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特表2024-543737グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算方法及びシステム、機器、媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-25
(54)【発明の名称】グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算方法及びシステム、機器、媒体
(51)【国際特許分類】
   G01R 27/02 20060101AFI20241118BHJP
【FI】
G01R27/02 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023510387
(86)(22)【出願日】2022-11-28
(85)【翻訳文提出日】2023-02-10
(86)【国際出願番号】 CN2022134634
(87)【国際公開番号】W WO2024103437
(87)【国際公開日】2024-05-23
(31)【優先権主張番号】202211428828.8
(32)【優先日】2022-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523049018
【氏名又は名称】奥士康科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】賀梓修
(72)【発明者】
【氏名】范紅
(72)【発明者】
【氏名】沈文
(72)【発明者】
【氏名】宋波
【テーマコード(参考)】
2G028
【Fターム(参考)】
2G028BB03
2G028BB05
2G028CG08
2G028CG09
(57)【要約】
本発明は、グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算方法、システム、機器、媒体に関し、該方法では、グリッド遮蔽層の導体幅及び間隔に基づいて散逸率を計算し、信号がより遠く散逸して放射することを誘電体厚の増加と等価にし、等価誘電体厚を算出し、時間等価原理に基づいて電源と地面との間の等価誘電率を算出し、差動インピーダンスを算出する。本発明は、グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算理論及び計算モデルを初めて提案し、差動インピーダンスの計算に対するグリッド遮蔽層の散逸効果の影響を考慮して、グリッド遮蔽層の信号散逸を誘電体厚の増加と等価にし、時間等価原理に基づいて等価誘電率を算出し、これは伝送線路間の純粋な誘電体の誘電率と異なり、グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算精度を大幅に向上させ、グリッド遮蔽構造の差動線路設計に良好に適用でき、差動インピーダンス設計の初回合格率の向上に役立つ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算方法であって、
グリッド遮蔽層の導体幅及び間隔を取得し、電源接地層の信号伝送量に対するグリッド遮蔽層の信号散逸量の散逸率を算出するステップと、
誘電体層の誘電体厚パラメータを取得し、グリッド遮蔽層の信号散逸を誘電体厚の増加と等価にし、散逸率及び誘電体厚パラメータに基づいて等価誘電体厚を算出するステップと、
差動線路とグリッド遮蔽層の水平辺との間の夾角、誘電体層の誘電率を取得し、電源接地層回路のネットワーク伝送の時間等価原理に基づいて等価誘電率を算出するステップと、
差動線路の幅、銅厚及び2つの差動線路間のエッジの間隔を取得し、等価誘電体厚、等価誘電率及び典型的な差動マイクロストリップ線路の特性インピーダンス計算式に基づいて差動インピーダンスを算出するステップと、
を含むことを特徴とする、グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算方法。
【請求項2】
以下の式に基づいて差動インピーダンスを計算し、
【数27】
式中、Zは、グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスを表し、ε’は、等価誘電率を表し、εは、誘電体層の誘電率を表し、h’は、等価誘電体厚を表し、w及びtは、差動線路の幅及び銅厚を表し、dは、2つの差動線路間のエッジの間隔を表すことを特徴とする、請求項1に記載のグリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算方法。
【請求項3】
1つの差動線路には曲線部分が設けられ、当該曲線部分のスパン及び高さはいずれもグリッド遮蔽層の間隔よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載のグリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算方法。
【請求項4】
散逸率の計算過程は、具体的には、以下のとおりであり、
電磁信号線が単一のグリッド領域に均一に分布するため、単一のグリッド領域における信号伝送量に対する実際の信号散逸量の散逸率は、受信領域に比例し、
即ち、η=φ/φ=S/Sであり、
式中、ηは、散逸率を表し、φ及びφは、信号散逸量及び信号伝送量をそれぞれ表し、S及びSは、単一のグリッド領域内のメッシュ面積及び総面積をそれぞれ表し、S=b、S=(a+b)であり、a及びbは、グリッド遮蔽層の導体幅及び間隔をそれぞれ表し、η=b/(a+b)であることを特徴とする、請求項1に記載のグリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算方法。
【請求項5】
以下の式に基づいて等価誘電体厚を算出し、
【数28】
式中、h’は、等価誘電体厚を表し、hは、誘電体層の誘電体厚パラメータを表すことを特徴とする、請求項4に記載のグリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算方法。
【請求項6】
電源接地層回路のネットワーク伝送の時間等価原理に基づいて等価誘電率を算出する過程は、具体的には、以下のとおりであり、
単一のグリッドでは、電気信号の実際の伝送時間は、以下の第1の式で表され、
【数29】
vは以下の第2の式で表され、
【数30】
前記第2の式中、cは、光速を表し、εは、誘電体層の誘電率を表し、
前記第1の式中、θは、差動線路とグリッド遮蔽層の水平辺との間の夾角を表し、lは、単一のグリッドの斜辺の長さを表し、
電源接地層回路のネットワーク伝送の時間等価原理によれば、伝送長が依然として2lであると仮定すると、tは以下の第3の式で表され、
【数31】
ε’は、等価誘電率を表し、以下の第4の式で表される、
【数32】
ことを特徴とする、請求項1に記載のグリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算方法。
【請求項7】
グリッド遮蔽層の全幅は、差動線路に対して無限大であり、又は、グリッド遮蔽層は、幅方向に差動線路よりも少なくとも片側で誘電体厚が3倍大きく、線路幅が3倍大きいことを特徴とする、請求項1に記載のグリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算方法。
【請求項8】
グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算システムであって、
グリッド遮蔽層の導体幅及び間隔を取得し、電源接地層の信号伝送量に対するグリッド遮蔽層の信号散逸量の散逸率を算出するための散逸率計算モジュールと、
誘電体層の誘電体厚パラメータを取得し、グリッド遮蔽層の信号散逸を誘電体厚の増加と等価にし、散逸率及び誘電体厚パラメータに基づいて等価誘電体厚を算出するための等価誘電体厚計算モジュールと、
差動線路とグリッド遮蔽層の水平辺との間の夾角、誘電体層の誘電率を取得し、電源接地層回路のネットワーク伝送の時間等価原理に基づいて等価誘電率を算出するための等価誘電率計算モジュールと、
差動線路の幅、銅厚及び2つの差動線路間のエッジの間隔を取得し、等価誘電体厚、等価誘電率及び典型的な差動マイクロストリップ線路の特性インピーダンス計算式に基づいて差動インピーダンスを算出するための差動インピーダンス計算モジュールと、
を含むことを特徴とする、グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算システム。
【請求項9】
電子機器であって、プロセッサと、記憶装置と、を含み、
前記記憶装置にはコンピュータプログラムが記憶され、前記プロセッサは、前記記憶装置に記憶された前記コンピュータプログラムを呼び出すことにより、請求項1に記載の方法のステップを実行するために使用されることを特徴とする、電子機器。
【請求項10】
グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算を実行するコンピュータプログラムを記憶するためのコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、コンピュータで実行されると、請求項1に記載の方法のステップを実行することを特徴とする、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、差動インピーダンスの計算の技術分野に関し、特に、グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算方法及びシステム、電子機器、コンピュータ可読記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータの普及に従い、液晶表示技術は21世紀において迅速に発展し、通信産業の急速な発展に伴い、信号伝送速度はますます速くなり、動作周波数と伝送品質の要件はますます高くなり、同時に、光速伝送構造の種類及び特徴もますます増えている。FPC基板では、基板の柔軟性を向上させ、大きな銅面遮蔽層の銅面が曲げ過程において割れることを避けるために、通常、遮蔽層をグリッド状に設計し、基板の靭性を向上させる。高周波信号の伝送では、信号層(即ち、配線層)と接地層(即ち、遮蔽層)は、高周波信号の電磁放射によって伝送し、典型的な伝送線路の特性インピーダンス及びTDR(時間領域反射率測定法)の測定原理によれば、信号線から高周波信号が放射され、その信号はリード線において前向きに伝送されるだけでなく、地面にも放射され、地面によって受信された誘導信号は測定端(測定端と送信端は共通ポートがある)に戻り、送信信号及び反射信号のレベル強度によって線路インピーダンス値を算出し、一般的に、反射率は、ρ=Vreflected/Vincidentで表され、測定インピーダンスがZ=Zref*(1+ρ)/(1-ρ)で測定され、式中、ρは信号反射率であり、Vreflectedは反射受信信号のレベル強度であり、Vincidentは送信信号のレベル強度であり、Zrefは基準抵抗であり、通常は50ohmである。大きな金属遮蔽層構造に対して、大きな銅面における反射経路が伝送線路の長さと一致し、反射信号の強度損失は主に誘電損失と導体表面損失に起因する。インピーダンス設計段階では、一般的に、典型的な差動マイクロストリップ線路の特性インピーダンス計算式によって大きな銅面遮蔽層構造の差動マイクロストリップ線路の特性インピーダンスを計算する。
ここで、典型的な差動マイクロストリップ線路の特性インピーダンス計算式は、以下の式で表される。
【数1】
は、シングルエンドマイクロストリップ線路を表し、以下の式で表される。
【数2】
式中、εは誘電体層の誘電率を表し、hは誘電体層の厚さを表し、tはシングルエンドマイクロストリップ線路の銅厚を表し、wはシングルエンドマイクロストリップ線路の幅を表し、dは2つのシングルエンドマイクロストリップ線路のエッジの間隔を表す。
【0003】
しかし、グリッド遮蔽構造については、メッシュのあるグリッド遮蔽構造が反射信号を受信した後、電磁信号線によって分布し、局所空間に均一な分布を示し、即ち、dφは単一の正方形領域に均一に分布する傾向があり(a+b寸法の方眼の大きさ、aはグリッド遮蔽層の導体幅を表し、bはグリッド遮蔽層の導体間の間隔を表す)、従って、信号が遮蔽層に伝送される場合、その一部は遮蔽層によって受信されて戻し、他の一部はメッシュによって放射して散逸され、その結果、戻り信号強度が変化し、インピーダンス値の計算に影響を与える。従って、典型的な差動マイクロストリップ線路の特性インピーダンス計算式は、グリッド遮蔽構造に適しない。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算方法及びシステム、電子機器、コンピュータ可読記憶媒体を提供し、典型的な差動マイクロストリップ線路の特性インピーダンス計算式がグリッド遮蔽構造に適しないという従来の技術的問題を解決する。
【0005】
本発明の一態様によれば、グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算方法を提供し、該方法は、
グリッド遮蔽層の導体幅及び間隔を取得し、電源接地層の信号伝送量に対するグリッド遮蔽層の信号散逸量の散逸率を算出するステップと、
誘電体層の誘電体厚パラメータを取得し、グリッド遮蔽層の信号散逸を誘電体厚の増加と等価にし、散逸率及び誘電体厚パラメータに基づいて等価誘電体厚を算出するステップと、
差動線路とグリッド遮蔽層の水平辺との間の夾角、誘電体層の誘電率を取得し、電源接地層回路のネットワーク伝送の時間等価原理に基づいて等価誘電率を算出するステップと、
差動線路の幅、銅厚及び2つの差動線路間のエッジの間隔を取得し、等価誘電体厚、等価誘電率及び典型的な差動マイクロストリップ線路の特性インピーダンス計算式に基づいて差動インピーダンスを算出するステップと、を含む。
【0006】
更に、以下の式に基づいて差動インピーダンスを計算する。
【0007】
【数3】
【0008】
式中、Zは、グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスを表し、ε’は、等価誘電率を表し、εは、誘電体層の誘電率を表し、h’は、等価誘電体厚を表し、w及びtは、差動線路の幅及び銅厚を表し、dは、2つの差動線路間のエッジの間隔を表す。
【0009】
更に、1つの差動線路には曲線部分が設けられ、曲線部分のスパン及び高さはいずれもグリッド遮蔽層の間隔よりも小さい。
【0010】
更に、散逸率の計算過程は、具体的には、以下のとおりである。
【0011】
電磁信号線が単一のグリッド領域に均一に分布するため、単一のグリッド領域における信号伝送量に対する実際の信号散逸量の散逸率は、受信領域に比例し、即ち、η=φ/φ=S/Sである。
式中、ηは、散逸率を表し、φ及びφは、信号散逸量及び信号伝送量をそれぞれ表し、S及びSは、単一のグリッド領域内のメッシュ面積及び総面積をそれぞれ表し、S=b、S=(a+b)であり、a及びbは、グリッド遮蔽層の導体幅及び間隔をそれぞれ表し、η=b/(a+b)である。
【0012】
更に、以下の式に基づいて等価誘電体厚を算出する。
【0013】
【数4】
【0014】
式中、h’は、等価誘電体厚を表し、hは、誘電体層の誘電体厚パラメータを表す。
【0015】
更に、電源接地層回路のネットワーク伝送の時間等価原理に基づいて等価誘電率を算出する過程は、具体的には、以下のとおりであり、
【0016】
単一のグリッドでは、電気信号の実際の伝送時間は、以下の式(数5)で表される。
【数5】
Vは、以下の式(数6)で表される。
【数6】
上記式(数6)中、cは、光速を表し、εは、誘電体層の誘電率を表し、θは、差動線路とグリッド遮蔽層の水平辺との間の夾角を表す。lが、単一のグリッドの斜辺の長さを表し、電源接地層回路のネットワーク伝送の時間等価原理に基づいて、伝送長が依然として2lであると仮定すると、tは以下(数7)の式で表される。
【数7】
ε’は、等価誘電率を表し、以下の式(数8)で表される。
【数8】
【0017】
更に、グリッド遮蔽層の全幅は、差動線路に対して無限大であり、又は、グリッド遮蔽層は、幅方向に差動線路よりも少なくとも片側で誘電体厚が3倍大きく、線路幅が3倍大きい。
【0018】
また、本発明は、グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算システムを更に提供する。前記システムは、
グリッド遮蔽層の導体幅及び間隔を取得し、電源接地層の信号伝送量に対するグリッド遮蔽層の信号散逸量の散逸率を算出するための散逸率計算モジュールと、
誘電体層の誘電体厚パラメータを取得し、グリッド遮蔽層の信号散逸を誘電体厚の増加と等価にし、散逸率及び誘電体厚パラメータに基づいて等価誘電体厚を算出するための等価誘電体厚計算モジュールと、
差動線路とグリッド遮蔽層の水平辺との間の夾角、誘電体層の誘電率を取得し、電源接地層回路のネットワーク伝送の時間等価原理に基づいて等価誘電率を算出するための等価誘電率計算モジュールと、
差動線路の幅、銅厚及び2つの差動線路間のエッジの間隔を取得し、等価誘電体厚、等価誘電率及び典型的な差動マイクロストリップ線路の特性インピーダンス計算式に基づいて差動インピーダンスを算出するための差動インピーダンス計算モジュールと、を含む。
【0019】
また、本発明は、プロセッサと、記憶装置と、を含む電子機器を更に提供し、前記記憶装置にはコンピュータプログラムが記憶され、前記プロセッサは、前記記憶装置に記憶された前記コンピュータプログラムを呼び出すことにより、前述の方法のステップを実行するために使用される。
【0020】
また、本発明は、グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算を実行するコンピュータプログラムを記憶するためのコンピュータ可読記憶媒体を更に提供し、前記コンピュータプログラムは、コンピュータで実行されると、前述の方法のステップを実行する。
【0021】
本発明は、以下の効果を有する。
【0022】
本発明のグリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算方法では、信号がグリッド遮蔽層に伝送される場合、その一部はグリッド遮蔽層によって受信されて戻り、他の一部はグリッド遮蔽層のメッシュによって放射して散逸され、その結果、戻り信号強度が変化し、インピーダンス値の計算に影響を与えることを考慮する。従って、本発明では、まず、グリッド遮蔽層の導体幅及び間隔に基づいて電源接地層の信号伝送量に対するグリッド遮蔽層の信号散逸量の散逸率を算出し、次に、グリッド遮蔽層の信号散逸を誘電体層の誘電体厚の増加と等価にし、その結果、散逸率及び誘電体厚パラメータに基づいて等価誘電体厚を算出し、続いて、電源接地層回路のネットワーク伝送の時間等価原理に基づいて大きな銅面遮蔽層に対するグリッド遮蔽構造の等価誘電率を算出し、これは伝送線路間の純粋な誘電体の誘電率とは異なり、最後に、差動線路の幅、銅厚及び2つの差動線路間のエッジの間隔、等価誘電体厚、等価誘電率及び大きな銅面遮蔽層の典型的な差動マイクロストリップ線路の特性インピーダンス計算式を組み合わせてグリッド遮蔽構造の差動インピーダンスを算出する。本発明は、グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算理論及び計算モデルを初めて提案し、差動インピーダンスの計算に対するグリッド遮蔽層の散逸効果の影響を考慮して、グリッド遮蔽層の信号散逸を誘電体厚の増加と等価にし、同時に、電源接地層回路のネットワーク伝送の時間等価原理に基づいて大きな銅面遮蔽層に対するグリッド遮蔽構造の等価誘電率を算出し、グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算精度を大幅に向上させ、グリッド遮蔽構造の差動線路設計にうまく適用でき、差動インピーダンス設計の初回合格率の向上に役立つ。
【0023】
また、本発明のグリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算システム、電子機器、コンピュータ可読記憶媒体は同様に上記の利点を有する。
【0024】
前述の目的、特徴及び利点に加えて、本発明は他の目的、特徴及び利点を有する。以下、図面を参照しながら本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本願の一部を構成する図面は、本発明のさらなる理解を提供するために使用され、本発明の例示的な実施例及びそれらの説明は、本発明を解釈するために使用され、本発明を限定するものではない。
【0026】
図1】本発明の好ましい実施例によるグリッド遮蔽構造の断面構造概略図である。
図2】本発明の好ましい実施例による差動線路とグリッド遮蔽層の水平辺が角度をなして設けられる場合の概略図である。
図3】本発明の好ましい実施例によるグリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算方法の流れの概略図である。
図4】本発明の好ましい実施例において1つの差動線路に曲線部分を設ける場合の概略図である。
図5】本発明の他の実施例によるグリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算システムのモジュール構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例を詳細に説明する。しかし、本発明は、以下では限定及びカバーした数種の異なる方式で実施することができる。
【0028】
なお、本発明の実施例は、グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算方法を提供する。図1及び図2に示すように、グリッド遮蔽構造を有するインピーダンス線路構造は、具体的には、配線層、誘電体層及びグリッド遮蔽層を含み、前記配線層及びグリッド遮蔽層はそれぞれ誘電体層の両側に設けられ、前記配線層内に2つの差動線路が設計され、一般的には、2つのシングルエンドマイクロストリップ線路であり、前記グリッド遮蔽層は、直交方眼グリッド状導体である。好ましくは、前記グリッド遮蔽層は、幅方向に差動線路に対して無限大であり、又は、グリッド遮蔽層は、幅方向に差動線路よりも少なくとも片側で誘電体厚が3倍大きく、線路幅が3倍大きい。図3に示すように、前記グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算方法は、具体的には、
グリッド遮蔽層の導体幅及び間隔を取得し、電源接地層の信号伝送量に対するグリッド遮蔽層の信号散逸量の散逸率を算出するステップS1と、
誘電体層の誘電体厚パラメータを取得し、グリッド遮蔽層の信号散逸を誘電体厚の増加と等価にし、散逸率及び誘電体厚パラメータに基づいて等価誘電体厚を算出するステップS2と、
差動線路とグリッド遮蔽層の水平辺との間の夾角、誘電体層の誘電率を取得し、電源接地層回路のネットワーク伝送の時間等価原理に基づいて等価誘電率を算出するステップS3と、
差動線路の幅、銅厚及び2つの差動線路間のエッジの間隔を取得し、等価誘電体厚、等価誘電率及び典型的な差動マイクロストリップ線路の特性インピーダンス計算式に基づいて差動インピーダンスを算出するステップS4と、を含む。
【0029】
なお、本実施例のグリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算方法では、信号がグリッド遮蔽層に伝送される場合、その一部はグリッド遮蔽層によって受信されて戻し、他の一部はグリッド遮蔽層のメッシュによって放射して散逸され、その結果、戻り信号強度が変化し、インピーダンス値の計算に影響を与えることを考慮する。従って、本発明では、まず、グリッド遮蔽層の導体幅及び間隔に基づいて電源接地層の信号伝送量に対するグリッド遮蔽層の信号散逸量の散逸率を算出し、次に、グリッド遮蔽層の信号散逸を誘電体層の誘電体厚の増加と等価にし、その結果、散逸率及び誘電体厚パラメータに基づいて等価誘電体厚を算出し、続いて、電源接地層回路のネットワーク伝送の時間等価原理に基づいて大きな銅面遮蔽層の電源接地層に対するグリッド遮蔽構造の等価誘電率を算出し、最後に、差動線路の幅、銅厚及び2つの差動線路間のエッジの間隔、等価誘電体厚、等価誘電率及び大きな銅面遮蔽層の典型的な差動マイクロストリップ線路の特性インピーダンス計算式を組み合わせてグリッド遮蔽構造の差動インピーダンスを算出する。本発明は、グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算理論及び計算モデルを初めて提案し、差動インピーダンスの計算に対するグリッド遮蔽層の散逸効果の影響を考慮して、グリッド遮蔽層の信号散逸を誘電体厚の増加と等価にし、同時に、電源接地層回路のネットワーク伝送の時間等価原理に基づいて大きな銅面遮蔽層に対するグリッド遮蔽構造の等価誘電率を算出し、これは伝送線路間の純粋な誘電体の誘電率とは異なり、グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算精度を大幅に向上させ、グリッド遮蔽構造の差動線路設計にうまく適用でき、差動インピーダンス設計の初回合格率の向上に役立つ。
【0030】
なお、前記ステップS1では、グリッド遮蔽層には、電磁信号線が単一のグリッド領域(即ち、a+b寸法の方眼の大きさ)に均一に分布するため、信号がグリッド遮蔽層に伝送された後、単一のグリッド領域における信号伝送量に対する実際の信号散逸量の散逸率は、受信領域に比例し、即ち、以下の式で表される。
【数9】
式中、φ及びφは、信号散逸量と信号伝送量をそれぞれ表し、S及びSは、単一のグリッド領域内のメッシュ面積及び総面積をそれぞれ表し、a及びbは、グリッド遮蔽層の導体幅及び間隔をそれぞれ表す。従って、グリッド遮蔽層の導体幅aと間隔bを入力するだけで、以下の式(数10)に基づいて散逸率を計算することができる。
【0031】
【数10】
【0032】
上記式中、ηは散逸率を表す。
【0033】
【数11】
なお、前記ステップS2では、大きな銅面遮蔽層の典型的な差動マイクロストリップ線路の特性インピーダンス計算式である上記式(数11)から分かるように、シングルエンドマイクロストリップ線路の特性インピーダンスZは、マイクロストリップ線路の幅w、銅厚t及び誘電体層の誘電率εに反比例し、誘電体厚hに比例し、誘電体厚hが大きいほど、信号受信量は小さくなり、信号受信量は、電源接地層の間隔(即ち、電源接地層からグリッド遮蔽層までの距離)に直接関連し、グリッドの増加は、電源接地層の間隔の増加と等価し、従って、大きな銅面遮蔽層をグリッド遮蔽層に変更した後、信号の放射及び散逸を誘電体厚の増加と等価にすることができる。従って、誘電体層の誘電体厚パラメータを入力し、具体的には、以下の式(数12)に基づいて等価誘電体厚を算出することができる。
【0034】
【数12】
【0035】
式中、h’は、等価誘電体厚を表し、hは、誘電体層の誘電体厚パラメータを表し、ηは、散逸率を表す。
【0036】
なお、前記ステップS3では、電源接地層回路から見ると、特性インピーダンス伝送線路は依然として誘電体層内に直線であるが、グリッド遮蔽層の伝送経路は、伝送線路とグリッドの角度の影響を受ける。具体的には、単一のグリッドでは、信号は、単一のグリッドの直角三角形の辺に沿って伝送され、直角三角形の斜辺と短辺との関係から分かるように、グリッド遮蔽層の信号伝送長は、l(cosθ+sinθ)であり、θは、差動線路とグリッド遮蔽層の水平辺との間の夾角を表し、lは、直角三角形の斜辺の長さを表す。媒体内の電気信号の伝送速度と組み合わせると、以下の式(数13)となる。
【数13】
式中、cは、光速を表し、εは、誘電体層の誘電率を表し、従って、電気信号の実際の伝送時間は以下の式(数14)で表される。
【数14】
電源接地層回路のネットワーク伝送の時間等価原理に基づいて、伝送長が依然として2lであると、tは以下の式(数15)で表される。
【数15】
ε’は、等価誘電率を表し、以下の式(数16)で表される。
【数16】
【0037】
なお、差動インピーダンスは、差動モードインピーダンスと呼ばれ、それは、2つのシングルエンドマイクロストリップ線路の特性インピーダンスの重ね合せ、及び2つのシングルエンドマイクロストリップ線路間の差動モード誘導による結合減衰を含み、即ち、前者は地面へのインピーダンスであり、後者は1つの差動線路が他の1つの差動線路へのインピーダンスの減衰であると理解することができる。大きな銅面遮蔽層の典型的な差動マイクロストリップ線路の特性インピーダンス計算式から分かる。
【0038】
【数17】
【0039】
式中、Zは、大きな銅面遮蔽層構造の差動インピーダンスを表し、εは、誘電体層の等価誘電率を表し、hは、誘電体層の厚さ(誘電体厚と略称する)を表し、w及びtは、差動線路の幅及び銅厚を表し、dは、2つの差動線路間のエッジの間隔を表す。
【0040】
上記式を分解すると、以下のようになる。
【0041】
【数18】
【0042】
前記式(数18)中、前半部分(数19に示す)は、2つのシングルエンドマイクロストリップ線路の特性インピーダンスの重ね合せを表す。
【数19】
また、前記式(数18)中、後半部分(数20に示す)は、2つのシングルエンドマイクロストリップ線路間の等価特性インピーダンスの減衰値を表す。
【数20】
【0043】
グリッド遮蔽構造については、グリッド遮蔽層のメッシュには、信号散逸があるため、信号散逸を等価誘電体厚の増加と等価にし、また、各シングルエンドマイクロストリップ線路の特性インピーダンスを計算する場合、電源接地層回路の伝送を考慮する必要があり、従って、2つのシングルエンドマイクロストリップ線路の特性インピーダンスの重ね合せを計算する場合、等価誘電体厚及び等価誘電率を介して計算する必要がある。2つのシングルエンドマイクロストリップ線路間の差動モード誘導は、電源層(配線層)のみに存在し、遮蔽層構造の影響を受けないため、2つのシングルエンドマイクロストリップ線路間の等価特性インピーダンスの減衰値を計算する場合、等価誘電率の影響を考慮せず、等価誘電体厚の影響のみを考慮する。従って、前記ステップS4では、具体的には、以下の式(数21)に基づいてグリッド遮蔽構造の差動インピーダンスを計算する。
【0044】
【数21】
【0045】
式中、Zは、グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスを表し、ε’は、等価誘電率を表し、h’は、等価誘電体厚を表す。
【0046】
次に、等価誘電体厚h’、等価誘電率ε’を上記の式に代入すると、以下のようになる。
【0047】
【数22】
【0048】
式中、Zは、グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスを表す。
【0049】
なお、差動モードと差動接地との間の伝送の遅延の一致性を確保し、グリッド遮蔽層の影響を低減するために、1つの差動線路に曲線部分が設計され、それは図4に示され、また、曲線部分のスパン及び高さはいずれもグリッド遮蔽層の間隔bよりも小さい。
【0050】
なお、本発明のグリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算モデルの計算の正確さを検証するために、実際の検証を行い、具体的な検証例は、以下のとおりである。
【0051】
例1では、二重パネルを設け、外層マイクロストリップ線路の重ね合せ構造に応じて、配線層の線路幅は、100μmに設定され、2つの差動線路のエッジの間隔は、100μmであり、伝送線路の銅厚は、50μmであり、誘電体層材料(FR4、エポキシ樹脂)の誘電率Dkは、4.4であり、その誘電体厚は、89μmであり、グリッド遮蔽層の導体幅aは、1000μmであり、その間隔bは、1000μmであり、差動線路とグリッドの水平方向との夾角はそれぞれ0°、15°、30°、45°、60°、90°であり、計算モデルでシミュレートした実測インピーダンス値は、以下の表1に示される。
【表1】
【0052】
例2では、二重パネルを設け、外層マイクロストリップ線路の重ね合せ構造に応じて、配線層の線路幅は、250μmに設定され、2つの差動線路のエッジの間隔は、150μmであり、伝送線路の銅厚は、50μmであり、誘電体層材料(FR4、エポキシ樹脂)の誘電率Dkは、4.4であり、その誘電体厚は、89μmであり、グリッド遮蔽層の導体幅aは、1000μmであり、その間隔bはそれぞれ1000μm、2000μm、3000μm、4000μmであり、差動線路とグリッドの水平方向との夾角は、0°であり、計算モデルでシミュレートした実測インピーダンス値は、以下の表2に示される。
【表2】
【0053】
上記の実際の検証結果から分かるように、本発明のグリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算モデルの計算の正確さは非常に高い。
【0054】
なお、図5に示すように、本発明の他の実施例は、グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算システムを更に提供し、好ましくは、前述の差動インピーダンスの計算方法を使用し、該システムは、
グリッド遮蔽層の導体幅及び間隔を取得し、電源接地層の信号伝送量に対するグリッド遮蔽層の信号散逸量の散逸率を算出するための散逸率計算モジュールと、
誘電体層の誘電体厚パラメータを取得し、グリッド遮蔽層の信号散逸を誘電体厚の増加と等価にし、散逸率及び誘電体厚パラメータに基づいて等価誘電体厚を算出するための等価誘電体厚計算モジュールと、
差動線路とグリッド遮蔽層の水平辺との間の夾角、誘電体層の誘電率を取得し、電源接地層回路のネットワーク伝送の時間等価原理に基づいて等価誘電率を算出するための等価誘電率計算モジュールと、
差動線路の幅、銅厚及び2つの差動線路間のエッジの間隔を取得し、等価誘電体厚、等価誘電率及び典型的な差動マイクロストリップ線路の特性インピーダンス計算式に基づいて差動インピーダンスを算出するための差動インピーダンス計算モジュールと、を含む。
【0055】
なお、本実施例のグリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算システムでは、信号がグリッド遮蔽層に伝送される場合、その一部はグリッド遮蔽層によって受信されて戻し、他の一部はグリッド遮蔽層のメッシュによって放射して散逸され、その結果、戻り信号強度が変化し、インピーダンス値の計算に影響を与えることを考慮する。従って、本発明では、まず、グリッド遮蔽層の導体幅及び間隔に基づいて電源接地層の信号伝送量に対するグリッド遮蔽層の信号散逸量の散逸率を算出し、次に、グリッド遮蔽層の信号散逸を誘電体層の誘電体厚の増加と等価にし、その結果、散逸率及び誘電体厚パラメータに基づいて等価誘電体厚を算出し、続いて、電源接地層回路のネットワーク伝送の時間等価原理に基づいて大きな銅面遮蔽層の電源接地層に対するグリッド遮蔽構造の等価誘電率を算出し、最後に、差動線路の幅、銅厚及び2つの差動線路間のエッジの間隔、等価誘電体厚、等価誘電率及び大きな銅面遮蔽層の典型的な差動マイクロストリップ線路の特性インピーダンス計算式を組み合わせてグリッド遮蔽構造の差動インピーダンスを算出する。本発明は、グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算理論及び計算モデルを初めて提案し、差動インピーダンスの計算に対するグリッド遮蔽層の散逸効果の影響を考慮して、グリッド遮蔽層の信号散逸を誘電体厚の増加と等価にし、同時に、電源接地層回路のネットワーク伝送の時間等価原理に基づいて大きな銅面遮蔽層に対するグリッド遮蔽構造の等価誘電率を算出する。これは伝送線路間の純粋な誘電体の誘電率とは異なり、グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算精度を大幅に向上させ、グリッド遮蔽構造の差動線路設計にうまく適用でき、差動インピーダンス設計の初回合格率の向上に役立つ。
【0056】
なお、前記散逸率計算モジュールは、具体的には、以下の式に基づいて散逸率を算出する。
【0057】
【数23】
【0058】
式中、ηは、散逸率を表し、a及びbは、グリッド遮蔽層の導体幅及び間隔をそれぞれ表す。
【0059】
なお、前記等価誘電体厚計算モジュールは、以下の式に基づいて等価誘電体厚を算出する。
【0060】
【数24】
【0061】
式中、h’は、等価誘電体厚を表し、hは、誘電体層の誘電体厚パラメータを表し、ηは、散逸率を表す。
【0062】
なお、前記等価誘電率計算モジュールは、以下の式に基づいて等価誘電率を算出する。
【0063】
【数25】
【0064】
式中、ε’は、等価誘電率を表し、εは、誘電体層の誘電率を表し、θは、インピーダンス線路とグリッド遮蔽層の水平辺との間の夾角を表す。
【0065】
なお、前記差動インピーダンス計算モジュールは、以下の式に基づいてグリッド遮蔽構造の差動インピーダンスを計算する。
【0066】
【数26】
【0067】
式中、Zは、グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスを表し、ε’は、等価誘電率を表し、h’は、等価誘電体厚を表す。
【0068】
なお、本実施例のシステムにおける各モジュールはそれぞれ上記の方法の実施例の各ステップに対応するため、各モジュールの具体的な計算原理を詳細に説明せず、上記の方法の実施例を参照すればよい。
【0069】
また、本発明の他の実施例は、プロセッサと、記憶装置と、を含む電子機器を更に提供し、前記記憶装置にはコンピュータプログラムが記憶され、前記プロセッサは、前記記憶装置に記憶された前記コンピュータプログラムを呼び出すことにより、前述の方法のステップを実行するために使用される。
【0070】
また、本発明の他の実施例は、グリッド遮蔽構造の差動インピーダンスの計算を実行するコンピュータプログラムを記憶するためのコンピュータ可読記憶媒体を更に提供し、前記コンピュータプログラムは、コンピュータで実行されると、前述の方法のステップを実行する。
【0071】
通常、コンピュータ可読記憶媒体の形態は、フロッピーディスク(floppy disk)、フレキシブルディスク(flexible disk)、ハードディスク、磁気テープ、他の任意の磁性媒体、CD-ROM、他の任意の光媒体、パンチカード、穿孔テープ(paper tape)、孔のパターンを持つ他の任意の物理媒体、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、プログラム可能読み取り専用メモリ(PROM)、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、フラッシュメモリ(FLASH(登録商標)-EPROM)、他の任意のメモリチップ若しくはカセット、又は他の任意のコンピュータ可読記憶媒体を含む。命令は、伝送媒体によって更に伝送又は受信することができる。伝送媒体という用語は、機械による実行のために命令を記憶、エンコード、又はキャリアするために使用できる任意の有形又は無形の媒体を含み得、上記の命令の通信を容易にするデジタル又はアナログの通信信号又は無形の媒体を含む。伝送媒体は、同軸ケーブル、銅線及び光ファイバを含み、それは、コンピュータデータ信号を伝送するためのバスのリード線を含む。
【0072】
上記の説明は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定することを意図するものではなく、当業者にとって、本発明は様々な修正及び変更を行うことができる。本発明の精神及び原則の範囲内で行われた修正、同等の交換、改良などは、本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【0073】
当業者は、本願の実施例が方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供され得ることを理解すべきである。従って、本願は、完全ハードウェアの実施例、完全ソフトウェアの実施例、又はソフトウェアとハードウェアを組み合わせた実施例の形をとることができる。また、本願は、コンピュータで使用可能なプログラムコードを含む1つ以上のコンピュータで使用可能な記憶媒体(記憶装置、CD-ROM及び光学記憶装置などを含むが、それらに限定されない)で実施されたコンピュータプログラム製品の形をとることができる。本眼の実施例における解決手段は、様々なコンピュータ言語、例えば、オブジェクト指向プログラミング言語Java(登録商標)及びインタプリタ型スクリプト言語JavaScript(登録商標)を使用することによって実現することができる。
【0074】
本願は、本願の実施例による方法、機器(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して説明される。フローチャート及び/又はブロック図における各流れ及び/又はブロック、並びにフローチャート及び/又はブロック図における流れ及び/又はブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実現できることを理解すべきである。これらのコンピュータプログラム命令を汎用コンピュータ、専用コンピュータ、埋め込みプロセッサ、又は他のプログラム可能なデータ処理機器のプロセッサに提供し、そのため、1つの機器を生成し、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理機器のプロセッサによって実行される命令は、フローチャートの1つ以上の流れ及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定された機能を実現する装置を生成する。
【0075】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理機器が特定の方法で動作するように誘導するコンピュータ可読記憶装置に記憶することができ、そのため、該コンピュータ可読記憶装置に記憶された命令は、命令装置を含む製品を生成し、該命令装置は、フローチャートの1つ以上の流れ及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定された機能を実現する。
【0076】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理機器にロードすることもでき、そのため、コンピュータ又は他のプログラム可能な機器で一連の操作ステップを実行し、コンピュータで実現される処理を生成し、従って、コンピュータまたは他のプログラム可能な機器で実行される命令は、フローチャートの1つ以上の流れ及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定された機能を実現するためのステップを提供する。
【0077】
本願の好ましい実施例を説明するが、当業者は、基本的な発明概念が知られていると、これらの実施例に追加の変更及び修正を行うことができる。従って、添付の特許請求の範囲は、好ましい実施例、並びに本願の範囲内に含まれる全ての変更及び修正を網羅するように解釈されることを意図する。
【0078】
明らかに、当業者は、本願の精神及び範囲から逸脱することなく、本願に対して様々な変更及び修正を行うことができる。このように、本願のこれらの修正及び変更が、本願の特許請求の範囲及びそれらの同等な技術の範囲内にある場合、本願はそれらの修正及び変更も含むことを意図する。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】