは3.5mm~5.75mmの厚さを有し得る。
【0013】
こうした厚さを有する管状壁は、消耗品に寸法安定性を提供し得る。
【0014】
管状壁は、消耗品の内側に水分が形成されるのを防止するような空隙率を有し得る。管状壁は、消耗品の内側に水分が凝縮するのを防止するような空隙率を有し得る。第一の発熱体は、管状壁に吸収された水分および結露のうちの一方または両方を加熱して、水分および結露のうちの一方または両方の蓄積を防止し得る。
【0015】
管状壁は、エアロゾル発生装置の動作中に、ベイパーが管状壁を通って漏れ、消耗品の心地よい風味を作り出すような空隙率を有し得る。
【0016】
管状壁の管形状は、消耗品気流チャネルを形成し得る。消耗品気流チャネルは、消耗品を貫通して中央に配設され得る。消耗品気流チャネルは、管状壁によって囲まれ得る。消耗品気流チャネルは、真っ直ぐであり得る。消耗品気流チャネルは、2.5mm~8.75mm、より好ましくは3mm~7mmの半径を有し得る。
【0017】
消耗品は、4.1mm~9mm、好ましくは4.5mm~7.7mmの外径を有し得る。消耗品は、34mm~108mm、好ましくは50mm~70mmの長さを有し得る。
【0018】
エアロゾル発生装置は、液体エアロゾル形成基体を含有する液体貯蔵部分をさらに含み得る。
【0019】
エアロゾル発生装置は、ハイブリッド式装置として構成され得る。液体エアロゾル形成基体を含有する液体貯蔵部分は、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成され得る。空洞内に受容された消耗品は、生成されたエアロゾルに風味を与えるように構成され得る。
【0020】
液体貯蔵部分の液体エアロゾル形成基体を介して生成されるエアロゾルは、空洞の上流のエアロゾル発生装置によって生成され得る。生成されたエアロゾルは、空洞の中に、そして消耗品の消耗品気流チャネルの中に流れ込み得る。消耗品気流チャネルでは、風味は消耗品を介してエアロゾルに添加され得る。その後、選択された風味を有するエアロゾルは、消耗品の近位開口部から流れ出て、ユーザーの口内に流れ込み得る。
【0021】
様々なタイプの消耗品が空洞内に受容され得る。結果として、ユーザーは、様々なタイプの消耗品を選択することによって風味を選択し得る。このようにして、エアロゾル発生装置のエアロゾル発生をカスタマイズすることができる。エアロゾル自体は常に液体貯蔵部分の液体エアロゾル形成基体を介して生成され得る一方、エアロゾルの風味は、空洞内に受容された消耗品のタイプに応じて変化し得る。
【0022】
エアロゾル発生装置は、液体エアロゾル形成基体を揮発するように構成された第二の発熱体をさらに備え得る。
【0023】
第二の発熱体は、液体エアロゾル形成基体を加熱し得る。第二の発熱体は、空洞の上流でエアロゾルを生成する機能を有し得る。
【0024】
揮発した液体エアロゾル形成基体は、揮発した液体エアロゾル形成基体が消耗品気流チャネルを通る間に冷却され得る。揮発した液体エアロゾル形成基体の冷却中に小さな液滴が形成され、それによって改善された吸入可能なエアロゾルが生成され得る。
【0025】
第二の発熱体は、空洞の上流の液体エアロゾル形成基体を揮発するように配設され得る。
【0026】
これは、加熱された揮発液体エアロゾル形成基体が、消耗品気流チャネルを通って流れる間に冷却され得るという利点を有し得る。最終的なエアロゾルがユーザーの口に達するとき、生成されたエアロゾルの液滴サイズならびに生成されたエアロゾルの温度は、吸入には最適であり得る。
【0027】
エアロゾル発生装置は、空気吸込み口をさらに含み得る。空気吸込み口は、空洞から遠位に、かつ液体貯蔵部分から近位に配設され得る。
【0028】
空気吸込み口は、エアロゾル発生装置のハウジングに配設され得る。空気吸込み口は、横方向の空気吸込み口であり得る。周囲空気は、空気吸込み口を介してエアロゾル発生装置の中に引き込まれ得る。周囲空気は、エアロゾル発生装置の中に横方向に引き込まれ得る。
【0029】
空気吸込み口は、装置気流チャネルと流体接続され得る。装置気流チャネルは、周囲空気を、第二の発熱体に対して、その上に、およびその周りのうちの一つ以上に導くように構成され得る。
【0030】
したがって、周囲空気は、第二の発熱体によって加熱される揮発したエアロゾル形成基体に巻き込まれ得る。装置気流チャネルは、周囲空気と揮発したエアロゾル形成基体との混合物を、消耗品が受容される空洞に向けて導くようにさらに構成され得る。揮発したエアロゾル形成基体と周囲空気の混合物は、装置気流チャネルを介して、消耗品気流チャネルの中に導かれ得る。
【0031】
第二の発熱体は、抵抗発熱体であり得る。
【0032】
エアロゾル発生装置は、液体貯蔵部分の中に延びるウィックをさらに備え得る。第二の発熱体は、ウィックの周りに配設された加熱コイルであり得る。
【0033】
第一の発熱体は、誘導発熱体であり得る。
【0034】
第一の発熱体は、190℃~280℃の温度に、より好ましくは210℃~270℃の温度に加熱されるように構成され得る。
【0035】
第一の発熱体は、誘導コイルおよび管状サセプタを備え得る。管状サセプタは、空洞の遠位部分を囲むように配設され得る。
【0036】
第一の発熱体は、消耗品が空洞内に受容されたときに、消耗品の遠位部分を加熱するように配設され得る。消耗品の遠位部分を加熱することにより、消耗品の風味剤が放出され得る。放出された風味剤は、消耗品気流チャネルを通して引き込まれるエアロゾルに風味を添加し得る。
【0037】
消耗品は、管状壁の内表面および管状壁の外表面のうちの一方または両方上に感覚媒体の層を含み得る。
【0038】
感覚媒体は、風味剤であり得る。感覚媒体は、香料化合物であり得る。感覚媒体は、ゲルとして提供され得る。ゲルは、スプレーコーティングまたは類似の標準的な製造プロセスで適用されるのに十分な流動性を有し得る。感覚媒体は、0.1~80重量%のメントール、1~60重量%のゲル化剤、および0.1~50重量%のエアロゾル形成体を含み得る。ゲル化剤は、アルギネートおよびペクチンを含み得る。アルギネートとペクチンの比率は、3:1~10:1であり得る。ゲル化剤は、カルシウム架橋アルギネートを含み得、これはα-(1-4)-結合L-グルロン酸(G)単位を含み得る。エアロゾル形成体は、揮発性の高い材料を含み得る。エアロゾル形成体は、例えばトリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、およびグリセリンなどの多価アルコール、グリセロールモノトリアセテート、グリセロールジアセテート、またはグリセロールトリアセテートなどの多価アルコールのエステル、ならびにジメチルドデカン二酸およびテトラデカン二酸ジメチルなどモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル、のうちの一つ以上、ならびに、エアロゾル材料のベース担体として、代表的なプロピレングリコール(PG)と植物性グリセリン(VG)、また主要担体として水性エアロゾル形成体を含み得る。水分の揮発のための熱は、装置の動作中に十分であり得るため、以前のエアロゾル形成体材料の代わりに水が使用され得る。したがって、水性担体は、持続可能な解決策として使用され得る。代替的に、感覚媒体として、風味分子を含有するワックスは、約0.03~0.7mmの厚さを有する被覆層として用いられ得る。セルロース系壁の性質上、一定量のコーティング材料は、繊維状基体上に自然に含浸または塗布される。セルロース系壁の内表面の7%~41%、好ましくは11%~38%は、感覚媒体で含浸され得る。セルロース系壁の内表面は、好ましくは多孔性である。
【0039】
管状壁は、セルロース系、紙系、箔の少なくとも一つの内部層で作製され得る。代替的に、管状壁は、セルロースアセテートトウおよびその他の繊維系材料、好ましくは高保持および放出材料のうちの一つ以上を含み得る。
【0040】
感覚媒体は、管状壁の内表面および管状壁の外表面のうちの一方または両方の上に被覆されるかその中に含浸され得る。
【0041】
感覚媒体は、感覚媒体が加熱されたときに放出されるように構成され得る。感覚媒体は、第一の発熱体を介して加熱され得る。感覚媒体は、加熱された揮発性液体エアロゾル形成基体が消耗品を通って流れ、その結果、感覚媒体を通過することによって加熱され得る。
【0042】
感覚媒体は、消耗品が空洞内に受容されたときに、第一の発熱体によって囲まれた消耗品の遠位部分に配設され得る。
【0043】
代替的に、感覚媒体は、消耗品の全長にわたって配設され得る。言い換えれば、感覚媒体は、消耗品の近位開口部から消耗品の遠位開口部まで配設され得る。感覚媒体は、管状壁の内表面を少なくとも部分的に、好ましくは完全に覆い得る。
【0044】
感覚媒体は、感覚媒体層または感覚媒体膜として構成され得る。
【0045】
消耗品は、管状壁を囲むチッピングペーパーを含み得る。チッピングペーパーは、紙系材料で作製され得る。
【0046】
消耗品は、管状壁および管状壁の内表面上の感覚媒体の層から構成され得るか、または消耗品は、管状壁および管状壁の内表面上の感覚媒体の層、および管状壁を囲むチッピングペーパーから構成され得る。言い換えれば、消耗品は、管状壁を除くいかなる他の要素も含まず、感覚媒体または消耗品は、管状壁、感覚媒体、およびチッピングペーパーを除くいかなる他の要素も含まなくてよい。
【0047】
こうした単純な消耗品を提供することにより、消耗品の製造コストの低減がもたらされ得る。同時に、第二の発熱体による液体貯蔵部分の液体エアロゾル形成基体の揮発による装置でのエアロゾルの生成と、単純な消耗品の組み合わせによって、複合エアロゾルが生成され得る。
【0048】
こうしたハイブリッド装置では、消耗品はエアロゾルに風味を添加する機能を有し得る。追加的に、または代替的に、消耗品は、揮発性エアロゾル形成基体が吸入可能なエアロゾルを生成するための冷却チャネルを提供する機能を有し得る。
【0049】
消耗品はたばこを含まなくてもよい。
【0050】
空洞は、本明細書に記載の通りの消耗品、またはより大きな直径を有するたばこを含む消耗品を受容するように寸法設定され得る。
【0051】
この実施形態は、エアロゾル発生システムの柔軟性をさらに改善する。本明細書に記載の単純なたばこを含まない消耗品に加え、たばこを含むより複雑な消耗品は、代替的に空洞内に受容され得る。
【0052】
本発明はさらに、エアロゾル発生装置のための消耗品に関し、当該消耗品は、本明細書に記載の消耗品の特徴のうちのいずれかを含む。
【0053】
特に、消耗品は、本明細書に記載の通りの管状壁を含み得、好ましくは、消耗品の遠位開口部から消耗品の反対側の近位開口部まで延びる。
【0054】
特に、本明細書で説明する通り、空気は消耗品の遠位開口部の中に流れ込み、消耗品を通って、消耗品の近位開口部から流れ出得る。
【0055】
特に、本明細書で説明する通り、消耗品は、管状壁の内表面および管状壁の外表面のうちの一方または両方上に感覚媒体の層を含み得る。
【0056】
特に、感覚媒体は、本明細書で説明する通り、管状壁の内表面および管状壁の外表面のうちの一方または両方の上に被覆されるか、またはその中に含浸され得る風味剤であり得る。
【0057】
特に、消耗品は、本明細書で説明する通り、管状壁を囲むチッピングペーパーを含み得る。
【0058】
特に、本明細書で説明する通り、消耗品は、管状壁および管状壁の内表面上の感覚媒体の層から構成され得るか、または消耗品は、管状壁および管状壁の内表面上の感覚媒体の層、および管状壁を囲むチッピングペーパーから構成され得る。
【0059】
特に、本明細書で説明する通り、消耗品はたばこを含まなくてもよい。
【0060】
エアロゾル発生装置の空洞は、その中に消耗品が挿入される開放端を有し得る。開放端は近位端であり得る。空洞は、開放端の反対側に閉鎖端を有し得る。閉鎖端は、空洞の基部であり得る。閉鎖端は、基部内に配設された空気開口部を除き、閉鎖されていてもよい。空気開口部は、装置気流チャネルと流体接続され得る。代替的に、装置気流チャネルは、単一の開口部を介して空洞の中に直接導かれ得る。空洞の基部は、平坦であり得る。空洞の基部は、円形状であり得る。空洞の基部は、空洞の上流に配設され得る。開放端は、空洞の下流に配設され得る。空洞は、細長い延長を有し得る。空洞は、長軸方向中心軸を有し得る。長軸方向は、長軸方向中心軸に沿って開放端と閉鎖端の間に延びる方向であり得る。空洞の長軸方向中心軸は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸と平行であるか、またはそれに沿ってもよい。
【0061】
空洞は、加熱チャンバーとして構成され得る。空洞は、円筒状形状を有し得る。空洞は、中空円筒状形状を有し得る。空洞は、空洞内に受容される消耗品の形状に対応する形状を有し得る。空洞は、円形断面を有し得る。空洞は、楕円形または長方形断面を有し得る。空洞は、消耗品の外径に対応する内径を有し得る。
【0062】
液体貯蔵部分内の液体エアロゾル形成基体を第二の発熱体にウィッキングさせるために配設された毛細管材料は、繊維状または海綿状の構造を有し得る。毛細管材料は、好ましくは毛細管の束を含む。例えば、毛細管材料は複数の繊維もしくは糸、またはその他の微細チューブを含み得る。繊維または糸は概して、液体を第二の発熱体に運ぶように整列され得る。代替的に、毛細管材料は海綿状または発泡体状の材料を含み得る。毛細管材料の構造は、複数の小さい穴またはチューブを形成し、それを通して液体を毛細管作用によって移動することができる。毛細管材料は任意の適切な材料または材料の組み合わせを含み得る。適切な材料の例は、海綿体もしくは発泡体材料、繊維もしくは焼結粉末の形態のセラミック系または黒鉛系の材料、発泡性の金属材料もしくはプラスチック材料、繊維質材料、例えば紡糸繊維または押出成形繊維(セルロースアセテート、ポリエステル、または結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、エチレンもしくはポリプロピレン繊維、ナイロン繊維またはセラミックなど)で作製された繊維質材料である。毛細管材料は、異なる液体物理特性で使用されるように、任意の適切な毛細管現象および空隙率を有し得る。液体は、毛細管作用によって液体が毛細管材料を通して移動されることを可能にする粘度、表面張力、密度、熱伝導率、沸点、および蒸気圧を含むがこれに限定されない物理的特性を有する。毛細管材料は、エアロゾル形成基体を第二の発熱体に運ぶように構成され得る。毛細管材料は、第二の発熱体の隙間の中に延び得る。好ましくは、本明細書で説明する通り、第二の発熱体は毛細管材料を囲む抵抗加熱コイルとして構成される。
【0063】
毛細管材料は、液体貯蔵部分に保持された液体と接触するように配設され得る。毛細管材料は、液体貯蔵部分の中に延び得る。この場合、使用時に、毛細管作用によって液体が液体貯蔵部分から第二の発熱体に向かって移動し得る。毛細管材料は、第一の端および第二の端を有し得る。第一の端は、液体貯蔵部分内に保持された液体エアロゾル形成基体を第二の発熱体に引き込むために、液体貯蔵部分の中に延び得る。毛細管材料の第二の端は、第二の発熱体によって囲まれ得る。
【0064】
エアロゾル発生装置は、電気回路を備え得る。電気回路は、マイクロプロセッサを備え得、これはプログラマブルマイクロプロセッサであり得る。マイクロプロセッサは、コントローラの一部であり得る。電気回路は、さらなる電子構成要素を備え得る。電気回路は、第一の発熱体および第二の発熱体の一方または両方への電力供給を調節するよう構成され得る。電力は、エアロゾル発生装置の起動に続いて連続的に、または吸煙の都度、断続的に、第一の発熱体および第二の発熱体の一方または両方に供給され得る。電力は、第一の発熱体および第二の発熱体の一方または両方に電流パルスの形態で供給され得る。電気回路は、第一の発熱体および第二の発熱体の一方または両方の電気抵抗を監視するように、好ましくは、第一の発熱体および第二の発熱体の一方または両方の電気抵抗に依存して、第一の発熱体および第二の発熱体の一方または両方への電力供給を制御するように構成され得る。
【0065】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置の主本体内に電源、典型的には電池を備え得る。一実施形態では、電源はリチウムイオン電池である。代替的に、電源は、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リン酸鉄リチウム電池、チタン酸リチウム、もしくはリチウムポリマー電池)であり得る。代替として、電源は、コンデンサなどの別の形態の電荷蓄積装置であり得る。電源は、再充電を必要とする場合があり、また一回以上の使用体験のために十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有してもよい。例えば、電源は約六分間、または六分の倍数の時間にわたってエアロゾルを連続的に発生するのに十分な容量を有し得る。別の実施例では、電源は、所定の吸煙回数、または第一の発熱体および第二の発熱体のうちの一方または両方の不連続的な起動を提供するために十分な容量を有し得る。
【0066】
エアロゾル発生装置のハウジングの壁には、少なくとも一つの空気吸込み口が提供され得る。空気吸込み口は、半開放入口であり得る。半開放入口は、装置の中へなどの一方向での空気または流体の流れを許容するが、反対方向での空気または流体の流れを少なくとも制限する、好ましくは禁止する入口であり得る。半開放入口は、好ましくは、空気がエアロゾル発生装置に入ることを可能にする。空気または液体は、半開放入口を通してエアロゾル発生装置から出るのを防止され得る。半開放入口は、例えば、半透過性の膜であり得、空気については一方向でのみ透過性であるが、反対方向では気密かつ液密である。半開放入口はまた、例えば、一方向弁であり得る。半開放入口は、例えば、エアロゾル発生装置の最小限の押圧、または弁もしくは膜を通過する空気の堆積といった特定の条件が満たされる場合にのみ、空気が入口を通過するのを可能にすることが好ましい。
【0067】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる一つ以上の揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出され得る。エアロゾル形成基体は、好ましくは、液体貯蔵部分内に液体状で提供される。
【0068】
エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体である。揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出され得る。エアロゾル形成基体は、植物由来材料を含み得る。エアロゾル形成基体は、たばこを含み得る。エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性たばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含み得る。代替的に、エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含み得る。エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含み得る。
【0069】
エアロゾル形成基体は、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含み得る。エアロゾル形成体は、使用時に高密度かつ安定したエアロゾルの形成を容易にし、またシステムの動作温度において熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。エアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、およびグリセリンなど)であってもよい。エアロゾル形成体は、プロピレングリコールであってもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンとプロピレングリコールとの両方を含み得る。
【0070】
エアロゾル形成基体は、液体状で提供され得る。液体エアロゾル形成基体は、その他の添加物および成分、例えば風味剤などを含み得る。液体エアロゾル形成基体は、水、溶媒、エタノール、植物抽出物、および天然風味または人工風味を含み得る。液体エアロゾル形成基体は、ニコチンを含み得る。液体エアロゾル形成基体は、約0.5%~約10%(例えば、約2%)のニコチン濃度を有し得る。液体エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の液体貯蔵部分内に含まれ得、その場合、エアロゾル発生物品はカートリッジとして表示され得る。
【0071】
好ましくは、液体エアロゾル形成基体は、風味剤を含まない。風味剤は、好ましくは、消耗品によって提供される。特に、風味剤は、消耗品の感覚媒体によって好ましくは提供され、一方で液体エアロゾル形成基体は単純にエアロゾルを生成するために提供される。特に、液体エアロゾル形成基体は、エアロゾルを生成するように構成され、ニコチンを含むことが好ましい。一方で、消耗品は、好ましくはエアロゾルに風味を提供するように構成される。
【0072】
エアロゾル発生装置の動作は、吸煙検出システムによってトリガされ得る。代替的に、エアロゾル発生装置は、オンオフボタンを押すことによってトリガされ、ユーザーの吸煙の持続時間にわたって持続され得る。吸煙検出システムはセンサーとして提供され得、これは気流速度を測定するための気流センサーとして構成され得る。気流速度は、エアロゾル発生装置の気流チャネルを通してユーザーによって引き込まれる時間当たりの空気の量を特徴付けるパラメータである。吸煙の開始は、気流が所定の閾値を超える時に、気流センサーによって検出され得る。開始はまた、ユーザーがボタンを起動後に検出され得る。
【0073】
センサーは、圧力センサーとして構成され、吸煙の間にユーザーによって装置の気流チャネルを通って引き込まれるエアロゾル発生装置内の空気の圧力を測定することができる。センサーは、エアロゾル発生装置の外側の周囲空気の圧力とユーザーによって装置を通して引き込まれる空気の圧力との間の圧力差または圧力降下を測定するように構成され得る。空気の圧力は、空気吸込み口、装置のマウスピース、空洞、または空気が通って流れるエアロゾル発生装置内の任意の他の通路もしくはチャンバーにて検出され得る。ユーザーがエアロゾル発生装置を吸う時、陰圧または真空が装置の内側に作り出され、この陰圧は圧力センサーによって検出され得る。「陰圧」という用語は、周囲空気の圧力よりも相対的に低い圧力として理解される。言い換えれば、ユーザーが装置を吸う時、装置を通して引き込まれる空気は、装置の外側の周囲空気の圧力より低い圧力を有する。吸煙の開始は、圧力差が所定の閾値を超える場合、圧力センサーによって検出され得る。
【0074】
本明細書で使用される場合、「上流」、「下流」、「近位」、および「遠位」という用語は、使用中にユーザーがエアロゾル発生装置を吸う方向に対する、エアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の部分の相対的な位置を記述するために使用される。
【0075】
液体貯蔵部分は、任意の適切な形状およびサイズであり得る。例えば、液体貯蔵部分は、実質的に円筒形状であり得る。液体貯蔵部分の断面は、例えば実質的に円形、楕円形、正方形、または長方形であり得る。
【0076】
液体貯蔵部分は、ハウジングを備え得る。ハウジングは、基部および基部から延びる一つ以上の側壁を含み得る。基部および一つ以上の側壁は、一体的に形成され得る。基部および一つ以上の側壁は、相互に取り付けられている、または固定されている別々の要素であり得る。ハウジングは、剛直なハウジングであり得る。本明細書で使用される場合、「剛直なハウジング」という用語は、自己支持型のハウジングを意味するために使用される。液体貯蔵部分の剛直なハウジングは、エアロゾル発生手段に対して機械的な支持を提供する場合がある。液体貯蔵部分は、一つ以上の可撓性の壁を含み得る。可撓性の壁は、液体貯蔵部分内に貯蔵された液体エアロゾル形成基体の容積に適合するように構成され得る。液体貯蔵部分のハウジングは、任意の適切な材料を含み得る。液体貯蔵部分は、実質的に流体不透過性の材料を含み得る。液体貯蔵部分のハウジングは、液体貯蔵部分内に貯蔵された液体エアロゾル形成基体がハウジングを通してユーザーに見えるように、透明部分または半透明部分を含み得る。液体貯蔵部分は、液体貯蔵部分内に貯蔵されたエアロゾル形成基体が周囲空気から保護されるように構成され得る。液体貯蔵部分は、液体貯蔵部分内に貯蔵されたエアロゾル形成基体が光から保護されるように構成され得る。これは、基体の劣化のリスクを低減し得、また高いレベルの衛生状態を維持し得る。
【0077】
液体貯蔵部分は、実質的に封止され得る。液体貯蔵部分は、液体貯蔵部分内に貯蔵されている液体エアロゾル形成基体が液体貯蔵部分からエアロゾル発生装置へと流れるための一つ以上の出口を含み得る。液体貯蔵部分は、エアロゾル発生装置の主本体内に恒久的に配設され得る。液体貯蔵部分は、再充填可能であり得る。代替的に、液体貯蔵部分は、交換可能な液体貯蔵部分として構成され得る。液体貯蔵部分は、交換可能なカートリッジの一部であるか、または交換可能なカートリッジとして構成され得る。エアロゾル発生装置は、カートリッジを受容するように構成され得る。当初のカートリッジが消費された時、新しいカートリッジがエアロゾル発生装置に取り付けられ得る。
【0078】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置に関する。エアロゾル形成基体は、液体貯蔵部分内に液体状で提供される。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体と相互作用して、ユーザーの口を通してユーザーの肺へと直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙装置であり得る。エアロゾル発生装置は、ホルダーであり得る。装置は、電気加熱式の喫煙装置であり得る。エアロゾル発生装置は、ハウジング、電気回路、電源、加熱チャンバー、および発熱体を備え得る。
【0079】
本明細書で使用される場合、「消耗品」という用語は、エアロゾル発生装置で生成されたエアロゾルに風味を提供することができる感覚媒体を含むことが好ましい物品を指す。例えば、消耗品は、喫煙物品であり得る。消耗品は、使い捨て式であり得る。
【0080】
消耗品は、実質的に円筒形の形状であり得る。消耗品は、実質的に細長くてもよい。消耗品は、長さおよびその長さに実質的に垂直な円周を有し得る。消耗品は、実質的にロッド状であり得る。感覚媒体は、実質的に円筒形の形状であり得る。特に、消耗品は、中空円筒形状であることが好ましい。円筒形消耗品の中空部分は、消耗品気流チャネルを形成する。感覚媒体はまた、消耗品の管状壁の内壁を裏打ちする中空円筒状形状を有し得る。感覚媒体の長さは、好ましくは、消耗品の長さと同一である。管状壁の長さは、好ましくは、消耗品の長さと同一である。
【0081】
本開示のいずれかの態様では、第二の発熱体発熱体は、電気抵抗性材料を含み得る。適切な電気抵抗性材料としては、限定されるものではないが、ドーピングされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、金属合金、およびセラミック材料と金属材料とで作製された複合材料が含まれる。こうした複合材料は、ドーピングされたセラミック、またはドーピングされていないセラミックを含み得る。適切なドーピングされたセラミックの例としては、ドーピングされた炭化ケイ素が含まれる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、白金、金、および銀が含まれる。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオブ含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、金含有、および鉄含有合金、並びにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、並びに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が含まれる。複合材料において、電気抵抗性材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的特性に応じて、任意選択的に、断熱材料中に包埋、封入、若しくは被覆されるか、またはその逆であり得る。
【0082】
記載の通り、本開示の態様のいずれかでは、第二の発熱体発熱体は、エアロゾル発生装置の一部であり得る。代替的に、第二の発熱体は、液体エアロゾル形成基体を収容する液体貯蔵部分を備えるカートリッジの一部として提供され得る。この場合、毛細管材料はまた、カートリッジの一部であり得る。
【0083】
第二の発熱体は、ポリイミドなどの誘電性基体上の一つ以上の可撓性加熱箔の形態を取り得る。可撓性加熱箔は、基体受容空洞の周辺部に適合する形状にすることができる。代替的に、第二の発熱体は、金属のグリッド、可撓性プリント基板、成形回路部品(MID)、セラミックヒーター、可撓性炭素繊維ヒーターの形態を取ってもよく、または適切な形状の基体上にプラズマ蒸着などの被覆技法を使用して形成され得る。最も好ましくは、しかしながら、第二の発熱体は毛細管材料を囲むらせん状の抵抗加熱コイルとして構成される。第二の発熱体は、温度と比抵抗との間に明確な関係を有する金属を使用して形成され得る。こうした例示的な装置では、金属は、適切な断熱材料の二つの層の間のトラックとして形成され得る。この様態で形成された第二の発熱体は、動作中に、発熱体の加熱と、第二の発熱体の温度のモニターとの両方に使用され得る。
【0084】
第二の発熱体は、有利には、熱伝導によって液体エアロゾル形成基体を加熱する。第二の発熱体は、少なくとも部分的に液体エアロゾル形成基体と接触し得る。
【0085】
動作中、液体エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生装置内に完全に含有され得る。その場合、ユーザーは、消耗品の近位端で吸煙し得る。代替的に、エアロゾル発生装置は、生成されたエアロゾルの吸入のためにユーザーによって利用されるマウスピースを備え得る。この場合、消耗品は、マウスピースによって覆われ得る。
【0086】
第一の発熱体は、誘導発熱体として構成され得る。誘導発熱体は、誘導コイルおよびサセプタを含み得る。一般に、サセプタは、交番磁界によって貫通された時に熱を生成する能力を有する材料である。交番磁界内に位置する時。サセプタが導電性である場合、典型的に、交番磁界によって渦電流が誘発される。サセプタが磁性である場合、典型的に、加熱に寄与する別の効果は、一般的にヒステリシス損失と呼ばれる。ヒステリシス損失は、主にサセプタ内の磁区ブロックの移動に起因して生じる。これは、これらの磁気的な向きが、交互の誘導磁界と整列するためである。ヒステリシス損失に寄与する別の効果は、磁区がサセプタ内で拡大または縮小する時である。一般的に、サセプタ内でナノスケール以下で起こるこれらのすべての変化は、サセプタ内で熱を生成するため、「ヒステリシス損失」と呼ばれる。よって、サセプタが磁性と導電性との両方である場合、ヒステリシス損失および渦電流の生成の両方がサセプタの加熱に寄与することになる。サセプタが磁性であるが導電性ではない場合、ヒステリシス損失は、交番磁界によって貫通された時にサセプタを加熱することになる唯一の手段となることになる。本発明によると、サセプタは、導電性もしくは磁性、または導電性と磁性との両方であってもよい。一つまたはいくつかの誘導コイルによって生成される交番磁界は、サセプタを加熱し、これはその後、エアロゾル形成基体へと熱を伝達し、これによりエアロゾルが形成される。熱伝達は、主に熱の伝導によってもよい。こうした熱の伝達は、サセプタがエアロゾル形成基体と密接な熱的接触状態にある場合、最も良好である。
【0087】
サセプタは、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度へと誘導加熱されることができる任意の材料から形成されてもよい。好ましいサセプタは、強磁性材料またはフェリ磁性材料(例えば、強磁性合金、フェライト鉄、または強磁性鋼もしくはステンレス鋼)を含んでよく、またはそれらから成ってよい。適切なサセプタは、アルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを含み得る。好ましいサセプタは、摂氏250度を超える温度へと加熱され得る。
【0088】
好ましいサセプタは、金属サセプタ、例えばステンレス鋼である。しかしながら、サセプタ材料はまた、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、アルミニウム、ニオビウム、インコネル合金(オーステナイトニッケルクロム系超合金)、金属蒸着フィルム、セラミック、例えば、ジルコニアなど、遷移金属、例えば、鉄、コバルト、ニッケルなど、または半金属構成要素、例えば、ホウ素、炭素、ケイ素、リン、アルミニウムなども含んでもよく、またはそれらで作製され得る。
【0089】
第一の誘導発熱体は、空洞の遠位部分を少なくとも部分的に、好ましくは完全に囲むように配設され得る。サセプタ素子は、好ましくは、空洞を少なくとも部分的に囲むか、または空洞の側壁を形成する円筒状サセプタとして構成される。
【0090】
一つの実施形態に関して説明される特徴は、本発明の他の実施形態にも等しく適用され得る。
【0091】
図1Aおよび1Bは、エアロゾル発生装置16および消耗品10を備えるエアロゾル発生システムを示す。消耗品10は、エアロゾル発生装置16の空洞18の中に挿入される前の状態で、
図1Aに示される。
【0092】
消耗品10は、管状壁12および消耗品気流チャネル14を備える。さらに(図示せず)、消耗品10は、外側ラッパーとして紙チッピングペーパーが提供され得る。
【0093】
管状壁12は、消耗品10の全長にわたって延びる。管状壁12は、中空円筒形状を有する。管状壁12は、消耗品10の寸法安定性を形成する。空気は、管状壁12を通って流れることができる。管状壁12は、消耗品気流チャネル14を形成する。消耗品気流チャネル14は、消耗品10の中心を通る配設され得る。管状壁12は、好ましくは、少なくとも吸引される風味が管状壁12をある程度透過できるように多孔性である。これは
図1Bに、消耗品10の近位端38の近くで示されている。
【0094】
図1の実施形態では、消耗品10は他のいかなる構成要素も備えない。
【0095】
図1Bは、消耗品10がエアロゾル発生装置16の空洞18内に受容されていることを示す。エアロゾル発生装置16は、消耗品10の遠位部分40を加熱するための第一の発熱体を備える。第一の発熱体は、サセプタ20および誘導コイル22を含む。
【0096】
図1Bに示す実施形態では、二つの誘導コイル22が示される。二つの誘導コイル22は、誘導加熱を介してサセプタ20の異なる部分を加熱することができる。これにより、消耗品10の遠位部分40がこれらの二つの加熱ゾーン内に受容されるように、空洞18内に二つの加熱ゾーンの提供がもたらされ得る。エアロゾル生成の要件に応じて、第一の発熱体は、加熱ゾーンの一方を他方の加熱ゾーンとは異なる温度に加熱するように制御され得る。代替的に、サセプタ20を均一な温度に加熱するために単一の誘導コイルのみが提供され得る。
【0097】
図1Bは、空洞18の上流の空気吸込み口24をさらに示す。空気吸込み口24は、周囲空気がエアロゾル発生装置16の中に横方向に引き込まれることを可能にするように配設される。
【0098】
図1Bは、エアロゾル発生装置16の液体貯蔵部分26をさらに示す。液体貯蔵部分26は、再充填可能かまたは交換可能なカートリッジの一部を形成し得る。液体エアロゾル形成基体28は、液体貯蔵部分26内に保持される。第二の発熱体はまた、
図1Bに示される。第二の発熱体は、抵抗加熱コイル30として構成される。加熱コイル30は、毛細管材料32の周りに巻かれる。毛細管材料32は、液体貯蔵部分26内に保持されている液体エアロゾル形成基体28と接触し、液体エアロゾル形成基体28を加熱コイル30に向かってウィッキングする。
【0099】
動作中、周囲空気は、空気吸込み口24を通してエアロゾル発生装置16内に引き込まれる。エアロゾル発生装置16の中央には、加熱コイル30が配設され、周囲空気は加熱コイル30を通過して引き込まれる。加熱コイル30は、毛細管材料32を介して加熱コイル30にウィッキングされた液体エアロゾル形成基体28を気化した。気化された液体エアロゾル形成基体28は、気流に巻き込まれ、空洞18に向かって引き込まれる。
【0100】
空気は、空洞18の中へ、中央の消耗品気流チャネル14の中へとさらに引き込まれる。消耗品気流チャネル14では、空気および気化したエアロゾル形成基体は冷却されて吸入可能なエアロゾルを形成することができる。液体エアロゾル形成基体28が風味剤を含有する場合、風味は、少なくとも部分的に消耗品10の近位部分を透過して、ユーザーに心地よい匂いを作り出し得る。
【0101】
図2Aおよび2Bは、異なる実施形態を示す。この実施形態のすべての要素は、
図1Aおよび1Bに関連して説明した要素と同一である。唯一の違いは、感覚媒体34が消耗品10の管状壁12の内表面上に提供されることである。感覚媒体34は、管状壁12の内表面上にコーティングされる。感覚媒体34は、風味剤を含む。液体貯蔵部分26内に保持される液体エアロゾル形成基体28は、この実施形態では、生成されたエアロゾルの風味が使用済み消耗品10によって変更され得るため、風味剤を含まないことが好ましい。感覚媒体34の風味は、少なくとも主に、第一の発熱体を介した感覚媒体34の加熱によって放出され得る。代替的に、または追加的に、感覚媒体34の風味は、周囲温度で放出され得る。
【0102】
図3Aおよび3Bは、エアロゾル発生装置16のさらなる詳細かつ代替を示す。
図3Aでは、
図1Bおよび2Bのエアロゾル発生装置16が示される。エアロゾル発生装置16は、電池の形態で電源36を備える本体42をさらに備える。
【0103】
図3Bでは、第一の発熱体が省略されているエアロゾル発生装置16の一つのバージョンが示される。この実施形態の消耗品10には、周囲温度で、または消耗品気流チャネル14内に引き込まれ、加熱コイル30によって加熱される高温空気によって提供されるわずかに高い温度で、含有された風味剤を放出する感覚媒体34が提供される。
【国際調査報告】