(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-25
(54)【発明の名称】車両の動的計量システム
(51)【国際特許分類】
G01G 19/03 20060101AFI20241118BHJP
G01G 19/02 20060101ALI20241118BHJP
【FI】
G01G19/03
G01G19/02 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024558473
(86)(22)【出願日】2022-12-16
(85)【翻訳文提出日】2024-07-31
(86)【国際出願番号】 IB2022062389
(87)【国際公開番号】W WO2023119094
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】102021000031775
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524232624
【氏名又は名称】インペーロ,パスクアレ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】インペーロ,パスクアレ
(57)【要約】
ビーム(2)を備える車両の動的計量システム(1)であって、ビーム(2)は、中空縦長体(3)と、ビーム(2)の相対中立軸(N)の部分を含む、第1の端部(4)及び第2の端部(5)と、通過時に車両のホイール(7)を受けるための上側載置面(6)と、第1の端部(4)に配置される第1の下側載置面(8)と、第2の端部(5)に配置される第2の下側載置面(9)と、を備え、第1の下側載置面(8)及び第2の下側載置面(9)は、上側載置面(6)の反対にあり、ビーム(2)の中立軸(N)によって画定された水平面上に延在する。システム(1)は、さらに、路面の下にあるように配置され、ビーム(2)を受けるように一致するシート(11)を備える、ベース(10)と、ベース(10)とビーム(2)との間に介在する複数の圧縮ロードセル(42)であって、第1の圧縮ロードセル(12)は第1の下側載置面(8)でビーム(2)を支持し、第2の圧縮ロードセル(13)は第2の下側載置面(9)でビーム(2)を支持する、複数の圧縮ロードセル(42)と、ビーム(2)とシート(11)の側壁(11a,11b,11c,11d)との間に介在する複数の当接部(14)と、を備える。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーム(2)を備える車両の動的計量システム(1)であって、
前記ビーム(2)は、
中空縦長体(3)と、
第1の端部(4)及び第2の端部(5)であって、互いに反対にあり、相互に平行であり、前記ビーム(2)の相対中立軸(N)の部分を含み、
前記第1の端部(4)及び前記第2の端部(5)は、前記ビーム(2)の残りの部分の前記横断面よりも小さい相対的な横断面を有する、第1の端部(4)及び第2の端部(5)と、
通過時に前記車両のホイール(7)を受けるための上側載置面(6)と、
前記第1の端部(4)に配置される第1の下側載置面(8)と、前記第2の端部(5)に配置される第2の下側載置面(9)であって、
前記第1の下側載置面(8)及び前記第2の下側載置面(9)は、前記上側載置面(6)の反対にあり、前記ビーム(2)の前記中立軸(N)によって画定された水平面上に延在する、前記第1の下側載置面(8)及び前記第2の下側載置面(9)と、
前記路面の下にあるように配置され、前記ビーム(2)を受けるように一致するシート(11)を備える、ベース(10)と、
前記ベース(10)と前記ビーム(2)との間に介在する複数の圧縮ロードセル(42)であって、少なくとも第1の圧縮ロードセル(12)は前記第1の下側載置面(8)で前記ビーム(2)を支持し、前記少なくとも第2の圧縮ロードセル(13)は前記第2の下側載置面(9)で前記ビーム(2)を支持する、複数の圧縮ロードセル(42)と、
相対的縦軸(L)の横方向に沿って、前記ビーム(2)の変位を制限するように、前記ビーム(2)と、前記シート(11)の前記側壁(11a,11b,11c,11d)との間に介在する複数の当接部(14)と、を備え、
前記車両の動的計量システム(1)は、前記上側載置面(6)の前記車両のホイール(7)の通過中、前記少なくとも第1の圧縮ロードセル(12)及び前記少なくとも第2の圧縮ロードセル(13)が、各々、前記第1の下側載置面(8)及び前記第2の下側載置面(9)に当接するときにもたらされた力を検出するように構成される、車両の動的計量システム(1)。
【請求項2】
前記第1の端部(4)は、前記ビーム(2)の第1の縦エッジ(2a)に沿って少なくとも部分的に延在する第1のステップ(15)を備え、
前記第2の端部(5)は、前記ビーム(2)の前記第1の縦エッジ(2a)に沿って少なくとも部分的に延在する第2のステップ(16)を備え、
前記少なくとも第1の圧縮ロードセル(12)は、前記第1のステップ(15)に当接するように配置され、
前記少なくとも第2の圧縮ロードセル(13)は、前記第2のステップ(16)に当接するように配置される、請求項1に記載の車両の動的計量システム(1)。
【請求項3】
前記第1の端部(4)は、前記第1のステップ(15)の反対にあり、前記ビーム(2)の第2の縦エッジ(2a)に沿って少なくとも部分的に延在する第3のステップ(17)を備え、
前記第2の端部(5)は、前記第2のステップ(16)の反対にあり、前記ビーム(2)の前記第2の縦エッジ(2a)に沿って少なくとも部分的に延在する第4のステップ(18)を備え、
前記複数の圧縮ロードセル(42)は、前記第3のステップ(17)に当接するように配置される第3の圧縮ロードセル(19)と、前記第4のステップ(18)に当接するように配置される第4の圧縮ロードセル(20)と、を備える、請求項1または2に記載の車両の動的計量システム(1)。
【請求項4】
前記第1の端部(4)は第1の突起(23)を備え、前記第1の突起(23)は、前記第1のステップ(15)と前記第3のステップ(17)との間に介在し、前記シート(11)で前記ビーム(2)を受けるとき、前記ベース(10)に当接するように一致し、
前記第2の端部(5)は第2の突起(24)を備え、前記第2の突起(24)は、前記第2のステップ(16)と前記第3のステップ(18)との間に介在し、前記シート(11)で前記ビーム(2)を受けるとき、前記ベース(10)に当接するように一致する、請求項1~3の内いずれか一項に記載の車両の動的計量システム(1)。
【請求項5】
前記動的計量システムは、前記ベース(10)の上方を覆うように一致する第1のカバー(28)を備え、前記第1のカバー(28)が前記ベース(10)を覆い、前記ビーム(2)が前記シート(11)に収容されるとき、外側と連通する前記第1の上側載置面(6)を設置するように一致して寸法決定される貫通開口部(29)を備える、請求項1~4の内いずれか一項に記載の車両の動的計量システム(1)。
【請求項6】
前記動的計量システムは、前記貫通開口部(29)を覆うように一致する第2のカバー(30)を備える、請求項1~5の内いずれか一項に記載の車両の動的計量システム(1)。
【請求項7】
前記ベース(10)は鉄筋コンクリートから作られている、請求項1~6の内いずれか一項に記載の車両の動的計量システム(1)。
【請求項8】
前記シート(11)の前記側壁(11a,11b,11c,11d)は、互いに連続して配置される複数の突起及び凹部(32)を形成し、
前記ベース(10)は、前記第1のカバー(28)を静止して受けるための載置面(33)を備え、
前記複数の突起及び凹部(32)は、前記載置面(33)と同一平面上にある追加の載置面(34)を形成する、請求項5または6に記載の車両の動的計量システム(1)。
【請求項9】
前記複数の当接部(14)の各当接部は、前記ビーム(2)において、対応するエリア(A)を画定し、前記エリア(A)は、前記ビーム(2)の前記中立軸(N)によって画定された前記水平面で交差する、請求項1~8の内いずれか一項に記載の車両の動的計量システム(1)。
【請求項10】
前記ビーム(2)は複数の管状要素(35)を備え、前記複数の管状要素(35)は、前記中空縦長体(3)の内部に配置され、前記相対的縦軸(L)を斜めに横切って及び/または前記相対的縦軸(L)と平行に延在するようになる、請求項1~9の内いずれか一項に記載の車両の動的計量システム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の計量に関する技術分野に関する。
【0002】
具体的には、本発明は、車両の動的計量システムに関する。
【背景技術】
【0003】
規制重量制限を超えるとき、他の大型車両のようなトラックは、事故のリスク及びインフラへの損傷が増加することが知られている。
【0004】
したがって、大型車両に関する法規範に積載物が準拠していることを保証することが必要である。これは、従来的な車両の静止計量システムを用いて行うことができ、しかしながら、それは、明らかな制限が示され、それらにより、車両交通が減速し、リアルタイムの測定が不可能になる。
【0005】
これらの欠点を未然に防ぐために、代わりに、実行可能性を妨げることなく、車両の交通の流れにおける移動中の車両を計量することを可能にする車両の動的計量システムが知られている。
【0006】
これらの動的計量システムは、特に、大量の大型車両が循環する道路のインターチェンジで有用である。
【0007】
さらに、動的計量システムからリアルタイムで検出されたデータは、インフラでのいずれかの「過重量」の通過の短時間における管理を可能にする。
【0008】
現在の車両の動的計量システムは、通過時に車両のホイールによってもたらされた力の検出されたデータ、すなわち値の複雑な処理が必要になることが知られている。
【0009】
これらの動的計量システムは、ロードセルによって支持され、周辺フレームの内部に配置されるプラットフォーム上の車両の通過を含む。その結果、ロードセルが車両の通過中に車両の各ホイールによってもたらされた力を検出して、次に、周辺フレームに対するプラットフォームの垂直運動を、プラットフォームにもたらされた重量の測定値、すなわち通過時の車両の質量に変換する。
【0010】
各ロードセルは、ホイールによってもたらされた力の垂直成分と、例えば、車両の通過中にプラットフォームが受ける牽引力またはねじりまたはトルクに関するさらなる成分とを含む、作用する力の値を検出する。
【0011】
この理由から、これらの既知の動的計量システムは、車両の質量を判定するために検出されたデータの処理前に、力の垂直成分以外の成分を相関付ける目的で検出された力の値の予備処理が必要になる。
【0012】
これは、複雑な計算アルゴリズムの使用が必要になる。
【発明の概要】
【0013】
上記を考慮して、本発明の目的は上述の欠点をなくすことを含む。
【0014】
本発明の目的は、車両の質量を判定するために検出されたデータの処理に必要な作業を簡略化することが可能である車両の動的計量システムを取得することである。
【0015】
上記の目的は、請求項1に記載の車両の動的計量システムを使用することによって実現される。
【0016】
ビームは、有利に、その両端部、すなわち、第1の端部及び第2の端部で、少なくとも第1の圧縮ロードセル及び少なくとも第2の圧縮ロードセルの上に、静止して配置され、相対的な第1の下側載置面及び相対的な第2の下側載置面は、ビームの中立軸によって画定された水平面に沿って延在する。
【0017】
このように、少なくとも第1の圧縮ロードセル及び少なくとも第2の圧縮ロードセルは、ビーム上で通過時に車両のホイールによってもたらされた力の垂直成分を直接測定する。この理由として、それらの圧縮ロードセルは、中立軸に沿って力の値を検出するように配置され、本質的に、延在または短縮のいずれかによるあらゆる運動を受けないが、曲げだけを受けるためである。
【0018】
さらに、ビームとシートの側壁との間に介在する複数の当接部は、中空縦長体の相対的縦軸の横方向に沿って、ビームの変位を制限する。ビームの変位は、通過時に車両によって発生した揺れまたは振動により促され得る。このように、圧縮ロードセルに作用する力の任意の水平成分は減る。この理由として、水平成分の存在により、圧縮ロードセルによって、力の垂直成分の測定で誤差の発生につながることがあるためである。
【0019】
本発明の特定の実施形態は、添付図の図面を用いて、請求項に記載された内容に従って本発明の説明の以下の箇所に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の対象である車両の動的計量システムの斜視図である。
【
図2】本発明の対象である車両の動的計量システムの側面図である。
【
図3】本発明の対象である車両の動的計量システムの側面図である。
【
図4】他の構成要素を良く見えるように強調するために、いくつかの構成要素が除去されている、本発明の対象である車両の動的計量システムの斜視図である。
【
図5】他の構成要素を良く見えるように強調するために、いくつかの構成要素が除去されている、本発明の対象である車両の動的計量システムの側面図である。
【
図6】他の構成要素を良く見えるように強調するために、いくつかの構成要素が除去されている、本発明の対象である車両の動的計量システムの側面図である。
【
図7】
図3の平面VII-VIIに沿った断面図である。
【
図13】本発明の対象である車両の動的計量システムの分解図である。
【
図14】2対のビームを備える、本発明の対象である車両の動的計量システムの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付図の図面を参照すると、符号(1)はビーム(2)を備える車両の動的計量システムを示し、ビーム(2)は、さらに、中空縦長体(3)と、第1の端部(4)及び第2の端部(5)であって、互いに反対にあり、相互に平行であり、ビーム(2)の相対中立軸(N)の部分を含み、第1の端部(4)及び第2の端部(5)は、ビーム(2)の残りの部分の横断面よりも小さい横断面を有する、第1の端部(4)及び第2の端部(5)と、通過時に車両のホイール(7)を受けるための上側載置面(6)と、第1の端部(4)に配置される第1の下側載置面(8)と、第2の端部(5)に配置される第2の下側載置面(9)であって、第1の下側載置面(8)及び第2の下側載置面(9)は、上側載置面(6)の反対にあり、ビーム(2)の中立軸(N)によって画定された水平面上に延在する、 第1の下側載置面(8)及び第2の下側載置面(9)と、を備える(
図1~
図3、
図6、及び
図9~
図12参照)。さらに、車両の動的計量システム(1)は、路面の下にあるように配置され、ビーム(2)を受けるように一致するシート(11)を備える、ベース(10)と、ベース(10)とビーム(2)との間に介在する複数の圧縮ロードセル(42)であって、少なくとも第1の圧縮ロードセル(12)は、第1の下側載置面(8)でビーム(2)を支持し、少なくとも第2の圧縮ロードセル(13)は第2の下側載置面(9)でビーム(2)を支持する、複数の圧縮ロードセル(42)と、相対的縦軸(L)の横方向に沿って、ビーム(2)の変位を制限するように、ビーム(2)と、シート(11)の側壁との間に介在する複数の当接部(14)と、を備える(
図1~
図3、
図6~
図8、及び
図13参照)。
【0022】
車両の動的計量システム(1)は、上側載置面(6)の車両のホイール(7)の通過中、少なくとも第1の圧縮ロードセル(12)及び少なくとも第2の圧縮ロードセル(13)が、各々、第1の下側載置面(8)及び第2の下側載置面(9)に当接するときにもたらされた力を検出するように構成される(
図1~
図3、
図6~
図8、及び
図13参照)。
【0023】
「車両の動的計量システム(1)」という用語は、一続きの道路または橋の上で、通過時に車両の重量を判定するためのシステムを指すものとして理解される。
【0024】
言い換えれば、重量の判定は、車両の通過中、ひいては、車両が停止しなくても行われる。
【0025】
車両は、大型車両を意味し、例えば、トラックまたは大型トラックを指す。中立軸は、中立面(法線張力がゼロである点の軌跡)と、それが作用する一般的な断面の平面との間の交点を意味する。
【0026】
曲げを受けるビームでは、牽引及び圧縮の単位張力が生じ、理想的には「中立軸」と呼ばれる繊維層によって分離され、その層は、延長運動または短縮運動に影響しないことが知られている。
【0027】
ビーム(2)は、相対的な通過中、車両によってかけられた力に応じて曲げを受ける複数の圧縮ロードセル(42)の圧縮ロードセル(12,13)で、ビーム(2)の両端で載置されると考えることができると記述されている(
図3及び
図13参照)。
【0028】
少なくとも第1の圧縮ロードセル(12)及び少なくとも第2の圧縮ロードセル(13)は、各々、第1の下側載置面(8)及び第2の下側載置面(9)に当接するときにもたらされた力を検出する。
【0029】
第1の下側載置面(8)及び第2の下側載置面(9)は上側載置面(6)と平行になり得る。
【0030】
第1の端部(4)及び第2の端部(5)の横断面は互いに同一であり得る(
図9~12参照)。
【0031】
シート(11)は、互いに反対にある側壁の第1の対(11a,11b)と、互いに反対にあり、側壁の第1の対(11a,11b)の側壁と結合する側壁の第2の対(11c,11d)と、を備え得る(
図13参照)。
【0032】
さらに、シート(11)は、側壁の第1の対(11a,11b)及び側壁の第2の対(11c,11d)を互いに接続する底壁(11e)を備え得る(
図13参照)。
【0033】
複数の圧縮ロードセル(42)の各圧縮ロードセル(12,13)は、底壁(11e)に固定できる(
図13参照)。
【0034】
複数の当接部(14)の各当接部は、シート(11)の側壁の第1の対(11a,11b)及び側壁の第2の対(11c,11d)に固定できる(
図13参照)。
【0035】
車両の動的計量システム(1)の使用中、シート(11)でビーム(2)を受けるとき、ベース(10)及びビーム(2)は路面の下部に配置される。
【0036】
特にロードセルに関して、ロードセルは、物体で力により発生する変形に起因して電気信号を測定することによって、物体にかかる力を測定するために使用される電子構成要素であることが知られている。
【0037】
検討中の事例では、圧縮ロードセルは、物体の圧縮下で、機械的変形を検出できる。
【0038】
第1の端部(4)は、ビーム(2)の第1の縦エッジ(2a)に沿って少なくとも部分的に延在する第1のステップ(15)を備え得る。第2の端部(5)は、ビーム(2)の第1の縦エッジ(2a)に沿って少なくとも部分的に延在する第2のステップ(16)を備え得る(
図9及び
図13)。
【0039】
さらに、少なくとも第1の圧縮ロードセル(12)は第1のステップ(15)に当接するように配置でき、少なくとも第2の圧縮ロードセル(13)は第2のステップ(16)に当接するように配置できる(
図13参照)。
【0040】
言い換えれば、第1の下側載置面(8)は、第1のステップ(15)によって支えることができる。
【0041】
第2の下側載置面(9)は、第2のステップ(16)によって支えることができる。
【0042】
第1の端部(4)は、好ましくは、第1のステップ(15)の反対にあり、ビーム(2)の第2の縦エッジ(2b)に沿って少なくとも部分的に延在する第3のステップ(17)を備える。第2の端部(5)は、第2のステップ(16)の反対にあり、ビーム(2)の第2の縦エッジ(2b)に沿って少なくとも部分的に延在する第4のステップ(18)を備える。複数の圧縮ロードセル(42)は、第3のステップ(17)に当接するように配置される第3の圧縮ロードセル(19)と、第4のステップ(18)に当接するように配置される第4の圧縮ロードセル(20)と、を備える(
図7、
図9、及び
図13参照)。
【0043】
好ましい実施形態によると、車両の動的計量システム(1)は4つの圧縮ロードセル(12,13,19,20)を備え、ビーム(2)は、第1の端部(4)に配置され、第1の下側載置面(8)に隣接する第3の下側載置面(21)と、第2の端部(5)に配置され、第2の下側載置面(9)に隣接する第4の下側載置面(22)と、を備える(
図7、
図9、及び
図13参照)。
【0044】
第3の下側載置面(21)は第3のステップ(17)によって支えることができる。
【0045】
第4の下側載置面(22)は第4のステップ(18)によって支えることができる。
【0046】
第3の圧縮ロードセル(19)は第3の下側載置面(21)でビーム(2)を支持でき、第4の圧縮ロードセル(20)は第4の下側載置面(22)でビーム(2)を支持できる(
図13参照)。
【0047】
第1の下側載置面(8)及び第2の下側載置面(9)は、ビーム(2)の第1の縦エッジ(2a)に沿って延在できる。
【0048】
第3の下側載置面(21)及び第4の下側載置面(22)は、ビーム(2)の第2の縦エッジ(2b)に沿って延在できる。
【0049】
第1のステップ(15)及び第3のステップ(17)は、縦軸(L)に対して互いに反対にあり得る。
【0050】
第2のステップ(16)及び第4のステップ(18)は、縦軸(L)に対して互いに反対にあり得る。
【0051】
第1のステップ(15)及び第3のステップ(17)は、縦軸(L)に対して互いに平行であり得る。
【0052】
第2のステップ(16)及び第4のステップ(18)は、縦軸(L)に対して互いに平行であり得る。
【0053】
第1の端部(4)は好ましくは第1の突起(23)を備え、第1のステップ(15)と第3のステップ(17)との間に介在し、第1の突起(23)は、シート(11)でビーム(2)を受けるとき、ベース(10)に当接するように一致する。第2の端部(5)は第2の突起(24)を備え、第2の突起(24)は、第2のステップ(16)と第3のステップ(18)との間に介在し、シート(11)でビーム(2)を受けるとき、ベース(10)に当接するように一致する(
図9~
図12及び
図7、
図8参照)。
【0054】
詳細には、第1の突起(23)及び第2の突起(24)はシート(11)の底壁(11e)に当接する(
図13参照)。
【0055】
第1の突起(23)は第5の下側載置面(25)を備え、第5の下側載置面(25)は、シート(11)でビーム(2)を受けるとき、シート(11)の底壁(11e)に当接するように配置される(
図13参照)。
【0056】
第2の突起(24)は第6の下側載置面(26)を備え、第6の下側載置面(26)は、シート(11)でビーム(2)を受けるとき、シート(11)の底壁(11e)に当接するように配置される。
【0057】
第5の下側載置面(25)は、第1の下側載置面(8)と第3の下側載置面(21)との間に介在する(
図9及び
図10参照)。
【0058】
第6の下側載置面(26)は、第2の下側載置面(9)と第4の下側載置面(22)との間に介在する(
図9及び
図10参照)。
【0059】
詳細には、シート(11)でビーム(2)を受けるとき、第5の下側載置面(25)及びベース(10)は互いに接触する。
【0060】
繰り返し詳細に説明すると、シート(11)でビーム(2)を受けるとき、第6の下側載置面(26)及びベース(10)は互いに接触する。
【0061】
ビーム(2)は第7の下側載置面(27)を備え得、第7の下側載置面(27)は、第5の下側載置面(25)及び第6の下側載置面(26)を互いに結合し、シート(11)でビーム(2)を受けるとき、ベース(10)に当接するように配置される(
図9及び
図10参照)。
【0062】
車両の動的計量システム(1)は、好ましくは、ベース(10)の上方を覆うように一致する第1のカバー(28)を備え、第1のカバー(28)がベース(10)を覆い、ビーム(2)がシート(11)に収容されるとき、外側と連通する第1の上側載置面(6)を設置するように一致して寸法決定される貫通開口部(29)を備える(
図4及び
図5参照)。
【0063】
本発明の上述の実施形態によると、ビーム(2)は、有利に、動的計量システム(1)の残りの部分に対して分離され、ホイール(7)によってもたらされた力は、ビーム(2)に直接作用する。
【0064】
言い換えれば、このように、ビーム(2)にかかる車両のホイール(7)の作用は分離される。
【0065】
第1のカバー(28)及びベース(10)は互いに固定できる(
図1~
図3、
図13参照)。
【0066】
第1のカバー(28)は金属から作ることができる。
【0067】
第1のカバー(28)は平面であり得る。
【0068】
先行請求項に記載の車両の動的計量システム(1)は、好ましくは、貫通開口部(29)を覆うように一致する第2のカバー(30)を備える(
図1~
図3、
図13参照)。
【0069】
第2のカバー(30)は、有利に、外側から第1の上側載置面(6)を保護すると同時に、動的計量システム(1)の残りの部分に対して、ビーム(2)の分離を確実にする。
【0070】
第2のカバー(30)及び第1のカバー(28)は互いに固定できる(
図1~
図3、
図13参照)。
【0071】
第2のカバー(30)は金属から作ることができる。
【0072】
第2のカバー(30)は平面であり得る。
【0073】
ベース(10)は、好ましくは、鉄筋コンクリートから作られる。
【0074】
したがって、ベース(10)は、コンクリートに組み込まれた複数の金属シート(31)を備え得る(
図4~
図6参照)。
【0075】
複数の金属シート(31)は第1の金属シート(31a)を備え、第1の金属シート(31a)は、複数の圧縮ロードセル(42)を支えて、第5の下側載置面(25)、第6の下側載置面(26)、及び第7の下側載置面(27)を静止して受けるように配置される。
【0076】
第1の金属シート(31a)及び複数の圧縮ロードセル(42)の各圧縮ロードセル(12,13,19,20)は互いに固定できる(
図1~
図3、
図13参照)。
【0077】
ねじ及びボルトを使用して、相対的な固定を行うことができる。
【0078】
図4及び
図5は、ベース(10)が取り外されている車両の動的計量システム(1)を示し、第1のカバー(28)、第2のカバー(30)、及び複数の金属シート(31)は明確に見えるようになる。
【0079】
図6は、
図4及び
図5の車両の動的計量システム(1)の側面図を示し、第1の金属シート(31a)、ビーム(2)、及び少なくとも第1の圧縮ロードセル(12)は明確に見えるようになる。
【0080】
シート(11)の側壁(11a,11b,11c,11d)は、ビーム(2)に対して横方向に当接するように、複数の当接部(14)の当接部を支えることができる。
【0081】
好ましい実施形態では、複数の当接部(14)は、シート(11)の側壁(11a,11b,11c,11d)またはビーム(2)によって支えられた複数のローラー(14a)と、各々、ビーム(2)またはシート(11)の側壁(11a,11b,11c,11d)によって支えられた複数の回転式球体(14b)と、を備え得る(
図13、
図6~
図8参照)。
【0082】
このように、ビーム(2)とシート(11)の側壁(11a,11b,11c,11d)との間の摩擦現象は制限される。
【0083】
【0084】
代替として、複数の当接部(14)は複数の潤滑接点(図示しない)を含み得る。
【0085】
複数の当接部(14)の当接部は、通過時に車両の荷重を受けるビーム(2)の水平変位を制限する。
【0086】
シート(11)の側壁は互いに連続して配置される複数の突起及び凹部(32)を形成し、ベース(10)は第1のカバー(28)を静止して受けるための載置面(33)を備え、複数の突起及び凹部(32)は載置面(33)と同一平面上にある追加の載置面(34)を形成する。
【0087】
詳細には、シート(11)でビーム(2)を受けるとき、第1の上側載置面(6)、載置面(33)、及び追加の載置面(33)は互いに整列している(
図13参照)。
【0088】
第1のカバー(28)用の載置面(33)の延長部を増加させることによって、車両の通過に続いて起こる第1のカバー(28)の振動現象は制限される。
【0089】
複数の当接部(14)の各当接部は、好ましくは、ビーム(2)において、対応するエリア(A)を画定し、エリア(A)は、ビーム(2)の中立軸(N)によって画定された水平面で交差する(
図8参照)。
【0090】
圧縮ロードセル(12,13,19,20)に対して横方向に作用できる力の値は有利に制限される。
【0091】
ビーム(2)は好ましくは複数の管状要素(35)を備え、複数の管状要素(35)は、中空縦長体(3)の内部に配置され、相対的縦軸(L)を斜めに横切って及び/または相対的縦軸(L)と平行に延在するようになる(
図6、
図9~
図12参照)。
【0092】
このように、ビーム(2)の曲げ剛性の値は有利に増加する。
【0093】
複数の管状要素(35)は金属から作ることができる。
【0094】
通過時の車両の質量を判定する目的のために、本発明の対象である動的計量システム(1)は、ビーム(2)の側面に位置するように配置される第2のビーム(36)と、第2の複数の圧縮ロードセル(37)と、第2の複数の当接部(38)と、を備えることが記述されている(
図1~
図3、
図13、及び
図14参照)。
【0095】
ビーム(2)、複数の圧縮ロードセル(42)、及び複数の当接部(14)に関して上記と同じ考察は、また、第2のビーム(36)、第2の複数の圧縮ロードセル(37)、及び第2の複数の当接部(38)に関しても有効である。
【0096】
詳細には、ビーム(2)及び第2のビーム(36)をベース(10)のシート(11)で受け、金属シート(39)はそれらの間に介在する(
図13参照)。
【0097】
複数の当接部(14)及び第2の複数の当接部(38)のいくつかの当接部は、金属シート(39)とビーム(2)との間に、かつ金属シート(39)と第2のビーム(36)との間に介在する。
【0098】
特に
図1~
図3、
図13、及び
図14を参照すると、車両の動的計量システム(1)は、第2のビーム(36)、第2の複数の圧縮ロードセル(37)、及び第2の複数の当接部(38)を備えるように示される。
【0099】
図3は、特に、本発明の対象である動的計量システム(1)に関する、通過時に車両のホイール(7,70)の対の破線の概略図を含む。
【0100】
誤差を最小に減らす目的のために、力を生成している物体の質量の値で圧縮ロードセル(12,13,19,20)によって検出された力の値を変換するために、ビーム(2)自体の第1の振動モードの周波数は、支持されたビーム(2)が自由度を有するように、通過時に車両の影響によってビーム(2)が受けるひずみ周波数よりも大きいことが想定される。
【0101】
この状態を検証する目的のために、ビーム(2)は軽量であるが剛性がある必要もある。
【0102】
この理由から、ビーム(2)は中空縦長体(3)を備え、相対的縦軸(L)を斜めに横切って及び/または相対的縦軸(L)と平行に配置される、補強要素、すなわち複数の管状要素(35)が設けられる。
【0103】
分かりやすくするために、以下では、ビーム(2)の第1の振動モードに関する周波数(fpとして示される)を計算する方法が説明され、以下の数1の通りである。
【0104】
【0105】
kはビーム(2)の曲げ剛性の値であり、mはビーム(2)の質量の値である。
【0106】
上式から、ビーム(2)の曲げ剛性の値に固定され、質量の値が減ると、ビーム(2)の第1の振動モードに関する周波数の値は増加することが推測できる。
【0107】
さらに、以下に、通過時に車両の影響によってビーム(2)が受ける振動周波数(fsとして示される)を計算する方法を説明する。すなわち、
fs=(v/(W+I))であり,
vは車両がビーム(2)を走行する速さの値であり、Wは車両の運動方向に沿ったビーム(2)の寸法の値であり、Iは車両のホイール(7)の最小寸法の値であり、すなわち、運動方向のビーム(2)に車両が及ぼす影響の値である。
【0108】
繰り返しになるが、力を生成している物体の質量の値で圧縮ロードセル(12,13,19,20)によって検出された力の値を変換する方式に関して、路面の粗さまたは相対的なブレーキ動作に応じて、車両の振動周波数によって発生した誤差を最小限に抑えるのにも適切である。
【0109】
この件では、これらの誤差の減少は、力の値の測定数を増加させることによって取得されることが、発明者によって実証されている。
【0110】
この理由から、車両の動的計量システム(1)の好ましい実施形態は、相互に側面に位置するように配置された2対のビーム(2,36及び40,41)を含み、その結果、車両の通過中、ビーム(2,36)の第1の対は車両軸に沿って配置されたホイールによってもたらされた力を検出し、ホイール(40,41)の第2の対は、第2の車両軸に沿って配置されたホイールによってもたらされた力を検出する。
【0111】
この最後の実施形態は
図14に示され、破線を使用して、上記に説明した車両の動的計量システムの特徴の詳細を表す。
【国際調査報告】