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特表2024-543678毛髪の保護のための方法および組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】毛髪の保護のための方法および組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/58 20060101AFI20241114BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20241114BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20241114BHJP
   A61K 8/365 20060101ALI20241114BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20241114BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
A61K8/58
A61Q5/12
A61K8/02
A61K8/365
A61K8/36
A61K8/37
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535273
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(85)【翻訳文提出日】2024-08-07
(86)【国際出願番号】 US2021064289
(87)【国際公開番号】W WO2023121639
(87)【国際公開日】2023-06-29
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508129090
【氏名又は名称】ジェレスト, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】タチアナ アベル-ロベルマン
(72)【発明者】
【氏名】バリー シー アークルズ
(72)【発明者】
【氏名】アリソン アン フィリップス
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB051
4C083AC271
4C083AC272
4C083AC301
4C083AC302
4C083AC371
4C083AC372
4C083AC911
4C083AC912
4C083BB42
4C083CC33
4C083DD06
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD38
4C083EE28
4C083EE29
(57)【要約】
長鎖未加水分解アルキルトリアルコキシシランを毛幹に適用すること、次いでこのアルキルトリアルコキシシランを加水分解および重合して、pH調整水を利用することによって毛幹に非浸透性外層を形成すること、続いて熱を加えることにより、毛髪をダメージから保護する方法。あるいは、アルキルトリアルコキシシランは、熱を加える前に、アルキルまたはアルケニルコハク酸無水物と組み合わせて毛髪に適用されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪を保護する方法であって、
(a)少なくとも1種の長鎖アルキルトリエトキシシランを、濡れた毛髪または乾いた毛髪に適用するステップと、
(b)酸性pHに調整された水を毛髪に適用するステップと、
(c)毛髪を加熱するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
少なくとも1種の前記アルキルトリエトキシシランのアルキル基が、約8~約22個の炭素原子を含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1種の前記アルキルトリエトキシシランのアルキル基が、約12~約16個の炭素原子を含有する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(b)の水が、約4~5のpHを有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(c)が、ヘアドライヤー、カールアイロン、および/またはストレートアイロンから熱を加えることを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
保護された毛髪が、保護性の弾性外層を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
アルキルトリエトキシシランが毛髪の表面で加水分解して重合し、保護膜を形成する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(b)が、毛髪に酢酸、クエン酸、または緩衝系の溶液を適用することを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(a)が、揮発性または不揮発性溶媒中に、少なくとも1種の前記アルキルトリエトキシシランを約5~60重量%含有する溶液を適用することを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
毛髪を保護する方法であって、
(a)少なくとも1種の長鎖アルキルトリエトキシシラン、および少なくとも1種の長鎖アルキルまたはアルケニルコハク酸無水物を含む混合物を濡れた毛髪または乾いた毛髪に適用するステップと、
(b)毛髪を加熱するステップと
を含む、方法。
【請求項11】
少なくとも1種の前記アルキルトリエトキシシランのアルキル基が、約8~約22個の炭素原子を含有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1種の前記アルキルトリエトキシシランのアルキル基が、約12~約16個の炭素原子を含有する、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
アルキルまたはアルケニルコハク酸無水物のアルキル基またはアルケニル基が、約8~約18個の炭素原子を含有する、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
ステップ(b)が、ヘアドライヤー、カールアイロン、および/またはストレートアイロンから熱を加えることを含む、請求項10から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
保護された毛髪が、保護性の弾性外層を有する、請求項10から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
アルキルトリエトキシシランが毛髪の表面で加水分解して重合し、保護膜を形成する、請求項10から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記混合物が、少なくとも1種の前記長鎖アルキルまたはアルケニルコハク酸無水物を少なくとも約0.5重量%、および約10重量%未満含有し、残りが少なくとも1種の前記アルキルトリエトキシシランである、請求項10から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記混合物が、少なくとも1種の前記長鎖アルキルまたはアルケニルコハク酸無水物を少なくとも約0.5重量%、および約10重量%未満、少なくとも1種の前記アルキルトリエトキシシランを、約5~60重量%含有する、請求項10から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1種の長鎖アルキルトリエトキシシランおよび少なくとも1種の長鎖アルキルまたはアルケニルコハク酸無水物を含む組成物であって、毛髪に適用して乾燥させると、保護性の弾性外層を形成する、組成物。
【請求項20】
少なくとも1種のアルキルトリエトキシシランのアルキル基が、約8~約22個の炭素原子を含有し、少なくとも1種のアルキルまたはアルケニルコハク酸無水物のアルキル基またはアルケニル基が、約8~約18個の炭素原子を含有する、請求項19に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
身体的ストレス、化学的処理、または自然な老化による毛髪障害は、当然ながら不可避である。毛髪は自然に回復しないため、典型的には障害は元に戻らないが、大半の毛髪トリートメントは、すでに傷んだ毛髪を修復することに注力している。
【0002】
毛幹の最外層である毛髪表面構造は、毛髪キューティクルのケラチン関連タンパク質に共有結合している18-メチルエイコサン酸(18-MEA)を豊富に含み、比較的なめらかな疎水性保護被覆層を形成している(非特許文献1参照)。18-MEAの層が失われると、これは補充されず、毛髪の自然な構造および挙動が損なわれる。損失に付随して、負に帯電したスルホン酸基(SO )は、毛髪の最表面に露出し、毛髪を比較的親水性にし、湿度の変化に過敏にさせて、ツヤがなく縮れた見た目にする活性種となる。18-MEAが損失すると、ケラチン関連タンパク質、ペプチド、およびアミノ酸も露出し、これらのさらなる障害および破壊につながる。
【0003】
毛髪からの18-MEAの損失は、従来、SO 部位とイオン結合する正に帯電した第四級塩を含有する製品で対処されており、毛髪の負電荷を一時的に中和している。これらの塩の使用の主な欠点は、これらが毛幹の障害部位と弱く結合するのみであり、低濃度レベルに制限されていることである。さらに、第四級塩とSO の間のイオン結合は、洗髪するか、または毛髪をブラッシングするだけで容易に切断されるため、効果が一時的なものとなっている。18-MEAの損失を処理するための第四級塩を含む大半の製品には、過剰に使用すると蓄積を引き起こす脂肪酸および他の成分が組み込まれている。したがって、これらのトリートメントのほとんどが一時的なものであるため、効果を得るために定期的に使用しなければならない。さらに、これらの製品は、18-MEAのさらなる損失を防ぐものではなく、電荷の中和により既存の障害の外観を低減するのみである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Tokunaga,Cosmetics,6,31(2019)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
傷んだ毛髪を処理するための従来の他のアプローチは、18-MEAが失われた毛髪のキューティクルに浸透することによって、傷んだ毛髪を修正するものであった。例えば、米国特許第8,470,064号明細書は、炭素が6個以下の短鎖アルキルトリアルコキシシランが毛髪のキューティクルに浸透し、毛髪の扱いやすさを向上させることができると教示している。この利点にかかわらず、これらの方法で処理された毛髪には構造変化が起こる。予備加水分解または予備重合したアルキルトリアルコキシシラン(アルキルシラントリオールまたはアルキルシルセスキオキサン)を、毛髪に直接適用するか、またはエマルションで安定化させて適用する毛髪トリートメントの方法が、米国特許第10,487,242号明細書で説明されている。しかしながら、当該技術分野においては、毛幹への障害を防止するための方法が、依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様では、毛髪を保護する方法であって、
(a)少なくとも1種の長鎖アルキルトリエトキシシランを、濡れた毛髪または乾いた毛髪に適用するステップと、
(b)酸性pHに調整された水を毛髪に適用するステップと、
(c)毛髪を加熱するステップと
を含む、方法を提供する。
【0007】
本開示の別の態様では、毛髪を保護する方法であって、
(a)少なくとも1種の長鎖アルキルトリエトキシシラン、および少なくとも1種の長鎖アルキルまたはアルケニルコハク酸無水物を含む混合物を濡れた毛髪または乾いた毛髪に適用するステップと、
(b)毛髪を加熱するステップと
を含む、方法を提供する。
【0008】
本開示のさらなる態様では、少なくとも1種の長鎖アルキルトリエトキシシランおよび少なくとも1種の長鎖アルキルまたはアルケニルコハク酸無水物を含む組成物であって、毛髪に適用して乾燥させると、保護性の弾性外層を形成する、組成物が提供される。
【0009】
本発明の有利な改良は、単独でまたは組み合わせて実施することができ、従属クレームで規定されている。
【0010】
要約すると、以下の実施形態が、本発明の範囲において特に好ましいものとして提案される。
【0011】
実施形態1:毛髪を保護する方法であって、
(a)少なくとも1種の長鎖アルキルトリエトキシシランを、濡れた毛髪または乾いた毛髪に適用するステップと、
(b)酸性pHに調整された水を毛髪に適用するステップと、
(c)毛髪を加熱するステップと
を含む、方法。
【0012】
実施形態2:少なくとも1種のアルキルトリエトキシシランのアルキル基が、約8~約22個の炭素原子を含有する、実施形態1に記載の方法。
【0013】
実施形態3:少なくとも1種のアルキルトリエトキシシランのアルキル基が、約12~約16個の炭素原子を含有する、実施形態1または2に記載の方法。
【0014】
実施形態4:ステップ(b)の水が、約4~5のpHを有する、実施形態1から3のいずれかに記載の方法。
【0015】
実施形態5:ステップ(c)が、ヘアドライヤー、カールアイロン、および/またはストレートアイロンから熱を加えることを含む、実施形態1から4のいずれかに記載の方法。
【0016】
実施形態6:保護された毛髪が、保護性の弾性外層を有する、実施形態1から5のいずれかに記載の方法。
【0017】
実施形態7:アルキルトリエトキシシランが毛髪の表面で加水分解して重合し、保護膜を形成する、実施形態1から6のいずれかに記載の方法。
【0018】
実施形態8:ステップ(b)が、毛髪に酢酸、クエン酸、または緩衝系の溶液を適用することを含む、実施形態1から7のいずれかに記載の方法。
【0019】
実施形態9:ステップ(a)が、揮発性または不揮発性溶媒中に、少なくとも1種のアルキルトリエトキシシランを約5~60重量%含有する溶液を適用することを含む、実施形態1から8のいずれかに記載の方法。
【0020】
実施形態10:毛髪を保護する方法であって、
(a)少なくとも1種の長鎖アルキルトリエトキシシラン、および少なくとも1種の長鎖アルキルまたはアルケニルコハク酸無水物を含む混合物を濡れた毛髪または乾いた毛髪に適用するステップと、
(b)毛髪を加熱するステップと
を含む、方法。
【0021】
実施形態11:少なくとも1種のアルキルトリエトキシシランのアルキル基が、約8~約22個の炭素原子を含有する、実施形態10に記載の方法。
【0022】
実施形態12:少なくとも1種のアルキルトリエトキシシランのアルキル基が、約12~約16個の炭素原子を含有する、実施形態10または11に記載の方法。
【0023】
実施形態13:アルキルまたはアルケニルコハク酸無水物のアルキル基またはアルケニル基が、約8~約18個の炭素原子を含有する、実施形態10から12のいずれかに記載の方法。
【0024】
実施形態14:ステップ(b)が、ヘアドライヤー、カールアイロン、および/またはストレートアイロンから熱を加えることを含む、実施形態10から13のいずれかに記載の方法。
【0025】
実施形態15:保護された毛髪が、保護性の弾性外層を有する、実施形態10から14のいずれかに記載の方法。
【0026】
実施形態16:アルキルトリエトキシシランが毛髪の表面で加水分解して重合し、保護膜を形成する、実施形態10から15のいずれかに記載の方法。
【0027】
実施形態17:混合物が、少なくとも1種の長鎖アルキルまたはアルケニルコハク酸無水物を少なくとも約0.5重量%、および約10重量%未満含有し、残りが少なくとも1種のアルキルトリエトキシシランである、実施形態10から16のいずれかに記載の方法。
【0028】
実施形態18:混合物が、少なくとも1種の長鎖アルキルまたはアルケニルコハク酸無水物を少なくとも約0.5重量%、および約10重量%未満、ならびに少なくとも1種のアルキルトリエトキシシランを約5~60重量%含有する、実施形態10から17のいずれかに記載の方法。
【0029】
実施形態19:少なくとも1種の長鎖アルキルトリエトキシシランおよび少なくとも1種の長鎖アルキルまたはアルケニルコハク酸無水物を含む組成物であって、毛髪に適用して乾燥させると、保護性の弾性外層を形成する、組成物。
【0030】
実施形態20:少なくとも1種のアルキルトリエトキシシランのアルキル基が、約8~約22個の炭素原子を含有し、少なくとも1種のアルキルまたはアルケニルコハク酸無水物のアルキル基またはアルケニル基が、約8~約18個の炭素原子を含有する、実施形態19に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本開示の態様は、ダメージ前に毛幹を保護する方法に関し、したがって、元の構造を保持し、毛髪の寿命を延ばす。このような方法は、傷んだ毛髪または傷んでいない毛髪に使用する場合、より健康的な外観、強度、および輝きを提供することにより、さらなる利点を提供する。
【0032】
本明細書に記載の方法を採用することにより、保護性の、弾性で、非浸透性の外層が1本1本の毛幹に形成され、化学的処理、物理的処理、および老化の間の18-MEAの損失を防止し、毛幹の完全性を実現する。これは、キューティクルへの浸透が起こらず、毛幹の構造的完全性が維持されるように、十分な数の炭素原子を有するアルキルトリエトキシシランを濡れた毛髪または乾いた毛髪に適用することによって達成される。適用後、アルキルトリエトキシシランは、pHを中性からやや酸性に変化させて熱を加えると、毛幹の外表面で加水分解および重合プロセスを経る。疎水性挙動が18-MEAに類似しており、かつ分子寸法が毛幹への浸透を防止するのに十分大きいため、適切なアルキル基長、すなわち約8~約22個の炭素原子が選択される。したがって、アルキル基は、約8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22個の炭素原子を有し得る。約12~約16個の炭素原子を有するアルキルトリエトキシシランの相溶性および性能が最適であるように見受けられ、現在のところ好ましい。したがって、好ましいアルキルトリエトキシシランは、約12、13、14、15、または16個の炭素原子を含有する。毛髪に適用し、加水分解し、重合させると、保護層が形成され、毛髪繊維は1本1本の髪の毛のままであり、すなわち、これらが連続した膜によって接続または連結されるのではなく、むしろなめらかでまとまった挙動を示し、より良く機械的障害に抵抗することができる。
【0033】
本開示による毛髪を保護する第1の方法は、少なくとも1種の長鎖アルキルトリエトキシシランを湿った毛髪または乾いた毛髪に直接適用するステップと、続いて、酸性pH、好ましくは約4~5のpHに調整された水を毛髪に適用するステップと、毛髪を加熱するステップとを含む。「長鎖アルキルトリエトキシシラン」という用語は、先に説明したように、アルキル基の炭素鎖が約8~約22個の炭素原子、より好ましくは約12~約16個の炭素原子を含むトリエトキシシランを包含すると理解され得る。アルキルトリエトキシシランの疎水性アルキル部分は、18-MEAの炭化水素鎖との疎水性相互作用により層を形成する。アルキルトリエトキシシランは毛髪に適用した後、18-MEAに富む外層と急速に結合し、酸性水の適用によりシランのトリエトキシ部分が加水分解される。これにより、シランの加水分解が開始され、ヘアドライヤー、カールアイロン、および/またはストレートアイロンなど、ヘアサロンで一般的に見られる加熱器具を使用して熱を加えると縮合して重合する。水のpH調整は、例えば、酢酸、クエン酸、もしくは他の酸性種の希薄溶液を形成すること、または酢酸ナトリウム/酢酸などの緩衝系を用いることによって、周知の方法によって達成することができるので、このような希薄溶液を第2のステップで毛髪に適用してもよい。あるいは、この方法は、まず、酸性pH、好ましくは約4~5のpHに調整された水で毛髪を濡らすステップと、次いで、少なくとも1種の長鎖アルキルトリエトキシシランを適用するステップとを含んでもよい。ただし、この方法では、均一な挙動を実現するために、より積極的に適用することが必要である。
【0034】
本開示による毛髪を保護する第2の方法は、少なくとも1種の長鎖アルキルトリエトキシシランおよび少なくとも1種の長鎖アルキルまたはアルケニルコハク酸無水物を主に含有する混合物を、湿った毛髪または乾いた毛髪に適用するステップを含む。「長鎖アルキルまたはアルケニルコハク酸無水物」という用語は、アルキル基またはアルケニル基の炭素鎖が約8~約18個の炭素原子、より好ましくは約16個の炭素を含むコハク酸無水物を包含すると理解され得る。したがって、アルキル基またはアルケニル基は、約8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、または18個の炭素原子を含んでいてもよい。混合物中のコハク酸無水物の量は、好ましくは少なくとも約0.5重量%、および約10重量%未満、より好ましくは約2重量%未満である。混合物中のトリエトキシシランの量は、好ましくは約50重量%~約99.5重量%である。したがって、混合物は、コハク酸無水物およびトリエトキシシランのみを含有してもよいか(0.5重量%~10重量%のコハク酸無水物および残りがトリエトキシシラン)、または、前述のように、2種の成分を残りの水または溶媒に対して好ましい濃度で含有する溶液であってもよい。この方法により、酸性水を別途適用するステップの必要がなくなり、毛髪は適用前に濡らしても適用後に濡らしてもよい。すなわち、混合物は、濡れた毛髪または乾いた毛髪に適用してもよい。アルキルトリエトキシシランおよびアルキルまたはアルケニルコハク酸無水物を含有する混合物を適用した後、ヘアサロンで一般的に見られる加熱器具を使用して毛髪に熱を加えることにより、成分がさらに縮合する。
【0035】
また、毛髪に適用する前に、アルキルトリアルコキシシランを加水分解しない既知の担体またはビヒクルと組み合わせて、長鎖アルキルトリアルコキシシランを毛髪に適用することも本開示の範囲内である。例えば、5~60重量%のアルキルトリアルコキシシランを含有する製剤を、例えば、これらに限定されないが、2-エチルヘキシルパルミテートもしくはオクチルトリメチコンなどの相溶性不揮発性溶媒、またはこれらに限定されないが、プロピルトリメチコンもしくはデカメチルシクロペンタシロキサンなどの揮発性溶媒と混合してもよい。このような溶媒は、成分が所望の量で溶液中に存在する限りにおいて、アルコキシシランを単独で施す場合、またはコハク酸無水物と混合する場合に適切である。
【0036】
本開示による方法によって処理された毛髪は、ダメージ(例えば、環境、物理的ストレス、化学的処理、および自然な老化)から保護され、くし通り、光沢、縮れの減少、および感触のなめらかさを含む「健康な」毛髪の挙動を維持する。さらに、1本1本の毛幹に形成された非浸透性外層により、保護された1本1本の髪の毛は独立して動くことができるが、これらは同様の物理的特性を有するため、比較的まとまって動くことができ、自然な外観および挙動を維持する。これは、アルコキシシランのオリゴマー縮合生成物などのポリマー材料を毛髪に適用し、毛幹の間で架橋するのとは著しく対照的である。このような架橋は、本明細書に記載の方法によって処理された毛髪には生じない。
【0037】
本明細書に記載の方法は、ストレート、ウェーブ、カール、もしくは縮れた毛髪、未処理毛、またはブリーチ、カラーリング、パーマ、縮毛矯正、もしくは他の任意の種類の化学的もしくは物理的処理を受けた毛髪、およびあらゆる形態、形状、もしくは長さの毛髪を含む、すべての種類の毛髪の処理に適している。
【0038】
本発明は、以下の非限定的な実施例に関連して次に説明される。
【0039】
実施例1:酸性水および/または熱暴露を伴うn-オクチルトリエトキシシランの未処理毛への適用
サンプル調製:幅4インチおよび長さ6インチのくせ毛および縮れ毛(カールパターンタイプIV)の未処理毛束(IHIPから購入)を、一般的なシャンプーで洗浄し、自然乾燥し、各A、B、C、およびDとラベル付けした1インチの4つのストリップに切断した。
【0040】
サンプル1-重さ4.0gの毛束Aをシャンプーおよびコンディショナーで洗浄し、自然乾燥させた。このサンプルを、「対照」と呼ぶ。
【0041】
サンプル2-毛束Bにn-オクチルトリエトキシシラン(CAS番号2943-75-1)を噴霧して、完全に浸潤させた。指を使って、材料を毛束全体に広げて、毛幹の表面全体を覆った。処理した毛束を室温で10分間空気に暴露した。10分後、酢酸でpH4.5に調整した水を毛束に噴霧した。毛束をプラスチックで30分間覆い、次いでヘアドライヤーを用いて高速および高熱で乾燥させた。毛束が完全に乾いたら、コーミングし、0.5インチの部分を5~7回、410°Fでストレートアイロンをかけた。毛束を24時間後にシャンプーおよびコンディショナーで洗浄し、室温、相対湿度67%で自然乾燥させた。処理された毛髪は、輝きが増し、縮れが大幅に減少し、なめらかさが増し、ドライコーミングを促進した。
【0042】
サンプル3-毛束Cに、酢酸でpH4.5に調整した水を毛髪に浸潤するまで噴霧した。次いで、毛束に、毛髪を浸潤させるのに十分なn-オクチルトリエトキシシランを噴霧した。指を使って、材料を毛束に広げて、毛幹の表面全体に行き渡らせた。毛束をプラスチックで30分間覆い、ヘアドライヤーを用いて高速および高熱で乾燥させ、次いでコーミングし、0.5インチの部分を5~7回、410°Fでストレートアイロンをかけた。毛束を24時間後にシャンプーおよびコンディショナーで洗浄し、室温、相対湿度67%で自然乾燥させた。処理された毛髪は、輝きが増し、縮れが大幅に減少し、なめらかさが増し、ドライコーミングを促進した。
【0043】
サンプル4-毛束Dにn-オクチルトリエトキシシランを噴霧した。指を使って、材料を毛束に広げて、毛幹の表面全体に行き渡らせた。毛束をプラスチックで覆って30分間反応させ、ヘアドライヤーを用いて高速および高熱で乾燥させて、次いでコーミングし、0.5インチの部分を5~7回、410°Fでストレートアイロンをかけた。毛束を24時間後にシャンプーおよびコンディショナーで洗浄し、室温、相対湿度67%で自然乾燥させた。処理された毛髪は、輝きが増し、縮れが大幅に減少し、なめらかさが増し、ドライコーミングを促進した。
【0044】
毛束A~Dの分析
毛束AからDを平面に平らに置き、最も幅が広い領域で測定を行った。処理した毛髪の幅測定値を縮れの指標として対照(A)と比較したところ、毛束の幅が広いほど縮れが多かった。毛束A(対照)の幅は13cmであった。毛束Bの幅は7.5cmで、42%の縮れの減少に相当した。毛束Cの幅は7.7cmで、40%の縮れの減少に相当した。毛束Dの幅は7.0cmで、46%の縮れの減少に相当した。
【0045】
サンプルB、C、およびDは、サンプルA(対照)と比較して、明確なカール、輝きの増加、およびなめらかさの増加を示し、これらの特性は、化粧品業界の専門知識を持つ個人によって審査および評価された。以下の関係が観察された。
なめらかさ:C>B>D、
輝き:D=C=B
【0046】
サンプルA、B、C、およびDのSEM画像を収集した。サンプルB、C、およびDは、エネルギー分散型X線分光法(EDS)分析により、毛幹の外層にシリコーンが存在することを示した。
【0047】
実施例2:酸性水および/または熱暴露を伴うヘキサデシルトリエトキシシランのブリーチした毛髪への適用
サンプル調製:幅4インチ、および長さ6インチの未処理毛、くせ毛および縮れ毛(カールパターンタイプIV)の毛束(IHIPから購入)を、40ボリュームデベロッパー(40 volume developer)を使用してレベル9のブリーチで2回ブリーチした。毛束を一般的なシャンプーで洗浄し、自然乾燥し、各A、B、C、およびDとラベル付けした1インチの4つのストリップに切断した。
【0048】
サンプル1-毛束Aをシャンプーおよびコンディショナーで洗浄し、自然乾燥させた。このサンプルを、「対照」と呼ぶ。
【0049】
サンプル2-毛束Bにヘキサデシルトリエトキシシラン(CAS番号16415-13-7)を噴霧して、完全に浸潤させた。指を使って、材料を毛束に広げて、毛幹の表面全体を覆った。処理した毛束を室温で10分間空気に暴露した。10分後、酢酸でpH4.5に調整した水を毛束に噴霧した。毛束をプラスチックで覆って30分間反応させ、次いでヘアドライヤーを用いて高速および高熱で乾燥させた。毛束を完全に乾燥させたら、コーミングし、0.5インチの部分を5~7回、410°Fでストレートアイロンをかけた。毛束を24時間後にシャンプーおよびコンディショナーで洗浄し、室温、相対湿度65%で自然乾燥させた。処理された毛髪は、輝きが増し、縮れが大幅に減少し、なめらかさが増し、ドライコーミングを促進した。
【0050】
サンプル3-毛束Cに、クエン酸でpH4.5に調整した水を噴霧して、完全に浸潤させ、次いで毛髪を浸潤させるのに十分な量でヘキサデシルトリエトキシシランを噴霧した。指を使って、材料を毛束に広げて、毛幹の表面全体を覆った。毛束をプラスチックで覆って30分間反応させ、ヘアドライヤーを用いて高速および高熱で乾燥させて、次いでコーミングし、0.5インチの部分を5~7回、410°Fでストレートアイロンをかけた。毛束を24時間後にシャンプーおよびコンディショナーで洗浄し、室温、相対湿度65%で自然乾燥させた。処理された毛髪は、輝きが増し、縮れが大幅に減少し、なめらかさが増し、ドライコーミングを促進した。
【0051】
サンプル4-毛束Dに、ヘキサデシルトリエトキシシラン(CAS番号16415-13-7)を毛髪に浸潤するまで噴霧した。指を使って、材料を毛束に広げて、毛幹の表面全体を覆った。毛束をプラスチックで覆って30分間反応させ、ヘアドライヤーを用いて高速および高熱で乾燥させて、次いでコーミングし、0.5インチの部分を5~7回、410°Fでストレートアイロンをかけた。毛束を24時間後にシャンプーおよびコンディショナーで洗浄し、室温、相対湿度65%で自然乾燥させた。処理された毛髪は、輝きが増し、縮れが大幅に減少し、なめらかさが増し、ドライコーミングを促進した。
【0052】
毛束A~Dの分析
毛束AからDを平面に平らに置き、最も幅が広い領域で測定を行った。処理した毛髪の幅測定値を縮れの指標として対照と比較したところ、毛束の幅が広いほど縮れが多かった。毛束A(対照)の幅は約11cmであった。毛束Bの幅は約4.5cmで、59%の縮れの減少に相当した。毛束Cの幅は約5.0cmで、55%の縮れの減少に相当した。毛束Dの幅は約8.0cmで、27%の縮れの減少に相当した。
【0053】
なめらかさおよび輝きは、化粧品業界の専門知識を持つ個人によって審査および評価された。以下の関係が観察された:サンプルB、C、およびDは、サンプルA(対照)と比較して矯正効果を示した。また、サンプルB、C、およびDは、輝きおよびなめらかさが増した。
【0054】
サンプルA、B、C、およびDのSEM画像を収集した。サンプルB、C、およびDは、エネルギー分散型X線分光法(EDS)分析により、毛幹の外層にシリコーンが存在することを示した。
【0055】
実施例3:長鎖アルキルコハク酸無水物の適用および熱暴露を伴うヘキサデシルトリエトキシシランの毛髪への適用
サンプル調製:幅4インチおよび長さ6インチのくせ毛および縮れ毛(カールパターンタイプIV)の未処理毛束(IHIPから購入)を、一般的なシャンプーで洗浄し、自然乾燥し、各A、B、C、およびDとラベル付けした1インチの4つのストリップに切断した。
【0056】
サンプル1-重さ4.0gの毛束Aをシャンプーおよびコンディショナーで洗浄し、自然乾燥させた。このサンプルを、「対照」と呼ぶ。
【0057】
サンプル2-毛束Bを水で浸潤させ、次いで99%ヘキサデシルトリエトキシシラン(CAS番号16415-13-7)および1%ドデセニルコハク酸無水物からなる溶液を噴霧した。指を使って、材料を濡れた毛束に広げて、毛幹の表面全体を覆った。毛束をプラスチックで覆って30分間反応させ、ヘアドライヤーを用いて高速および高熱で乾燥させて、次いでコーミングし、0.5インチの部分を5~7回、410°Fでストレートアイロンをかけた。毛束を24時間後にシャンプーおよびコンディショナーで洗浄し、室温、相対湿度67%で自然乾燥させた。処理された毛髪は、輝きが増し、縮れが大幅に減少し、なめらかさが増し、ドライコーミングを促進した。
【0058】
サンプル3-毛束Cを水で浸潤させ、次いで99%ヘキサデシルトリエトキシシラン(CAS番号16415-13-7)および1%ヘキサデセニルコハク酸無水物からなる溶液を噴霧した。指を使って、材料を濡れた毛束に広げて、毛幹の表面全体を覆った。毛束をプラスチックで覆って30分間反応させ、ヘアドライヤーを用いて高速および高熱で乾燥させて、次いでコーミングし、0.5インチの部分を5~7回、410°Fでストレートアイロンをかけた。毛束を24時間後にシャンプーおよびコンディショナーで洗浄し、室温、相対湿度67%で自然乾燥させた。処理された毛髪は、輝きが増し、縮れが大幅に減少し、なめらかさが増し、ドライコーミングを促進した。
【0059】
サンプル4-毛束Dを水で浸潤させ、次いで99%ヘキサデシルトリエトキシシラン(CAS番号16415-13-7)および1%オクタデセニルコハク酸無水物(CAS番号28777-98-2)からなる溶液を噴霧した。指を使って、材料を濡れた毛束に広げて、毛幹の表面全体を覆った。毛束をプラスチックで覆って30分間反応させ、ヘアドライヤーを用いて高速および高熱で乾燥させて、次いでコーミングし、0.5インチの部分を5~7回、410°Fでストレートアイロンをかけた。毛束を24時間後にシャンプーおよびコンディショナーで洗浄し、室温、相対湿度67%で自然乾燥させた。処理された毛髪は、輝きが増し、縮れが大幅に減少し、なめらかさが増し、ドライコーミングを促進した。
【0060】
毛束A~Dの分析
毛束AからDを平面に平らに置き、最も幅が広い領域で測定を行った。処理した毛髪の幅測定値を縮れの指標として対照(A)と比較したところ、毛束の幅が広いほど縮れが多かった。毛束A(対照)の幅は13cmであった。毛束Bの幅は約7cmで、46%の縮れの減少に相当した。毛束Cの幅は約5cmで、61.5%の縮れの減少に相当した。サンプルDの幅は約5.5cmで、57%の減少に相当した。
【0061】
なめらかさおよび輝きは、化粧品業界の専門知識を持つ個人によって審査および評価された。以下の関係が観察された:サンプルCは、サンプルA(対照)と比較して矯正効果を示した。また、サンプルCは、輝きおよびなめらかさが増した。
【0062】
実施例4:様々な鎖長のアルキルトリエトキシシランおよび酸性水の毛髪への適用とその後の熱暴露
サンプル調製:幅4インチおよび長さ6インチのくせ毛および縮れ毛(カールパターンタイプIV)の未処理毛束(IHIPから購入)を、一般的なシャンプーで洗浄し、自然乾燥し、各A、B、C、およびDとラベル付けした1インチの4つのストリップに切断した。
【0063】
サンプル1-毛束Aをシャンプーおよびコンディショナーで洗浄し、自然乾燥させた。このサンプルを、「対照」と呼ぶ。
【0064】
サンプル2-毛束Bに、クエン酸でpH4.5に調整した水を毛髪に浸潤するまで噴霧し、次いでn-オクチルトリエトキシシラン(CAS番号2943-75-1)を毛束に完全に浸潤するまで噴霧した。指を使って、材料を毛束に広げて、毛幹の表面全体に行き渡らせた。毛束をプラスチックで覆って30分間反応させ、ヘアドライヤーを用いて高速および高熱で乾燥させて、次いでコーミングし、0.5インチの部分を5~7回、410°Fでストレートアイロンをかけた。毛束を24時間後にシャンプーおよびコンディショナーで洗浄し、室温、相対湿度67%で自然乾燥させた。処理された毛髪は、輝きが増し、縮れが大幅に減少し、なめらかさが増し、ドライコーミングを促進した。
【0065】
サンプル3-毛束Cに、クエン酸でpH4.5に調整した水を毛髪に浸潤するまで噴霧し、次いでイソオクチルトリエトキシシランを毛束に完全に浸潤するまで噴霧した。指を使って、材料を毛束に広げて、毛幹の表面全体に行き渡らせた。毛束をプラスチックで覆って30分間反応させ、ヘアドライヤーを用いて高速および高熱で乾燥させて、次いでコーミングし、0.5インチの部分を5~7回、410°Fでストレートアイロンをかけた。毛束を24時間後にシャンプーおよびコンディショナーで洗浄し、室温、相対湿度67%で自然乾燥させた。処理された毛髪は、輝きが増し、縮れが大幅に減少し、なめらかさが増し、ドライコーミングを促進した。
【0066】
サンプル4-毛束Cに、クエン酸でpH4.5に調整した水を毛髪に浸潤するまで噴霧し、次いでヘキサデシルトリエトキシシランを毛束に完全に浸潤するまで噴霧した。指を使って、材料を毛束に広げて、毛幹の表面全体に行き渡らせた。毛束をプラスチックで覆って30分間反応させ、ヘアドライヤーを用いて高速および高熱で乾燥させて、次いでコーミングし、0.5インチの部分を5~7回、410°Fでストレートアイロンをかけた。毛束を24時間後にシャンプーおよびコンディショナーで洗浄し、室温、相対湿度67%で自然乾燥させた。処理された毛髪は、輝きが増し、縮れが大幅に減少し、なめらかさが増し、ドライコーミングを促進した。
【0067】
毛束A~Dの分析
毛束AからDを平面に平らに置き、最も幅が広い領域で測定を行った。処理した毛髪の幅測定値を縮れの指標として対照と比較したところ、毛束の幅が広いほど縮れが多かった。毛束A(対照)の幅は12cmであった。毛束Bの幅は6.8cmで、43%の縮れの減少に相当した。毛束Cの幅は6.0cmで、50%の縮れの減少に相当した。毛束Dの幅は5.1cmで、58%の縮れの減少に相当した。
【0068】
なめらかさおよび輝きは、化粧品業界の専門知識を持つ個人によって審査および評価された。以下の関係が観察された。
【0069】
サンプルB、C、およびDは、サンプルA(対照)と比較して、輝きが増し、なめらかさが増した。なめらかさ:C>D>B、輝き:D=C=B。
【0070】
サンプルA、B、C、およびDのSEM画像を収集した。サンプルB、C、およびDは、EDS分析により、毛幹の外層にシリコーンが存在することを示した。
【0071】
当業者には、広範な発明概念から逸脱することなく、上述した実施形態に変更を加えることができることが理解されるであろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の「特許請求の範囲」によって定義される本発明の趣旨および範囲内の改変を包含することを意図するものであることが理解される。
【国際調査報告】