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特表2024-544065インプラントを適用し、インプラントの位置を検出するための手術システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-27
(54)【発明の名称】インプラントを適用し、インプラントの位置を検出するための手術システム
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/44 20060101AFI20241120BHJP
   A61B 17/56 20060101ALI20241120BHJP
   A61B 34/20 20160101ALI20241120BHJP
【FI】
A61F2/44
A61B17/56
A61B34/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532263
(86)(22)【出願日】2022-10-18
(85)【翻訳文提出日】2024-06-21
(86)【国際出願番号】 IB2022059965
(87)【国際公開番号】W WO2023099978
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】17/538,395
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513069064
【氏名又は名称】デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive, Raynham MA 02767-0350 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】トーメン・ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ブールマン・エリック
(72)【発明者】
【氏名】パルス・マーク
【テーマコード(参考)】
4C097
4C160
【Fターム(参考)】
4C097AA10
4C097BB04
4C097BB09
4C160LL24
4C160LL69
(57)【要約】
第1のシャフトを有するアプリケータと、インプラントであって、第1のシャフトに枢動可能かつ取り外し可能に結合された第1の部材、及びインプラントの回転運動を並進オフセットに変換するための第2の部材、を有する、インプラントと、オフセットを判定するためのセンサ又はオフセットを示すためのインジケータのうちの少なくとも1つであって、インジケータはアプリケータの端部に位置する突起ではないことを条件とする、センサ又はインジケータのうちの少なくとも1つと、を備える、手術システムのためのシステム、方法、及びデバイスが開示される。コントローラが提供されてもよく、コントローラは、センサからオフセットデータを受信し、インプラントの寸法及びオフセットを使用して、患者内のインプラントの角度を判定し、患者の解剖学的構造に対するインプラントの現在位置を表示するように構成されている。アプリケータが、アプリケータの長手方向軸によって画定される軸に沿って第1のシャフト上に摺動可能に配設された第2のシャフトを有してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術システムであって、
第1のシャフトを有するアプリケータと、
インプラントであって、
前記第1のシャフトに枢動可能かつ取り外し可能に結合された第1の部材、及び
前記インプラントの回転運動を並進オフセットに変換するための第2の部材、を有する、インプラントと、
以下の、
前記オフセットを判定するためのセンサ、又は
前記オフセットを示すためのインジケータであって、前記インジケータは前記アプリケータの端部に位置する突起ではないことを条件とする、インジケータ、のうちの少なくとも1つと、を備える、手術システム。
【請求項2】
前記第2の部材が、前記インプラントの枢動点に対して偏心している、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記アプリケータが、前記アプリケータの長手方向軸によって画定される軸に沿って前記第1のシャフト上に摺動可能に配設された第2のシャフトを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2の部材が、前記第2のシャフトに係合し、前記インプラントの枢動が、前記軸に対する前記第2のシャフトの移動をもたらす、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の部材及び前記第2の部材が、前記インプラントの外面の内側にある、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記センサが、磁気センサ、ホール効果センサ、応力センサ、歪みセンサ、ばねセンサ、圧電センサ、距離センサ、空気圧センサ、光電子測定システムマーカ、又は液圧センサである、請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2の部材が、ピンであり、前記第2のシャフトの遠位部分が、前記ピンをトラップするように適合されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
前記インジケータが、前記第2のシャフトに取り付けられたマーカと、前記第1のシャフトに取り付けられたハウジング上にマーク付けされた印と、を備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第2の部材が、カムであり、前記第2のシャフトの遠位部分が、前記カムに追従するように適合されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項10】
前記インジケータが、前記第2のシャフトに取り付けられたマーカと、前記第1のシャフト上にマーク付けされた印と、を備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第2のシャフトを前記インプラントに向かって付勢するためのばねを更に備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記第2の部材が、前記インプラントの枢動点と同心である、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の部材が、前記インプラントの外面の内側にあり、前記第2の部材が、前記インプラントの前記外面の外側にあり、前記オフセットが、前記第2の部材と前記アプリケータとの間に取り付けられたワイヤループに伝えられる、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
コンピュータ支援手術システムであって、
コントローラを備え、前記コントローラが、
請求項1に記載の手術システムの前記センサからオフセットデータを受信することと、
前記インプラントの寸法及び前記オフセットを使用して、患者内の前記インプラントの角度を判定することと、
患者の解剖学的構造に対する前記インプラントの現在位置を表示することと、を行うように構成されている、コンピュータ支援手術システム。
【請求項15】
前記コントローラが、所望の位置に到達したかどうかを判定し、ユーザに通知を表示するように更に構成されている、請求項14に記載のコンピュータ支援手術システム。
【請求項16】
手術システムであって、
アプリケータであって、第1のシャフト、及び前記アプリケータの長手方向軸によって画定される軸に沿って前記第1のシャフト上に摺動可能に配設された第2のシャフトを有する、アプリケータと、
インプラントであって、
前記第1のシャフトに枢動可能かつ取り外し可能に結合された第1の部材、及び
前記第2のシャフトに係合するための前記インプラントの枢動点に対して偏心した第2の部材であって、前記インプラントの枢動が、前記軸に沿った前記第2のシャフトのオフセットをもたらす、第2の部材、を有する、インプラントと、
前記オフセットを判定するためのセンサ又は前記オフセットを示すためのインジケータのうちの少なくとも1つであって、前記インジケータは前記アプリケータの端部に位置する突起ではないことを条件とする、センサ又はインジケータのうちの少なくとも1つと、を備える、手術システム。
【請求項17】
前記センサが、磁気センサ、ホール効果センサ、応力センサ、歪みセンサ、ばねセンサ、圧電センサ、距離センサ、空気圧センサ、光電子測定システムマーカ、又は液圧センサである、請求項16に記載の手術システム。
【請求項18】
前記インジケータが、前記第2のシャフトに取り付けられたマーカと、前記第1のシャフトに関連付けられた印と、を備える、請求項16に記載の手術システム。
【請求項19】
前記第2のシャフトが、前記第1のシャフトを越えて延びていない、請求項16に記載の手術システム。
【請求項20】
前記第2の部材が、前記第2のシャフトに取り付けられていない、請求項16に記載の手術システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
コンピュータ支援手術は、特に手術ツール及びインプラントの配置精度に関して、多くの関連する利点を有する。いくつかのコンピュータ支援手術システムは、例えば、インプラントの配置を追跡するためのナビゲーション及び/又は撮像能力を有することがあるが、あるビューは、患者の解剖学的構造からの障害物などに起因して、取得することが困難であることがある。例えば、あるタイプのインプラントは、骨に隣接して患者に挿入され、その後、例えば、回転及び/又は並進移動される。1つのそのような例では、経椎間孔腰椎ケージシステム(例えば、経椎間孔腰椎椎体間固定術(transforaminal lumbar interbody fusion、TILF)ケージシステム又は経椎間孔後方非外傷性腰椎(transforaminal posterior atraumatic lumbar、T-PAL(商標)ケージシステムなど)は、インプラントが切開部に挿入され、次いで、前進するにつれて椎骨のそばの正しい位置に枢動されることを必要とする。ユーザ(例えば、外科医)が、インプラントがどれだけ枢動したかを判定することが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
したがって、インプラントが移動した並進距離を感知又は示すためのシステム、デバイス、及び方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0003】
第1のシャフトを有するアプリケータと、インプラントであって、第1のシャフトに枢動可能かつ取り外し可能に結合された第1の部材、及びインプラントの回転運動を並進オフセットに変換するための第2の部材、を有する、インプラントと、オフセットを判定するためのセンサ又はオフセットを示すためのインジケータのうちの少なくとも1つであって、インジケータはアプリケータの端部に位置する突起ではないことを条件とする、センサ又はインジケータのうちの少なくとも1つと、を備える、手術システムのためのシステム、方法、及びデバイスが開示される。いくつかの実施形態では、コントローラが更に提供され、コントローラは、センサからオフセットデータを受信し、インプラントの寸法及びオフセットを使用して、患者内のインプラントの角度を判定し、患者の解剖学的構造に対するインプラントの現在位置を表示するように構成されている。いくつかの実施形態では、アプリケータは、アプリケータの長手方向軸によって画定される軸に沿って第1のシャフト上に摺動可能に配設された第2のシャフトを有する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】インプラントに接続されたセンサ装備アプリケータの遠位部分を示す。
図2】患者へのインプラントの連続的な挿入と、並進センサを用いて判定されるインプラントの枢動運動とを示す。
図3】センサとともに使用するためのコントローラを含むコンピュータ支援手術システムの概略図である。
図4A】アプリケータの別の実施形態の遠位部分及びインプラントを描写する。
図4B】アプリケータに接続された図4Aのインプラントを描写する。
図5】並進インジケータを用いて判定される図4Aのインプラントの枢動運動の概略図である。
図6A】アプリケータの別の実施形態の遠位部分及びインプラントを描写する。
図6B】アプリケータに接続された図6Aのインプラントを描写する。
図7】並進インジケータを用いて判定される図6Aのインプラントの枢動運動の概略図である。
図8】インジケータの別の実施形態を描写する。
図9】インジケータの別の実施形態を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1は、インプラント104に取り外し可能かつ枢動可能に結合されたアプリケータ102を備えるアセンブリ100を示す。例示を簡単にするために、アプリケータ102の比較的遠位の部分のみが描写されている。例えば、いくつかの実施形態では、描写されているアセンブリ100の全体部分は、インプラント104を必要とする患者に挿入されてもよい。したがって、インプラント104が挿入されると、いくつかの角度からインプラント104の向きを直接観察することは困難又は不可能であることがある。例えば、蛍光透視法が、図1に示される以外の角度からインプラント104を観察するために使用されてもよいが、椎骨の存在に起因して、蛍光透視法は、図2において明らかであるように、図1に示される角度(例えば、軸方向図)からインプラントを直接撮像するために使用することができない。
【0006】
アプリケータ102は、長手方向軸A1を有し、インプラント104は、長手方向軸A2を有する。角度aが、軸A1と軸A2との間に画定される。治療計画に従って所望の位置に到達するために、インプラントは、患者内に挿入され、前進するにつれて、インプラントは、所望の位置に枢動する(例えば、並進する)。インプラント104がアプリケータ102に対して時計回りに枢動するにつれて、角度aが減少する。インプラント104が正しい位置にあるとき、例えば、角度aが所望の位置に到達するときに、ユーザ(例えば、外科医)は、インプラントをアプリケータ102から取り外す。代替的に、説明されるように、インプラント104及びアプリケータ102は、角度aが所望の位置に到達したときに、(例えば、自動的に)それら自体を取り外すように適合されてもよい。
【0007】
アプリケータ102は、枢動点108でインプラント104に接続する第1のシャフト106を備える。インプラント104は、枢動点108からインプラントの遠位端までの既知の長さLを有する。枢動点108は、アプリケータ102及びインプラント104上の連携特徴などのいくつかの方法で達成されてもよい。(例えば、第1のシャフト106とインプラント104との間の)接続は、取り外し可能である。例えば、アプリケータ102は、枢動点108に対応する場所でインプラント104のシャフト(図1では見えない)を把持するジョー(図1では見えない)を有してもよい。インプラント104がアプリケータ102に対して時計回りに枢動する(角度aが減少する)と、インプラントが枢動点108を中心に枢動し、インプラントの遠位端が並進する。
【0008】
アプリケータ102は、シャフト106上に摺動可能に配置され、軸A1に沿って移動することができる第2のシャフト110を更に備える。シャフト110は、ピン112においてインプラント104に接続する。ピン112は、枢動点108から離間している。インプラント104が枢動点108を中心に枢動するにつれて、角度aが変化するだけではなく、ピン112の位置も変化する。例えば、角度aが減少する場合、ピン112の位置は、図1において相対的に下方に移動し、あるいは、角度aが増加する場合、ピン112の位置ピンの位置は、図1において相対的に上方に移動する。理解され得るように、ピン112が枢動点108の反対側(例えば、図1の右側ではなく左側)にある場合、ピン112の位置と角度aとの間の関係が逆であるが、説明されるように、インプラント104の位置を外挿するために使用され得る関係が依然として存在するであろう。
【0009】
シャフト106が軸A1に対して静止していると仮定すると、シャフト110の動き(例えば、シャフト106に対して、2つの間の差は、本明細書ではオフセットと呼ばれる)は、角度aに直接相関し得る。上述したように、角度aは、インプラント104の位置に相関し得る(例えば、インプラント104の位置にも相関し得る)。例えば、長さL、枢動点108の場所、及びピン112の場所などのインプラント104の寸法が既知である場合、角度aは、(例えば、オフセットの関数として)判定され、所望の位置に到達したかどうかを判定するために使用されてもよい。インプラント104の幾何学形状の他の特徴(例えば、曲率、テーパなど)もまた、所望の位置に到達したかどうかを判定する際に考慮されてもよい。
【0010】
1つ又は2つ以上のセンサ(描写せず)が、シャフト110に動作可能に取り付けられて、例えば、シャフト106とシャフト110との間、又は別の基準点とシャフト110との間のオフセットを判定してもよい。いくつかの実施形態では、センサは、例えば、シャフト110が直接マークされ、オフセットによってシャフト106の上方に視覚的に突出するスケールなどの直接視覚スケールではない。
【0011】
センサは、オフセット判定のためにより高い精度を提供してもよい。センサは、患者の体外に位置してもよい。センサは、手術前に較正されてもよい。センサは、例えば、クリックオンセンサとして、アセンブリ100に取り付けられる単回使用センサであってもよい。センサは、データを伝送するための信号を送信するように構成されてもよい。例えば、センサは、磁気センサ、ホール効果センサ、応力センサ、歪みセンサ、ばねセンサ、圧電センサ、距離センサ(光又は赤外線センサなど)、空気圧センサ、又は液圧センサから選択されてもよい。代替的に又は追加的に、コンピュータ支援手術(computer assisted surgery、CAS)システムで使用される場合、及びインプラント104及びアプリケータ102がナビゲートされ、したがって、対応するカメラ、磁場センサなどで追跡されるマーカ(光電子、磁気など)を有するトラッカを備える場合、アプリケータ102はまた、マーカトラッカの固定された向きに対するオフセット(例えば、角形成を表す)を判定するために使用され得る追加の動的マーカを受容してもよい。
【0012】
当業者は、相対移動を判定するようにそのようなセンサを構成することができる。センサは、データを伝送するために有線又は無線で接続されてもよい。有線又は無線通信は、無線(例えば、近距離通信(near-field communication、NFC)、WIFI(商標)、BLUETOOTH(商標)、BLUETOOTH LE(商標)、ZIGBEE(商標)など)又は有線(例えば、USB又はEthernet)などの様々なプロトコルを介して達成されてもよい。例えば、データは、コンピュータ支援手術システム(例えば、コントローラなど)又は他のナビゲーションモジュールに能動的に通信されてもよい。データは、オフセットを判定するために使用されてもよく、オフセットは、角度aを計算するために使用されてもよく、これは次に、インプラントの位置を判定するために使用されてもよい。角度aを計算するアルゴリズム及び/又はインプラントの位置は、インプラント104の寸法を含む幾何学的形状を考慮に入れてもよい。
【0013】
図2は、インプラント204を患者に挿入し、アプリケータ202に対するインプラントの枢動位置を判定する方法200を示す。アプリケータ202及びインプラント204は、上述した図1のアプリケータ102及びインプラント104と実質的に同様であってもよい。インプラント204は、例えば、治療計画に従って、患者の椎骨206に隣接して椎間腔の前面に位置決めされる必要があってもよい。
【0014】
ステップaにおいて、アプリケータ202及びインプラント204は、互いに取り外し可能に結合される。アプリケータ202の近位端(図示せず)には、インプラント204をアプリケータ202に結合するための係止及び/又は解放機構が備えられてもよい。アプリケータ202及びインプラント204のそれぞれの軸は、ステップaにおいていくらか類似しており、したがって、アプリケータとインプラントとの間の角度aが最大である(したがって、アプリケータとインプラントとの間に画定されるオフセットが最大である)。図1に説明されるようなセンサ(描写せず)は、オフセットを判定するために較正されてもよい。センサは、オフセットデータを制御ユニット及びディスプレイモジュール208に提供してもよく、このオフセットデータは、角度aを判定し、患者内のインプラント204の配置をモデル化するために使用されてもよい。制御ユニット及びディスプレイモジュール208は、いくつかの実施形態では、例えば、図3に説明されるように、複数の構成要素であってもよい。
【0015】
制御ユニット及びディスプレイモジュール208上に表示されるモデルは、インプラント204の進行を、例えば、リアルタイムで追跡してもよい。代替的に、制御ユニット及びディスプレイモジュール208上に表示されるモデルは、適切に設置されたインプラント204を表してもよく、センサからのオフセットを使用して、最終(例えば、所望の)位置が達成される前に必要とされる枢動の割合を計算してもよい。
【0016】
ステップbにおいて、インプラント204は、椎骨206に隣接して患者内に挿入される。アプリケータ202の近位端(図示せず)は、インプラント204を患者内に前進させるために、タップされるか、又は打ち込まれてもよい。チャネル(描写せず)が、椎骨206に隣接する椎間板材料内に作成されてもよい。ステップbにおいて、アプリケータ202とインプラント204との間の角度aは、図2に角度a1として表されるように、比較的大きくてもよい。インプラント204の一般的な位置は、同時方法によって追跡されてもよい。例えば、蛍光透視法がまた、図2に示される以外の角度からインプラント204を観察するために使用されてもよいが、椎骨の存在に起因して、蛍光透視法は、図2に示される角度(例えば、軸方向図)からインプラントを直接撮像するために使用することができない。
【0017】
ステップcにおいて、インプラント204は、患者内へ更に前進させられる。インプラント204の幾何学的形状、患者の解剖学的構造、及びチャネルの組み合わせにより、インプラントは、前進させられるにつれて枢動する(例えば、アプリケータ202によって画定される縦軸に対して枢動する)。ステップcにおいて、インプラント204が枢動するにつれて、図2に角度a2として表されるアプリケータ202とインプラント204との間の角度aが減少し、そのため、a1>a2である。
【0018】
ステップdにおいて、インプラント204は、患者内へ更に前進させられ、前進させられるにつれて枢動し、図2において角度a3として表されるその最終(例えば、所望の)位置を達成する。a1>a2>a3であることが理解される。制御ユニット及びディスプレイモジュール208は、インプラント204が所望の位置に到達したときに警告を提供するように構成されてもよく、例えば、ユーザ(例えば、外科医)は、モジュールによって警告されてもよい。適切な配置は、必要に応じて、蛍光透視法などを用いて並行して確認されてもよい。
【0019】
ステップeにおいて、アプリケータ202と関連付けられた係止及び/又は解放機構が作動され、インプラント204がアプリケータから結合解除されてもよい。
【0020】
図3は、本開示による、コンピュータ支援手術システム300の全体図を示す。システム300は、センサシステム302、ディスプレイ304、及びコントローラ306を含んでもよい。センサシステム302は、オフセットを示してもよいデータを検出又は収集するように適合されたか、又はそれが可能な、上述のセンサのうちのいずれかなどの1つ又は2つ以上のセンサ308を含んでもよい。
【0021】
有線又は無線データ伝送経路などの複数のデータ経路310を使用して、システム300の構成要素を通信可能に結合してもよい。例えば、コントローラ306は、有線又は無線データ伝送経路310を介してセンサシステム302に通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、コントローラ306は、有線又は無線データ伝送経路310を介して、1つ又は2つ以上の外部デバイス312及び/又は入力端末314に通信可能に結合されてもよい。
【0022】
コントローラ306は、通信インターフェース316、プロセッサ318、及びメモリ320を含んでもよく、これらの各々は互いに通信してもよい。これらの構成要素の各々は単数形で言及されているが、これらの構成要素のうちの1つによって実行されるものとして説明される様々な機能は、これらの構成要素のうちの複数によって実行されてもよく、例えば、プロセッサ318によって実行されるものとして説明されている機能は、複数のプロセッサなどによって実行されてもよいことを理解されたい。
【0023】
コントローラ306は、センサシステム302からデータを受信し、通信インターフェース316を介してディスプレイ304にデータを伝送してもよい。上記で紹介したように、いくつかの実施形態では、コントローラ306は、1つ又は2つ以上の外部デバイス312及び/又は1つ又は2つ以上の入力端末314と通信してもよい。非限定的な例として、外部デバイス312は、コンピューティングデバイス、リモートサーバなどであってもよい。いくつかのCAS実施形態では、画像デバイス接続(例えば、又は患者画像データ若しくは解剖学的構造の術中獲得患者データをアップロードする能力)は、ナビゲーションシステムが患者の解剖学的構造に対してデバイス(例えば、インプラント)を示すために重要である。
【0024】
入力端末314は、外科医又は他のユーザがデータをコントローラ306に直接入力することを可能にするように構成されてもよい。そのようなデータは、患者情報、手術処置情報、インプラント寸法、センサタイプなどを含んでもよい。入力端末314は、任意の既知の入力デバイス、例えば、キーボード及び/又はカーソルであってもよい。通信インターフェース316は、無線(例えば、近距離通信(near-field communication、NFC)、Wi-Fi、Bluetooth、Bluetooth LE、ZigBeeなど)又は有線(例えば、USB若しくはイーサネット)であってもよい。いくつかの実施形態では、通信インターフェースは、1つ又は2つ以上の無線及び有線接続を含んでもよい。無線接続の場合、通信インターフェース316は、所望の通信範囲を提供するように選択又はプログラムされてもよい。通信インターフェース316は、通信経路310(例えば、物理的信号伝送経路又は無線接続)を介して、1つ又は2つ以上のセンサ308からデータを受信してもよい。
【0025】
センサ308は、オフセットに関して収集又は感知されたデータを通信インターフェース316に伝送してもよい。センサ308から伝送されるデータは、磁気センサ、ホール効果センサ、応力センサ、歪みセンサ、ばねセンサ、圧電センサ、距離センサ(光又は赤外線センサなど)、空気圧センサ、又は液圧センサからの出力を含んでもよいが、これらに限定されない。コントローラ306に伝送される特定のタイプのデータは、アプリケータに結合されたセンサ308のタイプに依存する。通信インターフェース316は、センサ308から受信されたパラメータデータを、記憶のためにメモリ320に、及び/又は分析のためにプロセッサ318に伝送してもよい。例えば、オフセットは、角度aに相関してもよい。上述のように、角度aは、インプラントの位置に相関してもよい(例えば、角度も相関してもよい)。プロセッサ318は、例えば、インプラントの寸法(例えば、長さL、枢動点の場所、偏心点の場所など)を考慮して、位置を判定してもよい。プロセッサ318は、(例えば、オフセットの関数として)角度aを判定してもよい。プロセッサ318は、所望の位置に到達したかどうかを判定してもよい。プロセッサ318は、ディスプレイにアラートを送信することを判定してもよい。アラートは、外部デバイス312又はシステム300の他の構成要素上にLEDの照明又は他の視覚的アラート、チャイム音のトリガ、接続されたサーバ、外部デバイス、又はコンピューティングシステム内の情報のロギングなどを含んでもよい(例えば、アラートも含んでもよい)。
【0026】
プロセッサ318は、患者内のインプラントの配置をモデル化する(例えば、及び表示する)ことを判定してもよい。ディスプレイモジュール304上に表示されるモデルは、インプラントの進行を、例えば、リアルタイムで追跡してもよい。プロセッサ318は、適切に設置されたインプラントをモデル化する(例えば、及び表示する)ことを判定してもよく、最終(例えば、所望の)位置が達成される前に必要とされる枢動の割合を計算するために、センサ308から判定されたオフセットを使用してもよい。
【0027】
プロセッサ318は、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(programmable logic controller、PLC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、当該技術分野でコンピュータとして一般的に言及される集積回路、及び他のプログラマブル回路を含んでもよく、これらの用語は、本明細書では互換的に使用される。
【0028】
図4A及び図4Bは、アプリケータ402及びインプラント404の遠位部分を描写する。図4Bに最もよく見られるように、アプリケータ402は、インプラント404に取り外し可能かつ枢動可能に結合する。臨床的観点から、アプリケータ402及びインプラント404は、アプリケータ102及びインプラント104(図1)又はアプリケータ202及びインプラント204(図2)と実質的に同様に機能してもよい。インプラント404は、アプリケータ402に取り付けられ、それを必要とする患者(描写せず)の切開部内に挿入され、(例えば、所望の位置に向かって)前進するにつれて正しい位置に枢動される。アプリケータ402は、長手方向軸を有し、インプラント404は長手方向軸を有し、角度αは、軸間で画定される。所定角度αは、治療計画による患者内のインプラント404の所望の位置を表す。インプラント404が(例えば、図4Bに見られるように)アプリケータ402に対して時計回りに枢動するにつれて、角度αが減少する。インプラント404が所望の位置に到達した後、インプラントは、ユーザ(例えば、外科医)によってアプリケータから解放される。
【0029】
図4Aに最もよく見られるように、インプラント404は、隆起部及び開口部などの様々な特徴を有する本体410を備える。本体410の近位端には、ボス412が配設されている。ボス412は、インプラント404に対する枢動点として作用する。ボス412は、ファセットを伴って描写されているが、略円筒形である。ピン414がボス412から延びており、ボスに対して偏心して配設されている。ピン414の偏心配置は、インプラント404がボス412を中心に枢動するときに、ピンの並進運動を引き起こす。
【0030】
例示を簡単にするために、アプリケータ402の比較的遠位の部分のみが描写されている。シャフト420は、長手方向に延び、一対のジョー422で終端する。チャネル423は、後述するように、例えばインプラント404の一部分(例えば、ボス412)と係合又は係合解除するために、ジョーを互いに近づくか、又は離れるように移動させることを可能にするために、ジョー422の間のシャフト420内に画定される。一例では、例えば、アプリケータ402の比較的近位部分に位置するノブ(描写せず)を回転することによって、ジョーを互いに近づく(又は離れる)ように移動させるための原動力が提供されてもよい。例えば、第1の方向へのノブの回転は、インプラント404を固定するために一対のジョー422を閉鎖又は係止することができ、第2の方向へのノブの回転は、インプラントを係合解除又は解放するために(若しくは、代替的に、結合を開始するために)一対のジョー422を開放又は係止解除することができる。
【0031】
遠位先端424は、一対のジョー422の各々の端部に配設されている。遠位先端424及び一対のジョー422は、協働して、インプラント404のボス412を受容及び保持するための開口部425を画定する。開口部425のサイズは、(例えば、インプラント404のボス412と係合又は係合解除するために)一対のジョー422の位置とともに変動する。インプラント404がアプリケータ402に係止又は結合されているときであっても、開口部425のサイズは、インプラントがアプリケータに対して枢動することを可能にするのに依然として十分な大きさであることが企図される。そのため、開口部425の中心は、ボス412によって画定される枢動点と位置合わせされる。
【0032】
第2のシャフト430は、シャフト420上で摺動可能に配設され、シャフト420によって画定される軸に沿って移動可能である。シース460(図4B)は、第1のシャフト420及び第2のシャフト430の部分を覆うように提供されてもよい。
【0033】
シャフト430の遠位部分は、バー432を保持する。チャネル433は、バー432内に画定され、バーを一対のアーム434に分割する。チャネル433は、アーム434が互いに近づくか、離れるように移動することを可能にするために、いくらかの屈曲を可能にする。遠位先端436は、アーム434の各々の端部に配設される。遠位先端436及びアーム434は、協働して、第2の開口部438を画定する。開口部438は、ピン414を受容する(例えば、アプリケータ402がインプラント404に結合されるときに、アーム434が屈曲して開口部内にピンを受容する)。アーム434は、ピンの並進運動がシャフト430に伝達されることを可能にするのに十分な力で開口部438内にピン414を保持する。力は、シャフト430をインプラント404に向かってシャフト420の下方に引っ張るのに十分であってもよいが、力は、アプリケータ402からのインプラント404の取り外しを妨げるべきではない。必要に応じて、力は、対抗する力によって較正されるか、又は平衡させられ得る。
【0034】
例えば、インプラント404がアプリケータ402から解放されると、アーム434はピン414を保持すべきでない。(例えば、インプラントのボス412を解放するために一対のジョー422を開放又は係止解除した後に)ユーザによって引き離されるアプリケータ402は、ピン414を保持するアーム434によって及ぼされる力に打ち勝つのに十分な力を及ぼしてもよいことが可能である。しかしながら、いくつかの実施形態では、ピン414を保持するアーム434によって及ぼされる力に打ち勝つための特徴が提供される。これらの特徴は、インプラント404のボス412を解放するために一対のジョー422を開放又は係止解除する前に、又はそれと同時に動作するように構成され得る。
【0035】
例えば、いくつかの実施形態では、停止部440がシャフト430上に提供され、そのため、シャフトのある量の並進運動の後、停止部は、面(シャフト420上又はシース460上の面など)に係合し、インプラント404のさらなる枢動は、ピン414を開口部438からカムアウトさせる。
【0036】
いくつかの実施形態では、楔(描写せず)が非移動面(シャフト420上又はシース460上の面など)上に提供され、そのため、シャフト430のある量の並進移動の後に、楔がチャネルに進入し、アーム434を離し、ピン414が開口部438から脱出することを可能にする。
【0037】
第1のシャフト420と第2のシャフト430との間の並進運動のオフセットは、アプリケータ402の軸とインプラント404の軸との間に画定される角度αに相関し得る。オフセット(及び/又は角度α)は、インプラント404が治療計画に従って患者内の所望の位置に到達するのに十分に枢動したかどうかを判定するために使用されてもよい。上述したように、長さL、枢動点(ボス412)の場所、及び/又はピン414の場所などのインプラントの寸法を使用して、(例えば、オフセットの関数としての)角度αがインプラント404の位置に相関し得る。インプラント404の幾何学形状の他の特徴(例えば、曲率、テーパなど)もまた、所望の位置に到達したかどうかを判定する際に考慮されてもよい。
【0038】
図1及び図2に関して説明したセンサベースの方法は、(例えば、第1のシャフト420と第2のシャフト430との間、又は別の基準点とシャフト430との間のオフセットを判定するために)図4A及び図4Bのデバイスとともに使用されてもよいが、いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のセンサは、オフセットインジケータによって置き換えられる。いくつかの実施形態では、オフセットインジケータは、直接視覚スケールであるが、例えば、シャフト430に直接マークが付けられ、オフセットによってシャフト420の上方に視覚的に突出するスケールではない。
【0039】
図5を参照すると、アプリケータ402及びインプラント404は、図4A及び図4Bに関して説明した通りであり、同じ参照番号が使用されている。オフセットインジケータ500は、アプリケータ402に接続されるが、患者の身体の外側に位置するアプリケータのより近位部分上にある。オフセットインジケータ500は、ハウジング502を有する。ハウジング502は、シース460、シャフト420、又はアプリケータ402のいくつかの他の比較的静止した部分に接続されてもよい。チャネル504は、ハウジング502によって画定される。
【0040】
マーカ506は、チャネル504内に摺動可能に配設されている。マーカ506は、シャフト430に接続され、そのため、マーカの移動は、(静止シャフト420に対する)シャフト430の移動、したがってオフセットに直接対応する。印508は、ハウジング502に彫り込まれるか、又は他の方法でマークが付けられ、マーカ506と位置合わせされるときに、位置合わせされた印は、位置に関連付けられた角度αなど、インプラント404の所定の(例えば、較正された)位置を示す。ユーザ(例えば、外科医)は、マーカ506と位置合わせされた印(例えば、印508のうちの1つ)を使用して、手術処置の進行を測定してもよい。例えば、図5に描写するように、マーカ506が左に移動するほど、インプラント404は所望の位置に近づく。
【0041】
動作中、インプラント404は、例えば、治療計画に従って、患者の椎骨に隣接して椎間腔の前面に位置決めされる必要があってもよい。インプラント404の一般的な位置は、蛍光透視法などの同時方法によって追跡されてもよい。
【0042】
ステップaでは、アプリケータ402は、インプラント404に向かって前進させられる。アプリケータ402の一対のジョー422は、互いに最も離れた位置にある。前述したように、ジョーを互いに近づくように移動させるための原動力は、例えば、アプリケータ402の比較的近位の部分に位置するノブ(描写せず)を回転することによって提供され得る。例えば、一対のジョー422は、ユーザがインプラント404をアプリケータに結合しようと試みる前に、開放又は係止解除されるであろう。インジケータ500のマーカ506は、シャフト430の基本位置又は初期位置などを反映するように、第1の位置にあってもよい。
【0043】
ステップaにおいて、アプリケータ402及びインプラント404は、取り外し可能に一緒に結合され、例えば、インプラント404のボス412(図4A)は、一対のジョー422間に画定される開口部425内に捕捉される。また、インプラント404のピン414(図4A)は、シャフト430の開口部438(図4A)内に受容される。アプリケータ402及びインプラント404のそれぞれの軸は、ステップaにおいていくらか類似しており、したがって、アプリケータとインプラントとの間の角度αが最大である(したがって、アプリケータとインプラントとの間に画定されるオフセットが最大である)。インジケータ500のマーカ506は、シャフト430の基本位置又は初期位置を反映するように、第1の位置に留まってもよい(例えば、シャフトは、インプラント404が枢動し始めるまで移動しなくてもよい)。
【0044】
ステップbにおいて、インプラント404は、患者(図示せず)内に、例えば椎骨に隣接する椎間板材料内に作成されたチャネル内に挿入される。アプリケータ402の近位端(図示せず)は、インプラント404を患者内に前進させるために、タップされるか、又は打ち込まれてもよい。インプラント404の幾何学的形状、患者の解剖学的構造、及びチャネルの組み合わせにより、インプラントは、前進させられるにつれて枢動する(例えば、アプリケータ402によって画定される縦軸に対して枢動する)。ステップbにおいて、アプリケータ402とインプラント404との間の角度αは、ステップaにおける角度よりも小さくてもよいが、依然として比較的大きく、印508に達するインジケータ500のマーカ506によって表される。マーカ506の移動は、インプラント404のピン414(図4A)がインプラントが枢動するときにシャフト430をインプラントの方向に引っ張ることによってもたらされ、ピンはインプラントの枢動点に対して偏心している。
【0045】
ステップcにおいて、インプラント404は、患者内へ更に前進させられ、インプラントは枢動し続ける。シャフト420とシャフト430との間のオフセットは、(例えば、インプラント404が枢動し続けるにつれて)減少する。インプラント404が枢動し続けるにつれて、インプラントのピン414(図4A)は、印508の中間印に達するインジケータ500のマーカ506によって表されるインプラントの方向にシャフト430を更に引っ張る。
【0046】
ステップdにおいて、インプラント404は、患者内へ更に前進させられ(前進させられるにつれて枢動し)、その最終(例えば、所望の)位置を達成する。インプラント404は、印508の所望の位置印に達するインジケータ500のマーカ506によって表されるインプラントの方向にシャフト430を更に引っ張る。ユーザ(例えば、外科医)は、インジケータ500を使用して、インプラント404が所望の位置に到達したことを判定してもよい。適切な配置は、必要に応じて、蛍光透視法などを用いて並行して確認されてもよい。
【0047】
描写されていないが、ユーザ(例えば、外科医)は、アプリケータと関連付けられた係止及び/又は解放機構を作動させることによって、インプラント404をアプリケータ402から解放することを判定してもよく、インプラントは、アプリケータから結合解除されてもよい。例えば、インプラントは、アプリケータ402の比較的近位部分に位置するノブ(描写せず)を回すことによって解放されてもよい。係止及び/又は解放機構は、インプラント404のボス412(図4A)がもはや開口部内に保持されないように、一対のジョー422間に画定された開口部425(図4A)を拡張させてもよい。アプリケータ402は、インプラント404から引き戻されてもよい。ピン414(図4A)は、例えば、インプラント404から離れるように引き戻されるアプリケータ402の力による解放後、又はピンが通過することを可能にするように、ピンがアームからカムアウトする、若しくはアームが離れるように駆動されることによるなど、解放の前若しくはそれと同時に、シャフト430のアーム434(図4A)から逃れてもよい。
【0048】
図6A及び図6Bは、アプリケータ602及びインプラント604の遠位部分を描写する。図6Bに最もよく見られるように、アプリケータ602は、インプラント604に取り外し可能かつ枢動可能に結合する。臨床的観点から、アプリケータ602及びインプラント604は、前述のアプリケータ及びインプラントと実質的に同様に機能してもよく、例えば、インプラント604は、アプリケータ602に取り付けられ、それを必要とする患者(描写せず)の切開部内に挿入され、(例えば、所望の位置に向かって)前進するにつれて正しい位置に枢動される。アプリケータ602は、長手方向軸を有し、インプラント604は長手方向軸を有し、角度αは、軸間で画定される。所定角度αは、治療計画による患者内のインプラント604の所望の位置を表す。インプラント604が(例えば、図6Bに見られるように)アプリケータ602に対して時計回りに枢動するにつれて、角度αが減少する。インプラント604が所望の位置に到達した後、インプラントは、ユーザ(例えば、外科医)によってアプリケータから解放される。
【0049】
図6Aに最もよく見られるように、インプラント604は、隆起部及び開口部などの様々な特徴を有する本体610を備える。本体610の近位端には、ボス612が配設されている。ボス612は、インプラント604に対する枢動点として作用する。ボス612は、ファセットを伴って描写されているが、略円筒形である。カム614は、ボス612の上方に延び、ボスに対して偏心して配設され、例えば、カムの一部分は、ボスの第1の側で本体610から更に突出してもよい。カム614の偏心配置は、インプラント604がボス612を中心に枢動するときに、カムの面614aの並進運動を引き起こす。
【0050】
例示を簡単にするために、アプリケータ602の比較的遠位の部分のみが描写されている。シャフト620は、長手方向に延び、一対のジョー622で終端する。チャネル623は、後述するように、例えばインプラント604の一部分(例えば、ボス612)と係合又は係合解除するために、ジョーを互いに近づくか、又は離れるように移動させることを可能にするために、ジョー622の間のシャフト620内に画定される。一例では、例えば、アプリケータ602の比較的近位部分に位置するノブ(描写せず)を回転することによって、ジョーを互いに近づく(又は離れる)ように移動させるための原動力が提供されてもよい。例えば、第1の方向へのノブの回転は、インプラント604を固定するために一対のジョー622を閉鎖又は係止することができ、第2の方向へのノブの回転は、インプラントを係合解除又は解放するために(若しくは、代替的に、結合を開始するために)一対のジョー622を開放又は係止解除することができる。
【0051】
遠位先端624は、一対のジョー622の各々の端部に配設されている。遠位先端624及び一対のジョー622は、協働して、インプラント604のボス612を受容及び保持するための開口部625を画定する。開口部625のサイズは、(例えば、インプラント604のボス612と係合又は係合解除するために)一対のジョー622の位置とともに変動する。インプラント604がアプリケータ602に係止又は結合されているときであっても、開口部625のサイズは、インプラントがアプリケータに対して枢動することを可能にするのに依然として十分な大きさであることが企図される。そのため、開口部625の中心は、ボス612によって画定される枢動点と位置合わせされる。
【0052】
第2のシャフト630は、シャフト620上で摺動可能に配設され、シャフト620によって画定される軸に沿って移動可能である。シャフト630の遠位部分は、遠位端634によって取り付けられた一対のアーム632を備える。端部634は、カム614に対してカム従動子として作用する面634aを有する(例えば、アプリケータ602がインプラント604に結合されるときに、端面634aは、カム614の面614aに対して(例えば、ばねによって)付勢される。付勢力は、アプリケータ602からのインプラント604の取り外しを容易にしてもよい。シース660(図6B)は、第1のシャフト620及び第2のシャフト630の部分を覆うように提供されてもよい。
【0053】
インプラント604の枢動は、カム614の面614aの並進運動がシャフト630に伝達されることを可能にする。図6B及び図7に最もよく見られるように、枢動点670(例えば、ボス612を通って延びる理論上の枢動点)を中心に枢動することなどによって、角度aが減少する(図7の時計回り回転r)ときに、面614aの位置は、相対的に右方向に移動する(図6B、例えば、図7のオフセットsだけ上方に移動する)。理解され得るように、面614aが、ボス612によって画定される枢動点の反対側(例えば、図6Bの後方ではなく前方)にある場合、面の位置と角度aとの間の関係が逆であるが、インプラント604の位置を外挿するために使用され得る関係が依然として存在するであろう。(例えば、ボス612によって画定される)枢動点670に対するカム614の偏心形状に起因して、シャフト630は、インプラント604が枢動するにつれて(例えば、患者内に前進させられている間)、シャフト620に対して移動させられる。
【0054】
第1のシャフト620と第2のシャフト630との間の並進運動のオフセットは、アプリケータ602の軸とインプラント604の軸との間に画定される角度αに相関し、そのため、インプラント604が治療計画に従って患者内の所望の位置に到達するのに十分に枢動したかどうかを判定するために使用され得る。上述したように、長さL、枢動点670(例えば、ボス612内)の場所、及び/又はカム614の場所などのインプラントの寸法を使用して、(例えば、オフセットの関数としての)角度αがインプラント604の位置に相関し得る。インプラント604の幾何学形状の他の特徴(例えば、曲率、テーパなど)もまた、所望の位置に到達したかどうかを判定する際に考慮されてもよい。
【0055】
図1及び図2に関して説明したセンサベースの方法は、(例えば、第1のシャフト620と第2のシャフト630との間、又は別の基準点とシャフト630との間のオフセットを判定するために)図6A及び図6Bのデバイスとともに使用されてもよいが、いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のセンサは、オフセットインジケータによって置き換えられる。いくつかの実施形態では、オフセットインジケータは、直接視覚スケールであるが、例えば、シャフト630に直接マークが付けられ、オフセットによってシャフト620の上方に視覚的に突出するスケールではない。
【0056】
図8を参照すると、アプリケータ602の第1のシャフト620及び第2のシャフト630の特徴は、図6A及び図6Bに関して説明した通りであり、同じ参照番号が使用されている。オフセットインジケータ800は、アプリケータ602に接続されるが、患者の身体の外側に位置するアプリケータのより近位部分上にある。オフセットインジケータ800は、ハウジング802を有する。ハウジング802は、シャフト630に接続され、そのため、ハウジングの移動は、(静止シャフト620に対する)シャフトの移動に直接対応する。切り欠き804は、ハウジング802によって画定される。マーカ806は、切り欠き804に隣接してハウジング802上に彫りこまれるか、又は他の方法でマーク付けされる。
【0057】
印808は、第1のシャフト620上に彫りこまれるか、又は他の方法でマーク付けされる。代替的に、印808は、シース660又はアプリケータ602の他の比較的静止した部分上にあってもよい。マーカ806と位置合わせされると、(例えば、印808の)位置合わせされた印は、位置に関連付けられた角度αなど、インプラント604の所定の(例えば、較正された)位置を示す。ユーザ(例えば、外科医)は、マーカ806と位置合わせされた印(例えば、印808のうちの1つ)を使用して、手術処置の進行を測定してもよい。例えば、図8に描写するように、マーカ806が右に移動するほど、インプラント(インプラント604など)は所望の位置に近づく。
【0058】
ばね850のセットが、第1のシャフト620と第2のシャフト630との間に挿入されてもよい。ばね850は、シャフト630の端部634(図6A)をインプラント604のカム614(図6A)に対して付勢し、そのため、それらが当接する。面634a(図6A)は、インプラント604が枢動するにつれて、カム614の面614aに対してカム従動子として作用する。
【0059】
動作中、(インプラント604などの)インプラントは、例えば、治療計画に従って、患者の椎骨に隣接して椎間腔の前面に位置決めされる必要があってもよい。インプラントの一般的な位置は、蛍光透視法などの同時方法によって追跡されてもよい。
【0060】
ステップaにおいて、アプリケータ(アプリケータ602など)及びインプラントは、取り外し可能に一緒に結合されてもよく、例えば、インプラント604のボス612(図6A)は、一対のジョー622間に画定される開口部625内に捕捉される。また、インプラント604のカム614(図6A)は、ばね850の作用によりシャフト630の端部634(図6A)に当接している。アプリケータ及びインプラントのそれぞれの軸は、ステップaにおいていくらか類似してもよく、したがって、アプリケータとインプラントとの間の角度αが最大である(したがって、アプリケータとインプラントとの間に画定されるオフセットが最大である)。インジケータ800のマーカ806は、シャフト630の基本位置又は初期位置を反映するように、第1の位置にある(例えば、シャフトは、インプラントが枢動し始めるまで移動しなくてもよい)。
【0061】
ステップcにおいて、インプラントは、患者(図示せず)内に、例えば椎骨に隣接する椎間板材料内に作成されたチャネル内に挿入されている。アプリケータ602の近位端(図示せず)は、インプラント604を患者内に前進させるために、タップされるか、又は打ち込まれてもよい。インプラント604の幾何学的形状、患者の解剖学的構造、及びチャネルの組み合わせにより、インプラントは、前進させられるにつれて枢動する(例えば、アプリケータによって画定される縦軸に対して枢動する)。ステップcにおいて、アプリケータ602とインプラント604との間の角度αは、印808の中間印に到達するインジケータ800のマーカ806によって表されるステップaにおけるよりもかなり小さくてもよい。マーカ806の移動は、インプラント604のカム614(図6A)がインプラントが枢動するときにシャフト630をインプラントから離れる方向に押すことによってもたらされ、カムはインプラントの枢動点に対して偏心している。別の言い方をすれば、シャフト620とシャフト630との間のオフセットは、インプラントが枢動するにつれて減少する。
【0062】
ステップdにおいて、インプラントは、患者内へ更に前進させられ(前進するにつれて枢動し)、その最終(例えば、所望の)位置を達成する。インプラントが枢動するにつれて、インプラントはシャフト630をインプラントから離れる方向に押し、インジケータ800のマーカ806が印808の所望の位置印に到達することによって表される。ユーザ(例えば、外科医)は、インジケータ800を使用して、インプラントが所望の位置に到達したことを判定してもよい。適切な配置は、必要に応じて、蛍光透視法などを用いて並行して確認されてもよい。
【0063】
描写されていないが、ユーザ(例えば、外科医)は、アプリケータと関連付けられた係止及び/又は解放機構を作動させることによって、インプラントをアプリケータから解放することを判定してもよく、インプラントは、アプリケータから結合解除されてもよい。例えば、インプラントは、アプリケータの比較的近位部分に位置するノブ(描写せず)を回すことによって解放されてもよい。係止及び/又は解放機構は、インプラント604のボス612がもはや開口部内に保持されないように、一対のジョー622間に画定された開口部625(図6A)を拡張させてもよい。アプリケータは、インプラントから引き戻されてもよい。カム614(図6A)は、解放後、もはやシャフト630に当接しなくてもよい。いくつかの実施形態では、ばね850は、シャフト630の端面634aを介してインプラントに圧力を加えることによって、解放を部分的に支援してもよい。
【0064】
図9は、インジケータシステムの別の実施形態を示し、システム920は、アプリケータ902及びインプラント904とともに使用するためのものである。アプリケータ902は、インプラント904に取り外し可能かつ枢動可能に結合される。アプリケータ902とインプラント904との間の接続点(描写せず)は、インプラントの内側に配設されてもよい。アプリケータ902は、長手方向軸A1を有し、インプラント904は、長手方向軸A2を有する。角度αが、軸線A1と軸線A2との間に画定される。治療計画に従って所望の位置に到達するために、インプラントは、患者内に挿入され、前進すると、インプラントは、所望の位置に枢動する(例えば、並進する)。インプラント904がアプリケータ902に対して時計回りに枢動するにつれて、角度αが減少する。インプラント904が正しい位置にあるとき、例えば、角度αが所望の位置に到達するときに、ユーザ(例えば、外科医)は、インプラントをアプリケータ902から取り外す。
【0065】
プーリ922は、シャフト902上に配設される。回転不可能な突出部924は、インプラント904と関連付けられ、例えば、インプラントの外側部分に配設される。突出部924は、インプラント904と一体であってもよく、又はアプリケータがインプラントから係合解除されるときに突出部が取り外し可能であることを条件として、インプラント内の凹部(描写せず)と係合してもよい。突出部924は、軸A1と軸A2との交点に位置し、この交点は、インプラント904の枢動点に対応する。インプラント904がアプリケータ902に対して時計回りに枢動するにつれて、インプラントは、枢動点と位置合わせされた内側接続点を中心に枢動する。ワイヤループ926は、プーリ922と突出部924とを接続する。インプラント904の枢動は、ワイヤループ926を回転させて(例えば、時計回りの回転)、これは、プーリ922を回転させる。
【0066】
いくつかの実施形態では、マーカ928がプーリ922上に配設されている。プーリ922の回転は、マーカ928の移動をもたらす。印930は、アプリケータ又は別の静止した面上に彫りこまれるか、又は他の方法でマーク付けされる。物理的/視覚的インジケータは一例にすぎないことが理解される(例えば、プーリ922の回転角の928の位置を測定するために様々な種類のセンサを使用することができ、それに応じて出力を適合させてもよい)。
【0067】
印930は、マーカ928と位置合わせされるときに、位置に関連付けられた角度αなど、インプラント904の所定の(例えば、較正された)位置を示す。ユーザ(例えば、外科医)は、マーカ928と位置合わせされた印930を使用して、手術処置の進行を測定してもよい。例えば、図9に描写するように、マーカ928が右に移動するほど、インプラント904は所望の位置に近づく。マーカ928の位置は、インプラント904の位置に相関してもよい。例えば、インプラント904の寸法(例えば、長さL、枢動点の場所、曲率、テーパなど)、プーリ922の寸法(例えば、幅など)、マーカ928の寸法(例えば、長さなど)が既知である場合、印930は、インプラントの種々の位置を反映するように適合され、所望の位置に到達したかどうかを判定するために使用されてもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、マーカ932がワイヤループ926上に配設されている。ワイヤループ926の回転は、(例えば、以前の位置932aから932によって表される現在の位置への)マーカ932の移動をもたらす。印934は、アプリケータ又は別の静止した面上に彫りこまれるか、又は他の方法でマーク付けされる。印934は、マーカ932と位置合わせされるときに、ワイヤループ926の移動を表すオフセットsなど、インプラント904の所定の(例えば、較正された)位置を示す。オフセットsは、角度αに関連付けられてもよく、これは、インプラント904の位置と関連付けられてもよい。ユーザ(例えば、外科医)は、マーカ932と位置合わせされた印934を使用して、手術処置の進行を測定してもよい。例えば、図9に描写するように、マーカ932が下に移動するほど、インプラント904は所望の位置に近づく。マーカ932の位置は、インプラント904の位置に相関してもよい。例えば、インプラント904の寸法(例えば、長さL、枢動点の場所、曲率、テーパなど)、プーリ922の寸法(例えば、幅など)、ワイヤループの寸法(例えば、長さなど)が既知である場合、印934は、インプラントの種々の位置を反映するように適合され、所望の位置に到達したかどうかを判定するために使用されてもよい。上述したように、センサは、オフセットsを測定することと併せて、又は代替的に使用され得る。いくつかの実施形態では、両方のマーカシステムが使用される。所望の位置に到達した後に、ワイヤループ926は、プーリ922から滑り落ち、次いで、突起924から滑り落ちてもよい。代替的に、マーカ932は、ワイヤループ926をループに可逆的にクランプするように適合されてもよく、(例えば、ユーザがインプラントをアプリケータ902から取り外す前又は後に)インプラント904を解放するために、クランプ解除され、ワイヤが突起924の周りに通されてもよい。
【0069】
上で説明される実施形態の例は、以下を含んでもよい。
【0070】
第1の例では、手術システムが、第1のシャフトを有するアプリケータと、インプラントであって、第1のシャフトに枢動可能かつ取り外し可能に結合された第1の部材、及びインプラントの回転運動を並進オフセットに変換するための第2の部材、を有する、インプラントと、オフセットを判定するためのセンサ又はオフセットを示すためのインジケータのうちの少なくとも1つであって、インジケータはアプリケータの端部に位置する突起ではないことを条件とする、センサ又はインジケータのうちの少なくとも1つと、を備える。
【0071】
いくつかの実施形態では、第2の部材が、インプラントの枢動点に対して偏心している。
【0072】
いくつかの実施形態では、アプリケータは、アプリケータの長手方向軸によって画定される軸に沿って第1のシャフト上に摺動可能に配設された第2のシャフトを更に備える。一例では、第2の部材が、第2のシャフトに係合し、インプラントの枢動が、軸に対する第2のシャフトの移動をもたらす。別の例では、第1の部材及び第2の部材が、インプラントの外面の内側にある。
【0073】
いくつかの実施形態では、センサが、磁気センサ、ホール効果センサ、応力センサ、歪みセンサ、ばねセンサ、圧電センサ、距離センサ、空気圧センサ、光電子測定システムマーカ、又は液圧センサである。
【0074】
いくつかの実施形態では、第2の部材が、ピンであり、第2のシャフトの遠位部分が、ピンをトラップするように適合されている。一例では、インジケータが、第2のシャフトに取り付けられたマーカと、第1のシャフトに取り付けられたハウジング上にマーク付けされた印と、を備える。
【0075】
いくつかの実施形態では、第2の部材が、カムであり、第2のシャフトの遠位部分が、カムに追従するように適合されている。一例では、インジケータが、第2のシャフトに取り付けられたマーカと、第1のシャフト上にマーク付けされた印と、を備える。実施形態が、第2のシャフトをインプラントに向かって付勢するためのばねを更に備える。
【0076】
いくつかの実施形態では、第2の部材が、インプラントの枢動点と同心である。一例では、第1の部材が、インプラントの外面の内側にあり、第2の部材が、インプラントの外面の外側にあり、オフセットが、第2の部材とアプリケータとの間に取り付けられたワイヤループに伝えられる。
【0077】
第2の例では、コンピュータ支援手術システムが、コントローラを備え、コントローラが、上述の手術システムのうちのいずれかのセンサからオフセットデータを受信することと、インプラントの寸法及びオフセットを使用して、患者内のインプラントの角度を判定することと、患者の解剖学的構造に対するインプラントの現在位置を表示することと、を行うように構成されている。一例では、コントローラが、所望の位置に到達したかどうかを判定し、ユーザに通知を表示するように更に構成されている。一例では、コントローラは、対応するカメラ、磁場センサなどで追跡されるマーカ(光電子、磁気など)、及びマーカトラッカの固定された向きに対するオフセット(例えば、角形成を表す)を判定するために使用され得る追加の動的マーカを有するトラッカからデータを受信する。
【0078】
第3の例では、手術システムが、アプリケータであって、第1のシャフト、及びアプリケータの長手方向軸によって画定される軸に沿って第1のシャフト上に摺動可能に配設された第2のシャフトを有する、アプリケータと、インプラントであって、第1のシャフトに枢動可能かつ取り外し可能に結合された第1の部材、及び第2のシャフトに係合するためのインプラントの枢動点に対して偏心した第2の部材であって、インプラントの枢動が、軸に沿った第2のシャフトのオフセットをもたらす、第2の部材、を有する、インプラントと、オフセットを判定するためのセンサ又はオフセットを示すためのインジケータのうちの少なくとも1つであって、インジケータはアプリケータの端部に位置する突起ではないことを条件とする、センサ又はインジケータのうちの少なくとも1つと、を備える。一例では、センサが、磁気センサ、ホール効果センサ、応力センサ、歪みセンサ、ばねセンサ、圧電センサ、距離センサ、空気圧センサ、光電子測定システムマーカ、又は液圧センサである。一例では、インジケータが、第2のシャフトに取り付けられたマーカと、第1のシャフトに関連付けられた印と、を備える。一例では、第2のシャフトが、第1のシャフトを越えて延びていない。一例では、第2の部材が、第2のシャフトに取り付けられていない。
【0079】
〔実施の態様〕
(1) 手術システムであって、
第1のシャフトを有するアプリケータと、
インプラントであって、
前記第1のシャフトに枢動可能かつ取り外し可能に結合された第1の部材、及び
前記インプラントの回転運動を並進オフセットに変換するための第2の部材、を有する、インプラントと、
以下の、
前記オフセットを判定するためのセンサ、又は
前記オフセットを示すためのインジケータであって、前記インジケータは前記アプリケータの端部に位置する突起ではないことを条件とする、インジケータ、のうちの少なくとも1つと、を備える、手術システム。
(2) 前記第2の部材が、前記インプラントの枢動点に対して偏心している、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記アプリケータが、前記アプリケータの長手方向軸によって画定される軸に沿って前記第1のシャフト上に摺動可能に配設された第2のシャフトを更に備える、実施態様1に記載のシステム。
(4) 前記第2の部材が、前記第2のシャフトに係合し、前記インプラントの枢動が、前記軸に対する前記第2のシャフトの移動をもたらす、実施態様3に記載のシステム。
(5) 前記第1の部材及び前記第2の部材が、前記インプラントの外面の内側にある、実施態様3に記載のシステム。
【0080】
(6) 前記センサが、磁気センサ、ホール効果センサ、応力センサ、歪みセンサ、ばねセンサ、圧電センサ、距離センサ、空気圧センサ、光電子測定システムマーカ、又は液圧センサである、実施態様3に記載のシステム。
(7) 前記第2の部材が、ピンであり、前記第2のシャフトの遠位部分が、前記ピンをトラップするように適合されている、実施態様3に記載のシステム。
(8) 前記インジケータが、前記第2のシャフトに取り付けられたマーカと、前記第1のシャフトに取り付けられたハウジング上にマーク付けされた印と、を備える、実施態様7に記載のシステム。
(9) 前記第2の部材が、カムであり、前記第2のシャフトの遠位部分が、前記カムに追従するように適合されている、実施態様3に記載のシステム。
(10) 前記インジケータが、前記第2のシャフトに取り付けられたマーカと、前記第1のシャフト上にマーク付けされた印と、を備える、実施態様9に記載のシステム。
【0081】
(11) 前記第2のシャフトを前記インプラントに向かって付勢するためのばねを更に備える、実施態様9に記載のシステム。
(12) 前記第2の部材が、前記インプラントの枢動点と同心である、実施態様1に記載のシステム。
(13) 前記第1の部材が、前記インプラントの外面の内側にあり、前記第2の部材が、前記インプラントの前記外面の外側にあり、前記オフセットが、前記第2の部材と前記アプリケータとの間に取り付けられたワイヤループに伝えられる、実施態様12に記載のシステム。
(14) コンピュータ支援手術システムであって、
コントローラを備え、前記コントローラが、
実施態様1に記載の手術システムの前記センサからオフセットデータを受信することと、
前記インプラントの寸法及び前記オフセットを使用して、患者内の前記インプラントの角度を判定することと、
患者の解剖学的構造に対する前記インプラントの現在位置を表示することと、を行うように構成されている、コンピュータ支援手術システム。
(15) 前記コントローラが、所望の位置に到達したかどうかを判定し、ユーザに通知を表示するように更に構成されている、実施態様14に記載のコンピュータ支援手術システム。
【0082】
(16) 手術システムであって、
アプリケータであって、第1のシャフト、及び前記アプリケータの長手方向軸によって画定される軸に沿って前記第1のシャフト上に摺動可能に配設された第2のシャフトを有する、アプリケータと、
インプラントであって、
前記第1のシャフトに枢動可能かつ取り外し可能に結合された第1の部材、及び
前記第2のシャフトに係合するための前記インプラントの枢動点に対して偏心した第2の部材であって、前記インプラントの枢動が、前記軸に沿った前記第2のシャフトのオフセットをもたらす、第2の部材、を有する、インプラントと、
前記オフセットを判定するためのセンサ又は前記オフセットを示すためのインジケータのうちの少なくとも1つであって、前記インジケータは前記アプリケータの端部に位置する突起ではないことを条件とする、センサ又はインジケータのうちの少なくとも1つと、を備える、手術システム。
(17) 前記センサが、磁気センサ、ホール効果センサ、応力センサ、歪みセンサ、ばねセンサ、圧電センサ、距離センサ、空気圧センサ、光電子測定システムマーカ、又は液圧センサである、実施態様16に記載の手術システム。
(18) 前記インジケータが、前記第2のシャフトに取り付けられたマーカと、前記第1のシャフトに関連付けられた印と、を備える、実施態様16に記載の手術システム。
(19) 前記第2のシャフトが、前記第1のシャフトを越えて延びていない、実施態様16に記載の手術システム。
(20) 前記第2の部材が、前記第2のシャフトに取り付けられていない、実施態様16に記載の手術システム。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
【国際調査報告】