(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】切断ガイドワイヤ及び血栓吸引システム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/3207 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
A61B17/3207
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531170
(86)(22)【出願日】2023-05-30
(85)【翻訳文提出日】2024-05-23
(86)【国際出願番号】 CN2023097174
(87)【国際公開番号】W WO2024103686
(87)【国際公開日】2024-05-23
(31)【優先権主張番号】202211439559.5
(32)【優先日】2022-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522091988
【氏名又は名称】上海瑛泰医療器械股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shanghai INT Medical Instruments Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】周▲紅▼欣
(72)【発明者】
【氏名】梁▲棟▼科
(72)【発明者】
【氏名】宦▲ウェイ▼
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼春明
(72)【発明者】
【氏名】程光
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160EE21
4C160EE30
4C160MM36
(57)【要約】
本願に係わる切断ガイドワイヤ及び血栓吸引システムでは、切断ガイドワイヤは、ガイドワイヤ本体と、血栓切断部材と、を含み、ガイドワイヤ本体の遠位端は吸引カテーテル内に挿通されるのに適し、血栓切断部材はガイドワイヤ本体の遠位端に接続され、吸引カテーテル内に配置されるのに適し、ガイドワイヤ本体の駆動により吸引カテーテル内を移動して吸引カテーテル内の血栓を切断する切断状態を有し、血栓切断部材は、切断部を含み、切断部の断面積は遠位端から近位端への方向に沿って徐々に大きくなる。ガイドワイヤ本体の遠位端に血栓切断部材が接続され、血栓切断部材が切断部を含み、切断部の断面積が遠位端から近位端への方向に沿って徐々に大きくなることで、ガイドワイヤ本体によって血栓切断部材を吸引カテーテル内に配置して移動させて吸引カテーテル内の血栓を切断する時、尖端状の切断部は吸引カテーテル内に詰まった血栓を切断して破砕することができ、それによって、吸引カテーテルの内部に閉塞が発生することを回避できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断ガイドワイヤであって、
遠位端が吸引カテーテル(3)内に挿通されるのに適したガイドワイヤ本体(1)と、
前記ガイドワイヤ本体(1)の遠位端に接続され、前記吸引カテーテル(3)内に配置されるのに適し、前記ガイドワイヤ本体(1)の駆動により前記吸引カテーテル(3)内を移動して前記吸引カテーテル(3)内の血栓を切断する切断状態を有する血栓切断部材(2)と、を含み、
前記血栓切断部材(2)は、切断部(21)を含み、前記切断部(21)の断面積は遠位端から近位端への方向に沿って徐々に大きくなることを特徴とする切断ガイドワイヤ。
【請求項2】
前記切断部(21)の側壁面は円錐台面又は放物面であることを特徴とする請求項1に記載の切断ガイドワイヤ。
【請求項3】
前記切断部(21)の周側面に複数の凸部及び/又は複数の凹部が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の切断ガイドワイヤ。
【請求項4】
前記血栓切断部材(2)は、前記ガイドワイヤ本体(1)と前記切断部(21)との間に接続される接続部(22)をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の切断ガイドワイヤ。
【請求項5】
前記接続部(22)の断面積は近位端から遠位端への方向に沿って徐々に大きくなることを特徴とする請求項4に記載の切断ガイドワイヤ。
【請求項6】
前記接続部(22)は円錐台構造又は放物面構造であることを特徴とする請求項5に記載の切断ガイドワイヤ。
【請求項7】
前記血栓切断部材(2)は、螺旋部(23)をさらに含み、前記螺旋部(23)は前記接続部(22)に接続され、前記ガイドワイヤ本体(1)は前記螺旋部(23)内に挿通されることを特徴とする請求項3に記載の切断ガイドワイヤ。
【請求項8】
前記ガイドワイヤ本体(1)の近位端に接続されることで、前記ガイドワイヤ本体(1)を回転駆動するノブをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の切断ガイドワイヤ。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の切断ガイドワイヤを含むことを特徴とする血栓吸引システム。
【請求項10】
負圧部材、コネクタ、切断ガイドワイヤ、吸引カテーテル(3)及びカテーテルハンドル(4)をさらに含み、前記コネクタは前記負圧部材と前記吸引カテーテル(3)との間に接続され、前記カテーテルハンドル(4)は前記吸引カテーテル(3)の近位端に接続され、前記切断ガイドワイヤは前記吸引カテーテル(3)内に配置されるのに適し、前記吸引カテーテル(3)の遠位端の側壁に複数の側孔(31)が設けられることを特徴とする請求項9に記載の血栓吸引システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2022年11月17日に中国特許庁に提供された、出願番号が202211439559.5、発明の名称が「切断ガイドワイヤ及び血栓吸引システム」である中国特許出願の優先権を主張し、その全内容が援用により本願に組み込まれている。
【0002】
本願は、医療機器の技術分野に関し、具体的には、切断ガイドワイヤ及び血栓吸引システムに関する。
【背景技術】
【0003】
血栓吸引は、近年、臨床に応用されている効果的な方法であり、機械的作用によって、病変血管を閉塞する血栓を迅速に吸引除去することを目的とし、血栓負荷や微小血管塞栓を軽減し、冠状動脈血流を変化させ、術後の「血流低下」や「リフローなし」の発生の可能性を低減させることができる。
【0004】
従来技術における血栓吸引カテーテルシステムは、負圧吸引ポンプ、血栓吸引カテーテル、内管、Y字型コネクタ及びガイドワイヤを含み、使用時、まず、ガイドワイヤを人体の病変部位に送り、次に、血栓吸引カテーテルと内管を非常に滑らかなガイドワイヤの尾端に沿って病変部位に挿入し、Y字型コネクタを介して負圧吸引ポンプを血栓吸引カテーテルに連通させ、ガイドワイヤ及び内管を引き抜き、その後、負圧吸引装置によって血栓吸引カテーテルに負圧を加え、カテーテルの端部を血栓に位置合わせし、さらに血栓吸引カテーテルによって血栓を血管内から吸引して体外に除去する効果を実現する。
【0005】
しかしながら、上記血栓吸引カテーテルシステムは、新鮮で柔らかい塞栓や急性血栓の塊を吸引することができるが、亜急性血栓を吸引する場合、チューブを塞ぎやすく、さらに血栓吸引カテーテルによる血栓の吸引を妨げてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本願が解決しようとする技術的課題は、従来技術における血栓吸引カテーテルシステムでは、新鮮で柔らかい塞栓や急性血栓の塊を吸引することができるが、亜急性血栓を吸引する場合、チューブを塞ぎやすく、さらに血栓吸引カテーテルによる血栓の吸引を妨げてしまうことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このために、本願は、
遠位端が吸引カテーテル内に挿通されるのに適したガイドワイヤ本体と、
前記ガイドワイヤ本体の遠位端に接続され、前記吸引カテーテル内に配置され、前記ガイドワイヤ本体の駆動により前記吸引カテーテル内を移動して前記吸引カテーテル内の血栓を切断する切断状態を有する血栓切断部材と、を含み、
前記血栓切断部材は、切断部を含み、前記切断部の断面積は遠位端から近位端への方向に沿って徐々に大きくなる、切断ガイドワイヤを提供する。
【0008】
選択可能に、前記切断部の側壁面は円錐台面又は放物面である。
【0009】
選択可能に、前記切断部の周側面に複数の凸部及び/又は複数の凹部が設けられる。
【0010】
選択可能に、前記血栓切断部材は、前記ガイドワイヤ本体と前記切断部との間に接続される接続部をさらに含む。
【0011】
選択可能に、前記接続部の断面積は近位端から遠位端への方向に沿って徐々に大きくなる。
【0012】
選択可能に、前記接続部は円錐台構造又は放物面構造である。
【0013】
選択可能に、前記血栓切断部材は、螺旋部をさらに含み、前記螺旋部は前記接続部に接続され、前記ガイドワイヤ本体は前記螺旋部内に挿通される。
【0014】
選択可能に、前記ガイドワイヤ本体の近位端に接続されることで、前記ガイドワイヤ本体を回転駆動するノブをさらに含む。
【0015】
上記に記載の切断ガイドワイヤを含む血栓吸引システムである。
【0016】
選択可能に、負圧部材、コネクタ、切断ガイドワイヤ、吸引カテーテル及びカテーテルハンドルをさらに含み、前記コネクタは前記負圧部材と前記吸引カテーテルとの間に接続され、前記カテーテルハンドルは前記吸引カテーテルの近位端に接続され、前記切断ガイドワイヤは前記吸引カテーテル内に配置されるのに適し、前記吸引カテーテルの遠位端の側壁に複数の側孔が設けられる。
【発明の効果】
【0017】
本願に係る切断ガイドワイヤ及び血栓吸引システムは、以下の利点を有する。
【0018】
1.本願に係る切断ガイドワイヤは、ガイドワイヤ本体と、血栓切断部材と、を含み、前記ガイドワイヤ本体の遠位端は吸引カテーテル内に挿通されるのに適し、血栓切断部材は前記ガイドワイヤ本体の遠位端に接続され、前記血栓切断部材は、前記吸引カテーテル内に配置され、前記ガイドワイヤ本体の駆動により前記吸引カテーテル内を移動して前記吸引カテーテル内の血栓を切断する切断状態を有し、前記血栓切断部材は、切断部を含み、前記切断部の断面積は遠位端から近位端への方向に沿って徐々に大きくなる。
【0019】
2.本願に係る切断ガイドワイヤでは、前記血栓切断部材は、螺旋部をさらに含み、前記螺旋部は前記接続部に接続され、前記ガイドワイヤ本体は前記螺旋部内に挿通される。
【0020】
この構造の切断ガイドワイヤは、接続部に螺旋部が設けられることで、血栓を除去する時、螺旋部全体を血栓に挿入して血栓を切断して破砕し、その後、螺旋部を血栓から引き抜く時、螺旋部は破砕された血栓を血栓の塊から引き出し、さらに血栓除去効果を向上させることができる。
【0021】
3.本願に係る血栓吸引システムは、負圧部材、コネクタ、切断ガイドワイヤ、吸引カテーテル及びカテーテルハンドルをさらに含み、前記コネクタは前記負圧部材と前記吸引カテーテルとの間に接続され、前記カテーテルハンドルは前記吸引カテーテルの近位端に接続され、前記切断ガイドワイヤは前記吸引カテーテル内に配置されるのに適し、前記吸引カテーテルの遠位端の側壁に複数の側孔が設けられる。
【0022】
この構造の血栓吸引システムは、吸引カテーテルの遠位端の側壁に複数の側孔が設けられることで、血管の内径よりも遥かに小さい血栓吸引カテーテルを使用するだけで血管の内側壁における血栓を除去することを達成できる。また、吸引カテーテルの先端の開口部又は側孔のいずれかの口部が血栓によって閉塞されている場合、カテーテルを交換することなくほかの開口部で血栓を吸引し続けることができ、血栓を迅速かつ徹底的に吸引し、失血量を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本願の具体的な実施形態又は従来技術の技術案をより明確に説明するために、以下、具体的な実施形態又は従来技術の説明に使用される必要のある図面を簡単に説明し、明らかなように、以下の説明における図面は本願のいくつかの実施形態であり、当業者であれば、創造的な労働をせずに、これらの図面に基づいてほかの図面を得ることもできる。
【0024】
【
図1】本願の実施例に係る切断ガイドワイヤ及び血栓吸引システムの全体構造模式図である。
【
図2】本願の実施例に係る切断ガイドワイヤ及び血栓吸引システムのカテーテルハンドルの構造模式図である。
【
図3】本願の実施例に係る切断ガイドワイヤ及び血栓吸引システムのカテーテルハンドルの分解構造模式図である。
【
図4】本願の実施例に係る切断ガイドワイヤ及び血栓吸引システムの遠位端の構造模式図である。
【
図5】本願の実施例に係る切断ガイドワイヤ及び血栓吸引システムの遠位端の構造分解模式図である。
【
図6】本願の実施例に係る切断ガイドワイヤ及び血栓吸引システムの血栓切断部材の構造模式図である。
【
図7】本願の実施例に係る切断ガイドワイヤ及び血栓吸引システムの血栓切断部材の別の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら本願の技術案を明確かつ完全に説明し、明らかなように、説明される実施例は、本願の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をせずに得るすべてのほかの実施例は、本願の保護範囲に属する。
【0026】
なお、本願の説明において「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」等の用語で指示される方位又は位置関係は、図示に基づく方位又は位置関係であり、本願を説明しやすくし且つ説明を簡略化するためのものに過ぎず、係る装置又は素子が必ず特定の方位を有したり、特定の方位で構成及び操作されたりすることを指示又は暗示しないため、本願を限定するものではないと理解すべきである。また、「第1」、「第2」、「第3」のような用語は、説明の目的にのみ用いられ、相対的な重要性を指示又は暗示しないことを理解すべきである。また、以下に説明される本願の様々な実施形態に係る技術的特徴は、互いに矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。
【0027】
なお、本願の説明において、本願に記載の遠位端は、血栓切断部材に近い端部であり、近位端は、カテーテルハンドルに近い端部である。
【0028】
実施例1
本実施形態は、切断ガイドワイヤを提供し、
図1~
図7に示すように、ガイドワイヤ本体1と、血栓切断部材2と、を含み、血栓切断部材2はガイドワイヤ本体1の遠位端に接続され、ガイドワイヤ本体1の遠位端と血栓切断部材2は吸引カテーテル3内に挿通されるためのものであり、ガイドワイヤ本体1の近位端を手で持って血栓切断部材2を駆動して吸引カテーテル3内を往復移動させることで、吸引カテーテル3内の血栓を切断し、吸引カテーテル3が閉塞されて血栓吸引カテーテル3による血栓の吸引を妨げることを防止する。
【0029】
図6及び
図7に示すように、血栓切断部材2は、切断部21と、接続部22と、を含み、接続部22は、ガイドワイヤ本体1と切断部21との間に接続される。切断部21の断面積は遠位端から近位端への方向に沿って徐々に大きくなり、即ち、切断部21は、円錐台形状の構造、又は円錐形状の構造、又は放物面形状の構造である。
【0030】
理解できる点として、ほかのいくつかの実施形態では、切断部21は、尖端状をなすほかの構造であってもよく、ここで、尖端状の構造によって、切断部21が血栓に接触する時、血栓の内部に挿入されやすくなり、血栓を切断して破砕することができる。
【0031】
理解できる点として、ほかのいくつかの実施形態では、切断部21の表面には、血栓切断効果を向上させることが可能な複数の凸部が設けられてもよく、複数の凹部が設けられてもよい。
【0032】
図6に示すように、接続部22は柱状であり、柱状構造によって、血栓切断部材2が血栓内を移動しやすくなる。
【0033】
ほかのいくつかの実施形態では、接続部22の断面積は近位端から遠位端への方向に沿って徐々に大きくなり、即ち、接続部22は、円錐台構造又は放物面構造である。
【0034】
ほかのいくつかの実施形態では、血栓切断部材2は、螺旋部23をさらに含み、螺旋部23は接続部22に固定して接続され、ガイドワイヤ本体1は螺旋部23内に挿通され、血栓を除去する時、螺旋部23は血栓に挿入されて血栓を切断して破砕し、その後、螺旋部23を血栓から引き抜く時、螺旋部23は破砕された血栓を血栓の塊から引き出し、さらに血栓除去効果を向上させることができる。
【0035】
ほかのいくつかの実施形態では、ガイドワイヤ本体1の近位端にノブが接続され、操作者はノブによってガイドワイヤ本体1の回転を制御することができる。
【0036】
ここで、ガイドワイヤ本体1は、ニッケルチタン合金材料が用いられ、形状記憶性に優れており、ガイドワイヤ本体1の遠位端の表面に親水性コーティングが含まれるため、ガイドワイヤ本体1の操作性が良好である。
【0037】
ほかのいくつかの実施形態では、ガイドワイヤ本体1と血栓切断部材2は接続箇所において夾角をなして設けられ、即ち、ガイドワイヤ本体1の軸線と血栓切断部材2の軸線との間に夾角が存在することで、湾曲した血栓切断部材2は血栓を破砕できるとともに、血栓を血管壁から剥離することができ、血栓吸収により有利である。
【0038】
実施例2
本実施例は、血栓吸引システムを提供し、
図1~
図7に示すように、吸引カテーテル3、カテーテルハンドル4、ブッシング5、シースチューブ6及び切断ガイドワイヤを含み、切断ガイドワイヤは、実施例1における切断ガイドワイヤである。
【0039】
図2及び
図3に示すように、カテーテルハンドル4はシースチューブ6に差し込み接続され、シースチューブ6はブッシング5を介して吸引カテーテル3に差し込み接続され、切断ガイドワイヤの遠位端は吸引カテーテル3の内部に挿設され、カテーテルハンドル4はカテーテルを制御するために用いられる。
【0040】
ここで、
図4及び
図5に示すように、吸引カテーテル3の遠位端に複数の側孔31が設けられ、吸引カテーテル3の遠位端の側壁に側孔31が設けられることで、血管の内径よりも遥かに小さい血栓吸引カテーテル3を使用するだけで血管の内壁における血栓を除去することを達成できる。また、吸引カテーテル3の先端の開口部又は側孔31のいずれかの口部が血栓によって閉塞されている場合、カテーテルを交換することなくほかの開口部で血栓を吸引し続けることができ、血栓を迅速かつ徹底的に吸引し、失血量を減少させることができる。
【0041】
理解できる点として、側孔31の数について、吸引カテーテル3のサイズ又は使用需要に応じて決定することができ、例えば2つ、3つ、5つ、8つ等であってもよく、好ましくは、側孔31は吸引カテーテル3の異なる側に設けられ、それによってより広範囲の血栓吸引を実現する。
【0042】
ここで、吸引カテーテル3は、3層複合被覆技術を採用しており、内層は、PTFE層であり、抵抗が小さく、血栓の通過に有利であり、中間層は、ステンレス鋼編組構造であり、支持性が高く、プッシュ性が良好で、耐屈曲性があり、外層は、Pebax樹脂であり、生体適合性が良好であり、側孔31の両端には、側孔31の位置を指示できる現像Markerポイントがあり、吸引カテーテル3の先端に、先端の位置を指示できる先端現像セグメントが設けられる。
【0043】
ほかのいくつかの実施形態では、血栓吸引システムは、負圧部材と、コネクタと、をさらに含み、コネクタは、負圧部材と吸引カテーテル3との間に接続され、ここで、負圧部材は負圧吸引ポンプであり、コネクタは回転式又は押下式Y字型弁であり、血液の滲出を効果的に防止することができる。
【0044】
本実施形態に係る血栓吸引システムの動作プロセスは、以下の通りである。
【0045】
まず、切断ガイドワイヤを関連器具に沿って人体の病変部位に送り、次に、吸引カテーテル3を切断ガイドワイヤの尾端に沿って病変部位に挿入し、負圧吸引ポンプをY字型コネクタの側面分岐部に接続して締め付け、切断ガイドワイヤを引き抜き、その後、負圧吸引ポンプによって負圧を加え、圧力を安定化し、圧力が安定した後、カテーテルをゆっくりとプッシュし、回転させ、カテーテルの側孔31を血栓に位置合わせし、血栓を血管内から吸引して体外に除去し、チューブ閉塞が発生した場合、組み合わせて使用される切断ガイドワイヤで血栓の切断を行い、血栓を切断しながら吸引する。
【0046】
明らかに、上記実施例は、明確に説明するための例に過ぎず、実施形態を限定するものではない。当業者であれば、上記説明に基づいてほかの様々な変形や変更をさらに行うことができる。ここではすべての実施形態を列挙する必要も可能性もない。これから派生する明らかな変形や変更も本願の保護範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0047】
1、ガイドワイヤ本体
2、血栓切断部材
21、切断部
22、接続部
23、螺旋部
3、吸引カテーテル
31、側孔
4、カテーテルハンドル
5、ブッシング
6、シースチューブ
【手続補正書】
【提出日】2024-05-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断ガイドワイヤであって、
遠位端が吸引カテーテル(3)内に挿通されるのに適したガイドワイヤ本体(1)と、
前記ガイドワイヤ本体(1)の遠位端に接続され、前記吸引カテーテル(3)内に配置されるのに適し、前記ガイドワイヤ本体(1)の駆動により前記吸引カテーテル(3)内を移動して前記吸引カテーテル(3)内の血栓を切断する切断状態を有する血栓切断部材(2)と、を含み、
前記血栓切断部材(2)は、切断部(21)を含み、前記切断部(21)の断面積は遠位端から近位端への方向に沿って徐々に大きくなることを特徴とする切断ガイドワイヤ。
【請求項2】
前記切断部(21)の側壁面は円錐台面又は放物面であることを特徴とする請求項1に記載の切断ガイドワイヤ。
【請求項3】
前記切断部(21)の周側面に複数の凸部及び/又は複数の凹部が設けられることを特徴とする請求項
1に記載の切断ガイドワイヤ。
【請求項4】
前記血栓切断部材(2)は、前記ガイドワイヤ本体(1)と前記切断部(21)との間に接続される接続部(22)をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の切断ガイドワイヤ。
【請求項5】
前記接続部(22)の断面積は近位端から遠位端への方向に沿って徐々に大きくなることを特徴とする請求項4に記載の切断ガイドワイヤ。
【請求項6】
前記接続部(22)は円錐台構造又は放物面構造であることを特徴とする請求項5に記載の切断ガイドワイヤ。
【請求項7】
前記血栓切断部材(2)は、螺旋部(23)をさらに含み、前記螺旋部(23)は前記接続部(22)に接続され、前記ガイドワイヤ本体(1)は前記螺旋部(23)内に挿通されることを特徴とする請求項
4に記載の切断ガイドワイヤ。
【請求項8】
前記ガイドワイヤ本体(1)の近位端に接続されることで、前記ガイドワイヤ本体(1)を回転駆動するノブをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の切断ガイドワイヤ。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の切断ガイドワイヤを含むことを特徴とする血栓吸引システム。
【請求項10】
負圧部材、コネクタ、切断ガイドワイヤ、吸引カテーテル(3)及びカテーテルハンドル(4)をさらに含み、前記コネクタは前記負圧部材と前記吸引カテーテル(3)との間に接続され、前記カテーテルハンドル(4)は前記吸引カテーテル(3)の近位端に接続され、前記切断ガイドワイヤは前記吸引カテーテル(3)内に配置されるのに適し、前記吸引カテーテル(3)の遠位端の側壁に複数の側孔(31)が設けられることを特徴とする請求項9に記載の血栓吸引システム。
【国際調査報告】