IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 華為技術有限公司の特許一覧

<>
  • 特表-電子装置 図1
  • 特表-電子装置 図2
  • 特表-電子装置 図3
  • 特表-電子装置 図4
  • 特表-電子装置 図5
  • 特表-電子装置 図6
  • 特表-電子装置 図7
  • 特表-電子装置 図8
  • 特表-電子装置 図9
  • 特表-電子装置 図10
  • 特表-電子装置 図11
  • 特表-電子装置 図12
  • 特表-電子装置 図13
  • 特表-電子装置 図14
  • 特表-電子装置 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】電子装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/12 20060101AFI20241121BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20241121BHJP
   H01Q 1/22 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
H01Q1/12 Z
F21V23/04 500
H01Q1/22 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526797
(86)(22)【出願日】2023-10-25
(85)【翻訳文提出日】2024-05-07
(86)【国際出願番号】 CN2023126378
(87)【国際公開番号】W WO2024099072
(87)【国際公開日】2024-05-16
(31)【優先権主張番号】202211383948.0
(32)【優先日】2022-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ウー,イエンリン
(72)【発明者】
【氏名】シュイ,ハイユイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ,ユインディー
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ニーン
【テーマコード(参考)】
3K014
5J047
【Fターム(参考)】
3K014GA03
5J047AA05
5J047AA07
5J047AA09
5J047AA14
5J047BG10
5J047EA04
(57)【要約】
本願は、機械部品とアンテナ本体とを含む電子装置を提供する。複数の支持リブが機械部品に配置されている。第1の方向における複数の支持リブの突起は離隔されている。第2の方向において複数の支持リブの一部の突起の間には間隙がある。第2の方向は第1の方向に対して垂直である。アンテナ本体は間隙に配置されている。本願で提供される電子装置によれば、アンテナ本体を取り付けるための別個の専用の支持体を設計することなく、支持リブが機械部品上に配置されている。アンテナ本体の確実な固定を実施するために、アンテナ本体は支持リブの間の間隙に取り付けられている。これにより、電子装置のスペースが節約され、電子装置の重さが低減され、アンテナ本体の取り付けが促進され、作業が促進される。加えて、金型による熱溶融後の通常の離型を実施するために、第1の方向における支持リブの突起は離隔されている。このように、熱溶融プロセスを用いることによりアンテナ本体と機械部品とを接続でき、アンテナ本体と機械部品との接続の信頼性を確かなものになる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械部品であって、該機械部品には複数の支持リブが配置され、第1の方向において該複数の支持リブの突起は離隔され、第2の方向において、前記支持リブのうちの少なくとも一部の突起の間には間隙があり、該第2の方向は該第1の方向に対して垂直である、機械部品と、
アンテナ本体であって、該アンテナ本体は前記間隙に配置されている、アンテナ本体と、
を含む電子装置。
【請求項2】
前記複数の支持リブは少なくとも1つの第1の支持リブ及び複数の第2の支持リブを含み、該第1の支持リブ及び該第2の支持リブは、前記アンテナ本体の両端にそれぞれ位置し、
前記第1の方向において、前記少なくとも1つの第1の支持リブの突起は、2つの隣接する前記第2の支持リブの突起の間に位置する、請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記第1の方向において、前記第1の支持リブ及び前記第2の支持リブの突起は交互に離隔されている、請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記アンテナ本体は直立部を含み、該直立部は平板構造である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項5】
前記アンテナ本体は直立部を含み、該直立部には、前記第1の方向に屈曲された屈曲構造が配置され、前記支持リブのうちの前記少なくとも一部は、該屈曲構造の側部に配置されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項6】
前記アンテナ本体は接続部をさらに含み、該接続部は前記直立部に接続され、前記直立部は、前記接続部を介して前記機械部品に固定されている、請求項4又は5に記載の電子装置。
【請求項7】
前記接続部は、熱溶融接続、リベット接続又はネジ接続を介して前記機械部品に固定されている、請求項6に記載の電子装置。
【請求項8】
前記アンテナ本体に少なくとも1つの給電部が配置され、該給電部は前記第1の方向において前記アンテナ本体の側部の方に屈曲され、前記給電部は前記支持リブによって支持されている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項9】
前記支持リブの高さは前記アンテナ本体の高さ以上である、請求項8に記載の電子装置。
【請求項10】
前記給電部は前記支持リブの頂部に接続されている、請求項8又は9に記載の電子装置。
【請求項11】
前記支持リブの側壁にボスが配置され、前記給電部は前記ボスに接続されている、請求項8又は9に記載の電子装置。
【請求項12】
前記給電部は、熱溶融接続、リベット接続又はネジ接続を介して前記支持リブに固定されている、請求項8乃至11のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項13】
第1の熱溶融ポールが前記支持リブに配置され、前記給電部は、該第1の熱溶融ポールが通過する第1の位置孔を備え、前記支持リブと前記給電部とは、熱溶融と、前記第1の熱溶融ポールと前記第1の位置孔との嵌合とを介して接続されている、請求項8乃至12のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項14】
前記接続部は回避ノッチを備え、前記支持リブは前記回避ノッチ内に配置されている、請求項6に記載の電子装置。
【請求項15】
前記機械部品に制限突起が配置され、該制限突起は前記回避ノッチ内に配置され、前記第2の方向において、前記制限突起は前記回避ノッチの側壁に当接する、請求項14に記載の電子装置。
【請求項16】
前記支持リブのうちの前記少なくとも一部は第1の補剛材及び第2の補剛材を含み、該第1の補剛材の端部は該第2の補剛材の端部に固定接続され、前記アンテナ本体をクランプするためのスロットが、前記第1の補剛材と前記第2の補剛材との間に設けられる、請求項1乃至15のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項17】
前記機械部品と前記支持リブとは一体的に形成されている、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項18】
前記間隙の幅寸法は前記アンテナ本体の厚さ寸法以上である、請求項1乃至17のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項19】
前記支持リブの材料は、プラスチック、ガラス又はセラミックである、請求項1乃至18のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項20】
前記電子装置は車載装置を含む、請求項1乃至19のいずれか一項に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は電子装置技術の分野に関し、具体的には電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車載製品におけるアンテナは概して支持アンテナの形態にある。つまり、専用の支持体を介してアンテナ鋼板が製品の回路基板に取り付けられている。しかしながら、車載製品の進化に伴い、従来の支持アンテナの解決策は、従来の支持アンテナが専用の支持体の構成を必要とするため顧客又は製品の要件を満たすことができず、その結果、アンテナの組み立てが複雑になり、占有スペースが大幅に大きくなり、支持アンテナの質量が過剰になる。
【発明の概要】
【0003】
本願の目的は、既存の支持アンテナのアンテナの組み立てが複雑になり、占有スペースが大幅に大きくなり、支持アンテナの質量が過剰になるという課題を解決する電子装置を提供することである。
【0004】
本願は、
機械部品であって、該機械部品には複数の支持リブが配置され、第1の方向において該複数の支持リブの突起は離隔され、第2の方向において、前記支持リブのうちの少なくとも一部の突起の間には間隙があり、該第2の方向は該第1の方向に対して垂直である、機械部品と、
アンテナ本体であって、該アンテナ本体は前記間隙に配置されている、アンテナ本体と、
を含む電子装置を提供する。
【0005】
本願で提供される電子装置によれば、アンテナ本体を取り付けるための別個の専用の支持体を設計することなく、支持リブが機械部品に配置されている。アンテナ本体の確実に固定を実施するために、アンテナ本体が支持リブ間の間隙に取り付けられている。これにより、電子装置のスペースが節約され、電子装置の重量が軽減され、アンテナ本体の取り付けを促進され、動作が促進される。
【0006】
加えて、金型の既存構造を変更することなく、金型による熱溶融後の通常の脱型を実施するために、第1の方向において支持リブの突起が離隔されている。このように、アンテナ本体と機械部品との接続の信頼性を確かなものにするために、アンテナ本体と機械部品とは、熱溶融プロセスを用いることにより接続できる。加えて、機械部品へのアンテナ本体の固定の信頼性を確かなものにするために、支持リブはアンテナ本体上の異なる位置に位置することができる。
【0007】
可能な設計では、複数の支持リブは少なくとも1つの第1の支持リブ及び複数の第2の支持リブを含む。第1の支持リブ及び第2の支持リブは、アンテナ本体の両端にそれぞれ位置する。第1の方向において、少なくとも1つの第1の支持リブの突起は、2つの隣接する第2の支持リブの突起の間に位置する。このように、アンテナ本体の複数の位置を支持して位置決めすることができ、機械部品へのアンテナ本体の取り付けの信頼性が確かなものになる。アンテナ本体を取り付けるための別個の専用の支持体を設計する必要がない。これにより、電子装置のスペースが節約され、電子装置の重量が軽減され、アンテナ本体の取り付けを促進され、動作が促進される。
【0008】
可能な設計では、第1の方向において、第1の支持リブ及び第2の支持リブの突起は交互に離隔されている。
【0009】
可能な設計では、アンテナ本体は直立部を含み、該直立部は平板構造である。
【0010】
平板構造を有する直立部全体の厚みは均一であり一貫している。第1の方向において支持リブの間に均一な間隙があり得るため、直立部を間隙にクランプでき、直立部をクランプする安定性を確かなものにできる。
【0011】
可能な設計では、アンテナ本体は直立部を含む。該直立部には、前記第1の方向に屈曲された屈曲構造が配置されている。支持リブのうちの前記少なくとも一部は、該屈曲構造の側部に配置されている。
【0012】
第1の方向において、少なくとも1つの支持リブが屈曲構造の側部に配置され、屈曲構造を支持し、屈曲構造の形状を確かなものにする。加えて、屈曲構造に位置する支持リブ及び第1の方向における他の支持リブの突起は離隔されている。これにより、離型を促進でき、ホットメルティングプロセスを用いることによりアンテナ本体と機械部品との間の接続及び固定を実施できる。
【0013】
可能な設計では、アンテナ本体は接続部をさらに含む。接続部は直立部に接続されている。直立部は、接続部を介して機械部品に固定されている。これにより、アンテナ本体と機械部品との間の接続及び固定の信頼性が確かなものになる。
【0014】
可能な設計では、接続部は、熱溶融接続、リベット接続又はネジ接続を介して機械部品に固定されている。どの固定方法を用いるかに関係なく、接続部は、アンテナ本体の高さ方向で機械部品に固定できる。これにより、動作を促進でき、ホットメルティングプロセスを用いる場合に離型も促進できる。
【0015】
可能な設計では、アンテナ本体に少なくとも1つの給電部が配置されている。給電部は第1の方向においてアンテナ本体の側部の方に屈曲されている。給電部は支持リブによって支持されている。
【0016】
給電部の、支持リブの後ろにある側は、バネを用いることによりPCBに当接し、給電部の、PCBの後ろにある側は支持リブによって支持されて、バネの押し出しにより給電部が変形するのを防止し得る。このように、給電部の寿命を延ばすことができる。これにより、給電部を介してアンテナ本体をPCBに長期間確実に接続することが確かになる。
【0017】
可能な設計では、支持リブの高さは前記アンテナ本体の高さ以上である。このように、高さ方向における支持リブとアンテナ本体との接触面積を最大化でき、アンテナ本体を制限及び支持する効果が高められる。
【0018】
可能な設計では、給電部は前記支持リブの頂部に接続されている。アンテナ本体を定位置に取り付けた後で、給電部を対応する支持リブの頂部に接続することにより、給電部を支持リブで支持できる。
【0019】
可能な設計では、支持リブの側壁にボスが配置されている。給電部はボスに接続されている。
【0020】
ボスは、支持リブの高さ方向における位置に位置し得る。この実施形態では、給電部は支持リブの頂部に接触していなくてもよいが、支持リブ上のボスに接触し得る。給電部はボスによっても支持できる。第1の方向における支持リブ上のボスの突起と、他の支持リブ及びその上にあるボスの突起は、通常の脱型を促進するために第1の方向において離隔されていることが理解されよう。
【0021】
可能な設計では、給電部は、熱溶融接続、リベット接続又はネジ接続を介して支持リブに固定されている。これにより、給電部と支持リブとの間の接続の信頼性が確保され、支持リブが給電部を効果的に支持することが確かなものになる。
【0022】
可能な設計では、第1の熱溶融ポールが支持リブに配置されている。給電部は、該第1の熱溶融ポールが通過する第1の位置孔を備える。支持リブと給電部とは、熱溶融と、第1の熱溶融ポールと第1の位置孔との嵌合とを介して接続されている。第1の位置孔は第1の熱溶融ポールと嵌合して、給電部と支持リブとの間の嵌合の位置精度が確かなものになる。
【0023】
可能な設計では、接続部は回避ノッチを備え、支持リブは回避ノッチ内に配置されている。このように、取り付けプロセスで、回避ノッチを対応する支持リブの位置に合わせ、アンテナ本体の直立部を間隙にクランプできる。最後に、接続部を機械部品に当接させて、その後の固定作業を促進できる。
【0024】
可能な設計では、機械部品に制限突起が配置されている。制限突起は回避ノッチ内に配置されている。第2の方向において、制限突起は回避ノッチの側壁に当接する。第2の方向は第1の方向に対して垂直である。制限突起は、第2の方向で回避ノッチの側壁に接触し得るため、制限突起によりアンテナ本体の第2の方向への移動を制限できる。これにより、アンテナ本体と機械部品との間の接続及び締結の信頼性が確保される。
【0025】
可能な設計では、支持リブのうちの前記少なくとも一部は第1の補剛材及び第2の補剛材を含む。第1の補剛材の端部は該第2の補剛材の端部に固定接続されている。アンテナ本体をクランプするためのスロットが、第1の補剛材と第2の補剛材との間に設けられる。
【0026】
第1の補剛材及び第2の補剛材は、アンテナ本体の両側にそれぞれ位置するため、アンテナ本体はアンテナ本体の2つの両側から第1の方向に制限され、アンテナ本体と機械部品との接続の信頼性がさらに確保される。
【0027】
可能な設計では、機械部品と支持リブとは一体的に形成されている。これにより、構造全体の信頼性が確保される。
【0028】
可能な設計では、間隙の幅寸法はアンテナ本体の厚さ寸法以上である。このように、アンテナ本体を間隙に容易にクランプして、アンテナ本体の取り付けを促進し、アンテナ本体のクランプの信頼性が確保される。
【0029】
可能な設計では、支持リブの材料は、プラスチック、ガラス又はセラミックである。この実施形態ではプラスチックが好ましく用いられる。一態様では、プラスチックは、加工及び生産を促進でき、コストが低い。別の態様では、プラスチックは電子装置の軽量化を実施するのに役立つ。
【0030】
可能な設計では、電子装置は車載装置を含む。
【0031】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は一例にすぎず、本願を制限することを意図しないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本願の実施形態における技術的解決策をより明確に説明するために、以下、実施形態を説明するための添付の図面について簡単に説明する。以下の説明における添付の図面は本願の一部の実施形態を示すにすぎず、当業者が創造的な努力をすることなく、これらの添付の図面から他の図面をさらに導き出し得ることは明らかである。
図1図1は、本願の一実施形態に係る電子装置の機械部品の概略図である。
図2図2は、本願の一実施形態に係るアンテナ本体と期間部品との嵌合状態の図である。
図3図3は、本願の一実施形態に係る機械部品の上面図である。
図4図4は、図3における位置Aの拡大図である。
図5図5は、図1における位置Bの拡大図である。
図6図6は、他のレイアウト形態における支持リブの概略図である。
図7図7は、本願の他の実施形態に係るアンテナ本体の構造の概略図である。
図8図8は、本願の他の実施形態に係るアンテナ本体の構造の概略図である。
図9図9は、本願のさらに他の実施形態に係るアンテナ本体と支持リブとの嵌合の上面図である。
図10図10は、本願のさらに他の実施形態に係るアンテナ本体と機械部品との嵌合のための構造の概略図である。
図11図11は、図10における位置Cの拡大図である。
図12図12は、本願のさらに他の実施形態に係るアンテナ本体と機械部品との嵌合状態の図である。
図13図13は、本発明の他の実施形態に係る電子装置の機械部品の概略図である。
図14図14は、本発明の他の実施形態に係る機械部品の上面図である。
図15図15は、本発明のさらに他の実施形態に係るアンテナ本体と機械部品との嵌合の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
参照符号
1:機械部品
11:制限突起
12:第2の熱溶融ポール
2:支持リブ
21:第1の支持リブ
22:第2の支持リブ
23:第1の補剛材
24:第2の補剛材
25:スロット
26:ボス
27:第1の熱溶融ポール
3:アンテナ本体
31:直立部
32:接続部
321:第2の位置孔
322:回避ノッチ
33:給電部
331:第1の位置孔
34:屈曲構造
H:間隙
【0034】
本願の技術的解決策のより良好な理解を容易にするために、添付の図面を参照して本願の実施形態を以下で詳細に説明する。本明細書で説明する特定の実施形態は、本願を説明するためのみに用いられ、本願を限定することを意図していないことを理解すべきである。
【0035】
本願の説明では、別段の指定及び限定がない限り、「第1」及び「第2」なる用語は説明の目的のために意図されたものにすぎず、相対的な重要性を指示又は含意するものとして理解すべきではない。別段の指定又は記述がない限り、「複数の」なる用語は2つ以上を意味する。「接続」、「固定」等の用語は広義に理解されるべきである。例えば、「接続」は固定接続であり得るか又は着脱可能な接続、一体的な接続又は電気的な接続であり得るか又は直接的な接続であり得るか又は中間媒体を介した間接的な接続であり得る。当業者は、特定の状況に基づいて本願における上記用語の特定の意味を解釈し得る。
【0036】
従来の車載製品は概して無線信号の受信及び送信機能を必要とする。この場合、アンテナを製品内に構成する必要がある。既存のアンテナは概して支持アンテナの形態である。つまり、アンテナはアンテナ鋼板及び専用支持体を含む。アンテナ鋼板は専用支持体に固定される。専用支持体は製品内の回路基板にねじ又は締結具を介して固定され得るか又は専用支持体は回路基板に溶接され得る。しかしながら、専用支持体はサイズが大きい。その結果、製品で大きな取り付けスペースを確保する必要があり、回路基板上で広い面積を占有する必要がある。これは製品の小型化及び軽量化並びに電子部品の集積化に大きな課題をもたらす。
【0037】
本願の実施形態は電子装置を提供する。電子装置は携帯電話、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、ノートブックコンピュータ、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(ultra-mobile personal computer、UMPC)、ネットブック、携帯電話、携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、拡張現実(augmented reality、AR)装置、仮想現実(virtual reality、VR)装置、人工知能(人工知能、AI)装置、ウェアラブル装置、車載装置、スマートホーム装置及び/又はスマートシティデバイスであり得る。本願の実施形態では、電子装置の特定の種類は限定されない。本願では、説明を容易にするために、電子装置が車載装置である例を説明のために用いる。
【0038】
電子装置は機械部品1及びアンテナ本体3を含む。機械部品1は電子製品のハウジングであり得るか又は構造、例えば一部の機能コンポーネントのハウジング、接続リブ若しくは補強リブであり得る。機械部品1はコンポーネントの取り付け、保護、支持等を実施し得る。
【0039】
図1図4に示すように、機械部品1には複数の支持リブ2が配置されている。第1の方向Xにおける複数の支持リブ2の突起は離隔されている。第2の方向2において、支持リブ2の少なくとも一部の突起の間に間隙Hがある。第2の方向Yは第1の方向Xに対して垂直である。2つ、3つ、4つ又はそれ以上の支持リブ2がある。アンテナ本体3が支持リブ2間の間隙Hにクランプされている場合、アンテナの両側は各支持リブ2に当接し得る。アンテナのクランプピングの安定性は各支持リブ2を介して確かなものできる。
【0040】
このように、アンテナ本体3を取り付けるための別個の専用支持体を設計することなく、支持リブ2が機械部品1に配置されている。アンテナ本体3は、アンテナ本体3の確実な固定を実施するために支持リブ2間の間隙Hに取り付けられている。これにより、電子装置のスペースが節約され、電子装置の重さが低減され、アンテナ本体3の取り付けが促進され、動作が促進される。
【0041】
加えて、アンテナ本体3が電子装置の機械部品1に組み付けられる場合、当業者は熱溶融プロセスを用いることによりアンテナ本体3を機械部品1に熱溶融することを概して考える。しかしながら、電子装置の機械部品1は概して不規則な形状であり、複雑な構造を有し、金型を用いてアンテナ本体3を構造に熱溶融することは不便である。アンテナ本体3と機械部品1との熱溶融接続を実施するために金型を用いることができるとしても、機械部品1は複雑な構造を有するため、例えば、複数の構造リブ及びスペーサを有するため、金型が干渉し得るか又は離型を実施することができないこともある。とりわけ、第1の方向Xにおいてアンテナ本体3の両側の支持リブ2の突起が重なる構造の場合、対向する2つの支持リブ2により離型が干渉される。その結果、既存の熱溶融金型の離型を実施できず、そのためアンテナ本体3と機械部品1との熱溶融接続を実施することができない。
【0042】
これに鑑み、本願では、図4に示すように、既存の金型の構造を変更することなく、金型による熱溶融後の通常の離型を実施するために第1の方向Xにおける支持リブ2の突起が離隔されている。このように、熱溶融プロセスを用いることによりアンテナ本体3と機械部品1とを接合して、アンテナ本体3と機械部品1との接合の信頼性を確かなものにする。加えて、機械部品1へのアンテナ本体3の固定の信頼性を確かなものにするために、支持リブ2はアンテナ本体3の異なる位置に位置することができる。
【0043】
具体的には、図4に示すように、複数の支持リブ2は少なくとも1つの第1の支持リブ21と、複数の第2の支持リブ22とを含む。第1の支持リブ21及び第2の支持リブ22はアンテナ本体3の両側にそれぞれ位置する。第1の方向Xにおいて、少なくとも1つの第1の支持リブ21の突起は、2つの隣接する第2の支持リブ22の突起の間に位置する。
【0044】
任意で、第1の方向Xにおける第1の支持リブ21及び第2の支持リブ22の突起は交互に離隔されている。すなわち、第1の方向Xにおいて、1つの第1の支持リブ21の突起は1つの第2の支持リブ22の突起に隣接する。複数の第1の支持リブ21及び複数の第2の支持リブ22がある場合、第1の支持リブ21及び第2の支持リブ22の突起は交互に配置されるため、アンテナ本体3に均一な応力をかけることができ、アンテナ本体3に不均一な応力がかかることによる有害な変形を回避できる。
【0045】
一実施形態では、図3図5に示すように、3つの支持リブ2がある場合、例えば、1つの第1の支持リブ21及び2つの第2の支持リブ22がある場合、3つの支持リブ2の突起は、第1の方向Xにおいて互いに離隔されている。第1の支持リブ21はアンテナ本体3の一方の側に位置し得る。2つの第2の支持リブ22はアンテナ本体3の他方の側に位置し得る。加えて、アンテナ本体3の他方側に位置する別個の第1の支持リブ21の突起は、アンテナ本体の他方の側に位置する2つの第2の支持リブ22の突起の間に位置する。このように、アンテナ本体3に均一な応力を加えることができ、アンテナ本体3は不均一な応力が加えられて有害な変形を生じることが防止される。
【0046】
別の実施形態では、4つ以上の支持リブ2がある場合、4つ以上の支持リブ2の突起は第1の方向Xにおいて互いに離隔されている。4つの支持リブ2がある例を説明のために用いる。図6に示すように、具体的には、アンテナ本体3の一方側に2つの第1の支持リブ21があり、アンテナ本体3の他方側に2つの第2の支持リブ22がある場合、2つの第1の支持リブ21及び2つの第2の支持リブ22の突起は均等で交互に分布し得るか又は2つの第1の支持リブ21の突起は隣接する2つの隣接する第2の支持リブ22の突起の間に一緒に位置し得る。支持リブ2を配置するためにどの方法を用いるかに関わらず、第1の方向Xにおいて支持リブ2の突起を離隔でき、アンテナ本体3の複数の位置を支持及び配置できる。これにより、機械部品1へのアンテナ本体3の取り付けの信頼性が確かなものになる。
【0047】
加えて、さらに別の実施形態では、2つの支持リブ2がある場合、すなわち、1つの第1の支持リブ21及び1つの第2の支持リブ22がアンテナ本体3の両側にそれぞれ配置されている場合、2つの支持リブ2の位置は第1の方向Xにおいて互いにずれている。このように、第1の方向Xにおいて、2つの支持リブ2の突起の間に特定の間隔があり、第1の方向Xにおいて2つの支持リブ2の間に特定の間隙Hがある。アンテナ本体3は間隙Hでクランプされ得る。アンテナの両側はそれぞれ2つの支持リブ2に当接し得る。2つの支持リブ2の支持を介してアンテナのクランプの安定性も確かなものにできる。加えて、2つの支持リブ2の突起は第1の方向Xにおいて互いにずれているため、2つの支持リブ2をアンテナ本体3の2つの異なる位置に当接させて、アンテナ取り付けの安定性を確かなものにできる。加えて、アンテナ本体3を取り付けるための別個の専用の支持体を設計することなく、支持リブ2が機械部品1に配置される。アンテナ本体3の確実な固定を実施するために、アンテナ本体3は支持リブ2の間の間隙Hに取り付けられる。これにより、電子装置のスペースが節約され、電子装置の重さが低減され、アンテナ本体3の取り付けが促進され、作業が促進される。具体的には、一実施形態では、図7及び図8に示すように、アンテナ本体3は直立部31を含む。直立部31は平板構造である。平板構造を有する直立部31全体にわたる厚さは均一で一貫している。第1の方向Xにおいて支持リブ2の間に均一な間隙Hがあり得るため、直立部31を間隙Hでクランプして、直立部31のクランプの安定性を確かなものにできる。平板構造の直立部31は加工や製造の容易さ、機械部品1への組み付けの容易さのために規則的な形状であり得る。直立部31は薄い金属板であり得る。金属板は、鉄鋼、銅、銀等からできていてもよい。金属板の厚さは、0.4mm、0.5mm、0.6mm等であり得るか又は他の厚さ寸法を有していてもよく、それはアンテナ性能に応じて具体的に決定され得る。
【0048】
別の実施形態では、代替的に、第1の方向Xにおいて支持リブ2の間に不均一な間隙があり得る。例えば、アンテナ本体3の厚さが不均一な場合、アンテナ本体3の確実な固定を実施するために不均一な間隙が支持リブ2間に配置され得る。加えて、均一な間隙は略均一な間隙であることが理解されよう。製造又は組み立てプロセスで生じる特定の誤差が許容される。
【0049】
しかしながら、複雑な構造を有する機械部品1の場合、アンテナ本体3をクランプするために用いる間隙Hを直線に沿って広げることが困難であるか又はアンテナの放射性能に基づいて、アンテナ本体3は必ずしも平板構造でないことがある。その結果、別の実施形態では、図9に示すように、アンテナ本体3は直立部31を含む。第1の方向Xに屈曲された屈曲構造34が直立部31に配置されている。支持リブ2の一部は屈曲構造34の側部に配置されている。
【0050】
図9に示すように、屈曲構造34は、限定されないが、U字状、V字状、W字状等であり得る。屈曲構造34は、第1の方向Xにおいてアンテナ本体3のいずれかの側の方に屈曲されて得る。例えば、1つの屈曲構造34がある場合、屈曲構造34は、第1の方向Xにおいて、直立部31の側とは反対の側又は側の方に屈曲され得る。2つ以上の屈曲構造34がある場合、屈曲構造34の屈曲方向は同じであり得るか又は部分的に異なり得る。任意で、屈曲構造34の全て又は屈曲構造34の一部について、第1の方向Xにおいて、少なくとも1つの支持リブ2が屈曲構造34の片側又は両側に配置され得る。屈曲構造34は、屈曲構造の形状が確保するために支持リブ2によって支持され得る。加えて、第1の方向Xにおいて、屈曲構造34に位置する支持リブ2及び他の支持リブ2の突起は離隔されている。これにより離型が促進され、熱溶融プロセスを用いることによりアンテナ本体3及び機械部品1の各位置の間の接続及び固定を実施できる。
【0051】
図9に示すように、屈曲構造34の両側に支持リブ2がある場合、第2の方向Yにおいて同じ屈曲構造34の両側の支持リブ2の突起の間に間隙Hがあり、アンテナ本体3は間隙Hに確実に固定され得る。
【0052】
加えて、図9に示すように、アンテナ本体3が屈曲構造34を有する場合、第2の方向Yにおいて、支持リブ2は屈曲構造34の一部の位置の片側又は両側にさらに配置され得る。加えて、第2の方向Yにおける同じ屈曲構造34の両側の支持リブ2の第1の方向Xにある突起の間に間隙H’がある。間隙H’はアンテナ本体3の固定の信頼性を改善するためにアンテナ本体3を取り付けるために用いられ得る。
【0053】
屈曲構造の屈曲深さ、弧度及び開口幅等のサイズは、回避する必要がある構造のサイズ又はアンテナの放射性能に基づいて決定され得る。本願の実施形態ではこれに限定されない。
【0054】
具体的には、図7及び図8に示すように、アンテナ本体3は接続部32をさらに含む。接続部32は直立部31に接続されている。直立部31は、接続部32を介して機械部品1に固定されている。
【0055】
直立部31が支持リブ2の間でクランプされている場合、フラッタのリスクがある。これに鑑みて、アンテナ本体3は、接続部32を介して機械部品1全体に固定接続され得る。これにより、アンテナ本体3と機械部品1との間の接続及び固定の信頼性を確かなものにできる。
【0056】
アンテナ本体3は一体形成構造であり得る。具体的には、アンテナ本体3が製造されるときに、直立部31と接続部32とが一体的に形成され得る。これにより、加工及び製造を促進でき、アンテナ本体3の構造的な信頼性も改善できる。直立部31及び接続部32は、互いに垂直に接続され得る。接続部32は金属板であり得る。金属板は面積が大きい。このように、アンテナ本体3の安定性を確かなものにするために接続部32と機械部品1との間に大きな接触面積がある。
【0057】
具体的には、接続部32は熱溶融接続、リベット接続又はネジ接続の方法で機械部品1に固定され得る。どの固定方法を用いるかに関わらず、アンテナ本体3の高さ方向に接続部32を機械部品1に固定できる。例えば、リベット接続の方法が用いられる場合、アンテナ本体3の高さ方向にリベットを接続部32に貫通させ、次いで機械部品1に固定され得る。熱溶融接続の方法が用いられる場合、接続部32又は機械部品1の特定の位置が熱溶融型を用いることによりアンテナ本体3の高さ方向に熱溶融され得る。このように、アンテナ本体3の高さ方向に接続部32が機械部品1に固定され、作業を促進し、熱溶融プロセスが用いられる場合の離型も促進され得る。
【0058】
図7に示すように、接続部32は第2の位置孔321を備える。図5に示すように、機械部品1は第2の熱溶融ポール12を備える。第2の熱溶融ポール12は第2の位置孔321を貫通する。アンテナ本体3は、第2の熱溶融ポール12と第2の位置孔321との熱溶融及び嵌合を介して機械部品1に接続されている。アンテナ本体3の特定の取り付けプロセスでは、事前位置決めを実施するために接続部32の第2の位置孔321を第2の熱溶融ポール12に予めスリーブし、熱溶融金型を用いることにより、第2の熱溶融ポール12の、第2の位置孔321を貫通し且つ超える部分を熱溶融して、接続部32と機械部品1との固定接続が実施され得る。このように、接続部32と機械部品1との位置精度を確かなものにするために第2の位置孔321が第2の熱溶融ポール12に嵌合される。
【0059】
任意で、図7及び図8に示すように、回避ノッチ322が接続部32に配置されている。支持リブ2は回避ノッチ322に配置されている。可能な実施では、支持リブ2は機械部品1の一部であり得る。アンテナ本体3を取り付ける前に、支持リブ2のレイアウトが決定される。この設計が用いられる場合、支持リブ2を移動及び変更することができない。この場合、アンテナ本体3を支持リブ2の高さ方向でのみ間隙Hに取り付けることができる。したがって、取り付けプロセスにおいてアンテナ本体3と支持リブ2との間の干渉を回避するために、接続部32に回避ノッチ322が配置され得る。取り付けの間、回避ノッチ322は対応する支持リブ2の位置に整合し得る。そして、アンテナ本体3の直立部31が間隙H内にクランプされ得る。最後に、接続部32を機械部品1に当接させることができる。これにより、その後の固定作業が促進される。
【0060】
任意で、図4及び図5に示すように、制限突起11が機械部品1に配置されている。制限突起11は回避ノッチ322に配置されている。第2の方向Yにおいて、制限突起11は回避ノッチ322の側壁に当接する。第2の方向Yは第1の方向Xに対して垂直である。
【0061】
接続部32が機械部品1に当接した後、機械部品1の制限突起11が、第2の方向Yで回避ノッチ322の側壁に当接し得る。制限突起11を用いることにより、アンテナ本体3が第2の方向Yに動くのを制限できるため、アンテナ本体3と機械部品1との接続及び固定の信頼性が確かなものになる。
【0062】
このように、支持リブ2間の協働を通じてアンテナ本体3が第1の方向Xに動くのを制限し、制限突起11を用いることによりアンテナ本体3が第2の方向Yに動くのを制限し、熱溶融接続、リベット接続又はネジ接続を介して接続部32を機械部品1に固定することによりアンテナ本体3が高さ方向に動くのを制限することで、アンテナと機械部品1との接続の信頼性が確かなものになる。
【0063】
任意で、図10及び図11に示すように、支持リブ2の少なくとも一部は第1の補剛材23及び第2の補剛材24を含む。第1の補剛材23の端部は第2の補剛材24の端部に固定接続されている。第1の補剛材23と第2の補剛材24との間に、アンテナ本体3をクランプするためのスロット25が設けられている。
【0064】
アンテナ本体3が取り付けられると、アンテナ本体3を第1の方向Xに分布する補剛材の間の間隙Hにクランプでき、第1の補剛材23と第2の補剛材24との間のスロット25にさらにクランプされ得る。第1の補剛材23及び第2の補剛材24はアンテナ本体3の両側にそれぞれ位置するため、アンテナ本体3は、アンテナ本体3の両側から第1の方向Xに制限され、アンテナ本体3と機械部品1との間の接続の信頼性がさらに確かなものになる。
【0065】
図11に示すように、第1の方向Xにおいて第1の補剛材23及び第2の補剛材24の突起が重なっているため、第1の補剛材23及び第2の補剛材24の高さが等しい場合、熱溶融接続の間離型が困難である。これに鑑みて、任意で、第1の補剛材23の高さは第2の補剛材24の高さよりも低く設定される。第1の補剛材23の高さは第2の補剛材24の高さよりも低くすることができる。これにより離型が促進され、熱溶融プロセスを用いることによりアンテナ本体3と機械部品1との固定接続を実施できる。
【0066】
第1の補剛材23及び第2の補剛材24によって形成される支持リブ2は、機械部品1を製造する際に一体的に形成され得る。
【0067】
例えば、図7及び図8に示すように、少なくとも1つの給電部33がアンテナ本体3に配置される。給電部33は第1の方向Xにおいて且つアンテナ本体3の側部の方に屈曲されている。給電部33は支持リブ2によって支持されている。任意で、給電部33はバネを介して回路基板、例えばプリント回路基板(Printed Circuit Board、PCB)に接続され得る。給電部33及びPCBは、給電部33とPCBとの間の確実な接触を確かなものにするためにバネを押し出し得る。しかしながら、給電部33及びPCBがバネを押し出すと、バネも給電部33に対して反力を生じ、その結果、給電部33がある程度変形する。給電部33が支持リブ2によって支持されていないと、給電部33は長期間の使用により不可逆的に変形する。その結果、給電部33はバネを有効に押し出すことができず、アンテナ本体3とPCBとの接触が不良となる。この実施形態では、支持リブ2及びPCBは給電部33の両側にそれぞれ配置し得る。すなわち、給電部33の、支持リブ2の後ろにある側はバネを用いることによりPCBに当接させることができ、給電部33の、PCBの後ろにある側は支持リブ2によって支持され得るため、バネの押し出しによる給電部33の変形が防止される。このように、給電部33の寿命を延ばすことができる。給電部33を介してアンテナ本体3を基板に長時間確実に接続することができる。任意で、給電部33の数は実際の要件に基づいて設定される。図7に示すように、給電部33は1つのみであってもよい。図8に示すように、2つの給電部33があってもよい。図12図14に示すように、3つの給電部33があってもよい。
【0068】
任意で、図15に示すように、支持リブ2の高さはアンテナ本体3の高さ以上である。このように、高さ方向における支持リブ2とアンテナ本体3との接触面積を最大化でき、アンテナ本体3を制限及び支持する効果が高められる。もちろん、支持リブ2の高さは代替的にアンテナ本体3の高さよりも若干低くてもよい。この場合に、アンテナの安定した支持も確保できる。
【0069】
例えば、アンテナ本体3の均一な高さを有する場合、アンテナ本体3の安定した支持を確かなものにするために支持リブ2の高さをアンテナ本体3の高さと略等しくてもよい。この実施形態では、支持リブ2の高さは等しくしてもよい。
【0070】
例えば、アンテナ本体3の異なる位置の高さが異なる場合、異なる位置にある支持リブ2の高さはアンテナ本体3の対応する位置の高さと略等しくてもよい。これにより、高さの異なるアンテナ本体3を確実に支持できる。この実施形態では、支持リブ2の一部又は全ての高さは異なっていてもよく、これは、固定する必要があり且つアンテナ本体3上にある位置の高さに基づいて具体的に決定され得る。
【0071】
任意で、支持リブ2の高さは等しいため、支持リブ2からアンテナ本体3に加わる力が均一且つ一貫したものになる。これにより、支持リブ2からアンテナ本体3に加わる力が過度に大きいか又は過度に小さいことによりアンテナ本体3が撓み変形する問題が回避される。例えば、アンテナ本体3の一方側の支持リブ2の高さが、アンテナ本体3の他方側の支持リブ2の高さよりも小さい場合、高さの大きい支持リブ2は、高さが小さい支持リブ2が位置する方向にアンテナ本体3を屈曲させる。その結果、アンテナ本体3が変形する。アンテナ本体3の両側の支持リブ2の高さが同じである場合、アンテナ本体3の両側には均等に応力がかかり、アンテナ本体3が側方に屈曲する問題を回避される。
【0072】
具体的な実施形態では、支持リブ2の高さはアンテナ本体3の高さと等しく、給電部33は支持リブ2の頂部に接続されている。アンテナ本体3を所定の位置に取り付けた後、給電部33は対応する支持リブ2の頂部に接合され得るため、給電部33を支持リブ2により支持できる。
【0073】
他の具体的な実施形態では、図15に示すように、支持リブ2の側壁にボス26が配置されている。給電部33はボス26に接続されている。ボス26は、支持リブ2の高さ方向の位置に位置し得る。この実施形態では、給電部33は支持リブ2の頂部に接触していなくてもよく、支持リブ2のボス26に接触し得る。給電部33はボス26によっても支持できる。任意で、第1の方向Xにおける支持リブ2上のボス26の突起と、第1の方向Xにおける他の支持リブ2及びその上のボス26の突起とは離隔され、通常の脱型が促進される。
【0074】
具体的には、給電部33は、熱溶融接続、リベット接続又はネジ接続を介して支持リブ2に固定される。これにより、給電部33と支持リブ2との接続の信頼性が確かなものになり、支持リブ2が給電部33を有効に支持することを確かなものにする。
【0075】
具体的には、図5に示すように、第1の熱溶融ポール27が支持リブ2に配置される。図7に示すように、給電部33は、第1の熱溶融ポール27が通過する第1の位置孔331を備える。支持リブ2と給電部33とは、第1の熱溶融ポール27と第1の位置孔331との間の熱溶融及び嵌合を介して接続されている。
【0076】
アンテナ本体3が取り付けられる場合、給電部33を予め位置決めするために給電部33の第1の位置孔331を第1の熱溶融ポール27に予めスリーブされる。そして、第1の熱溶融ポール27の、第1の位置孔331を通過する位置が金型を用いて熱溶融して給電部33と支持リブ2との熱溶融固定を実施する。このように、第1の位置孔331が第1の熱溶融ポール27に嵌合して給電部33と支持リブ2との嵌合の位置精度が確かなものになる。
【0077】
任意で、機械部品1と支持リブ2との接続の信頼性を確かなものにするために、機械部品1と支持リブ2とが一体的に形成されている。すなわち、構造全体の信頼性を確かなものにするために機械部品1の製造時に各支持リブ2が一体的に形成される。
【0078】
任意で、支持リブ2間に形成される間隙Hの幅寸法はアンテナ本体3の厚み寸法以上であり得る。このように、アンテナ本体3を間隙Hに容易にクランプでき、アンテナ本体3の取り付けが促進され、アンテナ本体3のクランプの信頼性が確かなものになる。
【0079】
具体的には、支持リブ2の材質は、限定されないが、プラスチック、ガラス、セラミック等であり得る。この実施形態では、プラスチックが好ましく用いられる。一態様では、プラスチックは加工及び生産を促進でき且つ低コストである。別の態様では、プラスチックは、軽量の電子装置の実施に役立つ。
【0080】
上記の説明は本願の好ましい実施形態にすぎず、本願を限定することを意図しない。当業者にとって、本願は様々な変更及び変形を有し得る。本願の精神及び原理から逸脱することなくなされた任意の変更、同等の置換、改良等も本願の保護範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-05-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械部品であって、該機械部品には複数の支持リブが配置され、第1の方向において該複数の支持リブの突起は離隔され、第2の方向において、前記支持リブのうちの少なくとも一部の突起の間には間隙があり、該第2の方向は該第1の方向に対して垂直であ該間隙はアンテナ本体を配置するために用いられる、機械部品、
を含む電子装置。
【請求項2】
前記複数の支持リブは少なくとも1つの第1の支持リブ及び複数の第2の支持リブを含み、該第1の支持リブ及び該第2の支持リブは、前記アンテナ本体の両端にそれぞれ位置し、
前記第1の方向において、前記少なくとも1つの第1の支持リブの突起は、2つの隣接する前記第2の支持リブの突起の間に位置する、請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記第1の方向において、前記第1の支持リブ及び前記第2の支持リブの突起は交互に離隔されている、請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記電子装置はアンテナ本体を含み、該アンテナ本体は直立部を含み、該直立部は平板構造である、請求項1に記載の電子装置。
【請求項5】
前記アンテナ本体は直立部を含み、該直立部には、前記第1の方向に屈曲された屈曲構造が配置され、前記支持リブのうちの前記少なくとも一部は、該屈曲構造の側部に配置されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項6】
前記アンテナ本体は接続部をさらに含み、該接続部は前記直立部に接続され、前記直立部は、前記接続部を介して前記機械部品に固定されている、請求項4に記載の電子装置。
【請求項7】
前記接続部は、熱溶融接続、リベット接続又はネジ接続を介して前記機械部品に固定されている、請求項6に記載の電子装置。
【請求項8】
前記アンテナ本体に少なくとも1つの給電部が配置され、該給電部は前記第1の方向において前記アンテナ本体の側部の方に屈曲され、前記給電部は前記支持リブによって支持されている、請求項1乃至のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項9】
前記支持リブの高さは前記アンテナ本体の高さ以上である、請求項8に記載の電子装置。
【請求項10】
前記給電部は前記支持リブの頂部に接続されている、請求項8に記載の電子装置。
【請求項11】
前記支持リブの側壁にボスが配置され、前記給電部は前記ボスに接続されている、請求項8に記載の電子装置。
【請求項12】
前記給電部は、熱溶融接続、リベット接続又はネジ接続を介して前記支持リブに固定されている、請求項8に記載の電子装置。
【請求項13】
第1の熱溶融ポールが前記支持リブに配置され、前記給電部は、該第1の熱溶融ポールが通過する第1の位置孔を備え、前記支持リブと前記給電部とは、熱溶融と、前記第1の熱溶融ポールと前記第1の位置孔との嵌合とを介して接続されている、請求項8に記載の電子装置。
【請求項14】
前記接続部は回避ノッチを備え、前記支持リブは前記回避ノッチ内に配置されている、請求項6に記載の電子装置。
【請求項15】
前記機械部品に制限突起が配置され、該制限突起は前記回避ノッチ内に配置され、前記第2の方向において、前記制限突起は前記回避ノッチの側壁に当接する、請求項14に記載の電子装置。
【請求項16】
前記支持リブのうちの前記少なくとも一部は第1の補剛材及び第2の補剛材を含み、該第1の補剛材の端部は該第2の補剛材の端部に固定接続され、前記アンテナ本体をクランプするためのスロットが、前記第1の補剛材と前記第2の補剛材との間に設けられる、請求項1乃至3、6、7、9乃至15のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項17】
前記機械部品と前記支持リブとは一体的に形成されている、請求項1乃至3、6、7、9乃至15のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項18】
前記間隙の幅寸法は前記アンテナ本体の厚さ寸法以上である、請求項1乃至3、6、7、9乃至15のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項19】
前記支持リブの材料は、プラスチック、ガラス又はセラミックである、請求項1乃至3、6、7、9乃至15のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項20】
前記電子装置は車載装置を含む、請求項1乃至3、6、7、9乃至15のいずれか一項に記載の電子装置。
【国際調査報告】