特表 2024-543708 マルチウェハブラッシング装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2024-11-21

(54)【発明の名称】マルチウェハブラッシング装置

(51)【国際特許分類】

   H01L 21/304 20060101AFI20241114BHJP

   H01L 21/683 20060101ALI20241114BHJP

【ＦＩ】

H01L21/304 644C

H01L21/68 N

H01L21/304 622Q

【審査請求】有

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2024537009

(86)(22)【出願日】2022-11-09

(85)【翻訳文提出日】2024-06-18

(86)【国際出願番号】 CN2022130778

(87)【国際公開番号】W WO2023066405

(87)【国際公開日】2023-04-27

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】520128152

【氏名又は名称】杭州▲衆▼硅▲電▼子科技有限公司

(74)【代理人】

【識別番号】110001841

【氏名又は名称】弁理士法人ＡＴＥＮ

(72)【発明者】

【氏名】殷 騏

(72)【発明者】

【氏名】徐 梟宇

【テーマコード（参考）】

5F057

5F131

5F157

【Ｆターム（参考）】

5F057AA21

5F057BA01

5F057CA25

5F057CA27

5F057DA03

5F057FA37

5F131BA33

5F131CA12

5F131DA33

5F131DA43

5F131EA06

5F131EA22

5F131EA24

5F131EB62

5F157AA03

5F157AA17

5F157AB03

5F157AB13

5F157AB34

5F157AB91

5F157BA03

5F157BA14

5F157BA31

5F157BB33

5F157DB02

(57)【要約】

本発明はマルチウェハブラッシング装置を開示し、複数の区画チャンバが内部に設けられた筐体を備え、複数の区画チャンバの底部が互いに連通し、各区画チャンバ内に、支持輪システムとブラッシングシステムとが設けられ、当該ブラッシングシステムは、ウェハをブラッシングするために互いに接近可能な、またはウェハを取り出すために互いに離反可能な１組のロールブラッシングユニットを備え、複数のブラッシングシステムは、開閉駆動機構によって互いに接続され、当該開閉駆動機構は、複数組のロールブラッシングユニットの相互の接近または離反を同時に駆動するために用いられる。本発明は、複数組のロールブラッシングユニットを同一の筐体内に集積し、ステーション間の距離を大幅に短縮して体積当たりの生産効率を効果的に向上させることができ、筐体は、２区画、３区画または４区画などであってもよく、区画チャンバの数は、カスタマイズレベルが高く、適用範囲が広く、１つの開閉駆動機構を共用して異なるロールブラッシングユニットの同期開閉を実現し、設備スペースを節約して調達コストを低減する。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

マルチウェハブラッシング装置であって、
複数の区画チャンバ（２）が内部に設けられた筐体（１）を備え、
前記複数の区画チャンバ（２）の底部が互いに連通し、
各区画チャンバ（２）内には、支持輪システム（３）とブラッシングシステム（４）とが設けられ、
前記ブラッシングシステム（４）は、ウェハ（６）をブラッシングするために互いに接近可能な、またはウェハ（６）を取り出すために互いに離反可能な１組のロールブラッシングユニット（５）を備え、
複数の前記ブラッシングシステム（４）は、開閉駆動機構（７）によって互いに接続され、
前記開閉駆動機構（７）は、複数組の前記ロールブラッシングユニット（５）の相互の接近または離反を同時に駆動するために用いられる、
ことを特徴とするマルチウェハブラッシング装置。

【請求項2】

前記ロールブラッシングユニット（５）は、平行に設置された２つの横棒（５３）と、一方の横棒（５３）の両端に接続された第１接続板（５１）と、他方の横棒（５３）の両端に接続された第２接続板（５２）とを備え、
前記第１接続板（５１）と前記第２接続板（５２）は、ローラブラシ（５４）を取り付けるために用いられ、
前記開閉駆動機構（７）の駆動により、異なる組のロールブラッシングユニット（５）の２つの第１接続板（５１）と２つの第２接続板（５２）は、同期してＶ字形に開閉される、
ことを特徴とする請求項１に記載のマルチウェハブラッシング装置。

【請求項3】

前記開閉駆動機構（７）は、動力源（７４）と、動力源（７４）に接続された第１駆動ユニット（７１）と、第２駆動ユニット（７２）と、第３駆動ユニット（７３）とを備え、
前記第１駆動ユニット（７１）は、互いに隣接するロールブラッシングユニット（５）の第２接続板と第１接続板とをそれぞれ接続し、
前記第２駆動ユニット（７２）は、同一組のロールブラッシングユニット（５）の第１接続板と第２接続板とを開閉させるように駆動するために用いられ、
前記第３駆動ユニット（７３）は、動力源が接続されていない互いに隣接するロールブラッシングユニット（５）の間に設けられ、当該互いに隣接するロールブラッシングユニット（５）の第２接続板と第１接続板との間を開閉させるように駆動するために用いられる、
ことを特徴とする請求項２に記載のマルチウェハブラッシング装置。

【請求項4】

前記第１駆動ユニット（７１）は、動力源（７４）により駆動されて円周方向に回転可能な回転盤（７１１）と、その一端が回転盤（７１１）に直接または間接的に接続された２つのリンク（７１２）とを少なくとも備え、
２つのリンク（７１２）の他端は、互いに隣接するロールブラッシングユニット（５）の第１接続板と第２接続板にそれぞれ直接または間接的に接続される、
ことを特徴とする請求項３に記載のマルチウェハブラッシング装置。

【請求項5】

前記リンク（７１２）と前記回転盤（７１１）との間はいずれも第３中継柱（７１３）を介して接続され、
前記第１接続板とリンク（７１２）との間は第１中継柱（７１４）を介して接続され、
前記第２接続板とリンク（７１２）との間は第２中継柱（７１５）を介して接続される、
ことを特徴とする請求項４に記載のマルチウェハブラッシング装置。

【請求項6】

前記２つの第３中継柱（７１３）は、回転盤（７１１）の径方向に沿って配置され、初期状態において、２つの接続板の間に垂直に位置し、
前記リンク（７１２）は、第３中継柱（７１３）に傾斜して接続される、
ことを特徴とする請求項５に記載のマルチウェハブラッシング装置。

【請求項7】

前記第２駆動ユニット（７２）は、第１接続板（５１）の底部に設けられた第１歯車（７２１）と、第２接続板（５２）の底部に設けられた第２歯車（７２２）とからなり、
前記第１歯車（７２１）と前記第２歯車（７２２）は噛み合って伝動する、
ことを特徴とする請求項３に記載のマルチウェハブラッシング装置。

【請求項8】

前記第３駆動ユニット（７３）は、数が少なくとも２つである場合に、上下に交互に配置される、
ことを特徴とする請求項３に記載のマルチウェハブラッシング装置。

【請求項9】

互いに隣接するロールブラッシングユニット（５）の第２接続板と第１接続板は、いずれも、逃げ空間を形成するように切欠部（５５）を形成する、
ことを特徴とする請求項２に記載のマルチウェハブラッシング装置。

【請求項10】

前記複数の区画チャンバ（２）の頂部は、互いに連通しており、かつ１セットの排気システム（２１）と１セットの排液システムとを共有し、
各区画チャンバ（２）内には、いずれも噴霧システム（２２）が設けられている、
ことを特徴とする請求項１に記載のマルチウェハブラッシング装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、半導体集積回路チップの製造分野に関し、特に、マルチウェハブラッシング装置に関する。

【背景技術】

【0002】

化学機械平坦化（ＣＭＰ）は、集積回路プロセスにおける加工プロセスの１つである。技術の発展に伴い、加工プロセスに対する要求が高まっている。化学機械平坦化は、ウェハ加工過程における湿式プロセスであり、全プロセスを通じて大量の研磨液および異なる化学試薬が使用されるため、プロセス終端においてウェハの表面に付着したパーティクルを除去するためにウェハを洗浄および乾燥する必要があり、これにより、次のプロセスに進むことができる。

【0003】

従来の集積回路装置では、ウェハ表面にパーティクル残留がないことを確保するために、ウェハをブラッシング筐体に挿入することによって、ウェハ表面のブラッシング処理が、支持輪システムとロールブラッシングシステムとの協働によって達成される。ウェハは、ブラッシング筐体内で複数の支持輪上に載置され、これらの支持輪はいずれもウェハの円周に接触しており、支持輪駆動システムによってウェハを回転させる。ロールブラッシングシステムは、ウェハの両側に接触して中央に向かって挟み込むように動作する２つのローラブラシからなる。

【0004】

支持輪システムとロールブラッシングシステムとの協働によりウェハ表面全体をきれいにブラッシングすることは確保できるが、ブラッシング筐体全体が複雑に構成され、設備スペースを多く占有する。現在、使用されているブラッシング装置は、いずれも筐体の１枚のウェハのブラッシングを実現するのみであり、プロセス時間が長く、生産効率に重大な影響を与え、複数セットのブラッシング筐体を用いて同時に洗浄することは、非常に大きなスペースを必要とし、設備のコンパクト化に不利である。ウェハのブラッシング効率を向上させ、設備の空間的なサイズを小さくするために、ブラッシング装置の構成を改良することが考えられる。

【発明の概要】

【0005】

従来技術の不足を克服するために、本発明は、同一の筐体内で複数枚のウェハを同時にブラッシングすることができ、洗浄効率が高く、設備占有スペースが小さいマルチウェハブラッシング装置を提供する。

【0006】

本発明がその技術的課題を解決するために採用する技術的解決策は以下の通りである。マルチウェハブラッシング装置であって、複数の区画チャンバが内部に設けられた筐体を備え、複数の区画チャンバの底部が互いに連通し、各区画チャンバ内に、支持輪システムとブラッシングシステムとが設けられ、当該ブラッシングシステムは、ウェハをブラッシングするために互いに接近可能な、またはウェハを取り出すために互いに離反可能な１組のロールブラッシングユニットを備え、複数のブラッシングシステムは、開閉駆動機構によって互いに接続され、当該開閉駆動機構は、複数組のロールブラッシングユニットの相互の接近または離反を同時に駆動するために用いられる。

【0007】

さらに、上記ロールブラッシングユニットは、平行に設置された２つの横棒と、一方の横棒の両端に接続された第１接続板と、他方の横棒の両端に接続された第２接続板とを備え、上記第１接続板と第２接続板はローラブラシを取り付けるために用いられ、上記開閉駆動機構の駆動により、異なる組のロールブラッシングユニットの２つの第１接続板と２つの第２接続板は、同期してＶ字形に開閉される。

【0008】

さらに、上記開閉駆動機構は、動力源と、動力源に接続された第１駆動ユニットと、第２駆動ユニットと、第３駆動ユニットとを備え、上記第１駆動ユニットは、互いに隣接するロールブラッシングユニットの第２接続板と第１接続板とをそれぞれ接続し、上記第２駆動ユニットは、同一組のロールブラッシングユニットの第１接続板と第２接続板とを開閉させるように駆動するために用いられ、上記第３駆動ユニットは、動力源が接続されていない互いに隣接するロールブラッシングユニットの間に設けられ、当該互いに隣接するロールブラッシングユニットの第２接続板と第１接続板との間を開閉させるように駆動するために用いられる。

【0009】

さらに、上記第１駆動ユニットは、動力源により駆動されて円周方向に回転可能な回転盤と、その一端が回転盤に直接または間接的に接続された２つのリンクとを少なくとも備え、２つのリンクの他端は、互いに隣接するロールブラッシングユニットの第１接続板と第２接続板にそれぞれ直接または間接的に接続される。

【0010】

さらに、上記リンクと上記回転盤との間はいずれも第３中継柱を介して接続され、上記第１接続板とリンクとの間は第１中継柱を介して接続され、上記第２接続板とリンクとの間は第２中継柱を介して接続される。

【0011】

さらに、上記２つの第３中継柱は、回転盤の径方向に沿って配置され、初期状態において、２つの接続板の間に垂直に位置し、上記リンクは、第３中継柱に傾斜して接続される。

【0012】

さらに、上記第２駆動ユニットは、第１接続板の底部に設けられた第１歯車と、第２接続板の底部に設けられた第２歯車とからなり、上記第１歯車と上記第２歯車は噛み合って伝動する。

【0013】

さらに、上記第３駆動ユニットは、数が少なくとも２つである場合に、上下に交互に配置される。

【0014】

さらに、互いに隣接するロールブラッシングユニットの第２接続板と第１接続板は、いずれも、逃げ空間を形成するように切欠部を形成する。

【0015】

さらに、上記複数の区画チャンバの頂部は、互いに連通しており、かつ１セットの排気システムと１セットの排液システムとを共有し、各区画チャンバ内に、いずれも噴霧システムが設けられている。

【0016】

本発明は、１つの筐体内で複数枚のウェハを同時にブラッシングできるように構成された、マルチウェハ洗浄を可能にするブラッシング装置を提供する。ブラッシング筐体は、延長され、複数の独立した区画チャンバに分割され、各区画チャンバは、独立した支持輪システム、ロールブラッシングシステム、および噴霧システムを有する。本発明は、ウェハのブラッシングの洗浄度を保ちつつ、設備スペースを有効に利用して洗浄効率を向上させることができる。

【0017】

本発明の有益な効果は下記の通りである。１）複数組のロールブラッシングユニットを同一の筐体に集積し、ステーション間の距離を大幅に短縮して体積当たりの生産効率を効果的に向上させることができる。２）独立した支持輪システム、ブラッシングシステム、および噴霧システムは、柔軟性を保証しながら効率を向上させ、異なるウェハの独立したまたは同時のブラッシングを可能にすることができる。３）筐体は、２区画、３区画または４区画などであってもよく、区画チャンバの数は、カスタマイズレベルが高く、適用範囲が広い。４）同じ筐体内で、異なる区画チャンバの底部が連通して、複数のステーションが１セットの排水管路を共有することを可能にし、排液システムを簡素化し、さらに設備の内部空間を簡素化することができる。５）一体化されたブラッシング筐体は、複数組の部品、例えば仕切り、床などを共有し、部品点数を大幅に減らし、材料コストを節約し、組立作業を減らす。６）一つの開閉駆動機構を共用して、異なるロールブラッシングユニットの同期開閉を実現し、設備スペースを節約し、調達コストを低減する。７）マルチウェハブラッシング装置は、設備の配置を容易にし、電気回路およびガスまたは液体の回路の接続を容易にするために、対称構造とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【0018】

【図1】本発明の筐体を除いた一部分の斜視図である。

【図2】本発明の一部分の構造の斜視図である。

【図3】本発明の開閉駆動機構とロールブラッシングユニットの部分的な係合構造の第一の概略図である。

【図4】本発明の開閉駆動機構とロールブラッシングユニットの部分的な係合構造の第二の概略図である。

【図5】本発明の開閉駆動機構とロールブラッシングユニットの部分的な係合構造の概略図である（この場合、第１接続板と第２接続板は開いている）。

【図6】本発明に係る第１駆動ユニットの第一の斜視図である。

【図7】本発明に係る第１駆動ユニットの第二の斜視図である。

【図8】本発明に係る第１駆動ユニットの第三の斜視図である。

【発明を実施するための形態】

【0019】

当業者が本発明の方法をより良く理解するために、以下、本発明の実施例における図面と合わせて、発明の実施例における技術的解決手段を明確且つ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を要することなく、得られた全ての他の実施例は、何れも本発明の請求範囲に属するべきである。

【0020】

図１および図２に示すように、マルチウェハブラッシング装置は、複数の区画チャンバ２が内部に配置された筐体１を備える。複数の区画チャンバ２の底部は、互いに連通し、かつ１セットの排液システムを共有する。複数の区画チャンバ２の頂部は、互いに連通し、かつ１セットの排気システム２１を共有する。各区画チャンバ２内には、支持輪システム３とブラッシングシステム４が設けられる。支持輪システム３は、支持輪によってウェハ６を配置し、ウェハ６の位置を固定し、ブラッシング中にウェハ６を回転駆動させる。各区画チャンバ２には、ウェハ６が筐体１の内部にある間にウェハ６の表面の化学試薬を洗浄するために洗浄液を連続的に噴霧する噴霧システム２２が設けられる。つまり、各区画チャンバ２内のウェハ６を洗浄するプロセスは、相互に独立しており、異なるプロセスの洗浄液を使用することができる。

【0021】

ブラッシングシステム４は、ウェハ６をブラッシングするために互いに接近可能な、またはウェハ６を解放するために互いに離反可能な、ウェハ６の取り出しを容易にすることができる１組のロールブラッシングユニット５を備える。複数のブラッシングシステム４は、開閉駆動機構７によって互いに接続され、当該開閉駆動機構７は、異なる区画チャンバ２内の複数組のロールブラッシングユニット５の相互の接近または離反を同時に駆動するために用いられる。

【0022】

上記ロールブラッシングユニット５の相互の接近または離反は、平行な接近または離反であってもよく、一端が開いて互いに離反または閉じて互いに接近してもよい。

【0023】

ロールブラッシングユニット５は、平行に配置された２つの横棒５３と、一方の横棒５３の両端に接続された２つの第１接続板５１と、他方の横棒５３の両端に接続された２つの第２接続板５２とを備えている。２つの第１接続板５１の間、かつ２つの第２接続板５２の間に、ローラブラシ５４が取り付けられている。横棒５３上の２つの第１接続板５１は対称に配置され、ローラブラシ５４の開閉動作中の平行度を確保している。

【0024】

干渉を避けるために、２つの横棒５３の設置位置は異なり、一方の横棒５３は、２つの第１接続板５１の底部の間に、具体的には、底部の同一組のロールブラッシングユニット５の第２接続板５２から離れた側に設置され、他方の横棒５３は、２つの第２接続板５２の中部の間に、具体的には、中部の同一組のロールブラッシングユニット５の第１接続板５１から離れた側に設置される。

【0025】

開閉駆動機構７の駆動により、異なる組のロールブラッシングユニット５、すなわち異なる区画チャンバ２内のロールブラッシングユニット５の２つの第１接続板５１と２つの第２接続板５２が同期してＶ字形に開閉される。

【0026】

図３および図４に示すように、開閉駆動機構７は、動力源７４と、動力源７４に接続された第１駆動ユニット７１と、第２駆動ユニット７２と、第３駆動ユニット７３とを備えている。第１駆動ユニット７１は、互いに隣接するロールブラッシングユニット５の第２接続板５２と第１接続板５１とをそれぞれ接続する。第２駆動ユニット７２は、同一組のロールブラッシングユニット５の第１接続板５１と第２接続板５２とを開閉させるように駆動するために用いられる。第３駆動ユニット７３は、動力源が接続されていない互いに隣接するロールブラッシングユニット５の間に設けられ、当該互いに隣接するロールブラッシングユニット５の第２接続板と第１接続板との間を開閉するように駆動するために用いられる。

【0027】

第１駆動ユニット７１は、動力源７４により駆動されて円周方向に回転可能な回転盤７１１と、その一端が回転盤に直接または間接的に接続された２つのリンク７１２とを少なくとも備え、２つのリンク７１２の他端は、互いに隣接するロールブラッシングユニット５の第１接続板と第２接続板にそれぞれ直接または間接的に接続される。

【0028】

図６～図８に示すように、本実施例において、２つのリンク７１２と回転盤７１１との間はいずれも第３中継柱７１３によって接続され、２つの第３中継柱７１３は回転盤７１１の径方向に沿って設置され、かつ初期状態において、２つの第３中継柱７１３は２つの接続板の間に垂直に位置し、後続の伝動を容易にし、伝動構造はより省力化される。リンク７１２と第３中継柱７１３は傾斜して接続され、かつ２つのリンク７１２は平行に配置される。第１接続板とリンク７１２との間は第１中継柱７１４によって接続され、他方のロールブラッシングユニット５の第２接続板と他方のリンク７１２との間は第２中継柱７１５によって接続される。

【0029】

上記リンク７１２と第３中継柱７１３との間の接続は、回転接続でも固定接続でもよい。上記リンク７１２と第１中継柱７１４との間の接続は、回転接続でも固定接続でもよい。上記リンク７１２と第２中継柱７１５との間の接続は、回転接続でも固定接続でもよい。上記第１中継柱７１４と第１接続板との間の接続は、回転接続でも固定接続でもよい。上記第２中継柱７１５と第２接続板との接続は、回転接続でも固定接続でもよい。しかし、２つのリンク７１２、第３中継柱７１３、第１中継柱７１４、第２中継柱７１５、第１接続板および第２接続板の相互間の接続は、全て固定接続であるわけにはいかず、接続構造の少なくとも片側の部分は回転接続である必要がある。

【0030】

第２駆動ユニット７２は、第１接続板５１の底部に設けられた第１歯車７２１と、第２接続板５２の底部に設けられた第２歯車７２２とからなり、当該第１歯車７２１と当該第２歯車７２２とが噛み合って伝動する。上述した第１接続板５１と第２接続板５２とは、同一組のロールブラッシングユニット５に属する。もちろん他の実施例において、第２駆動ユニット７２は、歯車伝動に限定されず、ベルト伝動、リンク伝動等の形式であってもよい。

【0031】

第３駆動ユニット７３は、回転盤が動力源に接続されていない点を除いて、第１駆動ユニット７１と同様の構成である。第３駆動ユニット７３は、数が少なくとも２つである場合に、上下に交互に配置される。

【0032】

逃げ空間を形成して、互いに隣接するロールブラッシングユニット５の間の干渉を避けるために、第２接続板と第１接続板との両方に切欠部５５が形成されている。具体的には、第２接続板の他方のロールブラッシングユニットの第１接続板に向かう側の頂部に切欠部が形成され、第１接続板の他方のロールブラッシングユニットの第２接続板に向かう側の頂部にも切欠部が形成されている。

【0033】

本発明の作動過程を図３を例に説明すると、動力源７４は、第１駆動ユニット７１の回転盤７１１を反時計回りに回転させ、２つのリンク７１２を連動して回転させ、第２接続板５２-１の頂端と第１接続板５１-２の頂端とが開いたようになる。この第２接続板５２-１とこの第１接続板５１-２とは、異なる２つのロールブラッシングユニット５に属している。

【0034】

同時に、第１組ロールブラッシングユニットの底部の第２駆動ユニット７２の駆動下で、すなわち、同一組のロールブラッシングユニットの第１接続板５１-１の底部の第１歯車と、第２接続板５２-１の底部の第２歯車が噛み合って伝動することによって、第１組ロールブラッシングユニットの第１接続板５１-１と第２接続板５２-１が図５に示すようにＶ字形に開く。

【0035】

同様に、第２組ロールブラッシングユニットの第１接続板５１－２と第２接続板５２－２もＶ字形に開く。

【0036】

第２接続板５２－２の駆動により第３駆動ユニット７３の第２中継柱が回転し、それにより第３組ロールブラッシングユニットの第１接続板５１－３が回転し、別の第２駆動ユニットの駆動により第３組ロールブラッシングユニットの第１接続板５１－３と第２接続板５２－３もＶ字形に開く。

【0037】

第３組ロールブラッシングユニットと第４組ロールブラッシングユニットとの間に、他の第３駆動ユニットが接続されており、その位置は中部よりも下方にあり、第２組ロールブラッシングユニットと第３組ロールブラッシングユニットとの間に配置される第３駆動ユニットの位置が中部よりも上方にあるのとは異なる。つまり、第３駆動ユニットは、数が少なくとも２つである場合に、上下に交互に配置される。

【0038】

ブラッシングシステム４は、ロールブラッシングユニット５の開閉および回転を制御し、開閉駆動機構７は、ブラッシングの初期段階では、ロボットアームが筐体１内に進入した時に干渉しないために十分な隙間が形成されるように、ロールブラッシングユニット５を開くように制御する。

【0039】

以上が第１接続板と第２接続板が開く過程であり、開いた後、ロボットアームを用いてウェハ６を把持する。ロボットアームがウェハ６を持ち上げて筐体１から移動させ、ローラブラシ５４をウェハ６に接近させてブラッシングするために両者を閉じる必要があるときに、第１駆動ユニット７１の回転盤７１１は、動力源７４によって時計回りに回転駆動される。

【0040】

ローラブラシ５４は、連続的に回転し、同時に中央に向かって閉じて、ウェハ６を挟み込む。左側のローラブラシは時計回りに回転し、右側のローラブラシは反時計回りに回転し、ブラッシング過程でウェハが受ける下向きの合力を確保し、支持輪システム３と合わせてウェハ位置を固定する。支持輪システム３は、ウェハを固定方向に回転させ、ウェハの各表面をブラッシングできるようにする。異なる区画チャンバ２から噴霧された洗浄液は、筐体１の底部の空間に集められ、同じセットの排液管路に沿って設備外部に排出される。

【0041】

上記の具体的な実施形態は、本発明を解釈して説明するためのものであり、本発明を制限するものではない。本発明の精神や特許請求の範囲により請求される範囲内で、本発明に対して行われる任意の修正や変更は、何れも本発明の請求範囲に含まれる。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【国際調査報告】