(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-27
(54)【発明の名称】電気処理のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
C09C 1/50 20060101AFI20241120BHJP
C01B 32/05 20170101ALI20241120BHJP
H05H 1/24 20060101ALI20241120BHJP
B01J 19/08 20060101ALN20241120BHJP
【FI】
C09C1/50
C01B32/05
H05H1/24
B01J19/08 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520921
(86)(22)【出願日】2022-09-30
(85)【翻訳文提出日】2024-06-03
(86)【国際出願番号】 US2022045451
(87)【国際公開番号】W WO2023059520
(87)【国際公開日】2023-04-13
(32)【優先日】2021-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520068582
【氏名又は名称】モノリス マテリアルズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100203208
【氏名又は名称】小笠原 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100216839
【氏名又は名称】大石 敏幸
(74)【代理人】
【識別番号】100228980
【氏名又は名称】副島 由加里
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】リース,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】カーディナル,クリストファー・ジェイ・ピー
(72)【発明者】
【氏名】デイムス,エノク
(72)【発明者】
【氏名】ダサッパ,シュルティ
(72)【発明者】
【氏名】ホルマン,アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
2G084
4G075
4G146
4J037
【Fターム(参考)】
2G084AA14
2G084AA26
2G084CC02
2G084CC03
2G084CC23
2G084CC34
2G084DD12
2G084FF32
4G075AA03
4G075AA05
4G075AA27
4G075AA61
4G075BA05
4G075BB05
4G075CA47
4G075CA61
4G075DA01
4G075DA18
4G075EB01
4G075EB43
4G075EC21
4G075FB02
4G075FB03
4G075FB04
4G075FB06
4G075FB12
4G146AA01
4G146AB01
4G146BA12
4G146BC16
4G146BC28
4J037AA02
4J037BB15
4J037BB30
4J037BB31
(57)【要約】
約1.5bar以上~20bar以上の圧力で動作されるプラズマ反応器を使用して炭素質材料及び水素を生成する方法が開示される。反応器内の1つ以上の電極は、AC又はDCのいずれかを使用してプラズマを発生させるために使用される。液体又は気体のいずれかの形態の天然ガス又はメタンなどの炭化水素が、注入器を介して反応器に注入され、次いでプラズマ反応器が、酸素を含まないプロセスで炭化水素を水素ガス及び炭素粒子に分解する。添加剤及びシースガスを反応器に更に添加して、生成物を改善又は変更することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応器内で炭素粒子を生成する方法であって、
(a)1つ以上の電極を使用して前記反応器内にプラズマを発生させるステップと、
(b)1つ以上の注入器を通じて炭化水素を前記反応器に注入し、それによって前記炭素粒子を生成するステップと、
を含み、
前記反応器が約1.5bar以上の圧力で動作される、方法。
【請求項2】
前記1つ以上の電極がAC電極を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ以上の電極がDC電極を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
水素を生成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記水素及び前記炭素粒子を連続的に生成するステップを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記水素及び前記炭素粒子をワンススルー単一段階プロセスで生成するステップを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記炭化水素がガスである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記炭化水素が天然ガスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記炭化水素は、前記プラズマとの接触時に加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記炭素粒子は、約1.5bar未満の圧力で動作される場合の前記反応器内で形成される炭素粒子よりも小さい表面積を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記炭素粒子は、約1barの圧力で動作される場合の前記反応器内で形成される炭素粒子と比較して約90%の表面積を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記反応器が約5bar以上の圧力で動作される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記炭素粒子は、約5bar未満の圧力で動作される場合の前記反応器内で形成される炭素粒子よりも小さい表面積を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記炭素粒子は、約1barの圧力で動作される場合の前記反応器内で形成される炭素粒子と比較して約60%の表面積を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記反応器が約10bar以上の圧力で動作される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記炭素粒子は、約10bar未満の圧力で動作される場合の前記反応器内で形成される炭素粒子よりも小さい表面積を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記炭素粒子は、約1barの圧力で動作される場合の前記反応器内で形成される炭素粒子と比較して約35%の表面積を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記反応器が約20bar以上の圧力で動作される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記炭素粒子は、約20bar未満の圧力で動作される場合の前記反応器内で形成される炭素粒子よりも小さい表面積を有する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記反応器が約30bar以上の圧力で動作される、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記炭素粒子は、約30bar未満の圧力で動作される場合の前記反応器内で形成される炭素粒子よりも小さい表面積を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
1つ以上の添加剤を使用して前記炭素粒子の表面積を増加させるステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記1つ以上の添加剤が炭化水素ガスを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記1つ以上の添加剤がケイ素を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記1つ以上の添加剤が芳香族添加剤を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記反応器が無酸素環境である、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記反応器が体積又はモルで約2%未満の分子状酸素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記反応器内の前記炭素粒子の収率は、約1barの圧力で動作される場合の前記反応器内で形成される炭素粒子の収率よりも高い、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記炭素粒子が75%を超える収率で生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記炭素粒子が85%を超える収率で生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記炭素粒子が90%を超える収率で生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記炭素粒子が99%を超える収率で生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記反応器内の前記炭素粒子の収率は、1.5bar未満の圧力で動作される場合の前記反応器と同じサイズの反応器内で形成される炭素粒子の収率よりも大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
反応器内で水素を生成する方法であって、
(a)1つ以上の電極を使用して前記反応器内にプラズマを発生させるステップと、
(b)1つ以上の注入器を通じて炭化水素を前記反応器に注入し、それによって前記水素を生成するステップと、
を含み、
前記反応器が約1.5bar以上の圧力で動作される、方法。
【請求項35】
前記1つ以上の電極がAC電極を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記1つ以上の電極がDC電極を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
炭素粒子を生成するステップを更に含む、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記水素及び前記炭素粒子を連続的に生成するステップを更に含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記水素及び前記炭素粒子をワンススルー単一段階プロセスで生成するステップを更に含む、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記炭化水素がガスである、請求項34に記載の方法。
【請求項41】
前記炭化水素が天然ガスを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項42】
前記炭化水素は、前記プラズマとの接触時に加熱される、請求項34に記載の方法。
【請求項43】
前記反応器が約5bar以上の圧力で動作される、請求項34に記載の方法。
【請求項44】
前記反応器が約10bar以上の圧力で動作される、請求項34に記載の方法。
【請求項45】
前記反応器が約20bar以上の圧力で動作される、請求項34に記載の方法。
【請求項46】
前記反応器が約30bar以上の圧力で動作される、請求項34に記載の方法。
【請求項47】
前記反応器が無酸素環境である、請求項34に記載の方法。
【請求項48】
前記反応器が体積又はモルで約2%未満の分子状酸素を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項49】
前記炭化水素が前記1つ以上の電極に隣接して注入される、請求項1に記載の方法。
【請求項50】
前記炭化水素が前記1つ以上の電極から500ミリメートル(mm)以内に注入される、請求項1に記載の方法。
【請求項51】
前記プラズマが前記炭化水素の少なくとも一部を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項52】
(b)での前記注入ステップ後に、前記炭化水素が前記プラズマと接触する、請求項1に記載の方法。
【請求項53】
前記1つ以上の電極のそれぞれが電極チップを備え、前記1つ以上の電極チップが前記反応器内の単一平面内に位置される、請求項1に記載の方法。
【請求項54】
前記炭化水素は、前記1つ以上の電極チップの前記単一平面の上流で前記反応器に注入される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記炭化水素は、前記1つ以上の電極チップの前記単一平面で前記反応器に注入される、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
前記炭化水素は、前記1つ以上の電極チップの前記単一平面の下流で前記反応器に注入される、請求項53に記載の方法。
【請求項57】
前記1つ以上の注入器の注入先端における圧力が1.5barを超える、請求項53に記載の方法。
【請求項58】
前記反応器の前記動作圧力は、前記注入器先端における圧力の10%以内である、請求項53に記載の方法。
【請求項59】
30%を超える前記炭素粒子が約2マイクロメートル未満の球相当直径を有する炭素粒子である、請求項1に記載の方法。
【請求項60】
30%を超える前記炭素粒子が炭素質ナノ粒子である、請求項1に記載の方法。
【請求項61】
前記反応器に注入される前記炭素のうち90%を超える炭素が、約2マイクロメートル未満の球相当直径を有する炭素粒子又は約2マイクロメートル未満の球相当直径を有する炭素粒子のいずれかを形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項62】
より大きな炭素粒子と炭素粒子との組み合わせが98%を超える炭素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項63】
前記生成される水素が99.9%を超える純度を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項64】
前記生成される水素を圧縮又は再加圧することなく前記生成される水素を精製システムに導くステップを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項65】
圧力ロックシステムを使用して前記炭素粒子を単離し、生成された水素の少なくとも一部を除去し、前記炭素粒子を取り囲む前記雰囲気を1.5bar未満に減圧するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項66】
前記炭素粒子は、化石燃料炭化水素原料を使用して生成される炭素粒子の炭素-14比よりも大きい炭素-14比を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項67】
前記1つ以上の電極のそれぞれが10kgを超える質量を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項68】
3トン/時を超える炭素粒子が生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項69】
1トン/時を超える水素が生成される、請求項4に記載の方法。
【請求項70】
シースガスを前記反応器に加えるステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項71】
シースガスを加えることにより、シースガスを加えない方法と比較して炭素質ナノ粒子の収率が増加する、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記1つ以上の電極の摩耗率は、生成される炭素粒子1トン当たり電極ごとに10kg未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項73】
前記炭化水素が前記1つ以上の電極に隣接して注入される、請求項34に記載の方法。
【請求項74】
前記炭化水素が前記1つ以上の電極から500ミリメートル(mm)以内に注入される、請求項34に記載の方法。
【請求項75】
前記プラズマが前記炭化水素の少なくとも一部を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項76】
(b)での前記注入ステップ後に、前記炭化水素が前記プラズマと接触する、請求項34に記載の方法。
【請求項77】
前記1つ以上の電極のそれぞれが電極チップを備え、前記1つ以上の電極チップが前記反応器内の単一平面内に位置される、請求項34に記載の方法。
【請求項78】
前記炭化水素は、前記1つ以上の電極チップの前記単一平面の上流で前記反応器に注入される、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記炭化水素は、前記1つ以上の電極チップの前記単一平面で前記反応器に注入される、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
前記炭化水素は、前記1つ以上の電極チップの前記単一平面の下流で前記反応器に注入される、請求項77に記載の方法。
【請求項81】
前記1つ以上の注入器の注入先端における圧力が3.3barよりも大きい、請求項77に記載の方法。
【請求項82】
前記反応器の前記動作圧力は、前記注入器先端における圧力の10%以内である、請求項77に記載の方法。
【請求項83】
前記生成される水素が99.9%を超える純度を有する、請求項34に記載の方法。
【請求項84】
前記生成される水素を圧縮又は再加圧することなく前記生成される水素を精製システムに導くステップを更に含む、請求項34に記載の方法。
【請求項85】
前記1つ以上の電極のそれぞれが20kgを超える質量を有する、請求項34に記載の方法。
【請求項86】
1トン/時を超える水素が生成される、請求項34に記載の方法。
【請求項87】
シースガスを前記反応器に加えるステップを更に含む、請求項34に記載の方法。
【請求項88】
前記炭化水素が液体炭化水素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項89】
前記炭化水素は、前記プラズマを発生させるためのプラズマガスとして使用される、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
この出願は、2021年10月8日に出願された米国仮出願第63/253,996号、2022年9月8日に出願された米国仮出願第63/375,024号、2022年1月12日に出願された米国仮出願第63/298,912号、及び2022年6月9日に出願された米国仮出願第63/350,801号の利益を主張し、これらの米国仮出願のそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
炭素質材料及び/又は水素は、様々な化学プロセスによって生成され得る。そのような化学プロセスに関連する性能、エネルギー供給、及び環境性能は、経時的に進化してきた。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、例えば、炭素質材料及び/又は水素を生成するためのより効率的かつ効果的なプロセスの必要性を認識する。
【0004】
本開示は、例えば、大気圧よりも高い圧力でプラズマ発生器によって炭化水素を加熱することによって水素を生成することを含む処理方法を提供する。方法は、炭化水素をプラズマ発生器に加えるステップを更に含んでもよい。プラズマ発生器は、AC又はDC電極を備えてもよい。方法は、炭素質材料を生成するステップを更に含んでもよい。炭素質材料は、炭素粒子を含んでもよい。方法は、水素及び炭素質材料を連続的に生成するステップを更に含んでもよい。炭化水素は、ガス、天然ガスであってもよく、又は天然ガスを含んでもよい。方法は、炭化水素を加熱して単一のチャンバ内で水素を生成するステップを更に含んでもよい。方法は、水素及び炭素質材料をワンススルー単一段階プロセスで生成するステップを更に含んでもよい。方法は、約2bar以上の圧力で行なわれる。方法は、約5bar以上の圧力で行なわれる。方法は、約10bar以上の圧力で行なわれる。
【0005】
また、本開示は、例えば、大気圧を超える圧力で電気エネルギーにより炭化水素を加熱することによって、実質的に不活性又は実質的に酸素を含まない環境又は雰囲気中で水素を生成するステップを含む処理方法も提供する。方法は、炭素質材料を生成するステップを更に含んでもよい。炭素質材料は、炭素粒子を含んでもよい。方法は、水素及び炭素質材料を連続的に生成するステップを更に含んでもよい。炭化水素は、ガス、天然ガスであってもよく、又は天然ガスを含んでもよい。方法は、電気エネルギーにより炭化水素を直接加熱するステップを更に含んでもよい。水素は、耐火物で裏打ちされた反応器内で生成され得る。方法は、炭化水素を加熱して単一のチャンバ内で水素を生成するステップを更に含んでもよい。方法は、水素及び炭素質材料をワンススルー単一段階プロセスで生成することを更に含んでもよい。方法は、電気エネルギーを使用して水素から水素を除去するステップを更に含んでもよい。方法は、約2bar以上の圧力で行なわれる。方法は、約5bar以上の圧力で行なわれる。方法は、約10bar以上の圧力で行なわれる。方法は、熱交換器、フィルタ、及び固体ハンドリング機器を使用するステップを更に含んでもよい。固体ハンドリング機器は、冷却固体炭素収集スクリューコンベヤ、エアロック及びパージシステム、空気圧搬送システム、機械的搬送システム、分級ミル、及び製品貯蔵容器を含むことができる。方法は、実質的に酸素を含まない環境又は雰囲気中で水素を生成するステップを更に含んでもよい。方法は、実質的に不活性な環境又は雰囲気中で水素を生成するステップを更に含んでもよい。
【0006】
また、本開示は、例えば、炭化水素を電気エネルギーにより直接加熱することによって、実質的に不活性又は実質的に酸素を含まない環境又は雰囲気中で水素を生成する方法も提供する。炭化水素は、ガス、天然ガスであってもよく、又は天然ガスを含んでもよい。方法は、炭素質材料を生成するステップを更に含んでもよい。炭素質材料は、炭素粒子を含んでもよい。方法は、水素及び炭素質材料を連続的に生成するステップを更に含んでもよい。方法は、プラズマを発生させるステップを更に含んでもよい。プラズマは、AC電極を使用して発生させることができる。プラズマは、DC電極を使用して発生させることができる。方法は、体積又はモルで約2%未満の分子状酸素を含む環境又は雰囲気中で水素を生成するステップを更に含んでもよい。方法は、炭化水素を加熱して単一のチャンバ内で水素を生成するステップを更に含んでもよい。方法は、水素及び炭素質材料をワンススルー単一段階プロセスで生成することを更に含んでもよい。
【0007】
他の態様において、本開示は、反応器内で炭素粒子を生成する方法であって、(a)1つ以上の電極を使用して反応器内にプラズマを発生させるステップと、(b)炭化水素がプラズマと接触するように、1つ以上の注入器を通じて炭化水素を反応器に注入し、それによって炭素粒子を生成するステップとを含み、反応器が約1.5bar以上の圧力で動作される、方法を提供する。
【0008】
幾つかの実施形態では、1つ以上の電極がAC電極を含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の電極がDC電極を含む。幾つかの実施形態において、方法は、水素を生成するステップを更に含む。幾つかの実施形態において、方法は、水素及び炭素粒子を連続的に生成するステップを更に含む。幾つかの実施形態において、方法は、水素及び炭素粒子をワンススルー単一段階プロセスで生成するステップを更に含む。幾つかの実施形態では、炭化水素がガスである。幾つかの実施形態では、炭化水素が天然ガスを含む。幾つかの実施形態において、炭化水素は、プラズマとの接触時に加熱される。幾つかの実施形態において、炭素粒子は、約1.5bar未満の圧力で動作される場合の反応器内で形成される炭素粒子よりも小さい表面積を有する。幾つかの実施形態において、炭素粒子は、約1barの圧力で動作される場合の反応器内で形成される炭素粒子と比較して約90%の表面積を有する。幾つかの実施形態では、反応器が約5bar以上の圧力で動作される。幾つかの実施形態において、炭素粒子は、約5bar未満の圧力で動作される場合の反応器内で形成される炭素粒子よりも小さい表面積を有する。幾つかの実施形態において、炭素粒子は、約1barの圧力で動作される場合の反応器内で形成される炭素粒子と比較して約60%の表面積を有する。幾つかの実施形態では、反応器が約10bar以上の圧力で動作される。幾つかの実施形態において、炭素粒子は、約10bar未満の圧力で動作される場合の反応器内で形成される炭素粒子よりも小さい表面積を有する。幾つかの実施形態において、炭素粒子は、約1barの圧力で動作される場合の反応器内で形成される炭素粒子と比較して約35%の表面積を有する。幾つかの実施形態では、反応器が約20bar以上の圧力で動作される。幾つかの実施形態において、炭素粒子は、約20bar未満の圧力で動作される場合の反応器内で形成される炭素粒子よりも小さい表面積を有する。幾つかの実施形態では、反応器が約30bar以上の圧力で動作される。幾つかの実施形態において、炭素粒子は、約30bar未満の圧力で動作される場合の反応器内で形成される炭素粒子よりも小さい表面積を有する。幾つかの実施形態において、方法は、1つ以上の添加剤を使用して炭素粒子の表面積を増加させるステップを更に含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の添加剤が炭化水素ガスを含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の添加剤がケイ素を含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の添加剤が芳香族添加剤を含む。幾つかの実施形態では、反応器が無酸素環境である。幾つかの実施形態では、反応器が体積又はモルで約2%未満の分子状酸素を含む。幾つかの実施形態において、反応器内の炭素粒子の収率は、約1barの圧力で動作される場合の反応器内で形成される炭素粒子の収率よりも高い。幾つかの実施形態では、炭素粒子が75%を超える収率で生成される。幾つかの実施形態では、炭素粒子が85%を超える収率で生成される。幾つかの実施形態では、炭素粒子が90%を超える収率で生成される。幾つかの実施形態では、炭素粒子が99%を超える収率で生成される。幾つかの実施形態において、反応器内の炭素粒子の収率は、1.5bar未満の圧力で動作される場合の反応器と同じサイズの反応器内で形成される炭素粒子の収率よりも高い。
【0009】
他の態様において、本開示は、反応器内で水素を生成する方法であって、(a)1つ以上の電極を使用して反応器内にプラズマを発生させるステップと、(b)炭化水素がプラズマと接触するように、1つ以上の注入器を通じて炭化水素を反応器に注入し、それによって水素を生成するステップとを含み、反応器が約1.5bar以上の圧力で動作される、方法を提供する。
【0010】
幾つかの実施形態では、1つ以上の電極がAC電極を含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の電極がDC電極を含む。幾つかの実施形態において、方法は、炭素粒子を生成するステップを更に含む。幾つかの実施形態において、方法は、水素及び炭素粒子を連続的に生成するステップを更に含む。幾つかの実施形態において、方法は、水素及び炭素粒子をワンススルー単一段階プロセスで生成するステップを更に含む。幾つかの実施形態では、炭化水素がガスである。幾つかの実施形態では、炭化水素が天然ガスを含む。幾つかの実施形態において、炭化水素は、プラズマとの接触時に加熱される。幾つかの実施形態では、反応器が約5bar以上の圧力で動作される。幾つかの実施形態では、反応器が約10bar以上の圧力で動作される。幾つかの実施形態では、反応器が約20bar以上の圧力で動作される。幾つかの実施形態では、反応器が約30bar以上の圧力で動作される。幾つかの実施形態では、反応器が無酸素環境である。幾つかの実施形態では、反応器が体積又はモルで約2%未満の分子状酸素を含む。
【0011】
他の態様において、本開示は、反応器内で炭素粒子を生成する方法であって、(a)1つ以上の電極を使用して反応器内にプラズマを発生させるステップと、(b)1つ以上の注入器を通じて、炭化水素を反応器に注入し、それによって炭素粒子を生成するステップとを含み、反応器が約1.5bar以上の圧力で動作される、方法を提供する。
【0012】
幾つかの実施形態では、1つ以上の電極がAC電極を含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の電極がDC電極を含む。幾つかの実施形態において、方法は、水素を生成するステップを更に含む。幾つかの実施形態において、方法は、水素及び炭素粒子を連続的に生成するステップを更に含む。幾つかの実施形態において、方法は、水素及び炭素粒子をワンススルー単一段階プロセスで生成するステップを更に含む。幾つかの実施形態では、炭化水素がガスである。幾つかの実施形態では、炭化水素が天然ガスを含む。幾つかの実施形態において、炭化水素は、プラズマとの接触時に加熱される。幾つかの実施形態において、炭素粒子は、約1.5bar未満の圧力で動作される場合の反応器内で形成される炭素粒子よりも小さい表面積を有する。幾つかの実施形態において、炭素粒子は、約1barの圧力で動作される場合の反応器内で形成される炭素粒子と比較して約90%の表面積を有する。幾つかの実施形態では、反応器が約5bar以上の圧力で動作される。幾つかの実施形態において、炭素粒子は、約5bar未満の圧力で動作される場合の反応器内で形成される炭素粒子よりも小さい表面積を有する。幾つかの実施形態において、炭素粒子は、約1barの圧力で動作される場合の反応器内で形成される炭素粒子と比較して約60%の表面積を有する。幾つかの実施形態では、反応器が約10bar以上の圧力で動作される。幾つかの実施形態において、炭素粒子は、約10bar未満の圧力で動作される場合の反応器内で形成される炭素粒子よりも小さい表面積を有する。幾つかの実施形態において、炭素粒子は、約1barの圧力で動作される場合の反応器内で形成される炭素粒子と比較して約35%の表面積を有する。幾つかの実施形態では、反応器が約20bar以上の圧力で動作される。幾つかの実施形態において、炭素粒子は、約20bar未満の圧力で動作される場合の反応器内で形成される炭素粒子よりも小さい表面積を有する。幾つかの実施形態では、反応器が約30bar以上の圧力で動作される。幾つかの実施形態において、炭素粒子は、約30bar未満の圧力で動作される場合の反応器内で形成される炭素粒子よりも小さい表面積を有する。幾つかの実施形態において、方法は、1つ以上の添加剤を使用して炭素粒子の表面積を増加させるステップを更に含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の添加剤が炭化水素ガスを含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の添加剤がケイ素を含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の添加剤が芳香族添加剤を含む。幾つかの実施形態では、反応器が無酸素環境である。幾つかの実施形態では、反応器が体積又はモルで約2%未満の分子状酸素を含む。幾つかの実施形態において、反応器内の炭素粒子の収率は、約1barの圧力で動作される場合の反応器内で形成される炭素粒子の収率よりも高い。幾つかの実施形態では、炭素粒子が75%を超える収率で生成される。幾つかの実施形態では、炭素粒子が85%を超える収率で生成される。幾つかの実施形態では、炭素粒子が90%を超える収率で生成される。幾つかの実施形態では、炭素粒子が99%を超える収率で生成される。幾つかの実施形態において、反応器内の炭素粒子の収率は、1.5bar未満の圧力で動作される場合の反応器と同じサイズの反応器内で形成される炭素粒子の収率よりも高い。
【0013】
他の態様において、本開示は、反応器内で水素を生成する方法であって、(a)1つ以上の電極を使用して反応器内にプラズマを発生させるステップと、(b)1つ以上の注入器を通じて、炭化水素を反応器に注入し、それにより、水素を生成するステップとを含み、反応器が約1.5bar以上の圧力で動作される、方法を提供する。
【0014】
幾つかの実施形態では、1つ以上の電極がAC電極を含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の電極がDC電極を含む。幾つかの実施形態において、方法は、炭素粒子を生成するステップを更に含む。幾つかの実施形態において、方法は、水素及び炭素粒子を連続的に生成するステップを更に含む。幾つかの実施形態において、方法は、水素及び炭素粒子をワンススルー単一段階プロセスで生成するステップを更に含む。幾つかの実施形態では、炭化水素がガスである。幾つかの実施形態では、炭化水素が天然ガスを含む。幾つかの実施形態において、炭化水素は、プラズマとの接触時に加熱される。幾つかの実施形態では、反応器が約5bar以上の圧力で動作される。幾つかの実施形態では、反応器が約10bar以上の圧力で動作される。幾つかの実施形態では、反応器が約20bar以上の圧力で動作される。幾つかの実施形態では、反応器が約30bar以上の圧力で動作される。幾つかの実施形態では、反応器が無酸素環境である。幾つかの実施形態では、反応器が体積又はモルで約2%未満の分子状酸素を含む。幾つかの実施形態において、炭化水素は、1つ以上の電極に隣接して注入される。幾つかの実施形態において、炭化水素は、1つ以上の電極から500ミリメートル(mm)以内に注入される。幾つかの実施形態では、プラズマが炭化水素の少なくとも一部を含む。幾つかの実施形態では、(b)での注入ステップ後に、炭化水素がプラズマと接触する。幾つかの実施形態では、1つ以上の電極のそれぞれが電極チップを備え、1つ以上の電極チップが反応器内の単一平面内に位置される。幾つかの実施形態において、炭化水素は、1つ以上の電極チップの単一平面の上流側で反応器に注入される。幾つかの実施形態において、炭化水素は、1つ以上の電極チップの単一平面で反応器に注入される。幾つかの実施形態において、炭化水素は、1つ以上の電極チップの単一平面の下流側の反応器に注入される。幾つかの実施形態において、1つ以上の注入器の注入先端における圧力は、1.5barを超える。幾つかの実施形態において、反応器の動作圧力は、注入器先端における圧力の10%以内である。幾つかの実施形態において、炭素粒子のうちの30%を超える炭素粒子は、約2マイクロメートル未満の球相当直径を有する炭素粒子である。幾つかの実施形態では、30%を超える炭素粒子が炭素質ナノ粒子である。幾つかの実施形態では、反応器に注入された炭素のうちの90%を超える炭素が、約2マイクロメートル未満の球相当直径を有する炭素粒子又は約2マイクロメートル未満の球相当直径を有する炭素粒子のいずれかを形成する。幾つかの実施形態において、より大きな炭素粒子と炭素粒子との組み合わせが、98%を超える炭素を含む。幾つかの実施形態では、生成される水素が99.9%を超える純度を有する。幾つかの実施形態において、方法は、生成される水素を圧縮又は再加圧することなく、生成される水素を精製システムに導くステップを更に含む。幾つかの実施形態において、方法は、圧力ロックシステムを使用して炭素粒子を単離し、生成される水素の少なくとも一部を除去し、炭素粒子を取り囲む雰囲気を1.5bar未満に減圧するステップを更に含む。幾つかの実施形態において、炭素粒子は、化石燃料炭化水素原料を使用して生成される炭素粒子の炭素-14比よりも大きい炭素-14比を含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の電極のそれぞれが10kgを超える質量を有する。幾つかの実施形態では、3トン/時を超える炭素粒子が生成される。幾つかの実施形態では、1トン/時を超える水素が生成される。幾つかの実施形態において、方法は、シースガスを反応器に加えるステップを更に含む。幾つかの実施形態では、シースガスを加えることにより、シースガスを加えない方法と比較して炭素質ナノ粒子の収率が増加する。幾つかの実施形態において、1つ以上の電極の摩耗率は、生成される炭素粒子1トン当たり電極ごとに10kg未満である。幾つかの実施形態において、炭化水素は、1つ以上の電極に隣接して注入される。幾つかの実施形態において、炭化水素は、1つ以上の電極から500ミリメートル(mm)以内に注入される。幾つかの実施形態では、プラズマが炭化水素の少なくとも一部を含む。幾つかの実施形態では、(b)での注入ステップ後に、炭化水素がプラズマと接触する。幾つかの実施形態では、1つ以上の電極のそれぞれが電極チップを備え、1つ以上の電極チップが反応器内の単一平面内に位置される。幾つかの実施形態において、炭化水素は、1つ以上の電極チップの単一平面の上流側で反応器に注入される。幾つかの実施形態において、炭化水素は、1つ以上の電極チップの単一平面で反応器に注入される。幾つかの実施形態において、炭化水素は、1つ以上の電極チップの単一平面の下流側の反応器に注入される。幾つかの実施形態において、1つ以上の注入器の注入先端における圧力は、3.3barよりも大きい。幾つかの実施形態において、反応器の動作圧力は、注入器先端の圧力の10%以内である。幾つかの実施形態では、生成される水素が99.9%を超える純度を有する。幾つかの実施形態において、方法は、生成される水素を圧縮又は再加圧することなく、生成される水素を精製システムに導くステップを更に含む。幾つかの実施形態において、1つ以上の電極のそれぞれは、20kgを超える質量を有する。幾つかの実施形態では、1トン/時を超える水素が生成される。幾つかの実施形態において、方法は、シースガスを反応器に加えるステップを更に含む。幾つかの実施形態では、炭化水素が液体炭化水素を含む。幾つかの実施形態では、炭化水素は、プラズマを発生させるためのプラズマガスとして使用される。
【0015】
これらの更なる実施形態は、以下で更に説明される。
【0016】
参照による組み入れ
この明細書中で言及される全ての刊行物、特許、及び、特許出願は、あたかもそれぞれの個々の刊行物、特許、又は、特許出願が参照により組み入れられるべく具体的にかつ個別に示唆されたと同じ程度に参照により本願に組み入れられる。参照により組み入れられる刊行物及び特許又は特許出願が明細書中に含まれる開示と矛盾する程度まで、明細書は、任意のそのような矛盾する資料よりも優先する及び/又は勝ることを意図している。
【0017】
本発明の新規の特徴が添付の特許請求の範囲に詳細に記載される。本発明の特徴及び利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を説明する以下の詳細な説明及び添付図面又は図(本明細書中の「FIG.」及び「FIGs.」も)を参照することによって得られ、添付図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図5】幾つかの実施形態に係る、反応器内で炭素粒子を形成するためのプロセスのフローチャートを示す。
【
図6】幾つかの実施形態に係る、反応器内で水素を生成するためのプロセスのフローチャートを示す。
【
図7】一実施形態に係る、ある範囲の反応器圧力対正規化表面積測定値の一例のプロットである。
【
図8】一実施形態に係る、反応器圧力の増加に伴う反応器収率の増加の実証例のプロットである。
【
図9】本明細書中で提供される方法を実施するようにプログラムされる或いはさもなければ構成されるコンピュータシステムを示す。
【
図10】幾つかの実施形態に係る、高圧脱気装置の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書に示されている詳細は、例としてのものであり、本発明の様々な実施形態の例示的な説明のためのものにすぎず、本発明の原理及び概念的態様の最も有用で容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示されている。これに関して、本発明の基本的な理解に必要なものよりも詳細に本発明の詳細を示す試みはなされておらず、説明は、本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化され得るかを当業者に明らかにする。
【0020】
次に、本発明を、より詳細な実施形態を参照して説明する。しかしながら、本発明は、異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。
【0021】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書における本発明の説明で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」及び「その(the)」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、その全体が参照により明示的に組み込まれる。
【0022】
別段の指示がない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される成分の量、反応条件などを表す全ての数字は、全ての場合において「約」という用語によって修飾されていると理解されるべきである。したがって、反対のことが示されない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明によって得ようとする特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限する試みとしてではなく、各数値パラメータは、有効数字の数及び通常の丸め手法に照らして解釈されるべきである。
【0023】
本発明の広い範囲を示す数値範囲及びパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の実施例に示される数値は可能な限り正確に報告される。しかしながら、任意の数値は、それぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に含む。本明細書を通して与えられる全ての数値範囲は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、そのようなより広い数値範囲内に入る全てのより狭い数値範囲を含む。
【0024】
本発明の更なる利点は、以下の説明に部分的に記載され、その説明から部分的に明らかになるか、又は本発明の実施によって習得され得る。前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求の範囲に記載の本発明を限定するものではないことを理解すべきである。本発明の異なる態様は、個別に、集合的に、又は互いに組み合わせて認識できることを理解されたい。
【0025】
「少なくとも」、「~を超える」、又は、「~以上」という用語が一連の2つ以上の数値における最初の数値に先行するときには常に、「少なくとも」、「~よりも大きい」、又は、「~以上」という用語は、その一連の数値における各数値に適用される。例えば、1、2、又は、3以上は、1以上、2以上、又は、3以上と同等である。
【0026】
「~を超えない」、「~未満」、又は、「~以下」という用語が一連の2つ以上の数値における最初の数値に先行するときには常に、「~を超えない」、「~未満」、「~以下」は、その一連の数値における各数値に適用される。例えば、3、2、又は、1以下は、3以下、2以下、1以下と同等である。
【0027】
本明細書中における特定の本発明の実施形態は、数値範囲を企図する。範囲が存在する場合、その範囲は範囲の終点を含む。更に、その範囲内の全ての部分範囲及び値は、あたかも明示的に書き出されているかのように存在する。「約」又は「およそ」という用語は、特定の値に関して許容できる誤差範囲内を意味することができ、これは、値がどのように測定又は決定されるかに、例えば、測定システムの限界に部分的に依存する。例えば、「約」は、当技術分野の慣例によって、1標準偏差以内又は1標準偏差を超えることを意味し得る。或いは、「約」は、所定の値の最大20%、最大10%、最大5%、又は最大1%の範囲を意味し得る。特定の値が本出願及び特許請求の範囲に記載されている場合、別段に述べられなければ、「約」という用語は、特定の値に関して許容できる誤差範囲内を意味すると仮定することができる。
【0028】
本開示は、化学変化に影響を及ぼすためのシステム及び方法を提供する。そのような化学変化に影響を与えることは、例えば、本開示のシステム及び方法を使用して炭素質材料及び/又は水素を形成することを含み得る。炭素質材料は固体であってもよい。炭素質材料は、例えば、炭素粒子、炭素含有化合物又はそれらの組み合わせを含むか又はそれらであり得る。炭素質材料は、例えば、カーボンブラックを含んでいてもよい。本開示のシステム(例えば、装置)及び方法、並びに本明細書のシステム及び方法を用いて実施されるプロセスは、例えば、炭素質材料及び/又は水素の連続生産を可能にし得る。プロセスは、供給原料を変換すること(例えば、1つ以上の炭化水素)を含むことができる。本明細書に記載のシステム及び方法は、1つ以上の炭化水素を急速に加熱して、例えば炭素質材料及び/又は水素を形成することを含み得る。例えば、1つ以上の炭化水素を急速に加熱して、炭素粒子及び/又は水素を形成することができる。水素は、場合によっては、大部分の水素(H2)を指し得る。例えば、この水素の一部はまた、メタン(例えば、未使用メタン)及び/又は様々な他の炭化水素(例えば、エタン、プロパン、エチレン、アセチレン、ベンゼン、トルエン、ナフタレンなどの多環芳香族炭化水素(PAH)などである)を含有し得る。
【0029】
本開示は、例えば、天然ガスの炭素質材料(例えば、固体炭素質材料、例えば炭素粒子)及び/又は水素への熱分解(例えば、熱分解脱水素化)におけるプラズマ技術の使用を含む、そのようなシステム及び方法の例を提供する。熱分解(例えば、熱分解脱水素化)は、不活性又は無酸素環境又は雰囲気中での高温(例えば、約800°Cを超える温度)での材料の熱分解を指し得る。反応器の温度を上昇させて、供給原料の炭素粒子及び/又は水素への変換を増加させることができる。反応器の温度は、水素と炭素粒子との間の選択性まで上昇させることができる。反応器の温度は、炭素粒子の表面積を増加又は減少させるように調整することができる。温度を上昇させると、原料分解の速度論的速度、並びに炭素粒子及び水素の形成を生成することができる中間操作を増加させることができる。反応器の温度を上昇させると、炭素粒子の熟成速度を増加させることができ、反応器壁の汚染を低減することができる。これは、炭素粒子が化学的に不活性になるまでの時間が短縮されるためであり得る。
【0030】
本開示に係るプロセスは、(例えば、DC又はAC電源からの)電気エネルギーで1つ以上のガスを加熱することを含むことができる。本明細書におけるガスを加熱すること、又は1つ以上のガスを加熱することの説明は、少なくとも幾つかの構成では、対応する組成を有するガス状混合物(例えば、少なくとも50%(体積基準)のガス状)を加熱することにも等しく適用され得る。気体混合物は、例えば、個々の気体及び/又は液体の混合物、又は個々の気液混合物の混合物を含んでもよい。本明細書におけるガスの任意の説明は、少なくとも幾つかの構成において、対応する組成を有する液体又は気液混合物にも等しく適用され得る。1つ以上のガスは、電気アークによって加熱されてもよい。1つ以上のガスは、ジュール加熱(例えば、抵抗加熱、誘導加熱、又はそれらの組み合わせ)によって加熱することができる。1つ以上のガスは、ジュール加熱及び(例えば、ジュール加熱の下流側にある)電気アークによって加熱することができる。1つ以上のガスは、熱交換、ジュール加熱、電気アーク、又はそれらの任意の組み合わせによって加熱することができる。1つ以上のガスは、熱交換、ジュール加熱、燃焼、又はそれらの任意の組み合わせによって加熱することができる。1つ以上のガスの少なくとも1つは、炭化水素を含んでもよい。1つ以上のガスは、供給原料を含むことができる。1つ以上のガスは、供給原料を単独で、又は他のガス(他のガスは、単独で、又は加熱されない他のガスと組み合わせて、本明細書では「プロセスガス」と呼ぶことができる)と組み合わせて含んでもよい。1つ以上のガスは、原料及び少なくとも1つのプロセスガスを含むことができる。1つ以上のガスの中の個々のガスは、別々に又は様々な組み合わせで(例えば、反応器に)供給されてもよい。1つ以上のガスの少なくともサブセットを予熱することができる。例えば、炭化水素(例えば、供給原料)は、熱発生器に供給される前に、約100°C~約800°Cの温度に予熱(例えば、約25°Cの温度から)されてもよい。プロセスは、適切な反応条件(例えば、反応器内で)で1つ以上のガス(例えば、供給原料)の少なくともサブセットを加熱することを含むことができる。炭素質材料及び/又は水素は、実質的に不活性又は実質的に酸素を含まない環境又は雰囲気で生成され得る。1つ以上のガス(例えば、供給原料)の少なくともサブセットは、実質的に酸素を含まない環境又は雰囲気で加熱されてもよい。実質的に酸素を含まない環境又は雰囲気は、例えば、体積又はモルで約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%又は1%以下の分子状酸素を含み得る。実質的に酸素を含まない環境又は雰囲気は、例えば、体積又はモルで約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%又は1%以下の原子状酸素を含み得る。加熱は、供給原料からの水素の除去に影響を及ぼし得る。供給原料(例えば、1つ以上の炭化水素)は、最初に共有結合によって炭化水素に化学的に結合した水素の少なくとも約80%モルが二原子水素としてホモ原子結合し得るように分解され得る。ホモ原子結合とは、同じである2つの原子間にある結合を指し得る(例えば、二原子水素(H2)の場合のように)。C-Hは、ヘテロ原子結合であってもよい。炭化水素は、ヘテロ原子結合C-Hからホモ原子結合H-H及びC-Cになり得る。反応生成物は、例えば、反応器を出るガス及び固体の流出流を含み得る。反応生成物を含む流出流を冷却してもよい。反応生成物は、少なくとも部分的に分離されていてもよい(例えば、冷却後)。例えば、固体炭素質材料は、他の(例えば、気体)反応生成物から少なくとも部分的に分離されていてもよい。
【0031】
本明細書に記載のシステムは、プラズマ発生器を備えてもよい。プラズマ発生器は、ガス又はガス混合物(例えば、少なくとも50%(体積基準)のガス状)を利用することができる。プラズマ発生器は、ガスがプラズマ状態で反応性及び腐食性であるガス又はガス状混合物(例えば、少なくとも50%(体積基準)のガス状)を利用することができる。プラズマ発生器は、プラズマトーチであってもよい。本明細書に記載のシステムは、DC又はAC電源によって電力供給されるプラズマ発生器を備えることができる。ガス又はガス混合物は、DC又はAC源によって生成された放電が持続されるゾーンに直接供給されてもよい。プラズマは、本明細書の他の箇所に記載されているような組成を有し得る(例えば、1つ以上のガスの組成に関して)。プラズマは、アーク加熱を使用して発生させることができる。プラズマは、誘導加熱を使用して発生させることができる。プラズマは、DC電極を使用して発生させることができる。プラズマは、AC電極を使用して発生させることができる。例えば、複数(例えば、3以上)のAC電極を用いてもよい(例えば、より効率的なエネルギー消費並びに電極表面での熱負荷の低減という利点を有する)。
【0032】
図1は、本開示に係るシステム100の一例を示す。システムは、熱発生器(例えば、プラズマ発生器)101を含むことができる。熱発生器101は、供給原料からの水素の除去に影響を及ぼすために、反応器(又は炉)102内の適切な反応条件で1つ以上のガス(例えば、供給原料)の少なくともサブセットを加熱することができる。反応器102は、熱発生器(例えば、プラズマ発生器)101を収容することができる。加熱(例えば、プラズマ加熱などの電気加熱)及び反応は、1つのチャンバ(本明細書では「単一チャンバ」、「単一段階反応器」又は「単一段階プロセス」とも呼ばれる)内で実施されてもよい。反応器102は、1つ以上の一定の直径の領域/セクション、1つ以上の収束領域/セクション、1つ以上の分岐領域/セクション、1つ以上の追加の構成要素、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。そのような領域/セクション、及び/又は追加の構成要素は、本開示に係る加熱及び反応を実施するために様々な方法で組み合わせることができる。そのような実施態様は、
図2,
図3及び
図4の概略図に関連して説明したような構成を含むことができるが、これに限定されない。例えば、反応器は、実質的に一定の直径を有してもよい(例えば、反応器の長さの少なくとも約70%、80%、90%、95%又は99%が一定の直径であってもよい)。少なくとも1つ以上のガスのサブセット(例えば、供給原料)を熱発生器101に添加することができる。供給原料(例えば、1つ以上の炭化水素)は、固体炭素質材料に完全に変換される前に亀裂及び分解を開始し得る。熱は、反応器の壁からの潜熱放射熱によって供給されてもよい(例えば、供給されることもできる)。これは、外部から供給されたエネルギーを介した壁(又はその一部)の加熱によって、又は反応器内の加熱されたガスからの壁(又はその一部)の加熱によって起こり得る。反応生成物は、製造後に冷却してもよい。クエンチ(例えば、プロセスガスを含む)を使用して反応生成物を冷却することができる。例えば、大部分の水素ガスを含むクエンチを使用することができる。クエンチは、反応器102内に(例えば、注射)加えられてもよい。熱交換器103(例えば、反応器102に接続される)は、反応生成物を含む流出流を冷却し得る。熱交換器では、ガス状反応生成物が広い表面積に晒され、したがって冷却され得る一方で、固体炭素質材料がプロセスを通って同時に輸送され得る。固体炭素質材料は、フィルタ(例えば、メインフィルタ)104(例えば、熱交換器103に接続される)を通過してもよい。フィルタは、例えば、ガス状反応生成物の50%超を通過させ、フィルタ上の固体炭素質材料の実質的に全てを捕捉することができる。例えば、固体炭素質材料の少なくとも約98%(重量基準)がフィルタ上に捕捉され得る。ガス状反応生成物は、1つ以上の用途に提供又は結合されてもよく、反応器(例えば、プロセスガスとして)に再循環されて戻されてもよく、又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。残留ガス状反応生成物を有する固体炭素質材料は、可燃性ガスの量が減少する(例えば、約10%(体積基準)未満まで)脱気(例えば、脱気チャンバ又は装置)105(例えば、フィルタ104に接続される)を通過することができる。次いで、固体炭素質材料は、バックエンド106を通過することができる。バックエンド装置106は、例えば、構成要素又はユニット動作の非限定的な例として、ペレタイザー(例えば、脱気装置105に接続される)、結合剤混合タンク(例えば、ペレタイザーに接続される)、乾燥機(例えば、ペレタイザーに接続される)、及び/又は袋詰め機のうちの1つ以上を含むことができる。例えば、固体炭素質材料で乾燥させてもよい(例えば、カーボンブラック)をペレタイザーでペレット化し、乾燥機(例えば、結合剤と共に水と混合し、次いでペレットに形成し、続いて乾燥機内で水の大部分を除去する)。固体炭素質材料はまた、分級機、ハンマーミル及び/又は他のサイズ縮小装置を通過してもよい(例えば、製品中のグリットの割合を減少させるために)。他の構成要素又はユニット動作の非限定的な例として、搬送プロセス又は搬送ユニット、パージフィルタユニット(例えば、乾燥機から排出された蒸気から固体炭素質材料を濾過することができる)、ダストフィルタユニット(例えば、他の機器から塵埃を収集する可能性がある)、他のプロセスフィルタ、他の水素/テールガス除去ユニット、サイクロン、他のバルク分離(例えば、固体/ガス分離)ユニット、オフクォリティ製品混合ユニットなど(例えば、本明細書の他の箇所に記載されている他の構成要素又はユニット動作)のうちの1つ以上をシステム100に追加又は置換することができる。構成要素又は単位操作は、必要に応じて追加又は削除することができる。例えば、システム100は、少なくとも1つ以上の熱交換器103と、1つ以上のフィルタ104と、固体ハンドリング機器を備えるバックエンド106とを含むことができる。固体ハンドリング機器は、例えば、冷却固体炭素収集スクリューコンベヤ、エアロック及びパージシステム、空気圧搬送システム、機械的搬送システム(例えば、コンベヤベルトオーガ又はエレベータ)、分級ミル、及び製品貯蔵容器を含むことができる。炭素粒子は、単一の位置で収集することができる(例えば、全ての炭素粒子を1つの位置に収集することができる)。炭素粒子は、複数の位置で収集されてもよい(例えば、炭素粒子の一部を第1の位置で収集することができ、炭素粒子の第2の部分を第2の位置で収集することができる)。場合によっては、炭素粒子が複数の位置で収集される場合、複数の位置の第1の位置は、キャッチポットであり得る。キャッチポットは、系を通って運ばれないより大きな炭素粒子を(例えば、重力に起因して)収集するように構成することができる。場合によっては、キャッチポットは、圧力ロックダンプ装置(例えば、
図10の高圧脱気装置)を使用して動作することができる。場合によっては、炭素粒子を複数箇所に捕集する場合、
図10のような装置を用いて、より小さな炭素粒子を捕集することができる。
図10の装置は、キャッチポットの下流に配置されてもよい。場合によっては、第1のキャッチポットを反応器の下(例えば、真下、真下に近い、真下の近傍)に配置することができる。場合によっては、第2の粒子収集器(例えば、キャッチポットなど)を反応器の下流に配置することができる。第2の粒子収集器は、反応器の流出流によって運ばれるより小さな炭素粒子を収集するように構成することができる。第1のキャッチポットは、本明細書の他の箇所に記載されているようなより大きな炭素粒子(例えば、約2マイクロメートルを超える球相当直径を有する炭素粒子)を捕捉するように構成することができる。第2の粒子収集器は、本明細書の他の箇所に記載されているような炭素粒子(例えば、最大約2マイクロメートルの球相当直径を有する炭素粒子)を捕捉するように構成されてもよい。
【0033】
分離ユニット又は水素/テールガス除去ユニットの他の例には、圧力スイング吸着装置、極低温分離装置、モレキュラーシーブなど、又はそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。圧力スイング吸着(PSA)装置は、ガス流(例えば、本明細書の他の箇所に記載されているような反応器によって生成されたガス流からの成分)から成分を分離及び/又は精製するように構成されてもよい。PSA装置は、混合物の成分を選択的に通過させるために、吸着の使用及びガス混合物の異なる成分の特性(例えば、分子サイズ、双極子モーメントなど)を含むことができる。例えば、PSA装置を使用して、反応器ガス混合物から水素を分離することができる。この例では、PSA装置は、ふるいとして作用することができる多孔質床(例えば、多孔質ゼオライトの床)上にガス混合物を通過させることによって、小さいサイズの水素を使用して水素を分離することができる。この例では、水素はふるいを通過することができるが、ガス混合物中のより大きな種は、ふるいに閉じ込められることによって濾別される。この例では、ふるいはより大きなガスで飽和することができ、その時点で、より大きなガス種の除去によって床を除去及び再生することができる。複数のPSA装置を並列又は直列に使用することができる。例えば、PSA装置のサブセットが再生されている間にガスの連続処理を可能にするために、複数のPSA装置を並列に設定することができる。PSA装置は、少なくとも約1、5、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、又はそれ以上のバールゲージ(barg)の圧力で作動することができる。PSA装置は、最大で約30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、5、又はそれより少ないバールゲージ(barg)の圧力で動作することができる。PSA装置は、進行値のうちの任意の2つによって定義される範囲内の圧力で動作することができる。例えば、PSA装置は、約13~約24bargの圧力で作動することができる。PSA装置は、少なくとも摂氏約-50、-45、-40、-35、-30、-25、-20、-15、-10、-5、0、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70度、又はそれ以上のガス入口温度で動作することができる。PSA装置は、最大で摂氏約70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、5、0、-5、-10、-15、-20、-25、-30、-45、-50度、又はそれ以下のガス入口温度で動作することができる。例えば、PSAは、ガス混合物の成分が凝縮する温度より高い温度で動作することができる。
【0034】
極低温分離装置は、極低温(例えば、部分周囲)温度を利用して構成要素(例えば、ガス混合物の異なるガス)を分離するように構成されてもよい。例えば、極低温分離装置は、混合物の全ての成分が凝縮するまで混合物を冷却し、その後、温度及び/又は圧力の上昇を利用して成分を分離するために(例えば、蒸発する)成分を除去するように構成することができる。極低温分離は、ガス混合物の成分(例えば、水素)の高純度を提供し得る。
【0035】
ガス混合物から分離されると、反応器からの水素を更に精製することができる。場合によっては、水素は、ガス混合物からの除去時に十分な純度である(例えば、更なる精製を行なわなくてもよい)。場合によっては、水素は、PSA装置、極低温分離装置、モレキュラーシーブなど、又はそれらの任意の組み合わせによって精製される。場合によっては、ガス混合物からの除去時に水素を加圧することができる。例えば、水素は、精製装置に供給される前に加圧することができる。精製に続いて、水素は、少なくとも約50、60、70、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.9、99.99、99.999、99.9999、99.99999%、又はそれ以上(例えば、モルパーセント、重量パーセント、又は体積パーセント)の純度のものであり得る。精製に続いて、水素は、最大で約99.99999、99.9999、99.999、99.99、99.9、99、98、97、96、95、94、93、92、91、90、85、80、70、60、50%、又はそれ未満の純度(例えば、モルパーセント、重量パーセント、又は体積パーセント)であり得る。精製中に水素から除去されるガスは、炭化水素(例えば、メタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロペン、ベンゼン、トルエン、ナフタレン、アントラセンなど)、水素、窒素、シアン化水素、一酸化炭素、希ガス(例えば、アルゴン、ネオン、クリプトンなど)など、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。水素から除去されたガスは、ガス混合物の少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25モル%又はそれ以上を含み得る。水素から除去されたガスは、最大で約25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1モルパーセント以下のガス混合物を含み得る。
【0036】
図2は、反応器200の一例の断面図を含む、本開示に係る装置200の一例の概略図を示す。供給原料を反応器201に供給することができる。少なくとも1つのプロセスガス(例えば、本開示に係る反応器に供給される任意の非原料ガス)が反応器200に供給されてもよい(例えば、供給されることもできる)。高温ガス202は、熱発生器を(例えば、反応器の上部(図示せず)において)使用することによって(例えば、反応器内で)生成することができる。例えば、高温ガス202は、1つ以上のAC電極(例えば、3つ以上のAC電極)を使用することによって、DC電極(例えば、同心DC電極)を使用することによって、又は抵抗又は誘導ヒータを使用することによって、反応器の上部に生成することができる。高温ガスは、AC電極、DC電極、又は抵抗もしくは誘導ヒータを使用して、1つ以上のガス(例えば、単独の供給原料、又は少なくとも1つのプロセスガスと組み合わせた供給原料)の少なくともサブセットを加熱することによって生成することができる。加熱は、炭化水素(例えば、供給原料)を直接加熱することを含んでもよい。例えば、炭化水素(例えば、供給原料)を熱発生器に(例えば、本明細書の他の箇所に記載されている圧力で)添加することができる。例えば、炭化水素(例えば、供給原料)は、プラズマへの直接注入によって添加されてもよい。本明細書の他の箇所に記載されているように、反応器201は、熱発生器(図示せず)を含むことができる。この構成では、炭化水素(例えば、供給原料)は、炭素質材料と同じチャンバ(本明細書では「単一チャンバ」、「単一段階反応器」又は「単一段階プロセス」とも呼ばれる)内で加熱されてもよく、及び/又は水素が生成される(例えば、プラズマ及び炭素質材料/水素の形成は、同じ反応器内にあってもよい)。反応器201は、反応器の少なくとも一部における流れの少なくとも一部又は全流れが実質的に軸方向、実質的に半径方向又はそれらの組み合わせであることを可能にするように構成されてもよい。反応器201(又はその少なくとも一部、例えば反応器の内壁の少なくとも一部など)は、ライナ(例えば、耐火性ライナ)を備えることができる。炭化水素(例えば、供給原料)を反応器に供給することができる。例えば、炭化水素(例えば、供給原料)は、1つ以上の注入器(例えば、注入器305,406,407又はそれらの任意の組み合わせ)を介して反応器に注入されてもよい。これに代えて又は加えて、炭化水素(例えば、供給原料)は、1つ以上の入口ポート(例えば、反応器200の壁内)を介して供給されてもよい。本明細書における注入器の数及び/又は位置についての説明は、少なくとも幾つかの構成では入口ポートにも等しく適用することができ、逆もまた同様である。1つ以上のプロセスガスは、1つ以上の入口ポート(例えば、炭化水素又は供給原料と同じ又は異なる)を介して、及び/又は1つ以上の注入器の少なくともサブセットを介して供給されてもよい。所与のプロセスガスは、供給原料と一緒に、供給原料又はそれらの組み合わせとは別個に供給されてもよい(例えば、所与のプロセスガスに供給原料を供給することができ、所与のプロセスガス又は異なるプロセスガスのいずれかを供給原料とは別に(例えば、パージとして)供給することができる)。所与のプロセスガスは、熱発生器によって加熱されてもされなくてもよい。原料を供給し、及び/又は原料と並行して供給されるプロセスガスを加熱することができる。プロセスガスは、反応器、熱発生器、入口ポート及び/又は注入器の少なくとも一部の中/周囲の環境又は雰囲気を変更し、反応器、熱発生器、入口ポート及び/又は注入器の少なくとも一部をパージし、又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。例えば、入口ポート、入口ポートのアレイ又はプレナムを(例えば、例えば、反応器201,301及び/又は301などの反応器の頂部において)使用して、反応器の少なくとも一部(例えば、1つ以上の壁)、1つ以上の他の入口ポート及び/又は1つ以上の注入器を(例えば、本明細書の他の箇所でより詳細に説明するように)パージすることができる。本明細書における入口ポートの説明は、少なくとも幾つかの構成では入口ポートのアレイ又はプレナムにも同様に適用することができ、逆もまた同様である。電気エネルギーで加熱される1つ以上のガス(例えば、単独の供給原料、又は少なくとも1つのプロセスガスと組み合わせた供給原料)は、実質的に炭化水素(例えば、供給原料)のみを含んでもよい。例えば、電気エネルギーで加熱される1つ以上のガスは、供給原料を含んでもよく、プロセスガスを含まなくてもよく、又はパージレベルのプロセスガス及び/又は供給原料(例えば、電気エネルギーで加熱される1つ以上のガスは、パージレベルのみで原料及びプロセスガスを含んでもよい)を添加した何らかのプロセスガスを含んでもよい。加熱される炭化水素(例えば、供給原料)は、実質的に新たに供給された炭化水素のみを含むので、そのような構成は、本明細書では「ワンススループロセス」と呼ばれることがある。或いは、電気エネルギーで加熱される1つ以上のガスは、より高いレベルのプロセスガスを含んでもよい。所与のプロセスガスのレベル又はサブセットもしくは全てのプロセスガスの合計(例えば、供給原料1モル当たりに基づいて、)及び電気エネルギーで加熱されたプロセスガスの割合は、本明細書の他の箇所に記載されている通りであり得る。場合によっては、DC電極を使用する場合、2つの電極を使用することができる。場合によっては、DC電極が使用される場合、複数の2電極を使用することができる(例えば、2、4、6など)。AC電極は、単相又は三相構成で使用することができる。単相AC構成が使用される場合、複数の2電極が使用されてもよい(例えば、2、4、6、8など)。三相交流構成を使用する場合、複数の3電極を使用することができる(例えば、3、6、9など)。各電極は、関連する注入器を有することができる。例えば、三相3電極構成は、電極の平面の上方に配置された3つの注入器を含むことができる。
【0037】
例えば、水素及び炭素質材料(例えば、炭素粒子)は、大気圧を超える圧力で炭化水素(例えば、天然ガス)をプラズマ発生器に添加することを含む、ワンススルー単一段階プロセスで生成することができる。炭化水素は、プラズマ発生器によって生成されたプラズマへの直接注入(例えば、供給原料の直接注入)によって添加されてもよい。プラズマ発生器からのエネルギーは、炭化水素から水素を除去することができる。このプロセスは、熱交換器、フィルタ及び固体ハンドリング機器の使用を更に含むことができる。固体ハンドリング機器は、冷却固体炭素収集スクリューコンベヤ、エアロック及びパージシステム、空気圧搬送システム、分級ミル、及び製品貯蔵容器を含むことができる。
【0038】
電極の摩耗率は、本明細書に記載のシステム及び方法の結果として低減又は最小化することができる。摩耗率は、生成される炭素1トン当たり電極ごとにkg(本明細書に記載のシステム及び方法を実行した結果として失われる電極の質量)の単位の摩耗で定義することができる。場合によっては、1つ以上の電極の摩耗率は、生成される炭素1トン当たり電極ごとに約5kgの摩耗~生成される炭素1トン当たり電極ごとに約20kgの摩耗である。場合によっては、1つ以上の電極の摩耗率は、生成される炭素1トン当たり電極ごとに約5kgの摩耗~生成される炭素1トン当たり電極ごとに約10kgの摩耗、生成される炭素1トン当たり電極ごとに約5kgの摩耗~生成される炭素1トン当たり電極ごとに約20kgの摩耗、又は生成される炭素1トン当たり電極ごとに約10kgの摩耗~生成される炭素1トン当たり電極ごとに約20kgの摩耗である。場合によっては、1つ以上の電極の摩耗率は、生成される炭素1トン当たり電極ごとに約5kgの摩耗、生成される炭素1トン当たり電極ごとに約10kgの摩耗、又は生成される炭素1トン当たり電極ごとに約20kgの摩耗である。場合によっては、1つ以上の電極の摩耗率は、生成される炭素1トン当たり電極ごとに少なくとも約5kgの摩耗、又は生成される炭素1トン当たり電極ごとに約10kgの摩耗である。場合によっては、1つ以上の電極の摩耗率は、生成される炭素1トン当たり電極ごとに最大約10kgの摩耗、又は生成される炭素1トン当たり電極ごとに約20kgの摩耗である。
【0039】
図3は、熱発生器302を備える反応器301の一例の断面図を含む、本開示に係る装置300の別の例の概略図を示す。熱発生器302は、導電性材料のAC電極303を含むことができる。AC電極303は、例えば、単相又は三相の構成で配置され得る。1つ以上のガス(例えば、単独の供給原料、又は少なくとも1つのプロセスガスと組み合わせた供給原料)304が電極間を流れてもよく、そこでアークがそれをプラズマ状態に励起してもよい。本明細書の他の箇所に(例えば、
図2に関連して)記載されているように、1つ以上のガス(例えば、単独の供給原料、又は少なくとも1つのプロセスガスと組み合わせた供給原料)の少なくともサブセットを加熱することができる。炭化水素(例えば、供給原料)は、本明細書に記載の様々な注入器構成を通して(例えば、
図2及び
図4に関連して説明したように)注入することができる。例えば、炭化水素(例えば、供給原料)は、注入器305(例えば、電極302の間)に注入されてもよい。反応器は、各電極に関連付けられた注入器を備えてもよい。
図3では、明確にするために追加の注入器を省略することができる(例えば、注入器は、電極によって閉塞されてもよい)。装置は、1つ以上の電極摺動シール306を備えてもよい。電極摺動シールは、装置のガスシール(例えば、加圧下でガスが装置から漏れないようにシールされる)をもたらすように構成されてもよい。電極摺動シールは、装置のガスシールを維持しながら、装置内での電極の移動を可能にするように構成されてもよい。例えば、電極は、摩耗するにつれて装置内に供給することができ、電極摺動シールは、電極が装置内に供給されている間、装置の雰囲気を維持することができる。パージガスを摺動シール306を通して適用して、反応器の環境を維持し、シールを通る大気ガスの進入を防止することができる。パージガスは、本明細書の他の箇所(例えば、プロセスガス)に記載されているようにすることができる。摺動シールは、反応器内の電極の移動を可能にするように構成されてもよい。例えば、シールは、反応器への及び/又は反応器からの電極の移動を可能にすることができる。別の例では、シールは、反応器の三次元空間内での電極の移動を可能にすることができる。炭化水素は、1つ以上の電極に隣接して注入することができる。炭化水素は、1つ以上の電極に近接して注入することができる。場合によっては、炭化水素は、電極から約1mm~約1,000mmの距離で注入される。場合によっては、炭化水素は、電極から約1mm~約5mm、約1mm~約10mm、約1mm~約100mm、約1mm~約1,000mm、約5mm~約10mm、約5mm~約100mm、約5mm~約1,000mm、約10mm~約100mm、約10mm~約1,000mm、又は約100mm~約1,000mmの距離で注入される。場合によっては、炭化水素は、電極から約1mm、約5mm、約10mm、約100mm、又は約1,000mmの距離で注入される。場合によっては、炭化水素は、電極から少なくとも約1mm、約5mm、約10mm、又は約100mmの距離で注入される。場合によっては、炭化水素は、最大で約5mm、約10mm、約100mm、又は約1,000mmの電極からの距離で注入される。
【0040】
注入器のいずれかの先端における圧力は、周囲の反応器の圧力と同じであってもよい。場合によっては、注入器のいずれかの先端の圧力は、周囲の反応器の圧力よりも大きい。場合によっては、注入器のいずれかの先端の圧力は、周囲の反応器の圧力の20%以内である。場合によっては、注入器のいずれかの先端の圧力は、周囲の反応器の圧力の10%以内である。場合によっては、注入器のいずれかの先端の圧力は、周囲の反応器の圧力の5%以内である。場合によっては、注入器のいずれかの先端の圧力は、周囲の反応器の圧力の1%以内である。
【0041】
電極及び/又は注入器は、少なくとも約0度、5度、10度、15度、20度、25度、30度、35度、40度、45度、50度、55度、60度、65度、70度、75度、80度、85度、90度、又はそれ以上の傾斜角(例えば、電極又は注入器の長軸と反応器の長軸との間の角度)を有することができる。電極及び/又は注入器は、最大で約90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、5、0度、又はそれ未満の傾斜角を有してもよい。電極及び/又は注入器は、進行値のうちの任意の2つによって定義される範囲内の傾斜角を有することができる。例えば、電極及び注入器は、約15~約30度の傾斜角を有してもよい。より高い傾斜角は、トーチの安定性を高めることができる。注入器は、耐熱材料(例えば、金属、タングステン、グラファイト、金属炭化物、セラミック材料、アルミナ、シリカ、アルミノケイ酸塩、ガラスなど)を含むことができる。例えば、注入器は、金属(例えば、銅、ステンレス鋼、インコネルなど)で形成することができる。注入器は水冷することができる。注入器は、供給原料に加えて追加の添加剤を反応器に供給するように構成することができる。
【0042】
反応器は、1つ以上の任意選択のシースガス注入器を備えてもよい。シースガス注入器は、反応器チャンバ内のコークス化に対する障壁を提供するように構成された不活性ガスを提供するように構成することができる。不活性ガスは、本明細書の他の箇所に記載されているようなものであってもよい。シースガスは、内部反応器側に配置することができる。シースガスは、電極チップよりも高い位置にあってもよい。シースガスは、ガスがスリットから反応器の内面に近接して流れることを可能にするように構成された、反応器の周囲のスリットを介して反応器に導入されてもよい。
【0043】
電極は、円筒形状であってもよい。電極は、電極に関連する摺動シールと協働するねじシステムを介して移動可能であってもよい。スクリューシステムは水冷されてもよい。可動電極を用いることで、反応器の連続動作が可能となる。例えば、追加の電極材料を反応器の外側の電極の端部に接合することができ、電極が反応器内で劣化すると、新しい電極材料を反応器に供給することができる。この例では、反応器の動作中に反応器の外側に新しい電極材料を追加する能力は、反応器の連続的又は実質的に連続的な動作を提供することができる。場合によっては、電極は、グラファイト(例えば、合成黒鉛、天然黒鉛、半黒鉛など)、炭素質材料及び樹脂又は他の結合剤、炭素複合材料、炭素繊維材料など、又はそれらの任意の組み合わせを含む。電極は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40インチ、又はそれよりも大きい直径であってもよい。電極は、最大で約40、35、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1インチ、又はそれよりも小さい直径であってもよい。電極は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24フィート以上の長さであってもよい。電極は、最大で約24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1フィート以下の長さであってもよい。電極円弧の中心点と反応器の壁との間の距離は、少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4メートル以上であってもよい。電極円弧の中心点と反応器の壁との間の距離は、最大で約4、3.9、3.8、3.7、3.6、3.5、3.4、3.3、3.2、3.1、3、2.9、2.8、2.7、2.6、2.5、2.4、2.3、2.2、2.1、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、1.2、又は0.1メートル以下であってもよい。距離が大きすぎると、ガスがプラズマ領域に再循環する可能性があり、距離が短すぎると、反応器の壁が劣化する可能性がある。場合によっては、電極は、少なくとも約20,100,200,300,400,500,600,700,800,900、1,000、1万、2万、3万、4万キログラム、又はそれ以上の質量を有することができる。場合によっては、電極は、約4万、3万、2万、1万、1,000、900,800,700,600,500,400,300,200,100、20キログラム以下の質量を有することができる。
【0044】
図4は、熱発生器402を備える反応器401の一例の断面図を含む、本開示に係る本開示に係る装置400の別の例の概略図を示す。熱発生器402は、同心円状に配置された(例えば、同心リングとして)導電性材料を含む内側及び外側DC電極403及び404をそれぞれ含むことができる。1つ以上のガス(例えば、単独の供給原料、又は少なくとも1つのプロセスガスと組み合わせた供給原料)405が電極403と404との間に流れることができ、そこでアークがそれをプラズマ状態に励起することができる。アークは、アークを電極チップの周りで円形に急速に移動させる磁場の使用によって制御することができる。電極403及び404は、反応器401の軸及び/又は互いに平行に配向されてもされなくてもよい。電極403及び/又は電極404は、複雑な形状を含むことができる。炭化水素(例えば、供給原料)は、本明細書に記載の様々な注入器構成を通して(例えば、
図2及び
図3に関連して説明したように)注入することができる。例えば、炭化水素(例えば、供給原料)は、注入器406(例えば、同心電極の中心を通って)、注入器407、又はそれらの任意の組み合わせで注入することができる。
【0045】
引き続き
図2、
図3及び
図4を参照すると、本開示に係る注入器構成は、中央注入器(例えば、注入器406)、熱発生器(例えば、注入器305)の電極の内側(例えば、中央注入器を交換するか、それに加えて)又は間及び/又は熱発生器(例えば、注入器407)の電極の外側(例えば、末梢/周囲)に配置された1つ以上の注入器(又は注入器の配列)、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。電極の内側、電極の間、及び/又は熱発生器の電極の外側に配置された1つ以上の注入器(又は注入器の配列)は、反応器(例えば、注入器406及び407)の軸に平行に、又は反応器(例えば、注入器305)の軸に対してある角度(例えば、内側)で、及び/又は互いに配向されてもよい。本明細書の他の箇所に記載されているように、場合によっては、代わりに所与の注入器流が入口ポートを通って供給されてもよい。例えば、炭化水素(例えば、供給原料)が、1つ以上のガス304として供給されてもよく、又は注入器406を介して注入されてもよい。注入器の先端は、電極の底面の上方、平面の下方、又は同じ平面に(例えば、平面と同じ高さで)配置されてもよい。例えば、
図3及び
図4では、注入器305,406及び407の先端は、電極の底面の上に示されている。所与の注入器構成の1つ以上の注入器を冷却することができる(例えば、例えば注入器406などの中央注入器は、冷却されてもよい)。注入器構成は、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25以上の注入器を備えてもよい。これに代えて又は加えて、注入器構成は、例えば、50、40、30、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4又は3以下の注入器を備えてもよい。例えば、注入器構成は、中央注入器及び中央注入器の周りの注入器の配列(前記電極の内側、前記電極の間、及び/又は前記電極の外側に配置される)、中央注入器のない注入器の配列(前記電極の内側、前記電極の間、及び/又は前記電極の外側に配置される)などを含むことができる。注入器は、複数の噴射流(例えば、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10以上の注入流)に炭化水素を供給するように構成することができる。複数の注入流は、反応器内の電極の平面の上方にあってもよく、第2の組の注入器は、電極の平面の下方に注入するように構成されてもよい。例えば、第1の組の注入器は、反応器内の電極の上方に炭化水素原料を供給することができ、第2の組の注入器は、反応器内の電極の下方の平面内に炭化水素原料を供給することができる。電極の平面は、各電極の先端が平面の少なくとも約0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5メートル又はそれ以上の範囲内にあるように、反応器の長さに垂直な平面であってもよい。電極の平面は、各電極の先端が最大で約0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05、0.01メートル以内、又はそれ未満の平面内にあるように、反応器の長さに垂直な平面であってもよい。場合によっては、本明細書の他の箇所に記載されているようなプラズマ加熱源の代わりに、ジュール加熱(例えば、抵抗加熱)源を使用することができる。例えば、プラズマトーチの代わりに抵抗加熱素子を反応器内に配置することができ、反応に使用される熱を供給するように構成することができる。
【0046】
本開示に係る注入器(又はその一部)(例えば、注入器305,406,407又はそれらの任意の組み合わせ)は、例えば、銅、ステンレス鋼、グラファイト、合金(例えば、高温耐食性金属)及び/又は他の同様の材料(例えば、高融点及び良好な耐食性を有する)などの1つ以上の適切な材料を含むか、又はそれであってもよい。注入器は、冷却流体を介して冷却することができる。注入器は、例えば、水又は非酸化性液体(例えば、鉱油、エチレングリコール、プロピレングリコール、合成有機流体、例えばDOWTHERM(商標)材料など)によって冷却されてもよい。
【0047】
本開示の熱発生器(例えば、プラズマ発生器)及び/又は反応器(又はその一部)は、例えば、銅、タングステン、グラファイト(例えば、押出成形又は成形)、モリブデン、レニウム、ニッケル、クロム、鉄、銀、他の耐火性又は高温金属、又はそれらの合金(例えば、銅-タングステン合金、レニウム-タングステン合金、モリブデン-タングステン合金又は銅-レニウム合金;例えば、炭化タングステン、炭化モリブデン又は炭化クロムなどの炭化物合金;等。)、窒化ホウ素、炭化ケイ素、アルミナ、アルミナシリカブレンド、又は他の高温セラミック;他の耐酸化性耐火材;又はそれらの任意の組み合わせを含むか、又はそれらで作製されてもよい。熱発生器(例えば、プラズマ発生器)の電極(例えば、電極303,403及び404のうちの一方又は両方)の少なくとも一部は、前述の材料の1つ以上を含むことができる。本開示に係る電極は、適切な形状(例えば、円筒形、楕円形又は多角形の断面を有するバー、尖った端部又は丸みを帯びた端部など)を有することができる。電極形状はカスタマイズされてもよい。或いは、熱発生器は、既存の電極形状(例えば、製鋼に使用される)の統合を可能にするように構成されてもよい。電極材料(例えば、化学組成、粒子構造など。)及び/又は形状は、生存性(例えば、強度、熱的可撓性など)を高めるように構成することができる。本開示に係る反応器(例えば、壁又はライナの少なくとも一部)の少なくとも一部は、前述の材料(例えば、反応器は耐火物で裏打ちされてもよい。)の1つ以上を含み得る。反応器(例えば、反応器の壁又はライナ)は、異なる材料を含む1つ以上のセクションを含んでもよい。例えば、耐火物ライナは、異なる耐火物を含む1つ以上のセクション、例えば、所与の耐火物に対して高すぎる可能性があるセクション、及び所与の(例えば、標準)耐火物を含む別のセクションを含むことができる。
【0048】
本開示に係る熱発生器(例えば、プラズマ発生器)は、例えば、約750キログラム(kg)、500kg、400kg、300kg、200kg、100kg、90kg、80kg、70kg、60kg、50kg、40kg、30kg、20kg、15kg、10kg、5kg、2kg、1.75kg、1.5kg、1.25kg、1kg、0.9kg、0.8kg、0.7kg、0.6kg、500g(g)、400g、300g、200g、100g、50g、20g、10g、5g、2g又は1g以下の電極材料(例えば、電極303、及び/又は電極403及び404)が、生成される炭素質材料(例えば、固体炭素質材料)1トン(例えば、メートルトン)当たり消費されるように構成することができる。これに代えて又は加えて、本開示の熱発生器(例えば、プラズマ発生器)は、例えば、約0g、1g、1.25kg、1.5kg、1.75kg、2g、5g、10g、20g、50g、100g、200g、300g、400g、500g、0.6kg、0.7kg、0.8kg、0.9kg、1kg、2kg、5kg、10kg、15kg、20kg、30kg、40kg、50kg、60kg、70kg、80kg、90kg、100kg、200kg、300kg、400kg又は500kg以上の電極材料(例えば、電極303、及び/又は電極403及び404)が、生成される炭素質材料(例えば、固体炭素質材料)のトン(例えば、メートルトン)当たり消費されるように構成されてもよい。
【0049】
本開示に係る電極(例えば、プラズマ発生器のAC及び/又はDC電極)(又はその一部)(例えば、電極303、及び/又は電極403及び404)は、互いに所与の距離(本明細書では「ギャップ」又は「ギャップサイズ」とも)に配置することができる。電極(又はその一部)間のギャップは、例えば、約40ミリメートル(mm)、39mm、38mm、37mm、36mm、35mm、34mm、33mm、32mm、31mm、30mm、29mm、28mm、27mm、26mm、25mm、24mm、23mm、22mm、21mm、20mm、19mm、18mm、17mm、16mm、15mm、14mm、13mm、12mm、11mm、10mm、9mm、8mm、7mm、6mm、5mm、4mm、3mm、2mm、又は1mm以下であり得る。これに代えて又は加えて、電極(又はその一部)間のギャップは、例えば、約0.5mm、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、20mm、21mm、22mm、23mm、24mm、25mm、26mm、27mm、28mm、29mm、30mm、31mm、32mm、33mm、34mm又は35mm以上であってもよい。
【0050】
炭化水素原料は、式CnHx又はCnHxOy(式中、nは整数である)を有する任意の化学物質を含んでもよく、xは、(i)1~2n+2の間、又は(ii)石炭、コールタール、熱分解燃料油などの燃料については1未満であり、yは0からnの間である。炭化水素原料は、例えば、単純炭化水素(例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタンなど)、芳香族原料(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルナフタレン、熱分解燃料油、コールタール、石炭、重油、油、バイオオイル、バイオディーゼル、他の生物由来の炭化水素など)、不飽和炭化水素(例えば、エチレン、アセチレン、ブタジエン、スチレンなど)、酸素化炭化水素(例えば、エタノール、メタノール、プロパノール、フェノール、ケトン、エーテル、エステルなど)、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。これらの例は、製造のために他の成分と更に組み合わせ及び/又は混合することができる許容可能な炭化水素原料の非限定的な例として提供される。炭化水素原料は、原料の大部分(例えば、約50%(重量基準)を超える)が本質的に炭化水素である原料を指し得る。反応性炭化水素原料は、少なくとも約70%(重量基準)のメタン、エタン、プロパン又はそれらの混合物を含み得る。炭化水素原料は、天然ガスを含んでもよく、天然ガスであってもよい。炭化水素は、メタン、エタン、プロパン又はそれらの混合物を含み得るか、又はそれらであり得る。炭化水素は、メタン、エタン、プロパン、ブタン、アセチレン、エチレン、カーボンブラック油、コールタール、粗コールタール、ディーゼル油、ベンゼン及び/又はメチルナフタレンを含み得る。炭化水素は、(例えば、追加)多環式芳香族炭化水素を含み得る。炭化水素原料は、1つ以上の単純炭化水素、1つ以上の芳香族原料、1つ以上の不飽和炭化水素、1つ以上の酸素化炭化水素、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。炭化水素原料は、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、天然ガス、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ナフタレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、アントラセン、メチルアントラセン、他の単環式又は多環式芳香族炭化水素、カーボンブラック油、ディーゼル油、熱分解燃料油、コールタール、粗コールタール、石炭、重油、油、バイオオイル、バイオディーゼル、他の生物由来の炭化水素、エチレン、アセチレン、プロピレン、ブタジエン、スチレン、エタノール、メタノール、プロパノール、フェノール、1つ以上のケトン、1つ以上のエーテル、1つ以上のエステル、1つ以上のアルデヒド、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。供給原料は、本明細書に記載の供給原料化合物の1つ以上の誘導体(例えば、前述の供給原料の中で)、例えばベンゼン及び/又はその誘導体、ナフタレン及び/又はその誘導体、アントラセン及び/又はその誘導体などを含んでもよい。炭化水素供給原料(本明細書では「供給原料」とも呼ばれる)は、重量、体積又はモルで約1ppm、5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、0.01%,0.05%,0.1%,0.2%,0.3%,0.4%,0.5%,0.6%,0.7%,0.8%,0.9%,1%,1.1%,1.2%,1.3%,1.4%,1.5%,1.6%,1.7%,1.8%,1.9%,2%,2.5%,3%,3.5%,4%,4.5%,5%,6%,7%,8%,9%,10%,11%,12%,13%,14%,15%,16%,17%,18%,19%,20%,21%,22%,23%,24%,25%,26%,27%,28%,29%,30%,31%,32%,33%,34%,35%,36%,37%,38%,39%,40%,41%,42%,43%,44%,45%,46%,47%,48%,49%,50%,55%,60%,65%,70%,75%,80%,85%,90%,95%又は99%以上の濃度(例えば、供給原料の混合物中で)の所与の供給原料(前述の供給原料のうちの中で)を含むことができる。これに代えて又は加えて、供給原料は、重量、体積又はモルで約100%,99%,95%,90%,85%,80%,75%,70%,65%,60%,55%,50%,49%,48%,47%,46%,45%,44%,43%,42%,41%,40%,39%,38%,37%,36%,35%,34%,33%,32%,31%,30%,29%,28%,27%,26%,25%,24%,23%,22%,21%,20%,19%,18%,17%,16%,15%,14%,13%,12%,11%,10%,9%,8%,7%,6%,5%,4,5%,4%,3.5%,3%,2.5%,2%,1.9%,1.8%,1.7%,1.6%,1.5%,1.4%,1.3%,1.2%,1.1%,1%,0.9%,0.8%,0.7%,0.6%,0.5%,0.4%,0.3%,0.2%,0.1%,0.05%,0.01%,50ppm,25ppm,10ppm,5ppm又は1ppm以下の濃度(例えば、供給原料の混合物中で)の所与の供給原料を含んでもよい。供給原料は、同様又は異なる濃度の追加の供給原料(例えば、供給原料の混合物中で)を含んでもよい。そのような追加の供給原料は、例えば、所与の供給原料として選択されていない前述の供給原料の中から選択されてもよい。所与の供給原料は、それ自体が混合物(例えば、天然ガスなど)を含み得る。
【0051】
プロセスガスは、例えば、酸素、窒素、アルゴン、ヘリウム、空気、水素、一酸化炭素、水、炭化水素(例えば、メタン、エタン、不飽和及び/又は供給原料に関連して本明細書に記載される任意の炭化水素)などを含むことができる(単独で又は2つ以上の混合物で使用される)。幾つかの例では、プロセスガスは不活性であってもよい。プロセスガスは、新たに供給されるガス(例えば、シリンダ又は容器などの貯蔵部から送達又は供給される。)、リサイクルされたガス状反応生成物(例えば、本明細書の他の箇所でより詳細に説明するように)、又はそれらの任意の組み合わせを含むか、又はそれらであり得る。プロセスガスは、例えば、酸素、窒素(例えば、最大約30%(体積基準))、アルゴン(例えば、最大約30%のAr)、ヘリウム、空気、水素(例えば、約50%、60%、70%、80%及び90%以上、最大約100%(体積基準))、一酸化炭素(例えば、少なくとも約1体積ppmから約30%まで)、水、炭化水素(例えば、メタン、エタン、不飽和、ベンゼン及びトルエン又は同様の単芳香族炭化水素、アントラセン及びその誘導体、ナフタレン及びその誘導体などの多環芳香族炭化水素、メチルナフタレン、メチルアントラセン、コロネン、ピレン、クリセン、フルオレンなど、及び/又は供給原料に関連して本明細書に記載される任意の炭化水素;例えば、少なくとも約1体積ppm~最大約30%のCH4、少なくとも約1ppm~最大約30%のC2H2、少なくとも約1ppmのC2H4体積、少なくとも約1ppmのベンゼン体積、及び/又は少なくとも約1ppmのポリ芳香族炭化水素体積)、HCN(例えば、少なくとも約1体積ppmから約10%体積以下)、NH3(例えば、少なくとも約1体積ppmから約10%体積以下)などを含み得る(単独で又は2つ以上の混合物で使用される)。プロセスガスは、少なくとも約60%から約100%までの水素(体積基準)を含んでもよく、約30%までの窒素、約30%までのCO、約30%までのCH4、約10%までのHCN、約30%までのC2H2、及び約30%までのArを更に含んでもよい。例えば、プロセスガスは、約60%を超える水素であってもよい。更に、プロセスガスはまた、アントラセン、ナフタレン、コロネン、ピレン、クリセン、フルオレンなどの多環芳香族炭化水素を含んでもよい。更に、プロセスガスは、ベンゼン及びトルエン又は類似の単芳香族炭化水素成分が存在してもよい。例えば、プロセスガスは、約90%以上の水素、及び約0.2%の窒素、約1.0%のCO、約1.1%のCH4、約0.1%のHCN及び約0.1%のC2H2を含み得る。プロセスガスは、約80%以上の水素を含んでもよく、残りは、前述のガス、多環式芳香族炭化水素、単芳香族炭化水素及び他の成分の何らかの混合物を含んでもよい。プロセスガスは、体積で約50%以上の水素を含んでもよい。プロセスガスは、体積で約70%を超えるH2を含んでもよく、少なくとも約1ppmのレベルのガスHCN、CH4、C2H4、C2H2、CO、ベンゼン又は多芳香族炭化水素(例えば、ナフタレン及び/又はアントラセン)の少なくとも1つ以上を含んでもよい。多芳香族炭化水素は、例えば、ナフタレン、アントラセン及び/又はそれらの誘導体を含み得る。多芳香族炭化水素は、例えば、メチルナフタレン及び/又はメチルアントラセンを含み得る。プロセスガスは、所与のプロセスガス(例えば、前述のプロセスガスの中で)を、重量、体積又はモルで約1ppm,5ppm,10ppm,25ppm,50ppm,0.01%,0.05%,0.1%,0.2%,0.3%,0.4%,0.5%,0.6%,0.7%,0.8%,0.9%,1%,1.1%,1.2%,1.3%,1.4%,1.5%,1.6%,1.7%,1.8%,1.9%,2%,2.5%,3%,3.5%,4%,4.5%,5%,6%,7%,8%,9%,10%,11%,12%,13%,14%,15%,16%,17%,18%,19%,20%,21%,22%,23%,24%,25%,26%,27%,28%,29%,30%,31%,32%,33%,34%,35%,36%,37%,38%,39%,40%,41%,42%,43%,44%,45%,46%,47%,48%,49%,50%,55%,60%,65%,70%,75%,80%,85%,90%,95%又は99%以上の濃度(例えば、プロセスガスの混合物中)で含んでもよい、これに代えて又は加えて、プロセスガスは、所与のプロセスガスを、重量、体積又はモルで約100%,99%,95%,90%,85%,80%,75%,70%,65%,60%,55%,50%,49%,48%,47%,46%,45%,44%,43%,42%,41%,40%,39%,38%,37%,36%,35%,34%,33%,32%,31%,30%,29%,28%,27%,26%,25%,24%,23%,22%,21%,20%,19%,18%,17%,16%,15%,14%,13%,12%,11%,10%,9%,8%,7%,6%,5%,4,5%,4%,3.5%,3%,2.5%,2%,1.9%,1.8%,1.7%,1.6%,1.5%,1.4%,1.3%,1.2%,1.1%,1%,0.9%,0.8%,0.7%,0.6%,0.5%,0.4%,0.3%,0.2%,0.1%,0.05%,0.01%,50ppm,25ppm,10ppm,5ppm又は1ppm以下の濃度(例えば、プロセスガスの混合物中)で含んでもよい。プロセスガスは、同様又は異なる濃度の追加のプロセスガス(例えば、プロセスガスの混合物中)を含んでもよい。このような追加のプロセスガスは、例えば、所与のプロセスガスとして選択されていない前述のプロセスガスの中から選択されてもよい。所与のプロセスガス自体が混合物を含んでもよい。プロセスガスは、パージガスとして使用されてもよい。パージガスは、反応器又は炭素粒子を(例えば、非不活性ガスを除去するために)パージするために使用される不活性ガスであってもよい。パージガスは、反応器の動作圧力よりも高い圧力で供給されてもよい(例えば、パージガスは、反応器内でより高い圧力で供給され、より低い圧力に調整されてもよい)。
【0052】
供給原料(例えば、炭化水素)は、例えば、約50グラム/時(g/hr)、100g/hr,250g/hr,500g/hr,750g/hr、1キログラム/時(kg/hr)、2kg/hr,5kg/hr,10kg/hr,15kg/hr,20kg/hr,25kg/hr,30kg/hr,35kg/hr,40kg/hr,45kg/hr,50kg/hr,55kg/hr,60kg/hr,65kg/hr,70kg/hr,75kg/hr,80kg/hr,85kg/hr,90kg/hr,95kg/hr,100kg/hr,150kg/hr,200kg/hr,250kg/hr,300kg/hr,350kg/hr,400kg/hr,450kg/hr,500kg/hr,600kg/hr,700kg/hr,800kg/hr,900kg/hr,1,000kg/hr,1,100kg/hr,1,200kg/hr,1,300kg/hr,1,400kg/hr,1,500kg/hr,1,600kg/hr,1,700kg/hr,1,800kg/hr,1,900kg/hr,2,000kg/hr,2,100kg/hr,2,200kg/hr,2,300kg/hr,2,400kg/hr,2,500kg/hr,3,000kg/hr,3,500kg/hr,4,000kg/hr,4,500kg/hr,5,000kg/hr,6,000kg/hr,7,000kg/hr,8,000kg/hr,9,000kg/hr又は10,000kg/hr以上の速度でシステムに(例えば、本明細書に記載の反応器102,201,301又は401などの反応器に)供給されてもよい。これに代えて又は加えて、供給原料(例えば、炭化水素)は、例えば、約10,000kg/hr,9,000kg/hr,8,000kg/hr,7,000kg/hr,6,000kg/hr,5,000kg/hr,4,500kg/hr,4,000kg/hr,3,500kg/hr,3,000kg/hr,2,500kg/hr,2,400kg/hr,2,300kg/hr,2,200kg/hr,2,100kg/hr,2,000kg/hr,1,900kg/hr,1,800kg/hr,1,700kg/hr,1,600kg/hr,1,500kg/hr,1,400kg/hr,1,300kg/hr,1,200kg/hr,1,100kg/hr,1,000kg/hr,900kg/hr,800kg/hr,700kg/hr,600kg/hr,500kg/hr,450kg/hr,400kg/hr,350kg/hr,300kg/hr,250kg/hr,200kg/hr,150kg/hr,100kg/hr,95kg/hr,90kg/hr,85kg/hr,80kg/hr,75kg/hr,70kg/hr,65kg/hr,60kg/hr,55kg/hr,50kg/hr,45kg/hr,40kg/hr,35kg/hr,30kg/hr,25kg/hr,20kg/hr,15kg/hr,10kg/hr,5kg/hr,2kg/hr,1kg/hr,750g/hr,500g/hr,250g/hr又は100g/hr以下の速度でシステム(例えば、反応器)に供給されてもよい。
【0053】
希釈は、反応器(例えば、本明細書の他の箇所に記載されているプロセス中)に注入された炭素原子(例えば、原料炭素原子)の総モル数に対するプロセスガス(例えば、希釈剤ガス)の総モル数の比であり得る。約2未満の希釈係数は、プラズマベースの熱分解反応器の動作において利益をもたらし得る。約2未満の希釈係数を達成することは、プラズマガスとして炭化水素を使用することを含み得る。例えば、プラズマガス及び原料ガスの両方として炭化水素を用いることができる。約2未満の希釈係数を有する反応器は、約2未満の希釈係数を提供する量のリサイクルガス及びパージガスを電極のすぐ近くに有し得る。パージガスは、反応器を加圧し、及び/又は反応器の電極上の摺動シールを加圧するために存在してもよい。本開示の装置及び方法は、少なくとも約0、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、又はそれ以上の希釈係数を達成することができる。本開示の装置及び方法は、最大で約4、3.9、3.8、3.7、3.6、3.5、3.4、3.3、3.2、3.1、3、2.9、2.8、2.7、2.6、2.5、2.4、2.3、2.2、2.1、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、又はそれ未満の希釈係数を達成することができる。
【0054】
再循環ガスを本開示の反応器及び方法に供給することができる。リサイクルガスは、少なくともプラズマガスの成分であってもよい。例えば、リサイクルガスは、プラズマガスの一部として加熱される反応器に供給することができる。再循環ガスは、本明細書の他の箇所に記載されているようなプロセスガスであってもよい。再循環ガスは、反応器によって生成されるガスの少なくとも一部であってもよい。例えば、再循環ガスは、炭素粒子及び/又は水素の生成中に反応器によって出力されるガスであり得る。再循環ガスは、水素(例えば、少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、99パーセント又はそれを超える水素)、窒素、アルゴン、一酸化炭素、水、炭化水素など、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。再循環ガスは、本明細書の他の箇所に記載されている精製プロセスから排除されたガスであってもよい。例えば、高圧脱気装置で生成された水素から除去された不純物をリサイクルガスとして用いることができる。再循環ガスは、高温(例えば、周囲より上)であってもよい。例えば、リサイクルガスは、リサイクルガスを加熱する際にプラズマから失われるエネルギーの量を低減するために高温で供給され得る。再循環ガスの使用は、反応器内の電極の寿命を延ばすだけでなく、反応物(例えば、炭化水素)を再循環して反応器に戻すことによって効率を高めることができる。例えば、炭化水素を反応器に再利用して戻すことができ、それによって炭化水素の転化率を改善することができる。再循環ガスは、本明細書の他の箇所に記載されているように、再循環ガス及び/又は別の不活性ガスのシース及び/又はブランケット流を介して反応器に導入することができる。そのような流れは、電極及び/又は反応器の他の表面(例えば、反応器壁)上へのガス状及び/又は固体炭素の堆積を防止することができる。場合によっては、再循環ガスは、反応器に導入する前に加圧することができる(例えば、再加硫)。例えば、再循環ガスは、反応器に注入される前に圧縮機を通過することができる。再循環ガスは、本明細書の他の箇所に記載されている圧力に加圧することができる。
【0055】
所与のプロセスガス又はプロセスガスのサブセットもしくは全ての合計は、例えば、約0標準立方メートル/時(Nm3/hr)、0.1Nm3/hr,0.2Nm3/hr,0.5Nm3/hr,1Nm3/hr,1.5Nm3/hr,2Nm3/hr,5Nm3/hr,10Nm3/hr,25Nm3/hr,50Nm3/hr,75Nm3/hr,100Nm3/hr,150Nm3/hr,200Nm3/hr,250Nm3/hr,300Nm3/hr,350Nm3/hr,400Nm3/hr,450Nm3/hr,500Nm3/hr,550Nm3/hr,600Nm3/hr,650Nm3/hr,700Nm3/hr,750Nm3/hr,800Nm3/hr,850Nm3/hr,900Nm3/hr,950Nm3/hr,1,000Nm3/hr,2,000Nm3/hr,3,000Nm3/hr,4,000Nm3/hr,5,000Nm3/hr,6,000Nm3/hr,7,000Nm3/hr,8,000Nm3/hr,9,000Nm3/hr,10,000Nm3/hr,12,000Nm3/hr,14,000Nm3/hr,16,000Nm3/hr,18,000Nm3/hr,20,000Nm3/hr,30,000Nm3/hr,40,000Nm3/hr,50,000Nm3/hr,60,000Nm3/hr,70,000Nm3/hr,80,000Nm3/hr,90,000Nm3/hr又は15,000Nm3/hr以上の速度でシステム(例えば、本明細書に記載の反応器102,201,301又は401などの反応器)に供給されてもよい。これに代えて又は加えて、所与のプロセスガス又はサブセットもしくは全てのプロセスガスの合計は、例えば、約100,000Nm3/hr,90,000Nm3/hr,80,000Nm3/hr,70,000Nm3/hr,60,000Nm3/hr,50,000Nm3/hr,40,000Nm3/hr,30,000Nm3/hr,20,000Nm3/hr,18,000Nm3/hr,16,000Nm3/hr,14,000Nm3/hr,12,000Nm3/hr,10,000Nm3/hr,9,000Nm3/hr,8,000Nm3/hr,7,000Nm3/hr,6,000Nm3/hr,5,000Nm3/hr,4,000Nm3/hr,3,000Nm3/hr,2,000Nm3/hr,1,000Nm3/hr,950Nm3/hr,900Nm3/hr,850Nm3/hr,800Nm3/hr,750Nm3/hr,700Nm3/hr,650Nm3/hr,600Nm3/hr,550Nm3/hr,500Nm3/hr,450Nm3/hr,400Nm3/hr,350Nm3/hr,300Nm3/hr,250Nm3/hr,200Nm3/hr,150Nm3/hr,100Nm3/hr,75Nm3/hr,50Nm3/hr,25Nm3/hr,10Nm3/hr,5Nm3/hr,2Nm3/hr,1.5Nm3/hr,1Nm3/hr,0.5Nm3/hr又は0.2Nm3/hr以下の速度でシステム(例えば、反応器)に供給されてもよい。所与のプロセスガス又はサブセットもしくは全てのプロセスガスの合計は、本明細書に記載の1つ以上の原料流量と組み合わせてそのような速度でシステム(例えば、反応器に)に供給されてもよい。所与のプロセスガス又はプロセスガスのサブセットもしくは全ての合計は、例えば、供給原料1モル当たり約0、0.0005、0.001、0.002、0.005、0.1、0.2、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、75又は90モル以上のプロセスガスの比でシステムに供給されてもよい(例えば、例えば、熱発生器302又は402などの熱発生器に提供され、及び/又は、例えば、本明細書に記載の反応器102,201,301又は401などの反応器に他の場所又は全体で提供される)。これに代えて又は加えて、所与のプロセスガス又はサブセットもしくは全てのプロセスガスの合計は、例えば、供給原料1モル当たり約100、90、75、50、45、40、35、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5、0.2、0.1、0.005、0.002、0.001又は0.0005モル以下のプロセスガスの比でシステムに供給されてもよい(例えば、例えば、熱発生器302又は402などの熱発生器に提供され、及び/又は、例えば、本明細書に記載の反応器102,201,301又は401などの反応器に他の場所又は全体で提供される)。システムに供給されるプロセスガスの約100%、75%、50%、40%、30%、20%、10%、5%又は1%以下が電気エネルギーで加熱されてもよい。これに代えて又は加えて、システムに供給されるプロセスガスの約0%、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%又は75%以上が電気エネルギーで加熱されてもよい。
【0056】
1つ以上のガス(例えば、供給原料は単独で、又は少なくとも1つのプロセスガスと組み合わせて、)は、所与の圧力で加熱することができる。供給原料(例えば、単独で、又は少なくとも1つのプロセスガスと組み合わせて)は、所与の圧力(本明細書では「反応圧力」とも呼ばれる)で反応することができる。加熱及び反応は、所与の圧力(本明細書では「反応器圧力」とも呼ばれる)で反応器内で実施することができる。圧力は、例えば、約0bar,0.5bar,1bar,1.1bar,1.2bar,1.3bar,1.4bar,1.5bar,1.6bar,1.7bar,1.8bar,1.9bar,2bar,2.1bar,2.2bar,2.3bar,2.4bar,2.5bar,2.6bar,2.7bar,2.8bar,2.9bar,3bar,3.1bar,3.2bar,3.3bar,3.4bar,3.5bar,3.6bar,3.7bar,3.8bar,3.9bar,4bar,4.5bar,5bar,6bar,7bar,8bar,9bar,10bar,11bar,12bar,13bar,14bar,15bar,16bar,17bar,18bar,19bar,20bar,21bar,22bar,23bar,24bar,25bar,26bar,27bar,28bar,29bar,30bar,35bar,40bar,45bar,50bar,55bar,60bar,65bar,70bar,75bar、又はそれ以上であってもよい。これに代えて又は加えて、圧力は、例えば、約100bar,90bar,80bar,75bar,70bar,65bar,60bar,55bar,50bar,45bar,40bar,35bar,30bar,29bar,28bar,27bar,26bar,25bar,24bar,23bar,22bar,21bar,20bar,19bar,18bar,17bar,16bar,15bar,14bar,13bar,12bar,11bar,10bar,9bar,8bar,7bar,6bar,5bar,4bar,3.9bar,3.8bar,3.7bar,3.6bar,3.5bar,3.4bar,3.3bar,3.2bar,3.1bar,3bar,2.9bar,2.8bar,2.7bar,2.6bar,2.5bar,2.4bar,2.3bar,2.2bar,2.1bar,2bar,1.9bar,1.8bar,1.7bar,1.6bar,1.5bar,1.4bar,1.3bar,1.2bar,1.1bar又はそれ以下であってもよい。圧力は、大気圧よりも高くてもよい(大気圧よりも高い)。圧力は、約1.5bar~約25barであってもよい。圧力は、約1bar~約70barであってもよい。圧力は、約5bar~約25barであってもよい。圧力は、約10bar~約20barであってもよい。圧力は、約5bar~約15barであってもよい。圧力は、約2bar以上であってもよい。圧力は、約5bar以上であってもよい。圧力は、約10bar以上であってもよい。供給原料及び/又はプロセスガスは、適切な圧力で反応器に供給されてもよい(例えば、反応器の圧力より少なくとも約0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、5%、10%、15%、20%、25%、又は50%高く、この圧力は、注入のモード、例えば、入口ポートを通るよりも注入器を通るより高い圧力に依存し得る)。供給原料及び/又はプロセスガスは、例えば、それぞれの送達又は貯蔵(例えば、シリンダ又は容器)圧力で反応器に供給されてもよい。供給原料及び/又はプロセスは、反応器に供給される前に(例えば、更に)圧縮されてもされなくてもよい。流入供給原料は、進行する圧力値のうちの任意の2つによって定義される範囲の圧力で供給されてもよい。例えば、供給原料は、約30~約35barの圧力で提供することができ、約5~約15barの圧力まで計量することができる。反応器全体で圧力降下があり得る。例えば、反応器の入口圧力と反応器の出口圧力とは異なっていてもよい。反応器の出口圧力は、進行リストから選択された入口圧力よりも小さい進行リストから選択された値であってもよい。例えば、約15barの入口圧力を有する反応器は、約14barの出口圧力を有することができる。別の例では、入口圧力は約4barであり得、出口圧力は約2barであり得る。別の例では、入口圧力は約35barであり得、出口圧力は約30barであり得る。反応器にわたる圧力降下は、反応器を通るガス及び/又は炭素粒子の移動を助けることができる。
【0057】
本明細書に記載のシステム及び方法は、化石燃料炭化水素原料を使用する同一のシステムよりも高い炭素-14対炭素-12比を有する炭素生成物を生成することができる。例えば、化石燃料原料を使用して生成された炭素生成物は、約3×10-13を超える炭素-14対炭素-12比を有することができる。本明細書に記載の炭素生成物は、約3×10-13を超える炭素-14対炭素-12比を有することができる。本明細書に記載のシステム及び方法によって生成される炭素生成物は、化石燃料炭化水素原料から生成される炭素生成物よりも10%を超える炭素-14を有し得る。本明細書に記載のシステム及び方法によって生成される炭素生成物は、化石燃料炭化水素原料から生成される炭素生成物よりも5%を超える炭素-14を有し得る。
【0058】
1つ以上のガス(例えば、供給原料は単独で、又は少なくとも1つのプロセスガスと組み合わせて)は、例えば、約1,000°C、1,100°C、1,200°C、1,300°C、1,400°C、1,500°C、1,600°C、1,700°C、1,800°C、1,900°C、2,000°C、2050°C、2,100°C、2,150°C、2,200°C、2,250°C、2,300°C、2,350°C、2,400°C、2,450°C、2,500°C、2,550°C、2,600°C、2,650°C、2,700°C、2,750°C、2,800°C、2,850°C、2,900°C、2,950°C、3,000°C、3,050°C、3,100°C、3,150°C、3,200°C、3,250°C、3,300°C、3,350°C、3,400°C又は3,450°C以上の温度に供され(例えば、晒され)てもよい。これに代えて又は加えて、1つ以上のガス(例えば、供給原料は単独で、又は少なくとも1つのプロセスガスと組み合わせて)は、例えば、約3,500°C、3,450°C、3,400°C、3,350°C、3,300°C、3,250°C、3,200°C、3,150°C、3,100°C、3,050°C、3,000°C、2,950°C、2,900°C、2,850°C、2,800°C、2,750°C、2,700°C、2,650°C、2,600°C、2,550°C、2,500°C、2,450°C、2,400°C、2,350°C、2,300°C、2,250°C、2,200°C、2,150°C、2,100°C、2050°C、2,000°C、1,900°C、1,800°C、1,700°C、1,600°C、1,500°C、1,400°C、1,300°C、1,200°C又は1,100°C以下の温度に加熱されてもよい、及び/又は供給原料に供され(例えば、晒され)てもよい。1つ以上のガス(例えば、供給原料は単独で、又は少なくとも1つのプロセスガスと組み合わせて)は、熱発生器(例えば、プラズマ発生器)によってそのような温度に加熱することができる。1つ以上のガス(例えば、供給原料は単独で、又は少なくとも1つのプロセスガスと組み合わせて)ガスは、熱発生器によってそのような温度に電気的に加熱することができる(例えば、熱発生器は、電気エネルギーによって駆動されてもよい)。そのような熱発生器は、適切な電力を有することができる。
【0059】
熱発生器は、適切な電力で動作することができる。電力は、例えば、約0.5キロワット(kW)、1kW、1.5kW、2kW、5kW、10kW、25kW、50kW、75kW、100kW、150kW、200kW、250kW、300kW、350kW、400kW、450kW、500kW、550kW、600kW、650kW、700kW、750kW、800kW、850kW、900kW、950kW、1メガワット(MW)、1.05MW,1.1MW,1.15MW,1.2MW,1.25MW,1.3MW,1.35MW,1.4MW,1.45MW,1.5MW,1.6MW,1.7MW,1.8MW,1.9MW,2MW,2.5MW,3MW,3.5MW,4MW,4.5MW,5MW,5.5MW,6MW,6.5MW,7MW,7.5MW,8MW,8.5MW,9MW,9.5MW,10MW,10.5MW,11MW,11.5MW,12MW,12.5MW,13MW,13.5MW,14MW,14.5MW,15MW,16MW,17MW,18MW,19MW,20MW,25MW,30MW,35MW,40MW,45MW,50MW,55MW,60MW,65MW,70MW,75MW,80MW,85MW,90MW,95MW又は100MW以上であってもよい。これに代えて又は加えて、電力は、例えば、約100MW,95MW,90MW,85MW,80MW,75MW,70MW,65MW,60MW,55MW,50MW,45MW,40MW,35MW,30MW,25MW,20MW,19MW,18MW,17MW,16MW,15MW,14.5MW,14MW,13.5MW,13MW,12.5MW,12MW,11.5MW,11MW,10.5MW,10MW,9.5MW,9MW,8.5MW,8MW,7.5MW,7MW,6.5MW,6MW,5.5MW,5MW,4.5MW,4MW,3.5MW,3MW,2.5MW,2MW,1.9MW,1.8MW,1.7MW,1.6MW,1.5MW,1.45MW,1.4MW,1.35MW,1.3MW,1.25MW,1.2MW,1.15MW,1.1MW,1.05MW,1MW,950kW,900kW,850kW,800kW,750kW,700kW,650kW,600kW,550kW,500kW,450kW,400kW,350kW,300kW,250kW,200kW,150kW,100kW,75kW,50kW,25kW,10kW,5kW,2kW,1.5kW又は1kW以下であってもよい。
【0060】
炭素質材料(例えば、炭素粒子)は、例えば、約1%、5%、10%、25%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%又は99.9%以上の収率(例えば、供給原料転化率に基づく収率、提供された全炭化水素に基づく収率、重量パーセント炭素に基づく収率、又は生成炭素のモル対反応物炭素のモルによって測定される収率)で生成され得る。これに代えて又は加えて、炭素質材料(例えば、炭素粒子)は、例えば、約100%、99.9%、99.5%、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、25%又は5%以下の収率(例えば、供給原料転化率に基づく収率、提供された全炭化水素に基づく収率、重量パーセント炭素に基づく収率、又は生成炭素のモル対反応物炭素のモルによって測定される収率)で生成されてもよい。炭素粒子は、より大きな炭素粒子を含み得る。より大きな炭素粒子は、約0.5、0.6、0.7、0.75、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.25、1.3、1、4、1.5、1.6、1.7、1.75、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.25、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.75、2.8、2.9、3、4、5マイクロメートル、又はそれを超える球相当直径、及び例えば、約50、40、30、20、15、10、5平方メートル/グラム(m2/g)未満の窒素表面積(N2SA)を有し得る。例えば、より大きな炭素粒子は、少なくとも約2マイクロメートルの球相当直径及び約15平方メートル/グラム未満のN2SAを有し得る。より大きな炭素粒子は、本明細書の他の箇所に記載されているように、キャッチポットに捕捉されてもよい。炭素粒子は、約5、4、3、2.9、2.8、2.75、2.7、2.6、2.5、2.4、2.3、2.25、2.2、2.1、2、1.9、1.8、1.75、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.25、1.2、1.1、1、0.9、0.8、0.75、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.25、0.2、0.1マイクロメートル未満、又はそれよりも小さい球相当直径を有する炭素粒子を含み得る。例えば、炭素粒子は、約2マイクロメートル未満の球相当直径を有することができる。炭素粒子は、約2マイクロメートル未満の球相当直径の炭素粒子に対するより大きな炭素粒子(例えば、球相当直径が約2マイクロメートルを超える)の比が約0/100、5/95、10/90、15/85、20/80、25/75、30/70、35/65、40/60、45/55、50/50、55/45、60/40、65/35、70/30、75/25、80/20、85/15、90/10、又は100/0であってもよい。本明細書に記載の方法及びシステムは、約2マイクロメートル未満の体積相当球を有する炭素粒子に対するより大きな炭素粒子の所定の比を生成するように調整されるように構成されてもよい。球相当直径は、遠心式粒子沈降法により測定することができる。更なる情報は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、“Principles of Colloid and Surface Chemistry”Hiemenz,Rajagopalan第3版70-78ページに見出すことができる。
【0061】
図5は、幾つかの実施形態に係る、反応器内で炭素粒子を形成するためのプロセス500のフローチャートを示す。動作510において、プロセス500は、反応器内にプラズマを発生させるために1つ以上の電極を使用することを含むことができる。炭素粒子は、本明細書の他の箇所に記載されているようなものであってもよい。
【0062】
場合によっては、1つ以上の電極は、1つ以上の交流(AC)電極を含んでもよい。AC電極は、AC条件下で動作するように構成された電極であってもよい。例えば、AC電極は、AC電源に電子的に結合され、AC電極にAC電流が流れるとプラズマを発生させることができる。場合によっては、1つ以上の電極は、1つ以上の直流(DC)電極を含んでもよい。DC電極は、DC条件下(例えば、DC電源に動作可能に結合されている場合、)で動作するように構成することができる。
【0063】
別の動作520において、プロセス500は、炭化水素がプラズマと接触し、それによって炭素粒子を生成するように、炭化水素を1つ以上の注入器を介して反応器に注入することを含んでもよい。反応器は、少なくとも約0bar,0.5bar,1bar,1.1bar,1.2bar,1.3bar,1.4bar,1.5bar,1.6bar,1.7bar,1.8bar,1.9bar,2bar,2.1bar,2.2bar,2.3bar,2.4bar,2.5bar,2.6bar,2.7bar,2.8bar,2.9bar,3bar,3.1bar,3.2bar,3.3bar,3.4bar,3.5bar,3.6bar,3.7bar,3.8bar,3.9bar,4bar,4.5bar,5bar,6bar,7bar,8bar,9bar,10bar,11bar,12bar,13bar,14bar,15bar,16bar,17bar,18bar,19bar,20bar,21bar,22bar,23bar,24bar,25bar,26bar,27bar,28bar,29bar,30bar,35bar,40bar,45bar,50bar,55bar,60bar,65bar,70bar,75bar、又はそれ以上の圧力で動作されてもよい。反応器は、最大で約100bar,90bar,80bar,75bar,70bar,65bar,60bar,55bar,50bar,45bar,40bar,35bar,30bar,29bar,28bar,27bar,26bar,25bar,24bar,23bar,22bar,21bar,20bar,19bar,18bar,17bar,16bar,15bar,14bar,13bar,12bar,11bar,10bar,9bar,8bar,7bar,6bar,5bar,4bar,3.9bar,3.8bar,3.7bar,3.6bar,3.5bar,3.4bar,3.3bar,3.2bar,3.1bar,3bar,2.9bar,2.8bar,2.7bar,2.6bar,2.5bar,2.4bar,2.3bar,2.2bar,2.1bar,2bar,1.9bar,1.8bar,1.7bar,1.6bar,1.5bar,1.4bar,1.3bar,1.2bar,1.1bar又はそれ以下の圧力で動作されてもよい。反応器は、進行値のうちの任意の2つによって定義される範囲内の圧力で動作することができる。例えば、反応器は、約1.1bar~約4barの範囲内の圧力で動作することができる。
【0064】
場合によっては、プロセス500は水素を生成することができる。例えば、炭素粒子の生成において、水素ガスを生成することもできる。水素は廃棄することができる(例えば、プロセスからの廃棄物として処分される)。水素を収集することができる(例えば、プロセスの更なる生成物として)。水素及び炭素粒子は、ワンススルー1段階プロセスで生成することができる。例えば、水素と炭素粒子を同時に生成することができる(例えば、炭素粒子を生成するプロセス操作は、水素を生成することもできる。)。この例では、水素及び炭素粒子は、反応器の1回の操作(例えば、同じ炭化水素分解操作)で生成することができる。単一段階プロセスは、反応効率を高めることができる(例えば、プラズマから供給原料への熱伝達の効率)。更に、単一段階プロセスは、より高いプラズマ温度を提供することができる。例えば、単一段階プロセスにおけるプラズマは、約3500~約4000°Cの温度であり得る。単一段階プロセスは、反応器の中心と反応器の壁との間に熱勾配を有することができる。反応器の中心と反応器の壁との間の熱勾配は、多段階プロセスよりも単一段階プロセスの方が小さくてもよい。例えば、単一段階プロセスにおける熱勾配は、摂氏3500度の中心温度から摂氏約1800度の壁温度までとすることができ、二段階プロセスは、摂氏約3500度の中心温度及び摂氏約2200から2400度の壁温度を有することができる。単一段階プロセスは、可能な構造及び保守の材料の種類に起因してコスト削減を可能にすることができる。例えば、反応器の壁付近のより低い温度は、より低コストの材料を反応器の構築に使用することを可能にし、反応器の壁の熱摩耗を低減することができる。単一段階反応器は、プラズマアークの中又はその近傍(例えば、本明細書の他の箇所に記載されているように、)に炭素粒子の高密度(例えば、光学的に高密度である)場を有することができる。そのような高密度の場は、炭素粒子への熱伝達を増加させ、反応器の壁への熱伝達を減少させることができる。
【0065】
場合によっては、水素及び炭素粒子は、多段階(例えば、2段階、3段階などである。)プロセスで生成することができる。例えば、2段階プロセスは、炭化水素の第1の注入及び炭化水素の第2の注入を含むことができる。多段プロセスの使用は、反応器の所与の領域内の炭化水素の量を減らすことによって、反応器内又は電極上の汚染を減らすことができる。複数のステージはまた、ステージ間で追加のプロセス動作が発生することを可能にすることができる。例えば、反応器を停止したりプラズマを無効にしたりする必要なく、反応器から汚損物を除去するために水注入を行なうことができる。多段はまた、プラズマガスの速度及び運動量の増加に起因して、供給原料のプラズマガスへの混合を増加させることができる。
【0066】
本開示のプラズマ反応器は、少なくとも摂氏約1000,1100,1200,1300,1400,1500,1600,1700,1800,1900,2000,2100,2200,2300,2400,2500,2600,2700,2800,2900,3000,3100,3200,3300,3400,3500,3600,3700,3800,3900,4000,4100,4200,4300,4400,4500度又はそれよりも高い温度で動作することができる。本開示のプラズマ反応器は、最大で摂氏約4500,4400,4300,4200,4100,4000,3900,3800,3700,3600,3500,3400,3300,3200,3100,3000,2900,2800,2700,2600,2500,2400,2300,2200,2100,2000,1900,1800,1700,1600,1500,1400,1300,1200,1100,1000度又はそれよりも低い温度で動作することができる。本開示のプラズマ反応器は、進行値のいずれか2つによって定義される範囲の温度で動作することができる。例えば、プラズマ反応器は、摂氏約3500度~約4000度の温度で動作することができる。本開示の反応器の中心と反応器の壁との間の温度勾配は、少なくとも摂氏約50,100,200,300,400,500,600,700,800,900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000度以上の差であってもよい。例えば、反応器の中心と反応器の壁との間の温度差は、少なくとも摂氏約1700度であり得る。本開示の反応器の中心と反応器の壁との間の温度勾配は、最大で摂氏約2000、1900、1800、1700、1600、1500、1400、1300、1200、1100、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50度以下の差であってもよい。本開示の反応器の中心と反応器の壁との間の温度勾配は、進行値のうちの任意の2つの範囲によって定義され得る。勾配の大きさは、使用される反応器システムのタイプに関連し得る。例えば、単一段階反応器は、多段反応器よりも大きな温度勾配を提供することができる。
【0067】
場合によっては、本明細書に記載のシステム及び方法は、1時間当たり1トンの水素を生成する。生成された水素は、例えば90%、95%、99%、99.5%、又は99.9%の所与の純度まで精製することができる。場合によっては、水素は、約0.1トン/時~約10トン/時の速度で生成される。場合によっては、水素は、約0.1トン/時~約0.5トン/時、約0.1トン/時~約1トン/時、約0.1トン/時~約5トン/時、約0.1トン/時~約10トン/時、約0.5トン/時~約1トン/時、約0.5トン/時~約5トン/時、約0.5トン/時~約10トン/時、約1トン/時~約5トン/時、約1トン/時~約10トン/時、又は約5トン/時~約10トン/時の速度で生成される。場合によっては、水素は、約0.1トン/時、約0.5トン/時、約1トン/時、約5トン/時、又は約10トン/時の速度で生成される。場合によっては、水素は、少なくとも約0.1トン/時、約0.5トン/時、約1トン/時、又は約5トン/時の速度で生成される。場合によっては、水素は、最大で約0.5トン/時、約1トン/時、約5トン/時、又は約10トン/時の速度で生成される。
【0068】
炭化水素は、本明細書の他の箇所に記載されている通りであってもよい。例えば、炭化水素は、ガス(例えば、天然ガスを含む)であってもよい。炭化水素は、プラズマと接触すると加熱することができる。例えば、炭化水素とプラズマとの相互作用は、プラズマから炭化水素にエネルギーを与え、それによって炭化水素を加熱することをもたらすことができる。炭化水素は、プラズマと接触すると分解(例えば、少なくとも部分的に分解される)することができる。
【0069】
炭素粒子は、プロセス500の反応器よりも低い圧力で動作される反応器内で形成される炭素粒子よりも小さい表面積を有し得る。例えば、プロセス500の反応器が1.5barの圧力で動作される場合、1.5barの圧力で動作される反応器によって生成された炭素粒子は、2.5barの圧力で動作される同じ反応器内で形成された炭素粒子よりも小さい表面積を有し得る。別の例では、プロセス500の反応器が5barの圧力で動作される場合、5barの圧力で動作される反応器によって生成された炭素粒子は、3barの圧力で動作される同じ反応器内で形成された炭素粒子よりも小さい表面積を有し得る。炭素粒子は、反応器がプロセス500の反応器の圧力よりも低い圧力(例えば、約1.5bar未満、約5bar未満、約10bar未満など)で動作される場合、反応器内に形成された炭素粒子の表面積の少なくとも約5,10,15,20,25,30,35,40,45,50,55,60,65,70,75,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,99.9パーセント、又はそれ以上の割合の表面積を有し得る。炭素粒子は、反応器がプロセス500の反応器の圧力より低い圧力(例えば、約1.5bar未満、約5bar未満、約10bar未満など)で動作される場合、反応器内に形成された炭素粒子の表面積の最大約99.9,99,98,97,96,95,94,93,92,91,90,89,88,87,86,85,84,83,82,81,80,75,70,65,60,55,50,45,40,35,30,25,20,15,10,5パーセント又はそれ未満の表面積を有し得る。
【0070】
炭素粒子の表面積は、1つ以上の添加剤を使用して増加させることができる。1つ以上の添加剤は、炭化水素が反応器に注入される前、間、又は後に炭化水素に添加されてもよい。1つ以上の添加剤は、プラズマの前に反応器に注入されてもよい。添加剤の例には、炭化水素(例えば、本明細書の他の箇所に記載される炭化水素、炭化水素ガス)、ケイ素含有化合物(例えば、シロキサン、シランなど)、芳香族添加剤(例えば、ベンゼン、キシレン、多環芳香族炭化水素など)など、又はそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。反応器は、無酸素環境であってもよい。無酸素環境は、未結合の無酸素環境であり得る。例えば、反応器は、未結合酸素(例えば、元素状酸素)を実質的に含まなくてもよいが、結合酸素(例えば、エタノール、二酸化炭素などの一部として)を含んでもよい。反応器は、最大で約20、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5、0.1、0.05、0.01、0.005、0.001、0.0005、0.0001パーセント未満の分子状酸素又はモルパーセント未満を含み得る。
【0071】
炭素粒子は、カーボンブラックを含んでもよい。炭素粒子の例には、カーボンブラック、コークス、ニードルコークス、グラファイト、大環多環芳香族炭化水素、活性炭など、又はそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。炭素粒子は、プロセス500の圧力よりも低い圧力(例えば、約1bar、約1.5bar未満など。)で動作した場合に、反応器によって形成された炭素粒子の収率よりも高い収率でプロセス500によって生成され得る。炭素粒子は、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.9、又はそれを超えるパーセントの収率で生成され得る。炭素粒子は、最大で約99.9、99、98、97、96、95、94、93、92、91、90、89、88、87、86、85、84、83、82、81、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、5パーセント以下の収率で生成され得る。炭素粒子の収率は、進行値のいずれか2つの範囲内の値であってもよい。例えば、炭素粒子の収率は、約90~約99%であり得る。プロセス500における炭素粒子の収率は、異なる反応器がプロセス500の反応器の圧力よりも低い圧力で動作される場合、プロセス500の反応器と同じサイズの異なる反応器内で形成される炭素粒子の収率よりも大きくてもよい。
【0072】
図6は、幾つかの実施形態に係る、反応器内で水素を生成するためのプロセス600のフローチャートを示す。動作610において、プロセス600は、反応器内にプラズマを発生させるために1つ以上の電極を使用することを含むことができる。場合によっては、1つ以上の電極は、1つ以上の交流(AC)電極を含んでもよい。AC電極は、AC条件下で動作するように構成された電極であってもよい。例えば、AC電極は、AC電源に電子的に結合され、AC電極にAC電流が流れるとプラズマを発生させることができる。場合によっては、1つ以上の電極は、1つ以上の直流(DC)電極を含んでもよい。DC電極は、DC条件下(例えば、DC電源に動作可能に結合されている場合、)で動作するように構成することができる。
【0073】
場合によっては、本明細書に記載のシステム及び方法は、1時間当たり1トンの水素を生成する。生成された水素は、例えば90%、95%、99%、99.5%、又は99.9%の所与の純度まで精製することができる。場合によっては、水素は、約0.1トン/時~約10トン/時の速度で生成される。場合によっては、水素は、約0.1トン/時~約0.5トン/時、約0.1トン/時~約1トン/時、約0.1トン/時~約5トン/時、約0.1トン/時~約10トン/時、約0.5トン/時~約1トン/時、約0.5トン/時~約5トン/時、約0.5トン/時~約10トン/時、約1トン/時~約5トン/時、約1トン/時~約10トン/時、又は約5トン/時~約10トン/時の速度で生成される。場合によっては、水素は、約0.1トン/時、約0.5トン/時、約1トン/時、約5トン/時、又は約10トン/時の速度で生成される。場合によっては、水素は、少なくとも約0.1トン/時、約0.5トン/時、約1トン/時、又は約5トン/時の速度で生成される。場合によっては、水素は、最大で約0.5トン/時、約1トン/時、約5トン/時、又は約10トン/時の速度で生成される。
【0074】
別の動作620において、プロセス600は、炭化水素がプラズマと接触し、それによって水素を生成するように、1つ以上の注入器を介して炭化水素を反応器に注入することを含んでもよい。反応器は、少なくとも約0bar,0.5bar,1bar,1.1bar,1.2bar,1.3bar,1.4bar,1.5bar,1.6bar,1.7bar,1.8bar,1.9bar,2bar,2.1bar,2.2bar,2.3bar,2.4bar,2.5bar,2.6bar,2.7bar,2.8bar,2.9bar,3bar,3.1bar,3.2bar,3.3bar,3.4bar,3.5bar,3.6bar,3.7bar,3.8bar,3.9bar,4bar,4.5bar,5bar,6bar,7bar,8bar,9bar,10bar,11bar,12bar,13bar,14bar,15bar,16bar,17bar,18bar,19bar,20bar,21bar,22bar,23bar,24bar,25bar,26bar,27bar,28bar,29bar,30bar,35bar,40bar,45bar,50bar,55bar,60bar,65bar,70bar,75bar、又はそれ以上の圧力で動作されてもよい。反応器は、最大で約100bar,90bar,80bar,75bar,70bar,65bar,60bar,55bar,50bar,45bar,40bar,35bar,30bar,29bar,28bar,27bar,26bar,25bar,24bar,23bar,22bar,21bar,20bar,19bar,18bar,17bar,16bar,15bar,14bar,13bar,12bar,11bar,10bar,9bar,8bar,7bar,6bar,5bar,4bar,3.9bar,3.8bar,3.7bar,3.6bar,3.5bar,3.4bar,3.3bar,3.2bar,3.1bar,3bar,2.9bar,2.8bar,2.7bar,2.6bar,2.5bar,2.4bar,2.3bar,2.2bar,2.1bar,2bar,1.9bar,1.8bar,1.7bar,1.6bar,1.5bar,1.4bar,1.3bar,1.2bar,1.1bar又はそれ以下の圧力で動作されてもよい。反応器は、進行値のうちの任意の2つによって定義される範囲内の圧力で動作することができる。例えば、反応器は、約1.1bar~約4barの範囲内の圧力で動作することができる。
【0075】
場合によっては、プロセス600は、炭素粒子を生成することを更に含む。炭素粒子は、本明細書の他の箇所に記載されているようなものであってもよい。例えば、水素を生成する過程において、同時に炭素粒子を生成することができる。このプロセスは、水素及び炭素粒子を連続的に生成することを含み得る。例えば、水素及び炭素粒子は、切れ目なく生成することができる(例えば、バッチプロセスではない)。水素及び炭素粒子は、本明細書の他の箇所に記載されているように、ワンススルー単一段階プロセスで生成することができる。
【0076】
場合によっては、炭化水素は本明細書の他の箇所に記載されている通りである。例えば、炭化水素は天然ガスを含むことができる。炭化水素は、本明細書の他の箇所に記載されているように、プラズマとの接触時に加熱されてもよい。場合によっては、反応器は、本明細書の他の箇所に記載されているような無酸素環境である。例えば、反応器は、体積又はモルで約2%未満の分子状酸素を含むことができる。
【0077】
図10は、幾つかの実施形態に係る高圧脱気装置1000の一例である。本明細書の他の箇所に記載の方法によって生成された本明細書の他の箇所に記載の炭素粒子(例えば、カーボンブラックなど)は、示されるように脱気装置の上部に導くことができる。炭素粒子は、高圧脱気装置の前にフィルタに最初に接触し、図示のようにフィルタから装置の上部に落下することができる。炭素粒子は、ロータリーバルブ1001に接触することができる。ロータリーバルブは、開放エアロックバルブ1002を介して炭素粒子を脱気容器1003に滴下することによって炭素粒子を計量するように構成することができる。ロータリーバルブの存在は、多すぎる炭素粒子が一度に脱気容器に入るのを防ぐことができる。ロータリーバルブはまた、逆流する脱気容器からのガスに対する一定量の逆流保護を提供することができる。炭素粒子は、所定量の炭素粒子に達するまで脱気容器内に収集することができる。その後、ロータリーバルブ1001及びエアロックバルブ1002を閉じることができ、ベントバルブ1005を開くことができる。ベントバルブ開口部は、ガスを脱気容器内の圧力(例えば、炭素粒子が圧力下で容器に導入される場合)で放出し、脱気容器を大気圧に置くことができる。次いで、ベントバルブを閉じることができ、不活性パージ弁1004を開いて不活性ガス(例えば、本明細書の他の箇所に記載される不活性ガス)の流れを可能にすることができる。不活性ガスは、炭素粒子に関連する(例えば、吸着される)ガスを置換及び/又は希釈するように構成されてもよい。例えば、可燃性及び/又は爆発性ガス(例えば、水素、炭化水素など)を炭素粒子の表面に吸着させることができ、不活性ガスは可燃性及び/又は爆発性ガスを置換することができる。不活性ガスの導入に続いて、パージ弁1004を閉じることができ、ベントバルブ1005を開いて不活性ガスと炭素粒子に関連するガスとの混合物を通気することができる。不活性ガスによるパージは、炭素粒子が不活性であると考えられるまで(例えば、炭素粒子内のガスは安全なレベルで存在する)繰り返すことができる。次いで、エアロック弁1006を介して炭素粒子を脱気容器から除去することができる。例えば、エアロック弁を開くことができ、炭素粒子は重力によって脱気容器から落下することができる。次いで、エアロック弁1006を閉じ、炭素粒子の別のバッチについてプロセスを繰り返すことができる。
【0078】
高圧脱気装置の使用は、高圧で炭素粒子(例えば、水素)に関連するガスの収集を可能にし得る。例えば、炭素粒子の細孔に吸着された水素は、反応器システムが動作されるのと同じ高圧で収集することができる。高圧でガスを回収することにより、二次加圧装置を使用せずに高圧システム(例えば、高圧化学合成、燃焼、燃料電池など)でガスを使用することが可能になる。したがって、ガスは、ガスの高圧のために下流プロセスでより容易に使用することができる。これは、ガスがより低い圧力にある場合と比較して、工学的要件を低減し、システムの機能を改善することができる。
【0079】
非限定的な例では、本開示に係る反応器は、19メガワットのエネルギー入力及び5.7トン/時の天然ガス原料の流れを提供することができる。この例では、不活性ガス(例えば、アルゴン)の10キログラム/時のパージには、50キログラム/時の再循環ガス流(例えば、40%のH2、10%の天然ガス、10%のエチレン、10%のエタン、10%の他の炭化水素、微量のHCN、20%のAr、10%のCO、又はこれらのパーセンテージの任意の組み合わせを含む)を供給することができる。この例では、約1.25トン/時間の水素を生成することができ、約3.5トン/時間の炭素粒子を生成することができる。この例では、炭素粒子1トン当たり約8キログラムの電極摩耗率を観察することができる。
【0080】
別の非限定的な例では、2段大気圧反応器は、本開示の高圧反応器と対比することができる。大気反応器には、18メガワットのエネルギー、3トン/時の天然ガス原料、及び300キログラムの再循環水素を供給することができる。この例では、たった0.75トン/時の水素が、同様の8キログラム/トンの炭素粒子電極摩耗で2トン/時の炭素粒子を用いて生成され得る。この例によって示されるように、本開示の増加した圧力は、2段階大気反応器と比較して、資本コストの節約及び効率の改善を提供することができる。
【0081】
本開示のシステム及び方法は、そのそれぞれが参照により本明細書に完全に組み込まれる、米国特許出願公開第2015/0210856号及び国際公開第2015/116807号(「高温化学処理のためのシステム」)、米国特許第公開米国特許出願公開第2015/0211378号(「複合サイクル発電プラント、単純サイクル発電プラント及び蒸気改質器によるプラズマ及び水素プロセスの統合」)、国際公開第2015/116797号(「サイクル発電プラント及び蒸気改質器の組み合わせによるプラズマ及び水素プロセスの統合」)、米国特許出願公開第2015/0210857号及び国際公開第2015/116798号(「カーボンブラックプラズマ法における供給原料の使用」)、米国特許出願公開第2015/0210858号及び国際公開第2015/116800号(「プラズマガススロートアセンブリ及び方法」)、米国特許出願公開第2015/0218383号及び国際公開第2015/116811号(「プラズマ反応器」)、米国特許出願公開第2015/0223314号及び国際公開第2015/116943号(「プラズマトーチ設計」)、国際公開第2016/126598号(「カーボンブラック燃焼性ガス分離」)、国際公開第2016/126599号(「カーボンブラック生成システム」)、国際公開第2016/126600号(「再生冷却方法及び装置」)、米国特許出願公開第2017/0034898号及び国際公開第2017/019683号(「DCプラズマトーチ電力設計方法及び装置」)、米国特許出願公開第2017/0037253号及び国際公開第2017/027385号(「カーボンブラックの製造方法」)、米国特許出願公開第2017/0058128号及び国際公開第2017/034980号(「カーボンブラック製造の高温熱統合方法」)、米国特許出願公開第2017/0066923号及び国際公開第2017/044594号(「円形状のFEW層グラフ」)、米国特許出願公開第20170073522号及び国際公開第2017/048621号(「天然ガスからのカーボンブラック」)、国際公開第2017/190045号(「粒子製造プロセス及び装置への二次熱添加」)、国際公開第2017/190015号(「トーチスティンガ方法及び装置」)、国際公開第2018/165483号(「熱伝達ガスを用いて炭素粒子を製造するシステム及び方法」)、国際公開第2018/195460号(「粒子システム及び方法」)、国際公開第2019/046322号(「粒子システム及び方法」)、国際公開第2019/046320号(「粒子生成のためのシステム及び方法」)、国際公開第2019/046324号(「粒子システム及び方法」)、国際公開第2019/084200号(「粒子システム及び方法」)、及び国際公開第2019/195461号(「処理のためのシステム及び方法」)に記載されている化学処理及び加熱方法、化学処理システム、反応器及びプラズマトーチなどの他のシステム及び/又は方法(適切な変更を伴う)と組み合わされてもよく、又はそれらによって変更されてもよい。
【0082】
コンピュータシステム
本開示は、本開示の方法を実施するようにプログラムされるコンピュータシステムを提供する。
図9は、本開示の方法、例えば、炭素粒子及び/又は水素を形成するための方法を実施するようにプログラムされる又はさもなければ構成されるコンピュータシステム901を示す。コンピュータシステム901は、例えば反応器の動作など、本開示の様々な態様を調整することができる。コンピュータシステム901は、ユーザの電子デバイス又は電子デバイスに対して遠隔的に位置されるコンピュータシステムとなり得る。電子デバイスは、モバイル電子デバイスとなり得る。
【0083】
コンピュータシステム901は、シングルコア又はマルチコアプロセッサ、或いは、並列処理のための複数のプロセッサとなり得る中央処理ユニット(CPU、本明細書では「プロセッサ」及び「コンピュータプロセッサ」でもある)905を含む。また、コンピュータシステム901は、メモリ又は記憶場所910(例えば、ランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリ、フラッシュメモリ)、電子記憶ユニット915(例えば、ハードディスク)、1つ以上の他のシステムと通信するための通信インタフェース920(例えば、ネットワークアダプタ)、及び、キャッシュ、他のメモリ、データ記憶、及び/又は、電子ディスプレイアダプタなどの周辺機器925も含む。メモリ910、記憶ユニット915、インタフェース920、及び、周辺機器925は、マザーボードなどの通信バス(実線)を介してCPU905と通信している。記憶ユニット915は、データを記憶するためのデータ記憶ユニット(又はデータリポジトリ)となり得る。コンピュータシステム901は、通信インタフェース920の助けを借りて、コンピュータネットワーク(「ネットワーク」)930に動作可能に結合することができる。ネットワーク930は、インターネット、インターネット及び/又はエクストラネット、或いは、インターネットと通信しているイントラネット及び/又はエクストラネットとなり得る。ネットワーク930は、場合によっては、遠隔通信及び/又はデータネットワークである。ネットワーク930は、クラウドコンピューティングなどの分散コンピューティングを可能にし得る1つ以上のコンピュータサーバを含むことができる。ネットワーク930は、場合によっては、コンピュータシステム901の助けを借りて、ピアツーピアネットワークを実装することができ、これにより、コンピュータシステム901に結合されたデバイスがクライアント又はサーバとして動作することが可能になる。
【0084】
CPU905は、プログラム又はソフトウェアで具体化することができる一連の機械可読命令を実行することができる。命令は、メモリ910などの記憶場所に記憶されてもよい。命令をCPU905に導くことができ、該命令は、その後、本開示の方法を実施するようにCPU905をプログラムする或いはさもなければ構成することができる。CPU905によって実行される動作の例としては、フェッチ、デコード、実行、及び、ライトバックを挙げることができる。
【0085】
CPU905は、集積回路などの回路の一部となり得る。システム901の他の1つ以上の構成要素を回路に含めることができる。場合によっては、回路が特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0086】
記憶ユニット915は、ドライバ、ライブラリ、及び、保存されたプログラムなどのファイルを記憶することができる。記憶ユニット915は、ユーザデータ、例えば、ユーザ選択及びユーザプログラムを記憶することができる。コンピュータシステム901は、場合によっては、イントラネット又はインターネットを介してコンピュータシステム901と通信しているリモートサーバ上に位置されるようなコンピュータシステム901の外部にある1つ以上の更なるデータ記憶ユニットを含むことができる。
【0087】
コンピュータシステム901は、ネットワーク930を介して1つ以上のリモートコンピュータシステムと通信することができる。例えば、コンピュータシステム901は、ユーザのリモートコンピュータシステムと通信することができる。リモートコンピュータシステムの例としては、パーソナルコンピュータ(ポータブルPCなど)、スレート又はタブレットPC(例えば、Apple(登録商標)iPad(登録商標)、Samsung(登録商標)GalaxyTab)、電話、スマートフォン(例えば、Apple(登録商標)iPhone(登録商標)、Android対応装置、Blackberry(登録商標))、或いは、携帯情報端末が挙げられる。ユーザは、ネットワーク930を介してコンピュータシステム901にアクセスすることができる。
【0088】
本明細書の方法は、例えば、メモリ910又は電子記憶ユニット915などの、コンピュータシステム901の電子記憶場所に記憶された機械(例えば、コンピュータプロセッサ)実行可能コードによって実施することができる。機械実行可能コード又は機械可読コードは、ソフトウェアの形で提供できる。使用中、コードはプロセッサ905によって実行することができる。場合によっては、コードは、記憶ユニット915から取り出され、プロセッサ905による即時アクセスのためにメモリ910に記憶され得る。状況によっては、電子記憶ユニット915を排除することができ、また、機械実行可能命令がメモリ910に記憶される。
【0089】
コードは、事前にコンパイルして、コードを実行するようになっているプロセッサを有するマシンで使用するように構成することもでき、また、実行時にコンパイルすることもできる。コードが事前にコンパイルされた又はコンパイル済みの態様で実行できるようにするべく選択され得るプログラミング言語でコードを供給することができる。
【0090】
コンピュータシステム901など、本明細書で提供されるシステム及び方法の態様は、プログラミングで具体化することができる。技術の様々な態様は、一般に機械(又はプロセッサ)実行可能コード及び/又はあるタイプの機械可読媒体に保持され又は具現化される関連データの形態の「製品」又は「製造品」と考えることができる。機械実行可能コードは、メモリ(例えば、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)又はハードディスクなどの電子記憶ユニットに記憶することができる。「ストレージ」タイプの媒体としては、コンピュータ、プロセッサなどの有形メモリのいずれか又は全て、或いは、ソフトウェアプログラミングのためにいつでも持続性ストレージを提供できる、様々な半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブなどの関連モジュールを挙げることができる。ソフトウェアの全て又は一部は、インターネット又はその他の様々な通信ネットワークを通じて通信される場合がある。そのような通信は、例えば、あるコンピュータ又はプロセッサから他のコンピュータ又はプロセッサへの、例えば、管理サーバ又はホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームへのソフトウェアのロードを可能にし得る。したがって、ソフトウェア要素を有し得る他のタイプの媒体は、有線ネットワーク及び光地上回線ネットワークを介して及び様々なエアリンクにわたって、ローカル装置間の物理インタフェース全体にわたり使用されるような、光、電気、及び、電磁波を含む。有線リンク又は無線リンク、光リンクなど、そのような波を伝える物理的要素も、ソフトウェアを有する媒体と見なされてもよい。本明細書中で使用されるように、コンピュータ又は機械「読み取り可能媒体」などの用語は、持続性の有形な「記憶」媒体に限定されなければ、実行のためにプロセッサに命令を与えることに関与する任意の媒体を指す。
【0091】
したがって、コンピュータ実行可能コードなどの機械可読媒体は、有形記憶媒体、搬送波媒体、又は、物理的伝送媒体を含むがこれらに限定されない多くの形態をとることができる。不揮発性記憶媒体は、例えば、図面に示されるデータベースなどを実装するために使用され得るような、(1又は複数の)任意のコンピュータなどの任意の記憶装置などの、光ディスク又は磁気ディスクを含む。揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータプラットフォームのメインメモリなどのダイナミックメモリを含む。有形伝送媒体としては、同軸ケーブル、コンピュータシステム内のバスを備える配線を含めて、銅線及び光ファイバが挙げられる。搬送波伝送媒体は、電気信号又は電磁信号、或いは、無線周波数(RF)及び赤外線(IR)データ通信中に生成されるような音響波又は光波の形をとってもよい。したがって、コンピュータ可読媒体の一般的な形式としては、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、その他の磁気媒体、CD-ROM、DVD又はDVD-ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード紙テープ、穴のパターンがある任意の他の物理的な記憶媒体、RAM、ROM、PROM及びEPROM、FLASH-EPROM、任意の他のメモリチップ又はカートリッジ、データ又は命令を伝送する搬送波、そのような伝送波を伝送するケーブル又はリンク、或いは、コンピュータがプログラミングコード及び/又はデータを読み取ることができるようにする任意の他の媒体が挙げられる。これらの形態のコンピュータ可読媒体の多くは、実行のためにプロセッサに1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを担持することに関与し得る。
【0092】
コンピュータシステム901は、例えば、反応器を動作させるための制御装置へのアクセスを行なうためのユーザインタフェース(UI)940を備える電子ディスプレイ935を含むことができる又は電子ディスプレイ935と通信することができる。UIの例としては、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)及びウェブベースのユーザインタフェースが挙げられるが、これらに限定されない。
【0093】
本開示の方法及びシステムは、1つ以上のアルゴリズムによって実装することができる。アルゴリズムは、中央処理ユニット905による実行時にソフトウェアを介して実装することができる。アルゴリズムは、例えば、反応器システムを少なくとも部分的に自律的に動作させることができる。
【0094】
本開示の例示的な実施形態
1.プラズマ発生器を用いて炭化水素を大気圧よりも高い圧力で加熱することによって水素を生成するステップを含む、処理方法。
【0095】
2.炭化水素をプラズマ発生器に加えるステップを更に含む、態様1の方法。
【0096】
3.プラズマ発生器がAC電極を備える、態様1の方法。
【0097】
4.プラズマ発生器がDC電極を備える、態様1の方法。
【0098】
5.炭素質材料を生成するステップを更に含む、態様1の方法。
【0099】
6.炭素質材料が炭素粒子を含む、態様5の方法。
【0100】
7.水素及び炭素質材料を連続的に生成するステップを更に含む、態様5の方法。
【0101】
8.炭化水素がガスである、態様1の方法。
【0102】
9.炭化水素が天然ガスを含む、態様1の方法。
【0103】
10.炭化水素が天然ガスである、態様9の方法。
【0104】
11.炭化水素を加熱し、単一のチャンバ内で水素を生成するステップを更に含む、態様5の方法。
【0105】
12.水素及び炭素質材料をワンススルー単一段階プロセスで生成するステップを更に含む、態様5の方法。
【0106】
13.圧力が約2bar以上である、態様5の方法。
【0107】
14.圧力が約5bar以上である、態様18の方法。
【0108】
15.圧力が約10bar以上である、態様19の方法。
【0109】
16.炭化水素を大気圧よりも高い圧力の電気エネルギーで加熱することによって、実質的に不活性又は実質的に酸素を含まない環境又は雰囲気中で水素を生成するステップを含む、処理方法。
【0110】
17.炭素質材料を生成するステップを更に含む、態様16の方法。
【0111】
18.炭素質材料が炭素粒子を含む、態様17の方法。
【0112】
19.水素及び炭素質材料を連続的に生成するステップを更に含む、態様17の方法。
【0113】
20.炭化水素がガスである、態様16の方法。
【0114】
21.炭化水素が天然ガスを含む、態様16の方法。
【0115】
22.炭化水素が天然ガスである、態様21の方法。
【0116】
23.プラズマ発生器で炭化水素を加熱するステップを更に含む、態様16の方法。
【0117】
24.炭化水素を電気エネルギーで直接加熱するステップを更に含む、態様16の方法。
【0118】
25.耐火物で裏打ちされた反応器内で水素を生成するステップを更に含む、態様16の方法。
【0119】
26.炭化水素を加熱し、単一のチャンバ内で水素を生成するステップを更に含む、態様16の方法。
【0120】
27.水素及び炭素質材料をワンススルー単一段階プロセスで生成するステップを更に含む、態様16の方法。
【0121】
28.電気エネルギーを使用して炭化水素から水素を除去するステップを更に含む、態様16の方法。
【0122】
29.圧力が約2bar以上である、態様16の方法。
【0123】
30.圧力が約5bar以上である、態様29の方法。
【0124】
31.圧力が約10bar以上である、態様30の方法。
【0125】
32.熱交換器、フィルタ及び固体ハンドリング機器を使用するステップを更に含む、態様16の方法。
【0126】
33.固体ハンドリング機器は、冷却固体炭素収集スクリューコンベヤ、エアロック及びパージシステム、空気圧搬送システム、機械的搬送システム、分級ミル、及び製品貯蔵容器を含む、態様32の方法。
【0127】
34.実質的に酸素を含まない環境又は雰囲気で水素を生成するステップを更に含む、態様16の方法。
【0128】
35.実質的に不活性な環境又は雰囲気中で水素を生成するステップを更に含む、態様16の方法。
【0129】
36.炭化水素を電気エネルギーで直接加熱することによって、実質的に不活性又は実質的に酸素を含まない環境又は雰囲気中で水素を生成するステップを含む、処理方法。
【0130】
37.炭化水素がガスである、態様36の方法。
【0131】
38.炭化水素が天然ガスを含む、態様36の方法。
【0132】
39.炭化水素が天然ガスである、態様38の方法。
【0133】
40.炭素質材料を生成するステップを更に含む、態様36の方法。
【0134】
41.炭素質材料が炭素粒子を含む、態様40の方法。
【0135】
42.水素及び炭素質材料を連続的に生成するステップを更に含む、態様40の方法。
【0136】
43.プラズマを発生させるステップを更に含む、態様36の方法。
【0137】
44.AC電極を使用してプラズマを発生させるステップを更に含む、態様43の方法。
【0138】
45.DC電極を使用してプラズマを発生させるステップを更に含む、態様43の方法。
【0139】
46.体積又はモルで約2%未満の分子状酸素を含む環境又は雰囲気中で水素を生成するステップを更に含む、態様36の方法。
【0140】
47.炭化水素を直接加熱し、単一のチャンバ内で水素を生成するステップを更に含む、態様36の方法。
【0141】
48.ワンススルー単一段階プロセスで水素及び炭素質材料を生成するステップを更に含む、態様36の方法。
【0142】
49.閉じ込められた空間内に熱プラズマを発生させるために約10メガワットの入力電力で動作するように構成される反応器を備え、反応器は少なくとも約1.5barの圧力で動作し、反応器の壁の温度が約2000°C未満であり、反応器の中心から反応器の壁までの距離が約3メートル未満である、デバイス。
【0143】
50.使用中、反応器は、反応器の中心と反応器の壁との間に温度勾配を含む、態様49のデバイス。
【0144】
51.勾配は、反応器内のプラズマガスの少なくとも一部として炭化水素が使用されることに少なくとも部分的に起因して形成される、態様50のデバイス。
【0145】
52.反応器の勾配は、プラズマガスの少なくとも一部として使用される炭化水素を有しない反応器よりも少なくとも約10%大きい、態様51のデバイス。
【0146】
以下の例は、本明細書に記載の特定のシステム及び方法を例示するものであり、限定することを意図するものではない。
【0147】
例1-上記の周囲圧力反応器の予測される特性
図7は、一実施形態に係る、ある範囲の反応器圧力対正規化表面積測定値の一例のプロットである。この例の生成で使用される条件は、プロセスガスとしてメタン、水素、及び窒素を用いた1900Kでのプラグ流反応器の使用であり得る。
【0148】
プロットは、反応器の圧力が増加するにつれて、その反応器内で形成される炭素粒子の予想表面積が減少することを示す。表面積の減少の程度は、他の特性の中でも、反応器の構成、反応物濃度、周囲のガス環境組成、原料組成、課された流体熱環境など、又はそれらの任意の組み合わせに関連し得る。
【0149】
図8は、一実施形態に係る、反応器圧力の増加に伴う反応器収率の増加の実証例のプロットである。プロットは、CNATERAソフトウェアフレームワークを使用して生成されたシミュレーションを示すことができる。
【0150】
本発明の好ましい実施形態について図示して本明細書中で説明してきたが、当業者に明らかなように、そのような実施形態は単なる一例として与えられる。本発明が、明細書中で提供される特定の例によって限定されることは意図されていない。前述の仕様に関連して本発明を説明してきたが、本明細書の実施形態の説明及び例示は、限定的な意味で解釈されることを意図していない。この時点では、本発明から逸脱することなく、数多くの変形、変更、及び、置換が当業者に想起される。更に、本発明の全ての態様は、様々な条件及び変数に依存する、本明細書中に記載された特定の描写、形態、又は、相対的比率に限定されないことが理解されるものとする。本明細書中に記載される本発明の実施形態に対する様々な代替案が、本発明を実施する際に使用されてもよいことが理解されるべきである。したがって、本発明は、そのような代替、修正、変形、又は、同等物も網羅するものとすることが企図される。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法及び構造並びにそれらの均等物がそれによってカバーされることが意図されている。
【国際調査報告】