(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】膨張弁コイル構造及び膨張弁
(51)【国際特許分類】
H02K 5/10 20060101AFI20241121BHJP
B32B 27/18 20060101ALI20241121BHJP
B32B 15/00 20060101ALI20241121BHJP
C23C 28/02 20060101ALI20241121BHJP
H02K 7/06 20060101ALI20241121BHJP
H02K 37/24 20060101ALI20241121BHJP
H02K 37/14 20060101ALI20241121BHJP
H02K 5/08 20060101ALI20241121BHJP
F16K 31/04 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
H02K5/10 Z
B32B27/18 E
B32B15/00
C23C28/02
H02K7/06 A
H02K37/24 Q
H02K37/14 535X
H02K37/14 535C
H02K5/08 A
F16K31/04 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525994
(86)(22)【出願日】2022-11-25
(85)【翻訳文提出日】2024-05-30
(86)【国際出願番号】 CN2022134248
(87)【国際公開番号】W WO2023098577
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】202122989503.4
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】張 積友
(72)【発明者】
【氏名】陳 勇好
(72)【発明者】
【氏名】鄭 利峰
【テーマコード(参考)】
3H062
4F100
4K044
5H605
5H607
【Fターム(参考)】
3H062AA02
3H062BB26
3H062BB33
3H062CC01
3H062FF38
3H062GG02
3H062HH04
3H062HH08
3H062HH09
4F100AB04A
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4K044AA02
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4K044BC02
5H605AA02
5H605BB10
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5H605CC01
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5H607AA05
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5H607CC03
5H607DD03
5H607EE52
5H607FF01
(57)【要約】
膨張弁コイル構造(100)及び膨張弁(200)である。膨張弁コイル構造(100)は、ステータハウジング(10)及び電磁極板(20)を含み、ステータハウジング(10)と電磁極板(20)とは対向して設けられ、ステータハウジング(10)及び電磁極板(20)にはいずれも複数の加工露出面(50)を有し、ステータハウジング(10)の表面、電磁極板(20)の表面及び各々の加工露出面(50)にはそれぞれ防錆層(60)が被覆されている。膨張弁(200)はコイル構造を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータハウジング及び電磁極板を含み、前記ステータハウジングと前記電磁極板とが対向して設けられる膨張弁コイル構造であって、
前記ステータハウジング及び前記電磁極板にはいずれも複数の加工露出面を有し、前記ステータハウジングの表面、前記電磁極板の表面及び各々の前記加工露出面にはそれぞれ防錆層が被覆されている、膨張弁コイル構造。
【請求項2】
前記防錆層の厚さは2μm~30μmである、請求項1に記載の膨張弁コイル構造。
【請求項3】
前記防錆層の厚さは8μm~16μmである、請求項2に記載の膨張弁コイル構造。
【請求項4】
前記防錆層は、めっき又は塗布の方式によって、前記ステータハウジングの表面、前記電磁極板の表面及び各々の前記加工露出面に被覆される、請求項1に記載の膨張弁コイル構造。
【請求項5】
前記ステータハウジングには、その周方向に沿って間隔をおいて分布された第1クローポールが複数加工形成され、前記電磁極板には、その周方向に沿って間隔をおいて分布された第2クローポールが対応して複数加工形成され、複数の前記第1クローポールと複数の前記第2クローポールとは、対向して設けられ且つ順に間隔をおいて挿着して設けられ、取り囲んで前記膨張弁コイル構造の内孔を形成する、請求項1に記載の膨張弁コイル構造。
【請求項6】
前記加工露出面は、前記第1クローポール及び前記第2クローポールの各々の表面を含む、請求項5に記載の膨張弁コイル構造。
【請求項7】
前記ステータハウジングには複数の第1位置決め孔が穿設されており、各々の前記第1位置決め孔の孔壁にはそれぞれ前記防錆層が被覆されている、請求項1に記載の膨張弁コイル構造。
【請求項8】
前記ステータハウジングの周方向側壁には逃げ口が穿設され、前記逃げ口の各々の表面にはいずれも前記防錆層が被覆されている、請求項1に記載の膨張弁コイル構造。
【請求項9】
前記電磁極板には複数の第2位置決め孔及び複数の第3位置決め孔が穿設されており、各々の前記第2位置決め孔及び各々の前記第3位置決め孔の孔壁にはそれぞれ前記防錆層が被覆されている、請求項1に記載の膨張弁コイル構造。
【請求項10】
コイル構造を含む膨張弁であって、前記コイル構造は、請求項1から9のいずれか一項に記載のコイル構造を採用する、膨張弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年11月30日に出願された出願番号が202122989503.4であり、発明の名称が「膨張弁コイル構造及び膨張弁」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は電磁弁の技術分野に関し、特に、膨張弁コイル構造及び膨張弁に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術において、膨張弁コイル構造の加工に採用される材料は、通常、表面に防錆材料が塗布されている。対応する材料を加工してステータハウジングと電磁極板とを形成した後、ステータハウジングと電磁極板の材料表面の防錆層の一部が破壊され、且つ加工形成された露出面も複数存在するため、成形される膨張弁コイル構造は防錆能力が大幅に低下してしまう。
【発明の概要】
【0004】
本出願の様々な実施例によれば、防錆能力が強化され、全面に防錆性のある膨張弁コイル構造及び膨張弁を提供する。
【0005】
本出願は、ステータハウジング及び電磁極板を含み、ステータハウジングと電磁極板とは対向して設けられ、ステータハウジング及び電磁極板にはいずれも複数の加工露出面を含み、ステータハウジングの表面、電磁極板の表面及び各々の加工露出面にはそれぞれ防錆層が被覆されている、膨張弁コイル構造を提供する。
【0006】
このように設計すると、成形後のステータハウジング及び電磁極板の各々の露出面にいずれも防錆層が被覆されることを確保することができ、ステータハウジング及び電磁極板の防錆能力を効果的に向上させることで、膨張弁コイル構造の防錆能力を強化させ、且つ膨張弁コイル構造の使用寿命を向上させる。
【0007】
一実施例において、防錆層の厚さは2μm~30μmである。
【0008】
この厚さの範囲内であると、防錆層の、電磁極板の透磁性能への影響が比較的小さく、且つ防錆効果が比較的良好である。透磁性能と防錆効果及び加工プロセスを総合的に考慮すると、防錆層の厚さは2μm~30μmの範囲で選択してもよい。この場合、加工精度に対する要求が比較的低く、加工の難易度が低下する。
【0009】
一実施例において、防錆層の厚さは8μm~16μmである。
【0010】
このように設計すると、防錆層の、電磁極板の透磁性能への影響は無視できる。
【0011】
一実施例において、防錆層は、めっき又は塗布の方式によって、ステータハウジングの表面、電磁極板の表面及び各々の加工露出面に被覆される。
【0012】
めっき又は塗布の方式によって、各々の表面に防錆層を加えるため、めっき又は塗布のプロセスが簡単であり、且つ各々の表面に対していずれも防錆層を均一に被覆することができ、特に、孔壁、折り曲げられた隅等の隠れた位置について、このプロセスは、隠れた位置を効果的に塗布することができる。
【0013】
一実施例において、ステータハウジングには、その周方向に沿って間隔をおいて分布された第1クローポールが複数加工形成され、電磁極板には、その周方向に沿って間隔をおいて分布された第2クローポールが対応して加工形成され、複数の第1クローポールと複数の第2クローポールとは、対向して設けられ且つ順に間隔をおいて挿着して設けられ、取り囲んで膨張弁コイル構造の内孔を形成する。
【0014】
一実施例において、加工露出面は、第1クローポール及び第2クローポールの各々の表面を含む。
【0015】
このように設計すると、第1クローポール及び第2クローポールの防錆性能を効果的に強化させる。
【0016】
一実施例において、ステータハウジングには複数の第1位置決め孔が穿設されており、各々の接続孔の孔壁にはそれぞれ防錆層が被覆されている。
【0017】
一実施例において、ステータハウジングの周方向側壁には逃げ口が穿設され、逃げ口の各々の表面にはいずれも防錆層が被覆されている。
【0018】
一実施例において、電磁極板には複数の第2位置決め孔及び複数の第3位置決め孔が穿設されており、各々の第2位置決め孔及び第3位置決め孔の孔壁にはそれぞれ防錆層が被覆されている。
【0019】
本出願は、コイル構造を含む膨張弁を更に提供し、コイル構造は、上記のいずれか一項に記載のコイル構造を採用する。
【0020】
本出願の1つ以上の実施例の詳細は、以下の図面及び記述中で説明される。本出願の他の特徴、目的及び利点は、明細書、図面及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
ここに開示されているこれらの発明の実施例及び/又は例示をより良く記述及び説明するために、1つ以上の図面を参照することができる。図面を説明するために用いられる追加の詳細又は例示は、開示された発明、ここで説明する実施例及び/又は例示、並びにここで理解されるこれらの発明の最適な形態のうちのいずれかの範囲を制限するものとしてみなされるべきではない。
【0022】
【
図1】本出願の一実施例におけるステータハウジングの構造模式図である。
【
図2】本出願の一実施例における電磁極板の構造模式図である。
【
図3】本出願の一実施例における膨張弁コイル構造の断面図である。
【
図4】本出願の一実施例における膨張弁の構造模式図である。
【
図5】本出願の一実施例における膨張弁の断面図である。
【0023】
100 膨張弁コイル構造、10 ステータハウジング、11 第1クローポール、12 逃げ口、14 第1位置決め孔、20 電磁極板、21 第2クローポール、22 耳部、23 第2位置決め孔、24 第3位置決め孔、30 コイルボビン、31 線挿入部、40 内孔、50 加工露出面、60 防錆層、70 コイル、200 膨張弁。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本出願の実施形態における図面を参照して、本出願の実施形態における技術態様を明確且つ完全に説明するが、説明した実施形態は、本出願の実施形態の一部にすぎず、全ての実施形態ではないことは明らかである。当業者が、本出願における実施形態に基づいて、創造的な労力なしに得られた全ての他の実施形態はいずれも本出願の保護範囲に属する。
【0025】
説明すべきこととして、アセンブリが他のアセンブリに「装着される」とされる場合、他のアセンブリに直接装着されてもよく、又は介在するアセンブリが存在してもよい。アセンブリが他のアセンブリに「設けられる」とみなされる場合、他のアセンブリに直接設けられてもよく、又は介在するアセンブリが同時に存在してもよい。アセンブリが他のアセンブリに「固定される」とみなされる場合、他のアセンブリに直接固定されてもよく、又は介在するアセンブリが同時に存在してもよい。
【0026】
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本出願の属する技術分野における当業者が通常理解している意味と同じである。ここで、本出願の明細書に使用される用語は、単に具体的な実施形態を説明することを目的とし、本出願を制限するものではない。本明細書に使用される「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目の1つ以上の任意の及び全ての組み合わせを含む。
【0027】
図3から
図5を参照すると、本出願は、主に弁体(図示せず)及びコイル構造から構成される膨張弁200を提供する。ここで、膨張弁コイル構造100は、ステータハウジング10及び電磁極板20を含み、ステータハウジング10と電磁極板20とは対向して設けられる。
【0028】
ステータハウジング10及び電磁極板20は、膨張弁コイル構造100の主要な構成部材であるが、従来技術においては、加工前に、ステータハウジング及び電磁極板を加工形成するための材料の表面には既に防錆めっき層が存在している。加工成形後、原材料の表面の防錆層は破壊され、成形されるステータハウジング及び電磁極板には、加工された切欠き及び切断面等の加工露出面が複数存在することになる。各加工露出面には防錆層がなく、ステータハウジング及び電磁極板が比較的錆びやすくなり、コイルを効果的に保護することができず、膨張弁200の使用寿命及び使用効果に影響を与える。
【0029】
このことから
図1及び
図2を参照すると、本出願において、ステータハウジング10及び電磁極板20にはいずれも複数の加工露出面50を含み、ステータハウジング10の表面、電磁極板20の表面及び各々の加工露出面50にはそれぞれ防錆層60が被覆されている。
【0030】
本出願は、加工成形後のステータハウジング10及び電磁極板20に防錆処理を行い、ステータハウジング10及び電磁極板20における加工露出面50に防錆層60を被覆することにより、全面的な防錆保護を実現し、ステータハウジング10及び電磁極板20の防錆能力を効果的に向上させることで、膨張弁コイル構造100の防錆能力を強化させ、膨張弁コイル構造100の使用寿命を延長させることができる。
【0031】
図1及び
図2を参照すると、ステータハウジング10には、その周方向に沿って間隔をおいて分布された第1クローポール11が複数加工形成され、電磁極板20には、その周方向に沿って間隔をおいて分布された第2クローポール21が対応して加工形成され、複数の第1クローポール11と複数の第2クローポール21とは、対向して設けられ且つ順に間隔をおいて挿着して設けられ、取り囲んで膨張弁コイル構造100の内孔40を形成する。
【0032】
一実施例において、加工露出面50は、第1クローポール11及び第2クローポール21の各々の表面を含む。ステータハウジング10及び電磁極板20にはそれぞれ複数の第1クローポール11及び第2クローポール21が加工形成されることで、原材料中の防錆層60が破壊され、また、加工により切断面又は切欠き等が更に生じるが、第1クローポール11及び第2クローポール21の加工後に形成された切断面及び/又は切欠きはいずれも防錆層60が被覆されて、第1クローポール11及び第2クローポール21の防錆能力を向上させる。
【0033】
膨張弁コイル構造100はコイルボビン30を更に含み、コイル70はコイルボビン30に巻きつけられてコイル巻線を構成し、コイル巻線はステータハウジング10と電磁極板20との間に位置し、また、巻きつけられたコイル70が膨張弁コイル構造100の内孔40外を取り囲むように、第1クローポール11及び第2クローポール21はコイル巻線内に位置する。
【0034】
図1を参照すると、ステータハウジング10には複数の第1位置決め孔14が穿設されており、コイルボビン30における位置決め突起が第1位置決め孔14内に入り込むことにより、コイルボビンとステータハウジング10との位置決めを実現することができる。いくつかの実施例において、各々の第1位置決め孔14の孔壁にはそれぞれ防錆層60が被覆されており、即ち、加工露出面50は第1位置決め孔14の孔壁の表面を含む。このようにして、細部からステータハウジング10を保護し、ステータハウジング10とコイルボビン30との接続部に錆びついて、ステータハウジング10とコイルボビン30との接続安定性及び使用寿命に影響を与えることを防止することができる。
【0035】
引き続き
図1及び
図3を参照すると、ステータハウジング10の周方向側壁には逃げ口12が穿設され、組み立てるとき、ステータハウジング10はコイルボビン30及び電磁極板20に覆設され、逃げ口は、コイルボビン30におけるステータハウジング10から突出した部分、例えば、コイルボビン30に有する突出した線挿入部31、電磁極板20における突出した耳部22を通過させるために用いられる。また、逃げ口12の各々の表面にはいずれも防錆層60が被覆されており、即ち、加工露出面50は逃げ口12の加工表面を含むことで、ステータハウジング10の部分位置に錆びつくことを防止し、ステータハウジング10の防錆能力を強化させる。
【0036】
更に
図2及び
図3を参照すると、電磁極板20には複数の第2位置決め孔23及び複数の第3位置決め孔24が穿設されており、各々の第2位置決め孔23及び第3位置決め孔24の孔壁にはそれぞれ防錆層60が被覆されており、即ち、加工露出面50は第2位置決め孔23及び第3位置決め孔24の孔壁の表面を含む。膨張弁コイル構造100は2つのコイルボビン30を含み、2つの電磁極板20は2つのコイルボビン30の間に位置し、且つ2つの電磁極板20における第2クローポールは互いに背中合わせに設けられ、ここで、第2位置決め孔23は、隣接する電磁極板20における位置決め突起に係合されて2つの電磁極板20間の互いの位置決め作用を実現するためのものであり、第3位置決め孔24は、コイルボビン30における位置決め突起に係合されて両者間の互いの位置決めを実現するためのものであることで、対応する2つのコイルボビン30が相対的に固定されて動かないようにし、コイルボビン30と電磁極板20とのシフトを防止する。
【0037】
一実施例において、第2位置決め孔23及び第3位置決め孔24は、位置決め位置が均一に分布され、位置決めがより安定になるように間隔をおいて交互に設けられる。
【0038】
一実施例において、複数の第2位置決め孔23及び複数の第3位置決め孔24は、電磁極板20の周方向に沿って配列され、電磁極板20の各方位がいずれも固定できるように確保し、電磁極板20のシフトを防止する。
【0039】
一実施例において、防錆層60は、めっき又は塗布の方式によって、ステータハウジング10の表面、電磁極板20の表面及び各々の加工露出面50に被覆される。めっき又は塗布の方式によって、各々の表面に防錆層60を加えるため、めっき又は塗布のプロセスが簡単であり、且つ各々の表面に対していずれも防錆層60を均一に被覆することができ、特に、孔壁、折り曲げられた隅等の隠れた位置について、このプロセスは、隠れた位置を効果的に塗布することができる。当然ながら、他の実施例において、防錆層60の加工の方式は上記記載のものに限定されない。
【0040】
一実施例において、防錆層60の厚さは2μm~30μmであり、防錆層60の厚さが2μm未満である場合、製造過程で表面のめっき層が損傷されて防錆作用が失われ、めっき層の厚さが30μmを超える場合、めっき層の厚さがやや大きく、めっき層が発泡して脱落しやすく、防錆作用が失われる。したがって、本出願において、防錆層60の厚さは2μm~30μmであり、この範囲内であると、防錆層60の、電磁極板20の透磁性能への影響が比較的小さいが、当然ながら、防錆層60の厚さが厚いほど、防錆層60の塗布又はめっきは工程精度の面での要求がより低いため、製品の加工コストを低下させる。当然ながら、他の実施例において、防錆層の厚さも前記の厚さに限定されず、実際の適用に応じて防錆層の厚さを決定してもよい。
【0041】
より好ましくは、防錆層60の厚さは8μm~16μmであり、このようにして、防錆層60の、電磁極板20の透磁性能への影響は無視できる。
【0042】
更に、防錆層60は、亜鉛めっき層、ニッケルめっき層、スズめっき層、クロムめっき層等であるが、当然ながら、他の防錆材料、例えば合金めっき層であってもよい。主に、適用環境に応じて対応する防錆層を選択し、例えば、有機酸環境下で、防錆層はスズめっき層として選択してもよく、電気化学的腐食が発生した場合、陽極に位置するめっき層の金属は、マトリックス金属を保護するように摩耗し続け、更には、ステータハウジング10及び電磁極板20に対して電気化学的保護の作用を果たす。
【0043】
一実施例において、防錆層は1層又は複数層設けられてもよく、且つ各層の防錆層の材料は同じでもよく、異なってもよく、例えば、まずステータハウジングの表面に亜鉛めっき層をめっきし、次に硬度が比較的高いクロムめっき層等をめっきする。
【0044】
一実施例において、ステータハウジング10及び電磁極板20は、非オーステナイト系ステンレス鋼を用いて製作される。このように設計すると、製品の透磁能力に影響を与えることなく、製品の耐蝕能力を更に向上させることができる。非オーステナイト系ステンレス鋼は、比較的良好な強度性能を有するため、第1クローポール11、第2クローポール21が変形しにくく、クローポールの変形による作動性能への影響を回避することができる。更に、クローポールの厚さを更に薄くすることができ、膨張弁200の小型化を実現するのに有利である。
【0045】
更には、説明すべきこととして、「第1」、「第2」等の単語を使用して部品を限定するのは、単に対応する部品を容易に区別するためのものであり、別途の記載がない限り、上述の単語は特別な意味を持たないため、本出願の保護範囲を制限するものとして理解されるべきではない。
【0046】
以上の実施例の各技術特徴は任意に組み合わせることができ、記述を簡潔にするために、上述の実施例における各技術特徴の全ての可能な組み合わせについて記述されていないが、これらの技術特徴の組み合わせに矛盾がない限り、いずれも本明細書に記載された範囲とみなされるべきである。
【0047】
以上の実施例は、単に本出願のいくつかの実施形態を示したものにすぎず、その記述が比較的に具体的且つ詳細ではあるが、そのために本出願の特許請求の範囲を制限するものとして理解されるべきではない。当業者にとって、本出願の趣旨を逸脱しないことを前提にいくつかの変形及び改善を行うこともでき、これらはいずれも本出願の保護範囲に含まれると指摘しておかなければならない。したがって、本出願の特許の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に準ずるものとすべきである。
【国際調査報告】