(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-27
(54)【発明の名称】耐ショート性を有する継電器
(51)【国際特許分類】
H01H 50/38 20060101AFI20241120BHJP
H01H 50/54 20060101ALI20241120BHJP
H01H 1/54 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
H01H50/38 H
H01H50/54 G
H01H1/54
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532254
(86)(22)【出願日】2021-12-31
(85)【翻訳文提出日】2024-06-04
(86)【国際出願番号】 CN2021143467
(87)【国際公開番号】W WO2023108827
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】202111518789.6
(32)【優先日】2021-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524202281
【氏名又は名称】三友聯衆集団股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SANYOU CORPORATION LIMITED
【住所又は居所原語表記】No. 27, Central Second Road Puxin Lake Tangxia Town Dongguan, Guangdong 523000, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】王 亜賓
(72)【発明者】
【氏名】于 栄愛
(72)【発明者】
【氏名】唐 俊平
(72)【発明者】
【氏名】朱 陸寧
(72)【発明者】
【氏名】劉 振偉
【テーマコード(参考)】
5G051
【Fターム(参考)】
5G051NA03
5G051NB02
5G051NB15
(57)【要約】
本発明は、耐ショート性を有する継電器を開示し、継電器の技術分野に関し、固定ベース、接点引出端、プッシュロッドアセンブリ、第1透磁シート及び第2透磁シートを備え、接点引出端は少なくとも2つあって固定接点が設置され、可動ばね片の両端に固定接点に対応して可動接点が設置され、第1透磁シートは可動ばね片に平行する移動方向に沿って可動ばね片の固定接点に向かう側に移動可能に設置され、第2透磁シートは可動ばね片の固定接点に背く側に設置されており、第1透磁シートと第2透磁シートとが磁気回路を形成することができ、プッシュロッドアセンブリが動作し続けてオーバーストロークを実現する過程において、第1透磁シートが可動ばね片に平行する移動方向に沿って所定のストローク内で第2透磁シートに接近する。本発明に係る耐ショート性を有する継電器は、第1透磁シートと第2透磁シートとの間隔を短縮することにより、可動接点及び固定接点の閉鎖をより安定且つ確実にし、ショート時に比較的大きな電流に生じた電動斥力に対抗することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐ショート性を有する継電器であって、
固定ベース(1)と、
接点引出端(2)であって、前記接点引出端(2)は前記固定ベース(1)に固定され、且つ固定接点が設置され、前記接点引出端が少なくとも2つ設置される接点引出端(2)と、
プッシュロッドアセンブリ(4)と、
可動ばね片(3)であって、前記可動ばね片(3)に前記固定接点に対応して可動接点が設置され、前記可動ばね片(3)が前記プッシュロッドアセンブリ(4)に平行する滑り方向に沿って前記プッシュロッドアセンブリ(4)に対して移動可能に設置される可動ばね片(3)と、
前記可動ばね片(3)の前記固定接点に向かう側に移動可能に設置される第1透磁シート(6)と、
前記可動ばね片(3)の前記固定接点に背く側に設置され、且つ前記第1透磁シート(6)と磁気回路を形成できる第2透磁シート(8)と、を備え、
前記プッシュロッドアセンブリ(4)が前記可動ばね片(3)を駆動して動作させることで、前記可動ばね片(3)の可動接点を前記接点引出端(2)の固定接点に接触させた後で、前記プッシュロッドアセンブリ(4)が動作し続けてオーバーストロークを実現する過程において、前記第1透磁シート(6)は前記可動ばね片(3)に平行する移動方向に沿って所定のストローク内で前記第2透磁シート(8)に接近する方向へ移動することを特徴とする耐ショート性を有する継電器。
【請求項2】
オーバートラベル弾性部材(5)を更に備え、前記プッシュロッドアセンブリ(4)がオーバーストロークを実現する過程において、前記オーバートラベル弾性部材(5)は前記固定接点の方向に向かうオーバートラベル弾性力を前記可動ばね片(3)に印加することができることを特徴とする請求項1に記載の耐ショート性を有する継電器。
【請求項3】
制限構造(7)を更に備え、前記制限構造(7)が前記第1透磁シート(6)に接続されており、前記第1透磁シート(6)が所定のストロークに応じて前記第2透磁シート(8)に接近する場合、前記制限構造(7)が前記第1透磁シート(8)を制限することで、第1透磁シート(6)と前記第2透磁シート(8)との間隔を所定の範囲値内にすることを特徴とする請求項1に記載の耐ショート性を有する継電器。
【請求項4】
前記プッシュロッドアセンブリ(4)はプッシュロッド(401)と、プッシュロッド(401)を駆動して移動させる電磁アセンブリ(402)とを含み、前記可動ばね片(3)に第1貫通孔(301)が開設され、前記プッシュロッド(401)が前記第1貫通孔(301)を摺動貫通し、前記第1透磁シート(6)が前記プッシュロッド(401)に摺動可能に接続されることを特徴とする請求項3に記載の耐ショート性を有する継電器。
【請求項5】
前記制限構造(7)は前記プッシュロッド(401)に設置され、且つ前記第1透磁シート(6)と前記可動ばね片(3)との間に位置することを特徴とする請求項4に記載の耐ショート性を有する継電器。
【請求項6】
前記制限構造(7)は前記プッシュロッド(401)に固定接続されるストッパブロックであることを特徴とする請求項5に記載の耐ショート性を有する継電器。
【請求項7】
前記プッシュロッド(401)は第1摺動端(4011)及び第2摺動端(4012)を含み、前記第1摺動端(4011)の外径が前記第2摺動端(4012)の外径よりも小さく、前記制限構造(7)が前記第1摺動端(4011)と前記第2摺動端(4012)との接続位置に形成された段付き部(4013)であり、
前記第1摺動端(4011)が前記第1貫通孔(301)に摺動可能に係合され、
前記第1透磁シート(6)に第2貫通孔(601)が開設され、前記第1摺動端(4011)が前記第2貫通孔(601)に摺動可能に係合されることを特徴とする請求項5に記載の耐ショート性を有する継電器。
【請求項8】
前記第1透磁シート(6)に前記第2貫通孔(601)の周りに前記段付き部(4013)に係合される係合凹溝(602)が一回り設置され、前記係合凹溝(602)が前記第1透磁シート(6)の前記可動ばね片(3)に向かう側に位置することを特徴とする請求項7に記載の耐ショート性を有する継電器。
【請求項9】
前記プッシュロッド(401)の前記可動ばね片(3)に接近する末端にストッパ部材(11)が設置され、
継電器は第1滑り棒(13)を更に備え、前記第1滑り棒(13)の一端が前記第1透磁シート(6)に固定され、前記第1滑り棒(13)が前記ストッパ部材(11)を摺動貫通し、前記制限構造(7)が前記第1滑り棒(13)の前記第1透磁シート(6)から離れる端に位置し、且つ前記ストッパ部材(11)の前記第1透磁シート(6)に背く側の表面に当接されることができ、
又は、前記第1滑り棒(13)の一端が前記ストッパ部材(11)に固定され、前記第1滑り棒(13)が前記第1透磁シート(6)を貫通し、前記制限構造(7)が前記第1滑り棒(13)の前記第1透磁シート(6)から離れる端に位置し、且つ前記第1透磁シート(6)の前記ストッパ部材(11)に背く表面に当接されることができ、
又は、前記制限構造(7)は第1制限端(1301)及び第2制限端(1302)を含み、前記第1制限端(1301)と第2制限端(1302)がそれぞれ前記第1滑り棒(13)の両端に設置され、前記第1滑り棒(13)が前記第1透磁シート(6)、前記ストッパ部材(11)を摺動貫通し、且つ前記第1制限端(1301)が前記ストッパ部材(11)の前記第1透磁シート(6)に背く表面に当接されることができ、前記第2制限端(1302)が前記第1透磁シート(6)の前記ストッパ部材(11)に背く表面に当接されることができることを特徴とする請求項4に記載の耐ショート性を有する継電器。
【請求項10】
前記プッシュロッドアセンブリ(4)はプッシュロッド(401)と、プッシュロッド(401)を駆動して移動させる電磁アセンブリ(402)とを含み、前記プッシュロッド(401)の端部に押板(4014)が設置され、前記押板(4014)が前記オーバートラベル弾性部材(5)により前記可動ばね片(3)に接続されることを特徴とする請求項3に記載の耐ショート性を有する継電器。
【請求項11】
それぞれ前記可動ばね片(3)の対向側に設置された2つの案内板(14)を更に備え、2つの前記案内板(14)は前記可動ばね片(3)が滑る第2案内溝(1401)を形成し、
前記案内板(14)の前記押板(4014)から離れる端に制限板(15)が設置されることを特徴とする請求項10に記載の耐ショート性を有する継電器。
【請求項12】
前記案内板(14)が前記固定ベース(1)に設置されることを特徴とする請求項11に記載の耐ショート性を有する継電器。
【請求項13】
前記案内板(14)が前記プッシュロッド(401)及び/又は前記押板(4014)に固定され、前記第1透磁シート(6)が前記制限板(15)及び/又は前記案内板(14)に摺動可能に接続されることを特徴とする請求項11に記載の耐ショート性を有する継電器。
【請求項14】
第2滑り棒(16)を更に備え、前記第2滑り棒(16)の一端が前記第1透磁シート(6)に固定され、前記第2滑り棒(16)が前記制限板(15)を摺動貫通し、前記制限構造(7)が前記第2滑り棒(16)の前記第1透磁シート(6)に背く端に位置し、且つ前記制限板(15)の前記第1透磁シート(6)に背く表面に当接されることができ、
又は、前記第2滑り棒(16)の一端が前記制限板(15)に固定され、前記第2滑り棒(16)が前記第1透磁シート(6)を貫通し、前記制限構造(7)が前記第2滑り棒(16)の前記第1透磁シート(6)から離れる端に位置し、且つ前記第1透磁シート(6)の前記制限板(15)に背く表面に当接されることができ、
又は、前記制限構造(7)は第3制限端(1601)及び第4制限端(1602)を含み、前記第3制限端(1601)と第4制限端(1602)がそれぞれ前記第2滑り棒(16)の両端に設置され、前記第2滑り棒(16)が前記第1透磁シート(6)、前記制限板(15)を摺動貫通し、且つ前記第3制限端(1601)が前記制限板(15)の前記第1透磁シート(6)に背く表面に当接されることができ、前記第4制限端(1602)が前記第1透磁シート(6)の前記制限板(15)に背く表面に当接されることができることを特徴とする請求項13に記載の耐ショート性を有する継電器。
【請求項15】
前記制限構造(7)は前記第1透磁シート(6)に設置された制限溝(603)を含み、前記制限板(15)が前記制限溝(603)に摺動可能に接続されることを特徴とする請求項13に記載の耐ショート性を有する継電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、継電器の技術分野に関し、特に耐ショート性を有する継電器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術におけるこのような継電器は、故障短絡電流が現れる場合、可動接点と固定接点との間に電動斥力が発生して、可動接点と固定接点との接触の安定性に影響してしまう。
【0003】
新エネルギー業界の急速な発展に伴って、各自動車メーカー及びバッテリパックメーカーの故障短絡電流に対する要件もますます高くなっており、体積が小さく及びコイルの電力が小さい特徴を維持する上で、直流継電器は耐ショート機能を有し、システムに故障大電流が現れる場合に可動ばねが受けた電動斥力に対抗できるように求められる。
【0004】
現在、市場において耐ショートの標準要件は少なくとも8000Aにおいて5msにわたって燃焼せず、爆発しないことであるが、従来技術における直流継電器は体積が小さく及びコイルの電力が小さい特徴を維持する上で十分な接点圧力を供給できず、即ち接点圧力は可動ばねが受けた電動斥力に対抗できない。
【0005】
電動斥力に対抗する機能を向上させるために、従来技術において、出願番号201811125654.1の中国特許出願に、ケースを備え、ケースの内室に2つの固定接点、1つの可動接触片及び駆動機構が取り付けられ、可動接触片が2つの固定接点にそれぞれ縦方向に沿って対向して配置され、駆動機構はコイル、可動子及びプッシュロッドを有しており、強磁性材料で製造され且つ可動接触片を支持接続するための支持接続部材及び強磁性材料で製造されたストッパ部材が更に設けられ、支持接続部材は可動接触片とともにプッシュロッドの上部に移動可能に嵌着され、ストッパ部材はプッシュロッドの上部に固定嵌着され、且つ更に支持接続部材及び可動接触片の上方に位置するのであり、可動接触片がそれぞれ2つの固定接点に吸引し合って連結する場合、ストッパ部材は支持接続部材の頂側との間に磁路隙間を形成することにより、可動接触片に対して受力方向が上向きの電磁吸引力を発生させることができ、このように、大電流が流れる場合、可動接触片が2つの固定接点に吸引し合うように維持することをより良く確保することができ、直流接触器の動作安定性及び耐ショート性を大幅に向上させる高い耐ショート性を有する直流接触器が開示されている。
【0006】
しかしながら、プッシュロッドがオーバートラベルで移動する必要があるため、不可避的に支持接続部材とストッパ部材との間に隙間を発生させ、且つ一般的にこの隙間の大きさがプッシュロッドのオーバーストローク距離と等しいのであり、支持接続部材とストッパ部材との間の隙間が比較的大きいため、継電器の電動斥力への対抗性が明らかに低下してしまい、このため、短絡モードにおいて大電流が流れる実際の使用ニーズを満たすことができない。
【0007】
従って、改良された解決手段を提案する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来技術に記載の少なくとも1つの欠陥を克服するために、本発明は耐ショート性を有する継電器を提供し、それにより既存の継電器の構造欠陥を最適化することで継電器の耐ショート性を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この問題を解決するために本発明が用いる技術案は以下のとおりである。
本発明の一態様によれば、本発明に係る耐ショート性を有する継電器は、固定ベースと、接点引出端であって、接点引出端は固定ベースに固定され、且つ固定接点が設置され、接点引出端が少なくとも2つ設置される接点引出端と、プッシュロッドアセンブリと、可動ばね片であって、可動ばね片に固定接点に対応して可動接点が設置され、可動ばね片がプッシュロッドアセンブリに平行する滑り方向に沿ってプッシュロッドアセンブリに対して移動可能に設置される可動ばね片と、可動ばね片の固定接点に向かう側に移動可能に設置される第1透磁シートと、可動ばね片の固定接点に背く側に設置され、且つ第1透磁シートと磁気回路を形成できる第2透磁シートと、を備え、プッシュロッドアセンブリが可動ばね片を駆動して動作させることで、可動ばね片の可動接点を接点引出端の固定接点に接触させた後で、プッシュロッドアセンブリが動作し続けてオーバーストロークを実現する過程において、第1透磁シートは可動ばね片に平行する移動方向に沿って所定のストローク内で第2透磁シートに接近する方向へ移動する。
【0010】
更に、継電器はオーバートラベル弾性部材を更に備え、プッシュロッドアセンブリが動作してオーバーストロークを実現する過程において、オーバートラベル弾性部材は固定接点の方向に向かうオーバートラベル弾性力を可動ばね片に印加することができる。
【0011】
更に、制限構造を更に備え、制限構造が第1透磁シートに接続されており、第1透磁シートが所定のストロークに応じて第2透磁シートに接近する場合、制限構造が第1透磁シートを制限することで、第1透磁シートと前記第2透磁シートとの間隔を所定の範囲値内にする。
【0012】
更に、プッシュロッドアセンブリはプッシュロッドと、プッシュロッドを駆動して移動させる電磁アセンブリとを含み、可動ばね片に第1貫通孔が開設され、プッシュロッドが第1貫通孔を摺動貫通し、第1透磁シートがプッシュロッドに摺動可能に接続される。
【0013】
更に、制限構造はプッシュロッドに設置され、且つ第1透磁シートと可動ばね片との間に位置する。
【0014】
更に、制限構造はプッシュロッドに固定接続されるストッパブロックである。
【0015】
更に、プッシュロッドは第1摺動端及び第2摺動端を含み、第1摺動端の外径が第2摺動端の外径よりも小さく、制限構造が第1摺動端と第2摺動端との接続位置に形成された段付き部であり、第1摺動端が第1貫通孔に摺動可能に係合され、第1透磁シートに第2貫通孔が開設され、第1摺動端が第2貫通孔に摺動可能に係合される。
【0016】
更に、第1透磁シートに第2貫通孔の周りに段付き部に係合される係合凹溝が一回り設置され、係合凹溝が第1透磁シートの可動ばね片に向かう側に位置する。
【0017】
更に、プッシュロッドの可動ばね片に接近する末端にストッパ部材が設置され、継電器は第1滑り棒を更に備え、第1滑り棒の一端が第1透磁シートに固定され、第1滑り棒がストッパ部材を摺動貫通し、制限構造が第1滑り棒の第1透磁シートから離れる端に位置し、且つストッパ部材の第1透磁シートに背く表面に当接されることができ、又は、第1滑り棒の一端がストッパ部材に固定され、第1滑り棒が第1透磁シートを貫通し、制限構造が第1滑り棒の第1透磁シートから離れる端に位置し、且つ第1透磁シートのストッパ部材に背く表面に当接されることができ、又は、制限構造は第1制限端及び第2制限端を含み、第1制限端と第2制限端がそれぞれ第1滑り棒の両端に設置され、第1滑り棒が第1透磁シート、ストッパ部材を摺動貫通し、且つ第1制限端がストッパ部材の第1透磁シートに背く表面に当接されることができ、第2制限端が第1透磁シートのストッパ部材に背く表面に当接されることができる。
【0018】
更に、固定ベースに第1透磁シート及び第2透磁シートの両側に案内突起がそれぞれ設置され、2つの案内突起は間隔を維持しながら第1透磁シート及び第2透磁シートが滑る第1案内溝を形成する。
【0019】
更に、プッシュロッドアセンブリはプッシュロッドと、プッシュロッドを駆動して移動させる電磁アセンブリとを含み、プッシュロッドの端部に押板が設置され、押板がオーバートラベル弾性部材により可動ばね片に接続される。
【0020】
更に、それぞれ可動ばね片の対向側に設置された2つの案内板を更に備え、2つの案内板は可動ばね片が滑る第2案内溝を形成し、案内板の押板から離れる端に制限板が設置される。
【0021】
更に、案内板が固定ベースに設置される。
【0022】
更に、案内板がプッシュロッド及び/又は押板に固定され、第1透磁シートが制限板及び/又は案内板に摺動可能に接続される。
【0023】
更に、第2滑り棒を更に備え、第2滑り棒の一端が第1透磁シートに固定され、第2滑り棒が制限板を摺動貫通し、制限構造が第2滑り棒の第1透磁シートに背く端に位置し、又は、第2滑り棒の一端が制限板に固定され、第2滑り棒が第1透磁シートを貫通し、制限構造が第2滑り棒の第1透磁シートから離れる端に位置し、且つ第1透磁シートの制限板に背く表面に当接されることができ、又は、制限構造は第3制限端及び第4制限端を含み、第3制限端と第4制限端がそれぞれ第2滑り棒の両端に設置され、第2滑り棒が第1透磁シート、制限板を摺動貫通し、且つ第3制限端が制限板の第1透磁シートに背く表面に当接されることができ、第4制限端が第1透磁シートの制限板に背く表面に当接されることができる。
【0024】
更に、制限構造は第1透磁シートに設置された制限溝を含み、制限板が制限溝に摺動可能に接続される。
【発明の効果】
【0025】
上記技術案から分かるように、本発明の実施例は少なくとも以下の利点及びプラス効果を有する。
プッシュロッドアセンブリが可動ばね片を駆動して固定接点の方向へ移動させることで、可動接点を固定接点に接触させた後で、プッシュロッドアセンブリが動作し続けてオーバーストロークを実現する過程において、第1透磁シートは所定のストローク内で第2透磁シートの方向へ滑ることができ、第1透磁シートと第2透磁シートとの間隔を短縮し、これにより、電流が一方の接点引出端から流れ込んで可動ばね片を流れて他方の接点引出端から流れ出した後で、第1透磁シートと第2透磁シートとが磁気回路を形成するため、可動ばね片を流れる電流が第1透磁シート及び第2透磁シートを磁化させることで、第1透磁シートと第2透磁シートとが吸引力を互いに発生させるようにし、更に第2透磁シートにより固定接点の方向に指向する当接圧力を可動ばね片に印加するのであり、第1透磁シートと第2透磁シートとの距離がより短いため、両者の磁気吸引力を増大させることで可動接点及び固定接点の閉鎖をより安定且つ確実にすることができ、ショート時に比較的大きな電流に生じた電動斥力に対抗することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は本発明の実施例1における継電器の側面視方向の内部模式図である。
【
図2】
図2は本発明の実施例1における継電器の正面視方向の内部模式図である。
【
図4】
図4は本発明の実施例1における継電器は接点が切断された状態における接点引出端、可動ばね片、第1透磁シート及び第2透磁シートの接続関係及び位置関係を示す模式図である。
【
図5】
図5は本発明の実施例1における継電器の三次元視点の内部模式図である。
【
図6】
図6は本発明の実施例1における継電器は可動接点と固定接点とが閉鎖された場合の状態模式図である。
【
図7】
図7は本発明の実施例1における継電器は接極子と固定鉄芯とが閉鎖された場合の状態模式図である。
【
図8】
図8は本発明の実施例2における第1種類の制限構造と第1透磁シートとの接続関係を示す模式図である。
【
図9】
図9は本発明の実施例2における第2種類の制限構造と第1透磁シートとの接続関係を示す模式図である。
【
図10】
図10は本発明の実施例2における第3種類の制限構造と第1透磁シートとの接続関係を示す模式図である。
【
図11】
図11は本発明の実施例3における継電器は接点が切断された状態における接点引出端、可動ばね片、第1透磁シート及び第2透磁シートの接続関係及び位置関係を示す模式図である。
【
図12】
図12は本発明の実施例3における継電器は接点が切断された状態における模式図である。
【
図13】
図13は本発明の実施例3における継電器は可動接点と固定接点とが閉鎖された場合の状態模式図である。
【
図14】
図14は本発明の実施例3における継電器は接極子と固定鉄芯とが閉鎖された場合の状態模式図である。
【
図15】
図15は本発明の実施例3における第1種類の制限構造と第1透磁シートとの接続関係を示す模式図である。
【
図16】
図16は本発明の実施例3における第2種類の制限構造と第1透磁シートとの接続関係を示す模式図である。
【
図17】
図17は本発明の実施例3における第3種類の制限構造と第1透磁シートとの接続関係を示す模式図である。
【
図18】
図18は本発明の実施例4における第1種類の第1透磁シートと制限板との接続関係を示す模式図である。
【
図19】
図19は本発明の実施例4における第2種類の第1透磁シートと制限板との接続関係を示す模式図である。
【符号の説明】
【0027】
1 固定ベース
101 台座
102 上部カバー
103 取付室
2 接点引出端
3 可動ばね片
301 第1貫通孔
4 プッシュロッドアセンブリ
401 プッシュロッド
4011 第1摺動端
4012 第2摺動端
4013 段付き部
4014 押板
402 電磁アセンブリ
4021 ホルダ
4022 コイル
4023 固定鉄芯
4024 透磁性プレート
4025 継鉄
4026 接極子
5 オーバートラベル弾性部材
6 第1透磁シート
601 第2貫通孔
602 係合凹溝
603 制限溝
7 制限構造
8 第2透磁シート
9 アーク吹消構造
10 リセット弾性部材
11 ストッパ部材
12 案内突起
1201 第1案内溝
13 第1滑り棒
1301 第1制限端
1302 第2制限端
14 案内板
1401 第2案内溝
15 制限板
16 第2滑り棒
1601 第3制限端
1602 第4制限端
【発明を実施するための形態】
【0028】
より良く理解及び実施するために、以下に本発明の実施例の図面を参照しながら本発明の実施例の技術案を明確且つ完全に説明する。
【0029】
本発明の説明において、説明すべきことは、用語「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」「内」、「外」などで示される方位又は位置関係は図面に示される方位又は位置関係であり、本発明を説明しやすくし及び説明を簡素化するためのものに過ぎず、指す装置又は素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作しなければならないことを指示又は暗示するのではなく、従って、本発明を制限するものと理解されるべきではない。
【0030】
特に定義しない限り、本明細書に使用されるすべての技術及び科学用語は当業者が一般的に理解する意味と同じである。本明細書において、本発明の明細書に使用される用語は具体的な実施例を説明するためのものに過ぎず、本発明を制限するように意図されるものではない。
【0031】
実施例1
図1~
図7を参照し、本発明は耐ショート性を有する継電器を開示し、固定ベース1、接点引出端2、可動ばね片3、プッシュロッドアセンブリ4、オーバートラベル弾性部材5、第1透磁シート6、制限構造7及び第2透磁シート8を備え、固定ベース1が台座101及び上部カバー102を含み、台座101及び上部カバー102内に取付室103が設置され、取付室103内にアーク吹消構造9が更に設置され、アーク吹消構造9が他の従来技術を参照してもよく、ここで詳細な説明は省略し、
接点引出端2は固定ベース1に固定され、図示のように、接点引出端2は上部カバー102に固定され、接点引出端2は少なくとも2つあって固定接点(図示せず)が設置され、固定接点同士が間隔を置いて互いに絶縁して設置され、
可動ばね片3の両端に固定接点に対応して可動接点(図示せず)が設置され、各固定接点に可動接点が対応して設置され、
可動ばね片3がプッシュロッドアセンブリに対して移動可能に設置され、且つプッシュロッドアセンブリ4により駆動されて固定接点に接近し、又はそれから離れ、
プッシュロッドアセンブリ4は可動ばね片3を駆動して動作させることで、可動ばね片3の両端の可動接点を2つの接点引出端2の固定接点に接触させるためのものであり、それにより電流が一方の接点引出端2から流れ込んで可動ばね片3を流れて他方の接点引出端2から流れ出すことが実現され、
図6又は
図7におけるIに示され、
可動ばね片3がプッシュロッドアセンブリ4に平行する滑り方向に沿ってプッシュロッドアセンブリ4に対して移動可能に設置され、
プッシュロッドアセンブリ4が動作してオーバートラベルを実現する過程において、オーバートラベル弾性部材5は前記固定接点の方向に向かうオーバートラベル弾性力を可動ばね片3に印加することができる。
【0032】
いくつかの可能な実施形態では、オーバートラベル弾性部材5はプッシュロッドアセンブリ4に設置され、オーバートラベル弾性部材5は可動ばね片3に接続され、且つ固定接点の方向に向かうオーバートラベル弾性力を可動ばね片3に印加することができ、
図1に示すように、オーバートラベル弾性部材5はオーバートラベルばねを用い、他の可能な実施形態では、オーバートラベル弾性部材5は更に弾性片又は反発弾性を有する他の部材で代替されてもよい。
【0033】
これにより、プッシュロッドアセンブリ4は可動ばね片3が固定接点へ接近するように駆動することで、可動ばね片3上の可動接点及び固定接点を接触させて接点の閉鎖を実現し、オーバートラベル弾性部材5は固定接点に指向する弾性力を可動ばね片3に印加することで、接点の閉鎖に追加の圧力を与える。
【0034】
第1透磁シート6は可動ばね片3に平行する移動方向に沿って可動ばね片3の固定接点に向かう側に移動可能に設置され、
第2透磁シート8は可動ばね片3の固定接点に背く側に設置され、且つ第2透磁シート8は第1透磁シート6に対応して設置されており、プッシュロッドアセンブリ4が可動ばね片3を駆動して動作させることで、可動ばね片3の可動接点を接点引出端2の固定接点に接触させた後で、プッシュロッドアセンブリ4が動作し続けてオーバートラベルを実現する過程において、第1透磁シート6は可動ばね片3に平行する移動方向に沿って所定のストローク内で第2透磁シート8に接近する方向へ移動する。
【0035】
これにより、
図2、
図6及び
図7を参照し、接点の閉鎖過程において、プッシュロッドアセンブリ4が可動ばね片3を駆動して固定接点へ接近させ、且つ可動接点を固定接点に接触させ、プッシュロッドアセンブリ4が前へ移動し続けてオーバートラベルを実現する過程において、第1透磁シート6は第2透磁シート8の方向へ滑ることができ、第1透磁シート6と第2透磁シート8との間隔を短縮するのであり、電流が一方の接点引出端2から流れ込んで可動ばね片3を流れて他方の接点引出端2から流れ出した後で、第1透磁シート6と第2透磁シート8とが磁気回路を形成するため、可動ばね片3を流れる電流が第1透磁シート6及び第2透磁シート8を磁化させることで、第1透磁シート6と第2透磁シート8とが吸引力を互いに発生させるようにし、更に第2透磁シート8により固定接点の方向に指向する当接圧力を可動ばね片3に印加するのであり、第1透磁シート6と第2透磁シート8との距離がより短いため、両者の磁気吸引力を増大させることで可動接点及び固定接点の閉鎖をより安定且つ確実にすることができ、ショート時に比較的大きな電流に生じた電動斥力に対抗することができる。
【0036】
図1~
図2に示すように、第1透磁シート6と第2透磁シート8とがペアになるように1組設置される。
【0037】
他の可能な実施形態では、第1透磁シート6と第2透磁シート8とが2組以上設置されてもよい。
【0038】
いくつかの可能な実施形態では、第1透磁シート6がプッシュロッドアセンブリ4に設置される。
【0039】
制限構造7が第1透磁シート6に接続されており、第1透磁シート6が所定のストロークに応じて第2透磁シート8に接近する場合、制限構造7が第1透磁シート8を制限することで、第1透磁シート(6)と第2透磁シート8との間隔を所定の範囲値内にする。
【0040】
いくつかの可能な実施形態では、制限構造7がプッシュロッドアセンブリ4に設置される。
【0041】
更に、第1透磁シート6及び第2透磁シート8の所定の範囲値がaであり、プッシュロッドアセンブリ4のオーバーストローク移動距離がHであり、0≦a<Hである。
【0042】
第1透磁シート6と第2透磁シート8との間隔が0である場合、第1透磁シート6及び第2透磁シート8の表面が密着する。
【0043】
図2~
図3を参照し、いくつかの可能な実施形態では、プッシュロッドアセンブリ4はプッシュロッド401と、プッシュロッド401を駆動して移動させる電磁アセンブリ402とを含み、可動ばね片3に第1貫通孔301が開設され、プッシュロッド401が第1貫通孔301を摺動貫通し、第1透磁シート6がプッシュロッド401に摺動可能に接続される。
【0044】
これにより、プッシュロッド401は可動ばね片3、第1透磁シート6に滑り案内を提供することができる。
【0045】
いくつかの可能な実施形態では、制限構造7はプッシュロッド401に設置され、且つ第1透磁シート6と可動ばね片3との間に位置する。
【0046】
更に、制限構造7はプッシュロッド401に固定接続されるストッパブロック(図示せず)であり、例えば、ストッパブロックがスナップリングを用いてもよく、プッシュロッド401の外壁にスナップリングが係着固定する係止溝が開設され、又はストッパブロックが更にねじ又はボルトナットアセンブリであってもよく、ねじ又はボルトナットアセンブリをプッシュロッド401にねじ固定し、当然ながら、ストッパブロックが更に接着又は溶接の方式でプッシュロッド401に固定されてもよい。
【0047】
図3を参照し、いくつかの可能な実施形態では、プッシュロッド401は第1摺動端4011及び第2摺動端4012を含み、第1摺動端4011の外径が第2摺動端4012の外径よりも小さく、制限構造7が第1摺動端4011と第2摺動端4012との接続位置に形成された段付き部4013であり、第1摺動端4011が第1貫通孔301に摺動可能に係合され、第1透磁シート6に第2貫通孔601が開設され、第1摺動端4011が第2貫通孔601に摺動可能に係合される。
【0048】
更に、プッシュロッド401の横断面が円形である場合、第1摺動端4011の直径が第2摺動端4012の直径よりも大きい。
【0049】
プッシュロッド401の横断面が非円形である場合、第1摺動端4011の外径が第2摺動端4012の外径の横断面の最大寸法であり、例えば、プッシュロッド401の横断面が矩形である場合、プッシュロッド401の横断面の対角線の長さが第1摺動端4011又は第2摺動端4012の外径である。
【0050】
これにより、以上の構造を用いて、可動ばね片3、第1透磁シート6及びプッシュロッド401の摺動可能な接続を実現し、調整部が第1透磁シート6に当接されてそれを制限し、それにより第1透磁シート6と第2透磁シート8との間隔を所定の範囲内に制御する。
【0051】
図3を参照し、いくつかの可能な実施形態では、第1透磁シート6に第2貫通孔601の周りに段付き部4013に係合される係合凹溝602が一回り設置され、係合凹溝602が第1透磁シート6の可動ばね片3に向かう側に位置する。
【0052】
これにより、第1透磁シート6が第2透磁シート8の方向へ滑る場合、係合凹溝602が段付き部4013に当接されることができ、且つ係合凹溝602が段付き部4013に係合されることができ、係合凹溝602の設置は第1透磁シートの厚さを小さくすることができ、構造のコンパクト性を提供することに寄与する。
【0053】
図4を参照し、更に、プッシュロッド401の可動ばね片3に接近する末端にストッパ部材11が設置される。
【0054】
ストッパ部材11の設置は第1透磁シート6及び可動ばね片3がプッシュロッド401の末端から外れることを回避することができる。
【0055】
図5を参照し、更に、固定ベース1に第1透磁シート6及び第2透磁シート8の両側に案内突起12がそれぞれ設置され、2つの案内突起12は間隔を維持しながら第1透磁シート6及び第2透磁シート8が滑る案内溝を形成する。
【0056】
このような設置によって、第1透磁シート6及び第2透磁シート8の動きに案内を提供することができ、第1透磁シート6及び第2透磁シート8が水平に回転又は反転する状況の発生を減少させて、第1透磁シート6及び第2透磁シート8の両者の磁気吸引を安定且つ確実にする。
【0057】
図2を参照し、更に、電磁アセンブリ402はホルダ4021、コイル4022、固定鉄芯4023、透磁性プレート4024、継鉄4025及び接極子4026を含み、コイル4022が固定鉄芯4023の外に套設され、固定鉄芯4023と継鉄4025がいずれもホルダ4021に固定され、接極子4026がプッシュロッド401に固定接続され、コイル4022に通電するとき、透磁性プレート4024、継鉄4025、固定鉄芯4023に磁束が発生し、且つ該磁束は閉磁路を形成することで接極子4026が固定鉄芯4023に接近移動するように駆動する傾向がある。
【0058】
図2を参照し、更に、継電器はリセット弾性部材10を更に備え、リセット弾性部材10が固定鉄芯4023と接極子4026との間に設置されており、固定鉄芯4023から離れる方向の作用力を接極子4026に印加することで、接極子4026と固定鉄芯4023との分離を補助し、更に可動接点と固定接点との分離を実現してリセットを実現する。
【0059】
これにより、コイル4022に通電するとき、固定鉄芯4023及び継鉄4025に電磁磁束が発生するが、磁束で形成された磁路が閉じる傾向がある場合、吸引接極子4026が鉄芯に接近する方向へ移動し、更にプッシュロッド401を駆動して移動させ、それにより継電器における可動接点及び固定接点の閉鎖を実現する。
【0060】
図6を参照し、可動ばね片3上の可動接点及び固定接点が閉じた場合、接極子4026と固定鉄芯4023との間に依然として間隔があり、該間隔がプッシュロッドアセンブリ4のオーバーストローク移動距離Hであり、即ち、接極子4026は可動接点及び固定接点が閉じたときから固定鉄芯4023に密着するまで移動し、この過程はプッシュロッドアセンブリ4のオーバーストローク動作過程である。
【0061】
接極子4026が固定鉄芯4023に接近し続ける過程において、プッシュロッド401が可動ばね片3に対して移動するが、第1透磁シート6がプッシュロッド401に摺動可能に設置され、そうすると、制限構造7が第1透磁シート6を制限し、即ち
図7に示すように段付き部4013が第1透磁シート6に当接するまで、第1透磁シート6はその自重の作用及び/又は第2透磁シート8の吸引によって第2透磁シート8に接近する方向へ滑ることができる。
【0062】
最終的に、接極子4026が固定鉄芯4023に接触した後、プッシュロッドアセンブリ4が動作を停止し、第1透磁シート6と第2透磁シート8とが接触し又は間隔を維持し、両者が可動ばね片3を流れる電流の作用によって互いに吸引する磁気吸引力を発生させ、且つオーバートラベル弾性部材5の弾性力と組み合わせて可動ばね片3上の可動接点及び固定接点の安定した閉鎖に条件を与えて、短絡モードにおいて大電流が流れる際に発生した電動斥力に対抗するより良い効果を実現し、実際の応用需要を満たす。
【0063】
実施例2
本実施例は耐ショート性を有する別の継電器を開示し、本実施例と実施例1との相違点は、
図8を参照し、本実施例では、継電器は第1滑り棒13を更に備え、第1滑り棒13の一端が第1透磁シート6に固定され、第1滑り棒13がストッパ部材11を摺動貫通し、制限構造7が第1滑り棒13の第1透磁シート6に背く端に位置し、且つストッパ部材11の第1透磁シート6に背く表面に当接されることができることだけである。
【0064】
これにより、第1透磁シート6が第1滑り棒13によりストッパ部材11に対して滑り、制限構造7がストッパ部材11の第1透磁シート6に背く表面に当接されることができ、それにより第1透磁シート6を制限する。
【0065】
図9を参照し、別の可能な実施形態では、第1滑り棒13の一端がストッパ部材11に固定され、第1滑り棒13が第1透磁シート6を貫通し、制限構造7が第1滑り棒13の第1透磁シート6から離れる端に位置し、且つ第1透磁シート6のストッパ部材11に背く表面に当接されることができ、
これにより、第1透磁シート6は第1滑り棒13に対して滑って、第1透磁シート6のストッパ部材11に背く表面に当接されることができ、それにより第1透磁シート6を制限する。
【0066】
図10を参照し、更なる可能な実施形態では、制限構造7は第1制限端1301及び第2制限端1302を含み、第1制限端1301と第2制限端1302がそれぞれ第1滑り棒13の両端に設置され、第1滑り棒13が第1透磁シート6、ストッパ部材11を摺動貫通し、且つ第1制限端1301がストッパ部材11の第1透磁シート6に背く表面に当接されることができ、第2制限端1302が第1透磁シート6のストッパ部材11に背く表面に当接されることができる。
【0067】
これにより、第1透磁シート6と第1滑り棒13がいずれもストッパ部材11に対して滑ることができ、第1制限端1301がストッパ部材11の第1透磁シート6に背く表面に当接されることができ、第2制限端1302が第1透磁シート6のストッパ部材11に背く表面に当接されることができ、それにより第1透磁シート6を制限する。
【0068】
実施例3
図11~
図17を参照し、本実施例は耐ショート性を有する別の継電器を開示し、本実施例と実施例1との相違点は、
本実施例では、プッシュロッドアセンブリ4はプッシュロッド401と、プッシュロッド401を駆動して移動させる電磁アセンブリ402とを含み、プッシュロッド401の端部に押板4014が設置され、押板4014がオーバートラベル弾性部材5により可動ばね片3に接続されることだけである。
【0069】
図11及び
図15を参照し、いくつかの可能な実施形態では、それぞれ可動ばね片3の対向側に設置された2つの案内板14を更に備え、2つの案内板14は可動ばね片3が滑る第2案内溝(1401)を形成する。
【0070】
案内板14を設置することにより、可動ばね片3が滑る第2案内溝1401を形成し、それにより可動ばね片3が水平に回転又は反転する状況の発生を減少させることで可動ばね片3が滑って接点を閉じる過程を安定且つ確実にすることができる。
【0071】
いくつかの可能な実施形態では、案内板14が固定ベース1に設置される。
【0072】
図11を参照し、いくつかの可能な実施形態では、案内板14がプッシュロッド401及び/又は押板4014に固定され、例えば、案内板14が押板4014に固定されてもよく、他の可能な実施形態では、案内板14がプッシュロッド401に固定され、又はプッシュロッド401及び押板4014の両者にいずれも固定されてもよい。
【0073】
案内板14の押板4014から離れる端に制限板15が設置され、第1透磁シート6が制限板15及び/又は案内板14に摺動可能に接続される。
【0074】
これにより、制限板15の設置によって、可動接点が案内板14の押板4014から離れる端から外れることを回避することができ、第1透磁シート6が制限板15及び/又は案内板14に摺動可能に接続されることにより、いずれもプッシュロッドアセンブリ4のオーバートラベル動作過程において第1透磁シート6が第2透磁シート8に接近する方向へ滑ることができることが実現され得る。
【0075】
本実施例では、第1透磁シート6が制限板15に摺動可能に接続される。
【0076】
図11~
図15を参照し、いくつかの可能な実施形態では、第2滑り棒16を更に備え、第2滑り棒16の一端が第1透磁シート6に固定され、第2滑り棒16が制限板15を摺動貫通し、制限構造7が第2滑り棒16の第1透磁シート6に背く端に位置し、
これにより、第1透磁シート6が第2滑り棒16により制限板15に対して滑り、制限構造7が制限板15の第1透磁シート6に背く表面に当接されることができ、それにより第1透磁シート6を制限する。
【0077】
図16を参照し、第2の可能な実施形態では、第2滑り棒16の一端が制限板15に固定され、第2滑り棒16が第1透磁シート6を貫通し、制限構造7が第2滑り棒16の第1透磁シート6から離れる端に位置し、且つ第1透磁シート6の制限板15に背く表面に当接されることができ、
これにより、第1透磁シート6が第2滑り棒16に対して滑って、第1透磁シート6の制限板15に背く表面に当接されることができ、それにより第1透磁シート6を制限する。
【0078】
図17を参照し、第3の可能な実施形態では、制限構造7は第3制限端1601及び第4制限端1602を含み、第3制限端1601と第4制限端1602がそれぞれ第2滑り棒16の両端に設置され、第2滑り棒16が第1透磁シート6、制限板15を摺動貫通し、且つ第3制限端1601が制限板15の第1透磁シート6に背く表面に当接されることができ、第4制限端1602が第1透磁シート6の制限板15に背く表面に当接されることができる。
【0079】
これにより、第1透磁シート6と第2滑り棒16がいずれも制限板15に対して滑ることができ、第3制限端1601が制限板15の第1透磁シート6に背く表面に当接されることができ、第4制限端1602が第1透磁シート6の制限板15に背く表面に当接されることができ、それにより第1透磁シート6を制限する。
【0080】
本発明の実施過程は上記実施例1と類似し、
これにより、
図2~
図14を参照し、接点の閉鎖過程において、プッシュロッドアセンブリ4は可動ばね片3が固定接点に接近するように駆動し、且つ可動接点を固定接点に接触させ、
接極子4026が固定鉄芯4023に接近し続ける過程において、プッシュロッド401は可動ばね片3に対して移動し、且つ固定接点の方向へ押板4014を押動し続けて、案内板14及び制限板15が前へ移動し続けるように駆動し、且つオーバートラベル弾性部材5を圧縮するが、第1透磁シート6は制限板15に対して滑り、従って、制限構造7が第1透磁シート6を制限するまで、第1透磁シート6はその自重の作用及び/又は第2透磁シート8の吸引によって第2透磁シート8に接近する方向へ滑ることができ、即ち
図14に示される。
【0081】
最終的に、接極子4026が固定鉄芯4023に接触した後、プッシュロッドアセンブリ4が動作を停止し、第1透磁シート6と第2透磁シート8とが接触し又は間隔を維持し、両者が可動ばね片3の電流の作用によって互いに吸引する磁気吸引力を発生させ、且つオーバートラベル弾性部材5の弾性力と組み合わせて可動ばね片3上の可動接点及び固定接点の安定した閉鎖に条件を与えて、短絡モードにおいて大電流が流れる際に発生した電動斥力に対抗するより良い効果を実現し、実際の応用需要を満たす。
【0082】
実施例4
本実施例は耐ショート性を有する別の継電器を開示し、本実施例と上記実施例1との相違点は、
図18を参照し、制限構造7は第1透磁シート6に設置された制限溝603を含み、制限板15が制限溝603に摺動可能に接続されることだけである。
【0083】
可能な実施形態では、第1透磁シート6が密閉構造である。
【0084】
制限板15が制限溝603の第2透磁シート8から離れる側の内壁に当接されることにより、第1透磁シート6が第2透磁シート8に接近するストロークを制限する。
【0085】
図19を参照し、別の可能な実施形態では、第1透磁シート6が半密閉構造である。
【0086】
要するに、本発明に係る耐ショート性を有する継電器は第1透磁シート6と第2透磁シート8との間隔を短縮することにより、可動接点及び固定接点の閉鎖をより安定且つ確実にし、ショート時に比較的大きな電流に生じた電動斥力に対抗することができる。
【0087】
本発明のスキームに開示される技術手段は上記実施形態に開示される技術手段に限らず、以上の技術的特徴を任意に組み合わせてなる技術案を更に含む。指摘すべきことは、当業者であれば、本発明の原理を逸脱せずに、更に種々の改良及び潤色を行うことができ、これらの改良及び潤色も本発明の保護範囲として見なされる。
【国際調査報告】