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特表2024-543740ロボットを使用した飛行船製造のための改良されたシステム、方法、および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-25
(54)【発明の名称】ロボットを使用した飛行船製造のための改良されたシステム、方法、および装置
(51)【国際特許分類】
   B64F 5/10 20170101AFI20241118BHJP
   B64B 1/06 20060101ALI20241118BHJP
【FI】
B64F5/10
B64B1/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529309
(86)(22)【出願日】2022-11-17
(85)【翻訳文提出日】2024-07-16
(86)【国際出願番号】 US2022080018
(87)【国際公開番号】W WO2023091991
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】63/280,368
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523066299
【氏名又は名称】エイチツー クリッパー, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】H2 CLIPPER, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100189131
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 拓郎
(74)【代理人】
【識別番号】100182486
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 正展
(74)【代理人】
【識別番号】100147289
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ブルトコ, リナルド エス.
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン, ロバート エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】エバーマン, マイケル アール.
(57)【要約】
飛行船の製造、及び、そうでなければ人間が行うには困難、非効率、又は不適切であり、及び/又は、従来、資本集約的な製造施設に多大な投資を必要とする他の構造体の構築において、フレームの組み立て、外板の取り付け、及び他のタスクの実行を支援するためのシステム、方法、及び装置が提案される。独立して、かつロボット群で動作する自律型、半自律型、および/または人間指向型ロボットの支援により、これらのおよび他の繰り返し行われる製造作業を安全かつ効率的に行うことができるいくつかの実施形態が提案される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行船をトップダウンでロボット制御で製造する方法であって、
少なくとも1つの支持ロボットによって保持された少なくとも1つのトラス上に部分的な飛行船の船体を配置する工程;
1つ以上の専門ロボット作業者クラスを使用して、前記部分的な飛行船の船体アセンブリの選択された作業面上で構築タスクサイクルを完了し、それによって、前記飛行船の上部セクション上で構築タスクサイクルを完了する工程;
少なくとも1つの支持リフトロボットを用いて前記部分的な飛行船の船体アセンブリの前記アクティブアセンブリ作業面をロボットで上昇させる工程;
さらに下部のアクティブアセンブリ作業面を選択し、前記さらなる選択された下部アセンブリ作業面上で構築タスクサイクルをロボットで完了する工程;および
前記飛行船が完全に建造されるまで、後続の下部アクティブアセンブリ作業面を繰り返し上昇させ、後続の選択された下部アクティブアセンブリ作業面上で構築タスクサイクルをロボットで完了する工程;
を含む方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの支持ロボットは、前記飛行船のフレームの位置及び曲率に従って、前記少なくとも1つのトラスと前記飛行船との接触点を調整することができる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記飛行船上の前記構築タスクサイクルは、独立して、またはロボット群内で作業する1つ以上のロボットによって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ロボット群は、前記飛行船の前記組立における前記構築タスクに従って自身を正しく方向付けるために、1つ以上の別の支持ロボットと通信する少なくとも1つの支持ロボットを備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ロボット群は、同種及び異種のいずれか又はそれらの混合である複数のロボットを含んでロボット群を形成し、前記ロボット群内の個々のロボットは、前記ロボットが互いに相互作用し、前記構築タスクサイクルを達成することを可能にする処理、通信及び感知能力を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記ロボット群は、前記飛行船の前記構築タスクサイクルを完了するために、他の専用ロボットと連携する少なくとも1つのヘビーリフトロボットを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記飛行船の船体の外面材料は、前記ロボット群内の特殊な同種ロボットによって塗布される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ロボット群を含む前記少なくとも1つのロボットの各々は、予めプログラムされたルーチン、人工知能、またはそれらの組み合わせによって制御される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ロボット群内のロボットは、前記飛行船の前記フレーム、外骨格、カバー、または他の部分の構築タスクサイクルを完了するときに、特定の固有の機能を実行するために、遠隔カメラ、コンピュータビジョン、および機械学習を利用する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
各ロボットは、既に組み立てられた1つ以上の構成要素に自身を取り付け、そこから支援を得る、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
飛行船をロボット制御で製造する方法であって、
部分的に完成した飛行船の外骨格をそりに取り付ける工程;
少なくとも1つの支柱を前記飛行船の前記外骨格の少なくとも1つのハブに挿入する工程;
少なくとも1つのケーブルを前記少なくとも1つの支柱に取り付ける工程;
少なくとも1つのロボットを前記少なくとも1つのケーブルに取り付ける工程;および
前記少なくとも1つのロボットを利用して、前記軽航空機の建造を完了する工程;
を含む方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのロボットは、ロボット群を形成する同種又は異種の機能を有する1つ又は複数のロボットと通信する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ロボット群内の前記ロボットは、遠隔地からの自動化された品質監視および人間の監督を可能にする感覚システムを用いて構成される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ロボット群内の前記ロボットは、手動制御、無線制御によって制御され、半自律的または完全自律的である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記完全自律制御は、前記ロボット群の機能及びタスクを制御するために、予めプログラムされたルーチン、人工知能、又はそれらの組み合わせを使用する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つのガスセルを飛行船の外骨格内に挿入する工程をさらに含み、前記ガスセルは、空気または空気よりも軽いガスを含み、前記空気または空気よりも軽いガスは、建造中に外骨格の形状を維持するか、または支持される必要がある飛行船の重量を低減する、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記飛行船の少なくとも一部が、横向きに横たわりながら建造され、その後、少なくとも1つのヘビーリフトロボットによって直立位置に持ち上げられ、前記飛行船の建造の完了を可能にする、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つのロボットは、自己移動または誘導移動を行うように構成された移動機構を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つのロボットを落下から保護するためのガントリをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記飛行船の前記外骨格の部分または他の部分は、別個のプロセスでロボットにより構築され、その後、別の製造プロセスに組み合わされる、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つのロボットは、前記外骨格を構築する、外板を取り付ける、または製造に関連する他のタスクを実行するように構成される、請求項11に記載の方法。
【請求項22】
請求項16に記載の方法であって、
少なくとも1つのエンドキャップ及び少なくとも1つのエンドキャップを前記外骨格に接続する工程;
少なくとも1つの前端回転装置及び少なくとも1つの後端回転装置を前記外骨格に固定する工程;
支持される必要がある前記飛行船の重量を低減するために、前記少なくとも1つのガスコール内の浮揚ガスのレベルを調整する工程;および
前記少なくとも1つの前端回転装置及び前記少なくとも1つの後端回転装置を用いて前記外骨格を回転させる工程;
を含む方法。
【請求項23】
飛行船をロボット制御で製造する方法であって、
少なくとも1つの支持ロボットによって保持された少なくとも1つのトラス上に前記飛行船の一部を配置する工程;
前記飛行船上での構築タスクの一部をロボットで完了する工程;
前記少なくとも1つの支持ロボットの少なくとも1つのグリップノードを解放し、少なくとも1つの再循環軌道を回転させることによって前記少なくとも1つのトラスを上昇させる工程;
前記飛行船上で構築タスクサイクルをロボットで完了する工程;および
前記飛行船が完全に建造されるまで、構築タスクサイクルを繰り返す工程;
を含む方法。
【請求項24】
自動制御システムが、少なくとも1つのガスセルに含まれる空気または空気よりも軽いガスの量を制御するように構成される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの支持ロボットは、前記飛行船のフレームの位置及び曲率に従って、前記少なくとも1つのトラスと前記飛行船との接触点を調整することができる、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記飛行船上の前記構築タスクサイクルは、独立して、またはロボット群内で作業する1つ以上のロボットによって行われる、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記ロボット群は、前記飛行船の前記組立における前記構築タスクに従って自身を正しく方向付けるために、1つ以上の別の支持ロボットと通信する少なくとも1つの支持ロボットを備える、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記ロボット群は、同種および異種のいずれか、またはそれらの混合である複数のロボットを含み、ロボット群を形成し、前記ロボット群内の個々のロボットは、前記ロボットが互いに相互作用し、前記構築タスクサイクルを達成することを可能にする処理、通信、および感知能力を有する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ロボット群は、前記飛行船の前記構築タスクサイクルを完了するために、他の専用ロボットと連動する少なくとも1つのヘビーリフトロボットを備える、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記飛行船の外面材料は、前記ロボット群内の特殊な同種ロボットによって塗布される、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記ロボット群を含む前記少なくとも1つのロボットのそれぞれが、事前にプログラムされたルーチン、人工知能、またはそれらの組み合わせによって制御される、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記ロボット群内のロボットは、前記飛行船の前記フレーム、外骨格、カバー、または他の部分の構築タスクサイクルを完了するときに、特定のおよび固有の機能を実行するために、遠隔カメラ、コンピュータビジョン、および機械学習を利用する、請求項28に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)項に基づき、2021年11月17日に出願された「SYSTEM, METHOD AND APPARATUS FOR AIRSHIP MANUFACTURE USING ROBOTICS」という名称の米国仮特許出願第63/280,368号の優先権の利益を主張する。この特許出願の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
主題技術の技術分野
本技術は、高さがあり、長く、幅があり、及び/又は極めて重く、したがって、従来のシステムおよび方法による構築が困難、非効率、または一般的に人間が行うには不適当となる傾向があり、及び/又は、非常に資本集約的な製造施設及び設備に多額の投資を必要とする、軽航空機及び他の大型の航空及び航空宇宙構造体の構築に関する。
【0003】
先行技術の説明
飛行船は、当該技術分野において周知である。剛体または半剛体の飛行船(airship)または航空船(dirigible)は、飛行船の形状を維持し、その構造荷重を担持する構造フレームワークを有する操縦可能な飛行船であり、水素またはヘリウムなどの空気より軽いガスで1つまたは複数の内部バッグまたはコンパートメントを膨張させることによって浮力を提供する。そのような浮力から商業的なペイロードを運ぶために十分な利益を得るために、飛行船は伝統的に非常に大きい。例えば、1928年から1937年まで商業的に稼働したGraf Zeppelinは、長さ776フィートであり、直径100フィート超であった。有意義なペイロードを運搬することができるように、将来の商用飛行船はかなり大型になる可能性が高く、従来の方法を使用することには、製造上の大きな課題が生じる。
【0004】
歴史的に、飛行船はキールの周りに建造されてきたが、2013年4月3日に出願された出願番号13/855,923、現在の米国特許第9,102,391号(’391特許)、および2020年8月28日に出願された出願番号17/005,628、現在の米国特許第11,066,145号(’145特許)を含む出願人の先行特許出願は、ハブおよびスポークから形成された一連の三角形構造からなる外骨格を開示している。このような先の’391特許および’145特許からの関連する内容は、この参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0005】
’145特許に示されるように、出願人は、商業サイズの飛行船が、長さ約1,000フィート、直径200フィートであり得ることを想定している。このような場合、飛行船の外骨格および外板表面材料だけが250,000ポンドを超える重量になる。そのような構造システムおよび外板は、大規模な組み立ておよびレイアップを必要とし、従来の方法により追求する場合、特殊な製造施設および機器を構築するための資本の高い需要が生じ、作業者に対する課題、非効率性、および安全性リスクを生み出し、多くのそのような飛行船を製造するためにそのような施設を急速に拡張、複製、またはスケールアップすることに大きな制約が生じる。
【0006】
例示の目的のために、本出願は、航空船、特に’145特許に開示されているような飛行船に焦点を当てるが、本出願が開示する原理は、高さ、長さ、直径、および質量に起因して建造中に同様の問題に直面する商業用固定翼航空機および商業用ロケットの本体他の飛行船、ならびに胴体を含むがこれに限定されない大型航空および航空宇宙構造体に関連する。例えば、SpaceXのFalcon Heavyロケットは、高さ230フィート、直径40フィートであり、燃料なしで60,000ポンドを超える重量であると報告されている。さらに大きなロケットが、惑星間ミッションのために将来必要とされる可能性があり、その製造課題は、従来の方法を使用して必然的により困難になる。
【0007】
従来、非常に大きな構造物の構築を伴う航空産業、航空宇宙産業、および他の産業では、製造施設は、天井クレーン、高架作業プラットフォーム、複雑な組立ラインを使用し、構築中にそのような構造物を持ち上げ、移動させ、その上で作業するための専用の機器を必要とする。これは、高度に特殊化された資本集約的なインフラストラクチャ、安全性の懸念、ならびに時間および費用がかかる、困難な製造プロセスをもたらす。
【0008】
1978年8月9日に出願され、1981年4月7日にAirships International, Inc.に発行され、1998年8月9日またはその前後に失効した「Method of Assembly of Airship Hull」という名称の米国特許第4,259,776号(’776特許)は、大型の剛性飛行船を組み立てるまたは建造するために過去に使用された様々な方法の説明を含み、その説明は、この参照によって本明細書に含まれる。2018年10月10日に出願され、セルゲイ・ブリン・アラン・ウエストンらに発行され、LTAリサーチ・アンド・エクスプローラーLLCに譲渡された出願番号16/156,913、現在は米国特許第10,988,226号(’226特許)に提供された背景に要約されているように、従来の飛行船は建造中に静止したままであり、これは、建造者が飛行船を建造するために高所に登るか、または高所に吊り下げられなければならないことを意味する。
【0009】
この制限を克服するために、’776特許および’226特許は、それぞれ、飛行船構造を回転させる方法を開示しており、そのため、作業領域は、組立に関与する人員にとって、最高度のアクセス可能性、利便性、および安全性を有し、同時に、組み立てられる船体の構成要素の正確な位置合わせを保持する。’776特許は、水平位置での船体の主横フレームの組み立て、及び完了時に、2つのフレームを「回転クレードル上に支持されたエアクッションのエンドレスベルト上で垂直配向」に持ち上げて配置することを開示する。次いで、1つ以上のそのような回転クレードルが、設置中に使用され、フレーム及び一時的構造アセンブリを便利な位置に回転させ、エアクッションが圧力について監視され、適切な支持を提供するように調整が行われる。
【0010】
’226特許は、円形のメインフレーム構造の外面に取り外し可能な車輪またはローラを追加することによって飛行船(またはその部分的に完成した部分)を回転させることができる「ローラーコースタージグ」構造の使用を開示しており、そのような車輪は、飛行船は建造者が「地上に留まることができる」ように建造され、それによって安全性を改善し、より大きな組立てを可能にする速度である間に、「メインフレームをローラーコースターのレールとインターフェースさせ、メインフレームがその軸に沿って回転することを可能にする」ように設計されている。’226特許に開示されたシステム、方法及び装置は、LTAリサーチに譲渡されたジェズス・ザタレイン等の米国特許第11,254,408号(’408特許)内で補完される。’408特許は、各フレームが水平位置に配向されている間に、飛行船の船体の大きな円形メインフレームを構築するための「ユニバーサルジグ」の使用を記載しており、その後、構造的に適切に完成されると、部分的に組み立てられたメインフレームが、LTA’226特許に開示されているローラーコースタージグ上に組み立てられて配置される。
【0011】
第3の発明である、2020年3月4日に北京康天高科技有限公司によって出願された「大型ハード飛行船の骨組みと大型ハード飛行船のエアバッグの外側に部品を取り付ける方法」と題する中国出願番号CN 111232237A(’237出願)も、作業領域が工場の床に最も近い船体部分に位置するように飛行船を回転させることを意図している。’237特許出願では、飛行船は、「飛行船の下のプロセス空気柱」によって持ち上げられ、次いで、人力または「飛行船の2つの側部の回転スリング」に接続されたステッピングモータを使用して、飛行船の構造および機器部品をより低い位置に便利に設置することを目的として飛行船を転がし、それによって、安全性を高め、コストを削減し、高価な昇降プラットフォームおよび複雑な足場の必要性を回避する。
【0012】
これまで、飛行船の建造はロボットの広範な使用を含んでいなかった。LTAの’408特許は、ロボットについて2回だけ言及し、その後、単に、円形メインフレームがその汎用ジグ装置上に載っている間にメインフレームを組み立てるのを支援するための可能な代替オペレータとして言及している。しかしながら、より一般的には、CMTC(California Manufacturing Technology Consulting)による2021年4月の論文「Ready or Not, Robotics in Manufacturing is on the Rise」に記載されているように、産業用ロボットがより高速、より高性能、かつより安価になるにつれて、ますます多くの企業が、それらの労働力とともに、それらをワークフローに統合し始めている。1990年代初期にさかのぼると、NASA、JPL、ならびにMITおよびカリフォルニア工科大学を含む様々な研究グループは、国際宇宙ステーション、極めて大型の望遠鏡、ならびに他の遠隔で構築された構造物および宇宙環境のために、宇宙空間で大型のトラス構造を組み立てるためのロボットの使用を実験してきた。
【0013】
William Doggettによる「Robotic Assembly of Truss Structures for Space Systems and Future Research Plans」という名称の2002年の論文に要約されているように、NASAの自動構造組立実験室(ASAL)は、12枚のパネルによって覆われた102個のトラス要素からなる8メートルの平面構造の信頼できる自律組立および分解を実証した。Doggettの論文は、宇宙空間での組立作業、検査、および保守のための完全自律および遠隔ロボットシステムに関する関連文献を要約している。この参照により本明細書に組み込まれるDoggettの論文は、そのような平面構造のための信頼できるアセンブリシステムの基礎を形成する重要なハードウェア、ソフトウェア、および設計哲学を要約している。
【0014】
宇宙船の構成要素の軌道上での製造及び統合は、NASAの革新的高度概念(NIAC)プログラムの請負業者であるTethers Unlimitedによっても調査された。この研究では、Tethersは、複合トラスベースの構造体を押し出して組み立てること、及びロボットシステムがこれらの構造体の組み立てを高度に自動化された方法で実行することを可能にすることの実現可能性を実証した。いわゆるSpiderFabロボットの概念実証において、NIACは、カスタムロボットエンドエフェクタ及びトラスジョイントを試験し、自律ロボットがトラスをグリッピングし、操作し、接合することができることを検証し、これらの機能をサポートするためにアセンブリの閉ループ制御を可能にするロボットビジョンシステムを採用した。「SpiderFab:キロメートルスケール開口の軌道上構築のためのプロセス」と題された、この研究に関するテザーの2016年の最終報告もまた、参照により本明細書に組み込まれる。
【0015】
CMTCの記事は、6つの主要なタイプのロボット、すなわち、関節ロボット、デカルトロボット、円筒ロボット、球面ロボット、選択的コンプライアンスアセンブリロボットアーム(SCARA)ロボット、およびデルタロボットを列挙している。この論文はまた、これらのタイプの産業用ロボットがそれぞれ最も適している作業の属性およびタイプを記載している。さらに、CMTCの論文は、ロボットが製造において典型的に使用される用途を記載している。これらの用途には、溶接、塗装、ピックアンドプレース、包装&ラベル付け、組立、分解、製品検査、製品試験、パレタイジング、研磨、研削、バフ研磨が含まれる。他の論文は、これらのタスクおよび他のタスクを、5つの一般的なカテゴリ、すなわち、材料の取扱い、溶接、組立て、分配、および処理に分類されるものとして要約している。ロボット自動化の進歩を考慮すると、CMTCの記事は、より高い効率、生産性、および精度のために自動化を利用する産業も列挙している。CMTCによれば、これらは、電子機器製造、自動車製造、医療、食品製造、および農業を含む。
【0016】
ロボットは、前述の産業に関連し、小さな構成要素と共に動作することが最も多いが、航空宇宙用途において重要な役割を果たす。RobotWorxによれば、ロボットは、その信頼性、能力、および精度のために、航空機エンジンの建造のために、ならびに機体の掘削および塗装などの作業を行う際に広く使用されている。彼らの論文「Robots in the Aerospace Industry」によれば、航空宇宙においてロボットが最も頻繁に使用されるタスクは、構成要素に穴をあけることである。機体の塗装及び亀裂検査、複合材料の層間剥離、及びリベットが無傷であることの確認も一般的な作業であり、超音波撮像は航空宇宙産業におけるロボットの別の一般的な作業である。
【0017】
RobotWorxの論文によれば、ロボットは、複合材胴体上への自動化された繊維配置に関連してカーボン繊維ストリップを敷設するためにも使用され得、これは、繊維を切断し配置するためのロボットのより高い精度に起因するエラーを排除するのに役立つ。この論文が示すように、航空機の製造プロセスにおけるAI(人工知能)および機械学習の利用は、製品の品質を損なうことなく生産速度を高めるのに役立つことが一般に期待されている。ボーイングやエアバスのような航空宇宙大手は、この技術に投資しており、宇宙空間に大きな構造物を構築するための自律ロボットの使用に関する以前に参照された研究と共に、OEMによるそのような投資は、将来のロボットの市場成長に貢献することが期待される。
【0018】
飛行船の建造に関してロボット工学の使用(または使用の提案)は、かなり少なかった。ハイブリッド飛行船プログラムに関連して、Lockheed Martinは、そのいわゆる「損傷評価および修理のための自己推進型器具」、すなわちSPIDERロボットを包含する「自己推進型飛行船船体修理システム」という名称の米国特許第8,800,628号(’628特許)を開発した。このロボットは、飛行船の外板の穴を自律的に検査し、見つかった場合にはそれらを修理するようにプログラムされた。SPIDERは、2つの半体で構築され、一方の半体は、エンベロープの外側にあり、他方の半体は、内側にある。磁気的に結合されて、ロボットは、エンベロープの表面全体にわたって移動し、外側半分は、飛行船の表面上に光を照らし、一方、内側半分は、そうでなければ暗いエンベロープ内の光センサを使用して潜在的なピンホールを検出する。SPIDERが穴を検出すると、SPIDERは、補修機構を使用して穴を修復することができ、次いで、修復検証のために領域の前後の写真を送信する。ロボットは、不均一に湾曲した表面上で動作するように設計され、一方で、飛行船の最終組立と並行して、および、主要な保守点検中に、光学式エンコーダーを使用してその動きを測定しながら、上下左右に自走する。
【0019】
Lockheed Martinの別の特許出願は、「飛行船建造のための連続繊維強化」と題され米国特許第10,518,861号(’861特許)に成熟し、’628特許に開示されたSPIDERと同様のロボットの使用を開示している。’861特許の場合、このロボットは、連続繊維強化材をガス充填形状に適用し、それによって、飛行船または軽航空機の船体の3次元表面にわたって連続繊維強化材を使用することによって、船体アセンブリにおける個々の構造ジョイントの必要性を排除するための手段として提案されている。’861特許の開示によれば、特定の実施形態において、所望の船体形状に構築された薄膜またはファブリックの膜は、最初にガスで充填され、繊維ディスペンサーロボットを使用してその外面に強化繊維を適用することができるように、製造施設の床上に吊り下げられる。開示されるように、このロボットは、電源、駆動サブシステム、位置決めサブシステム、損傷報告サブシステム、および/または制御サブシステムを含み得、「ホイール、ローラ、軌道、ボール、または膜を横断する運動を可能にする任意の他のタイプの機構を使用して」ガス充填形状の表面に沿って移動する。
【0020】
上述したように、先に参照した’408特許では、汎用ジグの開示と併せて、LTAはロボットの使用を2回だけ言及している。したがって、その汎用ジグは、半径方向パターンで構成された複数の軌道と、飛行船構造のメインフレームを構築するのを補助するためにそのような軌道に沿って位置的に調整されるように構成されたカートとを備えるものとして説明される。そこに開示されているように、各軌道は、その上に前部カートと後部カートとを有し、そのそれぞれの目的は、組み立て中にメインフレームの内側部分と外側部分とを固定することである。本明細書は、これらのカートが「メインフレームの様々な構成要素(例えば、ジョイント及びコネクタ)を保持することを支援するために利用され、人間、ロボット、又は他の組立オペレータがメインフレームを組み立てることを可能にする」ことを開示する。70ページを超える明細書におけるロボットアセンブリに対する唯一の他の言及は、「メインフレームの第1の構成要素がカートに固定されると、[・・・]組立作業者(例えば、人間、機械、またはロボットの組立作業者)は、次いで、コネクタを取り付けてもよい[および]次いで、付加的ジョイントがコネクタに取り付けられてもよく・・・。ジョイントとコネクタを接続するこのプロセスは、円形メインフレーム全体が組み立てられるまで繰り返されてもよい。」という説明である。
【0021】
「System and method for flexible manufacturing」と題する米国特許第11,353,856号(’856特許)において、出願人Arrival Robotics Limited(「Arrival」)は、製品を製造するためのロボット制御を作成するためのプロセスを開示している。Arrivalは、’856特許の教示および関連するノウハウを適用して、マイクロ工場生産モデルを使用して商用電気自動車バンおよびバスを生産することを報告している。その材料によれば、「マイクロファクトリの背後にある基本原理は、技術セルの使用である」ことにより、各技術セルが特定の生産プロセスを実行するように最適化される、より柔軟な組立方法が可能になる。同等の年間生産量では、そのマイクロ工場の設備投資は、従来のOEM生産設備よりも50%少なくなり、そのマイクロ工場に関連するその運用費用の節約は、同様の生産能力を有する従来のOEM設備と比較した場合、約50%になると、Arrivalは推定する。
【0022】
挙動ベースのロボット、システム制御、および分散型ローカル制御、ならびにハイブリッドロボットアーキテクチャの有用な概要は、「System, method and apparatus for organizing groups of self-configurable mobile robotic agents in a multi-robotic system」と題された米国特許第7,343,222号(’222特許)に提供されている。’222特許に記載されている理由でロボット群と呼ばれることもあるロボットのグループが一緒に動作し、大規模システムを生産するプロセスを高速化することを可能にするためのそのような手法の使用は、MIT研究者によって書かれ、Motion Design Magazineにおいて公開された2020年2月の論文「Robots assemble large structures from little pieces」などの非特許文献にも記載されている。
【0023】
このようなロボット技術および制御方法を最大限に利用して、飛行船および他の非常に大型および/または非常に重量のある構造体の製造を単純化し、製造時間、コスト、および資本投資の要件を低減し、同時に、製品設計から実際の製造への移行速度を高め、精度のレベルを高め、最初の商用飛行船からの製造をスケールアップして、複数のユニットの製造および複数の場所でのこのような製造設備の複製を可能にすることをはるかに容易にする、改良された製造システム、方法、および装置が大いに必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】米国特許第 9,102,391号明細書
【特許文献2】米国特許第11,066,145号明細書
【特許文献3】米国特許第 4,259,776号明細書
【特許文献4】米国特許第10,988,226号明細書
【特許文献5】米国特許第11,254,408号明細書
【特許文献6】米国特許第 8,800,628号明細書
【特許文献7】米国特許第10,518,861号明細書
【特許文献8】米国特許第11,353,856号明細書
【特許文献9】米国特許第 7,343,222号明細書
【非特許文献】
【0025】
【非特許文献1】Ready or Not, Robotics in Manufacturing is on the Rise
【非特許文献2】Robotic Assembly of Truss Structures for Space Systems and Future Research Plans
【非特許文献3】Robots assemble large structures from little pieces
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0026】
少なくとも1つの態様では、本技術は、従来の手法よりも設備および機器への初期資本投資がはるかに少ない、飛行船および他の大型構造物を建造するための高速で費用効果の高い方法を提供するために、特別に設計されプログラムされたロボットを使用することに関する。本開示は、構造体を組み立て、飛行船の外板を取り付けるための有用性を有し、そのような有用性に関連して説明されるが、本開示の原理から逸脱することなく、他の商業的有用性が企図される。
【0027】
いくつかの実施形態では、ロボットのグループは、50フィート以上の高さで作業し、それによって、作業者が、組立動作を行うときに危険な状態を回避することを可能にし、革新的な感覚システムを通して、安全な遠隔場所からの自動化された品質監督および人間の監督を可能にする。システムおよび方法のロボット能力を監督する経験豊富な技術者のこの組合せは、製造作業に必要なインフラを劇的に低減しながら、従来の構築の何分の1かの時間および何分の1かのコストで優れた結果をもたらす。
【0028】
別の実施形態では、アクティブなアセンブリ作業面が製造施設の床から好適な距離内にある状態で、飛行船をトップダウンで製造することを可能にするために、特別なクラスのヘビーリフトロボットが、他の専門のロボット作業者クラスと共に使用されてもよい。このような実施形態では、飛行船の上部が完成すると、部分的に完成した船体が上方に押し上げられ、完成した上部の下にその構造のより多くを組み立てることが可能になり、その後、完全な飛行船が組み立てられるまでプロセスが繰り返される。このアプローチの例示的な実施形態では、飛行船のための外側表面材料は、完全な船体が完成した後ではなく、船体の各連続部分が組み立てられるときに構造体に取り付けられる。また、さらなる例示的な実施形態では、船体全体が物理的に完成されるまでそのような構成要素を追加するのを待つのではなく、部分的に完成された船体の作業面が追加されるときに、飛行船の内側にあり、外面から延びる他のサブシステムも追加される。
【0029】
別の例示的な実施形態では、各ロボットは、事前にプログラムされたルーチンによって、および/または、異なる構造形状、システム、部品番号付け、およびAprilTagなどの様々な形態の視覚的基準マーカを含むマーキングに応答するように訓練され得る高度な人工知能(AI)の使用を通じて制御される。限定するものではないが、例として、飛行船が出願人の’391特許および’628特許出願における外骨格などの構造を使用する場合、ロボットは、構造アセンブリが完成されたときに各構造部材が適切に位置合わせされるように、既存の構造を登って3次元空間内で自動的に向きを定めるように事前にプログラムされ得る。
【0030】
さらなる例示的な実施形態では、ロボットは、リモートカメラ、コンピュータビジョン、および機械学習を利用して、飛行船の外骨格の幾何学的形状に適応し、そのようなロボットが外骨格を組み立てるように特定の部品を選択して組み立て、外板を取り付け、飛行船または他の構造体を構築するために必要な他の特殊なタスクを実行する。省力化および安全性の利点に加えて、このようなロボット技術セルの使用は、飛行船製造業者を、高価な頭上クレーンを設置する必要性、および、さもなければ大量生産飛行船に必要とされる追加の機器を購入または設置することから解放する。
【0031】
従来の生産組立ソリューション(天井クレーン、組立機器、高架作業者プラットフォーム、および’226特許で提案された「ローラーコースタージグ」の使用を含む)は、資本集約的な製造設備、特殊機器、および人員の使用を伴うが、ロボット組立の使用は、飛行船の建造を劇的に加速し、ロボットの各群は、地上に安全に立っているオペレータによって制御されることが可能である。
【0032】
システムおよび方法はまた、スケーラビリティを念頭に置いて設計される。複数のロボットクラスが、協調された様式で、かつ別個のタスクまたは地理的エリア上で並行して作業するように構築されることができるため、システムは、飛行船のサイズ、飛行船の数、および組立場所の数にかかわらず、所望のプロジェクト期間を満たすように複数のレベルで容易に拡大縮小されることが可能である。複数の市場に迅速に参入し、良好な支払い業務を生み出し、地域の税金収入を増やす能力は、広範なコミュニティのサポートおよび採用を構築するのに役立つ。
【0033】
1つの例示的な実施形態では、システムは飛行船構造を直線的に構築し、各ロボットが、既に組み立てられたハブおよびチューブの1つまたは複数の列にそれ自体を取り付け、そこから支持を得る。任意の実施形態において、そのような予め組み立てられた構成要素に取り付けられ、及び/又は飛行船自体の構造とは別個の支持体に接続された1つ又は複数の一時的なガイドレールは、ロボットのための追加の支持及び/又は誘導を提供する。別の任意選択の実施形態では、システムおよび方法は、1つまたは複数の軌道または床に取り付けられたレールを使用して、ロボットのための追加の支持および/または誘導を提供する。
【0034】
システムおよび方法は、好ましくは、そのような支持構造、ガイドレール、および/または軌道に沿って移動するための移動機構を含む。任意の実施形態において、ロボットが構造体の以前に完成した部分、ガイドレールまたは軌道に取り付けられ得ない場合を含むが、これに限定されず、移動は、バッテリまたは水素燃料電池電力を使用して、および/または、車輪、ケーブルクローラ、真空吸盤、およびラックアンドピニオンシステムを利用して、ガイドレールまたは軌道に沿って引っ張られることによって、自己移動または自律運動ベースを通して達成され得る。製造フロアから持ち上げられたとき、システムおよび方法は、ロボットを落下から保護するためにロボットをワイヤケーブルから保持するためのガントリを任意選択で含むことができる。また、工場の床から操作する場合、システムおよび方法は、任意選択で、負荷能力を高めるために、リニアベアリングおよび再循環プロファイルレールを含むことができる。
【0035】
1つの例示的な実施形態では、ロボットは、形状を認識し、視覚的基準マーカに応答し、センサを通して障害物を知覚し、そのようなセンサデータに基づいて反復アクションを実行するようにプログラムされる。
【0036】
いくつかの実施形態では、ロボットは、マシンビジョンに基づいて独立して動作するようにプログラムされてもよく、または群として働くように事前にプログラムされてもよく、2つ以上のロボットのグループが、相互に協調して働き、運動、目的地、および/またはアクションを調整し、所定のタスクを実行する。1つの好ましい実施形態では、そのような自律ロボットは、ローカルプロセッサ機能に基づいて、他のロボット、人間、および物体との衝突を回避するようにプログラムされる。
【0037】
一実施形態では、外骨格の部分およびサブアセンブリは、別個のプロセスで構築されてもよく、その後、他のサブアセンブリおよび船体の部分的に完成した部分と組み合わせられる。1つのそのような実施形態では、外骨格の部分は、全周が完成するまでその側面を横にしながら組み立てられてもよく、その後、その部分は、ガイドレールおよびケーブルを取り付けるための安定した基部を作成するように、他の部分的に完成した部分に接続されることができるように、直立位置まで上昇させられる。別の実施形態では、特別に設計されたロボットを使用して、追加のモジュールが追加されている間、完全な円周が完成するまで、部分的に完成した円形トラスセクションを適切な垂直配向に保持する。
【0038】
別の実施形態では、1つ以上の膨張可能な形状が使用されてもよく、その周囲に、ロボットによって外骨格が構築され、全周が完成されるまで、部分的に構築された外骨格を保持するための頭上クレーンまたは中間横断歩道の必要性を最小限にし、それによって、円形形状が、全周に沿って飛行船の重量を分散させることを可能にしてもよい。別の実施形態では、そのような膨張可能な構造体は、部分的に完成した外骨格を持ち上げるために使用されてもよく、それによって、そのような構造体を定位置に保持するロボットが持ち上げなければならない重量の一部を低減する。
【0039】
さらに別の実施形態では、クレーン、機械式および/または油圧ジャッキ、および他の吊り上げ装置の必要性を最小限にするために、そのような1つまたは複数の膨張可能形状の浮力は、飛行船またはその選択された部分の中立または所望のレベルの負の浮力を維持するように調整されてもよく、その結果、そのような飛行船またはその部分の重量は、構築が進むにつれて、常に所定の許容範囲内に留まる。
【0040】
特定の実施形態では、このような1つ以上の膨張可能な形状は空気で満たされてもよく、他の実施形態では、このような形状はヘリウムまたは水素などの空気より軽いガスで満たされてもよく、さらに別の実施形態では、このような1つ以上の膨張可能な形状のそれぞれは、膨張可能な層からなってもよく、外側層は浮揚ガスで満たされ、内側層(「バルーン」とも呼ばれる)は空気で満たされる。別の実施形態では、この順序は逆にされ、外側層は空気で充填され、内側層は浮揚ガスで充填される。
【0041】
特定の実施形態では、自動制御システムは、1つ以上の膨張可能な形状に含まれる浮揚ガスと空気の相対量を制御するようにプログラムされてもよく、そのような制御システムプログラミングの目的は、正味重量を連続的に監視し、1つ以上の膨張可能な形状の完全性と、全体的な中立または所望の正味の負の浮力レベルとの両方を常に維持するように、構築が進行するにつれて空気および浮揚ガスの量を調整することによって、飛行船または飛行船部品の所望の浮力特性を維持することである。
【0042】
一実施例において、外骨格と外板の合計重量が最終的には250,000ポンドを超え、飛行船の正味重量は約25,000ポンドを超えることはない。
【0043】
ある実施形態では、アラミド繊維またはKevlar(登録商標)等の軽量ファブリックの外側層が、1つ以上の膨張形状の所望の形態で生産され、外骨格と接触する場合の摩耗のリスクおよび/または構築中に損傷されるリスクを低減させるように、そのような1つ以上の膨張可能形状の外側表面の周囲に配置され、1つの好ましい実施形態では、そのような1つ以上の膨張可能形状およびこのファブリックは、飛行船の寿命の間、外骨格の内側に恒久的に留まり、構築の完了後、もしあれば、浮揚ガスコンパートメントおよび対応する空気袋としての役割を果たすであろう。
【0044】
特定の実施形態では、スリーブは、1つ以上の膨張可能な形状の上に掛けられた軽量のファブリックで設計され、外骨格の組み立て中に、このスリーブにスポークを通すことができ、それによって、前記形状が外骨格の所望の部分に接着することを確実にする。
【0045】
また、いくつかの例示的な実施形態では、ハブ、スポーク、および他の重要な構成要素の配置は、人間および/または機械可読テキストまたは記号を使用して、1つまたは複数の膨張可能形状の表面上に直接描かれ、軽量ファブリックは、もしあれば、それらの外面の周りに、および/または他の構成要素の表面上に配置されて、そのような構成要素を3次元空間ジオメトリ内に配置するのを助けることができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、個々のロボットまたはロボット群は、そのような図面、視覚的基準マーカ、および任意選択の固有の番号を利用して、完成した外骨格および皮膚の配置がその意図された設計に従うように、正しい構成部品が正しい位置に正しい3次元配向で組み立てられることを確実にすることができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、外骨格および/または外板の部分を提供するために、付加構築技術、3D印刷、ステレオリソグラフィプロセスなどが使用されてもよい。そのような実施形態では、1つまたは複数のロボットを使用して、これらの構成要素を「印刷」することができる。任意選択的に、そのような場合、第2のロボットまたはロボット群が後に物体の表面または表面を平滑化する。
【0048】
いくつかの実施形態では、外骨格が完成すると、エンドキャップが外骨格と結合されてもよく、回転装置の車軸がそれに取り付けられてもよい。取り付けられると、1つの好ましい実施形態では、浮揚ガスの量は、飛行船本体の正味重量を低減するように調整されてもよく、その後、1つの実施形態では、本体は、検査、滑らかな外板表面の適用、および他の所望の製造ステップを支援するために、前記車軸によって回転されてもよい。
【0049】
また、いくつかの実施形態では、膨張可能な形状のうちの選択されたものを使用して、飛行船の前部を下降させ、飛行船の後部を上昇させて、エンドキャップまたは前部コンパートメントを結合するのを助けることができ、膨張可能な形状のうちの選択されたものを使用して、飛行船の後部を下降させ、前部を上昇させて、エンドキャップまたは後部エンジンを結合するのを助けることができる。
【0050】
1つの例示的な実施形態では、同種又は異種の複数のロボットが相互接続され、ロボット群を形成する。個々のロボットは、処理、通信、および感知能力をローカルにオンボードで有するので、それらは、互いに相互作用し、環境に自律的に反応することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1図1は、サブパート1(a)から1(c)を含み、サブパート1(a)には、本開示の原理を適用することによって構成される軽航空機のための外骨格構造が示されている。
【0052】
図1(b)は、隣接するトラスモジュールと接続されたときに、そのような外骨格構造の一部として円形構造フレームを構築するために使用され得る標準的なトラスモジュールを示す。
【0053】
図1(c)は、そのような構造の前端と後端との間の中間点におけるそのような外骨格の断面図の概略図を提供する。
【0054】
図2図2は、本開示の原理に従ってシステムおよび方法を実行する際に1つ以上のロボットによって採用される、ベースロボット機能およびベース自動化動作を列挙する表である。
【0055】
図3図3は、サブパート3(a)~3(c)を含み、ボトムアップ構造の代替案を使用してこのような外骨格を組み立てる態様を示し、サブパート3(a)は、1つまたは複数のロボットによって組み立てられている構造のセグメントに一時的に取り付けられた水平ケーブルを有する部分的に完成した外骨格を示す。
【0056】
図3(b)は、そのような水平ケーブルが取り付けられた支柱が、どのようにして外骨格のハブに固定されるかの例を提供し、サブパート3(c)は、ケーブルを支柱に接続し、利用するための1つ以上の前記ロボットのためのガイドレールを提供することを示す。
【0057】
図4図4は、サブパート4(a)から4(c)を含み、サブパート4(a)において、外骨格の全周が完成するまで3次元空間を保持するための、および任意の実施形態において、部分的に完成した飛行船の正味重量が所定の許容可能な重量範囲内に連続的に維持されることを確実にするための、膨張可能なガスバッグの使用を示す。
【0058】
図4(b)は、部分的に完成した外骨格構造、膨張可能なガスバッグ、および前記ロボットの移動のための水平および垂直ガイドケーブルの配置を可能にするために前記3次元空間上に張られ得るガイドワイヤの使用の断面図を示す。
【0059】
図4(c)は、単一の代表的なガスバッグを示し、ガスバッグの浮力を調整するための任意のバルーンをその中に含むこと、ならびにガスバッグに対する摩耗および/または損傷のリスクを低減するためのファブリックの任意の使用を示す。
【0060】
図4(d)は、1つの任意の実施形態において、エンドキャップを外骨格の各端部に結合し、次に各エンドキャップを回転装置の車軸に接続することを示す。
【0061】
図5図5は、サブパート5(a)~5(c)を含み、トップダウン構造の代替の態様を示す。図5(a)は、一実施形態において、部分的に完成した外骨格を組立施設の床から適切な距離に保持し、次いで、飛行船のフレームの組立が進行するにつれて、部分的に完成した構造を持ち上げるために使用される、ヘビーリフタロボットのクラスによって使用される床レールまたは軌道のレイアウトを概略的に示す。
【0062】
図5(b)は、構築が行われている間に構造フレームを保持するためのそのようなヘビーリフタロボットの使用を概略的に示し、図5(c)は、組立が進行するにつれて、トップダウン構築の代替実施形態による外骨格を持ち上げるそのようなロボットの進行を示すために、経時的な一連の同じ図を提供する。
【0063】
図6図6は、サブパート6(a)および6(b)を含み、サブパート6(a)において、自律組立ロボットの支援によりフレームの次のモジュール式セグメントを所定の位置に持ち上げながら、主横フレームの部分的に完成したセクションを保持するヘビーリフタロボットの斜視図を示す。
【0064】
図6(b)は、原材料及びサブアセンブリを主組立領域に往復させるための専用自律ロボットの支援と併せて、他のロボット作業セルによって生産されたサブアセンブリを接続する自律組立及び固定ロボットの群の概略図を含む、支持ロボットの追加のクラスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0065】
実施態様は、例として本明細書に記載されているが、当業者は、実施態様が記載された例または図面に限定されないことを認識するであろう。図面およびその詳細な説明は、開示された形態に実施を限定することを意図しておらず、反対に、添付の特許請求の範囲によって定義される精神および範囲内にあるすべての修正、均等物および代替を包含することを意図している。本出願全体を通して使用される場合、「may」という単語は、強制的な意味(すなわち、しなければならないことを意味する)ではなく、許容的な意味(すなわち、可能性を有することを意味する)で使用される。同様に、「含む(include)」、「含む(including)」、および「含む(includes)」という語は、含むが、それに限定されないことを意味する。さらに、本明細書で使用される場合、動詞「接続する」、「結合する」、および「取り付ける」、ならびに対応する記述用語「接続された」、「結合された」、または「取り付けられた」は、それぞれ、2つ以上の構成要素を一緒に接続する行為、またはそのような構成要素が一緒に接続される属性を指し得、その接続は、永久的(例えば、溶接、糊着、接合、またはろう付け)または一時的(例えば、ボルト締め、ピンによって保持、摩擦もしくは張力によって、または継手もしくは対合を通して定位置に保持)、直接または間接的(すなわち、中間物を通して)、機械的、化学的、光学的、または電気的であるかどうかにかかわらない。
【0066】
本技術は、特に航空及び航空宇宙における、飛行船及び他の大型構造体を組み立てるための従来技術に対する改良を説明する。例示的な実施形態では、これらの改善は、特別にプログラムされた自律型、半自律型、及び/又は人間指向型のロボットを使用して、構造フレームを組み立て、外板を取り付け、レイアップし、又は印刷し、飛行船を製造し、他の方法では人間が行うには困難、非効率、又は不適切であり、及び/又は他の方法では非常に資本集約的な製造施設を構築するために著しい投資及び長いリードタイムを必要とする他の構造を構築する際に他のタスクを行うことによって達成される。
【0067】
主題技術のこれらの態様および他の態様は、以下の例示的な図の使用を通じて開示される。
【0068】
図1(a)から図1(c)までからなる図1は、飛行船の一実施形態における外骨格101を示す。図示されるように、図1は、本出願人の先行する’145特許に開示され、その図5に関してより詳細に説明される飛行船の1つの好ましい実施形態における外骨格に概ね対応する。外骨格101は、本明細書では、そのサイズおよび/または重量が、従来のシステムおよび方法を使用する構築を、人間が行うことが困難、非効率、または不適切にする傾向がある、および/またはそうでなければ、非常に資本集約的な製造施設および機器において行われる有意な投資を要求する、任意の飛行船および他の大型構造のフレームの非限定的例証として提示される。
【0069】
図1(a)は、前端部102および後端部103を含む飛行船構造101の全長を示し、前記飛行船のおおよその正中線104、およびそのような構造に追加の剛性を提供するために任意選択で使用され得る1つまたは複数の円形構造フレーム105の存在を示す。非限定的な例として、図1(a)に示す概略図には、飛行船の前四半部の円形フレーム105(a)、飛行船の後四半部の円形フレーム105(b)、および飛行船構造の前部102と後部103との間の中間点の円形フレーム105(c)を含む、合計18個の円形フレームが示されている。
【0070】
このような円形フレーム105の各々は、その全周を一緒に構成する複数のトラスモジュール106からなるトラスを使用する。図1(b)は、その重量に対して高い耐荷重能力の支持構造を達成するために、長手方向部材107、ストラット108、および接合部109の開放した骨格アセンブリを用いて構築される、1つのそのようなトラスモジュール106の例証的実施例を示す。各トラスモジュール106は、次の隣接するトラスモジュールの対応するカップリングジョイント111(a)、111(b)、111(c)と接続するカップリングジョイント110(a)、110(b)、110(c)を含む。構造フレーム105は、同一平面の荷重を支持する際にその固有の剛性を利用するために、幾何学的三角形に基づくものとして示されている。この記載によらず、この形状、ならびにそのような構造フレーム105の数、そのような円形フレームの各々を備えるモジュール106の数、ならびにそれぞれの寸法、重量、構成材料、およびそのようなモジュールを備える個々の構成要素を接続するために使用される方法は、非限定的であり、例示目的のみのために使用され、本開示の原理から逸脱することなく異なり得る。
【0071】
また、限定ではなく例示の目的で、正中線104における飛行船構造101の直径は200フィートであると仮定され、飛行船の長さは1,000フィートであると仮定される。このような寸法は、幅および天井高さが最小225フィート(20階建ての建物の高さにほぼ等しい)であり、最小長さが1,100フィート(端と端を接して配置された3つのフットボール場の長さにほぼ等しい)である組立設備を必要とする。従来の構築技術を使用すると、この約250,000平方フィートの20階建ての高い構造は、外骨格全体またはその主要部分を持ち上げることができる少なくとも200フィートの自由スパンを有する1つまたは複数の大型頭上クレーンを必要とする。例示の場合、このサイズの飛行船は、その構造および外板を含めて100トンを超える重量があると推定され、コックピット、エンジン、尾部、ならびに内部の機械的、電気的、推進、熱管理、および貯蔵システムが含まれると、200トンを超える重量があると推定される。
【0072】
図1(c)は、図1(a)のセクションA-Aの断面図を提供する。図示されるように、図1(a)および図1(c)は、構造部材112を含み、これらの構造部材は、プロジェクトスポンサーの選択された設計に従って、骨組みの異なる強度レベルを任意に反映し得る。例示の目的のためだけに、図1に示される構造要素は、概して、本出願人の先行’145特許における飛行船の1つの好ましい実施形態における外骨格に関して開示される三角形パターンに対応する。この特許にさらに詳細に記載されているように、構造体の円周を構成する中線104の各側には48個の三角形がある。三角形の数は同じままであってもよいが、各構造部材の長さは徐々に短くなり、配置の角度は外骨格101の直径が狭くなるにつれて変化する。’145特許内でより詳細に説明されるように、三角形の数は、構造が前部102または後部103の方向に移動するにつれて減少し得るが、外骨格101は、外骨格の直径がより狭くなっても、三角形の数が同じままであると仮定する。このようなアセンブリの長さ、配置、および配向は、3次元空間内での正確な配置、ならびに適切な部品が適切な位置で使用されることを確実にするための適切な検査および制御を必要とすることが、当業者に明らかである。
【0073】
独立して、かつロボット群で動作する1つまたは複数の自律型、半自律型、および/または人間指向型ロボットが、これらの課題に対処し、従来技術の他の制限を克服するために、以下に説明するように使用される。この点に関して、’856特許は、コンピュータ統合製造(CIM)、すなわち、コンピュータを使用して生産プロセス全体を制御する製造手法を利用するシステムおよび方法を記載している。その開示が参照により本明細書に完全に組み込まれる、その中に開示されるように、CIMは、ソフトウェア定義の製品設計フローを使用して柔軟な製品製造を可能にし、そのフローでは、コアロボット機能および自動化された動作が選択され、順序付けられ、検証され、試験され、計画され、設計者が、その設計が生産に適しているかどうか、および/またはロボットが、そのような設計を製造するためにシーケンスに追加される追加の能力を必要とするかどうかを知ることができるように、即時フィードバックが設計者に提供される。生産プロセス全体を制御するためにコンピュータを使用するこのアプローチは、’856特許のシステムおよび方法において、個々のプロセスを制御し、処理ロボットが互いに、および設計人員と情報を交換することを可能にし、製品が生産される方法を変更することができるアクションを開始するために使用される。これは、製造時間を短縮し、エラーを少なくする。’856特許のシステムおよび方法はまた、ソフトウェアおよびコンピュータ化されたシステムを利用して、様々なプロセスステップの製造を構成するのを支援し、それによって、製品生産のための工場準備に必要な時間を短縮し、プロセス効率を改善し、生産コストを下げ、工場効率を改善することを説明する。
【0074】
図2を参照すると、表201は、1つの好ましい実施形態において、開示されたシステムおよび方法を実行する際に1つ以上のロボットによって用いられる、ベースロボット機能202およびベース自動化動作203の非限定的なリストを提供する。ベースロボット機能202は、多くの異なるタスクの一部であり得る機能要素であり、ベース自動化動作203は、ロボットがこれらの基本能力を採用することを通して行うように設計およびプログラムされるコアタスクである。ロボット工学の当業者であれば、そのようなコアタスクは、割り当てられたタスクを実行するために異なるツーリングまたはエンドエフェクタを使用して実行され得ることを理解するであろう。例えば、最も単純なロボットは、特定のタスクを実行するために取り付けられたツールを有するアームからなり、同じロボットが別のタスクを実行することを可能にする異なるエンドエフェクタが取り付けられてもよい。同様に、当業者は、ロボット動作が特定の構造体の製造要件に応じて異なり得ること、さらに、本開示の趣旨および範囲を実行するために、追加のベースロボット機能202およびベース自動化動作203が代替のツーリングおよびソフトウェアプログラミングと組み合わせて追加され得ることを理解するであろう。
【0075】
機能するために、ロボットは電力を有していなければならず、図示のように、様々な構成要素を製造し、フレームを組み立て、外板を飛行船構造101に取り付け、他の製造タスクを実行するために必要なベースロボット機能202は、電源204を含む。好ましい実施形態では、使用されるロボットは、電気からエネルギーを得る。静止ロボットは、飛行船構造101の組立に使用される部品の押出しおよび製造に使用され、プラグ接続されることができるが、使用されるロボットのかなりの数が動き回ることが必要とされる。このようなロボットは、バッテリ電力を必要とし、好ましい一実施形態では、水素燃料電池ベースの電力を利用して、より長い動作持続時間およびそれから得られるより大きなトルク強度から利益を得る。
【0076】
第2の重要な能力は、ロボットの制御システム205であり、これは、自動化されたタスクを実行するように、またはセンサ206からの信号を解釈してこれに応答し、それに応じてその動作を調整するようにプログラムすることができる中央処理装置、すなわちCPUからなる。1つの例示的な環境では、制御システム205は、必要なときに、ロボットが自律的に機能することを可能にする遠隔処理および集中処理の両方を含み、他のロボットとの協調動作において、または人間のオペレータによって提供されるコマンドに応答して、1つまたは複数のロボット動作を遠隔で制御する。1つの好ましい実施形態では、センサ206は、スマートセンサであり、これは、物理的環境(外部又は内部)から特定のタイプのデータを収集し、センサに内蔵されたコンピューティングリソースを使用して、それが収集しているデータに対して所定のプログラムされた機能を実行し、次いで、そのデータをネットワーク接続を介して渡す。これらは、精密位置センサ、レベルセンサ、圧力センサ、重量センサ、温度センサ、近接センサ、熱および流量センサ、流体速度センサ、ならびに電流センサを含むが、それらに限定されない。センサ206は、異なるプロセスを監視し、データを収集し、測定を行い、好ましい実施形態では、産業用モノのインターネット(IIoT)およびクラウドコンピューティングプラットフォームを使用して、このデータを送信し、製造プロセス全体からのデータを監視および記録し、ひいては、それを指向および制御する。
【0077】
別の基本的なロボット能力は、実行されるタスクの要件に応じて、全範囲の可動性および動作を包含する移動207である。例えば、開示されたシステム及び方法で使用されるロボットの多くは、平坦な表面、不規則な表面、又はガイド若しくはケーブルに沿ったローリング216などの基本的な自動化動作のための車輪、そり、又は機構を備えてもよく、又はクライミング217のための人間の動きを模倣するアームを使用してもよい。飛行船の製造に必要な他の動きは、図3および図4に関してより詳細に説明されるようなグリッピング218、リーチング219、および制動220、ならびに図6に関するグリッピング218、持ち上げ226、定位置保持227、接続227、および検査233を含み、いずれの場合もロボット工学の当業者に周知のアクチュエータを使用する。これらの移動を効果的に実行するために、1つの好ましい実施形態における別の基本的なロボット機能は、位置認識208であり、これは、指定された3次元空間座標、特定の作業領域もしくはアプリケーションに対する、または1つもしくは複数の他のロボットに関するロボットの現在の物理的位置を検出するセンサ206からのデータを組み込むことができ、次いで、このデータを操作して、アクション、情報、およびロボットの移動を制御することができる。
【0078】
位置認識208は、マシンビジョン209に基づくこともでき、これは、1つの好ましい実施形態におけるさらに別の基本的なロボット機能である。マシンビジョン209は、位置認識208を任意選択的に支援することに加えて、様々な機能を実行するために、専用の光学素子を有する1つ以上の産業用カメラ内の1つ以上のビデオカメラ及び/又はデジタルセンサを採用する。システムおよび方法を実行する際に、これは、例えば、特定の部品を識別221することを含み、そのような部品に印刷された、またはそうでなければ表示された固有の識別コードを読み取ること、および例えば、所望のタスクを実行するための正しい部品をピッキング222することを含むが、これらに限定されない。マシンビジョン209の別の用途は、AprilTag、他の視覚的基準マーカ、およびレーザポインタを読み取り、構成要素の適切な配置および配向を確実にすることであり得る。
【0079】
別の基本的なロボット機能は、関節アーム210であり、これは、以下で図3図4、および図6に関してより詳細に説明するように、クライミング217、リーチング219、ピッキング222、ハンドリング223、配置224、挿入225、持ち上げ226、接続229、および取り付け230を含むがこれらに限定されない多数のタスクを実行するのを支援する。さらに別の基本的なロボット機能は、通信211である。ロボット工学および自律システムアプリケーションにおける分散インテリジェンスは、シームレスなワイヤレス接続性に大きく依存することが一般に理解される。特に、IIoT/クラウドベースのロボットパラダイムは、高複雑性の計算タスクをエッジ/クラウドプラットフォームにオフロードするためのそのような通信技術を必要とする。したがって、そのような通信211能力は、好ましい実施形態では、中央コントローラシステム、他のロボットと、人間オペレータによる監督または遠隔制御が必要であるか、または所望される場合、そのような個人と接続する。
【0080】
1つの任意の実施形態では、ベースロボット機能202はまた、3D印刷212を含み、これは、材料の層が構築されて3D部品または印刷された表面領域を作成する付加プロセスであり、任意選択で、関節アーム210と併せて使用されてもよい。これが採用され得る1つの非限定的な例は、外部構造101のスキンまたは特定の部分を印刷し、それによって、付加製造技術を採用することなく、そうでなければ困難または不可能である機能的能力を達成することである。そのような3D印刷212は、形状、サイズ、剛性、密度、および色が様々である物体を作成するために、限定はしないが、プラスチック、複合材、または金属を含む、いくつかの異なる材料を使用することができる。3D印刷212は、グリッパ、センサマウント、アーム端ツーリング、及びシステム及び方法で用いられる他のロボットのための様々な交換部品のような部品を製造するためにも使用され得る。
【0081】
このようなエンドエフェクタ、ツーリング、ロボット周辺機器、及びロボットアクセサリを変更することは、システム及び方法の円滑な動作にとって重要である。したがって、任意の好ましい実施形態における別の基本的なロボット機能は、アーム先端工具213、すなわち、人間の介入なしにツールを交換し、様々なユーティリティを受け渡す自動化されたプロセスを提供する自動ツール交換である。そのようなアーム先端工具213は、他のベースロボット機能202と組み合わせて、1つまたは複数のロボットが、好ましい実施形態では、グリッピング218、切断228、接続229、取り付け230、平滑化231、およびセメント固化232を含むタスクを実行することを可能にし、その有用性は、当業者には、以下の図3図4、および図6に関して説明されるタスクを実行する際に容易に明らかになるであろう。
【0082】
組立技術214は、1つまたは複数のロボットによって単独でまたは群で実行される様々なベース自動化動作203を使用する標準化された組立ルーチンまたはスクリプトのライブラリを指す。1つの好ましい実施形態では、そのような組立技術214は、ソフトウェアベースの命令であり、別の任意選択の実施形態では、これらの命令は、1つまたは複数のロボットによって使用される専用ROMベースのチップ上に直接焼き付けられる。このような組立技術214は、好ましくは、1つの任意の実施形態において、ビルディングシェル内の基礎となる生産プロセス機器自体のビルドアウトのための命令を含む、製造プロセスの全ての態様を含む。1つの好ましい実施形態では、そのような組立技術214は、カスタム製作または押出成形された構成要素および部品を生産し、これらの構成要素を選択して組み立てて飛行船フレーム101を生産し、外板をそれに適用するために必要な個々のプロセスステップのための命令を含む。別の1つの任意選択の実施形態では、そのようなスクリプトは、電気的および機械的システムを追加すること、サードパーティ製の機器および船舶を取り付け230ることおよび接続229すること、ならびに他の関連するタスクのために使用される。
【0083】
機械学習/AI 215は、好ましい実施形態における別の基本的なロボット能力である。当業者は、これが、明示的な命令に従うことなく学習および適応することができるコンピュータシステムを含むことを理解するであろう。これは、データのパターンを分析し、そこから推論を引き出すためにアルゴリズムおよび統計モデルを使用することによって達成される。これらの能力を組み込むことは、1つの好ましい実施形態において、使用されるロボットが、そうするように明示的にプログラムされることなく、システムおよび方法を実行することにおいてより熟達することを可能にする。これは、新しい出力値を予測するための入力として履歴データを使用することによって達成される。任意の好ましい実施形態では、そのような処理は、機械学習からAI(人工知能)へとクロスし、本明細書で使用されるように、ロボットが、タスクを最適な様式で完了するように他のロボットと協調様式で作用することによって、またはタスクを行うために通常の日常言語を使用して人間がそのようなロボットと通信することを可能にすることによって等、タスクを「スマートに」実行することができることを示す。
【0084】
最後の2つのベース自動化動作203、検査233および撮影234は、制御システム205、移動207、マシンビジョン209、関節アーム210、および通信211を含む複数のベースロボット機能202の組み合わせを使用して、1つの好ましい実施形態では、検査または撮影される表面のほとんどが人間による直接検査の範囲から十分に外れている場合であっても、フレームアセンブリおよび外板表面が航空認証および性能の厳しい要件を満たすという文書化および保証を提供する。
【0085】
上述のように、特定の特大のまたは非常に重い構造体の製造要件を満たすために、追加のベースロボット機能202および/またはベース自動化動作203が必要であるかまたは望ましい場合がある。ボタン235(a)および235(b)は、それぞれ、好ましい実施形態において、設計、製造、組立、または検査の課題を克服するために有用な場合に、そのような追加の能力および動作機能を追加する能力があること、生産の非効率性を解決すること、コストまたは生産時間を削減すること、人間が行うには不適切または安全でないタスクを行うこと、あるいは品質、再現性、およびスケーラビリティを向上させることを示す。
【0086】
次に図3および図4を参照すると、ボトムアップ実施形態において飛行船を組み立てるためにこれらのロボット能力を使用することに関する一連の図および対応する開示が提供される。これに続いて、図5および図6において、トップダウンの代替的な実施形態に従って、そのような飛行船の組み立てが進行する代替的なアプローチに関する一連の図および関連する開示が提供される。ボトムアップおよびトップダウンアセンブリの代替形態の両方の態様を組み込むハイブリッド手法も有用であり得、多くの場合、本開示を実施するための好ましい実施形態を表すことを、当業者は容易に理解するであろう。
【0087】
図3(a)は、そり301上に着座した外骨格101の部分的に組み立てられた下部を示し、一実施形態では、この下部は、飛行船が完成したときに内部積載ベイエリアを取り付けるために構造体101が補強される4つの位置で構造体に結合されてもよい。そり301は、好ましくは、軽量で、非常に強く、かつ非腐食性であるように中空である強化炭素繊維部材から作られ、着陸ベース302に着座し、着陸ベースは、ドッキングされたときに飛行船に便利にサービスを提供するためにそり301に結合するように特別に設計され、1つの任意の実施形態では、前記飛行船に水素を追加するか、または前記飛行船から水素を除去することを含み、別の任意の実施形態では、貨物を降ろすときに一時的なバラストとしてそり301の中空部分を水で満たし、次いで飛行船が出ようとしているときにその水を空にする。着陸ベース302は、補強された基礎303上に永久的に構築される。1つの任意の好ましい実施形態では、飛行船が完成すると、それは、そり301が取り付けられた状態で、その遠隔の意図された動作のベースに飛行されてもよく、別の着陸ベース302がそのために構築されている。
【0088】
図3(a)はまた、支柱305(a)と305(b)との間に水平に吊り下げられたケーブル304を示す。次に、図3(b)は、支柱305がどのように外骨格101のハブ307と確実に結合され得るかを示す。ハブ307、ハブに取り付けられるスポーク308、およびハブの他の構成要素は、本出願人の先行特許第145号の明細書、特にその図4に関連する詳細な説明において詳細に論じられている。図3(b)に示すように、開口部306は、支柱305を確実に固定するためのソケット開口部を提供する。カラー309は、支柱305が開口部306を通って完全に押されることを制限するように機能し、1つの好ましい実施形態では、支柱305および開口部306の相補的な形状は、支柱305が開口部306に一旦埋め込まれると回転することを可能にしない確実な結合を可能にする。一旦所定の位置に配置されると、支柱305はロボットのベースとして使用され、及び/又はケーブル304はアイレット310を通って移動を補助する。
【0089】
この点に関して、図3(c)は、図3(b)のセクションA-Aの断面図を提供する。図に示すように、ケーブル304はアイレット310に通され、ケーブル304が滑り出ないようにクランプ311が取り付けられている。このようなケーブル304が他端に固定されると、ロボットベース312および車輪313がそこに取り付けられ、このようにして、外骨格101の構築中にクライミングロボットが広い範囲の開放領域を横切って移動し、前記外骨格に皮膚を取り付けるのを支援することが可能になる。特定の製造プロセスが完了すると、支柱305は、開口部306から取り外され、構築が完了するまで他の場所で使用され得る。クランプ312は、以下でより詳細に説明するように、水平ケーブル304に沿った前記ロボットの移動範囲の移動を任意選択で制限するための、または水平ケーブル304を垂直ケーブル403に接続するための、1つまたは複数の追加のクランプの使用を示す。
【0090】
図3に記載された構成要素と併せてベース自動化動作203を実行するためにベースロボット機能202を使用する、限定はしないがSPIDERボットを含むマルチアームロボットを通じて、どのようにして個々のロボット、または協調して作業するロボットのグループが50フィート以上の高さで作業することができ、それによって、飛行船または他の大型および/もしくは重量構造物を伴う組立および他の製造作業を実行するときに、作業者が危険な状態を回避することを可能にするかは、当業者には明らかであろう。
【0091】
一実施形態では、外骨格の部分は、全周が完成するまでその側面を下にして横にして構築されてもよく、その後、その部分は、他の部分的に完成した部分に接続されて、記載された方法でガイドレールおよびケーブルを取り付けるための安定した基部を作成することができるように、直立位置まで上昇される。別の実施形態では、飛行船構造101は、すでに完成している組み立てられたハブ307およびスポーク308の1つまたは複数の列から支持を得るために、上述の方法で支柱305に取り付け230された1つまたは複数のロボットを用いて、直線的に組み立てることができる。任意の代替実施形態では、ロボットは、概して、支柱305(a)および305(b)によって図示されるように、開放面積の両側のハブ307の空間306内に1つまたは複数の支柱305を挿入し、それらの間にケーブル304を設置し、次いで、車輪313を使用して、ケーブル304に沿って移動し、その間に開放面積を構築する。
【0092】
さらに別の実施形態では、ケーブル304は、一方または両方の端部において、飛行船自体の構造101とは別個の、例えば、そのような組立が行われている建物または工場の床に取り付けられる、1つまたは複数の安全な点に接続されてもよい。この場合、材料ハンドリングロボットは、これらのケーブルに沿って移動してもよく、そのようなフェッチロボットは、前記外骨格101上の組立の意図された位置で必要とされる適切な部品を識別221し、次いで、これらの部品をピッキング222し、グリッピング218し、意図された組立位置またはその近くの他のロボットに運ぶ(たとえば、ハンドリング223する)。これらのフェッチロボットからそのような部品を受け取ると、組立ロボットは、フレームの設計に対応する組立技術214に従って、これらの部品を他の部品と接続することができる。非限定的な例として、出願人の先行する’145特許に記載されたハブおよびスポーク構造のためのそのような組立技術214は、次のスポーク308の追加のためにハブ307の所望の側にヒンジ接続を形成するために、各インサート314の一端の2つの突起を6つの三又ソケット315の1つに挿入225することを必要とする。そのロボット、またはそれと通信211して作業する別のロボットは、次いで、スポーク308を対応するインサート314と結合し、構造アセンブリが完成したときに、位置認識208を使用して、これらの構造部材を適切に位置合わせし、着座させることができる。これらのロボットのうちの1つ(またはそれらと通信211して動作する第3のロボット)は、次いで、ピン316を挿入225することによって接続を固定してもよい。
【0093】
図4は、4つのサブパーツからなり、ボトムアップの代替実施形態の他の態様を示す。図4(a)は、図3(a)の部分的に完成した外骨格101の内側のガスバッグまたはセル等の1つ以上の膨張可能形状の使用を図示する。図示されるように、1つの非限定的な例では、12個(合計)のそのようなガスセルが設けられ、前記外骨格101の前部102から後部103まで長手方向に延びる中線の各側に6個ずつ設けられる。1つの好ましい実施形態では、全てのそのようなガスセルの容積は等しく、それは、飛行船の船体形状の直径が変化するにつれて、異なる長さおよび外形を有する形状をもたらすであろう。したがって、図示されるように、この中線の左側に位置するガスセル401(a)、およびその右側に位置するガスセル401(b)は、[将来の]船体の最終形状と共に先細りし、かなり長い一致する形状を有し、一方、セル401(a)および401(b)のすぐ後ろの前記中線の両側のガスセル402(a)および402(b)は、同じ体積のガスを含むが、長さがはるかに短い。これらのガスセルの他の形状および構成が、本開示の原理に従いながら採用されてもよい。
【0094】
1つの任意の実施形態では、そのようなガスセルは、周囲空気を含有し、その周囲に外骨格構造101が構築され得る一時的形状として機能してもよい。このような任意の実施形態において、このようなガスセルの主な機能は、将来の飛行船の船体の形状の3次元空間を占有し、部分的に完全な外骨格101の安定性を補助する抵抗を提供し、全周の安定性が前記外骨格101がそれ自体の形状を維持することを可能にする前に、構造体が「それ自体の上に落下する」ことを防止するのに役立つことである。膨張すると、これらのガスセルは、垂直ケーブル403が、そのような膨張可能な形状の外側表面上に引き出され、その両側に位置するハブ307に挿入された支柱305に接続されることを可能にするであろう。図示のように、垂直ケーブルは、先に開示した方法で支柱305(a)および305(b)に取り付けられ、図3(c)に示すクランプ314は、水平ケーブル304をそのような垂直ケーブル403に取り付けることを可能にし、それによって、組立ロボットがリーチングできる領域を増加させる。
【0095】
図4(b)は、部分的に完成した外骨格構造体101の前端の断面図を示し、膨張可能なガスセル401(a)および401(b)が内側に配置され、そのすぐ後ろにガスセル402(a)および402(b)が配置されている。図はまた、部分的に完成した外骨格101の右側に垂直ケーブル403を固定するために使用され、膨張可能なガスセル402(a)および402(b)の上部にわたって張られ、次いで、前記外骨格フレーム101の左側の支柱305(c)に接続する、支柱305(a)を示す。これは、外骨格101の全周が完成されるまで部分的に建造された外骨格を保持するための頭上クレーンまたは中間横断歩道の建造の必要性を最小限にし、それによって、構造が飛行船の重量をその全周に沿って分散させることを可能にする。
【0096】
図4(c)を参照すると、全てのガスセルを代表するものとして、ガスセル401(b)の図が提供される。図に示すように、1つの代替実施形態では、膨張可能な形状は、ヘリウムまたは水素などの浮揚ガスで充填されてもよく、任意選択で、空気で充填された第2の内部ガスセル404を含んでもよい。空気より軽い設計の当業者は、内側ガスセル404が、いわゆる「気球」と類似していることを認識するであろう。気球は、一般に、気球が膨張すると、浮揚ガスに利用可能な容積が減少し、それによって、その密度が増加し、全体の浮力が減少し、次に飛行船の降下を引き起こし、一方、気球が収縮すると浮力が増加するように、浮揚ガスを含む外側エンベロープの内側に配置されるエアバッグであると理解される。空気袋は、典型的には、非剛性または半剛性飛行船における浮力制御のために使用され、実際に、そのスポンサーの設計意図に応じて、構築されている飛行船の動作に対して任意の有用性を有してもよく、またはそうでなくてもよい一方で、各膨張可能形状内の内側ガスセル404の使用は、そのような飛行船の製造において有用であり得る。
【0097】
さらに別の代替実施形態では、ガスセル401(b)および残りのガスセルは、空気で充填されてもよく、内側ガスセル404は、所望の浮揚ガス(例えば、ヘリウムまたは水素)で充填されてもよい。この代替実施形態は、剛性飛行船で使用されるガスバッグの構成により近いという利点を有し、浮揚ガスセルは、飛行船の船体内で保護される可撓性のエンベロープである。そのような場合、各浮揚ガスセルは、必要に応じて、充填(例えば、浮揚ガスを追加する)および通気するためのアクセス点を有し、ガスセルの周囲には、安全特徴としての役割を果たす空気のエンベロープがある。水素が上昇ガスとして使用される限り、水素分子はガスセルの壁を通ってゆっくりと移動するので、この漏れは、可燃性濃度に達する前に消散される必要がある。水素は急速に上昇するので、飛行船は、水素濃度を測定するためのモニタと共に、ガスセルの頂部に沿って空気のゆっくりであるが安定した流れを有し、必要に応じて換気を増加させる能力を有するように構成される。
【0098】
別の実施形態では、アラミド繊維またはKevlar(登録商標)等の軽量ファブリック405の外側層が、膨張形状の所望の形態で生産され、それらが外骨格と不注意に接触する場合の摩耗のリスクを低減させるため、ならびに構築の間にそのような形状が損傷されるリスクを低減させるために、それらの外側表面の周囲に配置される。1つの好ましい実施形態では、「スリーブ」は、外骨格の組み立て中にスポーク308を通すことができる軽量のファブリックで設計されてもよい。これを行うことは、前記形状が外骨格構造101の所望の部分に接着することを確実にする。いくつかの任意の実施形態では、膨張可能な形状およびこのファブリックは、構築の完了時に除去されてもよく、他の好ましい実施形態では、1つ以上の膨張可能な形状およびこのファブリックは、飛行船の寿命の間、外骨格の内側に恒久的に残り、構築の完了後、その動作において使用されるであろう。好ましい実施形態では、ヘリウムは、建造中に浮揚ガスとして使用されてもよく、水素は、飛行船が完成して動作状態に置かれると使用されてもよい。
【0099】
また、いくつかの実施形態では、ハブ、スポーク、および他の重要な構成要素の配置は、人間および/または機械可読テキストまたはタグを使用して、1つまたは複数の膨張可能形状または軽量ファブリック405の表面上に直接描かれて、ロボットがそのような構成要素を3次元空間で識別221し、配置224するのを支援することができる。他の任意の実施形態では、ロボットまたはロボット「群」は、そのような図面および任意の固有の番号およびタグを利用して、正しい構成部品が、完成した外骨格および皮膚の配置がその意図された設計に従うように正しい位置に組み立てられることを確実にすることができる。
【0100】
前述のガスセルの代替の1つを使用して、一実施形態では、そのような膨張可能な形状の浮力は、飛行船またはその選択された部分の中立または所望のレベルの負の浮力を維持するように調整されてもよい。これは、そのような飛行船またはその一部の重量が、構築が進行するにつれて、常に所定の許容範囲内に留まることを確実にし、クレーン、機械式および/または油圧ジャッキ、ならびに他の吊り上げ機器の必要性を最小限にするであろう。1つの好ましい実施形態では、自動化された制御システムは、1つ以上の膨張可能な形状に含まれる浮揚ガスおよび空気の相対的な量を制御するようにプログラムされ得、このような制御システムプログラミングの目的は、部分的に完成した飛行船の正味重量を連続的にモニタし、そして構築が進行するにつれて空気および浮揚ガスの量を調節することによって所望の浮力特性を維持して、上記1つ以上の膨張可能な形状の完全性および全体の中立または所望の正味の負の浮力レベルの両方を常に維持することである。
【0101】
一実施形態では、飛行船の有効正味重量(例えば、完成した船の部分の総重量から浮揚ガス充填膨張式形状の浮揚能力の影響を差し引いたもの)は、10,000~20,000ポンドの範囲内に維持される。この範囲(例えば、5~10トン)は、製造者の希望に従って変更されてもよく、飛行船の実際の合計重量が最終的に250,000ポンドを超えることがあるにもかかわらず、開示された原理を実施することによって有効重量をはるかに管理しやすく保つことができるという本開示のこの態様の原理を示す。
【0102】
一実施形態では、外板の部分を含む予め製作された曲線部品が、それらの組立技術214を実行するロボットを介して外骨格に取り付け230られる。別の実施形態では、外板は、適用され、レイアップされ、又はセメントで固められ232、平滑化231され、しわ、気泡、くぼみ、又は他の許容できない欠陥を有していないことを確認するために検査233される。任意の実施形態では、付加構築技術212を使用して、外骨格および/または外板の部分を提供することができる。そのような実施形態では、1つまたは複数のロボットが、支柱305、水平ケーブル304および/または垂直ケーブル403上に搭載され、1つまたは複数のコンピュータ制御された関節アーム210を使用して、これらの構成要素をレイアップまたは3D印刷212する。任意選択的に、そのような場合、第2のロボットまたはロボット群は、飛行中の表面摩擦および抗力を最小限に抑えるために、後に表面を平滑化231する。
【0103】
図4(d)は、別の1つの代替実施形態を示す。いくつかの実施形態では、外骨格101が完成すると、一時的エンドキャップ406(a)が前記外骨格101の前部102と結合され、一時的エンドキャップ406(b)がその後部103と結合される。回転装置408の車軸407は、一時的にそこに連結されてもよい。この装置上に完成した飛行船を乗せることは、その取付け部409上の回転装置の高さを調整し、同時に、前述の自動制御システムを使用して飛行船の有効正味重量を減少させて、浮揚ガスの相対量を増加させ、1つまたは複数の膨張可能な形状に含まれる空気の体積を減少させることによって、そのプロセスを支援することができる。そのような回転機械408に結合されると、1つの好ましい実施形態では、浮揚ガスの量は、次いで、飛行船の有効正味重量をさらに低減させて中立浮力に近づけるように調節されてもよく、その後、1つの実施形態では、検査、平滑な外板表面のレイアップ、および他の所望の生産ステップを補助するように、全飛行船本体が、該回転装置408によって回転させられてもよい。
【0104】
また、他の任意の実施形態では、膨張可能な形状のうちの選択されたものを使用して、飛行船の前部102を下降させ、飛行船の後部103を上昇させて、エンドキャップ406(a)または前記外骨格に取り付けられる前部コンパートメントを結合するのを助けることができる。別の任意の実施形態では、膨張可能な形状のうちの選択されたものを使用して、飛行船の後部103を下降させ、前部102を上昇させて、エンドキャップ406(b)を結合すること、または後部エンジンに取り付けること、または後部エンジンで作業することを支援することができる。
【0105】
次に図5を参照すると、トップダウンの代替実施形態に従って飛行船アセンブリが進行する代替アプローチに関して、いくつかの図が提供される。図5(a)は、製造施設の床501の図を示し、その上の破線502は、飛行船101の完成した表面の外縁の仮想形状(本明細書ではそのドリップラインと呼ばれる)を表す。前記ドリップライン502の縁をちょうど越えて延びるように示された垂直線は、設備の床に取り付けられたエポキシまたはスタッド取り付けサブプレート軌道503を示し、このような各軌道の配置は、飛行船101の円形支持フレーム105の位置に対応する。図示のように、飛行船の前方を指す矢印504(a)の方向に見ると、軌道503(a)は、飛行船101の前方4分の1における支持フレーム105(a)の位置に対応する。飛行船の後部に向かう矢印504(b)の方向に見ると、軌道503(b)は、飛行船101の後部4分の1における支持フレーム105(b)の位置に対応する。軌道503(c)は、飛行船101の中線104における支持フレーム105(c)の位置に対応する。そのような軌道503の各々は、以下で図5(b)および図6に関してより詳細に説明されるように、2つ以上のいわゆるハンドオーバハンド(HOH)支持ロボット505のための線形経路を提供する。
【0106】
図5(b)は、部分的に完成した飛行船101を持ち上げ226、所定の位置に保持227し、それによって、構造、外面、および内部構成要素に対する組立および構築活動を工場の床502で、またはその近くで理想的に行うことを可能にする、そのようなHOH支持ロボットの主要な機能を示す。図5(b)に示される図は、構築の開始近くの図5(a)からの線形軌道503(c)に沿ったセクションA-Aである。HOH支持ロボット505(a)および505(b)は、6つのトラスモジュール106(a)~106(f)を含む部分的に完成した構造フレーム105(c)の上部の左端および右端をそれぞれ保持227する。図6に関して以下により詳細に説明するように、HOH支持ロボット505(a)は、トラスモジュール106(a)及び106(b)をグリッピング218し、一方、HOH支持ロボット505(b)は、トラスモジュール106(e)及び106(f)をグリッピング218する。これらのトラスモジュールは、トラスモジュール106(c)及び106(d)からなる構造フレーム105(c)の頂点に接続される。
【0107】
図5(c)は、図5(b)に示される図に対応する断面図506(a)から始まる、図5(a)のセクションA-Aの6つの任意の図を示す。次の5つの図は、断面図506(a)の接続229された第1の最上モジュールから断面図506(f)の飛行船が完成するまでの支持フレーム105(c)の構築の進行を示す。これらの6つの例示的な図は、その時点での飛行船101の完成のレベルを所与として、線形軌道503(c)に沿ったHOH支持ロボット505(a)および505(b)の位置と、構築の進行が正中線104から図5(a)の矢印504(b)の方向に進むにつれて追加される、各円形構造フレームに対する2つの対応するHOH支持ロボットの追加とを示す。
【0108】
断面図506(a)および506(f)にそれぞれ示されるように、HOH支持ロボット505(a)および505(b)は、線形軌道503(c)の中央付近で、互いに最も近くで開始および終了する。断面図506(b)、506(c)、および506(d)では、HOH支持ロボット505(a)および505(b)は、飛行船101が建造されるにつれてさらに離れて移動し、断面図506(d)に示されるように、そのようなアセンブリの「赤道」(例えば、飛行船の上部と底部との間の中間点)でそれらの最大分離に達する。図6に詳細に示すように、HOH支持ロボット505は、支持アームが円形フレーム105の曲率に常に一致することを可能にする旋回軸を有する。この旋回軸の+/-90度の回転は、HOH支持ロボット505が構築中心線に対して凹状および凸状の両方の湾曲に適合することを可能にする。したがって、構造体の赤道が構築レベルを通過すると、支持ロボットは、水平に回転され、内側から外側にローリングされて構築を完了する。これは、断面図506(a)~506(d)に示されており、これらの構築の初期段階では、円形フレーム105の内側に配置されたHOH支持ロボット505(a)および505(b)を示し、赤道を通過すると、断面図506(e)および506(f)で構築の外側に移動するそのようなHOH支持ロボット505(a)および505(b)を示す。
【0109】
飛行船101の構造は、断面図506(a)および図5(b)に示されるように、円形支持フレーム105(c)が線形軌道503(c)から組み立てられることから始まるが、飛行船の構造が赤道に向かって進むにつれて、アセンブリはまた、構造の前部102および後部103の方向に移動する。構築物の構築が行われているアクティブ領域が横方向に(例えば、それぞれ矢印504(a)および504(b)の方向に)移動すると、追加のHOH支持ロボット505が各連続する線形軌道に追加され、そのようなロボットは、線形軌道503(c)上のロボットに関して説明されたのと同じように機能する。したがって、断面図506(d)および506(e)に示されるように、飛行船101の構造が赤道に到達すると、2つのHOH支持ロボット505が、線形軌道503のそれぞれの上で使用される。任意選択的に、断面図506(f)に示すように、そのような円形支持フレーム105の各々が完成した後、必要に応じて、そのようなHOH支持ロボット505の一部または全部を所定の位置に残して、追加の支持を提供することができる。
【0110】
次に図6を参照すると、そのようなHOH支持ロボット505の概略図が図6(a)に提供されている。図示のように、好ましい実施形態では、リニアベアリングレール601が線形軌道503に取り付けられている。一実施形態では、HOH支持ロボット505は、軌道搭載を採用しなくてもよいが、好ましい実施形態では、これらの移動ロボットは、上向き応力(例えば、正浮力応力試験中)または床に伝達される高モーメント負荷が存在する可能性がある場合があるため、軌道搭載される。図3および図4に関して開示されたようなガスセルの任意の使用は、構築のより重い段階に対してこの支持の一部を提供し得るが、好ましい実施形態では、HOH支持ロボット505は、そのような荷下ろしがないという保守的な仮定を採用し、それによって、完全に組み立てられるまでに飛行船101の全重量を運搬することをHOH支持ロボットに要求する。
【0111】
完成した飛行船101の重量が合計400,000ポンドであり、16個の構造フレーム105を有すると仮定すると、8個のHOH支持ロボット505が各側に使用される。この場合、各HOH支持ロボット505は、約25,000ポンドに、いくつかの領域におけるより重い重量および浮力による荷下ろしの可能性を考慮するための安全係数を加えたものを支持する必要がある。様々な取付け方法が可能であるが、リニアベアリング602(a)および602(b)の使用は、高い負荷容量、剛性、ならびに耐衝撃性および耐衝撃性を提供し、一方で、ロボットのキャリッジ603が線形軌道503に沿って移動する間、ロボットのキャリッジ603の負荷に対する支持を提供し、ベアリングレール601に対して低摩擦の摺動面を提供する。任意の実施形態では、キャリッジ603は、飛行船101の建造が赤道を越えて進み、飛行船101のその部分のための対応する円形支持フレーム105の建造が完了すると、一方または両方の端部で飛行船の部分を支持するために上方に(例えば、Y軸方向に)延在するように設けられてもよい。
【0112】
当業者は、ベルト、ラックアンドピニオン、およびチェーン駆動を含むが、それらに限定されない、いくつかの方法が、ロボットの線形(例えば、X軸)運動を駆動するために使用されることができることを認識するであろう。図示されるように、好ましい実施形態では、HOH支持ロボット505は、ラック604およびトラバース駆動部(ピニオン)605を使用する。ケーブル配線を減らすために、HOH支持ロボット505のための電源204は、好ましい実施形態では、オンボードバッテリを使用する。これらのロボットは一度に短い距離しか移動せず、組立期間の大部分の間はアイドル状態にあるので、好ましい実施形態では、搭載バッテリを補給するためにリニアベアリングを介してトリクル充電を提供することができる。
【0113】
図5(b)に関して説明したように、HOH支持ロボット505は、ロボットのアームアセンブリ607が、そのそれぞれの円形構造フレーム105の構築中心線608に従って配向されるように+/-90度回転することを可能にし、それによって飛行船構築が進行するにつれて凹状および凸状の両方の湾曲に適応するための枢動軸606を有するヘビーリフトデバイスである。好ましい実施形態では、そのような枢動アームアセンブリ607は、グリッピング218、持ち上げ226、および定位置保持227機能を提供する。円形構造フレーム105を構成するために三角形トラスを使用すると仮定すると、好ましい実施形態では、このようなアームアセンブリ607は、駆動手段を有する再循環軌道610上に、それぞれ3つのノードグリッパの組で取り付けられた合計9つのノードグリッパ609を含む。
【0114】
ノードグリッパ609(a)、609(b)、609(c)は再循環軌道610(a)に接続され、ノードグリッパ609(d)、609(e)、609(f)は再循環軌道610(b)に接続され(ノードグリッパ609(d)は図の他の部分の背後に隠れている)、ノードグリッパ609(g)、609(h)、609(i)は再循環軌道610(c)に接続されている。矢印611(a)及び611(b)は、HOH支持ロボット505がグリッピングしているトラスモジュール106を持ち上げ(以下に説明するように)、次にこれらのモジュールが備える構造フレーム105を持ち上げるときに再循環軌道610(a)が移動する方向を示し、矢印611(c)及び611(d)は、それぞれ再循環軌道610(b)及び610(c)及びそれらの対応するノードグリッパ609の戻りを示す。
【0115】
3つのトラスモジュール106が、それらの対応する構造フレーム105への組み立ての様々な段階で示されている。図示されるように、トラスモジュール612(a)は、組立及び固定ロボット(FixBot)613によって所定の位置に移動されており、その特徴は以下に記載される。図示のように、FixBot613は、トラスモジュール612(a)のカップリングジョイント110(a)、110(b)、110(c)を、それぞれ、再循環軌道610(c)上のグリップノード609(i)、再循環軌道610(b)上のグリップノード609(f)、再循環軌道610(a)上のグリップノード609(c)に位置決めしている。適切に位置決めされると、好ましい実施形態では、FixBot613(または、これらのカップリングジョイントを所望の方法で取り付けるためのアーム先端工具213の適切な端部を有する第2のFixBot)が、トラスモジュール612(a)の対応する3つのカップリングジョイント111(a)、111(b)、および111(c)をトラスモジュール612(b)のカップリングジョイント110(a)、110(b)、および110(c)に接続する。次に、グリッパノード609(h)、609(e)、および609(b)は、トラスモジュール612(a)と612(b)との間の接続されたジョイントをグリッピングし、それによって、これらのモジュールを所定の位置にしっかりと保持227し、一方、図6(b)に関して説明されたように構造要素の残りと外板とを接続すること、およびアセンブリのその層のために飛行船101の他の構成要素を接続することを含む作業が、トラスモジュール612(c)に対応する層上で進行する。
【0116】
層の全ての構成要素が完成すると、グリップノード609(a)、609(d)、609(g)が開き、それによってトラスモジュール612(c)の最後の保持を解放し、再循環軌道610(a)、610(b)、610(c)がトラスモジュール612(a)、612(b)を持ち上げ、それによってトラスモジュール610(a)、610(b)、610(c)、飛行船101の反対側の対応する3つのトラスモジュール106、およびそれらの間を接続するトラスモジュール106の全てからなる対応する構造フレーム105を上方に割り出す。同様の動作が、他の円形フレーム105を保持するHOH支持ロボット505の対によって同時に実行され、それによって構造体101全体を上昇させる。これが完了すると、構造フレーム全体の構築、その外板の取り付け、および関連する構成要素の接続が完了するまで、前述の一連のステップが繰り返される。
【0117】
飛行船101の構造体と接触する任意のHOH支持ロボット505の動作は、そのような構造体101が所望の方法で上昇されることを確実にするように調整されなければならないことが当業者には明らかであろう。HOH支持ロボット505は、同一の停止時間および開始時間を有するが、異なる率を有する。適切な動作を確実にするために、全てのHOH支持ロボット505は、システムの制御システム205、予めプログラムされた組立技術214、及び通信211によって精密に調整され、再循環軌道610、グリッパノード609、トラバース駆動部605、又は旋回駆動部606のいずれかが故障した場合、そのような故障が診断されて修正されるまで、全てのHOH支持ロボット505の動作を直ちに停止させることになる予想される方法で機能する。
【0118】
上述のように、FixBot613は、トラスモジュール106などのサブアセンブリを所定の位置に保持するようにプログラムされた軽量ペイロードロボットである。FixBot613のような自動案内車は、他の材料の取り扱い及び配置の任務のために製造設備全体にわたって使用される。FixBot613が、搭載されたオペレータまたはドライバなしで自律的に移動することを可能にするために、それらは、Bosch Rexrothによって製造されるもの等の自律移動ロボット(AMR)基部614上に構築される。そして、広範囲の作業を行うために、そのようなFixBot613の各々は、FANUC、Yaskawa Motoman、ABB、およびKUKAによって製造されるような6軸線関節アーム615を有し、その作業を行うためのアーム先端工具213と、そのようなサブアセンブリを正確に位置決めし、検査を行うために、目的地およびグリッピング部品の基準を読み取るためのカメラ616とを装備する。
【0119】
次に図6(b)を参照すると、FixBot613(a)および613(b)は、円形構造フレーム105間の構造要素を組み立てて接続するためにそれらを装備する異なるアーム端ツーリングを装備して示されている。ロボット群として動作する非限定的な例として、FixBot613(a)は、スポーク308を所定の位置に保持して示され、FixBot613(b)は、スポークをハブ309で他のスポークに接続する。図はまた、コネクタ618を用いてトラスモジュール612(c)に接続される他のサブアセンブリ617、およびそのような外骨格上への外板619の取り付けを示す。図6(b)はまた、FetchBot620と呼ばれる別の特殊なクラスのロボットを示し、これは、好ましい実施形態において、事前に切断された長さのスポーク308などの原材料、およびサブアセンブリ617などの事前に組み立てられた構成要素を、これらの構成要素がロボット作業セルによって生産され、在庫され、および他の方法で準備される施設の他の領域から主アセンブリフロアに往復させるために使用され得る。図示のように、このようなFetchBotは、AMR基部614と、このような原材料及びサブアセンブリを保持するための専用軌道621とを含む。
【0120】
好ましい実施形態では、全ての組立ステップ、すなわち、外板を取り付ける(230)、レイアップする、または3D印刷する(212)こと、および仕上げ面が適切に形成され、平滑であることを確実にすることに関与するプロセス、ならびに飛行船を製造することに関与する他のステップは、同様に行われるであろう。この作業が行われるとき、ベースロボット機能202は、検査233を通して、および/またはマシンビジョン209の使用および工場のフロア、制御室からの前記管理者によって使用される遠隔スクリーンとの通信211を通して、そのようなロボット活動の人間による監視を可能にすることによって、または遠隔地から観察することによって、自動化された品質監視を提供するために使用されることもできる。開示されたシステムおよび方法に従って実行されるそのようなロボット活動の撮影234をリアルタイムで監督する、および/または非同期的に観察することによる経験豊富な技術者の組合せは、従来の構築手法の時間の何分の1か、およびコストの何分の1かで優れた性能結果をもたらす。
【0121】
さらに、前述の開示に基づいて、そのような組立が行われる工場インフラストラクチャの要件がどのように同時に低減され得るかも当業者には明らかであろう。そのような作業を要素から遮蔽し、保護された環境内で行うためには、依然として大きな物理的構造が必要であるが、開示されたシステム、方法、および装置は、プロジェクトスポンサーが、従来の製造技術を使用する場合に必要とされるような、非常に高価な高架構築プラットフォーム、1つまたは複数の巨大な天井クレーン、およびそのような要素を支持するための追加の基礎、高強度に補強された構造、および関連する建物インフラストラクチャの必要性を回避することを可能にする。
【0122】
前述の開示を使用して、過度の研究を行う必要なく、KUKA、ABB(ASEA Brown Boveri)、Omron Adept Technologies、三菱電機、Bosch、Yaskawa、川崎、不二越なち、Comau Robotics、Yamaha、IGM、Rethink Robotics、Arrival、およびその他等のロボット供給業者は、全てのベース自動化動作203を実行することが可能なロボットおよび制御システム205を提供することができる。そのような供給業者はまた、飛行船設計者によって提供されるCAD図面から、そのようなロボットが外骨格101を組み立て、本開示の原理に従って他の製造ステップを完了するために必要とされるタスクを行うために使用することができる、組立技法314を構成することを可能にされるであろう。そのようなコンピュータ制御された事前プログラムされた組立技術214に従うことによって、および/または機械学習/AI 215を利用することによって、そのようなロボットが、どのように、そのような製造プロジェクト毎に異なる構造形状、システム、部品番号付けスキーマ、タグ、およびマーキングに応答するように訓練され得るかは、当業者に明白となるであろう。
【0123】
別の好ましい実施形態では、これらのロボットは、飛行船外骨格101の幾何学的形状に適合するためにマシンビジョン209および機械学習215を利用し、飛行船を建造するために必要な他の特殊なタスクを実行することができる。省力化および安全性の利点、ならびに製造設備の資本コストおよび特殊な機器の必要性を低減する能力に加えて、開示されるシステムおよび方法はまた、製造速度およびスケーラビリティを念頭に置いて設計される。例えば、構築に必要な時間は、特定のタスクに対して協調して作業するように追加のロボットを割り当てることによって、または飛行船の異なる部分に対して並行して作業するようにプログラムされたロボットの追加の「チーム」を採用することによって加速することができ、それによって、飛行船のサイズおよび飛行船の数に事実上関係なく、所望のプロジェクト期間目標を満たすように生産レベルを容易にスケールアップすることが可能になる。さらに、組立技術214を複製することによって、追加の製造施設を他の地理的領域で容易に開発することができ、それによって、組立場所の数を拡張し、複数の市場に迅速に参入し、良好な支払い業務を作成し、地方税金収入を追加することが可能になり、これらのすべては、広範なコミュニティサポートおよび採用を構築するのを助ける。
【0124】
要約すると、前述の開示に基づいて、ボトムアップ組立方法、トップダウン組立方法、および/または2つの方法の有用な組み合わせを使用することによって、原料およびサブアセンブリ、FetchBot620、およびFixBot613を生産するロボットベースの作業セルの複数のチームが、どのようにHOH支持ロボット505および上昇するように装備されたロボットと連携して作業し、同時に、そのような従来技術の方法の述べられた制限を克服しながら、従来技術よりも速く、より安価で、より高品質で、著しくより複製可能かつ拡張可能な様式で飛行船を建造することができるかが、当業者に明白となるであろう。
【0125】
上記の開示から、特定の実施態様が例示の目的で本明細書に記載されているが、添付の特許請求の範囲およびその中に記載された要素の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な修正が行われ得ることが理解されるであろう。さらに、ある態様は、代替の、任意の、または好ましい実施形態として提示されているが、すべてのそのような実施形態は、必要とされるわけではなく、したがって、所望の結果を達成するために状況によって決定されるように組み込まれてもよい。さらに、ある態様がある請求項の形式で以下に示されるが、発明者は、任意の利用可能な請求項の形式で様々な態様を意図する。本開示の利益を有する当業者には明らかであるように、様々な修正および変更が行われ得る。そのような修正および変更のすべてを包含することが意図されており、したがって、上記の説明は、限定的な意味ではなく例示的な意味で考えられるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図6a
図6b
【国際調査報告】