(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】電気車両
(51)【国際特許分類】
B60Q 5/00 20060101AFI20241121BHJP
B62J 50/25 20200101ALI20241121BHJP
B62J 50/22 20200101ALI20241121BHJP
【FI】
B60Q5/00 680A
B60Q5/00 610C
B60Q5/00 620A
B60Q5/00 620Z
B60Q5/00 640Z
B60Q5/00 680Z
B60Q5/00 680B
B60Q5/00 680C
B62J50/25
B62J50/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524653
(86)(22)【出願日】2022-06-21
(85)【翻訳文提出日】2024-05-31
(86)【国際出願番号】 IN2022050568
(87)【国際公開番号】W WO2023073726
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】202141049087
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521196110
【氏名又は名称】ティーヴィーエス モーター カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TVS MOTOR COMPANY LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェヤパール,バアラス ラジャゴパル
(72)【発明者】
【氏名】バラ,ヴァムシ クリシュナ
(72)【発明者】
【氏名】エス,ガナパシー スブラマニアン
(57)【要約】
本発明は、電気車両10に関する。電気車両10は、車両前後方向「D1」に延びるメインフレーム102を含む。電気車両10は、音声生成デバイスの音声が歩行者および他の車両の搭乗者に聞こえることにより電気車両10の動きに注意喚起するように、電気車両10の前方部分10Aおよび/または後方部分10Bのうちの1つまたは複数の位置に配置された音声生成デバイス100を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気車両(10)であって、
車両前後方向(D1)に延びるメインフレーム(102)と、
音声生成デバイス(100)であって、前記音声生成デバイスの音声が歩行者および他の車両の搭乗者に聞こえることにより前記電気車両(10)の動きに注意喚起するように、前記電気車両(10)の前方部分(10A)および/または後方部分(10B)のうちの1つまたは複数の位置に配置された音声生成デバイス(100)と
を備える、電気車両(10)。
【請求項2】
前記車両の前記1つまたは複数の位置に配置された前記音声生成デバイス(100)は、前記車両(10)の一部分に取り付けられ、前記部分は、前記車両の最外側に配置される、請求項1に記載の電気車両(10)。
【請求項3】
前記車両の前記最外側に配置される前記部分は、大気と直接接触しており、前記音声生成デバイスによって生成される前記音声が、最小限の抵抗しか受けず、それにより前記電気車両(10)の1つまたは複数の部分、前記電気車両(10)の1人または複数人の搭乗者、および前記電気車両(10)で搬送される荷物を通って途切れずに伝播するようになっている、請求項2に記載の電気車両(10)。
【請求項4】
前記音声生成デバイス(100)が取り付けられる前記車両の前記部分は、大気にさらされることによる損傷から前記音声生成デバイス(100)を保護するように構成される、請求項3に記載の電気車両(10)。
【請求項5】
1つまたは複数の音声生成デバイス(100)を取り付ける前記電気車両(10)の前記前方部分(10A)は、フロアボード部材(12)、メータパネル(36)、フロントパネル(38)、カバーハンドル(40A、40B)の前部といった部分を含み、前記音声が前記電気車両(10)の前記前方部分(10A)の周囲の全ての方向に聞こえて、前記通行する歩行者および他の車両の搭乗者に前記電気車両(10)の動きについて注意喚起するようになっている、請求項1に記載の電気車両(10)。
【請求項6】
前記音声生成デバイス(100)は、前記フロアボード部材(12)に車両幅方向(W)に配置され、ヘッドパイプ(22)から下方向に延びるダウンパイプ(20)の背後に位置する、請求項5に記載の電気車両(10)。
【請求項7】
前記音声生成デバイス(100)は、前記メインフレーム(102)上に、前記電気車両(10)の前記部分のいずれかの近傍で、ゴムダンパに接続された1つまたは複数のブラケットおよび1つまたは複数の固定具を介して配置される、請求項1または2に記載の電気車両(10)。
【請求項8】
前記音声生成デバイス(100)は、前記メインフレーム(102)上に、前記電気車両(10)の前記最外側に配置された前記電気車両(10)の前記部分のいずれかの近傍で配置されて、前記部分が大気と直接接触して、前記音声生成デバイスによって生成される音声が、最小限の抵抗しか受けず、それにより前記電気車両(10)の1つまたは複数の部分、前記電気車両(10)の1人または複数人の搭乗者、および前記電気車両(10)で搬送される荷物を通って途切れずに伝播するようになっている、請求項7に記載の電気車両(10)。
【請求項9】
前記1つまたは複数の音声生成デバイス(100)を取り付ける前記電気車両(10)の前記後方部分(10B)は、前記電気車両(10)の右側パネル(42A)、左側パネル(42B)、テールランプカバー(44)、リアパネル(34)およびリアフェンダ(28)といった部分を含む、請求項1に記載の電気車両(10)。
【請求項10】
前記音声生成デバイス(100)は、前記リアフェンダ(28)の上方、前記車両(10)のバッテリボックス(32)の背後に配置される、請求項9に記載の電気車両(10)。
【請求項11】
前記音声生成デバイス(100)は、前記リアパネル(34)の背後、前記バッテリボックス(32)の前方に配置され、前記リアパネル(34)は、シートアセンブリ(18)と前記フロアボード部材(12)の間に延びる、請求項9に記載の電気車両(10)。
【請求項12】
前記音声生成デバイス(100)は、エンジン音、タイヤの動く音、および車両走行音などのうちの1つまたは複数と実質的に同一の音声を生成して、それにより通行する歩行者および他の車両の搭乗者に注意喚起するように適応される、請求項1に記載の電気車両(10)。
【請求項13】
前記音声生成デバイス(100)は、車両ON状態の間、連続的に前記音声を生成するように適応される、請求項1に記載の電気車両(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に電気車両に関し、さらに詳細には、電気車両用の音声生成デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
上昇する燃料コストおよび増大する環境に関する懸念により、輸送のために代替エネルギー源を使用することが、常に持続可能な選択肢となっている。様々な技術で、化石燃料に代わる1つまたは複数の代替解決策の探求が常に行われており、技術の進歩とともに、電気車両およびハイブリッド車両も多くの消費者にとって魅力あるものになっている。電気車両は、通常は、バッテリなどの電源から電力を受けるモータによって駆動される。ハイブリッド電気車両の場合は、車両の搭乗者の必要に応じて、電力はバッテリだけでなく内燃機関からも取り出される。
【0003】
純電気車両の場合、純電気車両は、モータを介してバッテリ電源のみで走行する。電気車両には内燃機関がないので、電気車両は、内燃機関が動作中に騒音を生じるガソリン駆動車両よりはるかに静かである。電気車両はより静かであるので、道路を走行する他の車両、道路もしくは歩道を歩いている人、または自転車に乗っている人が、道路上で彼らのそばに接近してくる電気車両に気付かないことがある。これにより、電気車両の接近が気付かれない場合には、死亡事故が起きることもある。電気車両に騒音がないことは、他の道路利用者、特に体に障害のある人にとってはさらに危険である。
【0004】
既存の2輪電気車両には、電気車両の動きを人々に知らせる警笛以外に認識可能な音声を生成することができる機構がない。2輪電気車両の運転者が警笛を使用していないときにも、他の車両の運転者および歩行者は電気車両の音から彼らの近傍にいるその電気車両を感じる必要があるが、その音は既存の2輪電気車両にはない。
【0005】
多くの国には、電気車両が自分の近くにいることに通行人が気付くように、全てのタイプの電気車両に警報音を備えるという政府による義務付けがある。警報音は、警笛などの運転者トリガ型であることもあるし、低速での自動トリガ型の警笛であることもある。しかし、音声は、ビープ音またはチャイム音のような明らかに人工的なものからエンジン音に似せた音および砂利を踏むタイヤの音まで、様々であり得る。この問題を克服するため、乗用車製造に携わる多くの自動車メーカーは、この問題を解決するために仮想エンジンサウンドシステム(VESS)を使用することを試みてきた。この種の方法では、車両のボンネットの下にスピーカが設置されて、車両が動いているときに人々に注意喚起する人工音を生成する。しかし、ボンネットの下というスピーカの配置は、乗用車両の移動中に生成される音を伝えるのに効果的ではなかった。
【0006】
さらに、2輪電気車両では、車両設計がコンパクトであるので、スペースの制約という問題がある既存のレイアウトに別の構成要素を追加することは、複雑で困難な作業になる可能性がある。さらに、配置される構成要素の位置は、その音が他の車両の搭乗者、歩道を歩いている人または道路を横断する人、および搭乗者自身にも聞こえやすいが、搭乗者自身を驚かすほど大きくもならないようになっていなければならない。
【0007】
電気車両の騒音が非常に小さいことによる交通事故がしばしば報告されており、歩道にいる人および視覚障害者の安全性についての懸念が生じていた。既存の電気車両は、搭乗者操作型の警笛を除けば、電気車両の動きについて人々または付近の他の車両の搭乗者に注意喚起する音声を生成することができる設備を備えていない。
【0008】
上記の制限を克服するために、電気2輪車両では、1つまたは複数の試みが行われている。1つの種類の既存の電気車両では、モード起動時または機能選択時あるいはその他の任意の運転状態で、ステータス情報が車両の搭乗者に伝えられていなかった。この問題を克服するために、車両の運転状態についてのステータス情報を生成および出力することができる音声ユニットが提供されている。しかし、この試みでは、音声ユニットを車両のメータパネルに配置する必要がある。この音声ユニットの配置に関する問題は、それによりメータパネルが大きくなり、車両のハンドルバーを操作することが難しくなることである。これは、車両全体のバランスにも影響を及ぼす。さらに、音声ユニットから出る音声は、車両の搭乗者には十分に大きく聞こえるが、それを聞く他の車両および歩道にいる人にとってはそうではない。したがって、音声ユニットをメータパネルに配置しても、問題の解決にならない。
【0009】
別の試みでは、スピーカがエンジン室に配置されて電気車両内で音声を生成して、他の車両の搭乗者および道路上にいる人が彼らの近くにいる電気車両の動きに気付くようにする。しかし、このスピーカは、エンジン室内に配置されるので、スピーカによって生成された音が車両の外部に効果的に伝わらない。
【0010】
さらに別の同様の試みでは、スピーカがボンネットの下に配置されて、車が動いているときに人々に注意喚起する人工音を生成し、これはこのような問題を解決するための仮想エンジンサウンドシステム(VESS)である。しかし、スピーカをボンネットの下に配置すると音声が遮蔽されやすくなり、音声がボンネットで反響して、製造業者が意図したものとは異なる音を生成することもある。したがって、ボンネットの下というスピーカの配置も、実施可能な解決策ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、当技術分野では、少なくとも上記の問題および制限に対処することができる音声生成デバイスを備えた電気車両が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一態様では、本発明は、電気車両を対象とする。この電気車両は、車両前後方向に延びるメインフレームを含む。この電気車両は、音声生成デバイスであって、音声生成デバイスの音声が歩行者および他の車両の搭乗者に聞こえることにより電気車両の動きに注意喚起するように、電気車両の前方部分および/または後方部分のうちの1つまたは複数の位置に配置された音声生成デバイスをさらに含む。
【0013】
一実施形態では、音声生成デバイスは、車両の1つまたは複数の位置に配置され、車両の一部分に取り付けられる。この部分は、車両の最外側に配置される。
【0014】
別の実施形態では、車両の最外側に配置される上記の部分は、大気と直接接触しており、音声生成デバイスによって生成される音声が最小限の抵抗しか受けず、それにより電気車両の1つまたは複数の部分、電気車両の1人または複数人の搭乗者、および電気車両で搬送される荷物を通って途切れずに伝播するようになっている。
【0015】
別の実施形態では、音声生成デバイスが取り付けられる車両の上記の部分は、大気にさらされることによる損傷から音声生成デバイスを保護するように構成される。
【0016】
別の実施形態では、1つまたは複数の音声生成デバイスを取り付ける電気車両の前方部分は、フロアボード部材、メータパネル、フロントパネル、カバーハンドルの前部といった部分を含み、音声が電気車両の前方部分の周囲の全ての方向に聞こえて、通行する歩行者および他の車両の搭乗者に電気車両の動きについて注意喚起するようになっている。
【0017】
別の実施形態では、音声生成デバイスは、フロアボード部材に車両幅方向に配置され、ヘッドパイプから下方向に延びるダウンパイプの背後に位置する。
【0018】
別の実施形態では、音声生成デバイスは、メインフレーム上に、電気車両の上記の部分のいずれかの近傍で、ゴムダンパに接続された1つまたは複数のブラケットおよび1つまたは複数の固定具を介して配置される。
【0019】
別の実施形態では、音声生成デバイスは、メインフレーム上に、電気車両の最外側に配置された電気車両の上記の部分のいずれかの近傍で配置されて、上記の部分が大気と直接接触して、音声生成デバイスによって生成される音声が、最小限の抵抗しか受けず、それにより電気車両の1つまたは複数の部分、電気車両の1人または複数人の搭乗者、および電気車両で搬送される荷物を通って途切れずに伝播するようになっている。
【0020】
別の実施形態では、1つまたは複数の音声生成デバイスを取り付ける電気車両の後方部分は、電気車両の右側パネル、左側パネル、テールランプカバー、リアパネルおよびリアフェンダといった部分を含む。
【0021】
別の実施形態では、音声生成デバイスは、リアフェンダの上方、車両のバッテリボックスの背後に配置される。
【0022】
別の実施形態では、音声生成デバイスは、リアパネルの背後、バッテリボックスの前方に配置される。リアパネルは、シートアセンブリとフロアボード部材の間に延びる。
【0023】
別の実施形態では、音声生成デバイスは、エンジン音、タイヤの動く音、および車両走行音などのうちの1つまたは複数と実質的に同一の音声を生成して、それにより通行する歩行者および他の車両の搭乗者に注意喚起するように適応される。
【0024】
別の実施形態では、音声生成デバイスは、車両ON状態の間、連続的に音声を生成するように適応される。
【0025】
その例が添付の図面に図示されていることもある本発明の実施形態について述べる。これらの図面は、限定ではなく例示のためのものである。これらの実施形態の文脈で本発明について概略的に説明するが、本発明の範囲をこれらの特定の実施形態に限定することは意図されていないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の実施形態による少なくとも1つの音声生成デバイスを有する例示的な電気車両を示す側面図である。
【
図2】本発明の実施形態による、車両内の1つまたは複数の位置に音声生成デバイスを有する例示的な電気車両を示す上面図である。
【
図3】本発明の実施形態による、車両内の1つまたは複数の位置に音声生成デバイスを有する例示的な電気車両のフレームを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書の本発明の様々な特徴および実施形態は、以下に記載される以下のさらなる説明から認識される。保証する例示的な実施形態では、車両は、2輪電気車両である。ただし、本発明の開示は、本発明の範囲を無効にすることなく本発明の主題に適応することができる任意の自動車に適用され得ると企図されている。
【0028】
本発明は、一般に電気車両に関する。さらに詳細には、電気車両用の音声生成デバイスに関する。
【0029】
図1は、本発明の実施形態による少なくとも1つの音声生成デバイスを有する例示的な電気車両の側面図を示す。
【0030】
図1から
図3に示すように、図示の実施形態では、電気車両10はスクータ型の2輪車両である。この電気車両は、任意の他の種類の2輪車両または3輪車両とすることもできると企図され得る。したがって、図示の2輪スクータ車両の例は、本発明の範囲を限定するためのものではない。本開示では、「電気車両」および「車両」という用語は、入れ替え可能に使用される。ただし、「電気車両」という用語と「車両」という用語の両方は同一物であり、簡潔にするために「車両」という用語を用いる。
【0031】
図1および
図2に示すように、電気車両10は、車両の前後方向「D1」に延びるメインフレーム102(
図3に示す)を含む。一実施形態では、メインフレーム102は、車両10の前部の構成要素を支持するために、車両10の前方部分10A(
図2に示す)にヘッドパイプ22(
図3に示す)を含む。メインフレーム102は、車両10の様々な車両構成要素に構造的支持を提供するものであり、限定されるわけではないが、メータパネル36(
図2に示す)、フロントパネル38(
図2に示す)、カバーハンドル40A、40B、右側パネル42A、左側パネル42B、テールランプカバー44、シートアセンブリ18、バッテリ(図示せず)を備えたバッテリボックス32(
図3に示す)など、車両10の1つまたは複数の車両構成要素を取り付けるように適応されている。車両10は、電気モータ(図示せず)によって駆動される前輪14および後輪16をさらに含む。電気モータは、車両10を動かすために、バッテリ(図示せず)など1つまたは複数の電力源からトラクション電力を受ける。電気車両10には内燃機関がないので、電気車両10は、内燃機関が生成する動力によって動作する車両より静かである。
【0032】
さらに
図1を参照すると、車両10は、車両10内の前方部分10Aおよび/または後方部分10B(
図2に示す)のうちの1つまたは複数の位置に配置された音声生成デバイス100を含む。音声生成デバイス100は、通行する歩行者および他の車両の搭乗者に音声が聞こえ、それにより車両10の動きを示すインジケータとなって、通行する歩行者および他の車両の搭乗者に電気車両10の動きについて注意喚起するように、所定の強度の音声を生成するように構成される。「通行する歩行者」という用語は、道路を横断する人も含み得る。通行する歩行者は、身体障害者または障害者も含み得る。
【0033】
一実施形態では、音声生成デバイス100は、車両10のバッテリに接続されたスピーカとすることもでき、内燃機関の音と実質的に同様の音声を生成するように適応させることもできる。すなわち、音声生成デバイス100は、エンジン音、タイヤの動く音、および車両の走行音と実質的に同一の音声を生成し、それにより通行する歩行者および他の車両の搭乗者に注意喚起するように適応される。一実施形態では、音声生成デバイス100は、車両ON状態の間は連続的に音声を生成するように適応される。すなわち、音声は、車両10が動作している間ずっと連続的に生成される。
【0034】
図1から
図3に示すように、車両10上の1つまたは複数の位置に配置された音声生成デバイス100は、車両10の一部分に取り付けられる。この部分は、車両10の最外側に配置されている。一実施形態では、車両10の最外側に配置された部分は、大気と直接接触しているので、音声生成デバイス100によって生成された音声は最小限の抵抗しか受けず、それにより途切れない音声が電気車両10の1つまたは複数の部分、電気車両10の1人または複数人の搭乗者、および電気車両10で搬送される荷物を通って伝播することができる。一実施形態では、音声生成デバイス100に取り付けられる車両10の部分は、音声生成デバイス100を大気にさらされることによる水分および/または塵粒子による損傷から保護するように構成される。
【0035】
本発明の一実施形態では、音声生成デバイス100は、複数の箇所での車両10への取付けを容易にする円筒形とすることができ、生成される音声は、車両10内での配置の影響を受けない。別の実施形態では、音声生成デバイス100の形状は、取付位置およびスペース可用性に応じて変化させることもできる。
【0036】
図1から
図3に示す本発明の実施形態では、1つまたは複数の音声生成デバイス100を取り付ける電気車両10の前方部分10Aは、限定されるわけではないが、フロアボード部材12、メータパネル36、フロントパネル38、カバーハンドル40A、40Bの前部を含む部分を含む。1つまたは複数の音声生成デバイス100は、音声が電気車両10の前方部分10Aの周囲の全ての方向に聞こえて、通行する歩行者および他の車両の搭乗者に対して電気車両10の動きについて注意喚起するように、これらの部分に取り付けられる。フロントパネル38、メータパネル36およびカバーハンドル40A、40Bの前部といった部分に取り付けられた音声生成デバイス100は、車両10の前方の歩行者および他の車両により大きな音声を提供する。
【0037】
図1に示すように、音声生成デバイス100は、車両10のフロアボード部材12の前方部分に配置される。これにより、音声は、車両10の周囲の全ての方向に聞こえて、通行する歩行者および他の車両の搭乗者に車両10の動きについて注意喚起する。特に、音声生成デバイス100は、フロアボード部材12に車両幅方向「W」(
図2に示す)に配置され、ヘッドパイプ22から下方向に延びるダウンパイプ20(
図3に示す)の背後に位置する。換言すれば、この実施形態では、円筒形の音声生成デバイス100は、フロアボード部材12の下方に横方向に配置される。フロアボード部材12に配置された音声生成デバイス100は、全ての方向に等しい音声の強度で、搭乗者、歩行者、および周囲の他の車両の搭乗者に等しく適当な音声を提供するという利点を有する。
【0038】
音声生成デバイス100は、ゴムダンパ(図示せず)に接続された1つまたは複数のブラケット(図示せず)ならびにナットおよびボルトなどの1つまたは複数の固定具(図示せず)を介して、電気車両10の上記の部分のいずれかの近傍でメインフレーム102上に配置される。音声生成デバイス100は、電気車両10の上記の部分のいずれかの近傍でメインフレーム102上に配置される。この部分は、電気車両10の最外側に配置されるので、この部分は大気と直接接触し、音声生成デバイスによって生成された音声は最小限の抵抗しか受けないようになっている。これにより、音声は、電気車両10の1つまたは複数の部分、電気車両10の1人または複数人の搭乗者、および電気車両10で搬送される荷物を通って途切れずに伝播する。
【0039】
一実施形態では、1つまたは複数の音声生成デバイス100を取り付ける電気車両10の後方部分10Bは、電気車両10の右側パネル42A、左側パネル42B、テールランプカバー44、リアパネル34、およびリアフェンダ28といった部分を含む。
図3に示すように、1つの例示的な実施形態では、音声生成デバイス100は、車両10のリアフェンダ28の上方でバッテリボックス32の背後に配置される。音声生成デバイス100は、リアフェンダ28とバッテリボックス32の間のスペースに任意の向きで配置することができる。
【0040】
右側パネル42Aおよび左側パネル42Bに取り付けられた音声生成デバイス100は、搭乗者、ならびに車両10の側方の歩行者および他の車両により大きな音声を提供し、テールランプ/テールランプカバー44に取り付けられた音声生成デバイス100は、搭乗者、車両10の背後/後方にいる歩行者および他の車両により大きな音声を提供する。
【0041】
図3に示す別の例示的な実施形態では、音声生成デバイス100は、リアパネル34の背後、バッテリボックス/ケース32の前方に配置される。リアパネル34は、シートアセンブリ18とフロアボード部材12の間に延びる車両10のパネルである。バッテリボックス32の周囲に配置される音声生成デバイス100はまた、全ての方向に等しい音声の強度で、搭乗者、周囲の歩行者、および他の車両の搭乗者に等しく適当な音声を与えるという同様の利点を有する。
【0042】
一実施形態では、本発明の音声生成デバイス100は、警笛またはツイータのような高周波数スピーカ、およびバス、ウーファまたはサブウーファのような低周波数スピーカなどのうちの1つとすることができる。本発明の一実施形態では、聴覚距離感は7~20メートルの範囲とすることができ、音声生成デバイス100によって生成される音声の強度は60db超とすることができる。
【0043】
本発明の音声生成デバイス100は、車載グレードである。したがって、これは耐環境性であり、耐震性でもある。また、音声生成デバイス100は、環境にさらされる可能性もあるし、サイドパネルで覆われる可能性もある。音声生成デバイス100がサイドパネルで覆われている場合には、格子または通気孔が設けられて、音声が遮蔽されたり反響したりせずに歩行者および他の車両の搭乗者に届くことを保証する。また、音声生成デバイス100は車載グレードであるので、音声生成デバイス100は、車両内の他の電子構成要素によるいかなる種類の磁気的干渉または信号干渉も受けない。
【0044】
別の例示的な実施形態では、車両10は、車両10の搭乗者に電話呼を通知するためのブザー(図示せず)を含むこともある。ブザーは、車両10のMP3プレーヤの一部とすることができる。ブザーは、開放的な車両環境において、車両上の、または車両の周囲の他者を煩わせることがないように、通常の音レベルより低い可聴レベルで動作する。車両内のBluetoothペアリングMP3プレーヤが、MP3デバイス自体の中の呼通知専用の小さなブザーに対して電話呼についての音を音声生成デバイス100を通して再生する。ブザーの可聴レベルは、運転者のみに聞こえるのに十分なレベルに維持されるので、車両の周囲にいる他の人がその音声に煩わされることはない。一実施形態では、ブザーは、連続音またはビープ音を生成するように構成される。
【0045】
本発明で開示される音声生成デバイスは、音声を生成し、その音声を効果的に伝えて他の搭乗者、歩道にいる人、および視覚障害者に通過する電気車両の動きに気付かせ、それにより事故を回避するスピーカであるので、有利である。音声生成デバイスを車両の一部分に取り付ける位置は、その部分が車両の最外側に位置し、音声生成デバイスによって生成される音声が、最小限の抵抗しか受けないことにより、電気車両の1つまたは複数の部分、電気車両の1人または複数人の搭乗者、および電気車両で搬送される荷物を通って途切れずに伝播するようになっている。したがって、この音声は、他の搭乗者、歩道を歩く人、または道路を横断する人に聞こえやすくすることができ、生成される音声は、搭乗者自身にとっては大きすぎない。したがって、車両内の音声生成デバイスは、騒音汚染を生じない。
【0046】
本発明は、音声生成デバイスが内燃機関のエンジン音と等価な音声を連続的に生成するので、電気自動車の移動中の歩行者および他の車両の搭乗者の死亡事故を回避する。このように、歩行者および他の車両の搭乗者は、自分の周りの電気車両の存在または接近に気付き、それにより死亡事故を回避する。
【0047】
本発明では、音声生成デバイスまたはラウドスピーカの位置は、安全であり、最大の音声が歩行者および他の車両の搭乗者に大きくなり過ぎることなく届くことを保証するのに最適である。したがって、電気車両内の音声生成デバイスでは、いかなる混乱を生じる音声の生成または騒音汚染もない。この音声生成デバイスは、車両内のデッドスペースを利用してコンパクトに2輪車両に設けられるので、車両の全体的なコストを増加させることなく、電気車両のスペース利用が最適に行われる。また、音声生成デバイスは、車両の各部で近くを通過する電気車両の周囲の歩行者または任意の他の車両に注意喚起するのに最適な位置に設置されるので、生成される音声は、電気車両の周囲に最適に分布する。
【0048】
本発明は、既存の2輪車両のコンパクトな設計のスペースの制約を克服する。これは、音声生成デバイスの安全性を保証し、また音声が道路上で車両の近傍に位置する他の人々に適切に届くことも保証しながら、音声生成デバイスを既存のレイアウト内に位置することによって達成される。
【0049】
さらに、音声生成デバイスは、音声生成デバイスを保護するように構成された車両の部分に取り付けられるので、大気にさらされることによる損傷から保護される。
【0050】
特定の実施形態に関連して本発明について説明したが、以下の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲を逸脱することなく、様々な変更および修正を加えることができることは、当業者には明らかである。
【国際調査報告】