(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】送電線監視装置用の給電装置
(51)【国際特許分類】
G05F 1/10 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
G05F1/10 304B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573035
(86)(22)【出願日】2023-08-30
(85)【翻訳文提出日】2023-11-26
(86)【国際出願番号】 CN2023115851
(87)【国際公開番号】W WO2024093486
(87)【国際公開日】2024-05-10
(31)【優先権主張番号】202211344880.5
(32)【優先日】2022-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522299159
【氏名又は名称】雲南電網有限責任公司電力科学研究院
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】譚向宇
(72)【発明者】
【氏名】唐立軍
(72)【発明者】
【氏名】趙現平
(72)【発明者】
【氏名】李文雲
(72)【発明者】
【氏名】盧勇
(72)【発明者】
【氏名】徐肖偉
(72)【発明者】
【氏名】張文斌
(72)【発明者】
【氏名】彭兆裕
【テーマコード(参考)】
5H410
【Fターム(参考)】
5H410CC03
5H410DD03
5H410FF03
5H410FF24
5H410LL01
(57)【要約】
本発明の実施例は、給電技術分野に属する送電線監視装置用の給電装置を開示し、エネル
ギー取込モジュール、電力変換モジュールおよびパラメータ調整モジュールを備え、前記
エネルギー取込モジュールのエネルギー取込端は送電線を包み、出力端は前記電力変換モ
ジュールに接続され、送電線中の電気エネルギーを取得するために使用され、前記電力変
換モジュールの出力端は前記パラメータ調整モジュールに接続され、取得された電気エネ
ルギーを監視装置と一致する電気エネルギーに変換するために使用され、前記パラメータ
調整モジュールの出力端は前記監視装置の入力端に接続され、取得された電気エネルギー
のパラメータを調整して前記監視装置に送信するために使用される。エネルギー取込モジ
ュールは、送電線の正常な作業に悪影響をもたらしにくく、電気エネルギーを継続的に取
得することができる。給電安定性を改善し、監視装置の作業安定性を向上させることがで
きる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー取込モジュール、電力変換モジュールおよびパラメータ調整モジュールを備え
、
前記エネルギー取込モジュールのエネルギー取込端は送電線を包み、出力端は前記電力変
換モジュールに接続され、送電線中の電気エネルギーを取得するために使用され、
前記電力変換モジュールの出力端は前記パラメータ調整モジュールに接続され、取得され
た電気エネルギーを監視装置と一致する電気エネルギーに変換するために使用され、
前記パラメータ調整モジュールの出力端は前記監視装置の入力端に接続され、取得された
電気エネルギーのパラメータを調整して前記監視装置に送信するために使用される、こと
を特徴とする送電線監視装置用の給電装置。
【請求項2】
前記電力変換モジュールは高周波変圧器を含み、
前記エネルギー取込モジュールは第1キャパシタC1およびパルス放電ユニットを含み、
前記第1キャパシタC1は前記送電線を包み、前記第1キャパシタC1の出力端は前記パ
ルス放電ユニットの入力端に接続され、
前記パルス放電ユニットの入力端は前記高周波変圧器の一端に接続され、前記パルス放電
ユニットの出力端および前記高周波変圧器の他端は接地される、ことを特徴とする請求項
1に記載の送電線監視装置用の給電装置。
【請求項3】
前記パルス放電ユニットは第2キャパシタC2であり、
前記第2キャパシタC2の一端が前記高周波変圧器に接続され、前記第2キャパシタC2
の他端は接地される、ことを特徴とする請求項2に記載の送電線監視装置用の給電装置。
【請求項4】
前記パラメータ調整モジュールは電圧倍増整流ユニットおよび電圧安定化ユニットを含み
、
前記電圧倍増整流ユニットの入力端は前記電力変換モジュールの出力端に接続され、前記
電圧倍増整流ユニットの出力端は前記電圧安定化ユニットの入力端に接続され、取得され
た電気エネルギーを増加および/または変換するために使用され、
前記電圧安定化ユニットの出力端は前記監視装置の入力端に接続され、取得された電気エ
ネルギーを安定化させるために使用される、ことを特徴とする請求項1に記載の送電線監
視装置用の給電装置。
【請求項5】
前記電圧倍増整流ユニットは、第1ダイオードD1、第2ダイオードD2、第3キャパシ
タC3および第4キャパシタC4を含み、
前記第1ダイオードD1は前記第3キャパシタC3に直列に接続され、
前記第2ダイオードD2は前記第4キャパシタC4に直列に接続され、
前記第1ダイオードD1および前記第3キャパシタC3の直列回路は、前記第2ダイオー
ドD2および前記第4キャパシタC4の直列回路と並列に接続される、ことを特徴とする
請求項4に記載の送電線監視装置用の給電装置。
【請求項6】
前記電圧安定化ユニットは、電圧安定化チップおよび第5キャパシタC5を含み、
前記電圧安定化チップの入力端は前記第4キャパシタC4に接続され、前記電圧安定化チ
ップの出力端は前記第5キャパシタC5の一端に接続され、前記電圧安定化チップの接地
端は接地され、
前記第5キャパシタC5の他端は接地される、ことを特徴とする請求項4に記載の送電線
監視装置用の給電装置。
【請求項7】
前記電圧倍増整流ユニットに電圧降下検出モジュールが並列に接続され、
前記電圧降下検出モジュールは、前記電圧倍増整流ユニットから出力された電気エネルギ
ーの電圧が予め設定された目標電圧と一致するかどうかをを検出するために使用され、
一致しない場合、警報を発する、ことを特徴とする請求項4に記載の送電線監視装置用の
給電装置。
【請求項8】
前記電圧降下検出モジュールに電圧降下給電モジュールが接続され、
前記電圧降下給電モジュールは前記監視装置に並列に接続され、
前記電圧降下給電モジュールは、前記電圧降下検出モジュールによって検出された電圧が
前記目標電圧と一致しない場合、前記監視装置に電力を供給するために使用される、こと
を特徴とする請求項7に記載の送電線監視装置用の給電装置。
【請求項9】
前記電圧降下給電モジュールは、第1抵抗R1、直流電源、第3ダイオードD3および電
界効果トランジスタQ3を含み、
前記直流電源は前記電界効果トランジスタQ3のドレインに接続され、前記第1抵抗R1
の一端が前記電界効果トランジスタQ3のゲートに接続され、前記第1抵抗R1の他端は
接地され、
前記第3ダイオードD3のアノードは前記電界効果トランジスタQ3のゲートに接続され
、カソードは前記監視装置の入力端に接続され、
前記電界効果トランジスタQ3の源極は前記監視装置の出力端に接続される、ことを特徴
とする請求項8に記載の送電線監視装置用の給電装置。
【請求項10】
前記電圧降下検出モジュールは、第2抵抗R2、第3抵抗R3、第4ダイオードD4、第
6キャパシタC6、第4抵抗R4、第1ドランジスタQ1、第5抵抗R5および第2ドラ
ンジスタQ2を含み、
前記第2抵抗R2は前記第3抵抗R3に直列に接続され、前記第2抵抗R2は前記第4ダ
イオードD4および前記第6キャパシタC6に並列に接続され、
前記第1ドランジスタQ1のベースは前記第4抵抗R4の一端に接続され、エミッタは前
記第4ダイオードD4のカソードおよび前記第6キャパシタC6の一端に接続され、コレ
クタは前記第5抵抗R5に接続され、
前記第2ドランジスタQ2のベースは前記第5抵抗R5の他端に接続され、エミッタは接
地され、コレクタは前記電圧降下検出モジュールの出力端に接続される、ことを特徴とす
る請求項7~9のいずれか1項に記載の送電線監視装置用の給電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電技術分野に関し、特に、送電線監視装置用の給電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートグリッドの加速度的な発展に伴い、太陽光発電、風力発電などの新グリーンエネ
ルギー源が電力網に多数取り込まれたため、電力網の電流信号には、雷の影響による過電
圧信号の発生に加え、作業周波数の他に、直流電流、高調波、高周波過渡信号が多数含ま
れるようになっている。これらの信号の発生は、送電網の安全性、信頼性、安定性に影響
を与え、深刻な場合には、送電網の正常な電力供給につながる可能性があり、あるいは重
大な事故を引き起こすので、送電線電圧信号の監視は非常に重要な措置である。
監視装置が送電線の伝送にできるだけ影響を与えないようにするため、通常は非接触監視
を採用している。しかし、センシングクラス監視装置であれ、アクイジションクラス監視
装置であれ、バックエンド回路はアクティブデバイスで設計されることがほとんどである
。このため、高電圧送電線上のアクティブデバイスに連続的に電力を供給する方法が喫緊
の課題となっている。
先行技術では、太陽光発電による電力供給や温度差によるエネルギー取込などが一般的だ
が、太陽光発電も温度差も環境との相関性が高い。環境の影響を強く受けるため、出力電
力が不安定になりやすく、監視装置の電源ニーズに影響を与える。
【発明の概要】
【0003】
上記の点に鑑み、本発明は、先行技術における不安定な電力供給の問題を解決するための
送電線監視装置用の給電装置を提供する。上記の1つまたは一部または全部の目的、ある
いは他の目的を達成するために、本発明は、送電線監視装置用の給電装置を提供し、第1
態様によれば、
送電線監視装置用の給電装置は、エネルギー取込モジュール、電力変換モジュールおよび
パラメータ調整モジュールを備え、
前記エネルギー取込モジュールのエネルギー取込端は送電線を包み、出力端は前記電力変
換モジュールに接続され、送電線中の電気エネルギーを取得するために使用され、
前記電力変換モジュールの出力端は前記パラメータ調整モジュールに接続され、取得され
た電気エネルギーを監視装置と一致する電気エネルギーに変換するために使用され、
前記パラメータ調整モジュールの出力端は前記監視装置の入力端に接続され、取得された
電気エネルギーのパラメータを調整して前記監視装置に送信するために使用される。
好ましくは、前記電力変換モジュールは高周波変圧器を含み、
前記エネルギー取込モジュールは第1キャパシタC1およびパルス放電ユニットを含み、
前記第1キャパシタC1は前記送電線を包み、前記第1キャパシタC1の出力端は前記パ
ルス放電ユニットの入力端に接続され、
前記パルス放電ユニットの入力端は前記高周波変圧器の一端に接続され、前記パルス放電
ユニットの出力端および前記高周波変圧器の他端は接地される。
好ましくは、前記パルス放電ユニットは第2キャパシタC2であり、
前記第2キャパシタC2の一端が前記高周波変圧器に接続され、前記第2キャパシタC2
の他端は接地される。
好ましくは、前記パラメータ調整モジュールは電圧倍増整流ユニットおよび電圧安定化ユ
ニットを含み、
前記電圧倍増整流ユニットの入力端は前記電力変換モジュールの出力端に接続され、前記
電圧倍増整流ユニットの出力端は前記電圧安定化ユニットの入力端に接続され、取得され
た電気エネルギーを増加および/または変換するために使用され、
前記電圧安定化ユニットの出力端は前記監視装置の入力端に接続され、取得された電気エ
ネルギーを安定化させるために使用される。
好ましくは、前記電圧倍増整流ユニットは、第1ダイオードD1、第2ダイオードD2、
第3キャパシタC3および第4キャパシタC4を含み、
前記第1ダイオードD1は前記第3キャパシタC3に直列に接続され、
前記第2ダイオードD2は前記第4キャパシタC4に直列に接続され、
前記第1ダイオードD1および前記第3キャパシタC3の直列回路は、前記第2ダイオー
ドD2および前記第4キャパシタC4の直列回路と並列に接続される。
好ましくは、前記電圧安定化ユニットは電圧安定化チップおよび第5キャパシタC5を含
み、
前記電圧安定化チップの入力端は前記第4キャパシタC4に接続され、前記電圧安定化チ
ップの出力端は前記第5キャパシタC5の一端に接続され、前記電圧安定化チップの接地
端は接地され、
前記第5キャパシタC5の他端は接地される。
好ましくは、前記電圧倍増整流ユニットに電圧降下検出モジュールが並列に接続され、
前記電圧降下検出モジュールは、前記電圧倍増整流ユニットから出力された電気エネルギ
ーの電圧が予め設定された目標電圧と一致するかどうかを検出するために使用され、
一致しない場合、警報を発する。好ましくは、前記電圧降下検出モジュールに電圧降下給
電モジュールが接続され、
前記電圧降下給電モジュールは前記監視装置に並列に接続され、
前記電圧降下給電モジュールは、前記電圧降下検出モジュールによって検出された電圧が
前記目標電圧と一致しない場合、前記監視装置に電力を供給するために使用される。好ま
しくは、前記電圧降下給電モジュールは、第1抵抗R1、直流電源、第3ダイオードD3
および電界効果トランジスタQ3を含み、
前記直流電源は前記電界効果トランジスタQ3のドレインに接続され、前記第1抵抗R1
の一端が前記電界効果トランジスタQ3のゲートに接続され、前記第1抵抗R1の他端は
接地され、
前記第3ダイオードD3のアノードは前記電界効果トランジスタQ3のゲートに接続され
、カソードは前記監視装置の入力端に接続され、
前記電界効果トランジスタQ3の源極は前記監視装置の出力端に接続される。
好ましくは、前記電圧降下検出モジュールは、第2抵抗R2、第3抵抗R3、第4ダイオ
ードD4、第6キャパシタC6、第4抵抗R4、第1ドランジスタQ1、第5抵抗R5お
よび第2ドランジスタQ2を含み、
前記第2抵抗R2は前記第3抵抗R3に直列に接続され、前記第2抵抗R2は前記第4抵
抗R4および前記第6抵抗R6に並列に接続され、
前記第1ドランジスタQ1のベースは前記第4抵抗R4の正極に接続され、エミッタは前
記第4抵抗R4のカソードおよび前記第6抵抗R6の正極に接続され、コレクタは前記第
5抵抗R5に接続され、
前記第2ドランジスタQ2のベースは前記第5抵抗R5の他端に接続され、エミッタは接
地され、コレクタは前記電圧降下検出モジュールの出力端に接続される。
【発明の効果】
【0004】
本発明を実施する実施例は、以下の有益な効果を有する。
エネルギー取込モジュールは送電線中の電気エネルギーを取り込み、電流を形成して電力
変換モジュールに伝送する。電流の種類が監視装置に適するために電力変換モジュールに
よって電流を処理する。最後に、パラメータ調整モジュールによって電流の大きさなどの
パラメータを調整して監視装置に出力する。これにより、監視装置は適切な電気エネルギ
ーを得ることができ、監視装置の正常作業が保証される。太陽光発電や温度差発電など方
式に比べて、エネルギー取込モジュールは、送電線の正常な作業に悪影響をもたらしにく
く、電気エネルギーを継続的に取得することができる。給電安定性を改善し、監視装置の
作業安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明の実施例または先行技術における技術的解決策をより明確に説明するために、以下
、実施例または先行技術の説明において使用される必要のある添付図面を簡単に説明する
が、明らかに、以下で説明される添付図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者
であれば、創造的な労働をすることなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることが
できる。
【
図1】一実施例における送電線監視装置用の給電装置の構造を示すブロック図である。
【
図2】一実施例における送電線監視装置用の給電装置の回路図である。
【
図3】一実施例における送電線監視装置用の給電装置のエネルギー取込モジュールの原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、本発明の実施例における添付図面を参照して、本発明の実施例における技術的解決
策を明確かつ完全に説明するが、明らかに、説明される実施例は本発明の一部の実施例に
過ぎず、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者は創造的な労働を
することなく得られた他の実施例は、すべて本発明の保護範囲に含まれる。
以下の説明では、「いくつかの実施例」を参照し、すべての可能な実施例のサブセットを
説明するが、「いくつかの実施例」は、すべての可能な実施例の同じサブセットまたは異
なるサブセットであってもよく、矛盾しないかぎり、互いに組み合わせることができる。
特に定義しない限り、本明細書で使用されるすべての技術および科学用語は、本発明の当
業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語は、
本発明の実施例の目的を説明する目的でのみ使用され、本発明を限定することを意図して
いない。
本出願の実施例は、送電線監視装置用の給電装置を提供する。先行技術では、送電線路上
の監視装置に電力を供給するために、通常、太陽光発電および温度差発電などの方式が使
用される。しかし、太陽エネルギーも温度差も環境との相関が高い。環境の影響を強く受
けるため、出力電力が不安定になりやすく、監視装置の電源需要に影響を与える。
上記技術的欠陥を克服するために、本出願の実施例は送電線監視装置用の給電装置を提供
し、
図1に示すように、エネルギー取込モジュール1、電力変換モジュールおよびパラメ
ータ調整モジュールを備える。ここで、前記エネルギー取込モジュール1のエネルギー取
込端は送電線を包み、電流出力端は前記電力変換モジュールに接続され、送電線中の電気
エネルギーを取得するために使用される。電流が電力変換モジュールの電流入力端に伝送
される。
前記電力変換モジュールの電流出力端は前記パラメータ調整モジュールの電流入力端に接
続され、前記電力変換モジュールは、エネルギー取込モジュール1から取得された電気エ
ネルギーを監視装置に整合する電気エネルギーに変換するために使用される。具体的に、
一実施例では、電力変換モジュールは取得された電気エネルギーを監視装置の定格電圧範
囲内の電気エネルギーに変換する。
前記パラメータ調整モジュールの出力端は前記監視装置の入力端に接続され、取得された
電気エネルギーのパラメータを調整して前記監視装置に送信するために使用される。
具体的に、一実施例では、パラメータ調整モジュールの電流入力端が電力変換モジュール
から伝送された電流を取得した後、電流を直流電流に変換し、直流電流の電圧値を監視装
置の定格電圧範囲内で安定させる。
エネルギー取込モジュール1によって送電線中の電気エネルギーを取得し、電流を形成し
て電力変換モジュールに伝送する。電力変換モジュールによって電流を処理した後、電流
の種類を監視装置に適合させる。最後に、パラメータ調整モジュールによって電流の大き
さなどのパラメータを調整して監視装置に出力する。監視装置は適切な電気エネルギーを
得ることができ、監視装置の正常作業が保証される。太陽光発電や温度差発電などの方式
に比べて、エネルギー取込モジュール1は、送電線の正常な作業に悪影響をもたらしにく
く、電気エネルギーを継続的に取得することができる。給電安定性を改善し、監視装置の
作業安定性を向上させることができる。
本出願の別の実施形態では、
図2に示すように、前記電力変換モジュールは高周波変圧器
を含む。具体的に、一実施例では、電力変換モジュールは高周波変圧器3である。
前記エネルギー取込モジュール1は第1キャパシタC1およびパルス放電ユニット2を含
む。前記第1キャパシタC1は前記送電線を包み、前記第1キャパシタC1の出力端は前
記パルス放電ユニット2の入力端に接続される。
具体的に、一実施例では、第1キャパシタC1は高電圧エネルギー取込キャパシタであり
、送電線上に嵌設されるクランプ式中空円筒形同軸高電圧エネルギー取込キャパシタであ
る。第1キャパシタC1の電流出力端はパルス放電ユニット2の電流入力端に接続される
。
理解を容易にするために、一実施例では、
図3に示すように、Icは導通電流であり、I
dは変位電流であり、S1は同軸キャパシタの内側面積であり、S2は同軸キャパシタの
外側面積である。アンペール回路定理:
により、
同軸側面上の電荷密度はδである。キャパシタは、充放電中、極板への電荷蓄積量が時間
によって変化する。導通電流は、
であり、
電位シフト磁束の式により、導通電流は次式で表され:
図2から分かるように、右側変位電流は次式で表され:
同軸容器内の電位シフトベクトルは次式で表され:
其中、ε
0は真空中の誘電率であり、ε
rは容器内媒体の相対誘電率であり、
は電界強度ベクトルであり、
は分極強度ベクトルであり、同軸容器内の変位電流は次式で表され:
キャパシタ電荷量と電圧の関係Q=CUであり、時変ループでは、キャパシタを流れる変
位電流は次式で表され:
上記式の導出により、高電圧エネルギー取込キャパシタの適切な容量値を選択することに
より、最大変位電流を得ることができる。
前記パルス放電ユニット2の入力端は前記高周波変圧器3の一端に接続され、前記パルス
放電ユニット2の出力端および前記高周波変圧器3の他端は接地される。
具体的に、一実施例では、パルス放電ユニット2の電流入力端は、第1キャパシタC1の
電流出力端および高周波変圧器3の高電圧側に同時に接続される。パルス放電ユニット2
の電流出力端および高周波変圧器3の高電圧側他端は接地される。
前記パルス放電ユニットは第2キャパシタC2である。前記第2キャパシタC2の一端が
前記高周波変圧器3に接続され、前記第2キャパシタC2の他端は接地される。
すなわち、第2キャパシタC2の正極は高周波変圧器3の高電圧側に接続され、負極は接
地される。
前記パラメータ調整モジュールは、電圧倍増整流ユニット4および電圧安定化ユニット5
を含む。前記電圧倍増整流ユニット4の入力端は前記電力変換モジュールの出力端に接続
され、前記電圧倍増整流ユニット4の出力端は前記電圧安定化ユニット5の入力端に接続
され、取得された電気エネルギーを増加および/または変換するために使用される。
具体的に、一実施例では、電圧倍増整流ユニット4の電流入力端は高周波変圧器3の低圧
側に接続され、高周波変圧器3から出力された電流を受信するために使用される。電圧倍
増整流ユニット4の電流出力端は電圧安定化ユニット5の電流入力端に接続される。電圧
倍増整流ユニット4は、交流電流を直流電流に変換するなど、受信した電流を監視装置が
必要とする電流種類に変換することができる。さらに、電圧倍増整流ユニット4は、取得
された電流が監視装置の電力需要を満たさない場合、電圧を倍的に増加するために使用さ
れる。
前記電圧安定化ユニット5の出力端は前記監視装置の入力端に接続され、取得された電気
エネルギーを安定化させるために使用される。
具体的に、一実施例では、電圧安定化ユニット5の電流出力端は監視装置の電流入力端に
接続される。電圧安定化ユニット5は、規定電圧より大きい入力電圧を安定化させるため
に使用される。すなわち、監視装置の定格電圧よりも大きい電圧を予め設定された範囲内
で安定化させる。
電圧倍増整流ユニット4および電圧安定化ユニット5を追加して電流を処理することによ
り、監視装置に供給された電流は監視装置の正常作業需要を満たすことができる。これに
より、監視装置に継続的で安定した電気エネルギーを供給することができる。
本出願の別の実施形態では、
図2に示すように、電圧倍増整流ユニット4は、第1ダイオ
ードD1、第2ダイオードD2、第3キャパシタC3および第4キャパシタC4を含む。
一実施例では、前記第1ダイオードD1は前記第3キャパシタC3に直列に接続され、前
記第2ダイオードD2は前記第4キャパシタC4に直列に接続され、前記第1ダイオード
D1および前記第3キャパシタC3の直列回路は、前記第2ダイオードD2および前記第
4キャパシタC4の直列回路と並列に接続される。
具体的に、第1ダイオードD1の正極および第4キャパシタC4の一端は電圧倍増整流ユ
ニット4の正極端に接続される。第1ダイオードD1の負極は前記第3キャパシタC3の
一端に接続され、前記第3キャパシタC3の他端は電圧倍増整流ユニット4の負極端に接
続される。前記第4キャパシタC4の他端は前記第2ダイオードD2の負極に接続され、
前記第2ダイオードD2の正極は前記電圧倍増整流ユニット4の負極端に接続される。
本出願の別の実施形態では、
図2に示すように、前記電圧安定化ユニットは電圧安定化チ
ップ13および第5キャパシタC5を含む。前記電圧安定化チップ13の入力端は前記第
4キャパシタC4に接続され、前記電圧安定化チップ13の出力端は前記第5キャパシタ
C5の一端に接続され、前記電圧安定化チップ13の接地端は接地される。前記第5キャ
パシタC5の他端は接地される。
具体的に、一実施例では、前記電圧安定化チップ13の電流入力端は前記電圧倍増整流ユ
ニット4の電流出力端に接続され、電流を受信するために使用される。電圧安定化チップ
13の電流出力端は第5キャパシタC5の正極に接続され、接地端は接地される。前記第
5キャパシタC5の負極は接地される。
電圧安定化チップ13および第5キャパシタC5かならる電圧安定化回路により、電圧値
を調整する。監視装置の入力電力を制御するのに便利であり、監視装置は定格電気エネル
ギーの作業状態にある。監視装置は破損しにくく、作業状態はより安定である。
本出願の別の実施形態では、
図2に示すように、前記電圧倍増整流ユニット4に電圧降下
検出モジュール7が並列に接続される。前記電圧降下検出モジュール7は、前記電圧倍増
整流ユニット4から出力された電気エネルギーの電圧が予め設定された目標電圧と一致す
るかどうかを検出するために使用され、一致しない場合、警報を発する。
具体的に、一実施例では、電圧降下検出モジュール7の電流入力端は電圧倍増整流ユニッ
ト4の電流出力端に接続される。電圧降下検出モジュール7の電流出力端に警報アセンブ
リが接続される。電圧倍増整流ユニット4から出力された電圧が目標電圧よりも小さい場
合、電圧降下検出モジュール7から出力された電流または電圧は警報アセンブリの検出値
よりも小さく、警報アセンブリの警報をトリガする。電圧倍増整流ユニット4から出力さ
れた電気エネルギーの電圧が目標電圧以上である場合、電圧降下検出モジュール7から出
力された電流または電圧が警報アセンブリの検出値以上であるので、警報をトリガしない
。
電圧値を検出するための電圧降下検出モジュール7を設定し、電圧異常をタイムに検出す
ることにより、エネルギー取込モジュール1を調整するか、または電圧を補償する。監視
装置が正常な電気エネルギー供給が保証される。
本出願の別の実施形態では、
図2に示すように、前記電圧降下検出モジュール7に電圧降
下給電モジュール6が接続される。前記電圧降下給電モジュール6は前記監視装置に並列
に接続され、前記電圧降下給電モジュール6は、前記電圧降下検出モジュール7によって
検出された電圧が前記目標電圧と一致しない場合、前記監視装置に電力を供給するために
使用される。
具体的に、一実施例では、電圧降下給電モジュール6の電流入力端は前記電圧安定化モジ
ュール5の電流出力端に接続される。監視装置に供給された電力が予め設定された電気エ
ネルギーに達していない場合、電圧降下給電モジュール6は監視装置に電気エネルギーを
出力する。
【0007】
本出願の別の実施形態では、
図2に示すように、前記電圧降下給電モジュール6は、第1
抵抗R1、直流電源18、第3ダイオードD3および電界効果トランジスタQ3を含む。
前記直流電源18は前記電界効果トランジスタQ3のドレインに接続され、前記第1抵抗
R1の一端が前記電界効果トランジスタQ3のゲートに接続され、前記第1抵抗R1の他
端は接地され、前記第3ダイオードD3のアノードは前記電界効果トランジスタQ3のゲ
ートに接続され、カソードは前記監視装置の入力端に接続され、前記電界効果トランジス
タQ3の源極は前記監視装置の出力端に接続される。
本出願の別の実施形態では、
図2に示すように、前記電圧降下検出モジュールは、第2抵
抗R2、第3抵抗R3、第4ダイオードD4、第6キャパシタC6、第4抵抗R4、第1
ドランジスタQ1、第5抵抗R5および第2ドランジスタQ2を含む。前記第2抵抗R2
は前記第3抵抗R3に直列に接続され、前記第2抵抗R2は前記第4ダイオードD4およ
び前記第6キャパシタC6に並列に接続され、前記第1ドランジスタQ1のベースは前記
第4抵抗R4の一端に接続され、エミッタは前記第4ダイオードD4のカソードおよび前
記第6キャパシタC6の一端に接続され、コレクタは前記第5抵抗R5に接続され、前記
第2ドランジスタQ2のベースは前記第5抵抗R5の他端に接続され、エミッタは接地さ
れ、コレクタは前記電圧降下検出モジュールの出力端に接続される。
具体的に、一実施例では、第2抵抗R2の一端が電圧降下検出モジュール7の電流入力端
に接続され、第2抵抗R2の他端がそれぞれ第3抵抗R3の一端および第4ダイオードD
4の正極に接続される。第3抵抗R3の他端は接地される。第4ダイオードD4の負極は
それぞれ第6キャパシタC6の一端および第1ドランジスタQ1のエミッタに接続される
。第6キャパシタC6の他端は接地される。
第1ドランジスタQ1のベースは第4抵抗R4の一端に接続され、第4抵抗R4の他端は
電圧降下検出モジュール7の負極端に接続される。第1ドランジスタQ1のコレクタは第
5抵抗R5の一端に接続される。
第5抵抗R5の他端は第2ドランジスタQ2のベースに接続される。第2ドランジスタQ
2のエミッタは接地され、コレクタは前記電圧降下検出モジュール7の電流出力端Out
putに接続される。
【0008】
なお、明細書全体を通じて「一実施例」または「一実施形態」と言及することは、実施例
に関連する特定の特徴、構造または特性が本発明の少なくとも1つの実施例に含まれるこ
とを意味することを理解されたい。したがって、明細書全体を通じて様々な場所に現れた
「一実施例では」または「一実施形態では」は必ずしも同じ実施例を指すとは限らない。
さらに、これらの特定の特徴、構造または特性は、1つまたは複数の実施例において、任
意の適切な方法で組み合わせることができる。本発明の各実施例では、上記各工程の番号
の大きさは実行順序を意味するものではなく、各工程の実行順序は、本発明の実施例の実
施工程の制限を構成することなく、その機能および固有の論理によって決定されるべきで
あることを理解されたい。上記本発明の実施例の番号は説明のためのものであり、実施例
のメリットを表すものではない。
なお、本明細書では、用語「備える」、「含む」または他の変形は、非排他的に包含する
ことを意図し、一連の要素を含む工程、方法、物品または装置はそれらの要素だけでなく
、明確に列挙されていない他の要素、またはそれらの工程、方法、物品または装置に固有
の要素も含むことに留意されたい。さらに限定しない限り、「1つの……を含む」という
表現によって定義される要素は、その要素を含む工程、方法、物品または装置に別の同じ
要素が存在することを排除するものではない。
本発明が提供するいくつかの実施例では、開示される装置および方法は、他の方法で実施
され得ることが理解されるべきである。上記説明した装置の実施例は単なる概略的もので
あり、例えば、前記ユニットの分割は、単に論理的な機能的分割に過ぎず、実際の実装で
は他の方法で分割されてもよく、例えば、複数のユニットまたはアセンブリを組み合わせ
てもよく、または別のシステムに統合してもよく、またはいくつかの特徴を無視してもよ
く、または実行しなくてもよい。さらに、図示または説明した各構成要素は互いに結合さ
れてもよく、または直接に結合されてもよく、または通信接続はいくつかのインタフェー
ス、装置またはユニットの間接結合または通信可能な接続であってもよく、電気的、機械
的または他の接続であってもよい。
上記分離部件として説明されたユニットは物理的に分離されても、されていなくてもよく
、ユニットとして図示された部件は物理ユニットであっても、でなくてもよく、単一の場
所に配置されてもよく、複数のネットワークユニットに分散さてもよく、実際の必要に応
じてそれらの一部または全部のユニットを選択して本実施例の解決策の目的を達成しても
よい。
さらに、本発明の各実施例中の各機能ユニットは、単一の処理ユニットに完全に統合され
てもよく、各ユニットはそれぞれ単独したユニットとしても、2つまたは2つ以上のユニ
ットとして1つのユニットに統合してもよく、上記統合されたユニットはハードウェアと
して実現されてもよく、ハードウェアとソフトウェア機能ユニットを組み合わせて実現し
てもよい。
当業者であれば、上記方法の実施例の全部または一部のステップはプログラム命令に関連
するハードウェアによって達成されてもよく、前記プログラムはコンピュータ可読記憶媒
体に記憶されてもよく、このプログラムが実行されると、上記方法の実施例のステップが
実行され、前記記憶媒体は、ポータブル記憶装置、ROM、磁気ディスクまたは光ディス
クなどのプログラムコードを記憶可能な様々な媒体を含む。
または、本発明の統合されたユニットはソフトウェア機能モジュールとして実現さて独立
した製品として販売または使用される場合、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよ
い。この理解に基づいて、本発明の実施例の技術的解決策は、本質的、または先行技術に
貢献する部分はソフトウェア製品として具現化されてもよく、コンピュータソフトウェア
製品は記憶媒体に記憶され、いくつかの命令を含み、装置に本発明の各実施例に記載の方
法の全部または一部を実行させる。前記記憶媒体は、ポータブル記憶装置、ROM、磁気
ディスクまたは光ディスクなどのプログラムコードを記憶可能な様々な媒体を含む。
上記の開示は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではないの
で、本発明の特許請求の範囲に従った等価変更は、依然として本発明の保護範囲に含まれ
るものとする。
【国際調査報告】