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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】大型水素液化システムのための方法
(51)【国際特許分類】
   F25J 1/00 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
F25J1/00 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534570
(86)(22)【出願日】2022-12-16
(85)【翻訳文提出日】2024-06-10
(86)【国際出願番号】 US2022053257
(87)【国際公開番号】W WO2023121985
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/293,080
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】ターニー,マイケル,エー.
(72)【発明者】
【氏名】レ ボット,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ギラール,アラン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ボビー,モン フラン
(72)【発明者】
【氏名】フエンテス,フランソワ
【テーマコード(参考)】
4D047
【Fターム(参考)】
4D047AA02
4D047AB07
4D047BA08
4D047CA03
4D047CA06
4D047CA09
4D047CA11
4D047CA17
4D047CA19
4D047DA01
4D047EA00
(57)【要約】
【解決手段】 水素液化のための方法及び装置が提供される。この方法は、予冷コールドボックスであって、その中に配置された熱交換器を有する予冷コールドボックス内で水素供給流を予冷して、冷却水素流を形成するステップであって、熱交換器は、供給流を予冷コールドボックス内で水素供給流と予冷冷媒との間の間接的な熱交換によって冷却するように構成される、ステップと、冷却水素流を予冷コールドボックスから引き出すステップと、冷却水素流を複数の液化コールドボックスに導入するステップであって、冷却水素流は、複数の液化コールドボックス内で液化冷媒に対する間接的な熱交換によって液化して、複数の液化コールドボックスの各々において生成物水素流を形成し、生成物水素流は、液体の形態又は擬似液体の形態である、ステップとを含み得、合計M個の予冷コールドボックス及び合計N個の液化コールドボックスがあり、Mは、N未満である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素液化方法であって、
予冷コールドボックスであって、その中に配置された熱交換器を有する予冷コールドボックス内で水素供給流を予冷して、冷却水素流を形成するステップであって、前記熱交換器は、前記供給流を前記予冷コールドボックス内で前記水素供給流と予冷冷媒との間の間接的な熱交換によって冷却するように構成される、ステップと、
前記冷却水素流を前記予冷コールドボックスから引き出すステップと、
前記冷却水素流を複数の液化コールドボックスに導入するステップであって、前記冷却水素流は、前記複数の液化コールドボックス内で液化冷媒に対する間接的な熱交換によって液化して、前記複数の液化コールドボックスの各々において生成物水素流を形成し、前記生成物水素流は、液体の形態又は擬似液体の形態である、ステップと
を含み、
合計M個の予冷コールドボックス及び合計N個の液化コールドボックスがあり、Mは、N未満であり、
液化冷却システムは、リサイクル圧縮システム及び膨張システムを含み、前記リサイクル圧縮システムは、前記液化冷媒を圧縮するように構成され、及び前記膨張システムは、前記液化冷媒を膨張させるように構成され、
液化膨張システムは、1つ以上の液化エキスパンダを含み、前記1つ以上の液化エキスパンダは、並列又は直列に配置され、
前記予冷コールドボックスの低温端の温度は、30K~250Kの範囲であり、
前記液化ゾーンの高温端の温度は、30K~150Kの範囲であり、
前記液化冷媒は、水素、ネオン及びヘリウムの1つ以上を含む、水素液化方法。
【請求項2】
合計M個のリサイクル圧縮システム及び合計N個の液化膨張システムがある、請求項1に記載の水素液化方法。
【請求項3】
前記リサイクル圧縮システムは、好ましくは、並列又は直列に配置される1つ以上のリサイクルコンプレッサを含む、請求項1に記載の水素液化方法。
【請求項4】
前記予冷システムは、予冷冷却サイクルを含む、請求項1に記載の水素液化方法。
【請求項5】
前記予冷冷媒は、窒素、アルゴン、アンモニア、一酸化炭素、二酸化炭素、水、炭化水素、混合炭化水素及びフルオロカーボンの1つ以上を含む、請求項1に記載の水素液化方法。
【請求項6】
低温端冷却サイクルは、単一の共通のリサイクル圧縮システムを含む、請求項1に記載の水素液化方法。
【請求項7】
前記予冷コールドボックス及び前記複数の液化コールドボックスと流体連通する中間コールドボックスをさらに含み、前記中間コールドボックスは、前記予冷コールドボックスと前記複数の液化コールドボックスとの間に配置される、請求項1に記載の水素液化方法。
【請求項8】
合計N個の液化コールドボックスと、合計M個の予冷コールドボックスとの比は、1.25~3.0である(1.25≦N/M≦3.0)、請求項1に記載の水素液化方法。
【請求項9】
液化方法であって、
供給流を初期温度Tで予冷コールドボックスに導入し、且つその中で前記供給流を冷却して、冷却温度Tの冷却供給流を形成するステップと、
前記冷却供給流を、前記予冷ボックスから第一の予冷引き出しラインを使用して引き出すステップと、
前記冷却供給流を第一の冷却供給流と第二の冷却供給流とに分割するステップと、
複数の過冷却ボックスを提供するステップであって、前記複数の過冷却コールドボックスは、第一の過冷却コールドボックスと第二の過冷却コールドボックスとを含む、ステップと、
前記第一の冷却供給流を、前記第一の冷却供給流を過冷却するのに有効な条件下の前記第一の過冷却コールドボックスに導入して、生成物温度Tの第一の生成物流を形成するステップであって、前記第一の生成物流は、液体の形態又は擬似液体の形態である、ステップと、
前記第二の冷却供給流を、前記第二の冷却供給流を過冷却するのに有効な条件下の第二の過冷却コールドボックスに導入して、第二の生成物流を形成するステップであって、前記第二の生成物流は、液体の形態又は擬似液体の形態である、ステップと、
前記第一及び第二の生成物流を前記第一及び第二の過冷却コールドボックスから引き出すステップと、
前記第一及び第二の生成物流を結合して最終生成物流にするステップと
を含む液化方法。
【請求項10】
各二次コールドボックスは、それ自体の熱交換器を含み、前記複数の二次コールドボックス内の各熱交換器は、前記供給流を液化冷媒との間接的な熱交換によって液化するように構成される、請求項9に記載の液化方法。
【請求項11】
液化冷却システムをさらに含み、前記液化冷却システムは、リサイクル圧縮システム及び膨張システムを含み、前記リサイクル圧縮システムは、液化冷媒を圧縮するように構成され、及び前記膨張システムは、前記液化冷媒を膨張させるように構成される、請求項10に記載の液化方法。
【請求項12】
前記液化冷媒を結合するための手段をさらに含み、前記液化冷媒を結合するための前記手段は、前記液化冷媒を、前記複数の二次コールドボックスの各々の高温端から複数の管を介して受け取り、且つその後、前記液化冷媒を、結合された後に前記第一の冷却コールドボックスに第一の戻りラインを介して送るように構成される、請求項10に記載の液化方法。
【請求項13】
水素液化装置であって、
予冷コールドボックスであって、その中に配置された熱交換器を有し、前記熱交換器は、供給流を前記予冷コールドボックス内で前記供給流と予冷冷媒との間の間接的な熱交換によって冷却するように構成される、予冷コールドボックスと、
前記予冷コールドボックスと流体連通する複数の液化コールドボックスであって、各液化コールドボックスは、それ自体の熱交換器を含み、前記複数の液化コールドボックス内の各熱交換器は、前記供給流を液化冷媒との間接的な熱交換によって液化するように構成される、複数の液化コールドボックスと、
前記予冷ゾーンに冷却を提供するように構成された予冷冷却システムと、
前記複数の液化コールドボックスに前記液化冷媒を提供するように構成された液化冷却システムと
を含み、
合計M個の予冷コールドボックス及び合計N個の液化コールドボックスがあり、Mは、N未満であり、
前記液化冷却システムは、リサイクル圧縮システム及び膨張システムを含み、前記リサイクル圧縮システムは、前記液化冷媒を圧縮するように構成され、及び前記膨張システムは、前記液化冷媒を膨張させるように構成される、水素液化装置。
【請求項14】
合計M個のリサイクル圧縮システム及び/又は合計N個の液化膨張システムがある、請求項13に記載の水素液化装置。
【請求項15】
前記リサイクル圧縮システムは、1つ以上のリサイクルコンプレッサを含む、請求項13に記載の水素液化装置。
【請求項16】
前記1つ以上のリサイクルコンプレッサは、並列及び/又は直列に配置される、請求項15に記載の水素液化装置。
【請求項17】
液化膨張システムは、1つ以上の液化エキスパンダを含み、前記1つ以上の液化エキスパンダは、並列及び/又は直列に配置される、請求項13に記載の水素液化装置。
【請求項18】
前記液化冷媒は、水素、ネオン、ヘリウム及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項13に記載の水素液化装置。
【請求項19】
前記液化冷媒は、水素、ネオン及びヘリウムの1つ以上を含む、請求項13に記載の水素液化装置。
【請求項20】
前記予冷システムは、予冷冷却サイクルを含む、請求項13に記載の水素液化装置。
【請求項21】
前記予冷冷媒は、窒素、アルゴン、アンモニア、一酸化炭素、二酸化炭素、水、炭化水素、混合炭化水素、フルオロカーボン及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項13に記載の水素液化装置。
【請求項22】
前記予冷冷媒は、窒素、アルゴン、アンモニア、一酸化炭素、二酸化炭素、水、炭化水素、混合炭化水素及びフルオロカーボンの1つ以上を含む、請求項13に記載の水素液化装置。
【請求項23】
前記液化冷却システムは、単一の共通のリサイクル圧縮システムを含む、請求項13に記載の水素液化装置。
【請求項24】
前記予冷コールドボックス及び前記複数の液化コールドボックスと流体連通する中間コールドボックスをさらに含み、前記中間コールドボックスは、前記予冷コールドボックスと前記複数の液化コールドボックスとの間に配置される、請求項13に記載の水素液化装置。
【請求項25】
合計N個の液化コールドボックスと、合計M個の予冷コールドボックスとの比は、1.25~3.0である(1.25≦N/M≦3.0)、請求項13に記載の水素液化装置。
【請求項26】
液化装置であって、
初期温度Tの供給流を受け取り、且つ前記供給流を冷却して、冷却温度Tの冷却供給流を形成するように構成された第一の冷却コールドボックスと、
前記冷却供給流を前記第一の冷却コールドボックスから取り出すように構成された第一の予冷引き出しラインと、
前記冷却供給流を分割するための手段であって、前記予冷引き出しラインと流体連通する手段と、
前記冷却供給流を分割するための前記手段と流体連通する複数の二次コールドボックスであって、前記冷却供給流を、前記冷却供給流を分割するための前記手段から受け取り、且つその中で前記冷却供給流を液化して、液化温度Tの液化流を形成するように構成される複数の二次コールドボックスと
を含み、合計M個の第一の冷却コールドボックス及び合計N個の二次コールドボックスがあり、Mは、N未満である、液化装置。
【請求項27】
各二次コールドボックスは、それ自体の熱交換器を含み、前記複数の二次コールドボックス内の各熱交換器は、前記冷却供給流を液化冷媒との間接的な熱交換によって液化するように構成される、請求項26に記載の液化装置。
【請求項28】
液化冷却システムをさらに含み、前記液化冷却システムは、リサイクル圧縮システム及び膨張システムを含み、前記リサイクル圧縮システムは、液化冷媒を圧縮するように構成され、及び前記膨張システムは、前記液化冷媒を膨張させるように構成される、請求項27に記載の液化装置。
【請求項29】
前記液化冷媒を結合するための手段をさらに含み、前記液化冷媒を結合するための前記手段は、前記液化冷媒を、前記複数の二次コールドボックスの各々の高温端から複数の管を介して受け取り、且つその後、前記液化冷媒を、結合された後に前記第一の冷却コールドボックスに第一の戻りラインを介して送るように構成される、請求項27に記載の液化装置。
【請求項30】
液化冷却流を前記第一の冷却コールドボックスの低温端から取り出すように構成された第二の予冷引き出しラインをさらに含む、請求項27に記載の液化装置。
【請求項31】
前記液化冷却流を分割するための手段をさらに含み、前記液化冷却流を分割するための前記手段は、前記第二の予冷引き出しラインと流体連通する、請求項30に記載の液化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年12月22日に出願された米国仮特許出願第63,293,080号明細書に対する優先権を主張するものであり、この仮出願は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、概して、液体水素を特に大量に製造するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
水素は、持続可能なエネルギーキャリアとして重要な分子である。水素の液化は、地方市場へのその輸送及び分配にとって重要である。
【0004】
水素液化プロセスは、非常に広い温度範囲(20K~300K)にわたる冷却を必要とする。高温端(80K~300K)及び低温端(20K~80K)に別々の専用の冷却システムを使用することが一般的であり、これは、具体的な冷凍需要が温度によって大きく異なるためである。高温範囲(80K~300K)に関して、a)閉ループNサイクル、b)ASUからのLINの気化、c)混合炭化水素冷媒、及びd)任意選択的にNH及び/又は水を使用した第一の温度(250K~300K)への事前予冷を用いる参考技術が存在する。低温範囲(20K~80K)に関して、閉ループHサイクル、Heサイクル及び/又はNe/Heサイクルを用いる参考技術が存在する。
【0005】
当技術分野では、コールドボックス内の最大の設備は、熱交換器(典型的にはアルミろう付け)であることが知られている。表Iに示されるように、必要な熱交換器の表面積(これは、UA、すなわち伝熱係数×面積に直接関係する)は、より低温で大きく減少する。その結果、典型的な良好な技術的手法は、温度レベル(及び異なる絶縁タイプ)によって分けられる複数のモジュールを設計し、各温度レベルについて、熱交換表面積に応じて複数の並列トレインを設計することであろう。したがって、通常の工学製品は、M個の予冷コールドボックス及びN個の液化コールドボックスからなり、ここで、M>Nである。以下の表では、MRは、混合冷媒であり、N2は、窒素であり、Heは、ヘリウムであり、Neは、ネオンであり、H2は、水素である。
【0006】
【表1】
【0007】
低温端冷却(20K~80K)は、H、He、Ne等の軽量ガスのターボ膨張、及び/又は等エンタルピ膨張、及び/又は気化によって達成される。一次冷却は、その高い効率によるターボ膨張によって行われるが、この設備は、低分子量ガスの膨張技術から容量が限定される。これは、典型的には、直列又は並列の複数のエキスパンダ(例えば、2×50%、3×33%等)の使用によって部分的に埋め合わされる。しかしながら、水素液化設備の場合、低分子量タービンの限定要因である容量の制約は、他の主な加工設備の限定要因である容量の制約の10~30分の1程度である。
【0008】
典型的な水素液化プロセスは、デュアルNエキスパンダ(高温1、低温1のNエキスパンダ)からなる予冷部と、H又はHeエキスパンダからなる冷却/液化部とを含み得る。この例では、単一の高温及び低温Nタービンフレームを最大限に利用するためのLH液化容量を設計する場合、その結果としてのH又はHeタービンユニットの数は、10程度である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、他の設備のより大きい容量の利用を可能にする機構のためのプロセス及び装置に対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、これらの必要性の少なくとも1つを満たす機器並びに方法及び装置に関する。
【0011】
水素液化装置は、予冷ゾーン及び冷却/液化ゾーンを含む。予冷ゾーンは、複数の予冷ユニットを含み、H供給流を第一の中間温度まで冷却し、その後、冷却/液化ゾーンで冷却/液化が行われる。冷却/液化ゾーンは、N個のユニットを含み、各ユニットは、水素流のうち、予冷ゾーンから分離された少なくとも一部を受け取り、予冷ユニットの数は、N未満である。これは、驚くべきことであり、前述の及び表Iに示される従来の知識とは対照的である。
【0012】
第一の実施形態では、中間温度は、70K~300Kの範囲、好ましくは70K~100Kの範囲である。1つの実施形態では、予冷ゾーンは、アンモニア、混合炭化水素窒素又は他の既知の冷媒の1つ以上を含む冷媒でH流を冷却する。
【0013】
他の実施形態では、冷却/液化ゾーンは、水素、ヘリウム、ネオンの1つ以上を含む冷媒でH流を冷却する。
【0014】
他の実施形態では、中間冷却ゾーンがあり、そこで水素流が第二の中間温度まで冷却される。ここで、高温部のユニット数は、より低温部のユニット数より少ない。任意選択的な実施形態では、複数の冷却段階を含めることができ、これは、例えば、(1)水、(2)NH冷媒、(3)混合炭化水素冷媒、(4)N冷媒、並びに(5)H及び/又はHe冷媒である。
【0015】
他の実施形態では、冷却/液化ユニットから受け取られた低圧の冷媒流の少なくとも一部は、冷媒予冷ユニットに送られる。HP冷媒流の少なくとも一部は、より低圧の戻り冷媒流に対して冷却される。
【0016】
1つの実施形態では、水素液化装置は、予冷コールドボックスであって、その中に配置された熱交換器を有し、熱交換器は、供給流を予冷コールドボックス内で供給流と予冷冷媒との間の間接的な熱交換によって冷却するように構成される、予冷コールドボックスと、予冷コールドボックスと流体連通する複数の液化コールドボックスであって、各液化コールドボックスは、それ自体の熱交換器を含み、複数の液化コールドボックス内の各熱交換器は、供給流を液化冷媒との間接的な熱交換によって液化するように構成される、複数の液化コールドボックスと、予冷ゾーンに冷却を提供するように構成された予冷冷却システムと、複数の液化コールドボックスに液化冷媒を提供するように構成された液化冷却システムとを含み得、合計M個の予冷コールドボックス及び合計N個の液化コールドボックスがあり、Mは、N未満である。
【0017】
装置の任意選択的な実施形態では、
・液化冷却システムは、リサイクル圧縮システム及び膨張システムを含み、リサイクル圧縮システムは、液化冷媒を圧縮するように構成され、及び膨張システムは、液化冷媒を膨張させるように構成され、
・合計M個のリサイクル圧縮システム及び/又は合計N個の液化膨張システムがあり、
・リサイクル圧縮システムは、1つ以上のリサイクルコンプレッサを含み、
・1つ以上のリサイクルコンプレッサは、並列及び/又は直列に配置され、
・液化膨張システムは、1つ以上の液化エキスパンダを含み、1つ以上の液化エキスパンダは、並列及び/又は直列に配置され、
・液化冷媒は、水素、ネオン、ヘリウム及びこれらの組合せからなる群から選択され、
・液化冷媒は、水素、ネオン及びヘリウムの1つ以上を含み、
・予冷システムは、予冷冷却サイクルを含み、
・予冷冷媒は、窒素、アルゴン、アンモニア、一酸化炭素、二酸化炭素、水、炭化水素、混合炭化水素、フルオロカーボン及びそれらの組合せからなる群から選択され、
・予冷冷媒は、窒素、アルゴン、アンモニア、一酸化炭素、二酸化炭素、水、炭化水素、混合炭化水素及びフルオロカーボンの1つ以上を含み、
・液化冷却システムは、単一の共通のリサイクル圧縮システムを含み、
・装置は、予冷コールドボックス及び複数の液化コールドボックスと流体連通する中間コールドボックスをさらに含み得、中間コールドボックスは、予冷コールドボックスと複数の液化コールドボックスとの間に配置され、及び/又は
・合計N個の液化コールドボックスと、合計M個の予冷コールドボックスとの比は、1.25~3.0である(1.25≦N/M≦3.0)。
【0018】
他の実施形態では、液化装置は、初期温度Tの供給流を受け取り、且つ供給流を冷却して、冷却温度Tの冷却供給流を形成するように構成された第一の冷却コールドボックスと、冷却供給流を第一の冷却コールドボックスから取り出すように構成された第一の予冷引き出しラインと、冷却供給流を分割するための手段であって、予冷引き出しラインと流体連通する手段と、冷却供給流を分割するための手段と流体連通する複数の二次コールドボックスであって、冷却供給流を、冷却供給流を分割するための手段から受け取り、且つその中で冷却供給流を液化して、液化温度Tの液化流を形成するように構成される複数の二次コールドボックスとを含み得、合計M個の第一の冷却コールドボックス及び合計N個の二次コールドボックスがあり、Mは、N未満である。
【0019】
装置の任意選択的な実施形態では、
・各二次コールドボックスは、それ自体の熱交換器を含み、複数の二次コールドボックス内の各熱交換器は、冷却供給流を液化冷媒との間接的な熱交換によって液化するように構成され、
・装置は、液化冷却システムをさらに含み得、液化冷却システムは、リサイクル圧縮システム及び膨張システムを含み、リサイクル圧縮システムは、液化冷媒を圧縮するように構成され、及び膨張システムは、液化冷媒を膨張させるように構成され、
・装置は、液化冷媒を結合するための手段をさらに含み得、液化冷媒を結合するための手段は、液化冷媒を、複数の二次コールドボックスの各々の高温端から複数の管を介して受け取り、且つその後、液化冷媒を、結合された後に第一の冷却コールドボックスに第一の戻りラインを介して送るように構成され、
・装置は、液化冷却流を第一の冷却コールドボックスの低温端から取り出すように構成された第二の予冷引き出しラインをさらに含み得、及び/又は
・装置は、液化冷却流を分割するための手段をさらに含み得、液化冷却流を分割するための手段は、第二の予冷引き出しラインと流体連通する。
【0020】
また別の実施形態では、水素液化方法は、予冷コールドボックスであって、その中に配置された熱交換器を有する予冷コールドボックス内で水素供給流を予冷して、冷却水素流を形成するステップであって、熱交換器は、供給流を予冷コールドボックス内で水素供給流と予冷冷媒との間の間接的な熱交換によって冷却するように構成される、ステップと、冷却水素流を予冷コールドボックスから引き出すステップと、冷却水素流を複数の液化コールドボックスに導入するステップであって、冷却水素流は、複数の液化コールドボックス内で液化冷媒に対する間接的な熱交換によって液化して、複数の液化コールドボックスの各々において生成物水素流を形成し、生成物水素流は、液体の形態又は擬似液体の形態である、ステップとを含み得、合計M個の予冷コールドボックス及び合計N個の液化コールドボックスがあり、Mは、N未満である。
【0021】
方法の任意選択的な実施形態では、
・液化冷却システムは、リサイクル圧縮システム及び膨張システムを含み、リサイクル圧縮システムは、液化冷媒を圧縮するように構成され、及び膨張システムは、液化冷媒を膨張させるように構成され、
・合計M個のリサイクル圧縮システム及び合計N個の液化膨張システムがあり、
・リサイクル圧縮システムは、1つ以上のリサイクルコンプレッサを含み、
・1つ以上のリサイクルコンプレッサは、並列又は直列に配置され、
・液化膨張システムは、1つ以上の液化エキスパンダを含み、1つ以上の液化エキスパンダは、並列又は直列に配置され、
・液化冷媒は、水素、ネオン、ヘリウム及びそれらの組合せからなる群から選択され、
・液化冷媒は、水素、ネオン及びヘリウムの1つ以上を含み、
・予冷システムは、予冷冷却サイクルを含み、
・予冷冷媒は、窒素、アルゴン、アンモニア、一酸化炭素、二酸化炭素、水、炭化水素、混合炭化水素、フルオロカーボン及びそれらの組合せからなる群から選択され、
・予冷冷媒は、窒素、アルゴン、アンモニア、一酸化炭素、二酸化炭素、水、炭化水素、混合炭化水素及びフルオロカーボンの1つ以上を含み、
・低温端冷却サイクルは、単一の共通のリサイクル圧縮システムを含み、
・方法は、予冷コールドボックス及び複数の液化コールドボックスと流体連通する中間コールドボックスも含み得、中間コールドボックスは、予冷コールドボックスと複数の液化コールドボックスとの間に配置され、
・予冷コールドボックスの低温端の温度は、30K~250Kの範囲であり、
・液化ゾーンの高温端の温度は、30K~150Kの範囲であり、及び/又は
・合計N個の液化コールドボックスと、合計M個の予冷コールドボックスとの比は、1.25~3.0である(1.25≦N/M≦3.0)。
【0022】
他の実施形態では、液化方法は、供給流を初期温度Tで予冷コールドボックスに導入し、且つその中で供給流を冷却して、冷却温度Tの冷却供給流を形成するステップと、冷却供給流を、予冷ボックスから第一の予冷引き出しラインを使用して引き出すステップと、冷却供給流を第一の冷却供給流と第二の冷却供給流とに分割するステップと、複数の過冷却ボックスを提供するステップであって、複数の過冷却コールドボックスは、第一の過冷却コールドボックスと第二の過冷却コールドボックスとを含む、ステップと、第一の冷却供給流を、第一の冷却供給流を過冷却するのに有効な条件下の第一の過冷却コールドボックスに導入して、生成物温度Tの第一の生成物流を形成するステップであって、第一の生成物流は、液体の形態又は擬似液体の形態である、ステップと、第二の冷却供給流を、第二の冷却供給流を過冷却するのに有効な条件下の第二の過冷却コールドボックスに導入して、第二の生成物流を形成するステップであって、第二の生成物流は、液体の形態又は擬似液体の形態である、ステップと、第一及び第二の生成物流を第一及び第二の過冷却コールドボックスから引き出すステップと、第一及び第二の生成物流を結合して最終生成物流にするステップとを含み得る。
【0023】
液化方法の任意選択的な実施形態では、
・各二次コールドボックスは、それ自体の熱交換器を含み、複数の二次コールドボックス内の各熱交換器は、供給流を液化冷媒との間接的な熱交換によって液化するように構成され、
・液化方法は、液化冷却システムも含み得、液化冷却システムは、リサイクル圧縮システム及び膨張システムを含み、リサイクル圧縮システムは、液化冷媒を圧縮するように構成され、及び膨張システムは、液化冷媒を膨張させるように構成され、
・液化方法は、液化冷媒を結合するための手段も含み得、液化冷媒を結合するための手段は、液化冷媒を、複数の二次コールドボックスの各々の高温端から複数の管を介して受け取り、且つその後、液化冷媒を、結合された後に第一の冷却コールドボックスに第一の戻りラインを介して送るように構成され、
・液化方法は、液化冷媒流を第一の冷却コールドボックスから取り出すように構成された第二の予冷引き出しラインも含み得、
・液化方法は、液化冷却流を分割するための手段も含み得、液化冷却流を分割するための手段は、第二の予冷引き出しラインと流体連通し、及び/又は
・供給流は、水素から本質的になる。
【0024】
上記は、本発明の特徴及び技術的利点を、後述の本発明の詳細な説明が理解しやすくなるようにかなり広範に概説している。本発明の請求項の主題を形成する本発明の他の特徴及び利点を以下で説明する。当業者であれば、本願で開示される概念及び具体的な実施形態が本発明の同じ目的を実現するために改良され得るか、又は他の構造を設計するための基礎として容易に利用され得ることを理解されたい。
【0025】
当業者であれば、このような均等な構成が、付属の請求項に記載される本発明の主題及び範囲から逸脱しないことも認識されたい。本発明の特徴及び考えられる新規な特徴は、その構成及び動作方法の何れに関しても、他の特徴及び利点と共に、添付の図面に関連して考慮したときに以下の説明からよりよく理解されるであろう。しかしながら、図面は、例示及び説明の目的でのみ提供され、本発明の限定を規定するものではないことを明確に理解されたい。
【0026】
本発明をより詳細に理解するために、ここで、下記の添付の図面に関連して行われる以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、先行技術のある実施形態のプロセスフロー図である。
図2図2は、先行技術のある実施形態である。
図3図3は、本発明のある実施形態を提供する。
図4図4は、本発明の他の実施形態を提供する。
図5図5は、本発明のまた別の実施形態を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の特定の実施形態は、複数の低温端液化ゾーンを有する水素液化装置内の予冷ゾーンの数を減らすことによって設備投資の削減を可能にする。特定の実施形態では、水素液化装置は、N個の低温端液化ゾーンを有する一方、N個未満(例えば、N-1、N-2、N-3等々)の予冷ゾーンも有し得る。
【0029】
図1に示されるように、先行技術の水素液化ユニットは、相互に別々に動作する2つの同じトレイン1a、1bを使用する。各トレインは、予冷ゾーン10及び液化ゾーン5を含む。図1の場合、予冷ゾーン10のための冷却は、閉ループ冷却回路11によって提供され、これは、予冷冷媒の圧縮2、4、6及び膨張5、7によって提供される。液化ゾーン5のための冷却は、第二の閉ループ冷却回路13によって提供される。
【0030】
図2は、5つのトレインを有する水素液化ユニットのフローチャートを提供し、各トレインは、6つの主要部、すなわち水素圧縮、窒素圧縮、予冷、冷却、液化及び貯蔵部を有する。これらの同じトレインは、全て相互に独立して動作し得る(すなわち、各トレインの動作条件は、他のトレインの動作条件とほとんど又はまったく関係がない)。
【0031】
図3は、本発明のある実施形態を表し、2つの液化ゾーン20、25を有する水素液化ユニットがどのように1つの予冷ゾーン10を有し得るかを示すプロセスフロー図を提供する。予冷ゾーン10のための冷却は、水素フィードを70K~300K、より好ましくは70K~100Kの範囲の第一の中間温度まで冷却するように構成された予冷冷媒の圧縮2、4、6及び膨張5、7によって提供される。
【0032】
1つの実施形態では、予冷冷媒は、アンモニア、混合炭化水素、窒素又は他の任意の既知の冷媒であり得る。
【0033】
予冷ゾーンに続き、水素供給ガスは、17、19に分割され、2つの別々の液化ゾーン20、25に送られ、そこで、水素は、23a、23bに凝縮され、気液分離器39内に凝縮されなかった気体があればそれを除去した後、液体水素が最終的に水素液体貯蔵タンク40に送られる。特定の実施形態では、水素は、擬似液体の形態で熱交換器から出ることができる。本明細書で使用される限り、擬似液体の形態は、明確な液相及び気相が存在しない場合の超臨界流体、すなわちその臨界点より高い温度及び圧力における任意の物質を含み得る。
【0034】
他の任意選択な的実施形態では、水素液体貯蔵タンク40から引き出されたボイルオフガス42、43は、一方又は両方の液化ゾーン内で再加熱されてから予冷ゾーン10で結合され、さらに再加熱され得る。加熱されたボイルオフガスは、その後、50で圧縮されてリサイクルボイルオフガス52となり得、これは、水素フィード中に供給され得、且つ/又は任意選択的に水素リサイクル(図示せず)にメイクアップガスを提供し得る。
【0035】
同じく予冷ゾーン10で冷却された低温端冷媒22は、予冷ゾーン10から引き出され、その後、2つの流れ12、14に分割され、低温端冷媒は、好ましくは、異なる流入温度を有するタービン(15a、15b)のセット内で膨張されて、2つの液化ゾーンのための冷却エネルギーを提供する。この冷却エネルギーを提供した後、低温端冷媒は、液化ゾーン20、25の高温端から引き出され、予冷ゾーン10内でさらに加熱される。十分に加熱された後、低温端冷媒は、その後、その冷却サイクルの一環として再び圧縮される24。任意選択的な実施形態として、タービン(15a、15b)のセットの膨張タービンの各々は、並列の2つ以上のタービンであり得る。
【0036】
図4は、再び水素供給流のための1つの予冷ゾーン10のある代替的な実施形態を提供する。しかしながら、この実施形態では、低温端冷媒は、何れの予冷エネルギーを提供するためにも使用されない(例えば、低温端冷媒は、再加熱のために予冷ゾーン10に再び入るのではなく、別の熱交換器30に入って低温端冷媒の一部分を冷却する)。むしろ、水素供給流の予冷の全てが閉ループ冷却回路11内の予冷冷媒によって行われる。このようにして、単純な標準化されたモジュール式の予冷熱交換器及びコールドボックスのセットと、複雑なカスタム交換器及びコールドボックスの別のセットとがある。カスタム化された複雑なセットは、Hフィード、精製及び予冷冷却サイクル等のプロジェクト固有の複雑系のほとんども含み得る。
【0037】
単純な熱交換器のセットと複雑な熱交換器のセットとの間の冷却バランスは、単純及び複雑なコア(図に示されるとおり)間のHP冷媒の流れの分割を調整し、且つ/又は単純及び複雑なコア間の低圧冷媒戻り流の1つを分離することによってとられる。単純な熱交換器/コールドボックスの数は、複雑な熱交換器/コールドボックスの数とは無関係である。同様に、液化冷媒システムと統合されたモジュール式の単純な標準的な液化熱交換器/コールドボックスのセットがあり得、それにより、より複雑なサイトの詳細(H生成物過冷却及びボイルオフリターン)は、別のカスタム化された熱交換器/コールドボックス内で管理され得る。
【0038】
図3のように、水素供給流は、再び17、19の2つに分割され、その後、複数の(この実施形態では2つの)液化ゾーン20、25でさらに冷却され、液化される。図4では、低温端冷媒は、2つの流れ31、33に分割され、一方の流れ31は、最初に予冷ゾーン10内で冷却され、第二の流れ33は、第二の熱交換器30で冷却される。この第二の熱交換器は、水素供給流の冷却を含まず、それにより、これは、この第二の熱交換器内の冷却温度をより柔軟にする。例えば、この部分の低温端冷媒33は、予冷ゾーン内の低温端冷媒31より低い温度まで冷却することができる。換言すれば、第二の熱交換器の低温端温度は、予冷ゾーンの低温端温度と異なり得る。
【0039】
第一の冷却に続き、2つの低温端冷媒流を相互に混合してから、2つに分割し、2つの別々の液化ゾーンに送ることができる。2つの低温端冷媒流を相互に結合することにより、液化ゾーンで水素を液化するために使用された2つの流れは、実質的に同程度の温度を有するはずであり、それにより同じトレインが使用され得、その結果、工学設計及び製造コストを大幅に削減することができ、それにより複雑さも低減する。したがって、図4に示される実施形態によれば、低温端冷媒の温度は、水素液化ユニットにそれを導入する前に変化され得、温度は、液化される水素供給ガスに直接結び付けられないという利点を提供し、且つ予冷冷却システムの一部のためのモジュール(標準化されたパッケージ)の選択肢を提供し得る。
【0040】
図4は、ボイルオフガスのリサイクルを示していないが、当業者であれば、図3に示されるボイルオフガスリサイクルは、図4に示される実施形態でも使用され得ることがわかるであろう。したがって、図4にこの要素がないことは、限定的と解釈されるべきではない。
【0041】
図5は、本発明のある実施形態によるプロセスフロー図を提供する。図からわかるように、この実施形態は、液化ユニットのための5つのトレインを含む。したがって、この実施形態では、N=5である。しかしながら、必要な予冷のためのトレインは、1つである。これは、図示される実施形態が先行技術の実施形態より4つ少ない予冷システムを含むことを意味する。したがって、本発明の実施形態は、先行技術の方法と同じ量の液体水素を生成し得る一方、そうするための設備投資が少なくて済む。
【0042】
本発明及びその利点を詳細に説明したが、本願では、付属の請求項によって定義される本発明の主題及び範囲から逸脱することなく、各種の変更形態、置換形態及び改変形態がなされ得ることを理解されたい。さらに、本願の範囲は、本明細書に記載したプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法及びステップの特定の実施形態に限定されることを意図されない。当業者であれば本発明の開示から容易にわかるように、本明細書に記載の対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行するか又は実質的に同じ結果を達成する既存の又は今後開発されるプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法又はステップは、本発明に従って利用され得る。そのため、付属の請求項は、その範囲内において、かかるプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法又はステップを含むことが意図される。
【0043】
本発明は、本願で開示される要素を適当に含むか、それらからなるか又はそれらから実質的になり得、開示されない要素なしに実施され得る。さらに、第一及び第二等の順序を示す文言がある場合、これは、限定的な意味ではなく、例示的な意味で解釈されるべきである。例えば、当業者であれば、特定の複数のステップを1つのステップにまとめるか又は順序を逆転させることができることを理解し得る。
【0044】
部脈上明らかに他の解釈が必要である場合を除き、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、「自体」及び「その」は、複数形を含む。
【0045】
請求項中の「含む」とは、それに続いて明記される特許請求要素が非排他的羅列を意味するオープン型の移行句である(すなわち他のものが追加的に含められ得、「含む」の範囲に含まれる)。「含む」は、本明細書で使用される限り、本明細書に別段の記載がある場合を除き、「から本質的になる」及び「からなる」等のより限定的な移行句に置き換えられ得る。
【0046】
請求項中の「提供する」は、何らかのものを備え付けるか、供給するか、提供するか又は準備することを意味すると定義される。ステップは、請求項中にそれに反する明示的な文言がなければ何れの行為者によっても実行され得、範囲が明記され、他の実施形態がそれに由来することが理解される。
【0047】
任意選択的な又は任意選択的にとは、それに続いて記載される事象又は状況が起こっても又は起こらなくてもよいことを意味する。記述には、その事象又は状況が起こる例及びそれが起こらない例が含まれる。
【0048】
本明細書では、範囲は、約「特定の数値」から及び/又は約「他の特定の数値」までとして表現され得る。このような特定の数値及び/又は他の特定の数値までの場合、前記範囲内の全ての組合せを合わせたものである。
【0049】
本明細書に明示される全ての参照文献は、その全体及び各々がそのために引用される具体的な情報についてそれぞれ参照により本明細書に援用される。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】