(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】一体型光学系ベースの光検出装置
(51)【国際特許分類】
G01D 5/353 20060101AFI20241121BHJP
G02B 6/42 20060101ALI20241121BHJP
G02B 6/26 20060101ALI20241121BHJP
G02B 6/27 20060101ALI20241121BHJP
G01N 21/21 20060101ALI20241121BHJP
G01J 1/02 20060101ALI20241121BHJP
G01J 1/10 20060101ALI20241121BHJP
G01D 5/28 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
G01D5/353 A
G02B6/42
G02B6/26
G02B6/27
G01N21/21 Z
G01J1/02 M
G01J1/10
G01D5/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529361
(86)(22)【出願日】2022-11-16
(85)【翻訳文提出日】2024-05-23
(86)【国際出願番号】 KR2022018086
(87)【国際公開番号】W WO2023096257
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】10-2021-0162102
(32)【優先日】2021-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522173480
【氏名又は名称】オプトニクス・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】OPTONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】(OPTONICS CO., LTD, Wolchul-dong) 63, Cheomdan venture so-ro 15beon-gil, Buk-gu, Gwangju 61003
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジュ、ソン-ミン
(72)【発明者】
【氏名】リ、ヨン-ウ
【テーマコード(参考)】
2F103
2G059
2G065
2H137
【Fターム(参考)】
2F103BA04
2F103EB11
2F103EC01
2F103EC09
2F103EC14
2G059AA05
2G059EE05
2G059FF08
2G059JJ17
2G059JJ19
2G059JJ20
2G059JJ22
2G059LL02
2G059NN02
2G059NN03
2G065AA04
2G065AB10
2G065BA09
2G065BB02
2G065BB14
2G065BB32
2G065BB33
2G065BC05
2G065CA11
2G065DA05
2H137AA14
2H137AB05
2H137BA01
2H137BA15
2H137BB12
2H137BB17
2H137BC42
2H137BC50
2H137BC53
2H137BC71
2H137CA12A
2H137CA13A
2H137CA74
2H137CC01
2H137EA02
2H137HA06
(57)【要約】
本発明は、複数の入力信号間の偏光及び光パワー(optical power)の差を感知し、光ファイバセンサープローブ内・外部の環境的変化をセンシングする光検出装置であって、前記光ファイバの一部が収容された状態で内在された複数の光ファイバピグテールブロックと、前記ピグテールブロックとの境界面が互いに光学的に接着された多数の光学素子からなる一体型光学系と、前記光学系から受け付けられた複数の偏光の成分間比較のためのバランス光検出素子と、を含むことを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入力信号間の偏光及び光パワー(optical power)の差を感知し、光ファイバセンサープローブ内・外部の環境的変化をセンシングする光検出装置であって、
前記光ファイバの一部が収容された状態で内在された複数の光ファイバピグテールブロックと、
前記光ファイバピグテールブロックとの境界面が互いに光学的に接着された多数の光学素子からなる一体型光学系と、
前記一体型光学系から受け付けられた複数の偏光の成分間比較のためのバランス光検出素子と、を含む一体型光学系ベースの光検出装置。
【請求項2】
前記光ファイバピグテールブロックは、
低熱膨張ガラス材質からなり、前記光ファイバが安着されるV状またはU状加工溝をそれぞれ備えた複数のブロックが互いにかみ合っていることを特徴とする、請求項1に記載の一体型光学系ベースの光検出装置。
【請求項3】
前記一体型光学系は、
入力信号1の光源を45度回転させる45度回転子と、
前記入力信号1と入力信号2を50:50で分配させるビーム分配器と、
前記ビーム分配器を通じて前記入力信号1と前記入力信号2の光源を分配及び交差させ、この信号の偏光を分離する複数の偏光分配器と、を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の一体型光学系ベースの光検出装置。
【請求項4】
前記複数の偏光分配器は、
前記ビーム分配器の上段側と側面側にそれぞれ配置され、その境界面は、光学的接着により付着されたことを特徴とする、請求項3に記載の一体型光学系ベースの光検出装置。
【請求項5】
ダミーブロックをさらに含み、
前記ダミーブロックは、前記複数の偏光分配器の境界面にそれぞれの側面が光学的に接着されて、前記ビーム分配器に対して対角線上に配置され、低熱膨張シリカ材質からなることを特徴とする、請求項4に記載の一体型光学系ベースの光検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光検出装置に関し、より詳細には、偏光変化をベースとする光センサー及び光受信機の信号対雑音比を増大させるための光計測システムに適用される一体型光学系ベースの光検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、光信号をベースとした光センサーシステムには、バランス光検出装置が適用されている。このようなバランス光検出装置は、光計測器の信頼性及び正確度を確保するための非常に重要な機器である。一方、バランス光検出装置は、二つの入力信号間の光パワー差を感知して、光ファイバセンサープローブ内・外部の環境的変化をセンシングする方式で作動する。ここで、二つの入力信号のリファレンス信号とセンシング信号間の偏光及び光パワー差の変化を極大化することがセンサーの信頼性を向上させるのに役立つ。
【0003】
特に、従来のバランス光検出装置は、光源の光パワーに影響を及ぼすノイズを効果的に除去することにより、光計測器の信号対雑音比を上昇させ、測定値の正確度を向上させる。
【0004】
一方、一般に、バルク型偏光分配器及びビーム分配器光学部品の整列を通じて、偏光相違バランス光検出装置を構成している。即ち、従来のバルク型光学部品は、光信号が効果的に伝送できるように光整列(optical alignment)が行われる。
【0005】
図2を参照すると、このような光整列は、各光学部品を支持するマウント1に装着される間あるいはマウントに装着された後に行われる。即ち、光ファイバ2とバルク光学系3とのカップリングを通じて挿入損失を最小化し、光信号のパワー減少を最小化する整列作業が行われる。
【0006】
一方、既存の機械的光学系整列とは別に、バルク型光学部品に対して、接着剤を利用した結合が行われる。即ち、従来は、光学部品間の光整列を行った後、最適の整列状態で接着させる方式が適用されている。
【0007】
しかし、このような機械的または接着方式による光整列は、整列状態を持続的に保持しにくく、外部衝撃や振動に反応して光整列がずれるか、温度や湿度の変化に反応して光整列状態が変形する短所がある。したがって、光学部品が互いに離れた状態で装着される構造において光学系は、光学素子間の精密な整列が要求される。
【0008】
図1を参照すると、従来は、精密な光整列のために、半円の溝23、25、26が形成された整列本体(22)が開示され、これを通じて光学部品を整列する技術が開示されている。
【0009】
しかし、整列本体22は、光学部品間の整列が簡便にできる長所があるが、これは、既存の光学部品の形状を考慮して整列本体22を個別的に製作しなければならない煩わしい問題がある。また、互いに異なる形態の整列本体22に応じて、光学レンズ及びミラー、光ファイバーなどのような光素子の大きさ及び形態が変わるため、これによる光学部品の光整列も別途行わなければならない問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】大韓民国公開特許第10-1994-0017015号
【特許文献2】大韓民国公開特許第10-2010-0043709号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述のような問題点を解消するために創案されたもので、外部振動や温度変化による光特性変化を最小化し、別途の整列作業が不要であって、光学的接着により光損失を最小化して、光伝送効率を極大化することができる一体型光学系ベースの光検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記のような目的を達成するための本発明の一実施形態によると、複数の入力信号間の偏光及び光パワー(optical power)の差を感知し、光ファイバセンサープローブ内・外部の環境的変化をセンシングする光検出装置であって、前記光ファイバの一部が収容された状態で内在された複数の光ファイバピグテールブロックと、前記光ファイバピグテールブロックとの境界面が互いに光学的にそれぞれ接着された多数の光学素子からなる一体型光学系と、前記一体型光学系から受け付けられた複数の偏光の成分間比較のためのバランス光検出素子とを含む一体型光学系ベースの光検出装置が提供される。
【0013】
好ましくは、前記光ファイバピグテールブロックは、温度変化に鈍感な低熱膨張ガラス素材からなる。ここで、前記光ファイバピグテールブロックは、前記光ファイバが安着されるV状またはU状加工溝をそれぞれ備えた複数のブロックが互いにかみ合った構造からなる。
【0014】
好ましくは、前記一体型光学系は、入力信号1の光源を45度回転させる45度回転子と、入力信号1と入力信号2を50:50で分配させるビーム分配器と、前記ビーム分配器を通じて前記入力信号1と前記入力信号2の光源が分配及び交差されて、この信号の偏光を分離する複数の偏光分配器と、を含む。
【0015】
好ましくは、前記複数の偏光分配器は、前記ビーム分配器の上段側と側面側にそれぞれ配置され、その境界面は、光学的接着により付着される。
【0016】
好ましくは、前記複数の偏光分配器の境界面にそれぞれの側面が光学的に接着されて、前記ビーム分配器に対して対角線上に配置され、前記ビーム分配器及び偏光分配器と同一な素材または低熱膨張シリカ材質からなるダミーブロックが提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、第一、光学部品を一体型で接着し、光学ブロック及び光ファイバーを別途整列する工程が不要である。
【0018】
第二、一体型光学系を提供することにより、光学部品間に境界領域が形成されず、既存の境界領域で発生する光損失を最小化して、外部衝撃や振動に反応してずれること(誤整列)を根本的に遮断することができ、これを通じて光検出装置の測定信頼性を高めることができる。
【0019】
第三、出力される光源の光損失を最小化し、安定的な光検出が可能であって、光源及びセンシング光信号の円滑な伝送を具現することができる。
【0020】
第四、低熱膨張ガラス素材の一体型光学系をベースとするため、温度変化による光特性変化を最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、従来の光学部品用整列本体の斜視図である。
【
図2】
図2は、従来のバルク型光部品ベースの偏光相違バランス光検出装置の構成図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施例による一体型光学系ベースの偏光相違バランス光検出装置の概略的な構成図である。
【
図4】
図4は、
図3の一体型光学系に対する平面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。添付の図面は、当業者に本発明の思想が十分伝達できるように例として提供されるもので、本発明は、以下提示される図面に限定されず、他の形態で具体化することもできる。また、明細書全体において、同一な構成要素に対しては、同一の符号を付与して説明する。
【0023】
図3及び
図4を参照すると、本発明の一体型光学系ベースの光検出装置は、ベース10に多数の光ファイバピグテールブロックBが提供される。ここで光ファイバーピグテールブロックBは、それぞれ低熱膨張ガラス素材からなる下段ブロックと上段ブロックとの間にV状またはU状加工溝が形成される。そして、V状またはU状加工溝に光ファイバーがピグテールされた状態で、互いにかみ合った状態のブロック形態で提供される。ここで光ファイバピグテールブロックBは、必要に応じて、光検出器(光受光部)及びGRIN(distributed index lens, gradient index lens)レンズが結合された光ファイバコリメータ(光入出力部)に代替して構成することができる。このように構成すると、光結合時、整列の難易度を調節し、光損失を最小化することに役立つ。
【0024】
一方、光ファイバピグテールブロックBは、入力信号1(Reference signal 1)と入力信号2(Sensing signal 2)の端子を収容した構成で提供できる。
【0025】
具体的に、45度偏光回転子50が、入力信号1が入光される側であるビーム分配器40の前方に配置される。これにより、入力信号1が、光源自体の信号として、45度偏光回転子50を通じて45度だけ回転され、線偏光された参照信号(Reference signal)となり、この信号がビーム分配器40を通じて50:50で分配するか、あるいは偏光保持光ファイバーベースの入力信号1がダミーブロック及びコリメータを経て、方向が直接45度回転され、線偏光された信号を45度回転させた光をビーム分配器40に入光させて、50:50で分配することができる。
【0026】
入力信号2(Sensing signal 2)は、光ファイバーセンサープローブを経てサンプル信号(Sample signal)が入力されるが、入力信号2が入力される光端子は、入力信号1の光源と交差できるように、入力信号1が受け付けられる光端子がビーム分配器40に結合する。
【0027】
このように結合されたビーム分配器40を通じて入力信号1の光信号と入力信号2の光信号とが互いに交差し、50:50の比率でそれぞれ偏光分配器(30a、30b;30)に伝送される。ここで偏光分配器30a、30bは、ビーム分配器40の上部及び側部に配置される。好ましくは、偏光分配器30a、30bの安定的な結合のために、低熱膨張シリカ材質のブロックからなるダミーブロック20が配置され、一体型光学系を構成する。
【0028】
このように構成された光学系は、再び偏光分配器30a、30bを通じて入力信号1と入力信号2の光信号をそれぞれP-偏光P1とS-偏光S1、そしてP-偏光P2とS-偏光S2に分けて、光学的に接着された光ファイバピグテールブロック(ここでB1及びB2、B3及びB4は、それぞれ入力信号とセンシング信号端の入力端として機能する)を通じて4チャンネルに分岐される。
【0029】
このように本発明は、計6つの光ファイバーピグテールブロックB1~B4、45度偏光回転子50、ビーム分配器40、偏光分配器30a、30b、及びダミーブロック20が、それぞれ光学的接着を通じて一体型光学系として提供される。
【0030】
次に、4チャンネルに分岐されたP-偏光(P1、P2)及びS-偏光(S1、S2)の成分は、それぞれの偏光成分間の比較のためのバランス光検出素子60に受け付けられ、演算過程を通じて光信号を検出する。
【0031】
一方、本発明で光学的接着のために、一体型光学系を構成する各光学素子の一面は、ほぼ同じ表面形状になるようにし、研磨作業を通じて表面粗度及び表面質(surface quality)の性能を高め、洗浄を通じて異物を除去する。
【0032】
このような光学的接着は、分子間引力(Van der Waals Force)による接合であって、接着境界領域がなくなる効果があるため、光学部品を通過した光信号が境界領域で損傷や損失なしに安定的に伝達できる特徴がある。
【0033】
即ち、光学的接着は、接着しようとする対象物を互いにほぼ同じ曲率で仕上げ処理し、表面を洗浄した後、そのままあるいは水、ベンゼンに濡らして圧着する工程からなる。このような光学的接着は、表面状態で付着後、時間が経過するにつれて付着力がだんだん増加し、接着面の間隔は、4μm以下であって、接合による角度誤差がほとんど生じず、接着後に歪みが生じない特性がある。
【0034】
また、本発明では、低熱膨張ガラス素材を適用し、光学素子の屈折率が同一なものを適用することにより、光学素子間の損失なしに、安定的に光信号を伝達して検出できるようにする。
【0035】
具体的に本発明は、偏光相違バランス光検出装置を構成するにおいて、低熱膨張ガラス素材からなる一体型光学系を提供する。これにより、外部振動及び温度変化による光特性の変化を最小化することができる。また、偏光分配器30a、30b及び45度偏光回転子50、ビーム分配器40、光ファイバピグテールブロックB1~B4を光学的接着し、光学ブロック及び光ファイバ間の別途の整列なしに、簡単に構成することができる。
【0036】
特に、このような光学ブロックの一体化は、適用されるそれぞれの光学ブロックが直角度を有するように加工し、加工面間の別途の接着剤なしに、光学的接着方式で相互接着させることにより、境界面がなくなる効果を発生させて、境界面で発生する光損失を最小化することができる。
【0037】
また、本発明は、光源及びセンシング光信号の円滑な伝送を通じて、出力される光源の光損失を最小化することができる。また、光ファイバーとバルク型光学素子間のカップリングを直接接着して一体化することにより、既存の別途の整列工程が不要であって、光伝送効率も極大化できる。
【0038】
さらに、既存のバルク型光学部品の機械的方式や接着剤を利用した結合は、光学部品間の光整列を行った後、最適の整列状態で機械的に固定(fix)させるか接着させる方式を活用したが、本発明では、加工面間の別途の接着剤なしに、光学的接着方式で相互接着させることにより、外部衝撃や振動に反応して歪んだり(誤整列されたり)、温度や湿度の変化に反応して光損失及びノイズの増大を最小化することができる。
【0039】
以上、本発明を詳細にまたは特定の実施例を参照して説明したが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではない。したがって、本発明の請求の範囲に記載された範囲内で発明の技術的思想と要旨を逸脱することなく、様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
【国際調査報告】