(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】高架線設備構造用の磁気アースクランプ
(51)【国際特許分類】
B60M 1/28 20060101AFI20241121BHJP
H02G 1/02 20060101ALI20241121BHJP
H01R 4/64 20060101ALI20241121BHJP
H01R 11/14 20060101ALI20241121BHJP
H01R 11/30 20060101ALI20241121BHJP
H01R 31/08 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
B60M1/28 K
H02G1/02
H01R4/64 Z
H01R11/14
H01R11/30
H01R31/08 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518589
(86)(22)【出願日】2023-03-17
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 EP2023056941
(87)【国際公開番号】W WO2023175168
(87)【国際公開日】2023-09-21
(32)【優先日】2022-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524110610
【氏名又は名称】ネットワーク レイル インフラストラクチャー リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】ルイス ネル
【テーマコード(参考)】
5G352
【Fターム(参考)】
5G352AE01
5G352AE11
(57)【要約】
高架線構造用アースクランプにおいて、プロファイルの各端部にあるフラットコンタクトポイントおよびプロファイルの各端部にある各コンタクトポイントとは異なる高さにある中間部分を有するプロファイルを含むクランプフレームと、表面に対してクランプフレームを磁気的に取付けるためにクランプフレームに対して配設された少なくとも1つの磁気部品であって、フレームプロファイルの中間部分に向かって位置しており、ここで磁気部品は、フレームとの関係においてコンタクトポイントのレベル間でかつコンタクトポイントによって画定されるレベルから離れて中間部分に向かって移動して、磁気部品およびコンタクトポイントを通って高架線構造との機械的連結および電気的接続を容易にする構造に対してアースクランプを取付けることができるように配設されており、高架線構造との関係においてアースクランプフレームおよび/または磁気部品を移動させて、高架線構造からアースクランプを解放する目的で磁気部品が高架線構造に及ぼす磁力を打消すための手段を含んでいる、磁気部品と、を含むアースクランプ。対応する可搬型アースも提示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高架線構造用アースクランプであって:
- プロファイルの各端部にあるフラットコンタクトポイントおよび前記プロファイルの各端部にある各コンタクトポイントとは異なる高さにある中間部分を有するプロファイルを含むクランプフレームと、
- 表面に対して前記クランプフレームを磁気的に取付けるために前記クランプフレームに対して配設された少なくとも1つの磁気部品であって、前記フレームプロファイルの前記中間部分に向かって位置しており、
ここで前記磁気部品は、前記フレームとの関係においてコンタクトポイントのレベル間でかつ前記コンタクトポイントによって画定されるレベルから離れるように前記中間部分に向かって移動して、前記磁気部品および前記コンタクトポイントを通して前記高架線構造との機械的連結および電気的接続を容易にする構造に対して前記アースクランプを取付けることができるように配設されており、
前記高架線構造との関係において前記アースクランプフレームおよび/または前記磁気部品を移動させて、前記高架線構造から前記アースクランプを解放する目的で前記磁気部品が前記高架線構造に及ぼす磁力を打消すための手段を含んでいる、
磁気部品と、
を含むアースクランプ。
【請求項2】
前記アースクランプが構造に取付けられている場合に、前記構造から離れる方向に前記アースクランプフレームおよび/または前記磁気部品を移動させるための機械的起動レバーを、前記アースクランプが含んでいる、請求項1に記載の配設。
【請求項3】
前記アースクランプが構造に取付けられている場合に、少なくとも前記構造から離れるように前記アースクランプフレームおよび/または磁気部品を移動させるための前記機械的起動レバーが、送出用ヘッドと共に使用可能である、請求項2に記載の配設。
【請求項4】
クランプフレームが曲線プロファイルを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の配設。
【請求項5】
前記アースクランプが、前記磁気部品に対する打消し力を促すために前記磁気部品と連結され、前記磁気部品を前記コンタクトポイントの前記レベルから離れるように移動させるばねを含んでいる、請求項1~4のいずれか1項に記載の配設。
【請求項6】
前記磁石と前記ばねアセンブリの間の連結が、前記クランプフレームから電気的に絶縁されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の配設。
【請求項7】
前記磁気部品が、可撓性編組接続を介して前記クランプフレームに対して電気的に結合されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の配設。
【請求項8】
前記アースクランプフレームが、このアースクランプフレームの正しい位置付けおよび適用を補助するガイドを組込んでいる、請求項1~7のいずれか1項に記載の配設。
【請求項9】
前記アースクランプが、使用していない場合の安全な取扱いおよび保管を可能にする磁石上に適用される常設保護カバーを含んでいる、請求項1~8のいずれか1項に記載の配設。
【請求項10】
前記アースクランプが、前記磁気部品のための取外し可能なカバーを含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の配設。
【請求項11】
請求項1に記載の前記アースクランプ配設およびそれに連結されたライン端部を含む可搬型アース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
概して、本発明は、高架線構造を接地するための電気機械的配設に関する。排他的ではないものの、詳細には、本発明は汎用可搬型アースクランプに関する。
【背景技術】
【0002】
高架線設備(OLE)用の既存の可搬型接地ソリューションでは概して、通常ペグの形をしている、付隨する固定具を伴う構造組付け式アース取付け点を提供することが求められる。既存の可搬型接地ソリューションでは、短い可搬型アースを適用するために構造組付け型アース取付け点が求められる。このようなソリューションは典型的に、ばね付きジョータイプの設計である。このようなソリューションにはアース取付け点を使用しなければならないという欠点があり、これらのアース取付け点は典型的に互いに400メートルの間隔を置いて設置されているだけであることから各取付け点が欠落または破損した場合にアクセスに影響を及ぼしかつ作業の中止をひき起こす可能性がある。このようなアース取付け点は、全ての構造に具備されているわけではないことから、可搬型アースを適用できる高架線構造は制限されることになる。
【0003】
したがって、アース取付け点の使用を回避し、かつ付隨する安全性、時間およびコスト面の利益を実現すると同時に高い制約を受ける鉄道インフラへのアクセスウインドウの内部で作業を行なうために利用できる時間を最適化することを可能にする、より汎用タイプのアースクランプソリューションに対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態の目的は、先行技術の配設において明白である上述の欠点の1つ以上を少なくとも軽減することにある。この目的は、概して、クレームセットに係る配設および方法を用いて達成される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、好適な強磁性材料表面を提供するOLE構造のために特に使用可能であるアースクランプを提供している。本発明の利用分野の一例は、従来のアースクランプの適用のための専用または特定的アース取付け点ペグが全く存在しないOLE構造において、単一のアースまたは多数のアースが必要とされる場合である。別の例としては、アース取付け点ペグが損傷を受けているかまたは欠如していて従来の短かい可搬型アースの適用が妨げられている状況が含まれる。他のいくつかの利用分野としては、典型的に長い可搬型アースが使用されてきた場合がある。さらなるいくつかの利用分野としては、OLE構造に対する作業現場で目に見えるアースを適用することが求められる場合が含まれる。
【0006】
本発明の利益としては、好適な強磁性材料表面を有する多くの高架線構造においてアース取付け点配置の要件無く使用可能である短かい可搬型アースを提供するという点が含まれる。さらに、本発明は、一部のケースにおいて長い可搬型アースの使用に対する代替的選択肢を提供し、こうして長い可搬型アースに付隨するリスクに起因する直接的な安全性上の利益が得られる。さらに、本発明は、アース取付け点が破損または欠落した場合に利用可能な短かい可搬型アースの選択肢を提供する。さらに本発明は、高架線構造における単一の追加アースの使用および接地に対する最適化されたアプローチを可能にする。さらに本発明は、設備が非通電状態にされたことを証明するため、OLE構造に対する作業現場で目に見えるアースを適用することを可能にする。さらに、本発明は、既存の通電状態の作用極および付隨する送出/回収アダプタの使用と両立するものである。
【0007】
本発明の一態様によると、高架線構造用アースクランプにおいて:
- プロファイルの各端部にあるフラットコンタクトポイントおよびプロファイルの各端部にある各コンタクトポイントとは異なる高さにある中間部分を有するプロファイルを含むクランプフレームと、
- 表面に対してクランプフレームを磁気的に取付けるためにクランプフレームに対して配設された少なくとも1つの磁気部品であって、フレームプロファイルの中間部分に向かって位置しており、
○ ここで磁気部品は、フレームとの関係においてコンタクトポイントのレベル間でかつコンタクトポイントによって画定されるレベルから離れて中間部分に向かって移動して、磁気部品およびコンタクトポイントを通って高架線構造との機械的連結および電気的接続を容易にする構造に対してアースクランプを取付けることができるように配設されており、
○ 高架線構造との関係においてアースクランプフレームおよび/または磁気部品を移動させて、高架線構造からアースクランプを解放する目的で磁気部品が高架線構造に及ぼす磁力を打消すための手段を含んでいる、
磁気部品と、
を含むアースクランプが提供されている。
【0008】
本発明の一実施形態によると、前記アースクランプは、アースクランプが構造に取付けられている場合に、この構造から離れる方向にアースクランプフレームおよび/または磁気部品を移動させるための機械的起動レバーを含んでいる。
【0009】
本発明の一実施形態によると、アースクランプが構造に取付けられている場合に、少なくとも構造から離れるようにアースクランプフレームおよび/または磁気部品を移動させるための機械的起動レバーは、送出用ヘッドと共に使用されてよい。
【0010】
本発明の一実施形態によると、クランプフレームは曲線プロファイルを含んでいてよい。
【0011】
本発明の一実施形態によると、アースクランプは、磁気部品に対する打消し力を促すために磁気部品と連結され、磁気部品をコンタクトポイントのレベルから離れるように移動させるばねを含んでいる。
【0012】
本発明の一実施形態によると、磁石とばねアセンブリの間の連結は、クランプフレームから電気的に絶縁されている。
【0013】
本発明の一実施形態によると、磁気部品は、可撓性編組接続を介してクランプフレームに対して電気的に結合されている。
【0014】
本発明の一実施形態によると、アースクランプフレームは、このアースクランプフレームの正しい位置付けおよび適用を補助するガイドを組込んでいる。
【0015】
本発明の一実施形態によると、アースクランプは、使用していない場合の安全な取扱いおよび保管を可能にする磁石上に適用される常設の保護カバーを含んでいる。
【0016】
本発明の一実施形態によると、アースクランプは、磁気部品のための取外し可能なカバーを含む。
【0017】
本発明の一実施形態によると、請求項1に記載のアースクランプ配設およびそれに連結されたライン端部を含む可搬型アースが提供されている。
【0018】
以上で簡単に概説されたように、本発明の異なる態様の有用性は、各々の特定の実施形態に応じて複数の問題から生じるものである。
【0019】
本明細書において「a number of(多数の~)」なる表現は、一(1)から始まる任意の正の整数を意味し得る。「a plurality of(複数の~)」なる表現は、それぞれ二(2)から始まる任意の正の整数を意味し得る。
【0020】
本発明の異なる実施形態も同様に、添付の従属クレーム中で開示されている。
【0021】
次に、本発明のいくつかの例示的実施形態が、添付図面を参照しながら、より入念に精査される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、アースクランプの一実施形態の正面図を例示する。
【
図2】
図2は、アースクランプの一実施形態の背面図を例示する。
【
図3】
図3は、アースクランプの一実施形態の側面図を例示する。
【
図4】
図4は、アースクランプの一実施形態の等角図を例示する。
【
図5】
図5は、アースクランプの一実施形態が高架線構造に取付けられている図を例示する。
【
図6】
図6は、アースクランプの一実施形態が高架線構造に取付けられている図を例示する。
【
図7】
図7は、使用中のアースクランプの全体図を例示する。
【
図8】
図8は、アースクランプの別の実施形態の全体図を例示する。
【
図9】
図9は、アースクランプの別の実施形態の別の全体図を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1~4は、アースクランプの主要な態様を例示する。
【0024】
例示された実施形態に係るアースクランプは、以下の特徴部を含む。
(1)回収ブラケット
(2)解放機構アーム
(3)解放機構ヒンジ点
(4)ガイド
(5)解放機構ローラ
(6)磁石
(7A)クランプフレーム前方コンタクトポイント
(7B)クランプフレーム後方コンタクトポイント
(8)アースケーブル接続端子
(9)アプリケーションラグ
(10)絶縁体
(11)ばね
(12)連結ボルト
(13)磁石キャップ収納カップ
(14)アースケーブル
【0025】
アースクランプは、プロファイルの各端部にあるフラットコンタクトポイント(7A、7B)またはパッドおよびプロファイルの各端部にある各々のコンタクトポイント(7A、7B)とは異なる高さにある中間部分を有する曲線プロファイルを含むクランプフレームを少なくとも含んでいる。コンタクトポイント(7A、7B)は固定され、OLE構造と連結し得る水平な平面またはレベルを形成する。クランプフレームの曲線プロファイルは、例示されている通り、中間部分とコンタクトポイント(7A、7B)の間に丸味のある縁部を伴う連続的プロファイルを含んでいてよく、あるいはクランプフレームプロファイルは、中間部分とコンタクトポイント(7A、7B)の間に鋭い縁部を伴うプロファイルを含んでいてよく、例えばここで水平な中間部分および水平なコンタクトポイント(7A、7B)はその間に垂直なまたは角度の付いた部域を有しており、鋭い隅が異なる部域を分割して例えば「シルクハット形状」などを生み出している。
【0026】
アースクランプはさらに、表面に対してフレームを磁気的に取付けるためにクランプフレームに配設された磁石(6)または複数の磁石(6)などの少なくとも1つの磁気部品を含み、前記磁気部品は、フレームのプロファイルの中央に向かって位置付けされている。磁石(6)は、磁石(6)の接触表面がコンタクトポイント(7A、7B)のレベルとの関係において移動させられているのが明確に見える
図1および2に例示されているように、フレームとの関係においてコンタクトポイント(7A、7B)のレベルの間、そしてコンタクトポイント(7A、7B)により画定されるレベルの上方で移動するように、すなわち、磁気部品がOLE構造と連結する水平なレベルまたは平面でもあるコンタクトポイント(7A、7B)によって画定されたレベルから離れるようにそしてクランプフレームの中央のレベルに向かって移動して、磁気部品およびコンタクトポイントを通って高架線構造との機械的連結および電気的接続を促す構造に対しするアースクランプの取付けを可能にするように配設されている。すなわち、磁石(6)は、例えばクランプフレームの中間部分においてばね連結(11)を介して垂直方向にアースクランププロファイルの「内側」を移動するように配設されている。アースクランプは同様に、高架線構造からアースクランプを解放する目的で高架線構造に対して磁石(6)が及ぼす磁力を打消し、これを克服するために、構造から離れるようにアースクランプを、少なくとも高架線構造との関係においてクランプフレームを、レバーの起動によってかまたは単純にこれを引っ張ることによって移動させるべく、例えば回収ブラケット(1)、解放機構アーム(2)、解放機構ヒンジ点(3)および解放機構ローラ(5)によって形成された機械的起動レバーなどの手段を含む。例えば、
図1~6に例示されているように、アースクランプは、回収ブラケット(1)、解放機構アーム(2)、解放機構ヒンジ点(3)および解放機構ローラ(5)を含み、ここで、回収ブラケット(1)を操作することにより、解放機構ローラ(5)は、アースクランプが連結されているOLE構造に対し押圧され得、解放機構アーム(2)および解放機構ヒンジ点(3)を介して、高架線構造との関係においてアースクランプフレームを移動させOLE構造からアースクランプを解放するために機械的力を加えることができる。代替的には、アースクランプは、例えば
図8および9の実施形態の中で例示されているように、アースクランプフレームに対し直接連結された回収ブラケット(1)などのOLE構造との関係においてアースクランプを移動させるための別のタイプの機構を含んでいてよく、こうして、回収ブラケット(1)を引張ることによって、OLE構造から離れるようにアースクランプを引き離すことができるようになっている。代替的にまたは付加的に、アースクランプは、少なくともコンタクトポイント(7A、7B)のレベルから離れるように磁石(6)を移動させるための手段を含んでいてよい。磁石(6)は、磁石(6)により加えられた磁力を打消す助けとなるため、そしてアースクランプが構造に連結されていない場合に少なくともコンタクトポイント(7A、7B)のレベルから離れるように磁石を移動させるために、フレームにおける絶縁体(10)を介してばね(11)と連結されてよい。このようにして、磁石(6)は、構造にアースクランプを取付けているコンタクトポイント(7A、7B)と同レベルで強磁性構造に対抗して移動しこれに付着することができ、アースクランプフレームおよび/または磁石(6)は同様に、ブラケット(1)の動作により連結から離れるように移動させられて、構造に対し加えられる磁力を打消しひいてはアースクランプを構造から離脱させることができる。磁石キャップ収納カップ(13)などの保護カバーを、磁石の上に使用してよく、これによって、使用されていない場合の安全な取扱いおよび保管が可能になる。保護カバーは、恒久的に固定されてもよいし、取外し可能であってもよい。磁石およびばねアセンブリをクランプフレームから電気的に絶縁するために、絶縁体(10)が使用される。例示されている通り、磁石(6)は、可撓性編組接続を介してクランプフレームに対し電気的に結合されてよい。
【0027】
アースクランプはさらに、OLE構造に対するアースクランプのより容易な操作および取付けのためのガイド(4)を含み得る。このようなガイド(4)は、離れたところからそして高所において通電状態の作用極によってアースクランプが操作されることから、有益である。さらに、アースクランプは、高所において通電状態の作用極でアースクランプを吊上げるためのアプリケーションラグ(9)または類似の構造を含んでいてよい。
【0028】
アースクランプはさらに、アースクランプをライン端部と接続するためにアースケーブル(14)を介して磁石(6)に接続されたアースケーブル接続端子(8)を含む。
【0029】
例示されていないものの、アースクランプはハウジングまたは取外し可能なカバーを含んでいてよい。
【0030】
アースクランプはさらに、ライン端部とアースクランプへのラインを接続するための接続手段を含む。
【0031】
アースクランプは、鉄道の利用分野そして25kV AC、12kA定格のシステム上を含めた関連する環境のために特に好適である。
【0032】
図5~6は、OLEに取付けられたアースクランプを例示する。そこでは、アースクランプは、強磁性材料の平担な表面に取付けられるものとして示されている。アースクランプは、アースクランプおよびライン端部が本質的に可搬型アースを構成している、通電状態の作用極によって高所で動作可能な従来のライン端部クランプを含み得るライン端部に接続されているものとして示されている。例示されている通り、通電部分は、アースクランプを連結できるマストなどのOLE構造の残りの部分から、絶縁体によって分離されている。ライン端部クランプとアースクランプの間のケーブル接続は、実質的に短かく保つことができる。
【0033】
図7は、使用中のアースクランプの例示的設定を示す。この応用例においては、作業員がアースクランプを使用する鉄道用の高架線設備構造が示されている。作業員は、高所および強磁性材料の表面を有する好ましい場所でアースクランプを着脱するために、例えば送出用ヘッドまたは他の操作用ソケットなどの好適な送出および回収アダプタと共に従来の通電状態の作用極を使用してよい。充分に平担な強磁性表面しか必要とされないことから、一定の部分にアースクランプを設置することが容易であるため、操作は簡便である。磁力に起因して、アースクランプは自動的に強磁性表面に取付き、通電状態の作用極を用いて作業員が操作できる機械的起動レバーを介して磁力を容易に打消すことが可能であることから、取外しも同様に簡単である。
図7を見れば分かるように、アースクランプは、高架線設備が非通電状態にされたことを証明するために、作業現場で適用可能な可視的アースを提供する。アースクランプは任意の実質的に平担な強磁性表面上に取付け可能であることから、接地を高所で行なって、長い可搬型アースに対するニーズを回避することができる。
【0034】
本発明の範囲は、添付クレームとその等価物によって決定される。当業者であればここでもまた、開示された実施形態が単に例示目的で構築されたものであることを認識するものであり、本明細書中で精査された革新的な要因には、本発明の各々の特定の使用事例により良く適合するさらなる実施形態、実施形態の組合せ、変形形態および等価物がさらに網羅されるものである。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
本発明の範囲は、添付クレームとその等価物によって決定される。当業者であればここでもまた、開示された実施形態が単に例示目的で構築されたものであることを認識するものであり、本明細書中で精査された革新的な要因には、本発明の各々の特定の使用事例により良く適合するさらなる実施形態、実施形態の組合せ、変形形態および等価物がさらに網羅されるものである。
本開示は更に以下の態様を含んでいる:
《態様1》
高架線構造用アースクランプであって:
- プロファイルの各端部にあるフラットコンタクトポイントおよび前記プロファイルの各端部にある各コンタクトポイントとは異なる高さにある中間部分を有するプロファイルを含むクランプフレームと、
- 表面に対して前記クランプフレームを磁気的に取付けるために前記クランプフレームに対して配設された少なくとも1つの磁気部品であって、前記フレームプロファイルの前記中間部分に向かって位置しており、
ここで前記磁気部品は、前記フレームとの関係においてコンタクトポイントのレベル間でかつ前記コンタクトポイントによって画定されるレベルから離れるように前記中間部分に向かって移動して、前記磁気部品および前記コンタクトポイントを通して前記高架線構造との機械的連結および電気的接続を容易にする構造に対して前記アースクランプを取付けることができるように配設されており、
前記高架線構造との関係において前記アースクランプフレームおよび/または前記磁気部品を移動させて、前記高架線構造から前記アースクランプを解放する目的で前記磁気部品が前記高架線構造に及ぼす磁力を打消すための手段を含んでいる、
磁気部品と、
を含むアースクランプ。
《態様2》
前記アースクランプが構造に取付けられている場合に、前記構造から離れる方向に前記アースクランプフレームおよび/または前記磁気部品を移動させるための機械的起動レバーを、前記アースクランプが含んでいる、態様1に記載の配設。
《態様3》
前記アースクランプが構造に取付けられている場合に、少なくとも前記構造から離れるように前記アースクランプフレームおよび/または磁気部品を移動させるための前記機械的起動レバーが、送出用ヘッドと共に使用可能である、態様2に記載の配設。
《態様4》
クランプフレームが曲線プロファイルを含む、態様1~3のいずれか1つに記載の配設。
《態様5》
前記アースクランプが、前記磁気部品に対する打消し力を促すために前記磁気部品と連結され、前記磁気部品を前記コンタクトポイントの前記レベルから離れるように移動させるばねを含んでいる、態様1~4のいずれか1つに記載の配設。
《態様6》
前記磁石と前記ばねアセンブリの間の連結が、前記クランプフレームから電気的に絶縁されている、態様1~5のいずれか1つに記載の配設。
《態様7》
前記磁気部品が、可撓性編組接続を介して前記クランプフレームに対して電気的に結合されている、態様1~6のいずれか1つに記載の配設。
《態様8》
前記アースクランプフレームが、このアースクランプフレームの正しい位置付けおよび適用を補助するガイドを組込んでいる、態様1~7のいずれか1つに記載の配設。
《態様9》
前記アースクランプが、使用していない場合の安全な取扱いおよび保管を可能にする磁石上に適用される常設保護カバーを含んでいる、態様1~8のいずれか1つに記載の配設。
《態様10》
前記アースクランプが、前記磁気部品のための取外し可能なカバーを含む、態様1~9のいずれか1つに記載の配設。
《態様11》
態様1に記載の前記アースクランプ配設およびそれに連結されたライン端部を含む可搬型アース。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高架線構造用アースクランプであって:
- プロファイルの各端部にあるフラットコンタクトポイントおよび前記プロファイルの各端部にある各コンタクトポイントとは異なる高さにある中間部分を有するプロファイルを含むクランプフレームと、
- 表面に対して前記クランプフレームを磁気的に取付けるために前記クランプフレームに対して配設された少なくとも1つの磁気部品であって、前記フレームプロファイルの前記中間部分に向かって位置しており、
ここで前記磁気部品は、前記フレームとの関係においてコンタクトポイントのレベル間でかつ前記コンタクトポイントによって画定されるレベルから離れるように前記中間部分に向かって移動して、前記磁気部品および前記コンタクトポイントを通して前記高架線構造との機械的連結および電気的接続を容易にする構造に対して前記アースクランプを取付けることができるように配設されており、
前記高架線構造との関係において前記アースクランプフレームおよび/または前記磁気部品を移動させて、前記高架線構造から前記アースクランプを解放する目的で前記磁気部品が前記高架線構造に及ぼす磁力を打消すための手段を含んでいる、
磁気部品と、
を含むアースクランプ。
【請求項2】
前記アースクランプが構造に取付けられている場合に、前記構造から離れる方向に前記アースクランプフレームおよび/または前記磁気部品を移動させるための機械的起動レバーを、前記アースクランプが含んでいる、請求項1に記載の配設。
【請求項3】
前記アースクランプが構造に取付けられている場合に、少なくとも前記構造から離れるように前記アースクランプフレームおよび/または磁気部品を移動させるための前記機械的起動レバーが、送出用ヘッドと共に使用可能である、請求項2に記載の配設。
【請求項4】
クランプフレームが曲線プロファイルを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の配設。
【請求項5】
前記アースクランプが、前記磁気部品に対する打消し力を促すために前記磁気部品と連結され、前記磁気部品を前記コンタクトポイントの前記レベルから離れるように移動させるばねを含んでいる、請求項1~
3のいずれか1項に記載の配設。
【請求項6】
前記磁石と前記ばねアセンブリの間の連結が、前記クランプフレームから電気的に絶縁されている、請求項1~
3のいずれか1項に記載の配設。
【請求項7】
前記磁気部品が、可撓性編組接続を介して前記クランプフレームに対して電気的に結合されている、請求項1~
3のいずれか1項に記載の配設。
【請求項8】
前記アースクランプフレームが、このアースクランプフレームの正しい位置付けおよび適用を補助するガイドを組込んでいる、請求項1~
3のいずれか1項に記載の配設。
【請求項9】
前記アースクランプが、使用していない場合の安全な取扱いおよび保管を可能にする磁石上に適用される常設保護カバーを含んでいる、請求項1~
3のいずれか1項に記載の配設。
【請求項10】
前記アースクランプが、前記磁気部品のための取外し可能なカバーを含む、請求項1~
3のいずれか1項に記載の配設。
【請求項11】
請求項1に記載の前記アースクランプ配設およびそれに連結されたライン端部を含む可搬型アース。
【国際調査報告】