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特表2024-543749ガイドワイヤの遠位装填のためのデバイス及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-25
(54)【発明の名称】ガイドワイヤの遠位装填のためのデバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/09 20060101AFI20241118BHJP
【FI】
A61M25/09 540
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535637
(86)(22)【出願日】2022-12-15
(85)【翻訳文提出日】2024-06-27
(86)【国際出願番号】 US2022053020
(87)【国際公開番号】W WO2023114406
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】63/290,504
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511300891
【氏名又は名称】バード・アクセス・システムズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107249
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 恭久
(72)【発明者】
【氏名】ブランチャード、ダニエル ビー.
(72)【発明者】
【氏名】リンデクゲル、エリック ダブリュ.
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA33
4C267BB11
4C267BB12
4C267BB19
4C267BB30
4C267BB31
4C267BB34
4C267BB40
4C267EE01
4C267HH08
4C267HH10
4C267HH20
(57)【要約】
カテーテル(90)の管腔の中へのガイドワイヤ(80)の遠位装填のための装置及び方法が開示される。ガイドワイヤの遠位装填は、ガイドワイヤの小さい直径、及びガイドワイヤが配置される管腔の直径のために困難なことがある。更に、ガイドワイヤの位置合わせ不良は、繊細かつ複雑な遠位先端構造の損傷をもたらし得る。実施形態はまた、カテーテル及びガイドワイヤのアセンブリを皮下に配置するための無菌非接触技術を容易にするバリア(160)及びクリップ(170)のシステムを含むことができる。使用者は、バリア、クリップ、及び/又はガイドワイヤ装填デバイスを使用してカテーテルを操作し、カテーテルを前進させ、配置されると、カテーテルを外すことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル配置システムであって、
カテーテル管腔を画定するカテーテルと、
ガイドワイヤ装填デバイスであって、
長手方向に延在するデバイス管腔を画定する本体と、
前記本体の遠位端に配置され、前記デバイス管腔と連通するファンネルと、
前記本体の前記遠位端と近位端との間に長手方向に延在し、前記デバイス管腔と連通するスロットと、
前記デバイス管腔の内面から半径方向内向きに延在し、前記カテーテルの外面に配置されるスカイブに係合するように構成される突出部と、を備えるガイドワイヤ装填デバイスと、を備える、カテーテル配置システム。
【請求項2】
前記デバイス管腔は、遠位に配置されるファンネル部と、近位に配置されるカテーテル部と、前記ファンネル部と前記カテーテル部との間に配置される位置合わせ部と、を含み、前記突出部は、前記カテーテル部の内面から延在する、請求項1に記載のカテーテル配置システム。
【請求項3】
前記ファンネル部は、前記ファンネル部の遠位端における第1の直径から前記ファンネル部の近位端における第2の直径まで延在するテーパ状内側輪郭を画定し、前記第2の直径は、前記第1の直径より小さい、請求項2に記載のカテーテル配置システム。
【請求項4】
前記位置合わせ部は、前記位置合わせ部の遠位端における前記第2の直径から前記位置合わせ部の近位端における第3の直径まで延在するテーパ状内側輪郭を画定し、前記第3の直径は、前記カテーテル管腔の内径に等しい、請求項3に記載のカテーテル配置システム。
【請求項5】
前記カテーテル部は、前記第3の直径よりも大きい第4の直径を画定し、前記カテーテル部の壁は、長手方向軸線に平行に延在する、請求項4に記載のカテーテル配置システム。
【請求項6】
前記第4の直径は、前記カテーテルの外径以上であり、前記カテーテル部は、前記カテーテルの外面に摺動可能に係合するように構成される、請求項5に記載のカテーテル配置システム。
【請求項7】
前記第4の直径は、前記カテーテルの外径以下であり、前記カテーテル部は、締まり嵌めで前記カテーテルに係合するように構成される、請求項5に記載のカテーテル配置システム。
【請求項8】
前記カテーテル部は、テーパ状遠位部を更に含み、前記テーパ状遠位部の内側輪郭は、前記カテーテルの遠位先端構造の外側輪郭を反映する、請求項2~7のいずれか一項に記載のカテーテル配置システム。
【請求項9】
前記デバイス管腔は、前記デバイス管腔の壁から半径方向内向きに延在し、前記カテーテルの遠位先端に係合して前記デバイス管腔を通じた前記カテーテルの更なる遠位移動を阻止するように構成される当接部を更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のカテーテル配置システム。
【請求項10】
前記スカイブは、第2のカテーテル管腔と連通する開口部を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のカテーテル配置システム。
【請求項11】
前記本体は、第2の本体部分にヒンジ結合され、長手方向軸線に垂直に延在する平面を通じて枢動可能である第1の本体部分を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のカテーテル配置システム。
【請求項12】
前記第1の本体部分及び前記第2の本体部分は、閉位置と開位置との間で移行可能であり、前記デバイスが前記開位置にあるとき、前記デバイス管腔の最小直径は前記カテーテルの外径よりも大きい、請求項11に記載のカテーテル配置システム。
【請求項13】
前記突出部は、前記カテーテルが前記本体に対して長手方向に摺動することを可能にするために、前記開位置において前記スカイブから外れるように構成される、請求項12に記載のカテーテル配置システム。
【請求項14】
前記ガイドワイヤ装填デバイスは、前記第1の本体部分及び前記第2の本体部分を閉位置に向かって付勢するように構成されるリビングヒンジを更に含む、請求項11~13のいずれか一項に記載のカテーテル配置システム。
【請求項15】
前記第3の直径以下の外径を画定するガイドワイヤを更に含む、請求項4~14のいずれか一項に記載のカテーテル配置システム。
【請求項16】
前記ガイドワイヤ装填デバイスに結合され、前記カテーテルの一部を取り囲むように近位に延在するバリアを更に含む、請求項1~15のいずれか一項に記載のカテーテル配置システム。
【請求項17】
前記バリアは、長手方向に延在する引き裂き線を含む、請求項16に記載のカテーテル配置システム。
【請求項18】
前記バリアの前記近位端は、前記カテーテルに係合するように構成されるクリップに結合される、請求項16又は17に記載のカテーテル配置システム。
【請求項19】
前記近位クリップは、第2の本体部分にヒンジ結合され、管腔を画定する第1のクリップ本体部分を含み、前記近位クリップ管腔の直径は、前記バリアの遠位端の外径よりも大きい、請求項18に記載のカテーテル配置システム。
【請求項20】
カテーテル配置システムであって、
カテーテル管腔を画定し、長手方向に延在するカテーテルと、
ガイドワイヤ装填デバイスであって、デバイス管腔を画定する本体と、前記本体から延在し、前記本体を閉位置と開位置との間で移行させるように構成されるアームと、を含む、ガイドワイヤ装填デバイスと、
前記ガイドワイヤ装填デバイスに結合されるバリアと、を備える、カテーテル配置システム。
【請求項21】
前記アームは、前記長手方向軸線に平行に延在する平面を通じて前記本体に対して回転可能であるように構成される、請求項20に記載のカテーテル配置システム。
【請求項22】
前記デバイス管腔は、ファンネル部と、位置合わせ部と、カテーテル部と、を含み、前記位置合わせ部の直径は、ガイドワイヤの外径及び前記カテーテル管腔の内径の一方又は両方に等しく、前記カテーテル部の直径は、前記カテーテルの外径に等しい、請求項20又は21に記載のカテーテル配置システム。
【請求項23】
前記アームは、前記デバイスが前記開位置にあるときに、前記本体の前記位置合わせ部を長手方向軸線に沿って分割して、前記位置合わせ部の直径を前記カテーテルの外径に移行させるように構成される、請求項22に記載のカテーテル配置システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ガイドワイヤの遠位装填のためのデバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテル、拡張器、又は同様の長尺の医療デバイスの管腔の中へのガイドワイヤの遠位装填は、特に、アクセスポート、ハブ、弁、又は同様の複雑な近位構造の存在によって、近位装填が妨げられる場合、好ましいことがある。しかしながら、長尺の医療デバイスの管腔内へのガイドワイヤの遠位装填は、ガイドワイヤの直径が小さく、ガイドワイヤが配置される管腔の直径が小さいために困難なことがある。ガイドワイヤの位置合わせ不良は、繊細かつ複雑な先端又は管腔構造の損傷、及び/又はガイドワイヤ若しくは医療デバイスの一方若しくは両方におけるコーティングの損傷をもたらし得る。さらに、ガイドワイヤ装填プロセスの間に身体に入る、これらのデバイスの部分を取り扱うことは、感染の危険性を増加させ得る。ガイドワイヤの近位装填が可能である場合であっても、このことは、ガイドワイヤを長尺の医療デバイスの全長を通じて前進させなければならないため、好ましくない場合がある。これは、ガイドワイヤ又は医療デバイスのいずれかに配置された任意のコーティングの劣化につながる。さらに、位置合わせ不良は、ガイドワイヤ又は医療デバイスの一方又は両方に損傷をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
簡潔に要約すると、本明細書に開示される実施形態は、カテーテル、拡張器、又は類似する長尺の医療デバイスの管腔の中へのガイドワイヤの遠位装填のための装置及び方法を対象とする。実施形態は、ガイドワイヤと長尺の医療デバイスの管腔との位置合わせを容易にし、ガイドワイヤとその上に配置される任意の構造又はコーティングとの間に保護バリアを提供する。さらに、実施形態はまた、カテーテルとの直接接触を軽減するように、及び/又は皮下に配置されるカテーテル又はその一部を収容するための無菌環境を提供するように構成される可撓性の薄膜バリアを含む。膜バリアは、病原体の侵入を軽減し、感染のリスクを低減する。実施形態はさらに、無菌非接触技術を使用して、カテーテルの把持及び患者内への前進を促進するように構成されるクリップを含む。
【0004】
本明細書に開示されるのは、カテーテル配置システムであって、カテーテル管腔を画定するカテーテルと、ガイドワイヤ装填デバイスであって、長手方向に延在するデバイス管腔を画定する本体と、本体の遠位端に配置され、デバイス管腔と連通するファンネルと、本体の遠位端と近位端との間に長手方向に延在し、デバイス管腔と連通するスロットと、デバイス管腔の内面から半径方向内向きに延在し、カテーテルの外面に配置されるスカイブ(skive)に係合するように構成される突出部と、を有するガイドワイヤ装填デバイスと、を含む、カテーテル配置システム、である。
【0005】
いくつかの実施形態では、デバイス管腔は、遠位に配置されるファンネル部と、近位に配置されるカテーテル部と、それらの間に配置される位置合わせ部と、を含み、突出部は、カテーテル部の内面から延在する。
【0006】
いくつかの実施形態では、ファンネル部は、ファンネル部の遠位端における第1の直径からファンネル部の近位端における第2の直径まで延在するテーパ状内側輪郭を画定し、第2の直径は、第1の直径より小さい。
【0007】
いくつかの実施形態では、位置合わせ部は、位置合わせ部の遠位端における第2の直径から位置合わせ部の近位端における第3の直径まで延在するテーパ状内側輪郭を画定し、第3の直径は、カテーテル管腔の内径に等しい。
【0008】
いくつかの実施形態では、カテーテル部は、第3の直径よりも大きい第4の直径を画定し、カテーテル部の壁は、長手方向軸線に平行に延在する。
いくつかの実施形態では、第4の直径は、カテーテルの外径以上であり、カテーテル部は、カテーテルの外面に摺動可能に係合するように構成される。
【0009】
いくつかの実施形態では、第4の直径は、カテーテルの外径以下であり、カテーテル部は、締まり嵌めでカテーテルに係合するように構成される。
いくつかの実施形態では、カテーテル部は、テーパ状遠位部を更に含み、テーパ状遠位部の内側輪郭は、カテーテルの遠位先端構造の外側輪郭を反映する。
【0010】
いくつかの実施形態では、デバイス管腔は、デバイス管腔の壁から半径方向内向きに延在し、カテーテルの遠位先端に係合してデバイス管腔を通じたカテーテルの更なる遠位移動を阻止するように構成される当接部を更に含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、スカイブは、第2のカテーテル管腔と連通する開口部を含む。
いくつかの実施形態では、本体は、第2の本体部分にヒンジ結合され、長手方向軸線に垂直に延在する平面を通じて枢動可能である第1の本体部分を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1の本体部分及び第2の本体部分は、閉位置と開位置との間で移行可能であり、デバイスが開位置にあるとき、デバイス管腔の最小直径はカテーテルの外径よりも大きい。
【0013】
いくつかの実施形態では、突出部は、カテーテルが本体に対して長手方向に摺動することを可能にするために、開位置においてスカイブから外れるように構成される。
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ装填デバイスは、第1の本体部分及び第2の本体部分を閉位置に向かって付勢するように構成されるリビングヒンジを更に含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、カテーテル配置システムは、第3の直径以下の外径を画定するガイドワイヤ、を更に含む。
いくつかの実施形態では、カテーテル配置システムは、ガイドワイヤ装填デバイスに結合され、カテーテルの一部を取り囲むように近位に延在するバリアを更に含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、バリアは、長手方向に延在する引き裂き線を含む。
いくつかの実施形態では、バリアの近位端は、カテーテルに係合するように構成されるクリップに結合される。
【0016】
いくつかの実施形態では、近位クリップは、第2の本体部分にヒンジ結合され、管腔を画定する第1のクリップ本体部分を含み、近位クリップ管腔の直径は、バリアの遠位端の外径よりも大きい。
【0017】
さらに、カテーテルの管腔にガイドワイヤを装填する方法であって、カテーテルの遠位先端構造をガイドワイヤ装填デバイスの管腔内に配置することと、ガイドワイヤの近位端を長手方向軸線に沿ってガイドワイヤ装填デバイスのファンネル内に前進させることであって、ファンネルはガイドワイヤ装填デバイスの管腔の遠位端に配置される、前進させることと、ガイドワイヤをカテーテルの管腔に摺動可能に係合させることと、ガイドワイヤ装填デバイスを閉位置から開位置に移行させることと、カテーテルをスロットを通じて長手方向軸線に垂直に摺動させることによって、ガイドワイヤ装填デバイスをカテーテルから外すことと、を含む方法、も開示される。
【0018】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ装填デバイスの管腔は、遠位に配置されるファンネル部と、近位に配置されるカテーテル部と、それらの間に配置される位置合わせ部と、を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、本方法は、締まり嵌め、圧入、又はスナップフィット係合のうちの1つで、カテーテルを管腔のカテーテル部と係合させることを更に含む。
いくつかの実施形態では、本方法は、デバイスが閉位置にあるとき、突出部を、カテーテルの外面に配置されたスカイブと係合させることと、デバイスが開位置にあるとき、突出部をスカイブから外すこととを更に含み、突出部は、カテーテル部の内面から半径方向内向きに延在する。
【0020】
いくつかの実施形態では、ファンネル部は、遠位端における第1の直径から近位端における第2の直径まで延在する。
いくつかの実施形態では、位置合わせ部は、遠位端における第2の直径から近位端における第3の直径まで延在し、第3の直径は、カテーテルの内腔直径及びガイドワイヤの外径の一方又は両方に等しい。
【0021】
いくつかの実施形態では、本方法は、ガイドワイヤ装填デバイスの管腔を通じたカテーテルの更なる遠位移動を防止するために、管腔内に配置された当接部に対してカテーテルの遠位先端を押し当てることを更に含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、移行させるステップは、長手方向軸線に垂直に延在する平面を通じて第2のアームに対して第1のアームを回転させ、第1の本体部分を第2の本体部分から離れるように回転させること、を更に含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1の本体部分は第1の縁部を含み、第2の本体部分は第2の縁部を含み、第1の縁部及び第2の縁部はスロットを画定する。
いくつかの実施形態では、閉位置におけるスロットは、第1の幅を画定し、開位置におけるスロットは、第2の幅を画定し、第1の幅は、カテーテルの外径より小さく、第2の幅は、カテーテルの外径より大きい。
【0024】
さらに、カテーテルを配置する方法であって、カテーテルの遠位端に係合されたガイドワイヤ装填デバイスと、バリアと、クリップと、を含むカテーテル配置アセンブリを提供することと、ガイドワイヤ装填デバイスのファンネルの中へ長手方向近位にガイドワイヤを前進させることによって、カテーテルの管腔の中へガイドワイヤを装填することと、ガイドワイヤ装填デバイスを閉位置から開位置に移行させることと、クリップを遠位に前進させることであって、クリップはカテーテルの一部に解放可能に結合される、前進させることと、を含む方法、が開示される。
【0025】
いくつかの実施形態では、バリアは、可撓性材料から形成され、ガイドワイヤ装填デバイスの長手方向軸線を取り囲み、バリアの遠位端は、ガイドワイヤ装填デバイスと結合される。
【0026】
いくつかの実施形態では、本方法は、バリアの遠位端と結合され、締まり嵌め、圧入、スナップフィット係合、螺合、バヨネット係合、又はルアーロックのうちの1つでガイドワイヤ装填デバイスの近位端と解放可能に係合される、コネクタリングを更に含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、バリアの近位端は、クリップに結合され、その中に滅菌環境を維持するように構成される。
いくつかの実施形態では、移行させるステップは、バリアからコードを分離して、バリアを引き裂き線に沿って長手方向に破断させることを更に含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、前進させるステップは、ガイドワイヤ装填デバイスの管腔を通じてカテーテルの一部を前進させることを更に含む。
いくつかの実施形態では、本方法は、ガイドワイヤ装填デバイスを開位置から閉位置に移行させ、カテーテルの第1の部分を把持することと、クリップを閉位置から開位置に移行させることと、クリップを近位に摺動させてカテーテルの第2の部分を把持し、カテーテルを反復段階において前進させることと、を更に含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、前進させるステップは、クリップを遠位に前進させる前に、ガイドワイヤ装填デバイスをカテーテルから外すことを更に含む。
さらに、カテーテル配置システムであって、カテーテル管腔を画定し、長手方向に延在するカテーテルと、ガイドワイヤ装填デバイスであって、デバイス管腔を画定する本体と、本体から延在し、本体を閉位置と開位置との間で移行させるように構成されるアームとを含む、ガイドワイヤ装填デバイスと、ガイドワイヤ装填デバイスに結合されるバリアと、を含む、カテーテル配置システム、が開示される。
【0030】
いくつかの実施形態では、アームは、長手方向軸線に平行に延在する平面を通じて本体に対して回転可能であるように構成される。
いくつかの実施形態では、デバイス管腔は、ファンネル部と、位置合わせ部と、カテーテル部とを含み、位置合わせ部の直径は、ガイドワイヤの外径及びカテーテル管腔の内径の一方又は両方に等しく、カテーテル部の直径は、カテーテルの外径に等しい。
【0031】
いくつかの実施形態では、アームは、デバイスが開位置にあるときに、本体の位置合わせ部を長手方向軸線に沿って分割して、位置合わせ部の直径をカテーテルの外径に移行させるように構成される。
【0032】
本開示のより具体的な説明は、添付の図面に示される特定の実施形態を参照することにより行われる。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示し、したがって、その範囲を限定するものとみなされないことを理解されたい。本発明の例示的な実施形態は、添付の図面の使用を通じて更に具体的かつ詳細に記載及び説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本明細書に開示される実施形態による、バリア、ガイドワイヤ、及びカテーテルを含む、ガイドワイヤ装填システムを示す。
図2A】本明細書に開示される実施形態による、ガイドワイヤ装填システムの近位端斜視図を示す。
図2B】本明細書に開示される実施形態による、ガイドワイヤ装填システムの遠位端斜視図を示す。
図2C】本明細書に開示される実施形態による、閉位置にあるガイドワイヤ装填システムの横断面図を示す。
図2D】本明細書に開示される実施形態による、開位置にあるガイドワイヤ装填システムの横断面図を示す。
図3】本明細書に開示される実施形態による、ガイドワイヤ装填システムの縦断面図を示す。
図4A】本明細書に開示される実施形態による、ガイドワイヤ装填システムとともに使用するための近位クリップを含むバリアの斜視図を示す。
図4B】本明細書に開示される実施形態による、バリア、近位クリップ、ガイドワイヤ、及びカテーテルを含む、ガイドワイヤ装填システムを示す。
図5A】本明細書に開示される実施形態による、カテーテルと係合された閉位置にあるガイドワイヤ装填システムの縦断面図を示す。
図5B】本明細書に開示される実施形態による、開位置にあるガイドワイヤ装填システムの縦断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
いくつかの特定の実施形態がより詳細に開示される前に、本明細書に開示される特定の実施形態は、本明細書に提供される概念の範囲を限定しないことを理解されたい。本明細書に開示される特定の実施形態は、特定の実施形態から容易に分離でき、任意選択で、本明細書に開示される他の多数の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせるか、又は置換することができる特徴を有することが可能であることも理解されたい。
【0035】
本明細書で使用される用語に関して、用語は、いくつかの特定の実施形態を説明するためのものであり、用語は、本明細書で提供される概念の範囲を限定しないことも理解されたい。序数(例えば、第1、第2、第3、等)は、一般に、複数の特徴又は複数のステップの群内の異なる特徴又はステップを区別又は識別するために使用され、連続的な限定又は数値限定を提供するものではない。例えば、「第1」、「第2」、及び「第3」の特徴又はステップは、必ずしもその順序で現れる必要はなく、そのような特徴又はステップを含む特定の実施形態は、必ずしも3つの特徴又はステップに限定される必要はない。「左」、「右」、「上」、「下」、「前」、「後」等の表示は、便宜上使用されており、例えば、特定の固定位置、向き、又は方向を意味するものではない。代わりに、そのような表示は、例えば、相対的な位置、向き、又は方向を反映するために使用される。単数形の「一」、「1つ」、及び「その」は、文脈で明確に指示されていない限り、複数形の参照も含む。
【0036】
以下の説明において、本明細書で使用される「又は」及び「及び/又は」という用語は、包含的であるものとして、又は任意の1つ若しくは任意の組み合わせを意味するものとして解釈されるべきである。一例として、「A、B又はC」又は「A、B及び/又はC」は、「以下、すなわち、A、B、C、A及びB、A及びC、B及びC、A、B及びCのいずれか」を意味する。この定義の例外は、要素、構成要素、機能、工程、又は行為の組み合わせが何らかの形で本質的に相互に排他的である場合にのみ生じる。
【0037】
「近位」に関して、例えば、本明細書に開示されるカテーテルの「近位部分」又は「近位端部分」は、カテーテルが患者に使用される場合、臨床医の近くにあることを意図したカテーテルの部分を含む。同様に、例えば、カテーテルの「近位長さ(proximal length)」は、カテーテルが患者に使用される場合、臨床医の近くにあることを意図したカテーテルの長さを含む。例えば、カテーテルの「近位端」は、カテーテルが患者に使用される場合、臨床医の近くにあるように意図されたカテーテルの端部を含む。カテーテルの近位部分、近位端部分、又は近位長さは、カテーテルの近位端を含むことができるが、カテーテルの近位部分、近位端部分、又は近位長さは、カテーテルの近位端を含む必要はない。すなわち、文脈から示唆される場合を除き、カテーテルの近位部分、近位端部分、又は近位長さは、カテーテルの末端部分又は末端長さではない。
【0038】
「遠位」に関して、例えば、本明細書に開示されるカテーテルの「遠位部分」又は「遠位端部分」は、カテーテルが患者に使用される場合、患者の近くにあるか、又は患者内にあることを意図したカテーテルの部分を含む。同様に、例えば、カテーテルの「遠位長さ(distal length)」は、カテーテルが患者に使用される場合、患者の近く又は患者内にあることを意図したカテーテルの長さを含む。例えば、カテーテルの「遠位端」は、カテーテルが患者に使用される場合、患者の近く又は患者内にあるように意図されたカテーテルの端部を含む。カテーテルの遠位部分、遠位端部分、又は遠位長さは、カテーテルの遠位端を含むことができるが、カテーテルの遠位部分、遠位端部分、又は遠位長さは、カテーテルの遠位端を含む必要はない。すなわち、文脈から示唆される場合を除き、カテーテルの遠位部分、遠位端部分、又は遠位長さは、カテーテルの末端部分又は末端長さではない。
【0039】
本明細書で説明される実施形態の説明を補助するために、図1に示されるように、長手方向軸線が、カテーテルの軸線方向長さに実質的に平行に延びている。横方向軸が、長手方向軸線に対して垂直に延びており、横断方向軸が、長手方向軸線及び横方向軸線の双方に対して垂直に延びている。
【0040】
別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
図1は、例示的な使用環境におけるガイドワイヤ装填デバイス(「デバイス」)100を示す。ガイドワイヤ装填デバイス100は、カテーテル90の管腔92内へのガイドワイヤ80の遠位装填のための無菌非接触技術を提供するように構成することができる。長尺の医療デバイス内へのガイドワイヤの遠位装填は、特にガイドワイヤ80と管腔92とを位置合わせするときに困難である場合がある。ガイドワイヤ80の位置合わせ不良は、カテーテル90の遠位先端構造94の損傷につながる可能性がある。任意選択で、デバイス100は、長尺の医療デバイスの遠位先端からの針刺し損傷(needle-stick injuries)を防止することもできる。本明細書で使用される場合、カテーテル90は、限定することを意図しておらず、カテーテル90は、様々なカテーテル、拡張器、カニューレ、針、又はその中にガイドワイヤ80を受け入れるように構成された同様の長尺の医療デバイスを含むことができる。一実施形態では、デバイス100は、デバイス100に結合され、カテーテル90の一部にわたって延在するバリア160を更に含むことができる。一実施形態では、バリア160は、カテーテル90(又は同様の長尺の医療デバイス)との直接接触を軽減することができる。一実施形態では、バリア160は、カテーテル90の少なくとも一部が配置される無菌環境を維持することができる。
【0041】
図2A図3は、ガイドワイヤ装填デバイス100のさらなる詳細を示す。一実施形態では、デバイス100は、ヒンジ114によって第2の本体部分110Bにヒンジ結合された第1の本体部分110Aを備える本体110を含む。ヒンジ114は、第1の本体部分110Aが、長手方向軸線に対してある角度で延在する平面を通じて、第2の本体部分110Bに対して枢動することを可能にするように構成される、機械的ヒンジ、リビングヒンジ、又は同様の機構であってもよい。一実施形態では、本体110は、プラスチック、ポリマー、熱可塑性物質、金属、合金、複合材料、又は同様の実質的に剛性の高い若しくは弾性を有する材料から形成される。
【0042】
一実施形態では、第1の本体部分110A及び第2の本体部分110Bは、協働して、中心長手方向軸線70に沿ってデバイス100の近位端からデバイス100の遠位端まで延在する管腔112を画定する。デバイス100は、デバイス100の近位端と遠位端との間に長手方向に延在し、管腔112と連通するスロット116を更に含む。一実施形態では、スロット116は、中心長手方向軸線70を挟んでヒンジ114の反対側に配置されている。一実施形態では、デバイス100は、デバイス100の遠位端に配置されたファンネル120を更に含む。ファンネル120は、テーパ状内側輪郭を画定し、その頂点は、中心長手方向軸線70と位置合わせされ、管腔112と連通している。
【0043】
一実施形態では、本体110は、本体110から延在し、中心長手方向軸線70に実質的に垂直である1つ以上のアーム130を含む。図2Cは、閉位置にある本体110の横断面図を示し、図2Dは、開位置にある本体110の横断面図を示す。第1の本体部分110Aは第1のアーム130Aを含み、第2の本体部分110Bは第2のアーム130Bを含む。アーム130は、使用者によって把持され、閉位置(図2C)と開位置(図2D)との間でデバイス100を移行させるための機械的利点を提供するように構成されている。一実施形態では、第1の本体部分110A及び第2の本体部分110Bは、ヒンジ114を中心として互いに対して枢動し、閉位置(図2C)と開位置(図2D)との間で移行する。一実施形態では、デバイス100は閉位置に向かって付勢されてもよい。
【0044】
一実施形態では、第1の本体部分110Aの第1の縁部122A及び第2の本体部分110Bの第2の縁部122Bは、スロット116を画定する。一実施形態では、デバイス100が閉位置にある状態で、第1の縁部122A及び第2の縁部122Bは、スロット116が長手方向軸線に対して垂直に延在する第1の幅(w1)を画定するように離間した関係にある。一実施形態では、デバイス100が閉位置にある状態で、第1の縁部122Aが第2の縁部122Bに接触してスリットを形成する。
【0045】
一実施形態では、デバイス100が開位置にある状態で、第1の縁部122A及び第2の縁部122Bは、スロット116が長手方向軸線に垂直に延在する第2の幅(w2)を画定するように離間した関係にある。第2の幅(w2)は、第1の幅(w1)よりも大きい。一実施形態では、第1の幅(w1)は、カテーテル90をデバイス管腔112内に保持するために、カテーテル90の外径以下である。一実施形態では、第2の幅(w2)は、カテーテル90をデバイス管腔112に入れる/カテーテル90をデバイス管腔112から出すことを可能にするために、カテーテル90の外径以上である。一実施形態では、デバイス100は、使用中にデバイス100に増大した剛性を提供するように構成された1つ以上の支持構造118を更に含んでもよい。
【0046】
図3は、デバイス100の縦断面図を示す。一実施形態では、管腔112は、ファンネル部142と、位置合わせ部144と、カテーテル部146とを含む。一実施形態では、管腔112のファンネル部142は、ファンネル部142の遠位端における第1の直径(d1)からファンネル部142の近位端における第2の直径(d2)まで延在するテーパ状内側輪郭を画定する。第2の直径(d2)は、第1の直径(d1)よりも小さい。ファンネル部142は、第1の直径(d1)と第2の直径(d2)との間の直径の連続的変化又は不連続的変化を画定する。
【0047】
一実施形態では、管腔112の位置合わせ部144は、位置合わせ部144の遠位端における第2の直径(d2)から位置合わせ部144の近位端における第3の直径(d3)まで延在するテーパ状内側輪郭を画定する。第3の直径(d3)は、第2の直径(d2)よりも小さい。一実施形態では、第3の直径(d3)は、カテーテル管腔92の内径に等しい。位置合わせ部144は、第2の直径(d2)と第3の直径(d3)との間の直径の連続的変化又は不連続的変化を画定する。一実施形態では、ファンネル部142の壁は、位置合わせ部144の壁よりも、長手方向軸線に対して急な角度を画定する。一実施形態では、位置合わせ部144の壁の角度は、長手方向軸線に実質的に平行に延在する。
【0048】
一実施形態では、管腔112のカテーテル部146は、第3の直径(d3)よりも大きく、第1の直径(d1)以下の第4の直径(d4)を画定する。一実施形態では、カテーテル部146の壁は、長手方向軸線に実質的に平行に延在する。一実施形態では、カテーテル部146の遠位部分は、カテーテル90の遠位先端構造94の外側輪郭を反映するように構成されたテーパ状内側輪郭を画定する。カテーテル部146のテーパ状内側輪郭は、第4の直径(d4)から遠位に第3の直径(d3)まで延在する。
【0049】
一実施形態では、第4の直径(d4)は、カテーテル90の外径と等しいか、又はカテーテル90の外径よりもわずかに大きい。一実施形態では、第4の直径(d4)は、カテーテル90を摩擦嵌合係合で係合させるために、カテーテル90の外径と等しいか、又はカテーテル90の外径よりもわずかに小さい。一実施形態では、カテーテル部146の内面は、半径方向内向きに延びる1つ以上の突出部150を含む。突出部150は、カテーテル90の側壁に配置されたスカイブ又は開口部に係合して、カテーテル90の一部をカテーテル部146内にスナップフィット係合で固定するように構成されている。一実施形態では、スカイブは、カテーテル90の外面に配置された凹部又は戻り止めである。一実施形態では、スカイブは、カテーテルの管腔92、例えば、第1のカテーテル管腔92A又は第2のカテーテル管腔92Bと連通する開口部である。したがって、突出部150は、ガイドワイヤ80がカテーテル管腔92内に近位方向に付勢されるときに、カテーテル90からデバイス100が外れることを軽減する。一実施形態では、デバイス管腔112の近位端は、カテーテル90の遠位部分をデバイス管腔112の近位端と位置合わせすることを促進するように構成された、面取り縁部又は斜角縁部を含む。
【0050】
一実施形態では、カテーテル90の遠位部分は、管腔112のカテーテル部146内に受け入れられる。デバイス100は、締まり嵌め、圧入、又は摩擦嵌め係合でカテーテル90に係合して、カテーテル90を管腔112のカテーテル部146内に保持する。一実施形態では、突出部150は、カテーテル90内に配置されたスカイブ又は開口部に係合して、カテーテル90をカテーテル部146内にスナップフィット係合で保持する。一実施形態では、カテーテル部146の遠位端は、カテーテル90の遠位端に係合するように構成された当接部148を含む。カテーテル90は、カテーテル90の遠位先端が当接部148に当接して、そのさらなる前進が阻止されるまで、カテーテル部146内に遠位に前進される。さらに、カテーテル部146は、カテーテル管腔92の遠位開口部を位置合わせ部144の近位端と位置合わせするように構成されている。上述したように、第3の直径(d3)は、遠位開口部におけるカテーテル管腔92の直径に等しい。
【0051】
一実施形態では、ガイドワイヤ80が管腔112の遠位端に挿入される。ガイドワイヤ112の外径は、カテーテル管腔92の内径以下である、すなわち、第3の直径(d3)以下である。ガイドワイヤ80をデバイス100内に近位に前進させると、ファンネル部142が、ガイドワイヤ80の近位端を位置合わせ部144と位置合わせする。さらに、位置合わせ部144は、ガイドワイヤ112の近位端をカテーテル管腔92と位置合わせする。したがって、デバイス100は、カテーテル90の遠位先端構造94を保護しながら、ガイドワイヤ80をカテーテル90の遠位端に装填することを容易にする。
【0052】
引き続き図2A図2Dを参照し、ガイドワイヤ70がカテーテル管腔92内に装填された状態で、使用者は、アーム130を作動させてデバイス100を閉位置から開位置に移行させ、デバイス100をカテーテル90及びガイドワイヤ70のアセンブリから外すことができる。使用者は、第1のアーム130A及び第2のアーム130Bに、対向する「挟持」力を印加し、アーム130A、130Bを互いに向かって枢動させ、ヒンジ144を中心として本体部分110A、110Bを回転させ、デバイス100を開位置に移行させることができる。
【0053】
一実施形態では、スロット116を画定する第1の本体部分110Aの第1の縁部122A及び第2の本体部分110Bの第2の縁部122Bが、長手方向軸線に垂直に延在する平面を通じて互いから離れるように回転する。開位置では、スロット116の幅は、第1の幅(w1)から第2の幅(w2)に増加する。一実施形態では、第2の幅(w2)は、カテーテルの外径よりも大きく、すなわち直径(d4)以上であり、カテーテル90及びガイドワイヤ70のアセンブリがスロット116を通って横方向に通過し、デバイス100を外すことを可能にする。
【0054】
一実施形態では、ヒンジ114は可鍛性(malleable)を有し、使用者によって再配置されるまで開位置に留まるように構成されている。一実施形態では、デバイス100は閉位置に付勢される。したがって、使用者がアーム130を解放すると、デバイス100は閉位置に戻る。一実施形態では、ヒンジ114は、弾性材料から形成されたリビングヒンジであり、デバイス100を閉位置に向かって付勢することができる。一実施形態では、第1の縁部122A及び第2の縁部122Bの一方又は両方は、デバイス100を閉位置に付勢するように構成された磁性材料(例えば、永久磁石、鉄鋼材料、磁化可能材料など)を含む。
【0055】
一実施形態では、図1及び図4A図4Bに示されるように、デバイス100は、可撓性薄膜材料から形成され、かつデバイス100の一部分及びカテーテル90の少なくとも一部分の一方又は両方の中心長手方向軸線70の周りに延在するバリア160を更に含む。したがって、バリア160は、カテーテル90、又は患者の体内に配置されるように設計されたカテーテル90の部分に直接触れる接触を軽減する。一実施形態では、バリア160は、可撓性膜、ガス不透過性材料、及び/又はポリマー材料から形成され、その中に滅菌環境を維持するように構成されている。一実施形態では、バリア160は、押出成形された実質的に円筒形の形状として形成され、デバイス100及び/又はカテーテル90の中心管腔112を取り囲むようにデバイス100に結合される。
【0056】
一実施形態では、バリア160の遠位端は、本体110の遠位端に結合され、デバイス100及びカテーテル90の一部の両方をその中に封入する。一実施形態では、バリア160の遠位端は、デバイス100の本体110の近位端又は中点に結合される。一実施形態では、バリア160の近位端は、開口部を画定し、カテーテル90の一部がその開口部を通って延在することを可能にする。一実施形態では、バリア160の近位端は、カテーテル90の一部、例えば、ハブ96又は延長脚部98に結合される。したがって、バリア160は、カテーテル90の一部、例えば、患者の体内に配置される部分を無菌環境内に封入し、病原体の侵入を軽減する。一実施形態では、バリア160の近位端は、カテーテル90の近位端の近位に延在し、バリア160によって画定される滅菌環境内にカテーテル90全体を封入する。
【0057】
一実施形態では、バリア160は、長手方向に延在する引き裂き線162を含む。引き裂き線162は、デバイス100が開位置に移行する際にバリア160を引き裂き線162に沿って分離することを可能にするように構成された、溝、切り込み線、ミシン目、レーザ切断線、又は同様の脆弱線を含むことができる。一実施形態では、引き裂き線162は、引き裂き線162に沿って延びるコードを含む。コードをバリア160から分離すると、バリア160がコードに沿って破断し、バリア160の分離が容易になる。一実施形態では、バリア160は、第1の長手方向縁部が、第1の長手方向縁部とは反対側の第2の長手方向縁部に結合されて引き裂き線162を形成するシート材料として形成される。接着剤、接合、溶接などを使用して、第1の長手方向縁部を第2の長手方向縁部に結合し、引き裂き線162を形成することができる。これにより、バリア160の製造工程を簡略化することができる。
【0058】
一実施形態では、デバイス100を開位置に移行させることにより、第1の本体部分110Aに結合されたバリア160の第1の部分と、第2の本体部分110Bに結合されたバリア160の第2の部分とが引き裂き線162に沿って分離し、カテーテル90及びガイドワイヤ70のアセンブリがそれらの間を通過することが可能になる。次に、バリア160を含むデバイス100をカテーテル90から外すことができる。
【0059】
一実施形態では、図4A図4Bに示すように、バリア160はクリップ170を含み、クリップ170は、バリア160の近位端に結合され、ガイドワイヤ装填デバイス100と同様にカテーテル90の一部に係合するように構成されている。クリップ170は、クリップ管腔172を画定する本体174を含み、1つ以上のアーム178を含む。本体174は、長手方向に延在するヒンジ178を更に含み、ヒンジ178は、本明細書に説明されるように(例えば、図2C図2Dを参照)、対向する「挟持」力がアーム178に印加されたときに、本体174が開位置と閉位置との間で移行することを可能にするように構成されている。開位置においては、クリップ管腔172を横切ってヒンジ178の反対側に配置されたスロット168が、カテーテル90をクリップ管腔172に入れる/カテーテル90をクリップ管腔172から出すことを可能にするように開くことができる。カテーテル90の出入りは、長手方向軸線に垂直に延びる軸線に沿って行うことができる。
【0060】
一実施形態では、クリップ170は、例えばハブ96に隣接して、カテーテル90の近位部分に係合する。カテーテル90の一部は、クリップ管腔172を通って延在する。一実施形態では、クリップ170は、締まり嵌め、圧入、スナップフィット係合、又は同様の適切な係合機構のうちの1つで、ハブ96に解放可能に係合する。一実施形態では、バリア160の近位端は、クリップ管腔172の遠位端と結合される。一実施形態では、バリア160の遠位端は、本明細書に説明されるように、デバイス100に結合される。一実施形態では、バリア160の遠位端は、締まり嵌め、圧入、又はスナップフィット係合のうちの1つでデバイス100に解放可能に係合するように構成されたコネクタリング180を含む。一実施形態では、コネクタリング180は、ねじ係合、バヨネット係合、ルアーロック、又は同様の適切な接続機構によって、デバイス100に解放可能に係合する。一実施形態では、コネクタリング180は、デバイス100が開位置に移行されるときに、コネクタリング180を通って延在するカテーテル90の一部からコネクタリング180を横方向に分離できるように分割可能である。
【0061】
一実施形態では、バリア160の遠位端は、第1の外径(d5)を画定し、バリア160の近位端は、第1の外径(d5)よりも大きい第2の外径(d6)を画定する。一実施形態では、近位クリップ170を把持し、クリップ170を長手方向遠位に付勢することによって、カテーテル90が、バリア160の遠位端におけるコネクタリング180を通って遠位に前進する。なお、クリップ170は、例えばハブ96においてカテーテル90に結合されるか、又は締まり嵌め係合でカテーテル90のシャフトの外面を把持する。したがって、可撓性バリア160は、それ自体の上に折り畳まれて、カテーテル90が遠位に前進することを可能にする。第1の外径(d5)が第2の外径(d6)よりも小さいので、バリア160は、クリップ170の本体174内に折り畳まれた状態でバリア160を含むクリップ管腔172内に折り畳まれる。したがって、カテーテル90は、無菌非接触技術を使用して遠位に進められる。
【0062】
一実施形態では、ガイドワイヤ80が装填されると、使用者は、無菌非接触技術を使用してカテーテル90を前進させることができる。例えば、使用者は、アーム130を作動させて、デバイス100を閉位置から開位置に移行させる。開位置では、第1の本体部分110A及び第2の本体部分110Bは、カテーテル部146の遠位端におけるデバイス管腔112がカテーテル90の外径よりも大きい幅に離れるように、外向きに回転する。したがって、カテーテル90は、遠位先端構造94が当接部148の遠位に延びるように、管腔112を通って長手方向に摺動することができる。次いで、使用者は、近位クリップ170を把持し、カテーテル90を操作して、デバイス管腔112を通じてカテーテル90を遠位に前進させることができる。カテーテル90が遠位方向に付勢されると、バリア160はクリップ管腔172内に折り畳まれ、その中に収容される。
【0063】
一実施形態では、使用者は、デバイス100及びクリップ170を操作して、無菌非接触技術を使用して段階的にカテーテル90を前進させることができる。例えば、一実施形態では、クリップ170が、カテーテル90の中間点、すなわち遠位先端構造94とハブ96との間の位置を把持する。次いで、使用者は、本明細書で説明されるように、デバイス100のアーム130を作動させて、管腔112を広げる。次に、使用者はクリップ170を把持し、カテーテル90の一部をデバイス管腔112を通して前進させる。次に、使用者はアーム130を解放し、閉位置に向かって付勢されているデバイス100が、デバイス管腔112内でカテーテル90を把持する。次に、使用者は、クリップのアーム176を作動させてカテーテル90を解放し、クリップを近位方向に摺動させる。使用者は、クリップのアーム176を解放し、クリップ170を開位置から閉位置に移行させる。任意選択で、クリップ170も閉位置に向かって付勢される。次いで、使用者は、カテーテル90の第2の部分を把持し、反復段階において、デバイス管腔112を通してカテーテル90を前進させるプロセスを繰り返す。
【0064】
一実施形態では、バリア160及び接続リング180のうちの一方を含むデバイス100は、デバイス100が閉位置にある間に、スロット116を通してカテーテル90を付勢することによって、カテーテル90を外す。一実施形態では、接続リング180は、デバイス100に結合されたときにデバイス100のスロット116と位置合わせされるスロット186を含む。一実施形態では、バリア160及び接続リング180のうちの一方を含むデバイス100は、デバイス100を開位置に移行させ、任意選択で、接続リング180(すなわちスロット186において)及びバリア160のうちの一方又は両方を引き裂き線162に沿って分割することによって、カテーテル90を外す。次いで、カテーテル90を、スロット116を通って横方向に摺動させる。
【0065】
一実施形態では、使用者は、カテーテル90を患者の中へ遠位に前進させる前に、デバイス100をカテーテル90から外す。したがって、デバイス100及びバリア160の遠位端がカテーテル90から外れた状態で、使用者は、次いでクリップ170を把持し、カテーテル90を患者の中へ遠位に前進させる。バリア160は、カテーテル90が前進するにつれて、引き裂き線162に沿って分離する。カテーテル90が患者内に配置されると、使用者は、近位クリップアーム176を作動させて、クリップ本体174を開位置に枢動させる。次いで、カテーテル90をクリップスロット168を通じて横方向に通過させることによって、クリップ170からカテーテル90が外れる。
【0066】
図5A図5Bは、本明細書で説明するように、カテーテル90の遠位部分に係合し、ガイドワイヤ80の遠位装填を容易にするように構成されたガイドワイヤ装填デバイス(「デバイス」)200の一実施形態を示す。一実施形態では、デバイス200は、ファンネル部242、位置合わせ部244、及びカテーテル部246のうちの1つ以上を有する管腔212を画定する本体210を含む。一実施形態では、デバイス200は、デバイス200に結合された1つ以上のアーム230を含む。アーム230は、閉位置(図5A)と開位置(図5B)との間でデバイス200を移行させるように、中心長手方向軸線70に平行に延在する平面を通じて本体210に対して枢動するように構成されている。
【0067】
一実施形態では、管腔212のカテーテル部246は、本明細書で説明されるように、締まり嵌め、圧入、又はスナップフィット係合のうちの1つでカテーテル90の遠位部分に係合する。一実施形態では、デバイス200は、本明細書で説明するように、カテーテル90内に配置されたスカイブ又は開口部に係合し、カテーテル90の遠位先端構造94をカテーテル部246内に保持するように構成された1つ以上の突出部250を更に含む。カテーテル先端構造94がカテーテル部246内に固定された状態で、ガイドワイヤ80をファンネル部242及び位置合わせ部244を通って前進させて、ガイドワイヤ80をカテーテル管腔92と位置合わせし、ガイドワイヤ80をカテーテル管腔92内に近位方向に前進させることができる。
【0068】
一実施形態では、中心長手方向軸線70に平行に延在する平面を通じて、アーム230を外向きに回転させることによって、デバイス200が閉位置(図5A)から開位置(図5B)に移行する。一実施形態では、開位置において、突出部250がスカイブから外れ、カテーテル90を解放する。一実施形態では、アーム230を開位置に移行させることにより、本体210の一部が長手方向軸線に沿って分割され、デバイス200からカテーテル90及びガイドワイヤ80のアセンブリを外すことが可能になる。一実施形態では、開位置において、アーム230は、長手方向軸線に沿って位置合わせ部244を第1の本体部分210Aと第2の本体部分210Bとに分割する。第1の本体部分210A及び第2の本体部分210Bの各々は、第1の本体部分210A及び第2の本体部分210Bの遠位端をそれぞれファンネル220に結合するヒンジ214を中心に枢動する。したがって、位置合わせ部244の近位端は、第3の直径(d3)からカテーテル90の外径、すなわち直径(d4)以上の直径まで半径方向外向きに拡張することができ、デバイス管腔212を通るカテーテル90の遠位前進を可能にする。
【0069】
一実施形態では、デバイス200が開位置にある状態で、使用者は、カテーテル部246に隣接する本体210の近位端を把持し、本体210の一部を弾性的に変形させて、その中に配置されたカテーテル90を把持する。次いで、使用者は、管腔212内でカテーテルを把持することによって、無菌非接触技術でカテーテル90を操作する。次に、使用者は本体210を解放し、次にカテーテル90を解放し、本体210をカテーテル90上で近位方向に摺動させる。次いで、使用者は、カテーテル90の第2の部分を把持するためにプロセスを繰り返し、カテーテル90を前進させ続ける。したがって、使用者は、カテーテル90に触れることなく、反復プロセスにおいてカテーテル90を前進させる。一実施形態では、デバイス200は、バリア160、クリップ170、及びコネクタ180のうちの1つ以上を更に含み、カテーテル90との直接接触を防止する、又は無菌環境を提供する一方で、本明細書に説明されるように、無菌非接触カテーテル配置技術を促進する。
【0070】
いくつかの特定の実施形態が本明細書で開示されており、それら特定の実施形態が、ある程度詳細に開示されているが、それら特定の実施形態が、本明細書で提供される概念の範囲を限定することは意図されていない。更なる適合及び/又は修正が、当業者には明らかとなる可能性があり、より広範な態様においては、これらの適合及び/又は修正も同様に包含される。したがって、本明細書で提供される概念の範囲から逸脱することなく、本明細書で開示される特定の実施形態からの展開を実施することができる。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
【国際調査報告】