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特表2024-544042分散型音響センシング統合超音波装置による積雪量/水位検出
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  • 特表-分散型音響センシング統合超音波装置による積雪量/水位検出 図1
  • 特表-分散型音響センシング統合超音波装置による積雪量/水位検出 図2
  • 特表-分散型音響センシング統合超音波装置による積雪量/水位検出 図3
  • 特表-分散型音響センシング統合超音波装置による積雪量/水位検出 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-27
(54)【発明の名称】分散型音響センシング統合超音波装置による積雪量/水位検出
(51)【国際特許分類】
   G01H 9/00 20060101AFI20241120BHJP
   G01D 5/353 20060101ALI20241120BHJP
   G01W 1/14 20060101ALI20241120BHJP
   G01F 23/296 20220101ALN20241120BHJP
【FI】
G01H9/00 E
G01D5/353 B
G01W1/14 C
G01F23/296
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522625
(86)(22)【出願日】2022-10-20
(85)【翻訳文提出日】2024-04-16
(86)【国際出願番号】 US2022047202
(87)【国際公開番号】W WO2023069569
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】63/270,656
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/968,997
(32)【優先日】2022-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504080663
【氏名又は名称】エヌイーシー ラボラトリーズ アメリカ インク
【氏名又は名称原語表記】NEC Laboratories America, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】オズハラー、 サーパー
(72)【発明者】
【氏名】ティアン、 ユエ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、 ティン
(72)【発明者】
【氏名】ディン、 ヤンミン
【テーマコード(参考)】
2F014
2F103
2G064
【Fターム(参考)】
2F014FB10
2F103BA37
2F103BA48
2F103CA07
2F103FA04
2F103FA15
2G064AB03
2G064AB23
2G064AB26
2G064BC12
2G064BC33
2G064CC61
(57)【要約】
本開示の態様は、分散型光ファイバセンシング/分散型音響センシング(DFOS/DAS)と、ライブ通信トラフィックを伝送する既存の光通信設備、またはそのような検出のために特別に設置された光設備で有利に動作する統合超音波装置を使用した、積雪量/水位検出について記載する。DFOS/DASによる積雪量/水位の監視は、変化する環境条件に対してロバスト性を発揮しながら、広い範囲を高感度で監視できるという利点があり、遠隔地(電柱またはその他の設置場所)に取り付けられた超音波センサ/トランスデューサを使用して、コード化された振動信号として積雪量/水位データをリアルタイムに提供する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光センサファイバと、
1つまたは複数の周波数の光パルスを生成し、生成されたパルスを前記光センサファイバに入力し、前記光センサファイバから後方散乱信号を受信し、前記後方散乱信号から前記光センサファイバに沿った1つまたは複数のポイントで発生する音響/振動のアクティビティを判定するDFOSインタロゲータと、
光センサファイバに沿った位置に配置され、地面よりも上に設置された超音波トランスデューサと、を有し、
前記超音波トランスデューサは、
前記超音波トランスデューサと前記地面との間の基準の距離を判定し、
前記超音波トランスデューサと前記地面との間の測定された距離を判定し、
前記基準の距離と前記測定された距離との差から積雪量/水位を決定し、
前記積雪量/水位を前記超音波トランスデューサによって機械的に生成される振動パターンにエンコードし、機械的な振動パターンは、前記DFOSインタロゲータによる検出のための前記光センサファイバにおける機械的な振動を生成し、
前記DFOSインタロゲータは、後方散乱音響信号から前記積雪量/水位を判定するように構成された、分散型光ファイバセンシング(DFOS)システム。
【請求項2】
前記DFOSインタロゲータは、前記光センサファイバに沿って積雪量/水位が判定される位置を決定するようにさらに構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記光センサファイバ及び前記超音波トランスデューサが電柱に取り付けられた、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
1つまたは複数の電柱に取り付けられた複数の前記超音波トランスデューサをさらに備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記超音波トランスデューサは、所定の時間間隔で前記積雪量/水位を判定するように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記積雪量/水位は、前記振動パターンに1対1でマッピングされた、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記振動パターンは、中心周波数と継続時間とを示す、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記積雪量/水位は一連の数字として表され、前記積雪量/水位の1の位の値がD1であるとき、前記振動パターンFの周波数は、
【数1】

で表される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
D2を前記積雪量/水位の10の位の値とすると、前記振動パターンの継続時間Dvpは、
【数2】

で表される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
予め決められたレベルを超える積雪量/水位に、所定の最大振動パターンがマッピングされる、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記所定の最大振動パターンには、継続時間が1秒間、周波数が900Hzの振動パターンを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記光センサファイバは、前記DFOSパルス及び前記後方散乱信号と同時にライブ通信トラフィックを伝送する、請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
前記DFOSシステムは、分散型音響センシング(DAS)、分散型振動センシング(DVS)及び分散型温度センシング(DTS)のうちの1つまたは複数を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記光センサファイバは、複数の光ファイバを有する光ケーブルに含まれる、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記光ケーブルは、複数の前記光センサファイバを含む、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には分散型光ファイバセンシング(DFOS:distributed fiber optic sensing)システム、方法及び構造に関する。より具体的には、DFOS/分散型音響センシング(DAS:distributed acoustic sensing)を超音波装置と組み合わせて使用し、積雪や浸水の深さをリアルタイムに判定/監視することを開示する。
【背景技術】
【0002】
当業者には周知のように、分散型光ファイバセンシング(DFOS)は、光ファイバに沿って移動する光の物理的な特性を利用して、温度、歪み、振動及びその他のパラメータの変化を検出する。DFOSは、光ファイバに沿って連続したセンサポイントの配列を提供する、光ファイバをセンサとして使用する。
【0003】
分散型音響センシング(DAS)は、光ファイバ(または光ファイバケーブル)に沿って実質的に無制限のポイントからリアルタイムで空間的に分割された音響及び振動の出力データを提供する、一般化されたDFOSに基づいて構築されたセンシング技術である。DASは、ライブ通信トラフィックを伝送する一般的な光ファイバを、一連の数千の音響マイクロフォンまたは振動センシング装置に効果的に変化させる。有利なことに、DASは、これらの仮想マイクロフォン/振動センシング装置から数千チャネルの出力をリアルタイムに生成する。
【0004】
浸水及び積雪の深さは、人々、交通、インフラの安全のために注意深く監視する必要がある重要な値である。これらの状態を監視する方法は存在するが、多くの場合、不便で時間がかかり、地方では利用できない。
【発明の概要】
【0005】
上記の問題は、分散型音響センシング及び統合超音波装置を使用した、積雪量/水位検出に関する本開示の態様により解決され、本技術における進歩が達成される。
【0006】
従来技術とは対照的に、本開示の態様による積雪量/水位検出は、ライブ通信トラフィックを伝送する既存の光通信設備、またはそのような検出/監視のために特別に設置された光設備を介して実行する。
【0007】
第1の態様から見ると、本開示は、環境条件の変化に対するロバスト性を示しつつ、広い領域を高感度で有利に監視する積雪量/水位のDFOS監視に関する。
【0008】
別の態様から見ると、本開示は、コード化された振動信号としてリアルタイムに積雪量/水位データを提供する、遠隔地(電柱またはその他の設置場所)に取り付けられた超音波センサを使用する積雪量/水位のDOFS監視に関する。
【0009】
本開示のより完全な理解は、添付の図面を参照することで実現される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本技術で知られているDFOSシステムを示す概略図である。
【0011】
図2図2は、本開示の態様による、DOFSを提供する例示的な電柱に取り付けられた超音波装置及び光ファイバセンサケーブルを示す概略図である。
【0012】
図3図3は、本開示の態様による、積雪/水深(レベル)の例示的な動作を示す概略フロー図である。
【0013】
図4図4は、本開示の態様による、DFOS/超音波積雪/水深監視に関連する例示的な特徴を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下は、単に本開示の原理を例示するものである。したがって、当業者であれば、本明細書で明示的に説明または図示されていなくても、本開示の主旨及び範囲に含まれる、本開示の原理を具体化する様々な構成を考え出すことができることを理解されたい。
【0015】
さらに、本明細書で挙げる全ての実施例及び条件付き用語は、本開示の原理及び本技術を促進するために本発明者らが提供する概念の理解を助ける教育目的のためだけであることを意味し、具体的に挙げられた実施例及び条件に限定されないと解釈されるべきである。
【0016】
さらに、本開示の原理、態様及び実施形態、並びにその特定の実施例で挙げる本明細書の全ての記載は、その構成及び機能の均等物の両方を含むことを意味する。さらに、そのような均等物には、現在知られている均等物と、将来開発される均等物、すなわち構成に関係なく同じ機能を実現する、開発された要素の両方を含むことを意味する。
【0017】
したがって、例えば、本明細書の任意のブロック図は、本開示の原理を実施する回路の実例を示す概念図であることが当業者には理解されるであろう。
【0018】
本明細書では、特に明記しない限り、図を含む図面は、正確な縮尺率で描かれていない。
【0019】
追加の背景として、分散型光ファイバセンシング(DFOS)は、光ファイバケーブルに沿った任意の場所の環境条件(温度、振動、音響励起振動、伸張レベル等)を検出するための、重要かつ広く使用されている技術であり、光ファイバケーブルはインタロゲータに接続されていることを最初に指摘しておく。周知のように、現代のインタロゲータは、ファイバに対する入力信号を生成し、反射/散乱されてその後受信する信号を検出/分析するシステムである。該信号は分析され、ファイバに沿って発生する環境条件を示す出力が生成される。受信する信号は、ラマン後方散乱、レイリー後方散乱、ブリルアン後方散乱等のファイバ内の反射によって生じる可能性がある。DFOSでは、複数のモードの速度差を利用した順方向の信号も使用できる。一般性を失うことなく、以下の説明では反射信号を想定しているが、同じアプローチはフォーワード信号にも適用できる。
【0020】
図1は、一般化された従来のDFOSシステムの概略図である。理解されているように、現代のDFOSシステムには、定期的に光パルス(または任意のコード化された信号)を生成し、それを光ファイバに入力するインタロゲータが含まれている。入力された光パルス信号は光ファイバに沿って伝送される。
【0021】
ファイバに沿った位置において、信号のごく一部が反射され、インタロゲータに返送される。反射信号は、例えば機械的な振動を示す電力レベルの変化等、インタロゲータが検出のために使用する情報を伝達する。理解及び認識されているように、インタロゲータには、当該技術で知られているコヒーレント受信機の構成を採用できる、コード化されたDFOSシステムを含むことができる。
【0022】
反射信号は電気ドメインに変換され、インタロゲータで処理される。パルスの入力時間と信号が検出された時間とに基づいて、インタロゲータはファイバのどの位置から信号が来ているかを判断し、ファイバの各位置のアクティビティを感知できる。
【0023】
当業者であれば、インタロゲーション信号に信号コーディングを実施することで、より多くの光パワーをファイバに送信できるようになり、レイリー散乱ベースのシステム(例えば、分散型音響センシング、すなわちDAS)及びブリルアン散乱ベースのシステム(例えば、ブリルアン光時間領域反射測定法、すなわちBOTDR)の信号対雑音比(SNR)を有利に改善できることを理解及び認識するであろう。
【0024】
現在多くの現代的な実施態様で実装されているように、光ファイバケーブルにおけるDFOSシステムには専用ファイバが割り当てられ、異なるファイバで伝送される既存の光通信信号とは物理的に分離されている。しかしながら、帯域幅の需要が爆発的に増加していることを考えると、DFOSの運用のためだけに光ファイバを経済的に運用及びメンテナンスすることはますます困難になってきている。その結果、より大きなマルチファイバケーブルの一部である共通ファイバに通信システムとセンシングシステムとを統合することへの関心が高まっている。
【0025】
運用上、DFOSシステムは、コーディングの実装を備えたレイリー散乱ベースのシステム(例、分散型音響センシングまたはDAS)とブリルアン散乱ベースのシステム(例、ブリルアン光時間領域反射測定法またはBOTDR)であると想定している。このようなコーディング設計により、これらのシステムは、低電力で動作するため、ファイバ通信システムと統合される可能性が高く、光増幅器の応答時間の影響も大きくなる。
【0026】
上述したように、分散型光ファイバセンシング(DFOS)技術は、長いセンシング距離と高い精度で環境変数(温度、歪み、振動、音響等)を監視できることから、数十年にわたって広く研究され、開発されてきた。特に興味深いのは、レイリーベースのDFOSが、分散型音響センシング(DAS)、分散型振動センシング(DVS:distributed vibration sensing)、分散型温度/歪みセンシング(DTSS:distributed temperature/strain sensing)等の幅広いアプリケーションで使用されていることである。
【0027】
既に述べたように、浸水及び積雪量は、人々、交通、インフラの安全を確保するために注意深く監視する必要がある重要な値である。現在、超音波距離測定やビデオカメラと画像処理ソフトウェアを用いた積雪量や水位の監視技術がいくつか存在する。
【0028】
周知のように、カメラベースのアプローチでは、通常、外部電源、良好な照明条件(夜間のための追加照明)及び外部通信システムが必要となる。同様に、超音波測定アプローチでは、測定された積雪量/水位を受信/報告ステーション、つまり中央オフィスに伝達するために、外部電源と外部通信システムとが必要である。2つのアプローチを比較すると、超音波アプローチは、カメラ/画像アプローチと比べてコストが低く、信頼性が高い傾向がある。それにもかかわらず、測定された積雪量/水位の通信の必要性が、特に地方において、既存のアプローチの重大な弱点となっている。
【0029】
後述するように、本開示は、別個の通信設備を必要としない積雪量/水位監視用のDFOS検知システムに関する。特に重要なことは、本開示の独創的なDFOSシステムは、ライブ通信トラフィックを伝送する既存の光通信設備でも動作することである。そのような通信設備は、通常、厳しい環境条件や商用電源の潜在的な喪失に耐えるように設計されているため、積雪量/水位を監視する本開示のDFOSシステムは同様の信頼性を有利に示す。
【0030】
図2は、本開示の態様による、DOFSを提供する例示的な電柱に取り付けられた超音波装置及び光ファイバセンサケーブルを示す概略図である。この図を参照すると、このような電柱には、電柱に取り付けられた太陽光電池/バッテリ駆動の超音波装置(電子アクチュエータ)を含む場合がある。超音波アクチュエータは、下方に向けられ、連続して、または定期的に(予め決められた、または遠隔制御により)センサと地面との間の距離を測定し、かつ最初に基準の値を測定する超音波センサを含む。
【0031】
降雪により積雪量が増加したり、浸水等により水位が上昇したりすると、超音波センサと地表との距離が変化する。具体的には、雪や水の深さが増えるにつれて、超音波センサと雪や水の表面との間の距離が短くなる。先に決定された基準とこの新たに測定された短い距離との差が、測定された雪または水の深さである。この深さレベルが測定されると、受信局/中央オフィスに送信される。
【0032】
本開示の目的のため、超音波アクチュエータ装置は、DFOS/DAS光ファイバセンサケーブルに対する機械的な振動子として機能するトランスデューサ/スピーカを含む。深さレベルに基づいて特定の振動パターンを生成し、振動の周波数、振動の継続時間、振動の繰り返しにおいて積雪/水の深さレベルがコード化される。このコード化された振動パターンが生成され、アクチュエータが機械的な振動を生成し、それにより電柱及び光ファイバセンサケーブルを振動させる。運用中のDFOS/DASシステムは、生成された機械的な振動を検出し、その位置を特定し、デコードすることで、積雪/水の深さレベルの情報を取得する。したがって、深さレベルはコード化された振動パターンによってDFOS/DASを介して中央オフィスに送信される。
【0033】
当業者であれば理解及び認識するように、本開示の方法及び装置を使用して数十キロメートルに及ぶ光ファイバの経路に沿った複数の低コストの積雪/浸水の深さレベルの監視装置を設置し、DFOS/DASシステムの一部である単一の光センサファイバによってリアルタイムに監視できる。このような光センサファイバは、ライブ通信トラフィックを同時に伝送するライブ通信設備であってもよい。
【0034】
当業者であれば理解できるように、本開示の1つの態様は、振動要素としてトランスデューサを使用し、深さ情報をDFOS/DASシステムによって検出され、コード化された機械的振動として送信することである。DFOS/DASシステムは、全てのセンサを同時に監視し、それぞれの位置と送信されたデータを検出するため、各センサを個別に識別してラベル付けする必要がないという利点がある。
【0035】
さらに、測定された深さレベル情報を振動パターンにコード化することで、特定の深さレベル値をcmの分解能で振動パターンにマッピングすることが可能となり、その後、DFOS/DASシステムによって検出、位置特定及びデコードされる。
【0036】
最後に、DFOS/DASを使用することで、特別な同期やタイミングを考慮することなく、複数の超音波/トランスデューサ装置をファイバ経路に沿って設置できる。複数のセンサが同時に振動パターンを生成する場合でも、DFOS/DASシステムは、異なる振動源とその位置を矛盾なく一致させる。
【0037】
図3は、本開示の態様による、積雪/水の深さ(レベル)の例示的な動作を示す概略フロー図である。
【0038】
この図を参照すると、超音波/トランスデューサ装置は、動作上、地上約5メートルの高さの柱に取り付けられ、超音波センサは地面に向かって下方に向けられていることが分かる。
【0039】
超音波/トランスデューサ装置は、自身から地面までの距離を測定する。この距離が基準(深さ0cm)として取得される。
【0040】
超音波/トランスデューサ装置は、1日1回、1時間毎、1分毎またはその他の時間間隔等の予め調整された時間間隔で距離測定を行う。
【0041】
地面までの距離が基準よりも短いと測定されると(つまり、雪や水のために地表のレベルが上昇した場合)、その差が新しい深さレベル、例えば23cmとして取得される。
【0042】
この深さの値は、振動パターンに1対1でマッピングされる。
【0043】
振動パターンは中心周波数と継続時間とを有する。深さが数字である場合、振動の周波数は次のように定義できる。
【数1】

ここで、D1は深さの1の位の値である。
【0044】
振動の継続時間は以下のように定義される。
【数2】

ここで、D2は深さの10の位の値である。
【0045】
例えば、深さが23cmの場合、10の位D2=2、1の位DI=3となり、振動パターンは次のようになる。
【数3】
【0046】
その他の例としては、
深さ00cm=>F=400Hz、0.5秒間
深さ09cm=>F=850Hz、0.5秒間
深さ17cm=>F=750Hz、1秒間
である。
【0047】
上限深さレベル(例えば、30cm)を指定することも可能であり、30cm以上の深さは、F=900Hz、1秒間の振動パターンにマッピングされる。
【0048】
当業者であれば、これは単なる例示のコーディングであり、他に使用し易いコーディング技術を採用してもよいことを理解し認識するであろう。
【0049】
このような測定が装置サイトでローカルに行われると、生成されたパターンがDOFS/DASを介して検出され、ローカライズされる。検出されローカライズされた振動データの継続時間と周波数とに基づいて、特定の場所の深さレベルの情報を取得できる。
【0050】
図4は、本開示の態様による、DFOS/超音波積雪/水深監視に関連する例示的な特徴を示す図である。
【0051】
ここでは、いくつかの具体的な例を用いて本開示を示したが、当業者であれば本教示がそれらに限定されないことを認識するであろう。したがって、本開示は本明細書に添付される特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】