(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】電池管理方法及び電池管理装置、並びにコンピュータ可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G01R 31/392 20190101AFI20241121BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20241121BHJP
G01R 31/389 20190101ALI20241121BHJP
B60L 3/00 20190101ALI20241121BHJP
B60L 58/10 20190101ALI20241121BHJP
【FI】
G01R31/392
H02J7/00 Y
G01R31/389
B60L3/00 S
B60L58/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517086
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-05-22
(86)【国際出願番号】 CN2022135668
(87)【国際公開番号】W WO2023124733
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111681358.1
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BYD Company Limited
【住所又は居所原語表記】No. 3009, BYD Road, Pingshan, Shenzhen, Guangdong 518118, P. R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】▲でん▼林旺
(72)【発明者】
【氏名】李▲暁▼▲倩▼
(72)【発明者】
【氏名】▲馮▼天宇
(72)【発明者】
【氏名】洪▲じん▼▲じん▼
【テーマコード(参考)】
2G216
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
2G216BA26
2G216BB07
2G216BB09
2G216CB18
5G503BA03
5G503CA01
5G503CA11
5G503CB11
5G503EA05
5G503EA08
5G503FA06
5H125AA01
5H125AC12
5H125BC18
5H125CC01
5H125CC07
5H125CD02
5H125CD03
5H125EE21
(57)【要約】
電池の管理方法を提供し、該方法は、各単電池の現在高電圧変曲点電量値を取得するステップと、各単電池の現在履歴積算均等化電量値を取得するステップと、各単電池の現在等価自己放電量値を計算して取得するステップと、各単電池の前時刻の等価自己放電量値を取得するステップと、各単電池の目標等価自己放電量値を計算して取得するステップと、最大目標等価自己放電量値及び最小目標等価自己放電量値を決定するステップと、最大等価自己放電率及び最小等価自己放電率を計算して取得するステップと、最大等価自己放電率と最小等価自己放電率との差が予め設定された閾値より大きい場合、最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池を管理するステップと、を含む。本願は、電池管理装置、車両及びコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の単電池を含む電池管理装置に適用される電池管理方法であって、
現在時刻の各単電池の充電曲線の高電圧変曲点に対応する現在高電圧変曲点電量値を取得するステップ(S101)と、
現在時刻の各単電池の現在履歴積算均等化電量値を取得するステップ(S102)と、
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値及び前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得するステップ(S103)と、
各単電池の前時刻の等価自己放電量値を取得するステップ(S104)と、
各単電池の現在等価自己放電量値から前記単電池の前記前時刻の等価自己放電量値を減算して、前記現在時刻と前記前時刻との間隔時間内の前記単電池の目標等価自己放電量値を取得するステップ(S105)と、
全ての単電池の目標等価自己放電量値のうちの最大目標等価自己放電量値及び最小目標等価自己放電量値を決定するステップ(S106)と、
前記最大目標等価自己放電量値を前記間隔時間で除算して最大等価自己放電率を取得し、前記最小目標等価自己放電量値を前記間隔時間で除算して最小等価自己放電率を取得するステップ(S107)と、
前記最大等価自己放電率と前記最小等価自己放電率との差が予め設定された閾値より大きいと決定した場合、前記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池を管理するステップ(S108)と、を含む、ことを特徴とする電池管理方法。
【請求項2】
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値及び前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得するステップは、
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値から前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値を減算して、前記単電池の前記現在等価自己放電量値を取得するステップを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電池管理方法。
【請求項3】
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値及び前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得するステップは、
全ての単電池の現在高電圧変曲点電量値のうちの最小現在高電圧変曲点電量値を決定するステップ(S1031)と、
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値から前記最小現在高電圧変曲点電量値を減算して、各単電池の前処理された現在高電圧変曲点電量値を取得するステップ(S1032)と、
全ての単電池の現在履歴積算均等化電量値のうちの最小現在履歴積算均等化電量値を決定するステップ(S1033)と、
各単電池の前記現在履歴積算均等化電量値から前記最小現在履歴積算均等化電量値を減算して、各単電池の前処理された現在履歴積算均等化電量値を取得するステップ(S1034)と、
各単電池の前記前処理された現在高電圧変曲点電量値から前記単電池の前処理された現在履歴積算均等化電量値を減算して、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得するステップ(S1035)と、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電池管理方法。
【請求項4】
前記電池管理装置は、車両に適用され、前記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池を管理するステップは、
前記目標単電池の情報を前記車両及び/又は前記車両に通信可能に接続された端末に送信するステップを含む、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の電池管理方法。
【請求項5】
前記目標単電池の情報は、前記目標単電池の番号、位置、前記目標等価自己放電量値及び等価自己放電率を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の電池管理方法。
【請求項6】
前記電池管理装置は、複数の注意喚起モジュールをさらに含み、各注意喚起モジュールは、1つの単電池に対応し、前記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池を管理するステップは、
警報信号を発するように、前記目標単電池に対応する注意喚起モジュールを制御するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の電池管理方法。
【請求項7】
各単電池の前記現在等価自己放電量値で前記単電池の前記前時刻の等価自己放電量値を置き換えて、記憶された前記単電池の等価自己放電量値を更新するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の電池管理方法。
【請求項8】
各単電池の前記現在等価自己放電量値で前記単電池の前記前時刻の等価自己放電量値を置き換えて、記憶された前記単電池の等価自己放電量値を更新するステップは、
全ての電池の現在等価自己放電量値のうちの最小現在等価自己放電量値を決定するステップと、
各単電池の前記現在等価自己放電量値から前記最小現在等価自己放電量値を減算して、各単電池の前処理された現在等価自己放電量値を取得するステップと、
各単電池の前記前処理された現在等価自己放電量値で前記単電池の前記前時刻の等価自己放電量値を置き換えて、記憶された前記単電池の等価自己放電量値を更新するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項7に記載の電池管理方法。
【請求項9】
前記前時刻は、前記車両の出荷時刻であり、各単電池の前記前時刻の等価自己放電量値は、0であり、各単電池の前記前時刻の履歴積算均等化電量値は、0であり、各単電池の前記前時刻の高電圧変曲点電量値は、0である、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の電池管理方法。
【請求項10】
前記現在時刻は、現在充電時に前記充電曲線を取得した時刻であり、前記前時刻は、前回充電時に前記充電曲線を取得した時刻である、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の電池管理方法。
【請求項11】
前記単電池は、動力電池又は電力貯蔵用電池である、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の電池管理方法。
【請求項12】
複数の単電池(50)を含む電池管理装置(100)であって、取得モジュール(10)と、処理モジュール(20)と、をさらに含み、
取得モジュール(10)は、現在時刻の各単電池の充電曲線の高電圧変曲点に対応する現在高電圧変曲点電量値と、現在時刻の各単電池の現在履歴積算均等化電量値と、各単電池の前時刻の等価自己放電量値とを取得し、
処理モジュール(20)は、各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値及び前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得し、各単電池の前記現在等価自己放電量値から前記単電池の前時刻の等価自己放電量値を減算して、前記単電池の前記現在時刻と前記前時刻との間隔時間内の目標等価自己放電量値を取得し、全ての単電池の目標等価自己放電量値のうちの最大目標等価自己放電量値及び最小目標等価自己放電量値を決定し、前記最大目標等価自己放電量値を前記間隔時間で除算して最大等価自己放電率を取得し、前記最小目標等価自己放電量値を前記間隔時間で除算して最小等価自己放電率を取得し、前記最大等価自己放電率と前記最小等価自己放電率との差が予め設定された閾値より大きいと決定した場合、前記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池を管理する、ことを特徴とする電池管理装置(100)。
【請求項13】
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値及び前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得する場合、前記処理モジュール(20)は、具体的には、
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値から前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値を減算して、前記単電池の前記現在等価自己放電量値を取得する、ことを特徴とする請求項12に記載の電池管理装置。
【請求項14】
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値及び前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得する場合、前記処理モジュール(20)は、具体的には、
全ての単電池の現在高電圧変曲点電量値のうちの最小現在高電圧変曲点電量値を決定し、
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値から前記最小現在高電圧変曲点電量値を減算して、各単電池の前処理された現在高電圧変曲点電量値を取得し、
全ての単電池の現在履歴積算均等化電量値のうちの最小現在履歴積算均等化電量値を決定し、
各単電池の前記現在履歴積算均等化電量値から前記最小現在履歴積算均等化電量値を減算して、各単電池の前処理された現在履歴積算均等化電量値を取得し、
各単電池の前記前処理された現在高電圧変曲点電量値から前記単電池の前処理された現在履歴積算均等化電量値を減算して、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得する、ことを特徴とする請求項12に記載の電池管理装置。
【請求項15】
車両に適用され、通信モジュール(30)をさらに含み、通信モジュール(30)は、前記車両と通信し、前記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池を管理する場合、前記処理モジュール(20)は、具体的には、
前記通信モジュール(30)により前記目標単電池の情報を前記車両及び/又は前記車両に通信可能に接続された端末に送信する、ことを特徴とする請求項12~14のいずれか1項に記載の電池管理装置。
【請求項16】
複数の注意喚起モジュール(60)をさらに含み、各注意喚起モジュール(60)は、1つの単電池(50)に対応し、前記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池を管理する場合、前記処理モジュール(20)は、具体的には、
警報信号を発するように、前記目標単電池に対応する注意喚起モジュール(60)を制御する、ことを特徴とする請求項12~15のいずれか1項に記載の電池管理装置。
【請求項17】
記憶モジュール(40)をさらに含み、前記記憶モジュール(40)に各単電池の自己放電量値が記憶され、前記処理モジュール(20)は、さらに、各単電池の前記現在等価自己放電量値で前記単電池の前記前時刻の等価自己放電量値を置き換えて、記憶された前記単電池の自己放電量値を更新する、ことを特徴とする請求項12~16のいずれか1項に記載の電池管理装置。
【請求項18】
各単電池の前記現在等価自己放電量値で前記単電池の前記前時刻の等価自己放電量値を置き換えて、記憶された前記単電池の自己放電量値を更新する場合、前記処理モジュール(20)は、具体的には、
全ての電池の現在等価自己放電量値のうちの最小現在等価自己放電量値を決定し、
各単電池の前記現在等価自己放電量値から前記最小現在等価自己放電量値を減算して、各単電池の前処理された現在等価自己放電量値を取得し
各単電池の前記前処理された現在等価自己放電量値で前記単電池の前記前時刻の等価自己放電量値を置き換えて、記憶された前記単電池の等価自己放電量値を更新する、ことを特徴とする請求項17に記載の電池管理装置。
【請求項19】
プロセッサによって呼び出され、以下のステップを実行するコンピュータプログラムが記憶されている、コンピュータ可読記憶媒体であって、該ステップは、
現在時刻の複数の単電池のうちの各単電池の充電曲線の高電圧変曲点に対応する現在高電圧変曲点電量値を取得するステップと、
現在時刻の各単電池の現在履歴積算均等化電量値を取得するステップと、
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値及び前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得するステップと、
各単電池の前時刻の等価自己放電量値を取得するステップと、
各単電池の現在等価自己放電量値から前記単電池の前記前時刻の等価自己放電量値を減算して、前記現在時刻と前記前時刻との間隔時間内の前記単電池の目標等価自己放電量値を取得するステップと、
全ての単電池の目標等価自己放電量値のうちの最大目標等価自己放電量値及び最小目標等価自己放電量値を決定するステップと、
前記最大目標等価自己放電量値を前記間隔時間で除算して最大等価自己放電率を取得し、前記最小目標等価自己放電量値を前記間隔時間で除算して最小等価自己放電率を取得するステップと、
前記最大等価自己放電率と前記最小等価自己放電率との差が予め設定された閾値より大きいと決定した場合、前記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池を管理するステップと、であることを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値及び前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得する場合、前記コンピュータプログラムは、プロセッサによって呼び出されると、
全ての単電池の現在高電圧変曲点電量値のうちの最小現在高電圧変曲点電量値を決定するステップと、
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値から前記最小現在高電圧変曲点電量値を減算して、各単電池の前処理された現在高電圧変曲点電量値を取得するステップと、
全ての単電池の現在履歴積算均等化電量値のうちの最小現在履歴積算均等化電量値を決定するステップと、
各単電池の前記現在履歴積算均等化電量値から前記最小現在履歴積算均等化電量値を減算して、各単電池の前処理された現在履歴積算均等化電量値を取得するステップと、
各単電池の前記前処理された現在高電圧変曲点電量値から前記単電池の前処理された現在履歴積算均等化電量値を減算して、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得するステップと、を実行する、ことを特徴とする請求項19に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年12月30日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202111681358.1で、出願名称が「電池管理方法及び電池管理装置、車両、並びにコンピュータ可読記憶媒体」である中国特許出願の優先権を主張するものであり、その全ての内容は、参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本願は、電池の技術分野に関し、特に、電池管理方法及び電池管理装置、並びにコンピュータ可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
動力電池は、電気自動車の動力源及び予備電源の分野に広く適用されており、動力電池のエネルギー及び電圧を向上させるために、複数の単電池を直列接続して動力電池パックを形成して使用する必要があるが、単電池の生産中に、生産プロセスにより、各単電池の自己放電率が異なり、自己放電率の差異により、各単電池の充電状態が一致せず、各単電池を、上限電圧まで同期的に満充電にするか又は下限電圧まで放電することができず、動力電池パック全体の容量の発揮に影響を与えるため、各単電池の自己放電量を検出して、自己放電量の偏差が大きい単電池を識別する必要がある。
【0004】
現在、単電池の自己放電の検出は、いずれも出荷前の検出であり、具体的には、出荷前に、単電池の自己放電率を検出し、自己放電率がほぼ一致する単電池を組み合わせて動力電池パックとする。しかしながら、動力電池パックの使用及び劣化に伴って各単電池の自己放電率が変化し、前述した自己放電の検出は、出荷前の試験のみであり、動力電池パックの使用中に動力電池パックの自己放電状況を監視することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記技術的課題を解決するために、本願は、単電池の使用中に単電池の目標等価自己放電量値を計算し、自己放電が異常の単電池を適時に識別して異常単電池を管理することができる、電池管理方法、電池管理装置、車両及びコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の第1態様に係る電池管理方法は、現在時刻の各単電池の充電曲線の高電圧変曲点に対応する現在高電圧変曲点電量値を取得するステップと、現在時刻の各単電池の現在履歴積算均等化電量値を取得するステップと、各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値及び前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得するステップと、各単電池の前時刻の等価自己放電量値を取得するステップと、各単電池の現在等価自己放電量値から前記単電池の前記前時刻の等価自己放電量値を減算して、前記現在時刻と前記前時刻との間隔時間内の前記単電池の目標等価自己放電量値を取得するステップと、全ての単電池の目標等価自己放電量値のうちの最大目標等価自己放電量値及び最小目標等価自己放電量値を決定するステップと、前記最大目標等価自己放電量値を前記間隔時間で除算して最大等価自己放電率を取得し、前記最小目標等価自己放電量値を前記間隔時間で除算して最小等価自己放電率を取得するステップと、前記最大等価自己放電率と前記最小等価自己放電率との差が予め設定された閾値より大きいと決定した場合、前記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池を管理するステップと、を含む。
【0007】
一実施例では、各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値及び前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得するステップは、
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値から前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値を減算して、前記単電池の前記現在等価自己放電量値を取得するステップを含む。
【0008】
一実施例では、各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値及び前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得するステップは、
全ての単電池の現在高電圧変曲点電量値のうちの最小現在高電圧変曲点電量値を決定するステップ(S1031)と、
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値から前記最小現在高電圧変曲点電量値を減算して、各単電池の前処理された現在高電圧変曲点電量値を取得するステップ(S1032)と、
全ての単電池の現在履歴積算均等化電量値のうちの最小現在履歴積算均等化電量値を決定するステップ(S1033)と、
各単電池の前記現在履歴積算均等化電量値から前記最小現在履歴積算均等化電量値を減算して、各単電池の前処理された現在履歴積算均等化電量値を取得するステップ(S1034)と、
各単電池の前記前処理された現在高電圧変曲点電量値から前記単電池の前処理された現在履歴積算均等化電量値を減算して、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得するステップ(S1035)と、を含む。
【0009】
一実施例では、前記電池管理装置は、車両に適用され、前記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池を管理するステップは、
前記目標単電池の情報を前記車両及び/又は前記車両に通信可能に接続された端末に送信するステップを含む。
【0010】
一実施例では、前記目標単電池の情報は、前記目標単電池の番号、位置、前記目標等価自己放電量値及び等価自己放電率を含む。
【0011】
一実施例では、前記電池管理装置は、複数の注意喚起モジュールをさらに含み、各注意喚起モジュールは、1つの単電池に対応し、前記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池を管理するステップは、
警報信号を発するように、前記目標単電池に対応する注意喚起モジュールを制御するステップをさらに含む。
【0012】
一実施例では、前記方法は、各単電池の前記現在等価自己放電量値で前記単電池の前記前時刻の等価自己放電量値を置き換えて、記憶された前記単電池の等価自己放電量値を更新するステップをさらに含む。
【0013】
一実施例では、各単電池の前記現在等価自己放電量値を前記単電池の前記前時刻の等価自己放電量値を置き換えて、記憶された前記単電池の等価自己放電量値を更新するステップは、
全ての電池の現在等価自己放電量値のうちの最小現在等価自己放電量値を決定するステップと、
各単電池の前記現在等価自己放電量値から前記最小現在等価自己放電量値を減算して、各単電池の前処理された現在等価自己放電量値を取得するステップと、
各単電池の前記前処理された現在等価自己放電量値で前記単電池の前記前時刻の等価自己放電量値を置き換えて、記憶された前記単電池の前記自己放電量値を更新するステップと、を含む。
【0014】
一実施例では、前記前時刻は、前記車両の出荷時刻であり、各単電池の前記前時刻の等価自己放電量値は、0であり、各単電池の前記前時刻の履歴積算均等化電量値は、0であり、各単電池の前記前時刻の高電圧変曲点電量値は、0である。
【0015】
一実施例では、前記現在時刻は、現在充電時に前記充電曲線を取得した時刻であり、前記前時刻は、前回充電時に前記充電曲線を取得した時刻である。
【0016】
一実施例では、前記単電池は、動力電池又は電力貯蔵用電池である。
【0017】
また、本願の第2態様に係る電池管理装置は、複数の単電池と、取得モジュールと、処理モジュールと、を含む。前記取得モジュールは、現在時刻の各単電池の充電曲線の高電圧変曲点に対応する現在高電圧変曲点電量値と、現在時刻の各単電池の現在履歴積算均等化電量値と、各単電池の前時刻の等価自己放電量値とを取得する。前記処理モジュールは、各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値及び前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得し、各単電池の前記現在等価自己放電量値から前記単電池の前時刻の等価自己放電量値を減算して、前記単電池の前記現在時刻と前記前時刻との間隔時間内の目標等価自己放電量値を取得し、全ての単電池の目標等価自己放電量値のうちの最大目標等価自己放電量値及び最小目標等価自己放電量値を決定し、前記最大目標等価自己放電量値を前記間隔時間で除算して最大等価自己放電率を取得し、前記最小目標等価自己放電量値を前記間隔時間で除算して最小等価自己放電率を取得し、前記最大等価自己放電率と前記最小等価自己放電率との差が予め設定された閾値より大きいと決定した場合、前記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池を管理する。
【0018】
一実施例では、各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値及び前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得するステップは、
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値から前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値を減算して、前記単電池の前記現在等価自己放電量値を取得するステップを含む。
【0019】
一実施例では、各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値及び前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得するステップは、
全ての単電池の現在高電圧変曲点電量値のうちの最小現在高電圧変曲点電量値を決定するステップと、
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値から前記最小現在高電圧変曲点電量値を減算して、各単電池の前処理された現在高電圧変曲点電量値を取得するステップと、
全ての単電池の現在履歴積算均等化電量値のうちの最小現在履歴積算均等化電量値を決定するステップと、
各単電池の前記現在履歴積算均等化電量値から前記最小現在履歴積算均等化電量値を減算して、各単電池の前処理された現在履歴積算均等化電量値を取得するステップと、
各単電池の前記前処理された現在高電圧変曲点電量値から前記単電池の前処理された現在履歴積算均等化電量値を減算して、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得するステップと、を含む。
【0020】
一実施例では、前記電池管理装置は、車両に適用され、通信モジュールをさらに含み、通信モジュールは、前記車両に通信し、前記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池を管理するステップは、
前記通信モジュールにより前記目標単電池の情報を前記車両及び/又は前記車両に通信可能に接続された端末に送信するステップを含む。
【0021】
一実施例では、前記電池管理装置は、複数の注意喚起モジュールをさらに含み、各注意喚起モジュールは、1つの単電池に対応し、前記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池を管理するステップは、
警報信号を発するように、前記目標単電池に対応する注意喚起モジュールを制御するステップを含む。
【0022】
一実施例では、前記電池管理装置は、記憶モジュールをさらに含み、前記記憶モジュールに各単電池の自己放電量値が記憶され、前記処理モジュールは、さらに、各単電池の前記現在等価自己放電量値で前記単電池の前記前時刻の等価自己放電量値を置き換えて、記憶された前記単電池の自己放電量値を更新する。
【0023】
一実施例では、各単電池の前記現在等価自己放電量値で前記単電池の前記前時刻の等価自己放電量値を置き換えて、記憶された前記単電池の自己放電量値を更新するステップは、
全ての電池の現在等価自己放電量値のうちの最小現在等価自己放電量値を決定するステップと、
各単電池の前記現在等価自己放電量値から前記最小現在等価自己放電量値を減算して、各単電池の前処理された現在等価自己放電量値を取得するステップと、
各単電池の前記前処理された現在等価自己放電量値で前記単電池の前記前時刻の等価自己放電量値を置き換えて、記憶された前記単電池の前記自己放電量値を更新するステップと、を含む。
【0024】
また、本願の第3態様に係る車両は、上述の電池管理装置を含む。
【0025】
また、本願の第4態様に係るコンピュータ可読記憶媒体には、プロセッサによって呼び出されると、前述の電池管理方法を実現するように実行するコンピュータプログラムが記憶されている。
【発明の効果】
【0026】
本願に係る電池管理方法、電池管理装置、車両及びコンピュータ可読記憶媒体では、各単電池の充電曲線の前記現在高電圧変曲点電量値及び前記現在履歴積算均等化電量値を取得して、各単電池の前記現在等価自己放電量値を取得し、前記現在等価自己放電量値から前記前時刻の等価自己放電量値を減算して、各単電池の前記目標等価自己放電量値を取得することにより、前記電池管理装置の使用中に全ての単電池の自己放電状況を監視し、全ての単電池の目標等価自己放電量値の計算により最大等価自己放電率及び最小等価自己放電率を取得し、最大等価自己放電率と最小等価自己放電率との差が予め設定された閾値より大きい場合、等価自己放電率が最大の目標単電池を管理することで、ユーザは、自己放電が異常の単電池を適時に発見して該単電池をメンテナンスするか又は交換することに有利であることを実現する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本願の技術手段をより明確に説明するために、以下、実施形態に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明される図面は、本願のいくつかの実施形態に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0028】
【
図1】本願の実施例に係る電池管理方法のフローチャートである。
【
図2】本願の実施例に係る充電曲線の概略図である。
【
図3】本願の実施例に係る電圧差分曲線の概略図である。
【
図4】
図1のステップS103のサブフローチャートである。
【
図5】本願の実施例に係る電池管理装置の構造ブロック図である。
【
図6】本願の実施例に係る車両の構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術手段を明確かつ完全に説明し、明らかに、説明される実施例は、本願の実施例の一部であり、全ての実施例ではない。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で得られる他の全ての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0030】
本願の説明では、別に明確な規定及び限定がない限り、用語「接続」は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であっても、着脱接続であっても、一体的な接続であってもよく、直接的な連結であっても、中間媒体を介した間接的な連結であってもよく、2つの部品の内部の連通であってもよく、通信可能な接続であってもよく、電気的な接続であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0031】
図1は、本願の実施例に係る電池管理方法のフローチャートである。上記電池管理方法は、複数の単電池を含む電池管理装置に適用される。
図1に示すように、上記電池管理方法は、
現在時刻の各単電池の充電曲線の高電圧変曲点に対応する現在高電圧変曲点電量値を取得するステップS101と、
現在時刻の各単電池の現在履歴積算均等化電量値を取得するステップS102と、
各単電池の上記現在高電圧変曲点電量値及び上記単電池の上記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、上記単電池の現在等価自己放電量値を取得するステップS103と、
各単電池の前時刻の等価自己放電量値を取得するステップS104と、
各単電池の現在等価自己放電量値から上記単電池の上記前時刻の等価自己放電量値を減算して、上記現在時刻と上記前時刻との間隔時間内の上記単電池の目標等価自己放電量値を取得するステップS105と、
全ての単電池の目標等価自己放電量値のうちの最大目標等価自己放電量値及び最小目標等価自己放電量値を決定するステップS106と、
上記最大目標等価自己放電量値を上記間隔時間で除算して最大等価自己放電率を取得し、上記最小目標等価自己放電量値を上記間隔時間で除算して最小等価自己放電率を取得するステップS107と、
上記最大等価自己放電率と上記最小等価自己放電率との差が予め設定された閾値より大きいと決定した場合、上記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池を管理するステップS108と、を含む。
【0032】
図2は、本願の実施例に係る充電曲線の概略図であり、
図3は、本願の実施例に係る電圧差分曲線の概略図である。
図2及び
図3に示すように、上記電池管理装置の全ての単電池は、直列接続され、全ての単電池を充電する場合、上記車両は、各単電池のパラメータをリアルタイムに収集して記録し、上記パラメータは、電圧、電流、温度、SOC(充電状態)などを含み、上記パラメータに対してデータ処理、例えば、フィルタリング、微分、積分、フィッティング、ウェーブレット解析、ニューラルネットワーク演算などのデータ処理を行うことにより、各単電池の上記充電曲線を取得することができ、
図2に示すように、上記充電曲線は、電圧-電量曲線、即ち、電圧と電量との関係曲線であり、上記電圧-電量曲線には、電圧変化が遅い区間が3つあり、上記電圧変化が遅い区間は、電圧プラットフォーム領域であり、隣接する2つの電圧プラットフォーム領域の間には、電圧変化が速い領域があり、上記電圧変化が速い領域内の電圧変化が最も速い点は、電圧変曲点であり、上記電圧-電量曲線には、2つの電圧変曲点があり、上記2つの電圧変曲点は、それぞれ、高電圧変曲点(
図2中のB)と低電圧変曲点(
図2中のA)であり、上記高電圧変曲点と上記低電圧変曲点は、それぞれ、電圧差分曲線(
図3に示す)上の2つの極大点(極大点C及び極大点D)に対応し、上記高電圧変曲点Bは、極大点Cに対応し、上記低電圧変曲点Aは、極大点Dに対応する。
【0033】
上記現在履歴積算均等化電量値は、現在時刻で取得された均等化電量値と上記現在時刻の前に毎回取得された均等化電量値との累積値である。
【0034】
いくつかの実施例では、各単電池の上記前時刻の等価自己放電量値は、各単電池の前時刻の高電圧変曲点電量値から上記単電池の前時刻の履歴積算均等化電量値を減算したものである。前時刻の履歴積算均等化電量値は、前時刻で取得された均等化電量値と前時刻の前に毎回取得された均等化電量値との累積値である。
【0035】
上記単電池の使用中に、現在の製造プロセスにより、上記単電池が自己放電し、各単電池の自己放電過程が異なるため、上記複数の単電池の自己放電率が一致しない。単電池の自己放電過程により、高電圧変曲点電量値がずれ、上記複数の単電池の自己放電率が一致しないため、上記複数の単電池の高電圧変曲点電量値のずれ程度が一致せず、取得された全ての単電池の高電圧変曲点電量値が異なる。単電池の自己放電率の不一致による単電池の残存電量の不一致を補償するために、上記電池管理装置は、上記複数の単電池を均等化することができ、具体的には、全ての単電池の残存電量を比較し、残存電量が高い単電池を放電することにより、単電池が対応する均等化電量を生成し、単電池の自己放電量が少ないほど、生成する均等化電量が多くなる。したがって、単電池の高電圧変曲点電量値と履歴積算均等化電量値を使用して計算することにより、該単電池の等価自己放電量値を取得することができ、上記等価自己放電量値は、相対自己放電量値であり、絶対自己放電量値を計算できないため、本願では、等価自己放電量値は、各単電池の相対自己放電量値である。
【0036】
いくつかの実施例では、上記前時刻は、上記車両の出荷時刻であり、各単電池の上記前時刻の等価自己放電量値は、0であり、各単電池の上記前時刻の履歴積算均等化電量値は、0であり、各単電池の上記前時刻の高電圧変曲点電量値は、0である。
【0037】
いくつかの実施例では、上記現在時刻は、現在充電時に上記充電曲線を取得した時刻であり、上記前時刻は、前回充電時に上記充電曲線を取得した時刻である。
【0038】
いくつかの実施例では、上記現在時刻と上記前時刻との間の間隔時間は、予め設定された間隔時間であり、即ち、上記現在時刻は、上記前時刻に上記予め設定された間隔時間を加算した時刻である。上記予め設定された間隔時間は、実際のニーズに応じて設定されてもよく、例えば、3ヶ月であってもよい。
【0039】
上記複数の単電池の数は、実際のニーズに応じて設定されてもよく、ここでは限定しない。
【0040】
いくつかの実施例では、上記単電池は、動力電池であってもよく、上記電池管理装置は、車両、例えば、バッテリー式電気車両又はハイブリッド車両に適用されてもよい。他のいくつかの実施例では、上記単電池は、電力貯蔵用電池であってもよく、上記電池管理装置は、エネルギー貯蔵発電所、ピーク調整及び周波数変調電力補助サービスなどに適用されてもよい。
【0041】
ステップS106では、全ての単電池の目標等価自己放電量値のうちの最大目標等価自己放電量値及び最小目標等価自己放電量値を決定する場合、取得された全ての単電池の目標等価自己放電量値を比較することにより、上記最大目標等価自己放電量値及び上記最小目標等価自己放電量値を決定する。
【0042】
ステップS108では、上記予め設定された閾値を実際のニーズに応じて設定してもよく、ここでは限定しない。
【0043】
以下、上記電池管理装置が8つの単電池を含むことを例として、ステップS106~S108をさらに具体的に説明する。
【0044】
上記電池管理装置の全ての単電池の上記目標等価自己放電量値の集合は、{2,3,2,3,1,6,3,3}であり、全ての単電池の上記目標等価自己放電量値を比較することにより、上記最小目標等価自己放電量値が1であり、上記最大目標等価自己放電量値が6であると決定し、上記間隔時間の値が2に予め設定され、上記最大目標等価自己放電量値を上記間隔時間で除算して最大等価自己放電率(3)を取得し、上記最小目標等価自己放電量値を上記間隔時間で除算して最小等価自己放電率(0.5)を取得し、上記最大等価自己放電率と上記最小等価自己放電率との差(2.5)が予め設定された閾値(予め設定された2)より大きいと決定した場合、上記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池を管理し、即ち、目標等価自己放電量値が6の単電池を管理する。
【0045】
本願の実施例に係る電池管理方法では、各単電池の充電曲線の上記現在高電圧変曲点電量値及び上記現在履歴積算均等化電量値を取得して、各単電池の上記現在等価自己放電量値を取得し、上記現在等価自己放電量値から上記前時刻の等価自己放電量値を減算して、各単電池の上記目標等価自己放電量値を取得することにより、上記電池管理装置の使用中に全ての単電池の自己放電状況を監視し、全ての単電池の目標等価自己放電量値の計算により最大等価自己放電率及び最小等価自己放電率を取得し、最大等価自己放電率と最小等価自己放電率との差が予め設定された閾値より大きい場合、等価自己放電率が最大の目標単電池を管理することで、ユーザは、自己放電が異常の単電池を適時に発見して該単電池をメンテナンスするか又は交換することに有利であることを実現する。
【0046】
図4は、
図1中のステップS103のサブフローチャートである。いくつかの実施例では、
図4に示すように、各単電池の上記現在高電圧変曲点電量値及び上記単電池の上記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、上記単電池の現在等価自己放電量値を取得するステップは、
全ての単電池の現在高電圧変曲点電量値のうちの最小現在高電圧変曲点電量値を決定するステップS1031と、
各単電池の上記現在高電圧変曲点電量値から上記最小現在高電圧変曲点電量値を減算して、各単電池の前処理された現在高電圧変曲点電量値を取得するステップS1032と、
全ての単電池の現在履歴積算均等化電量値のうちの最小現在履歴積算均等化電量値を決定するステップS1033と、
各単電池の上記現在履歴積算均等化電量値から上記最小現在履歴積算均等化電量値を減算して、各単電池の前処理された現在履歴積算均等化電量値を取得するステップS1034と、
各単電池の上記前処理された現在高電圧変曲点電量値から上記単電池の前処理された現在履歴積算均等化電量値を減算して、上記単電池の現在等価自己放電量値を取得するステップS1035と、を含む。
【0047】
全ての単電池の現在高電圧変曲点電量値のうちの最小現在高電圧変曲点電量値を決定する場合、取得された全ての単電池の上記現在高電圧変曲点電量値を比較することにより、上記最小現在高電圧変曲点電量値を決定する。
【0048】
全ての単電池の現在履歴積算均等化電量値のうちの最小現在履歴積算均等化電量値を決定する場合、取得された全ての単電池の現在履歴積算均等化電量値を比較することにより、上記最小現在履歴積算均等化電量値を決定する。
【0049】
以下、上記電池管理装置が8つの単電池を含むことを例として、ステップS1031~S1035をさらに具体的に説明する。
【0050】
上記電池管理装置の全ての単電池の上記現在高電圧変曲点電量値の集合は、{4,6,8,5,1,7,5,3}であり、全ての単電池の上記現在高電圧変曲点電量値を比較することにより、上記最小現在高電圧変曲点電量値が1であると決定することができ、各単電池の上記現在高電圧変曲点電量値から上記最小現在高電圧変曲点電量値を減算して、各単電池の前処理された現在高電圧変曲点電量値を取得し、さらに全ての単電池の前処理された現在高電圧変曲点電量値の集合{3,5,7,4,0,6,4,2}を取得することができ、上記電池管理装置の全ての単電池の上記現在履歴積算均等化電量値の集合は、{2,4,5,6,3,4,5,3}であり、全ての単電池の上記現在履歴積算均等化電量値を比較することにより、上記最小現在履歴積算均等化電量値が2であると決定することができ、各単電池の上記現在履歴積算均等化電量値から上記最小現在履歴積算均等化電量値を減算して、各単電池の前処理された現在履歴積算均等化電量値を取得し、さらに全ての単電池の前処理された現在履歴積算均等化電量値の集合{0,2,3,4,1,2,3,1}を取得することができ、各単電池の上記前処理された現在高電圧変曲点電量値から上記単電池の前処理された現在履歴積算均等化電量値を減算して、上記単電池の現在等価自己放電量値を取得し、さらに全ての単電池の上記現在等価自己放電量値の集合{3,2,4,0,-1,4,1,1}を取得することができる。
【0051】
これにより、いくつかの実施例では、全ての単電池の上記現在高電圧変曲点電量値を正規化し、全ての単電池の上記現在履歴積算均等化電量値を正規化するという前処理により、即ち、各単電池の上記現在高電圧変曲点電量値から上記最小現在高電圧変曲点電量値を減算して、各単電池の前処理された現在高電圧変曲点電量値を取得し、各単電池の上記現在履歴積算均等化電量値から上記最小現在履歴積算均等化電量値を減算して、各単電池の前処理された現在履歴積算均等化電量値を取得し、上記前処理された現在高電圧変曲点電量値から上記前処理された現在履歴積算均等化電量値を減算して、上記現在等価自己放電量値を取得することにより、上記現在等価自己放電量値の記憶に必要な空間を低減し、メモリに対する要求を低減し、コストを低減することができる。
【0052】
他のいくつかの実施例では、各単電池の上記現在高電圧変曲点電量値及び上記単電池の上記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、上記単電池の現在等価自己放電量値を取得するステップは、各単電池の上記現在高電圧変曲点電量値から上記単電池の上記現在履歴積算均等化電量値を減算して、上記単電池の上記現在等価自己放電量値を取得するステップを含む。即ち、他の実施例では、上記現在高電圧変曲点電量値及び上記現在履歴積算均等化電量値に対して前処理を行う必要がなく、直接的に上記現在高電圧変曲点電量値から上記現在履歴積算均等化電量値を減算して、上記現在等価自己放電量値を取得することにより、演算回数を減少させ、電池の電量を節約することができる。
【0053】
いくつかの実施例では、上記電池管理装置は、車両に適用され、上記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池を管理するステップは、上記目標単電池の情報を上記車両及び/又は上記車両に通信可能に接続された端末に送信するステップを含む。
【0054】
上記目標単電池の情報は、上記目標単電池の番号、位置、上記目標等価自己放電量値及び等価自己放電率を含んでもよく、上記車両及び/又は上記車両に通信可能に接続された端末に送信されてもよく、例えば、上記端末は、ユーザの携帯電話である。上記車両は、該情報を受信した場合、該情報を表示して警報信号を発するように車両のディスプレイを制御し、及び/又は、上記端末は、該情報を受信した場合、該情報を表示して警報信号を発し、上記目標単電池をできるだけ速くメンテナンスするか又は交換するようにユーザに注意喚起する。
【0055】
本願の実施例に係る電池管理方法では、上記最大等価自己放電率と最小等価自己放電率との差が予め設定された閾値より大きいと決定した場合、上記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池の情報を上記車両及び/又は上記車両に通信可能に接続された端末に送信することにより、自己放電が異常の単電池の情報をユーザに通知し、ユーザが異常単電池に対応措置を適時にとることができるようにユーザに注意喚起することができる。
【0056】
いくつかの実施例では、上記電池管理装置は、複数の注意喚起モジュールをさらに含み、各注意喚起モジュールは、1つの単電池に対応し、上記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池を管理するステップは、警報信号を発するように、上記目標単電池に対応する注意喚起モジュールを制御するステップをさらに含む。警報信号を発するように、上記目標単電池に対応する注意喚起モジュールを制御することにより、ユーザは、自己放電が異常の単電池を適時に発見して該単電池をメンテナンスするか又は交換することができる。
【0057】
上記注意喚起モジュールは、ブザーアセンブリ、音声アセンブリ、警告灯などであってもよい。
【0058】
いくつかの実施例では、上記電池管理方法は、各単電池の上記現在等価自己放電量値で上記単電池の上記前時刻の等価自己放電量値に置き換えて、記憶された上記単電池の自己放電量値を更新するステップをさらに含む。各単電池の上記自己放電量値は、
図5に示す電池管理装置100の記憶モジュール40に記憶される。上記現在等価自己放電量値で上記前時刻の等価自己放電量値を置き換えて、次の時刻の目標等価自己放電量値の計算に用いる。次回に目標等価自己放電量値の計算を行う場合、上記現在等価自己放電量値は、前述の前時刻の等価自己放電量値になる。
【0059】
いくつかの実施例では、各単電池の上記現在等価自己放電量値で上記単電池の上記前時刻の等価自己放電量値を置き換えて、記憶された上記単電池の自己放電量値を更新するステップは、全ての電池の現在等価自己放電量値のうちの最小現在等価自己放電量値を決定するステップと、各単電池の上記現在等価自己放電量値から上記最小現在等価自己放電量値を減算して、各単電池の前処理された現在等価自己放電量値を取得するステップと、各単電池の上記前処理された現在等価自己放電量値で上記単電池の上記前時刻の等価自己放電量値を置き換えて、記憶された上記単電池の上記自己放電量値を更新するステップと、を含む。次回に目標等価自己放電量値の計算を行う場合、上記前処理された現在等価自己放電量値は、前述の前時刻の等価自己放電量値になる。
【0060】
以下、上記電池管理装置が8つの単電池を含むことを例として、上記ステップをさらに具体的に説明する。
【0061】
上記電池管理装置の全ての単電池の上記現在等価自己放電量値の集合は、{5,7,4,3,2,7,8,4}であり、全ての単電池の上記現在等価自己放電量値を比較することにより、上記最小現在等価自己放電量値が2であると決定し、各単電池の上記現在等価自己放電量値から上記最小現在等価自己放電量値を減算して、各単電池の前処理された現在等価自己放電量値を取得し、さらに全ての単電池の上記前処理された現在等価自己放電量値の集合{3,5,2,1,0,5,6,2}を取得し、全ての単電池の上記前処理された現在等価自己放電量値の集合で全ての単電池の上記前時刻の等価自己放電量値の集合を置き換える。
【0062】
本願の実施例に係る電池管理方法では、全ての単電池の上記現在等価自己放電量値を正規化するという前処理により、即ち、各単電池の上記現在等価自己放電量値から上記単電池の上記最小現在等価自己放電量値を減算して、全ての単電池の上記前処理された現在等価自己放電量値を取得し、全ての単電池の上記前処理された現在等価自己放電量値を記憶することにより、上記前処理された現在等価自己放電量値の記憶に必要な空間を低減し、メモリに対する要求を低減し、コストを節約することができる。
【0063】
図5は、本願の実施例に係る電池管理装置100の構造ブロック図である。
図5に示すように、上記電池管理装置100は、複数の単電池50と、取得モジュール10と、処理モジュール20と、を含む。上記取得モジュール10は、現在時刻の各単電池50の充電曲線の高電圧変曲点に対応する現在高電圧変曲点電量値と、現在時刻の各単電池50の現在履歴積算均等化電量値と、各単電池50の前時刻の等価自己放電量値とを取得する。上記処理モジュール20は、各単電池50の上記現在高電圧変曲点電量値及び上記単電池50の上記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、上記単電池50の現在等価自己放電量値を取得し、各単電池50の上記現在等価自己放電量値から上記単電池50の前時刻の等価自己放電量値を減算して、上記単電池50の上記現在時刻と上記前時刻との間隔時間内の目標等価自己放電量値を取得し、全ての単電池50の目標等価自己放電量値のうちの最大目標等価自己放電量値及び最小目標等価自己放電量値を決定し、上記最大目標等価自己放電量値を上記間隔時間で除算して最大等価自己放電率を取得し、上記最小目標等価自己放電量値を上記間隔時間で除算して最小等価自己放電率を取得し、上記最大等価自己放電率と上記最小等価自己放電率との差が予め設定された閾値より大きいと決定した場合、上記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池50を管理する。
【0064】
いくつかの実施例では、上記取得モジュール10及び上記処理モジュール20は、プロセッサ、ワンチップマイクロコンピュータ、コントローラなどの処理チップであってもよく、単独の処理チップ又は統合処理チップであってもよい。
【0065】
本願の実施例に係る上記電池管理装置100は、各単電池50の充電曲線の上記現在高電圧変曲点電量値及び上記現在履歴積算均等化電量値を取得して、各単電池50の上記現在等価自己放電量値を取得し、上記現在等価自己放電量値から上記前時刻の等価自己放電量値を減算して、各単電池50の上記目標等価自己放電量値を取得することにより、上記電池管理装置100の使用中に全ての単電池50の自己放電状況を監視し、全ての単電池50の目標等価自己放電量値の計算により最大等価自己放電率及び最小等価自己放電率を取得し、最大等価自己放電率と最小等価自己放電率との差が予め設定された閾値より大きい場合、等価自己放電率が最大の目標単電池50を管理することで、ユーザは、自己放電が異常の単電池を適時に発見して該単電池をメンテナンスするか又は交換することに有利であることを実現する。
【0066】
いくつかの実施例では、各単電池50の上記現在高電圧変曲点電量値及び上記単電池50の上記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、上記単電池50の現在等価自己放電量値を取得するステップは、上記処理モジュール20により、全ての単電池50の現在高電圧変曲点電量値のうちの最小現在高電圧変曲点電量値を決定するステップと、各単電池50の上記現在高電圧変曲点電量値から上記最小現在高電圧変曲点電量値を減算して、各単電池50の前処理された現在高電圧変曲点電量値を取得するステップと、全ての単電池50の現在履歴積算均等化電量値のうちの最小現在履歴積算均等化電量値を決定するステップと、各単電池50の上記現在履歴積算均等化電量値から上記最小現在履歴積算均等化電量値を減算して、各単電池50の前処理された現在履歴積算均等化電量値を取得するステップと、各単電池50の上記前処理された現在高電圧変曲点電量値から上記単電池50の前処理された現在履歴積算均等化電量値を減算して、上記単電池50の現在等価自己放電量値を取得するステップと、を含む。
【0067】
本願の実施例に係る上記電池管理装置100は、全ての単電池50の上記現在高電圧変曲点電量値を正規化し、全ての単電池50の上記現在履歴積算均等化電量値を正規化するという前処理により、即ち、各単電池50の上記現在高電圧変曲点電量値から上記最小現在高電圧変曲点電量値を減算して、各単電池50の前処理された現在高電圧変曲点電量値を取得し、各単電池50の上記現在履歴積算均等化電量値から上記最小現在履歴積算均等化電量値を減算して、各単電池50の前処理された現在履歴積算均等化電量値を取得し、上記前処理された現在高電圧変曲点電量値から上記前処理された現在履歴積算均等化電量値を減算して、上記現在等価自己放電量値を取得することにより、上記現在等価自己放電量値の記憶に必要な空間を低減し、メモリに対する要求を低減し、コストを節約することができる。
【0068】
他のいくつかの実施例では、各単電池50の上記現在高電圧変曲点電量値及び上記単電池50の上記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、上記単電池50の現在等価自己放電量値を取得するステップは、上記処理モジュール20により、各単電池50の上記現在高電圧変曲点電量値から上記単電池50の上記現在履歴積算均等化電量値を減算して、上記単電池50の上記現在等価自己放電量値を取得するステップを含む。即ち、他の実施例では、上記現在高電圧変曲点電量値及び上記現在履歴積算均等化電量値に対して前処理を行う必要がなく、直接的に上記現在高電圧変曲点電量値から上記現在履歴積算均等化電量値を減算して、上記現在等価自己放電量値を取得することにより、演算回数を減少させ、電池の電量を節約することができる。
【0069】
いくつかの実施例では、上記電池管理装置100は、車両に適用され、
図5に示すように、通信モジュール30をさらに含み、該通信モジュールは、上記車両に通信し、上記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池50を管理するステップは、上記通信モジュール30により上記目標単電池50の情報を上記車両及び/又は上記車両に通信可能に接続された端末に送信するステップを含む。
【0070】
上記電池管理装置100は、上記通信モジュール30により上記目標単電池50の番号、位置、目標等価自己放電量値及び等価自己放電率を上記車両及び/又は上記車両に通信可能に接続された端末に送信することにより、ユーザが自己放電が異常の単電池を適時に発見して該単電池をメンテナンスするか又は交換することができる。
【0071】
いくつかの実施例では、上記電池管理装置100は、複数の注意喚起モジュール60をさらに含み、各注意喚起モジュール60は、1つの単電池50に対応し、上記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池50を管理するステップは、警報信号を発するように、上記目標単電池50に対応する注意喚起モジュール60を制御するステップを含む。
【0072】
いくつかの実施例では、上記注意喚起モジュール60は、ブザーアセンブリ、音声アセンブリ、警告灯などであってもよい。
【0073】
上記最大等価自己放電率と上記最小等価自己放電率との差が予め設定された閾値より大きい場合、上記処理モジュール20は、上記最大等価自己放電率に対応する目標単電池50を決定し、警報信号を発するように、上記目標単電池50に対応する注意喚起モジュール60を制御する。例示的には、上記複数の単電池は、予め番号付けされ、上記複数の注意喚起モジュール60は、上記複数の単電池の番号に対応する番号を有し、上記処理モジュール20は、上記最大等価自己放電率と上記最小等価自己放電率との差が予め設定された閾値より大きい場合、上記目標単電池50の番号を決定し、警報信号を発し、例えば、ブザーを発し、音声を放送し、警告灯を点滅させるように、番号が上記目標単電池50の番号と同じである注意喚起モジュール60を制御して、単電池に自己放電異常が発生したことをユーザに注意喚起し、自己放電が異常の単電池の番号をユーザに通知することにより、ユーザは、自己放電が異常の単電池の位置を知り、該単電池を適時にメンテナンスするか又は交換することができる。
【0074】
いくつかの実施例では、
図5に示すように、上記電池管理装置100は、記憶モジュール40をさらに含み、上記記憶モジュール40に各単電池50の自己放電量値が記憶され、上記処理モジュール20は、さらに、各単電池50の上記現在等価自己放電量値で上記単電池50の上記前時刻の等価自己放電量値を置き換えて、上記記憶モジュール40に記憶された上記単電池50の自己放電量値を更新して、次の時刻の目標等価自己放電量値の計算に用いる。次回に目標等価自己放電量値の計算を行う場合、上記現在等価自己放電量値は、前述の前時刻の等価自己放電量値になる。
【0075】
いくつかの実施例では、各単電池50の上記現在等価自己放電量値で上記単電池50の上記前時刻の等価自己放電量値を置き換えて、上記記憶モジュール40に記憶された上記単電池50の自己放電量値を更新するステップは、全ての電池の現在等価自己放電量値のうちの最小現在等価自己放電量値を決定するステップと、各単電池50の上記現在等価自己放電量値から上記最小現在等価自己放電量値を減算して、各単電池50の前処理された現在等価自己放電量値を取得するステップと、各単電池50の上記前処理された現在等価自己放電量値で上記単電池50の上記前時刻の等価自己放電量値を置き換えて、記憶された上記単電池50の上記自己放電量値を更新するステップと、を含む。次回に目標等価自己放電量値の計算を行う場合、上記前処理された現在等価自己放電量値は、前述の前時刻の等価自己放電量値になる。
【0076】
いくつかの実施例では、上記記憶モジュール40には、上記取得モジュール10が現在時刻の各単電池50の上記現在高電圧変曲点電量値を取得するように、現在時刻の各単電池50の充電曲線及び上記現在高電圧変曲点電量値がさらに記憶される。
【0077】
いくつかの実施例では、上記記憶モジュール40には、上記取得モジュール10が現在時刻の各単電池50の上記現在高電圧変曲点電量値を取得するように、現在時刻の各単電池50の現在履歴積算均等化電量値がさらに記憶される。
【0078】
上記記憶モジュール40は、不揮発性メモリ、例えば、FRAM(登録商標)(Ferroelectric Random Access Memory、強誘電体メモリ)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory、電気的消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ)であってもよい。
【0079】
本願の実施例に係る上記電池管理装置100は、全ての単電池50の上記現在等価自己放電量値を正規化するという前処理により、即ち、各単電池50の上記現在等価自己放電量値から上記単電池50の上記最小現在等価自己放電量値を減算して、全ての単電池50の上記前処理された現在等価自己放電量値を取得し、全ての単電池50の上記前処理された現在等価自己放電量値を記憶することにより、上記前処理された現在等価自己放電量値の記憶に必要な空間を低減し、メモリに対する要求を低減し、コストを節約することができる。
【0080】
上記電池管理装置100は、上記電池管理方法に対応し、より詳細な説明について、上記電池管理方法の各実施例の内容を参照することができ、上記電池管理装置100と前述の電池管理方法の内容も互いに参照することができる。
【0081】
図6は、本願の実施例に係る車両200の構造ブロック図である。
図6に示すように、上記車両200は、前述のいずれかの実施例に係る電池管理装置100を含む。
【0082】
上記車両200は、バッテリー式電気車両又はハイブリッド車両などであってもよく、例えば、バッテリー式電気自動車、バッテリー式電気トラック、ハイブリッドトラックである。
【0083】
また、本願の実施例に係るコンピュータ可読記憶媒体には、プロセッサによって呼び出されると、前述のいずれかの実施例に係る上記電池管理方法を実現するように実行するコンピュータプログラムが記憶されている。
【0084】
当業者であれば、上記実施例の様々な方法におけるステップの全部又は一部は、プログラムによって関連するハードウェアを命令することにより完了されてもよく、該プログラムは、コンピュータ可読メモリに記憶されてもよく、メモリは、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気ディスク又は光ディスクなどを含んでもよいことを理解するであろう。
【0085】
なお、前述の各方法の実施例について、説明を簡便にするために、一連の動作の組み合わせとして表現したが、当業者であれば、本願が説明された動作順序に限定されるものではなく、本願に基づいて、一部のステップが他の順序で又は同時に行われてもよいことを知るべきである。そして、当業者であれば、明細書に説明された実施例がいずれも好ましい実施例であり、関連する動作及びモジュールが必ずしも本願に必須のものではないことを知るべきである。
【0086】
上記実施例では、各実施例の説明についてはそれぞれ重点が置かれ、ある実施例で詳しく説明していない部分については、他の実施例の関連部分の記述を参照されたい。
【0087】
以上は、本願の実施例の実施形態であり、当業者であれば、本願の実施例の原理を逸脱しない前提で、いくつかの改良及び修正を行うことができ、これらの改良及び修正も本願の保護範囲にあるとみなされることに留意されたい。
【符号の説明】
【0088】
100 電池管理装置
10 取得モジュール
20 処理モジュール
30 通信モジュール
40 記憶モジュール
200 車両
50 単電池
60 注意喚起モジュール
【手続補正書】
【提出日】2024-05-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の単電池を含む電池管理装置に適用される電池管理方法であって、
現在時刻の各単電池の充電曲線の高電圧変曲点に対応する現在高電圧変曲点電量値を取得するステップ(S101)と、
現在時刻の各単電池の現在履歴積算均等化電量値を取得するステップ(S102)と、
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値及び前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得するステップ(S103)と、
各単電池の前時刻の等価自己放電量値を取得するステップ(S104)と、
各単電池の現在等価自己放電量値から前記単電池の前記前時刻の等価自己放電量値を減算して、前記現在時刻と前記前時刻との間隔時間内の前記単電池の目標等価自己放電量値を取得するステップ(S105)と、
全ての単電池の目標等価自己放電量値のうちの最大目標等価自己放電量値及び最小目標等価自己放電量値を決定するステップ(S106)と、
前記最大目標等価自己放電量値を前記間隔時間で除算して最大等価自己放電率を取得し、前記最小目標等価自己放電量値を前記間隔時間で除算して最小等価自己放電率を取得するステップ(S107)と、
前記最大等価自己放電率と前記最小等価自己放電率との差が予め設定された閾値より大きいと決定した場合、前記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池を管理するステップ(S108)と、を含む、ことを特徴とする電池管理方法。
【請求項2】
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値及び前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得するステップは、
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値から前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値を減算して、前記単電池の前記現在等価自己放電量値を取得するステップを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電池管理方法。
【請求項3】
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値及び前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得するステップは、
全ての単電池の現在高電圧変曲点電量値のうちの最小現在高電圧変曲点電量値を決定するステップ(S1031)と、
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値から前記最小現在高電圧変曲点電量値を減算して、各単電池の前処理された現在高電圧変曲点電量値を取得するステップ(S1032)と、
全ての単電池の現在履歴積算均等化電量値のうちの最小現在履歴積算均等化電量値を決定するステップ(S1033)と、
各単電池の前記現在履歴積算均等化電量値から前記最小現在履歴積算均等化電量値を減算して、各単電池の前処理された現在履歴積算均等化電量値を取得するステップ(S1034)と、
各単電池の前記前処理された現在高電圧変曲点電量値から前記単電池の前処理された現在履歴積算均等化電量値を減算して、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得するステップ(S1035)と、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電池管理方法。
【請求項4】
前記電池管理装置は、車両に適用され、前記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池を管理するステップは、
前記目標単電池の情報を前記車両及び/又は前記車両に通信可能に接続された端末に送信するステップを含む、ことを特徴とする請求項
1に記載の電池管理方法。
【請求項5】
前記目標単電池の情報は、前記目標単電池の番号、位置、前記目標等価自己放電量値及び等価自己放電率を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の電池管理方法。
【請求項6】
前記電池管理装置は、複数の注意喚起モジュールをさらに含み、各注意喚起モジュールは、1つの単電池に対応し、前記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池を管理するステップは、
警報信号を発するように、前記目標単電池に対応する注意喚起モジュールを制御するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項
1に記載の電池管理方法。
【請求項7】
各単電池の前記現在等価自己放電量値で前記単電池の前記前時刻の等価自己放電量値を置き換えて、記憶された前記単電池の等価自己放電量値を更新するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項
1に記載の電池管理方法。
【請求項8】
各単電池の前記現在等価自己放電量値で前記単電池の前記前時刻の等価自己放電量値を置き換えて、記憶された前記単電池の等価自己放電量値を更新するステップは、
全ての電池の現在等価自己放電量値のうちの最小現在等価自己放電量値を決定するステップと、
各単電池の前記現在等価自己放電量値から前記最小現在等価自己放電量値を減算して、各単電池の前処理された現在等価自己放電量値を取得するステップと、
各単電池の前記前処理された現在等価自己放電量値で前記単電池の前記前時刻の等価自己放電量値を置き換えて、記憶された前記単電池の等価自己放電量値を更新するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項7に記載の電池管理方法。
【請求項9】
前記前時刻は、前記車両の出荷時刻であり、各単電池の前記前時刻の等価自己放電量値は、0であり、各単電池の前記前時刻の履歴積算均等化電量値は、0であり、各単電池の前記前時刻の高電圧変曲点電量値は、0である、ことを特徴とする請求項
4に記載の電池管理方法。
【請求項10】
前記現在時刻は、現在充電時に前記充電曲線を取得した時刻であり、前記前時刻は、前回充電時に前記充電曲線を取得した時刻である、ことを特徴とする請求項
1に記載の電池管理方法。
【請求項11】
前記単電池は、動力電池又は電力貯蔵用電池である、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の電池管理方法。
【請求項12】
複数の単電池(50)を含む電池管理装置(100)であって、取得モジュール(10)と、処理モジュール(20)と、をさらに含み、
取得モジュール(10)は、現在時刻の各単電池の充電曲線の高電圧変曲点に対応する現在高電圧変曲点電量値と、現在時刻の各単電池の現在履歴積算均等化電量値と、各単電池の前時刻の等価自己放電量値とを取得し、
処理モジュール(20)は、各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値及び前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得し、各単電池の前記現在等価自己放電量値から前記単電池の前時刻の等価自己放電量値を減算して、前記単電池の前記現在時刻と前記前時刻との間隔時間内の目標等価自己放電量値を取得し、全ての単電池の目標等価自己放電量値のうちの最大目標等価自己放電量値及び最小目標等価自己放電量値を決定し、前記最大目標等価自己放電量値を前記間隔時間で除算して最大等価自己放電率を取得し、前記最小目標等価自己放電量値を前記間隔時間で除算して最小等価自己放電率を取得し、前記最大等価自己放電率と前記最小等価自己放電率との差が予め設定された閾値より大きいと決定した場合、前記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池を管理する、ことを特徴とする電池管理装置(100)。
【請求項13】
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値及び前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得する場合、前記処理モジュール(20)は、具体的には、
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値から前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値を減算して、前記単電池の前記現在等価自己放電量値を取得する、ことを特徴とする請求項12に記載の電池管理装置。
【請求項14】
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値及び前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得する場合、前記処理モジュール(20)は、具体的には、
全ての単電池の現在高電圧変曲点電量値のうちの最小現在高電圧変曲点電量値を決定し、
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値から前記最小現在高電圧変曲点電量値を減算して、各単電池の前処理された現在高電圧変曲点電量値を取得し、
全ての単電池の現在履歴積算均等化電量値のうちの最小現在履歴積算均等化電量値を決定し、
各単電池の前記現在履歴積算均等化電量値から前記最小現在履歴積算均等化電量値を減算して、各単電池の前処理された現在履歴積算均等化電量値を取得し、
各単電池の前記前処理された現在高電圧変曲点電量値から前記単電池の前処理された現在履歴積算均等化電量値を減算して、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得する、ことを特徴とする請求項12に記載の電池管理装置。
【請求項15】
車両に適用され、通信モジュール(30)をさらに含み、通信モジュール(30)は、前記車両と通信し、前記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池を管理する場合、前記処理モジュール(20)は、具体的には、
前記通信モジュール(30)により前記目標単電池の情報を前記車両及び/又は前記車両に通信可能に接続された端末に送信する、ことを特徴とする請求項
12に記載の電池管理装置。
【請求項16】
複数の注意喚起モジュール(60)をさらに含み、各注意喚起モジュール(60)は、1つの単電池(50)に対応し、前記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池を管理する場合、前記処理モジュール(20)は、具体的には、
警報信号を発するように、前記目標単電池に対応する注意喚起モジュール(60)を制御する、ことを特徴とする請求項
12に記載の電池管理装置。
【請求項17】
記憶モジュール(40)をさらに含み、前記記憶モジュール(40)に各単電池の自己放電量値が記憶され、前記処理モジュール(20)は、さらに、各単電池の前記現在等価自己放電量値で前記単電池の前記前時刻の等価自己放電量値を置き換えて、記憶された前記単電池の自己放電量値を更新する、ことを特徴とする請求項12~16のいずれか1項に記載の電池管理装置。
【請求項18】
各単電池の前記現在等価自己放電量値で前記単電池の前記前時刻の等価自己放電量値を置き換えて、記憶された前記単電池の自己放電量値を更新する場合、前記処理モジュール(20)は、具体的には、
全ての電池の現在等価自己放電量値のうちの最小現在等価自己放電量値を決定し、
各単電池の前記現在等価自己放電量値から前記最小現在等価自己放電量値を減算して、各単電池の前処理された現在等価自己放電量値を取得し
各単電池の前記前処理された現在等価自己放電量値で前記単電池の前記前時刻の等価自己放電量値を置き換えて、記憶された前記単電池の等価自己放電量値を更新する、ことを特徴とする請求項17に記載の電池管理装置。
【請求項19】
プロセッサによって呼び出され、以下のステップを実行するコンピュータプログラムが記憶されている、コンピュータ可読記憶媒体であって、該ステップは、
現在時刻の複数の単電池のうちの各単電池の充電曲線の高電圧変曲点に対応する現在高電圧変曲点電量値を取得するステップと、
現在時刻の各単電池の現在履歴積算均等化電量値を取得するステップと、
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値及び前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得するステップと、
各単電池の前時刻の等価自己放電量値を取得するステップと、
各単電池の現在等価自己放電量値から前記単電池の前記前時刻の等価自己放電量値を減算して、前記現在時刻と前記前時刻との間隔時間内の前記単電池の目標等価自己放電量値を取得するステップと、
全ての単電池の目標等価自己放電量値のうちの最大目標等価自己放電量値及び最小目標等価自己放電量値を決定するステップと、
前記最大目標等価自己放電量値を前記間隔時間で除算して最大等価自己放電率を取得し、前記最小目標等価自己放電量値を前記間隔時間で除算して最小等価自己放電率を取得するステップと、
前記最大等価自己放電率と前記最小等価自己放電率との差が予め設定された閾値より大きいと決定した場合、前記最大目標等価自己放電量値に対応する目標単電池を管理するステップと、であることを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値及び前記単電池の前記現在履歴積算均等化電量値に基づいて、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得する場合、前記コンピュータプログラムは、プロセッサによって呼び出されると、
全ての単電池の現在高電圧変曲点電量値のうちの最小現在高電圧変曲点電量値を決定するステップと、
各単電池の前記現在高電圧変曲点電量値から前記最小現在高電圧変曲点電量値を減算して、各単電池の前処理された現在高電圧変曲点電量値を取得するステップと、
全ての単電池の現在履歴積算均等化電量値のうちの最小現在履歴積算均等化電量値を決定するステップと、
各単電池の前記現在履歴積算均等化電量値から前記最小現在履歴積算均等化電量値を減算して、各単電池の前処理された現在履歴積算均等化電量値を取得するステップと、
各単電池の前記前処理された現在高電圧変曲点電量値から前記単電池の前処理された現在履歴積算均等化電量値を減算して、前記単電池の現在等価自己放電量値を取得するステップと、を実行する、ことを特徴とする請求項19に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【国際調査報告】