(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】電池ケースのシール装置及びそれを用いる電池ケースのシール方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20241114BHJP
H01M 50/178 20210101ALI20241114BHJP
【FI】
H01M10/04 W
H01M10/04 Z
H01M50/178
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535554
(86)(22)【出願日】2022-12-20
(85)【翻訳文提出日】2024-06-13
(86)【国際出願番号】 KR2022020883
(87)【国際公開番号】W WO2023121252
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0183210
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0179477
(32)【優先日】2022-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ド ジャエ
【テーマコード(参考)】
5H011
5H028
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011BB03
5H011CC02
5H011CC10
5H011DD13
5H011EE04
5H011FF04
5H011GG09
5H011HH02
5H028AA07
5H028BB05
5H028BB17
5H028BB18
5H028EE01
5H028EE06
(57)【要約】
【要約】
本発明は、電池ケースのシール装置及びそれを用いる電池ケースのシール方法に関し、より詳細には、パウチ型二次電池のシールを行う、電池ケースのシール装置及びそれを用いる電池ケースのシール方法に関する。
本発明は、電極組立体が収納された電池ケースを加圧してシールする1次シールユニットと、前記1次シールユニットの前方及び後方にそれぞれ位置して前記電池ケースを加熱する1対の1次加熱ユニットと、前記電池ケースを移送する移送部とを含む、電池ケースのシール装置を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体が収納された電池ケースを加圧してシールする1次シールユニットと、
前記1次シールユニットの前方及び後方にそれぞれ位置して前記電池ケースを加熱する1対の1次加熱ユニットと、
移送ラインに沿って前記電池ケースを移送する移送部とを含む、電池ケースのシール装置。
【請求項2】
前記1次加熱ユニットは、前記電池ケースの移送方向に沿って前記移送ラインに形成され、
前記電池ケースの移送方向を基準として、前記1対の1次加熱ユニットの一方は前記1次シールユニットの前方に位置し、前記1対の1次加熱ユニットの他方は前記1次シールユニットの後方に位置する、請求項1に記載の電池ケースのシール装置。
【請求項3】
前記1次加熱ユニットは、前記電池ケースを非接触方式で加熱する、請求項1に記載の電池ケースのシール装置。
【請求項4】
前記電池ケースは、少なくとも一端部から前記電極組立体に電気的に接続される電極リードが突出し、
前記1次シールユニットは、前記電池ケースにおいて前記電極リードに対応する領域を加圧してシールする、請求項1に記載の電池ケースのシール装置。
【請求項5】
前記1次シールユニット及び1次加熱ユニットの後方に位置し、前記電池ケースを加圧してシールする2次シールユニットをさらに含む、請求項1に記載の電池ケースのシール装置。
【請求項6】
前記2次シールユニットの後方に位置し、前記電池ケースを加熱する2次加熱ユニットをさらに含む、請求項5に記載の電池ケースのシール装置。
【請求項7】
前記電池ケースを移送する前記移送部をさらに含み、
前記2次加熱ユニットは、前記電池ケースの移送方向に沿って延設される、請求項6に記載の電池ケースのシール装置。
【請求項8】
前記2次加熱ユニットは、前記電池ケースを非接触方式で加熱する、請求項6に記載の電池ケースのシール装置。
【請求項9】
前記2次シールユニットが前記電池ケースを加圧する加圧面積は、前記1次シールユニットが前記電池ケースを加圧する加圧面積より広い、請求項5に記載の電池ケースのシール装置。
【請求項10】
電極組立体が収納された電池ケースを加熱する第1加熱ステップと、
前記第1加熱ステップの後、前記電池ケースを加圧してシールする第1シールステップと、
前記第1シールステップの後、前記電池ケースを加熱する第2加熱ステップとを含む、電池ケースのシール方法。
【請求項11】
前記第1加熱ステップ及び前記第2加熱ステップの少なくともいずれか1つにおいて、
前記電池ケースの移送方向に沿って前記電池ケースを加熱する、請求項10に記載の電池ケースのシール方法。
【請求項12】
前記第1加熱ステップ及び前記第2加熱ステップの少なくともいずれか1つにおいて、
前記電池ケースを非接触方式で加熱する、請求項10に記載の電池ケースのシール方法。
【請求項13】
前記第1シールステップにおいて、
前記電極組立体の少なくとも一端部から突出する電極リードに対応する位置でシールを行う、請求項10に記載の電池ケースのシール方法。
【請求項14】
前記第1シールステップ及び前記第2加熱ステップを行った後、
前記電池ケースを加圧してシールする第2シールステップをさらに含む、請求項10に記載の電池ケースのシール方法。
【請求項15】
前記第2シールステップを行った後、
前記電池ケースを加熱するポスト加熱ステップをさらに含む、請求項14に記載の電池ケースのシール方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年12月20日付けの韓国特許出願第10-2021-0183210号及び2022年12月20日付けの韓国特許出願第10-2022-0179477号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容が本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、電池ケースのシール装置及びそれを用いる電池ケースのシール方法に関し、より詳細には、パウチ型電池ケースのシールを行う、電池ケースのシール装置及びそれを用いる電池ケースのシール方法に関する。
【背景技術】
【0003】
物質の物理的反応や化学的反応により電気エネルギーを生成して外部に電源を供給する電池(cell,battery)は、各種電気電子機器に囲まれている生活環境によって、建物に供給される交流電源を取得できない場合や直流電源が必要な場合に使用される。
【0004】
このような電池のうち、化学的反応を利用する化学電池である一次電池と二次電池が一般に多く用いられているが、一次電池は、乾電池と通称されるものであって、消耗性電池である。また、二次電池は、電流と物質との間の酸化還元過程を複数回繰り返し可能な素材を用いて製造される再充電式電池であって、電流により素材の還元反応が起こると電源が充電され、素材の酸化反応が起こると電源が放電されるが、このような充電-放電が繰り返し行われることによって電気が生成される。
【0005】
近年の市場においては、体積が小さく、デザインの自由度が高いパウチ型二次電池が脚光を浴びている。具体的には、パウチ型二次電池は、パウチタイプの電池ケースに電極組立体が収納される二次電池であり、ここで、前記電池ケースは、一般に内部樹脂層、金属層及び外部樹脂層が内部から外部に向かって順次積層された多層膜構造を有する。
【0006】
このような前記電池ケースは、内部の電極組立体が外部の水分及び空気にさらされないように、外周辺の少なくとも一部において内部樹脂層が熱融着されてシールされた密閉構造を有する。
【0007】
一方、近年、二次電池の急速充電のための電極リードの厚さの変化及び二次電池のエネルギー密度の改善のために電池ケースの厚さが厚くなるにつれて、前記電池ケースのシールに必要な熱量及び圧力を上昇させることが求められている。
【0008】
ただし、従来、1つの加圧プレスを有するシール装置において、前記加圧プレスの加熱温度を上昇させた場合、電池ケースの表面が溶けたり、熱によるシワが発生したりするという問題があり、前記加圧プレスが電池ケースを加圧する圧力を上昇させた場合、内部樹脂層の一部が電池ケースの内部又は外部に流出するという問題があった。
【0009】
また、シール装置の熱量及び圧力条件を下げた場合、シール品質が低下することは言うまでもなく、特に温度上昇率が低い電極リードにおいて熱損失が発生し、前記電極リードに対応する位置において電池ケースのシール品質が著しく低下するという問題があった。
【0010】
よって、従来のシール装置では、厚さの厚い電池ケースのシール品質を確保できる熱量及び圧力条件の選定が非常に難しいというのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、本発明の課題は、厚さの厚い電池ケースのシール実行時にもシール品質を確保できる、電池ケースのシール装置及びそれを用いる電池ケースのシール方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、電極組立体が収納された電池ケースを加圧してシールする1次シールユニットと、前記1次シールユニットの前方及び後方にそれぞれ位置して前記電池ケースを加熱する1対の1次加熱ユニットと、前記電池ケースを移送する移送部とを含む、電池ケースのシール装置を提供する。
【0013】
前記1次加熱ユニットは、前記電池ケースの移送方向に沿って延設されるようにしてもよい。
【0014】
前記1次加熱ユニットは、前記電池ケースを非接触方式で加熱するようにしてもよい。
【0015】
前記電池ケースは、少なくとも一端部から前記電極組立体に電気的に接続される電極リードが突出し、前記1次シールユニットは、前記電池ケースにおいて前記電極リードに対応する領域を加圧してシールするようにしてもよい。
【0016】
一方、本発明による電池ケースのシール装置は、前記1次シールユニット及び1次加熱ユニットの後方に位置し、前記電池ケースを加圧してシールする2次シールユニットをさらに含むようにしてもよい。
【0017】
なお、本発明による電池ケースのシール装置は、前記2次シールユニットの後方に位置し、前記電池ケースを加熱する2次加熱ユニットをさらに含むようにしてもよい。
【0018】
また、本発明による電池ケースのシール装置は、前記電池ケースを移送する移送部をさらに含み、前記2次加熱ユニットは、前記電池ケースの移送方向に沿って延設されるようにしてもよい。
【0019】
前記2次加熱ユニットは、前記電池ケースを非接触方式で加熱するようにしてもよい。
【0020】
前記2次シールユニットが前記電池ケースを加圧する加圧面積は、前記1次シールユニットが前記電池ケースを加圧する加圧面積より広くなるようにしてもよい。
【0021】
一方、本発明は、電極組立体が収納された電池ケースを加熱する第1加熱ステップと、前記第1加熱ステップの後、前記電池ケースを加圧してシールする第1シールステップと、前記第1シールステップの後、前記電池ケースを加熱する第2加熱ステップとを含む、電池ケースのシール方法を提供する。
【0022】
前記第1加熱ステップ及び前記第2加熱ステップの少なくともいずれか1つにおいては、前記電池ケースの移送方向に沿って前記電池ケースを加熱するようにしてもよい。
【0023】
前記第1加熱ステップ及び前記第2加熱ステップの少なくともいずれか1つにおいては、前記電池ケースを非接触方式で加熱するようにしてもよい。
【0024】
前記第1シールステップにおいては、前記電極組立体の少なくとも一端部から突出する電極リードに対応する位置でシールを行うようにしてもよい。
【0025】
一方、本発明による電池ケースのシール方法は、前記第1シールステップ及び前記第2加熱ステップを行った後、前記電池ケースを加圧してシールする第2シールステップをさらに含むようにしてもよい。
【0026】
また、本発明による電池ケースのシール方法は、前記第2シールステップを行った後、前記電池ケースを加熱するポスト加熱ステップをさらに含むようにしてもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明の好ましい実施形態によれば、1次シールユニットの前方及び後方に1対の1次加熱ユニットを備えることにより、電池ケースのシールに必要な十分な熱量を確保し、電池ケースの急激な温度変化を防止することができ、電池ケースの移送中の熱損失を防止し、電池ケースの外観損傷、電池ケースのシール品質を改善することができるという利点がある。
【0028】
また、2次シールユニット及び1次シールユニットを含むことにより、電池ケースのシール領域を複数回加圧してシールすることができるので、電池ケースの厚さが厚くなってもシール品質を確保することができるという利点がある。
【0029】
さらに、1次シールユニット、2次シールユニット、1次加熱ユニット及び2次加熱ユニットを用いて、電池ケースのシールのための熱量及び圧力条件を様々に選定することができ、よって、厚さの厚い電池ケースのシールにも迅速かつ容易に対応することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図2】
図1の二次電池が製造される過程を順次示す模式図である。
【
図3】本発明の実施形態1による電池ケースのシール装置の様子を概略的に示す概念図である。
【
図4】
図2の電池ケースのシール装置における1次シールユニットの様子をより具体的に示す側面図である。
【
図5】本発明の実施形態2による電池ケースのシール方法を順次示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付の図面を参照して、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態で実現することができ、以下の実施形態に制限又は限定されるものではない。
【0032】
本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分又は本発明の要旨を不明にし得る関連公知技術についての詳細な説明は省略し、本明細書において各図面の構成要素に参照符号を付すにあたり、明細書全体にわたって同一又は類似の構成要素には同一又は類似の参照符号を付す。
【0033】
なお、本明細書及び特許請求の範囲に用いられた用語や単語は、通常的又は辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は自らの発明を最も最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に立脚して、本発明の技術的思想に合致する意味と概念に解釈されるべきである。
【0034】
電池ケースのシール装置100
本発明は、電極組立体11が収納された電池ケース12を加圧してシールする1次シールユニット110と、前記1次シールユニット110の前方及び後方にそれぞれ位置して前記電池ケース12を加熱する1対の1次加熱ユニット120と、前記電池ケース12を移送する移送部130とを含む、電池ケースのシール装置100を提供する。
【0035】
前記電池ケースのシール装置100の構成について説明する前に、まず、前記電池ケースのシール装置100によりシールが行われて電極組立体11と共に二次電池10を構成する電池ケース12について説明する。
【0036】
前記電池ケース12は、
図1に示すように、電極組立体11が収納される構成であって、様々な構成が可能である。ここで、電極組立体11は、前記電池ケース12の内部に収納される構成であって、点線で示すことに留意すべきである。
【0037】
ここで、電極組立体11は、電極集電体上に電極活物質を塗布して正極及び負極を構成し、その間に分離膜が介在する構成であって、巻取型構造、スタック構造、スタック/フォールディング構造などを有する。このような電極組立体11は、電解液と共に電池ケース12に収納されてもよい。
【0038】
具体的には、電池ケース12は、前記電極組立体11が収納される収納部12'が形成されてもよく、また、少なくとも一端部から前記電極組立体11に電気的に接続される電極リード13が突設されてもよい。ここで、前記収納部12'は、前記電池ケース12の少なくとも一領域において前記電極組立体11を収納できるように凹状にフォーミング(forming)される領域と理解できる。
【0039】
より具体的には、前記電池ケース12は、
図2の(a)に示すように、電極組立体11が収納された電池ケース12がフォールディング(folding)される前の広がった状態で、
図2の(b)に示すように、前記電池ケース12が電池ケース12の長さ方向(
図2の(b)におけるy方向)を基準に半分にフォールディングされることにより製造される。
【0040】
このような電池ケース12は、収納部12'に収納された電極組立体11が外部の水分及び空気などにさらされて損傷することを防止するために、密閉された構造を有してもよい。
【0041】
具体的には、前記電池ケース12は、電池ケース12の外周辺のうち一部の領域が互いに貼り付けられることにより形成されるシール領域12aを含んでもよい。ここで、前記シール領域12aは、電池ケース12がフォールディングされるか又は2以上の電池ケース12が互いに重なるように備えられて電池ケース12同士が当接する領域が形成された場合、外周辺が加熱及び/又は加圧されることにより互いに貼り付けられる領域と理解できる。
【0042】
より具体的には、前記シール領域12aは、前記電池ケース12の長さ方向(
図1におけるy方向)に形成されるシール領域12aのうち電極リード13に対応する第1シール領域12aa、前記電池ケース12の長さ方向(
図1におけるy方向)に形成されるシール領域12aのうち前記第1シール領域12aaを除く他の領域である第2シール領域12ab、及び前記電池ケース12の幅方向(
図1におけるx方向)に形成される第3シール領域12acを含んでもよい。
【0043】
ここで、前記第1シール領域12aaは、前記電極リード13が電池ケース12と当接する領域であって、前記電極リード13と前記電池ケース12との間のシールが行われる領域と理解できる。
【0044】
前記シール領域12aは、
図2の(c)に示すように、第1シール領域12aa及び第2シール領域12abのシールが行われ、その後、
図2の(d)に示すように、第3シール領域12acのシールが行われることにより形成されてもよい。ここで、第1シール領域12aa及び前記第2シール領域12abのシールを行った後、及び前記第3シール領域12acのシールを行う前に、前記収納部12'に電解液が投入されてもよい。
【0045】
一方、前記電池ケース12は、移送部130により移送されてもよい。具体的には、前記電池ケース12は、電極組立体11が収納された状態で、移送部130により移送されてもよい。また、前記移送部130は、コンベアベルト又は複数のローラなどで構成されてもよい。ここで、前記電池ケース12は、
図3に示すように、後述する1次シールユニット110、1次加熱ユニット120、2次シールユニット140及び2次加熱ユニット150を経て移送されてもよい。
【0046】
ここで、前記1次シールユニット110は、前記電池ケース12を加圧してシールする構成であって、様々な構成が可能である。1次シールユニット110は、電池ケースにおいて電極リードに対応する領域を加圧してシールすることができる。
【0047】
具体的には、前記1次シールユニット110は、前記移送部130により移送される前記電池ケース12の上方及び下方の少なくともいずれか一方に位置して前記電池ケース12の外周辺の少なくとも一部を加圧することにより、前記シール領域12aをシールすることができる。そのために、前記1次シールユニット110は、前記電池ケース12に向かって上下移動可能に備えられてもよい。ここで、前記1次シールユニット110は、前記電池ケース12の外周辺の少なくとも一部を加圧すると同時に加熱することにより前記シール領域12aのシールを行うこともできることは言うまでもない。
【0048】
より詳細には、前記1次シールユニット110は、前述した第1シール領域12aa、第2シール領域12ab及び第3シール領域12acの少なくともいずれか1つを加圧してシールすることができる。すなわち、各シール領域が段差状に形成された場合、1次シールユニット110は、各シール領域の形状に対応するように段差を有する形状を含んでもよい。
【0049】
ここで、本発明において、後述する2次シールユニット140がさらに備えられた場合、前記1次シールユニット110は、前記電池ケース12において前記電極リード13に対応して位置する第1シール領域12aaに限定してシールを行ってもよい。
【0050】
すなわち、前記1次シールユニット110は、同じ領域にシールが複数回行われた場合、シール段差が発生し得る点、及び電池ケース12より温度上昇率が低い電極リード13においてシールに必要な熱量の損失が発生するので電極リード13に対応する位置においてシール品質が低下する点を考慮して、第1シール領域12aaに限定してシールを行ってもよい。
【0051】
一方、前記1次シールユニット110の前方及び後方には、1対の1次加熱ユニット120が備えられてもよい。以下、説明の便宜上、移送部130上で電池ケース12が移送される方向に向かう方向を後方といい、後方の逆方向を前方という。
【0052】
具体的には、前記1次加熱ユニット120は、
図2に示すように、前記1次シールユニット110の前方及び後方にそれぞれ位置して前記電池ケース12を加熱する構成であって、様々な構成が可能である。
【0053】
例えば、前記1次加熱ユニット120は、電池ケース12の移送により発生し得る電池ケース12の熱損失を最小限に抑えるために、前記電池ケース12の移送方向に沿って延設されてもよい。
【0054】
具体的には、前記1次加熱ユニット120は、前記電池ケース12に連続的に熱を供給できるように、前記電池ケース12の移送方向に沿って延設されてもよい。そのために、前記1次加熱ユニット120は、前記電池ケース12の移送方向に沿って配列される複数のヒーティングブロック(図示せず)を含んでもよい。これにより、前記1次加熱ユニット120は、前記電池ケース12の移送中に電池ケース12に発生し得る熱損失を最小限に抑えることができる。
【0055】
また、前記1次加熱ユニット120は、前記電池ケース12を非接触方式で加熱することができる。
【0056】
具体的には、前記1次加熱ユニット120は、高周波加熱手段、赤外線加熱手段、紫外線加熱手段などの非接触加熱手段を含み、前記電池ケース12から所定距離離隔して前記電池ケース12を非接触方式で加熱することができる。これにより、前記1次加熱ユニット120は、前記電池ケース12の移送と同時に電池ケース12を加熱することにより、電池ケース12の熱損失を最小限に抑えることができ、工程を連続的に行うことができる。
【0057】
前記1次加熱ユニット120は、前記1次シールユニット110により電池ケース12にシールが行われる前、及び前記電池ケース12にシールが行われた後、電池ケース12に高温雰囲気を形成し続けることにより、シール時に過度な圧力を加えることなくシール品質を十分に確保できるようにする。
【0058】
ここで、前記高温は、室温を超える温度と理解できる。ここで、前記室温とは、当業界において「room temperature」又は常温と呼ばれる温度範囲を意味する。一般に、人間が快適に過ごせる温度であって、通常15℃~20℃前後と理解できる。よって、前記室温を超える温度は、20℃以上の温度であり、より具体的には、シール領域12aの内部樹脂層の材質がポリプロピレン(polypropylene)樹脂である場合、160℃~190℃と理解できる。
【0059】
具体的には、前記1対の1次加熱ユニット120のうち、前記1次シールユニット110の前方に位置する1次加熱ユニット120は、電池ケース12のシールを行う前に、電池ケース12にシールに必要な熱量を予め確保するようにすることができる。これは、厚さの厚い電池ケース12のシール時にもシール領域12aの内部樹脂層を十分に融解できるようにするので、シール品質の向上を助けることができる。つまり、1次シールユニット110による加熱後に高温及び高圧の環境でシール工程が行われる際に、まだ融解していない内部樹脂層が加圧されて精密にシールされないという問題が生じるが、前方に位置する1次加熱ユニット120が予め予熱することにより、このような問題を防止することができる。
【0060】
ここで、上述した電池ケース12の厚さは180μm~190μmと理解できる。ただし、前記電池ケース12の厚さはこれに限定されるものではないことに留意する。
【0061】
また、前記1対の1次加熱ユニット120のうち、前記1次シールユニット110の後方に位置する1次加熱ユニット120は、電池ケース12のシールを行った後、前記電池ケース12の温度が急激に変化することを防止して、内部樹脂層における気泡の生成を最小限に抑えることができる。具体的には、シール工程の後、電池ケース12の温度が急激に変化すると、樹脂層の内部に存在していた空気がまだ排出されていない状態で樹脂層が急速に凝固するので、樹脂層の内部に気泡が形成されるという問題が生じ得る。すなわち、樹脂層の内部の空気が徐々に排出されるように、後方に位置する1次加熱ユニット120が高温の環境を維持することにより、内部樹脂層の気泡の生成を最小限に抑えることができる。
【0062】
また、本発明において、2次シールユニット140がさらに備えられ、シールが複数回行われた場合、前記1次加熱ユニット120は、2次シールユニット140によるシールを行う前にシール領域12aの内部樹脂層を十分に融解できるようにするので、シール品質の向上を助けることができることは言うまでもない。
【0063】
一方、本発明による電池ケース12のシール装置は、前記1次シールユニット110及び1次加熱ユニット120の後方に位置し、前記電池ケース12を加圧してシールする2次シールユニット140をさらに含んでもよい。
【0064】
具体的には、前記2次シールユニット140は、前記電池ケース12の外周辺の少なくとも一部を加圧してシールする構成であって、様々な構成が可能である。
【0065】
具体的には、前記2次シールユニット140は、前記移送部130により移送される前記電池ケース12の上方及び下方の少なくともいずれか一方に位置して前記電池ケース12の外周辺の少なくとも一部を加圧してシールすることができる。そのために、前記2次シールユニット140は、前記電池ケース12に向かって上下移動可能に備えられてもよい。ここで、前記2次シールユニット140は、前記電池ケース12の外周辺の少なくとも一部を加圧すると同時に加熱することにより前記シール領域12aのシールを行うこともできることは言うまでもない。
【0066】
一方、前記2次シールユニット140は、前述した第1シール領域12aa、第2シール領域12ab及び第3シール領域12acの少なくともいずれか1つをシールすることができる。
【0067】
ここで、前記2次シールユニット140が前記電池ケース12を加圧する加圧面積は、前述した1次シールユニット110が前記電池ケース12を加圧する加圧面積より広くてもよい。
【0068】
具体的には、前記2次シールユニット140は、前記1次シールユニット110によりシールされていない領域をシールして電池ケース12の密閉構造を形成しなければならない点、及び前記1次シールユニット110によりシールされている領域であってもシール品質を補うためにさらにシールを行い得る点を考慮して、前記1次シールユニット110より広い面積を加圧してシールすることができる。
【0069】
例えば、前記1次シールユニット110が第1シール領域12aaを加圧してシールを行った場合、前記2次シールユニット140は、前記第1シール領域12aaと共に第2シール領域12ab及び第3シール領域12acの少なくともいずれか1つを加圧してシールすることができる。
【0070】
一方、本発明は、前記2次シールユニット140の後方に位置し、前記電池ケース12を加熱する2次加熱ユニット150をさらに含んでもよい。
【0071】
具体的には、前記2次加熱ユニット150は、前記電池ケース12を加熱する構成であって、様々な構成が可能である。
【0072】
例えば、前記2次加熱ユニット150は、前記電池ケース12の移送により発生し得る電池ケース12の熱損失を最小限に抑えるために、前記電池ケース12の移送方向に沿って延設されてもよい。
【0073】
具体的には、前記2次加熱ユニット150は、前記電池ケース12に連続的に熱を供給できるように、前記電池ケース12の移送方向に沿って延設されてもよい。そのために、前記2次加熱ユニット150は、前記電池ケース12の移送方向に沿って配列される複数のヒーティングブロック(図示せず)を含んでもよい。これにより、前記2次加熱ユニット150は、前記電池ケース12の移送中に電池ケース12に発生し得る熱損失を最小限に抑えることができる。
【0074】
また、前記2次加熱ユニット150は、前記電池ケース12を非接触方式で加熱することができる。
【0075】
具体的には、前記2次加熱ユニット150は、高周波加熱手段、赤外線加熱手段、紫外線加熱手段などの非接触加熱手段により、前記電池ケース12から所定距離離隔して前記電池ケース12を非接触方式で加熱することができる。これにより、前記2次加熱ユニット150は、前記電池ケース12の移送と同時に電池ケース12を加熱することができるので、電池ケース12の熱損失を最小限に抑えることができ、工程を連続的に行うことができる。
【0076】
前記2次加熱ユニット150は、電池ケース12のシールを行った後、前記電池ケース12の温度が急激に変化することを防止して、内部樹脂層における気泡の生成を最小限に抑えることができる。
【0077】
一方、前述した1次シールユニット110は、様々な構造を有することができる。
【0078】
以下、前記1次シールユニット110の構造について、
図4を参照してより具体的に説明する。ただし、前記1次シールユニット110の構造は、前記2次シールユニット140にも適用できることは言うまでもなく、説明の便宜上、以下では1次シールユニット110の構造についてのみ説明することに留意する。
【0079】
例えば、前記1次シールユニット110は、
図4に示すように、前記本体部111と、前記本体部111に結合されて前記電池ケース12を加圧するプレス部112とを含んでもよい。
【0080】
ここで、前記本体部111は、複数のブロックが積層されて互いにボルト結合された構造を有してもよい。ここで、前記ブロックの少なくともいずれか1つは、外部の電気装置に接続され、室温を超える温度を発生することができる。ここで、室温の意味については前述した内容を援用する。
【0081】
また、前記プレス部112は、前記電池ケース12を加圧する構成であって、様々な構成が可能である。
【0082】
例えば、前記プレス部112は、前記本体部111の一面から前記電池ケース12に向かって突設され、前述したシール領域12aの加圧を行うことができる。ここで、シール領域12aは、前記第1シール領域12aa、第2シール領域12ab及び第3シール領域12acの少なくともいずれか1つを含んでもよい。このようなプレス部112は、様々な形状を有することができる。ここで、前記プレス部112は、前記シール領域12aの形状に対応して変更可能であることは言うまでもない。
【0083】
一方、前記プレス部112の両側には、1対の厚さ調整ストッパ113が備えられてもよい。
【0084】
具体的には、前記厚さ調整ストッパ113は、前記プレス部112により加圧されるシール領域12aの厚さを調整するための構成であって、前記プレス部112の両側で前記本体部111から前記電池ケース12に向かって突設されてもよい。
【0085】
ここで、前記厚さ調整ストッパ113が前記本体部111から突出した突出高さは様々に設定できるが、前記厚さ調整ストッパ113の突出高さは、前記プレス部112の突出高さより大きく設定されることが好ましい。なお、前記厚さ調整ストッパ113の突出高さは、前記本体部111の一面から前記本体部111とは逆方向に位置して電池ケース12に接触する厚さ調整ストッパ113の一面までの高さと理解でき、前記プレス部112の突出高さは、前記本体部111の一面から前記本体部111とは逆方向に位置して電池ケース12に接触するプレス部112の一面までの高さと理解できる。
【0086】
一方、前述した1次シールユニット110は、
図4に示すように、前記電池ケース12の上方及び下方にそれぞれ配置されてもよい。ここで、前記電池ケース12の上方に位置する1次シールユニット110は、電池ケース12のシール領域12aの厚さが均一になるように前記本体部111及びプレス部112の傾きを調整する傾き調整部115をさらに含んでもよい。
【0087】
具体的には、前記1次シールユニット110は、外部の昇降装置(図示せず)に連結されて昇降する昇降部114、及び前記昇降部114と前記本体部111との間に備えられて前記本体部111及びプレス部112の傾きを調整する傾き調整部115をさらに含んでもよい。
【0088】
より具体的には、前記傾き調整部115は、前記昇降部114と前記本体部111とを連結する連結部115aと、両端が前記昇降部114と前記本体部111とに連結され、収縮変形する1対の変形部115bとを含んでもよい。
【0089】
すなわち、1対の変形部115bのうちいずれか一方が縮むと他方が引っ張られることにより、前記本体部111及びプレス部112の傾きを調整することができる。ここで、前記連結部115aは、回動可能に備えられてもよい。
【0090】
一方、前記傾き調整部115は、前記本体部111及びプレス部112の傾きの程度を制限する1対の傾きストッパ115cをさらに含んでもよい。ここで、傾きストッパ115cは、前記昇降部114及び前記本体部111から互いに対向して突設され、互いに離隔して備えられてもよい。よって、前記傾きストッパ115cは、本体部111及びプレス部112が予め設定された角度以上に傾くと、前記本体部111及びプレス部112の傾きを機械的に制限することができる。
【0091】
電池ケースのシール方法
一方、本発明は、
図5に示すように、電極組立体11が収納された電池ケース12を加熱する第1加熱ステップ(S10)と、前記第1加熱ステップ(S10)の後、前記電池ケース12を加圧してシールする第1シールステップ(S20)と、前記第1シールステップ(S20)の後、前記電池ケース12を加熱する第2加熱ステップ(S30)とを含む、電池ケース12のシール方法を提供する。ここで、前記各ステップは、電池ケース12の移送と同時に行われてもよい。
【0092】
ここで、前記第1加熱ステップ(S10)は、電極組立体11が収納された電池ケース12を加熱するステップであって、様々な方法で行うことができる。
【0093】
具体的には、前記第1加熱ステップ(S10)は、前記第1シールステップ(S20)を行う前に、1次シールユニット110の前方に位置する1次加熱ユニット120を用いて電池ケース12を加熱することにより行うことができる。よって、前記第1加熱ステップ(S10)は、シールステップを行う前に電池ケース12にシールに必要な熱量を予め確保できるようにするという利点がある。ここで、前記1次加熱ユニット120に関する具体的な内容については前述した内容を援用する。
【0094】
このような第1加熱ステップ(S10)においては、前記電池ケース12の移送方向に沿って前記電池ケース12を加熱することができる。これにより、前記第1加熱ステップ(S10)においては、前記電池ケース12の移送中に発生し得る熱損失を最小限に抑えることができる。
【0095】
また、前記第1加熱ステップ(S10)においては、前記電池ケース12を非接触方式で加熱することができる。具体的には、前記第1加熱ステップ(S10)は、高周波、赤外線、紫外線などを用いて前記電池ケース12を非接触方式で加熱することにより行うことができる。
【0096】
一方、前記第1加熱ステップ(S10)の後、前記電池ケース12のシールを行う第1シールステップ(S20)を行うことができる。
【0097】
具体的には、前記第1シールステップ(S20)は、前記第1加熱ステップ(S10)の後、前記電池ケース12を加圧してシールするステップであって、様々な方法で行うことができる。ここで、前記第1シールステップ(S20)は、前述した1次シールユニット110により行うことができ、前記1次シールユニット110に関する具体的な内容については前述した内容を援用する。
【0098】
ここで、前記第1シールステップ(S20)においては、第1シール領域12aa、前記第2シール領域12ab及び第3シール領域12acの少なくともいずれか1つを加圧してシールすることができる。
【0099】
ここで、本発明において、後述する第2シールステップ(S40)がさらに設けられる場合、前記第1シールステップ(S20)においては、前記電極リード13に対応して位置する第1シール領域12aaに限定してシールを行ってもよい。
【0100】
すなわち、前記第1シールステップ(S20)においては、同じシール領域12aにシールが複数回行われた場合、シール段差が発生し得る点、及び電池ケース12より温度上昇率が低い電極リード13においてシールに必要な熱量の損失が発生するので電極リード13に対応する位置においてシール品質が低下する点を考慮して、第1シール領域12aaに限定してシールを行ってもよい。
【0101】
一方、前記第1シールステップ(S20)を行った後、前記電池ケース12を加熱する第2加熱ステップ(S30)を行うことができる。
【0102】
具体的には、前記第2加熱ステップ(S30)は、前記第1シールステップ(S20)の後、前記電池ケース12を加熱するステップであって、様々な方法で行うことができる。
【0103】
具体的には、前記第2加熱ステップ(S30)は、前記第1シールステップ(S20)を行った後、1次シールユニット110の後方に位置する1次加熱ユニット120を用いて電池ケース12を加熱することにより行うことができる。ここで、前記1次加熱ユニット120に関する具体的な内容については前述した内容を援用する。
【0104】
よって、前記第2加熱ステップ(S30)においては、シールステップを行った後、シール領域12aの内部樹脂層を十分に融解できるようにし、急激な温度変化による気泡の生成を最小限に抑えることができる。
【0105】
また、本発明において、後述する第2シールステップ(S40)がさらに設けられ、シールが複数回行われる場合、前記第2加熱ステップ(S30)においては、第2シールステップ(S40)によるシールを行う前にシール領域12aの内部樹脂層を十分に融解できるようにするので、シール品質の向上を助けることができることは言うまでもない。
【0106】
このような第2加熱ステップ(S30)においては、前記電池ケース12の移送方向に沿って前記電池ケース12を加熱することができる。これにより、前記第2加熱ステップ(S30)においては、前記電池ケース12の移送中に発生し得る熱損失を最小限に抑えることができる。
【0107】
また、前記第2加熱ステップ(S30)においては、前記電池ケース12を非接触方式で加熱することができる。具体的には、前記第2加熱ステップ(S30)は、高周波、赤外線、紫外線などを用いて前記電池ケース12を非接触方式で加熱することにより行うことができる。
【0108】
一方、本発明による電池ケース12のシール方法は、前記第1シールステップ(S20)及び前記第2加熱ステップ(S30)を行った後、前記電池ケース12をシールする第2シールステップ(S40)をさらに含んでもよい。
【0109】
具体的には、前記第2シールステップ(S40)は、前記第1シールステップ(S20)及び前記第2加熱ステップ(S30)を行った後、前記電池ケース12を加圧してシールするステップであって、様々な方法で行うことができる。
【0110】
ここで、前記第2シールステップ(S40)においては、前述した2次シールユニット140を用いて上述した第1シールステップ(S20)で加圧されていない領域を加圧してシールするか、又は前記第1シールステップ(S20)で加圧してシールされた領域を追加で加圧して電池ケース12のシールを補うことができる。ここで、前記2次シールユニット140については前述した内容を援用する。
【0111】
具体的には、第2シールステップ(S40)においては、第1シール領域12aa、前記第2シール領域12ab及び第3シール領域12acの少なくともいずれか1つのシールを行うことができる。
【0112】
ここで、前記第2シールステップ(S40)で前記電池ケース12を加圧する加圧面積は、前述した第1シールステップ(S20)で前記電池ケース12を加圧する加圧面積より広くてもよい。
【0113】
具体的には、前記第2シールステップ(S40)でシールされる領域は、上述した第1シールステップ(S20)でシールされていない領域をシールして電池ケース12の密閉構造を形成しなければならない点、及び上述した第1シールステップ(S20)でシールされている領域であってもシール品質を補うためにさらにシールを行い得る点を考慮して、前記第1シールステップ(S20)によりシールされる領域より広くてもよい。
【0114】
例えば、前記第1シールステップ(S20)で第1シール領域12aaのみシールされた場合、前記第2シールステップ(S40)においては、前記第1シール領域12aaと共に第2シール領域12ab及び第3シール領域12acの少なくともいずれか1つをシールすることができる。すなわち、前記第1シールステップ(S20)で第1シール領域12aaのみシールされた場合、前記第2シールステップ(S40)は、第1シール領域12aa及び第2シール領域12abであり得る。
【0115】
一方、本発明による電池ケースのシール方法は、前記第2シールステップ(S40)を行った後、前記電池ケース12を加熱するポスト加熱ステップ(S50)をさらに含んでもよい。
【0116】
具体的には、前記ポスト加熱ステップ(S50)は、前記第2シールステップ(S40)を行った後、前記電池ケース12を加熱するステップであって、様々な方法で行うことができる。
【0117】
具体的には、前記ポスト加熱ステップ(S50)は、前記第2シールステップ(S40)を行った後、2次シールユニット140の後方に位置する2次加熱ユニット150を用いて電池ケース12を加熱することにより行うことができる。よって、前記ポスト加熱ステップ(S50)においては、シール領域12aの内部樹脂層を十分に融解できるようにし、急激な温度変化による気泡の生成を最小限に抑えることができる。ここで、前記2次加熱ユニット150に関する具体的な内容については前述した内容を援用する。
【0118】
このようなポスト加熱ステップ(S50)においては、前記電池ケース12の移送方向に沿って前記電池ケース12を加熱することができる。これにより、前記ポスト加熱ステップ(S50)においては、前記電池ケース12の移送中に発生し得る熱損失を最小限に抑えることができる。
【0119】
また、前記ポスト加熱ステップ(S50)においては、前記電池ケース12を非接触方式で加熱することができる。具体的には、前記ポスト加熱ステップ(S50)は、高周波、赤外線、紫外線などを用いて前記電池ケース12を非接触方式で加熱することにより行うことができる。
【0120】
以上、本発明は、たとえ限定された実施形態と図面により説明されたが、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者により本発明の技術思想と添付の特許請求の範囲の均等範囲内で様々な実施が可能である。
【符号の説明】
【0121】
10 二次電池
11 電極組立体
12 電池ケース
12' 収納部
12a シール領域
12aa 第1シール領域
12ab 第2シール領域
12ac 第3シール領域
13 電極リード
100 電池ケースのシール装置
110 1次シールユニット
111 本体部
112 プレス部
113 厚さ調整ストッパ
114 昇降部
115 傾き調整部
115a 連結部
115b 変形部
115c 傾きストッパ
120 1次加熱ユニット
130 移送部
140 2次シールユニット
150 2次加熱ユニット
S10 第1加熱ステップ
S20 第1シールステップ
S30 第2加熱ステップ
S40 第2シールステップ
S50 ポスト加熱ステップ
【手続補正書】
【提出日】2024-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体が収納された電池ケースを加圧してシールする1次シールユニットと、
前記1次シールユニットの前方及び後方にそれぞれ位置して前記電池ケースを加熱する1対の1次加熱ユニットと、
移送ラインに沿って前記電池ケースを移送する移送部とを含む、電池ケースのシール装置。
【請求項2】
前記1次加熱ユニットは、前記電池ケースの移送方向に沿って前記移送ラインに形成され、
前記電池ケースの移送方向を基準として、前記1対の1次加熱ユニットの一方は前記1次シールユニットの前方に位置し、前記1対の1次加熱ユニットの他方は前記1次シールユニットの後方に位置する、請求項1に記載の電池ケースのシール装置。
【請求項3】
前記1次加熱ユニットは、前記電池ケースを非接触方式で加熱する、請求項1に記載の電池ケースのシール装置。
【請求項4】
前記電池ケースは、少なくとも一端部から前記電極組立体に電気的に接続される電極リードが突出し、
前記1次シールユニットは、前記電池ケースにおいて前記電極リードに対応する領域を加圧してシールする、請求項1に記載の電池ケースのシール装置。
【請求項5】
前記1次シールユニット及び1次加熱ユニットの後方に位置し、前記電池ケースを加圧してシールする2次シールユニットをさらに含む、請求項1に記載の電池ケースのシール装置。
【請求項6】
前記2次シールユニットの後方に位置し、前記電池ケースを加熱する2次加熱ユニットをさらに含む、請求項5に記載の電池ケースのシール装置。
【請求項7】
前記電池ケースを移送する前記移送部をさらに含み、
前記2次加熱ユニットは、前記電池ケースの移送方向に沿って延設される、請求項6に記載の電池ケースのシール装置。
【請求項8】
前記2次加熱ユニットは、前記電池ケースを非接触方式で加熱する、請求項6に記載の電池ケースのシール装置。
【請求項9】
前記2次シールユニットが前記電池ケースを加圧する加圧面積は、前記1次シールユニットが前記電池ケースを加圧する加圧面積より広い、請求項5に記載の電池ケースのシール装置。
【請求項10】
電極組立体が収納された電池ケースを加熱する第1加熱ステップと、
前記第1加熱ステップの後、前記電池ケースを加圧してシールする第1シールステップと、
前記第1シールステップの後、前記電池ケースを加熱する第2加熱ステップとを含む、電池ケースのシール方法。
【請求項11】
前記第1加熱ステップ及び前記第2加熱ステップの少なくともいずれか1つにおいて、
前記電池ケースの移送方向に沿って前記電池ケースを加熱する、請求項10に記載の電池ケースのシール方法。
【請求項12】
前記第1加熱ステップ及び前記第2加熱ステップの少なくともいずれか1つにおいて、
前記電池ケースを非接触方式で加熱する、請求項10に記載の電池ケースのシール方法。
【請求項13】
前記第1シールステップにおいて、
前記電極組立体の少なくとも一端部から突出する電極リードに対応する位置でシールを行う、請求項10に記載の電池ケースのシール方法。
【請求項14】
前記第1シールステップ及び前記第2加熱ステップを行った後、
前記電池ケースを加圧してシールする第2シールステップをさらに含む、請求項10に記載の電池ケースのシール方法。
【請求項15】
前記第2シールステップを行った後、
前記電池ケースを加熱するポスト加熱ステップをさらに含む、請求項14に記載の電池ケースのシール方法。
【請求項16】
電極組立体を収納した電池ケースをフォールディングするステップと、
前記電池ケースの外周辺のうちの一部をシールするステップと、を含み、
前記シールするステップは、請求項10から15のいずれか一項に記載の電池ケースのシール方法により行われる、パウチ型二次電池の製造方法。
【国際調査報告】