(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-27
(54)【発明の名称】人工知能を使用した直接医療治療予測
(51)【国際特許分類】
G16H 50/20 20180101AFI20241120BHJP
【FI】
G16H50/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532447
(86)(22)【出願日】2022-12-02
(85)【翻訳文提出日】2024-07-01
(86)【国際出願番号】 US2022051624
(87)【国際公開番号】W WO2023102166
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521552349
【氏名又は名称】デジタル ダイアグノスティックス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】エイブラモフ, マイケル ディー.
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
(57)【要約】
患者の生体構造に対応する、画像データを受信する、デバイスが、本明細書に開示される。本デバイスは、画像データを、解剖学的画像と解剖学的特徴標識を対合させる、訓練データを使用して訓練される、1つ以上の特徴モデルに適用し、1つ以上の特徴モデルからの出力として、画像データに対応する、複数の解剖学的特徴毎のスコアを受信する。本デバイスは、スコアを治療モデルへの入力として適用し、治療モデルは、患者の生体構造の特徴に基づいて、特定の治療の有効性の測定値の予測を出力するように訓練される。本デバイスは、治療モデルからの出力として、特定の治療の有効性の予測される測定値を表す、データを受信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者のための治療の有効性を自律的に予測するための方法であって、前記方法は、
患者の生体構造の画像データを受信することと、
前記画像データを、解剖学的画像と解剖学的特徴標識を対合させる、訓練データを使用して訓練される、特徴抽出モデルに適用することと、
前記特徴抽出モデルからの出力として、前記患者の生体構造に対応する、複数の解剖学的特徴毎のスコアを受信することと、
前記スコアを治療モデルへの入力として適用することであって、前記治療モデルは、前記患者の生体構造の特徴に基づいて、特定の治療の有効性の測定値の予測を出力するように訓練される、ことと、
前記治療モデルからの出力として、前記特定の治療の有効性の前記予測される測定値を表す、データを受信することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記画像データに基づいて、前記画像データが対応する身体部分を判定することと、
各候補特徴モデルと所与の身体部分との間の一致に基づいて、前記1つ以上の特徴モデルを複数の候補特徴モデルから選択することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記治療モデルへの入力として、前記識別を適用することは、前記複数の解剖学的特徴の解剖学的特徴毎に、その個別の識別を記憶する、特徴ベクトルを発生させることと、前記治療モデルへの入力として、前記特徴ベクトルを適用することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記特定の治療に関して、有効性のその予測される測定値が閾値を超えるかどうかを判定することと、
有効性のその予測される測定値が前記閾値を超えることを判定することに応答して、ユーザに、前記特定の治療に関する推奨を出力することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記治療モデルからの出力として、前記特定の治療の有効性の前記予測される測定値を表す、データを受信することは、前記治療モデルからの出力として、複数の候補治療毎に、有効性の個別の測定値を表す、データを受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
患者のための治療を自律的に判定するために、その上にエンコーディングされた命令を備える、非一過性コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、実行されると、1つ以上のプロセッサに、動作を実施させ、前記命令は、
患者の生体構造の画像データを受信することと、
前記画像データを、解剖学的画像と解剖学的特徴標識を対合させる、訓練データを使用して訓練される、特徴抽出モデルに適用することと、
前記特徴抽出モデルからの出力として、前記患者の生体構造に対応する、複数の解剖学的特徴毎のスコアを受信することと、
前記スコアを治療モデルへの入力として適用することであって、前記治療モデルは、前記患者の生体構造の特徴に基づいて、特定の治療の有効性の測定値の予測を出力するように訓練される、ことと、
前記治療モデルからの出力として、前記特定の治療の有効性の前記予測される測定値を表す、データを受信することと
を行うための命令を備える、非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項7】
前記命令はさらに、
前記画像データに基づいて、前記画像データが対応する身体部分を判定することと、
各候補特徴モデルと所与の身体部分との間の一致に基づいて、前記1つ以上の特徴モデルを複数の候補特徴モデルから選択することと
を行うための命令を備える、請求項6に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項8】
前記スコアを前記治療モデルへの入力として適用することは、前記複数の解剖学的特徴の解剖学的特徴毎に、その個別のスコアを記憶する、特徴ベクトルを発生させることと、前記治療モデルへの入力として、前記特徴ベクトルを適用することとを含む、請求項6に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項9】
前記命令はさらに、
前記特定の治療に関して、有効性のその予測される測定値が閾値を超えるかどうかを判定することと、
有効性のその予測される測定値が前記閾値を超えることを判定することに応答して、ユーザに、前記特定の治療に関する推奨を出力することと
を行うための命令を備える、請求項6に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記治療モデルからの出力として、前記特定の治療の有効性の前記予測される測定値を表す、データを受信することは、前記治療モデルからの出力として、複数の候補治療毎に、有効性の個別の測定値を表す、データを受信することを含む、請求項6に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
患者のための治療を自律的に判定するための方法であって、前記方法は、
センサデータを、患者を監視する電子デバイスから受信することと、
機械学習モデルにアクセスすることであって、前記機械学習モデルは、特定の治療が正の結果をもたらすであろう、尤度を出力するように構成され、前記機械学習モデルは、複数の患者に関して以前に取得されたセンサデータと、前記複数の患者毎に、前記特定の治療が正の結果をもたらしたかどうかを説明する、標識を対合させる、訓練データを使用して訓練される、ことと、
前記受信されたセンサデータを前記機械学習モデルに適用することと、
前記機械学習モデルからの出力として、前記患者が前記特定の治療から利益を享受するであろうかどうかの尤度を表す、データを受信することと
を含む、方法。
【請求項12】
1つ以上の治療を表すデータは、前記1つ以上の治療のそれぞれが前記患者に利益をもたらすであろう、確率を備え、前記方法はさらに、
前記1つ以上の治療毎に、その対応する確率が閾値を超えるかどうかを判定することと、
前記閾値を超える、対応する確率を有する、前記1つ以上の治療毎に、推奨をユーザに出力することと
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記機械学習モデルは、畳み込みニューラルネットワークである、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記機械学習モデルは、共有層と、分岐とを備える、マルチタスクモデルであり、前記共有層は、前記センサデータに基づいて、1つ以上の候補診断を判定するように訓練され、各分岐は、異なる治療に対応し、各分岐は、前記分岐が対応する前記異なる治療が、効果的であろう、尤度を出力するように訓練される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
所与の治療に対応する、分岐のための訓練データの量は、閾値を下回り、前記マルチタスクモデルは、前記訓練データを異なる分岐からの情報で逆伝搬することによって、訓練データの前記量を充実させる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
患者のための治療を自律的に判定するために、その上にエンコーディングされた命令を備える、非一過性コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、実行されると、1つ以上のプロセッサに、動作を実施させ、前記命令は、
センサデータを、患者を監視する電子デバイスから受信することと、
機械学習モデルにアクセスすることであって、前記機械学習モデルは、特定の治療が正の結果をもたらすであろう、尤度を出力するように構成され、前記機械学習モデルは、複数の患者に関して以前に取得されたセンサデータと、前記複数の患者毎に、前記特定の治療が正の結果をもたらしたかどうかを説明する、標識を対合させる、訓練データを使用して訓練される、ことと、
前記受信されたセンサデータを前記機械学習モデルに適用することと、
前記機械学習モデルからの出力として、前記患者が前記特定の治療から利益を享受するであろうかどうかの尤度を表す、データを受信することと
を行うための命令を備える、非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
1つ以上の治療を表すデータは、前記1つ以上の治療のそれぞれが前記患者に利益をもたらすであろう、確率を備え、前記命令はさらに、
前記1つ以上の治療毎に、その対応する確率が閾値を超えるかどうかを判定することと、
前記閾値を超える、対応する確率を有する、前記1つ以上の治療毎に、推奨をユーザに出力することと
を行うための命令を備える、請求項16に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記機械学習モデルは、畳み込みニューラルネットワークである、請求項16に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記機械学習モデルは、共有層と、分岐とを備える、マルチタスクモデルであり、前記共有層は、前記センサデータに基づいて、1つ以上の候補診断を判定するように訓練され、各分岐は、異なる治療に対応し、各分岐は、前記分岐が対応する前記異なる治療が、効果的であろう、尤度を出力するように訓練される、請求項16に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
所与の治療に対応する、分岐のための訓練データの量は、閾値を下回り、前記マルチタスクモデルは、前記訓練データを異なる分岐からの情報で逆伝搬することによって、訓練データの前記量を充実させる、請求項19に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2021年12月3日に出願された、米国実用特許出願第17/541,936号の利益を主張する。
【0002】
(背景)
本発明は、概して、診断に基づいた手動選択ではなく、患者に利益をもたらすであろう、疾患の患者特有治療または管理を直接判定するための、人工知能(AI)の使用に関する。現在、自律的AIシステムが、機械学習または他の最適化技法を使用して、患者の診断を判定し、臨床医が、次いで、他の関連患者および母集団情報に加え、本AI診断を使用して、患者特有管理を主観的に判定する、または患者特有治療(本明細書には、「介入」とも称される)を処方する。したがって、自律的AI診断は、人間監督を伴わずに、診断を判定することが可能であるが、依然として、臨床医が、患者の症例全体の観点から、診断を解釈し、次いで、介入を決定することに依拠する。しかしながら、本中間の主観的決定ステップは、高臨床医間および内の変動性、すなわち、時間的および他のばらつきを被る。さらに、人工知能と臨床医との間の相互作用は、多くの場合に予測されないリスクに伴って可変であって、転帰を改善するのではなく、悪化させることが知られている。さらに、診断を生成するために、最高品質参照標準(「グランドトゥルース」)を取得し、自律的AIモデルを訓練することは、倫理的に問題となり、かつ高価であり得る。参照標準が、画像の主観的読取等の臨床医専門知識に依存する場合、参照標準は、雑音が多くなり得る。代わりに、中間診断ではなく、臨床転帰(診断プロセスの正確度ならびに治療または管理選択プロセスの精度の両方の効果を組み合わせる)が、AIを訓練するための参照標準として使用され得るとき、本主観的雑音が多いステップは、より高い性能を有する潜在性とともに、排除される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(要約)
最初に、患者のための診断の予測を要求せずに、機械学習を使用して、患者が具体的介入から利益を享受するであろう(例えば、臨床転帰の観点から)かどうかの印を出力する、システムおよび方法が、本明細書に開示される。有利なこととして、開示されるシステムおよび方法は、開示される機械学習モデルが、直接、バイナリ推奨または処方箋または尤度または他の確率的出力であり得る、具体的患者が具体的介入から利益を享受するであろうかどうかを出力するため、診断出力の主観的および雑音が多い臨床医解釈の必要性を除去する。なおもさらに、人工知能からの診断を検証することが、典型的には、症例および正常例の両方にとって、高価な専門家、放射線、または他の潜在的に有害なプロセス、およびそれらの決定を組み合わせる際における労力を伴う一方、患者が利益を享受する程度を判定することが、低コスト調査であるため、より少ないリソースが、介入の検証のために必要とされ、有害性の患者リスクは、より低い。さらに、患者が利益を享受するかどうかに関するトゥルースデータを取得することは、臨床転帰が、典型的には、条件を正確に診断することより、観察することがはるかに容易であるため、診断のためにそれを行うことよりはるかに正確であり得る。
【0004】
ある実施形態では、デバイスが、センサデータを、患者を監視する電子デバイスから受信する。本デバイスは、機械学習モデルにアクセスし、機械学習モデルは、患者についての情報と、特定の治療が正の結果をもたらしたかどうかを説明する、標識を対合させる、訓練データを使用して訓練される。本デバイスは、センサデータを機械学習モデルに適用し、機械学習モデルからの出力として、患者が1つ以上の治療から利益を享受するであろう、尤度を表す、データを受信する。
【0005】
ある実施形態では、デバイスが、患者の生体構造に対応する、画像データを受信する。本デバイスは、画像データを、解剖学的画像と解剖学的特徴標識を対合させる、訓練データを使用して訓練される、特徴抽出モデルに適用し、特徴抽出モデルからの出力として、画像データに対応する、複数の解剖学的特徴毎のスコアを受信する。本デバイスは、スコアを治療モデルへの入力として適用し、治療モデルは、データ構造に説明されるように、患者の生体構造の特徴に基づいて、特定の治療の有効性の尤度の予測を出力するように訓練される。本デバイスは、次いで、治療モデルから、特定の治療の有効性の予測される尤度を表す、データを受信する。有利なこととして、治療モデルは、画像データへのアクセスを有しておらず、したがって、治療モデルが、判定にバイアスをかけ得る、画像からの情報(例えば、皮膚色、性別情報等)を使用しないことを確実にする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、治療判定ツールを実装するためのシステム環境の一実施形態を図示する。
【0007】
【
図2】
図2は、人工知能を使用して、治療を直接出力する際、治療判定ツールによって使用される、例示的モジュールおよびデータベースの一実施形態を図示する。
【0008】
【
図3】
図3は、治療を出力するために使用される、多段階モデルの一実施形態を図示する。
【0009】
【
図4】
図4は、入力センサデータに基づいて、治療を出力するように訓練される、単段階モデルの一実施形態を図示する。
【0010】
【
図5】
図5は、異なる治療を出力するように調整される、分岐、ならびに患者データを適合させるために使用される、共有層を有する、マルチタスクモデルの一実施形態を図示する。
【0011】
【
図6】
図6は、ある実施形態による、直接、治療を出力する、多段階モデルを使用するための例示的プロセスのフローチャートである。
【0012】
【
図7】
図7は、ある実施形態による、直接、治療を出力する、単段階モデルを使用するための例示的プロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図は、例証目的のためにのみ、本発明の種々の実施形態を描写する。当業者は、以下の議論から、本明細書に図示される構造および方法の代替実施形態が、本明細書に説明される、本発明の原理から逸脱することなく、採用され得ることを容易に認識するであろう。
【0014】
(詳細な説明)
(a)概要
図1は、治療判定ツールを実装するためのシステム環境の一実施形態を図示する。
図1に描写されるように、環境100は、クライアントデバイス110と、ネットワーク120と、治療判定ツール130と、患者データ140とを含む。環境100の要素は、単に、例示的であって、より少ないまたはより多い要素が、本明細書に開示される機能性を達成するために、環境100の中に組み込まれてもよい。
【0015】
クライアントデバイス100は、その中で患者データの入力が提供され得る、デバイスであって、患者のための1つ以上の推奨される治療が、出力され得る場合、治療が、治療判定ツール130によって判定される。用語「患者データ」は、本明細書で使用されるように、患者の生体構造の画像、バイオメトリックセンサデータ、医師のメモ等を含む、患者を説明する、任意のデータを指し得る。クライアントデバイス110は、その上にインストールされるアプリケーションを起動してもよく、またはそれを通してアプリケーションがアクセスされる、その上にインストールされるブラウザを有してもよく、アプリケーションは、治療判定ツール130のいくつかまたは全ての機能性を実施し、および/または情報を治療判定ツール130へおよびそこから通信する。アプリケーションは、それを通してユーザがデータをクライアントデバイス110の中に入力し得る、ユーザインターフェースを含んでもよい。ユーザインターフェースは、グラフィカルであってもよく、ユーザは、患者データを手動で入力することができる(例えば、キーボードまたはタッチスクリーンを通して)。ユーザインターフェースは、加えて、または代替として、バイオメトリックセンサであってもよく、患者データは、自動的に、感知され、アプリケーションによって、治療判定ツール130に伝送される。ユーザインターフェースは、患者データ140内に記憶される既存の患者データにアクセスするために使用されてもよく、これは、次いで、処理のために、治療判定ツール130に通信されてもよい。
【0016】
クライアントデバイス110は、ネットワーク120を経由してデータ通信を伝送することが可能である、任意のデバイスであってもよい。ある実施形態では、クライアントデバイス110は、ラップトップ、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、タブレット、パーソナルコンピュータ等の消費者電子機器デバイスである。ある実施形態では、クライアントデバイス110は、患者データ(例えば、運動データ、血液飽和データ、呼吸データ、または任意の他のバイオメトリックデータ)を感知する、センサである、またはそれを組み込む、任意のデバイスであってもよい。
【0017】
ネットワーク120は、クライアントデバイス110と治療判定ツール130との間のデータ通信を伝送することが可能である、任意のデータネットワークであってもよい。ネットワーク120は、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、または任意の他のネットワークであってもよい。
【0018】
治療判定ツール130は、患者データをクライアントデバイス110から受信し、そこから患者が改善する可能性が高い、治療を出力する。治療判定ツール130の動作のさらなる詳細は、
図2を参照して下記に議論される。治療判定ツール130の動作は、全体的または部分的に、クライアントデバイス111上にインスタンス化されてもよい(例えば、クライアントデバイス110上にインストールされる、またはブラウザを通して、クライアントデバイス110によってアクセスされる、アプリケーションを通して)。
【0019】
患者データ140は、1人以上の患者のデータの記録を格納する、データベースである。患者データ140は、病院記録、患者の個人記録、医師メモ等であってもよい。患者データ140は、クライアントデバイス110および/または治療判定ツール130に共同設置されてもよい。
【0020】
図2は、人工知能を使用して、治療を直接出力する際、治療判定ツールによって使用される、例示的モジュールおよびデータベースの一実施形態を図示する。
図2に描写されるように、治療判定ツール130は、患者データ読出モジュール231と、治療判定モジュール232と、特徴モデル選択モジュール233と、特徴ベクトルモジュール234と、患者データ240と、特徴モデル241とを含む。
図2に描写される、モジュールおよびデータベースは、単に、例示的であって、治療判定ツール130は、より多いまたはより少ないモジュールおよび/またはデータベースを含み、依然として、本明細書に説明される、機能性を達成してもよい。さらに、治療判定ツール130のモジュールおよび/またはデータベースは、全体的または部分的に、クライアントデバイス110および/または1つ以上のサーバ上にインスタンス化されてもよい。
【0021】
患者データ読出モジュール231は、患者データを受信する(例えば、クライアントデバイス110および/または患者データ140から)。2つの例示的実施形態では、患者データは、患者の生体構造に対応する、画像データであってもよい、または患者を監視する電子デバイスからのセンサデータであってもよい。これらの例示的実施形態は、本開示では、詳細な治療を対象とするであろうが、任意の他の形態の患者データが、患者データ読出モジュール231によって受信されてもよい。
【0022】
治療判定モジュール232は、1つ以上の機械学習モデルにアクセスし、受信された患者データを1つ以上の機械学習モデルに適用し、1つ以上の機械学習モデルからの出力として、1つ以上の治療の有効性の予測される測定値を表す、データを受信する。受信された患者データが画像データを含む、実施形態に焦点を当てると、
図3は、治療を出力するために使用される、多段階モデルの一実施形態を図示する。
【0023】
図3に描写されるように、画像データ310が、受信される(例えば、クライアントデバイス110または患者データ240から)。用語「画像データ」は、本明細書で使用されるように、画像センサを使用して捕捉された画像を指し得る。画像は、例えば、グレースケール画像、赤色-緑色-青色画像、赤外線画像、X線画像、光コヒーレンス断層撮影画像、超音波検査画像、または任意の他のタイプの画像を含む、任意のタイプの画像であってもよい。画像データは、患者の生体構造に対応する。すなわち、画像は、少なくとも部分的に、ヒトの描写を含む。特徴は、外部(例えば、皮膚、眼等)または内部(例えば、網膜または肝臓等の器官の画像)であってもよい。
【0024】
治療判定モジュール232は、画像データを、1つ以上の特徴モデル320に適用する(例えば、特徴モデル241からアクセスされる)。画像データは、1つ以上の画像からのデータを含んでもよい。用語「特徴モデル」(または「特徴抽出モデル」)は、本明細書で使用されるように、画像内の1つ以上の特徴を識別または抽出するように訓練される、モデルを指し得る。用語「特徴モデル」および「特徴抽出モデル」は、本明細書では、同義的に使用される。単数形において使用される場合、「特徴モデル」または「特徴抽出モデル」は、単一モデルまたは2つ以上のモデルのアンサンブルを指し得る。用語「特徴」は、本明細書で使用されるように、画像内の物体を指し得る。物体は、解剖学的物体(例えば、血管、器官(例えば、視神経)等を含んでもよい。物体はまた、バイオマーカを含んでもよく、これは、病変、裂溝、暗色スポット、およびヒトの正常な解剖学的部分に対する任意の他の異常等の異常であってもよい。特徴モデルは、標識された訓練画像を使用して訓練されてもよく、訓練画像は、人間生体構造の少なくとも一部を示し、少なくとも、画像がバイオマーカ(例えば、特徴)を含むかどうかのスコア(例えば、尤度または確率)で標識される。標識は、本明細書では、解剖学的特徴標識とも称される。訓練画像は、本明細書では、解剖学的画像とも称される。ある実施形態では、標識は、画像内の1つ以上の具体的バイオマーカの識別を含んでもよい。標識は、画像内の他の物体および訓練画像が描写する1つ以上の身体部分等の付加的情報を含んでもよい。特徴モデルの構造、訓練、および使用のさらなる議論は、2016年4月6日に出願され、2018年10月30日に発行された、共同所有の米国特許第10,115,194号(その開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に開示される。
【0025】
ある実施形態では、画像データに付加的データが、特徴モデル320の中に入力される。付加的データは、任意の患者データであってもよい。そのような実施形態では、特徴モデル320のための訓練データは、画像と他の患者データの対合を含んでもよい。例えば、血圧データ、酸素飽和データ等が、訓練画像とともに含まれてもよい。特徴モデル320は、1つ以上の特徴が画像データ内に存在する、確率を出力する、または対応する閾値を超える確率に基づいて、特徴が画像データ内に存在するかどうかのバイナリ決定を直接出力する。特徴モデル320が付加的患者データを入力として受け取るように訓練される、実施形態では、確率は、より正確に査定され、したがって、特徴が入力画像データ内に存在するかどうかのより正確な査定を可能にし得る。
【0026】
ある実施形態では、画像データ310が、治療判定モジュール232によって、単一特徴モデル320に適用され、単一特徴モデル320は、1つ以上の対応する特徴を表す、データを出力する。上記に述べられるように、本データは、画像データが1つ以上の特徴を含む、確率を含んでもよい、またはある特徴が画像データ内に含まれることのバイナリ判定を含んでもよい。
【0027】
ある実施形態では、画像データ310が、治療判定モジュール232によって、複数の特徴モデル320に適用される。一時的に
図2に戻ると、特徴モデル選択モジュール233は、画像データの所与の画像が適用されるべき、特徴モデル320のうちの1つ以上を選択してもよい。ある実施形態では、特徴選択モジュール223は、入力画像データが対応する身体部分を判定してもよい。特徴モデル320は、深層学習モデル、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、アンサンブルモデル、複数の機械学習モデルのバイオマーカベースのシステム等の任意の機械学習モデルであってもよい。特徴モデル320はそれぞれ、1つ以上の個別の身体部分に対応してもよい。特徴モデル選択モジュール223は、この場合、画像データを、画像データが対応する身体部分に対応する、1つ以上の特徴モデルの中に入力してもよい。例えば、画像が、網膜から撮影される場合、そこで、1つの画像が、視神経円板を含み、1つの画像が、中心窩を含み、1つの画像が、両方を含む場合、これらの画像は、それぞれ、視神経円板のための特徴モデル、中心窩のための特徴モデル、および両方のモデルに適用されてもよい。身体部分内の特定の身体部分または画像内の身体部分または物体の場所等、より粒度の細いデータが、使用されてもよい。例えば、画像のうちのいくつかが視神経円板および中心窩の両方を含み得るにもかかわらず、視神経円板の周囲に心合される、画像は、1つの特徴モデルに適用されてもよく、中心窩の周囲に心合される、画像は、別の特徴モデルに適用されてもよい。特徴モデル320は、患者または疾患の任意の他の特性等(例えば、具体的年齢範囲、耳および膀胱の両方の分析を要求する疾患等)、画像に描写される身体部分以外に基づいて、特徴選択モジュール223によって選択されてもよい。ある実施形態では、特徴モデル320に適用される他の患者データも、特徴モデル選択モジュール223によって、画像を適用するための特徴モデルを選択するために使用されてもよい(例えば、複数の特徴モデルが所与の身体部分のために訓練されるが、異なる患者データを使用して調整される、シナリオ)。
【0028】
上記に議論されるように、治療判定モジュール232は、特徴モデル320からの出力に基づいて、特徴330を判定する。特徴ベクトルモジュール234は、特徴330を特徴ベクトル340の中に統括する。用語「特徴ベクトル」は、本明細書で使用されるように、異なる特徴のそれぞれを含む、データ構造を指し得る。特徴ベクトルは、異なる特徴を補助情報にマッピングしてもよい。例えば、画像データが、身体部分の異なる場所に対応する、画像を含む場合、特徴ベクトルは、それらの画像から識別された特徴を身体部分のそれらの個別の異なる場所にマッピングしてもよい。実施例として、画像が、網膜画像であって、1つの画像が、網膜の象限毎に撮影される場合、特徴ベクトルは、4つのデータ点を含んでもよく、データ点は、4つの象限のそれぞれの画像内で識別された個別の特徴を含む。
【0029】
治療判定モジュール232は、特徴ベクトル340を治療モデル350に適用する。治療モデル350は、入力特徴ベクトルに基づいて、データ構造に説明されるように、患者の生体構造の特徴に基づいて、患者のための1つ以上の特定の治療の有効性の測定値の予測を出力するように訓練される。治療モデル350は、任意の機械学習モデル(例えば、深層学習モデル、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)等)であってもよい。訓練データは、患者によって手動で標識される、データを含んでもよく、患者は、治療後、体調が良かった、または体調が良くなかったことを示し、本手動標識は、画像特徴ベクトルに、随意に、他の患者データとともに、患者が示した内容に対応する、標識に対合される。標識は、代替として、または加えて、医師によって手動で標識されてもよい。ある実施形態では、患者健康のバイタルまたは記述子等の患者データが、治療の時間から監視されてもよい。患者データは、治療に先立った時間からのデータと比較されてもよい。治療の時間前および後の両方を監視することは、最大閾値時間量によって境界されてもよい。患者データが改善を示すことを判定することに応答して、特徴ベクトルは、治療および患者が改善したことのインジケータで標識されてもよい。同様に、画像は、監視される患者データに基づいて、無改善または悪化条件を示すように標識されてもよい。ある実施形態では、患者が改善または悪化した程度が、画像および/または特徴ベクトルに対して標識されてもよい。いくつかの実施形態では、訓練データの標識は、自動であってもよく、患者データおよび/または疾患データおよび/または治療データは、転帰で標識される。これらの標識は、代替として、手動で適用されてもよい(例えば、治療に対する患者応答を監視する臨床医によって)。
【0030】
治療判定モジュール232は、治療モデル350からの出力として、データ構造に説明されるように、患者の生体構造の特徴に基づいて、患者のための1つ以上の特定の治療の有効性の測定値の予測(例えば、そのための所定の基準に従って、治療が患者のために効果的である、尤度)を受信する。特徴モデル320の出力のように、治療モデル350は、複数の候補治療の予測される有効性に対応する、確率を出力してもよい、または代替として、直接、閾値を超える、確率を有する、治療の識別子を出力してもよい。治療判定モジュール232は、治療モデル350の出力に基づいて、患者のために効果的である可能性が高い、1つ以上の治療を判定し、判定された1つ以上の治療をユーザ(例えば、医師、患者、または別の医療臨床医)に出力する。
【0031】
いくつかの実施形態では、
図3に描写されるような2段階モデルを使用するのではなく、単段階モデルが、下層患者データに基づいて、患者のための効果的治療を直接予測するために使用されてもよい。例示的単段階モデルは、
図4および5を参照して議論される。しかしながら、これらは、単に、代表的であって、患者データに基づいて、治療を直接出力するように訓練される、任意の形態の機械学習モデルが、患者のための1つ以上の効果的治療を判定するために使用されてもよい。
【0032】
図4は、入力センサデータに基づいて、治療を出力するように訓練される、単段階モデルの一実施形態を図示する。
図4に描写されるように、センサデータ405が、患者から受信される。患者データ読出モジュール231は、センサデータを受信してもよい。用語「センサデータ」は、本明細書で使用されるように、患者の物理的属性を監視する、センサから取得される、データを指し得る。例示的センサは、脳波(EEG)センサ、運動センサ、網膜または外耳道の撮像、呼吸センサ、画像センサ、ビデオセンサ、加速データ等を含む、センサを含んでもよい。
【0033】
治療判定モジュール232は、センサデータ405を治療モデル410の中に適用し、これは、本明細書に説明される任意の機械学習されたモデル(例えば、CNN)であってもよい。治療モデル410は、治療転帰によって標識されるような履歴センサデータを使用して訓練されてもよい(単独で、および/または他の履歴センサデータと組み合わせて)。ある実施形態では、標識は、手動で適用されてもよい。別の実施形態では、患者の条件は、治療前および後に監視されてもよく(例えば、片側または両側のいずれかにおいて、閾値時間周期によって境界されるように)、標識は、治療に続いて、改善する、同一状態に留まる、または悪化する、条件の印から自動的に判定されてもよい。モデル350と同様に、治療モデル406は、治療415の有効性を表す、データを出力し、治療判定モジュール232は、そこから患者を治療する際に効果的である可能性が高い、治療を判定し、それらの判定された治療の識別をユーザに提供する。いくつかの実施形態では、モデル410は、複数の治療を出力するように訓練されてもよい。いくつかの実施形態では、モデル410の異なるものは、異なる治療を判定するために使用される。
【0034】
図5は、異なる治療を出力するように調整される、分岐、ならびに患者データを適合させるために使用される、共有層を有する、マルチタスクモデルの一実施形態を図示する。一般に、治療判定ツール130は、
図4における同様の参照番号に関して説明される同一様式で、センサデータ505を受信し、それを治療モデル506に適用し、出力治療550をもたらす。治療モデル506は、描写されるように、共有層510と、分岐520、530、および540とを有する、マルチタスクモデルである。共有層510は、分岐520、530、および540毎に、訓練データを使用して訓練される。分岐520、530、および540はそれぞれ、治療550のうちの異なる1つの有効性の確率を出力するように訓練される。例えば、患者が、呼吸することに苦労している場合、分岐520は、CPAP機械が患者を補助するであろう、確率を出力してもよく、分岐530は、より多くの酸素を取り込むことが患者を補助するであろう、確率を出力してもよく、分岐540は、肺の生検が患者に利益をもたらすであろう、確率を出力してもよい。
図4のように、3つの分岐が、描写されるが、任意の数の分岐が、使用されてもよい。
【0035】
モデル506は、患者が、モデル506の分岐のうちの1つと関連付けられる、治療を受けた後、改善または悪化したそのセンサデータと関連付けられるかどうかを示す、標識と対合される、入力センサデータを示す、訓練データを使用して訓練される。故に、訓練データは、訓練データの異なるセットを含み、各セットは、同一入力(例えば、センサデータ)であるが、異なる治療の有効性に対応する、異なる標識を有する。訓練の間、訓練データのセットのうちの1つからの訓練実施例が、選択され、標準的逆伝搬が、選択された実施例の治療に対応する、モデル506の分岐(520、530、または540)を通して、およびモデル506の共有層510を通して、実施される。本プロセスは、繰り返され、最終的には、訓練実施例を各セットから選択し、それによって、モデル506の分岐520、530、および540のそれぞれを訓練する。ある実施形態では、逆伝搬は、臨床転帰から生じ、治療選択肢を通して、診断選択肢に戻る。逆伝搬は、任意の層または分岐を通して生じてもよく、層または分岐を選択的に省略してもよい。いくつかの実施形態では、マルチタスクモデルの異なる分岐を訓練するために使用される、異なる訓練セットは、サイズの観点から、実質的に異なり得る。これは、いくつかの治療が、患者の中で高頻度において使用されており、他の治療が、はるかに低い頻度において使用されている結果であって、したがって、所与の訓練セットの所与の標識に関して、より少ない訓練データをもたらし得る。治療判定ツール130は、異なる訓練セットを横断して利用可能な訓練データのある比率によって、異なる訓練セットからサンプリングしてもよい。このように、そのための比較的に少ない訓練データが存在する、治療は、セットの全てに関する訓練データが共有層510のために使用されるため、比較的に多くの訓練データが存在する、治療から利益を享受する。これは、その治療のための分岐が共有層510によって行われる作業によって補助されるため、そうでなければ、その独自のモデルを訓練するために十分な訓練データを有しないであろう、モデルが、治療のために訓練されることを可能にし得る。
【0036】
技術的利益が、したがって、治療毎に別個のニューラルネットワークを使用することとは対照的に、
図5に示されるようなマルチタスクモデル(例えば、ニューラルネットワーク)を使用することから達成される。冗長処理を複数のニューラルネットワークを横断して分散させることによって、要求される処理電力を低減させることに加え、正確度が、少量の訓練実施例のみが存在する、治療のために改善される。共有層(例えば、層510)を複数の治療のための訓練データを用いて訓練することによって、共有層は、全体的モデル506を所与の分岐に対応する所与の治療のために近づけ、他の分岐のために利用可能なものより比較的に少ない訓練データを用いて、それを行う。その所与の分岐のさらなる訓練は、その治療に関する予測を微調整する。
【0037】
図6は、ある実施形態による、直接、治療を出力する、多段階モデルを使用するための例示的プロセスのフローチャートである。プロセス600は、治療判定ツール130が、患者の生体構造に対応する、画像データを受信すること602から開始する(例えば、患者データ読出モジュール231を使用して)。治療判定ツール130は、画像データを、解剖学的画像と解剖学的特徴標識を対合させる、訓練データを使用して訓練される、特徴抽出モデルに適用する604(例えば、治療判定モジュール232を使用して、画像データを、特徴モデル241のうちの1つ以上に適用する)。治療判定ツール130は、特徴抽出モデルからの出力として、生体構造に対応する、複数の解剖学的特徴毎に、スコア(例えば、確率または尤度)を受信し606、随意に、複数の解剖学的特徴に関するスコアをデータ構造の中に組み合わせる(例えば、特徴ベクトルモジュール234を使用して)。治療判定ツール130は、スコア(例えば、使用される場合、データ構造を介して)を、治療モデル(例えば、治療モデル350)への入力として適用し608、(例えば、データ構造に説明されるように)治療モデルは、患者の生体構造の特徴に基づいて、特定の治療の有効性の測定値の予測を出力するように訓練される。治療判定ツール130は、治療モデルからの出力として、特定の治療の有効性の予測される測定値を表す、データ(例えば、治療360を表す)を受信する610。
【0038】
図7は、ある実施形態による、直接、治療を出力する、単段階モデルを使用するための例示的プロセスのフローチャートである。プロセス700は、治療判定ツール130が、センサデータを、患者を監視する電子デバイスから受信すること702から開始する(例えば、患者データ読出モジュール231を使用して)。治療判定ツール130は、機械学習モデル(例えば、モデル506)にアクセスし704、機械学習モデルは、特定の治療が正の結果をもたらすであろう、尤度を出力するように構成され、機械学習モデルは、複数の患者に関して以前に取得されたセンサデータと、複数の患者毎に、特定の治療が正の結果をもたらしたかどうかを説明する、標識を対合させる、訓練データを使用して訓練される。治療判定ツール130は、受信されたセンサデータを機械学習モデルに適用し706、機械学習モデルからの出力として、患者が特定の治療(例えば、治療550を表す)から利益を享受するであろうかどうかの尤度を表す、データを受信する708。
【0039】
上記の開示は、患者が任意の数の条件に悩まされる場合、患者利益につながる。例えば、患者が、睡眠時無呼吸条件を有する場合、条件は、自律的に診断され得、モデルが、EEGデータ、運動データ、呼吸データ、および同等物等の睡眠研究データを使用して訓練され、モデルは、睡眠時無呼吸診断を出力してもよい。これは、臨床医が、治療を処方することを可能にする(例えば、患者は、CPAP機械を使用するべきである)。有利なこととして、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、診断の必要性を除去する、すなわち、CPAPが患者を支援するであろうことの予測が、直接、診断を伴わずに出力される。CPAPからの利益は、より少ない算出リソースを用いて、医師の必要性を伴わずに、判定される、すなわち、患者の飽和度が上昇する場合、CPAPが、患者に利益をもたらし、したがって、本実施例において利益をもたらす、CPAPを使用することに関するグランドトゥルースデータが、臨床医が、そもそも、入力データを手動で検査し、患者が睡眠時無呼吸を有するかどうかを決定する必要なく、容易に取得される。本明細書に開示されるシステムおよび方法はまた、CPAP機械の母集団利益を最大限にすることにつながるという点で、プロセス完全性という利点を有する。
【0040】
別の実施例として、患者が、耳感染症を有する場合、患者が「中耳炎」診断を有することの出力(医師による検証を要求し、その後、処方箋が続く)、または「アモキシシリン200mg」の具体的処方箋ではなく、本システムは、直接、「患者がアモキシシリンから利益を享受する」ことを出力してもよい。これは、類似患者データを患う患者による耳感染症が、それらの患者がアモキシシリンから全く利益を享受しないかどうかに基づいて標識されるかどうかを示す、訓練データに基づき得る。再び、そのようなモデルのためのグランドトゥルース訓練データを取得することは、患者に対する利益が自己検証性であるため、はるかに少ないコストを要求する。いくつかの実施形態では、本理由から、モデルの出力は、グランドトゥルースデータを取得することがはるかに困難である、粒度(例えば、具体的投薬量または治療の過程)ではなく、二項的(すなわち、患者が特定の治療から利益を享受するかどうか)であり得る。
【0041】
(b)要約
本発明の実施形態の前述の説明は、例証目的のために提示されており、包括的であること、または本発明を開示される精密な形態に限定することを意図するものではない。当業者は、多くの修正および変形例が、上記の開示に照らして、可能性として考えられることを理解し得る。
【0042】
本説明のいくつかの部分は、情報に関する動作のアルゴリズムおよび象徴表現の観点から、本発明の実施形態を説明する。これらのアルゴリズム説明および表現は、一般に、データ処理技術における当業者によって、それらの作業内容を当業者に効果的に伝達するために使用される。これらの動作は、機能的に、コンピュータ的に、または論理的に説明されるが、コンピュータプログラムまたは等価電気回路、マイクロコード、または同等物によって実装されるべきであることが理解される。さらに、また、一般性を失うことなく、時として、動作のこれらの配列をモジュールと称することが便宜的であることが証明されている。説明される動作およびそれらの関連付けられるモジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの任意の組み合わせ内で具現化されてもよい。
【0043】
本明細書に説明されるステップ、動作、またはプロセスのいずれかは、1つ以上のハードウェアまたはソフトウェアモジュールのみを用いて、または他のデバイスと組み合わせて、実施または実装されてもよい。一実施形態では、ソフトウェアモジュールは、コンピュータプログラムコードを含有する、コンピュータ可読媒体を備える、コンピュータプログラム製品を用いて実装され、これは、コンピュータプロセッサによって、説明されるあらゆるステップ、動作、またはプロセスを実施するために実行されることができる。
【0044】
本発明の実施形態はまた、本明細書の動作を実施するための装置に関連してもよい。本装置は、要求される目的のために特別に構築されてもよく、および/またはコンピュータ内に記憶されるコンピュータプログラムによって選択的にアクティブ化または再構成される、汎用コンピューティングデバイスを備えてもよい。そのようなコンピュータプログラムは、非一過性有形コンピュータ可読記憶媒体または電子命令を記憶するために好適な任意のタイプの媒体内に記憶されてもよく、これは、コンピュータシステムバスに結合されてもよい。さらに、本明細書で参照される、任意のコンピューティングシステムは、単一プロセッサを含んでもよい、または増加されたコンピューティング能力のために複数のプロセッサ設計を採用する、アーキテクチャであってもよい。
【0045】
本発明の実施形態はまた、本明細書に説明されるコンピューティングプロセスによって生成される、製品に関連してもよい。そのような製品は、コンピューティングプロセスから生じる、情報を備えてもよく、情報は、非一過性、有形コンピュータ可読記憶媒体上に記憶され、コンピュータプログラム製品の任意の実施形態または本明細書に説明される他のデータ組み合わせを含んでもよい。
【0046】
最後に、明細書において使用される言語は、主に、可読性および教示目的のために選択されており、本発明の主題を境界または制限するように選択されていない場合がある。したがって、本発明の範囲は、本詳細な説明によってではなく、むしろ、それに基づく出願に関して発行される、任意の請求項によって、限定されることが意図される。故に、本発明の実施形態の開示は、限定ではないが、以下の請求項に記載される、本発明の範囲の例証であるように意図される。
【国際調査報告】