(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】大面積プリンティングのためのスリットノズル
(51)【国際特許分類】
B29C 64/209 20170101AFI20241121BHJP
B29C 64/118 20170101ALI20241121BHJP
B29C 64/106 20170101ALI20241121BHJP
B29C 64/321 20170101ALI20241121BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20241121BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20241121BHJP
【FI】
B29C64/209
B29C64/118
B29C64/106
B29C64/321
B33Y10/00
B33Y30/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572834
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2023-11-24
(86)【国際出願番号】 KR2022020315
(87)【国際公開番号】W WO2024101527
(87)【国際公開日】2024-05-16
(31)【優先権主張番号】10-2022-0150063
(32)【優先日】2022-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517336290
【氏名又は名称】ティーアンドアール バイオファブ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】T & R BIOFAB CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】542ho,237 Sangidaehak-ro Siheung-si Gyeonggi-do 15073 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100087491
【氏名又は名称】久門 享
(74)【代理人】
【識別番号】100104271
【氏名又は名称】久門 保子
(72)【発明者】
【氏名】キム インホ
(72)【発明者】
【氏名】リー インギュ
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL32
4F213WL74
4F213WL85
4F213WL95
(57)【要約】
本発明はプリンティング材料が線(line)方式で吐出されて広い面積の一括プリンティングが可能であるため、プリンティング時間は短縮し、均一度を向上させることができる大面積プリンティングのためのスリットノズルに関し、プリンティングのためのプリンティング材料が収容されるシリンジと、前記シリンジが連結され、シリンジから吐出されたプリンティング材料を保管しラインの形態で吐出させるチャンバが形成された一対のマニホールドと、前記一対のマニホールドの間に位置し、シリンジから吐出されるプリンティング材料がチャンバに均一に充填され、吐出されるプリンティング材料の吐出厚さを決定するシムプレートを含むことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンティングのためのプリンティング材料が収容されるシリンジ;
前記シリンジが連結され、シリンジから吐出されたプリンティング材料を保管しラインの形態で吐出させるチャンバが形成された一対のマニホールド;および
前記一対のマニホールドの間に位置し、シリンジから吐出されるプリンティング材料がチャンバに均一に充填され、吐出されるプリンティング材料の吐出厚さを決定するシムプレート;を含む、大面積プリンティングのためのスリットノズル。
【請求項2】
前記チャンバは、一対のマニホールドにそれぞれ形成されるか一つのマニホールドにのみ形成されることを特徴とする、請求項1に記載の大面積プリンティングのためのスリットノズル。
【請求項3】
前記チャンバは、マニホールドに少なくとも一つ以上で形成されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の大面積プリンティングのためのスリットノズル。
【請求項4】
前記マニホールドの上部にはシリンジが連結され得るようにシリンジ締結部が形成され、前記シリンジ締結部の内部はシリンジに収容されたプリンティング材料がチャンバに吐出され得るようにチャンバと連通することを特徴とする、請求項1に記載の大面積プリンティングのためのスリットノズル。
【請求項5】
前記チャンバは、シリンジに収容されたプリンティング材料がシリンジ締結部を通過して同一の量で流入しラインの形態で均一に吐出され得るように、両側に、より長く、傾斜するように形成されることを特徴とする、請求項4に記載の大面積プリンティングのためのスリットノズル。
【請求項6】
前記シリンジ締結部は、複数個のシリンジが連結され得るように複数個で備えられることを特徴とする、請求項4に記載の大面積プリンティングのためのスリットノズル。
【請求項7】
前記シムプレートは、上部にシリンジが連結されるシリンジ締結部の側面に密着して、材料がシリンジ締結部を通過してチャンバに円滑に投入され得るように密着片が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の大面積プリンティングのためのスリットノズル。
【請求項8】
前記シムプレートは、厚さおよびチャンバ開放率の間隙調節を通じてプリンティング材料の吐出が均等になることを特徴とする、請求項7に記載の大面積プリンティングのためのスリットノズル。
【請求項9】
前記シムプレートは、設定されたプリンティング材料の吐出厚さと同じ厚さで形成され、プリンティング材料の吐出厚さに合うシムプレートを取り替えて使うことを特徴とする、請求項1または請求項7に記載の大面積プリンティングのためのスリットノズル。
【請求項10】
前記一対のマニホールドは、シムプレートを間に位置させた状態で互いに密着し、挿入溝を通じてボルトおよびナットが締結されて脱着可能に連結して使うことを特徴とする、請求項1に記載の大面積プリンティングのためのスリットノズル。
【請求項11】
前記シムプレートには、一対のマニホールドを結合させるためのボルトが装入される装入溝が形成されたことを特徴とする、請求項10に記載の大面積プリンティングのためのスリットノズル。
【請求項12】
前記プリンティング材料には天然高分子が含まれることを特徴とする、請求項1に記載の大面積プリンティングのためのスリットノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は大面積プリンティングのためのスリットノズルに関し、より詳細には、プリンティング材料が線(line)方式で吐出されて広い面積の一括プリンティングが可能であるため、プリンティング時間は短縮し、均一度を向上させることができる大面積プリンティングのためのスリットノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
3Dプリンティングはスキャニングやモデリングを通じての3次元のデジタル資料を基盤として、材料を1層1層順次積み上げていく工程を通じて所望の形状を作る積層加工(Additive manufacturing)の一種であって、広義の意味で3Dプリンティング技術は積層加工全体を意味したりもする。3Dプリンティング工程は既存の他の加工工程に比べて、製作に必要とされるエネルギーが約50%以上、素材は約90%以上節減できると知られている。
【0003】
3Dプリンティング方式は積層方式により大きく9つの類型に分かれるが、その中でいわゆる物質噴射(Material Extrusion)方式が最もハードウェア構成が簡単であるため家庭用として広く普及されている。物質噴射方式の3DプリンタはFFF(fused filament fabrication)、ME(materials Extrusion)3Dプリンタを含む。ME 3Dプリンタは一般的に、XY軸方向に移動可能なプリンタヘッドがZ方向に移動可能に構成された移動造形プレートの上部で、物質を噴射しながら3次元の構造物を作り出すが、素材として熱可塑性樹脂で製作された直径1.25mm~3mmの円形断面を有するフィラメントが主に使用され、供給されたフィラメントが溶融しながらプリンタヘッドの下部に配置されたノズルを通じて噴射されて1層1層積層される。
【0004】
ところが、従来の3Dプリンタは円形断面のノズルを使って構造物を積層して製作するため、特定大きさの円形直径を有するノズルはその殆どが精密な形状を製作するために非常に小さい大きさの直径で製作するのでこのようなノズルは精密な構造物を製作するのが容易であるが、大面積の構造を製作する場合、材料が点の形態で吐出されて製作時間が長くかかるため作業効率が低下する短所がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】大韓民国公開特許公報第10-2017-0047550号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明は前記の問題点を解決するために案出されたもので、その目的は、プリンティング材料が線で吐出されて広い面積をプリンティング時にプリンティング時間を短縮することができ、均一度を向上させることができる大面積プリンティングのためのスリットノズルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するための本発明の実施例に係る大面積プリンティングのためのスリットノズルは、プリンティングのためのプリンティング材料が収容されるシリンジと、前記シリンジが連結され、シリンジから吐出されたプリンティング材料を保管しラインの形態で吐出させるチャンバが形成された一対のマニホールドと、前記一対のマニホールドの間に位置し、シリンジから吐出されるプリンティング材料がチャンバに均一に充填され、吐出されるプリンティング材料の吐出厚さを決定するシムプレートを含むことができる。
【0008】
前記チャンバは一対のマニホールドにそれぞれ形成されるか一つのマニホールドにのみ形成され得る。
【0009】
前記チャンバはマニホールドに少なくとも一つ以上で形成され得る。
【0010】
前記マニホールドの上部にはシリンジが連結され得るようにシリンジ締結部が形成され、前記シリンジ締結部の内部はシリンジに収容されたプリンティング材料がチャンバに吐出され得るようにチャンバと連通し得る。
【0011】
前記チャンバはシリンジに収容されたプリンティング材料がシリンジ締結部を通過して同一の量で流入しラインの形態で均一に吐出され得るように、両側により長く、傾斜するように形成され得る。
【0012】
前記シリンジ締結部は複数個のシリンジが連結され得るように複数個で備えられ得る。
【0013】
前記シムプレートは上部にシリンジが連結されるシリンジ締結部の側面に密着して材料がシリンジ締結部を通過してチャンバに円滑に投入され得るように密着片が形成され、内部ラインがチャンバの上端ラインと同一線上に位置し得る。
【0014】
前記シムプレートは設定されたプリンティング材料の吐出厚さと同じ厚さで形成され、プリンティング材料の吐出厚さに合うシムプレートを取り替えて使うことができる。
【0015】
前記一対のマニホールドはシムプレートを間に位置させた状態で互いに密着し、挿入溝を通じてボルトおよびナットが締結されて脱着可能に連結して使うことができる。
【0016】
前記シムプレートには一対のマニホールドを結合させるためのボルトが装入される装入溝が形成され得る。
【0017】
前記プリンティング材料には天然高分子が含まれ得る。
【発明の効果】
【0018】
以上で説明した通り、本発明に係る大面積プリンティングのためのスリットノズルによると、プリンティング材料が収容されるシリンジが連結され、プリンティングのために材料が吐出される一対のマニホールドの内部に「一」字状に少なくとも一つ以上のチャンバが形成され、一対のマニホールドの間にシムプレートが備えられることによって、シムプレートによりプリンティング材料がチャンバ内に均一に充填され、「一」字状のチャンバを通じてプリンティング材料がライン状に吐出されて大面積一括プリンティングが可能であり、大面積プリンティングの時間短縮および均一度を向上させて作業の効率性および構造物の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係る大面積プリンティングのためのスリットノズルを図示した斜視図である。
【
図2】本発明に係る大面積プリンティングのためのスリットノズルを図示した分解斜視図である。
【
図3】本発明に係る大面積プリンティングのためのスリットノズルを図示した切断面図である。
【
図4】本発明に係る大面積プリンティングのためのスリットノズルのプリンティング材料の吐出状態模式図である。
【
図5】本発明に係る大面積プリンティングのためのスリットノズルの多重シリンジが連結されるマニホールドの一例を図示した正面図である。
【
図6】本発明に係る大面積プリンティングのためのスリットノズルのマニホールドの一例を図示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は多様な変更を加えることができ、多様な実施例を有することができるところ、特定実施例を図面に例示して詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されるべきである。
【0021】
図面において、本発明の実施例は図示された特定の形態に制限されるものではなく、明確性を期するために誇張されたものである。本明細書で特定の用語が使われたが、これは本発明を説明するための目的で使われたものであって、意味限定や特許請求の範囲に記載された本発明の権利範囲を制限するために使われたものではない。
【0022】
本明細書で「および/または」という表現は前後に羅列された構成要素のうち少なくとも一つを含む意味で使われる。また、「連結される/結合される」という表現は他の構成要素と直接的に連結されたり、他の構成要素を通じて間接的に連結されるものを含む意味で使われる。本明細書で単数型は文面で特に言及しない限り複数型も含む。また、明細書で使われる「含む」または「含む」と言及された構成要素、段階、動作および素子は一つ以上の他の構成要素、段階、動作および素子の存在または追加を意味する。
【0023】
実施例の説明において、各層(膜)、領域、パターンまたは構造物が基板、各側(膜)、領域、パッドまたはパターンの「上/うえ(on)」にまたは「下/した(under)」に形成されるという記載は、直接(directly)または他の層を介在して形成されるものをすべて含む。各層の上/うえまたは下/したに対する基準は図面を基準として説明する。
【0024】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明すると、次の通りである。
【0025】
図1は本発明に係る大面積プリンティングのためのスリットノズルを図示した斜視図であり、
図2は本発明に係る大面積プリンティングのためのスリットノズルを図示した分解斜視図であり、
図3は本発明に係る大面積プリンティングのためのスリットノズルを図示した切断面図であり、
図4は本発明に係る大面積プリンティングのためのスリットノズルのプリンティング材料の吐出状態模式図であり、
図5は本発明に係る大面積プリンティングのためのスリットノズルの多重シリンジが連結されるマニホールドの一例を図示した正面図であり、
図6は本発明に係る大面積プリンティングのためのスリットノズルのマニホールドの一例を図示した正面図である。
【0026】
図1~
図3に図示された通り、本発明に係る大面積プリンティングのためのスリットノズル10は、プリンタの駆動装置および制御装置によって移動しながらシリンジ100に収容されたプリンティング材料110が吐出されてプリンティングがなされ得る。
【0027】
本発明に係る大面積プリンティングのためのスリットノズル10はシリンジ100と、マニホールド200と、シムプレート300を含むことができる。
【0028】
前記シリンジ100はプリンティングのためのプリンティング材料110が収容されて、マニホールド200にプリンティング材料110を流してマニホールド200を通じてプリンティング材料110を吐出させてプリンティングができるようにする。
【0029】
この時、前記シリンジ100に収容されるプリンティング材料110は、天然高分子からなり得、前記天然高分子は粘度のあるコラーゲン(collagen)、組織由来脱細胞化細胞の基質(tissue-derived decellularized extracellular matrix、dECM)等の3Dプリンティングが可能な材料からなる群から選択された一つ以上を含むことができる。また、天然高分子はソリューションタイプ(solution type)、繊維タイプ(fibrillar type)および凍結乾燥タイプ(lyophilized type)等からなる群から選択された一つ以上を含むことができる。一方、前記プリンティング材料110は天然高分子に限定されず、他の材料も使用できることが好ましい。
【0030】
前記マニホールド200はプリンティング材料110が収容されるシリンジ100が連結され、シリンジ100から吐出されたプリンティング材料110を保管し、ラインの形態で吐出されて広い面積のプリンティングがなされ得る。前記マニホールド200はシリンジ100の下部の両側に一対からなって連結され得る。
図5の(a)でのように、一対のマニホールド200は並列で複数個で連結され得る。
【0031】
また、前記マニホールド200の上部にはシリンジ100を連結させるシリンジ締結部210が形成され、内側面にはシリンジ100に収容されたプリンティング材料110がシリンジ締結部210を通過して吐出され得るようにチャンバ220が形成され得る。
【0032】
前記シリンジ締結部210は一対のマニホールドそれぞれに形成され得る。
図5の(b)でのように、前記シリンジ締結部210は複数個のシリンジ100が連結され得るようにシリンジ100の数量に合わせて複数個で形成され得る。
【0033】
前記チャンバ220はシリンジ100に収容されたプリンティング材料110がシリンジ締結部210を通過して流入し得るように、シリンジ締結部210と連通するように形成され得る。
【0034】
前記チャンバ220はシリンジ100に収容されたプリンティング材料110がシリンジ締結部210を通過して同じ量で流入して均一に吐出され得るように、シリンジ締結部210の両側に傾斜して形成され得る。また、前記チャンバ220はプリンティング材料110がラインの形態で吐出されて広い面積でプリンティングされ得るように「一」字状に長く形成され得る。
【0035】
これと共に、前記チャンバ220は
図6の(a)でのように一対のマニホールド200にそれぞれ形成され得るか、または
図6の(b)でのように一対のマニホールド200のうち一つのマニホールド200にのみ形成され得る。また、
図5の(b)でのようにシリンジ締結部210が複数個で形成される時、チャンバ220も各シリンジ締結部210にしたがって複数個形成され、
図5の(c)でのように複数個のシリンジ締結部210に単一のチャンバ220が形成され得る。
【0036】
一方、前記一対のマニホールド200は互いに密着し、挿入溝230を通じてボルトBおよびナットNが締結されて脱着可能に連結され得る。前記マニホールド200の下部の外側面は、スリットノズル10がプリンティング面で垂直や一定の角度で傾いても円滑なプリンティングがなされるようにテーパーT状に形成され得る。
【0037】
前記シムプレート300は一対のマニホールド200の間に備えられ、シリンジ100から供給されるプリンティング材料110がシリンジ締結部210を経てチャンバ220に均一に充填され得るようにする。また、シムプレート300は上部にシリンジ100が連結されるシリンジ締結部210の側面に密着して、プリンティング材料110がシリンジ締結部210を通過してチャンバ220に円滑に投入され得るように密着片310が形成され得る。
【0038】
前記シムプレート300の内部ラインL1は、プリンティング材料110の充填容量によりチャンバ220の上端ラインL2と同一線上に位置するか、または上下に位置し得る。すなわち、前記シムプレート300が一対のマニホールド200の間に密着する時、チャンバ220の上端ラインL2とシムプレート300の内部ラインL1の間隔によってシリンジ締結部210を通過したプリンティング材料110が必要な容量に合うようにチャンバ220内に均一かつ正確に充填され得る。
【0039】
前記シムプレート300は設定されたプリンティング材料110の吐出厚さと同じ厚さで形成され得る。すなわち、シムプレート300の厚さにより構造物のプリンティング厚さが決定され得る。また、前記シムプレート300は一対のマニホールド200を分離して、プリンティング材料110の吐出厚さに合う厚さのシムプレート300を取り替えて使うことができる。
前記シムプレート300には一対のマニホールド200を結合させるためのボルトBが装入される装入溝320が形成され得る。
前記のような構造からなる本発明の大面積プリンティングのためのスリットノズルに係る作用状態を詳察すると、下記の通りである。
【0040】
前記一対のマニホールド200の間にシムプレート300が挟まれ、前記一対のマニホールド200のシリンジ締結部210にシリンジ100が連結され、前記シリンジ100内に収容されるプリンティング材料110が一対のマニホールド200の内部に流入し得る。この時、プリンティング材料110がシリンジ締結部210を通じてチャンバ220内に充填され得る。
【0041】
そして、前記チャンバ220内にプリンティング材料110が均一に充填されながらスリットノズル10の出口に均等に吐出され得る。プリンティング材料110が充填され、吐出されるチャンバ220が「一」字状に左、右に長く形成されることによって、スリットノズル10を特定の方向に移送しながらプリンティング材料110が線吐出(line extrusion)されて面塗布(plane coating)効果を実現できるため、広い面積のプリンティング時間を短縮させることができる。
【0042】
一例として、プリンティング材料が点形態で吐出される既存のプリンティング工程ではプリンティング時間が約208秒所要されたとすれば、本発明のスリットノズル10ではプリンティング材料110が線形態で吐出されてプリンティング工程が約46秒所要されて、従来に比べて約80%短縮させることができることを、実験を通じて確認した。
【0043】
また、前記シムプレート300の隙間調節(厚さ、チャンバの開放率など)を通じてチャンバ220内の管路抵抗を作ってマニホールド200の内部チャンバ220を均一に天然高分子のプリンティング材料110で充填し、以後シムプレート300の調節された間隙に合わせてスリットノズル10の出口にプリンティング材料110が均等に吐出されてプリンティングの均一度を向上させることができる。
【0044】
このように、前記プリンティング材料110が収容されるシリンジ100が一対のマニホールド(200)に締結され、マニホールド200の内部にプリンティング材料110が充填され、吐出されるチャンバ220が「一」字状に左、右に長く形成され、一対のマニホールド200の間にシムプレート300が備えられることによって、シリンジ100に引き入れられるプリンティング材料110はシリンジ100からマニホールド200に直接供給され、かつシムプレート300によってチャンバ220内に均一に充填されて広い面積を一括プリンティングできるようになる。
【0045】
以上の本発明の詳細な説明ではそれによる特別な実施例についてのみ記述した。しかし、本発明は詳細な説明で言及される特別な形態に限定されないものと理解されるべきであり、添付された請求の範囲によって定義される本発明の精神と範囲内にあるすべての変形物と均等物および代替物を含むものと理解されるべきである。
【0046】
すなわち、本発明は前述した特定の実施例および説明に限定されず、請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば誰でも多様な変形実施が可能であり、そのような変形は本発明の保護範囲内にあることになる。
【符号の説明】
【0047】
10:スリットノズル
100:シリンジ
110:プリンティング材料
200:マニホールド
210:シリンジ締結部
220:チャンバ
230:挿入溝
300:シムプレート
310:密着片
320:装入溝
【国際調査報告】