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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】ヒンジ
(51)【国際特許分類】
   E05F 5/02 20060101AFI20241114BHJP
   E05D 3/14 20060101ALI20241114BHJP
   E05F 3/20 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
E05F5/02 E
E05D3/14 A
E05F3/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535599
(86)(22)【出願日】2022-11-22
(85)【翻訳文提出日】2024-07-18
(86)【国際出願番号】 EP2022082779
(87)【国際公開番号】W WO2023110324
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】21214290.5
(32)【優先日】2021-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ゲッツ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス シューラー
(72)【発明者】
【氏名】ダーヴィット キルヒマイヤー
(57)【要約】
ヒンジ(1)、特に家具ヒンジであって、-ストッパ部分(2)であって、該ストッパ部分(2)によりヒンジ(1)が定置の家具部分(3)に取付け可能である、ストッパ部分(2)と、-少なくとも1つのジョイントレバー(4)と、-ヒンジポット(5)であって、該ヒンジポット(5)が、少なくとも1つのジョイントレバー(4)を介して旋回可能にストッパ部分(2)に配置されているか、または配置可能であり、少なくとも1つのジョイントレバー(4)が、ヒンジポット(5)に、少なくとも1つのジョイント軸(6)を介して支承されており、ヒンジポット(5)が、可動の家具部分(7)に取付け可能である、ヒンジポット(5)と、-ヒンジ(1)の開放位置(9)と閉鎖位置(10)との間でストッパ部分(2)とヒンジポット(5)との間の相対運動を緩衝するための少なくとも1つの緩衝装置(8)であって、少なくとも1つの緩衝装置(8)が、プランジャ(12)および並進的に可動なプランジャロッド(13)を備えたリニアダンパ(11)を有していて、該リニアダンパ(11)が、少なくとも所定の領域において、好適には完全に、ヒンジポット(5)外に配置されている、緩衝装置(8)と、-少なくとも1つの緩衝装置(8)を操作するための、好適には一体的な、かつ/または前記少なくとも1つのジョイントレバー(4)から、特に有利には少なくとも開放位置(9)において空間的に別個の、並進的に可動の少なくとも1つの操作要素(14)とを含み、少なくとも1つの操作要素(14)が、大部分で、好適には完全に、ヒンジポット(5)内に配置されている、ヒンジ(1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒンジ(1)、特に家具ヒンジであって、
-ストッパ部分(2)であって、該ストッパ部分(2)により前記ヒンジ(1)が定置の家具部分(3)に取付け可能である、ストッパ部分(2)と、
-少なくとも1つのジョイントレバー(4)と、
-ヒンジポット(5)であって、該ヒンジポット(5)が、前記少なくとも1つのジョイントレバー(4)を介して旋回可能に前記ストッパ部分(2)に配置されているか、または配置可能であり、前記少なくとも1つのジョイントレバー(4)が、前記ヒンジポット(5)に、少なくとも1つのジョイント軸(6)を介して支承されており、前記ヒンジポット(5)が、可動の家具部分(7)に取付け可能である、ヒンジポット(5)と、
-前記ヒンジ(1)の開放位置(9)と閉鎖位置(10)との間で前記ストッパ部分(2)と前記ヒンジポット(5)との間の相対運動を緩衝するための少なくとも1つの緩衝装置(8)であって、前記少なくとも1つの緩衝装置(8)が、プランジャ(12)および並進的に可動なプランジャロッド(13)を備えたリニアダンパ(11)を有していて、該リニアダンパ(11)が、少なくとも所定の領域において、好適には完全に、前記ヒンジポット(5)外に配置されている、緩衝装置(8)と、
-前記少なくとも1つの緩衝装置(8)を操作するための、好適には一体的な、かつ/または前記少なくとも1つのジョイントレバー(4)から、特に有利には少なくとも前記開放位置(9)において空間的に別個の、並進的に可動の少なくとも1つの操作要素(14)と
を含んでいるヒンジ(1)において、
前記少なくとも1つの操作要素(14)が、大部分で、好適には完全に、前記ヒンジポット(5)内に配置されていることを特徴とする、ヒンジ(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの操作要素(14)が、載置面(15)または載置手段を含み、該載置面(15)または載置手段を介して、前記少なくとも1つの操作要素(14)が、好適には間接的または直接的にヒンジポット底部(17)の内面(16)に配置されており、かつ/または前記ヒンジポット(5)内で前記ヒンジポット(5)の溝(18)または凹設部内でガイドされている、請求項1記載のヒンジ(1)。
【請求項3】
前記ヒンジポット(5)が、ヒンジポット開口(19)を含んでおり、前記ヒンジポット開口(19)を通って、前記プランジャロッド(13)が、前記ヒンジポット(5)の外部空間(20)から前記ヒンジポット(5)のヒンジポット側壁(21)により分離された、前記ヒンジポット(5)の内部空間(22)内に突入し、好適には、前記プランジャロッド(13)が、前記開放位置(9)および/または前記閉鎖位置(10)で、所定の領域において前記ヒンジポット(5)内に、かつ所定の領域において前記ヒンジポット(5)外に配置されていることが規定されている、請求項1または2記載のヒンジ(1)。
【請求項4】
ヒンジポットカバー(23)が設けられており、該ヒンジポットカバー(23)により、前記少なくとも1つの緩衝装置(8)が、少なくとも所定の領域において、好適には完全に覆われることができ、好適には、前記ヒンジポットカバー(23)が、前記ヒンジポット(5)上にクリップ結合可能であるか、またはクリップ結合されており、かつ/または有利には前記少なくとも1つの緩衝装置(8)の幾何学形状に対応する少なくとも1つの収容領域(24)を含むことが規定されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のヒンジ(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの緩衝装置(8)が、好適には回転可能または固定的に、かつ/またはリベット(25)または軸(26)を介して、外側で前記ヒンジポット(5)に配置されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のヒンジ(1)。
【請求項6】
前記ヒンジポット(5)が、少なくとも1つの補強凹設部(27)を含み、好適には、前記少なくとも1つの緩衝装置(8)が、前記少なくとも1つの補強凹設部(27)に当接可能であり、かつ/または前記少なくとも1つの補強凹設部(27)に配置されていることが規定されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のヒンジ(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの操作要素(14)が、好適には実質的に方形の開口(28)または窪みを含み、かつ/または前記ヒンジポット底部(17)が、別の窪み(29)または別の開口を含み、前記別の窪み(29)または別の開口が、前記開放位置(9)と前記閉鎖位置(10)との間で少なくとも所定の領域において、好適には完全に、前記開口(28)または窪みに重畳し、好適には、前記少なくとも1つの操作要素(14)が、金属製の金属薄板部分として形成されていることが規定されている、請求項2から6までのいずれか1項記載のヒンジ(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの操作要素(14)が、好適には場合によっては存在する開口(28)または窪みの隣に配置された少なくとも1つの異形成形部(30)を含み、かつ前記少なくとも1つのジョイントレバー(4)が、好適には前記少なくとも1つの異形成形部(30)に対応するアンダカット(32)の形態の少なくとも1つの制御輪郭(31)を含み、前記少なくとも1つの操作要素(14)が、前記少なくとも1つの異形成形部(30)と前記少なくとも1つの制御輪郭(31)との間の運動連結により、前記閉鎖位置(10)と前記開放位置(9)との間での緩衝行程前の出発位置(33)へと戻すことができ、好適には、前記少なくとも1つの操作要素(14)が、前記少なくとも1つの異形成形部(30)を介して、前記ヒンジポット(5)および/または場合によっては存在する少なくとも1つの補強凹設部(27)に支持可能であることが規定されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のヒンジ(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの操作要素(14)が、前記プランジャロッド(13)に接触するための、好適には前記少なくとも1つの操作要素(14)から横方向に突出しかつ/または湾曲させられた少なくとも1つのウェブ(34)を好適には前記ヒンジポット(5)内に含む、請求項1から8までのいずれか1項記載のヒンジ(1)。
【請求項10】
好適には材料結合式に前記少なくとも1つのジョイントレバー(4)に結合された、かつ/または前記少なくとも1つのジョイントレバー(4)とは別個の少なくとも1つの連結装置(35)が設けられており、該連結装置(35)が、前記少なくとも1つのジョイントレバー(4)の回転運動を、前記少なくとも1つの操作要素(14)の線形運動に移行させ、好適には、前記少なくとも1つの連結装置(35)が、プラスチック部分として形成されている、かつ/または少なくとも1つの載置部(36)を介して、前記少なくとも1つのジョイント軸(6)に配置されていることが規定されている、請求項1から9までのいずれか1項記載のヒンジ(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの連結装置(35)が、前記少なくとも1つのジョイントレバー(4)に前記少なくとも1つの連結装置(35)を配置するための少なくとも1つの取付け装置(37)を含み、好適には、前記少なくとも1つの連結装置(35)が、前記少なくとも1つの緩衝装置(8)の操作中に、前記少なくとも1つの操作要素(14)の場合によっては存在する開口(28)または窪み内に係合することが規定されている、請求項10記載のヒンジ(1)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの操作要素(14)が、前記少なくとも1つの連結装置(35)に接触するための当接面(38)を含み、前記少なくとも1つの連結装置(35)と前記当接面(38)とが、前記開放位置(9)と前記閉鎖位置(10)との間で、前記少なくとも1つのジョイントレバー(4)の回転運動を介して前記少なくとも1つの緩衝装置(8)を作動させるために運動連結されており、好適には、前記少なくとも1つの連結装置(35)が、前記少なくとも1つのジョイントレバー(4)の回転運動を前記プランジャロッド(13)の線形運動に変換するための制御カム(39)を含むことが規定されている、請求項10または11記載のヒンジ(1)。
【請求項13】
前記少なくとも1つの連結装置(35)が、前記ヒンジ(1)の前記開放位置(9)を起点として前記ヒンジ(1)の前記閉鎖位置(10)に向かう方向で第1の運動区分(40)では前記少なくとも1つの操作要素(14)に対して非接触に形成されており、かつ/または好適には前記第1の運動区分(40)に続く第2の運動区分(41)では前記少なくとも1つの操作要素(14)に接触し、好適には、前記少なくとも1つの緩衝装置(8)が、前記少なくとも1つの連結装置(35)により前記少なくとも1つの操作要素(14)を介して、有利には専ら前記第2の運動区分(41)において作動可能であることが規定されている、請求項10から12までのいずれか1項記載のヒンジ(1)。
【請求項14】
前記ヒンジポット(5)内で前記少なくとも1つの操作要素(14)を並進的にガイドし、かつ/または位置固定するための操作要素カバー(42)が設けられており、前記少なくとも1つの操作要素(14)が、前記ヒンジポット底部(17)と前記操作要素カバー(42)との間に配置されており、好適には、前記操作要素カバー(42)、前記ヒンジポット底部(17)および/または前記少なくとも1つの操作要素カバー(42)が、前記少なくとも1つの操作要素(14)をガイドするための少なくとも1つのガイド装置(43)を含むことが規定されており、前記操作要素カバー(42)が、前記ヒンジポット底部(5)に形状結合するための取付け要素(44)を含み、かつ/または前記操作要素カバー(42)が、好適には前記少なくとも1つの操作要素カバー(42)から横方向に突出しかつ/または湾曲させられたカバーウェブ(45)を前記ヒンジポット(5)内に含む、請求項2から13までのいずれか1項記載のヒンジ(1)。
【請求項15】
好適には薄片(47)または突起(48)の形態の少なくとも1つのスライド要素(46)が、前記少なくとも1つの操作要素(14)と前記ヒンジポット底部(17)との間かつ/または前記少なくとも1つの操作要素(14)と場合によっては存在する操作要素カバー(42)との間の摩擦を低減するために前記少なくとも1つの操作要素(14)に配置されている、請求項2から14までのいずれか1項記載のヒンジ(1)。
【請求項16】
前記少なくとも1つの緩衝装置(8)が、前記少なくとも1つの操作要素(14)に対して実質的に平行に配置されている、請求項1から15までのいずれか1項記載のヒンジ(1)。
【請求項17】
少なくとも1つの定置の家具部分(3)と、可動に支承された家具部分(7)とを含む家具(49)であって、請求項1から16までのいずれか1項記載の少なくとも1つのヒンジ(1)を備え、前記ヒンジ(1)のストッパ部分(2)が、前記定置の家具部分(3)に配置されており、ヒンジポット(5)が、前記可動の家具部分(7)に配置されており、特に少なくとも所定の領域において前記可動の家具部分(7)に組み込まれている、家具(49)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒンジ、特に家具ヒンジであって、ストッパ部分であって、ストッパ部分によりヒンジが定置の家具部分に取付け可能である、ストッパ部分と、少なくとも1つのジョイントレバーと、ヒンジポットであって、ヒンジポットが、少なくとも1つのジョイントレバーを介して旋回可能にストッパ部分に配置されているか、または配置可能であり、少なくとも1つのジョイントレバーが、ヒンジポットに、少なくとも1つのジョイント軸を介して支承されており、ヒンジポットが、可動の家具部分に取付け可能である、ヒンジポットと、ヒンジの開放位置と閉鎖位置との間でストッパ部分とヒンジポットとの間の相対運動を緩衝するための少なくとも1つの緩衝装置であって、少なくとも1つの緩衝装置が、プランジャおよび並進的に可動なプランジャロッドを備えたリニアダンパを有していて、リニアダンパが、少なくとも所定の領域において、好適には完全に、ヒンジポット外に配置されている、緩衝装置と、少なくとも1つの緩衝装置を操作するための、好適には一体的な、かつ/または少なくとも1つのジョイントレバーから、特に有利には少なくとも開放位置において空間的に別個の、並進的に可動の少なくとも1つの操作要素とを含んでいるヒンジに関する。
【0002】
このようなヒンジは、国際公開第2016/102215号から既に公知であり、上掲の明細書では、操作要素としてスライダを備えたリニアダンパが、外側でヒンジポットに取付け可能であり、ジョイントレバーは、リニアダンパを操作するために、線形に可動なスライダにヒンジポット開口を通して接触する。スライダは、リニアダンパと一緒に外側でヒンジヘッドにおいてハウジング上でクリップ結合される。
【0003】
従来技術における欠点は、ヒンジの外側領域におけるスライダへのジョイントレバーの回転運動の変換により、スライダへの力分配が不都合であることである。なぜならば、ジョイントレバーの回転により生じる力ベクトルは、プランジャロッドに直交して、材料結合式にヒンジポットに結合されていないハウジングの方向に向けられており、これにより、ヒンジポットとハウジングとの間でスライダの望ましくない引っかかりが助長され、不調和な緩衝運動、緩衝に関与する構成部材の高い摩耗およびリニアダンパへの不都合な力伝達が引き起こされるからである。さらに、ヒンジポットの貫通時に、ジョイントレバーの所望の運動範囲においてヒンジの緩衝を自治減するために、ジョイントレバーの幾何学形状および公差は、スライダに極めて正確に適合されている必要がある。さらに、大きなヒンジポット開口が要求され、これにより、汚染がヒンジポット内に侵入してしまい、この汚染は、ヒンジの機能性ならびにヒンジの耐用期間を減じてしまう。さらに、ヒンジの組付け時に、ヒンジの適切な使用を保証できるようにするために、専門員によって実施されなければならないヒンジポットにおけるスライダおよびハウジングの事前組付けにおいて、付加的な作業ステップが必要である。さらに、構造空間は、外側でハウジングにより支持されたスライダによって増大される。さらに、ヒンジポット開口の幾何学形状および配置決めにより、スライダの線形運動への回転運動の移行は制限されている。
【0004】
したがって本発明の客観的な技術的な課題は、従来技術に対して改良されたヒンジであって、従来技術の欠点が少なくとも部分的に解消されていて、特にコンパクトな構造形態および/または少なくとも1つのジョイントレバーの回転運動の、プランジャロッドへの特に好都合な伝達という点において優れている、ヒンジを提供することである。
【0005】
この課題は、請求項1記載の特徴によって解決される。
【0006】
したがって本発明によれば、少なくとも1つの操作要素が、大部分で、好適には完全に、ヒンジポット内に配置されていることが規定されている。
【0007】
これによって初めて、少なくとも1つのジョイントレバーの回転運動中に、少なくとも1つの操作要素に伝達される力作用が、ヒンジポット底部の方向に作用することができ、もしくはヒンジポット底部が、緩衝運動中に少なくとも1つの操作要素のための受け部として作用することができることが可能にされる。
【0008】
少なくとも1つの操作要素が、大部分でヒンジポット内に配置されるということは、この文脈において、少なくとも1つの操作要素の体積の少なくとも50%、好適には少なくとも70%、特に有利には少なくとも90%が、ヒンジポット内に配置されていることを意味している。
【0009】
さらに、プランジャロッドを操作するための機構がヒンジポット内に組み込まれており、これによりヒンジポットの高さおよび/またはヒンジポットの直径を特に小さく形成することができ、これにより例えばヒンジのための狭幅の可動の部材または小さな取付け空間を備える家具、窓、ドアまたはこれに類するものにおける大きな使用領域を保証することができるというポジティブな特性が生じる。なぜならば、ヒンジが特にコンパクトに形成されているからである。
【0010】
少なくとも1つの操作要素が、ヒンジポット内に配置されていて、リニアダンパが、有利にはリベットまたは軸を介して外側でヒンジポットに配置されていて、かつ従来技術とは異なり、ヒンジポットに、家具におけるヒンジの組付け中に付加的な作業ステップにおいて手動で取り付ける必要はないので、組付け時間を短縮することができ、組付けを特に簡単に、もしくはユーザフレンドリーに実施することができる。
【0011】
さらに、少なくとも1つの操作要素を内側に配置することは、ヒンジに対する要求に依存して、ヒンジの開口によって制限されることなしに、ジョイントレバーの回転運動の、少なくとも1つの操作要素の回転運動への変換を、(例えば、少なくとも1つの操作要素における少なくとも1つのジョイントレバーの作用点の位置決めを介して、かつ/または少なくとも1つの操作要素におけるプランジャロッドの作用点を介して)フレキシブルに適合させることができるという利点をもたらす。
【0012】
有利には、ヒンジの緩衝は、開放位置を起点として閉鎖位置の方向で行われ、概して代替的または補足的に、閉鎖位置を起点として開放位置への、特に2つの運動区分でのヒンジの緩衝が行われてよい。例えば、プランジャロッドに操作要素を位置固定することによって、両方向の緩衝を行うことができるが、このことは必ずしも必要ではなく、少なくとも1つの緩衝エレメントは、プランジャロッドに有利には、特に有利には専らヒンジの閉鎖運動において緩衝のために接触する。
【0013】
冒頭で述べたように、保護範囲は、家具であって、該家具が、少なくとも1つの定置の家具部分と、可動に支承された家具部分とを含み、先行する請求項のいずれか1項記載の少なくとも1つのヒンジを備え、ヒンジのストッパ部分が、定置の家具部分に配置されており、ヒンジポットが、可動の家具部分に配置されており、特に少なくとも所定の領域もおいて可動の家具部分に組み込まれている家具にも関する。
【0014】
有利には、ヒンジは、フラップを備えた家具キャビネットに使用される。しかしヒンジは、概して、窓/窓フレーム、ドア/ドアフレーム等においても使用することができる。
【0015】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項に規定されている。
【0016】
本発明の有利な或る構成によれば、少なくとも1つの操作要素が、載置面または載置手段を含み、この載置面または載置手段を介して、少なくとも1つの操作要素が、好適には間接的にまたは直接的にヒンジポット底部の内面に配置されており、かつ/またはヒンジポット内でヒンジポットの溝または凹設部内でガイドされていることが規定されている。
【0017】
これにより、ヒンジポットにおける少なくとも1つの操作要素の内側での支持が、特に場合によっては存在するヒンジポットカバーとの相互作用なしに、可能にされ、このことは、特に調和の取れたかつ/または摩耗の少ない緩衝運動のために、ヒンジポットと少なくとも1つのジョイントレバーとの間の力伝達を促進する。
【0018】
載置面は、概して、少なくとも1つのスライド要素、少なくとも1つの載置手段および/または少なくとも1つのガイド装置を含んでいてよく、このガイド装置によって、少なくとも1つの操作要素が、ヒンジポットに間接的に接触している。例えば、少なくとも1つの操作要素、または少なくとも1つの操作要素に配置されたスライド要素に設けられた少なくとも1つのストリップまたは少なくとも1つの突起によって、少なくとも1つの操作要素と、ヒンジポットおよび/または場合によっては存在する操作要素カバーとの間の摩擦を減じることができ、これによりヒンジの耐用期間を延長することができる。
【0019】
代替的または補足的には、少なくとも1つの操作要素が、好適にはヒンジポット底部に対して空間的に離間して、少なくとも1つのヒンジポット側壁の少なくとも1つの側方の溝内で並進的にガイドされていてよい。
【0020】
少なくとも1つの操作要素は、ストッパという意味で、例えばヒンジポット側壁または場合によっては存在するヒンジポット開口の接触によりヒンジの運動制限部および/または緩衝行程制限部として働くことができる。
【0021】
有利には、ヒンジポットがヒンジポット開口を含んでおり、このヒンジポット開口を通って、プランジャロッドが、ヒンジポットの外部空間からヒンジポットのヒンジポット側壁により分離された、ヒンジポットの内部空間内に突入していることが規定されており、好適には、プランジャロッドが、開放位置および/または閉鎖位置で所定の領域においてヒンジポット内に、かつ所定の領域においてヒンジポット外に配置されていることが規定されている。
【0022】
ヒンジポット開口により、ヒンジポットの内部空間の機構の、プランジャロッドを介した、外側に配置されたリニアダンパへの伝達を行うことができ、ヒンジポット開口は、ヒンジポットの内部空間の汚染が最小限にされるように、プランジャロッドの幾何学形状に適合されていてよい。
【0023】
概して、別の緩衝装置が設けられており、この別の緩衝装置が、例えばヒンジの長手方向の延在を中心として対称的にもしくは鏡像対称的に外側でヒンジポットに配置されていることが規定されていてよい。
【0024】
ヒンジポットカバーが設けられており、このヒンジポットカバーにより、少なくとも1つの緩衝装置が、少なくとも所定の領域において、好適には完全に覆われることができると好都合であることが判った。好適には、ヒンジポットカバーが、ヒンジポット上にクリップ結合可能であるか、またはクリップ結合されており、かつ/または有利には少なくとも1つの緩衝装置の幾何学形状に対応する少なくとも1つの収容領域を含むことが規定されている。
【0025】
ヒンジポットカバーによって、少なくとも1つの緩衝装置および/またはヒンジポットの汚染を特に効果的に阻止することができる。
【0026】
本発明の有利な或る実施形態によれば、少なくとも1つの緩衝装置が、好適には回転可能または固定的に、かつ/またはリベットまたは軸を介して、外側でヒンジポットに配置されていることが規定されている。
【0027】
例えば、ヒンジポットにおける回転可能な支承を介して、緩衝装置の容易な旋回運動を可能にすることができ、リベットを介した堅固な結合の場合、ヒンジポットにおける少なくとも1つの緩衝装置の付加的な支持は不要である。
【0028】
ヒンジポットが、少なくとも1つの補強凹設部を含み、好適には、少なくとも1つの緩衝装置が、少なくとも1つの補強凹設部に当接可能であり、かつ/または少なくとも1つの補強凹設部に配置されていることが規定されていると好適であることが判った。
【0029】
少なくとも1つの補強凹設部は、ヒンジポットの安定性および/または強度を高め、少なくとも1つの緩衝装置の配置のための構造空間を生じさせることができ、この構造空間は、二重機能の意味で緩衝装置のための支持部として用いることができる。
【0030】
有利には、少なくとも1つの緩衝装置の操作が、専ら並進的に行われ、概して、リニアダンパに対するプランジャロッドの線形運動に、少なくとも1つの緩衝装置の旋回運動が重畳されていてよい。旋回運動は、例えば少なくとも1つの補強凹設部および/または少なくとも1つのヒンジポットカバーを介して制動することができる。
【0031】
本発明の有利な変化形は、少なくとも1つの操作要素が、好適には実質的に方形の開口または窪みを含み、かつ/またはヒンジポット底部が、別の窪みまたは別の開口を含み、別の窪みまたは別の開口が、開放位置と閉鎖位置との間で少なくとも所定の領域において、好適には完全に、開口または窪みに重畳し、好適には、少なくとも1つの操作要素が、金属製の金属薄板部分として形成されていることが規定されていることにある。
【0032】
開口または窪みによって、少なくとも1つのジョイントレバーは、少なくとも1つのジョイントレバーの回転運動中に、同時に少なくとも1つの操作要素をヒンジポットで抑制することなしに、少なくとも1つの操作要素に接触することができる。なぜならば、少なくとも1つのジョイントレバーは、ヒンジの閉鎖運動および/または開放運動中に開口または窪み内に係合し、場合によっては開口または窪みの位置を移動させることができるからである。同様に、少なくとも1つのジョイントレバーが、別の窪みまたは別の開口内に係合することができ、ヒンジポット底部は、例えばヒンジポットの高さを減じるために、かつ/または少なくとも1つの緩衝装置の緩衝行程を増大するために、少なくとも1つのジョイントレバーのより近傍に配置されてよい。
【0033】
特に有利には、少なくとも1つの操作要素が、好適には場合によっては存在する開口または窪みの隣に配置された少なくとも1つの異形成形部を含み、かつ少なくとも1つのジョイントレバーが、好適には少なくとも1つの異形成形部に対応するアンダカットの形態の少なくとも1つの制御輪郭を含み、少なくとも1つの操作要素が、少なくとも1つの異形成形部と少なくとも1つの制御輪郭との間の運動連結により、閉鎖位置と開放位置との間での緩衝行程前の出発位置へと戻すことができ、好適には、少なくとも1つの操作要素が、少なくとも1つの異形成形部を介して、ヒンジポットおよび/または場合によっては存在する少なくとも補強凹設部に支持可能であることが規定されている。
【0034】
少なくとも1つの異形成形部によって、ヒンジの開放運動中に、少なくとも1つのジョイントレバーの少なくとも1つの制御輪郭が係合することができ、これによって、少なくとも1つの操作要素が、緩衝行程前の出発位置に戻される。代替的または補足的に、少なくとも1つの操作要素の戻しは、リニアダンパにおける戻しばねによって行うことができる。
【0035】
少なくとも1つの異形成形部は、二重機能の意味で、ヒンジポット内で少なくとも1つの操作要素をガイドするための側方の支持部を形成することもできる。有利には、少なくとも1つの制御輪郭は、少なくとも1つのジョイントレバーの回転によって、少なくとも1つの制御輪郭における、かつ/またはアンダカット内における少なくとも1つの異形成形部の少なくとも所定の領域における配置が行われるように形成されている。
【0036】
概して、少なくとも1つの制御カムが、代替的または補足的に、場合によって存在する連結装置に配置されていてもよく、この場合、少なくとも1つの制御カムは、間接的に少なくとも1つのジョイントレバーに配置されている。
【0037】
本発明の或る実施例では、少なくとも1つの操作要素が、好適にはプランジャロッドに接触するための、好適には少なくとも1つの操作要素から横方向に突出しかつ/または湾曲させられた少なくとも1つのウェブをヒンジポット内に含んでいることが規定されている。
【0038】
少なくとも1つのウェブによって、側方でヒンジポットに配置されたプランジャロッドに、ヒンジポット内で中心に配置された操作要素の並進運動を、外側でヒンジポットに配置された緩衝装置を操作するために移行することができる。
【0039】
本発明の有利な或る実施例によれば、好適には材料結合式に少なくとも1つのジョイントレバーに結合された、かつ/または少なくとも1つのジョイントレバーとは別個の少なくとも1つの連結装置が設けられており、連結装置が、少なくとも1つのジョイントレバーの回転運動を、少なくとも1つの操作要素の線形運動に移行させ、好適には、少なくとも1つの連結装置が、プラスチック部分として形成されている、かつ/または少なくとも1つの載置部を介して、少なくとも1つのジョイント軸に配置されていることが規定されている。
【0040】
少なくとも1つの連結装置は、少なくとも1つのジョイントレバーの回転運動と、少なくとも1つの操作要素の並進運動との間の伝達手段として機能し、少なくとも1つの連結装置は、ジョイントレバーの一部として、またはジョイントレバーに結合された別個の部分として形成されていてよい。
【0041】
概して、少なくとも1つの操作要素が、少なくとも1つのジョイントレバーに含まれていてもよく、かつ/または少なくとも1つのジョイントレバーの組み込まれた構成部分を成していてよい。有利には、少なくとも1つの操作要素は、少なくとも1つの緩衝装置を操作するための少なくとも1つのジョイントレバーの特定の角度から、少なくとも1つの連結装置に接触するためにジョイントレバーから分かれている。
【0042】
少なくとも1つの連結装置は、少なくとも1つのジョイントレバーに少なくとも1つの連結装置を配置するための少なくとも1つの取付け装置を含み、好適には、少なくとも1つの連結装置が、少なくとも1つの緩衝装置の操作中に、少なくとも1つの操作要素の場合によっては存在する開口または窪み内に係合することが規定されていると好都合であることが判った。
【0043】
さらに有利には、少なくとも1つの操作要素が、少なくとも1つの連結装置に接触するための当接面を含み、少なくとも1つの連結装置と当接面とが、開放位置と閉鎖位置との間で、少なくとも1つのジョイントレバーの回転運動を介して少なくとも1つの緩衝装置を作動させるために運動連結されており、好適には、少なくとも1つの連結装置が、少なくとも1つのジョイントレバーの回転運動をプランジャロッドの線形運動に変換するための制御カムを含むことが規定されている。
【0044】
好適には面状の当接面によって、少なくとも1つの連結装置は、ヒンジを緩衝するために少なくとも1つの操作要素に接触することができる。少なくとも1つの連結装置の厚さを介して、少なくとも1つのジョイントレバーの回転運動が調節され、制御カムを介して、少なくとも1つの操作要素との運動連結が調節され得る。有利には、少なくとも1つの連結装置の制御カムは、凸状に形成されている。
【0045】
別の或る実施形態では、少なくとも1つの連結装置が、ヒンジの開放位置を起点としてヒンジの閉鎖位置に向かう方向で第1の運動区分では少なくとも1つの操作要素に対して非接触に形成されており、かつ/または好適には第1の運動区分に続く第2の運動区分では少なくとも1つの操作要素に接触することが規定されていてよく、好適には、少なくとも1つの緩衝装置が、少なくとも1つの連結装置により少なくとも1つの操作要素を介して、有利には専ら第2の運動区分において作動可能であることが規定されている。
【0046】
これによって、ヒンジの緩衝が、少なくとも1つのジョイントレバーの特定の角度から、もしくは専ら1つの運動区分において行われることが保証される。第2の運動区分において、少なくとも1つのジョイントレバーは、緩衝を作動させるために、有利には少なくとも1つの連結装置(または少なくとも1つのジョイントレバー)が少なくとも1つの操作要素に接触する角度に到達する。
【0047】
本発明の有利な或る構成によれば、ヒンジポット内で少なくとも1つの操作要素を並進的にガイドしかつ/または位置固定するための操作要素カバーが設けられており、少なくとも1つの操作要素が、ヒンジポット底部と操作要素カバーとの間に配置されていることが規定されており、好適には、操作要素カバー、ヒンジポット底部および/または少なくとも1つの操作要素カバーが、少なくとも1つの操作要素をガイドするための少なくとも1つのガイド装置を含んでおり、操作要素カバーが、ヒンジポット底部に形状結合するための取付け要素を含み、かつ/または操作要素カバーが、好適には少なくとも1つの操作要素カバーから横方向に突出しかつ/または湾曲されているカバーウェブをヒンジポット内に含むことが規定されている。
【0048】
少なくとも1つの操作要素カバーは、少なくとも1つの操作要素をヒンジポット底部に対して相対的に位置固定し、ヒンジポット側壁に対して線形にガイドすることができる。例えば、舌片の形態で湾曲させられたカバーウェブは、少なくとも1つの操作要素のウェブを、プランジャロッドに適切に接触するために位置固定することができる。
【0049】
特に有利には、少なくとも1つの操作要素および/または少なくとも1つの操作要素カバーが、非対称に形成されていることが規定されている。しかし緩衝装置の対称的な配置時には、例えば2つのリニアダンパへの両側での力伝達のために、対称的な構成も可能である。
【0050】
少なくとも1つのガイド装置は、代替的または補足的に、ヒンジポットおよび/または少なくとも1つの操作要素に配置されていてもよい。
【0051】
有利には、好適には薄片または突起の形態の少なくとも1つのスライド要素が、少なくとも1つの操作要素とヒンジポット底部との間かつ/または少なくとも1つの操作要素と場合によっては存在する操作要素カバーとの間の摩擦を低減するために少なくとも1つの操作要素に配置されていることが規定されている。
【0052】
スライド要素は、少なくとも1つの操作要素の一部と見なされてよく、突起または少なくとも1つのストリップは、例えば直接に少なくとも1つの操作要素に配置されていてもよい。
【0053】
さらに有利には、少なくとも1つの緩衝装置は、少なくとも1つの操作要素に対して実質的に平行に配置されていることが規定されている。
【0054】
本発明の別の詳細および利点を、図面に図示した実施例を参照し図面を説明しながら以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1a】特に有利な実施例によるヒンジを示す斜視図である。
図1b】特に有利な実施例によるヒンジを示す分解図である。
図2a図1aに示した実施形態によるヒンジを閉鎖位置において示す斜視図である。
図2b図1aに示した実施形態によるヒンジを閉鎖位置において示す別の斜視図である。
図2c図1aに示した実施形態によるヒンジを開放位置において示す斜視図である。
図2d図1aに示した実施形態によるヒンジを開放位置において示す別の斜視図である。
図3図1aに示した実施形態によるヒンジを、ヒンジポットを断面して側方から見た断面図と、拡大詳細図と、切断平面を明瞭に示すための上方から見た図である。
図4図3に示した実施形態によるヒンジを閉鎖位置において示す、ヒンジポットの拡大された詳細部分を有する斜視図および側面図である。
図5図3に示した実施形態によるヒンジを開放位置において示す、ヒンジポットの拡大された詳細部分を有する斜視図および側面図である。
図6図3に示した実施形態によるヒンジを、開放位置と閉鎖位置との間の或る位置で示す、ヒンジポットの拡大された詳細部分を有する斜視図および側面図である。
図7図3に示した実施形態によるヒンジを、開放位置と閉鎖位置との間の別の位置で示す、ヒンジポットの拡大された詳細部分を有する斜視図および側面図である。
図8図3に示した実施形態によるヒンジを、開放位置と閉鎖位置との間のさらに別の位置で示す、ヒンジポットの拡大された詳細部分を有する斜視図および側面図である。
図9a】緩衝装置を操作するための、図1aに示した実施例によるヒンジの構成部材を、ヒンジポットを断面して示す斜視図である。
図9b】緩衝装置を操作するための、図1aに示した実施例によるヒンジの構成部材を、ヒンジポットを断面して示す別の斜視図である。
図9c】緩衝装置を操作するための、図1aに示した実施例によるヒンジの構成部材を、ヒンジポットを断面して示すさらに別の斜視図である。
図10a】緩衝装置を操作するための図1aに示した実施例によるヒンジの構成部材を、ヒンジポットを図示せずに示す斜視図である。
図10b】緩衝装置を操作するための図1aに示した実施例によるヒンジの構成部材を、ヒンジポットを図示せずに示す別の斜視図である。
図10c】緩衝装置を操作するための図1aに示した実施例によるヒンジの構成部材を、ヒンジポットを図示せずに示すさらに別の斜視図である。
図10d】緩衝装置を操作するための図1aに示した実施例によるヒンジの構成部材を、ヒンジポットを図示せずに示すさらに別の斜視図である。
図11図1aに示した実施例による2つのヒンジを備えた有利な実施例による家具を示す図である。
【0056】
図1aは、家具ヒンジの形態のヒンジ1を示しており、このヒンジ1は、ヒンジ1を定置の家具部分3に取り付けることができるストッパ部分2と、2つのジョイントレバー4と、ジョイントレバー4を介してストッパ部分2に旋回可能に配置されたヒンジポット5とを含んでいる。ジョイントレバー4は、ヒンジポット5に2つのジョイント軸6を介して(図面ではヒンジポット上面により覆われている)ヒンジポットにおいて支承されており、ヒンジポット5は、可動の家具部分7に取付け可能である(図11を参照)。ジョイントレバー4およびジョイント軸6の数は、概して任意である。
【0057】
図1bは、ヒンジ1を分解図で示している。ヒンジ1は、ヒンジ1の開放位置9と閉鎖位置10との間でストッパ部分2とヒンジポット5との間の相対運動を緩衝するための緩衝装置8を含んでいる。緩衝装置8は、プランジャ12と、並進的に可動のプランジャロッド13とを備えたリニアダンパ11を有しており、このときリニアダンパ11は、完全にヒンジポット5外に配置されている。
【0058】
ヒンジは、一体的な、ジョイントレバー4から開放位置9で空間的に離間した、緩衝装置8を操作するための、並進的に可動な操作要素14を含んでおり、操作要素14は、完全にヒンジポット5内に配置されている。
【0059】
緩衝装置8を覆うことができるヒンジポットカバー23が設けられており、ヒンジポットカバー23は、ヒンジポット5にクリップ結合可能であり、緩衝装置8の幾何学形状に対応する収容領域24を含んでいる。しかしヒンジポットカバー23は、概して必須ではない。
【0060】
操作要素14は、載置面15を含んでおり、この載置面15は、ヒンジポット底部17に接触するための載置手段を有しており、この載置面15を介して操作要素14は、ヒンジポット底部17の内面16に配置されている。
【0061】
概して、操作要素14は、代替的または補足的に、ヒンジポット5内でヒンジポット5の溝18または凹設部内でガイドされていてよい。ヒンジ1の図示された実施例では、操作要素カバー42をヒンジポット5において支承するために溝18が設けられている。しかしこの溝18は、概して、操作要素14の側方または鉛直の方向のガイドのためにも使用することができる。
【0062】
操作要素14は、載置面15または載置手段を介してヒンジポット底部17に直接に配置されるか、またはヒンジポット底部17に、例えばスライド要素46を介して間接的に接触することができる。
【0063】
図示した実施例は、突起48を備えた薄片47の形態の2つのスライド要素46を含んでおり、薄片47は概して突起48なしに形成されていてよく、突起48は、操作要素14、ヒンジポット底部17または操作要素カバー42に配置されていてよい。概して、操作要素14とヒンジポット底部17との間または操作要素14と操作要素カバー42との間の摩擦を減じるために、スライド要素46(もしくは突起48)のうちの一方または両方を省略することもできる。
【0064】
操作要素カバー42は、操作要素14を並進的にガイドしかつ位置固定するためにヒンジポット5内に設けられており、操作要素14は、ヒンジポット底部17と操作要素カバー42との間に配置されている。
【0065】
操作要素カバー42は、ヒンジポット5内の操作要素14の側面を介して操作要素14をガイドするためのガイド装置43を含んでいる。操作要素カバー42は、ヒンジポット底部5に形状結合するための取付け要素44を含む。操作要素カバー42は、ヒンジポット5内に、操作要素カバー42から横方向に突出しかつ湾曲したカバーウェブ45を含んでいる。ガイド装置43と取付け要素44とは、概して代替的または補足的に操作要素14に配置されていてもよい。
【0066】
操作要素14は、プランジャロッド13に接触するための、操作要素14から横方向に突出しかつ湾曲したウェブ34をヒンジポット5内に含んでおり、このウェブ34は、ヒンジ1の使用位置においてカバーウェブ45によって覆われ、もしくは位置固定される。
【0067】
ヒンジ1は、ジョイントレバー4に関する機構に対して、ピンに支持された直方体形のコイルばねを含んでおり、ピンは、両ジョイントレバー4のうちの一方のジョイントレバー4のフォーク形状の収容部に支承されている。ピンは、ジョイントレバー4の回転運動を定義するジョイント軸6から離間している。ピンは、回転可能にフォーク状の収容部内に支承されており、これによってヒンジ1の閉鎖運動および開放運動が特に好都合に行われる。
【0068】
図2aは、ヒンジ1を閉鎖位置10で示しており、ヒンジポット5およびストッパ部分2は、家具部分、ドア部分、窓部分等に取付け手段を介してヒンジ1を位置固定するための取付け装置を含んでいる。
【0069】
図2bは、図2aとはヒンジ1への視線角度の変更によってのみ相違しており、図2bでは、緩衝装置8が外側に配置されているヒンジポット5の側が見えている。
【0070】
図2cは、ヒンジを開放位置9で示している。このヒンジポット5は、ヒンジ1の長手方向の延在を中心として対称的に配置された2つの補強凹設部27を含んでいる。緩衝装置8は、両補強凹設部27のうちの一方の補強凹設部27に当接させることができ、かつ補強凹設部27に配置されている。補強凹設部27は、リニアダンパ11を旋回運動に抗して支持することができ、プランジャロッド13の並進的な運動に、概して緩衝装置8の僅かな旋回運動が重畳されていてよい。
【0071】
図2dは、図2cとは、ヒンジ1への視線角度の変更によってのみ相違しており、図2cでは、リニアダンパ11が外側に配置されているヒンジポットの側が見えている。
【0072】
図3は、ヒンジ1を緩衝装置8の断面図で示している。ヒンジポット5は、ヒンジポット開口19を含んでおり、ヒンジポット開口19を通ってプランジャロッド13が、ヒンジポット5の外部空間20から、ヒンジポット5のヒンジポット側壁21によって分離されたヒンジポット5の内部空間22内に突入している。
【0073】
プランジャロッド13は、開放位置9および閉鎖位置10で、所定の領域においてヒンジポット5内に、かつ所定の領域においてヒンジポット5外に配置されている。ヒンジ1の緩衝は、図示の実施例では、開放位置9を起点として閉鎖位置10の方向で行われ、概して代替的または補足的に、開放位置9に向かう方向の緩衝が考えられる。
【0074】
緩衝装置8は、プランジャ12とヒンジポット開口19との間に配置された体積補償要素を含んでいる。緩衝装置8は、プランジャ12とリニアダンパ11との間に配置された制動要素を含んでおり、制動要素は、横断面で見てZ字形に形成されている。緩衝装置8は、リニアダンパ11に配置された戻しばねを含んでおり、この戻しばねは、緩衝行程が行われた後にプランジャロッド13を、緩衝行程前のプランジャロッド13の出発位置33に戻す。概して、戻しばねを省くことができ、閉鎖位置10と開放位置9との間での、操作要素14とジョイントレバー4との運動連結を介して、出発位置33へのプランジャロッド13の戻しを引き起こすことができる。
【0075】
緩衝装置8は、リベット25の形態の軸26を介して、外側でヒンジポット5に配置されている。
【0076】
図4は、ヒンジ1を閉鎖位置10で示している。緩衝装置は(開放位置9におけるように)、操作要素14に対して平行に配置されていて、操作要素14のウェブ34に対して直交するように配向されている。
【0077】
ジョイントレバー4の回転によって、操作要素14は、-ジョイントレバー4とは別個のかつジョイントレバー4に配置された-連結装置35との接触(図10a~図10d参照)を介して、ヒンジポット5内でヒンジポット5に対して相対的に線形に運動させられており、これによって、プランジャロッド13は、操作要素14とプランジャロッド13との接触を介して、緩衝装置8のリニアダンパ11内に移動させられている。
【0078】
図5は、図4とは、ヒンジ1が開放位置9にあるという点においてのみ相違しており、プランジャロッド13は緩衝行程もしくは緩衝装置8の作動前の出発位置33にある。
【0079】
連結装置35は、まだ操作要素14に接触しておらず、これによって、操作要素14とジョイントレバー4との間の運動連結が形成される、ジョイントレバー4の所定の角度に至るまで、ヒンジ1の緩衝は行われない。
【0080】
図6は、ジョイントレバー4とは別個の連結装置35を示しており、連結装置35は、ジョイントレバー4の回転運動を操作要素14の線形運動に移行させる。
【0081】
連結装置35は、プラスチック部分として形成されていて、載置部36を介してジョイント軸6に配置されている。概して、連結装置35は、金属薄板部分として形成されていてよく、または組み込まれた構成部分としてジョイントレバー4に材料結合式に結合されていてよい。
【0082】
図7は、操作要素14が方形の開口28を含んでいることを示しており、この開口28内に、連結装置35がヒンジ1の閉鎖運動または開放運動中に所定の領域で係合する。開口28は、一般に窪みとして形成されていてもよい。
【0083】
ヒンジポット底部17が、別の窪み29(概して別の開口の形態で存在していてもよい)を含んでおり、別の窪み29は、開放位置9と閉鎖位置10との間で部分的に所定の領域において、かつ部分的に完全に開口28と重畳している。操作要素14は、金属製の金属薄板部分として形成されているが、概してプラスチック部分の形態で設けられていてよい。
【0084】
連結装置35は、ヒンジ1の開放位置9を起点としてヒンジ1の閉鎖位置10の方向で第1の運動区分40では操作要素14に対して非接触に形成されていて、第1の運動区分40に続く第2の運動区分41では操作要素14に接触する。緩衝装置8は、連結装置35により、この実施例では操作要素14を介して専ら第2の運動区分41において作動可能であり、概して開放位置9と閉鎖位置10との間のヒンジ1の運動全体にわたるヒンジ1の緩衝も可能である。
【0085】
図8は、ヒンジポット5内に配置された連結装置35を示しており、連結装置35は、ジョイントレバー4に連結装置35を配置するための取付け装置37を含んでいる。
【0086】
連結装置35は、緩衝装置8の操作中に、操作要素14の開口28内に係合し、ジョイントレバー4の回転運動によって操作要素14を並進的に運動させる。
【0087】
図9aは、緩衝装置8を作動させるために必要な構成部材を示しており、操作要素カバー42ならびに舌片の形態の操作ウェブ45の位置決めを明らかにするために、ヒンジポット5は部分的にしか図示されていない。
【0088】
図9bは、図9aに示した構成部材が、ヒンジポット5の下面を見た斜視図で示されており、操作要素14は、開口28の隣に配置された2つの異形成形部30を含んでいる。
【0089】
ジョイントレバー4は、異形成形部30に対応するアンダカット32の形態の2つの制御輪郭31を含んでおり、操作要素14は、異形成形部30と制御輪郭31との間の接触により、閉鎖位置10と開放位置9との間の緩衝行程前の出発位置33に戻るようにガイド可能である。概して、1つの異形成形部30および1つの制御輪郭31のみが設けられていてもよい。
【0090】
操作要素14は、異形成形部30を介してヒンジポット5の補強凹設部27に支持可能であるが、異形成形部30は、概して、ヒンジポット5から離間していてもよい。
【0091】
図9cは、操作要素14が、少なくとも1つの連結装置35に接触するための当接面38を含んでおり、少なくとも1つの連結装置35と当接面38とが、開放位置9と閉鎖位置10との間で、少なくとも1つのジョイントレバー4の回転運動を介して少なくとも1つの緩衝装置8を作動させるために運動連結されていることを示しており、好適には、少なくとも1つの連結装置35が、少なくとも1つのジョイントレバー4の回転運動をプランジャロッド13の線形運動に変換するための制御カム39を含んでいることが規定されている。
【0092】
図10a~図10dは、操作要素14によるジョイントレバー4と連結装置35との間の所定の領域における運動連結ならびに操作要素カバー42に対して相対的な操作要素14の位置決めを示している。
【0093】
図10aは、緩衝装置8を作動させるための構成部材を、載置面15の方向に向いた斜視図で図示しており、載置面15は、載置手段、または載置面15または載置手段に配置されたスライド要素によって操作要素14に関連して形成されていてよい。
【0094】
図10b,図10cおよび図10dは、図10aとは、ジョイントレバー4の運動中に緩衝装置を操作する構成部材が、変更した視野角度で図示されている点においてのみ相違している。
【0095】
図11は、定置の家具部分3と、2つのヒンジ1により可動に支承された家具部分7とを含む家具49を示しており、このときヒンジ1のストッパ部分2は、定置の家具部分3に配置されていて、かつヒンジポット5は、可動な家具部分7において所定の領域で可動な家具部分7に組み込まれている。
【0096】
しかし、ヒンジ1の使用は家具49に限定されず、例えば、窓、ドアまたはこれに類するものにおける使用を含むことができる。
図1a
図1b
図2a
図2b
図2c
図2d
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図9c
図10a
図10b
図10c
図10d
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-07-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒンジ(1)、特に家具ヒンジであって、
-ストッパ部分(2)であって、該ストッパ部分(2)により前記ヒンジ(1)が定置の家具部分(3)に取付け可能である、ストッパ部分(2)と、
-少なくとも1つのジョイントレバー(4)と、
-ヒンジポット(5)であって、該ヒンジポット(5)が、前記少なくとも1つのジョイントレバー(4)を介して旋回可能に前記ストッパ部分(2)に配置されているか、または配置可能であり、前記少なくとも1つのジョイントレバー(4)が、前記ヒンジポット(5)に、少なくとも1つのジョイント軸(6)を介して支承されており、前記ヒンジポット(5)が、可動の家具部分(7)に取付け可能である、ヒンジポット(5)と、
-前記ヒンジ(1)の開放位置(9)と閉鎖位置(10)との間で前記ストッパ部分(2)と前記ヒンジポット(5)との間の相対運動を緩衝するための少なくとも1つの緩衝装置(8)であって、前記少なくとも1つの緩衝装置(8)が、プランジャ(12)および並進的に可動なプランジャロッド(13)を備えたリニアダンパ(11)を有していて、該リニアダンパ(11)が、少なくとも所定の領域において、好適には完全に、前記ヒンジポット(5)外に配置されている、緩衝装置(8)と、
-前記少なくとも1つの緩衝装置(8)を操作するための、好適には一体的な、かつ/または前記少なくとも1つのジョイントレバー(4)から、特に有利には少なくとも前記開放位置(9)において空間的に別個の、並進的に可動の少なくとも1つの操作要素(14)と
を含んでいるヒンジ(1)において、
前記少なくとも1つの操作要素(14)が、大部分で、好適には完全に、前記ヒンジポット(5)内に配置されている
ことを特徴とする、ヒンジ(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの操作要素(14)が、載置面(15)または載置手段を含み、該載置面(15)または載置手段を介して、前記少なくとも1つの操作要素(14)が、好適には間接的または直接的にヒンジポット底部(17)の内面(16)に配置されており、かつ/または前記ヒンジポット(5)内で前記ヒンジポット(5)の溝(18)または凹設部内でガイドされている、請求項1記載のヒンジ(1)。
【請求項3】
前記ヒンジポット(5)が、ヒンジポット開口(19)を含んでおり、前記ヒンジポット開口(19)を通って、前記プランジャロッド(13)が、前記ヒンジポット(5)の外部空間(20)から前記ヒンジポット(5)のヒンジポット側壁(21)により分離された、前記ヒンジポット(5)の内部空間(22)内に突入し、好適には、前記プランジャロッド(13)が、前記開放位置(9)および/または前記閉鎖位置(10)で、所定の領域において前記ヒンジポット(5)内に、かつ所定の領域において前記ヒンジポット(5)外に配置されていることが規定されている、請求項1記載のヒンジ(1)。
【請求項4】
ヒンジポットカバー(23)が設けられており、該ヒンジポットカバー(23)により、前記少なくとも1つの緩衝装置(8)が、少なくとも所定の領域において、好適には完全に覆われることができ、好適には、前記ヒンジポットカバー(23)が、前記ヒンジポット(5)上にクリップ結合可能であるか、またはクリップ結合されており、かつ/または有利には前記少なくとも1つの緩衝装置(8)の幾何学形状に対応する少なくとも1つの収容領域(24)を含むことが規定されている、請求項1記載のヒンジ(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの緩衝装置(8)が、好適には回転可能または固定的に、かつ/またはリベット(25)または軸(26)を介して、外側で前記ヒンジポット(5)に配置されている、請求項1記載のヒンジ(1)。
【請求項6】
前記ヒンジポット(5)が、少なくとも1つの補強凹設部(27)を含み、好適には、前記少なくとも1つの緩衝装置(8)が、前記少なくとも1つの補強凹設部(27)に当接可能であり、かつ/または前記少なくとも1つの補強凹設部(27)に配置されていることが規定されている、請求項1記載のヒンジ(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの操作要素(14)が、好適には実質的に方形の開口(28)または窪みを含み、かつ/または前記ヒンジポット底部(17)が、別の窪み(29)または別の開口を含み、前記別の窪み(29)または別の開口が、前記開放位置(9)と前記閉鎖位置(10)との間で少なくとも所定の領域において、好適には完全に、前記開口(28)または窪みに重畳し、好適には、前記少なくとも1つの操作要素(14)が、金属製の金属薄板部分として形成されていることが規定されている、請求項2記載のヒンジ(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの操作要素(14)が、好適には場合によっては存在する開口(28)または窪みの隣に配置された少なくとも1つの異形成形部(30)を含み、かつ前記少なくとも1つのジョイントレバー(4)が、好適には前記少なくとも1つの異形成形部(30)に対応するアンダカット(32)の形態の少なくとも1つの制御輪郭(31)を含み、前記少なくとも1つの操作要素(14)が、前記少なくとも1つの異形成形部(30)と前記少なくとも1つの制御輪郭(31)との間の運動連結により、前記閉鎖位置(10)と前記開放位置(9)との間での緩衝行程前の出発位置(33)へと戻すことができ、好適には、前記少なくとも1つの操作要素(14)が、前記少なくとも1つの異形成形部(30)を介して、前記ヒンジポット(5)および/または場合によっては存在する少なくとも1つの補強凹設部(27)に支持可能であることが規定されている、請求項1記載のヒンジ(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの操作要素(14)が、前記プランジャロッド(13)に接触するための、好適には前記少なくとも1つの操作要素(14)から横方向に突出しかつ/または湾曲させられた少なくとも1つのウェブ(34)を好適には前記ヒンジポット(5)内に含む、請求項1記載のヒンジ(1)。
【請求項10】
好適には材料結合式に前記少なくとも1つのジョイントレバー(4)に結合された、かつ/または前記少なくとも1つのジョイントレバー(4)とは別個の少なくとも1つの連結装置(35)が設けられており、該連結装置(35)が、前記少なくとも1つのジョイントレバー(4)の回転運動を、前記少なくとも1つの操作要素(14)の線形運動に移行させ、好適には、前記少なくとも1つの連結装置(35)が、プラスチック部分として形成されている、かつ/または少なくとも1つの載置部(36)を介して、前記少なくとも1つのジョイント軸(6)に配置されていることが規定されている、請求項1記載のヒンジ(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの連結装置(35)が、前記少なくとも1つのジョイントレバー(4)に前記少なくとも1つの連結装置(35)を配置するための少なくとも1つの取付け装置(37)を含み、好適には、前記少なくとも1つの連結装置(35)が、前記少なくとも1つの緩衝装置(8)の操作中に、前記少なくとも1つの操作要素(14)の場合によっては存在する開口(28)または窪み内に係合することが規定されている、請求項10記載のヒンジ(1)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの操作要素(14)が、前記少なくとも1つの連結装置(35)に接触するための当接面(38)を含み、前記少なくとも1つの連結装置(35)と前記当接面(38)とが、前記開放位置(9)と前記閉鎖位置(10)との間で、前記少なくとも1つのジョイントレバー(4)の回転運動を介して前記少なくとも1つの緩衝装置(8)を作動させるために運動連結されており、好適には、前記少なくとも1つの連結装置(35)が、前記少なくとも1つのジョイントレバー(4)の回転運動を前記プランジャロッド(13)の線形運動に変換するための制御カム(39)を含むことが規定されている、請求項10記載のヒンジ(1)。
【請求項13】
前記少なくとも1つの連結装置(35)が、前記ヒンジ(1)の前記開放位置(9)を起点として前記ヒンジ(1)の前記閉鎖位置(10)に向かう方向で第1の運動区分(40)では前記少なくとも1つの操作要素(14)に対して非接触に形成されており、かつ/または好適には前記第1の運動区分(40)に続く第2の運動区分(41)では前記少なくとも1つの操作要素(14)に接触し、好適には、前記少なくとも1つの緩衝装置(8)が、前記少なくとも1つの連結装置(35)により前記少なくとも1つの操作要素(14)を介して、有利には専ら前記第2の運動区分(41)において作動可能であることが規定されている、請求項10記載のヒンジ(1)。
【請求項14】
前記ヒンジポット(5)内で前記少なくとも1つの操作要素(14)を並進的にガイドし、かつ/または位置固定するための操作要素カバー(42)が設けられており、前記少なくとも1つの操作要素(14)が、前記ヒンジポット底部(17)と前記操作要素カバー(42)との間に配置されており、好適には、前記操作要素カバー(42)、前記ヒンジポット底部(17)および/または前記少なくとも1つの操作要素カバー(42)が、前記少なくとも1つの操作要素(14)をガイドするための少なくとも1つのガイド装置(43)を含むことが規定されており、前記操作要素カバー(42)が、前記ヒンジポット底部(17)に形状結合するための取付け要素(44)を含み、かつ/または前記操作要素カバー(42)が、好適には前記少なくとも1つの操作要素カバー(42)から横方向に突出しかつ/または湾曲させられたカバーウェブ(45)を前記ヒンジポット(5)内に含む、請求項2記載のヒンジ(1)。
【請求項15】
好適には薄片(47)または突起(48)の形態の少なくとも1つのスライド要素(46)が、前記少なくとも1つの操作要素(14)と前記ヒンジポット底部(17)との間かつ/または前記少なくとも1つの操作要素(14)と場合によっては存在する操作要素カバー(42)との間の摩擦を低減するために前記少なくとも1つの操作要素(14)に配置されている、請求項2記載のヒンジ(1)。
【請求項16】
前記少なくとも1つの緩衝装置(8)が、前記少なくとも1つの操作要素(14)に対して実質的に平行に配置されている、請求項1記載のヒンジ(1)。
【請求項17】
少なくとも1つの定置の家具部分(3)と、可動に支承された家具部分(7)とを含む家具(49)であって、請求項1から16までのいずれか1項記載の少なくとも1つのヒンジ(1)を備え、前記ヒンジ(1)のストッパ部分(2)が、前記定置の家具部分(3)に配置されており、ヒンジポット(5)が、前記可動の家具部分(7)に配置されており、特に少なくとも所定の領域において前記可動の家具部分(7)に組み込まれている、家具(49)。
【国際調査報告】