(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】インターレースマルチフィラメントの交絡強度を高める方法
(51)【国際特許分類】
D02J 1/00 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
D02J1/00 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535227
(86)(22)【出願日】2022-11-02
(85)【翻訳文提出日】2024-06-12
(86)【国際出願番号】 CN2022129249
(87)【国際公開番号】W WO2023124514
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111659508.9
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518015734
【氏名又は名称】江蘇恒力化繊股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100230086
【氏名又は名称】譚 粟元
(72)【発明者】
【氏名】王 山水
(72)【発明者】
【氏名】王 麗麗
(72)【発明者】
【氏名】湯 方明
(72)【発明者】
【氏名】尹 立新
(72)【発明者】
【氏名】王 雪
(72)【発明者】
【氏名】孫 暁華
(72)【発明者】
【氏名】楊 超明
(72)【発明者】
【氏名】寇 婉▲テイ▼
(72)【発明者】
【氏名】陳 ▲キ▼
(72)【発明者】
【氏名】▲ニュー▼ 臧臧
【テーマコード(参考)】
4L036
【Fターム(参考)】
4L036AA01
4L036MA33
4L036PA42
4L036UA06
(57)【要約】
インターレースマルチフィラメントの交絡強度を高める方法を提供することを課題とする。インターレースマルチフィラメントの交絡強度を高める方法について、DTY技術によって、マルチフィラメントが順次に、張力調整器に初期張力を受けられ、フィードローラで挟まれて糸道管へ導入され、ガイドローラで挟まれて引き出され、テイクアップローラで巻き取られてインターレース糸になることであり;その中に、フィードローラの挟む点とガイドローラの挟む点とを通る線は糸道管の中心軸と重なり、フィードローラとガイドローラとの速度は同じであり;マルチフィラメントがノズルの糸道管を通過する時に、噴射口Iと噴射口IIにより糸道管Aと糸道管Bへそれぞれ圧縮空気を間欠的に入射し、噴射口Iの入射気流圧力は噴射口IIの入射気流圧力より大きくする。本発明におけるインターレース糸は高い交絡強度をもって交絡緩みにしにくいため、撚糸や糊付け工程が必要ではないように制織工程を簡略化する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
DTY紡糸プロセスを用いた、インターレースマルチフィラメントの交絡強度を高める方法であって、
テンサーにより予張力を調整した、インターレース加工していないマルチフィラメントを、フィードローラ及びフィードロールにより把持してノズルの糸道に通過させ、引き出しローラ及び引き出しロールにより把持して引き出し、前記インターレースマルチフィラメントを巻取ローラにより巻き取って形成し、
ノズルが立方体構造を加工して形成され、前記立方体構造において、面aと面a’、面bと面b’、面cと面c’がそれぞれ互いに平行し、
加工とは、面bと面b’を貫通する溝w、溝v及び溝uを面cに形成し、
面aと面a’とを連通し、溝w、溝v及び溝uを通過し、前記ノズルの糸道とする貫通孔を形成し、
溝wと溝vとの間の糸道を糸道Aとし、
溝vと溝uとの間の糸道を糸道Bとし、
前記糸道Aと連通するとともに前記糸道Aとの接続面が前記糸道Aの側壁に完全に入り込む孔xを面bに形成し、
前記糸道Bと連通するとともに前記糸道Bとの接続面が前記糸道Bの側壁に完全に入り込む孔yを面b’に形成することであり、
前記孔xの中心軸と前記孔yの中心軸とがいずれも前記糸道の中心軸と異面垂直しており、前記孔xの中心軸と前記孔yの中心軸とは、前記糸道の横断面への投影線が互いに平行し、横断面の中心点に対して対称となり、孔xが糸道Aの噴口Iであり、孔yが糸道Bの噴口IIであり、
フィードローラ及びフィードロールの間の把持点と、引き出しローラ及び引き出しロールの間の把持点とを結ぶ線は、糸道の中心軸と重なり、フィードローラと引き出しローラとは、線速度が同じであり、
マルチフィラメントがノズルの糸道を通過する時に、噴口I及び噴口IIから糸道A及び糸道Bにそれぞれ圧縮気流を間欠的に噴出し、噴口Iから糸道Aに気流を噴出する時間をt
1とし、Δtが経過した後、噴口IIから糸道Bに気流を噴出し、噴出時間をt
2とし、t
1とt
2が同じであり、△t=d/v、dが前記噴口Iの中心軸と前記噴口IIの中心軸との間の水平距離であり、vが引き出しローラの線速度であり、
噴口Iから糸道Aに噴出された気流の圧力は、噴口IIから糸道Bに噴出された気流の圧力より大きい
ことを特徴とするインターレースマルチフィラメントの交絡強度を高める方法。
【請求項2】
前記糸道の直径は、2.5~3mmであり、
前記噴口Iと前記噴口IIとは、構造が同じであり、直径がいずれも0.5~1mmであり、
前記孔xの中心軸の前記糸道の横断面への投影線と前記横断面の中心点との間の距離は、0.5~0.8mmである
ことを特徴とする請求項1に記載のインターレースマルチフィラメントの交絡強度を高める方法。
【請求項3】
噴口Iから糸道Aに噴出された気流の圧力は、0.1~0.3MPaであり、
噴口IIから糸道Bに噴出された気流の圧力は、0.05~0.08MPaである
ことを特徴とする請求項1に記載のインターレースマルチフィラメントの交絡強度を高める方法。
【請求項4】
dの範囲は、18~20mmであり、
vの範囲は、30~50m/sである
ことを特徴とする請求項1に記載のインターレースマルチフィラメントの交絡強度を高める方法。
【請求項5】
予張力は、0.01~0.05Nである
ことを特徴とする請求項1に記載のインターレースマルチフィラメントの交絡強度を高める方法。
【請求項6】
t
1が0.1~0.3msである
ことを特徴とする請求項1に記載のインターレースマルチフィラメントの交絡強度を高める方法。
【請求項7】
前記インターレースマルチフィラメントの仕様が3~15tex/10~40Fである
ことを特徴とする請求項1に記載のインターレースマルチフィラメントの交絡強度を高める方法。
【請求項8】
前記インターレースマルチフィラメントは、長手方向に連続する複数のサイクルセグメントからなり、
各サイクルセグメントが、順に接続された開繊部と交絡部からなる、
ことを特徴とする請求項1に記載のインターレースマルチフィラメントの交絡強度を高める方法。
【請求項9】
前記インターレースマルチフィラメントの交絡強度は、97~99%である
ことを特徴とする請求項1に記載のインターレースマルチフィラメントの交絡強度を高める方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紡糸技術分野に属し、特に、インターレースマルチフィラメントの交絡強度を高める方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターレース加工は、化学繊維製造における広く応用されたかつ成熟した技術であり、高い実用性と潜在力を持つ。インターレース加工は、撚糸や糊付け工程がしないでフィラメントの集束性を効率的に高める方法として、フィラメントの制織工程の簡略化にできる。今のインターレース加工技術については、インターレーサに導入したフィラメントへノズルで入射する高圧気流を吹き付け、高圧気流は糸道管の内に渦が形成してフィラメントの単糸同士を絡ませて結び目を形成させる。フィラメントの交絡強度に影響を及ぼす要因は、通常に圧縮空気の圧力や加工速度などになる。圧縮空気の圧力や加工速度の最適化によって交絡強度が向上できるけれど、こんなに得られたインターレース糸は織り機の綜絖と筬の摩擦に当たると、交絡部の緩む恐れがまだあるため、制織品質の低下をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術の不足分に対して、本発明は、インターレースマルチフィラメントの交絡強度を高める方法、すなわち新規ノズルを用いることを提供する。該新規ノズルにおいて、二つの噴射口より入射した気流は糸道管の内に異なる方向の渦が形成して、フィラメントの単糸同士を異なる方向に絡み合わせる。それで、糸の結び目が安定的になり交絡強度が高くなり、交絡緩みが少なくなって糸の制織品質が向上する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するための本発明の提案は以下のとおりである。
DTY紡糸プロセスを用いた、インターレースマルチフィラメントの交絡強度を高める方法であって、
テンサーにより予張力を調整した、インターレース加工していないマルチフィラメントを、フィードローラ及びフィードロールにより把持してノズルの糸道に通過させ、引き出しローラ及び引き出しロールにより把持して引き出し、前記インターレースマルチフィラメントを巻取ローラにより巻き取って形成し、
ノズルが立方体構造(材質が金属材質である)を加工して形成され、前記立方体構造において、面aと面a’、面bと面b’、面cと面c’がそれぞれ互いに平行し、
加工とは、面bと面b’を貫通する溝w、溝v及び溝uを面cに形成し、
面aと面a’とを連通し、溝w、溝v及び溝uを通過し、前記ノズルの糸道とする貫通孔を形成し、
溝wと溝vとの間の糸道を糸道Aとし、
溝vと溝uとの間の糸道を糸道Bとし、
前記糸道Aと連通するとともに前記糸道Aとの接続面が前記糸道Aの側壁に完全に入り込む孔xを面bに形成し、
前記糸道Bと連通するとともに前記糸道Bとの接続面が前記糸道Bの側壁に完全に入り込む孔yを面b’に形成することであり、
前記孔xの中心軸と前記孔yの中心軸とがいずれも前記糸道の中心軸と異面垂直しており、前記孔xの中心軸と前記孔yの中心軸とは、前記糸道の横断面への投影線が互いに平行し、横断面の中心点に対して対称となり、孔xが糸道Aの噴口Iであり、孔yが糸道Bの噴口IIであり、
フィードローラ及びフィードロールの間の把持点と、引き出しローラ及び引き出しロールの間の把持点とを結ぶ線は、糸道の中心軸と重なり、フィードローラと引き出しローラとは、線速度が同じであり、
マルチフィラメントがノズルの糸道を通過する時に、噴口I及び噴口IIから糸道A及び糸道Bにそれぞれ圧縮気流を間欠的に噴出し(すなわち、糸道Aにおいて、マルチフィラメントが噴口Iから噴出された気流のインターレース作用を受けてから、糸道Bにおいて、マルチフィラメントが噴口IIから噴出された気流のインターレース作用を受ける)、噴口Iから糸道Aに気流を噴出する時間をt1とし、Δtが経過した後、噴口IIから糸道Bに気流を噴出し、噴出時間をt2とし、t1とt2が同じであり、△t=d/v、dが前記噴口Iの中心軸と前記噴口IIの中心軸との間の水平距離であり、vが引き出しローラの線速度であり、
噴口Iから糸道Aに噴出された気流の圧力は、噴口IIから糸道Bに噴出された気流の圧力より大きい方法が提供される。
【0005】
原理としては、インターレース加工糸において、ノズルの気流の衝撃力を受ける時に元の平行なモノフィラメントが分離されて複数の嵩高い開繊部になり、それらの間の部分が渦流によって互いに絡ませて結び目すなわち交絡部になる。インターレース糸を評価するために通常に二つの指標がある。1つ目は単位長さ(m)当たりの交絡部の数を指す交絡数Nであり、2つ目はNr/Nと定義する交絡強度Sであり、その中のNrは単位長さの糸に132mN/texの負荷を3分間掛けた後の残留交絡数である。なお、評価方法は、中国産業標準のFZ/T 50001-2005の「合成繊維交絡数の測定方法」によって行うことである。
【0006】
本発明の原理としては、以下のとおりである。
【0007】
インターレース糸を生成する最大の因子は糸道管内の空気流が引き起こすマルチフィラメントの単糸の絡み合いであり、よって、糸の運動方向は、空気の渦巻方向に沿う。従来技術におけるインターレース糸については、単糸同仕の交絡方向がほとんど一致するため、糸の交絡強度が低くて制織の時に交絡緩みがある。
【0008】
本発明において、まずフィードローラの挟む点とガイドローラの挟む点を通る線は糸道管の中心軸と重なり、フィードローラとガイドローラの線速度は同じにすることでフィードローラとガイドローラの間の過給を防いで、マルチフィラメントが糸道管の中心軸に位置することを保証する。次に、ノズルの両側に二つの噴射口が設けられ、さらにいずれも噴射口は糸道管の中心軸のねじね位置にあるため、空気の渦巻は主にマルチフィラメントの外側の単糸を吹いて単糸を繊維軸に巻き付かせる。もっと詳しくは、噴射口Iは糸道管Aの中心軸の上方かつ噴射口IIは糸道管Bの中心軸の下方に位置するので、糸道管Aの中の渦巻は糸道管Bの中の渦巻と相反し、かつ溝vの分割によって互いに影響しないである。したがって、糸道管Aに形成した交絡部と糸道管Bに形成した交絡部は絡み合いの方向が相反する一方で、単糸は相反の渦巻に当たるともっと固い結び目が形成でき、交絡強度は高くなる。さらに、本発明は噴射口Iの入射気流圧力がより高くにすると制御し、よって、糸道管Aに形成した交絡部は、糸道管Bの強度がより弱い相反渦巻に当たる時に交絡方向があまり変わらずに絡み合いが強くなる。つまり、本発明におけるインターレース糸は、交絡強度が高くて、制織の時に交絡が緩みにくいである。
【0009】
好ましくは、前記インターレース糸の交絡強度を高める方法において、糸道管の直径は2.5~3mmとし、噴射口Iと噴射口IIとは構造が同じで直径が0.5~1mmとし、孔xの中心軸の糸道管の横断面における投影線と該横断面の中心点との距離は0.5~0.8mmとし;噴射口Iより糸道管Aへ入射する気流の圧力は0.1~0.3MPaとし、噴射口IIより糸道管Bへ入射する気流の圧力は0.05~0.08MPaとし;dの値取り範囲は18~20mmとし、vの値取り範囲は30~50m/sとし;初期張力は0.01~0.05Nとし(フィードローラとガイドローラの存在するために糸道管の中のマルチフィラメントは伸びている状態がするので、大きすぎる初期張力を持つ単糸は絡み合いにくくなる);t1は0.1~0.3msとし;マルチフィラメントの規格は3~15tex/10~40Fであり、インターレース糸は長手方向に沿う複数のサイクルセグメントで構成され、いずれかのサイクルセグメントは順次接続する開繊部と交絡部で構成され;インターレース糸の交絡強度は97~99%である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の利点として、1.得られたインターレース糸は高い交絡強度をもって交絡緩みにしにくいため、撚糸や糊付け工程が必要ではないように制織工程を簡略化する。2.用いたインターレースノズルの加工便利で、実現しやすく、適用性が広くなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明のインターレース糸の交絡強度を高める装置を示す模式図である。
【
図2】本発明のノズルの横断面構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施例を挙げてさらに詳細に本発明を説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。なお、本発明の内容を読んだこの分野の技術者のいろいろな本発明を改正することを許されても、それは本発明の等価形として、本発明の請求の範囲内にも限定されている。
【0013】
実施例1
インターレース糸の交絡強度を高めるためのノズルは、その構造が以下のとおりである:
図2に示すように、ノズルは加工した金属素材の立方体であり、述べた立方体において面aと面a’、面bと面b’、面cと面c’がそれぞれ互いに平行し;述べた加工とは、面cより面bと面b’を貫通する溝w、溝v及び溝uを掘り、面aから面a’まで直径の2.3~3mmの貫通孔を開けかつ貫通孔が溝、溝w及び溝uを通過して糸道管になり、その中に溝wと溝vの間の部分が糸道管A6と呼ばれ、溝vと溝uの間の部分が糸道管B7と呼ばれ;面bより糸道管Aまで孔xを開け、面b’より糸道管Bまで孔yを開け;孔xの中心軸と孔yの中心軸は糸道管の中心軸のねじね位置にあり、孔xの中心軸と孔yの中心軸との糸道管の横断面における投影線は、互いに平行しかつ横断面の中心点よって対称し;孔xは糸道管Aの噴射口Iになりかつ孔yは糸道管Bの噴射口IIになることであり;噴射口Iと噴射口IIとは構造が同じで直径が0.5~1mmとし、孔xの中心軸の糸道管の横断面における投影線と該横断面の中心点との距離は0.5~0.8mmとする。
【0014】
実施例2
インターレースマルチフィラメントの交絡強度を高める方法は、以下のとおりである:
(1)規格の25tex/40FのポリエステルPOYが原料Aと用意し;
(2)DTY技術によって、原料A1のマルチフィラメントが、
図1に示すように、順次に張力調整器2に初期張力を受けられ、フィードローラ3とフィードゴムローラ4で挟まれてノズル5(構造は実施例1に示すことである)の糸道管へ導入され、ガイドローラ8とガイドゴムローラ9で挟まれて引き出され、テイクアップローラ10で巻き取られて規格の15tex/40Fのインターレース糸になり;その中に、フィードローラの挟む点とガイドローラの挟む点とを通る線は糸道管の中心軸と重なり、フィードローラとガイドローラとの速度は同じであり;マルチフィラメントがノズルの糸道管を通過する時に、噴射口Iと噴射口IIにより糸道管Aと糸道管Bへ圧縮空気をそれぞれ間欠的に入射し(すなわち、マルチフィラメントは順次に糸道管Aの噴射口Iと糸道管Bの噴射口IIの気流の交絡作用を受ける)、具体的に、噴射口Iより糸道管へ気流をt1時間かけて入射し、そして時間Δtを経る後、噴射口IIの糸道管Bへの気流入射は始まり、入射時間はt2とし;さらに、t1とt2は同じであり、△t=d/v、dは噴射口Iと噴射口IIとの中心軸の間の距離であり、vはガイドローラの線速度であり;噴射口Iの入射気流圧力は噴射口IIの入射気流圧力より大きくなり;具体的に、工程パラメータ及びノズルの寸法については、
初期張力が0.05N、
糸道管の直径が3mm、
噴射口の直径が1mm、
t1が0.3ms、
dが18mm、
vが35m/s、
噴射口Iより糸道管Aへ入射する気流の圧力が0.3MPa、
噴射口IIより糸道管Bへ入射する気流の圧力が0.05MPaとし;
得られたインターレース糸は長手方向に沿う複数のサイクルセグメントで構成され、いずれかのサイクルセグメントは順次接続する開繊部と交絡部で構成され;インターレース糸の交絡強度は99%である
【0015】
実施例3
インターレースマルチフィラメントの交絡強度を高める方法は、以下のとおりである:
(1)規格の17tex/30FのポリエステルPOYが原料Aと用意し;
(2)DTY技術によって、原料A1のマルチフィラメントが、
図1に示すように、順次に張力調整器2に初期張力を受けられ、フィードローラ3とフィードゴムローラ4で挟まれてノズル5(構造は実施例1に示すことである)の糸道管へ導入され、ガイドローラ8とガイドゴムローラ9で挟まれて引き出され、テイクアップローラ10で巻き取られて規格の10tex/40Fのインターレース糸になり;その中に、フィードローラの挟む点とガイドローラの挟む点とを通る線は糸道管の中心軸と重なり、フィードローラとガイドローラとの速度は同じであり;マルチフィラメントがノズルの糸道管を通過する時に、噴射口Iと噴射口IIにより糸道管Aと糸道管Bへ圧縮空気をそれぞれ間欠的に入射し(すなわち、マルチフィラメントは順次に糸道管Aの噴射口Iと糸道管Bの噴射口IIの気流の交絡作用を受ける)、具体的に、噴射口Iより糸道管へ気流をt1時間かけて入射し、そして時間Δtを経る後、噴射口IIの糸道管Bへの気流入射は始まり、入射時間はt2とし;さらに、t1とt2は同じであり、△t=d/v、dは噴射口Iと噴射口IIとの中心軸の間の距離であり、vはガイドローラの線速度であり;噴射口Iの入射気流圧力は噴射口IIの入射気流圧力より大きくなり;具体的に、工程パラメータ及びノズルの寸法については、
初期張力が0.01N、
糸道管の直径が2.5mm、
噴射口の直径が0.5mm、
t1が0.2ms、
dが20mm、
vが50m/s、
噴射口Iより糸道管Aへ入射する気流の圧力が0.1MPa、
噴射口IIより糸道管Bへ入射する気流の圧力が0.08MPaとし;
得られたインターレース糸は長手方向に沿う複数のサイクルセグメントで構成され、いずれかのサイクルセグメントは順次接続する開繊部と交絡部で構成され;インターレース糸の交絡強度は97%である。
【0016】
実施例4
インターレースマルチフィラメントの交絡強度を高める方法は、以下のとおりである:
(1)規格の20tex/35FのポリエステルPOYが原料Aと用意し;
(2)DTY技術によって、原料A1のマルチフィラメントが、
図1に示すように、順次に張力調整器2に初期張力を受けられ、フィードローラ3とフィードゴムローラ4で挟まれてノズル5(構造は実施例1に示すことである)の糸道管へ導入され、ガイドローラ8とガイドゴムローラ9で挟まれて引き出され、テイクアップローラ10で巻き取られて規格の12tex/35Fのインターレース糸になり;その中に、フィードローラの挟む点とガイドローラの挟む点とを通る線は糸道管の中心軸と重なり、フィードローラとガイドローラとの速度は同じであり;マルチフィラメントがノズルの糸道管を通過する時に、噴射口Iと噴射口IIにより糸道管Aと糸道管Bへ圧縮空気をそれぞれ間欠的に入射し(すなわち、マルチフィラメントは順次に糸道管Aの噴射口Iと糸道管Bの噴射口IIの気流の交絡作用を受ける)、具体的に、噴射口Iより糸道管へ気流をt1時間かけて入射し、そして時間Δtを経る後、噴射口IIの糸道管Bへの気流入射は始まり、入射時間はt2とし;さらに、t1とt2は同じであり、△t=d/v、dは噴射口Iと噴射口IIとの中心軸の間の距離であり、vはガイドローラの線速度であり;噴射口Iの入射気流圧力は噴射口IIの入射気流圧力より大きくなり;具体的に、工程パラメータ及びノズルの寸法については、
初期張力が0.01N、
糸道管の直径が3mm、
噴射口の直径が0.5mm、
t1が0.1ms、
dが20mm、
vが50m/s、
噴射口Iより糸道管Aへ入射する気流の圧力が0.1MPa、
噴射口IIより糸道管Bへ入射する気流の圧力が0.08MPaとし;
得られたインターレース糸は長手方向に沿う複数のサイクルセグメントで構成され、いずれかのサイクルセグメントは順次接続する開繊部と交絡部で構成され;インターレース糸の交絡強度は98%である。
【0017】
実施例5
インターレースマルチフィラメントの交絡強度を高める方法は、以下のとおりである:
(1)規格の14tex/20FのポリエステルPOYが原料Aと用意し;
(2)DTY技術によって、原料A1のマルチフィラメントが、
図1に示すように、順次に張力調整器2に初期張力を受けられ、フィードローラ3とフィードゴムローラ4で挟まれてノズル5(構造は実施例1に示すことである)の糸道管へ導入され、ガイドローラ8とガイドゴムローラ9で挟まれて引き出され、テイクアップローラ10で巻き取られて規格の8tex/20Fのインターレース糸になり;その中に、フィードローラの挟む点とガイドローラの挟む点とを通る線は糸道管の中心軸と重なり、フィードローラとガイドローラとの速度は同じであり;マルチフィラメントがノズルの糸道管を通過する時に、噴射口Iと噴射口IIにより糸道管Aと糸道管Bへ圧縮空気をそれぞれ間欠的に入射し(すなわち、マルチフィラメントは順次に糸道管Aの噴射口Iと糸道管Bの噴射口IIの気流の交絡作用を受ける)、具体的に、噴射口Iより糸道管へ気流をt1時間かけて入射し、そして時間Δtを経る後、噴射口IIの糸道管Bへの気流入射は始まり、入射時間はt2とし;さらに、t1とt2は同じであり、△t=d/v、dは噴射口Iと噴射口IIとの中心軸の間の距離であり、vはガイドローラの線速度であり;噴射口Iの入射気流圧力は噴射口IIの入射気流圧力より大きくなり;具体的に、工程パラメータ及びノズルの寸法については、
初期張力が0.05N、
糸道管の直径が2.5mm、
噴射口の直径が1mm、
t1が0.3ms、
dが18mm、
vが30m/s、
噴射口Iより糸道管Aへ入射する気流の圧力が0.3MPa、
噴射口IIより糸道管Bへ入射する気流の圧力が0.05MPaとし;
得られたインターレース糸は長手方向に沿う複数のサイクルセグメントで構成され、いずれかのサイクルセグメントは順次接続する開繊部と交絡部で構成され;インターレース糸の交絡強度は99%である。
【0018】
比較例1
インターレース加工方法は、ほとんど実施例2と同じであり、異なる点は、噴射口IIにより圧縮空気が入射しないことのみである。
得られたインターレース糸の交絡強度は87%である。比較例1を実施例2と比べると、比較例1の交絡強度が低下することがわかる。原因としては、噴射口IIにより圧縮空気が入射せずに、マルチフィラメントは噴射口Iにより入射する圧縮空気の作用を受けるばかりで、その交絡強度は従来技術における交絡強度と同じレベルにあることである。
【0019】
比較例2
インターレース加工方法は、ほとんど実施例2と同じであり、異なる点は、噴射口Iより入射する圧縮空気の圧力が噴射口IIにより入射する圧縮空気の圧力と同じの0.3MPaにすることのみである。
得られたインターレース糸の交絡強度は82%である。比較例2を実施例2と比べると、比較例2の交絡強度が低下することがわかる。原因としては、噴射口Iより入射する圧縮空気の圧力は噴射口IIにより入射する圧縮空気の圧力とおなじにする時に、二つの気流は方向が相反し圧力が同じであるため、噴射口IIの気流は噴射口Iによって形成した絡み合いに比較的に強い解捻作用を与え、糸の交絡強度を低減することである。
【0020】
比較例3
インターレース加工方法は、ほとんど実施例2と同じであり、異なる点は、用いたノズルが実施例1に示すノズルと違い、すなわち、孔x及び孔yの中心軸の糸道管の横断面における投影線と横断面の中心点との距離が0とすることのみである。
得られたインターレース糸の交絡強度は83%である。比較例3を実施例2と比べると、比較例3の交絡強度が低下することがわかる。原因としては、噴射口Iと噴射口IIとの気流方向がいずれも糸道管の中心軸に正対すると、気流が直接的に糸の中心軸に達しさらに両側に拡散してしまってより弱くて不安定な渦巻になるため、糸の絡み合いが少なくなって交絡強度が低下することである。
【0021】
比較例4
インターレース加工方法は、ほとんど実施例2と同じであり、異なる点は、用いたノズルが実施例1に示すノズルと違い、すなわち、孔xの中心軸と孔yの中心軸との糸道管の横断面における投影線は互いに平行しかつ横断面の中心点よって対称しないで、孔xの中心軸の糸道管の横断面における投影線と横断面の中心点との距離が0とし、孔yの中心軸の糸道管の横断面における投影線と横断面の中心点との距離が実施例1における距離とすることのみである。
得られたインターレース糸の交絡強度は88%である。比較例4を実施例2と比べると、比較例4の交絡強度が低下することがわかる。原因としては、噴射口Iの気流が糸の中心軸に正対し噴射口IIの気流が糸の側方に向こう時に、圧力がより高い噴射口Iの気流の作用が糸の中心軸に達してより弱い渦巻がしょうじるため、交絡強度が低下することである。
【0022】
比較例5
インターレース加工方法は、ほとんど実施例2と同じであり、異なる点は、用いたノズルが実施例1に示すノズルと違い、すなわち、孔xの中心軸と孔yの中心軸との糸道管の横断面における投影線は互いに平行しかつ横断面の中心点よって対称しないで、孔xの中心軸の糸道管の横断面における投影線と横断面の中心点との距離が実施例1における距離とし、孔yの中心軸の糸道管の横断面における投影線と横断面の中心点との距離が0とすることのみである。
得られたインターレース糸の交絡強度は90%である。比較例5を実施例2と比べると、比較例5の交絡強度が低下することがわかる。原因としては、噴射口Iの気流が糸の側方に向いて噴射口IIの気流が糸の中心軸に正対する時に、作用機理が比較例4と似るけれど、噴射口Iは噴射口IIより強い渦巻が形成できるため、比較例5は比較例4より高い交絡強度が得られることである。
【0023】
比較例6
インターレース加工方法は、ほとんど実施例2と同じであり、異なる点は、用いたノズルが実施例1に示すノズルと違い、すなわち、孔xと孔yがすべて面bによって形成することのみである。
得られたインターレース糸の交絡強度は92%である。比較例6を実施例2と比べると、比較例6の交絡強度が低下することがわかる。原因としては、噴射口Iの気流と噴射口IIの気流との方向が同じである時に、相反気流のねじね作用がないため、糸の交絡強度が低下することである。
【国際調査報告】