(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】電子部品ラックのための冷却システム
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
H05K7/20 R
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024555264
(86)(22)【出願日】2022-11-15
(85)【翻訳文提出日】2024-07-12
(86)【国際出願番号】 EP2022081895
(87)【国際公開番号】W WO2023088865
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524184507
【氏名又は名称】ジェイジェイ・クーリング・イノベーション・エスアーエールエル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・アール・トム
(72)【発明者】
【氏名】ジャクソン・ビー・マルシーニヒェン
【テーマコード(参考)】
5E322
【Fターム(参考)】
5E322AA05
5E322AA10
5E322BB03
5E322DB08
5E322FA01
(57)【要約】
複数の積み重ねられた電子ユニット(3)を含むマルチユニット電子装置スタック(1)のための冷却システムであって、冷却システムは、各電子ユニット内、各電子ユニット上または各電子ユニット間に組み込まれた複数のユニット冷却システム(6)を含み、各ユニット冷却システム(6)は、冷却流体を収容する1つまたは複数のチャネル(36)を中に有するパイプ(34)を含む脈動ヒートパイプ(PHP)であって、パイプ(34)は凝縮器端(16)と蒸発器端(15)との間に延在する、脈動ヒートパイプ(PHP)、または凝縮器端(16)と蒸発器端(15)との間に延在するパイプ(14a、14b)を含むサーモサイフォン(LTS)冷却システム、として構成された1つまたは複数の流体流れ回路(13)を含み、冷却システム(2)は、主凝縮器(12)と、ループサーモサイフォン(LTS)冷却システムとして構成されたダウンカマー(8a)およびライザー(8b)を含む流体流れ回路(8)と、を含むスタック冷却システム(4)をさらに含み、ライザーは、複数の積み重ねられた電子ユニット(3)にわたって鉛直に延在するライザーパイプ(24)を含み、ユニット冷却システム(6)のそれぞれは、ライザーパイプ(24)に熱的に結合された熱界面結合部(16)を含み、ユニット冷却システムの流体流れ回路(13)はスタック冷却システム(4)の流体流れ回路(8)から独立している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の積み重ねられた電子ユニット(3)を含むマルチユニット電子装置スタック(1)のための冷却システムであって、前記冷却システムは、各電子ユニット内、各電子ユニット上または各電子ユニット間に組み込まれた複数のユニット冷却システム(6)を含み、各ユニット冷却システム(6)は、
脈動ヒートパイプ(PHP)であって、前記脈動ヒートパイプ(PHP)は、前記脈動ヒートパイプ(PHP)を形成するように蛇行形状に配置された複数のチャネル(36)を中に有するパイプ(34)を含み、前記チャネルは冷却流体を収容し、前記パイプ(34)は凝縮器端(16)と蒸発器端(15)との間に延在する、脈動ヒートパイプ(PHP)
として構成された1つまたは複数の流体流れ回路(13)を含み、
前記冷却システム(2)は、主凝縮器(12)と、ループサーモサイフォン(LTS)冷却システムとして構成されたダウンカマー(8a)およびライザー(8b)を含む流体流れ回路(8)と、を含むスタック冷却システム(4)をさらに含み、前記ライザーは、複数の積み重ねられた電子ユニット(3)にわたって鉛直に延在するライザーパイプ(24)を含み、前記ユニット冷却システム(6)のそれぞれは、前記ライザーパイプ(24)にクランプおよび熱的に結合された熱界面結合部(16)を含み、前記ユニット冷却システムの前記流体流れ回路(13)は前記スタック冷却システム(4)の前記流体流れ回路(8)から独立している、冷却システム。
【請求項2】
前記ライザーパイプは矩形の断面を含む、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項3】
前記ライザーパイプの断面は30/1から3/1の範囲にある長さLと幅Wとの比L/Wを有する、請求項2に記載の冷却システム。
【請求項4】
前記ライザーパイプは実質的に平坦な互いに反対側の面(27)を有し、前記熱界面結合部(16)は、前記ライザーパイプの前記平坦面に対してクランプするための平坦面を含む、請求項2または3に記載の冷却システム。
【請求項5】
前記ライザーパイプ(24)は、前記冷却流体が循環する複数のチャネル(39)を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の冷却システム。
【請求項6】
前記ライザーパイプ(24)は、単一の外壁と、前記複数のチャネルの隣接するチャネル(39)を分離する前記外壁と一体的に形成された内壁(41)と、を含む、請求項5に記載の冷却システム。
【請求項7】
前記ユニット冷却システム(6)の前記流体流れ回路(13)は、前記電子ユニット(3)の熱生成電子部品(5)に対して熱的に結合するための主要面を有する蒸発器端(15)を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の冷却システム。
【請求項8】
前記ユニット冷却システムの前記パイプ(34)は、押し出し金属片、たとえば押し出しアルミニウム片で形成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の冷却システム。
【請求項9】
前記脈動ヒートパイプ(PHP)は、前記パイプ(34)の前記凝縮器端(16)および蒸発器端(15)を覆って組み立てられて前記凝縮器端(16)および蒸発器端(15)を閉じるキャップを形成する端片(38)を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の冷却システム。
【請求項10】
パイプ(34)は、前記凝縮器端(16)と前記蒸発器端(15)との間で連続的に延在し、前記凝縮器端を鉛直面に、および前記蒸発器端を水平面に配向させるように構成された中間ねじれ曲がり部を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の冷却システム。
【請求項11】
前記スタック冷却システム(4)の前記ダウンカマー(8a)は単一チャネルパイプを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の冷却システム。
【請求項12】
前記主凝縮器(12)は前記マルチユニット電子装置スタック(1)の頂部の上方に配置されている、請求項1から11のいずれか一項に記載の冷却システム。
【請求項13】
前記主凝縮器は気液熱交換器(26b)を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の冷却システム。
【請求項14】
前記主凝縮器は、前記スタック冷却システム(4)の前記冷却剤の流れ(8a)のためのチャネル(25a)と、たとえば気液熱交換器(26b)からの冷却液の流れのための、前記チャネル(25a)とは別個のチャネル(25b)と、を含む液液熱交換器(26a)を含み、前記チャネルは、前記別個のチャネル(25a、25b)の複数の交互の層を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の冷却システム。
【請求項15】
前記チャネル(25a、25b)は、高さHと幅Wとの比H/Wが1.5から15の範囲に、好ましくは2から5の範囲にある略矩形の形状を有する、請求項14に記載の冷却システム。
【請求項16】
前記液液熱交換器(26a)は単一の一体的に形成された3D印刷部品である、請求項14または15に記載の冷却システム。
【請求項17】
前記液液熱交換器(26a)は金属またはプラスチックまたはポリマー製である、請求項16に記載の冷却システム。
【請求項18】
前記ライザーパイプ(24)は、前記ライザーパイプ(24)に沿った任意の位置での前記ユニット冷却システムの熱界面結合部のクランプを可能にするように構成された前記複数の電子ユニットにわたって延在する一定の連続形状を含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の冷却システム。
【請求項19】
複数の積み重ねられた電子ユニット(3)を含むマルチユニット電子装置スタック(1)のための冷却システムであって、前記冷却システムは、各電子ユニット内、各電子ユニット上または各電子ユニット間に組み込まれた複数のユニット冷却システム(6)を含み、各ユニット冷却システム(6)は、
冷却流体を収容する1つまたは複数のチャネル(36)を中に有するパイプ(34)を含む脈動ヒートパイプ(PHP)であって、前記パイプ(34)は凝縮器端(16)と蒸発器端(15)との間に延在する、脈動ヒートパイプ(PHP)、または
凝縮器端(16)と蒸発器端(15)との間に延在するパイプ(14a、14b)を含むサーモサイフォン(LTS)冷却システム、
として構成された1つまたは複数の流体流れ回路(13)を含み、
前記冷却システム(2)は、主凝縮器(12)と、ループサーモサイフォン(LTS)冷却システムとして構成されたダウンカマー(8a)およびライザー(8b)を含む流体流れ回路(8)と、を含むスタック冷却システム(4)をさらに含み、前記ライザーは、複数のチャネル(25)を含むライザーパイプ(24)を含み、前記ライザーパイプは、複数の積み重ねられた電子ユニット(3)にわたって鉛直に延在する実質的に一定の外形を有し、前記ユニット冷却システム(6)のそれぞれは、前記ライザーパイプ(24)に解放可能にクランプおよび熱的に結合されるように構成された熱界面結合部(16)を含み、前記ユニット冷却システムの前記流体流れ回路(13)は前記スタック冷却システム(4)の前記流体流れ回路(8)から独立している、冷却システム。
【請求項20】
前記ライザーパイプは矩形の断面を含む、請求項19に記載の冷却システム。
【請求項21】
前記ライザーパイプの断面は30/1から3/1の範囲にある長さLと幅Wとの比L/Wを有する、請求項20に記載の冷却システム。
【請求項22】
前記ライザーパイプは実質的に平坦な互いに反対側の面(27)を有し、前記熱界面結合部(16)は、前記ライザーパイプの前記平坦面に対してクランプするための平坦面を含む、請求項20または21に記載の冷却システム。
【請求項23】
前記ユニット冷却システム(6)は脈動ヒートパイプ(PHP)として構成され、前記PHPの前記パイプ(34)は、蛇行形状に配置された複数のチャネル(36)を含む、請求項20から22のいずれか一項に記載の冷却システム。
【請求項24】
前記PHPの前記パイプ(34)は、押し出し金属片、たとえば押し出しアルミニウム片で形成されている、請求項23に記載の冷却システム。
【請求項25】
前記ユニット冷却システム(6)の前記流体流れ回路(13)は、前記電子ユニット(3)の熱生成電子部品(5)に対して熱的に結合するための主要面を有する蒸発器端(15)を含む、請求項19から24のいずれか一項に記載の冷却システム。
【請求項26】
前記スタック冷却システム(4)の前記ダウンカマー(8a)は単一チャネルパイプを含む、請求項19から25のいずれか一項に記載の冷却システム。
【請求項27】
前記主凝縮器(12)は前記マルチユニット電子装置スタック(1)の頂部の上方に配置されている、請求項19から26のいずれか一項に記載の冷却システム。
【請求項28】
前記主凝縮器は気液熱交換器(26b)を含む、請求項19から27のいずれか一項に記載の冷却システム。
【請求項29】
前記主凝縮器は、前記スタック冷却システム(4)の前記冷却剤の流れ(8a)のためのチャネル(25a)と、たとえば気液熱交換器(26b)からの冷却液の流れのための、前記チャネル(25a)とは別個のチャネル(25b)と、を含む液液熱交換器(26a)を含み、前記チャネルは、前記別個のチャネル(25a、25b)の複数の交互の層を含む、請求項19から28のいずれか一項に記載の冷却システム。
【請求項30】
前記チャネル(25a、25b)は、高さHと幅Wとの比H/Wが1.5から15の範囲に、好ましくは2から5の範囲にある略矩形の形状を有する、請求項29に記載の冷却システム。
【請求項31】
前記液液熱交換器(26a)は単一の一体的に形成された3D印刷部品である、請求項29または30に記載の冷却システム。
【請求項32】
前記液液熱交換器(26a)は金属またはプラスチックまたはポリマー製である、請求項31に記載の冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチユニットラック内の電子ユニットを冷却するためのシステムに関する。特に本発明はコンピュータサーバの冷却に関する。しかしながら本発明の分野はより一般的には、積み重ねられた他のタイプの電子ユニットの冷却にまで及ぶ。
【背景技術】
【0002】
高出力データセンターサーバ、パワーエレクトロニクスモジュールおよび通信データ伝送機器は通常、ラック内の単位容積あたりの熱放散密度が高いことが要求される電子機器ラックに設置される。したがって、これらのラックは、設置された電子機器の動作温度をその許容動作範囲内に維持するように熱管理するために効果的かつ効率的に冷却する必要がある。技術的な課題は、冷却システムを駆動するために使用するエネルギーをできるだけ少なくして、限られた/コンパクトな容積から大量の熱を除去することである。
【0003】
現在の冷却技術は主に4つの形式、すなわち(i)ヒートパイプが埋め込まれている、または埋め込まれていないヒートシンクにわたってファンが空気を吹き付ける空冷、(ii)ヒートシンクを通してポンプが水を駆動する水冷、(iii)ラック全体を誘電液の液冷槽に浸す浸漬冷却、および(iv)各サーバに設置されたファンで空気によって冷却される個別のサーモサイフォンヒートシンク、で利用可能である。
【0004】
空冷は高価な電気エネルギー消費部であり、また空気の流量およびファンの騒音が法外になるため、新しい強力な電子機器の非常に高い熱密度に対処することができない。水冷は、動作または保守中に電子機器に何らかの漏れまたは滴りが発生すれば高いリスクである。浸漬冷却には、背の高いラックを水平に設置するために2倍の大きさの床空間が要求され、追加のメンテナンスの問題が発生する。個別の空冷式サーモサイフォンは、サーバ内の空気流によって冷却される各個別の電子部品のためのミニサーモサイフォンであり、(i)より高い熱負荷まで空冷の範囲を拡張するが、密に詰め込まれたラックで一般的に使用される1Uサーバ(高さ1.75インチまたは44.4mm)における高熱負荷に対処せず、いずれの場合においても空気の流量およびファンの騒音の問題は残る。
【0005】
サーモサイフォンで積層型コンピュータサーバを冷却することはたとえば、特許文献1~4に記載されている。サーモサイフォンの利点は、空冷システムと比較して、コンパクトな構成で大量の熱を伝達するその能力である。しかしながら、従来のシステムでは、コンピュータサーバをサーモサイフォンネットワークに結合することによりシステムが複雑になり、サーバの数が異なる構成または個々のユニットの交換は時間がかかり、手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第20190107333号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第20200015387号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第20200113083号明細書
【特許文献4】国際公開第2007102978号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記を考慮して、本発明の目的は、高い熱伝達能力を備えたコンパクトな、しかも製造、構成および設置が経済的な電子デバイスのマルチユニットスタックのための冷却システムを提供することである。
【0008】
電子ユニットの容易かつ経済的な交換を可能にするマルチユニット電子装置のための冷却システムを提供することが有利である。
【0009】
信頼でき、異なる数の電子ユニットに容易かつ経済的に適合することができるマルチユニット電子装置のための冷却システムを提供することが有利である。
【0010】
既存の電子ユニットに容易かつ経済的に統合することができるマルチユニット電子装置のための冷却システムを提供することが有利である。
【0011】
本発明のさまざまな目的が、独立請求項による冷却システムを提供することによって達成される。
【0012】
従属請求項は本発明の実施形態のさまざまな有利な特徴を規定する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本明細書では、複数の積み重ねられた電子ユニットを含むマルチユニット電子装置スタックのための冷却システムが開示されている。この冷却システムは、各電子ユニット内、各電子ユニット上または各電子ユニット間に組み込まれた複数のユニット冷却システムを含む。
【0014】
第1の態様によれば、各ユニット冷却システムは、
脈動ヒートパイプ(PHP)であって、脈動ヒートパイプは、この脈動ヒートパイプ(PHP)を形成するように蛇行形状に配置された複数のチャネルを中に有するパイプを含み、チャネルは冷却流体を収容し、パイプは凝縮器端と蒸発器端との間に延在する、脈動ヒートパイプ(PHP)
として構成された1つまたは複数の流体流れ回路を含み、
冷却システムは、主凝縮器と、ループサーモサイフォン(LTS)冷却システムとして構成されたダウンカマーおよびライザーを含む流体流れ回路と、を含むスタック冷却システムをさらに含み、ライザーは、複数の積み重ねられた電子ユニットにわたって鉛直に延在するライザーパイプを含み、ユニット冷却システムのそれぞれは、ライザーパイプにクランプおよび熱的に結合された熱界面結合部を含み、ユニット冷却システムの流体流れ回路はスタック冷却システムの流体流れ回路から独立している。
【0015】
第2の態様によれば、各ユニット冷却システムは、
冷却流体を収容する1つまたは複数のチャネルを中に有するパイプを含む脈動ヒートパイプ(PHP)であって、パイプは凝縮器端と蒸発器端との間に延在する、脈動ヒートパイプ(PHP)、または
凝縮器端と蒸発器端との間に延在するパイプを含むサーモサイフォン(LTS)冷却システム、
として構成された1つまたは複数の流体流れ回路を含み、
冷却システムは、主凝縮器と、ループサーモサイフォン(LTS)冷却システムとして構成されたダウンカマーおよびライザーを含む流体流れ回路と、を含むスタック冷却システムをさらに含み、ライザーは、複数のチャネルを含むライザーパイプを含み、ライザーパイプは、複数の積み重ねられた電子ユニットにわたって鉛直に延在する実質的に一定の外形を有し、ユニット冷却システムのそれぞれは、ライザーパイプに解放可能にクランプおよび熱的に結合されるように構成された熱界面結合部を含み、ユニット冷却システムの流体流れ回路はスタック冷却システムの流体流れ回路から独立している。
【0016】
ライザーおよびダウンカマーは、電子ユニットへの容易なアクセスを可能にするように、マルチユニット電子装置スタックの任意の側面に沿って、または任意の角で任意の便利な位置に配置することができる。
【0017】
有利な一実施形態において、ライザーパイプは実質的に矩形の断面を含む。
【0018】
有利な一実施形態において、ライザーパイプは、単一の一体的に形成された外壁と、ライザーパイプの隣接する前記チャネルを分離する内壁と、を含む。
【0019】
有利な一実施形態において、ライザーパイプの断面は30/1から3/1の範囲にある長さLと幅Wとの比L/Wを有する。ライザーパイプの断面寸法は一定であってもよく、またはスタックの高さに沿って変化してもよい。たとえば、冷却剤が液体から気体へと相を変化させるときの体積の増加を考慮すると、ライザーパイプは、その下部と比較して、上部でより大きな断面積を設けることができる。この増加は段階的および/または連続的とすることができる。
【0020】
有利な一実施形態において、ライザーパイプは実質的に平坦な互いに反対側の面を有し、熱界面結合部は、ライザーパイプの平坦面に対してクランプするための平坦面を含む。
【0021】
変形例において、ユニット冷却システムの熱界面結合部の形状が、ライザーパイプへの十分な熱結合を保証するようにこれに適合されるのであれば、ライザーパイプは、円形、多角形または不規則な形状の断面輪郭を有することができる。
【0022】
有利な一実施形態において、ユニット冷却システムのパイプは複数のチャネルを含む。
【0023】
有利な一実施形態において、複数のチャネルは、脈動ヒートパイプ(PHP)を形成するように蛇行形状に配置されている。
【0024】
有利な一実施形態において、ユニット冷却システムのパイプは、電子ユニットの熱生成電子部品に対して熱的に結合するための主要面を有する蒸発器端熱界面結合部を含む。
【0025】
有利な一実施形態において、ユニット冷却システムのパイプは、ラック冷却システムの熱吸収部品に対して熱的に結合するための主要面を有する凝縮器端熱界面結合部を含む。
【0026】
有利な一実施形態において、ユニット冷却システムのパイプは、押し出し金属片、たとえば押し出しアルミニウム片で形成されている。
【0027】
有利な一実施形態において、スタック冷却システムのダウンカマーは単一チャネルパイプを含む。
【0028】
一実施形態において、ダウンカマーパイプは液体蓄積部を含むことができる。
【0029】
有利な一実施形態において、主凝縮器はマルチユニット電子装置スタックの頂部の上方に配置されている。
【0030】
有利な一実施形態において、主凝縮器は気液熱交換器を含む。
【0031】
有利な一実施形態において、主凝縮器は、スタック冷却システムの冷却剤の流れのためのチャネルと、たとえば気液熱交換器から来ることができる冷却液の流れのための、それとは別個のチャネルと、を含む液液熱交換器をさらに含む。
【0032】
有利な一実施形態において、チャネルは、別個のマイクロ冷却チャネルの交互の層を含み、各層のマイクロ冷却チャネルは、それぞれの入口および出口接続開口を備えた各流体流のための単一のブロックに配置されている。
【0033】
有利な一実施形態において、マイクロ冷却チャネルは、高さHと幅Wとの比H/Wが1.5から15の範囲に、好ましくは2から5の範囲にある略矩形の形状を有する。
【0034】
有利な一実施形態において、液液熱交換器は単一の一体的に形成された3D印刷部品である。
【0035】
有利な一実施形態において、液液熱交換器は金属製である。
【0036】
有利な一実施形態において、ライザーパイプは、ライザーパイプに沿った任意の位置でのユニット冷却システムのプレート形状熱界面結合部のクランプを可能にするように構成された複数の電子ユニットにわたって鉛直に延在する一定の連続形状を含む。
【0037】
本発明のさらに有利な特徴は本発明の実施形態の次の詳細な説明および添付の図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1a】従来のループサーモサイフォン(LTS)受動二相冷却システムの概略図である。
【
図1b】従来の二相閉ループ脈動ヒートパイプ(PHP)冷却システムの概略図である。
【
図1c】従来の開ループ二相脈動ヒートパイプ(PHP)冷却システムの概略図である。
【
図2】マルチユニット電子装置スタック、たとえばコンピュータサーバのスタックと、本発明の一実施形態による関連する冷却システムと、の簡略概略図である。
【
図2a】単一の電子ユニット、たとえば2つのマイクロプロセッサを備えたサーバのためのループサーモサイフォンユニット冷却システムの流体流れ回路の簡略概略図である。
【
図2b】
図2aと同様の概略図であるが、本発明の一実施形態による脈動ヒートパイプユニット冷却システムの可能な構成、たとえば2つのマイクロプロセッサを備えたサーバを示している。
【
図3】複数のマルチユニット電子装置スタックおよび本発明の一実施形態による関連する冷却システムの概略図である。
【
図4a】本発明の一実施形態によるスタック冷却システムのサーモサイフォンユニット冷却システムとライザーパイプとの間の熱界面結合部の概略斜視図である。
【
図4b】脈動ヒートパイプユニット冷却システムを備えた一変形例の
図4aと同様の図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるスタック冷却システムの流体流れ回路のライザーパイプ、たとえば
図4aおよび
図4bのライザーパイプを通る概略断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態による脈動ヒートパイプユニット冷却システムを形成する流体流れ回路のマルチチャネルパイプの斜視図である。
【
図6a】
図6のマルチチャネルパイプの端部の断面図を示す。
【
図6b】
図6のマルチチャネルパイプの端部の断面図を示す。
【
図7】本発明の一実施形態による、スタック冷却システムの液液熱交換器の断面図である。
【
図8a】本発明の一実施形態によるスタック冷却システムの気液熱交換器の斜視図である。
【
図8b】本発明の一実施形態によるスタック冷却システムの気液熱交換器の斜視図である。
【
図9a】本発明の別の一実施形態による、スタック冷却システムの液液熱交換器(凝縮器)の断面分解斜視図である。
【
図9b】一変形例による異なる幅の液液熱交換器におけるチャネルの概略簡略図である。
【
図9c】一変形例による液液熱交換器における頂点端部形状のチャネルの概略簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本質的に既知のループサーモサイフォンおよび脈動ヒートパイプ内の一般的な概念的なチャネルレイアウトおよび流体流が、
図1a(LTS)、
図1b(閉ループPHP)および
図1c(開ループPHP)に示されている。
【0040】
基本的に、LTSは重力駆動の内部冷却剤流を有する。冷却剤は、蒸発器で部分的に蒸発して電子機器から熱を除去し、浮力のためライザーを上って流れる。流れは凝縮器を通過し、ここで熱を二次冷却剤(空気、液体または別の二相流)へと除去し、蒸気を変換して液体に戻し、最後に重力により液体がダウンカマーに引き下げられ、ここで冷却剤が蒸発器に再び入ってループの周りの流れを継続する。図示するように、凝縮器の出口でLTSループに液体蓄積部を含めてLTSにおける液体在庫を広範囲の動作条件にわたって管理することが有用な時もあるが、これは常に必要なわけではなく、ループから除去することもできる。
【0041】
脈動ヒートパイプは、振動ヒートパイプとしても知られ、閉または開蛇行ループであり、蛇行管の内部容積の一部が液体冷却剤で満たされ、残りの内部容積がその蒸気で満たされている。冷却剤が蒸発器端で沸騰し、凝縮器端で凝縮する一方、内側の流れは蒸気泡の生成および崩壊による不安定性によって生成され、蛇行管の内側で流れが一方向から反対方向に受動的に振動する。
【0042】
これらのシステム、LTSおよびPHPのすべてが、ループまたは蛇行管を空にし、これらの内側に冷却剤を入れる充填または投入ポートを含む。
【0043】
図2~
図8bを参照すると、本発明の実施形態が示されている。マルチユニット電子装置スタック1は、たとえば少なくとも1つの鉛直スタックに配置された、一緒にグループ化された複数の電子ユニット3を含む。マルチユニット電子装置スタックは複数の鉛直スタックを含むことができるが、本発明の実施形態を説明する目的で、単一のスタックを図示して本明細書で説明することが留意され得る。
【0044】
本発明の典型的な用途において、電子ユニットは、コンピュータサーバ、たとえばデータセンターのコンピュータサーバからなり得る。しかしながら、本発明は、積み重ねられて冷却を要求する他のタイプの電子ユニットで採用することができる。
【0045】
本発明の実施形態による冷却システム2はマルチユニット電子装置スタックと統合される。
【0046】
冷却システム2は、本明細書でスタック冷却システム4と呼ぶ大きなまたは主な冷却システム4と、スタック冷却システム4に熱的に結合されている複数のユニット冷却システム6と、を含む。ユニット冷却システム6は、各電子ユニット3に組み込まれるか、またはマルチユニット電子装置スタック1の一部を形成する電子ユニット3のグループについて設けられ得る。
【0047】
図示の実施形態において、ユニット冷却システム6は、各電子ユニットのハウジング7内に取り付けられている冷却流体流れ回路13を含むが、変形例(図示せず)においてユニット冷却システムは、ハウジング7の一部として、または電子ユニット3の外側に、たとえば2つの電子ユニット3間の界面に取り付けることもできる。後者の場合、ヒートシンクおよび熱伝導性材料が、ユニット冷却システムに結合されたハウジング7に熱発生電子部品5(たとえばプロセッサ)を橋渡しすることができる。
【0048】
スタック冷却システム4は、主凝縮器12と、サーモサイフォン冷却回路として構成された冷却流体流れ回路8と、を含む。流体流れ回路8はダウンカマー8aおよびライザー8bを含む。主凝縮器12は、流体流れ回路8を流れる冷却剤を冷却するように機能し、好ましくはスタック冷却システム4の頂部に配置される。
【0049】
主凝縮器12は、少なくとも1つの熱交換器26a、26bを含む。好ましい一実施形態において、主凝縮器12は、気液熱交換器26bと、マルチユニット装置スタック1の上方に配置することができる、気液熱交換器26bに結合された液液熱交換器26aと、を含む。気液熱交換器26bは、スタック1から一定の距離で配置することができ、屋内空気によって、または環境空気(外側空気)によって、自然対流によって受動的に、またはファン32を使用した強制対流のいずれかによって冷却することができ、またはさまざまなこのような熱交換器システムはそれ自体周知であり、本明細書でさらに説明する必要はない。
【0050】
図7および
図9a~
図9cに示す実施形態において、液液熱交換器26aは、1つまたは複数のチャネル25a、たとえばスタック冷却システム流体流れ回路8に接続された、
図7の実施形態における蛇行チャネル25a、または
図9aに示すような列状に配置された複数のチャネル25aを有する高温液体回路30aと、たとえば第2の熱交換器、たとえば液体空気熱交換器26bの液体回路33に入口31aおよび出口31bを介して接続された、
図7の実施形態における蛇行チャネル25b、または
図9aに示すような列状に配置された複数のチャネル25bをまた有することができる低温液体回路30bと、を有する液液熱交換器ブロック29を含む。
【0051】
図9aから
図9cの実施形態において、高温液体回路30aのチャネル25aの列は、低温液体回路30bのチャネル25bの列と織り交ぜられており、チャネル25a、25bは、薄い分離壁35によって分離されている。チャネルは有利には実質的に矩形の形状を有し、矩形の長辺が列の方向に配向されている。したがって、高温液体回路30aのチャネル25aと低温液体回路30bのチャネル25bとの間の熱伝達は、矩形形状のチャネルの長辺を介して行われる。高温液体回路30aのチャネル25aは、
図9bに概略的に示すように、低温液体回路30bの矩形チャネル25bの幅W2とは異なる幅W1を備えた矩形形状を有することができる。液液熱交換器ブロック29の入口および出口セクション23は、熱交換器ブロック29を通って延在する、列を形成する複数の積み重ねられたチャネルにそれぞれ流入する単一チャネルを含むことができる。
【0052】
有利な一実施形態において、チャネルと、高温および低温液体回路の両方の入口および出口と、を含む熱交換器ブロック29は有利には、付加製造技術、たとえば熱伝導性材料の、好ましくは3D印刷可能な金属の3D印刷によって、単一の一体的に形成された部品として作製することができる。
【0053】
本発明の実施形態による液液熱交換器26aは、サーモサイフォンスタック冷却システム4のための凝縮器として機能し、電子機器ラックの高熱負荷を冷却する高い熱性能を達成する適切な熱水力動作にとって重要であり、したがって冷却システムの不可欠な部分である。ラックに設置された電子機器の電力に、および第2に凝縮器に使用されるべき冷却剤に応じて、凝縮器によって冷却されるべき広範囲の熱負荷に対処するには、非常に柔軟で容易に修正される形状が要求される。流動抵抗を大きく低減し(50%以上)、したがってサーモサイフォン作動流体の流量を増加させて、従来の管状およびプレート熱交換器を利用して単位体積あたりで達成可能なものより高い電子機器冷却能力(20%以上)を達成するため、熱交換器26aには、これを通過するサーモサイフォン作動流体のための非常に低い圧力降下の流路が要求される。さらに、この熱交換器26aは、同等の従来の熱容量の従来のユニットと比較して、容積がはるかに小さく(たとえば3分の1)、重量がはるかに軽く(たとえば3分の1以上)、これをラックの上に収めること、およびラックの頂部に安全に設置することが可能になる。加えて、この非常にコンパクトな形状により、スタック冷却システム4のサーモサイフォンを動作させるために要求される作動流体の量が大幅に減少する一方、その重量の減少は、サーモサイフォンシステムが電子機器の過渡動作およびその温度に対してより速く反応することが可能であることを意味する。
【0054】
従来の熱交換器と比較した熱交換器ブロック29の製造、特徴および利点の有利な側面は、次のことを含む。
1.一緒にろう付けまたははんだ付けまたは溶接または接着されている複数の部品の組み合わせとしてではなく、1つの単一部品の材料として3D印刷プロセスによって製造される。
2.熱交換器の冷却チャネルが、チャネル間の非常に薄い分離壁と結合された高アスペクト比の矩形(または同様)の断面形状の非常に高密度のマトリクスで作製され、単位体積あたりの非常に高い熱伝達表面積、重量の削減および全体の体積の削減を達成する。
3.広範囲の利用可能な3D印刷可能なプラスチックおよびポリマーの中のすべてのタイプの金属粉末(アルミニウム、チタン、銅、ステンレス鋼および他のさまざまな金属合金で利用可能な)からも作製することができる。
4.流体ごとに同じまたは異なる数のチャネル、各流体ごとに同じまたは異なるサイズのチャネル、流体ごとに同じまたは異なるチャネル流長さの新しい組み合わせが可能になり、すべてが熱伝達を最適化して圧力降下を最小化するのに有用である。
5.チャネルサイズが幅0.1mmから0.5mm、高さ0.3mmから5.0mmの範囲であり、高さHと幅Wとのアスペクト比H/Wが1.5から15、好ましくは2から5になる一方、チャネル25a、25bと流体を分離するコア内の層との間の分離壁35の壁厚は、従来の熱交換器の0.5mmから1.2mmの値と比較して、0.05mmから0.1mmと低くなっている。
6.2つの異なる流体の隣接する冷却チャネルが、一方が他方の上方にあるチャネルの層として配置され、同じ層内の隣接するチャネルで2つの流体が交互になっている。
7.矩形チャネルは、印刷特性を向上させるために、丸みを帯びたもしくは傾いた角または傾斜した角を有することができる。
8.流体のための入口および出口ヘッダーは入口および出口流体配管接続部とともに一体ユニットの一部として印刷されるため、熱交換器は1つの一体型の金属片のみになる。これは、熱交換器の外壁37がチャネル分離壁35によって内部で局所的に支えられ、従来のユニットと比較してその厚さを低減することが可能になるということを意味する。このすべてにより、従来のユニットと比較して、ユニットの総重量が減少する。
9.入口および出口ヘッダーは、2つの流体間で熱を交換するように特に機能する。実際、熱伝達に関与しない熱交換器の領域は、入口および出口配管接続部および外壁のみである。
【0055】
ここでの3D印刷プロセスによる製造は、次のプロセス、すなわち、選択的レーザ焼結(SLS)、直接金属レーザ焼結(DMLS)、選択的レーザ溶融(SLM)、マルチジェットフュージョン(MJF)、高速焼結(HSS)および電子ビーム溶融(EBM)、を含む。プラスチックではSLSが最も一般的であり、金属ではDMLSおよびSLMが最も一般的である。金属粉末およびプラスチック(およびポリマー)のために製造者が提案するこれらの3D印刷プロセスの多数の他のバリエーションも包含される。
【0056】
図9aの実施形態において、凝縮流体は、サーモサイフォンスタック冷却システムのライザー8bから来る蒸気/液体流であり、底部配管接続部の1つから入り、入口ヘッダー23内のチャネルをその長さに沿って流れ、ここで流体が次いで、入口/出口ヘッダー23と連通する積層型マイクロチャネル25a(コア内のチャネルの各層における1つおきのチャネル)へ流入し、次いでブロック29の他端にある入口/出口ヘッダー23から流出し、底部でダウンカマーパイプ8aに接続された他方の配管接続部から、サブクールされた液体流として下方に出る。第2の熱交換器26bからの冷却流体(たとえば水/グリコール+水)は、頂部配管接続部31aの1つに入り、入口ヘッダー23内のチャネル25bを通ってその長さに沿って流れ、ここで流体が、入口/出口ヘッダー23と連通する多数のマイクロチャネル25b(コア内のチャネルの各層における1つおきのチャネル)へ流入し、次いで他端の入口/出口ヘッダー23を通って流出し、頂部の他方の配管接続部31bを通って上方に出る。入口と出口との組み合わせの場所を入れ替えて2つの流体の並流および逆流を作り出すことが可能である。入口および出口ヘッダーの形状に対する単純な修正で、流体の1パスの流れ(図示のように)または複数パスの流れを作製することが可能である。パスの数に応じて、入口および出口配管接続部の形状および配置を変更することも可能である。
【0057】
図9bに示すように、マイクロチャネル25a、25bの幅W1、W2を各流体について別個に最適化することができ、これにより特に、サーモサイフォンの凝縮流体について圧力降下を非常に低く抑えることが可能になり、これによりひいては重力駆動流量が増加し、したがってラック内の電子機器を冷却しているサーモサイフォンの熱容量が向上する。特に、高温液体回路のチャネル25aは冷却回路のチャネル25bより大きな幅W1を有することができる。これらの利点のすべてが、3D印刷プロセスおよびここで提案されている形状によって可能になる。
【0058】
図9cは、その頂部または底部で頂点形状を備えた略矩形断面形状の高アスペクト比マイクロチャネル、または3D印刷プロセスを容易にする他の単純な形状変更を示している。マイクロチャネルの実際の高さおよび幅は熱流体コンピュータシミュレーションによって最適化することができる。
【0059】
サーモサイフォンでは、この熱交換器は、頂部に入る蒸発冷却流体が沸騰プロセスを経ている間に、底部に入る流体が凝縮プロセスを経ている場合にも採用することができる。サーモサイフォンからの廃熱回収、または何らかの他の同様のプロセスでは、熱交換器は、一方が加熱されて一方が冷却される、単相液体のみがこれを流れるというより広範な用途にも適用可能である。たとえば、熱交換器は、回収された熱を地域暖房ラインに廃棄するために採用することができる。蒸発流体流によって冷却されるサーモサイフォン凝縮器では、熱伝達を最適化して両流体の圧力降下を低減するそれぞれのマイクロチャネル幅の選択がここで可能である。
【0060】
さらに、単純な形状変更で、このユニット内に追加の第3または第4の流体流れ回路を追加して、第3または第4の流体が最初の2つの流体と混合されないより複雑な用途にすることができる。たとえば、サーモサイフォンが2つの異なる水の流体回路(たとえば一方が環境内での熱放散に行き、他方が廃熱回収に行く)によって冷却されれば、入口および出口ヘッダーに単純な変更を行って追加の入口および出口配管接続部を追加することによって、マイクロチャネルを通る左側および右側の流れに流れ回路を修正することによって、1つの単一の熱交換器がこれを処理することができる。
【0061】
3D印刷について、1つの利点は、印刷物をできるだけ軽量に製造して、材料投入、たとえば粉末を低減すること、および印刷時間を短縮し、したがってその製造コストを削減する能力である。サーモサイフォン凝縮器はラックサーモサイフォンシステムの最も高価な構成要素の1つであるため、その製造コストを削減することは有用である。サーモサイフォンラック冷却システム4のための現在の熱交換器26aは、隣接するチャネル間および層間の内部壁を非常に薄く(寸法およびアスペクト比の範囲は上で引用した)して製造することが可能である。熱交換器の壁と入口および出口配管接続部は機械応力解析に基づいて必要な厚さにより厚く作製されている。
【0062】
持続可能性の観点から、3D印刷にはその製造において1つの材料が要求されるのみであり、すなわち、はんだ、ろう付けまたは溶接材料、金属廃棄物または削りくず、および従来の製造プロセスの残留物を除去する洗浄液が要求されない。その製造プロセスの最後に3D印刷された物体の内側に残っている粉末は除去され、次の物体の3D印刷へとリサイクルされる。
【0063】
一変形例において、主凝縮器12は気液熱交換器26bのみを含むことができ、その液体回路はスタック冷却システムのライザーおよびダウンカマーに接続されている。
【0064】
主凝縮器12はしたがって、ライザー8bから流入する冷却液を受け取り、1つまたは複数の熱交換器26a、26bによって冷却されるダウンカマー8a内へ冷却液を出力する。
【0065】
気液熱交換器26bは、それが実装されている実施形態において、たとえば
図3に示すように、1つまたは複数の液液熱交換器26aから上昇してそこに戻る重力駆動のサーモサイフォン冷却剤を受け取ることができる。
【0066】
ライザー8bは、冷却流体が循環する内壁41によって分離された1つまたは複数のチャネル39(たとえば
図5に示すような)を有することができるライザーパイプ24を含む。好ましくは、ライザーパイプは、ユニット冷却システム6の表面16との熱交換面を広くするため、マルチチャネル構成と、個々のユニット冷却のスタックにわたって実質的に一定の輪郭、たとえば
図4a、
図4b、
図5に示すように、互いに反対側の主要面27を備えた実質的に平坦な断面と、を有する。ライザーパイプの外壁41は単一の一体的に形成された壁であってもよく、内壁41はこれとともに形成されて隣接するチャネル39を分離している。
【0067】
ライザーパイプ24内の内壁41により、ライザーパイプ内を流れる冷却流体との表面積および熱交換が増加する。
【0068】
ライザーは、ユニット冷却システム6からライザーパイプ24に熱を伝達するために熱界面結合部16を取り付けることができる単なるライザーパイプのセクションであり得る複数の蒸発器セクションを有する。
【0069】
ダウンカマー8aは、ライザーパイプと同じであっても異なっていてもよい形状を有することができ、複数のチャネルではなく単一のチャネルを含むこともできるダウンカマーパイプを含む。
【0070】
好ましい一実施形態において、ダウンカマーは個々のユニット冷却システム6に熱的に結合されず、冷却流体をライザー8bに供給するための戻りラインとして単に機能する。
【0071】
ライザーパイプは有利には、押し出し金属構造、たとえば押し出しアルミニウムを含むことができる。
【0072】
ライザーパイプは有利には、熱界面結合部16として機能するプレートをクランプするための互いに反対側の平坦な主要外面27を備えた実質的に矩形の形状を有することができる。ライザーパイプの矩形断面輪郭は好ましくは、長さLと幅Wとの比L/Wが3/1から30/1の範囲、好ましくは4/1から20/1の範囲にある。これらの比率により、構造の剛性、製造可能性、最小の流れ抵抗、およびユニット冷却システム6を取り付けるために利用可能な熱交換表面積の間の最適な妥協点が提供される。
【0073】
本発明の一態様によれば、ライザーパイプは有利には、複数の電子ユニット3にわたって、たとえばスタックの頂部から底部まで、実質的に線形の形状(一定の輪郭)を有することができ、ユニット冷却システム6を、特別な考慮なく、ライザーパイプに対して鉛直方向の任意の位置でそこに結合することができるようになっている。これにより、電子ユニット3のユニット冷却システム6の配置および結合に大きな柔軟性がもたらされ、メンテナンスおよび設置が容易になる。
【0074】
各ユニット冷却システム6は、LTSまたはPHP冷却システムとして構成された冷却剤またはあるいは複数の冷却剤が流れる流体流れ回路13を含む。LTSでは、流体流れ回路13は、スタック冷却システム4のライザー8bに熱的に結合された熱界面結合部16に入力として、および電子ユニット3の熱生成部品5、たとえばそのプロセッサに熱的に結合された熱界面結合部15に出力として接続されている蒸発器ライン(またはパイプ)14aを含む。流体流れ回路13はまた、スタック冷却システム4のライザー8bに熱的に結合された熱界面結合部16に出力として接続され、電子ユニット3の熱生成部品5に熱的に結合された熱界面結合部15に入力として接続されている凝縮器ライン(またはパイプ)14bを含む。各ユニット冷却システム6は、ここでは2つの熱生成部品で示されている、1つまたは複数の熱生成部品5に取り付けることができる。ハウジング7は、凝縮器熱界面結合部16の高さが蒸発器熱界面結合部15の上方にある限り、水平でも、他の一般的に使用される配向であってもよい。
【0075】
図2b、
図4bおよび
図6から
図6bに示す、PHPのための有利な一実施形態において、流体流れ回路は、PHP冷却のための蛇行回路を形成する複数のチャネル36を中に有する端片38を備えたマルチチャネルパイプ34を含む。マルチチャネルパイプ34の凝縮器端熱界面結合部16はライザー8bの主要面27に対してクランプされている。ユニット冷却システム6は、たとえば
図4bに示すように、ライザーパイプの反対側27にクランプされた熱界面結合部16を有する第2のマルチチャネルパイプ34を含むことができる。
図2bにおける2つのマルチチャネルパイプ34は、2つの熱生成部品5を凝縮器端熱界面結合部16からライザー8bの主要面27に接続するための単一のマルチチャネルパイプ34に置き換えることができる。電子ユニット内の熱生成部品に結合されたさらなる流体流れ回路パイプをユニット冷却システム6の一部として設けることができ、この場合、両パイプの凝縮器端熱界面結合部16を、ユニット冷却システム6の他の流体流れ回路の凝縮器セクションのすぐ上またはすぐ下のライザー8bにクランプすることができる。ハウジング7は水平でも、他の一般的に使用される配向であってもよい。
【0076】
スタックの主冷却システム4(スタック冷却システム4)とは別個の流体回路であるが、ライザー8bに沿ってこれに熱的に結合されている各電子ユニット3内のPHPまたはLTS冷却システムを使用すると、他の電子ユニットに干渉することなく、個々の電子ユニットを分離すること、およびマルチユニット電子装置スタック1および関連するスタック冷却システム4に結合することができる、非常に柔軟な構成が提供される。また、ユニット冷却システム6の1つの冷却回路における障害が単一の電子ユニットのみ影響するため、冷却システムの全体的な信頼性および安全性が向上する。
【0077】
個々の電子ユニットと電子ユニットのスタックの両方でPHPおよびLTS冷却回路を使用することにより、単位体積あたりの熱伝達が高出力であるが、柔軟性があり、設置が容易で信頼できる構成の非常にコンパクトな冷却構成が提供される。
【符号の説明】
【0078】
1 マルチユニット電子装置スタック(たとえばサーバラック)
3 電子ユニット(たとえばサーバ)
5 電子部品
7 ハウジング
2 冷却システム
4 スタック冷却システム
8 流体流れ回路
8a ダウンカマー
8b ライザー
24 ライザーパイプ/チューブ
39 チャネル
41 内部分離壁(リブ)
43 外壁
27 互いに反対側の主要面
16 ユニット熱界面結合部
12 主凝縮器
26a 液液熱交換器
29 熱交換器ブロック
30a 高温液体回路
25a チャネル
30b 低温液体回路
25b チャネル
35 分離壁
37 外壁
31a 入口(頭上気液熱交換器から)
31b 出口(頭上気液熱交換器へ)
26b (頭上)気液熱交換器
32 換気扇
33 頭上ループサーモサイフォン
6 ユニット冷却システム
13 流体流れ回路
14a 凝縮器ライン(パイプ)
14b 蒸発器ライン(パイプ)
34 PHP配管/チューブ
36 チャネル
38 端片
16 凝縮器端(ユニット)熱界面結合部
15 蒸発器端熱界面結合部
【手続補正書】
【提出日】2024-07-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の積み重ねられた電子ユニット(3)を含むマルチユニット電子装置スタック(1)のための冷却システムであって、前記冷却システムは、各電子ユニット内、各電子ユニット上または各電子ユニット間に組み込まれた複数のユニット冷却システム(6)を含み、各ユニット冷却システム(6)は、
脈動ヒートパイプ(PHP)であって、前記脈動ヒートパイプ(PHP)は、前記脈動ヒートパイプ(PHP)を形成するように蛇行形状に配置された複数のチャネル(36)を中に有するパイプ(34)を含み、前記チャネルは冷却流体を収容し、前記パイプ(34)は凝縮器端(16)と蒸発器端(15)との間に延在する、脈動ヒートパイプ(PHP)
として構成された1つまたは複数の流体流れ回路(13)を含み、
前記冷却システム(2)は、主凝縮器(12)と、ループサーモサイフォン(LTS)冷却システムとして構成されたダウンカマー(8a)およびライザー(8b)を含む流体流れ回路(8)と、を含むスタック冷却システム(4)をさらに含み、前記ライザーは、複数の積み重ねられた電子ユニット(3)にわたって鉛直に延在するライザーパイプ(24)を含み、前記ユニット冷却システム(6)のそれぞれは、前記ライザーパイプ(24)にクランプおよび熱的に結合された熱界面結合部(16)を含み、前記ユニット冷却システムの前記流体流れ回路(13)は前記スタック冷却システム(4)の前記流体流れ回路(8)から独立している、冷却システム。
【請求項2】
前記ライザーパイプは矩形の断面を含む、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項3】
前記ライザーパイプの断面は30/1から3/1の範囲にある長さLと幅Wとの比L/Wを有する、請求項2に記載の冷却システム。
【請求項4】
前記ライザーパイプは実質的に平坦な互いに反対側の面(27)を有し、前記熱界面結合部(16)は、前記ライザーパイプの前記平坦面に対してクランプするための平坦面を含む、請求項
2に記載の冷却システム。
【請求項5】
前記ライザーパイプ(24)は、前記冷却流体が循環する複数のチャネル(39)を含む、請求項
1に記載の冷却システム。
【請求項6】
前記ライザーパイプ(24)は、単一の外壁と、前記複数のチャネルの隣接するチャネル(39)を分離する前記外壁と一体的に形成された内壁(41)と、を含む、請求項5に記載の冷却システム。
【請求項7】
前記ユニット冷却システム(6)の前記流体流れ回路(13)は、前記電子ユニット(3)の熱生成電子部品(5)に対して熱的に結合するための主要面を有する蒸発器端(15)を含む、請求項
1に記載の冷却システム。
【請求項8】
前記ユニット冷却システムの前記パイプ(34)は、押し出し金属片、たとえば押し出しアルミニウム片で形成されている、請求項
1に記載の冷却システム。
【請求項9】
前記脈動ヒートパイプ(PHP)は、前記パイプ(34)の前記凝縮器端(16)および蒸発器端(15)を覆って組み立てられて前記凝縮器端(16)および蒸発器端(15)を閉じるキャップを形成する端片(38)を含む、請求項
1に記載の冷却システム。
【請求項10】
パイプ(34)は、前記凝縮器端(16)と前記蒸発器端(15)との間で連続的に延在し、前記凝縮器端を鉛直面に、および前記蒸発器端を水平面に配向させるように構成された中間ねじれ曲がり部を含む、請求項
1に記載の冷却システム。
【請求項11】
前記スタック冷却システム(4)の前記ダウンカマー(8a)は単一チャネルパイプを含む、請求項
1に記載の冷却システム。
【請求項12】
前記主凝縮器(12)は前記マルチユニット電子装置スタック(1)の頂部の上方に配置されている、請求項
1に記載の冷却システム。
【請求項13】
前記主凝縮器は気液熱交換器(26b)を含む、請求項
1に記載の冷却システム。
【請求項14】
前記主凝縮器は、前記スタック冷却システム(4)の前記冷却剤の流れ(8a)のためのチャネル(25a)と、たとえば気液熱交換器(26b)からの冷却液の流れのための、前記チャネル(25a)とは別個のチャネル(25b)と、を含む液液熱交換器(26a)を含み、前記チャネルは、前記別個のチャネル(25a、25b)の複数の交互の層を含む、請求項
1に記載の冷却システム。
【請求項15】
前記チャネル(25a、25b)は、高さHと幅Wとの比H/Wが1.5から15の範囲に、好ましくは2から5の範囲にある略矩形の形状を有する、請求項14に記載の冷却システム。
【請求項16】
前記液液熱交換器(26a)は単一の一体的に形成された3D印刷部品である、請求項1
4に記載の冷却システム。
【請求項17】
前記液液熱交換器(26a)は金属またはプラスチックまたはポリマー製である、請求項16に記載の冷却システム。
【請求項18】
前記ライザーパイプ(24)は、前記ライザーパイプ(24)に沿った任意の位置での前記ユニット冷却システムの熱界面結合部のクランプを可能にするように構成された前記複数の電子ユニットにわたって延在する一定の連続形状を含む、請求項
1に記載の冷却システム。
【請求項19】
複数の積み重ねられた電子ユニット(3)を含むマルチユニット電子装置スタック(1)のための冷却システムであって、前記冷却システムは、各電子ユニット内、各電子ユニット上または各電子ユニット間に組み込まれた複数のユニット冷却システム(6)を含み、各ユニット冷却システム(6)は、
冷却流体を収容する1つまたは複数のチャネル(36)を中に有するパイプ(34)を含む脈動ヒートパイプ(PHP)であって、前記パイプ(34)は凝縮器端(16)と蒸発器端(15)との間に延在する、脈動ヒートパイプ(PHP)、または
凝縮器端(16)と蒸発器端(15)との間に延在するパイプ(14a、14b)を含むサーモサイフォン(LTS)冷却システム、
として構成された1つまたは複数の流体流れ回路(13)を含み、
前記冷却システム(2)は、主凝縮器(12)と、ループサーモサイフォン(LTS)冷却システムとして構成されたダウンカマー(8a)およびライザー(8b)を含む流体流れ回路(8)と、を含むスタック冷却システム(4)をさらに含み、前記ライザーは、複数のチャネル(25)を含むライザーパイプ(24)を含み、前記ライザーパイプは、複数の積み重ねられた電子ユニット(3)にわたって鉛直に延在する実質的に一定の外形を有し、前記ユニット冷却システム(6)のそれぞれは、前記ライザーパイプ(24)に解放可能にクランプおよび熱的に結合されるように構成された熱界面結合部(16)を含み、前記ユニット冷却システムの前記流体流れ回路(13)は前記スタック冷却システム(4)の前記流体流れ回路(8)から独立している、冷却システム。
【請求項20】
前記ライザーパイプは矩形の断面を含む、請求項19に記載の冷却システム。
【請求項21】
前記ライザーパイプの断面は30/1から3/1の範囲にある長さLと幅Wとの比L/Wを有する、請求項20に記載の冷却システム。
【請求項22】
前記ライザーパイプは実質的に平坦な互いに反対側の面(27)を有し、前記熱界面結合部(16)は、前記ライザーパイプの前記平坦面に対してクランプするための平坦面を含む、請求項2
0に記載の冷却システム。
【請求項23】
前記ユニット冷却システム(6)は脈動ヒートパイプ(PHP)として構成され、前記PHPの前記パイプ(34)は、蛇行形状に配置された複数のチャネル(36)を含む、請求項
19に記載の冷却システム。
【請求項24】
前記PHPの前記パイプ(34)は、押し出し金属片、たとえば押し出しアルミニウム片で形成されている、請求項23に記載の冷却システム。
【請求項25】
前記ユニット冷却システム(6)の前記流体流れ回路(13)は、前記電子ユニット(3)の熱生成電子部品(5)に対して熱的に結合するための主要面を有する蒸発器端(15)を含む、請求項1
9に記載の冷却システム。
【請求項26】
前記スタック冷却システム(4)の前記ダウンカマー(8a)は単一チャネルパイプを含む、請求項1
9に記載の冷却システム。
【請求項27】
前記主凝縮器(12)は前記マルチユニット電子装置スタック(1)の頂部の上方に配置されている、請求項1
9に記載の冷却システム。
【請求項28】
前記主凝縮器は気液熱交換器(26b)を含む、請求項1
9に記載の冷却システム。
【請求項29】
前記主凝縮器は、前記スタック冷却システム(4)の前記冷却剤の流れ(8a)のためのチャネル(25a)と、たとえば気液熱交換器(26b)からの冷却液の流れのための、前記チャネル(25a)とは別個のチャネル(25b)と、を含む液液熱交換器(26a)を含み、前記チャネルは、前記別個のチャネル(25a、25b)の複数の交互の層を含む、請求項1
9に記載の冷却システム。
【請求項30】
前記チャネル(25a、25b)は、高さHと幅Wとの比H/Wが1.5から15の範囲に、好ましくは2から5の範囲にある略矩形の形状を有する、請求項29に記載の冷却システム。
【請求項31】
前記液液熱交換器(26a)は単一の一体的に形成された3D印刷部品である、請求項2
9に記載の冷却システム。
【請求項32】
前記液液熱交換器(26a)は金属またはプラスチックまたはポリマー製である、請求項31に記載の冷却システム。
【国際調査報告】