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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】空中結像システム
(51)【国際特許分類】
   G02B 30/56 20200101AFI20241121BHJP
   G03B 35/18 20210101ALI20241121BHJP
【FI】
G02B30/56
G03B35/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022570184
(86)(22)【出願日】2022-11-11
(85)【翻訳文提出日】2022-12-01
(86)【国際出願番号】 CN2022131538
(87)【国際公開番号】W WO2024092871
(87)【国際公開日】2024-05-10
(31)【優先権主張番号】202211369196.2
(32)【優先日】2022-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517264292
【氏名又は名称】武漢華星光電技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUHAN CHINA STAR OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Building C5, Biolake of Optics Valley,No.666 Gaoxin Avenue,Wuhan East Lake High-tech Development Zone, Wuhan,Hubei 430079,China
(74)【代理人】
【識別番号】110002181
【氏名又は名称】弁理士法人IP-FOCUS
(72)【発明者】
【氏名】葉 ▲きん▼林
(72)【発明者】
【氏名】張 桂洋
(72)【発明者】
【氏名】何 瑞
(72)【発明者】
【氏名】査 国偉
【テーマコード(参考)】
2H059
2H199
【Fターム(参考)】
2H059AC08
2H199BA32
2H199BB18
2H199BB20
2H199BB44
2H199BB45
(57)【要約】
空中結像システムは、表示アセンブリと、表示アセンブリの一側に位置する空中結像アセンブリと、表示アセンブリの一側に位置し、且つ傾斜して設けられる反射素子であって、表示アセンブリは、反射素子の他側に表示アセンブリの虚像を形成し、表示アセンブリの虚像は、空中結像アセンブリを介して空中結像アセンブリの他側に空中画像を形成する反射素子と、表示アセンブリ及び反射素子にそれぞれ接続され、表示アセンブリと反射素子を駆動して回転させる駆動アセンブリと、を含む。【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空中画像の形成に用いられる空中結像システムであって、前記空中結像システムは、 表示アセンブリと、 前記表示アセンブリの一側に位置する空中結像アセンブリと、 前記表示アセンブリの一側に位置し、且つ前記表示アセンブリに近づく方向に傾斜する反射素子であって、前記表示アセンブリは、前記反射素子の他側に表示アセンブリの虚像を形成し、前記表示アセンブリの虚像は、前記空中結像アセンブリを介して前記空中結像アセンブリの他側に前記空中画像を形成する反射素子と、 前記表示アセンブリ及び前記反射素子にそれぞれ接続され、前記表示アセンブリと前記反射素子を駆動して時計回り又は反時計回りに回転させる、駆動アセンブリと、を含み、 前記表示アセンブリの虚像と前記表示アセンブリは、前記反射素子について対称であり、前記表示アセンブリの虚像と前記空中結像アセンブリの位置は対向し、前記空中画像及び前記表示アセンブリの虚像は、前記空中結像アセンブリに対して対称である空中結像システム。
【請求項2】
前記表示アセンブリと前記反射素子が回転しない時は、第一状態であり、前記表示アセンブリと前記反射素子が回転した後は、第二状態であると定義し、第一状態の前記表示アセンブリは、前記反射素子の他側に第一虚像を形成し、第二状態の前記表示アセンブリは、前記反射素子の他側に第二虚像を形成し、前記第一虚像と前記第二虚像は、第一方向に沿って平行であり、且つ間隔をおいて配列される請求項1に記載の空中結像システム。
【請求項3】
前記第一状態の前記表示アセンブリは、前記第一虚像に垂直であり、前記第一状態の前記反射素子と前記第一状態の前記表示アセンブリの間の夾角は45°である請求項2に記載の空中結像システム。
【請求項4】
前記駆動アセンブリが前記表示アセンブリを駆動して第一角度β回転させ、前記駆動アセンブリが前記反射素子を駆動して第二角度α回転させると、0°<α<45°、0°<β<90°且つβ=2αの関係式を満たす請求項3に記載の空中結像システム。
【請求項5】
前記駆動アセンブリが前記表示アセンブリと前記反射素子を駆動してそれぞれ時計回りに回転させる時、前記第二虚像から前記空中結像アセンブリまでの距離は、前記第一虚像から前記空中結像アセンブリまでの距離より大きい請求項3に記載の空中結像システム。
【請求項6】
前記駆動アセンブリが前記表示アセンブリと前記反射素子を駆動してそれぞれ反時計回りに回転させる時、前記第二虚像から前記空中結像アセンブリまでの距離は、前記第一虚像から前記空中結像アセンブリまでの距離より小さい請求項3に記載の空中結像システム。
【請求項7】
前記第一虚像は、前記空中結像アセンブリを介して前記空中結像アセンブリの他側に第一空中画像を形成し、前記第二虚像は、前記空中結像アセンブリを介して前記空中結像アセンブリの他側に第二空中画像を形成し、前記第一空中画像と前記第二空中画像は、前記第一方向に垂直な第二方向に沿って平行であり、且つ間隔をおいて配列される請求項2に記載の空中結像システム。
【請求項8】
前記空中結像アセンブリは、第一反射アレイ及び第二反射アレイを含み、前記第二反射アレイは、前記第一反射アレイに位置し、前記第一反射アレイは、間隔をおいて設けられる複数の第一反射シートを含み、前記第二反射アレイは、間隔をおいて設けられる複数の第二反射シートを含み、前記第一反射シートの延在方向と前記第二反射シートの延在方向は異なり、 前記表示アセンブリの虚像が発する光線は、前記第一反射シートにおいて一回目の反射が生じ、生じた第一反射光線は、前記第二反射シートにおいて二回目の反射が生じ、生じた第二反射光線は、前記空中画像を形成する請求項1に記載の空中結像システム。
【請求項9】
前記第一反射シートの前記表示アセンブリに対する傾斜角は45°である請求項8に記載の空中結像システム。
【請求項10】
前記第一反射シートと前記表示アセンブリの虚像の位置は、対向する請求項9に記載の空中結像システム。
【請求項11】
前記空中結像アセンブリは、 前記表示アセンブリの一側に位置するビーム分割構造と、 前記ビーム分割構造の一側に位置し、且つ前記ビーム分割構造に近づく方向に傾斜する再帰反射構造と、を含み、 前記表示アセンブリの虚像と前記再帰反射構造は、前記ビーム分割構造の同じ一側に位置し、前記ビーム分割構造に入射する前記表示アセンブリの虚像が発する光線は、前記再帰反射構造に反射され、一部が前記再帰反射構造によって再帰反射される光線によって前記表示アセンブリの虚像を形成し、前記表示アセンブリの虚像と前記空中画像は、前記ビーム分割構造に対して対称である請求項1に記載の空中結像システム。
【請求項12】
前記ビーム分割構造は、前記表示アセンブリの虚像に垂直である請求項11に記載の空中結像システム。
【請求項13】
前記空中結像システムは、固定アセンブリを更に含み、前記駆動アセンブリ、前記ビーム分割構造及び前記再帰反射構造は、それぞれ前記固定アセンブリに固定される請求項11に記載の空中結像システム。
【請求項14】
前記反射素子は、平面反射鏡である請求項1に記載の空中結像システム。
【請求項15】
第一状態の前記反射素子と前記表示アセンブリの虚像の間の夾角は鈍角である請求項2に記載の空中結像システム。
【請求項16】
第一状態の前記反射素子と前記表示アセンブリの虚像の間の夾角は鋭角である請求項2に記載の空中結像システム。
【請求項17】
前記反射素子は、接続端及び第一自由端を含み、前記接続端は、前記駆動アセンブリに接続され、前記駆動アセンブリは、前記反射素子を駆動して前記接続端周りに回転させる請求項1に記載の空中結像システム。
【請求項18】
前記駆動アセンブリは、回転軸を含み、前記表示アセンブリは、前記回転軸に固定され、前記表示アセンブリは、第二自由端、第三自由端及び前記第二自由端と前記第三自由端に接続される中間部を含み、前記回転軸は、前記中間部に固定接続され、 前記駆動アセンブリは、前記回転軸を駆動して回転させて、前記表示アセンブリが前記回転軸を回転中心として回転する請求項17に記載の空中結像システム。
【請求項19】
前記空中結像システムは、固定アセンブリを更に含み、前記駆動アセンブリ及び前記空中結像アセンブリは、それぞれ前記固定アセンブリに固定される請求項8に記載の空中結像システム。
【請求項20】
前記第一虚像は、前記空中結像アセンブリを介して前記空中結像アセンブリの他側に第一空中画像を形成し、前記第二虚像は、前記空中結像アセンブリを介して前記空中結像アセンブリの他側に第二空中画像を形成し、前記第一空中画像と前記第二空中画像は、前記第一方向に平行な第二方向に沿って平行であり、且つ間隔をおいて配列される請求項2に記載の空中結像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空中結像技術分野に関し、特に、空中結像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
5G時代の急速な発展に伴い、「メタバース」の概念は、次世代高速情報時代の重要なインタラクション方式であり、仮想現実(Vritual Reality、VR)/拡張現実(Augmented Reality、AR)/複合現実(Mixed Reality、MR)技術は、ウェアラブルデバイスによって仮想と現実のインタラクションを実現しており、表示デバイスは、多くのインタラクションデバイスの重要な構成として、すでに通信、交流、勉強、娯楽、買い物等に不可欠な電子機器となっている。空中表示技術は、マイクロ光制御デバイス素子によって表示デバイスの空中結像を実現でき、いかなるウェアラブルデバイスも必要とせずに仮想と現実のインタラクションを実現できる。従って、空中表示技術は、次世代表示デバイスにおいて重要な地位を占める。現在、国内外の空中表示は、車載、居住、公共等のシーンを欠かさず、多くのシーンで適用されている。ユーザー体験を増加するいくつかのマンマシンインタラクションプランも提供されている。現在、表示システム全体は、表示スクリーンと空中結像アセンブリとの間の距離を調整することで画像の空中表示深さを大きくして、ユーザーエクスペリエンスを大幅に向上させているが、表示システム全体の体積が増加し、ユーザーの没入感及び製品競争力を低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
表示スクリーンと空中結像アセンブリとの間の距離を調整することで画像の空中表示深さを大きくして、ユーザーエクスペリエンスを大幅に向上させると、表示システム全体の体積が増加し、ユーザーの没入感及び製品競争力を低下させる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これに鑑みて、本発明は、体積が小さく、画像の空中表示深さが大きい空中結像システムを提供する。
【0005】
上記問題を解決するために本発明が提供する技術案は、以下の通りである。
【0006】
空中画像の形成に用いられる空中結像システムであって、前記空中結像システムは、 表示アセンブリと、 前記表示アセンブリの一側に位置する空中結像アセンブリと、 前記表示アセンブリの一側に位置し、且つ前記表示アセンブリに近づく方向に傾斜する反射素子であって、前記表示アセンブリは、前記反射素子の他側に表示アセンブリの虚像を形成し、前記表示アセンブリの虚像は、前記空中結像アセンブリを介して前記空中結像アセンブリの他側に前記空中画像を形成する反射素子と、 前記表示アセンブリ及び前記反射素子にそれぞれ接続され、前記表示アセンブリと前記反射素子を駆動して時計回り又は反時計回りに回転させる、駆動アセンブリと、を含み、 前記表示アセンブリの虚像と前記表示アセンブリは、前記反射素子について対称であり、前記表示アセンブリの虚像と前記空中結像アセンブリの位置は対向し、前記空中画像及び前記表示アセンブリの虚像は、前記空中結像アセンブリに対して対称である空中結像システム。
【0007】
本発明の任意の実施例において、前記表示アセンブリと前記反射素子が回転しない時は、第一状態であり、前記表示アセンブリと前記反射素子が回転した後は、第二状態であると定義し、第一状態の前記表示アセンブリは、前記反射素子の他側に第一虚像を形成し、第二状態の前記表示アセンブリは、前記反射素子の他側に第二虚像を形成し、前記第一虚像と前記第二虚像は、第一方向に沿って平行であり、且つ間隔をおいて配列される。
【0008】
本発明の任意の実施例において、前記第一状態の前記表示アセンブリは、前記第一虚像に垂直であり、前記第一状態の前記反射素子と前記第一状態の前記表示アセンブリの間の夾角は45°である。
【0009】
本発明の任意の実施例において、前記駆動アセンブリが前記表示アセンブリを駆動して第一角度β回転させ、前記駆動アセンブリが前記反射素子を駆動して第二角度α回転させると、0°<α<45°、0°<β<90°且つβ=2αの関係式を満たす。
【0010】
本発明の任意の実施例において、前記駆動アセンブリが前記表示アセンブリと前記反射素子を駆動してそれぞれ時計回りに回転させる時、前記第二虚像から前記空中結像アセンブリまでの距離は、前記第一虚像から前記空中結像アセンブリまでの距離より大きい。
【0011】
本発明の任意の実施例において、前記駆動アセンブリが前記表示アセンブリと前記反射素子を駆動してそれぞれ反時計回りに回転させる時、前記第二虚像から前記空中結像アセンブリまでの距離は、前記第一虚像から前記空中結像アセンブリまでの距離より小さい。
【0012】
本発明の任意の実施例において、前記第一虚像は、前記空中結像アセンブリを介して前記空中結像アセンブリの他側に第一空中画像を形成し、前記第二虚像は、前記空中結像アセンブリを介して前記空中結像アセンブリの他側に第二空中画像を形成し、前記第一空中画像と前記第二空中画像は、前記第一方向に垂直な第二方向に沿って平行であり、且つ間隔をおいて配列される。
【0013】
本発明の任意の実施例において、前記空中結像アセンブリは、第一反射アレイ及び第二反射アレイを含み、前記第二反射アレイは、前記第一反射アレイに位置し、前記第一反射アレイは、間隔をおいて設けられる複数の第一反射シートを含み、前記第二反射アレイは、間隔をおいて設けられる複数の第二反射シートを含み、前記第一反射シートの延在方向と前記第二反射シートの延在方向は異なり、 前記表示アセンブリの虚像が発する光線は、前記第一反射シートにおいて一回目の反射が生じ、生じた第一反射光線は、前記第二反射シートにおいて二回目の反射が生じ、生じた第二反射光線は、前記空中画像を形成する。
【0014】
本発明の任意の実施例において、前記第一反射シートの前記表示アセンブリに対する傾斜角は45°である。
【0015】
本発明の任意の実施例において、前記第一反射シートと前記表示アセンブリの虚像の位置は、対向する。
【0016】
本発明の任意の実施例において、前記空中結像アセンブリは、 前記表示アセンブリの一側に位置するビーム分割構造と、 前記ビーム分割構造の一側に位置し、且つ前記ビーム分割構造に近づく方向に傾斜する再帰反射構造と、を含み、 前記表示アセンブリの虚像と前記再帰反射構造は、前記ビーム分割構造の同じ一側に位置し、前記ビーム分割構造に入射する前記表示アセンブリの虚像が発する光線は、前記再帰反射構造に反射され、一部が前記再帰反射構造によって再帰反射される光線によって前記表示アセンブリの虚像を形成し、前記表示アセンブリの虚像と前記空中画像は、前記ビーム分割構造に対して対称である。
【0017】
本発明の任意の実施例において、前記ビーム分割構造は、前記表示アセンブリの虚像に垂直である。
【0018】
本発明の任意の実施例において、前記空中結像システムは、固定アセンブリを更に含み、前記駆動アセンブリ、前記ビーム分割構造及び前記再帰反射構造は、それぞれ前記固定アセンブリに固定される。
【0019】
本発明の任意の実施例において、前記反射素子は、平面反射鏡である。
【0020】
本発明の任意の実施例において、第一状態の前記反射素子と前記表示アセンブリの虚像の間の夾角は鈍角である。
【0021】
本発明の任意の実施例において、第一状態の前記反射素子と前記表示アセンブリの虚像の間の夾角は鋭角である。
【0022】
本発明の任意の実施例において、前記反射素子は、接続端及び第一自由端を含み、前記接続端は、前記駆動アセンブリに接続され、前記駆動アセンブリは、前記反射素子を駆動して前記接続端周りに回転させる。
【0023】
本発明の任意の実施例において、前記駆動アセンブリは、回転軸を含み、前記表示アセンブリは、前記回転軸に固定され、前記表示アセンブリは、第二自由端、第三自由端及び前記第二自由端と前記第三自由端に接続される中間部を含み、前記回転軸は、前記中間部に固定接続され、 前記駆動アセンブリは、前記回転軸を駆動して回転させて、前記表示アセンブリが前記回転軸を回転中心として回転する。
【0024】
本発明の任意の実施例において、前記空中結像システムは、固定アセンブリを更に含み、前記駆動アセンブリ及び前記空中結像アセンブリは、それぞれ前記固定アセンブリに固定される。
【0025】
本発明の任意の実施例において、前記第一虚像は、前記空中結像アセンブリを介して前記空中結像アセンブリの他側に第一空中画像を形成し、前記第二虚像は、前記空中結像アセンブリを介して前記空中結像アセンブリの他側に第二空中画像を形成し、前記第一空中画像と前記第二空中画像は、前記第一方向に平行な第二方向に沿って平行であり、且つ間隔をおいて配列される。
【発明の効果】
【0026】
本発明が提供する空中結像システムは、表示アセンブリの一側に反射素子が設けられ、駆動アセンブリが表示アセンブリと反射素子を駆動して時計回り又は反時計周りに回転させることで、反射素子によって表示アセンブリと反対の他側に表示アセンブリの反射素子について対称な表示アセンブリの虚像を形成し、表示アセンブリの虚像は、空中結像アセンブリを介して空中結像アセンブリの他側に空中画像を形成する。表示アセンブリと表示アセンブリの虚像は、反射素子について対称であり、且つ表示アセンブリの虚像と空中画像は、空中結像アセンブリについて対称であることから、表示アセンブリと反射素子の回転角度をそれぞれ調整することで、異なる回転角度における表示アセンブリの虚像の間の距離を調整して、空中画像を大きく変位させて、前記空中結像システムの前記空中画像の表示深さを大きくすることができる。従って、本発明が提供する空中結像システムは、前記表示アセンブリの移動を必要とせず、前記表示アセンブリと前記反射素子を回転させるだけで前記空中画像の表示深さを調整することができ、小さなスペースで大きな表示深さが得られ、前記空中結像システムの体積を低減させるのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下に、実施例の説明に使用する必要がある図面を簡潔に紹介する。以下の説明における図面は、本発明のいくつかの実施例にすぎないことは明らかである。当業者であれば、創造的努力なしに、これらの図面に基づいて、他の図面を得ることもできる。
【0028】
図1】本発明の第一実施例が提供する空中結像システムの構造概略図である。
図2図1の空中結像システムの光線経路の概略図である。
図3図2の空中結像アセンブリの構造概略図である。
図4図3の空中結像アセンブリの別の角度の構造概略図である。
図5】本発明の第二実施例が提供する空中結像システムの構造概略図である。
図6図5の空中結像システムの光線経路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に本発明の実施例の図面と組み合わせて、本発明の実施例における技術案を明確且つ徹底的に説明する。説明された実施例は、本発明の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。本発明の実施例に基づき、当業者が創造的努力なしに得られる全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0030】
本発明の説明において、理解する必要があることとして、技術用語「上」、「下」等が指示する方位又は位置関係は、図面で示す方位又は位置関係に基づくものであり、本発明の説明のため及び説明を簡略化するためのものでしかなく、言及された装置又は部材が特定の方位を有することを必須として、特定の方位で構成及び操作されることを示す又は暗示するものではなく、本発明を限定するものとして理解することはできない。また、技術用語「第一」、「第二」は、目的を説明するためのものでしかなく、相対的な重要性を意味又は示唆するもの、或いは表される技術的要素の数を示唆するものとして理解することはできない。これにより、「第一」、「第二」と限定される特徴は、一つ以上の前記特徴を明示的又は暗黙的に含むことができ
る。本発明の説明において、具体的に限定されている場合を除き、「複数」が意味するのは、二つ以上である。
【0031】
本発明は、異なる実施例において参照数字及び/又は参照文字を繰り返してもよく、このような繰り返しは、簡略化及び明確化の目的のためであり、それ自身は、論じられる各実施形態及び/又は設置の間の関係を示さない。
【0032】
以下に、具体的な実施例及び図面を組み合わせて本発明が提供する空中結像システムについて詳細に説明する。
【0033】
図1から図4を参照すると、本発明の第一実施例は、表示アセンブリ10、反射素子20、空中結像アセンブリ30及び駆動アセンブリ40を含み、前記空中結像アセンブリ30は、前記表示アセンブリ10の一側に位置し、前記反射素子20は、前記表示アセンブリ10の一側に位置し、且つ前記表示アセンブリ10に近づく方向に傾斜し、前記駆動アセンブリ40は、前記表示アセンブリ10及び前記反射素子20にそれぞれ接続される空中結像システム100を提供する。
【0034】
前記表示アセンブリ10の光出射面は、前記反射素子20に面する。
【0035】
前記反射素子20は、結像機能を有し、具体的に、前記表示アセンブリ10は、前記反射素子20の他側に前記表示アセンブリ10の虚像を形成することができる。前記表示アセンブリ10の虚像と前記表示アセンブリ10は、前記反射素子20について対称である、即ち、前記表示アセンブリ10の虚像と前記表示アセンブリ10の形状及び大きさは同じである。
【0036】
本発明の任意の実施例において、前記反射素子20は、平面反射鏡である。前記平面反射鏡は、完全な画像を形成できる唯一の光学素子であり、ビームの同心度を変更せず、ビームは、平面鏡を反射した後、発散する同心のビームは、発散する同心のビームのままであり、収束する同心のビームは、収束する同心のビームのままである。
【0037】
前記空中結像アセンブリ30と前記表示アセンブリ10の虚像の位置は対向し、前記空中結像アセンブリ30は、前記表示アセンブリ10の虚像を反射して、前記空中結像アセンブリ30の他側に空中画像50を形成するのに用いられる。前記空中画像50及び前記表示アセンブリ10の虚像は、前記空中結像アセンブリ30に対して対称である。
【0038】
本実施例において、前記空中結像アセンブリ30は、前記反射素子20の一側に位置し、且つ、前記表示アセンブリ10の虚像に近づく方向に傾斜し、前記反射素子20は、前記空中結像アセンブリ30と前記表示アセンブリ10の虚像の間に位置する。
【0039】
図2から図4を参照すると、本実施例において、前記空中結像アセンブリ30は、第一反射アレイ31及び第二反射アレイ32を含み、前記第二反射アレイ32は、前記第一反射アレイ31に位置し、前記第一反射アレイ31は、間隔をおいて設けられる複数の第一反射シート311を含み、前記第二反射アレイ32は、間隔をおいて設けられる複数の第二反射シート321を含み、前記第一反射シート311の延在方向と前記第二反射シート321の延在方向は異なり、前記表示アセンブリ10の虚像が発する光線L1は、前記第一反射シート311において一回目の反射が生じ、生じた第一反射光線L2は、前記第二反射シート321に入射して二回目の反射が生じ、生じた第二反射光線L3は、前記空中画像50を生成する。
【0040】
本実施例において、前記第一反射シート311の前記表示アセンブリ10に対する傾斜角は45°であり、このように設けられた前記空中結像アセンブリ30は、前記空中画像50にゴーストイメージが出現する確率を低減することができる。
【0041】
本実施例において、前記表示アセンブリ10の虚像と前記第一反射シート311の位置は、対向している。即ち、前記表示アセンブリ10の虚像は、前記第一反射シート311に面する。
【0042】
前記駆動アセンブリ40は、前記表示アセンブリ10と前記反射素子20を駆動して時計回り又は反時計回りに回転させて、前記表示アセンブリ10と前記反射素子20の回転角度をそれぞれ調整して、異なる回転角度における前記表示アセンブリ10の虚像の間の距離を調整して、前記空中画像50を大きく変位させて、前記空中結像システム100の前記空中画像50の表示深さを大きくするのに用いられる。前記空中結像システム100は、前記表示アセンブリ10の移動を必要とせず、前記表示アセンブリ10と前記反射素子20を回転させるだけで前記空中画像50の表示深さを調整することができ、小さなスペースで大きな表示深さが得られ、前記空中結像システム100の体積を低減させるのに有利である。
【0043】
本実施例において、前記表示アセンブリ10と前記反射素子20が回転しない時は、第一状態であり、前記表示アセンブリ10と前記反射素子20が回転した後は、第二状態であると定義し、図2の符号10と20の実線は、第一状態の前記表示アセンブリ10と前記反射素子20を表し、破線は、第二状態の前記表示アセンブリ10と前記反射素子20を表す。
【0044】
第一状態の前記表示アセンブリ10は、前記反射素子20の他側に第一虚像61を形成し、第二状態の前記表示アセンブリ10は、前記反射素子20の他側に第二虚像62を形成し、前記第一虚像61と前記第二虚像62は、第一方向Yに沿って平行であり、且つ間隔をおいて配列される。
【0045】
本実施例において、前記第一状態の前記表示アセンブリ10は、前記第一虚像61に垂直であり、前記第一状態の前記反射素子20と前記第一状態の前記表示アセンブリ10の間の夾角は45°である。
【0046】
本実施例において、第一状態の前記表示アセンブリ10は鉛直であり、前記表示アセンブリ10の虚像は水平であり、前記空中画像50は鉛直である。第一状態の前記反射素子20と前記表示アセンブリ10の虚像の間の夾角は鋭角である。
【0047】
他の実施例において、第一状態の前記表示アセンブリ10は水平であり、対応して、前記表示アセンブリ10の虚像は水平であり、前記空中画像50は鉛直であってもよい。第一状態の前記反射素子20と前記表示アセンブリ10の虚像の間の夾角は鈍角である。
【0048】
本実施例において、前記駆動アセンブリ40が前記表示アセンブリ10を駆動して第一角度β回転させ、前記駆動アセンブリ40が前記反射素子20を駆動して第二角度α回転させると、以下の関係式を満たす。 0°<α<45° (式1) 0°<β<90° (式2) β=2α (式3)
【0049】
上記関係式の(式3)は、以下の過程により導出することができる。
【0050】
第二状態の前記表示アセンブリ10の延長線、第二虚像の延長線及び前記表示アセンブリ10の回転中心と第二虚像の中心の間の連続線は、一つの二等辺三角線を構成し、前記第一虚像の延長線は、第二虚像の延長線に平行であり、第二状態の前記反射素子20の延長線は、二等辺三角線の一つの角の二等分線であり、第一状態の前記表示アセンブリ10の延長線は、二等辺三角線の別の角の二等分線であり、三角形の特性からわかるように、図2において、∠1=90°-β、∠2=∠3=45°-α、∠1=∠2+∠3であり、90°-β=2(45°-α)、β=2αである。
【0051】
本発明の実施例において、前記駆動アセンブリ40が前記表示アセンブリ10と前記反射素子20を駆動してそれぞれ時計回りに回転させる時、前記第二虚像62から前記空中結像アセンブリ30までの距離は、前記第一虚像61から前記空中結像アセンブリ30までの距離より大きい。
【0052】
本発明の別の実施例において、前記駆動アセンブリ40が前記表示アセンブリ10と前記反射素子20を駆動してそれぞれ反時計回りに回転させる時、前記第二虚像62から前記空中結像アセンブリ30までの距離は、前記第一虚像61から前記空中結像アセンブリ30までの距離より小さい。
【0053】
本発明の実施例において、前記第一虚像61は、前記空中結像アセンブリ30を介して前記空中結像アセンブリ30の他側に第一空中画像51を形成し、前記第二虚像62は、前記空中結像アセンブリ30を介して前記空中結像アセンブリ30の他側に第二空中画像52を形成し、前記第一空中画像51と前記第二空中画像52は、前記第一方向Yに垂直又は平行な第二方向Xに沿って平行であり、且つ間隔をおいて配列される。
【0054】
図1を再び参照すると、前記駆動アセンブリ40は、第一駆動部材41、第二駆動部材42及び回転軸43を含み、前記第一駆動部材41は、前記反射素子20の一端に接続され、前記反射素子20を駆動して前記第二角度α回転させるのに用いられ、前記第二駆動部材42は、前記回転軸43の一端に固定接続され、前記回転軸43の前記第二駆動部材42から離れた他端は、前記表示アセンブリ10に接続され、前記第二駆動部材42は、前記回転軸43を駆動して回転させて、前記回転軸43が前記表示アセンブリ10を駆動して回転させるのに用いられる。
【0055】
具体的に、前記反射素子20は、接続端21及び第一自由端22を含み、前記接続端21は、前記駆動アセンブリ40に接続され、前記駆動アセンブリ40は、前記反射素子20を駆動して前記接続端21周りに回転させる。
【0056】
具体的に、前記表示アセンブリ10は、第二自由端11、第三自由端12及び前記第二自由端11と前記第三自由端12に接続される中間部13を含み、前記回転軸43は、前記中間部13に固定接続され、前記表示アセンブリ10は、前記回転軸43を回転中心として回転する。
【0057】
図1を再び参照すると、前記空中結像システム100は、固定アセンブリ70を更に含み、前記駆動アセンブリ40及び前記空中結像アセンブリ30は、それぞれ前記固定アセンブリ70に固定される。具体的に、前記固定アセンブリ70は、第一固定部71及び前記第一固定部71に垂直に接続される第二固定部72を含み、前記駆動アセンブリ40は、前記第一固定部71に固定され、前記空中結像アセンブリ30は、前記第二固定部72に固定され、前記反射素子20は、前記第一固定部71に対して傾斜し、且つ前記第二固定部72に向かって延在し、前記空中結像アセンブリ30は、前記第二固定部72に対して傾斜し、且つ前記第一固定部71に向かって延在する。
【0058】
図5から図6を参照すると、本発明の第二実施例は、空中結像システム200を提供し、前記空中結像システム200の構造は、前記空中結像システム100の構造に相似し、前記空中結像システム200も表示アセンブリ10、反射素子20、空中結像アセンブリ30及び駆動アセンブリ40を含み、前記表示アセンブリ10、前記反射素子20及び前記駆動アセンブリ40の構造及び三者の位置関係は、前記空中結像システム100の前記表示アセンブリ10、前記反射素子20及び前記駆動アセンブリ40の構造及び三者の位置関係と同じである。前記空中結像アセンブリ30と前記表示アセンブリ10の全体の位置関係も同じである。前記空中結像システム200の構造と前記空中結像システム100との差異は、前記空中結像アセンブリ30は、ビーム分割構造33及び再帰反射構造34を含むことであり、前記ビーム分割構造33は、前記表示アセンブリ10の一側に位置し、前記再帰反射構造34は、前記ビーム分割構造33の一側に位置し、且つ前記ビーム分割構造33に近づく方向に傾斜し、前記表示アセンブリ10の虚像と前記再帰反射構造34は、前記ビーム分割構造33の同じ一側に位置し、前記表示アセンブリ10の虚像が発する光線は、前記ビーム分割構造33に入射し、且つ前記ビーム分割構造33によって前記再帰反射構造34に反射され、一部が前記再帰反射構造34によって再帰反射される光線によって前記表示アセンブリ10の虚像を形成し、前記表示アセンブリ10の虚像と前記空中画像50は、前記ビーム分割構造33に対して対称である。前記反射素子20及び前記再帰反射構造34は、前記ビーム分割構造33の同じ一側に位置する。
【0059】
本実施例において、前記ビーム分割構造33は、前記表示アセンブリ
10の虚像に垂直である。
【0060】
前記ビーム分割構造33に入射する一部の光は反射され、他の一部の光は前記ビーム分割構造33を透過する。前記再帰反射構造34に入射する光線は、光線が入射する付近から逆方向に戻ることができる。
【0061】
本実施例において、第一状態の前記表示アセンブリ10は水平であり、前記表示アセンブリ10の虚像及び前記空中画像50はいずれも鉛直である。第一状態の前記反射素子20と前記表示アセンブリ10の虚像の間の夾角は鈍角である。
【0062】
当然ながら、他の実施例において、第一状態の前記表示アセンブリ10は鉛直であってもよく、この時、前記表示アセンブリ10の虚像は水平であり、前記空中画像50は鉛直である。第一状態の前記反射素子20と前記表示アセンブリ10の虚像の間の夾角は鋭角である。
【0063】
前記空中結像システム200の固定アセンブリ70は、第三固定部73及び第四固定部74を更に含み、前記第三固定部73は、前記第一固定部71に垂直に接続され、且つ前記第二固定部72に平行である。前記第四固定部74の一端は、前記第一固定部71及び前記第二固定部72に固定接続され、他端は、前記再帰反射構造34に固定される。前記駆動アセンブリ40は、第三固定部73に固定され、前記ビーム分割構造33及び前記再帰反射構造34は、いずれも前記第二固定部72に固定され、前記再帰反射構造34は、前記第四固定部74にも固定される。
【0064】
本発明が提供する空中結像システムは、表示アセンブリの一側に反射素子が設けられ、駆動アセンブリが表示アセンブリと反射素子を駆動して時計回り又は反時計周りに回転させることで、反射素子によって表示アセンブリと反対の他側に表示アセンブリの反射素子について対称な表示アセンブリの虚像を形成し、表示アセンブリの虚像は、空中結像アセンブリを介して空中結像アセンブリの他側に空中画像を形成する。表示アセンブリと表示アセンブリの虚像は、反射素子について対称であり、且つ表示アセンブリの虚像と空中画像は、空中結像アセンブリについて対称であることから、表示アセンブリと反射素子の回転角度をそれぞれ調整することで、異なる回転角度における表示アセンブリの虚像の間の距離を調整して、空中画像を大きく変位させて、前記空中結像システムの前記空中画像の表示深さを大きくすることができる。従って、本発明が提供する空中結像システムは、前記表示アセンブリの移動を必要とせず、前記表示アセンブリと前記反射素子を回転させるだけで前記空中画像の表示深さを調整することができ、小さなスペースで大きな表示深さが得られ、前記空中結像システムの体積を低減させるのに有利である。
【0065】
以上より、本発明は、好ましい実施例により上記のように開示されているが、上記好ましい実施例は、本発明を限定するためのものではなく、当業者であれば、本発明から逸脱しない精神と範囲内で、各種の変更及び修正を行うことができ、従って、本発明の保護範囲は、請求項が限定する範囲を基準とする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】