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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】永久電流量子ビット用のXXカプラ
(51)【国際特許分類】
   H10N 60/12 20230101AFI20241114BHJP
【FI】
H10N60/12 A ZAA
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535254
(86)(22)【出願日】2023-01-10
(85)【翻訳文提出日】2024-06-12
(86)【国際出願番号】 US2023010481
(87)【国際公開番号】W WO2023146750
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】17/585,173
(32)【優先日】2022-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520128820
【氏名又は名称】ノースロップ グラマン システムズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】エプスタイン、ライアン ジェイ
【テーマコード(参考)】
4M113
【Fターム(参考)】
4M113AC44
4M113AC45
4M113AC50
(57)【要約】
2つの量子ビットを結合するためのシステムおよび方法が提供される。第1の永久電流量子ビットは、第2のジョセフソン接合から第1のインダクタおよび第2のインダクタによって分離された第1のジョセフソン接合によって遮断された第1の超伝導ループを用いて作製される。第2の永久電流量子ビットは、第4のジョセフソン接合から第3のインダクタおよび第4のインダクタによって分離された第3のジョセフソン接合によって遮断された第2の超伝導ループを用いて作製される。第1の量子ビットのジョセフソン接合およびそれらの隣接するインダクタによって定義されたノードは、第1のコンデンサを介して、第3のジョセフソン接合および第3のインダクタによって定義された対応するノードに接続され、1つのペアの接続は、ノードがそれぞれ対応するノードに接続されないように取り替えられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
第1の一連のジョセフソン接合によって遮断された第1の超伝導ループを備える第1の永久電流量子ビットであって、前記第1の一連のジョセフソン接合は、前記第1の一連のジョセフソン接合の第1のジョセフソン接合から始まり、前記第1の超伝導ループの周りの第1の方向に続いており、前記第1の一連のジョセフソン接合の各ジョセフソン接合は、第1の複数のインダクタのうちの2つの隣接するインダクタによって隣接するジョセフソン接合から分離されており、前記第1の超伝導ループ上の前記第1の方向においてジョセフソン接合と前記第1の複数のインダクタのうちの前記2つの隣接するインダクタのうちの第1のインダクタとの間にある関連する第1の回路ノードを有するとともに、前記第1の超伝導ループ上の前記第1の方向とは反対の第2の方向においてジョセフソン接合と前記2つの隣接するインダクタのうちの第2のインダクタとの間にある関連する第2の回路ノードを有している、前記第1の永久電流量子ビットと、
第2の一連のジョセフソン接合によって遮断された第2の超伝導ループを備える第2の永久電流量子ビットであって、前記第2の一連のジョセフソン接合は、前記第2の一連のジョセフソン接合の第1のジョセフソン接合から始まり、前記第2の超伝導ループの周りの第1の方向に続いており、前記第2の一連のジョセフソン接合の各々は、第2の複数のインダクタのうちの2つの隣接するインダクタによって隣接するジョセフソン接合から分離されており、前記第2の超伝導ループ上の前記第1の方向においてジョセフソン接合と前記第2の複数のインダクタのうちの前記2つの隣接するインダクタのうちの第1のインダクタとの間にある関連する第1の回路ノードを有するとともに、前記第2の超伝導ループ上の前記第1の方向とは反対の第2の方向においてジョセフソン接合と前記2つの隣接するインダクタのうちの第2のインダクタとの間にある関連する第2の回路ノードを有している、前記第2の永久電流量子ビットと、
前記第1の永久電流量子ビットおよび前記第2の永久電流量子ビットの回路ノード間にある一組の容量結合であって、前記一組の容量結合の第1の容量結合が、前記第1の一連のジョセフソン接合の前記第1のジョセフソン接合に関連する前記第1の回路ノードを、前記第2の一連のジョセフソン接合の前記第1のジョセフソン接合に関連する前記第1の回路ノードに接続し、前記一組の容量結合の第2の容量結合が、前記第1の一連のジョセフソン接合の前記第1のジョセフソン接合に関連する前記第2の回路ノードを、前記第2の一連のジョセフソン接合の前記第1のジョセフソン接合に関連する前記第2の回路ノードに接続し、前記一組の容量結合の第3の容量結合が、前記第1の一連のジョセフソン接合の第2のジョセフソン接合に関連する前記第1の回路ノードを、前記第2の一連のジョセフソン接合の第2のジョセフソン接合に関連する前記第2の回路ノードに接続し、前記一組の容量結合の第4の容量結合が、前記第1の一連のジョセフソン接合の前記第2のジョセフソン接合に関連する前記第2の回路ノードを、前記第2の一連のジョセフソン接合の前記第2のジョセフソン接合に関連する前記第1の回路ノードに接続する、前記一組の容量結合と、を備えるシステム。
【請求項2】
第3の一連のジョセフソン接合によって遮断される第3の超伝導ループを備える第3の永久電流量子ビットをさらに備え、前記第3の一連のジョセフソン接合は、前記第3の一連のジョセフソン接合の第1のジョセフソン接合から始まり、前記第3の超伝導ループの周りの第1の方向に続いており、前記第3の一連のジョセフソン接合の各ジョセフソン接合は、第3の複数のインダクタのうちの1つのインダクタによって隣接するジョセフソン接合から分離されており、前記第3の超伝導ループ上の前記第1の方向においてジョセフソン接合と前記2つの隣接するインダクタのうちの第1のインダクタとの間にある関連する第1の回路ノードを有するとともに、前記第3の超伝導ループ上の前記第1の方向とは反対の第2の方向においてジョセフソン接合と前記2つの隣接するインダクタのうちの第2のインダクタとの間にある関連する第2の回路ノードを有しており、前記一組の容量結合は、前記第3の一連のジョセフソン接合の第2のジョセフソン接合に関連する前記第1の回路ノードを前記第2の一連のジョセフソン接合の第3のジョセフソン接合に関連する前記第1の回路ノードに接続する前記一組の容量結合の第5の容量結合と、前記第3の一連のジョセフソン接合の前記第2のジョセフソン接合に関連する前記第2の回路ノードを前記第2の一連のジョセフソン接合の前記第3のジョセフソン接合に関連する前記第2の回路ノードに接続する前記一組の容量結合の第6の容量結合と、前記第3の一連のジョセフソン接合の前記第1のジョセフソン接合に関連する前記第1の回路ノードを前記第2の一連のジョセフソン接合の第4のジョセフソン接合に関連する前記第2の回路ノードに接続する前記一組の容量結合の第7の容量結合と、前記第3の一連のジョセフソン接合の前記第1のジョセフソン接合に関連する前記第2の回路ノードを前記第2の一連のジョセフソン接合の前記第4のジョセフソン接合に関連する前記第1の回路ノードに接続する前記一組の容量結合の第8の容量結合とをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の超伝導ループおよび前記第2の超伝導ループの各々は、定義された平面内で実質的に平面であり、前記第1の超伝導ループの前記定義された平面への投影は、単一の閉ループを形成し、前記第2の超伝導ループの前記定義された平面への投影は、2つの接続されたループを形成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記一組の容量結合の各々は、10フェムトファラッドから200フェムトファラッドの容量を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の複数のインダクタおよび前記第2の複数のインダクタの各インダクタは、1ナノヘンリーから100ナノヘンリーのインダクタンスを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記一組の容量結合は、前記第1の永久電流量子ビットと前記第2の永久電流量子ビットとの間にXX結合を提供する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記XX結合は、500メガヘルツから10ギガヘルツの結合強度を有する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の複数のインダクタおよび前記第2の複数のインダクタの各インダクタは、ジョセフソン接合チェーン、高運動インダクタンス超伝導材料、および長尺超伝導ワイヤのうちの1つを使用して実装される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の永久電流量子ビットおよび前記第2の永久電流量子ビットの各々は、磁束量子ビットである、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の一連のジョセフソン接合および前記第2の一連のジョセフソン接合の各々は、25ナノアンペアから500ナノアンペアの臨界電流を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
方法であって、
第1のジョセフソン接合および第2のジョセフソン接合によって遮断された第1の超伝導ループを備える第1の永久電流量子ビットを作製するステップであって、前記第1のジョセフソン接合が、第1のインダクタおよび第2のインダクタによって前記第2のジョセフソン接合から分離されている、前記第1の永久電流量子ビットを作製するステップと、
第3のジョセフソン接合および第4のジョセフソン接合によって遮断された第2の超伝導ループを備える第2の永久電流量子ビットを作製するステップであって、前記第3のジョセフソン接合が、第3のインダクタおよび第4のインダクタによって前記第4のジョセフソン接合から分離されている、前記第2の永久電流量子ビットを作製ステップと、
前記第1のジョセフソン接合および前記第1のインダクタによって定義された第1のノードを、第1のコンデンサを介して、前記第3のジョセフソン接合および前記第3のインダクタによって定義された第2のノードに接続するステップと、
前記第1のジョセフソン接合および前記第2のインダクタによって定義された第3のノードを、第2のコンデンサを介して、前記第3のジョセフソン接合および前記第4のインダクタによって定義された第4のノードに接続するステップと、
前記第2のジョセフソン接合および前記第1のインダクタによって定義された第5のノードを、第3のコンデンサを介して、前記第4のジョセフソン接合および前記第4のインダクタによって定義された第6のノードに接続するステップと、
前記第2のジョセフソン接合および前記第2のインダクタによって定義された第7のノードを、第4のコンデンサを介して、前記第4のジョセフソン接合および前記第3のインダクタによって定義された第8のノードに接続するステップと、を含む方法。
【請求項12】
前記第1の超伝導ループおよび前記第2の超伝導ループの各々は、定義された平面内で実質的に平面であり、前記第1の超伝導ループの前記定義された平面への投影は、単一の閉ループを形成し、前記第2の超伝導ループの前記定義された平面への投影は、2つの接続されたループを形成する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のコンデンサ、前記第2のコンデンサ、前記第3のコンデンサ、および前記第4のコンデンサの各々が、10フェムトファラッドから200フェムトファラッドの容量を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のインダクタ、前記第2のインダクタ、前記第3のインダクタ、前記第4のインダクタの各々は、1ナノヘンリーから100ナノヘンリーのインダクタンスを有する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
一組の容量結合は、前記第1の永久電流量子ビットと前記第2の永久電流量子ビットとの間にXX結合を提供する、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
第1の複数のインダクタおよび第2の複数のインダクタの各インダクタは、ジョセフソン接合チェーン、高運動インダクタンス超伝導材料、および長尺超伝導ワイヤのうちの1つとして作製される、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の永久電流量子ビットおよび前記第2の永久電流量子ビットの各々は、磁束量子ビットである、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のジョセフソン接合、前記第2のジョセフソン接合、前記第3のジョセフソン接合、および前記第4のジョセフソン接合の各々が、25ナノアンペアから500ナノアンペアの間の臨界電流を有する、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
システムであって、
第1のジョセフソン接合および第2のジョセフソン接合によって遮断された第1の超伝導ループを備える第1の永久電流量子ビットであって、前記第1のジョセフソン接合が、第1のインダクタおよび第2のインダクタによって前記第2のジョセフソン接合から分離されている、前記第1の永久電流量子ビットと、
第3のジョセフソン接合および第4のジョセフソン接合によって遮断された第2の超伝導ループを備える第2の永久電流量子ビットであって、前記第3のジョセフソン接合が、第3のインダクタおよび第4のインダクタによって前記第4のジョセフソン接合から分離されている、前記第2の永久電流量子ビットと、
前記第1のジョセフソン接合および前記第1のインダクタによって定義された第1のノードを、前記第3のジョセフソン接合および前記第3のインダクタによって定義された第2のノードに接続する第1の容量結合と、
前記第1のジョセフソン接合および前記第2のインダクタによって定義された第3のノードを、前記第3のジョセフソン接合および前記第4のインダクタによって定義された第4のノードに接続する第2の容量結合と、
前記第2のジョセフソン接合および前記第1のインダクタによって定義された第5のノードを、前記第4のジョセフソン接合および前記第4のインダクタによって定義された第6のノードに接続する第3の容量結合と、
前記第2のジョセフソン接合および前記第2のインダクタによって定義された第7のノードを、前記第4のジョセフソン接合および前記第3のインダクタによって定義された第8のノードに接続する第4の容量結合と、を備え、
前記第1の容量結合、前記第2の容量結合、前記第3の容量結合、および前記第4の容量結合は、前記第1の永久電流量子ビットと前記第2の永久電流量子ビットとの間にXX結合を集合的に提供する、システム。
【請求項20】
前記XX結合は、500メガヘルツから10ギガヘルツの結合強度を有する、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、量子システムに関し、より詳細には、永久電流量子ビット用のXXカプラに関する。
(政府の利益)
本発明は、政府契約の下でなされたものである。従って、米国政府は、その契約で規定された本発明に対する権利を有する。
【発明の概要】
【0002】
一例によれば、システムは、第1の一連のジョセフソン接合によって遮断された第1の超伝導ループを備える第1の永久電流量子ビットを含む。第1の一連のジョセフソン接合は、第1の一連のジョセフソン接合の第1のジョセフソン接合から始まり、第1の超伝導ループの周りに第1の方向に続いている。第1の一連のジョセフソン接合の各ジョセフソン接合は、第1の複数のインダクタのうちの2つの隣接するインダクタによって隣接するジョセフソン接合から分離されており、第1の超伝導ループ上の第1の方向においてジョセフソン接合と第1の複数のインダクタのうちの2つの隣接するインダクタのうちの第1のインダクタとの間にある関連する第1の回路ノードを有するとともに、第1の超伝導ループ上の第1の方向とは反対の第2の方向においてジョセフソン接合と2つの隣接するインダクタのうちの第2のインダクタとの間にある関連する第2の回路ノードを有している。
【0003】
第2の永久電流量子ビットは、第2の一連のジョセフソン接合によって遮断された第2の超伝導ループを含む。第2の一連のジョセフソン接合は、第2の一連のジョセフソン接合の第1のジョセフソン接合から始まり、第2の超伝導ループの周りに第1の方向に続いている。第2の一連のジョセフソン接合の各々は、第2の複数のインダクタのうちの2つの隣接するインダクタによって隣接するジョセフソン接合から分離されており、第2の超伝導ループ上の第1の方向においてジョセフソン接合と第2の複数のインダクタのうちの2つの隣接するインダクタのうちの第1のインダクタとの間にある関連する第1の回路ノードと、第2の超伝導ループ上の第1の方向とは反対の第2の方向においてジョセフソン接合と2つの隣接するインダクタのうちの第2のインダクタとの間にある関連する第2の回路ノードとを有している。
【0004】
また、システムは、第1の永久電流量子ビットの回路ノードと第2の永久電流量子ビットの回路ノードとの間の一組の容量結合を含む。一組の容量結合の第1の容量結合は、第1の一連のジョセフソン接合の第1のジョセフソン接合に関連する第1の回路ノードを、第2の一連のジョセフソン接合の第1のジョセフソン接合に関連する第1の回路ノードに接続する。一組の容量結合の第2の容量結合は、第1の一連のジョセフソン接合の第1のジョセフソン接合に関連する第2の回路ノードを、第2の一連のジョセフソン接合の第1のジョセフソン接合に関連する第2の回路ノードに接続する。一組の容量結合の第3の容量結合は、第1の一連のジョセフソン接合の第2のジョセフソン接合に関連する第1の回路ノードを、第2の一連のジョセフソン接合の第2のジョセフソン接合に関連する第2の回路ノードに接続する。一組の容量結合の第4の容量結合は、第1の一連のジョセフソン接合の第2のジョセフソン接合に関連する第2の回路ノードを、第2の一連のジョセフソン接合の第2のジョセフソン接合に関連する第1の回路ノードに接続する。
【0005】
別の例によれば、方法が提供される。第1の永久電流量子ビットは、第1のジョセフソン接合および第2のジョセフソン接合によって遮断される第1の超伝導ループを用いて作製される。第1のジョセフソン接合は、第1のインダクタおよび第2のインダクタによって第2のジョセフソン接合から分離されている。第2の永久電流量子ビットは、第3のジョセフソン接合および第4のジョセフソン接合によって遮断される第2の超伝導ループを用いて作製される。第3のジョセフソン接合は、第3のインダクタおよび第4のインダクタによって第4のジョセフソン接合から分離されている。第1のジョセフソン接合および第1のインダクタによって定義された第1のノードは、第1のコンデンサを介して、第3のジョセフソン接合および第3のインダクタによって定義された第2のノードに接続される。第1のジョセフソン接合および第2のインダクタによって定義された第3のノードは、第2のコンデンサを介して、第3のジョセフソン接合および第4のインダクタによって定義された第4のノードに接続される。第2のジョセフソン接合および第1のインダクタによって定義された第5のノードは、第3のコンデンサを介して、第4のジョセフソン接合および第4のインダクタによって定義された第6のノードに接続される。第2のジョセフソン接合および第2のインダクタによって定義された第7のノードは、第4のコンデンサを介して、第4のジョセフソン接合および第3のインダクタによって定義された第8のノードに接続される。
【0006】
さらなる例によれば、システムは、第1のジョセフソン接合および第2のジョセフソン接合によって遮断された第1の超伝導ループを含む第1の永久電流量子ビットを含む。第1のジョセフソン接合は、第1のインダクタおよび第2のインダクタによって第2のジョセフソン接合から分離されている。第2の永久電流量子ビットは、第3のジョセフソン接合および第4のジョセフソン接合によって遮断された第2の超伝導ループを含む。第3のジョセフソン接合は、第3のインダクタおよび第4のインダクタによって第4のジョセフソン接合から分離されている。第1の容量結合は、第1のジョセフソン接合および第1のインダクタによって定義された第1のノードを、第3のジョセフソン接合および第3のインダクタによって定義された第2のノードに接続する。第2の容量結合は、第1のジョセフソン接合および第2のインダクタによって定義された第3のノードを、第3のジョセフソン接合および第4のインダクタによって定義された第4のノードに接続する。第3の容量結合は、第2のジョセフソン接合および第1のインダクタによって定義された第5のノードを、第4のジョセフソン接合および第4のインダクタによって定義された第6のノードに接続する。第4の容量結合は、第2のジョセフソン接合および第2のインダクタによって定義された第7のノードを、第4のジョセフソン接合および第3のインダクタによって定義された第8のノードに接続する。第1の容量結合、第2の容量結合、第3の容量結合、および第4の容量結合は、第1の永久電流量子ビットと第2の永久電流量子ビットとの間にXX結合を集合的に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の永久電流量子ビットと第2の永久電流量子ビットとの間にXX結合を提供する量子回路の一例を示す図である。
図2】第1のジョセフソン接合がインダクタによって第2のジョセフソン接合から分離されていることを示す回路図である。
図3図2に示されたシステムのエネルギーを、第1のジョセフソン接合および第2のジョセフソン接合の各々におけるジョセフソン位相の関数として示すヒートマップである。
図4】第1の磁束量子ビットが第1のコンデンサおよび第2のコンデンサを介して第2の磁束量子ビットに接続されていることを示す回路図である。
図5】一連の永久電流量子ビットを共にチェーン接続して量子ビットのアレイ全体わたってXX結合を提供することができる量子システムの一実装形態を示す図である。
図6】2つの永久電流量子ビット間にXX結合を有する量子システムを製造するための方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で使用される場合、「含む(includes)」という用語は、含むがこれに限定されないことを意味し、「含んでいる(including)」という用語は、含んでいるがこれに限定されないことを意味する。「基づく(based on)」という用語は、少なくとも部分的に基づくことを意味する。加えて、本開示または特許請求の範囲が「1つの(a)」、「1つの(an)」、「第1の(a first)」、もしくは「別の(another)」構成要素、またはそれらの均等物を列挙する場合、それは、1つまたは2つ以上のそのような構成要素を含むと解釈されるべきであり、2つ以上のそのような構成要素を必要とするわけでも、除外するわけでもない。
【0009】
本明細書で説明されるシステムおよび方法は、2つの永久電流量子ビット間のXX結合を提供する。2つの量子ビット間のXX結合は、第1および第2の量子ビットの状態がX軸に沿って同じ方向に整列することをエネルギー的に有利にする結合であり、両方とも+X方向または両方とも-X方向のいずれかを向いている。各軸は、量子ビットのブロッホ球上で定義された特定の量子状態に対応している。XX相互作用は、非疑似古典(non-stoquastic)ハミルトニアンを生成することを含む多くの用途があり、一般的には、ZZおよびZハミルトニアン項と組み合わせて量子アニーリングマシンおよび様々な量子論理ゲートで使用される。量子回路は、所与の量子ビットの状態がエネルギーの印加を伴わずに変化し得る非ゼロ確率が存在するように設計され得る。一般的に、磁束量子ビットループ内のジョセフソン接合は、2つ以上の極小値と、多次元位相波動関数がトンネルリングすることができる障壁とを有するポテンシャルを生成する。本明細書に記載されるこのシステムおよび方法は、この障壁トンネリングを利用して、2つの量子ビット間にXX結合を提供する。
【0010】
図1は、第1の永久電流量子ビット110と第2の永久電流量子ビット120との間にXX結合を提供する量子回路100の一例を示す。一例では、各永久電流量子ビット110および120は、磁束量子ビットとして実装される。磁束量子ビットは、一般的に言えば、いくつかの数のジョセフソン接合によって遮断される超伝導ループである。一般的な動作では、磁束量子ビットは、超伝導磁束量子Φの単位の磁束によってバイアスされる。印加されるバイアス磁束が磁束量子の2分の1に近い場合、適切なデバイスパラメータに対して、システムのポテンシャルエネルギーは2つの極小値を示し、一方は超伝導ループ内の時計回りの電流フローに対応し、他方は反時計回りの電流フローに対応する。電流フローの2つの可能な方向は、システムの最低エネルギー量子状態を表す。
【0011】
図示の例では、各永久電流量子ビット110および120は、第1のジョセフソン接合112および122ならびに第2のジョセフソン接合113および123によって遮断される超伝導ループ111および121を備える。各ループ内のジョセフソン接合112、113、122、および123は、それら自体、第1のインダクタ114および124ならびに第2のインダクタ115および125によって分離されている(separated)。各インダクタ114、115、124、および125は、第1の接合114および124を横断する位相のトンネリングを第2の接合115および125から分離するのに十分な大きさのインダクタンスを有するように選択される。インダクタ114、115、124、および125は、例えば、ジョセフソン接合チェーン、高運動インダクタンス超伝導材料、または長尺超伝導ワイヤを使用して実装され得る。一実装形態では、各インダクタ114、115、124、および125は、10ナノヘンリーから100ナノヘンリーのインダクタンスを有し、各ジョセフソン接合112、113、122、および123は、25ナノアンペアから100ナノアンペアの臨界電流を有する。必要なインダクタンスは、ジョセフソン接合114、115、124、および125の臨界電流とともに変化し、一例では、約50ナノアンペアの臨界電流を有するジョセフソン接合に対して、60ナノヘンリーのインダクタンスを使用することができる。
【0012】
インダクタ114、115、124、および125が2つのジョセフソン接合の位相トンネリング経路に対して与える影響の一例は、図2および図3に示されている。図2は、第1のジョセフソン接合212がインダクタ216によって第2のジョセフソン接合214から分離されている(isolated)ことを示す回路図200である。回路は、第1のジョセフソン接合212とインダクタ216との間の第1のノード226、第2のジョセフソン接合214とインダクタ216との間の第2のノード227、第1のジョセフソン接合212と第2のジョセフソン接合214との間の第3のノード228の各々にある一組のコンデンサ222~224を介して接地されている。図示された例では、各ジョセフソン接合212および214は、50ナノアンペアの臨界電流を有し、インダクタ216は、80ナノヘンリーのインダクタンスを有し、各コンデンサ222~224は、0.1フェムトファラッドの容量を有する。
【0013】
図3は、図2に示されたシステムのエネルギーを、第1のジョセフソン接合212および第2のジョセフソン接合214の各々におけるジョセフソン位相の関数として示すヒートマップ300である。第1のジョセフソン接合212における位相は、2πで除算することによって正規化されたラジアンの単位で垂直軸302上に示されている。第2のジョセフソン接合214における位相は、2πで除算することによって正規化されたラジアンの単位で水平軸304上に示されている。図表300は、複数のエネルギー極小値312~315を示しており、第1および第2のエネルギー極小値312および313は、システムの第1の計算状態を表し、第3および第4のエネルギー極小値314および315は、システムの第2の計算状態を表している。トンネリング経路316および317は、極小値312~315を分離する障壁のエネルギーを超えてシステムのエネルギーを上昇させることのない、システムの計算状態間の遷移を表している。ヒートマップ300から分かるように、インダクタ216によって提供される高度の分離に起因して、トンネリング経路はほぼ直交している。これによ、トンネリング経路が互いに実質的に独立することが可能となる。
【0014】
図1に戻ると、各量子ビット110および120は、4つの回路ノード、即ち、第1のジョセフソン接合112および122と第1のインダクタ114および124との間の第1のノード116および126、第1のジョセフソン接合112および122と第2のインダクタ115および125との間の第2のノード117および127、第2のジョセフソン接合113および123と第2のインダクタ115および125との間の第3のノード118および128、ならびに第2のジョセフソン接合113および123と第1のインダクタ114および124との間の第4のノード119および129に関して説明することができる。図示の実装形態では、第1の量子ビット110の各ノード116~119は、それぞれ対応するコンデンサ132~135を介して第2の量子ビット120の選択されたノード126~129に接続されている。一実装形態では、コンデンサ132~135は、50フェムトファラッドから200フェムトファラッドの容量を有する。図示の例では、各コンデンサ132~135は、150フェムトファラッドの容量を有する。図示される例では、第1のノード116および126ならびに第2のノード117および127は、それぞれ対応するノードに接続されているが、各量子ビットの第3のノード118および128は、他の量子ビットの第4のノード119および129に接続されている。XX結合は、第1の量子ビット110の各ノード116~119が第2の量子ビット120の対応するノード126~129に接続されることで存在しているが、ジョセフソン接合のうちの1つに関連するノードの接続順序を逆にすることによって、ZZ結合と、その結合によって生じる単一量子ビット効果を回避することができる。一実装形態では、XX結合は、500メガヘルツから2ギガヘルツの結合強度を有する。
【0015】
複数のコンデンサ132~135を介した接続により、第1および第2の磁束量子ビットの複数の状態に関連するポテンシャル極小値の間に複数のトンネリング経路が形成され、その結果、等しいビットパリティを有する基底状態のペア間にトンネリング経路が形成される。換言すれば、XXカプラは、2つの量子ビットによって形成されたシステムが、状態|00>と状態|11>との間だけでなく、状態|01>と状態|10>との間でもトンネリングすることを可能にする。実際には、第1のトンネリング経路は、第1の相互作用g(|01><10|+|10><01|)を生成し、ここでgは、第1の相互作用の強度またはトンネリングエネルギーであり、第2のトンネリング経路は、第2の相互作用g(|00><11|+|11><00|)を生成し、ここでgは、第2の相互作用の強度である。所与のトンネリング経路に対する相互作用強度gは、2つの状態の間のトンネル障壁の高さに依存するとともに、結合項の基底状態と励起状態との間のエネルギー分裂の半分に等しい。2つの相互作用の合計は、標準基底またはZ基底で記述されるようにXX相互作用である。図示の例では、約0.95ギガヘルツの結合エネルギーが提供される。
【0016】
図4において、コンデンサが2つのジョセフソン接合の位相トンネリング経路に対して与える影響を見ることができる。図4は、第1の磁束量子ビット402が第1のコンデンサ406および第2のコンデンサ408を介して第2の磁束量子ビット404に接続されていることを示す回路図400である。図示の例では、第1のコンデンサ406および第2のコンデンサ408は、150フェムトファラッドの容量を有しており、各磁束量子ビット402および404内のインダクタは50ナノヘンリーのインダクタンスを有しており、各ジョセフソン接合の臨界電流は50ナノアンペアである。このようにして2つの量子ビット402および404を容量結合することによって、量子ビット402および404に関連するジョセフソン接合によって定義された多次元位相空間内において波動関数が広がる方向を制御することができ、特定のポテンシャル極小値に関連する波動関数を選択的に結合することが可能になる。この例では、状態|00>および状態|11>は結合されて、(|00>+|11>)/√2の基底状態が提供されるとともに、基底から約1.08ギガヘルツ高い|01>および|10>の縮退励起状態、および基底から約1.85ギガヘルツ高い(|00>-|11>)/√2の別の励起状態が存在する。位相空間における波動関数の広がりの方向、従ってエネルギー極小値に関連する波動関数の特定の結合は、コンデンサ406および408の容量の選択によって制御することができることが理解されよう。
【0017】
提案されたXXカプラの利点は、ブロッホ球の他の軸に沿って量子ビットを結合することなく、または単一量子ビットのトンネリングなどの単一量子ビット効果を引き起こすことなく、XX相互作用を提供することができることである。カプラのジョセフソン接合は、製造ばらつきに起因してわずかに異なる臨界電流を有することがあり、いくつかの例では、1つまたは複数の接合は、複合接合などの調整可能な接合に置き換えられ得る。さらに、提案されたカプラは、縮退エネルギー状態(即ち、同じエネルギーを有するエネルギー状態)を有する量子ビットに使用することができる。磁束量子ビットおよびフラクソニウム量子ビットは、縮退基底状態で動作することができる量子ビットの例である。最後に、カプラは、2つのループだけで製造することができ、システム100に対する環境ノイズの影響を制限することができる。
【0018】
図5は、一連の永久電流量子ビット510、530、および560を共にチェーン接続して量子ビットのアレイ全体にわたってXX結合を提供することができる量子システム500の一実装形態を図示する。図示の実装形態では、各量子ビット(例えば、510および530)は、4つのジョセフソン接合511~514および531~534の組として構築されるとともに、インダクタ515~518および535~538を介して互いに分離されている。量子ビット(例えば、530)の各々は、コンデンサ521~524および541~544のそれぞれの対応する組によって1つまたは複数の隣接する量子ビット(例えば、510および560)に接続されている。量子ビット間の各接続は、1つの量子ビット(例えば、530)上のインダクタとジョセフソン接合との間の第1の回路ノード551~558から始まり、別の量子ビット(例えば、510および560)上の選択されたインダクタとジョセフソン接合との間の第2の回路ノード525~528および561~564で終端する。
【0019】
図1で説明したように、所与の量子ビット内の第1のジョセフソン接合の両端の接続が、接続量子ビット内の対応する位置に対して行われるが、所与の量子ビット内の第2のジョセフソン接合の両端への接続量子ビットの接続が、第1のジョセフソン接合の接続に対して逆にされるように、量子ビットを接続することが望ましい。接続の作製を簡単にするために、1つおきの量子ビット、この場合、量子ビット503は、超伝導ループの形状が変更されて、量子ビット502および503の間の同じ物理的位置にあるジョセフソン接合を異なるように接続することが可能となるように、製造することができる。例えば、超伝導ループは、定義された平面内で実質的に平面であり得、いくつかの量子ビット(例えば、510および560)と関連する超伝導ループの定義された平面への投影は、単一の閉ループを形成し、他の量子ビット(例えば、530)と関連する超伝導ループの定義された平面への投影は、2つの接続されたループを形成する。その結果、量子ビット(510、530、および560)は、図1で説明した逆接続または交互接続(staggered connection)を依然として維持しながら、標準化された方法で接続することができる。
【0020】
上述の構造的特徴および機能的特徴を考慮して、例示的な方法は、図6を参照してより良く理解されるであろう。説明を簡単にするために、図6の例示的な方法は、連続して実行するものとして示され、説明されているが、他の例において、いくつかの動作が、本明細書に示され、かつ説明されるものとは異なる順序で、複数回、および/または同時に行われ得るため、本例は、図示されている順序によって限定されないことを理解および認識されたい。さらに、方法を実施するために全ての説明された動作が実行される必要はない。
【0021】
図6は、磁束量子ビットなどの2つの永久電流量子ビット間にXX結合を有する量子システムを製造するための方法600を示す。602において、第1の永久電流量子ビットが作製される。第1の永続電流量子ビットは、第1のジョセフソン接合および第2のジョセフソン接合によって遮断された第1の超伝導ループを含む。第1のジョセフソン接合は、第1のインダクタおよび第2のインダクタによって第2のジョセフソン接合から分離されている。インダクタは、例えば、ジョセフソン接合チェーンとして作製され、高運動インダクタンス超伝導材料から作製されるか、または長尺超伝導ワイヤとして作製され得る。一例では、各ジョセフソン接合は、10ナノヘンリーから100ナノヘンリーのインダクタンスを有しており、各ジョセフソン接合は、25ナノアンペアから100ナノアンペアの臨界電流を有することができる。
【0022】
604において、第2の永久電流量子ビットが作製される。第2の永久電流量子ビットは、第3のジョセフソン接合および第4のジョセフソン接合によって遮断された第2の超伝導ループを含む。第3のジョセフソン接合は、第3のインダクタおよび第4のインダクタによって第4のジョセフソン接合から分離されている。インダクタは、例えば、ジョセフソン接合チェーンとして作製され、高運動インダクタンスの超伝導材料から作製されるか、または長尺超伝導ワイヤとして作製され得る。一例では、各ジョセフソン接合は、10ナノヘンリーから100ナノヘンリーのインダクタンスを有しており、各ジョセフソン接合は、25ナノアンペアから100ナノアンペアの臨界電流を有することができる。一例では、第1の超伝導ループおよび第2の超伝導ループの各々は、定義された平面内で実質的に平面であり、第1の超伝導ループの定義された平面への投影は、単一の閉ループを形成し、第2の超伝導ループの定義された平面への投影は、2つの接続されたループを形成する。
【0023】
606において、第1のジョセフソン接合および第1のインダクタによって定義された第1のノードが、第1のコンデンサを介して、第3のジョセフソン接合および第3のインダクタによって定義された第2のノードに接続される。608において、第1のジョセフソン接合および第2のインダクタによって定義された第3のノードが、第2のコンデンサを介して、第3のジョセフソン接合および第4のインダクタによって定義された第4のノードに接続される。610において、第2のジョセフソン接合および第1のインダクタによって定義された第5のノードが、第3のコンデンサを介して、第4のジョセフソン接合および第4のインダクタによって定義された第6のノードに接続される。612において、第2のジョセフソン接合および第2のインダクタによって定義された第7のノードが、第4のコンデンサを介して、第4のジョセフソン接合および第3のインダクタによって定義された第8のノードに接続される。一例では、第1のコンデンサ、第2のコンデンサ、第3のコンデンサ、および第4のコンデンサの各々は、50フェムトファラッドから200フェムトファラッドの容量を有する。606、608、610、および612によるノード間の容量性接続は、第1の永久電流量子ビットと第2の永久電流量子ビットとの間のXX結合を集合的に提供する。一例では、XX結合は、500メガヘルツから2ギガヘルツの結合強度を有する。
【0024】
前述の説明では、本開示に記載された本発明の例示的な実装形態の十分な理解を提供するために、具体的な詳細が記載されている。しかしながら、これらの具体的な詳細なしに様々な実装形態が実施され得ることは明らかであろう。例えば、回路、システム、ネットワーク、プロセス、および他の構成要素は、例示的な実装形態を不必要に詳細に不明瞭にしないために、ブロック図の形式で構成要素として示され得る。他の事例では、周知の回路、プロセス、アルゴリズム、構造、および技法は、例を不明瞭にすることを回避するために、不必要な詳細なしに示され得る。例示的な実装形態の説明は、本発明の例を実施することを可能にする説明を当業者に提供するものであるが、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、要素の機能および構成において様々な変更が行われ得ることを理解されたい。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲内に含まれるそのようなすべての変更、修正および変形を包含することが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-06-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
第1の一連のジョセフソン接合によって遮断された第1の超伝導ループを備える第1の永久電流量子ビットであって、前記第1の一連のジョセフソン接合は、前記第1の一連のジョセフソン接合の第1のジョセフソン接合から始まり、前記第1の超伝導ループの周りの第1の方向に続いており、前記第1の一連のジョセフソン接合の各ジョセフソン接合は、第1の複数のインダクタのうちの2つの隣接するインダクタによって隣接するジョセフソン接合から分離されており、前記第1の超伝導ループ上の前記第1の方向においてジョセフソン接合と前記第1の複数のインダクタのうちの前記2つの隣接するインダクタのうちの第1のインダクタとの間にある関連する第1の回路ノードを有するとともに、前記第1の超伝導ループ上の前記第1の方向とは反対の第2の方向においてジョセフソン接合と前記2つの隣接するインダクタのうちの第2のインダクタとの間にある関連する第2の回路ノードを有している、前記第1の永久電流量子ビットと、
第2の一連のジョセフソン接合によって遮断された第2の超伝導ループを備える第2の永久電流量子ビットであって、前記第2の一連のジョセフソン接合は、前記第2の一連のジョセフソン接合の第1のジョセフソン接合から始まり、前記第2の超伝導ループの周りの第1の方向に続いており、前記第2の一連のジョセフソン接合の各々は、第2の複数のインダクタのうちの2つの隣接するインダクタによって隣接するジョセフソン接合から分離されており、前記第2の超伝導ループ上の前記第1の方向においてジョセフソン接合と前記第2の複数のインダクタのうちの前記2つの隣接するインダクタのうちの第1のインダクタとの間にある関連する第1の回路ノードを有するとともに、前記第2の超伝導ループ上の前記第1の方向とは反対の第2の方向においてジョセフソン接合と前記2つの隣接するインダクタのうちの第2のインダクタとの間にある関連する第2の回路ノードを有している、前記第2の永久電流量子ビットと、
前記第1の永久電流量子ビットおよび前記第2の永久電流量子ビットの回路ノード間にある一組の容量結合であって、前記一組の容量結合の第1の容量結合が、前記第1の一連のジョセフソン接合の前記第1のジョセフソン接合に関連する前記第1の回路ノードを、前記第2の一連のジョセフソン接合の前記第1のジョセフソン接合に関連する前記第1の回路ノードに接続し、前記一組の容量結合の第2の容量結合が、前記第1の一連のジョセフソン接合の前記第1のジョセフソン接合に関連する前記第2の回路ノードを、前記第2の一連のジョセフソン接合の前記第1のジョセフソン接合に関連する前記第2の回路ノードに接続し、前記一組の容量結合の第3の容量結合が、前記第1の一連のジョセフソン接合の第2のジョセフソン接合に関連する前記第1の回路ノードを、前記第2の一連のジョセフソン接合の第2のジョセフソン接合に関連する前記第2の回路ノードに接続し、前記一組の容量結合の第4の容量結合が、前記第1の一連のジョセフソン接合の前記第2のジョセフソン接合に関連する前記第2の回路ノードを、前記第2の一連のジョセフソン接合の前記第2のジョセフソン接合に関連する前記第1の回路ノードに接続する、前記一組の容量結合と、を備えるシステム。
【請求項2】
第3の一連のジョセフソン接合によって遮断される第3の超伝導ループを備える第3の永久電流量子ビットをさらに備え、前記第3の一連のジョセフソン接合は、前記第3の一連のジョセフソン接合の第1のジョセフソン接合から始まり、前記第3の超伝導ループの周りの第1の方向に続いており、前記第3の一連のジョセフソン接合の各ジョセフソン接合は、第3の複数のインダクタのうちの1つのインダクタによって隣接するジョセフソン接合から分離されており、前記第3の超伝導ループ上の前記第1の方向においてジョセフソン接合と前記2つの隣接するインダクタのうちの第1のインダクタとの間にある関連する第1の回路ノードを有するとともに、前記第3の超伝導ループ上の前記第1の方向とは反対の第2の方向においてジョセフソン接合と前記2つの隣接するインダクタのうちの第2のインダクタとの間にある関連する第2の回路ノードを有しており、前記一組の容量結合は、前記第3の一連のジョセフソン接合の第2のジョセフソン接合に関連する前記第1の回路ノードを前記第2の一連のジョセフソン接合の第3のジョセフソン接合に関連する前記第1の回路ノードに接続する前記一組の容量結合の第5の容量結合と、前記第3の一連のジョセフソン接合の前記第2のジョセフソン接合に関連する前記第2の回路ノードを前記第2の一連のジョセフソン接合の前記第3のジョセフソン接合に関連する前記第2の回路ノードに接続する前記一組の容量結合の第6の容量結合と、前記第3の一連のジョセフソン接合の前記第1のジョセフソン接合に関連する前記第1の回路ノードを前記第2の一連のジョセフソン接合の第4のジョセフソン接合に関連する前記第2の回路ノードに接続する前記一組の容量結合の第7の容量結合と、前記第3の一連のジョセフソン接合の前記第1のジョセフソン接合に関連する前記第2の回路ノードを前記第2の一連のジョセフソン接合の前記第4のジョセフソン接合に関連する前記第1の回路ノードに接続する前記一組の容量結合の第8の容量結合とをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の超伝導ループおよび前記第2の超伝導ループの各々は、定義された平面内で実質的に平面であり、前記第1の超伝導ループの前記定義された平面への投影は、単一の閉ループを形成し、前記第2の超伝導ループの前記定義された平面への投影は、2つの接続されたループを形成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記一組の容量結合の各々は、10フェムトファラッドから200フェムトファラッドの容量を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の複数のインダクタおよび前記第2の複数のインダクタの各インダクタは、1ナノヘンリーから100ナノヘンリーのインダクタンスを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記一組の容量結合は、前記第1の永久電流量子ビットと前記第2の永久電流量子ビットとの間にXX結合を提供する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記XX結合は、500メガヘルツから10ギガヘルツの結合強度を有する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の複数のインダクタおよび前記第2の複数のインダクタの各インダクタは、ジョセフソン接合チェーン、高運動インダクタンス超伝導材料、および長尺超伝導ワイヤのうちの1つを使用して実装される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の永久電流量子ビットおよび前記第2の永久電流量子ビットの各々は、磁束量子ビットである、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の一連のジョセフソン接合および前記第2の一連のジョセフソン接合の各々は、25ナノアンペアから500ナノアンペアの臨界電流を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
方法であって、
第1のジョセフソン接合および第2のジョセフソン接合によって遮断された第1の超伝導ループを備える第1の永久電流量子ビットを作製するステップであって、前記第1のジョセフソン接合が、第1のインダクタおよび第2のインダクタによって前記第2のジョセフソン接合から分離されている、前記第1の永久電流量子ビットを作製するステップと、
第3のジョセフソン接合および第4のジョセフソン接合によって遮断された第2の超伝導ループを備える第2の永久電流量子ビットを作製するステップであって、前記第3のジョセフソン接合が、第3のインダクタおよび第4のインダクタによって前記第4のジョセフソン接合から分離されている、前記第2の永久電流量子ビットを作製ステップと、
前記第1のジョセフソン接合および前記第1のインダクタによって定義された第1のノードを、第1のコンデンサを介して、前記第3のジョセフソン接合および前記第3のインダクタによって定義された第2のノードに接続するステップと、
前記第1のジョセフソン接合および前記第2のインダクタによって定義された第3のノードを、第2のコンデンサを介して、前記第3のジョセフソン接合および前記第4のインダクタによって定義された第4のノードに接続するステップと、
前記第2のジョセフソン接合および前記第1のインダクタによって定義された第5のノードを、第3のコンデンサを介して、前記第4のジョセフソン接合および前記第4のインダクタによって定義された第6のノードに接続するステップと、
前記第2のジョセフソン接合および前記第2のインダクタによって定義された第7のノードを、第4のコンデンサを介して、前記第4のジョセフソン接合および前記第3のインダクタによって定義された第8のノードに接続するステップと、を含む方法。
【請求項12】
前記第1の超伝導ループおよび前記第2の超伝導ループの各々は、定義された平面内で実質的に平面であり、前記第1の超伝導ループの前記定義された平面への投影は、単一の閉ループを形成し、前記第2の超伝導ループの前記定義された平面への投影は、2つの接続されたループを形成する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のコンデンサ、前記第2のコンデンサ、前記第3のコンデンサ、および前記第4のコンデンサの各々が、10フェムトファラッドから200フェムトファラッドの容量を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
一組の容量結合は、前記第1の永久電流量子ビットと前記第2の永久電流量子ビットとの間にXX結合を提供する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のジョセフソン接合、前記第2のジョセフソン接合、前記第3のジョセフソン接合、および前記第4のジョセフソン接合の各々が、25ナノアンペアから500ナノアンペアの間の臨界電流を有する、請求項11に記載の方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
前述の説明では、本開示に記載された本発明の例示的な実装形態の十分な理解を提供するために、具体的な詳細が記載されている。しかしながら、これらの具体的な詳細なしに様々な実装形態が実施され得ることは明らかであろう。例えば、回路、システム、ネットワーク、プロセス、および他の構成要素は、例示的な実装形態を不必要に詳細に不明瞭にしないために、ブロック図の形式で構成要素として示され得る。他の事例では、周知の回路、プロセス、アルゴリズム、構造、および技法は、例を不明瞭にすることを回避するために、不必要な詳細なしに示され得る。例示的な実装形態の説明は、本発明の例を実施することを可能にする説明を当業者に提供するものであるが、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、要素の機能および構成において様々な変更が行われ得ることを理解されたい。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲内に含まれるそのようなすべての変更、修正および変形を包含することが意図されている。
以下に、上記実施形態から把握できる技術思想を付記として記載する。
[付記1]
システムであって、
第1の一連のジョセフソン接合によって遮断された第1の超伝導ループを備える第1の永久電流量子ビットであって、前記第1の一連のジョセフソン接合は、前記第1の一連のジョセフソン接合の第1のジョセフソン接合から始まり、前記第1の超伝導ループの周りの第1の方向に続いており、前記第1の一連のジョセフソン接合の各ジョセフソン接合は、第1の複数のインダクタのうちの2つの隣接するインダクタによって隣接するジョセフソン接合から分離されており、前記第1の超伝導ループ上の前記第1の方向においてジョセフソン接合と前記第1の複数のインダクタのうちの前記2つの隣接するインダクタのうちの第1のインダクタとの間にある関連する第1の回路ノードを有するとともに、前記第1の超伝導ループ上の前記第1の方向とは反対の第2の方向においてジョセフソン接合と前記2つの隣接するインダクタのうちの第2のインダクタとの間にある関連する第2の回路ノードを有している、前記第1の永久電流量子ビットと、
第2の一連のジョセフソン接合によって遮断された第2の超伝導ループを備える第2の永久電流量子ビットであって、前記第2の一連のジョセフソン接合は、前記第2の一連のジョセフソン接合の第1のジョセフソン接合から始まり、前記第2の超伝導ループの周りの第1の方向に続いており、前記第2の一連のジョセフソン接合の各々は、第2の複数のインダクタのうちの2つの隣接するインダクタによって隣接するジョセフソン接合から分離されており、前記第2の超伝導ループ上の前記第1の方向においてジョセフソン接合と前記第2の複数のインダクタのうちの前記2つの隣接するインダクタのうちの第1のインダクタとの間にある関連する第1の回路ノードを有するとともに、前記第2の超伝導ループ上の前記第1の方向とは反対の第2の方向においてジョセフソン接合と前記2つの隣接するインダクタのうちの第2のインダクタとの間にある関連する第2の回路ノードを有している、前記第2の永久電流量子ビットと、
前記第1の永久電流量子ビットおよび前記第2の永久電流量子ビットの回路ノード間にある一組の容量結合であって、前記一組の容量結合の第1の容量結合が、前記第1の一連のジョセフソン接合の前記第1のジョセフソン接合に関連する前記第1の回路ノードを、前記第2の一連のジョセフソン接合の前記第1のジョセフソン接合に関連する前記第1の回路ノードに接続し、前記一組の容量結合の第2の容量結合が、前記第1の一連のジョセフソン接合の前記第1のジョセフソン接合に関連する前記第2の回路ノードを、前記第2の一連のジョセフソン接合の前記第1のジョセフソン接合に関連する前記第2の回路ノードに接続し、前記一組の容量結合の第3の容量結合が、前記第1の一連のジョセフソン接合の第2のジョセフソン接合に関連する前記第1の回路ノードを、前記第2の一連のジョセフソン接合の第2のジョセフソン接合に関連する前記第2の回路ノードに接続し、前記一組の容量結合の第4の容量結合が、前記第1の一連のジョセフソン接合の前記第2のジョセフソン接合に関連する前記第2の回路ノードを、前記第2の一連のジョセフソン接合の前記第2のジョセフソン接合に関連する前記第1の回路ノードに接続する、前記一組の容量結合と、を備えるシステム。
[付記2]
第3の一連のジョセフソン接合によって遮断される第3の超伝導ループを備える第3の永久電流量子ビットをさらに備え、前記第3の一連のジョセフソン接合は、前記第3の一連のジョセフソン接合の第1のジョセフソン接合から始まり、前記第3の超伝導ループの周りの第1の方向に続いており、前記第3の一連のジョセフソン接合の各ジョセフソン接合は、第3の複数のインダクタのうちの1つのインダクタによって隣接するジョセフソン接合から分離されており、前記第3の超伝導ループ上の前記第1の方向においてジョセフソン接合と前記2つの隣接するインダクタのうちの第1のインダクタとの間にある関連する第1の回路ノードを有するとともに、前記第3の超伝導ループ上の前記第1の方向とは反対の第2の方向においてジョセフソン接合と前記2つの隣接するインダクタのうちの第2のインダクタとの間にある関連する第2の回路ノードを有しており、前記一組の容量結合は、前記第3の一連のジョセフソン接合の第2のジョセフソン接合に関連する前記第1の回路ノードを前記第2の一連のジョセフソン接合の第3のジョセフソン接合に関連する前記第1の回路ノードに接続する前記一組の容量結合の第5の容量結合と、前記第3の一連のジョセフソン接合の前記第2のジョセフソン接合に関連する前記第2の回路ノードを前記第2の一連のジョセフソン接合の前記第3のジョセフソン接合に関連する前記第2の回路ノードに接続する前記一組の容量結合の第6の容量結合と、前記第3の一連のジョセフソン接合の前記第1のジョセフソン接合に関連する前記第1の回路ノードを前記第2の一連のジョセフソン接合の第4のジョセフソン接合に関連する前記第2の回路ノードに接続する前記一組の容量結合の第7の容量結合と、前記第3の一連のジョセフソン接合の前記第1のジョセフソン接合に関連する前記第2の回路ノードを前記第2の一連のジョセフソン接合の前記第4のジョセフソン接合に関連する前記第1の回路ノードに接続する前記一組の容量結合の第8の容量結合とをさらに含む、付記1に記載のシステム。
[付記3]
前記第1の超伝導ループおよび前記第2の超伝導ループの各々は、定義された平面内で実質的に平面であり、前記第1の超伝導ループの前記定義された平面への投影は、単一の閉ループを形成し、前記第2の超伝導ループの前記定義された平面への投影は、2つの接続されたループを形成する、付記1に記載のシステム。
[付記4]
前記一組の容量結合の各々は、10フェムトファラッドから200フェムトファラッドの容量を有する、付記1に記載のシステム。
[付記5]
前記第1の複数のインダクタおよび前記第2の複数のインダクタの各インダクタは、1ナノヘンリーから100ナノヘンリーのインダクタンスを有する、付記1に記載のシステム。
[付記6]
前記一組の容量結合は、前記第1の永久電流量子ビットと前記第2の永久電流量子ビットとの間にXX結合を提供する、付記1に記載のシステム。
[付記7]
前記XX結合は、500メガヘルツから10ギガヘルツの結合強度を有する、付記6に記載のシステム。
[付記8]
前記第1の複数のインダクタおよび前記第2の複数のインダクタの各インダクタは、ジョセフソン接合チェーン、高運動インダクタンス超伝導材料、および長尺超伝導ワイヤのうちの1つを使用して実装される、付記1に記載のシステム。
[付記9]
前記第1の永久電流量子ビットおよび前記第2の永久電流量子ビットの各々は、磁束量子ビットである、付記1に記載のシステム。
[付記10]
前記第1の一連のジョセフソン接合および前記第2の一連のジョセフソン接合の各々は、25ナノアンペアから500ナノアンペアの臨界電流を有する、付記1に記載のシステム。
[付記11]
方法であって、
第1のジョセフソン接合および第2のジョセフソン接合によって遮断された第1の超伝導ループを備える第1の永久電流量子ビットを作製するステップであって、前記第1のジョセフソン接合が、第1のインダクタおよび第2のインダクタによって前記第2のジョセフソン接合から分離されている、前記第1の永久電流量子ビットを作製するステップと、
第3のジョセフソン接合および第4のジョセフソン接合によって遮断された第2の超伝導ループを備える第2の永久電流量子ビットを作製するステップであって、前記第3のジョセフソン接合が、第3のインダクタおよび第4のインダクタによって前記第4のジョセフソン接合から分離されている、前記第2の永久電流量子ビットを作製ステップと、
前記第1のジョセフソン接合および前記第1のインダクタによって定義された第1のノードを、第1のコンデンサを介して、前記第3のジョセフソン接合および前記第3のインダクタによって定義された第2のノードに接続するステップと、
前記第1のジョセフソン接合および前記第2のインダクタによって定義された第3のノードを、第2のコンデンサを介して、前記第3のジョセフソン接合および前記第4のインダクタによって定義された第4のノードに接続するステップと、
前記第2のジョセフソン接合および前記第1のインダクタによって定義された第5のノードを、第3のコンデンサを介して、前記第4のジョセフソン接合および前記第4のインダクタによって定義された第6のノードに接続するステップと、
前記第2のジョセフソン接合および前記第2のインダクタによって定義された第7のノードを、第4のコンデンサを介して、前記第4のジョセフソン接合および前記第3のインダクタによって定義された第8のノードに接続するステップと、を含む方法。
[付記12]
前記第1の超伝導ループおよび前記第2の超伝導ループの各々は、定義された平面内で実質的に平面であり、前記第1の超伝導ループの前記定義された平面への投影は、単一の閉ループを形成し、前記第2の超伝導ループの前記定義された平面への投影は、2つの接続されたループを形成する、付記11に記載の方法。
[付記13]
前記第1のコンデンサ、前記第2のコンデンサ、前記第3のコンデンサ、および前記第4のコンデンサの各々が、10フェムトファラッドから200フェムトファラッドの容量を有する、付記11に記載の方法。
[付記14]
前記第1のインダクタ、前記第2のインダクタ、前記第3のインダクタ、前記第4のインダクタの各々は、1ナノヘンリーから100ナノヘンリーのインダクタンスを有する、付記11に記載の方法。
[付記15]
一組の容量結合は、前記第1の永久電流量子ビットと前記第2の永久電流量子ビットとの間にXX結合を提供する、付記11に記載の方法。
[付記16]
第1の複数のインダクタおよび第2の複数のインダクタの各インダクタは、ジョセフソン接合チェーン、高運動インダクタンス超伝導材料、および長尺超伝導ワイヤのうちの1つとして作製される、付記11に記載の方法。
[付記17]
前記第1の永久電流量子ビットおよび前記第2の永久電流量子ビットの各々は、磁束量子ビットである、付記11に記載の方法。
[付記18]
前記第1のジョセフソン接合、前記第2のジョセフソン接合、前記第3のジョセフソン接合、および前記第4のジョセフソン接合の各々が、25ナノアンペアから500ナノアンペアの間の臨界電流を有する、付記11に記載のシステム。
[付記19]
システムであって、
第1のジョセフソン接合および第2のジョセフソン接合によって遮断された第1の超伝導ループを備える第1の永久電流量子ビットであって、前記第1のジョセフソン接合が、第1のインダクタおよび第2のインダクタによって前記第2のジョセフソン接合から分離されている、前記第1の永久電流量子ビットと、
第3のジョセフソン接合および第4のジョセフソン接合によって遮断された第2の超伝導ループを備える第2の永久電流量子ビットであって、前記第3のジョセフソン接合が、第3のインダクタおよび第4のインダクタによって前記第4のジョセフソン接合から分離されている、前記第2の永久電流量子ビットと、
前記第1のジョセフソン接合および前記第1のインダクタによって定義された第1のノードを、前記第3のジョセフソン接合および前記第3のインダクタによって定義された第2のノードに接続する第1の容量結合と、
前記第1のジョセフソン接合および前記第2のインダクタによって定義された第3のノードを、前記第3のジョセフソン接合および前記第4のインダクタによって定義された第4のノードに接続する第2の容量結合と、
前記第2のジョセフソン接合および前記第1のインダクタによって定義された第5のノードを、前記第4のジョセフソン接合および前記第4のインダクタによって定義された第6のノードに接続する第3の容量結合と、
前記第2のジョセフソン接合および前記第2のインダクタによって定義された第7のノードを、前記第4のジョセフソン接合および前記第3のインダクタによって定義された第8のノードに接続する第4の容量結合と、を備え、
前記第1の容量結合、前記第2の容量結合、前記第3の容量結合、および前記第4の容量結合は、前記第1の永久電流量子ビットと前記第2の永久電流量子ビットとの間にXX結合を集合的に提供する、システム。
[付記20]
前記XX結合は、500メガヘルツから10ギガヘルツの結合強度を有する、付記19に記載のシステム。
【国際調査報告】