(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】付着を改善するヘアコンディショニング組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/40 20060101AFI20241114BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20241114BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20241114BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20241114BHJP
A61K 8/39 20060101ALI20241114BHJP
A61K 8/25 20060101ALI20241114BHJP
A61K 8/891 20060101ALI20241114BHJP
A61K 8/898 20060101ALI20241114BHJP
A61K 8/892 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
A61K8/40
A61Q5/12
A61K8/34
A61K8/36
A61K8/39
A61K8/25
A61K8/891
A61K8/898
A61K8/892
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535425
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-08-09
(86)【国際出願番号】 EP2022083821
(87)【国際公開番号】W WO2023110402
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100228980
【氏名又は名称】副島 由加里
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】バーフット,リチャード・ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】クック,マイケル・ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】メンドーサ・フェルナンデス,セザール・エルネスト
(72)【発明者】
【氏名】サイモン,アメリ・ローラ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB441
4C083AB442
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC181
4C083AC241
4C083AC691
4C083AC692
4C083AC791
4C083AC792
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD161
4C083AD162
4C083CC33
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD31
4C083DD39
4C083EE07
(57)【要約】
(i)0.01~10重量%の、構造1〔ここで、■R
1及びR
2は、C
4~C
20の炭素-炭素鎖長を有する、飽和又は不飽和の直鎖アルキル鎖を含んでおり;■R
3は、プロトン、又は、C
1~C
5の炭素-炭素鎖長を有する飽和若しくは不飽和の直鎖若しくは分枝鎖のアルキル鎖を含んでおり;■nは、0~10の範囲を有し;■X
Θは、有機又は無機のアニオンである〕から選択される分枝鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤;(ii)直鎖脂肪アルコール、直鎖アルコキシ化脂肪アルコール、直鎖脂肪酸及びそれらの混合物から選択される、0.1~10重量%の、少なくとも1の直鎖炭素-炭素鎖を有する直鎖脂肪物質;(iii)0.1~5重量%の構造材;及び、(iv)コンディショニング活性剤(ここで、該コンディショニング活性剤は、シリコーンエマルションである)から選択される粒子状ベネフィット剤;を含んでいる組成物、ここで、分枝鎖カチオン性界面活性剤(i)と直鎖脂肪物質(ii)のモル比は、1:20~1:1の範囲であり、ブリーチされた毛髪への粒子状ベネフィット剤の改善された付着をもたらす。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、
(i)0.01~10重量%の、構造1:
【化1】
〔ここで、
・ R
1及びR
2は、C
4~C
20の炭素-炭素鎖長を有する、飽和又は不飽和の直鎖アルキル鎖を含んでおり;
・ R
3は、C
1~C
4(好ましくは、C
1~C
2)の炭素-炭素鎖長を有するアルキル鎖を含んでおり;
・ R
4は、プロトン、又は、C
1~C
4(好ましくは、C
1~C
2)の炭素-炭素鎖長を有するアルキル鎖を含んでおり;及び、
・ nは、0~10の範囲を有し;
・ mは、1~6の範囲を有し、好ましくは、1及び2から選択される〕
から選択される分枝鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤;
(ii)脂肪アルコール、アルコキシ化脂肪アルコール、脂肪酸及びそれらの混合物から選択される、0.1~10重量%の、直鎖炭素-炭素鎖を含んでいる直鎖脂肪物質;
(iii)0.1~10重量%の粘土;及び、
(iv)コンディショニング活性剤(ここで、該コンディショニング活性剤は、シリコーンエマルションである)から選択される粒子状ベネフィット剤;
を含んでおり、ここで、分枝鎖カチオン性界面活性剤(i)と直鎖脂肪物質(ii)のモル比は、1:20~1:1の範囲である、前記組成物。
【請求項2】
前記粘土が、ベントナイト粘土である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記シリコーンエマルションが、ジメチコーン、ジメチコノール、アモジメチコーン及びそれらの混合物のエマルションから選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記シリコーンエマルションが、疎水性修飾を含んでおらず、好ましくは、ミリスチルオキシル修飾シリコーンではない、請求項2又は請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記粒子状ベネフィット剤が、組成物全体の0.1重量%~10重量%の量で存在している、先行する請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
前記粒子状ベネフィット剤が、0.25重量%~1.5重量%の量で存在している、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
X
-が、ハロゲン化物、メタンスルホネート基及びエタンスルホネート基から選択されるアニオンを含んでいる、先行する請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
分枝鎖カチオン性界面活性剤(i)と直鎖脂肪物質(ii)のモル比が、1:10~1:1の範囲である、先行する請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
前記分枝鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤が、0.01~5重量%の量で存在している、先行する請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
構造1に従う分枝鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤を含んでいない同様の組成物と比較して、ブリーチされた毛髪へのコンディショニング活性剤(ここで、該コンディショニング活性剤は、シリコーンエマルションである)から選択される粒子状ベネフィット剤の付着を増大させる方法であって、毛髪に請求項1~9のいずれかで定義されている組成物を適用する段階及びその毛髪を水で濯ぐ段階を含んでる、前記方法。
【請求項11】
構造1に従う分枝鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤を含んでいない同様の組成物と比較して、コンディショニング活性剤(ここで、該コンディショニング活性剤は、シリコーンエマルションである)から選択される増大された量の粒子状ベネフィット剤をブリーチされた毛髪に送達するための、請求項1~9のいずれかで定義されている組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脂肪アルコール及び粘土と組み合わせて分枝鎖カチオン性界面活性剤を含んでいる、ブリーチされた毛髪を処置するためのコンディショニング組成物に関し、ここで、該組成物は、使用中に毛髪に付着されるベネフィット剤を含んでいる。本発明は、特に、ブリーチされた毛髪に増大された量のベネフィット剤を付着させることを可能にするコンディショニング組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘアトリートメント組成物などのパーソナルケア組成物では、ベネフィット剤の付着及び送達は、多くの場合、製品性能の重要な要因である。例えば、現在市販されているヘアコンディショナー製品の多くは、洗髪中及びケアプロセス中に、香気物質、シリコーン及びダメージ修復活性剤などのベネフィット剤を毛髪に付着させることにより、毛髪に有益性を送達する働きをする。
【0003】
しかしながら、消費者は、いくつかの組成物の使用から得られる有益性のレベルに失望したと報告している。これは、通常、表面に送達されるベネフィット剤の量が不充分であることが原因である。従って、例えば、毛髪のような表面へのベネフィット物質の送達を改善する組成物を開発することが望ましい。
【0004】
ブリーチされた毛髪は、塗布中及び塗布後のシリコーンの保持が特に不充分であることが知られており、それが、低レベルの付着及び使用者への不充分な有益性につながっている。従って、使用者は、より多くの製品を塗布しなければならず、所望のコンディショニングレベルに達しない可能性がある。実際、ブリーチされた毛髪に送達されたシリコーンレベルを測定した場合、そのシリコーンレベルは、バージン毛髪に同じ製品を使用して達成される場合と比較して、20%未満であり得ることが見いだされた。
【0005】
毛髪処理組成物中で様々な有益性に関して、様々なタイプの分枝鎖カチオン性化合物が知られている。
【0006】
本発明者ら自身の公開出願WO 02/102334及びWO 01/43718は、定義されたヒドロカルビル鎖を有する第4級アンモニウムベースのカチオン性界面活性剤を含んでいる、クレンジング特性及びコンディショニング特性を有する水性ヘア処理組成物を提供する。
【0007】
さらに、WO 2020/126377 A1は、毛髪へのベネフィット剤の付着を改善するための組成物を開示している。実施例は、(i)塩化ベヘントリモノウム;(ii)セテアリルアルコール;(iii)乳化シリコーン;及び、(iv)N,N,N-トリメチル-2-((2-オクチルドデシル)オキシ)-2-オキソエタン-1-アミニウムメタンスルホネート;を含んでいる組成物を開示している。
【0008】
WO 2020/126659 A1は、毛髪へのベネフィット剤の付着を改善するための組成物を開示しており、ここで、該組成物は、(i)0.01~10重量%の直鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤;(ii)0.1~10重量%の直鎖脂肪物質;(iii)粒子状ベネフィット剤;(iv)0.01~5重量%(100%活性で)の構造(1)で定義されている分枝鎖カチオン性共界面活性剤;を含んでおり、ここで、分枝鎖カチオン性共界面活性剤(iv)と直鎖カチオン性界面活性剤(i)のモル比は、1:20~1:1の範囲内であり;該組成物は、5,000~750,000cpの粘土を有している。
【0009】
WO 2020/127542 A1は、毛髪表面へのシリコーンの付着を改善するための組成物を開示しており、ここで、該組成物は、(a)コンディショニング基剤〔ここで、該コンディショニング基剤は、(i)16~32個の炭素原子を有するカチオン性コンディショニング界面活性剤;(ii)8~22個の炭素原子を有する脂肪アルコール;を含んでいる〕;及び、(b)0.1~10重量%のコンディショニングシリコーン;(c)0.1~5重量%のジエステルクオート(ここで、該ジエステルクオートは、飽和分枝鎖を含んでいるジエステルクオート、不飽和非分枝鎖を含んでいるジエステルクオート及びそれらの混合物から選択される);を含んでおり、ここで、(b)と(c)の比は、1:1~1:0.1である。
【0010】
WO 2020/126660 A1は、毛髪上への粒子状ベネフィット剤の付着を改善するための組成物を開示しており、ここで、該組成物は、(i)0.01~10重量%の直鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤;(ii)0.1~10重量%の直鎖脂肪物質;(iii)粒子状ベネフィット剤(ここで、該粒子状ベネフィット剤は、コンディショニング活性剤、頭皮活性剤、カプセル化香料、乳化香料及びそれらの混合物から選択される);(iv)0.01~5重量%(100%活性で)の分枝鎖カチオン性共界面活性剤(ここで、該分枝鎖カチオン性共界面活性剤は、構造1、構造2、構造3及びそれらの混合物から選択される);を含んでおり、ここで、分枝鎖カチオン性共界面活性剤(iv)と直鎖カチオン性界面活性剤(i)のモル比は、1:20~1:1の範囲内である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】WO 02/102334
【特許文献2】WO 01/43718
【特許文献3】WO 2020/126377 A1
【特許文献4】WO 2020/126659 A1
【特許文献5】WO 2020/127542 A1
【特許文献6】WO 2020/126660 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
先行技術にもかかわらず、ブリーチされた毛髪へのベネフィット剤の送達を改善することが依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、驚くべきことに、定義されている分枝鎖界面活性剤と脂肪物質及び粘土の組み合わせを含んでいる組成物が、ブリーチされた毛髪へのコンディショニングベネフィット剤(例えば、シリコーン)の付着を予想外に大きく向上させることを見出した。
【0014】
本明細書中で引用されている全てのパーセンテージは、別途示されていない限り、総重量に基づく重量基準である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の定義
従って、
(i)0.01~10重量%の、構造1:
【化1】
【0016】
〔ここで、
・ R1及びR2は、C4~C20の炭素-炭素鎖長を有する、飽和又は不飽和の直鎖アルキル鎖を含んでおり;
・ R3は、C1~C4(好ましくは、C1~C2)の炭素-炭素鎖長を有するアルキル鎖を含んでおり;
・ R4は、プロトン、又は、C1~C4(好ましくは、C1~C2)の炭素-炭素鎖長を有するアルキル鎖を含んでおり;及び、
・ nは、0~10の範囲を有し;
・ mは、1~6の範囲を有し、好ましくは、1及び2から選択され;
・ XΘは、有機又は無機のアニオンである〕
から選択される分枝鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤;
(ii)脂肪アルコール、アルコキシ化脂肪アルコール、脂肪酸及びそれらの混合物から選択される、0.1~10重量%の、少なくとも1の直鎖炭素-炭素鎖を有する直鎖脂肪物質;
(iii)0.1~5重量%の粘土;及び、
(iv)コンディショニング活性剤(ここで、該コンディショニング活性剤は、シリコーンエマルションである)から選択される粒子状ベネフィット剤;
を含んでいる組成物(ここで、分枝鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤(i)と直鎖脂肪物質(ii)のモル比は、1:20~1:1の範囲であり、好ましくは、1:10~1:1の範囲であり、最も好ましくは、1:5~1:2の範囲である)が提供される。
【0017】
第2の態様において、本発明は、構造1に従う分枝鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤を含んでいない同様の組成物と比較して、好ましくは、分枝鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤(i)と直鎖脂肪物質(ii)を1:20~1:1の範囲(好ましくは、1:10~1:1の範囲、最も好ましくは、1:5~1:2の範囲)のモル比で含んでいない組成物と比較して、ブリーチされた毛髪へのコンディショニング活性剤(これは、シリコーンエマルションである)から選択される粒子状ベネフィット剤の付着を増大させる方法を提供し、ここで、該方法は、ブリーチされた毛髪に第1の態様の組成物を適用する段階を含んでる。
【0018】
本発明の方法は、好ましくは、ブリーチされた毛髪から該組成物を濯ぐ追加の段階を含んでいる。
【0019】
好ましくは、該方法は、構造1に従う分枝鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤を含んでいない同様の組成物と比較して、好ましくは、分枝鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤(i)と直鎖脂肪物質(ii)を1:20~1:1の範囲(好ましくは、1:10~1:1の範囲、最も好ましくは、1:5~1:2の範囲)のモル比で含んでいない組成物と比較して、ブリーチされた毛髪へのシリコーンの付着を増大させる方法であり、ここで、該方法は、毛髪に本発明の第1の態様で定義されている組成物を適用する段階及びその毛髪を水で濯ぐ段階を含んでる。
【0020】
第3の態様は、構造1に従う分枝鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤を含んでいない同様の組成物と比較して、好ましくは、分枝鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤(i)と直鎖脂肪物質(ii)を1:20~1:1の範囲(好ましくは、1:10~1:1の範囲、最も好ましくは、1:5~1:2の範囲)のモル比で含んでいない組成物と比較して、コンディショニング活性剤(これは、シリコーンである)から選択される増大された量の粒子状ベネフィット剤をブリーチされた毛髪に送達するための、第1の態様の組成物の使用を提供する。
【0021】
本発明に従う組成物は、好ましくは、毛髪のトリートメント(典型的には、シャンプー後)及びそれに続く濯ぎのためのコンディショナーとして製剤される。
【0022】
本発明の一般的説明
好ましくは、該トリートメント組成物は、リンスオフヘアコンディショナー、ヘアマスク、リーブオンコンディショナー組成物及びプレトリートメント組成物から選択され、さらに好ましくは、リンスオフヘアコンディショナー、ヘアマスク、リーブオンコンディショナー組成物及びプレトリートメント組成物(例えば、オイルトリートメント)から選択され、最も好ましくは、リンスオフヘアコンディショナー、ヘアマスク及びリーブオンコンディショナー組成物から選択される。該トリートメント組成物は、好ましくは、リンスオフヘアコンディショナー及びリーブオンコンディショナーから選択される。
【0023】
本発明で使用するためのリンスオフコンディショナーは、通常、濯ぎ落とす前に、濡れた毛髪上に1~2分間放置される、コンディショナーである。
【0024】
本発明で使用するためのヘアマスクは、典型的には、濯ぎ落とす前に、3~10分間、好ましくは、3~5分間、さらに好ましくは、4~5分間、毛髪上に放置される、トリートメントである。
【0025】
本発明で使用するためのリーブオンコンディショナーは、典型的には、毛髪に適用され、そして、その毛髪上に10分を超えて放置される、好ましくは、洗髪後に毛髪に適用され、そして、次の洗髪まで濯ぎ落とされない。
【0026】
分枝鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤
該分枝鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤は、0.01~10重量%の量で、好ましくは、0.01~5重量%の量で、最も好ましくは0.1~2重量%の量で、存在している(100%活性で、組成物全体の重量に基づく)。
【0027】
分枝鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤(i)と直鎖脂肪物質(ii)のモル比は、1:20~1:1の範囲、好ましくは、1:10~1:1の範囲、最も好ましくは、1:5~1:2の範囲である。
【0028】
分枝鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤は、エステル基を含んでおり、構造1から選択される。
【化2】
【0029】
ここで、
・ R1及びR2は、C4~C20(好ましくは、C6~C18)の炭素-炭素鎖長を有する、飽和又は不飽和の直鎖アルキル鎖を含んでおり;
・ R3は、C1~C4(好ましくは、C1~C2)の炭素-炭素鎖長を有するアルキル鎖を含んでおり;
・ R4は、プロトン、又は、C1~C4(好ましくは、C1~C2)の炭素-炭素鎖長を有するアルキル鎖を含んでおり;及び、
・ nは、0~10の範囲を有し、好ましくは、0及び1から選択され;
・ mは、1~6の範囲を有し、好ましくは、1及び2から選択され;
・ XΘは、有機又は無機のアニオンである;
ここで、分枝鎖カチオン性界面活性剤(i)と直鎖脂肪物質(ii)のモル比は、1:20~1:1の範囲であり、好ましくは、1:10~1:1の範囲であり、最も好ましくは、1:5~1:2の範囲である。
【0030】
構造1では、アミンヘッド基は、最終製剤内で荷電される。しかしながら、原料には、電荷が永続的ではなく、強酸を用いて製剤中でプロトン化することによって誘導され得る種が包含される。
【0031】
場合により、R1とR2の少なくとも一方は、エステル基(-OCO-又は-COO-)、アミド基(-NOC-又はNCO-)及びエーテル基(-O-)からなる群から選択されるアルキル鎖内の連結を含んでいる。
【0032】
XΘは、有機又は無機のアニオンである。好ましくは、XΘは、ハロゲン化物イオン;一般式RSO3
-〔式中、Rは1~4個の炭素原子を有する飽和又は不飽和のアルキルラジカルである〕で表される硫酸アニオン;及び、有機酸のアニオン性ラジカルから選択されるアニオンを含んでいる。
【0033】
好ましいハロゲン化物イオンは、フッ化物、塩化物、臭化物及びヨウ化物から選択される。有機酸の好ましいアニオン性ラジカルは、マレイン酸アニオン、フマル酸アニオン、シュウ酸アニオン、酒石酸アニオン、クエン酸アニオン、乳酸アニオン及び酢酸アニオンから選択される。好ましい硫酸アニオンは、メタンスルホン酸アニオン及びエタンスルホン酸アニオンである。
【0034】
最も好ましくは、XΘは、ハロゲン化物、メタンスルホネート基及びエタンスルホネート基から選択されるアニオンを含んでいる。
【0035】
好ましい実施形態では、
・ R1及びR2は、C4~C20(好ましくは、C6~C18)の炭素-炭素鎖長を有する、飽和又は不飽和の直鎖アルキル鎖を含んでおり;
・ R3は、プロトン、又は、C1~C3の炭素-炭素鎖長を有する飽和又は不飽和の直鎖若しくは分枝鎖のアルキル鎖を含んでおり;
・ nは、0~10の範囲を有し、好ましくは、0及び1から選択され;及び、
・ XΘは、有機又は無機のアニオンである。
【0036】
適切な分枝鎖カチオン性界面活性剤を調製する方法は、当技術分野で知られており、そして、例えば、「Chemistry, A European Journal, 2008, 14, 382」に記載されている。例えば、2-((2-オクチルドデシル)オキシ)-2-オキソエタン-1-アミニウムメタンスルホネートは、グリシンと特定のゲルベアルコールとの酸が触媒する縮合反応によって合成することが可能であり、一段階で所望の生成物を得ることができる。
【0037】
構造1に適合する適切な材料の例は、2-((2-ブチルオクチル)オキシ)-2-オキソエタン-1-アミニウムメタンスルホネート、2-((2-ヘキシルデシル)オキシ)-2-オキソエタン-1-アミニウムメタンスルホネート、2-((2-オクチルドデシル)オキシ)-2-オキソエタン-1-アミニウムメタンスルホネート、2-((2-デシルテトラデシル)オキシ)-2-オキソエタン-1-アミニウムメタンスルホネート、2-((2-ドデシルヘキサデシル)オキシ)-2-オキソエタン-1-アミニウムメタンスルホネート及び2-((2-テトラデシルオクタデシル)オキシ)-2-オキソエタン-1-アミニウムメタンスルホネートである。あるいは、上記例において、メタンスルホネートを塩化物対イオンに代えることもできる。
【0038】
脂肪物質
本発明の組成物は、0.1~10重量%の直鎖脂肪物質を含んでいる。コンディショニング組成物における脂肪物質とカチオン性界面活性剤との併用は、特に有利であると考えられており、その理由は、カチオン性界面活性剤が分散している構造化されたラメラ相又は液晶相の形成につながるからである。脂肪物質は、炭素-炭素鎖を含んでいる。用語「直鎖」は、その炭素-炭素鎖が、事実上、直鎖である(即ち、分枝鎖がない)ことを意味する。「直鎖脂肪物質」は、直鎖炭素-炭素鎖のみを有している。該直鎖は、飽和でも不飽和でもよい。
【0039】
「直鎖脂肪物質」は、直鎖脂肪アルコール、直鎖アルコキシ化脂肪アルコール、直鎖脂肪酸及びそれらの混合物から選択される。好ましくは、該直鎖脂肪物質は、直鎖脂肪アルコール、直鎖脂肪酸及びそれらの混合物から選択され、最も好ましくは、直鎖脂肪アルコールから選択される。
【0040】
好ましくは、該脂肪物質のアルキル鎖は、完全に飽和している。代表的な脂肪物質は、8~22個の炭素原子を含んでおり、さらに好ましくは、16~22個の炭素原子を含んでいる。
【0041】
適切な脂肪アルコールは、8~22個の炭素原子を含んでおり、好ましくは、16~22個の炭素原子を含んでおり、最も好ましくは、C16~C18の炭素原子を含んでいる。脂肪アルコールは、典型的には、直鎖アルキル基を含んでいる化合物である。好ましくは、該アルキル基は飽和である。好ましい脂肪アルコールの例としては、セチルアルコール、ステアリルアルコール及びそれらの混合物などがある。これらの物質の使用は、本発明で使用するための組成物の全体的なコンディショニング特性に寄与するという点でも有利である。
【0042】
アルキル鎖中に約12~約18個の炭素原子を有するアルコキシ化(例えば、エトキシ化又はプロポキシ化)脂肪アルコールは、脂肪アルコール自体の代わりに又は脂肪アルコール自体に加えて、使用することができる。適切な例としては、エチレングリコールセチルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(4)セチルエーテル及びそれらの混合物などがある。
【0043】
本発明のコンディショナーにおける脂肪物質のレベルは、適切には、該組成物全体の、0.1~10重量%、好ましくは0.1~5重量%である。
【0044】
粘土
本発明の組成物は、粘土を含んでる。該粘土は、未改質である。
【0045】
該粘土は、好ましくは、ベントナイト粘土及びヘクトライト粘土から選択され、好ましくは、ベントナイト粘土である。
【0046】
適切な未改質ベントナイト粘土は、Sigmaから入手可能である。また、Bentoneという商品名で、Elementisから入手可能である。
【0047】
該粘土は、組成物全体の0.1~10重量%の量で、好ましくは、0.1~5重量%の量で、最も好ましくは、0.5~4重量%の量で存在している。
【0048】
本発明者らは、該粘土は、それ自体では毛髪表面にシリコーンを付着させないが、本発明の分枝鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤及び脂肪物質と組み合わせると、毛髪に高レベルのシリコーンを付着させることを見出した。
【0049】
粒子状ベネフィット剤
本発明の組成物は、粒子状ベネフィット剤を含んでる。該粒子状ベネフィット剤は、コンディショニング活性剤から選択され、ここで、該粒子状ベネフィット剤は、シリコーンエマルションである。
【0050】
粒子状ベネフィット剤の総量は、好ましくは、組成物全体の0.1重量%~10重量%であり、さらに好ましくは、0.1重量%~5重量%であり、一層さらに好ましくは、0.25重量%~3重量%であり、最も好ましくは、0.25重量%~1.5重量%である。
【0051】
好ましいシリコーンエマルションは、疎水性修飾を含んでおらず、好ましくは,該シリコーンエマルションは、ミリスチルオキシル修飾シリコーンではなく、最も好ましくは、ミリスチルオキシル修飾シリコーン又はセチルオキシル修飾シリコーンではない。最も好ましくは、本発明の組成物中で使用するためのシリコーンエマルションは、ジメチコーン、ジメチコノール、アモジメチコーン及びそれらの混合物のエマルションから選択される。
【0052】
適切な乳化シリコーンとしては、CTFA呼称ジメチコーンを有するポリジメチルシロキサンなどがある。さらに、本発明の組成物で使用するのに適しているのは、ヒドロキシル末端基を有するポリジメチルシロキサンであり、これは、CTFA呼称ジメチコノールを有する。好ましくは、該シリコーンは、ジメチコーン、ジメチコノール、アモジメチコーン及びそれらの混合物からなる群から選択される。さらに、アミノ官能基化シリコーンとジメチコーンのブレンドも好ましい。
【0053】
乳化されたシリコーン自体(エマルションや最終的なヘアコンディショニング組成物ではない)の粘土は、典型的には、25℃で少なくとも10,000cstであり、シリコーン自体の粘土は、好ましくは、少なくとも60,000cstであり、最も好ましくは、少なくとも500,000cstであり、理想的には、少なくとも1,000,000cstである。好ましくは、製剤化を容易にするために、該粘土は、109cstを超えない。
【0054】
本発明の組成物において使用するための乳化シリコーンは、典型的には、該組成物中のD90シリコーン液滴サイズが、30未満、好ましくは、20未満、さらに好ましくは、10ミクロン未満、理想的には、0.01~1ミクロンである。0.15ミクロンの平均シリコーン液滴サイズ(D50)を有するシリコーンエマルションは、一般にマイクロエマルションと称される。
【0055】
シリコーン粒子径は、例えば、Malvern Instruments製の2600D Particle Sizerを用いて、レーザー光散乱法により測定することができる。適切な予備形成エマルションの例としては、Dow Corningから入手可能なXiameter MEM 1785及びマイクロエマルションDC2-1865などがある。これらは、ジメチコノールのエマルション/マイクロエマルションである。架橋シリコーンガムは、あらかじめ乳化された形態でも入手可能であり、これは、製剤化を容易にする上で有利である。
【0056】
本発明の組成物に含ませるためのシリコーンのさらなる好ましいクラスは、アミノ官能性シリコーンである。「アミノ官能性シリコーン」は、少なくとも1の第1級、第2級若しくは第3級アミン基又は第4級アンモニウム基を含んでいるシリコーンを意味する。適切なアミノ官能性シリコーンの例としては、CTFA呼称「アモジメチコーン」を有するポリシロキサンなどがある。好ましいアモジメチコーンは、Dow CorningからDC 7134として市販されている。
【0057】
本発明で使用するのに適しているアミノ官能性シリコーンの具体例は、アミノシリコーンオイルDC2-8220、DC2-8166及びDC2-8566(全て、Dow Corning製)である。
【0058】
適切な第4級シリコーンポリマーは、EP-A-0530974に記載されている。好ましい第4級シリコーンポリマーは、K3474(ex Goldschmidt)である。
【0059】
同様に、アミノ官能性シリコーンオイルと非イオン性界面活性剤及び/又はカチオン性界面活性剤とのエマルションも適切である。
【0060】
アミノ官能性シリコーンの予備形成されたエマルションは、Dow Corning及びGeneral Electricなどのシリコーンオイルの供給業者からも入手可能である。具体的な例としては、DC939カチオン性エマルション、並びに、非イオンエマルションDC2-7224、DC2-8467、DC2-8177及びDC2-8154(全て、ex Dow Corning)などがある。
【0061】
任意の直鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤
組成物は、化粧品的に許容され、毛髪への局所適用に適している直鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤を含むことができる。
【0062】
好ましくは、該直鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤は、式1:N+(R1)(R2)(R3)(R4)で表され、ここで、式中、R1、R2、R3及びR4は、独立して、(C1~C30)アルキル又はベンジルである。
【0063】
式1において、好ましくは、R1、R2、R3及びR4のうちの1、2又は3は、独立して、(C4~C30)アルキルであり、そして、残りのR1、R2、R3及びR4基は、(C1~C6)アルキル又はベンジルである。
【0064】
さらに好ましくは、R1、R2、R3及びR4のうちの1又は2は、独立して、(C6~C30)アルキルであり、そして、残りのR1、R2、R3及びR4基は、(C1~C6)アルキル又はベンジル基である。場合により、該アルキル基は、そのアルキル鎖内に、1以上のエステル(-OCO-又は-COO-)、アミド(-NOC-又はNCO-)及び/又はエーテル(-O-)結合を含んでいてもよい。アルキル基は、場合により、1以上のヒドロキシル基で置換されていてもよい。アルキル基は、直鎖又は分枝鎖であることができ、そして、3個以上の炭素原子を有するアルキル基については、環状であることができる。該アルキル基は、飽和であり得るか、又は、1以上の炭素-炭素二重結合を含み得る(例えば、オレイル)。アルキル基は、場合により、そのアルキル鎖上で、1以上のエチレンオキシ基でエトキシ化されてもよい。
【0065】
本発明によるコンディショナー組成物において使用するのに適した第4級アミン塩は、12~24個の炭素原子(好ましくは、16~22個の炭素原子)を含んでいる、第4級アミン塩である。
【0066】
本発明によるコンディショナー組成物において使用するのに適した第4級アミン塩としては、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、ベヘントリモニウムメトスルフェート、ベヘニルアミドプロピルジメチルアミン、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化オクチルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウ、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化オクチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化デシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウ、塩化ステアラルコニウム、ステアラルコニウムメトスルフェート、塩化ジドデシルジメチルアンモニウム、塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウム、塩化タロートリメチルアンモニウ、塩化二水素化タロージメチルアンモニウム(例えば、Akzo Nobel製のArquad 2HT/75)及び塩化ココトリメチルアンモニウムなどがある。
【0067】
好ましい第4級アミン塩は、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、ベヘントリモニウムメトスルフェート、塩化セチルトリメチルアンモニウム及びそれらの混合物から選択される。本発明によるコンディショナーにおいて使用するための特に有用なカチオン性界面活性剤は、塩化セチルトリメチルアンモニウムであり、例えば、Hoechst CelaneseからGENAMIN CTACとして市販されている。本発明によるコンディショナーにおいて使用するための別の特に好ましいカチオン性界面活性剤は、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムであり、例えば、ClariantからGENAMIN KDMPとして市販されている。
【0068】
さらなる適切なカチオン性界面活性剤としては、Quaternium-5、Quaternium-31及びQuaternium-18のCTFA名称を有する材料などがある。前述の材料のいずれかの混合物も適切であり得る。
【0069】
単独で又は1種以上の他のカチオン性界面活性剤と一緒に、本発明において使用するのに適したカチオン性界面活性剤のクラスの別の例は、以下の(i)と(ii)の組み合わせである:
(i)一般式(II):
【化3】
【0070】
〔式中、R1は、10個以上の炭素原子を有するヒドロカルビル鎖であり、R2及びR3は、独立して、1~10個の炭素原子のヒドロカルビル鎖から選択され、及び、mは、1~約10の整数である〕
に対応するアミドアミン;及び、
(ii)酸。
【0071】
本明細書中で使用されている場合、用語「ヒドロカルビル鎖」は、アルキル鎖又はアルケニル鎖を意味する。
【0072】
好ましいアミドアミン化合物は、式(I)〔式中、
R1は、約11~約24個の炭素原子を有するヒドロカルビル残基であり;R2及びR3は、それぞれ独立して、1~約4個の炭素原子を有するヒドロカルビル残基(好ましくは、アルキル基)であり;及び、mは1~約4の整数である〕に対応するものである。
【0073】
好ましくは、R2及びR3は、メチル基又はエチル基である。
【0074】
好ましくは、mは、2又は3であり、即ち、エチレン基又はプロピレン基である。
【0075】
本明細書において有用な好ましいアミドアミンとしては、ステアラミドプロピルジメチルアミン(TAS)、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン及びそれらの混合物などがある。
【0076】
本明細書において有用な特に好ましいアミドアミンは、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン及びそれらの混合物である。
【0077】
本明細書において有用な市販されているアミドアミンとしては、以下のものなどがある:
ステアラミドプロピルジメチルアミン〔商品名「LEXAMINE S-13」(Inolex (Philadelphia Pennsylvania, USA)から入手可能)、及び、商品名「AMIDOAMINE MSP」(Nikko (Tokyo, Japan)から入手可能)〕、ステアラミドエチルジエチルアミン〔商品名「AMIDOAMINE S」(Nikkoから入手可能)〕、ベヘナミドプロピルジメチルアミン〔商品名「INCROMINE BB」(Croda (North Humberside, England)から入手可能)〕、及び、種々のアミドアミン〔商品名「SCHERCODINEシリーズ」(Scher (Clifton New Jersey, USA)から入手可能)〕。
【0078】
酸は、コンディショナー組成物中のアミドアミンをプロトン化することが可能な任意の有機酸又は鉱酸であり得る。本明細書において有用な適切な酸としては、塩酸、酢酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸及びそれらの混合物などがある。好ましくは、該酸は、酢酸、酒石酸、塩酸、フマル酸、乳酸及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0079】
該酸の主な役割は、ヘアトリートメント組成物中のアミドアミンをプロトン化し、それによって、ヘアトリートメント組成物中のその場で(TAS)第3級アミン塩(ステアラミドプロピルジメチルアミン)を形成させることである。実質的に、該ステアラミドプロピルジメチルアミンは、非永久的な第4級アンモニウムカチオン性界面活性剤又は擬似第4級アンモニウムカチオン性界面活性剤である。
【0080】
適切には、該酸は、存在しているアミドアミンの95モル%以上(293K)をプロトン化するのに充分な量で含ませる。
【0081】
本発明で使用するコンディショナーにおいて、直鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤のレベルは、一般に、該組成物の総重量に基づいて、カチオン性コンディショニング界面活性剤の総重量の、0.01~10%の範囲、さらに好ましくは、0.05~7.5%の範囲、最も好ましくは、0.1~5%の範囲である。
【0082】
さらなる成分
本発明による組成物は、ヘアコンディショニング組成物にとって一般的な多くの成分のいずれも含むことができる。
【0083】
他の成分としては、防腐剤、着色剤、ポリオール(例えば、グリセリン及びポリプロピレングリコール)、キレート剤(例えば、EDTA)、酸化防止剤(例えば、ビタミンEアセテート)、芳香物質、抗菌剤及び日焼け止め剤などがある。これらの成分は、それぞれ、その目的を達成するのに有効な量で存在する。一般に、これらの任意成分は、組成物全体の約5重量%までのレベルで個別に含まれる。
【0084】
好ましくは、該さらなる成分には、香料、防腐剤、着色料及びコンディショニングシリコーンが含まれる。
【0085】
本発明の組成物は、好ましくは、粘度調節剤及び増粘剤(例えば、増粘ポリマー)を含まない。
【0086】
上記の活性成分の任意の混合物も使用することができる。
【0087】
一般に、そのような成分は、組成物全体の重量に対して最大2%(好ましくは、最大1%)のレベルで個々に含まれる。
【0088】
本発明の実施形態を以下の実施例において示すが、別途示されていない限り、全てのパーセンテージは総重量に基づく重量基準で引用される。
【実施例】
【0089】
実施例
実施例1: 本発明に従う組成物1、並びに、比較組成物A、B及びC
以下の組成物を調製した。それらは、表1に示されている。
【0090】
組成物1: 本発明に従って、分枝鎖カチオン性界面活性剤及び脂肪アルコールと組み合わせて、未改質のベントナイト粘土を含んでいる。
【0091】
組成物A及びB: 粘土を含んでいるが、分枝鎖カチオン性界面活性剤及び脂肪アルコールは含んでいない。
【0092】
組成物Cは、分枝鎖カチオン性界面活性剤と脂肪アルコールを含んでいるが、粘土は含んでいない。
【表1】
【0093】
製剤は、該カチオン性界面活性剤を脂肪アルコールに加え、約85℃で撹拌した後、この混合物を水(典型的には、55℃の水)に徐々に加え、60℃で混合させることにより製造した。次いで、その混合物を、さらに水を加えることで、周囲温度まで冷却した。次いで、粘土及び他の残りの成分を加え、そして、最終混合物を撹拌した。
【0094】
実施例2: 組成物1、A、B及びCによる毛髪の処理
使用した毛髪(バージン)は、ダークブラウン色のヨーロッパ産毛髪で、重量5g、長さ6インチの房毛であった。
【0095】
バージン毛髪のブリーチは、9%クリームペルオキシド、30「vol」(Excel GS Ltd, UK)と混合させたPlatine Precision White Compact Lightening Powder (L’Oreal Professionnel Paris, Paris, France)(120gのクリームペルオキシドと混合させた60gのパウダー)を適用し、30分間放置することにより実施した。その後、毛髪を水で2分間濯いだ。
【0096】
バージン毛髪又はブリーチされた毛髪を、最初に、以下の方法を使用して、クレンジングシャンプーで処理した。
【0097】
毛髪繊維を、流水下で30秒間保持し、シャンプーを毛髪1gあたり0.1mLの量で適用し、30秒間毛髪に擦り込んだ。余分な泡を流水下で30秒間保持することにより除去し、シャンプーの段階を繰り返した。毛髪を流水下で1分間濯いだ。
【0098】
次いで、濡れた毛髪(バージン毛髪又はブリーチされた毛髪)を、以下の方法を使用して、組成物で処理した。
【0099】
コンディショナーを、毛髪1gあたり0.2mLのコンディショナーの量で濡れた毛髪に適用し、1分間マッサージした。毛髪を流水下で1分間濯ぎ、余分な水分を除去した。
【0100】
その後、毛髪に付着したシリコーンの量を、XRFを用いて測定した。
【0101】
実施例3: 組成物1、A及びBで処理した、ブリーチされた毛髪へのシリコーン付着量
【表2】
【0102】
粘土は、それ自体では毛髪表面にシリコーンを付着させないが、本発明の分枝鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤及び脂肪物質と組み合わせると、毛髪に高いレベルのシリコーンを付着させることがわかる。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、
(i)0.01~10重量%の、構造1:
【化1】
〔ここで、
・ R
1及びR
2は、C
4~C
20の炭素-炭素鎖長を有する、飽和又は不飽和の直鎖アルキル鎖を含んでおり;
・ R
3は、C
1~C
4(好ましくは、C
1~C
2)の炭素-炭素鎖長を有するアルキル鎖を含んでおり;
・ R
4は、プロトン、又は、C
1~C
4(好ましくは、C
1~C
2)の炭素-炭素鎖長を有するアルキル鎖を含んでおり;及び、
・ nは、0~10の範囲を有し;
・ mは、1~6の範囲を有し、好ましくは、1及び2から選択される〕
から選択される分枝鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤;
(ii)脂肪アルコール、アルコキシ化脂肪アルコール、脂肪酸及びそれらの混合物から選択される、0.1~10重量%の、直鎖炭素-炭素鎖を含んでいる直鎖脂肪物質;
(iii)0.1~10重量%の粘土;及び、
(iv)コンディショニング活性剤(ここで、該コンディショニング活性剤は、シリコーンエマルションである)から選択される粒子状ベネフィット剤;
を含んでおり、ここで、分枝鎖カチオン性界面活性剤(i)と直鎖脂肪物質(ii)のモル比は、1:20~1:1の範囲である、前記組成物。
【請求項2】
前記粘土が、ベントナイト粘土である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記シリコーンエマルションが、ジメチコーン、ジメチコノール、アモジメチコーン及びそれらの混合物のエマルションから選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記シリコーンエマルションが、疎水性修飾を含んでおらず、好ましくは、ミリスチルオキシル修飾シリコーンではない、請求項2又は請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記粒子状ベネフィット剤が、組成物全体の0.1重量%~10重量%の量で存在している、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記粒子状ベネフィット剤が、0.25重量%~1.5重量%の量で存在している、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
X
-が、ハロゲン化物、メタンスルホネート基及びエタンスルホネート基から選択されるアニオンを含んでいる、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
分枝鎖カチオン性界面活性剤(i)と直鎖脂肪物質(ii)のモル比が、1:10~1:1の範囲である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記分枝鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤が、0.01~5重量%の量で存在している、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
構造1に従う分枝鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤を含んでいない同様の組成物と比較して、ブリーチされた毛髪へのコンディショニング活性剤(ここで、該コンディショニング活性剤は、シリコーンエマルションである)から選択される粒子状ベネフィット剤の付着を増大させる方法であって、毛髪に請求項1で定義されている組成物を適用する段階及びその毛髪を水で濯ぐ段階を含んでる、前記方法。
【請求項11】
構造1に従う分枝鎖カチオン性コンディショニング界面活性剤を含んでいない同様の組成物と比較して、コンディショニング活性剤(ここで、該コンディショニング活性剤は、シリコーンエマルションである)から選択される増大された量の粒子状ベネフィット剤をブリーチされた毛髪に送達するための、請求項1で定義されている組成物の使用。
【国際調査報告】