(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-22
(54)【発明の名称】摺動構成要素、組立体、並びにその形成方法及び使用方法
(51)【国際特許分類】
F16D 7/02 20060101AFI20241115BHJP
【FI】
F16D7/02 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533206
(86)(22)【出願日】2022-12-30
(85)【翻訳文提出日】2024-06-04
(86)【国際出願番号】 EP2022088089
(87)【国際公開番号】W WO2023126527
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508298237
【氏名又は名称】サン-ゴバン パフォーマンス プラスチックス パンプス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フルーゲ,ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ガベネール,アンドレ
(57)【要約】
【解決手段】 弾性変形が可能な少なくとも1つの低剛性突出部と、塑性変形が可能な少なくとも1つの高剛性突出部と、を含む側壁を含む摺動構成要素であって、低剛性突出部は、隣接する構成要素に接触するように適合された半径方向面を最内面又は最外面に含む、摺動構成要素。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
摺動構成要素であって、
弾性変形が可能な少なくとも1つの低剛性突出部と、塑性変形が可能な少なくとも1つの高剛性突出部と、を備える側壁を備え、前記低剛性突出部は、隣接する構成要素に接触するように適合された半径方向面を最内面又は最外面に備える、摺動構成要素。
【請求項2】
組立体であって、
外側構成要素であって、前記外側構成要素内にボアを含む、外側構成要素と、
前記ボア内に配設された内側構成要素と、
前記内側構成要素と前記外側構成要素との間に取り付けられた摺動構成要素と、
を備え、前記摺動構成要素は、
弾性変形が可能な少なくとも1つの低剛性突出部と、塑性変形が可能な少なくとも1つの高剛性突出部と、を備える側壁を備え、前記低剛性突出部は、前記外側構成要素又は前記内側構成要素のうちの少なくとも1つに接触する半径方向面を最内面又は最外面に備える、組立体。
【請求項3】
方法であって、
内側構成要素及び外側構成要素を提供することと、
前記内側構成要素と前記外側構成要素との間に摺動構成要素を位置決めすることであって、前記摺動構成要素は、
半径方向面を最内面又は最外面に備え、弾性変形が可能な少なくとも1つの低剛性突出部と、塑性変形が可能な少なくとも1つの高剛性突出部と、を備える側壁を備える、ことと、
前記低剛性突出部の前記半径方向面を前記内側構成要素又は前記外側構成要素のうちの少なくとも1つに接触させることと、
を含む、方法。
【請求項4】
前記低剛性突出部は、指状突出部を備える、請求項1、2、又は3のいずれか一項に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【請求項5】
前記高剛性突出部は、波状突出部を備える、請求項1、2、又は3のいずれか一項に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【請求項6】
前記側壁は、切欠き部を更に備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【請求項7】
各指状突出部は、前記側壁から半径方向外向きに延在する、請求項4又は6に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【請求項8】
各指状突出部は、前記側壁から半径方向内向きに延在する、請求項4、6、又は7に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【請求項9】
各波状突出部は、前記側壁から半径方向外向きに延在する、請求項5又は6に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【請求項10】
各波状突出部は、前記側壁から半径方向内向きに延在する、請求項5又は6に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【請求項11】
前記低剛性突出部は、複数の低剛性突出部を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【請求項12】
前記高剛性突出部は、複数の高剛性突出部を備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【請求項13】
前記高剛性突出部及び低剛性突出部は、前記側壁の周囲に交互に順序付けられる、請求項1~12のいずれか一項に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【請求項14】
前記高剛性突出部及び低剛性突出部は、前記側壁の周囲に同時に順序付けられる、請求項1~12のいずれか一項に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【請求項15】
前記高剛性突出部は、剛性K
highを有し、前記低剛性突出部は、剛性K
lowを有し、K
high>1.5K
lowである、請求項1~14のいずれか一項に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、組立体内の可動部品間に位置する摺動構成要素に関し、特に、摺動構成要素を使用する改良された方法及び組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
摺動構成要素は、シャフトを含むがこれに限定されない内側構成要素、及び筐体を含むがこれに限定されない外側構成要素などの相対的に移動する部品を含む摺動組立体内での移動を容易にする。シャフトは、筐体内に作成されたボア内で回転又は平行移動することができる。摺動構成要素の1つのタイプは、シャフトの外面とボアの内面との間の間隙に位置するバンドである。この摺動構成要素は、軸線方向及び回転方向の移動を容易にする。摺動構成要素はまた、車両用のヒンジ組立体に限定されないが、摺動組立体に使用することができる。
【0003】
従来の摺動構成要素構成では、内側構成要素と外側構成要素との間の締まり嵌めが求められる。構成要素間の締まり嵌めは、構成要素間の相対的な振動を低減するので望ましい。内側構成要素と外側構成要素との間のこれらの要求は、強力かつ実質的な接触を必要とし、摩擦力を増加させる。したがって、摺動力及びトルクの変動を最小限にするための改良された構成要素が求められている。更に、組立体内の構成要素の重量低減とともに、組立力、コスト、及び組立時間を低減することが望まれてる。したがって、摺動構成要素及びそれらを含む組立体の改良が引き続き関心の対象となっている。
【発明の概要】
【0004】
弾性変形が可能な少なくとも1つの低剛性突出部と、塑性変形が可能な少なくとも1つの高剛性突出部と、を含む側壁を含む摺動構成要素であって、低剛性突出部は、隣接する構成要素に接触するように適合された半径方向面を最内面又は最外面に含む、摺動構成要素。
【0005】
組立体であって、外側構成要素であって、外側構成要素内にボアを含む、外側構成要素と、ボア内に配設された内側構成要素と、内側構成要素と外側構成要素との間に取り付けられた摺動構成要素と、を含み、摺動構成要素は、弾性変形が可能な少なくとも1つの低剛性突出部と、塑性変形が可能な少なくとも1つの高剛性突出部と、を含む側壁を含み、低剛性突出部は、外側構成要素又は内側構成要素のうちの少なくとも1つに接触する半径方向面を最内面又は最外面に含む、組立体。
【0006】
方法であって、内側構成要素及び外側構成要素を提供することと、内側構成要素と外側構成要素との間に摺動構成要素を位置決めすることであって、摺動構成要素は、半径方向面を最内面又は最外面に含み、弾性変形が可能な少なくとも1つの低剛性突出部と、塑性変形が可能な少なくとも1つの高剛性突出部と、を含む側壁を含む、ことと、低剛性突出部の半径方向面を内側構成要素又は外側構成要素のうちの少なくとも1つに接触させることと、を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0007】
特徴及び利点が達成され、より詳細に理解され得るように、添付の図面に示される実施形態を参照することによって、より完全な説明を得ることができる。しかしながら、図面は、一部の実施形態のみを図示しており、したがって、範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【
図1A】
図1Aは、一部の実施形態による、摺動構成要素の上面斜視図を示す。
【
図1B】
図1Bは、一部の実施形態による、摺動構成要素の上面図を示す。
【
図1C】
図1Cは、一部の実施形態による、摺動構成要素の上面斜視図を示す。
【
図1D】
図1Dは、一部の実施形態による、摺動構成要素の上面図を示す。
【
図2】
図2は、一部の実施形態による、摺動構成要素を形成し得る複合材料の側面断面図を示す。
【
図3】
図3は、一部の実施形態による、低剛性突出部の側面断面図を示す。
【
図4】
図4は、一部の実施形態による、低剛性突出部の側面断面図を示す。
【
図5A】
図5Aは、一部の実施形態による、組立体内の摺動構成要素の側面断面図を示す。
【
図5B】
図5Bは、一部の実施形態による、組立体内の摺動構成要素の上面図を示す。
【0008】
異なる図面における同じ参照符号の使用は、同様の又は同一の部材を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図面と組み合わせた以下の説明は、本明細書に開示される教示の理解を補助するために提供される。以下の考察は、教示の特定の実施態様及び実施形態に焦点を当てている。この焦点は、教示を説明するのを助けるために提供されており、教示の範囲又は適用性に関する限定として解釈されるべきではない。しかしながら、本出願に開示される教示に基づいて他の実施形態を使用することができる。
【0011】
「備える、含む(comprises)」、「備える、含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」という用語、又はそれらの任意の他の変形は、非排他的包含を網羅することを意図している。例えば、特徴のリストを含む方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されるものではないが、明示的に列挙されていない他の特徴、又はそのような方法、物品、若しくは装置に固有の他の特徴を含み得る。更に、矛盾する記載がない限り、「又は(or)」は、包含的なorを指し、排他的なorを指すのではない。例えば、条件A又はBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(又は存在し)、Bが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在せず)、Bが真である(又は存在する)、及び、AとBとの両方が真である(又は存在する)。
【0012】
また、「a」又は「an」の使用は、本明細書に記載の要素及び構成要素を説明するために用いられる。これは、単に便宜上、及び本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行われる。この説明は、そうでないことを意味することが明らかでない限り、1つ、少なくとも1つ、又は単数形が複数形も含むものとして、又はその逆として理解されるべきである。例えば、単一の物品が本明細書に記載されている場合、単一の物品の代わりに2つ以上の物品を使用してもよい。同様に、2つ以上の物品が本明細書に記載されている場合、その2つ以上の物品を、単一の物品に置き換えてもよい。また、「約」又は「実質的に」の使用は、本発明の範囲から逸脱しない任意の値又は関係を説明する空間的又は数値的関係を伝えるために使用される。
【0013】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。材料、方法、及び実施例は、例解的であるに過ぎず、限定的であることを意図しない。本明細書に記載されていない範囲で、特定の材料及び処理行為に関する多くの詳細は、従来通りであり、摺動構成要素組立体及び摺動構成要素技術の範囲内の教科書及び他の情報源に見出すことができる。
【0014】
図1Aは、一部の実施形態による摺動構成要素100の上面斜視図を示している。一実施形態では、摺動構成要素100は、中心軸600を中心としてリング状(実質的に環状)の形状に湾曲され得る複合材料102を含み得る。摺動構成要素100は、側壁103を含み得る。摺動構成要素100又は側壁103は、第1の軸線方向端部115及び第2の軸線方向端部117を有し得る。一実施形態では、摺動構成要素100又は側壁103は、内側側壁103a及び外側側壁103bを含み得る。側壁103は、軸線方向縁部105を有し得る。一部の実施形態では、側壁103は、第1の軸線方向縁部105a及び第2の軸線方向縁部105bを有し得る。一実施形態では、側壁103の周方向端部は、交わることができず(例えば、分割リングとして形成することができ)、それによって側壁103の円周に隣接して軸線方向間隙106が残る。他の実施形態では、側壁103は、端部が互いに重なり合うように湾曲していてもよい。更に別の実施形態では、側壁103は、連続した切れ目のないリングであってもよい。一実施形態では、内側側壁103aは内面を含み得る。一実施形態では、外側側壁103bは、外面を含み得る。
【0015】
図1Bは、一部の実施形態による摺動構成要素100の上面図を示している。一実施形態において、摺動構成要素100は、平面パネルであり得る複合材料102を含み得る。摺動構成要素100は、側壁103を含み得る。摺動構成要素100又は側壁103は、第1の軸線方向端部115及び第2の軸線方向端部117を有し得る。一実施形態では、摺動構成要素100又は側壁103は、内側側壁103a及び外側側壁103bを含み得る。側壁103は、軸線方向縁部105を有し得る。一部の実施形態では、側壁103は、第1の軸線方向縁部105a及び第2の軸線方向縁部105bを有し得る。一実施形態では、内側側壁103aは内面を含み得る。一実施形態では、外側側壁103bは、外面を含み得る。
【0016】
図2は、一部の実施形態による、摺動構成要素200を形成し得る複合材料202の側面断面図を示している。一実施形態では、摺動構成要素100は、摺動構成要素100の技術分野で概して使用される任意の材料を含み得る。摺動構成要素100は、軸線方向及び長手方向の力に耐えるのに十分な剛性を有する任意の適切な材料を含み得る。特定の実施形態では、摺動構成要素100は、射出成形ポリマーを含み得る。別の実施形態では、摺動構成要素100は、機械加工プロセスを通して形成される金属又は合金(限定ではないが、アルミニウム、亜鉛、銅、マグネシウム、スズ、白金、チタン、タングステン、鉛、鉄、青銅、鋼、ばね鋼、ステンレス鋼など)を含み得る。更に別の実施形態では、摺動構成要素100は、セラミック又は任意の他の好適な材料を含み得る。摺動構成要素100は、溶接、接着剤、締結具、螺合、又は任意の他の好適な締結手段によってともに継合される、単一部品、2つの部品、又は複数の部品から形成され得る。
【0017】
一実施形態では、
図2に示すように、摺動構成要素200は複合材料202を含み得る。例えば、摺動構成要素200は、基板219及び摺動層204を含み得る。摺動層204は、基板219の少なくとも一部に結合され得る。更なる実施形態では、摺動層204は、側壁の主要表面全体、例えば、側壁の半径方向内側又は半径方向外面に結合され得る。特定の実施形態では、摺動層204は、内側構成要素506又は外側構成要素502のうちの少なくとも1つと低摩擦界面を形成するように、基板219の半径方向内面に結合され得る。
【0018】
一実施形態において、基板219は、少なくとも部分的に金属を含み得る。金属は、アルミニウム、亜鉛、銅、マグネシウム、スズ、白金、チタン、タングステン、鉛、鉄、青銅、それらの合金を含んでもよく、又は別のタイプであってもよい。より具体的には、基板は、ステンレス鋼又はばね鋼などの鋼を少なくとも部分的に含み得る。例えば、基板は、301ステンレス鋼を少なくとも部分的に含み得る。301ステンレス鋼は、焼きなまし、1/4硬質、1/2硬質、3/4硬質、又は完全硬質であってもよい。基板219は、織物メッシュ又はエキスパンドメタルグリッド(例えば、ストレッチメタル)を含んでもよい。代替的な実施形態では、基板219は、メッシュ又はグリッドを含まなくてもよい。
【0019】
一実施形態では、摺動層204は、例えば、ポリケトン、ポリアラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリアミドイミド、超高分子量ポリエチレン、フルオロポリマー、ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール、又はそれらの任意の組み合わせなどのポリマーを含む材料を含み得る。摺動層204は、低摩擦材料を含み得る。一例では、摺動層204は、ポリケトン、ポリアラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン、フルオロポリマー、ポリベンゾイミダゾール、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせを含む。特定の例では、摺動層は、ポリケトン、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドイミド、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせなどのポリマーを含む。更なる例では、摺動層は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトン、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせなどのポリケトンを含む。更なる例では、摺動層は、超高分子量ポリエチレンであってもよい。例示的なフルオロポリマーとしては、フッ素化エチレンプロピレン(FEP:fluorinated ethylene propylene)、PTFE、ポリフッ化ビニリデン(PVDF:polyvinylidene fluoride)、ペルフルオロアルコキシ(PFA:perfluoroalkoxy)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、及びフッ化ビニリデン(THV:tetrafluoroethylene, hexafluoropropylene, and vinylidene fluoride)のターポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE:polychlorotrifluoroethylene)、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE:ethylene tetrafluoroethylene)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE:ethylene chlorotrifluoroethylene)、芳香族ポリエステル、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。特定の実施形態によれば、フルオロポリマーが使用されてもよい。
【0020】
一実施形態では、摺動層204は、ガラス繊維、炭素繊維、シリコン、グラファイト、PEEK、二硫化モリブデン、芳香族ポリエステル、カーボン粒子、青銅、フルオロポリマー、熱可塑性プラスチック充填剤、炭化珪素、酸化アルミニウム、ポリアミドイミド(PAI:polyamidimide)、PPS、ポリフェニレンスルホン(PPSO2:polyphenylene sulfone)、液晶ポリマー(LCP:liquid crystal polymer)、芳香族ポリエステル(Econol)、並びに珪灰石及び硫化バリウムなどの鉱物粒子、又はそれらの任意の組み合わせを含む充填剤を更に含み得る。充填剤は、ビーズ、繊維、粉末、メッシュ、又はそれらの任意の組み合わせの形態であり得る。
【0021】
任意選択で、摺動構成要素200は、フルオロポリマー、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテル/ポリアミドコポリマー、エチレン酢酸ビニル、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ETFEコポリマー、ペルフルオロアルコキシ(PFA)、又はそれらの任意の組み合わせを含むがそれらに限定されない、摺動構成要素の技術分野で一般的な任意の知られている接着材料を含むことができる少なくとも1つの接着層221を含み得る。別の代替的な実施形態では、基板219は、固体構成要素、織物メッシュ、又はエキスパンドメタルグリッドとして、摩擦材料204と基板219との間に含まれる少なくとも1つの接着層221の間に埋め込まれてもよい。
【0022】
任意選択で、基板219は、処理前に耐負荷基板の腐食を防止するために、一時的な腐食保護層204及び205でコーティングされてもよい。更に、一時的な腐食保護層208を層204上に適用することができる。層204、205、及び208の各々は、約7~15ミクロンなど、約1~50ミクロンの厚さを有し得る。層204及び205は、亜鉛、鉄、マンガン、若しくはそれらの任意の組み合わせのリン酸塩、又はナノセラミック層を含み得る。更に、層704及び705は、アルミニウム、亜鉛、鉄、マンガンのリン酸塩、又はそれらの任意の組み合わせ、ナノセラミック層、官能性シラン、ナノスケールのシラン系プライマー、加水分解シラン、オルガノシラン接着促進剤、溶媒/水系シランプライマー、塩素化ポリオレフィン、不動態化表面、市販の亜鉛(機械的/ガルバニック)又は亜鉛-ニッケルコーティング、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。層208は、官能性シラン、ナノスケールのシラン系プライマー、加水分解されたシラン、オルガノシラン接着促進剤、溶媒/水系シランプライマーを含み得る。一時的な腐食保護層204、206、及び208は、処理中に除去又は保持することができる。
【0023】
任意選択で、摺動構成要素200は、耐食性コーティング225を更に含み得る。耐食性コーティング225は、約1~50ミクロン、例えば約5~20ミクロン、例えば約7~15ミクロンの厚さを有し得る。耐食性コーティングは、腐食保護層227及びエポキシ封止層229を含み得る。腐食保護層227は、亜鉛、鉄、マンガン、スズ、若しくはそれらの任意の組み合わせのリン酸塩、又はナノセラミック層を含み得る。腐食保護層227は、アルミニウム、亜鉛、鉄、マンガンのリン酸塩、又はそれらの任意の組み合わせ、ナノセラミック層、官能性シラン、ナノスケールのシラン系層、加水分解シラン、オルガノシラン接着促進剤、溶媒/水系シランプライマー、塩素化ポリオレフィン、不動態化表面、市販の亜鉛(機械的/ガルバニック)又は亜鉛-ニッケルコーティング、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。エポキシ封止層229は、熱硬化エポキシ、UV硬化エポキシ、IR硬化エポキシ、電子ビーム硬化エポキシ、放射線硬化エポキシ、又は空気硬化エポキシであり得る。更に、エポキシ樹脂は、ポリグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、ビスフェノールA、ビスフェノールF、オキシラン、オキサシクロプロパン、エチレンオキシド、1,2-エポキシプロパン、2-メチルオキシラン、9,10-エポキシ-9,10-ジヒドロアントラセン、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。エポキシ樹脂層229は、硬化剤を更に含み得る。硬化剤としては、アミン、酸無水物、フェノールノボラック硬化剤、例えばフェノールノボラックポリ[N-(4-ヒドロキシフェニル)マレイミド](PHPMI)、レゾールフェノールホルムアルデヒド、脂肪族アミン化合物、ポリカルボン酸無水物、ポリアクリレート、イソシアネート、カプセル化ポリイソシアネート、三フッ化ホウ素アミン錯体、クロム系硬化剤、ポリアミド、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられ得る。一般に、酸無水物は、式R-C=O-O-C=O-R’(式中、Rは、上記のようなCXHYXZAUであり得る)に従うことができる。アミンとしては、モノエチルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの脂肪族アミン、脂環式アミン、環状脂肪族アミン、シクロ脂肪族アミンなどの芳香族アミン、アミドアミン、ポリアミド、ジシアンジアミド、イミダゾール誘導体など、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられ得る。
【0024】
一実施形態では、側壁203は、0.1mm~25mmの範囲の厚さTSWを有し得る。より特定の実施形態では、側壁203は、0.1mm~1mmの範囲、0.2mm~1mmの範囲、0.25mm~1mmの範囲、0.3mm~1mmの範囲、0.35mm~1mmの範囲、0.4mm~1mmの範囲、0.45mm~1mmの範囲、0.5mm~1mmの範囲、0.55mm~1mmの範囲、0.6mm~1mmの範囲、0.65mm~1mmの範囲、0.7mm~1mmの範囲、0.75mm~1mmの範囲、0.8mm~1mmの範囲、0.85mm~1mmの範囲、0.9mm~1mmの範囲、更には0.95mm~1mmの範囲の厚さTSWを有し得る。別の実施形態では、厚さTSWは、0.2mm~0.95mmの範囲、例えば0.2mm~0.9mmの範囲、0.2mm~0.85mmの範囲、0.2mm~0.8mmの範囲、0.2mm~0.75mmの範囲、0.2mm~0.7mmの範囲、0.2mm~0.65mmの範囲、0.2mm~0.6mmの範囲、0.2mm~0.55mmの範囲、0.2mm~0.5mmの範囲、0.2mm~0.45mmの範囲、0.2mm~0.4mmの範囲、0.2mm~0.35mmの範囲、0.2mm~0.3mmの範囲、あるいは0.2mm~0.25mmの範囲であり得る。より特定の実施形態では、側壁103は、0.35mm~0.65mmの厚さTSWを有し得る。更に、厚さTSWは、上記の最小値と最大値の間の任意の値であり得ることが理解されるであろう。厚さTSWは均一であってもよく、すなわち、側壁103の第1の位置における厚さは、それに沿った第2の位置における厚さに等しくなり得る。厚さTSWは均一であってもよく、すなわち、側壁103の第1の位置における厚さは、それに沿った第2の位置における厚さとは異なり得る。
【0025】
一実施形態では、基板219は、約10ミクロン~約1500ミクロン、例えば、約50ミクロン~約1000ミクロン、例えば、約100ミクロン~約750ミクロン、例えば、約350ミクロン~約650ミクロンの厚さTsを有し得る。一部の実施形態では、基板219は、約700~800ミクロンの厚さTsを有し得る。一部の実施形態では、基板219は、約950~1050ミクロンの厚さTsを有し得る。基板219の厚さTsは、上述の任意の最小値と最大値との間の任意の値であり得ることが更に理解されよう。基板219の厚さは均一であってもよく、すなわち、基板219の第1の位置における厚さは、それに沿った第2の位置における厚さに等しくなり得る。基板219の厚さは、不均一であってもよく、すなわち、基板219の第1の位置における厚さは、それに沿った第2の位置における厚さとは異なり得る。
【0026】
一実施形態では、摺動層204は、約1ミクロン~約500ミクロン、例えば約10ミクロン~約350ミクロン、例えば約30ミクロン~約300ミクロン、例えば約40ミクロン~約250ミクロンの厚さTSLを有し得る。一部の実施形態では、摺動層204は、約50~300ミクロンの厚さTSLを有し得る。摺動層204の厚さTSLは、上述の任意の最小値と最大値との間の任意の値であってもよいことが更に理解されるであろう。摺動層204の厚さは均一であってもよく、すなわち、摺動層204の第1の位置における厚さは、それに沿った第2の位置における厚さに等しくなり得る。摺動層204の厚さは、不均一であってもよく、すなわち、摺動層204の第1の位置における厚さは、それに沿った第2の位置における厚さとは異なり得る。異なる摺動層204は、異なる厚さを有し得ることが理解され得る。摺動層204は、図示されているように、基板219の一方の主表面の上にあってもよく、両方の主表面の上にあってもよい。基板219は、摺動層204によって少なくとも部分的に封入されてもよい。すなわち、摺動層204は、基板219の少なくとも一部を覆うことができる。一部の実施形態では、摺動層204は、基板219の半径方向の内面及び外面のうちの少なくとも1つが摺動層219内に位置し得るように、基板219を封入してもよい。基板219の軸線方向表面は、摺動層204から露出していてもよい。封入工程は、シート中の開口部を通してカレンダー加工又はラミネート加工することによって実施されてもよい。シートは、半径方向の内面及び外面を有する基板219に形成されてもよい。
【0027】
一部の特定の実施形態では、摺動構成要素200は、ばね鋼(例えば、冷間圧延ステンレス鋼)から形成されてもよく、そこに積層された摺動層104を有してもよい。例えば、ステンレス鋼は、0.1~0.7mm厚であってもよく、低摩擦は、約0.05~0.50mm厚の範囲内(例えば、0.25mm)であってもよく、摺動構成要素200がその円形又は平面形状に形成され得る前に、鋼に接合されてもよい。
【0028】
一実施形態では、側壁103の厚さは均一であってもよく、すなわち、側壁103の第1の位置における厚さは、それに沿った第2の位置における厚さに等しくなり得る。別の実施形態では、側壁103の厚さは、変化してもよく、すなわち、側壁103の第1の位置における厚さは、それに沿った第2の位置における厚さと異なってもよい。
【0029】
一実施形態では、
図1Aを参照すると、摺動構成要素100は、少なくとも1mm、少なくとも5mm、少なくとも10mm、少なくとも15mm、少なくとも20mm、少なくとも30mm、少なくとも40mmの半径R
Tを有し得る。半径R
Tは、5mm以下、10mm以下、15mm以下、20mm以下、30mm以下、40mm以下、又は50mm以下であり得る。一実施形態では、摺動構成要素100は、軸線方向端部115、117の間で測定した、5mm以下、10mm以下、15mm以下、20mm以下、30mm以下、40mm以下、又は50mm以下の軸線方向長さL
Tを有し得る。摺動構成要素100は、軸線方向端部115、117の間で測定した、少なくとも5mm、少なくとも10mm、少なくとも15mm、少なくとも20mm、少なくとも30mm、少なくとも40mm、又は少なくとも50mmの軸線方向長さL
Tを有し得る。半径R
Tは、軸線方向長さL
Tに沿って変化してもよい。
【0030】
図1A~
図1Bに戻って参照すると、一部の実施形態では、少なくとも1つの突出部120は、摺動構成要素100に少なくとも部分的に結合され得る。一実施形態では、突出部120は、摺動構成要素100に形成されてもよい。突出部120は、側壁103と一体であってもよく、すなわち、突出部120は、側壁103と単一構造を有してもよい。別の特定の実施形態では、突出部120のうちの少なくとも1つは、側壁103に取り付けられた別個の構成要素を含み得る。例えば、別個の構成要素は、接着剤、溶接、圧着、又は当技術分野で認識可能な任意の他の好適なプロセスによって、側壁103に取り付けられてもよい。一実施形態では、突出部120は、摺動構成要素103の側壁103の軸線方向縁部115、117の軸線方向内向きに位置することができる。一実施形態では、少なくとも1つの突出部120は、側壁103から半径方向外向きに延在することができる。一実施形態では、少なくとも1つの突出部120が、側壁103から半径方向内向きに延在することができる。更に他の実施形態では、少なくとも1つの突出部120は、特定の状況に応じて、半径方向内向き又は外向きに延在することができる。
【0031】
一実施形態では、各突出部120は、周方向に測定した場合の横幅と比較した軸線方向の縦幅によって測定した場合のアスペクト比を画定することができる。一実施形態では、突出部120のうちの少なくとも1つは、少なくとも1.1:1、例えば、少なくとも1.5:1、少なくとも2:1、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、又は更には少なくとも10:1のアスペクト比を有し得る。一実施形態では、アスペクト比は、100:1以下、例えば50:1以下、又は更には25:1以下であり得る。
【0032】
突出部120は、例えば、打ち抜き加工、プレス加工、又は切削加工などのプロセスによって形成することができる。一実施形態では、突出部120のうちの少なくとも1つは、側壁103の形成前、例えば、側壁103を形成するために平坦なシートを巻き付ける前に形成されてもよい。一実施形態では、突出部120のうちの少なくとも1つは、側壁103の形成後、例えば、平坦なシートを巻いて側壁103を形成した後に形成されてもよい。一部の実施形態では、摺動構成要素100は、(側壁103を形成する)弾性材料の平坦なストリップから形成されてもよい。ストリップがその湾曲形状に曲げられる前に、かつ突出部120が形成され得る前に、摺動層がその一方の表面上に積層されてもよい。他の実施形態では、摺動層は、平坦なストリップの両面上に積層されてもよい。摺動層が平坦なストリップに取り付けられた後、得られた層構造は、突出部120を形成するために打ち抜き加工(例えば、適切に成形された金型を使用してプレスされる、回転波成形など)されてもよい。したがって、突出部120の少なくとも1つは、弾性材料のストリップ及び摺動層の両方から形成されてもよい。摺動層の材料は、この打ち抜き加工ステップを容易にするために可撓性であるように選択されてもよい。摺動層は、内側側壁103a又は外側側壁103bにおいて、側壁103の半径方向外側又は半径方向内向きにあってもよい。すなわち、一実施形態では、内側側壁103aの内面は、側壁103の形状に適合する低摩擦層204を有し得る。一実施形態では、外側側壁103bの外面は、側壁103の形状に適合する低摩擦層204を有し得る。
【0033】
突出部120が形成された後、層状構造は、
図1Aに示されるリング状構成に湾曲されてもよく、又は
図1Bに示されるように平面のままであってもよい。
【0034】
一実施形態では、突出部120のうちの少なくとも2つは、互いと比較して同じ幾何学的形状又はサイズを有する。更なる実施形態では、突出部120の全ては、互いに比較して同じ幾何学的形状又はサイズを有し得る。別の実施形態では、突出部120のうちの少なくとも2つは、互いと比較して異なる幾何学的形状又はサイズを有し得る。更なる実施形態では、突出部120の全ては、互いと比較して、異なる幾何学的形状又はサイズを有し得る。
【0035】
一実施形態では、複数の突出部120は、側壁103の周りで周方向に離間することができる。より特定の実施形態では、複数の突出部120の各々は、側壁103の円周の周りで測定されたときに等しい距離だけ互いから離間することができる。
【0036】
一実施形態では、複数の突出部120は、少なくとも2つの周方向に延在する列に配設され得る。特定の実施形態では、複数の突出部120は、少なくとも4つの周方向に延在する列、少なくとも5つの周方向に延在する列、又は更に少なくとも6つの周方向に延在する列など、少なくとも3つの周方向に延在する列に配設され得る。別の実施形態では、複数の突出部120は、25個以下の周方向に延在する列、例えば、15個以下の周方向に延在する列、10個以下の周方向に延在する列、又は更に7個以下の周方向に延在する列に配設され得る。
【0037】
一実施形態では、突出部120は、側壁103から異なる方向に延在することができる。より具体的な実施形態では、突出部120は、内側側壁103a及び外側側壁103bから反対の半径方向に延在することができる。より特定の実施形態では、突出部120は、反対方向に延在することができる。
【0038】
一実施形態では、突出部120はそれぞれ、軸線方向二等分線を画定することができる。一実施形態では、少なくとも2つの突出部120の軸線方向二等分線は、平行に配向されてもよく、すなわち、少なくとも2つの突出部120は、互いに平行に配向され得る。より具体的な実施形態では、突出部120の全ては、互いに対して平行に配向され得る。
【0039】
一実施形態では、突出部120は、摺動構成要素100の周方向に測定したときに、側壁103の曲率半径とは異なり得る曲率半径を有し得る。より特定の実施形態では、突出部120は、側壁103と比較して、より大きい曲率半径を有してもよい。この点に関して、突出部120は、側壁103よりも平坦に見える場合がある。
【0040】
一実施形態では、突出部120のうちの少なくとも1つの平均厚さは、側壁103の厚さにほぼ等しくすることができる。例えば、少なくとも1つの突出部120の平均厚さは、側壁103の厚さの10%以内であってもよい。別の実施形態では、突出部120のうちの少なくとも1つの平均厚さは、側壁103の厚さと異なってもよく、すなわち、突出部120の平均厚さは、側壁103の厚さと10%超異なってもよい。
【0041】
一実施形態では、突出部120のうちの少なくとも1つの平均厚さは、側壁103の厚さにほぼ等しくすることができる。例えば、少なくとも1つの突出部120の平均厚さは、側壁103の厚さの10%以内であってもよい。別の実施形態では、突出部120のうちの少なくとも1つの平均厚さは、側壁103の厚さと異なってもよく、すなわち、突出部120の平均厚さは、側壁103の厚さと10%超異なってもよい。一部の実施形態では、少なくとも1つの突出部120は、約2~約250GPaのヤング率を有し得る。突出部120は、基板219、摺動層204、又は上記で開示される層のうちのいずれかを含み得る。
【0042】
図1A~
図1Bを更に参照すると、一部の実施形態では、摺動構成要素100は、側壁103に少なくとも部分的に結合された複数の突出部120を含み得る。複数の突出部120は、第1の突出部120a及び第2の突出部120bを含み得る。第1の突出部120aは、以下で詳細に説明されるように、塑性変形が可能であると定義される高剛性突出部であってもよい。第2の突出部120bは、以下で詳細に説明するように、弾性変形が可能であると定義される低剛性突出部であってもよい。一実施形態では、突出部120a、120bのうちの少なくとも2つは、互いから離れて半径方向に延在することができる。一実施形態では、突出部120a、120bのうちの少なくとも2つは、同じ半径方向に延在することができる。一実施形態では、高剛性突出部及び低剛性突出部のうちの少なくとも2つは、側壁の周囲に交互に順序付けられてもよい。一実施形態では、高剛性突出部及び低剛性突出部のうちの少なくとも2つは、側壁の周囲に同時に順序付けられてもよい。
【0043】
一部の実施形態では、少なくとも1つの高剛性突出部120aは、波状突出部であってもよい。一実施形態では、高剛性突出部120bのうちの少なくとも1つは、摺動構成要素100の外面から半径方向外向きに延在することができる。一実施形態では、高剛性突出部120bのうちの少なくとも1つは、摺動構成要素100の外面から半径方向内向きに延在することができる。一実施形態では、側壁103は、高剛性突出部120bの各軸線方向端部に平坦な周方向に延在するリム109を含み得る。一部の実施形態では、リム109a、109bは、摺動構成要素100の側壁103の各軸線方向端部105、107に存在してもよい。一実施形態では、高剛性突出部120aは、リム109と連続して形成され得る摺動構成要素100の非形成セクション110によって、その隣接する高剛性突出部120aから分離され得る。一部の実施形態では、高剛性突出部120a及び非形成セクション110の数は、摺動構成要素100の用途に応じて変動してもよい。特定の実施形態では、隣接する突出部120間に非形成セクション110が存在しなくてもよい。より特定の実施形態では、
図1Bに示すように、ボア150が、隣接する突出部120間に形成されてもよい。
【0044】
高剛性突出部120bは、従来の摺動構成要素上で使用される波形に形状が類似し得る、軸線方向に細長いアーチ又は隆起123を含んでもよい。高剛性突出部120aの裏側は、摺動構成要素100の側壁103の窪み145を示すことができる。各隆起のピークは、丸みを帯びてもよく、各隆起の軸線方向端部は、テーパ状肩部111で終端してもよい。一部の実施形態では、高剛性突出部120bは、ボア150及び/又は隣接する突出部120に軸線方向に隣接して配設され得る。一実施形態では、高剛性突出部120bは、ボア150及び/又は隣接する突出部120に周方向に隣接して配設され得る。一実施形態では、高剛性突出部120bは、肩部なしとすることができる。
【0045】
一部の実施形態では、側壁103は更に、隣接する突出部間のボア又は孔である、切欠き部を含んでもよい。切欠き部125は、円形、直線、弓形、多角形、楕円形、半円形、長円形を含むがこれらに限定されない任意の断面形状を有してもよく、又は別のタイプであってもよい。
【0046】
一部の実施形態では、少なくとも1つの低剛性突出部120bは、指状突出部であってもよい。一実施形態では、指状突出部120bのうちの少なくとも1つは、摺動構成要素100の外面から半径方向外向きに延在することができる。一実施形態では、指状突出部120bのうちの少なくとも1つは、摺動構成要素100の外面から半径方向内向きに延在することができる。
図1A~
図1Bを再び参照すると、一実施形態では、低剛性突出部120aのうちの少なくとも1つは、その第1の側部(破線157で示される)に沿って側壁103に結合され得る。一実施形態では、少なくとも1つの低剛性突出部120bは、残りの側部に沿って側壁103から連続的に断絶され得る。例えば、少なくとも1つの低剛性突出部120bは、(第1の側部157の反対側の)第3の側部全体と、(それぞれが第1の側部と第3の側部との間に延在する)反対側の第2の側部及び第4の側部の少なくとも一部とから連続的に断絶され得る。これにより、側壁103にボア150を形成することができる。本明細書で使用される場合、「連続的に断絶された」は、少なくとも1つの低剛性突出部120bと側壁103との間の単一の断絶又は間隙を指す。このようにして、少なくとも1つの低剛性突出部120bは、一方の側部のみに沿って側壁103に取り付けることができる。
【0047】
代替的に、
図1Cは、一部の実施形態による摺動構成要素100の上面斜視図を示し、
図1Dは、一部の実施形態による摺動構成要素100の上面図を示している。
図1C~
図1Dに示すように、少なくとも1つの低剛性突出部120bは、リブ突出部であってもよい。一実施形態では、リブ突出部120bのうちの少なくとも1つは、摺動構成要素100の外面から半径方向外向きに延在することができる。一実施形態では、リブ突出部120bのうちの少なくとも1つは、摺動構成要素100の外面から半径方向内向きに延在することができる。
図1A~
図1Bを再び参照すると、一実施形態では、低剛性突出部120aのうちの少なくとも1つは、その第1の側部(破線157で示される)及び第3の側部(第1の側部157の反対側)に沿って側壁103に結合され、対向する第2及び第4の側部(各々が第1の側部と第3の側部との間に延在する)の少なくとも一部に沿って側壁103から連続的に断絶され得る。これにより、側壁103にボア150を形成することができる。本明細書で使用される場合、「連続的に断絶された」は、少なくとも1つの低剛性突出部120bと側壁103との間の単一の断絶又は間隙を指す。
図3は、一部の実施形態による、低剛性突出部の側面断面図を示している。一実施形態では、
図3に示すように、低剛性突出部320bのうちの少なくとも1つは、弓形の輪郭を有し得る。低剛性突出部320bの少なくとも1つは、少なくとも1つの概ね弓形の縁部を含み得る。別の実施形態では、低剛性突出部320bの少なくとも1つは、多角形の輪郭を有し得る。別の実施形態では、低剛性突出部320bの少なくとも1つは、少なくとも1つの多角形の角度を含み得る。例えば、突出部320bは、側壁303から延長された三角形又は四角形の形状を有し得る。更に別の実施形態では、低剛性突出部320bのうちの少なくとも1つは、弓形部分及び多角形部分を有し得る。
【0048】
一実施形態では、
図3に示すように、低剛性突出部320bのうちの少なくとも1つは、半径方向最内面316と、半径方向最内面316を側壁303に接続するブリッジ部分318とを画定することができる。一実施形態では、低剛性突出部320bのうちの少なくとも1つは、摺動構成要素300の側壁303の側部上のボア350の一部を充填することができる。ブリッジ部分318の最良適合線は、中心軸600に対して傾斜することができる。ブリッジ部分318は、組み立てられていない状態又は無負荷状態で測定されるように、側壁303に対して角度324を形成することができる。非限定的な実施形態として、無負荷状態におけるブリッジ部分318と側壁303との間の角度324は、少なくとも2°、例えば、少なくとも3°、少なくとも4°、少なくとも5°、又は更に少なくとも10°であり得る。別の実施形態では、角度724は、45°以下、例えば、40°以下、35°以下、30°以下、25°以下、又は更には20°以下であり得る。一実施形態では、低剛性突出部320bの少なくとも1つは、側壁303の直径よりも小さい直径を有することができる半径方向最内面316を有し得る。一部の実施形態では、突出部半径方向最内面316は、直径D
IMを有してもよく、側壁は、直径D
Sを有してもよく、ここで、D
IM≦D
Sであり、例えば、D
IM≦0.95D
S、D
IM≦0.9D
S、D
IM≦0.85D
S、D
IM≦0.8D
S、D
IM≦0.75D
S、D
IM≦0.7D
S、D
IM≦0.65D
S、D
IM≦0.6D
S、D
IM≦0.55D
S、D
IM≦0.5D
S、D
IM≦0.4D
S、D
IM≦0.2D
S、又はD
IM≦0.1D
Sである。
【0049】
特定の実施形態では、低剛性突出部320bの少なくとも1つは、最内面316から半径方向外側に延在する端部337を更に含み得る。端部337は、ブリッジ部分318の反対側の最内面316から延在することができる。一実施形態では、端部337は、摺動構成要素300の第1の軸線方向端部に向かって延在することができる。一実施形態では、端部337は、摺動構成要素300の第2の軸線方向端部に向かって延在することができる。一実施形態では、突出部320の端部337の一部は、略側壁303の外面322を越えて半径方向外側に延在することができる。別の実施形態では、端部337の外面は、側壁303の外面322と同じ平面に沿って位置することができる。更に別の実施形態では、端部337の外面は、側壁303の外面322の半径方向内側で終端することができる。端部分337が外面322の半径方向内側で終端することは、摺動構成要素300が、外面322を越える端部分337の半径方向外側への撓みを制限する外側構成要素内に収容され得る場合に、特に好適であり得る。
【0050】
図4は、一部の実施形態による、低剛性突出部の側面断面図を示している。別の実施形態では、
図4に示される反対の配向において、低剛性突出部420bのうちの少なくとも1つは、半径方向最外面417と、半径方向最外面417を側壁403に接続するブリッジ部分418とを画定することができる。ブリッジ部分418の最良適合線は、中心軸600に対して傾斜することができる。ブリッジ部分418は、組み立てられていない状態又は無負荷状態で測定されるように、側壁403に対して角度424を形成することができる。非限定的な実施形態として、無負荷状態におけるブリッジ部分418と側壁403との間の角度424は、少なくとも2°、例えば、少なくとも3°、少なくとも4°、少なくとも5°、又は更に少なくとも10°であり得る。別の実施形態では、角度724は、45°以下、例えば、40°以下、35°以下、30°以下、25°以下、又は更には20°以下であり得る。一実施形態では、低剛性突出部420bのうちの少なくとも1つは、側壁403の直径よりも大きい直径を有することができる半径方向最外面417を画定することができる。一部の実施形態では、突出部半径方向最外面417は、直径D
OMを有してもよく、側壁は、直径D
Sを有してもよく、ここで、D
S≦D
OMであり、例えば、D
S≦0.95D
OM、D
S≦0.9D
OM、D
S≦0.85D
OM、D
S≦0.8D
OM、D
S≦0.75D
OM、D
S≦0.7D
OM、D
S≦0.65D
OM、D
S≦0.6D
OM、D
S≦0.55D
OM、D
S≦0.5D
OM、D
S≦0.4D
OM、D
S≦0.2D
OM、又はD
S≦0.1D
OMである。
【0051】
特定の実施形態では、低剛性突出部420bの少なくとも1つは、最内面416から半径方向外側に延在する端部437を更に含み得る。端部437は、ブリッジ部分418の反対側の最内面416から延在することができる。一実施形態では、端部437は、摺動構成要素400の第1の軸線方向端部に向かって延在することができる。一実施形態では、端部437は、摺動構成要素400の第2の軸線方向端部に向かって延在することができる。一実施形態では、突出部420の端部437の一部は、略側壁403の外面422を越えて半径方向外側に延在することができる。別の実施形態では、端部437の外面は、側壁403の外面422と同じ平面に沿って位置することができる。更に別の実施形態では、端部437の外面は、側壁403の外面422の半径方向内側で終端することができる。端部分437が外面422の半径方向内側で終端することは、摺動構成要素400が、外面422を越える端部分437の半径方向外側への撓みを制限する外側構成要素内に収容され得る場合に、特に好適であり得る。
【0052】
一部の実施形態では、
図3~
図4に示すように、突出部320、420(高剛性突出部又は低剛性突出部のうちの少なくとも1つを含む)は、半径方向最内面316又は半径方向最外面416から側壁303、403まで測定されるような半径方向高さH
Pを有し得る。突出部320、420は、少なくとも0.5mm、少なくとも0.10mm、少なくとも0.15mm、少なくとも0.20mm、少なくとも0.30mm、少なくとも0.40mmの半径方向高さH
Pを有し得る。突出部320、420は、0.5mm以下、0.10mm以下、0.15mm以下、0.20mm以下、0.30mm以下、0.40mm以下の半径方向高さH
Pを有し得る。一実施形態では、異なる突出部320、420は異なる半径方向の高さを有し得る。一実施形態では、異なる突出部320、420は、同じ半径方向高さを有し得る。
【0053】
図5Aは、一部の実施形態による、組立体内の摺動構成要素の側面断面図を示している。
図5Bは、一部の実施形態による、組立体内の摺動構成要素の上面図を示している。
図5A~
図5Bに示すように、摺動構成要素500は、中心軸600に沿って組立体5000を形成するように、隣接する構成要素間に配置され得る。一実施形態では、摺動構成要素500は、内側構成要素506と外側構成要素502との間に配置され得る。外側構成要素502は、筐体(本明細書では「筐体」及び「外側構成要素」は互換的に使用される)を含み得る。筐体502又は外側構成要素は、第1の軸線方向端部505及び第2の軸線方向端部507を有し得る。筐体502は、その中に形成された軸線方向ボア504を有することができ、これは、シャフト506又は内側構成要素(「シャフト」及び「内側構成要素」は、本明細書では互換的に使用される)を受容する。
図5A~
図5Bに示すように、摺動構成要素500は、筐体502内のシャフト506とボア504との間の環状空間内に位置することができる。突出部520は、内側構成要素506と外側構成要素502との間で圧縮され得る。各突出部520は、ばねとして作用し、構成要素をそれらの間のクリアランスがゼロの状態で互いに嵌合するように変形することができる。言い換えれば、内側構成要素506は、摺動構成要素500の内面に接触し、外側構成要素502は、摺動構成要素の外面に接触する。摺動構成要素500は、外側構成要素502と内側構成要素506との間に摺動接触(例えば、軸線方向、回転)を提供するために使用されてもよい。摺動構成要素500は、外側構成要素502と内側構成要素506との間に摩擦嵌合を提供するために使用されてもよい。一部の実施形態では、摺動構成要素500は、形態嵌合、圧力嵌め、又は接合(限定ではないが、接着接合を含む)を通して、内側構成要素506又は外側構成要素502のうちの少なくとも1つに固定されてもよい。任意選択で、組立体5000は、摺動構成要素500であり得る嵌合リングを含んでもよい。
【0054】
摺動構成要素500は、トルクを伝達するために、又はかかる組立体5000内のトルクリミッタとして使用されてもよい。環状間隙504は、シャフト506の外面と筐体502の内面との間に存在することができる。この環状間隙504のサイズは、シャフト506及び筐体502の直径が製造公差内で変動し得るため、可変であり得る。筐体502内のシャフト506の振動を防止するために、環状間隙504は、構成要素間にゼロクリアランス嵌合を形成するように、摺動構成要素500によって充填されてもよい。使用時に、摺動構成要素500の周方向突出部520は、突出部520がシャフト506の内面に接触するように、シャフト506と筐体502との間の環状間隙504内で半径方向に圧縮され得る。滑動界面は、突出部520の摺動層がシャフト506の外面と接触する場所に形成され得る。摺動構成要素500は、組立体5000内の構成要素間にクリアランスが存在し得ないように、間隙をゼロまで低減させ得る。代替的に、摺動構成要素500の周方向突出部520は、突出部520が筐体502の内面に接触するように、シャフト506と筐体502との間の環状間隙504内で半径方向に圧縮され得る。滑動界面は、突出部520の摺動層がシャフト506の内面と接触する場所に形成され得る。摺動構成要素500は、組立体5000内の構成要素間にクリアランスが存在し得ないように、間隙をゼロまで低減させ得る。したがって、滑動は、摺動構成要素500とシャフト506及び筐体502のうちの少なくとも1つとの間の滑動界面に実質的に限定され、そこで実質的に自由に生じ得る。
【0055】
内側構成要素506と外側構成要素502との間に合力が存在し得るように、力(例えば、回転又は線形)が内側構成要素506及び外側構成要素502の一方又は両方に印加される場合、内側構成要素506及び外側構成要素502は、互いに対して移動することができる。一部の実施形態は、構成要素506、502の間にゼロクリアランスを有するため、互いに対して摺動する一対の接触面が存在し得る。これは滑動界面であってもよい。一部の実施形態では、滑動界面は、摺動構成要素500上の摺動層と内側構成要素506又は外側構成要素502のうちの少なくとも1つとの間の接触面に生じる。接触面は、平坦なリム509の内面と、各高剛性突出部120a又は低剛性突出部120bの「フットプリント」とを含み得る。摺動構成要素500上の摺動層のための材料、及び高剛性突出部520a又は低剛性突出部520bの構成は、滑動界面における滑動力を提供し、この力は、提供された力から導出される期待値よりも実質的に低い場合がある。この低い滑動力は、移動接触面間の運動を容易にする。対照的に、内側構成要素506又は外側構成要素502のうちの少なくとも1つと摺動層を伴わない側壁503表面との間の接触の表面では、摺動構成要素400を内側構成要素506又は外側構成要素502のうちの少なくとも1つに対して定位置に保定するために十分な摩擦力が存在し得る。他の実施形態では、側壁503の両面に摺動層が積層されてもよい。したがって、かかる実施形態では、2つの滑動界面が存在し得る。
【0056】
内側構成要素506又は外側構成要素502のうちの少なくとも1つの表面と側壁503の摺動層との間の接触領域は、内側構成要素506又は外側構成要素502のうちの少なくとも1つと摺動構成要素500との間の相対運動が生じる滑動界面であってもよい。摺動構成要素500は、摺動層を伴わない側壁503と内側構成要素506又は外側構成要素502のうちの少なくとも1つの表面との間の接触面積における摩擦係合によって、内側構成要素506又は外側構成要素502のうちの少なくとも1つに対して固着されてもよい。使用の際に、内側構成要素506又は外側構成要素502又は摺動構成要素500上の摺動層のうちの少なくとも1つの摩耗が、滑動界面において生じる場合、突出部520は、その静止状態に向かって弾性的に移動することによって補償し、それによって、内側構成要素506又は外側構成要素502のうちの少なくとも1つとの接触を維持することができる。
【0057】
一部の実施形態では、摺動構成要素500は、意図される特定の力制御用途のために要求されるようなばね特性を達成するように設計され得る突出部520を伴って形成されてもよい。摺動層は、摺動力を低下させ、力の変動を低減し、下にある材料を摩耗させることなく多くの滑動に耐える低摩擦滑動面を提供することができる。これは、摺動構成要素500が、低滑動トルク、低摺動力、多くの滑動サイクルにわたってわずかな力劣化を伴うなど、摺動構成要素幾何学形状のみの変動によって達成される性能の通常のエンベロープ内では不可能な力制御機能を果たすように設計されることを可能にする。例えば、本発明による摺動構成要素500は、摺動力又はトルクを、同等の設計の金属のみの摺動構成要素に対して予想されるものの約2分の1から3分の1に低減する。一実施形態では、摺動構成要素500は、0°~360°の回転角度下で0.1Nmm~50Nmのトルク値を提供することができる。
【0058】
本開示では、滑動トルクは、摺動構成要素500によって接合され得る2つの構成要素が、組立体5000に印加される任意のトルク負荷に起因して、互いに対して回転し始めるトルクとして定義され得る。摺動構成要素固定部500は、この閾値に達するまで、相対的に回転することなく嵌合構成要素を一緒に保持することができ、この閾値に達した時点で、摺動構成要素突出部520の圧縮によって生成される摩擦力に打ち勝つことができ、摩擦力によって抵抗されるそれぞれの回転を生じさせることができる。同様に、軸線方向摺動力は、同じものであってもよいが、軸線方向における摺動力である。摺動構成要素500は、閾値力値を超え得る場合にのみ、2つの構成要素間の軸線方向摺動を可能にすることができる。閾値力は、摺動構成要素波の圧縮によって生成される摩擦力によって生成されてもよい。過負荷保護力又はトルクは、摺動構成要素500の滑動トルク又は摺動力が組立体5000の安全容量を下回るように設定され得る場合に生じる。摺動構成要素500は、組立体5000が、閾値を上回る外部負荷を受けた場合に滑動を可能にし、そうでなければ組立体5000に損傷を引き起こす場合がある。
【0059】
一実施形態では、筐体502又は外側構成要素は、回転組立体技術で概して使用される任意の材料を含み得る。筐体502又は外側構成要素は、軸線方向及び長手方向の力に耐えるのに十分な剛性を有する任意の適切な材料を含み得る。特定の実施形態では、筐体502又は外側構成要素は、射出成形ポリマーを含み得る。別の実施形態では、筐体502又は外側構成要素は、機械加工プロセスによって形成された金属又は合金を含み得る。更に別の実施形態では、筐体502又は外側構成要素は、セラミック又は任意の他の好適な材料を含み得る。筐体502又は外側構成要素は、溶接、接着剤、締結具、螺合、又は任意の他の好適な締結手段によってともに継合される、単一部品、2つの部品、又は複数の部品から形成され得る。
【0060】
一実施形態では、シャフト506又は内部構成要素は、回転組立体技術で概して使用される任意の材料を含み得る。シャフト506又は内部構成要素は、軸線方向及び長手方向の力に耐えるのに十分な剛性を有する任意の適切な材料を含み得る。特定の実施形態では、シャフト506又は内部構成要素は、射出成形ポリマーを含み得る。別の実施形態では、シャフト506又は内部構成要素は、機械加工プロセスによって形成された金属又は合金を含み得る。更に別の実施形態では、シャフト506又は内側構成要素は、セラミック又は任意の他の好適な材料を含み得る。シャフト506又は内側構成要素は、溶接、接着剤、締結具、螺合、又は任意の他の好適な締結手段によってともに継合される、単一部品、2つの部品、又は複数の部品から形成され得る。
【0061】
一部の実施形態では、
図5A~
図5Bに示される構成と同様に、摺動構成要素500は、内側構成要素506と外側構成要素502との間に位置決めされるか、又は配設され、組立体5000内に設置された状態を形成してもよい。一実施形態では、突出部120は、組立体5000内の内側構成要素506又は外側構成要素502のうちの少なくとも1つに接触してもよい。一実施形態では、高剛性突出部120bは、組立体5000内の内側構成要素506又は外側構成要素502のうちの少なくとも1つに接触してもよい。一実施形態では、高剛性突出部120bは、内側構成要素502の外面に接触して組立体5000内に設置状態を形成する波状突出部であり得る。代替的な実施形態では、高剛性突出部520bは、外側構成要素502の内面に接触して組立体5000内に設置状態を形成する波状突出部であり得る。一部の実施形態では、高剛性突出部520bは、内蔵型構造であってもよい。例えば、各波状構造は、その軸線方向端部にテーパ状肩部を有する、周方向に延在する丸みを帯びた隆起を備えてもよい。摺動構成要素500が、組立体5000内の内側又は外側構成要素502、506上に搭載されると、テーパ状肩部は、他方の構成要素502、506の軸線方向設置を補助するためのガイドとして作用してもよい。
【0062】
一実施形態では、低剛性突出部120aは、組立体5000内の内側構成要素506又は外側構成要素502のうちの少なくとも1つに接触してもよい。一実施形態では、低剛性突出部120aは、内側構成要素502の外面に接触して組立体5000内に設置状態を形成する指状突出部であり得る。代替的な実施形態では、低剛性突出部520aは、外側構成要素502の内面に接触し、組立体5000内に設置された状態を形成する、指状突出部であり得る。
【0063】
別の実施形態では、
図5A~
図5Bに示すように、摺動構成要素500の低剛性突出部520aのブリッジ516は、隣接する構成要素(例えば、内側構成要素506又は外側構成要素502のうちの少なくとも1つ)の表面と接触してもよい。ブリッジ516は、半径方向面(例えば、隣接する構成要素に接触する摺動構成要素500の最内面又は最外面における領域として画定される)として作用してもよい。このようにして、低剛性突出部520aは、半径方向内向き又は外向きに延在する指状突出部とすることができ、隣接する構成要素との弾性変形が可能な接触を提供することができる。例えば、
図5Aに示すような一実施形態では、低剛性突出部520aは、最内面の側部上のボア504の一部を充填し、内側構成要素506に接触してもよい。例えば、
図5Bに示すような一実施形態では、低剛性突出部520aは、最外面の側部上のボア504の一部を充填し、外側構成要素502に接触してもよい。
【0064】
組立体5000内で摺動構成要素500に接触するように内側構成要素506又は外側構成要素502を設置した後、低剛性突出部520aのブリッジ部分516の角度は、側壁503に対して減少又は増加することができる。設置後角度は、摺動構成要素500に対する内側構成要素506又は外側構成要素502の相対的直径に依存し得る。したがって、摺動構成要素500は、側壁503の直径よりも小さく、低剛性突出部520aの最内面によって形成される最良適合円よりも大きい直径を有する、内側構成要素506又は外側構成要素502と結合することができる。更に、摺動構成要素500は、側壁503の直径よりも大きく、低剛性突出部520aの最内面によって形成される最良適合円よりも小さい直径を有する、内側構成要素506又は外側構成要素502と結合することができる。
【0065】
典型的には、組立体5000の噛合構成要素及び摺動構成要素500の突出部520自体は、所与の公差内の寸法変動性を有する。したがって、突出部520の実際の圧縮量、したがって組立体5000内に生成される力は、組立体ごとに異なる可能性がある。しかし、低剛性突出部520aを弾性変形させてもよく、高剛性突出部520bを塑性変形させるようにしてもよい。その結果、一部の実施形態では、摺動構成要素500は、回転又は軸線方向移動のための低い滑動力を伴うゼロクリアランスを提供する。摺動構成要素500の構造は、圧縮可能であってもよく、(例えば、構成要素の寸法における製造実施形態を補償するために)種々の間隙サイズにおいて動作可能であるという追加の利点を提示し、従来の摺動構成要素よりも小さい接触面積を提示する。摺動層と組み合わせて、この設計は、軸線方向又は半径方向負荷が大きい場合でも、構成要素502、506間の相対運動に対抗する摩擦力の有意な低減を提供する。
【0066】
使用時、各高剛性突出部520bは、ばねとして作用し、構成要素に対して半径方向力を及ぼし、それによって、それらの間に締まり嵌めを提供してもよい。内側又は外側構成要素502、506の回転は、トルクが摺動構成要素500によって伝達され得るため、他方の構成要素に同様の回転をもたらす。同様に、いずれかの構成要素の線形又は軸線方向移動は、線形力が摺動構成要素500によって伝達され得るため、他方の構成要素内に類似線形移動を生成する。
【0067】
高剛性突出部120bは、内側構成要素502及び外側構成要素506の他方との複数の個別の接触面を提供するために、側壁503から離れて突出するように配置されてもよい。波状構造は、変形するように構成されてもよい。これは、内側構成要素502と外側構成要素506との間の摺動構成要素500を通して負荷力を半径方向に伝達するように、個別の接触面における弾性変形を含んでもよい。各高剛性突出部120bの形状及びサイズは、特定の用途に基づいて選択することができる。滑動力は、高剛性突出部520bの形状に依存し得る。典型的には、摺動構成要素の波状構造又は波形は、比較的高い半径方向の力(例えば、200N以上)を伝達して、内側構成要素502と外側構成要素506との間に安定して位置し、半径方向の剛性を提供することができる。滑動界面は、波状突出部と内側及び外側構成要素502、506のうちの1つとの間の負荷伝達点にあってもよい。例えば、これは、摺動構成要素と、波に接触する内側及び外側構成要素502、506のうちの1つとの間で起こり得る。フットプリント領域の面積は、比較的小さくてもよく、これは、摺動層と組み合わせて、摩擦力を低減する。
【0068】
高剛性突出部520bは、それらの力伝達又はばね特性のために慎重に選択及び設計されてもよい。高剛性突出部520bの幾何学形状は、所望の弾性及び塑性変形特性を提供するように選択されてもよい。変形特性は、内側及び外側構成要素502、506の製造公差を考慮するだけでなく、動作中に異なる構成要素間で生じ得る熱膨張差及び摩耗を補償するように選択され、それにより、所望の性能が全体を通して達成され得ることを確実にすることができる。更に、高剛性突出部520bは、低剛性突出部520aとは異なる複合材料を有してもよい。言い換えれば、高剛性突出部520bは、低剛性突出部520aとは異なる摺動層組成を有してもよく、又はその逆であってもよい。これらの設計は、組み立てられた構成要素が高温で緩まないことを確実にするために、ゼロクリアランス摺動構成要素500に適用可能であり得る。
【0069】
一実施形態では、高剛性突出部520bは、0.1N/mm~100,000N/mmの剛性Khighを有する。剛性Khighは、100,000N/mm以下、50,000N/mm以下、10,000N/mm以下、5,000N/mm以下、1,000N/mm以下、500N/mm以下、又は100N/mm以下であり得る。剛性Khighは、少なくとも500N/mm、少なくとも1,000N/mm、少なくとも5,000N/mm、少なくとも10,000N/mm、少なくとも25,000N/mm、少なくとも50,000N/mm、又は少なくとも100,000N/mmであり得る。剛性Khighは、上述した範囲のいずれかの範囲内であってもよい。
【0070】
一実施形態では、高剛性突出部520bは、その半径方向表面積の少なくとも1%、例えばその半径方向表面積の少なくとも5%、例えばその半径方向表面積の少なくとも10%、例えばその半径方向表面積の少なくとも25%、例えばその半径方向表面積の少なくとも50%、例えばその半径方向表面積の少なくとも75%、又は例えばその半径方向表面積の少なくとも95%に沿って隣接する構成要素に接触する。
【0071】
使用時、各低剛性突出部520aは、撓みスライダとして作用し、構成要素に対して半径方向力を及ぼし、それによって、それらの間に締まり嵌めを提供してもよい。内側又は外側構成要素502、506の回転は、トルクが摺動構成要素500によって伝達され得るため、他方の構成要素に同様の回転をもたらす。同様に、いずれかの構成要素の線形又は軸線方向移動は、線形力が摺動構成要素500によって伝達され得るため、他方の構成要素内に類似線形移動を生成する。
【0072】
低剛性突出部520aは、内側構成要素502及び外側構成要素506の他方との複数の個別の接触面(例えば、半径方向面)を提供するために、側壁503から離れて突出するように配置されてもよい。指状突出部は、変形するように構成されてもよい。これは、内側構成要素502と外側構成要素506との間の摺動構成要素500を通して負荷力を半径方向に伝達するように、個別の接触面における塑性変形を含んでもよい。各低剛性突出部520aの形状及びサイズは、特定の用途に基づいて選択することができる。滑動力は、低剛性突出部120aの形状に依存し得る。典型的には、摺動構成要素の波状構造又は波形は、比較的高い半径方向の力(例えば、200N以上)を伝達して、内側構成要素502と外側構成要素506との間に安定して位置し、半径方向の剛性を提供することができる。滑動界面は、波状突出部と内側及び外側構成要素502、506のうちの1つとの間の負荷伝達点にあってもよい。例えば、これは、摺動構成要素と、指状突出部の半径方向面に接触する内側及び外側構成要素502、506のうちの1つとの間で起こり得る。フットプリント領域の面積は、比較的小さくてもよく、これは、摺動層と組み合わせて、摩擦力を低減する。
【0073】
低剛性突出部520aは、それらの力伝達又はばね特性のために慎重に選択及び設計されてもよい。低剛性突出部520aの幾何学形状は、所望の塑性変形特性を提供するように選択されてもよい。変形特性は、内側及び外側構成要素502、506の製造公差を考慮するだけでなく、動作中に異なる構成要素間で生じ得る熱膨張差及び摩耗を補償するように選択され、それにより、所望の性能が全体を通して達成され得ることを確実にすることができる。更に、低剛性突出部520aは、上述したように、高剛性突出部520bとは異なる複合材料を有してもよい。これらの設計は、組み立てられた構成要素が高温で緩まないことを確実にするために、ゼロクリアランス摺動構成要素500に適用可能であり得る。
【0074】
一実施形態では、低剛性突出部520aは、0.1N/mm~100,000N/mmの剛性Klowを有する。剛性Klowは、100,000N/mm以下、50,000N/mm以下、10,000N/mm以下、5,000N/mm以下、1,000N/mm以下、500N/mm以下、又は100N/mm以下であり得る。剛性Klowは、少なくとも500N/mm、少なくとも1,000N/mm、少なくとも5,000N/mm、少なくとも10,000N/mm、少なくとも25,000N/mm、少なくとも50,000N/mm、又は少なくとも100,000N/mmであり得る。剛性Klowは、上述した範囲のいずれかの範囲内であってもよい。
【0075】
一実施形態では、剛性の比は、Khigh>1.5Klow、例えばKhigh>2Klow、例えばKhigh>3Klow、例えばKhigh>5Klow、又は例えばKhigh>10Klowであり得る。
【0076】
一実施形態では、低剛性突出部520aは、その半径方向表面積の少なくとも1%、例えばその半径方向表面積の少なくとも5%、例えばその半径方向表面積の少なくとも10%、例えばその半径方向表面積の少なくとも25%、例えばその半径方向表面積の少なくとも50%、例えばその半径方向表面積の少なくとも75%、又は例えばその半径方向表面積の少なくとも95%に沿って隣接する構成要素に接触する。
【0077】
摺動構成要素500は、構成要素502、506のうちの1つの上のバンドの摩擦係合によって固着されてもよい。分割リング又はパネルの実施形態では、分割リング又はパネル500は、その直径より大きくてもよい1つの構成要素506(例えば、シャフト)を把持するように、又はその直径より小さくてもよい外側構成要素502(例えば、筐体内のボア)に対して外向きに拡張するように、弾性であってもよい。内側構成要素502と外側構成要素506との間の相対運動を一方向(例えば、回転方向又は軸線方向)にのみ可能にすることが望ましい場合がある。この場合、摺動構成要素500は、構成要素のうちの1つに対して機械的に拘束され、望ましくない意味での滑動界面における相対的移動を防止することができる。
【0078】
例外的な状況において構成要素502、506間の滑動を可能にする摺動構成要素500を提供することが知られている。例えば、比較的高い力(例えば、回転又は線形)が内側及び外側構成要素502、506の一方又は両方に印加される場合、構成要素間の合力は、閾値を上回る場合がある。従来の摺動構成要素では、その閾値は高い場合があり、リングが受ける半径方向負荷力に基づく期待値に基づく場合がある。
【0079】
更に別の態様によれば、内側構成要素506及び外側構成要素502を提供することを含む方法が提供され得る。本方法は更に、内側構成要素506と外側構成要素502との間に摺動構成要素500を提供することを含み得る。摺動構成要素500は、側壁503と、最内面又は最外面に半径方向面516を備え、弾性変形が可能な少なくとも1つの低剛性突出部520aと、塑性変形が可能な少なくとも1つの高剛性突出部520bと、を含み得る。本方法は、低剛性突出部520aの半径方向面516を内側構成要素506又は外側構成要素502の少なくとも1つに接触させることを更に含み得る。
【0080】
一実施形態では、組立体5000は、内側構成要素506又は外側構成要素502に対して長手方向に、少なくとも25N、少なくとも50N、少なくとも100N、少なくとも250N、又は少なくとも500Nなどの、少なくとも10Nの組立力によって設置又は組み立てられ得る。更なる実施形態では、組立体5000は、シャフト4又は筐体8に対して長手方向に、5000N以下、2500N以下、1000N以下、500N以下、又は250N以下などの、10000N以下の組立力によって設置又は組み立てられ得る。一部の実施形態では、摺動構成要素500の突出部520は、組立力を5~10分の1に低減することができるスナップイン機能を有してもよい。
【0081】
本明細書の実施形態による摺動構成要素を使用するための組立体は、ヒンジ組立体、特に車両内のヒンジ組立体を含み得る。特定のヒンジ組立体は、自動車ドアヒンジ組立体、リフトゲートヒンジ組立体、ソーラーパネルアレイヒンジ組立体、ブームヒンジ組立体、モータヒンジ組立体、ブームヒンジ組立体、自動車内装ヒンジであってもよく、又は別のタイプであってもよい。
【0082】
本明細書の実施形態による組立体内の摺動構成要素の使用は、騒音のない又は実質的に騒音のない組立体を提供することができる。更に、本明細書の実施形態による摺動構成要素を使用することによって、組立体内の追加の機械加工又は追加の構成構成要素を排除することもできる。その結果、構成構成要素のコスト、組立重量、並びに組立時間及び組立力を低減することができる。これにより、組立体及びその構成要素の寿命を増加させることができる。更に、高剛性及び低剛性を有する突出部を一緒に(低剛性突出部からの半径方向面接触とともに)使用することにより、特定の用途及び環境のための組立体に合わせて調整された望ましい剛性特性を作り出すことができる。これにより、ヒンジ用途内の過負荷の場合に過度の変形を回避するのに十分な支持を提供しながら、最小の変動で比較的一定かつ低い摺動又はトルク値を可能にすることができる。
【0083】
多くの異なる態様及び実施形態が可能である。これらの態様及び実施形態のいくつかを以下に記載する。本明細書を読んだ後、当業者は、それらの態様及び実施形態が例解的であるに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではないことを理解するであろう。実施形態は、以下に列挙される実施形態のうちのいずれか1つ以上に従い得る。
【0084】
実施形態1:摺動構成要素であって、弾性変形が可能な少なくとも1つの低剛性突出部と、塑性変形が可能な少なくとも1つの高剛性突出部と、を備える側壁を備え、低剛性突出部は、隣接する構成要素に接触するように適合された半径方向面を最内面又は最外面に備える、摺動構成要素。
【0085】
実施形態2:組立体であって、外側構成要素であって、外側構成要素内にボアを含む、外側構成要素と、ボア内に配設された内側構成要素と、内側構成要素と外側構成要素との間に取り付けられた摺動構成要素であって、摺動構成要素は、弾性変形が可能な少なくとも1つの低剛性突出部と、塑性変形が可能な少なくとも1つの高剛性突出部と、を備える側壁を備え、低剛性突出部が、外側構成要素又は内側構成要素のうちの少なくとも1つに接触する最内面又は最外面に半径方向面を備える、組立体。
【0086】
実施形態3:方法であって、内側構成要素及び外側構成要素を提供することと、内側構成要素と外側構成要素との間に摺動構成要素を位置決めすることであって、摺動構成要素は、半径方向面を最内面又は最外面に備え、弾性変形が可能な少なくとも1つの低剛性突出部と、塑性変形が可能な少なくとも1つの高剛性突出部と、を備える側壁を備える、ことと、低剛性突出部の半径方向面を内側構成要素又は外側構成要素のうちの少なくとも1つに接触させることと、を含む、方法。
【0087】
実施形態4:低剛性突出部は、指状突出部を備える、実施形態1、2、又は3のいずれか一項に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【0088】
実施形態5:高剛性突出部は、波状突出部を備える、実施形態1、2、又は3のいずれか一項に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【0089】
実施形態6:側壁は、切欠き部を更に備える、実施形態1~5のいずれかに記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【0090】
実施形態7:各指状突出部は、側壁から半径方向外向きに延在する、実施形態4又は6に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【0091】
実施形態8:各指状突出部は、側壁から半径方向内向きに延在する、実施形態4又は6に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【0092】
実施形態9:各波状突出部は、側壁から半径方向外向きに延在する、実施形態5又は6に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【0093】
実施形態10:各波状突出部は、側壁から半径方向内向きに延在する、実施形態5又は6に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【0094】
実施形態11:低剛性突出部は、複数の低剛性突出部を備える、先行する実施形態のいずれか一項に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【0095】
実施形態12:高剛性突出部は、複数の高剛性突出部を備える、先行する実施形態のいずれか一項に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【0096】
実施形態13:高剛性突出部及び低剛性突出部は、側壁の周りに交互に順序付けられる、実施形態1~12のいずれか一項に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【0097】
実施形態14:高剛性突出部及び低剛性突出部は、側壁の周りに同時に順序付けられる、実施形態1~12のいずれか一項に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【0098】
実施形態15:高剛性突出部は、剛性Khighを有する、先行する実施形態のいずれか一項に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【0099】
実施形態16:低剛性突出部は、剛性Klowを有する、先行する実施形態のいずれか一項に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【0100】
実施形態17:Khigh>1.5Klowである、先行する実施形態のいずれか一項に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【0101】
実施形態18:高剛性突出部は、その半径方向表面積の少なくとも1%に沿って隣接する構成要素に接触する、先行する実施形態のいずれか一項に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【0102】
実施形態19:低剛性突出部は、その半径方向表面積の少なくとも1%に沿って隣接する構成要素に接触する、先行する実施形態のいずれか一項に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【0103】
実施形態20:摺動構成要素は、0°~360°の回転角度下で0.1Nmm~50Nmのトルク値を有する、実施形態2~19のいずれか一項に記載の組立体。
【0104】
実施形態21:摺動構成要素は、平面パネルを備える、先行する実施形態のいずれか一項に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【0105】
実施形態22:摺動構成要素は、環状リングを備える、実施形態1~20のいずれか一項に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【0106】
実施形態23:摺動構成要素は、基板及び摺動層を含む複合材料を含む、先行する実施形態のいずれか一項に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【0107】
実施形態24:基板は、金属を含む、実施形態23の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【0108】
実施形態25:摺動層は、ポリマーを含む、実施形態23又は24に記載の摺動構成要素、組立体、又は方法。
【0109】
本明細書は、最良の形態を含む例を使用し、また、当業者が本発明を作製及び使用することを可能にする。本発明の特許可能な範囲は、実施形態によって定義され、当業者が想到する他の例を含み得る。かかる他の例は、それらが実施形態の文字通りの言葉と異ならない構造要素を有する場合、又はそれらが実施形態の文字通りの言葉と実質的でない差異を有する同等の構造要素を含む場合、実施形態の範囲内であることが意図される。例えば、実施形態は、電気モータ(例えば、フロントガラスワイパモータ)などの回転デバイス、又はステアリングコラム調整機構などの軸線方向摺動用途に関し得る。
【0110】
実施形態は、一部の形態のみで示され、又は説明されてきたが、それらはそのように限定されず、本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更が可能であることが当業者には明らかであるはずである。
【国際調査報告】